JP3317818B2 - 多心テープ型光ファイバカプラの製造方法および製造装置 - Google Patents

多心テープ型光ファイバカプラの製造方法および製造装置

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JP3317818B2 JP18043795A JP18043795A JP3317818B2 JP 3317818 B2 JP3317818 B2 JP 3317818B2 JP 18043795 A JP18043795 A JP 18043795A JP 18043795 A JP18043795 A JP 18043795A JP 3317818 B2 JP3317818 B2 JP 3317818B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数本の光ファイ
バを一括被覆層で一体化してなる光ファイバテープ心線
の中途部分で光ファイバを露出させ、これらの光ファイ
バを2本ずつ沿わせて融着延伸して、複数の光ファイバ
カプラが一括被覆層にて一体化されている多心テープ型
光ファイバカプラを製造する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】融着延伸型光ファイバカプラを製造する
際に、複数本の光ファイバを一括被覆層にてテープ型に
一体化した多心の光ファイバテープ心線(以下、単にテ
ープ心線という)2枚を重ね合わせて用いる方法が、特
開昭63−205615号公報等によって提案されてい
る。図10は、この方法で作製された多心テープ型光フ
ァイバカプラ(以下、単にテープカプラという)の例を
示したもので、(a)は平面図、(b)は正面図、
(c)は側面図である。
【0003】このようなテープカプラ1は、従来、次の
ようにして製造されていた。まず2枚のテープ心線2,
3の中途部分の被覆層をそれぞれ除去して光ファイバ2
a、3aを露出させて、これらを重ね合わせる。そし
て、重なり合った光ファイバ2a、3aどうしを互いに
周面が接触した状態に保持し、その中央部分を加熱して
融着させ、さらに長さ方向に引張り力をかけて延伸す
る。ところで、テープ心線2,3においては隣合う光フ
ァイバ2a,2a…が一括被覆層にて一体化されている
ので、上記の融着および延伸は、全部の光ファイバ対
(#1,#2…)について一括的に行われ、複数の光カ
プラ4…が作製される。このようにして作製された光カ
プラ4は融着延伸部4aおよびその両側の非融着延伸部
4bを備えてなり、融着延伸部4aは、その中央部が細
径化され、かつ融着延伸部4aの中央部から非融着延伸
部4bに向って徐々に拡径するテーパ状に形成されてい
る。このような融着延伸型の光カプラ4における導波の
メカニズム、すなわち光結合のメカニズムは、融着延伸
部4aの物理的な形状に依存している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の方法によれば、
複数の光ファイバ対(#1,#2…)の全部の融着延伸
部4a…が加熱されつつ同時に同量だけ延伸されるが、
これらの加熱によるガラス溶融状態を完全に一致させる
ことは不可能であり、テーパ形状にはどうしてもばらつ
きが生じてしまう。このため、複数の光カプラ4…にお
ける結合率は不均一なものとなるという問題があった。
【0005】また図11は、1組のファイバ対で構成さ
れた1.3μm/1.55μmWDM型(波長多重型)
光カプラの構成の一例を示したものである。これは、光
カプラ4の一端側の1つのポート1から波長1.3μm
の光および波長1.5μmの光が入射されると、他端側
のポート3から波長1.55μmの光が、またポート4
から波長1.3μmの光が分波されて出射され、逆にポ
ート3から波長1.55μmの光が入射され、ポート4
から波長1.3μmの光が入射されると、ポート1から
波長1.3μmの光および波長1.5μmの光が合波さ
れて出射されるものである。そして結合率は、ポート1
から光源光(波長1.3μm)を入射して、ポート3お
よびポート4からそれぞれ出射される光パワーをモニタ
ーしたとき、次の数式で定義される。すなわちポート3
における出射光パワーをP3、ポート3における出射光
パワーをP4とするとき、結合率=P4/(P3+P4)×
100(%)である。
【0006】図12は4心のテープ心線を2枚用いて、
従来の方法により製造された4組の光ファイバ対で構成
された1.3μm/1.55μmWDM型光カプラ(
〜)の、延伸長と結合率(波長1.3μm)の関係を
示したものである。ここで、目標延伸長は、波長1.3
μmで3/2ビートとなるように設定すれば、低損失、
好偏光特性など優れた特性の光カプラが得られることが
知られている。尚、ビートとは、光パワーが対向ポート
に完全に乗り移るときが1/2ビートと定義され、1ビ
ートは乗り移った光パワーがまた戻ってきたときを指
す。図13は、従来の方法により製造されたWDM型光
カプラの結合率波長特性を示したものである。
【0007】従来の製造方法により製造されたテープカ
プラは、図11に示されるように、延伸長が長くなるに
つれて4つの光カプラ(〜)の結合率のばらつきは
大きくなる。その理由は、光カプラにおいて、延伸長が
長くなるにつれて結合率は周期的に変動するが、延伸長
が長くなるほど延伸長に対する結合率の変化量が大きく
なる(グラフの傾きが急峻になる)ためである。また結
合率のばらつきは、図13に示されるように、より長波
長の光を入射したときに大きくなる傾向がある。このよ
うな結合特性のばらつきは、各光カプラ4の融着延伸部
4aにおける延伸長をそれぞれ微調整することができれ
ば解消される。しかしながら、隣り合う光カプラ4,4
を構成する光ファイバ2a,2a、および3a,3aは
一括被覆層にてそれぞれ一体化されている。このため、
従来の方法では、例えば4心のテープ心線を用いた場合
には、4つの光カプラ4について同時に延伸を行なわな
ければならず、各光カプラ4の融着延伸部4aの延伸長
をそれぞれ異なる値に微調整することは不可能であっ
た。
【0008】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、テープカプラの製造に際して、複数の光カプラの結
合率を個別に調整できるようにしたテープカプラの製造
方法および製造装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に本発明のテープカプラの製造方法は、中途部分で光フ
ァイバが露出された多心の光ファイバテープ心線の光フ
