JPS6116128B2 - - Google Patents
Info
- Publication number
- JPS6116128B2 JPS6116128B2 JP941281A JP941281A JPS6116128B2 JP S6116128 B2 JPS6116128 B2 JP S6116128B2 JP 941281 A JP941281 A JP 941281A JP 941281 A JP941281 A JP 941281A JP S6116128 B2 JPS6116128 B2 JP S6116128B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- powder
- mesh
- particle size
- temperature
- inorganic
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired
Links
- 239000000843 powder Substances 0.000 claims description 41
- XLOMVQKBTHCTTD-UHFFFAOYSA-N Zinc monoxide Chemical compound [Zn]=O XLOMVQKBTHCTTD-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims description 28
- 239000000463 material Substances 0.000 claims description 17
- 229920005989 resin Polymers 0.000 claims description 16
- 239000011347 resin Substances 0.000 claims description 16
- KGBXLFKZBHKPEV-UHFFFAOYSA-N boric acid Chemical compound OB(O)O KGBXLFKZBHKPEV-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims description 15
- 239000011787 zinc oxide Substances 0.000 claims description 14
- 239000004327 boric acid Substances 0.000 claims description 13
- 239000011521 glass Substances 0.000 claims description 12
- 238000000465 moulding Methods 0.000 claims description 12
- 239000002131 composite material Substances 0.000 claims description 10
- 238000010438 heat treatment Methods 0.000 claims description 10
- 239000012784 inorganic fiber Substances 0.000 claims description 9
- 239000000203 mixture Substances 0.000 claims description 9
- 239000011230 binding agent Substances 0.000 claims description 7
- 239000000155 melt Substances 0.000 claims description 6
- 239000012212 insulator Substances 0.000 claims description 5
- 239000002245 particle Substances 0.000 description 20
- 229960002645 boric acid Drugs 0.000 description 15
- 235000010338 boric acid Nutrition 0.000 description 15
- 239000011148 porous material Substances 0.000 description 13
- XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N water Substances O XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 11
- 239000000654 additive Substances 0.000 description 9
- 239000004734 Polyphenylene sulfide Substances 0.000 description 8
- 238000010292 electrical insulation Methods 0.000 description 8
- 239000010445 mica Substances 0.000 description 8
- 229910052618 mica group Inorganic materials 0.000 description 8
- 229920000069 polyphenylene sulfide Polymers 0.000 description 8
