JP3324164B2 - 酸化インジウム粉末及びその製造方法並びにito焼結体の製造方法 - Google Patents
酸化インジウム粉末及びその製造方法並びにito焼結体の製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸化インジウム粉末及
びその製造方法並びにそれを用いたITO焼結体の製造
方法に関するものである。
びその製造方法並びにそれを用いたITO焼結体の製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶を中心とする表示デバイスの発展に
伴い透明導電膜の需要が増加しているなか、液晶の透明
導電膜は低抵抗、高透明性という点でITO(酸化イン
ジウム、酸化錫)膜が広く用いられている。ITO透明
導電膜の形成方法としては操作性の簡便さという点から
スパッタリング法が一般的であり、ITO焼結体ターゲ
ットを用いたスパッタリング法が広く適用されている。
特に最近では液晶のカラー化、素子の微細化、アクティ
ブマトリックス方式の採用に伴い、高性能なITO透明
導電膜をより低温で成膜することが要求されている。
伴い透明導電膜の需要が増加しているなか、液晶の透明
導電膜は低抵抗、高透明性という点でITO(酸化イン
ジウム、酸化錫)膜が広く用いられている。ITO透明
導電膜の形成方法としては操作性の簡便さという点から
スパッタリング法が一般的であり、ITO焼結体ターゲ
ットを用いたスパッタリング法が広く適用されている。
特に最近では液晶のカラー化、素子の微細化、アクティ
ブマトリックス方式の採用に伴い、高性能なITO透明
導電膜をより低温で成膜することが要求されている。
【0003】これまでに高密度なITO焼結体ターゲッ
トから高性能な透明導電膜が低温で得られることが見出
されており、現在、ITO焼結体ターゲットの高密度化
が要求されている。
トから高性能な透明導電膜が低温で得られることが見出
されており、現在、ITO焼結体ターゲットの高密度化
が要求されている。
【0004】通常、ITO焼結体は、酸化インジウム粉
末と酸化錫粉末の混合粉末(ITO粉末)を加圧成型
後、焼結して製造されている。
末と酸化錫粉末の混合粉末(ITO粉末)を加圧成型
後、焼結して製造されている。
【0005】このようなITO焼結体の原料として用い
る酸化インジウム粉末、酸化錫粉末又はITO粉末の製
造方法としては、各々金属水酸化物、有機金属塩、無機
金属塩やゾル、ゲル等を熱分解して製造する方法、イン
ジウムと錫の均一混合溶液に沈殿形成剤を添加して共沈
させた生成物(例えば、特開昭62−7627、特開昭
60−186416号公報等)、又は加水分解により生
成した生成物(例えば、特開昭58−36925号公報
等)を加熱分解して製造する方法等が知られている。
る酸化インジウム粉末、酸化錫粉末又はITO粉末の製
造方法としては、各々金属水酸化物、有機金属塩、無機
金属塩やゾル、ゲル等を熱分解して製造する方法、イン
ジウムと錫の均一混合溶液に沈殿形成剤を添加して共沈
させた生成物(例えば、特開昭62−7627、特開昭
60−186416号公報等)、又は加水分解により生
成した生成物(例えば、特開昭58−36925号公報
等)を加熱分解して製造する方法等が知られている。
【0006】しかしこのような方法で得られた原料粉末
からは高密度な焼結体を得ることは難しく、ITO焼結
体の多くは焼結体の密度が理論密度(7.15g/cm
3)の65%程度の低密度のもの(〜4.65g/c
m3)であった。
からは高密度な焼結体を得ることは難しく、ITO焼結
体の多くは焼結体の密度が理論密度(7.15g/cm
3)の65%程度の低密度のもの(〜4.65g/c
m3)であった。
【0007】このような密度の低いITO焼結体は、導
電性が悪く、熱伝導性、抗折力が低いため、これをスパ
ッタリングターゲットとして使用した場合、導電性、光
透過性に優れた高性能なITO膜の成膜が極めて困難で
あったばかりか、ターゲット表面の還元によるノジュー
ルの発生、成膜速度が遅い等スパッタ操作性が悪いとい
う問題点を有していた。
電性が悪く、熱伝導性、抗折力が低いため、これをスパ
ッタリングターゲットとして使用した場合、導電性、光
透過性に優れた高性能なITO膜の成膜が極めて困難で
あったばかりか、ターゲット表面の還元によるノジュー
ルの発生、成膜速度が遅い等スパッタ操作性が悪いとい
う問題点を有していた。
【0008】このような問題点を解決するために、高密
度ITO焼結体の製造方法について幾つかの提案があ
る。例えば、酸化インジウム粉末を仮焼し、平均粒径が
3〜6μmの粉末を用いる方法が提案されているが(例
えば、特開昭62−21751号公報等)、このような
比較的大粒径の原料粉末によって得られるITO焼結体
は、密度が70%(5g/cm3)程度が限界であり、
十分に高密度とはいえない。
度ITO焼結体の製造方法について幾つかの提案があ
る。例えば、酸化インジウム粉末を仮焼し、平均粒径が
3〜6μmの粉末を用いる方法が提案されているが(例
えば、特開昭62−21751号公報等)、このような
比較的大粒径の原料粉末によって得られるITO焼結体
は、密度が70%(5g/cm3)程度が限界であり、
十分に高密度とはいえない。
【0009】また、一部ではホットプレス焼結や酸素中
加圧焼結のような特殊な方法で高密度な焼結体が作られ
ていた。しかし、ホットプレス焼結は製造設備に多大な
費用がかかり、得られた焼結体が還元されているため性
能の良い透明導電膜は得られなかった。一方酸素中加圧
焼結では、ホットプレス同様に製造設備に費用がかかる
上、1600℃以上の高温で焼結するため、焼結体が異
常粒成長を起こし易く、ターゲットの熱衝撃耐性が低く
割れ易いという問題を有していた。
加圧焼結のような特殊な方法で高密度な焼結体が作られ
ていた。しかし、ホットプレス焼結は製造設備に多大な
費用がかかり、得られた焼結体が還元されているため性
能の良い透明導電膜は得られなかった。一方酸素中加圧
焼結では、ホットプレス同様に製造設備に費用がかかる
上、1600℃以上の高温で焼結するため、焼結体が異
常粒成長を起こし易く、ターゲットの熱衝撃耐性が低く
割れ易いという問題を有していた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、従来よ
りも更に高密度、すなわち焼結密度が6.0g/cm3
以上の高密度ITO焼結体が製造可能な酸化インジウム
粉末及びその製造方法を提案するものである。
りも更に高密度、すなわち焼結密度が6.0g/cm3
以上の高密度ITO焼結体が製造可能な酸化インジウム
粉末及びその製造方法を提案するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、高密度I
TO焼結体を製造する際の原料粉末に関し鋭意検討した
結果、ITO焼結体の密度は酸化インジウム粉末の物性
に依存し、更に、酸化インジウム粉末の物性は、前駆体
である水酸化インジウムの晶析条件に影響されることを
見出し本発明を完成するに至った。
TO焼結体を製造する際の原料粉末に関し鋭意検討した
結果、ITO焼結体の密度は酸化インジウム粉末の物性
に依存し、更に、酸化インジウム粉末の物性は、前駆体
である水酸化インジウムの晶析条件に影響されることを
見出し本発明を完成するに至った。
【0012】即ち、本発明は、酸化インジウム粉末と酸
化錫粉末を混合し、成型、焼結することによる密度が
6.0g/cm3以上の高密度ITO焼結体の製造方
法、及びそのような高密度ITO焼結体の製造に用い
る、BET比表面積が15〜30m2/g、BET径と
結晶子径の比が2以下であって、粒度分布測定により求
めた一次粒子の平均粒子径が0.1μm以下、又は電子
顕微鏡観察により求めた一次粒子の平均粒子径が0.0
3μm〜0.1μmである酸化インジウム粉末、更には
温度が60℃以上100℃以下のインジウム塩水溶液と
アルカリ水溶液を[OH]/[In]比が3〜5の範囲
になるように混合する際、(A)インジウム塩水溶液に
アルカリ水溶液を供給する場合、混合速度として、[O
H]/[In]を毎分0.15以上の速度で混合、
(B)アルカリ水溶液にインジウム塩水溶液を供給する
場合、混合速度として、[In]/[OH]を毎分0.
01以上の速度で混合、(C)アルカリ水溶液とインジ
ウム塩水溶液とを連続的に供給して混合、した後、得ら
れた水酸化インジウムを洗浄、濾過、乾燥、仮焼して製
造することを特徴とする酸化インジウム粉末の製造方法
に関するものである。
化錫粉末を混合し、成型、焼結することによる密度が
6.0g/cm3以上の高密度ITO焼結体の製造方
法、及びそのような高密度ITO焼結体の製造に用い
る、BET比表面積が15〜30m2/g、BET径と
結晶子径の比が2以下であって、粒度分布測定により求
めた一次粒子の平均粒子径が0.1μm以下、又は電子
顕微鏡観察により求めた一次粒子の平均粒子径が0.0
3μm〜0.1μmである酸化インジウム粉末、更には
温度が60℃以上100℃以下のインジウム塩水溶液と
アルカリ水溶液を[OH]/[In]比が3〜5の範囲
になるように混合する際、(A)インジウム塩水溶液に
アルカリ水溶液を供給する場合、混合速度として、[O
H]/[In]を毎分0.15以上の速度で混合、
(B)アルカリ水溶液にインジウム塩水溶液を供給する
場合、混合速度として、[In]/[OH]を毎分0.
01以上の速度で混合、(C)アルカリ水溶液とインジ
ウム塩水溶液とを連続的に供給して混合、した後、得ら
れた水酸化インジウムを洗浄、濾過、乾燥、仮焼して製
造することを特徴とする酸化インジウム粉末の製造方法
に関するものである。
【0013】以下、本発明を詳細に説明する。
【0014】本発明の酸化インジウム粉末は、BET比
表面積が15m2/g以上30m2/g以下であることが
必要である。BET比表面積が15m2/g未満の場
合、粒子が凝集しているか又は一次粒径が本発明の範囲
外の粉末であり、高密度なITO焼結体を得ることはで
きない。また、BET比表面積が30m2/gを越える
粉末は、一次粒子が多孔質であるか、又は粒子が微細す
ぎて、高密度な焼結体を得ることは困難である。
表面積が15m2/g以上30m2/g以下であることが
必要である。BET比表面積が15m2/g未満の場
合、粒子が凝集しているか又は一次粒径が本発明の範囲
外の粉末であり、高密度なITO焼結体を得ることはで
きない。また、BET比表面積が30m2/gを越える
粉末は、一次粒子が多孔質であるか、又は粒子が微細す
ぎて、高密度な焼結体を得ることは困難である。
【0015】本発明の酸化インジウム粉末は、BET径
と結晶子径の比(BET径/結晶子径)が2以下である
ことが必要であり、特に1.5以下が好ましい。BET
径と結晶子径の比の下限は約1であり、この時一次粒子
は単結晶に近い状態と考えることができる。結晶子径は
200〜600オングストロームの範囲が好ましく、B
ET径は300〜700オングストロームの範囲が好ま
しい。BET径と結晶子径の比が2を越えると、一次粒
子の凝集状態が強い状態であり、高密度な焼結体を与え
ることは困難である。
と結晶子径の比(BET径/結晶子径)が2以下である
ことが必要であり、特に1.5以下が好ましい。BET
径と結晶子径の比の下限は約1であり、この時一次粒子
は単結晶に近い状態と考えることができる。結晶子径は
200〜600オングストロームの範囲が好ましく、B
ET径は300〜700オングストロームの範囲が好ま
しい。BET径と結晶子径の比が2を越えると、一次粒
子の凝集状態が強い状態であり、高密度な焼結体を与え
ることは困難である。
【0016】なお結晶子の大きさは、酸化インジウムの
X線回折測定による(222)の回折ピークの半値幅か
ら求めることができる。また、BET径は、粉末のBE
T比表面積を測定し、粒子を球に近似して求めた値であ
る。
X線回折測定による(222)の回折ピークの半値幅か
ら求めることができる。また、BET径は、粉末のBE
T比表面積を測定し、粒子を球に近似して求めた値であ
る。
【0017】更に本発明の酸化インジウム粉末は、粒度
分布測定により求められる一次粒子の平均結晶子径が、
0.1μm以下、又は電子顕微鏡により観察される一次
粒子の平均結晶子径が、0.03μm以上0.1μm以
下であることが必要である。一次粒子の平均粒径が0.
03μm未満であると、一次粒子が多孔質であるか、又
は粒子が微細すぎて高密度の焼結体を与えることは困難
であり、一方、0.1μmを越えると、一次粒子は成長
しているか又は凝集しており、高密度の焼結体を与える
ことは困難である。
分布測定により求められる一次粒子の平均結晶子径が、
0.1μm以下、又は電子顕微鏡により観察される一次
粒子の平均結晶子径が、0.03μm以上0.1μm以
下であることが必要である。一次粒子の平均粒径が0.
03μm未満であると、一次粒子が多孔質であるか、又
は粒子が微細すぎて高密度の焼結体を与えることは困難
であり、一方、0.1μmを越えると、一次粒子は成長
しているか又は凝集しており、高密度の焼結体を与える
ことは困難である。
【0018】粒度分布測定による一次粒子の平均粒子径
は、以下のように求められる。即ち、粒子を水溶液中で
十分に分散処理を行い(例えば、少量の分散剤を添加
し、超音波で1時間以上分散)、0.12μm以下の粒
度分布測定により平均粒子径を求める。なお、同一の分
散処理を施した粒度分布測定により、二次粒子の平均粒
径も求めることができるが、平均粒径は1μm以下の微
細な粒子である。
は、以下のように求められる。即ち、粒子を水溶液中で
十分に分散処理を行い(例えば、少量の分散剤を添加
し、超音波で1時間以上分散)、0.12μm以下の粒
度分布測定により平均粒子径を求める。なお、同一の分
散処理を施した粒度分布測定により、二次粒子の平均粒
径も求めることができるが、平均粒径は1μm以下の微
細な粒子である。
【0019】電子顕微鏡による一次粒子の観察は、従来
の粉末観察と同様な方法で10万倍から30万倍の倍率
で可能である。特に粒子サイズ、形状を観察する場合、
透過型の電子顕微鏡を用いることが好ましい。
の粉末観察と同様な方法で10万倍から30万倍の倍率
で可能である。特に粒子サイズ、形状を観察する場合、
透過型の電子顕微鏡を用いることが好ましい。
【0020】次に本発明の酸化インジウム粉末を与える
製造法につき説明する。
製造法につき説明する。
【0021】本発明の酸化インジウム粉末は、混合速度
を規定したインジウム塩水溶液とアルカリ水溶液とから
得られる水酸化インジウムを洗浄、濾過、乾燥、仮焼す
ることにより製造される。
を規定したインジウム塩水溶液とアルカリ水溶液とから
得られる水酸化インジウムを洗浄、濾過、乾燥、仮焼す
ることにより製造される。
【0022】本発明に用いるインジウム塩水溶液は特に
限定されず、硝酸インジウム水溶液、硫酸インジウム水
溶液等が使用可能である。インジウム塩水溶液の濃度は
0.01〜5mol/l、特に好ましくは0.3〜2.
0mol/lの範囲である。インジウム塩水溶液の濃度
が0.1mol/l未満では、生産性が悪くなり好まし
くない。本発明の方法ではこのような濃厚溶液が使用で
きることが従来の微細粒子を製造する方法とは大きく異
なる。
限定されず、硝酸インジウム水溶液、硫酸インジウム水
溶液等が使用可能である。インジウム塩水溶液の濃度は
0.01〜5mol/l、特に好ましくは0.3〜2.
0mol/lの範囲である。インジウム塩水溶液の濃度
が0.1mol/l未満では、生産性が悪くなり好まし
くない。本発明の方法ではこのような濃厚溶液が使用で
きることが従来の微細粒子を製造する方法とは大きく異
なる。
【0023】本発明に用いるアルカリ水溶液としては、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、尿素、アンモニア
等の水溶液を使用することが可能であるが、水酸化イン
ジウムに金属イオンの残存をなくすという点で、尿素、
アンモニアの水溶液等が特に好ましい。アルカリ水溶液
の濃度は特に限定されない。
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、尿素、アンモニア
等の水溶液を使用することが可能であるが、水酸化イン
ジウムに金属イオンの残存をなくすという点で、尿素、
アンモニアの水溶液等が特に好ましい。アルカリ水溶液
の濃度は特に限定されない。
【0024】アルカリ水溶液の量は、混合溶液のpHが
7以上となる量であれば特に問題はなく、インジウム塩
水溶液中のインジウムイオンに対して水酸化物イオンの
量がモル比で3〜5となる量が目安となる。
7以上となる量であれば特に問題はなく、インジウム塩
水溶液中のインジウムイオンに対して水酸化物イオンの
量がモル比で3〜5となる量が目安となる。
【0025】次にインジウム塩水溶液とアルカリ水溶液
の混合方法について述べる。
の混合方法について述べる。
【0026】混合方法としては、インジウム塩水溶液へ
アルカリ水溶液を供給する方法、アルカリ水溶液へイン
ジウム塩水溶液を供給する方法、インジウム塩水溶液と
アルカリ水溶液を反応槽へ連続的に供給する方法等が例
示されるが、特に限定されない。
アルカリ水溶液を供給する方法、アルカリ水溶液へイン
ジウム塩水溶液を供給する方法、インジウム塩水溶液と
アルカリ水溶液を反応槽へ連続的に供給する方法等が例
示されるが、特に限定されない。
【0027】なお、本発明の混合速度は以下のように定
義される。すなわち、インジウム塩水溶液へアルカリ水
溶液を供給する場合の混合速度は、反応槽内のインジウ
ムイオンの全量に対し、1分間当たりに供給される水酸
化物イオンの量と定義され、また、アルカリ水溶液へイ
ンジウム塩水溶液を供給する場合は、反応槽内の水酸化
物イオンの全量に対し、1分間当たりに供給されるイン
ジウムイオンの量である。
義される。すなわち、インジウム塩水溶液へアルカリ水
溶液を供給する場合の混合速度は、反応槽内のインジウ
ムイオンの全量に対し、1分間当たりに供給される水酸
化物イオンの量と定義され、また、アルカリ水溶液へイ
ンジウム塩水溶液を供給する場合は、反応槽内の水酸化
物イオンの全量に対し、1分間当たりに供給されるイン
ジウムイオンの量である。
【0028】混合速度は、インジウム塩水溶液にアルカ
リ水溶液を供給する場合、[OH]/[In]が毎分
0.15以上、特に好ましくは毎分0.5以上であり、
上限は毎分300程度である。また、アルカリ水溶液に
インジウム塩水溶液を供給する場合、[In]/[O
H]が毎分0.01以上、特に好ましくは毎分0.3以
上であり、上限は毎分20程度である。アルカリ水溶液
とインジウム塩水溶液とを連続的に供給する場合、混合
速度は特に限定されない、晶析時の温度は60℃以上1
00℃以下であることが好ましく、特に好ましくは70
℃以上95℃以下の範囲である。晶析時の温度が60℃
未満の場合、水酸化インジウムが微細すぎるため、仮焼
時に凝集して微細で焼結性に優れた酸化インジウム粉末
が得られないために好ましくない。また、晶析時の温度
が100℃を越える場合、インジウム塩水溶液が加水分
解し、粒径の大きい水酸化インジウム粉末が混在するよ
うになるために好ましくない。
リ水溶液を供給する場合、[OH]/[In]が毎分
0.15以上、特に好ましくは毎分0.5以上であり、
上限は毎分300程度である。また、アルカリ水溶液に
インジウム塩水溶液を供給する場合、[In]/[O
H]が毎分0.01以上、特に好ましくは毎分0.3以
上であり、上限は毎分20程度である。アルカリ水溶液
とインジウム塩水溶液とを連続的に供給する場合、混合
速度は特に限定されない、晶析時の温度は60℃以上1
00℃以下であることが好ましく、特に好ましくは70
℃以上95℃以下の範囲である。晶析時の温度が60℃
未満の場合、水酸化インジウムが微細すぎるため、仮焼
時に凝集して微細で焼結性に優れた酸化インジウム粉末
が得られないために好ましくない。また、晶析時の温度
が100℃を越える場合、インジウム塩水溶液が加水分
解し、粒径の大きい水酸化インジウム粉末が混在するよ
うになるために好ましくない。
【0029】なお、晶析中は溶液を撹拌しながら実施す
るのが一般的である。更に晶析が終了した後、数十分〜
数時間撹拌を継続しスラリーを混合、均一化してもなん
ら差し支えない。
るのが一般的である。更に晶析が終了した後、数十分〜
数時間撹拌を継続しスラリーを混合、均一化してもなん
ら差し支えない。
【0030】次に、上述の方法で得られた水酸化インジ
ウムスラリーを洗浄後固液分離する。固液分離の方法は
特に限定されず、ヌッチェ、ドラムフィルター、フィル
タープレス、ベルトフィルター等が例示される。
ウムスラリーを洗浄後固液分離する。固液分離の方法は
特に限定されず、ヌッチェ、ドラムフィルター、フィル
タープレス、ベルトフィルター等が例示される。
【0031】更に、水酸化インジウムを乾燥する。
【0032】乾燥温度は90〜260℃の範囲が好まし
い。乾燥温度が90℃未満では乾燥効率が悪くなるため
に好ましくなく、また、260℃を越えると水酸化イン
ジウムの一部が酸化物となるため粉末が不均一となるた
めに好ましくないことがある。 乾燥後の水酸化インジ
ウムは解砕し、分散性を向上させることが好ましい。し
かし、この解砕は軽いものでよく、従来のような強固な
粉砕は必要ない。解砕方法は特に限定されず、自動乳鉢
やハンマーミル等で行なえばよい。
い。乾燥温度が90℃未満では乾燥効率が悪くなるため
に好ましくなく、また、260℃を越えると水酸化イン
ジウムの一部が酸化物となるため粉末が不均一となるた
めに好ましくないことがある。 乾燥後の水酸化インジ
ウムは解砕し、分散性を向上させることが好ましい。し
かし、この解砕は軽いものでよく、従来のような強固な
粉砕は必要ない。解砕方法は特に限定されず、自動乳鉢
やハンマーミル等で行なえばよい。
【0033】上述の方法で水酸化インジウム粉末が得ら
れ、本発明の酸化インジウム粉末はこの水酸化インジウ
ム粉末を仮焼して製造する。
れ、本発明の酸化インジウム粉末はこの水酸化インジウ
ム粉末を仮焼して製造する。
【0034】仮焼温度は500〜900℃が好ましく、
特に好ましくは550〜850℃の範囲である。仮焼温
度が500℃未満の場合、成型体の密度が低くなり高密
度なITO焼結体が得られなかったり、また、仮焼温度
が900℃を越える場合、酸化インジウム粉末の焼結が
進み、粉末の焼結性が低下して高密度なITO焼結体が
得られないことがある。また、仮焼時間は1〜10時間
程度で十分である。
特に好ましくは550〜850℃の範囲である。仮焼温
度が500℃未満の場合、成型体の密度が低くなり高密
度なITO焼結体が得られなかったり、また、仮焼温度
が900℃を越える場合、酸化インジウム粉末の焼結が
進み、粉末の焼結性が低下して高密度なITO焼結体が
得られないことがある。また、仮焼時間は1〜10時間
程度で十分である。
【0035】このようにして本発明の酸化インジウム粉
末が得られる。
末が得られる。
【0036】以下に、本発明の酸化インジウム粉末を用
いた高密度ITO焼結体の製造方法の実施態様について
説明する。
いた高密度ITO焼結体の製造方法の実施態様について
説明する。
【0037】ITO焼結体の製造に用いるITO粉末
は、本発明の酸化インジウム粉末と酸化錫粉末を混合す
ることによって調製される。
は、本発明の酸化インジウム粉末と酸化錫粉末を混合す
ることによって調製される。
【0038】酸化インジウム粉末に対する酸化錫の含有
量は3〜15重量%であることが好ましい。酸化錫の物
性としては特に限定されない。
量は3〜15重量%であることが好ましい。酸化錫の物
性としては特に限定されない。
【0039】酸化インジウム粉末と酸化錫粉末の混合方
法は特に限定されず、ジルコニア、ウレタン樹脂等のボ
ールを用いたボールミル、振動ミル、或いはV型ブレン
ダー、らいかい機等の湿式或いは乾式の混合方法が例示
される。
法は特に限定されず、ジルコニア、ウレタン樹脂等のボ
ールを用いたボールミル、振動ミル、或いはV型ブレン
ダー、らいかい機等の湿式或いは乾式の混合方法が例示
される。
【0040】次にITO粉末を成型する。成型方法は、
目的とした形状に合った成型方法を選べばよく、金型成
型法、鋳込み成型法等が挙げられるが特に限定されな
い。
目的とした形状に合った成型方法を選べばよく、金型成
型法、鋳込み成型法等が挙げられるが特に限定されな
い。
【0041】焼結体の高密度化のために、成型体は冷間
静水圧プレスにて加圧処理することが好ましい。その時
の圧力は3〜5t/cm2程度でよく、必要に応じて処
理を2〜5回繰り返してもよい。
静水圧プレスにて加圧処理することが好ましい。その時
の圧力は3〜5t/cm2程度でよく、必要に応じて処
理を2〜5回繰り返してもよい。
【0042】得られた成型体は1250〜1600℃、
特に好ましくは1350〜1500℃の温度で焼結す
る。焼結温度が1250℃未満の場合、密度が6.0g
/cm3未満のITO焼結体が得られたり、また、焼結
体温度が1600℃を越える場合、酸化錫の蒸発や焼結
体粒子の異常な成長が生じるために好ましくない。焼結
時間は数時間〜数十時間で十分である。焼結雰囲気は特
に限定されず、大気中、酸素中、不活性ガス中等で行え
ばよい。
特に好ましくは1350〜1500℃の温度で焼結す
る。焼結温度が1250℃未満の場合、密度が6.0g
/cm3未満のITO焼結体が得られたり、また、焼結
体温度が1600℃を越える場合、酸化錫の蒸発や焼結
体粒子の異常な成長が生じるために好ましくない。焼結
時間は数時間〜数十時間で十分である。焼結雰囲気は特
に限定されず、大気中、酸素中、不活性ガス中等で行え
ばよい。
【0043】本発明の方法により、密度6.0g/cm
3以上、さらに好ましくは6.4g/cm3以上のITO
焼結体を得ることができる。
3以上、さらに好ましくは6.4g/cm3以上のITO
焼結体を得ることができる。
【0044】本発明の方法により得られたITO焼結体
は、以下の様な特性を具備する。焼結体の焼結粒径は1
μm以上20μm以下であり、焼結体の比抵抗は7.0
×104Ω・cm以下である。抗折力は、10kg/m
m2以上を達成することができる。この様な焼結体は、
スパッタリングターゲット材として用いた場合、成膜速
度が速く、スパッタ成膜中、安定な放電が可能であり、
ターゲット表面に生成する黒色のノジュール発生が抑制
され、更には低温成膜性に優れている。
は、以下の様な特性を具備する。焼結体の焼結粒径は1
μm以上20μm以下であり、焼結体の比抵抗は7.0
×104Ω・cm以下である。抗折力は、10kg/m
m2以上を達成することができる。この様な焼結体は、
スパッタリングターゲット材として用いた場合、成膜速
度が速く、スパッタ成膜中、安定な放電が可能であり、
ターゲット表面に生成する黒色のノジュール発生が抑制
され、更には低温成膜性に優れている。
【0045】
【発明の効果】本発明の酸化インジウム粉末は、微細で
高分散な粉末であり、該酸化インジウム粉末をITO焼
結体の原料粉末として使用すれば、常圧焼結で高密度I
TO焼結体を製造することが可能であり、このような高
密度ITO焼結体をスパッタリングターゲットとして使
用すれば優れたスパッタリング特性を有するものとなる
高分散な粉末であり、該酸化インジウム粉末をITO焼
結体の原料粉末として使用すれば、常圧焼結で高密度I
TO焼結体を製造することが可能であり、このような高
密度ITO焼結体をスパッタリングターゲットとして使
用すれば優れたスパッタリング特性を有するものとなる
【0046】。
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0047】実施例1 温度85℃の0.5mol/l硝酸インジウム水溶液
に、[OH]/[In]比が4となる量の10重量%ア
ンモニア水を混合速度[OH]/[In]が毎分0.8
で混合し、スラリ−をろ過、洗浄、乾燥して水酸化イン
ジウム粉末を製造した。
に、[OH]/[In]比が4となる量の10重量%ア
ンモニア水を混合速度[OH]/[In]が毎分0.8
で混合し、スラリ−をろ過、洗浄、乾燥して水酸化イン
ジウム粉末を製造した。
【0048】このようにして得られた水酸化インジウム
粉末を750℃で4時間仮焼し、酸化インジウム粉末を
製造した。酸化インジウム粉末のBET比表面積は22
m2/gであり、X線回折による結晶子径は400オン
グストローム、粒度分布測定より求めた一次粒径は0.
08μmであった(BET径/結晶子径=1.13)。
この酸化インジウム粉末と酸化錫粉末を酸化錫含有量
が10重量%となるように混合し、1.5ton/cm
2の圧力で金型成型し、更に冷間静水圧プレスで3to
n/cm2の圧力で処理した後、常圧大気中で1400
℃で5時間焼結した。焼結体の直径は100mmφであ
り、得られた焼結体の密度は理論密度の93%、6.7
g/cm3であった。
粉末を750℃で4時間仮焼し、酸化インジウム粉末を
製造した。酸化インジウム粉末のBET比表面積は22
m2/gであり、X線回折による結晶子径は400オン
グストローム、粒度分布測定より求めた一次粒径は0.
08μmであった(BET径/結晶子径=1.13)。
この酸化インジウム粉末と酸化錫粉末を酸化錫含有量
が10重量%となるように混合し、1.5ton/cm
2の圧力で金型成型し、更に冷間静水圧プレスで3to
n/cm2の圧力で処理した後、常圧大気中で1400
℃で5時間焼結した。焼結体の直径は100mmφであ
り、得られた焼結体の密度は理論密度の93%、6.7
g/cm3であった。
【0049】実施例2 温度85℃の0.5mol/l硝酸インジウム水溶液
に、[OH]/[In]比が4となる量の10重量%ア
ンモニア水を混合速度[OH]/[In]が毎分0.2
で混合し、スラリ−をろ過、洗浄、乾燥して水酸化イン
ジウム粉末を製造した。
に、[OH]/[In]比が4となる量の10重量%ア
ンモニア水を混合速度[OH]/[In]が毎分0.2
で混合し、スラリ−をろ過、洗浄、乾燥して水酸化イン
ジウム粉末を製造した。
【0050】このようにして得られた水酸化インジウム
粉末を650℃で4時間仮焼し、酸化インジウム粉末を
製造した。酸化インジウム粉末のBET比表面積は29
m2/gであり、X線回折による結晶子径は270オン
グストローム、粒度分布測定より求めた一次粒径は0.
07μmであった(BET径/結晶子径=1.07)。
この酸化インジウム粉末と酸化錫粉末を酸化錫含有量
が10重量%となるように混合し、実施例1と同様の方
法で成型、焼結した。焼結体の直径は100mmφであ
り、焼結体密度は93%、6.7g/cm3であった。
粉末を650℃で4時間仮焼し、酸化インジウム粉末を
製造した。酸化インジウム粉末のBET比表面積は29
m2/gであり、X線回折による結晶子径は270オン
グストローム、粒度分布測定より求めた一次粒径は0.
07μmであった(BET径/結晶子径=1.07)。
この酸化インジウム粉末と酸化錫粉末を酸化錫含有量
が10重量%となるように混合し、実施例1と同様の方
法で成型、焼結した。焼結体の直径は100mmφであ
り、焼結体密度は93%、6.7g/cm3であった。
【0051】実施例3 温度85℃の0.6mol/l硝酸インジウム水溶液
に、[OH]/[In]比が3.5となる量の10重量
%アンモニア水を混合速度[OH]/[In]が毎分
1.0で混合し、スラリ−をろ過、洗浄、乾燥して水酸
化インジウム粉末を製造した。
に、[OH]/[In]比が3.5となる量の10重量
%アンモニア水を混合速度[OH]/[In]が毎分
1.0で混合し、スラリ−をろ過、洗浄、乾燥して水酸
化インジウム粉末を製造した。
【0052】このようにして得られた水酸化インジウム
粉末を750℃で4時間仮焼し、酸化インジウム粉末を
製造した。酸化インジウム粉末のBET比表面積は22
m2/gであり、X線回折による結晶子径は400オン
グストローム、粒度分布測定より求めた一次粒径は0.
08μmであった(BET径/結晶子径=1.13)。
この酸化インジウム粉末と酸化錫粉末を酸化錫含有量
が10重量%となるように混合し、実施例1と同様の方
法で成型、焼結した。焼結体の直径は100mmφであ
り、焼結体密度は98%、7.0g/cm3であった。
粉末を750℃で4時間仮焼し、酸化インジウム粉末を
製造した。酸化インジウム粉末のBET比表面積は22
m2/gであり、X線回折による結晶子径は400オン
グストローム、粒度分布測定より求めた一次粒径は0.
08μmであった(BET径/結晶子径=1.13)。
この酸化インジウム粉末と酸化錫粉末を酸化錫含有量
が10重量%となるように混合し、実施例1と同様の方
法で成型、焼結した。焼結体の直径は100mmφであ
り、焼結体密度は98%、7.0g/cm3であった。
【0053】実施例4 温度85℃の1.5mol/l硝酸インジウム水溶液
に、[OH]/[In]比が4となる量の10重量%ア
ンモニア水を混合速度[OH]/[In]が毎分0.8
で混合し、スラリ−をろ過、洗浄、乾燥して水酸化イン
ジウム粉末を製造した。
に、[OH]/[In]比が4となる量の10重量%ア
ンモニア水を混合速度[OH]/[In]が毎分0.8
で混合し、スラリ−をろ過、洗浄、乾燥して水酸化イン
ジウム粉末を製造した。
【0054】このようにして得られた水酸化インジウム
粉末を750℃で4時間仮焼し、酸化インジウム粉末を
製造した。酸化インジウム粉末のBET比表面積は22
m2/gであり、X線回折による結晶子径は450オン
グストローム、粒度分布測定より求めた一次粒径は0.
08μmであった(BET径/結晶子径=1.01)。
この酸化インジウム粉末と酸化錫粉末を酸化錫含有量
が10重量%となるように混合し、実施例1と同様の方
法で成型、焼結した。焼結体の直径は100mmφであ
り、焼結体密度は93%、6.7g/cm3であった。
粉末を750℃で4時間仮焼し、酸化インジウム粉末を
製造した。酸化インジウム粉末のBET比表面積は22
m2/gであり、X線回折による結晶子径は450オン
グストローム、粒度分布測定より求めた一次粒径は0.
08μmであった(BET径/結晶子径=1.01)。
この酸化インジウム粉末と酸化錫粉末を酸化錫含有量
が10重量%となるように混合し、実施例1と同様の方
法で成型、焼結した。焼結体の直径は100mmφであ
り、焼結体密度は93%、6.7g/cm3であった。
【0055】実施例5 温度60℃の0.4mol/l硝酸インジウム水溶液
に、[OH]/[In]比が4となる量の10重量%ア
ンモニア水を混合速度[OH]/[In]が毎分0.8
で混合し、スラリ−をろ過、洗浄、乾燥して水酸化イン
ジウム粉末を製造した。
に、[OH]/[In]比が4となる量の10重量%ア
ンモニア水を混合速度[OH]/[In]が毎分0.8
で混合し、スラリ−をろ過、洗浄、乾燥して水酸化イン
ジウム粉末を製造した。
【0056】このようにして得られた水酸化インジウム
粉末を750℃で4時間仮焼し、酸化インジウム粉末を
製造した。酸化インジウム粉末のBET比表面積は21
m2/gであり、X線回折による結晶子径は400オン
グストローム、粒度分布測定より求めた一次粒径は0.
09μmであった(BET径/結晶子径=1.14)。
この酸化インジウム粉末と酸化錫粉末を酸化錫含有量
が10重量%となるように混合し、実施例1と同様の方
法で成型、焼結した。焼結体の直径は100mmφであ
り、焼結体密度は93%、6.7g/cm3であった。
粉末を750℃で4時間仮焼し、酸化インジウム粉末を
製造した。酸化インジウム粉末のBET比表面積は21
m2/gであり、X線回折による結晶子径は400オン
グストローム、粒度分布測定より求めた一次粒径は0.
