JPH10227518A - 空気調和機の吹出口構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価で、かつ、２枚の水平フラップの回動角
度を夫々を自由に設定でき、複雑な動きができる空気調
和機の吹出口構造を提供する。 【解決手段】 モータ２０の出力軸に連動するカムギア
１２の回転に応じて第１水平フラップ用シャフト１０を
ギア部１２b,フラップギヤ１１を介して回動する。上記
モータ２０の出力軸に連動する第１水平フラップ用シャ
フト１０により第１水平フラップ３を上下方向に回動自
在に支持する。上記カムギア１２の回転に応じて第１,
第２リンク機構１３,１４,アーム１５を介して第２水平
フラップ用シャフト１６を回動し、第２水平フラップ４
を第２水平フラップ用シャフト１６により上下方向に回
動自在に支持する。上記カムギア１２のカム部１２aを
全閉領域,冷房領域および暖房領域を有するカム形状に
形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、吹出口に上下方
向に回動する２つの水平フラップを備えた空気調和機の
吹出口構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、空気調和機の吹出口構造として
は、ケーシング内に熱交換器と送風ファンとを備えて、
送風ファンにより吸込口から熱交換器を介して吸い込ん
だ空気を吹出口から吹き出し、上下方向にスイング動作
する水平フラップによって吹き出す空気の風向を上下方
向に変えるものがある。この空気調和機の吹出口構造で
は、冷房運転時は、冷風が上向きになるように水平フラ
ップを上向きにする一方、暖房運転時は、温風が下向き
になるように水平フラップを下向きにする。そして、運
転停止時は、水平フラップを回動させて、吹出口を閉め
るようにしている。ところが、上記空気調和機の吹出口
構造では、運転停止時に吹出口の上縁と水平フラップと
の間に隙間ができ、美観が損なわれるという欠点があ
る。

【０００３】そこで、気流制御する２枚の水平フラップ
を歯車またはリンク機構を用いて連動させて、運転停止
時に吹出口を２枚の水平フラップで全閉することによっ
て、外観を美しくできる空気調和機の吹出口構造が考え
られている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記２枚の
水平フラップを歯車またはリンク機構で連動させた場
合、機構上の制約により各水平フラップの回動角度の設
定の自由度が低く、複雑な動きができないという欠点が
ある。また、この欠点を解消するために２枚のフラップ
をそれぞれ別々のモータで駆動することも考えられる
が、この場合、コストが高くつくという欠点がある。

【０００５】そこで、この発明の目的は、安価で、か
つ、２枚の水平フラップの回動角度を夫々を自由に設定
でき、複雑な動きができる空気調和機の吹出口構造を提
供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項１の空気調和機の吹出口構造は、モータの出
力軸に連動するカムと、上記モータの出力軸に連動する
第１水平フラップ用シャフトと、上記第１水平フラップ
用シャフトによりケーシングの吹出口に上下方向に回動
自在に支持された第１水平フラップと、上記カムの回転
に応じてリンク機構を介して回動する第２水平フラップ
用シャフトと、上記第２水平フラップ用シャフトにより
上記ケーシングの吹出口に上下方向に回動自在に支持さ
れた第２水平フラップとを備えて、上記カムは、上記第
１水平フラップと上記第２水平フラップとで上記ケーシ
ングの吹出口を全閉する全閉領域と、冷房運転時の上記
第１水平フラップの回動角度に対して上記第２水平フラ
ップの回動角度を定める冷房領域と、暖房運転時の上記
第１水平フラップの回動角度に対して上記第２水平フラ
ップの回動角度を定める暖房領域とを有するカム形状に
形成されたことを特徴としている。

【０００７】上記請求項１の空気調和機の吹出口構造に
よれば、上記モータの出力軸を回転させて、その出力軸
に連動するカムおよび第１水平フラップ用シャフトが夫
々回動すると、第１水平フラップが第１水平フラップ用
シャフトを中心に上下方向に回動する。一方、上記第２
水平フラップ用シャフトがカムの回転に応じてリンク機
構を介して回動すると共に、第２水平フラップが第２水
平フラップ用シャフトを中心に上下方向に回動する。こ
のとき、上記カム形状の全閉領域では、第１水平フラッ
プと第２水平フラップとでケーシングの吹出口を全閉状
態にする。また、上記第１水平フラップの回動角度に対
する第２水平フラップの回動角度を定めるカム形状の冷
房領域および暖房領域では、カムを所望のカム形状に形
成することによって、第１水平フラップの回動角度の変
化に拘わらず、第２水平フラップの回動角度を自由に変
化させることができる。したがって、安価で、かつ、第
１,第２水平フラップの回動角度を夫々を自由に設定で
き、第１,第２水平フラップに複雑な動きをさせること
ができる。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、この発明の空気調和機の吹
出口構造を図示の実施の形態により詳細に説明する。

【０００９】図１はこの発明の実施の一形態の空気調和
機の吹出口構造の要部断面図であり、この空気調和機
は、図示しない室内熱交換器で調和された調和空気を送
風ファンによってケーシングの正面下部の吹出口から吹
き出すものである。

【００１０】図１において、１は下側に吹出口５が形成
されたドレンパン、２は上記ドレンパン１の下側に吹出
口５に垂直に設けられた複数のフラップ支持板(図１で
は１つのみを示す)、３は上記フラップ支持板２から前
方斜め下向きに延びるアーム２aに第１水平フラップ用
シャフト１０により上下方向に回動自在に支持された第
１水平フラップ、４は上記ドレンパン１の前方に吹出口
５の上側に第２水平フラップ用シャフト１６により上下
方向に回動自在に支持された断面くの字形状の第２水平
フラップである。

【００１１】また、図２は図１に示す第１水平フラップ
３と第２水平フラップ４の駆動機構を示す分解斜視図で
ある。図２に示すように、フラップギア１１の軸部１１
aの一端をギアボックス２１の嵌合穴２１aに嵌合する一
方、フラップギア１１の軸部１１aの他端から軸方向に
延びる連結部１１bがギアボックスカバー２２aの嵌合穴
２２aを貫通し、その連結部１１bを第１水平フラップ用
シャフト１０(図１に示す)に同軸に連結している。そし
て、上記フラップギア１１にカムギア１２のギア部１２
bが噛合している。上記カムギア１２の軸部１２cの一端
をギアボックス２１の嵌合穴２１bに嵌合する一方、カ
ムギア１２の軸部１２cの他端をギアボックスカバー２
２の嵌合穴２２bに回動自在に嵌合している。上記カム
ギア１２の軸部１２cの一端に設けられた嵌合穴２３に
ステッピングモータ２０の出力軸２０aを嵌合し、カム
ギア１２の軸部１２cとステッピングモータ２０の出力
軸２０aとを連結している。上記ステッピングモータ２
０をギアボックス２１にネジ３１,３２により固定して
いる。そして、上記カムギア１２のギア部１２bのカム
面に外周面が摺接する円筒形状のカムフォロア１３bを
有する軸部１３aを第１リンク１３の一端近傍に設ける
と共に、第１リンク１３の他端近傍に係合突起１３cを
設けている。上記第１リンク１３の軸部１３aのカムフ
ォロア１３bを有する側の一端をギアボックス２１の嵌
合穴２１cに回動自在に嵌合する一方、第１リンク１３
の軸部１３aの他端側にギアボックスカバー２２の穴２
１cを貫通するネジ３３を螺合している。上記第１リン
ク１３の軸部１３aをギアボックス２１とギアボックス
カバー２２によって両側から回動自在に支持している。
また、上記第１リンク１３の係合突起１３cを第２リン
ク１４の一端近傍に設けられた係合穴１４aに回動自在
に係合させ、第２リンク１４の他端近傍に設けられた係
合穴１４bにアーム１５の一端に設けられた係合突起１
５aを回動自在に係合させている。上記アーム１５の他
端に設けられた軸部１５bの一端をギアボックス２１の
嵌合穴２１dに回動自在に嵌合する一方、アーム１５の
軸部１５bの他端から軸方向に延びる連結部１５cがギア
ボックスカバー２２の穴２２dを貫通し、アーム１５の
連結部１５cを第２水平フラップ用シャフト１６(図１に
示す)に連結している。上記第１リンク１３,第２リンク
１４およびアーム１５でリンク機構を構成している。

【００１２】また、図３は上記カムギア１２のカム部１
２aのカム形状を示す正面図である。このカムギア１２
のカム部１２aは、軸部１２cの中心点Ｏ1からの半径が
最も短い位置を全閉位置Ａとし、その全閉位置Ａから角
度略４５deg(時計方向)回転した位置を基準位置Ｃとし
ている。上記カムギア１２のカム部１２aは、中心点Ｏ1
を中心に基準位置Ｃから角度略−４５deg(反時計方向)
回転した位置を全閉位置Ａすなわち全閉領域Ｓ1と定
め、中心点Ｏ1を中心に基準位置Ｃから角度略−９５deg
(反時計方向)の回転した位置を冷房領域Ｓ２と定め、中
心点Ｏ1を中心に基準位置Ｃから角度略＋４０deg〜＋５
５deg(時計方向)の回転範囲の暖房領域Ｓ3と定めるカム
形状をしている。

