JP3325046B2 - 消弧材料の製法 - Google Patents

消弧材料の製法

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JP3325046B2 JP16735992A JP16735992A JP3325046B2 JP 3325046 B2 JP3325046 B2 JP 3325046B2 JP 16735992 A JP16735992 A JP 16735992A JP 16735992 A JP16735992 A JP 16735992A JP 3325046 B2 JP3325046 B2 JP 3325046B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は耐アーク性に優れ、有
害なアスベスト繊維などを全く含まず、また製法が簡易
な消弧材料の製法に関するものであり、車両用制御器、
電磁接触器、高速度遮断機などに消弧材料として用いら
れ、電路を遮断する際に発生するアークの消滅と熱から
機器を保護する役割を有するものに関するものである。
【0002】
【従来の技術】消弧材料として代表的なものには、特公
昭54−7360号で示されているようにアスベスト繊
維を無機結合剤(例えばホウ酸系,セメント系)などで
結着させたものが多く使用されている。また、それ以外
の材料としては特公昭43−9614号に述べられてい
るマイカと低融ガラスに無機フィラー(酸化マグネシウ
ム)が介在したもの、あるいは種々焼成したセラミック
材料などである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】特公昭54−7360
号で述べられているアスベスト繊維を用いた消弧材料
は、耐熱性,耐アーク性,強度などに優れているがアス
ベストが取扱い上注意を必要とする特定化学物質であ
り、人体の呼吸気管に障害をきたすこと、発ガン性物質
の疑いがあることなどから近年取扱いが安全なポスト・
アスベスト材料へと移行している。又、特公昭43−9
614号ではアスベストが使用されていないが、結合剤
に有害な酸化鉛を多く含むガラスが使用され、アスベス
ト同様取扱いに注意が必要である。また、セラミック系
材料は取扱い上安全な材料であるが、アークが発生し、
急激に加熱されると熱衝撃で破損し易く大事故につなが
る危険性があった。また製造工程において成形品を高温
(1300℃以上)で焼成する必要があり、エネルギー
ロスと寸法収縮を起すため複雑形状品ほど歩留まりが悪
いなどの問題があった。
【0004】この発明は上記のような課題を解決するた
めに成されたものであり、アスベストは全く使用しない
で耐熱性,耐アーク性,耐熱衝撃性に優れた消弧材料を
得ようとするもので、製法もセラミック系の場合のよう
に高温の焼成を必要としない、低温処理で作製可能な寸
法精度に優れた消弧材料の製法を得ることを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る消弧材料の
製法は、雲母粉末5.0〜15.0重量%、耐アーク性
無機粉末35〜60重量%、第1リン酸アルミニウム5
0%水溶液15〜35重量%、ZnO−SiO2 −B2
3 系硬化剤0.75〜10.50重量%、水和アルミ
ニウム10〜20重量%からなる調合物を混ぜて混合材
料を作製する工程と、混合材料中に含有されている第1
リン酸アルミニウム50%水溶液濃度を60〜70%に
調整し成形材料を作製する工程と、成形材料を金型に充
填後加圧力100kg/cm2 以上で加圧成形して成形品を
作製する工程と、成形品を150℃以上で加熱し、成形
品中の水分の除去と硬化を促進させる工程からなるもの
である。又、この発明に係る消弧材料の製法は、雲母粉
末として熱分解温度が高いフッ素金雲母粉末を用い、耐
アーク性無機粉末として酸化アルミニウム粉末、ジルコ
