JP2001324644A - 波長多重光ファイバカプラ及びその作製方法 - Google Patents

波長多重光ファイバカプラ及びその作製方法

Info

Publication number
JP2001324644A
JP2001324644A JP2000143091A JP2000143091A JP2001324644A JP 2001324644 A JP2001324644 A JP 2001324644A JP 2000143091 A JP2000143091 A JP 2000143091A JP 2000143091 A JP2000143091 A JP 2000143091A JP 2001324644 A JP2001324644 A JP 2001324644A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical fiber
wavelength
fiber coupler
light
coupler
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000143091A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuya Hida
達也 飛田
Takashi Uetake
孝 植竹
Osamu Kobayashi
修 小林
Juichi Noda
壽一 野田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTT Advanced Technology Corp
Original Assignee
NTT Advanced Technology Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTT Advanced Technology Corp filed Critical NTT Advanced Technology Corp
Priority to JP2000143091A priority Critical patent/JP2001324644A/ja
Publication of JP2001324644A publication Critical patent/JP2001324644A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Couplings Of Light Guides (AREA)
  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、安定に、歩留まり良
く、安価に波長多重光ファイバカプラを提供することを
目的とする。 【解決手段】 本発明による波長多重光ファイバ
カプラは、カットオフ波長の異なる2本の単一モード光
ファイバを互いに隣接させ、加熱・融着・延伸させて作
製された波長多重光ファイバカプラについて、融着、延
伸された部分は二つの円柱がほぼ直線状で接している形
状で、その断面形状は、加熱・融着・延伸前の2本の単
一モード光ファイバを隣接させた時の断面形状と、ほぼ
相似関係にあることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光通信システム等に
おいて光信号の分岐や結合に用いられる光ファイバカプ
ラ及びその作製方法に関するもので、特に2波長の波長
多重もしくは分離を特徴とする波長多重光ファイバカプ
ラ及びその作製方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、情報の伝達手段として、光ファイ
バを用いることが主流となっている。しかも、光ファイ
バは広い波長領域において低損失であるという特徴を生
かし、1本の光ファイバに複数の波長の光を伝送させる
波長多重(Wavelength Division
Multiplexing:WDM)技術が研究、実用
化されてきた。
【0003】そこでは、1つの光伝送路(例えば光ファ
イバ)を伝播する複数の波長の光信号を複数の光伝送路
に分岐したり、あるいは複数の光伝送路より伝播してき
た1種類以上の光信号を結合し重塁するという要求があ
る。
【0004】この働きをする部品の1つが波長多重光フ
ァイバカプラである。この光ファイバカプラは低損失
