JP3317542B2 - 簡易押圧式印刷装置 - Google Patents

簡易押圧式印刷装置

Info

Publication number
JP3317542B2
JP3317542B2 JP07341593A JP7341593A JP3317542B2 JP 3317542 B2 JP3317542 B2 JP 3317542B2 JP 07341593 A JP07341593 A JP 07341593A JP 7341593 A JP7341593 A JP 7341593A JP 3317542 B2 JP3317542 B2 JP 3317542B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plate
printing
pad
pressure receiving
pressing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP07341593A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06286284A (ja
Inventor
貴訓 長谷川
亙幸 阿部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Riso Kagaku Corp
Original Assignee
Riso Kagaku Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Riso Kagaku Corp filed Critical Riso Kagaku Corp
Priority to JP07341593A priority Critical patent/JP3317542B2/ja
Publication of JPH06286284A publication Critical patent/JPH06286284A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3317542B2 publication Critical patent/JP3317542B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Printing Methods (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は簡易押圧式印刷装置に
関し、更に詳しくは、簡単な構造を有すると共に、印刷
ムラがなく、簡易に孔版印刷を行うことのできる簡易押
圧式印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来、名
刺、葉書等の孔版印刷に用いられる押圧式印刷装置の一
つとして、基台と、一端を枢軸により前記基台に枢支さ
れた押圧板とを有し、原版と印刷用紙のいずれか一方を
支持する揺動板(パッド板)が前記基台と前記押圧板と
のいずれか一方に前記枢軸に実質的に平行な軸線の回り
に所定角度範囲内にて回動可能に設けられている押圧式
印刷装置が、本願出願人と同一の出願人による特開昭6
0−247587号公報においてすでに提案されてい
る。
【0003】上記のような押圧式印刷装置においては、
基台と押圧板のいずれか一方に設けられると共に原版と
印刷用紙のいずれか一方を支持するパッド板が前記枢軸
に実質的に平行な軸線の周りに所定角度範囲内にて回動
可能な揺動板として構成されていることにより、前記揺
動板と相手側部材との間にて、原版と印刷用紙とが重ね
合わせられて重ね合わせ面の全面に渡って一様に押圧作
用が行われるようになり、均一濃度の印刷物が得られる
ようになっている。
【0004】この種の押圧式印刷装置における様々の改
良として、実公平1−21820号公報および実公平4
−11806号公報等に記載された様々の印刷装置があ
る。
【0005】しかしながら、従来のこの種の押圧式印刷
装置は、部品として別々に製造された基台、押圧板、枢
軸などを組み立てることにより完成された組み立て体で
ある。しかも、高品質の孔版印刷を実現するために、更
