JP4176272B2 - 光合分波器及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、波長多重光通信において光の合波、分波に用いられる光合分波器である。
【0002】
【従来の技術】
光通信技術の発展に伴い、現在、広帯域大容量通信を目的とした波長多重光通信の技術開発が活発に進められている。異なる波長の光を1本の光ファイバで伝送するいわゆる波長多重光通信では、異なる波長の光を合波、分波する光合分波器が非常に重要な光部品である。
【0003】
光合分波器は、図7に示すような光分岐回路50と光結合回路51と干渉アーム52でアンバランスなマッハツェンダ型干渉系を構成して作成することができる。ここで、破線は分岐された2つの分岐光53と分岐光54の光路が異なるようすを示している。
光分岐回路50において分岐された2つの光は光結合回路51で結合されて出力されるが、このとき、分岐光53と分岐光54は結合回路51で干渉する。分岐光53と分岐光54の干渉状態は、分岐光53と分岐光54の位相関係に応じて異なり、その位相関係は干渉アーム52で決定されるので、干渉アーム52で生じる位相関係に波長依存性があれば、結合回路51から出力される干渉光は波長依存性をもったものとなる。
干渉アーム52の長さの差をΔLとすると、位相差ΔβはΔβ=ΔL/λで表せる。すなわち、アンバランスなマッハツェンダ型干渉系を構成する干渉アーム52は波長依存性を持ち、この回路は光合分波器として機能させることができる。
【0004】
光ファイバカプラを用いた光合分波器を例にとり、さらに詳細に説明する。
図8に2つの光ファイバカプラ55、56を分岐回路と結合回路とに用い、マッハツェンダ型干渉系を構成した合分波器の構成例を示す。光ファイバカプラ55、56は使用波長域で波長依存性が小さい3dBカプラ(等分岐等結合光カプラ)である。この例では光ファイバカプラは、それぞれ接続点57、58において融着接続されて補強されている。
この光合分波器は、2つの入力ポート59、60と2つの出力ポート61、62を有し、2つの光ファイバカプラ55、56を接続する2本の光ファイバ部分63と64が干渉アームとなっており、その長さが異なっていてアンバランスなマッハツェンダ型干渉系として作用している。
このような光ファイバカプラを用いた光合分波器は、低損失で光ファイバとの整合性が良いため接続損失が小さい利点を有している。
【0005】
波長λ1とλ2の2つの光が図8に示される光合分波器で分波される原理を簡単に説明する。
入力ポート59に波長の異なる2つの光λ1とλ2の多重光が入射すると、それぞれの光は光ファイバカプラ55によって光ファイバ部分63と64に等分岐される。分岐された光は光ファイバ部分63と64の長さが異なるために、光ファイバカプラ56における2つの分岐光の位相関係によって、出力ポート61と出力ポート62に出力される比率が異なる。
例えば、結合回路である光ファイバカプラ56において、分岐された2つの光の位相差がλ1ではゼロ(位相差がない)であり、λ2ではπであるように、干渉アーム部である光ファイバ部分63と64の長さが調整されているときに、出力ポート61からはλ1が出力され、出力ポート62からはλ2が出力されるように構成される。このように構成した光合分波器では、図9に図示するようにλ1およびλ2の光をそれぞれポート61およびポート62から分離して取り出すことができ、この回路は光分波器として機能する。
なお、ポート59にλ1を入射し、ポート60にλ2をそれぞれ入射すると、ポート61あるいはポート62のいずれか一方から波長多重光が出射することになり、この回路は光合波器としても機能する。
【0006】
このような光合分波器にあっては、2つの出力ポートの損失波長特性の周期の波長精度(前記例ではλ1とλ2)とその間隔(前記例ではλ1とλ2の間隔)の精度が特性上重要である。波長精度は図7における干渉アーム52を形成する干渉系の長さ調整の精度によって定まる。