で、光の伝送路である光ファイバとの接続性に優れ、安
価であるという特徴を持つことが要求される。
【0005】以降、波長多重光ファイバカプラをWDM
光ファイバカプラと呼ぶ。
【0006】従来のWDM光ファイバカプラは、同一構
造の2本の光ファイバを組み合わせて作製される。例え
ば、従来の1.31μmの波長の光と1.55μmの波
長の光を多重、分岐させるWDM光ファイバカプラを作
製する場合、カットオフ波長が1.31μm以下の光フ
ァイバを2本用いて作製される。
【0007】光ファイバカプラの作製方法はいくつか実
用化されているが、一例を記す。光ファイバの被覆を
所望の長さだけ除去し、除去した光ファイバ2本を隣接
させる。ガスバーナーなどの加熱源で加熱し、2本の
光ファイバを溶融・接着させる。この工程を融着とい
う。融着後、延伸し、2本の光ファイバを伝播してい
る光を結合させ、適当な時に加熱、延伸を終了させる。
以上が、一般的な方法である。
【0008】一般的に、加熱・融着・延伸により作製さ
れる光ファイバカプラは、WDM光ファイバカプラを含
め図11のような形状をしている。光ファイバ11、1
2は互いに隣接しており、融着・延伸部分では互いに固
着されている。また、延伸により光ファイバは細くなっ
ていて、この部分で、光の結合が生じる。
【0009】WDM光ファイバカプラは、例えば入射光
13にA、Bという波長の光を入射した時、融着・延伸
部分で光の結合が生じ、波長Aの光は出射光14とし
て、波長Bの光は出射光15として、異なるファイバか
ら出射される特徴を持っている。
【0010】以上のような、光ファイバカプラを作製す
るための装置の概略図を図12に示す。
【0011】光ファイバ22、23は、その中間を所要
の長さだけ被覆を除去し、延伸ステージ29に固定冶具
25、26で固定できるようになっている。固定冶具2
5は光ファイバの被覆ごと固定できるようになってお
り、固定冶具26は被覆を除去した光ファイバを固定で
きるようになっている。延伸ステージ29は左右に移動
できるようになっていて、加熱した光ファイバを延伸で
きるようになっている。光ファイバカプラを作製する場
合に、実際に光を入射し、各々のファイバ22,23を
伝播してきた光量を測定できるように、光源21と受光
器27,27’を有している。加熱源28はガスバーナ
ー等がある。
【0012】延伸ステージ29、加熱源28、受光器2
7,27’はコントローラ30に接続されており、カプ
ラ作製にかかわる条件はコンピュータ31からコントロ
ーラ30に送信され、延伸ステージ29、加熱源28を
制御するようになっている。
【0013】上記のような装置を用いた場合の、カプラ
作製の手順を図13に示す。
【0014】まず、光ファイバ22,23を2本用意
し、所要の長さだけ光ファイバの被覆を除去する。
光ファイバ22のA端を光源21に、C端を受光器27
に接続し、受光器27で光量を記憶する。次に、光ファ
イバ23のB端を光源21に、D端を受光器27’に接
続し、受光器27’で光量が、先の光量とほぼ等しくな
ることを確認する。図12の固定冶具25、26を使
用して、光ファイバ22,23が隣接するように固定す
る。光ファイバ22,23の隣接した部分を加熱源2
8で加熱し、互いに融着させる。融着後延伸して、受
光器27,27’による光量が所望のところで加熱・延
伸を停止する。
【0015】このWDM光ファイバカプラの特性は、カ
プラ作製に使用するファイバの種類、融着・延伸部分の
断面形状、延伸長などに大きく依存している。
【0016】通常、WDM光ファイバカプラに使用する
1対の光ファイバは、ファイバ外径、カットオフ波長な
ど同一の光ファイバであることが多い。同一ロットの光
ファイバを用いることもある。これは、仕様の異なる光
ファイバでは微小に異なることのあるファイバ外径や、
残存ひずみ、加熱時の物理特性のために融着・延伸が安
定にできないことがあるためである。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかし、例えば光増幅
に使用する0.98μm、1.55μmの光を多重、分
岐させるWDM光ファイバカプラを作製する際、同一構
造の2本の単一モード光ファイバを使用すると、その歩
留まりが悪く、作製が困難である。
【0018】例えば、1.31μmの波長の光と1.5
5μmの波長の光を分岐するWDM光ファイバカプラを