に様々の部品が組み合わされているのが実情である。
【0006】例えば、前記実公平1−21820号公報
に記載の押圧式印刷装置にあっては、押圧板の基台に向
かう面には一対のピン受け入れ部を設け、印刷原版を装
着するためのパッド板の両端に設けた取り付けピンを前
記ピン受け入れ部に嵌装することにより、前記パッド板
を揺動可能に前記押圧板に装着している。そして、この
公報に記載の押圧式印刷装置においては、基台が枢軸に
よって押圧板の一端部を回動可能に支持している。
【0007】実公平4−11806号公報に記載の押圧
式孔版印刷装置にあっては、印刷用紙を載置するための
クッション部材を基台に揺動可能に装着している。
【0008】このように、従来の孔版印刷装置は、部品
点数が多く、しかも高品質の印刷を行うためにも部品点
数が更に増加し、その製造が煩雑になるものであった。
【0009】また、高品質の孔版印刷を行うために、印
刷用紙を載置する部位を、回動可能な載置台に構成し、
かつクッション部材を設けたりし(実公平4−1180
6号公報、特開昭64−11875号公報参照)、ま
た、印刷用紙を載置する部位を弾性板で形成したりし
(実公昭60−21241号公報参照)、装置構成がま
すます複雑になっていた。
【0010】この発明は前記事情に基づいて完成したも
のである。すなわち、この発明の目的は、部品点数が少
なくて簡単な構造を有し、しかも高品質の孔版印刷を行
うことのできる簡易押圧式印刷装置を提供することを目
的にするものである。
【0011】
【前記課題を解決するための手段】前記課題を解決する
ための請求項1に記載の発明は、印刷用原版が着脱自在
に取り付けられる押圧板と被印刷物を保持する受圧板と
前記押圧板と前記受圧板とを結合するヒンジ部とが同一
材料で一体に成形されてなる加圧本体を有し、前記押圧
板の前記受圧板に向かう面および前記受圧板の前記押圧
板に向かう面の少なくともいずれか一方の面に、原紙も
しくは被印刷物を載置するパッドが設けられ、前記パッ
ドが押圧印刷に必要な押圧力の範囲内で非線形変位量を
有する弾性体で形成され、前記加圧本体が押圧印刷に必
要な押圧力の範囲内で線形変位量を有する弾性体で形成
されてなることを特徴とする簡易押圧式印刷装置であ
り、請求項2に記載の発明は、前記加圧本体の硬度が、
日本ゴム協会標準規格Sris −0101にて示される硬
度計で測定した値として70〜120Hsであり、前記
パッドの硬度が、日本ゴム協会標準規格Sris −010
1にて示される硬度計で測定した値として20〜60H
sである前記請求項1に記載の簡易押圧式印刷装置であ
り、記印刷原版に使用するインキの硬度が、スプレッ
ドメータで測定したl分値で40以下である前記請求項
1又は2に記載の簡易押圧式印刷装置である。
【0012】
【作用】この発明の簡易押圧式印刷装置は、加圧本体が
受圧板、押圧板およびこれらを結合するヒンジ部からな
り、しかもこれらが一体に成形されているので、基本的
な部品としては加圧本体とパッドとであるから、部品点
数が少なく、簡単な構成を有する。
【0013】このパッドは、前記押圧板の前記受圧板に
向かう面だけに設けられても良く、前記受圧板の前記押
圧板に向かう面だけに設けられても良く、また、前記押
圧板の前記受圧板に向かう面と前記受圧板の前記押圧板
に向かう面との両方に設けられても良い。
【0014】このパッドが前記押圧面と前記受圧面との
いずれに、あるいは両方に設けられていてもこのパッド
は同じ作用を示すので、以下においては、受圧面にパッ
ドが設けられている例を示してこの簡易押圧式印刷装置
の作用を説明する。
【0015】この簡易押圧式印刷装置による押圧印刷は
次のようにして行われる。
【0016】ヒンジ部を折り曲げて受圧板と押圧板とが
相対向するようにする。パッドの載置面に被印刷物を載
置する。押圧板には印刷原版を装着する。押圧板のパッ
ドに向かう面とは反対側の面に、たとえば両手を当てて
受圧板に対して押圧板を押圧する。印刷原版中のインク
が被印刷物の表面に移行して被印刷物に印刷が行われ
る。
【0017】このとき、前記パッドが押圧印刷に必要な
押圧力の範囲内で非線形変位量を有する弾性体で形成さ
