JP3322548B2 - 差動増幅回路 - Google Patents

差動増幅回路

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JP3322548B2
JP3322548B2 JP34149495A JP34149495A JP3322548B2 JP 3322548 B2 JP3322548 B2 JP 3322548B2 JP 34149495 A JP34149495 A JP 34149495A JP 34149495 A JP34149495 A JP 34149495A JP 3322548 B2 JP3322548 B2 JP 3322548B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モノシリック集積
回路に用いられる差動増幅回路に関する。
【0002】
【従来の技術】図5は、典型的な従来例である差動増幅
回路1の回路図である。差動増幅回路1は、NPNトラ
ンジスタ2,3と、エミッタ抵抗4と、電流源5,6
と、電流制御回路7と、負荷抵抗8とを含んで構成され
る。
【0003】トランジスタ2のベースBには、入力端子
9から電圧V1が与えられ、コレクタCには電源電圧V
ccが与えられる。トランジスタ2のエミッタEは、電
流源5を介して接地される。トランジスタ3のベースB
には、入力端子10から電圧V2が与えられ、コレクタ
Cには電流制御回路7、出力端子11、および負荷抵抗
8を介して電源電圧Vccが与えられる。トランジスタ
3のエミッタEは、電流源6を介して接地される。エミ
ッタ抵抗4の一方端はトランジスタ2のエミッタEに接
続され、他方端はトランジスタ3のエミッタEに接続さ
れる。
【0004】差動増幅回路1は、トランジスタ2,3の
エミッタE間に設けられるエミッタ抵抗4によって、入
力端子9,10から入力される入力電圧V1,V2の差
によって生じる電圧を電流に変換している。この変換さ
れた電流は、電流制御回路7を通り負荷抵抗8に流れ、
出力端子11から出力電圧Voとして出力される。エミ
ッタ抵抗4の抵抗値をr、負荷抵抗8の抵抗値をRとす
る。また、電流制御回路7は、流れ込む電流をK(0<
K)倍に増幅する。
【0005】トランジスタ2,3におけるベース電流を
無視し、各トランジスタ2,3でベース−エミッタ間電
圧は一定と考え、差動増幅回路1の動作を具体的に説明
する。電流源5,6から供給される電流値をI、エミッ
タ抵抗4に流れる電流値をI1とする。また、電圧Vb
e1はトランジスタ2のベース−エミッタ間の電圧であ
り、電圧Vbe2はトランジスタ3のベース−エミッタ
間の電圧であるとすると、 I1 ={(V1−Vbe1)−(V2−Vbe2)}/r =(V1−V2)/r …(1) ゆえに、トランジスタ3のコレクタ電流Ic2は、 Ic2 = I−I1 = I−(V1−V2)/r …(2) 電流制御回路7によってIc2がK倍に増幅されて負荷
抵抗8に流れるとすると、出力電圧Voは Vo = Vcc−R×Ic2×K = Vcc−R×K×I+R×K×(V1−V2)/r …(3) となる。したがって、この差動増幅回路1の利得Aは、 A=R×K/r …(4) となる。
【0006】また、入力電圧V1,V2が変化した場合
に出力電圧Voが取り得る値は、トランジスタ3に流れ
るコレクタ電流Ic2が変化することができる範囲で決
まる。すなわち、 Ic2 = 0〜2×I …(5) となり、このとき、出力電圧Voは Vo = Vcc〜(Vcc−2×I×R×K) …(6) の範囲で変化する。
【0007】図6は、差動増幅回路1をモノシリック集
積回路で実現した場合の負荷抵抗8の構造を示す断面図
であり、図7はエミッタ抵抗4の構造を示す断面図であ
る。エミッタ抵抗4と負荷抵抗8との構造は同一である
ので、図6を用いて説明を行う。P型半導体基板21上
にN型エピタキシャル層22を形成し、さらにN型エピ
タキシャル層22の上にP型拡散層23を形成する。こ
のP型拡散層23の両端に導電性を有するコンタクト2