作製する時に、最適使用波長が1.31μmの1対の光
ファイバを用いて作製した場合、一方は分岐後の伝播光
波長(=1.31μm)と光ファイバの最適使用波長
(=1.31μm)が等しくなるが、もう一方は、伝播
光波長(=1.55μm)と最適使用波長(=1.31
μm)が異なり、少なからず、カプラ作製を困難にし、
カプラの特性にも影響を及ぼしかねない。さらに分岐後
の光ファイバとの接続では、伝播光波長(=1.55μ
m)で最適使用波長(=1.31μm)のファイバに、
最適使用波長が1.55μmの光ファイバを接続するの
で、ここで、接続損失が生じる可能性がある。
【0019】また、カプラ部分の断面形状がWDM光フ
ァイバカプラの特性に大きく影響するために、そして、
断面形状は、光ファイバへの加熱温度と加熱時間により
変化するため、融着、延伸工程の温度コントロールが非
常に重要である。さらに、ガスバーナーを加熱源とした
場合、ガスの流量のコントロールをする必要があるが、
流量の微小なコントロールが困難であり、また、温度の
コントロールを行うには熟達した技術が必要となる。
【0020】本発明は、このような現状を鑑みてなされ
たものであり、その目的は、安定に、歩留まり良く、安
価にWDM光ファイバカプラを提供することにある。
【0021】また、その作製方法を提供することにあ
る。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明による波長多重光ファイバカプラは、カット
オフ波長の異なる2本の単一モード光ファイバを互いに
隣接させ、加熱・融着・延伸させて作製された波長多重
光ファイバカプラについて、融着、延伸された部分は二
つの円柱がほぼ直線状で接している形状で、その断面形
状は、加熱・融着・延伸前の2本の単一モード光ファイ
バを隣接させた時の断面形状と、ほぼ相似関係にあるこ
とを特徴とする。
【0023】また、本発明による波長多重光ファイバカ
プラの作製方法は、カットオフ波長の異なる2本の単一
モード光ファイバを互いに隣接させ、加熱・融着・延伸
させて作製する波長多重光ファイバカプラの作製方法に
おいて、2本の単一モード光ファイバを、二つの円柱が
ほぼ直線状で接している形状に融着、延伸させることを
特徴とする。
【0024】本発明は、WDM光ファイバカプラを作製
する際に、用いる2本の単一モード光ファイバにおい
て、カットオフ波長の異なるものを用意して作製する点
に特徴を有する。
【0025】また、そのカットオフ波長は、光が各々の
光ファイバ中を伝送する際、シングルモードで伝送する
ように設定されている。
【0026】さらに、融着、延伸された部分は二つの円
柱がほぼ直線状で接している形状が、すなわち、カプラ
部分(光結合部分)の断面形状は、二つの円(各々の光
ファイバの断面)が1点で接しているような形状が望ま
しく(融着の度合いxは融着部分における単一モード光
ファイバの直径(等しいか大きい方)をd、融着部の幅
をWとすると、x=1−W/2dが7%以下であること
が望ましく)、そのような断面形状を得るために、ある
程度広範囲にわたって均一な加熱域を持ち、また、その
温度コントロール性が優れている過熱源を用いて作製す
ることを特徴としている。
【0027】本発明の発明者らは、ファイバの光軸方向
に沿って、7mm以上の広範囲にわたって最高温度の−
15%以内の温度均一性を有し、長時間にわたって安定
な加熱源であるセラミックマイクロヒータを用い、精密
な温度コントロールを行い、温度変化を緩やかにして延
伸を行うことによって、異種ファイバ同士でも、光ファ
イバカプラが作製可能であることを見出した。
【0028】異種ファイバ、おもにカットオフ波長の異
なる(従って、最適使用波長の異なる)光ファイバでの
WDM光ファイバカプラ作製の利点は、カプラによって
多重・分岐させる波長差が大きい場合でも、分岐後の光
の波長と、その光が伝送する光ファイバの使用波長を一
致させることが出来るために、安定に、歩留まり良く、
結果的に安価に、作製することができる点である。ま
た、カプラと接続する光ファイバとの光結合が容易であ
る点があげられる。
【0029】例えば、本発明のように、最適使用波長が
それぞれ1.31μm、1.55μmの光ファイバを用
い、1.31μmの光は最適使用波長が1.31μmの
光ファイバに、1.55μmの光は最適使用波長が1.