この長さ調整は、例えば、図8に示した光ファイバカプラを用いた例で図9に示す波長λ1の位置を任意の位置に調整するためには、干渉アームを構成する光ファイバ63あるいは64のいずれかの長さをこの光合分波器を使用する波長程度変化させれば良い。この例では、使用波長1.55μm帯でおよそ1.55μm程度の長さ調整を行えば良い。
【0007】
図8に示した例では、光ファイバ63あるいは64のいずれかに加える張力を変化させることで制御でき、例えば、干渉アームが外径125μmで長さ約10mmの光ファイバで構成されている場合は、約14グラムの張力をかけることで、λ1の位置を図9に示したλ1’に移動させることができる。
すなわち、約14グラムの張力範囲内でλ1の位置を任意に設定できる。14グラムの張力は、光ファイバの機械的信頼性を劣化させることなく印加できる張力範囲である。
【0008】
一方、波長間隔の制御は、波長位置の調整よりも大きな長さの変化が必要である。図8に示した例で、現在、波長多重通信で利用されている波長間隔0.8nmの光合分波器を形成するには、干渉アームの長さの差は約1mm必要である。波長間隔の精度を5%、すなわち、0.04nm以内となるように調整するには、50μm程度の精度で光ファイバ63と64の長さを調節する必要がある。ものさしによる計尺で図8に示したような回路を50μmの精度で形成することは困難であり、その精度はせいぜい0.1mm程度である。前述した張力印加の手段で長さ調整を行おうとすると、外径125μmで長さ10mmの光ファイバを仮に50μm長くするために必要な張力は約450グラムであり、これは光ファイバを約0.5%引き延ばす力に相当する。この張力は、光ファイバの寿命を著しく劣化させるのに十分な張力である。このため、これまでは波長間隔を精度良く制御した図8に示したような光合分波器はなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、合分波の波長間隔を高い精度で製造できる光合分波器を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明では光分岐回路と光結合回路と、これらを接続する干渉アームでマッハツェンダ干渉系を構成した光合分波器において、干渉アームを光ファイバで構成するとともに、少なくとも1本の光ファイバの一部を加熱延伸し、光合分波の波長間隔を調整した光合分波器とした。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の実施の形態は、光分岐回路と光結合回路を光ファイバで結合して、その光ファイバの一部を加熱延伸することによって結合回路での干渉状態を制御するものである。結合される光分岐回路と光結合回路を光ファイバで形成すると、伝送路である光ファイバとの整合性が良く、低損失な光合分波回路を形成できる利点がある。特に、光分岐と光結合の両回路を光ファイバカプラで構成すると、2本の光ファイバで両回路を順次形成して光合分波器を作製することが可能となる。
また、接続された2つの光ファイバカプラの間は光ファイバの干渉アームとなるので、ここに加熱延伸部を設けると非常に効率的に光合分波回路を製造できる。また、干渉アームとなる光ファイバの部分であれば任意の位置に加熱延伸部を設けることができるので、光ファイバカプラの保護ケース内に加熱延伸部を設けると小型になるなどの利点がある。以下、実施例を用いて本発明について詳細に説明する。
【0012】
(実施例1)
図1は本発明の第1の実施例を示す概略構成図である。
第1の光ファイバ1と第2の光ファイバ2は、それぞれ第1の融着延伸部3と第2の融着延伸部4を有しており、第1の融着延伸部3と第2の融着延伸部4はそれぞれ第1の保護ケース5と第2の保護ケース6に収納されていて、第1の光ファイバカプラ7と第2の光ファイバカプラ8が形成されている。第1の保護ケース5の内部には、第1の融着延伸部3と第2の融着延伸部4の間となる位置に加熱延伸部9が収納されている。
第1の光ファイバカプラ7と第2の光ファイバカプラ8は、それぞれ第1の保護ケース5と第2の保護ケース6に固定手段を用いて適宜固定されていて、第1の融着延伸部3と第2の融着延伸部4および加熱延伸部9に外力などによる影響が及ばないようになっている。