ァイバを2本1組として互いに周面が接触した状態に保
持して複数の光ファイバ対を形成し、全部の光ファイバ
対を各々加熱融着する融着工程と、全部の光ファイバ対
の融着部分を加熱しつつ同時に延伸する一括延伸工程
と、一部の光ファイバ対の融着部分であって延伸により
結合率が変化する中央部を加熱し、かつ他の光ファイバ
対の延伸により結合率が変化しない周辺部を加熱しつ
つ、全部の光ファイバ対を同時に延伸する調整工程を有
してなることを特徴とするものである。そして前記調整
工程が、全部の光ファイバ対における結合率を各々モニ
ターしつつ、結合率が予め設定されたしきい値を越えな
い光ファイバ対は前記中央部を加熱し、かつ延伸により
結合率が該しきい値を越えた光ファイバ対は加熱位置を
該中央部から前記周辺部に順次切換えながら、全部の光
ファイバ対の結合率が該しきい値を越えるまで全部の光
ファイバ対を同時に延伸する調整延伸工程と、全部の光
ファイバ対における結合率を各々モニターしつつ、全部
の光ファイバ対の前記中央部を加熱しながら全部の光フ
ァイバ対を同時に延伸し、少なくとも1つの光ファイバ
対の結合率が予め設定された目標値に達した後に、延伸
を停止する延伸停止工程とを有してなり、前記しきい値
を変化させながら前記調整延伸工程を繰り返すことが好
ましい。あるいは前記調整工程が、全部の光ファイバ対
における結合率を各々モニターしつつ、1つの調整対象
光ファイバ対は前記中央部を加熱し、かつ他の光ファイ
バ対は前記周辺部を加熱しながら、前記調整対象光ファ
イバ対が目標の結合率に達するまで全部の光ファイバ対
を同時に延伸する個別調整工程を有してなり、全部の光
ファイバ対を順次前記調整対象光ファイバ対として、該
個別調整工程を繰り返してもよい。
【0010】本発明のテープカプラの製造装置は、中途
部分で光ファイバが露出された多心の光ファイバテープ
心線の光ファイバを2本1組として互いに周面が接触し
た状態に保持して複数の光ファイバ対を形成する手段
と、全部の光ファイバ対を同時に加熱する第1の加熱手
段と、一部の光ファイバ対の融着部分であって延伸によ
り結合率が変化する中央部を加熱する第2の加熱手段
と、前記一部の光ファイバ対を前記第2の加熱手段で加
熱すると同時に残りの光ファイバ対の、延伸により結合
率が変化しない周辺部を加熱する第3の加熱手段と、全
部の光ファイバ対を一括的に延伸する手段を備えてなる
ことを特徴とするものである。また、前記第1の加熱手
段と第2の加熱手段、または前記第1の加熱手段と第3
の加熱手段のいずれかが、同一の加熱手段を兼用してな
る構成とすることもできる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
図1は本発明のテープカプラ製造方法を実施するのに好
適なテープカプラ製造装置の第1の実施形態であって、
融着延伸機構を示したものである。この図において、図
10と同じ構成要素には同一符号を付してその説明を省
略する。尚、本実施形態では4心のテープ心線を用いて
いる。この装置は、中途部分で一括被覆層が除去されて
光ファイバ2a,3aが露出された、2枚のテープ心線
2、3を重ね合せるとともに、互いに重なり合った光フ
ァイバ2a,3aの周面を接触させた状態に保持して4
つの光ファイバ対(#1,#2,#3,#4)を形成す
る任意の手段(図示略)を備えている。また、接触して
いる光ファイバ2a,3aを加熱する手段として、広加
熱バーナー(第1の加熱手段)5と2つの選択加熱集合
バーナー(第2,第3の加熱手段)10,10を備えて
いる。これらのバーナー5,10,10は露出された光
ファイバ2a,3aの下方に設けられており、広加熱バ
ーナー5を挟んでテープ心線長さ方向の両側に選択加熱
集合バーナー10,10がそれぞれ配されている。さら
に、露出された光ファイバ2a,3aの両側の一括被覆
層部分をそれぞれ挟持して互いに遠ざかる方向(図中矢
印で示す)に移動する一対の延伸手段(図示略)を備え
ている。この延伸手段は全部の光ファイバ対(#1,#
2,#3,#4)に引張り力をかけるものであれば任意
の構成のものを用いることができる。
【0012】図2は、広加熱バーナー5の例を示したも
のである。この広加熱バーナー5は、テープ心線幅方向
に連続した加熱領域を有するもので、4つの光ファイバ
対(#1,#2,#3,#4)に対して、その光ファイ
バ長さ方向の一部分を一括的に加熱できるように構成さ
れている。広加熱バーナー5としては、例えば加熱領域
が長楕円形のいわゆるスリットバーナーを好ましく用い
ることができ、加熱領域の長軸がテープ心線幅方向とな
るように配される。また、この広加熱バーナー5は、テ
ープ心線長さ方向に移動可能に構成されており、必要に
応じてテープ心線幅方向に微調整できるように好ましく
構成される。
【0013】図3は、選択加熱集合バーナー10の例を
示したものである。この選択加熱集合バーナー10は、
狭加熱バーナー11を直線状に並べてなるものである。
狭加熱バーナー11の加熱領域は1つの光ファイバ対の
みを加熱するように構成されている、本実施形態におけ
る狭加熱バーナー11は、加熱領域が光ファイバ2a,
3aの外径よりも大きく、かつテープ心線2,3のファ
イバピッチよりも小さくなるように構成されている。そ
して光ファイバ対(#1,#2,#3,#4)の数と同
数、すなわち本実施形態においてはテープ心線2,3の
心数と同数の4本の狭加熱バーナー11が、テープ心線
幅方向における光ファイバ対(#1,#2,#3,#
4)の間隔と同じ間隔、すなわち本実施形態においては
光ファイバテープ心線2,3のファイバピッチと同ピッ
チで一列に配されている。また各狭加熱バーナー11
は、内部または外部にガスの入り切りを選択するための
電磁弁あるいは機械式弁12をそれぞれ備えており、こ
れにより各狭加熱バーナー11の点火および消火が個別
に制御できるように構成されている。また、この選択加
熱集合バーナー10は、テープ心線長さ方向に移動可能
に構成されており、必要に応じてテープ心線幅方向に微
調整できるように好ましく構成される。
【0014】次に、本実施形態の装置を用いた、本発明
のテープカプラ製造方法の第1の実施形態について説明
する。図4は、本実施形態の製造方法によりテープカプ
ラを製造する工程における一括延伸工程および調整工程
を示したフローチャートである。本実施形態において製
造されるテープカプラは、4心のテープ心線を2枚用い
た1.3μm/1.55μmWDM型テープカプラであ
り、目標延伸長は、波長1.3μmで3/2ビートとな
るように設定している。すなわち、光カプラに波長1.
3μmの光を入射させた時の結合率が100%である延
伸長を最終到達目標とし、最低保証条件を、テープカプ
ラにおける4つの光カプラがすべて結合率98%以上を
満たすこととする。
【0015】まず、2枚の4心テープ心線2、3を用意
し、その中途部分の一括被覆層を除去して光ファイバ2
a、3aを露出させる。これらを図1に示すように装置
にセットし、各テープ心線2、3の光ファイバ2a、3
aが上下に重なり合い、かつその周面が接触した状態に
保持する。この状態で、4つの光ファイバ対(#1,#
2,#3,#4)の、長さ方向中央の下方に広加熱バー
ナー5を位置させる。そして、広加熱バーナー5を点火
して4つの光ファイバ対(#1,#2,#3,#4)を
一括的に加熱してそれぞれを融着させる(融着工程)。
【0016】各光ファイバ対(#1,#2,#3,#
4)の融着が確認されたならば広加熱バーナー5の火力
を弱め、融着部分がガラス溶融点以上の温度で軟化して
延伸可能な状態を維持しつつ、4つの光ファイバ対(#
1,#2,#3,#4)の融着部分を同時に延伸する
(一括延伸工程)。この工程により4つの光ファイバ対
(#1,#2,#3,#4)は、いずれもほぼ一様に延
伸される。またこの工程において、4つの光ファイバ対
(#1,#2,#3,#4)について、その一端から波
長1.3μmのレーザー光を入射させて結合率をそれぞ
れモニターする。そして4つの光ファイバ対が2/2ビ
ートの条件を越えた後、一対でも結合率90%に達した
ことが認められたら、引続いて各光ファイバ対(#1,
#2,#3,#4)それぞれの延伸長を個別に微調整す
る調整工程を行なう。
【0017】ここで、本発明のテープカプラの製造方法
における、延伸長の調整方法について説明する。図5
は、光ファイバ2a,3aを融着延伸して、目標とする
結合率の約90%に達した光ファイバ対に対して、さら
に一定量加熱延伸して延伸長を微調整したときの加熱位
置と結合率の変化の度合い(結合感度)との関係を例示
したグラフである。このグラフの横軸は融着延伸部の最
もくびれた点を0とし、その点からの距離で加熱位置を
示している。またグラフ内に各位置における光ファイバ
対の断面形状を併せて示した。このグラフの例において
は、融着延伸部の最もくびれた点の近傍を加熱した場合
には加熱延伸に対する結合率の感度が高く、融着延伸部
の最もくびれた点から4mm以上離れた位置を加熱した
場合には、加熱延伸によって結合率が変化しないことが
認められる。本発明は、このように光ファイバ対の位置
によって加熱延伸に対する結合率の感度が異なってお
り、延伸により結合率が変化しない部分が存在すること
を利用して、テープカプラの複数の光ファイバ対(#
1,#2…)について、個別に延伸長の微調整を行うこ
とができるようにしたものである。尚、本発明におい
て、融着され延伸された光ファイバ対の、融着部分の最
もくびれた点の近傍であって、延伸によって結合率が変
化する部分を中央部といい、融着され、延伸された光フ
ァイバ対の延伸により結合率が変化しない部分を周辺部
という。周辺部には非融着部分も含まれる。
【0018】本実施形態では、例えば#1の光ファイバ
対が、一括延伸工程において全光ファイバ対(#1,#
2,#3,#4)の中で最初に結合率90%に達したと
して説明をする。本実施形態において、調整工程は第1
の調整延伸工程、第2の調整延伸工程、および延伸停止
工程からなっている。尚、調整工程は全部の光ファイバ
対(#1,#2,#3,#4)に波長1.3μmのレー
ザー光を入射させて結合率をそれぞれモニターしながら
行われ、第1の調整延伸工程における結合率のしきい値
は95%、第2の調整延伸工程における結合率のしきい
値は99%に好ましく設定されている。第1の調整延伸
工程では、まず一括延伸工程における延伸速度をVとす
るとき、好ましくは延伸速度をV/2に低下させ、全光
ファイバ対(#1,#2,#3,#4)の中央部を加熱
しつつ、#1の光ファイバ対の結合率が95%に達する
まで一括延伸を行なう。このとき、全光ファイバ対(#
1,#2,#3,#4)の中央部を加熱するのは広加熱
バーナー5を用いても、あるいは選択加熱集合バーナー
10を用いてもよい。
【0019】次いで図6に示すように、結合率が95%
を越えた光ファイバ対#1については、中央部21の加
熱を止め、加熱位置を周辺部20に切換える。すなわち
全光ファイバ対(#1,#2,#3,#4)の中央部2
1の下方に一方の選択加熱集合バーナー10を位置させ
るとともに、周辺部20の下方に他方の選択加熱集合バ
ーナー10を位置させる。そして#1の光ファイバ対に
ついては周辺部20をガラス溶融点以上の温度に保ち、
他の光ファイバ対(#2,#3,#4)については中央
部21をガラス溶融点以上の温度に保つ。この状態で、
全部の光ファイバ対(#1,#2,#3,#4)を同時
に延伸することにより、#1以外の光ファイバ対(#
2,#3,#4)では、中心部21の延伸長の変化にし
たがって結合率が変化する。この中心部21は延伸によ
る結合率の感度が高いので、わずかな延伸で結合率が変
化する。一方、#1の光ファイバ対は周辺部20が他の
光ファイバ対(#2,#3,#4)と同量だけ加熱延伸
されるが、この周辺部20は延伸によって結合率が変化
しない。したがって、#1の光ファイバ対の結合率を変
化させずに、他の光ファイバ対(#2,#3,#4)の
結合率を変化させることができる。さらに全ファイバ対
(#1,#2,#3,#4)を延伸速度V/2で同時に
延伸しながら、他の光ファイバ対(#2,#3,#4)
についても結合率が95%に達したものは、順次上記#
1の光ファイバ対と同様に加熱位置を中央部21から周
辺部20へ切換える。そして、全ての光ファイバ対(#
1,#2,#3,#4)が結合率95%を越えたら、第
2の調整延伸工程を行なう。
【0020】第2の調整延伸工程では、まず、全ての光
ファイバ対(#1,#2,#3,#4)について、周辺
部20の加熱を止めて中央部21の加熱に切換えるとと
もに、延伸速度をV/4に低下させて一括延伸する。こ
のとき、結合率が99%に達した光ファイバ対について
は、順次前記第1の調整延伸工程と同様に加熱位置を中
央部21から周辺部20へ切換える。そして、全ての光
ファイバ対(#1,#2,#3,#4)が結合率99%
を越えたら、延伸停止工程を行なう。
【0021】延伸停止工程では、まず全部の光ファイバ
対(#1,#2,#3,#4)について、周辺部20の
加熱を止めて中央部21の加熱に切換えるとともに、延
伸速度をV/8に低下させて一括延伸する。このとき、
いずれかの光ファイバ対が結合率100%を通り過ぎた
ら、すなわち、少なくとも1つの光ファイバ対の結合率
が99%から次第に増大して100%に達した後再び減
少する変化が認められたら、直ちに全ての光ファイバ対
(#1,#2,#3,#4)の延伸を停止する。この延
伸の停止は、結合率100%を通り過ぎた光ファイバ対
の結合率が、98%より低下しない段階で行なう必要が
あり、好ましくは4つの光ファイバ対のうち1つでも1
00%を通り過ぎて目標値である98%に達したら延伸
を停止する。
【0022】このようにして得られたテープカプラは、
全ての光ファイバ対(#1,#2,#3,#4)の結合
率が、目標結合率100%に対して、98〜100%に
微調整されているので、結合特性のばらつきがほとんど
ないものである。尚、本実施形態においては、各延伸工
程における結合率のしきい値および目標値を90%、9
5%、99%、および98%としたが、これに限られる
ものでなく任意とすることができる。しきい値は目標の
結合率に向かって段階的に変化するように設定され、例
えばしきい値を小刻みに設ければ、精度は向上するが、
製造効率は低下する。したがって、必要とされる精度や
生産性を考慮して適宜設定することができる。また延伸
速度についても、本実施形態では1/2ずつ3段階低下
させたが、これに限られるものではない。延伸速度を低
下させると延伸長の微調整をより確実に行なうことがで
きるが、製造効率は悪くなる。延伸速度は、結合率のし
きい値の設定とも関連して適宜設定することができる。
また工程によっては、延伸速度を低下させずに直前の工
程と同じ延伸速度としてもよく、あるいは直前の工程よ
りも延伸速度を増加させることも可能である。さらに必
要に応じて、調整工程を適宜増加したり、省略したりす
ることも可能である。
【0023】図7は、本発明のテープカプラ製造装置の
第2の実施形態を示したものである。この図において、
図1と同じ構成要素には同一符号を付してその説明を省
略する。本実施形態の装置が、上記第1の実施形態の装
置と異なる点は、接触している光ファイバ2a,3aを
加熱する手段として、広加熱バーナー(第1の加熱手
段)5、単心バーナー15(第2の加熱手段)、および
選択加熱集合バーナー(第3の加熱手段)10を備えて
いる点である。これらのバーナー5,15,10は露出
された光ファイバ2a,3aの下方に設けられており、
広加熱バーナー5を挟んでテープ心線長さ方向の両側に
単心バーナー15および選択加熱集合バーナー10がそ
れぞれ配されている。本実施形態の装置は、上記第1の
実施形態の装置と同様に、テープ心線2,3を保持し、
4つの光ファイバ対(#1,#2,#3,#4)を形成
する手段(図示略)、および延伸手段(図示略)を備え
ている。
【0024】図8は、単心バーナー15の例を示したも
のである。この単心バーナー15の加熱領域は1つの光
ファイバ対のみを加熱するように構成されている、本実
施形態における単心バーナー15は、加熱領域が光ファ
イバ2a,3aの外径よりも大きく、かつテープ心線
2,3のファイバピッチよりも小さくなるように構成さ
れている。また、単心バーナー15は、テープ心線長さ
方向に移動可能であるとともに、テープ心線幅方向にも
移動可能に構成されており、テープ心線幅方向の移動に
よって任意の1対の光ファイバ対を選択して加熱できる
ようになっている。
【0025】次に、本実施形態の装置を用いた、本発明
のテープカプラ製造方法の第2の実施形態について説明
する。図9は、本実施形態の製造方法によりテープカプ
ラを製造する工程における一括延伸工程および調整工程
を示したフローチャートである。本実施形態において製
造されるテープカプラは、4心のテープ心線を2枚用い
た1.3μm/1.55μmWDM型テープカプラであ
り、目標延伸長および最低保証条件は上記第1の実施形
態と同様とする。
【0026】すなわち、まず中途部分で光ファイバ2
a、3aが露出された2枚の4心テープ心線2、3を上
記第1の実施形態と同様に装置にセットし、上下の光フ
ァイバ2a、3aの周面が接触した状態に保持する。こ
の状態で、4つの光ファイバ対(#1,#2,#3,#
4)の、長さ方向中央の下方に広加熱バーナー5を位置
させる。そして、広加熱バーナー5を点火して4つの光
ファイバ対(#1,#2,#3,#4)を一括的に加熱
してそれぞれを融着させる(融着工程)。各光ファイバ
対(#1,#2,#3,#4)の融着が確認されたなら
ば広加熱バーナー5の火力を弱め、融着部分がガラス溶
融点以上の温度で軟化して延伸可能な状態を維持しつ
つ、4つの光ファイバ対(#1,#2,#3,#4)の
融着部分を同時に延伸する(一括延伸工程)。この工程
により4つの光ファイバ対(#1,#2,#3,#4)
は、いずれもほぼ一様に延伸される。また一括延伸工程
において、4つの光ファイバ対(#1,#2,#3,#
4)について、その一端から波長1.3μmのレーザー
光を入射させて結合率をそれぞれモニターする。そして
4つの光ファイバ対が2/2ビートの条件を越えた後、
1対でも結合率90%に達したことが認められた時点で
広加熱バーナー5での加熱を止め、引続いて各光ファイ
バ対(#1,#2,#3,#4)それぞれの延伸長を個
別に微調整する調整工程を行なう。
【0027】本実施形態において調整工程は、第1、第
2、第3、および第4の個別調整工程からなっている。
尚、調整工程は全部の光ファイバ対(#1,#2,#
3,#4)に波長1.3μmのレーザー光を入射させて
結合率をそれぞれモニターしながら行われる。第1の個
別調整工程では、例えば#1の光ファイバ対を調整対象
光ファイバ対として延伸長の微調整を行なう。尚、各個
別調整工程における調整対象光ファイバ対は、4つの光
ファイバ対(#1,#2,#3,#4)のうちの1つの
光ファイバ対を任意に選択することができる。まず広加
熱バーナー5を光ファイバ長さ方向に移動させるととも
に、単心バーナー15を光ファイバ長さ方向に光ファイ
バ対の中央部21まで移動させ、さらに幅方向に移動さ
せて、光ファイバ対#1の中央部21の下方に単心バー
ナー15を位置させる。そして、この中央部21を加熱
してガラス溶融点以上の温度に保つ。一方、選択加熱集
合バーナー10を移動させて光ファイバ対の周辺部20
の下方に位置させ、#1以外の光ファイバ対(#2,#
3,#4)の周辺部20を加熱してガラス溶融点以上の
温度に保つ。
【0028】この状態で、全部の光ファイバ対(#1,
#2,#3,#4)を同時に延伸することにより、#1
の光ファイバ対では、中心部21の延伸長の変化にした
がって結合率が変化する。この中心部21は延伸による
結合率の感度が高いので、わずかな延伸で目標の結合率
に達することができる。一方、#2,#3,#4の光フ
ァイバ対は周辺部20が#1と同量だけ加熱延伸される
が、この周辺部20は延伸によって結合率が変化しな
い。したがって、#1以外の光ファイバ対(#2,#
3,#4)の結合率を変化させずに、#1の光ファイバ
対の結合率を変化させることができるので、#1の光フ
ァイバ対の結合率が98〜100%となるように延伸長
を微調整する。尚、個別調整工程における延伸速度は、
前記一括延伸工程における延伸速度よりも低下させるこ
とが好ましい。
【0029】このようにして、#1の光ファイバ対につ
いて目標の結合率が得られるまで延伸を行ったら、引続
いて他の光ファイバ対(#2,#3,#4)について
も、順次延伸長の微調整を行う(第2〜第4個別調整工
程)。例えば調整対象光ファイバ対として#2の光ファ
イバ対を選択して第2個別調整工程を行なう場合には、
まず、単心バーナー15をテープ心線幅方向に移動させ
て#2の光ファイバ対の下方に位置させる。それととも
に、選択加熱集合バーナー10の4本の狭加熱バーナー
11のうち#2の下方に位置するものを消火し、#1,
#3,#4の下方に位置するものを点火させる。そして
#1の光ファイバ対の場合と同様にして、#2の光ファ
イバ対の結合率が98〜100%となるように延伸を行
う。以下、#3および#4の光ファイバ対についても、
順次同様に延伸長を微調整して(第3、第4の個別調整
工程)、テープカプラが得られる。
【0030】このようにして得られたテープカプラは、
全ての光ファイバ対(#1,#2,#3,#4)の結合
率が、目標結合率100%に対して、98〜100%に
微調整されているので、結合特性のばらつきがほとんど
ないものである。尚、本実施形態においては、一括延伸
工程から調整工程へ移行する段階における結合率のしき
い値を90%としたが、これに限られるものでなく任意
に設定することができる。しきい値を低くすれば延伸長
の微調整をより確実に行なうことができるが、製造効率
は悪くなる。また、延伸速度もしきい値と関連して適宜
設定することができる。
【0031】次に本発明のテープ心線製造装置の第3の
実施形態について説明する。本実施形態の装置が上記第
1の実施形態の装置と異なる点は、接触している光ファ
イバ2a,3aを加熱する手段として、2つの選択加熱
集合バーナー(第1、第2、第3の加熱手段)10,1
0を備えており、広加熱バーナー5を設けないで構成を
簡単にした点である。本実施形態の装置においては、一
方の選択加熱集合バーナー10が中央部21の下方に配
され、他方の選択加熱集合バーナー10が周辺部20の
下方に配されて用いられる。また両方の選択加熱集合バ
ーナーが、必要に応じてテープ心線幅方向に微調整でき
るように構成されるのが好ましい。また本実施形態の装
置は、上記第1の実施形態の装置と同様に、テープ心線
2,3を保持し、4つの光ファイバ対(#1,#2,#
3,#4)を形成する手段(図示略)、および延伸手段
(図示略)を備えている。
【0032】本実施形態の装置を用いれば、上記第1の
実施形態の製造方法と同様の手順でテープカプラを製造
することができる。すなわち、まず中途部分で光ファイ
バ2a、3aが露出された2枚の4心テープ心線2、3
を上記第1の実施形態と同様に装置にセットし、上下の
光ファイバ2a、3aの周面が接触した状態に保持す
る。この状態で、4つの光ファイバ対(#1,#2,#
3,#4)の、長さ方向中央の下方に選択加熱集合バー
ナー10を位置させる。そして、選択加熱集合バーナー
10を構成する全部の狭加熱バーナー11を点火して4
つの光ファイバ対(#1,#2,#3,#4)を一括的
に加熱してそれぞれを融着させる(融着工程)。
【0033】各光ファイバ対(#1,#2,#3,#
4)の融着が確認されたならば選択加熱集合バーナー1
0の火力を弱め、融着部分がガラス溶融点以上の温度で
軟化して延伸可能な状態を維持しつつ、4つの光ファイ
バ対(#1,#2,#3,#4)の融着部分を同時に延
伸する(一括延伸工程)。この工程により4つの光ファ
イバ対(#1,#2,#3,#4)は、いずれもほぼ一
様に延伸される。またこの工程において、4つの光ファ
イバ対(#1,#2,#3,#4)について、その一端
から波長1.3μmのレーザー光を入射させて結合率を
それぞれモニターする。そして4つの光ファイバ対が2
/2ビートの条件を越えた後、一対でも結合率90%に
達したことが認められたら、引続いて各光ファイバ対
(#1,#2,#3,#4)それぞれの延伸長を個別に
微調整する調整工程を行なう。調整工程は、2つの選択
加熱集合バーナー10,10を用いて上記第1の実施形
態と同様して行なうことができ、結合特性のばらつきが
ほとんどないテープカプラが得られる。
【0034】あるいは本実施形態の装置を用いれば、上
記第2の実施形態と同様に調整工程を行なうこともでき
る。この場合調整工程は、第1、第2、第3、および第
4の個別調整工程からなる。尚、調整工程は全部の光フ
ァイバ対(#1,#2,#3,#4)に波長1.3μm
のレーザー光を入射させて結合率をそれぞれモニターし
ながら行われる。第1の個別調整工程では、例えば#1
の光ファイバ対を調整対象光ファイバ対として延伸長の
微調整を行なう。尚、各個別調整工程における調整対象
光ファイバ対は、4つの光ファイバ対(#1,#2,#
3,#4)のうちの1つの光ファイバ対を任意に選択す
ることができる。すなわち、まず一括延伸工程に用いた
一方の選択加熱集合バーナー10の#1の光ファイバ対
の下方の狭加熱バーナーだけを点火状態とし、他の狭加
熱バーナーを消火して、#1のファイバ対の中央部21
をガラス溶融点以上の温度に保つ。また他方の選択加熱
集合バーナー10は全光ファイバ対(#1,#2,#
3,#4)の周辺部20の下方に位置させるとともに、
#1以外の光ファイバ対(#2,#3,#4)の周辺部
20を加熱してガラス溶融点以上の温度に保つ。そして
この状態で、上記第2の実施形態と同様に全部の光ファ
イバ対(#1,#2,#3,#4)を同時に延伸するこ
とにより、#1の光ファイバ対の延伸長の微調整を行な
う。第2〜第4個別調整工程は、上記第2の実施形態に
おいて、単心バーナー15をテープ心線幅方向に移動さ
せるかわりに、一方の選択加熱集合バーナー10の各狭
加熱バーナーの点火/消火状態を制御する他は同様して
行なうことができ、結合特性のばらつきがほとんどない
テープカプラが得られる。
【0035】次に本発明のテープ心線製造装置の第4の
実施形態について説明する。本実施形態の装置が上記第
2の実施形態と異なる点は、接触している光ファイバ2
a,3aを加熱する手段として、選択加熱集合バーナー
(第1、第3の加熱手段)10と単心バーナー15(第
2の加熱手段)を備えており、広加熱バーナー5を設け
ないで構成を簡単にした点である。これらのバーナー1
0,15は露出された光ファイバ2a,3aの下方に設
けられている。また選択加熱集合バーナー10はテープ
心線長さ方向に移動可能に構成されており、必要に応じ
てテープ心線幅方向に微調整できるように好ましく構成
される。また単心バーナー15は、テープ心線長さ方向
および幅方向に移動可能に構成されている。本実施形態
の装置は、上記第1の実施形態の装置と同様に、テープ
心線2,3を保持し、4つの光ファイバ対(#1,#
2,#3,#4)を形成する手段(図示略)、および延
伸手段(図示略)を備えている。
【0036】本実施形態の装置を用いれば、上記第2の
実施形態の製造方法と同様の手順でテープカプラを製造
することができる。すなわち、まず中途部分で光ファイ
バ2a、3aが露出された2枚の4心テープ心線2、3
を上記第2の実施形態と同様に装置にセットし、上下の
光ファイバ2a、3aの周面が接触した状態に保持す
る。この状態で、4つの光ファイバ対(#1,#2,#
3,#4)の、長さ方向中央の下方に選択加熱集合バー
ナー10を位置させる。そして、選択加熱集合バーナー
10を構成する全部の狭加熱バーナー11を点火して4
つの光ファイバ対(#1,#2,#3,#4)を一括的
に加熱してそれぞれを融着させる(融着工程)。
【0037】各光ファイバ対(#1,#2,#3,#
4)の融着が確認されたならば選択加熱集合バーナー1
0の火力を弱め、融着部分がガラス溶融点以上の温度で
軟化して延伸可能な状態を維持しつつ、4つの光ファイ
バ対(#1,#2,#3,#4)の融着部分を同時に延
伸する(一括延伸工程)。この工程により4つの光ファ
イバ対(#1,#2,#3,#4)は、いずれもほぼ一
様に延伸される。またこの工程において、4つの光ファ
イバ対(#1,#2,#3,#4)について、その一端
から波長1.3μmのレーザー光を入射させて結合率を
それぞれモニターする。そして4つの光ファイバ対が2
/2ビートの条件を越えた後、一対でも結合率90%に
達したことが認められた時点で、選択加熱集合バーナー
10での加熱を止め、引続いて各光ファイバ対(#1,
#2,#3,#4)それぞれの延伸長を個別に微調整す
る調整工程を行なう。
【0038】本実施形態において調整工程は、第1、第
2、第3、および第4の個別調整工程からなっている。
尚、調整工程は全部の光ファイバ対(#1,#2,#
3,#4)に波長1.3μmのレーザー光を入射させて
結合率をそれぞれモニターしながら行われる。第1の個
別調整工程では、例えば#1の光ファイバ対を調整対象
光ファイバ対として延伸長の微調整を行なう。尚、各個
別調整工程における調整対象光ファイバ対は、4つの光
ファイバ対(#1,#2,#3,#4)のうちの1つの
光ファイバ対を任意に選択することができる。まず選択
加熱集合バーナー10を光ファイバ長さ方向に移動させ
るとともに、単心バーナー15を光ファイバ長さ方向お
よび幅方向に移動させて、光ファイバ対#1の中央部2
1の下方に単心バーナー15を位置させる。そして、こ
の中央部21を加熱してガラス溶融点以上の温度に保
つ。一方、選択加熱集合バーナー10は全光ファイバ対
(#1,#2,#3,#4)の周辺部20の下方に位置
させる。そして、これにより#1以外の光ファイバ対
(#2,#3,#4)の周辺部20を加熱してガラス溶
融点以上の温度に保つ。そしてこの状態で、上記第2の
実施形態と同様に全部の光ファイバ対(#1,#2,#
3,#4)を同時に延伸することにより、#1の光ファ
イバ対の延伸長の微調整を行なう。第2〜第4個別調整
工程は、上記第2の実施形態と同様して行なうことがで
き、結合特性のばらつきがほとんどないテープカプラが
得られる。
【0039】尚、上記第1〜第4の実施形態の装置は、
バーナーを移動することによって光ファイバ対における
加熱位置を制御するように構成されているが、これに限
られるものではなく、バーナーの加熱領域と光ファイバ
対との位置を相対的に変化させることができれば、任意
の構成とすることができる。例えば、光ファイバ対がバ
ーナーに対して移動できるように構成することも可能で
ある。またテープカプラの製造装置におけるバーナーの
構造は、上記実施形態のものに限られず、各種の変形が
可能である。例えば、上記選択加熱集合バーナー10
は、これを構成する複数の狭加熱バーナー11の点火お
よび消火がそれぞれ制御できるだけでなく、各狭加熱バ
ーナー11に供給されるガス流量を変化させることによ
り、個々の光ファイバ対における加熱温度をそれぞれ制
御できるように好ましく構成される。また上記実施形態
では、便宜上、光ファイバ対の中央部21の左側の非融
着部部を周辺部20として図示したが、周辺部20は延
伸により結合率が変化しない部分であればよく、中央部
21の左右どちらでも構わない。
【0040】また上記第1〜第4の実施形態の製造方法
では、1.3μm/1.55μmWDM型テープカプラ
を製造するにあたり、モニター波長として1.3μmを
用いたが、必要に応じて1.55μm波長を光カプラに
入射して結合率をモニターすることもできる。また製造
されるテープカプラも上記実施形態のものに限られず、
各種のテープカプラの製造に本発明の方法を好ましく適
用することができる。上記実施形態においては、2枚の
テープ心線を重ねあわせ、上下に重なりあった光ファイ
バ対を融着延伸してテープカプラを製造する方法を示し
たが、これに限らず、光ファイバテープ心線の光ファイ
バを2本1組として2つ以上の光ファイバ対を形成して
なるテープカプラであればよく、各種の変形が可能であ
る。例えば4心以上のテープ心線を1枚を用い、隣り合
った光ファイバどうしを融着延伸してテープカプラを製
造する場合にも、本発明の製造方法は有効である。また
テープ心線を構成する光ファイバの心数は4心に限ら
ず、2つ以上の光ファイバ対を形成する任意の数とする
ことができる。そして、テープカプラの構造に応じてバ
ーナーの構造、加熱領域の大きさ等を適宜変更すること
が好ましい。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、中
途部分で光ファイバが露出された多心の光ファイバテー
プ心線の光ファイバを2本1組として複数の光ファイバ
対を形成し、これら複数の光ファイバ対を融着延伸して
テープカプラを製造する際に、各光ファイバ対について
個別に延伸長を調整して適正な結合率を得ることができ
るので、結合率のばらつきがなく、光分岐結合特性に優
れたテープカプラが得られる。よって、テープ心線と接
続して用いるのに好適であり、テープ心線を用いた高密
度伝送システムの構築において有用なテープカプラが得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の多心テープ型光ファイバカプラの製
造装置の第1の実施形態を示した要部概略構成図であ
る。
【図2】 図1の広加熱バーナーの例を示した説明図で
ある。
【図3】 図1の選択加熱集合バーナーの例を示した説
明図である。
【図4】 本発明の多心テープ型光ファイバカプラの製
造方法の第1の実施形態における一括延伸工程および調
整工程を示すフローチャートである。
【図5】 本発明における延伸長の調整方法を説明する
ためのグラフである。
【図6】 本発明の多心テープ型光ファイバカプラの製
造方法の第1の実施形態における調整延伸工程の説明図
である。
【図7】 本発明の多心テープ型光ファイバカプラの製
造装置の第2の実施形態を示した要部概略構成図であ
る。
【図8】 図7の単心バーナーの例を示した説明図であ
る。
【図9】 本発明の多心テープ型光ファイバカプラの製
造方法の第2の実施形態における一括延伸工程および調
整工程を示すフローチャートである。
【図10】 多心テープ型光ファイバカプラの例を示し
たもので、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は
側面図である。
【図11】 WDM型光ファイバカプラの一例を示した
構成図である。
【図12】 従来の方法で製造された多心テープ型光フ
ァイバカプラの延伸長と結合率の関係を例示したグラフ
である。
【図13】 従来の方法で製造された多心テープ型光フ
ァイバカプラの結合特性を示したグラフである。
【符号の説明】
2,3…光ファイバテープ心線、2a,3a…光ファイ
バ、#1,#2,#3,#4…光ファイバ対、5…広加
熱バーナー、10…選択加熱集合バーナー、11…狭加
熱バーナー、15…単心バーナー、20…周辺部、21
…中央部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−333456(JP,A) 特開 平7−333460(JP,A) 特開 平7−333459(JP,A) 特開 平4−107512(JP,A) 特開 平2−105104(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 6/28 - 6/293 G02B 6/24 301

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中途部分で光ファイバが露出された多心
    の光ファイバテープ心線の光ファイバを2本1組として
    互いに周面が接触した状態に保持して複数の光ファイバ
    対を形成し、全部の光ファイバ対を各々加熱融着する融
    着工程と、 全部の光ファイバ対の融着部分を加熱しつつ同時に延伸
    する一括延伸工程と、 一部の光ファイバ対の融着部分であって延伸により結合
    率が変化する中央部を加熱し、かつ他の光ファイバ対の
    延伸により結合率が変化しない周辺部を加熱しつつ、全
    部の光ファイバ対を同時に延伸する調整工程を有してな
    ることを特徴とする多心テープ型光ファイバカプラの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 前記調整工程が、 全部の光ファイバ対における結合率を各々モニターしつ
    つ、結合率が予め設定されたしきい値を越えない光ファ
    イバ対は前記中央部を加熱し、かつ延伸により結合率が
    該しきい値を越えた光ファイバ対は加熱位置を該中央部
    から前記周辺部に順次切換えながら、全部の光ファイバ
    対の結合率が該しきい値を越えるまで全部の光ファイバ
    対を同時に延伸する調整延伸工程と、 全部の光ファイバ対における結合率を各々モニターしつ
    つ、全部の光ファイバ対の前記中央部を加熱しながら全
    部の光ファイバ対を同時に延伸し、少なくとも1つの光
    ファイバ対の結合率が予め設定された目標値に達した後
    に、延伸を停止する延伸停止工程とを有してなり、 前記しきい値を変化させながら前記調整延伸工程を繰り
    返すことを特徴とする請求項1記載の多心テープ型光フ
    ァイバカプラの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記調整工程が、全部の光ファイバ対に
    おける結合率を各々モニターしつつ、1つの調整対象光
    ファイバ対は前記中央部を加熱し、かつ他の光ファイバ
    対は前記周辺部を加熱しながら、前記調整対象光ファイ
    バ対が目標の結合率に達するまで全部の光ファイバ対を
    同時に延伸する個別調整工程を有してなり、全部の光フ
    ァイバ対を順次前記調整対象光ファイバ対として、該個
    別調整工程を繰り返すことを特徴とする請求項1記載の
    多心テープ型光ファイバカプラの製造方法。
  4. 【請求項4】 中途部分で光ファイバが露出された多心
    の光ファイバテープ心線の光ファイバを2本1組として
    互いに周面が接触した状態に保持して複数の光ファイバ
    対を形成する手段と、 全部の光ファイバ対を同時に加熱する第1の加熱手段
    と、 一部の光ファイバ対の融着部分であって延伸により結合
    率が変化する中央部を加熱する第2の加熱手段と、 前記一部の光ファイバ対を前記第2の加熱手段で加熱す
    ると同時に残りの光ファイバ対の、延伸により結合率が
    変化しない周辺部を加熱する第3の加熱手段と、 全部の光ファイバ対を一括的に延伸する手段を備えてな
    ることを特徴とする多心テープ型光ファイバカプラの製
    造装置。
  5. 【請求項5】 前記第1の加熱手段と第2の加熱手段が
    同一の加熱手段を兼用してなるか、あるいは前記第1の
    加熱手段と第3の加熱手段が同一の加熱手段を兼用して
    なるかのいずれかであることを特徴とする請求項4記載
    の多心テープ型光ファイバカプラの製造装置。
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