れ、前記加圧本体が押圧印刷に必要な押圧力の範囲内で
線形変位量を有する弾性体で形成されているので、たと
えば手による押圧力が押圧板および押圧板において均一
に分散し、しかもパッドにかかる押圧力も均一に分散す
る。その結果、被印刷物においては、濃い薄いの印刷ム
ラがなく、しかも印刷原版から被印刷物へのインクの移
行が円滑に行われて鮮明な画像が被印刷物に形成され
る。
【0018】加圧本体とパッドとを前記特性を有する弾
性体で形成すると押圧力の分散が均一になり、その結果
として濃過ぎもなく薄過ぎもない鮮明な印刷が可能にな
る科学的理由は未だ明らかではないが、この発明者らは
以下のように考察している。
【0019】被印刷物を載置する載置台とこの載置台上
の被印刷物に印刷原版を介して押圧力を付加する押圧部
材とを有する従来の押圧式印刷装置においては、その載
置台の硬度よりもはるかに大きな硬度を有する素材たと
えば硬質プラスチックあるいは金属で押圧部材が形成さ
れていたので、その押圧部材を両手で押圧するときのそ
の手による押圧力が直接に載置台に伝達されていた。押
圧部材の載置台に向かう面とは反対側の表面にかけられ
た手による押圧力は局部圧力である。したがって載置台
が柔軟な部材で形成されていても、印刷原版には押圧部
材を介して局部圧力が付加され、その結果として被印刷
物に印刷ムラが発生したものと推定される。
【0020】ところが、この発明の簡易押圧式印刷装置
においては、加圧本体にたとえば両手でかける押圧力を
増加させると、押圧力をかけている初期には、加圧本体
もパッドも大きく変形しない。これはかけている押圧力
が加圧本体に分散し、しかも分散した押圧力がパッドに
付加されているものと推定される。そして加圧本体にか
けるたとえば両手による押圧力がある一定の値を越える
と、パッドが非線形変位を起こして急激に変形する。こ
のとき加圧本体は押圧力によるわずかの変形を起こして
はいるものの急激な非線形変位を起こしてはいないの
で、加圧本体で分散した加圧力がパッドの載置面に均一
に、かつ大きく印加することになるものと推定される。
【0021】この加圧本体が、日本ゴム協会標準規格S
ris −0101にて示される硬度計で測定した硬度が7
0〜120Hsである弾性体で形成され、前記パッド
が、日本ゴム協会標準規格Sris −0101にて示され
る硬度計で測定した硬度が20〜60である弾性体で形
成されていると、前記パッドは押圧力の範囲内で非線形
変位を容易に発生させる。
【0022】また、印刷原版に付着するインキの硬度
が、スプレッドメータで測定したl分値で40以下であ
ると、手による押圧力の範囲で印刷原版から非印刷物へ
の移行が円滑になる。
【0023】前記パッドを受圧板に着脱自在であると、
パッドの交換が容易になる。
【0024】
【実施例】
(実施例1)図1、図2および図3に示すように、この
簡易押圧式印刷装置1は、一体成形により形成されたと
ころの、発泡体からなる、加圧本体である印刷装置本体
2を有する。この印刷装置本体2は、受圧板3と、押圧
板4と、前記押圧板4の一端と前記受圧板3の一端とを
結合するヒンジ部5とを有する。
【0025】ヒンジ部5は、前記受圧板3の一端を形成
する辺を共有する大型第1溝5aと前記押圧板4の一端
を形成する辺を共有すると共に前記大型第1溝5aと平
行に形成された大型第2溝5bとを前記印刷装置本体2
の上面に有し、またこの印刷装置本体2の下面には前記
大型第1溝5aに対応するように形成された中型第1溝
5cと前記大型第2溝5bに対応するように形成された
中型第2溝5dとを有し、更に前記中型第1溝5cと中
型第2溝5dとに挟まれた3本の小型溝5eとが形成さ
れている。
【0026】この大型第1溝5aおよび大型第2溝5b
は、その深さがこの印刷装置本体2の厚みの略1/2で
あり、前記中型第1溝5cおよび中型第2溝5dは、そ
の深さがこの印刷装置本体2の厚みの略1/3である。
また3本の小型溝5eの内真ん中の小型溝5eの深さ
は、他の小型溝5eの深さよりも大きくなるように設計
されている。
【0027】受圧板3の上面には、葉書大の金属板6が
接着剤で固着され、その金属板6の上に、葉書大の面積