4,25を形成し、P型拡散層23を抵抗として用いて
いる。なお、P型半導体基板21とN型エピタキシャル
層22との間には、N+ 型層26が形成されている。ま
た、各コンタクト24,25,27は絶縁層29によっ
て互いに絶縁されている。
【0008】P型拡散層23とN型エピタキシャル層2
2との間には、P型拡散層23を流れる電流がN型エピ
タキシャル層22に流れ込まないように、逆バイアス電
圧が印加されている。一般的には、N型エピタキシャル
層22には、コンタクト27およびN+ 型層28を介し
て、差動増幅回路1に与えられる最も高い電圧である電
源電圧Vccが与えられている。
【0009】前記逆バイアス電圧が印加されることによ
って、P型拡散層23とN型エピタキシャル層22との
間に破線で示す空乏層30が発生する。空乏層30が発
生することによって、P型拡散層23において抵抗とし
て機能する領域(厚み)が変化し、抵抗値が変化する。
このような現象は一般にバックゲート効果と称されてい
る。
【0010】差動増幅回路1の負荷抵抗8では、前述の
ように出力端子11側の電位はVccから(Vcc−2
×I×R×K)まで変化する。出力端子11側の電位が
Vccである場合と、(Vcc−2×I×R×K)であ
る場合とでは、出力電圧Voが大きく異なるため、逆バ
イアス電圧に対するコンタクト24側とコンタクト25
側との電位が一定にならず、空乏層30の広がり方が異
なるようになり、負荷抵抗8の抵抗値が変化することと
なる。
【0011】図7に示すように、エミッタ抵抗4の場合
は、エミッタ抵抗4であるP型拡散層23の両端はそれ
ぞれコンタクト31,32を介してトランジスタ2,3
のエミッタEに接続されている。また、N型エピタキシ
ャル層22は、コンタクト33およびN+ 型層28を介
して電源電圧Vccに接続されている。P型拡散層23
とN型エピタキシャル層22との間の逆バイアス電圧は
電圧Vcc−V1+Vbe1、または電圧Vcc−V2
+Vbe2となっている。前記逆バイアス電圧の変化
は、一般的に出力電圧Voの変化に対して充分小さいた
め、空乏層30の広がりはほとんど変化せず一定となっ
ている。
【0012】上述のように、差動増幅回路1に設けられ
る抵抗としてPN接合によって形成された拡散抵抗を用
いる場合では、差動増幅回路1の利得Aは式(4)から
出力電圧Voが変化すると利得が変化することがわか
る。すなわち、出力電圧Voに関係なく利得Aが一定と
なる差動増幅回路が得られないという本質的な問題があ
る。
【0013】上述のような差動増幅回路1は、液晶表示
パネルに電圧を印加するドライバなどに用いられる。液
晶表示パネルに表示を行う場合、液晶に、液晶の基準電
圧に対して直流電圧を加えると、液晶が電気分解を起こ
し、液晶の品質が劣化する。これを防ぐため、所定の周
期毎に信号の基準となる電位を切換えて液晶に印加する
電圧の極性を反転させ、交流的に電圧を印加する。この
ように電圧を反転させることにより、非反転時の基準電
位と反転時の基準電位とを液晶の基準電位に対し直流電
圧が加わらないようにすることができるが、差動増幅回
路1の負荷抵抗8におけるバックゲート効果によって、
非反転時と反転時とで利得が異なるため、信号の基準電
位に重畳される信号の振幅が異なり、この信号振幅の差
により液晶に直流電圧が加わることになる。この直流電
圧が少しでもあると液晶の電気分解を引き起こし、液晶
パネルに長時間画像を表示させると、最後には液晶が動
作しなくなる。つまり液晶に加わる直流電圧をいかにゼ
ロにするかにより、液晶の寿命が決まる。
【0014】図8にP型拡散層23とN型エピタキシャ
ル層22との逆バイアス電圧に対する抵抗値の変化を説
明するためのグラフを示す。図8では、縦軸は抵抗値の
変化率を示し、単位はパーセントである。また、横軸は
逆バイアス電圧を示し、単位はボルトである。
【0015】P型拡散層23の濃度、すなわちP型拡散
抵抗のシート抵抗ρsによって空乏層30の広がりが異
なるため、ρs=1.3,1.5,1.7,2.0kΩ
の4種類のシート抵抗について示す。また、図8に示す