【0013】
この第1の実施例の光合分波器の製造方法は、2本の光ファイバの長手方向の2箇所に融着延伸法によって光ファイバカプラを形成して、光学特性を計測しながら、いずれか一方の光ファイバの一部を加熱延伸することで、干渉アームを調整して光合分波器とするものである。このとき、加熱延伸する光ファイバの一部は、光ファイバカプラを収納した保護ケース内部となるようにする。2つの光ファイバカプラをひとつの保護ケースに一括収納するとなお好ましい。
【0014】
この実施例1の光合分波器では、2本の光ファイバから光結合回路と光分岐回路と加熱延伸部を有する干渉アームを作製するので、効率よく光合分波器を製造することができ、また、加熱延伸によって損失波長特性の周期を精密に制御でき、加熱延伸部を光ファイバカプラの保護ケース内に収納するので小型で高性能な光合分波器を提供できる。
【0015】
(実施例2)
図2は本発明の第2の実施例を示す概略構成図である。
実施例1と同一の構成部材には実施例1と同一の符号を付し説明を省略する。この第2の実施例の光合分波器が第1の実施例と異なる点は、第1の融着延伸部3と第2の融着延伸部4の間に位置する第1の光ファイバ1の一部に加熱延伸部25が形成されており、加熱延伸部25は第3の保護ケース26に収納されている点である。
第1の光ファイバ1は、第3の保護ケース26に適宜固定手段を用いて固定されており、外力などが加熱延伸部25に及ばないようになっている。この実施例では加熱延伸部25は第1の光ファイバ1に形成されているが、第1の光ファイバ1と第2の光ファイバ2いずれか一方でも、両方にあっても良い。
【0016】
この実施例2の光合分波器の製造方法は、2本の光ファイバの長手方向の2箇所に融着延伸法によって第1の光ファイバカプラと第2の光ファイバカプラを形成してあらかじめ光合分波回器を製造して、その後に、光学特性を計測しながら、光合分波器の光学特性の調整をおこなうものである。
【0017】
本実施例2の光合分波器では、干渉アーム部が光ファイバとなっているので、加熱延伸によって波長特性を精密に制御できる。第1の光ファイバカプラ7と第2の光ファイバカプラ8の製造工程と波長周期特性の調整を分離して行えるため、例えば、第1の光ファイバカプラ7と第2の光ファイバカプラ8を作製した中間製品を保管管理しておけば、顧客の特性要求に応じて波長特性を調整するだけで製品を完成することができるので、納期を短縮できるという利点がある。
【0018】
(実施例3)
図3は本発明の第3の実施例を示す概略構成図である。
第1の光ファイバカプラ33と第2の光ファイバカプラ34とは、加熱延伸部38を有する光ファイバ40を介して第1の融着接続部36と第2の融着接続部37で融着接続されて補強されており、第3の融着接続部35で接続されて補強されている。
加熱延伸部38は保護ケース39に収納されいて、外力などが加熱延伸部38に及ばないように適宜固定手段によって固定されている。なお、第1の光ファイバカプラと第2の光ファイバカプラは複数の光ファイバを挿入して接続しても良い。
【0019】
本実施例3の光合分波器の製造方法は、第1の光ファイバカプラ33と第2の光ファイバカプラ34を準備して、加熱延伸部38が設けられる光ファイバ40を介して第1の光ファイバカプラ33と第2の光ファイバカプラ34を第1の融着接続部36と第2の融着接続部37と第3の融着接続部38で融着接続補強して光合分波器を形成した後に、挿入した光ファイバ40の一部を加熱延伸して光合分波器の特性調整を行うものである。
【0020】
本実施例3の光合分波器では、あらかじめ準備された光ファイバカプラを用いて光合分波器を製造できるので、多数の光ファイバカプラを保管管理して、組み合わせて利用することで製品とすることができる。この光ファイバカプラ単体はそれ自体が製品でもあるので、結果として光合分波器のコストを低減できるという利点がある。
【0021】
以下、本発明の光分波器の製造例を示す。
(製造例1)
図4は、実施例1に示した光合分波器の製造方法を示す説明図である。