を有する弾性パッド7が粘着剤で着脱自在に固着され
る。
【0028】この実施例では、印刷装置本体2の厚み
は、この簡易押圧式印刷装置により葉書大の被印刷物に
印刷を行なうときには、通常10〜25mmの範囲で適
宜に設計され、また、弾性パッド7の厚みは通常10m
mを下回らないように設計される。
【0029】押圧板4の表面には、孔版印刷用原版を取
り付けるための孔版印刷用原版取付部材が設けられる。
【0030】ここで、孔版印刷用原版は、実開昭51−
132007号公報に記載された構成の原版を使用する
ことができる。因みに簡単に説明すると、図4および図
5に示すように、孔版印刷用原版8は、厚紙により形成
された額縁状の枠体8aとこの枠体8aの一方の面に張
着された感熱性孔版印刷用原紙8bと枠体8aの他方の
面に開閉可能に貼着されたインキ不通過性のインキカバ
ーシート8cとからなり、枠体8aの内側にて感熱性孔
版印刷用原紙8bとインキカバーシート8cとで形成さ
れる空間8dに比較的に硬い印刷インキを貯容すること
ができるようになっている。
【0031】この印刷インキとしては、押圧印刷を行な
う際の押圧力の範囲内の力で流動するのが好ましく、通
常の場合、たとえばスプレッドメータによるl分値が4
0以下に設定される。
【0032】このような孔版印刷用原版8を装着するた
めの孔版印刷用原版取付部材は、図1〜3に示すよう
に、押圧板4の上面すなわちこの印刷装置本体2をヒン
ジ部5で折り返したときに受圧板3に向かう面に、孔版
印刷用原版8の長手方向縁辺を係止するために、押圧板
4の一端近傍とヒンジ部5における大型第2溝5bの近
傍とにそれぞれ設けられた一対の第1係止部材9aと、
孔版印刷用原版8における突出片8eを係止する第2係
止部材9bと、孔版印刷用原版8に設けられた切り欠き
部8fに嵌る位置決め突起9cとを有する。
【0033】10で示されるのは、押圧板4の上面に装
着された孔版印刷用原版8を取り出すのを容易にするた
めの切り欠き部である。
【0034】上記の機械的構成を有する簡易押圧式印刷
装置1において重要なことは、印刷装置本体2を構成す
る発泡体は、押圧印刷に必要な押圧力の範囲内で線形変
位量を有する弾性体で形成されてなることであり、前記
弾性パッドが、押圧印刷に必要な押圧力の範囲内で非線
形変位量を有する弾性体で形成されてなることである。
また、印刷装置本体2を構成する発泡体は、日本ゴム協
会標準規格Sris −0101にて示される硬度計で測定
した硬度が70〜120Hsの範囲内にあるのが好まし
く、前記パッドの硬度が、日本ゴム協会標準規格Sris
−0101にて示される硬度計で測定した値として20
〜60Hsの範囲内にあるのが好ましい。このような硬
度の範囲内で弾性パッド7の硬さが、印刷インクよりも
大きく、かつ押圧板4および受圧板3を形成している発
泡体の硬さよりも小さく、しかも印刷インクの硬さと前
記発泡体の硬さとの中間の硬さであるように設計される
のが好ましい。
【0035】この実施例における印刷装置本体2を構成
する発泡体は、具体的には、図6に示すように、押圧力
を増加させるとその増加量に応じて緩やかに変形して線
形変位を示し、押圧印刷に必要な押圧力の範囲外である
約600g/cm2 で変位点を示す。弾性パッドは押圧
印刷に必要な押圧力の範囲内でたとえば図7に示すよう
に約80g/cm2 で非線形変位を示す。また、この印
刷装置本体2の具体的な硬度は85Hs前後であり、硬
めの感触を得る時は93Hs前後であった。弾性パッド
の具体的硬度は40Hs前後である。
【0036】なお、押圧印刷に必要な押圧力は、通常8
0〜200g/cm2 である。
【0037】この発明の簡易押圧式印刷装置において
は、印刷装置本体2はポリエチレン、ポリプロピレン等
の熱可塑性樹脂の発泡体あるいはポリウレタンの発泡体
を好適に採用して形成することができる。また弾性パッ
ドは、前記非線形変位量を有する限り様々の材質の発泡
体を利用して形成することができ、そのような材質とし
てポリエステル、ポリエーテル等の熱可塑性樹脂の発泡
体を適宜に選択して使用することができ、この発泡体の