ン粉末ならびにその混合物を用い、第1リン酸アルミニ
ウムとして化学式Al(H2 PO4 3 で示される50
%水溶液を用い、第一リン酸アルミニウムの硬化剤とし
てZnO 50重量%,SiO2 30重量%,H3 BO
3 20重量%からなる混合物を1300℃以上で加熱溶
融後2ZnO・SiO2 (ウィレマイト結晶)を析出さ
せたZnO−SiO2 −B2 3系硬化剤を用い、さら
に水和アルミニウム粉末を用いるものである。
【0006】
【作用】本発明において、雲母粉末は機械加工性と成形
性を容易にするために添加している雲母粉末は熱分解温
度が1100℃以上のフッ素金雲母が最適である。雲母
粉末としては金雲母、白雲母などがあり、熱分解温度は
600〜800℃である。耐アーク性,耐熱性が余り必
要としない用途に用いることは可能であるが、本発明の
用途の場合、アークに触れると熱分解を起し、またガラ
スを形成し易く、シャ断不能になる恐れがある。したが
って、本発明ではフッ素金雲母に限定する。
【0007】上記雲母粉末が5重量%未満の場合、加圧
成形時の成形材料の流動性が劣り、また得られた消弧材
料の機械加工性が劣るため、穴加工,溝加工などが行い
難い。また、15重量%を越える場合には得られる消弧
材料の機械加工性が優れるという利点があるが、耐アー
ク性が劣る結果となり、好ましくない。フッ素金雲母粉
末は、市販されている合成フッ素金雲母粉末であれば上
記組成比率範囲内で好適に用いることができる。
【0008】耐アーク性無機粉末としては、本発明では
酸化アルミニウム粉末,ジルコン粉末またはそれらの混
合粉末を用いた。酸化アルミニウムは耐アーク性,電気
絶縁性に優れ、また結合剤として用いた第一リン酸アル
ミニウムの硬化剤の役割もあり、本発明では好適に用い
られる。ジルコンは耐アーク性にも優れ、低熱膨張性を
有し、消弧材料の耐熱衝撃性を高める効果を有する。ま
た、原料コストが安価である利点も有する。
【0009】耐アーク性無機粉末の組成比率は35〜6
0重量%の範囲である。35重量%未満の場合は、耐ア
ーク性が劣り消弧材料としての特性を保持しない問題が
発生する。また60重量%を越える場合には、耐アーク
性に優れるものの強度が低下し破損し易い。
【0010】第一リン酸アルミニウム50%水溶液を結
合剤として用いる。その組成比率は、15〜35重量%
の範囲で用いる。15重量%未満は、緻密な成形品が得
られ難く、また35重量%を越えると混合粉末が泥奬状
態となり、作業が困難となり、得られた消弧材料の強度
が劣り好ましくない。
【0011】ところで、第一リン酸アルミニウムは既に
知られた材料であり、化学式はAl(H2 PO4 3
示される。このものは特公昭54−7360号公報で述
べられているように500℃未満の加熱では水溶性であ
り、そのため、耐水性、電気絶縁性が劣る。耐水性を発
現させるためには、500℃以上の加熱が必要である。
本発明では、第一リン酸アルミニウムの硬化剤を鋭意究
明した。その結果、150℃付近の加熱で耐水性を付与
できる硬化剤を見い出すにいたり、本発明が完成した。
すなわち、本発明では、第一リン酸アルミニウムの硬化
剤として、酸化亜鉛,シリカ,正ホウ酸を50:30:
20の重量比率に配合し、磁製ルツボに入れ、1300
℃以上で加熱することにより溶融させた後、急冷してと
りだし、ガラスを作製した。つぎに、このガラスを破砕
(100〜150μm程度)し、800℃付近で加熱
し、ウィレマイト結晶(2ZnO・SiO2 )を析出さ
せた。この結晶が析出したものをさらに粉砕し、平均粒
径10μm以下にしたものを硬化剤として用いた。第一
リン酸アルミニウム50%水溶液100重量部に添加す
る硬化剤は、5〜30重量部が最適である。5重量部未
満の場合は耐水性発現温度が硬化剤を用いない場合と大
差がなく、500℃付近の加熱を必要とする。また、3
0重量部を越えると硬化が速くなり、作業時間が短かく