【００１３】上記構成の空気調和機の吹出口構造におい
て、図１の状態からステッピングモータ２０(図２に示
す)を駆動して、カムギア１２を反時計方向(矢印Ｒ１)
に回転させると、カムギア１２のギア部１２bに噛合す
るフラップギア１１が回転して、第１水平フラップ用シ
ャフト１０と共に第１水平フラップ３を時計方向(矢印
Ｒ２)に回動させる。一方、上記カムギア１２のカム部
１２aのカム面に沿って第１リンク１３のカムフォロア
１３bが摺接しながら、第１リンク１３が軸部１３aを中
心に反時計方向(矢印Ｒ３)に回動する。上記第１リンク
１３の回動に伴って、第２リンク１４を介してアーム１
５と第２水平フラップ４が第２水平フラップ用シャフト
１６を中心に時計方向(矢印Ｒ４)にすなわち上方に回動
する。また、図１の状態からステッピングモータ２０
(図２に示す)を逆回転に駆動して、カムギア１２を時計
方向に回転させても、同様にして、カム面の形状に応じ
て第２水平フラップ４が第２水平フラップ用シャフト１
６を中心に時計方向(矢印Ｒ４)に回動する。

【００１４】図４,図５,図６および図７は上記第１水平
フラップ３と第２水平フラップ４が全閉状態,ドライ運
転,冷房運転および暖房運転のときの空気調和機の要部
断面図を夫々示し、図８は図３に示すカムギア１２を反
時計方向に一定角速度で回転させたときの第１水平フラ
ップ３の角度変化と第２水平フラップ４の角度変化を示
しており、縦軸が基準位置Ｃに対する角度［deg］、横
軸が時間［sec］を示している。図８に示すように、上
記第１水平フラップ３が一定の角速度で反時計方向に回
転すると、第２水平フラップ４の角度は、カムギア１２
のギア部１２bのカム形状に従って、約＋２０〜＋６０d
egの範囲内で変化する。

【００１５】図４において、上記カムギア１２のカム部
１２aの全閉位置Ａに第１リンク１３のカムフォロア１
３bが位置するとき、第１水平フラップ３と第２水平フ
ラップ４は、吹出口５を全閉している。また、上記カム
ギア１２のカム部１２aの基準位置Ｃに第１リンク１３
のカムフォロア１３bが位置するときは、図４に示すよ
うに、第１水平フラップ３と第２水平フラップ４が点線
で示す位置となる。また、図５のドライ運転では、第１
水平フラップ３を所定の角度範囲でスイングさせると共
に、第２水平フラップ４を上方に回動させた状態で固定
している。また、図６の冷房運転では、第１水平フラッ
プ３をドライ運転時よりも狭い角度範囲でスイングさせ
ると共に、第２水平フラップ４を上方に回動させた状態
で固定している。また、図７の暖房運転では、第１水平
フラップ３を所定の角度範囲でスイングさせると共に、
第２水平フラップ４を所定の角度範囲で上下方向に回動
させる。

【００１６】このように、上記空気調和機の吹出口構造
は、上記カムギア１２のカム部１２aのカム形状が全閉
位置Ａでは、第１水平フラップ３と第２水平フラップ４
とで吹出口５を全閉すると共に、カム形状が第１水平フ
ラップ３の回動角度に対する第２水平フラップ４の回動
角度を定める冷房領域および暖房領域では、カムギア１
２のカム部１２aを所望のカム形状に形成することによ
って、第１水平フラップの回動角度の変化にかかわら
ず、第２水平フラップの回動角度を自由に変化させるこ
とができる。したがって、安価で、かつ、第１,第２水
平フラップ３,４の回動角度を夫々を自由に設定でき、
第１,第２水平フラップ３,４に複雑な動きをさせること
ができる。

【００１７】上記実施の形態では、上記フラップギア１
１,カムギア１２,第１リンク１３,第２リンク１４およ
びアーム１５等を用いた駆動機構によって、第１水平フ
ラップ３および第２水平フラップ４を上下方向に回動さ
せたが、第１,第２水平フラップの駆動機構は、これに
限らないのは勿論である。

【００１８】また、上記実施の形態では、上記カムギア
１２は、カム部１２aとギア部１２bを一体に形成した
が、カムギアは、別々に製作されたカムとギアをシャフ
トで連結したものでもよい。