発泡密度としては、材質にもよるが、通常50〜120
kg/m2 である。
【0038】上記構成の簡易押圧式印刷装置を用いて次
のようにして孔版印刷が行われる。
【0039】すなわち、先ず弾性パッド7の上面に被印
刷物たとえば葉書11を載置する。次いで、感熱性孔版
印刷用原紙8bとインキカバーシート8cとの間に適宜
の色のインキを装填した孔版印刷用原版8の縁片を第1
係止部材9aに係止しつつ、この孔版印刷用原版8を押
圧板4の表面をスライドさせて孔版印刷用原版8におけ
る突出片を第2係止部材9bで係止し、孔版印刷用原版
8における切り欠き部8fに位置決め突起9cを配置す
る。
【0040】その後、この印刷装置本体2をヒンジ部5
で折り曲げ、受圧板3の上面と押圧板4の上面とを向か
い合わせる。このとき、大型第1溝5aと大型第2溝5
bとは、溝内が押しつぶされると共に、中型第1溝5c
および中型第2溝5dとはその溝を拡大し、また小型溝
5eもわずかに拡大するように変形するので、押圧板4
の上面と受圧板3の上面とがほぼ平行に向かい合うよう
になる。
【0041】この状態で、図8に示すように、折り返し
た押圧板4の上面(折り返す以前は下面であった面)を
手で押えつける。
【0042】印刷装置本体2を形成する発泡体の厚みが
前述した範囲内にあり、しかも押圧印刷に必要な押圧力
の範囲内でこの発泡体は非線形変位を示さないので、押
圧の際に押圧板4および受圧板3が多少の歪みを生じて
も、押圧板4の受圧板3に向かう面と受圧板3の押圧板
4に向かう面とがほぼ平行に保たれて、押圧板4と受圧
板3との間に介装された孔版印刷用原版8と葉書11と
がほぼ平行に保持される。
【0043】手で押圧板4を押さえ付けて行くと、押圧
板4における手のひらが接触する面に押圧力がかかるの
であるが、ある押圧力に達すると、弾性パッド7が非線
形変位を示す。つまり、印刷装置本体2は大きく圧縮さ
れないが、弾性パッド7が圧縮される。このとき、印刷
装置本体2を形成する発泡体は非線形変位を示さないの
で、受圧板3の押圧板4に向かう面は依然として変形を
受けず、変形を受けていない受圧板3の平面で弾性パッ
ド7を圧縮するので、押圧力伝達についての詳細な機構
については明確ではないが、孔版印刷用原版8と葉書1
1とが均一な力で押圧板4と弾性パッド7とで挟みつけ
られ、押圧されることになる。その結果、印刷ムラのな
い、高品質の孔版印刷を葉書11の表面にすることがで
きる。
【0044】−実験例− 図1〜3に示す形状を有すると共に、発泡体の硬度が8
5Hsであり、弾性パッド7の硬度が40Hsである簡
易押圧式印刷装置1を用いて、葉書印刷を行った。
【0045】なお、前記発泡体の硬度および弾性パッド
7の硬度は日本ゴム協会標準企画Sris-0101に示さ
れる高分子計器(株)製のASKER−C型硬度計にて
測定された値である。また、発泡体における加重と変形
との関係は図6に示され、弾性パッドにおける加重と変
形との関係は図7に示される。
【0046】押圧板4を両手で押さえ付けることにより
孔版印刷用原版8を葉書11に押圧、密着させた。その
結果、印刷ムラのない孔版印刷された葉書が得られた。
【0047】この場合、押圧板4、受圧板3およびヒン
ジ部5が一体成形された適度の硬さの印刷装置本体2が
フレキシブルな構造を有するので、両手で加圧しても、
つまり押圧板4に手のひらによる部分圧を加えても、孔
版印刷用原版8と葉書11とには、平行で均一な圧力が
加わるものと考えられる。
【0048】(変形例) 前記実施例では、金属板の大きさを葉書大に設定し
ているが、その大きさとしては葉書大に限定されず、た
とえば受圧板の上面と同じ大きさであっても良いし、ま
た、葉書大と前記受圧板の上面の大きさとの中間の適宜
の大きさであっても良い。
【0049】前記実施例では、金属板を前記受圧板に分
離不可能にたとえば接着剤などにより固着され、前記弾
性パッドの裏面に薄い磁石板を装着することにより、弾
性パッドが受圧板に対して着脱自在に取りつけられる。
【0050】弾性パッドがこのように受圧板に対して着
脱自在であると、弾性パッドの交換を容易に行なうこと
ができると共に、印刷原版に対する被印刷物を載置する