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 7
- 230000000996 additive effect Effects 0.000 description 6
- 238000010521 absorption reaction Methods 0.000 description 4
- YGANSGVIUGARFR-UHFFFAOYSA-N dipotassium dioxosilane oxo(oxoalumanyloxy)alumane oxygen(2-) Chemical compound [O--].[K+].[K+].O=[Si]=O.O=[Al]O[Al]=O YGANSGVIUGARFR-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 4
- 229910052627 muscovite Inorganic materials 0.000 description 4
- 230000000052 comparative effect Effects 0.000 description 3
- 239000000835 fiber Substances 0.000 description 3
- 238000009413 insulation Methods 0.000 description 3
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 description 3
- 238000002844 melting Methods 0.000 description 3
- 230000008018 melting Effects 0.000 description 3
- 238000000034 method Methods 0.000 description 3
- JKWMSGQKBLHBQQ-UHFFFAOYSA-N diboron trioxide Chemical compound O=BOB=O JKWMSGQKBLHBQQ-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 239000000945 filler Substances 0.000 description 2
- 238000002156 mixing Methods 0.000 description 2
- VGTPKLINSHNZRD-UHFFFAOYSA-N oxoborinic acid Chemical compound OB=O VGTPKLINSHNZRD-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 239000000126 substance Substances 0.000 description 2
- BIKXLKXABVUSMH-UHFFFAOYSA-N trizinc;diborate Chemical compound [Zn+2].[Zn+2].[Zn+2].[O-]B([O-])[O-].[O-]B([O-])[O-] BIKXLKXABVUSMH-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 229910019142 PO4 Inorganic materials 0.000 description 1
- -1 PbO0.7 mol Substances 0.000 description 1
- 229910004298 SiO 2 Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000010425 asbestos Substances 0.000 description 1
- 238000005452 bending Methods 0.000 description 1
- 125000005619 boric acid group Chemical group 0.000 description 1
- 150000004649 carbonic acid derivatives Chemical class 0.000 description 1
- 239000004568 cement Substances 0.000 description 1
- 239000000919 ceramic Substances 0.000 description 1
- 239000003086 colorant Substances 0.000 description 1
- 238000002485 combustion reaction Methods 0.000 description 1
- 238000007796 conventional method Methods 0.000 description 1
- 230000002542 deteriorative effect Effects 0.000 description 1
- 238000001035 drying Methods 0.000 description 1
- 239000004744 fabric Substances 0.000 description 1
- 238000011049 filling Methods 0.000 description 1