波長1.3μmにおいて零分散特性を有するファイバ外径125μm、被覆外径250μmの紫外線硬化樹脂被覆シングルモード光ファイバで、その長手方向での2箇所において間隔約41.5mmで第1の被覆除去部11と第2の被覆除去部12を設けた第1の光ファイバ10と、被覆除去間隔40.0mmで第1の被覆除去部14と第2の被覆除去部15を設けた第2の光ファイバ13とを準備した。
ついで、第1の光ファイバの第1の被覆除去部11と第2の光ファイバの第1の被覆除去部14が平行するように配置し、さらに、第1の光ファイバの第2の被覆除去部12と第2の光ファイバの第2の被覆除去部15が平行するように配置した。このとき、第1の光ファイバ11と第2の光ファイバ13は、第1の被覆除去部と第2の被覆除去部をはさむように配置された第1のクランプ16と第2のクランプ17で固定し、第1の被覆除去部と第2の被覆除去部の間に配置された第3のクランプ18と第4のクランプ19で、第1の光ファイバ14と第2の光ファイバ15をそれぞれ固定した。
図示してはいないが、第1の光ファイバ10は被覆除去間隔が第2の光ファイバ11の被覆除去間隔より約1.5mm長いので、曲率半径が約20mmとなるようにたるませて配置した。このようにして、第1の光ファイバ10と第2の光ファイバ11によって第1の被覆除去部合わせ部位20と第2の被覆除去部合わせ部位21が得られた。
【0022】
次に、第1の被覆除去部合わせ部位20の第1の光ファイバのクラッド部と第2の光ファイバのクラッド部を互いに接触させて、図示していないガスバーナーを用いて融着延伸することによって光等分岐回路となる光ファイバカプラを形成した(融着延伸法)。
このとき、第1の光ファイバ10には波長1.55μm付近で広帯域に発光する図示されていないSLD光源から発せられた光を入射し、第1の光ファイバ10の他端と第2の光ファイバ11から出射する光のスペクトルを図示していない光スペクトラムアナライザで観察して、波長1.55μmの分岐特性が約3dB(等分岐)となったところで融着延伸を終了し、第1の被覆除去部合わせ部位20に3dB分岐機能を有する第1の融着延伸部22を作製した。
融着延伸時のクランプの動きは、第3のクランプ18と第4のクランプ19が固定されて、第1のクランプ16を第1の光ファイバ10と第2の光ファイバ13を延伸するように、光ファイバ長手方向に移動させた。
【0023】
次に、第2の被覆除去部合わせ部位21の第1の光ファイバクラッドと第2の光ファイバクラッドを互いに接触させて、ガスバーナーを用いて融着延伸した。融着延伸時のクランプの動きは、第3のクランプ18と第4のクランプ19が固定されて、第2のクランプ17を第1の光ファイバ10と第2の光ファイバ13を延伸するように、光ファイバ長手方向に移動させた。
この時、第1の光ファイバ10から出射する光のスペクトラムを観察し、干渉による光スペクトラムの波長依存の周期を測定しながら融着延伸を進め、損失波長特性の周期(光合分波器での波長間隔値の2倍)が、1.25nmとなった時点で融着延伸を終了し、第2の被覆除去部合わせ部位21に第2の融着延伸部23を作製した。
【0024】
次に第1の融着延伸部22から第2の融着延伸部23の方向へ数mm離れた第1の光ファイバ10の第1の被覆除去部14の一部24を、図示していないガスバーナーを用いて加熱しながら、干渉アーム部分を支える第3のクランプ18を第4のクランプ19から離れる方向へ移動させて加熱延伸を行った。
第1の光ファイバ10からの出射光のスペクトルを光スペクトラムアナライザで観察しながら加熱延伸を進めたところ、損失波長特性の周期は短くなり、損失波長特性の周期が0.80±0.01nmの範囲に入るように調整したところで加熱延伸を終了した。
【0025】
最後に、第1の被覆除去合わせ部位20と第2の被覆除去合わせ部位21をそれぞれ図示しない保護ケースに収納して、第1の光ファイバ10と第2の光ファイバ13を紫外線硬化樹脂を用いて保護ケースに固定し、光合分波器を作製した。第1の被覆除去部合わせ部位20と第2の被覆除去部合わせ部位21の全体をさらに保護ケース等に収納したり、第1の被覆除去部合わせ部位20と第2の被覆除去部合わせ部位をひとつの保護ケースに直接収納すると好ましい。
【0026】
この製造例1では、2本の光ファイバから光結合回路と光分岐回路と加熱延伸部を有する干渉アームを作製したので、効率よく光合分波器を製造することができ、また、加熱延伸によって損失波長特性の周期を精密に制御でき、加熱延伸部を光ファイバカプラの保護ケース内に収納したので小型で高性能な光合分波器を提供できる。
【0027】
なお、ここでは熱源としてガスバーナーを用いたが、干渉アームのどちらか一方を選択的に加熱するために小さな熱源であることが望ましい。例えば、小型のガストーチによる火炎、アーク放電、YAGや炭酸ガスなどのレーザーなどは数100μmから数mmの狭い範囲での加熱が可能であるので適している。これらの熱源を用いて干渉アームの一部を加熱延伸し、光ファイバに張力を加えて長さを調節するが、干渉アームのいずれか一方あるいは両方を加熱延伸するのかは必要に応じて適宜選択されるべきである。加熱延伸によって光ファイバのコアおよびクラッド外径が変化するので、延伸の程度によっては損失の増加が問題になるので留意する必要がある。
本発明では、例えば2mmの領域について加熱延伸し500μmの加熱延伸を行った場合では、コアおよびクラッドの直径は約10%小さくなるが、加熱延伸による外径変化が緩やかであれば損失増加を招くことはない。
【0028】
(製造例2)
図5は実施例2に示した光合分波器の製造方法を示す説明図である。製造例1と同じ手順で作製した部分は、図4と同一符号を用いてその説明を省略した。まず、製造例1の製造方法と同じ手順で、光合分波器の損失波長特性の周期(光合分波器での波長間隔値の2倍)が、1.25nmとなるように、第1の融着延伸部22と第2の融着延伸部24を順次作製し、第1の被覆除去部20と第2の被覆除去部21の部分を紫外線硬化樹脂を用いてそれぞれを第1の保護ケース28と第2の保護ケース29に収納し、外力などが融着延伸部に影響を及ぼさないように固定した。実施例1と異なり、第1の被覆除去部20には、加熱延伸部24を形成していない。
【0029】
次に、第1の保護ケース28と第2の保護ケース29の間で、第1の光ファイバ10の一部の被覆を除去して被覆除去部27とし、被覆除去部27の両側を第1のクランプ30と第2のクランプ31で固定した。その他の部分は、光ファイバへの過度の応力や、製造中の光学特性に影響がないように適宜固定するなど留意が必要である。
被覆除去部27の一部を図示していないガスバーナーを用いて加熱しながら第1のクランプ30と第2のクランプ31の間隔が広がるように移動して加熱延伸して、損失波長特性の周期が0.80±0.01nmの範囲にはいるように調整したところで加熱延伸を終了し、加熱延伸部32を作製した。最後に、被覆除去部27を図2に示す第3の保護ケース26に収納して、紫外線硬化樹脂で固定して光合分波器を作製した。
【0030】
(製造例3)
図6は、実施例3に示した光合分波器の製造方法を示す説明図である。
この製造例3の製造方法は、まず、波長1.3μmにおいて零分散特性を有する光ファイバ外径125μm、被覆外径250μmの紫外線硬化樹脂被覆シングルモード光ファイバで、中央付近に2.5mmの被覆除去部41を有する光ファイバ42の被覆除去部分の両側を第1のクランプ43と第2のクランプ44で固定した。次に、光ファイバ42と同じ光学特性と構造を有する光ファイバであらかじめ融着延伸法で作製された第1の光ファイバカプラ45と第2の光ファイバカプラ46を第1の光ファイバカプラ45で分岐された光のひとつが光ファイバ42に導光されて第2の光ファイバカプラ46に入射するように融着接続し、補強して第1の接続補強部48と第2の接続補強部49とした。
次に、第1の光ファイバカプラ45の残る分岐光を第2光ファイバカプラ46に入射するように接続し、補強して第3の接続補強部47とした。このとき、光ファイバ42の長さは、第1の光ファイバカプラ45で分岐された2つの分岐光の第2の光ファイバカプラ46までの光路差が約1.5mmとなるようにした。この状態で第1の光ファイバカプラ45に図示していないSLD光源から出射された光を入射し、第2の光ファイバカプラ46の出射光を図示していない光スペクトラムアナライザをもちいて損失波長特性の周期を測定したところ、約1.34nmの損失波長特性の周期が得られた。
次に、被覆除去部41の一部を図示しないガスバーナーで加熱し、第1のクランプ43と第2のクランプ44の距離が離れるように移動して光ファイバ42を加熱延伸した。損失波長特性の周期を測定しながら延伸を進め、損失波長特性の周期がが0.80±0.01nmとなったところで延伸を終了して、光合分波器を作製した。
なお、この製造例では、加熱延伸部が設けられる光ファイバを一つとしたが、第1の光ファイバカプラからの分岐光をそれぞれ別の光ファイバを介して第2の光ファイバカプラに入射しても良い。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では光分岐回路と光結合回路を接続する干渉アームを光ファイバで構成し、その光ファイバの一部を加熱延伸して光合分波器を形成するので、加熱延伸によって光合分波器の特性を精密に制御することができる。さらに光分岐回路と光結合回路を光ファイバカプラで構成すると、干渉アーム部が光ファイバとなって、その一部に加熱延伸部を形成でき、制御性良くかつ小型な光合分波器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1を示す概略構成図である。
【図2】 本発明の実施例2を示す概略構成図である。
【図3】 本発明の実施例3を示す概略光製図である。
【図4】 本発明の実施例1の光合分波器の製造例1の方法を示す説明図である。
【図5】 本発明の実施例2の光合分波器の製造例2の方法を示す説明図である。
【図6】 本発明の実施例3の光合分波器の製造例3の方法を示す説明図である。
【図7】 従来技術のアンバランスなマッハツェンダ干渉系で構成された光合分波器の概略構成図である。
【図8】 従来技術の光ファイバカプラを用いた光合分波器の概略構成図である。
【図9】 従来技術である光ファイバカプラを用いた光合分波器の特性を示す概略図である。
【符号の説明】
1…第1の光ファイバ、2…第2の光ファイバ、3…第1の融着接続部、4…第2の融着接続部、5…第1の保護ケース、6…第2の保護ケース、7…第1の光ファイバカプラ、8…第2の光ファイバカプラ、9…加熱延伸部

Claims (6)

  1. 光分岐回路と光結合回路と、これらを接続する干渉アームでマッハツェンダ干渉系を構成した光合分波器において、干渉アームを光ファイバで構成するとともに、少なくとも1本の光ファイバの一部が加熱延伸されて、光合分波の波長間隔が調整されてなることを特徴とする光合分波器。
  2. 請求項1記載の光合分波器であって、光分岐回路または光結合回路が光ファイバカプラで構成されていることを特徴とする光合分波器。
  3. 請求項2記載の光合分波器であって、干渉アームが光ファイバカプラを構成する光ファイバの一部であることを特徴とする光合分波器。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の光合分波器であって、光合分波の波長間隔が0.80±0.01nmの範囲であることを特徴とする光合分波器。
  5. 光分岐回路と、光結合回路と、これらを接続する干渉アームでマッハツェンダ干渉系を構成した光合分波器を製造する方法において、前記干渉アームを構成する光ファイバのうち、少なくとも1本の光ファイバの一部分を加熱延伸することによって、光合分波の波長間隔を調整することを特徴とする光合分波器の製造方法。
  6. 請求項5記載の製造方法であって、干渉アームを構成する光ファイバのうち、少なくとも1本の光ファイバの一部分を、その長手方向に移動することによって引張力を付与しながら加熱、延伸することを特徴とする光合分波器の製造方法。
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