弾性パッドの位置決めを容易に行なうことができる。
【0051】この発明では弾性パッドの受圧板に対する
着脱自在の取り付けは、前記磁石板による取り付けに限
定されない。たとえば、図9に示すように、受圧板4に
板状の磁石片12をたとえば接着剤等により固着し、弾
性パッド7の下面に弾性パッド7の平面大の金属板6を
たとえば接着剤により固着しても良いし、弾性パッドの
下面にたとえば接着剤で固着した金属板をマジックファ
スナー等によって受圧板4の上面に取り付けるようにし
ても良い。
【0052】 この発明の簡易押圧式印刷装置におい
ては、図10に示すように、弾性パッド7の縁に位置決
め用部材13を設けても良い。位置決め用部材13を設
けておくと、弾性パッド7の上面に例えば葉書を位置決
め精度良く載置することができる。
【0053】この位置決め用部材13は、弾性パッド上
に配置される被印刷物の位置決めの必要から、弾性パッ
ドの載置面よりも大きな高さを有する。したがって、受
圧板で弾性パッドを押圧する際に、受圧板が弾性パッド
に接触するよりも先にこの位置決め用部材に接する。よ
って、この位置決め用部材13の材質は、弾性パッドと
同じ固さを有するか、弾性パッドよりも小さな固さを有
しているのが望ましい。
【0054】この位置決め用部材13と弾性パッドとは
固定的に接着されていなくても良い。位置決め用部材1
3と弾性パッドとが接着されずに独立していることによ
り、押圧印刷の際に、先ず位置決め用部材が押し潰され
ても弾性パッドは変形せず、印刷原版が弾性パッドに当
たって初めて弾性パッドが平行に印刷原版を押圧してい
く。
【0055】 図11に示すように、受圧板3の端部
に切り欠き14を設けると共に、押圧板4の先端部に前
記切り欠き14に係止される係止部15を設けて、押圧
板4と受圧板3とをその端部で結合することができるよ
うにしても良い。
【0056】 前記実施例においては受圧板の押圧板
に向かう面にパッドが取り付けられている。この発明に
おいては、図12に示すように、パッドは押圧板の受圧
板に向かう面に取り付けられていても、あるいは図13
に示すように押圧板の受圧面に向かう面と受圧板の押圧
板に向かう面との両面にパッドが取り付けられていても
良い。
【0057】更に詳述すると、図12に示す簡易押圧式
印刷装置1においては、図1に示すような形状を有する
ところの、押圧板4、受圧板3、およびこれらを結合す
るヒンジ部5が一体に成形されてなる印刷装置本体2を
有する。この印刷装置本体2の硬度は、基本的には前記
実施例における印刷装置本体2と同様であり、通常、日
本ゴム協会標準規格Sris −0101にて示される硬度
計で測定した値として70〜120Hsである。
【0058】この印刷装置本体2の押圧板4の受圧板3
に向かう面には、印刷原版8を配置することのできる配
置面を有する第1パッド7aが設けられている。この第
1パッド7aの硬度は、基本的には前記実施例における
パッド7と同様であり、通常、日本ゴム協会標準規格S
ris −0101にて示される硬度計で測定した値として
20〜60Hsである。
【0059】この押圧板4には、図12に示すように、
前記第1パッド7aの縁に接する第1係止部材9aが設
けられ、この第1係止部材9aによって前記第1パッド
7aの配置面に配置した印刷原版8が固定されるように
なっている。受圧板3の前記押圧板4に向かう面には被
印刷物たとえば葉書11を配置する。葉書11の配置を
適正に行うために、受圧板3の表面に位置決め用のライ
ンを印刷するのも良い。
【0060】また、図13にも示すように、受圧面3の
前記押圧板4に向かう面に、第1パッド7aに配置固定
された印刷原版8に対応する位置に、被印刷物たとえば
葉書11を載置するに十分な平面を有する第2パッド7
bを配置するようにしても良い。この第2パッド7bの
構成は基本的には前記実施例におけるパッド7と同様で
あり、通常、その硬度は日本ゴム協会標準規格Sris −
0101にて示される硬度計で測定した値として20〜
60Hsである。
【0061】図12および図13に示すように、前記実
施例におけるのと同様の構成を有するパッド7を第1パ