【００１９】また、上記実施の形態では、上記カムギア
１２のカム部１２aを図３に示すカム形状としたが、カ
ム形状はこれに限らず、第１,第２水平フラップの動き
やリンク機構等に応じて適宜なカム形状に形成してよ
い。

【００２０】

【発明の効果】以上より明らかなように、請求項１の発
明の空気調和機の吹出口構造は、モータの出力軸に連動
するカムと、上記モータの出力軸に連動する第１水平フ
ラップ用シャフトと、上記第１水平フラップ用シャフト
によりケーシングの吹出口に上下方向に回動自在に支持
された第１水平フラップと、上記カムの回転に応じてリ
ンク機構を介して回動する第２水平フラップ用シャフト
と、上記第２水平フラップ用シャフトによりケーシング
の吹出口に上下方向に回動自在に支持された第２水平フ
ラップとを備えて、上記カムを、第１,第２水平フラッ
プでケーシングの吹出口を全閉する全閉領域と冷房運転
時の第１水平フラップの回動角度に対して第２水平フラ
ップの回動角度を定める冷房領域と暖房運転時の第１水
平フラップの回動角度に対して第２水平フラップの回動
角度を定める暖房領域とを有するカム形状に形成したも
のである。

【００２１】したがって、請求項１の発明の空気調和機
の吹出口構造によれば、上記カムのカム形状により定め
られた全閉領域では、第１水平フラップと第２水平フラ
ップとでケーシングの吹出口を全閉し、第１水平フラッ
プの回動角度に対する第２水平フラップの回動角度を定
めるカム形状の冷房領域および暖房領域では、カムを所
望のカム形状に形成することによって、第１水平フラッ
プの回動角度の変化に関係なく、第２水平フラップの回
動角度を自由に変化させることができる。したがって、
安価で、かつ、第１,第２水平フラップの回動角度を夫
々を自由に設定でき、第１,第２水平フラップに複雑な
動きをさせることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 図１はこの発明の実施の一形態の空気調和機
の吹出口構造を示す要部断面図である。

【図２】 図２は上記空気調和機の吹出口構造の第１水
平フラップと第２水平フラップの駆動機構を示す分解斜
視図である。

【図３】 図３は上記空気調和機の吹出口構造のカムギ
アの正面図である。

【図４】 図４は上記空気調和機の吹出口構造の第１水
平フラップと第２水平フラップが全閉状態のときの要部
断面図である。

【図５】 図５は上記第１水平フラップと第２水平フラ
ップのドライ運転時の状態を示す要部断面図である。

【図６】 図６は上記第１水平フラップと第２水平フラ
ップの冷房運転時の状態を示す要部断面図である。

【図７】 図７は上記第１水平フラップと第２水平フラ
ップの暖房運転時の状態を示す要部断面図である。

【図８】 図８は上記第１水平フラップの角度変化と第
２水平フラップの角度変化を示す図である。

【符号の説明】

１…ドレンパン、２…フラップ支持板、３…第１水平フ
ラップ、４…第２水平フラップ、５…吹出口、１０…第
１水平フラップ用シャフト、１１…フラップギア、１２
…カムギア、１２a…カム部、１２b…ギア部、１３…第
１リンク、１３a…軸部、１３b…カムフォロア、１４…
第２リンク、１５…アーム、１６…第２水平フラップ用
シャフト、２０…ステッピングモータ、２１…ギアボッ
クス、２２…ギアボックスカバー。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 モータ(２０)の出力軸に連動するカム
   (１２a)と、 上記モータ(２０)の出力軸に連動する第１水平フラップ
   用シャフト(１０)と、上記第１水平フラップ用シャフト
   (１０)によりケーシングの吹出口(５)に上下方向に回動
   自在に支持された第１水平フラップ(３)と、 上記カム(１２a)の回転に応じてリンク機構(１３,１４,
   １５)を介して回動する第２水平フラップ用シャフト(１
   ６)と、 上記第２水平フラップ用シャフト(１６)により上記ケー
   シングの吹出口(５)に上下方向に回動自在に支持された
   第２水平フラップ(４)とを備えて、 上記カム(１２a)は、上記第１水平フラップ(３)と上記
   第２水平フラップ(４)とで上記ケーシングの吹出口(５)
   を全閉する全閉領域と、冷房運転時の上記第１水平フラ
   ップ(３)の回動角度に対して上記第２水平フラップ(４)
   の回動角度を定める冷房領域と、暖房運転時の上記第１
   水平フラップ(３)の回動角度に対して上記第２水平フラ
   ップ(４)の回動角度を定める暖房領域とを有するカム形
   状に形成されたことを特徴とする空気調和機の吹出口構
   造。