グラフは、(P型拡散の両端に印加される電圧)《(P
型拡散とN型エピタキシャル層との間の逆バイアス電
圧)を満たして求められる。すなわち、図7に示すよう
に空乏層30が均一に広がった場合の抵抗値の変化を示
している。
【0016】しかしながら、差動増幅回路1の負荷抵抗
は、一方端が電源電圧Vccに接続され、他方端が出力
電圧Voに接続された場合のように、印加される逆バイ
アス電圧が大きく変化する場合では、図6に示すように
空乏層30が傾斜を有するようになる。P型拡散層23
に印加される電圧が、電圧Vccから電圧Voまで直線
的に変化すると近似すると、P型拡散層23とN型エピ
タキシャル層22との電圧差はVcc−Vcc(=0)
からVcc−Voまでの間で変化することとなる。前記
電圧差によって生じる空乏層30の厚みは、0からある
一定の厚みまで直線的に変化すると近似することができ
る。このため、空乏層30が一様に広がる場合に置き換
えて考える場合、(Vcc−Vo)/2の逆バイアス電
圧が均一に印加されていると考えればよい。前記式
(3)から逆バイアス電圧は、 (Vcc−Vo)/2={R×K×I−R×K×(V1−V2)/r}/2 …(7) 逆バイアス電圧を上述のように想定し、出力電圧Voが
変化することによって具体的にどの程度、利得Aが変化
するか2つの場合における利得Aを比較して説明する。
【0017】(A)Vo=Vccの場合 P型拡散抵抗23とN型エピタキシャル層22との間に
印加される逆バイアス電圧は、式(7)から0Vとなる
ため、負荷抵抗8の抵抗値は予め設定されているRとな
り、差動増幅回路1の利得Aは、 A=R × K / r …(8) となる。
【0018】(B)Vo=Vcc−2×I×R×Kの場
合 P型拡散抵抗23とN型エピタキシャル層22との間に
印加される逆バイアス電圧は、式(7)から I × R × K …(9) となる。式(9)において、たとえば、I=100μ
A、R=18kΩ、K=5とすると、逆バイアス電圧は
9Vとなる。負荷抵抗8のシート抵抗ρsを2.0kΩ
とすると、図8のグラフから負荷抵抗8の抵抗値Rは、
約1.06×Rとなり、差動増幅回路1の利得Aは、 A=1.06×R×K/r …(10) となる。したがって、出力電圧Voが(A)である場合
と、(B)である場合とでは、利得Aは1.06倍異な
るようになる。すなわち、出力電圧Voの変動によって
利得が変化し、正確な増幅動作ができないという問題点
が本質的に存在する。
【0019】図9は、上述のような問題点を解消するた
めの従来行われている技術を説明するための負荷抵抗8
の断面図である。図9では、負荷抵抗8を複数に分割し
た負荷抵抗群36が形成されている。図9に示す断面構
造において、図6の負荷抵抗8と同一の半導体層には、
同一の参照符を付して説明を省略する。図9に示す負荷
抵抗群36の特徴は、P+ 型層37によってそれぞれ独
立的に形成されたN型エピタキシャル層22上に、P型
拡散層23によって負荷抵抗群36を形成していること
である。負荷抵抗群36は、負荷抵抗38a,38b,
…(総称するときは参照符38を用いる)によって構成
されている。
【0020】負荷抵抗群36では、各N型エピタキシャ
ル層22は電圧Vccに接続されるのではなく、負荷抵
抗38に接続される2つのコンタクトのうち電位の高い
コンタクトと接続される。このような構造にすることに
よって、各負荷抵抗38に加わる逆バイアス電圧を下げ
て空乏層30の変化を小さく抑えている。すなわち、差
動増幅回路1における利得の変化を小さく抑えている。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】図9に示す従来技術で
は、負荷抵抗38とN型エピタキシャル層22とが接続
されているため、N型エピタキシャル層22とP型半導
体基板21との間の浮遊容量と、N型エピタキシャル層
22とP型拡散層23との間の浮遊容量との和が抵抗と
グランド電位(GND)間に接続されてしまい、図9の
回路図に示すようにローパスフィルタ39を形成する。
ローパスフィルタ39が形成されることによって差動増