- 239000003365 glass fiber Substances 0.000 description 1
- 239000000156 glass melt Substances 0.000 description 1
- 150000004679 hydroxides Chemical class 0.000 description 1
- 229910010272 inorganic material Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000011147 inorganic material Substances 0.000 description 1
- 239000005355 lead glass Substances 0.000 description 1
- 239000011159 matrix material Substances 0.000 description 1
- 229910044991 metal oxide Inorganic materials 0.000 description 1
- 150000004706 metal oxides Chemical class 0.000 description 1
- 238000005192 partition Methods 0.000 description 1
- 230000000149 penetrating effect Effects 0.000 description 1
- 239000013034 phenoxy resin Substances 0.000 description 1
- 229920006287 phenoxy resin Polymers 0.000 description 1
- 235000021317 phosphate Nutrition 0.000 description 1
- 150000003013 phosphoric acid derivatives Chemical class 0.000 description 1
- 229920002492 poly(sulfone) Polymers 0.000 description 1
- 238000002360 preparation method Methods 0.000 description 1
- 230000003014 reinforcing effect Effects 0.000 description 1
- 239000012779 reinforcing material Substances 0.000 description 1
- 229910052895 riebeckite Inorganic materials 0.000 description 1
- 238000010998 test method Methods 0.000 description 1
- 210000002268 wool Anatomy 0.000 description 1
Landscapes
- Inorganic Insulating Materials (AREA)
- Insulating Bodies (AREA)
Description
この発明は耐熱性、不燃性を有し、かつ電気絶
縁性の優れた耐熱複合絶縁物に関するもので、本
発明の絶縁物は、例えば電気炉などの絶縁スペー
サー、絶縁ワツシヤ、さらには車輌用電気機器な
どの絶縁仕切板絶縁座、アークが発生する個所に
使用する消弧材料などに好適に適用できる。 ところで無機質繊維および/または無機質紛末
からなる基材にホウ酸と酸化亜鉛からなる結着剤
を組合わせた絶縁基材を160〜200℃の加熱温度、
50〜300Kg/cm2の加圧力で成形して得る複合材料
の製造方法は、例えば特公昭54−7359号公報等で
知られている。 本発明者らが検討した結果によれば、マトリツ
クス効果を発揮するのはホウ酸であり、ホウ酸が
加熱加圧されることにより、例えばメタホウ酸な
どに熱変化する際溶融し、同時に混入されている
酸化亜鉛と反応し含水ホウ酸亜鉛塩を形成するこ
とにより、補強材料としての無機質繊維またはマ
イカなどの無機質紛末を結着させ、耐水性の優れ
たものを得ている。本書においては上記ホウ酸及
び酸化亜鉛を結着剤といい、上記無機質繊維また
は無機質紛末を基材という。 含水ホウ酸亜鉛塩としては、特に2ZnO・
3B2O3・3H2Oなどが確認される。この種の複合
材料は、耐熱性、不燃性に優れたものであり、か
つ従来公知の無機質系結合材、例えばセメント、
リン酸塩などを用いた複合材料に較べると、特に
多湿条件下の電気絶縁性の優れた特性を有し、し
かも200℃程度の加熱温度で複合可能であるな
ど、製造面でも有利な材料である。 ところが前記特許公報でも記載されているよう
に、複合材料は無気孔ではなく、水などの溶液に
長時間浸漬すると、溶液が3〜5wt%含浸され
る。この事は当然気孔を有したものでありしかも
貫通気孔を有する。貫通気孔が介在すると、例え
ば水などに触れると気孔内部に水が吸水または吸
着され、電気絶縁性、特に電気絶縁抵抗などは急
激に低下する。 従来の複合材料に気孔が介在する理由は、ホウ
酸を主体とした結合材を用いているため、熱変化
していく際、構造水などを放出し、これらが飛散
した場合気孔が残つていくものと考えられる。 また従来品の加熱減量(水分)は200℃までに