55μmの光ファイバに分岐するようにカプラを作製す
ることにより、上記課題を解決することができる。
【0030】このような、WDM光ファイバカプラを作
製する上で重要なのは、先にも述べたとおり、融着・延
伸部分の断面形状と、延伸の物理的長さ(すなわち、光
結合部分の長さ)である。延伸の長さについては、図1
2のようにカプラ作製時にそれぞれのファイバに受光器
を接続し、その受光光量をモニターしながら所望の結合
状態(例えば出射光量比)が得られた時に延伸を停止さ
せれば良い。
【0031】一方、断面形状は、光ファイバへの加熱温
度と加熱時間により変化するため、温度の制御が非常に
重要になってくる。加熱源がガスバーナーであれば、流
量及び温度のコントロールが困難である。しかし、電熱
ヒータ(例えば、セラミックマイクロヒータ)の場合、
ヒータにかける電力と温度との関係を把握しておけば、
比較的容易に温度をコントロールすることができるた
め、加熱源としては電熱ヒータが望ましい。
【0032】
【発明の実施の形態】本発明による波長多重光ファイバ
カプラは、カットオフ波長の異なる2本の単一モード光
ファイバを互いに隣接させ、加熱・融着・延伸させて作
製された波長多重光ファイバカプラについて、融着、延
伸された部分は二つの円柱がほぼ直線状で接している形
状で、その断面形状は、加熱・融着・延伸前の2本の単
一モード光ファイバを隣接させた時の断面形状と、ほぼ
相似関係にあることを特徴とする。
【0033】本発明による、光ファイバカプラの断面形
状を図1に示す。
【0034】WDM光ファイバカプラの断面形状は、二
つの円が1点で接して融着されているような形状である
こと、すなわち、延伸された部分は二つの円柱がほぼ直
線状で接している形状が望ましい。ファイバの隣接した
状態(断面図b)から加熱・融着をごく弱く行い、次
に、加熱・延伸を行っても、その断面形状は相似して縮
小され断面図aのようになる。なお、図において、41
はクラッド、42はコアである。
【0035】作製したWDM光ファイバカプラの断面形
状の例(模式図と写真)を図2に示す。図aは延伸後の
融着部の断面形状の模式図であり、2本の単一モード光
ファイバの直径をd、融着部の幅をWとして、融着の度
合いをx=1−W/2dで表わしたものである。この模
式図の場合、x=10%である。図b〜dは融着度xが
それぞれ、1%、3%、7%の断面写真である。写真よ
り、融着、延伸された部分は二つの円柱がほぼ直線状に
接している形状で、その断面形状は、加熱・融着・延伸
前の2本の単一モード光ファイバを隣接させた時の断面
形状と、ほぼ相似関係にあるといえる。
【0036】融着の度合いxは7%以下(2本の単一モ
ード光ファイバの直径が異なるときは大きい方の直径を
dとする)であることが望ましい。
【0037】また、本発明による波長多重光ファイバカ
プラの作製方法は、カットオフ波長の異なる2本の単一
モード光ファイバを互いに隣接させ、加熱・融着・延伸
させて作製する波長多重光ファイバカプラの作製方法に
おいて、2本の単一モード光ファイバを、二つの円柱が
ほぼ直線状で接している形状に融着、延伸させることを
特徴とする。
【0038】また、加熱・融着・延伸に用いる熱源に、
広範囲にわたって温度均一性を有し、温度コントロール
が可能な電熱ヒータを用い、温度変化を緩やかにして延
伸を行うことが望ましい。
【0039】以下、本発明を実施例により具体的に説明
するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
【0040】
【実施例1】カプラ作製に使用した作製装置は、図3に
示すような構成をしており、加熱源にはセラミックマイ
クロヒータ51を使用した。セラミックマイクロヒータ
は空気中で1700℃近い温度を得ることができ、さら
に、ヒータ及び光ファイバからの赤外線53を赤外線検
知機52で検出することにより、より細かい温度コント
ロールを可能とした。それにより、融着の度合いを微妙
にコントロールする必要のあるWDM光ファイバカプラ
の作製を容易にした。なお、図3において、図12と同
じ部位には同じ符号を用いた。
【0041】セラミックマイクロヒータの断面構造を図
4に示す。セラミックマイクロヒータは発熱体63、断
熱材65、セラミック炉心管、及びリード線64からな
っている。また、セラミックマイクロヒータの温度特性
を図5に示す。約1500℃の加熱温度において、7m
m以上の広範囲にわたって最高温度1550℃の−15
%以内の温度均一性を有している。本ヒータでは、光フ
ァイバに対して均一に熱することができ、また、光ファ
イバの光軸方向に沿って緩やかな温度分布を持っている
ために、異種光ファイバを用いたカプラの作製が可能に