なり、例えば混合材料を作製時に硬化し、固化物とな
り、以後の作業ができないなどの問題が発生する。本発
明の消弧材料の製法においては、第一リン酸アルミニウ
ム50%水溶液を全組成に対して15〜35重量%の範
囲で用いるため、添加するZnO−SiO2 −B2 3
系硬化剤の範囲は、0.75〜10.50重量%とな
る。この範囲で添加した場合、作業時間が十分有り、耐
水性発現温度も150℃付近となり、消弧材料が作製し
易く、かつ耐アーク性、強度、耐熱衝撃性に優れた特性
を有したものとなる。
【0012】本発明では、さらに水和アルミナを用い
る。水和アルミナは第一リン酸アルミニウムを作製する
場合の原料でもあり、アルミナ同様に第一リン酸アルミ
ニウムの硬化剤としても有効であることが考えられる
が、本発明では、先にも述べたように硬化剤としてZn
O−SiO2 −B2 3 系を見い出して使用しているた
め、ここでの水和アルミニウムは、耐アーク性の向上を
図るために用いる。水和アルミニウムは化学式Al(O
H)3 で示され、300℃以上の加熱で酸化アルミニウ
ムとなり、結合水を分解させる。すなわち、水和アルミ
ニウムを含む消弧材料はアーク熱により結合水を放出す
るが、気化熱としてアーク熱を吸収する効果があり、遮
断性能を向上させる。水和アルミニウムの組成比率が1
0%未満の場合は遮断性能が用いない場合と同じで、添
加する効果がない。また20重量%を越えるとアーク熱
により結合水の分解量が多くなり、消弧材料が破損する
などの問題を発生し易い。
【0013】次に、この発明の製法について述べる。ま
ず、先に述べた原料を所定の範囲に調合し、ライカイ機
などの混合機を用いて混ぜ、混合粉末を作製する。混合
粉末(第一リン酸アルミニウム50%水溶液の状態)を
バットなどに広げて充填し、80〜100℃のオーブン
中に入れ、混合粉末中の第一リン酸アルミニウム水溶液
の濃度が60〜70%になるまで余剰の水分を除去し、
成形材料を作製する。本発明では、この作業工程が大切
である。第一リン酸アルミニウム水溶液の濃度が60%
未満の場合、加圧成形時に成形材料が付着し易く、離型
性が劣り、寸法精度の高い成形品が得られ難い。また、
70%を越えると結着力が乏しくなり、また可塑性も発
現しないため、緻密な成形品は得られず、寸法精度も劣
ってくる。つぎに成形材料を所望の形状を有する金型に
充填し、加圧成形する。加圧力は200kg/cm2 が好ま
しい。200kg/cm2 未満の場合、加圧力不足で成形品
のしまりにバラツキが発生する場合がある。本発明では
金型温度は常温で行うが、金型を加熱して行ってもよ
い。このようにして得た成形品を1〜2日間自然放置し
た後オーブンに入れ、150℃まで徐々に加熱して成形
品中の水分除去と硬化を促進させて消弧材料とする。消
弧材料に必要な穴加工、溝加工などの機械加工を施し、
車両用制御器の消弧材料、電磁接触器などの消弧材料と
して使用される。
【0014】本発明においては、前記特定の原料および
組成比率ならびに製法により、耐アーク性、耐熱衝撃性
に優れた消弧材料であって、従来品に使用したアスベス
トを全く含まず、またセラミック系などのように熱で破
損し易いなどの問題を解決した消弧材料を得る作用を示
すものである。
【0015】
【実施例】つぎに実施例により、この発明を具体的に説
明する。
【0016】実施例1 雲母粉末としてフッ素金雲母粉末(トピー工業(株)、
PDM−KG325)を5重量部、耐アーク性無機粉末
としてアルミナ粉末(住友化学(株)、AM−21)2
7.5重量部とジルコン粉末(日陶産業(株)、ジルコ
ンフラワー)27.5重量部、ZnO−SiO2 −B2
3 系硬化剤2.5重量部、第一リン酸アルミニウム5
0%水溶液(米山化学(株))20重量部、水和アルミ
ニウム(昭和電工(株)、H−34L)17.5重量部
からなる混合物200gを調合し、石川式ライカイ機で