幅回路1の周波数特性が悪化することとなる。
【0022】本発明の目的は、出力電圧が変化した場合
でも利得が変化しない差動増幅回路を提供することであ
る。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明は、単一の半導体
基板上に形成される差動増幅回路において、第1および
第2のNPNトランジスタを差動対とし、第1NPNト
ランジスタのベースには第1の入力信号が与えられ、コ
レクタには予め定める第1の電位が与えられ、エミッタ
には前記第1の電位より低い予め定める第2の電位が与
えられ、第2NPNトランジスタのベースには第2の入
力信号が与えられ、コレクタには第1の負荷抵抗を介し
て前記第1の電位が与えられ、エミッタには前記第2の
電位が与えられ、第1および第2NPNトランジスタの
エミッタに両端が接続される第1のエミッタ抵抗を備
え、前記第2トランジスタのコレクタと前記第1の負荷
抵抗との間の電位を出力する差動増幅手段と、前記第1
および第2入力信号に基づいて、前記第1エミッタ抵抗
の抵抗値を制御する制御手段とを含み、前記制御手段
は、第3および第4のNPNトランジスタを差動対と
し、第3NPNトランジスタのベースには前記第1入力
信号が与えられ、コレクタには第2の負荷抵抗を介して
前記第1の電位が与えられ、エミッタには前記第2の電
位が与えられ、第4NPNトランジスタのベースには前
記第2入力信号が与えられ、コレクタには前記第1の電
位が与えられ、エミッタには前記第2の電位が与えら
れ、第3および第4NPNトランジスタのエミッタに両
端が接続される第2のエミッタ抵抗を備え、制御手段に
含まれる第2負荷抵抗は、前記差動増幅手段に含まれる
第1負荷抵抗の1/2の抵抗値であり、第3NPNトラ
ンジスタのコレクタと第2の負荷抵抗との間の電位を前
記第1エミッタ抵抗に出力して抵抗値を制御することを
特徴とする差動増幅回路である。本発明に従えば、第1
入力信号が与えられていることによって第1NPNトラ
ンジスタが導通し、第2入力信号が与えられていること
によって第2トランジスタが導通し、各トランジスタが
導通することによって第1エミッタ抵抗に電流が流れ、
当該電流に基づいた電位が出力される。第1エミッタ抵
抗の抵抗値は、第1および第2入力信号が与えられる制
御手段によって制御される。したがって、供給される信
号に応じて第1エミッタ抵抗の抵抗値が変化し、出力さ
れる電位が変化しても差動増幅回路の利得が変化するこ
とを防止することができる。また、制御手段では、第1
入力信号によって第3NPNトランジスタが導通し、第
2入力信号によって第4トランジスタが導通し、第3N
PNトランジスタのコレクタと第2の負荷抵抗との間の
電位が第1エミッタ抵抗に与えられる。すなわち、差動
増幅手段と同様に第3および第4NPNトランジスタが
導通することによって制御手段の第2エミッタ抵抗に電
流が流れ、当該電流に基づいて第1エミッタ抵抗に電位
が供給される。したがって、入力される第1および第2
入力信号に応じて制御手段の出力が定められ、制御手段
の出力によって差動増幅手段のエミッタ抵抗の抵抗値が
変化し、出力電位が変化しても差動増幅回路の利得が変
化することを防止することができる。
【0024】また本発明は、前記第2NPNトランジス
タのコレクタと、前記第1の電位との間を流れる電流量
を制御する第1の電流制御手段と、前記第3NPNトラ
ンジスタのコレクタと、前記第1の電位との間を流れる
電流量を制御する第2の電流制御手段とを含むことを特
徴とする。本発明に従えば、第1電流制御手段は、第2
NPNトランジスタのコレクタと第1の電位との間に流
れる電流を制御し、第2電流制御手段は、第3NPNト
ランジスタのコレクタと第1の電位との間に流れる電流
量を制御する。したがって、差動増幅回路に含まれる、
たとえばNPNトランジスタや負荷抵抗の値を変化させ
なくても電流制御手段によって差動増幅回路に流れる電
流量を制御することができる。
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態で