ッド7aとして押圧面4に取り付け、また前記実施例に
おけるのと同様の構成を有するパッド7を第2パッド7
bとして受圧面3に取り付けることにより、前記実施例
と同様に、被印刷物に印刷ムラのない鮮明な画像を形成
することができる。
【0062】
【発明の効果】この発明によると、手のひらなどで押圧
しても、印刷原版と被印刷物とに均一な押圧力がかか
り、印刷ムラのない、高品質の孔版印刷を行うことので
きる、簡単な構造の、しかも部品点数の少ない簡易押圧
式印刷装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明の一実施例を示す正面図であ
る。
【図2】図2は図1に示す簡易押圧式印刷装置の右側面
図である。
【図3】図3は図1に示す簡易押圧式印刷装置の左側面
図である。
【図4】図4は図1に示す簡易押圧式印刷装置に装填す
る孔版印刷用原版を示す正面図である。
【図5】図5は図4に示す孔版印刷用原版のA−A線に
おける断面を示す断面図である。
【図6】図6はこの発明の実施例で使用される印刷装置
本体である発泡体の加重に対する変形量を示すグラフで
ある。
【図7】図7はこの発明の実施例で使用される弾性パッ
ドの加重に対する変形量を示すグラフである。
【図8】図8は図1に示す簡易押圧式印刷装置を使用し
て印刷をする状態を示す説明図である。
【図9】図9はこの発明の他の実施例である簡易押圧式
印刷装置を示す断面図である。
【図10】図10はこの発明のその他の実施例である簡
易押圧式印刷装置を示す正面図である。
【図11】図11はこの発明のその他の実施例である簡
易押圧式印刷装置を示す斜視図である。
【図12】図12はこの発明のその他の実施例である簡
易押圧式印刷装置を示す断面図である。
【図13】図13はこの発明のその他の実施例である簡
易押圧式印刷装置を示す断面図である。
【符号の説明】
1 簡易押圧式印刷装置 2 印刷装置本体 3 受圧板 4 押圧板 5 ヒンジ部 6 金属板 7 弾性パッド 8 孔版印刷用原版 9a 第1係止部材 9b 第2係止部材 9d 位置決め突起
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−98890(JP,A) 特開 昭51−104907(JP,A) 実開 昭64−9756(JP,U) 実開 昭60−178154(JP,U) 実開 昭64−9757(JP,U) 実公 昭18−349(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41L 13/02 B41K 1/32 B41K 1/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 印刷用原版が着脱自在に取り付けられる
    押圧板と被印刷物を保持する受圧板と前記押圧板と前記
    受圧板とを結合するヒンジ部とが同一材料で一体に成形
    されてなる加圧本体を有し、前記押圧板の前記受圧板に
    向かう面および前記受圧板の前記押圧板に向かう面の少
    なくともいずれか一方の面に、原紙もしくは被印刷物を
    載置するパッドが設けられ、前記パッドが押圧印刷に必
    要な押圧力の範囲内で非線形変位量を有する弾性体で形
    成され、前記加圧本体が押圧印刷に必要な押圧力の範囲
    内で線形変位量を有する弾性体で形成されてなることを
    特徴とする簡易押圧式印刷装置。
  2. 【請求項2】 前記加圧本体の硬度が、日本ゴム協会標
    準規格Sris −0101にて示される硬度計で測定した
    値として70〜120Hsであり、前記パッドの硬度
    が、日本ゴム協会標準規格Sris −0101にて示され
    る硬度計で測定した値として20〜60Hsである前記
    請求項1に記載の簡易押圧式印刷装置。
  3. 【請求項3】 前記印刷原版に使用するインキの硬度
    が、スプレッドメータで測定したl分値で40以下であ
    る前記請求項1又は2に記載の簡易押圧式印刷装置。