30min 間混合して本発明の混合材料を作製した。
【0017】つぎに混合材料をバットに入れ、80℃の
オーブン中で第一リン酸アルミニウムの濃度が65%に
なるまで水分を除去した。(この実施例の場合は混合材
料に含まれる第一リン酸アルミニウム50%水溶液は4
0gであり、20gが水分である。したがって、9.2
3gの水分が除去できれば第一リン酸アルミニウムの濃
度が65%となる。)すなわち、200gの混合材料を
190.77gまで乾燥し、成形材料とした。
【0018】次に、成形材料を幅120mm,長さ120
mm,高さ50mmの金型に充填し、加圧力200kg/cm2
で1min 間成形し、板厚約5.5mmの成形品を得た。こ
の成形品を1日自然放置した後オーブンに入れ、常温か
ら150℃まで0.5℃/min の昇温速度で上げ、3時
間保持した後自然徐冷して消弧材料を得た。
【0019】実施例1で得た消弧材料の特性を調べた。
【0020】曲げ強さは原厚さで幅20mm,長さ100
mmに切断加工して試験片とし、支点間80mm,クロスヘ
ッド速度0.5mm/min 、三点曲げ試験を行った。
【0021】耐アーク性は、原厚さで幅50mm,長さ5
0mmに切断加工したものを試験片としてJISK691
1 5−15項に準じて行った。
【0022】電気絶縁抵抗は原厚さで幅20mm,長さ4
0mmに切断加工したものを試験片として、JISK69
11 5−12項に準じて測定した。測定条件は120
℃−3hr乾燥後と25℃相対湿度80%−100hr後で
行った。測定器は500Vポータブルメガーを用いた。
【0023】測定結果を表1及び表2に示す。
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】実施例2 原料は、実施例1と同じものを使用した。原料の組成比
率は、雲母粉末15重量部、耐アーク性無機粉末35重
量部(アルミナ粉末17.5重量部,ジルコン粉末1
7.5重量部)、第一リン酸アルミニウム50%水溶液
30重量部、ZnO−SiO2 −B2 3 系硬化剤6重
量部、水和アルミニウム14重量部とした。以下実施例
1と同様にして消弧材料を作製した。
【0026】実施例2で得た消弧材料を実施例1と同じ
試験を行った。測定結果を表1及び表2に示す。
【0027】実施例3 原料は、実施例1と同じものを使用した。原料の組成比
率は雲母粉末5重量部、耐アーク性無機粉末35重量部
(アルミナ粉末17.5重量部,ジルコン粉末17.5
重量部)、第一リン酸アルミニウム50%水溶液35重
量部、ZnO−SiO2 −B2 3 系硬化剤10.5重
量部、水和アルミニウム14.5重量部である。以下、
実施例1と同様にして消弧材料を作製した。
【0028】実施例3で得た消弧材料を実施例1と同じ
試験を行った。測定結果を表1及び表2に示す。
【0029】実施例4 原料は実施例1と同じものを使用した。原料の組成比率
は雲母粉末10.5重量部、耐アーク性無機粉末60重
量部(アルミナ粉末30重量部,ジルコン粉末30重量
部)、第一リン酸アルミニウム50%水溶液15重量
部、ZnO−SiO2 −B2 3 系硬化剤4.5重量
部、水和アルミニウム10重量部である。
【0030】実施例1と同様にして混合材料200gを
作製した。
【0031】混合材料をバットに入れ、80℃のオーブ
ン中で第一リン酸アルミニウムの濃度が60%になるま
で水分を除去した。(この実施例の場合は、混合材料に
含まれる第一リン酸アルミニウム50%水溶液が30g
であり、15gが水分である。したがって、5gの水分
が除去できれば第一リン酸アルミニウムの濃度が60%
になる。)すなわち、200gの混合材料が195gに
なるまで乾燥し、成形材料とした。
【0032】成形材料を実施例1と同様に成形,乾燥し
て消弧材料を作製し、実施例4で得た消弧材料を実施例
1と同じ試験を行った。測定結果を表1及び表2に示