ある差動増幅回路51の回路図である。差動増幅回路5
1は、トランジスタ52,53と、エミッタ抵抗54
と、電流源55,56と、電流制御回路57と、負荷抵
抗58と、抵抗バイアス電圧制御回路62とを含んで構
成される。トランジスタ52のベースBには、入力端子
59から入力電圧V1が供給され、コレクタCは第1の
電位によって定められる電源電圧Vccに接続される。
トランジスタ52のエミッタEは、電流源55を介して
第2の電位に接続されるとして接地される。なお、本明
細書中では、特に明記しない限りトランジスタはNPN
トランジスタである。差動増幅回路51は、モノシリッ
ク集積回路として形成されており、たとえばP型半導体
基板上に形成される。
【0029】トランジスタ53のベースBには、入力端
子60から入力電圧V2が与えられ、コレクタCは電流
制御回路57および負荷抵抗58を介して電源電圧Vc
cに接続される。トランジスタ53のエミッタEは、電
流源56を介して接地される。電流源55,56は電流
Iを供給する。
【0030】エミッタ抵抗54の一方端は、トランジス
タ52のエミッタEに接続され、他方端はトランジスタ
53のエミッタEに接続される。エミッタ抵抗54の抵
抗値をr、負荷抵抗58の抵抗値をRとする。なお、エ
ミッタ抵抗54の断面図は、前述の従来技術で示した図
7と同様であるので、同一の参照符を用いて以後の説明
を行う。また、負荷抵抗58の断面図は、前述の従来技
術で示した図6と同様であるので、同一の参照符を用い
て説明を行う。
【0031】抵抗バイアス電圧制御回路62は、入力端
子59,60から供給される入力電圧V1,V2に基づ
く出力をエミッタ抵抗54に供給する。抵抗バイアス電
圧制御回路62の構成については後述する。電流制御回
路57は、負荷抵抗58に流れる電流を制御する回路で
ある。電流制御回路57は、流れ込む電流をK(0<
K)倍に増幅する。
【0032】図2は、抵抗バイアス電圧制御回路62の
回路図である。抵抗バイアス電圧制御回路62は、前記
差動増幅回路51と類似した構成である。抵抗バイアス
電圧制御回路62におけるトランジスタ72,73は、
差動増幅回路51のトランジスタ52,53に対応し、
同一の動作特性を有する。電流源75,76は、電流源
55,56に対応し、電流Iを供給する。また電流制御
回路57と電流制御回路77とは同一の動作特性を有す
る。
【0033】抵抗バイアス電圧制御回路62では、トラ
ンジスタ72のコレクタCと、電源電圧Vccとの間に
電流制御回路77と負荷抵抗78とが設けられており、
電流制御回路77と負荷抵抗78との間の電位が出力端
子81から出力電圧Vbとしてエミッタ抵抗54に与え
られる。抵抗バイアス電圧制御回路62において、エミ
ッタ抵抗74の抵抗値はrであり、負荷抵抗78の抵抗
値は負荷抵抗58の1/2のR/2である。
【0034】抵抗バイアス電圧制御回路62からの出力
電圧Vbについて説明する。差動増幅回路51の負荷抵
抗58における逆バイアス電圧は、前述の従来の技術と
同じく式(7)で与えられる。逆バイアス電圧と抵抗の
変化率とは前述の図8に示すように比例関係にあること
と、逆バイアス電圧が変化することによる負荷抵抗58
の抵抗値の変化によって生じる差動増幅回路51の利得
の変化を除去するという目的とを考慮すると、負荷抵抗
58における逆バイアス電圧と同じ電圧をエミッタ抵抗
54に加える必要はないとすることができる。出力電圧
Voが変化することによる負荷抵抗58における逆バイ
アス電圧の変化と、出力電圧Vhが変化することによる
エミッタ抵抗54における逆バイアス電圧の変化とが同
一になるようにすればよい。
【0035】すなわち、任意の電圧VNに負荷抵抗58
における逆バイアス電圧の変化分を加えた電圧をエミッ
タ抵抗54の逆バイアス電圧とすればよい。すなわち、
エミッタ抵抗54に印加すべき逆バイアス電圧VRは、 VR = VN−{R×K×(V1−V2)/r}/2 …(11) エミッタ抵抗54のP型拡散層23に加わる電圧V1−
Vbe1、またはV2−Vbe2はほぼ一定と考えられ