なった。なぜなら異種光ファイバ同士でカプラを作製す
る場合、光ファイバの熱特性が異なるために、融着が困
難である場合があるが、緩やかな温度分布を持ったヒー
タを用いて、温度変化を緩やかにして融着・延伸を行う
ことによって、その影響を最小限に抑えることができ
る。
【0042】以上のような構成の装置を使用したときの
加熱・融着・延伸工程の様子を図6に示す。あらかじめ
ヒータは1000℃程度まで熱しておき、作製開始とと
もに光ファイバを徐歪温度まで熱し、光ファイバのひず
みを取り除く。そして、温度を1600℃程度まで上げ
て、光ファイバ同士を融着する。融着が終了したら、加
熱温度を落として、延伸ステージを動かし、光ファイバ
の延伸工程に入る。延伸工程は、その延伸スピード、延
伸中の加熱温度により、4段階設けられている。なお、
2段階以上設けることが好ましいが、肝要なのは温度変
化を緩やかにして延伸を行うことである。また、延伸ス
ピードも段階毎に緩やかにしていくことが好ましい。
【0043】光ファイバ22,23は図3のように、1
本22は両端を光源21、受光器27と接続されてお
り、もう1本23は片端を受光器27’に接続されてい
る。カプラ作製中は受光器27,27’によって、光結
合の状況を常にモニターしているので、所望の結合状
態、例えば、所望の出射光量比になったときに加熱・延
伸を終了させれば良い。
【0044】以上の加工工程の加熱温度や時間、延伸ス
ピード、延伸終了条件はあらかじめコンピュータ31に
入力しておき、コントローラ30で加熱源28及び延伸
ステージ29を制御することにより、自動的にカプラ作
製が行われるようになっている。
【0045】以上のような構成の装置を使用し、0.9
8μmと1.55μmの光を多重・分岐するWDM光フ
ァイバカプラを作製した。使用した光ファイバは、最適
使用波長が0.98μmと1.55μmの2種類のファ
イバである。
【0046】延伸をしていくにつれて、カプラの最適使
用波長が連続的に変化し、2つの使用波長に対する後述
の出射光量比が0%〜100%の間を周期的に行き来す
る。
【0047】最適使用波長が1.55μmのファイバに
1.55μmの光を入射し、加熱・融着・延伸工程にお
いて光の結合が生じ、いったん最適使用波長が0.98
μmのファイバに光が移った(すなわち、出射光量比が
100%になった)後、元のファイバに戻ってきた(す
なわち、出射光量比が0%になった)ところで加熱・延
伸を終了させる。光の結合が早く始まる(出射光量比の
変動周期が短い)長波長の1.55μmの光が一旦使用波長
0.98μm光ファイバにうつった後、結合が進み、再び使
用波長1.55μm光ファイバ戻ってきたところでとめるこ
とにより、結合の遅い(出射光量比の変動周期が長い)
0.98μmの光はおおよそ最適使用波長が0.98μmのファ
イバにうつった(すなわち、出射光量比がおおよそ10
0%になった)ところで終了することが出来る。後の微
調整は融着の度合いによって調節可能である。
【0048】なお、カプラと光ファイバとの接続に同種
の光ファイバを使用することにより、接続部分でのモー
ド変化や損失などが軽減される。
【0049】作製したWDM光ファイバカプラの特性
を、図7、図8に示す。
【0050】図7は最適使用波長1.55μmファイバ
22に800〜1700nmの光を入射し、波長毎のス
ルーポート(受光器27)、クロスポート(受光器2
7’)からの出射光量比(Coupling Rati
o)をグラフ化したものである。Coupling R
atioはクロスポートに光出力のすべてが出射される
場合100%であり、逆にスルーポートに光出力のすべ
てが出射される場合0%である。同じ図には、カットバ
ック法によるカプラの損失(Loss)も示してある。
そして、図8にはスルーポート、クロスポートの損失を
示している。
【0051】1.55μmの光は、出射光量比が0%で
あり、すべてスルーポート(最適使用波長1.55μm
ファイバ)から出射されている。ここで、0.98μm
の光の出射光量比が100%でなく、クロスポート(最
適使用波長0.98μmファイバ23)から100%出
射されていないが、これは最適使用波長1.55μmフ
ァイバ中を伝送した光のうち、カットオフ波長以下の光
が減衰してしまうため損失が生じるためである。その様
子は、図7に示すように、カットバック法によりカプラ
自体の損失(Loss)を測定した結果に現れている。
【0052】一方、最適使用波長0.98μmファイバ
23に光を入射し、測定した結果を図9、図10に示
す。こちらは最適使用波長0.98μmファイバのカッ
トオフ波長以下の損失が無視できる波長帯にあるため
に、1.55μmの光は出射光量比が0%であり、スル