す。
【0033】実施例5 原料は実施例1と同じものを使用した。原料の組成比率
は雲母粉末8重量部、耐アーク性無機粉末43.25重
量部(アルミナ粉末21.63重量部,ジルコン粉末2
1.62重量部)、第一リン酸アルミニウム50%水溶
液25重量部、ZnO−SiO2 −B2 3 系硬化剤
3.75重量部、水和アルミニウム20重量部である。
【0034】実施例1と同様にして混合材料200gを
作製した。
【0035】混合材料をバットに入れ、80℃のオーブ
ン中で第一リン酸アルミニウムの濃度が70%になるま
で水分を除去した。(この実施例の場合は、混合材料に
含まれる第一リン酸アルミニウム50%水溶液が50g
であり、25gが水分である。したがって、10.71
gの水分が除去できれば第一リン酸アルミニウムの濃度
が70%になる。)すなわち、200gの混合材料が1
89.29kgになるまで乾燥し、成形材料とした。
【0036】成形材料を実施例1と同様にして成形品を
得たが、加圧力は500kg/cm2 とした。
【0037】得られた成形品を実施例1と同様にし15
0℃まで乾燥し消弧材料を作製した。
【0038】実施例5で得た消弧材料を実施例1と同様
にして試験を行い、特性を調べた。測定結果を表1及び
表2に示す。
【0039】実施例6 原料は実施例1と同じものを使用した。原料の組成比率
は雲母粉末12重量部、耐アーク性無機粉末56.4重
量部(ジルコン粉末)、第一リン酸アルミニウム50%
水溶液18重量部、ZnO−SiO2 −B2 3 系硬化
剤3.60重量部、水和アルミニウム10重量部であ
る。
【0040】以下実施例1と同様にして混合材料→成形
材料→成形品の順に作製し、成形品を150℃で乾燥し
て消弧材料を作製した。
【0041】実施例6で得た消弧材料を実施例1と同様
にして試験を行い、特性を調べた。測定結果を表1及び
表2に示す。
【0042】実施例7 実施例6の耐アーク性無機粉末をジルコン粉末にかえて
アルミナ粉末にした以外は実施例6と同じにして消弧材
料を作製した。
【0043】実施例7で得た消弧材料を実施例1と同様
にして試験を行い、特性を調べた。測定結果を表1及び
表2に示す。
【0044】実施例8 実施例5で示す成形材料を用いて、図1に示す形状品を
作製した。1,1′は消弧材料、2,2′はグリッドで
ある。次に従来品に使用していた金型を用いて加圧力3
00kg/cm2 で1min 間成形した。凹凸部まで均一に成
形でき、複雑形状品の成形も可能であることを確認し
た。つぎにこの成形品を実施例5と同様に150℃まで
乾燥した。次にこの2枚の消弧材料1,1′を組み合わ
せて消弧材料を形成し、254V1000Aの試験条件
で1万回遮断を繰返した。
【0045】その結果、アーク遮断時間(アークが消滅
する時間)が5〜8msと従来品(アスベスト系材料の場
合は15〜20ms)に比べ優れた遮断性能を示した。ま
た、アークに接触した部分を観察したが、損耗が少なく
良好であった。
【0046】比較例1 厚さ約5mmのアスベスト系材料(アスベスト40重量部
とポルトランドセメント60重量部から構成された成形
品)の特性を調べた。特性を評価し、表1及び表2に示
す。
【0047】比較例2 特公昭43−9614で示されるマイカーガラス系材料
を、実施例にもとずき厚さ約5mmの板を作製し評価し
た。その組成は金雲母粉末45.5重量%、低融点ガラ
ス粉末19.5重量%、電融酸化マグネシウム35重量
%である。特性を評価し、表1及び表2に示す。
【0048】比較例3 厚さ約5mmのアルミナ磁器を用いて特性を調べた。(ア
ルミナ含有率96%,熱膨張率が8.3×10-6/℃の
もの)特性を評価し表1及び表2に示す。
【0049】表1の結果から明らかなように、本発明は
比較例1のアスベスト、比較例2の酸化鉛などの有害物
質を含まない。特性面でみると、比較例1は強度、耐ア