大部分が飛散する。本発明者らは、従来品の耐熱
性、不燃性は劣化させず、電気絶縁性を著しく改
善しようと鋭意究明した結果、200℃以上で溶融
する樹脂紛末またはガラス紛末からなる添加物を
従来品に配合することにより、従来品の加熱にお
いて発生する気孔が減少しもしくは貫通気孔の無
いものが得られることを見出し、この発明を完成
するに至つた。 本発明の耐熱複合絶縁物は無機質繊維または無
機質紛末からなる基材とホウ酸、酸化亜鉛からな
る結着剤との合計量100重量部に対し、200℃以上
で溶融する樹脂紛末またはガラス紛末(以下、添
加物という)5〜30重量部配合したものを常法に
より、例えば加熱加圧成形(例えば加熱温度160
〜200℃、加圧力50〜300Kg/cm2)後、樹脂紛末ま
たはガラス紛末の溶融温度以上に加熱処理する等
の方法により容易に得ることができる。この場合
上記の樹脂紛末またはガラス紛末は単なる充填剤
として複合され、結着効果は従来品と同じホウ酸
と酸化亜鉛により得られている。 例えば上記添加物としてポリフエニレンサルフ
アイド樹脂紛末(P.P.S.樹脂)などを用いたもの
を加熱加圧成形後、300℃以上の温度で加熱処理
することにより、ホウ酸等の熱変化に伴なう水分
の飛散で生じた気孔に上記P.P.S.樹脂が溶融また
は流入し、気孔を埋めてしまう。またこのP.P.S.
樹脂自体は耐熱性、不燃性に富むため無機質系材
料が大部分の本発明品は耐熱性はもちろん不燃性
に優れたものとなりかつ気孔がほとんど無いため
特に高湿度中の電気絶縁性の著しく向上したもの
となる。また上記添加物として500〜600℃で溶融
する鉛ガラスなどの紛末を用いた場合も、加熱処
理温度をガラスが溶融する温度にすることにより
同じ結果を得る。 ところで上記添加物の配合量が5重量部未満で
あると気孔を十分小さくすることは出来ず本発明
の効果は余り期待できない。一方30重量部以上で
あるとこれらは成形時結着効果を有さないため
(単に充填剤として働く)、ホウ酸の結着効果が薄
らぎ、従来の成形温度では強度を有する絶縁物を
得ることは困難となり好ましくない。すなわち成
形時に従来と同様程度の強度品を得ないと、以後
配合した添加物の溶融する温度で加熱処理をして
も、満足しうるものが得られない。したがつて加
熱加圧成形時にホウ酸と酸化亜鉛により無機質繊
維などを従来品と同様に結着させることが必要で
ある。なお上記基材と上記結着剤との配合割合は
特に限定されず、従来と同様に選ぶことができ
る。 また、加圧成形時の温度を上記添加物の溶融す
る温度以上にすることも可能であるが例えば、上
記添加物がガラス紛末などの場合は金型を例えば
500〜600℃と上げて成形することになり、製造工
程が複雑となりかつ価格が高いものとなるので、
このような場合には160〜200℃の低い成形温度で
複合せしめた後、所要の温度で加熱処理を行なう
のが有利である。 本発明の耐熱絶縁物は金型を変更することによ
り所望の形状のものを容易に得ることができる。 ところで本発明に用いる材料についてである
が、ホウ酸は正ホウ酸または正ホウ酸とメタ硼酸
の混合物、もしくは正ホウ酸と無水ホウ酸の混合
物などを用いることができる。酸化亜鉛は通常市
敗されているものを特別な制限なく用いることが
できる。 無機質繊維としては、ガラス繊維(チヨツプド
ストランド)、アスベスト繊維(ウール)、各種セ
ラミツクフアイバなど、電気絶縁性を有し、かつ
補強効果を有するものであれば単独または二種以
上のものを組合せて有効に用いることができる。
無機質紛末としてはマイカ紛末を主とし、その他
電気絶縁性を有する金属酸化物またはそれらの水
酸化物、炭酸塩などを要求特性に応じて選択して
単独または二種以上のものを組合せて用いること
ができる。上記無機質紛末と繊維とは併用するこ
ともできる。また必要に応じて着色材などを加え
ることもできる。 本発明に用いる上記添加物のうち樹脂紛末とし
ては、例えばポリフエニレンサルフアイド樹脂紛
末、ポリサルフオン樹脂紛末、フエノキシ樹脂紛
末などが好ましい例として挙げられる。ガラス紛
末として比較的低融点のもの、例えばPbO−
B2O3系ガラスなどが特に好ましく用いることが
できるが、特にこれに限定されず、無機繊維およ
び無機質紛末とホウ酸および酸化亜鉛で構成され
た型造物が溶融変形しない温度例えばマイカ紛末
を用いた場合などは800℃まで変形しないため、
それまでに溶融するガラス紛末であれば使用可能
である。 つぎに代表的な実施例および比較例によりさら
に詳細に説明する。 実施例 1 天然雲母紛末(白雲母粒度60〜100メツシユ)、
304.3g、H3BO3(粒度40〜80メツシユ)71.5
g、B2O3(粒度40〜80メツシユ)16.1g、ZnO
(粒度300メツシユ以下)42.8gをボールミルで30
分間混合し、絶縁基材とした。ついでポリフエニ
レンサルフアイド樹脂紛末(粒度200メツシユ以
下)を60.4g加え10分間ボールミルで混合したも
のを調製した。 つぎに調製物を高さ80mm、幅200mm、長さ200mm
の金型内に入れ、180℃に昇温している熱盤間に
挿入し、加圧力300Kg/cm2で30分間加熱加圧成形
した。除圧後金型よりとりだし、厚さ約5mm幅
200mm、長さ200mmの型造物を得た。 この型造物を常温より3℃/mmの昇温速度で
350℃まで上げ5時間保持後電気炉よりとりだし
本発明品を得た。 実施例 2 天然雲母紛末(白雲母粒度60〜100メツシユ)
333.3g、H3BO3(粒度40〜80メツシユ)78.2