るため、エミッタ抵抗54のN型エピタキシャル層22
に印加されるべき電圧VEは、 VE=VR+V1−Vbe1 =VN+V1−Vbe1−{R×K×(V1−V2)/r}/2 =VN−{R×K×(V1−V2)/r}/2 …(12) (ここで、VN+V1−Vbe1=VN(任意の電圧)
とする) となる。すなわち、式(12)によって求められる電圧
VEをエミッタ抵抗54のエピタキシャル層22に供給
すれば、負荷抵抗58における逆バイアス電圧の変化分
とエミッタ抵抗54における逆バイアス電圧の変化分と
を等しくすることができる。
【0036】抵抗バイアス電圧制御回路62は、差動増
幅回路51と同様の構成であり、負荷抵抗58の抵抗値
が1/2に設定されているので、抵抗バイアス電圧制御
回路62の出力電圧Vbは、式(3)を参照すると、 Vb=Vcc−(R/2)×K×I−{(R/2)×K×(V1−V2)/r} …(13) となる。ここで、 Vcc−R×K×I/2=VN …(14) とすると、式(13)は、式(12)と等しくなる。す
なわち、電圧Vb=VEとなり、抵抗バイアス電圧制御
回路62の出力電圧Vbを差動増幅回路51のエミッタ
抵抗54を形成するN型エピタキシャル層22に与えれ
ば、負荷抵抗58における逆バイアス電圧の変化分とエ
ミッタ抵抗54における逆バイアス電圧の変化分とを等
しくすることができる。
【0037】次に、式(12)によって求められる電圧
VEをエミッタ抵抗54のN型エピタキシャル層22に
与えた場合の効果について検証する。前述の従来例と同
様に2つの場合、(A)Vo=Vccの場合と、(B)
Vo=Vcc−2×I×R×Kの場合とについて利得A
を比較し説明する。なお、負荷抵抗58およびエミッタ
抵抗54のシート抵抗ρsを2.0kΩとする。
【0038】(A)Vo=Vccの場合 式(7)から負荷抵抗58に加わる逆バイアス電圧は0
Vとなり、負荷抵抗58の抵抗値Rは変化しない。ま
た、式(7)は、 0={R×K×I−R×K×(V1−V2)/r}/2 …(15) となり、この式(15)を変形すると、 I=(V1−V2)/r …(16) となる。式(16)を式(12)に代入すると、 VE=VN−R×K×I/2 …(17) ここで、R=18kΩ、K=5、I=100μAとして
R×K×I=9Vとする。また電圧VN=10.5Vと
すると、 VE=10.5−9/2=6V …(18) がエミッタ抵抗54のN型エピタキシャル層22に印加
されることとなる。このときのエミッタ抵抗54の抵抗
値をrとすると、差動増幅回路51の利得Aは、式
(4)から A=R×K/r …(19) となる。
【0039】(B)Vo=Vcc−2×I×R×Kの場
合 式(7)から負荷抵抗58に印加される逆バイアス電圧
は、I×R×Kとなり、上述のようにR=18kΩ、K
=5、I=100μAと仮定すると、負荷抵抗58に印
加される逆バイアス電圧は9Vとなる。
【0040】(A)の場合に比べて負荷抵抗58の抵抗
値は1.06倍大きくなり、 1.06×R …(20) となる。
【0041】また、式(7)は、 I×R×K={R×K×I−R×K×(V1−V2)/r}/2 …(21) とすることができ、この式(21)を変形すると、 −I=(V1−V2)/r …(22) 式(22)を式(12)に代入すると、 VE=VN+R×K×I/2 …(23) ここで、R×I×K=9V、VN=10.5Vとする
と、 VE=10.5+9/2=15V …(24) となり、15Vの電圧がエミッタ抵抗54のN型エピタ
キシャル層22に印加されている。VE=6Vのときの
エミッタ抵抗54の抵抗値をrとすると、VE=15V
のときの抵抗値は前述の図8のグラフを参照すると、6
%増の1.06×rである。
【0042】したがって、差動増幅回路51の利得A
は、式(4)から、 A=1.06×R×K/(1.06×r)=R×K/r …(25) となり、(A)の場合と利得Aが同一となる。したがっ
て、出力電圧Voが電圧Vccであっても、電圧Vcc
−2×I×R×Kであっても利得Aが同一となり、出力
電圧Voの値によって利得Aが変化していないことが分