ーク性に優れるものの電気絶縁抵抗、特に吸湿時に劣
る。これは、セメントが吸湿し、水酸化カルシウムなど
が生成されるためと考えられる。比較例2は強度,電気
絶縁抵抗に優れるものの耐アーク性がやや劣る。比較例
3は強度・電気絶縁抵抗,耐アーク性に優れているが、
耐熱衝撃性が劣るため、アーク測定時、あるいは、測定
後に音をたてて破損した。
【0050】
【発明の効果】したがって、本発明品は有害物質を含ま
ないため取扱い上安全であり、消弧材料としての特性を
十分具備し、アークに触れても破損しない消弧材料を提
供するものである。また、コスト面も従来品の製法より
容易であり、セラミック系材料のように高温処理も必要
でないため低コストに生産できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の消弧材料で作製した消弧材料構造の一
部断面図である。
【符号の説明】
1,1′ 消弧材料 2,2′ グリッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤井 範昭 兵庫県三田市三輪二丁目6番1号 菱電 化成株式会社内 (72)発明者 池田 泰彦 兵庫県三田市三輪二丁目6番1号 菱電 化成株式会社内 (72)発明者 村上 忠禧 兵庫県尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機株式会社 生産技術研究所内 (72)発明者 杉浦 洋 愛知県名古屋市東区矢田南五丁目1番14 号 三菱電機株式会社 名古屋製作所内 (72)発明者 池田 幸作 愛知県名古屋市東区矢田南五丁目1番14 号 三菱電機株式会社 名古屋製作所内 (56)参考文献 特開 平5−43294(JP,A) 特開 昭57−187827(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01B 19/00 H01H 33/00 H01H 73/18 C04B 35/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 雲母粉末5.0〜15.0重量%、耐ア
    ーク性無機粉末35〜60重量%、第一リン酸アルミニ
    ウム50%水溶液15〜35重量%、ZnO−SiO2
    −B2 3 系硬化剤0.75〜10.50重量%、水和
    アルミニウム10〜20重量%から構成された調合物を
    混ぜ、混合材料を作製する工程と、混合材料中に含有さ
    れている第一リン酸アルミニウム50%水溶液濃度を6
    0〜70%に調整し成形材料を作製する工程と、成形材
    料を金型に充填後常温で加圧成形して成形品を作製する
    工程と、 成形品を150℃以上で加熱し成形品中の水分の除去と
    硬化を促進させる工程からなる消弧材料の製法。
  2. 【請求項2】 雲母粉末として熱分解温度の高いフッ素
    金雲母粉末を用い、耐アーク性無機粉末として酸化アル
    ミニウム粉末,ジルコン粉末ならびにその混合物を用
    い、第一リン酸アルミニウムとしては化学式Al(H2
    PO4 3 で示される50%水溶液を用い、 第一リン酸アルミニウムの硬化剤としてZnO 50重
    量%,SiO2 30重量%,H3BO3 20重量%から
    なる混合物を1300℃以上で加熱溶融後2ZnO・S
    iO2 (ウィレマイト結晶)を析出させたZnO−Si
    2 −B2 3系硬化剤を用い、さらに水和アルミニウ
    ム粉末を用いることを特徴とする請求項1記載の消弧材
    料の製法。
JP16735992A 1992-06-25 1992-06-25 消弧材料の製法 Expired - Fee Related JP3325046B2 (ja)

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