g、B2O3(粒度40〜80メツシユ)17.7g、ZnO
(粒度300メツシユ以下)46.5gを実施例1と同様
にボールミルで30分間混合し、絶縁基材とした。
ついでポリフエニレンサルフアイド樹脂紛末(粒
度200メツシユ以下)を23.8g加え10分間混合し
たものを調製した。 以下実施例1と同様にして厚さ約5mm、幅200
mm、長さ200mmの本発明品を得た。 実施例 3 天然雲母紛末(白雲母、粒度60〜100メツシ
ユ)269.4g、H3BO3(粒度40〜80メツシユ)
63.2gB2O3(粒度40〜80メツシユ)14.2g、ZnO
(粒度300メツシユ以下)37.9gをボールミルで30
分間混合し絶縁基材とした。ついでポリフエニレ
ンサルフアイド樹脂紛末(粒度200メツシユ以
下)を115.8g加え10分間混合したものを調製し
た。 以下実施例1と同様にして厚さ約5mm、幅200
mm長さ200mmの本発明品を得た。 実施例 4 実施例3と同じであるが樹脂紛末に代えて、ガ
ラス紛末としてPbO0.7モル、ZnO0.3モル、
B2O30.5モル、SiO20.5モルからなるPbO−B2O3系
のガラス(軟化温度420℃、粒度100〜200メツシ
ユ)を用い、以下実施例4に従い、厚さ4.5mm、
幅200mm、長さ200mmの型造物を得た。 この型造物を常温より3℃/mmの昇温速度で
550℃まで上げ5時間保持後電気炉よりとりだし
本発明品を得た。 比較例 天然雲母紛末(白雲母粒度60〜100メツシユ)
350g、H3BO3(粒度40〜80メツシユ)82.2g
B2O3(粒度40〜80メツシユ)18.5g、ZnO(粒度
300メツシユ以下)49.3gをボールミルで30分間
混合し絶縁基材とした。以下実施例1と同様にし
て厚さ約5mm幅200mm長さ200mmの型造物を2枚作
成した。加熱処理は350℃と550Kgでいずれも5時
間保持して得て、比較試料とした。 つぎに実施例および比較例で得た型造物の特性
を第1表に比較して示す。
縁性の優れた耐熱複合絶縁物に関するもので、本
発明の絶縁物は、例えば電気炉などの絶縁スペー
サー、絶縁ワツシヤ、さらには車輌用電気機器な
どの絶縁仕切板絶縁座、アークが発生する個所に
使用する消弧材料などに好適に適用できる。 ところで無機質繊維および/または無機質紛末
からなる基材にホウ酸と酸化亜鉛からなる結着剤
を組合わせた絶縁基材を160〜200℃の加熱温度、
50〜300Kg/cm2の加圧力で成形して得る複合材料
の製造方法は、例えば特公昭54−7359号公報等で
知られている。 本発明者らが検討した結果によれば、マトリツ
クス効果を発揮するのはホウ酸であり、ホウ酸が
加熱加圧されることにより、例えばメタホウ酸な
どに熱変化する際溶融し、同時に混入されている
酸化亜鉛と反応し含水ホウ酸亜鉛塩を形成するこ
とにより、補強材料としての無機質繊維またはマ
イカなどの無機質紛末を結着させ、耐水性の優れ
たものを得ている。本書においては上記ホウ酸及
び酸化亜鉛を結着剤といい、上記無機質繊維また
は無機質紛末を基材という。 含水ホウ酸亜鉛塩としては、特に2ZnO・
3B2O3・3H2Oなどが確認される。この種の複合
材料は、耐熱性、不燃性に優れたものであり、か
つ従来公知の無機質系結合材、例えばセメント、
リン酸塩などを用いた複合材料に較べると、特に
多湿条件下の電気絶縁性の優れた特性を有し、し
かも200℃程度の加熱温度で複合可能であるな
ど、製造面でも有利な材料である。 ところが前記特許公報でも記載されているよう
に、複合材料は無気孔ではなく、水などの溶液に
長時間浸漬すると、溶液が3〜5wt%含浸され
る。この事は当然気孔を有したものでありしかも
貫通気孔を有する。貫通気孔が介在すると、例え
ば水などに触れると気孔内部に水が吸水または吸
着され、電気絶縁性、特に電気絶縁抵抗などは急
激に低下する。 従来の複合材料に気孔が介在する理由は、ホウ
酸を主体とした結合材を用いているため、熱変化
していく際、構造水などを放出し、これらが飛散
した場合気孔が残つていくものと考えられる。 また従来品の加熱減量(水分)は200℃までに
大部分が飛散する。本発明者らは、従来品の耐熱
性、不燃性は劣化させず、電気絶縁性を著しく改
善しようと鋭意究明した結果、200℃以上で溶融
する樹脂紛末またはガラス紛末からなる添加物を
従来品に配合することにより、従来品の加熱にお
いて発生する気孔が減少しもしくは貫通気孔の無
いものが得られることを見出し、この発明を完成
するに至つた。 本発明の耐熱複合絶縁物は無機質繊維または無
機質紛末からなる基材とホウ酸、酸化亜鉛からな
る結着剤との合計量100重量部に対し、200℃以上
で溶融する樹脂紛末またはガラス紛末(以下、添
加物という)5〜30重量部配合したものを常法に
より、例えば加熱加圧成形(例えば加熱温度160
〜200℃、加圧力50〜300Kg/cm2)後、樹脂紛末ま
たはガラス紛末の溶融温度以上に加熱処理する等
の方法により容易に得ることができる。この場合
上記の樹脂紛末またはガラス紛末は単なる充填剤
として複合され、結着効果は従来品と同じホウ酸
と酸化亜鉛により得られている。 例えば上記添加物としてポリフエニレンサルフ
アイド樹脂紛末(P.P.S.樹脂)などを用いたもの
を加熱加圧成形後、300℃以上の温度で加熱処理
することにより、ホウ酸等の熱変化に伴なう水分
の飛散で生じた気孔に上記P.P.S.樹脂が溶融また
は流入し、気孔を埋めてしまう。またこのP.P.S.