かる。
【0043】図3は、電流制御回路91を設けた差動増
幅回路51の回路図である。電流制御回路91は、トラ
ンジスタ92,93を含んで構成されている。トランジ
スタ93のベースBには、入力端子94を介して入力電
圧V3が与えられ、トランジスタ92のベースBには、
入力端子95を介して入力電圧V4が与えられる。トラ
ンジスタ92,93のコレクタCには、電源電圧Vcc
が与えられており、トランジスタ93のコレクタCと電
源電圧Vccとの間に負荷抵抗58が設けられる。電流
制御回路91では、入力電圧V3,V4とに基づいてト
ランジスタ53に流れるコレクタ電流Icを制御し、負
荷抵抗58に流れる電流を0〜Icの範囲で制御してい
る。
【0044】図4は、電流制御回路101を設けた差動
増幅回路51の回路図である。電流制御回路101は、
PNPトランジスタ102,103を含んで構成されて
いる。PNPトランジスタ102,103のベースB
は、PNPトランジスタ102のコレクタCに接続さ
れ、PNPトランジスタ102,103のエミッタEは
共通に電源電圧Vccに接続される。PNPトランジス
タ102,103のエミッタEと電源電圧Vccとの間
に負荷抵抗58が介挿される。PNPトランジスタ10
2のコレクタCは、トランジスタ53のコレクタCに接
続され、PNPトランジスタ103のコレクタCは接地
される。
【0045】電流制御回路101では、PNPトランジ
スタ103と同様に各端子が接続されるPNPトランジ
スタを複数個設けることによって、たとえばPNPトラ
ンジスタをn個設けた場合、トランジスタ53に流れる
コレクタ電流IcをIc×(n+1)倍に変化させるこ
とができる。
【0046】なお、上述の各差動増幅回路51では、電
流制御回路61,91,101を含んだ構成について示
したが、電流制御回路61,91,101を含まない差
動増幅回路であってもよい。電流制御回路を含まない場
合であっても、K=1とすることによって、前述の各式
に基づいて電流制御回路がある場合と同様の動作を行わ
せることができる。
【0047】以上のように本発明の実施の一形態によれ
ば、エミッタ抵抗54のN型エピタキシャル層22に印
加する電圧を、出力電圧に応じて変化させることができ
る抵抗バイアス電圧制御回路62を設けて、従来の技術
では一定であったエミッタ抵抗54の空乏層の広がりを
変化させているので、負荷抵抗58の空乏層の広がりに
よる抵抗値の変化の割合と、エミッタ抵抗54の抵抗値
の変化の割合を同じにすることができ、差動増幅回路5
1の利得を出力電圧に依存しないで一定とすることがで
きる。
【0048】なお、本発明の実施の一形態では、差動増
幅回路51で差動対となっているトランジスタをNPN
トランジスタ52,53としたが、この2つのトランジ
スタをPNPトランジスタに置き換えた構造としてもよ
い。差動対となるトランジスタがPNPトランジスタで
ある場合、前述の負荷抵抗58およびエミッタ抵抗54
を構成する半導体層の導電型をP型とN型とで互いに入
換え、電源電圧Vccとグランド電圧GNDとを入換え
た構成となる。差動対となるトランジスタをPNPトラ
ンジスタとした場合であっても、本発明の実施の一形態
において示した効果と同様の効果を得ることができる。
【0049】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、第1およ
び第2入力信号に基づいて制御手段からの出力が制御さ
れ、制御手段の出力によって第1エミッタ抵抗の抵抗値
が変化するので、第1および第2入力信号によって、出
力される電位が変化した場合であっても差動増幅回路の
利得が変化することを防止することができる。さらに、
制御手段では、第1および第2入力信号に基づいて出力
電位が制御されており、制御手段の出力電位によって第
1エミッタ抵抗の抵抗値が変化するので、第1および第
2入力信号によって、出力される電位が変化した場合で
あっても差動増幅回路の利得が変化することを防止する
ことができる。
【0050】また本発明によれば、第1電流制御手段