ーポート(受光器27)から、0.98μmの光は出射
光量比が100%であり、クロスポート(受光器2
7’)から出射されていることがわかる。
【0053】また、光ファイバカプラは、図11におい
て、ある一本の光ファイバ11に入射した光13(2波
長A,Bを有する)のうち波長Aの光を光ファイバ11
(出力光は14)へ、波長Bの光を光ファイバ12(出
力光は15)へ分波する特性を持つとき、一般に、光フ
ァイバ11に波長Aの光を、光ファイバ12に波長Bの
光を入射すると、その光(2波長A,Bを有する)を光
ファイバ11に合波する(出力光は14)特性を併せ持
つ。
【0054】これらのことより、このカプラは、最適使
用波長0.98μmファイバに0.98μmの光を入射
し、最適使用波長1.55μmファイバに1.55μm
の光を入射し、カプラを通過させることにより最適使用
波長1.55μmファイバに0.98、1.55μmの
両方の波長の光を合波するカプラとして、また、使用波
長0.98μm光ファイバに0.98μm、1.55μmの光を入射
し、使用波長0.98μm光ファイバに0.98μmの光を、使用
波長1.55μm光ファイバに1.55μmの光を分波するカプラ
として十分使用できる。
【0055】
【実施例2】1.31μm、1.55μmの光を合分波
するWDMカプラを、最適使用波長1.31、1.55
μmの光ファイバをもって作製し、また、カプラと接続
する光ファイバとに同種の光ファイバを使用することに
より、接続部分でのモード変化や損失などを軽減するこ
とが可能である。これにより、実施例1で説明したと同
様の分岐・結合特性を得ることができる。
【0056】また、以上の実施例の他に、光ファイバア
ンプに使用される光ファイバや、分散シフト光ファイ
バ、分散補償ファイバはコア径などが小さく、構造上、
通常の光ファイバと異なり、カプラとそれら特殊なファ
イバとの接続は常に問題となってきたが、本発明によ
り、それら特殊なファイバを使用してカプラを作製した
り、特殊なファイバに近い構造を持つファイバを使用し
てカプラを作製、接続することによって、接続上の問題
を解決できる可能性がある。
【0057】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、カ
ットオフ波長の異なる光ファイバを用いて、WDM光フ
ァイバカプラを作製することが可能であることを証明し
た。融着、延伸された部分は二つの円柱がほぼ直線状で
接している形状で、その断面形状は、加熱・融着・延伸
前の2本の単一モード光ファイバを隣接させた時の断面
形状と、ほぼ相似関係にあるWDM光ファイバカプラを
作製することにより、所望の結合状態を有するWDM光
ファイバカプラを作製できた。さらに、WDM光ファイ
バカプラと、光ファイバとの接続性も良好になる等の効
果が得られた。
【0058】また、かかる新しい構成のWDM光ファイ
バカプラを作製するために、広範囲にわたる温度均一性
を有し、温度コントロールが可能な加熱源である電熱ヒ
ータを用いることにより、延伸形状をコントロールで
き、WDM光ファイバカプラを歩留まり良く作製するこ
とが可能になり、安価に提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるWDM光ファイバカプラの断面形
状を説明するための図である。
【図2】本発明によるWDM光ファイバカプラの断面形
状の例を示す模式図と写真である。
【図3】本発明による電熱ヒータを用いた光ファイバカ
プラ作製装置の例の概略図である。
【図4】本発明で用いたセラミックマイクロヒータの断
面構造の例を示す図である。
【図5】本発明で用いたセラミックマイクロヒータの温
度特性の例を示す図である。
【図6】本発明による光ファイバカプラ作製装置の加熱
・融着・延伸工程の例を示す図である。
【図7】本発明によるWDM光ファイバカプラに最適使
用波長1.55μmの光を入射した場合の分岐比、損失
の例を示した図である。
【図8】本発明によるWDM光ファイバカプラに最適使
用波長1.55μmの光を入射した場合の各ポートの損
失の例を示した図である。
【図9】本発明によるWDM光ファイバカプラに最適使
用波長0.98μmの光を入射した場合の分岐比、損失
の例を示した図である。
【図10】本発明によるWDM光ファイバカプラに最適
使用波長0.98μmの光を入射した場合の各ポートの
損失の例を示した図である。
【図11】従来のWDM光ファイバカプラの構造を示す
図である。
【図12】従来の光ファイバカプラ作製装置の概略図で
ある。
【図13】従来の光ファイバカプラ作製手順の概略図で
ある。
【符号の説明】