樹脂自体は耐熱性、不燃性に富むため無機質系材
料が大部分の本発明品は耐熱性はもちろん不燃性
に優れたものとなりかつ気孔がほとんど無いため
特に高湿度中の電気絶縁性の著しく向上したもの
となる。また上記添加物として500〜600℃で溶融
する鉛ガラスなどの紛末を用いた場合も、加熱処
理温度をガラスが溶融する温度にすることにより
同じ結果を得る。 ところで上記添加物の配合量が5重量部未満で
あると気孔を十分小さくすることは出来ず本発明
の効果は余り期待できない。一方30重量部以上で
あるとこれらは成形時結着効果を有さないため
(単に充填剤として働く)、ホウ酸の結着効果が薄
らぎ、従来の成形温度では強度を有する絶縁物を
得ることは困難となり好ましくない。すなわち成
形時に従来と同様程度の強度品を得ないと、以後
配合した添加物の溶融する温度で加熱処理をして
も、満足しうるものが得られない。したがつて加
熱加圧成形時にホウ酸と酸化亜鉛により無機質繊
維などを従来品と同様に結着させることが必要で
ある。なお上記基材と上記結着剤との配合割合は
特に限定されず、従来と同様に選ぶことができ
る。 また、加圧成形時の温度を上記添加物の溶融す
る温度以上にすることも可能であるが例えば、上
記添加物がガラス紛末などの場合は金型を例えば
500〜600℃と上げて成形することになり、製造工
程が複雑となりかつ価格が高いものとなるので、
このような場合には160〜200℃の低い成形温度で
複合せしめた後、所要の温度で加熱処理を行なう
のが有利である。 本発明の耐熱絶縁物は金型を変更することによ
り所望の形状のものを容易に得ることができる。 ところで本発明に用いる材料についてである
が、ホウ酸は正ホウ酸または正ホウ酸とメタ硼酸
の混合物、もしくは正ホウ酸と無水ホウ酸の混合
物などを用いることができる。酸化亜鉛は通常市
敗されているものを特別な制限なく用いることが
できる。 無機質繊維としては、ガラス繊維(チヨツプド
ストランド)、アスベスト繊維(ウール)、各種セ
ラミツクフアイバなど、電気絶縁性を有し、かつ
補強効果を有するものであれば単独または二種以
上のものを組合せて有効に用いることができる。
無機質紛末としてはマイカ紛末を主とし、その他
電気絶縁性を有する金属酸化物またはそれらの水
酸化物、炭酸塩などを要求特性に応じて選択して
単独または二種以上のものを組合せて用いること
ができる。上記無機質紛末と繊維とは併用するこ
ともできる。また必要に応じて着色材などを加え
ることもできる。 本発明に用いる上記添加物のうち樹脂紛末とし
ては、例えばポリフエニレンサルフアイド樹脂紛
末、ポリサルフオン樹脂紛末、フエノキシ樹脂紛
末などが好ましい例として挙げられる。ガラス紛
末として比較的低融点のもの、例えばPbO−
B2O3系ガラスなどが特に好ましく用いることが
できるが、特にこれに限定されず、無機繊維およ
び無機質紛末とホウ酸および酸化亜鉛で構成され
た型造物が溶融変形しない温度例えばマイカ紛末
を用いた場合などは800℃まで変形しないため、
それまでに溶融するガラス紛末であれば使用可能
である。 つぎに代表的な実施例および比較例によりさら
に詳細に説明する。 実施例 1 天然雲母紛末(白雲母粒度60〜100メツシユ)、
304.3g、H3BO3(粒度40〜80メツシユ)71.5
g、B2O3(粒度40〜80メツシユ)16.1g、ZnO
(粒度300メツシユ以下)42.8gをボールミルで30
分間混合し、絶縁基材とした。ついでポリフエニ
レンサルフアイド樹脂紛末(粒度200メツシユ以
下)を60.4g加え10分間ボールミルで混合したも
のを調製した。 つぎに調製物を高さ80mm、幅200mm、長さ200mm
の金型内に入れ、180℃に昇温している熱盤間に
挿入し、加圧力300Kg/cm2で30分間加熱加圧成形
した。除圧後金型よりとりだし、厚さ約5mm幅
200mm、長さ200mmの型造物を得た。 この型造物を常温より3℃/mmの昇温速度で
350℃まで上げ5時間保持後電気炉よりとりだし
本発明品を得た。 実施例 2 天然雲母紛末(白雲母粒度60〜100メツシユ)
333.3g、H3BO3(粒度40〜80メツシユ)78.2
g、B2O3(粒度40〜80メツシユ)17.7g、ZnO
(粒度300メツシユ以下)46.5gを実施例1と同様
にボールミルで30分間混合し、絶縁基材とした。
ついでポリフエニレンサルフアイド樹脂紛末(粒
度200メツシユ以下)を23.8g加え10分間混合し
たものを調製した。 以下実施例1と同様にして厚さ約5mm、幅200
mm、長さ200mmの本発明品を得た。 実施例 3 天然雲母紛末(白雲母、粒度60〜100メツシ