JP07341593A 1993-03-31 1993-03-31 簡易押圧式印刷装置 Expired - Fee Related JP3317542B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07341593A JP3317542B2 (ja) 1993-03-31 1993-03-31 簡易押圧式印刷装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07341593A JP3317542B2 (ja) 1993-03-31 1993-03-31 簡易押圧式印刷装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06286284A JPH06286284A (ja) 1994-10-11
JP3317542B2 true JP3317542B2 (ja) 2002-08-26

Family

ID=13517556

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP07341593A Expired - Fee Related JP3317542B2 (ja) 1993-03-31 1993-03-31 簡易押圧式印刷装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3317542B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2503660A (en) * 2012-07-02 2014-01-08 Dimension Stamps Hinged stamping aid

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06286284A (ja) 1994-10-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4507666A (en) Thermal head supporting mechanism
TWI666125B (zh) 列印單元及熱列印機
JP3317542B2 (ja) 簡易押圧式印刷装置
JPH10264547A (ja) 孔版原紙ユニット及び該ユニットを用いた製版方法
JPH0739663Y2 (ja) 押圧式孔版印刷装置
US5957047A (en) Adhesive mounted stencil and recording medium
JP2634169B2 (ja) 簡易印刷装置
TWI448395B (zh) 壓印機
JP3133072U (ja) 印刷装置
TW486916B (en) Acoustic appliance, free-designable cover member of acoustic appliance, and method of manufacturing acoustic appliance
US6646667B1 (en) Thermal printer
JPS5923016Y2 (ja) 簡易印刷器
US4459912A (en) Printing pressure compensating means in pump handle imprinters
JP7459499B2 (ja) 印刷装置
JPH0536708Y2 (ja)
JPS60304Y2 (ja) 小型インプリンタ−
JPS60298Y2 (ja) プレス式孔版印刷器
JP3206965B2 (ja) 印刷用紙位置決め装置
JPH0411807Y2 (ja)
JP3659808B2 (ja) 押圧印刷器
JPH0780339B2 (ja) 孔版印刷方法
JP2001113810A (ja) 簡易型スクリーン印刷装置
JPH04278376A (ja) プリンタの用紙クランプ装置
JP2011147617A (ja) 名刺入れ
JPH0121820Y2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20020510

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees