JP3323717B2 - 車両用空気調和装置のダンパ駆動機構 - Google Patents

車両用空気調和装置のダンパ駆動機構

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JP3323717B2
JP3323717B2 JP32473495A JP32473495A JP3323717B2 JP 3323717 B2 JP3323717 B2 JP 3323717B2 JP 32473495 A JP32473495 A JP 32473495A JP 32473495 A JP32473495 A JP 32473495A JP 3323717 B2 JP3323717 B2 JP 3323717B2
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    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60HARRANGEMENTS OF HEATING, COOLING, VENTILATING OR OTHER AIR-TREATING DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR PASSENGER OR GOODS SPACES OF VEHICLES
    • B60H1/00Heating, cooling or ventilating [HVAC] devices
    • B60H1/00642Control systems or circuits; Control members or indication devices for heating, cooling or ventilating devices
    • B60H1/00814Control systems or circuits characterised by their output, for controlling particular components of the heating, cooling or ventilating installation
    • B60H1/00821Control systems or circuits characterised by their output, for controlling particular components of the heating, cooling or ventilating installation the components being ventilating, air admitting or air distributing devices
    • B60H1/00835Damper doors, e.g. position control
    • B60H1/00857Damper doors, e.g. position control characterised by the means connecting the initiating means, e.g. control lever, to the damper door

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  • Transmission Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用空気調和装
置に係り、特に、空気調和装置からの調和空気の吹出し
口切替えや調和空気温度の調整を行う車両用空気調和装
置のダンパの駆動機構に関する。
【0002】
【従来の技術】車両用空気調和装置には、空気調和装置
に送り込む空気を車外の空気である外気とするかまたは
車内の空気である内気とするかを選択するための外内気
切替え用ダンパや、空気調和装置からの調和空気の温度
を調整するためクーラユニットからの冷気をヒータユニ
ットに送る量を設定するエアミックス用ダンパ等によっ
て空気調和装置からの調和空気の調整を行うとともに、
複数の吹出しモードをもって車内に吹出すことができる
ように、各吹出し口に連なる通路にはそれら通路の開度
を調整するダンパを設け、1つあるいは複数のダンパの
開口度を調整することにより所望の吹出しモードを得る
ようになっている。
【0003】吹出し口としては、調和空気を乗員の上半
身に吹出して車内の温度を調整するためのベント(VE
NT)吹出し口と、主として温風を乗員の足元に吹出す
ためのフット(FOOT)吹出し口と、調和空気をウイ
ンドシールドやサイドウインドに吹出すためのデフロス
タ(DEF)吹出し口があり、これら吹出し口にもそれ
ぞれダンパが設けられ、1つあるいは複数個のこれらダ
ンパの開閉度を調整することにより複数の吹出しモード
を設定するようになっている。
【0004】吹出しモードとしては、例えば、ベント吹
出し口のみを開放するベント(VENT)モード、デフ
ロスタ吹出し口のみを開放するデフ(DEF)モード、
フット吹出し口のみを開放するフット(FOOT)モー
ド、ベント吹出し口とフット吹出し口をそれぞれ開放す
るバイレベル(B/L)モード、あるいはフット吹出し
口とデフロスタ吹出し口をそれぞれ開放するフットデフ
(D/F)モード等がある。
【0005】したがって、このような各吹出しモードを
行う空気調和装置においては、外内気切替え用ダンパ、
エアミックス用ダンパ、ベント用ダンパ、デフロスタ用
ダンパそしてフット吹出し口用ダンパを設け、1つある
いは複数のダンパを閉じたり開いたりすることにより各
種の空気調和が行われる。
【0006】そのため各ダンパにはダンパの開閉を行う
ためのモータをそれぞれ取付け、1つあるいは複数のモ
ータを駆動することにより所定のダンパの開閉を行うよ
うになっていた。
【0007】また、例えば特開平4-71920号公報に見ら
れるように、ベント吹出し口とデフロスタ吹出し口そし
てフット吹出し口の開口度を調整する各ダンパをリンク
機構で接続し、このリンク機構を1つのモータで駆動す
ることも提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、各ダン
パにそれぞれモータを設ける前者の構成は、ダンパ駆動
機構が大型化し、設置スペースも広く取る必要がある。
また、後者の構造は、3つのダンパを1つのモータで駆
動することになり、前者の構造に比べて2つのモータを
省略することができるが、3つのダンパを選択的に駆動
するためのリンク機構に多数の部品を使用し、複雑な構
成をしており、所定の位置に各部品を組立てるのが難し
い等の問題点の外に、リンク機構そのものが大きくな
り、スペースを多くとる虞れがある。
【0009】本発明の第1の目的は、簡単なカム機構に
より1つのモータで少なくとも2つのダンパを駆動する
ようにした車両用空気調和装置のダンパ駆動機構を提供
することである。
【0010】本発明の第2の目的は、ダンパ駆動機構を
ユニット化して、どのような車種のどのような車両用空
気調和装置のダクト部分にも搭載可能にした車両用空気
調和装置のダンパ駆動機構を提供することにある。
【0011】本発明の第3の目的は、僅かな部品の交換
及び作業により種々の動作モードにも適用させることが
できる車両用空気調和装置のダンパ駆動機構を提供する
ことにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記第1の目的は、可逆
回転可能なモータと、このモータの回転により回動し、
その両面に回転中心から距離を変化させて連続したカム
溝をそれぞれ形成したロータリーカムと、前記一方のカ
ム溝に係合する係合部を設けるとともに、ダンパと連結
してある第1のクランク部材と、前記他方のカム溝に係
合する係合部を設けるとともに、他のダンパと連結して
ある第2のクランク部材とを有し、前記ロータリーカム
の回転に伴う前記各カム溝により、前記各係合部を介し
て前記第1及び第2のクランク部材をそれぞれ揺動させ
て前記各ダンパをそれぞれ開閉駆動するようにした第1
の手段により達成される。
【0013】前記第2の目的は、第1の手段において、
ベースを更に有し、このベースに前記ロータリーカムを
載置した第2の手段により達成される。
【0014】前記第3の目的は、第1あるいは第2の手
段において、前記ロータリーカムは前記カム溝の形状が
異なるロータリーカムに置き換え可能に取付けられてい
る第3の手段により達成される。
【0015】前記第1の手段にあっては、ロータリーカ
ムの両面にカム溝をそれぞれ形成していることから、簡
単なカム機構により1つのモータで少なくとも2つのダ
ンパを駆動できる。
【0016】前記第2の手段にあっては、ダンパ駆動機
構をユニット化して、どのような車種のどのような車両
用空気調和装置のダクト部分にも搭載可能である。
【0017】前記第3の手段にあっては、僅かな部品の
交換及び作業により種々の動作モードにも適用させるこ
とができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態によ
る車両用空気調和装置のダンパ駆動機構を図面に基づい
て説明する。図1はこのダンパ駆動機構を分解して示す
分解斜視図、図2は組立られたダンパ駆動機構からモー
タを取り除いた状態で示す平面図、図3は図2のダンパ
駆動機構を左方向から見た側面図、図4は図2のダンパ
駆動機構を上方向から見た側面図、図5はそのロータリ
ーカムの上面を示す平面図、図6はロータリーカムの下
面を示す平面図、図7はロータリーカムによる回転角と
ダンパの開閉度の関係を示すグラフである。
【0019】なお、この実施の形態においては、ベント
用ダンパとデフロスタ用ダンパとを1つのダンパ駆動機
構で駆動して、ベントモード,デフモード,フットモー
ド,及びバイレベルモードを行わせる場合を例に取って
いる。
【0020】ダンパ駆動機構ユニットは、ベース1と、
このベース1上に支点部が回動自在に支持された2つの
クランク部材2,3と、軸がベース1上に立設するよう
に回動自在に支持された円板状のロータリーカム4と、
このロータリーカム4を回動させるためのモータ5とを
主に有している。
【0021】ベース1には、図1に示すように、第1及
び第2のクランク部材2,3の支点部をそれぞれ支持す
るクランク支持ポスト11,12と、上端面でロータリ
ーカム4の下面に当接するとともにロータリーカム4に
貫通されているモータ5の出力軸52を遊嵌する丸孔を
穿設したカム支持筒部13と、モータ5をネジ54で固
定する3本のモータ支持ポスト14とが一体的に成形さ
れている。このクランク支持ポスト12とカム支持筒部
13はベース1の一段低い面に立設され、カム支持筒部
13の上端はクランク支持ポスト11の上端より低く、
クランク支持ポスト12の上端はカム支持筒部13の上
端より低くなるように設定されている。なお、15はこ
のダンパ駆動機構ユニットを空調装置(図示しない)本
体のダクト(ケーシング)に固定するための固定用ネジ
24が挿入されるネジ挿通部である。
【0022】第1のクランク部材2は上側クランク2A
と下側クランク2Bからなり、この上側クランク2Aは
くの字状に曲げられた形をしており、その両端下面には
連動ピン21,カム溝係合ピン(係合部)22が取付け
られて突設され、中央の角部には回動中心となる回動支
持用丸孔23が穿孔されている。また、連動ピン21は
上側クランク2Aの下方に位置する下側クランク2Bの
一端に形成された長孔25に挿入されている。この下側
クランク2Bの一端下面にはクランク棒26の上端が取
付けられており、このクランク棒26を中心にして下側
クランク2Bは回動自在に支持されている。また、クラ
ンク棒26には、図2に示すように、デフロスタ用ダン
パ60の軸部60aが取付けられており、したがって、
クランク棒26の回動によりデフロスタ用ダンパ60が
θ2の角度を回動されてDEFオープンとDEFクロー
ズとの間を駆動される。上側クランク2Aの回動支持用
丸孔23は、クランク支持ポスト11の上端の軸心部に
立設された円筒カラー部16に回動自在に遊嵌されてい
る。そして、遊嵌された上側クランク2Aは、シャフト
リターナ27と固定用ネジ28によりクランク支持ポス
ト11から離脱しないように保持されている。下側クラ
ンク2Bのクランク棒26の下端はダクト(ケーシン
グ)に形成した孔に回動自在に軸支され、下側クランク
2Bがクランク棒26を中心にして図2の矢印Aの方向
に回動されてデフロスタ用ダンパ60を駆動する。
【0023】第2のクランク部材3は上側クランク3A
と下側クランク3Bからなり、この上側クランク3Aも
くの字状に曲げられた形をしており、その両端部は角部
より高くなるように折り曲げ加工されている。上側クラ
ンク3Aの一端部上面にはカム溝係合ピン(係合部)3
1が立設されており、他端部下面には連動ピン32が取
付けられている。連動ピン32は上側クランク3Aの下
部に位置する下側クランク3Bの一端に形成された長孔
34に遊嵌されている。下側クランク3Bの他端下面に
はクランク棒35の上端が取付けられている。上側クラ
ンク3Aの中央の角部には、回動中心となる回動支持用
丸孔36が穿設されており、この回動支持用丸孔36に
はクランク支持ポスト12の上端の軸心部に立設された
円筒カラー部17に回動自在に遊嵌され、かつシャフト
リターナ37と固定用ネジ38によりクランク支持ポス
ト12から離脱しないように支持されている。下側クラ
ンク3Bのクランク棒35の下端にはベント用ダンパ6
1の軸部61aが取付けられており、さらにクランク棒
35の下端はダクト(ケーシング)に形成した孔に回動
自在に軸支され、下側クランク3Bがクランク棒35を
中心にして図2の矢印Bの方向に回動されてベント用ダ
ンパ61をθ1の角度で駆動する。
【0024】円板状のロータリーカム4は、その両面
に、図5及び図6に示すように、カム溝41,42がそ
れぞれ形成され、中央部には断面非円形状の軸孔44が
穿孔されている。この軸孔44の一方の開口部周縁部は
やや突出された筒部43とされている。モータ5の出力
軸52を下方に突出するようにしてモータ5は、ケース
51の周囲3ヶ所に設けられたネジ受けフランジ53に
固定ネジ54によりモータ支持ポスト14にネジ止めし
てベース1に固定されている。モータ5の出力軸52は
ロータリーカム4の軸孔44に挿入され、その先端は前
記ベース1のカム支持筒部13に支承されて、ロータリ
ーカム4を回転させる。
【0025】そして、カム溝41には上側クランク2A
のカム溝係合ピン22が係合され、カム溝42には上側
クランク3Aのカム溝係合ピン31が係合されており、
ロータリーカム4の回転に伴ってカム溝41,42に沿
ってカム溝係合ピン22,31が摺動することにより上
側クランク2A,3Aのクランク角がそれぞれ調整され
る。なお、これらカム溝41,42の構造の詳細は後述
する。
【0026】前記モータ5は車両のインストルメントパ
ネル(空調パネル)上のベントモード、デフモード及び
バイレベルモードを選択する各操作スイッチ(図示しな
い)を操作することにより回転する。すなわち、操作ス
イッチの切替えによって、図示しない制御手段からの信
号により選択されたモードになるようにサーボモータ5
を駆動させて、ロータリーカム4を所定の回転位置へと
回転させる。このロータリーカム4を最大270°程度
の範囲で回転させるようにしてある。
【0027】ここで、図7に示すロータリーカム4の回
転角とダンパの開閉度との関係とともに、これらカム溝
41,42を詳細に説明する。
【0028】ここで、カム溝41,42において、カム
形状の同じ部分(例えば、中心からの半径が同じ部分、
中心からの半径が変化する部分、その変化量が違う部
分)から異なる部分との境を、カム溝41では○、カム
溝42では△の印を付してある。
【0029】カム溝41は、図5に示すように、ロータ
リーカム4の回転中心Oに近い一端側の区間m0から外
周部に近い他端側のm4まで約270°にわたって環状に形
成されている。区間m0は回転中心Oからの距離が同じ
弧状に形成されており、この区間m0に上側クランク2
Aのカム溝係合ピン22が位置している時は、デフロス
タ用ダンパ60は一杯に開いた状態(図2の状態)にあ
る。なお、カム溝41はどちらが始端ということはない
が、説明の便宜上で区間m0の端部を始端として以下説
明する。尚、図7では、この端部の位置をロータリーカ
ム4の回転角0°の基準としている。このカム溝41に
は、区間m0の終端に続いて区間m1が回転中心Oからの
距離を長くして形成されている。この区間m1をカム溝
係合ピン22が移動する時はデフロスタ用ダンパ60は
徐々に閉じあるいは開くように駆動される。この区間m
1の終端に続いて区間s1が区間m1より傾斜を大きくし
て形成されており、この区間s1ではデフロスタ用ダン
パ60の閉じあるいは開く速度が早くなっている。
【0030】この区間s1の終端に続いて区間m2が回転
中心Oから等距離で弧状に形成されている。この区間m
2は回転中心Oからの距離が最も離れており、この区間
m2をカム溝係合ピン22がある時にはデフロスタ用ダ
ンパ60は完全に閉じた状態になる(図2のデフクロー
ズの位置)。つまり、区間m2をカム溝係合ピン22が
移動している時にはデフロスタ用ダンパ60は閉じた状
態を保持される。
【0031】この区間m2の終端に続いて区間s2が回転
中心Oからの距離を次第に短くして少し外周部から離れ
る所まで形成されており、この区間s2をカム溝係合ピ
ン22が移動している時はデフロスタ用ダンパ60は徐
々に開きあるいは閉じていく。この区間s2の終端に続
いて区間m3が回転中心Oから等距離で形成されてお
り、この区間m3ではデフロスタ用ダンパ60はやや閉
じる方向に移動した状態で保持される。そして、区間m
3の終端に続いて区間s3が回転中心Oからの距離を次第
に長くし区間s3の終端では前記区間m3と等距離となる
ように形成されており、この区間s3をカム溝係合ピン
22が移動している時はデフロスタ用ダンパ60は徐々
に閉じあるいは開いていく。
【0032】そして、区間s3の終端に続いて区間m4が
回転中心Oから等距離で弧状に形成されている。この区
間m4にカム溝係合ピン22が位置している時はデフロ
スタ用ダンパ60は全閉状態を維持する。
【0033】次に、ロータリーカム4のカム溝42につ
いて説明する。カム溝42は、図6に示すように、回転
中心Oに近い位置に区間n0が形成され区間n5まで約27
0°にわたって環状に形成されている。カム溝42の始
端側の区間n0から図示した区間n1,区間n2は回転中
心Oから等距離で円弧状に形成されている。この区間n
0ないしn2に上側クランク3Aのカム溝係合ピン31が
位置している時は、ベント用ダンパ61は閉じた状態で
保持されている(図2のベントクローズ位置)。この状
態はロータリーカム4が半回転以上するまで、すなわち
約145°近く回転するまで続く。区間n2の終端に続いて
区間n3が回転中心Oからの距離を長くして形成されて
いる。この区間n3にカム溝係合ピン31が移動してい
る時はベント用ダンパ61は徐々に開いて(閉じて)い
く。そして、区間n3の終端に続いて区間n4が回転中心
Oからの距離を長くして形成されている。区間n3より
も区間n4の方が傾斜を大きく設定されてベント用ダン
パ61の開速度(逆方向からの移動の場合は、閉速度)
が早くなっている。区間n4の終端に続いて区間n5が回
転中心Oから等距離で弧状に形成されている。この区間
n5は回転中心Oからの距離が最も離れており、区間n5
にカム溝係合ピン31がある時、ベント用ダンパ61の
開口度は100%となる(図2のベントオープン位置)。
【0034】図7に示すように、デフロスタ用ダンパ6
0が開いてベント用ダンパ61が閉じた状態(デフモー
ド)と、デフロスタ用ダンパ60もベント用ダンパ61
も閉じた状態(フットモード)と、デフロスタ用ダンパ
60もベント用ダンパ61も共に20%程度開いた状態
(バイレベル(B/L)モード)と、デフロスタ用ダン
パ60が閉じてベント用ダンパ61が開いた状態(ベン
トモード)とになるように、ロータリーカム4の裏表に
カム溝41,42が配設されている。
【0035】次に、このダンパ駆動機構の動作を説明す
る。上述したように、選択した各操作スイッチのモード
に応じて電気ユニットから信号を出力してサーボモータ
5を制御し、ロータリーカム4を所定の回転位置に回転
させることによって、図7に示す各モード状態を選択で
きる。
【0036】まず、インストルメントパネル上のデフロ
スタ用操作スイッチを操作してあると、デフロスタ用ダ
ンパ60を一杯に開放した状態にあり、そしてベント用
ダンパ61を閉じた状態にある(デフモード)を選択す
る位置にある。この状態では、カム溝係合ピン22,3
1はロータリーカム4のカム溝41,42の区間m0,n
0にそれぞれ位置している(図7のロータリーカム4の
回転角0°)。そして、この状態から、別の操作スイッ
チを操作して空調装置のモードを変更させると、操作ス
イッチに応じて電気ユニットから信号が出力されてサー
ボモータ5が制御されロータリーカム4が選択された角
度へ回転される。例えばフットモードを選択した場合、
ロータリーカム4の回転角が0°から次第に大きくなっ
て回転角135°程度となる。ロータリーカム4の回転
に伴ってカム溝係合ピン22はロータリーカム4のカム
溝41の区間m0から区間m1を通って区間m2に至る。
この動作によりカム溝41に沿ってカム溝係合ピン22
は回転中心Oから次第に離れていくので、上側クランク
2Aは回動支持用丸孔23を回動中心にして図2の時計
回り方向に回動される。そして、連動ピン21と長孔2
5との係合により下側クランク2Bはクランク棒26を
中心にして図2の反時計回り方向に回動される。これに
よりクランク棒26に連結されているデフロスタ用ダン
パ60は、全開状態から図2の反時計回り方向に回動さ
れ、次第に閉じられていき全閉される。また、このロー
タリーカム4の回転動作において、ロータリーカム4の
裏面側のカム溝42に係合しているカム溝係合ピン31
も、カム溝42の区間n0から区間n1,区間n2に至るが
ベント用ダンパ61は全閉状態のままである。なお、フ
ットモードでは図示していないが、フット用ダンパが他
のダンパ駆動機構により開放されている(図7のロータ
リーカム4の回転角135°)。
【0037】そして、この状態からインストルメントパ
ネルのバイレベルモードの操作スイッチを操作してバイ
レベルモードを選択した場合、ロータリーカム4の回転
に伴ってカム溝係合ピン22はロータリーカム4のカム
溝41の区間m2から区間s2を通って区間m3に至る。
この動作により、上側クランク2Aは回転支持用丸孔2
3を回転中心にして図2の反時計回り方向に回動され
る。そして、下側クランク2Bはクランク棒26を中心
にして図2の時計回り方向に回動される。これによりデ
フロスタ用ダンパ60は、全閉状態から図2の時計回り
方向に回動され、20%程度開いた状態になる。さらに
カム溝係合ピン22は回転中心Oから等距離で弧状に形
成されたカム溝41に係合して、このデフロスタ用ダン
パ60は開き角度20%で維持される。
【0038】また、このロータリーカム4の回転動作に
おいて、カム溝係合ピン31はロータリーカム4のカム
溝42の区間n2から区間n3に至る。この動作により、
上側クランク3Aは回転支持用丸孔36を回転中心にし
て図2の時計回り方向に回動される。そして、下側クラ
ンク3Bはクランク棒35を中心にして図2の反時計回
り方向に回動される。これによりベント用ダンパ61
は、全閉状態から図2の反時計回り方向に回動され、徐
々に開いた状態になる。そして、このベント用ダンパ6
1は、デフロスタ用ダンパ60と同じ20%程度開いた
状態となる(図7のロータリーカム4の回転角180
°)。
【0039】次に、この状態からベントモードを選択し
た場合、ロータリーカム4の回転に伴ってカム溝係合ピ
ン22はロータリーカム4のカム溝41の区間m3から
区間s3を通って区間m4に至る。この動作により、上側
クランク2Aは回転支持用丸孔23を回転中心にして図
2の時計回り方向に回動される。そして、下側クランク
2Bはクランク棒26を中心にして図2の反時計回り方
向に回動される。これによりデフロスタ用ダンパ60
は、徐々に閉じられて全閉される。さらにカム溝係合ピ
ン22は回転中心Oから等距離で弧状に形成されたカム
溝41に係合して、このデフロスタ用ダンパ60は全閉
状態で維持される。
【0040】また、このロータリーカム4の回転動作に
おいて、カム溝係合ピン31はロータリーカム4のカム
溝42の区間n3から区間n4を通って区間n5に至る。
この動作により、上側クランク3Aは回転支持用丸孔3
6を回転中心にして図2の時計回り方向に回動される。
そして、下側クランク3Bはクランク棒35を中心にし
て図2の反時計回り方向に回動される。これによりベン
ト用ダンパ61は、開いていき全開される。さらにカム
溝係合ピン22は回転中心Oから等距離で弧状に形成さ
れたカム溝41に係合して、このベント用ダンパ61は
全開状態で維持される(図7のロータリーカム4の回転
角270°)。
【0041】このように、インストルメントパネル上の
各モードすなわち、ベントモードやバイレベルモード等
をユーザーが選択することにより、モータ5は駆動す
る。そしてモータ5の回転により、ロータリーカム4も
選択されたモードに対応した回転角へ回転させられる。
これによりロータリーカム4のカム溝41,42内に係
合しているカム溝係合ピン22,31がこれら溝に沿っ
て移動し、カム溝係合ピン22,31の移動により、上
側クランク2A,3Aの回動支持用丸孔23,36を支
点とした回動となり、デフロスタ用ダンパ60に連結さ
れた下側クランク2Bと、ベント用ダンパ61に連結さ
れた上側クランク3Bを図2の矢印A,B方向に往復動
させる。このようにしてデフロスタ用ダンパ60及びベ
ント用ダンパ61を開閉制御する。
【0042】なお、車のエンジンが始動するときに、電
気ユニットのメモリに記憶された空調モードを維持し、
モータ5はそのモードの位置から所定の位置に自在に回
転する。
【0043】また、上述した実施の形態においては、ロ
ータリーカム4によりデフロスタ用ダンパ60とベント
用ダンパ61を開閉制御して、ベントモード、デフモー
ド、バイレベルモードそしてフットモードを切り替える
場合を説明したが、ロータリーカム4は、フットモード
とデフモード及びフットデフモードに切替えるためにデ
フロスタ用ダンパ60とフット吹出し口用ダンパとを駆
動するようにしたり、外内気切替え用ダンパやエアミッ
クス用ダンパとを駆動したりすることができる。この場
合は、ロータリーカム4に形成するカム溝はそれらモー
ドに合わせてダンパが開閉するように変更すればよく、
また、ロータリーカム4の交換は、ロータリーカム4の
筒部43をベース1のカム支持筒部13から外し、別の
ロータリーカム4の筒部43をカム支持筒部13に挿入
するだけの簡単な操作で取付けることができる。また、
デュアルタイプの空調装置のダンパ駆動機構としても使
用できることは勿論である。
【0044】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、ロータリ
ーカムの両面にカム溝をそれぞれ形成したので、1つの
モータ及び1つのロータリーカムで2つの異なった空調
モードを設定することができ、また、モータの数の削減
等の部品点数の削減を図れ、コンパクト化を図れる。
【0045】請求項2記載の発明よれば、車両用空気調
和装置のダクト(ケーシング)とは別に、ベースにロー
タリーカムを取付けたので、駆動機構をユニット化する
ことができ、汎用性を持たせることができる。したがっ
て、どのような車種のどのような車両用空気調和装置の
ダクトにもカム溝形状を合わせたロータリーカムを搭載
した駆動機構ユニットを取付けることができる。
【0046】請求項3記載の発明によれば、ロータリー
カムは簡単に置き換え可能であるので、調和空気の吹出
しモード切替え用としてはもとより、外気と内気との切
替えや、車内の前部と後部あるいは左側と右側で独立に
空調することができるように構成されたデュアルタイプ
の空気調和装置においても、僅かな部品の交換及び作業
により種々の動作モードにも適用させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による車両用空気調和装
置のダンパ駆動機構を分解して示す分解斜視図である。
【図2】このダンパ駆動機構からモータを取り除いた状
態で示す平面図である。
【図3】図2のダンパ駆動機構を左方向から見た側面図
である。
【図4】図2のダンパ駆動機構を上方向から見た側面図
である。
【図5】そのロータリーカムの上面を示す平面図であ
る。
【図6】このロータリーカムの下面を示す平面図であ
る。
【図7】このロータリーカムによる回転角とダンパの開
閉度の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 ベース 2 第1のクランク部材 3 第2のクランク部材 2A,3A 上側クランク 2B,3B 下側クランク 4 ロータリーカム 5 モータ 22,31 カム溝係合ピン 26,35 クランク棒 41,42 カム溝

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可逆回転可能なモータと、 このモータの回転により回動し、その両面に回転中心か
    ら距離を変化させて連続したカム溝をそれぞれ形成した
    ロータリーカムと、 前記一方のカム溝に係合する係合部を設けるとともに、
    ダンパと連結してある第1のクランク部材と、 前記他方のカム溝に係合する係合部を設けるとともに、
    他のダンパと連結してある第2のクランク部材とを有
    し、 前記ロータリーカムの回転に伴う前記各カム溝により、
    前記各係合部を介して前記第1及び第2のクランク部材
    をそれぞれ揺動させて前記各ダンパをそれぞれ開閉駆動
    するようにしたことを特徴とする車両用空気調和装置の
    ダンパ駆動機構。
  2. 【請求項2】 ベースを更に有し、このベースに前記ロ
    ータリーカムを載置したことを特徴とする請求項1記載
    の車両用空気調和装置のダンパ駆動機構。
  3. 【請求項3】 前記ロータリーカムは前記カム溝の形状
    が異なるロータリーカムに置き換え可能に取付けられて
    いることを特徴とする請求項1または2記載の車両用空
    気調和装置のダンパ駆動機構。
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