ユ)269.4g、H3BO3(粒度40〜80メツシユ)
63.2gB2O3(粒度40〜80メツシユ)14.2g、ZnO
(粒度300メツシユ以下)37.9gをボールミルで30
分間混合し絶縁基材とした。ついでポリフエニレ
ンサルフアイド樹脂紛末(粒度200メツシユ以
下)を115.8g加え10分間混合したものを調製し
た。 以下実施例1と同様にして厚さ約5mm、幅200
mm長さ200mmの本発明品を得た。 実施例 4 実施例3と同じであるが樹脂紛末に代えて、ガ
ラス紛末としてPbO0.7モル、ZnO0.3モル、
B2O30.5モル、SiO20.5モルからなるPbO−B2O3系
のガラス(軟化温度420℃、粒度100〜200メツシ
ユ)を用い、以下実施例4に従い、厚さ4.5mm、
幅200mm、長さ200mmの型造物を得た。 この型造物を常温より3℃/mmの昇温速度で
550℃まで上げ5時間保持後電気炉よりとりだし
本発明品を得た。 比較例 天然雲母紛末(白雲母粒度60〜100メツシユ)
350g、H3BO3(粒度40〜80メツシユ)82.2g
B2O3(粒度40〜80メツシユ)18.5g、ZnO(粒度
300メツシユ以下)49.3gをボールミルで30分間
混合し絶縁基材とした。以下実施例1と同様にし
て厚さ約5mm幅200mm長さ200mmの型造物を2枚作
成した。加熱処理は350℃と550Kgでいずれも5時
間保持して得て、比較試料とした。 つぎに実施例および比較例で得た型造物の特性
を第1表に比較して示す。
【表】
【表】
試験方法であるが吸水率は原厚さのまま幅50mm
長さ50mmに切断したものを試料とし、150℃で4
時間乾燥後重量を測定し純水中で24時間浸漬させ
た後、布などで拭きとり、再び重量を測定し、増
加重量を吸水量として元の重量との比率(%)で
算出し吸水率とした。吸水率値の大きいものほど
気孔特に貫通気孔が多いものである。 その他、曲げ強さはJISC2210により、絶縁抵
抗ならびに耐アーク性はJISK6911にそれぞれ従
つた。尚、絶縁抵抗の測定条件としては、常態、
40℃、相対湿度95%100時間後、純水中に24時間
浸漬させたものについてそれぞれ測定した。 焼燃室はASTM法(UL)により調べた。第1
表より明らかなごとく本発明の方法により得られ
た耐熱複合絶縁型造物は特に高湿度中ならびに吸
水時の電気絶縁性が従来品に比べ著しく向上した
ものであり耐アーク性、燃焼性に優れた特性を有
し、また製造方法も160〜200℃の成形温度で得ら
れるため、経済的であり、前記用途等に最適に用
いることが出来、実用上の効果が極めて大きいも
のである。 なお、上記実施例では基材として天然雲母紛末
を用いた場合について示したが、他の無機質紛末
あるいは無機質繊維を用いたものについて同様の
効果が確かめられている。
長さ50mmに切断したものを試料とし、150℃で4
時間乾燥後重量を測定し純水中で24時間浸漬させ
た後、布などで拭きとり、再び重量を測定し、増
加重量を吸水量として元の重量との比率(%)で
算出し吸水率とした。吸水率値の大きいものほど
気孔特に貫通気孔が多いものである。 その他、曲げ強さはJISC2210により、絶縁抵
抗ならびに耐アーク性はJISK6911にそれぞれ従
つた。尚、絶縁抵抗の測定条件としては、常態、
40℃、相対湿度95%100時間後、純水中に24時間
浸漬させたものについてそれぞれ測定した。 焼燃室はASTM法(UL)により調べた。第1
表より明らかなごとく本発明の方法により得られ
た耐熱複合絶縁型造物は特に高湿度中ならびに吸
水時の電気絶縁性が従来品に比べ著しく向上した
ものであり耐アーク性、燃焼性に優れた特性を有
し、また製造方法も160〜200℃の成形温度で得ら
れるため、経済的であり、前記用途等に最適に用
いることが出来、実用上の効果が極めて大きいも
のである。 なお、上記実施例では基材として天然雲母紛末
を用いた場合について示したが、他の無機質紛末
あるいは無機質繊維を用いたものについて同様の
効果が確かめられている。
Claims (1)
- 1 無機質繊維および/または無機質紛末からな
る基材と、ホウ酸及び酸化亜鉛からなる結着剤と
の合計量100重量部に対し、200℃以上の温度で溶
融する樹脂紛末またはガラス紛末を5〜30重量部
配合したものを加熱加圧成形したものであること