11,12 光ファイバ 13 入射光 14 スルーポートの出射光 15 クロスポートの出射光 21 光源 22,23 光ファイバ 24 被覆を除去した光ファイバ 25 被覆を有する光ファイバを押さえる冶具< 26 被覆を除去した光ファイバを押さえる冶具 27 受光器 28 加熱源 29 延伸ステージ 30 コントローラ 31 コンピュータ 41 光ファイバのクラッド部 42 光ファイバのコア部 51 電熱ヒータ(セラミックマイクロヒータ) 52 赤外線検知機 53 赤外線 61 隣接した光ファイバ 62 発熱体 63 セラミック炉心管 64 リード線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 修 東京都新宿区西新宿二丁目1番1号 エ ヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株 式会社内 (72)発明者 野田 壽一 東京都新宿区西新宿二丁目1番1号 エ ヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株 式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カットオフ波長の異なる2本の単一モー
    ド光ファイバを互いに隣接させ、加熱・融着・延伸させ
    て作製された波長多重光ファイバカプラにおいて、融
    着、延伸された部分は二つの円柱がほぼ直線状に接して
    いる形状で、その断面形状は、加熱・融着・延伸前の2
    本の単一モード光ファイバを隣接させた時の断面形状
    と、ほぼ相似関係にあることを特徴とする波長多重光フ
    ァイバカプラ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、波長多重に用いる2
    波長は、それぞれの単一モード光ファイバのカットオフ
    以上の使用波長であることを特徴とする波長多重光ファ
    イバカプラ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、カットオフ波
    長の異なる単一モード光ファイバは、等しい外径を持つ
    ことを特徴とする波長多重光ファイバカプラ。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3において、融着の度合
    いxは融着部分における単一モード光ファイバの直径
    (等しいか大きい方)をd、融着部の幅をWとすると、
    x=1−W/2dが7%以下であることを特徴とする波
    長多重光ファイバカプラ。
  5. 【請求項5】 カットオフ波長の異なる2本の単一モー
    ド光ファイバを互いに隣接させ、加熱・融着・延伸させ
    て作製する波長多重光ファイバカプラの作製方法におい
    て、2本の単一モード光ファイバを、二つの円柱がほぼ
    直線状に接している形状に融着、延伸させることを特徴
    とする、波長多重光ファイバカプラの作製方法。
  6. 【請求項6】 請求項5において、加熱・融着・延伸に
    用いる熱源に、7mm以上の広範囲にわたって最高温度
    の−15%以内の温度均一性を有し、温度コントロール
    が可能な電熱ヒータを用いることを特徴とする波長多重
    光ファイバカプラの作製方法。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6の加熱・融着・延伸させ
    る工程において、あらかじめヒータを光ファイバの徐歪
    温度まで加熱し、光ファイバのひずみを取り除く工程
    と、温度を1600℃程度まで上げて、光ファイバ同士
    を融着する工程と、融着が終了したら、加熱温度を落と
    して、延伸ステージを動かし、光ファイバを延伸し、受
    光器によって、光結合の状況をモニターし所望の結合状
    態(例えば出射光量比)になったときに延伸を終了させ
    る工程を含むことを特徴とする波長多重光ファイバカプ
    ラの作製方法。
  8. 【請求項8】 請求項7において、延伸工程で加熱温度
    を2段階以上に分けて落とし、温度変化を緩やかにする
    とともに、延伸工程も各段階ごとに延伸スピードを緩や
    かすることを特徴とする波長多重光ファイバカプラの作
    製方法。
JP2000143091A 2000-05-16 2000-05-16 波長多重光ファイバカプラ及びその作製方法 Pending JP2001324644A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000143091A JP2001324644A (ja) 2000-05-16 2000-05-16 波長多重光ファイバカプラ及びその作製方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000143091A JP2001324644A (ja) 2000-05-16 2000-05-16 波長多重光ファイバカプラ及びその作製方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001324644A true JP2001324644A (ja) 2001-11-22

Family

ID=18649956

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000143091A Pending JP2001324644A (ja) 2000-05-16 2000-05-16 波長多重光ファイバカプラ及びその作製方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001324644A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100464341B1 (ko) * 2002-07-27 2005-01-03 삼성전자주식회사 광자결정 광섬유 커플러 및 그 제조방법
US7313301B2 (en) 2004-11-01 2007-12-25 Fujitsu Limited Optical fiber device, optical monitor and optical switch

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100464341B1 (ko) * 2002-07-27 2005-01-03 삼성전자주식회사 광자결정 광섬유 커플러 및 그 제조방법
US7313301B2 (en) 2004-11-01 2007-12-25 Fujitsu Limited Optical fiber device, optical monitor and optical switch

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100323207B1 (ko) 마하-젠더(Mach-Zehnder)디바이스및이의제조방법
EP0409447B1 (en) Method of making fiber optic couplers
JPH0659154A (ja) 偏波カプラの製造方法及び偏波カプラ
JP2001324644A (ja) 波長多重光ファイバカプラ及びその作製方法
JP4058355B2 (ja) 光ファイバカプラ
JP2578271B2 (ja) Wdm型光ファイバ溶着カプラ
JPH06250042A (ja) 広波長域光ファイバ型カプラおよびその製造方法
JPH08220370A (ja) 光ファイバカプラ
JPH0815556A (ja) 広帯域光ファイバカプラおよびその製造方法
JPH10176903A (ja) マッハツェンダー干渉計装置およびその製造方法
JP2749842B2 (ja) 合波分波器
JPH01177002A (ja) ファイバ融着形光デバイスの製造方法
JP3678797B2 (ja) 広帯域光ファイバカプラの製造方法
JP2909792B2 (ja) 光ファイバカプラの製造方法
JP2883183B2 (ja) 光ファイバカプラの製造方法および製造装置
JP2873116B2 (ja) 光合分波器の製造方法
JP2958179B2 (ja) 光ファイバカプラ及びその製造方法
JPH08146244A (ja) 広帯域光ファイバカプラおよびその製造方法
JP2931610B2 (ja) 光ファイバカプラの製造方法
JP4176272B2 (ja) 光合分波器及びその製造方法
JP2001124948A (ja) 広帯域光ファイバカプラ
JPH0611624A (ja) 光分岐・結合器及びその製造方法
JPH1026711A (ja) 光ファイバカプラの製造方法
JP2677641B2 (ja) 合波分波器の製造方法
JP3101958B2 (ja) 広帯域カップラおよびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040506

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040525

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20041018