09μmであった(BET径/結晶子径=1.14)。
この酸化インジウム粉末と酸化錫粉末を酸化錫含有量
が10重量%となるように混合し、実施例1と同様の方
法で成型、焼結した。焼結体の直径は100mmφであ
り、焼結体密度は93%、6.7g/cm3であった。
【0057】実施例6 温度95℃の0.8mol/l硝酸インジウム水溶液
に、[OH]/[In]比が4となる量の10重量%ア
ンモニア水を混合速度[OH]/[In]が毎分0.8
で混合し、スラリ−をろ過、洗浄、乾燥して水酸化イン
ジウム粉末を製造した。
に、[OH]/[In]比が4となる量の10重量%ア
ンモニア水を混合速度[OH]/[In]が毎分0.8
で混合し、スラリ−をろ過、洗浄、乾燥して水酸化イン
ジウム粉末を製造した。
【0058】このようにして得られた水酸化インジウム
粉末を750℃で4時間仮焼し、酸化インジウム粉末を
製造した。酸化インジウム粉末のBET比表面積は21
m2/gであり、X線回折による結晶子径は450オン
グストローム、粒度分布測定より求めた一次粒径は0.
09μmであった(BET径/結晶子径=1.01)。
この酸化インジウム粉末と酸化錫粉末を酸化錫含有量
が10重量%となるように混合し、実施例1と同様の方
法で成型、焼結した。焼結体の直径は100mmφであ
り、焼結体密度は92%、6.6g/cm3であった。
粉末を750℃で4時間仮焼し、酸化インジウム粉末を
製造した。酸化インジウム粉末のBET比表面積は21
m2/gであり、X線回折による結晶子径は450オン
グストローム、粒度分布測定より求めた一次粒径は0.
09μmであった(BET径/結晶子径=1.01)。
この酸化インジウム粉末と酸化錫粉末を酸化錫含有量
が10重量%となるように混合し、実施例1と同様の方
法で成型、焼結した。焼結体の直径は100mmφであ
り、焼結体密度は92%、6.6g/cm3であった。
【0059】実施例7 実施例1と同様の方法で酸化インジウム粉末を製造し
た。
た。
【0060】この酸化インジウム粉末と酸化錫粉末を酸
化錫含有量が10重量%となるように混合し、実施例1
と同様な方法で成型した後、常圧大気中で1550℃で
5時間焼結した。焼結体の直径は100mmφであり、
焼結体密度は98%、7.0g/cm3であった。
化錫含有量が10重量%となるように混合し、実施例1
と同様な方法で成型した後、常圧大気中で1550℃で
5時間焼結した。焼結体の直径は100mmφであり、
焼結体密度は98%、7.0g/cm3であった。
【0061】実施例8 温度85℃の0.6mol/l硝酸インジウム水溶液と
[OH]/[In]比が4となる量の10重量%アンモ
ニア水を連続的に反応槽に添加し、スラリ−をろ過、洗
浄、乾燥して水酸化インジウム粉末を製造した。
[OH]/[In]比が4となる量の10重量%アンモ
ニア水を連続的に反応槽に添加し、スラリ−をろ過、洗
浄、乾燥して水酸化インジウム粉末を製造した。
【0062】このようにして得られた水酸化インジウム
粉末を750℃で4時間仮焼し、酸化インジウム粉末を
製造した。酸化インジウム粉末のBET比表面積は22
m2/gであり、X線回折による結晶子径は400オン
グストローム、粒度分布測定より求めた一次粒径は0.
08μmであった(BET径/結晶子径=1.13)。
この酸化インジウム粉末と酸化錫粉末を酸化錫含有量
が10重量%となるように混合し、実施例1と同様の方
法で成型、焼結した。焼結体の直径は100mmφであ
り、得られた焼結体の密度は理論密度の94%、6.7
g/cm3であった。
粉末を750℃で4時間仮焼し、酸化インジウム粉末を
製造した。酸化インジウム粉末のBET比表面積は22
m2/gであり、X線回折による結晶子径は400オン
グストローム、粒度分布測定より求めた一次粒径は0.
08μmであった(BET径/結晶子径=1.13)。
この酸化インジウム粉末と酸化錫粉末を酸化錫含有量
が10重量%となるように混合し、実施例1と同様の方
法で成型、焼結した。焼結体の直径は100mmφであ
り、得られた焼結体の密度は理論密度の94%、6.7
g/cm3であった。
【0063】実施例9 10重量%のアンモニア水に、[OH]/[In]比が
4となる量の温度85℃の0.5mol/l硝酸インジ
ウム水溶液を混合速度[In]/[OH]が毎分0.0
2で混合し、スラリ−をろ過、洗浄、乾燥して水酸化イ
ンジウム粉末を製造した。
4となる量の温度85℃の0.5mol/l硝酸インジ
ウム水溶液を混合速度[In]/[OH]が毎分0.0
2で混合し、スラリ−をろ過、洗浄、乾燥して水酸化イ
ンジウム粉末を製造した。
【0064】このようにして得られた水酸化インジウム
粉末を750℃で4時間仮焼し、酸化インジウム粉末を
製造した。酸化インジウム粉末のBET比表面積は22
m2/gであり、X線回折による結晶子径は400オン
グストローム、粒度分布測定より求めた一次粒径は0.
08μmであった(BET径/結晶子径=1.13)。
この酸化インジウム粉末と酸化錫粉末を酸化錫含有量
が10重量%となるように混合し、実施例1と同様の方
法で成型、焼結した。焼結体の直径は100mmφであ
り、得られた焼結体の密度は理論密度の94%、6.7
g/cm3であった。
粉末を750℃で4時間仮焼し、酸化インジウム粉末を
製造した。酸化インジウム粉末のBET比表面積は22
m2/gであり、X線回折による結晶子径は400オン
グストローム、粒度分布測定より求めた一次粒径は0.
08μmであった(BET径/結晶子径=1.13)。
この酸化インジウム粉末と酸化錫粉末を酸化錫含有量
が10重量%となるように混合し、実施例1と同様の方
法で成型、焼結した。焼結体の直径は100mmφであ
り、得られた焼結体の密度は理論密度の94%、6.7
g/cm3であった。
【0065】比較例1 温度85℃の0.5mol/l硝酸インジウム水溶液
に、[OH]/[In]比が4となる量の10重量%ア
ンモニア水を混合速度[OH]/[In]が毎分0.0
1で混合し、スラリ−をろ過、洗浄、乾燥して水酸化イ
ンジウム粉末を製造した。
に、[OH]/[In]比が4となる量の10重量%ア
ンモニア水を混合速度[OH]/[In]が毎分0.0
1で混合し、スラリ−をろ過、洗浄、乾燥して水酸化イ
ンジウム粉末を製造した。
【0066】このようにして得られた水酸化インジウム
粉末を750℃で4時間仮焼し、酸化インジウム粉末を
製造した。酸化インジウム粉末のBET比表面積は14
m2/gであり、X線回折による結晶子径は400オン
グストローム、粒度分布測定より求めた一次粒径は0.
12μmであった(BET径/結晶子径=1.78)。
この酸化インジウム粉末と酸化錫粉末を酸化錫含有量
が10重量%となるように混合し、実施例1と同様な方
法で成型、焼結した。焼結体の直径は100mmφであ
り、焼結体の密度は理論密度の80%、5.7g/cm
3であった。
粉末を750℃で4時間仮焼し、酸化インジウム粉末を
製造した。酸化インジウム粉末のBET比表面積は14
m2/gであり、X線回折による結晶子径は400オン
グストローム、粒度分布測定より求めた一次粒径は0.
12μmであった(BET径/結晶子径=1.78)。
この酸化インジウム粉末と酸化錫粉末を酸化錫含有量
が10重量%となるように混合し、実施例1と同様な方
法で成型、焼結した。焼結体の直径は100mmφであ
り、焼結体の密度は理論密度の80%、5.7g/cm
3であった。
【0067】比較例2 温度30℃の0.5mol/l硝酸インジウム水溶液
に、[OH]/[In]比が4となる量の10重量%ア
ンモニア水を混合速度[OH]/[In]が毎分0.8
で混合し、スラリ−をろ過、洗浄、乾燥して水酸化イン
ジウム粉末を製造このようにして得られた水酸化インジ
ウム粉末を750℃で4時間仮焼し、酸化インジウム粉
末を製造した。酸化インジウム粉末のBET比表面積は
11m2/gであり、X線回折による結晶子径は400
オングストローム、粒度分布測定より求めた一次粒径は
0.11μmであった(BET径/結晶子径=2.2
7)。 この酸化インジウム粉末と酸化錫粉末を酸化錫
含有量が10重量%となるように混合し、実施例1と同
様な方法で成型、焼結した。焼結体の直径は100mm
φであり、焼結体密度は82%、5.8g/cm3であ
った。
に、[OH]/[In]比が4となる量の10重量%ア
ンモニア水を混合速度[OH]/[In]が毎分0.8
で混合し、スラリ−をろ過、洗浄、乾燥して水酸化イン
ジウム粉末を製造このようにして得られた水酸化インジ
ウム粉末を750℃で4時間仮焼し、酸化インジウム粉
末を製造した。酸化インジウム粉末のBET比表面積は
11m2/gであり、X線回折による結晶子径は400
オングストローム、粒度分布測定より求めた一次粒径は
0.11μmであった(BET径/結晶子径=2.2
7)。 この酸化インジウム粉末と酸化錫粉末を酸化錫
含有量が10重量%となるように混合し、実施例1と同
様な方法で成型、焼結した。焼結体の直径は100mm
φであり、焼結体密度は82%、5.8g/cm3であ
った。
【0068】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01G 1/00 - 23/00 C04B 35/457 C04B 35/495 C23C 14/34
Claims (3)
- 【請求項1】 BET比表面積が15m2/g以上30
m2/g以下、BET径と結晶子径の比が2以下であっ
て、粒度分布測定により求めた一次粒子の平均粒子径が
0.1μm以下、又は電子顕微鏡観察により求めた一次
粒子の平均粒子径が0.03μm以上0.1μm以下で
ある酸化インジウム粉末。 - 【請求項2】温度が60℃以上100℃以下のインジウ
ム塩水溶液とアルカリ水溶液を[OH]/[In]比が
3〜5の範囲になるように混合する際、(A)インジウ
ム塩水溶液にアルカリ水溶液を供給する場合、混合速度
として、 [OH]/[In]を毎分0.15以上の速度で混合、
(B)アルカリ水溶液にインジウム塩水溶液を供給する
場合、混合速度として、 [In]/[OH]を毎分0.01以上の速度で混合、
(C)アルカリ水溶液とインジウム塩水溶液とを連続的
に供給して混合、した後、得られた水酸化インジウムを
洗浄、濾過、乾燥、仮焼して製造することを特徴とする
酸化インジウム粉末の製造方法。 - 【請求項3】請求項1記載の酸化インジウム粉末に酸化
錫粉末を混合し、成型、焼結することを特徴とする焼結
密度6.0g/cm3以上のITO焼結体の製造方法。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34587692A JP3324164B2 (ja) | 1992-12-25 | 1992-12-25 | 酸化インジウム粉末及びその製造方法並びにito焼結体の製造方法 |
EP93112991A EP0584672B1 (en) | 1992-08-19 | 1993-08-13 | Method of manufacturing an indium oxide powder useful as material of a high-density ITO sintered body |
DE69303126T DE69303126T2 (de) | 1992-08-19 | 1993-08-13 | Verfahren zur Herstellung eines Indiumoxidpulvers verwendbar für einen ITO-Sinterkörper mit hoher Dichte |
US08/105,425 US5401701A (en) | 1992-08-19 | 1993-08-13 | Ito sintered body and method of manufacturing the same |
KR1019930016152A KR100205556B1 (ko) | 1992-08-19 | 1993-08-19 | 고밀도 아이티오 소결체 아이티오 타겟 및 그의 제조방법 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34587692A JP3324164B2 (ja) | 1992-12-25 | 1992-12-25 | 酸化インジウム粉末及びその製造方法並びにito焼結体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06191846A JPH06191846A (ja) | 1994-07-12 |
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ID=18379593
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