を特徴とする耐熱複合絶縁物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP941281A JPS57123604A (en) | 1981-01-23 | 1981-01-23 | Heat resistant composite insulator |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP941281A JPS57123604A (en) | 1981-01-23 | 1981-01-23 | Heat resistant composite insulator |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS57123604A JPS57123604A (en) | 1982-08-02 |
JPS6116128B2 true JPS6116128B2 (ja) | 1986-04-28 |
Family
ID=11719675
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP941281A Granted JPS57123604A (en) | 1981-01-23 | 1981-01-23 | Heat resistant composite insulator |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS57123604A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60231453A (ja) * | 1984-04-27 | 1985-11-18 | イソライト・バブコツク耐火株式会社 | 多孔性耐火物及びその製造法 |
-
1981
- 1981-01-23 JP JP941281A patent/JPS57123604A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS57123604A (en) | 1982-08-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0623567B1 (de) | Verfahren zur Herstellung eines mikroporösen Körpers mit wärmedämmenden Eigenschaften | |
EP0036747B1 (en) | Foamable glass composition and glass foam | |
EP1339653B1 (en) | Lightweight, heat insulating, high mechanical strength shaped product and method of producing the same | |
JPS6116128B2 (ja) | ||
KR101990464B1 (ko) | 고온 내화단열재용 무기바인더, 고온 내화단열재 및 이의 제조방법 | |
JPS6021448B2 (ja) | 金属ヒ−タ線埋設用電気絶縁材料およびその製造方法 | |
JPS6120508B2 (ja) | ||
JP3325046B2 (ja) | 消弧材料の製法 | |
JPS59232964A (ja) | マイカ複合セラミツクスの製造法 | |
JP2990320B2 (ja) | 断熱材およびその製造法 | |
JP3461907B2 (ja) | 消弧材料組成物およびそれを用いた消弧室の製法 | |
JPS604144B2 (ja) | 絶縁性結合剤ガラス | |
PL193643B1 (pl) | Mikroporowaty izolator cieplny | |
JPS616149A (ja) | 無機絶縁体の製法 | |
JPS6019605B2 (ja) | 耐熱性電気絶縁体 | |
JPH0314786B2 (ja) | ||
JPS6257041B2 (ja) | ||
SU1154244A1 (ru) | Шихта дл изготовлени электроизол ционного материала | |
JPH0379313B2 (ja) | ||
JPS58161209A (ja) | 着色された耐熱性電気絶縁体 | |
JPS6241754A (ja) | 低温焼結性耐熱材料の製法 | |
SU1677036A1 (ru) | Шихта дл изготовлени керамического материала | |
JPH0413309B2 (ja) | ||
JPS5958708A (ja) | 耐熱性電気絶縁体 | |
JPS6346017B2 (ja) |