は、第2NPNトランジスタのコレクタと第1の電位と
の間に流れる電流量を制御し、第2電流制御手段は、第
3NPNトランジスタのコレクタと電源手段との間に流
れる電流量を制御するので、差動増幅回路に含まれる、
たとえばNPNトランジスタや負荷抵抗の値を変化させ
なくても電流制御手段によって差動増幅回路に流れる電
流量を制御することができる。
【0051】
【0052】
【0053】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である差動増幅回路51
の回路図である。
【図2】抵抗バイアス電圧制御回路62の回路図であ
る。
【図3】電流制御回路91が設けられた差動増幅回路5
1の回路図である。
【図4】電流制御回路101が設けられた差動増幅回路
51の回路図である。
【図5】典型的な従来例である差動増幅回路1の回路図
である。
【図6】差動増幅回路1をモノシリック集積回路で形成
した場合の負荷抵抗8の断面図である。
【図7】差動増幅回路1をモノシリック集積回路で形成
した場合のエミッタ抵抗4の断面図である。
【図8】P型拡散抵抗とN型エピタキシャル層との逆バ
イアス電圧に対する抵抗値の変化を示すグラフである。
【図9】負荷抵抗8を複数個に分割した場合の断面図で
ある。
【符号の説明】
51 差動増幅回路 52,53,72,73 トランジスタ 54,74 エミッタ抵抗 55,56,75,76 電流源 57,77 電流制御回路 58,78 負荷抵抗 59,60,79,80 入力端子 61,81 出力端子 62 抵抗バイアス電圧制御回路

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単一の半導体基板上に形成される差動増
    幅回路において、 第1および第2のNPNトランジスタを差動対とし、第
    1NPNトランジスタのベースには第1の入力信号が与
    えられ、コレクタには予め定める第1の電位が与えら
    れ、エミッタには前記第1の電位より低い予め定める第
    2の電位が与えられ、第2NPNトランジスタのベース
    には第2の入力信号が与えられ、コレクタには第1の負
    荷抵抗を介して前記第1の電位が与えられ、エミッタに
    は前記第2の電位が与えられ、第1および第2NPNト
    ランジスタのエミッタに両端が接続される第1のエミッ
    タ抵抗を備え、前記第2トランジスタのコレクタと前記
    第1の負荷抵抗との間の電位を出力する差動増幅手段
    と、 前記第1および第2入力信号に基づいて、前記第1エミ
    ッタ抵抗の抵抗値を制御する制御手段とを含み、 前記制御手段は、 第3および第4のNPNトランジスタを差動対とし、第
    3NPNトランジスタのベースには前記第1入力信号が
    与えられ、コレクタには第2の負荷抵抗を介して前記第
    1の電位が与えられ、エミッタには前記第2の電位が与
    えられ、第4NPNトランジスタのベースには前記第2
    入力信号が与えられ、コレクタには前記第1の電位が与
    えられ、エミッタには前記第2の電位が与えられ、第3
    および第4NPNトランジスタのエミッタに両端が接続
    される第2のエミッタ抵抗を備え、 制御手段に含まれる第2負荷抵抗は、前記差動増幅手段
    に含まれる第1負荷抵抗の1/2の抵抗値であり、第3
    NPNトランジスタのコレクタと第2の負荷抵抗との間
    の電位を前記第1エミッタ抵抗に出力して抵抗値を制御
    することを特徴とする差動増幅回路。
  2. 【請求項2】 前記第2NPNトランジスタのコレクタ
    と、前記第1の電位との間を流れる電流量を制御する第
    1の電流制御手段と、 前記第3NPNトランジスタのコレクタと、前記第1の
    電位との間を流れる電流量を制御する第2の電流制御手
    段とを含むことを特徴とする請求項1記載の差動増幅回
    路。
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