JP3133072U - 印刷装置 - Google Patents

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英二 鵜沢
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Abstract

【課題】印刷対象が印刷しにくい位置にあっても一定の適切な印刷状態が得られる簡易で操作し易い印刷装置を提供する。
【解決手段】印刷装置1は、基体2の上面側にハンドル3を有し、基体の下面には弾性を備えた周状凸面6を有する版取り付け部5を有し、インク不通過性のシートと製版済みの孔版原紙からなる印刷版は凸面に沿って装着され、その両縁部が基体の両縁部に設けた固定手段8で固定される。凸面を印刷面に接触させ、ハンドルを操作して揺動させる。凸面の周方向と直交する方向に沿って印刷面に接触する印刷版の接触領域が、周方向に移動して印刷が行われる。
【選択図】図1

Description

本考案は、孔版原紙を印刷版として利用した手動式の簡易な印刷装置に関するものである。
孔版原紙を版として利用した手動式の印刷装置としては、下記特許文献1、2に示すようなものが知られている。
特許文献1に記載された手押し用スタンプホルダーは、環状の枠体の両面に孔版原紙とインキ不通過性のカバーシートを装着して内部に印刷用インキを設けた孔版印刷用原版を保持するホルダーである。ホルダー本体には、下面に粘着層を有するクッション層が取り付けられ、クッション層は前記孔版印刷用原版の枠体内に入って粘着層で孔版印刷用原版の前記カバーシートを粘着保持する。ホルダー本体のグリップ部を持ち、孔版印刷用原版の孔版原紙側を印刷用紙に押し付けて印刷を行う。
特許文献2に記載された孔版印刷用原版は、環状の枠体の両面に孔版原紙とインキ不通過性のカバーシートを装着して内部に印刷用インキを設けた構造であるが、枠体はインキ不通過性の弾性材料で構成される。孔版原紙を下面にして孔版印刷用原版を押圧板の下面に取り付け、台座の上に印刷用紙を載せ、押圧板を台座に向けて押圧することにより印刷を行う。弾性を有する枠体が厚さ方向に潰れるので、枠体に近いインキにも離れた位置にあるインキと同等の圧力が加わり、枠体の近傍の穿孔画像部を掠れなしで良好に印刷できるものとされている。
特公平7−55577号公報 特開2000−85227号公報
孔版原紙を用いた上述したような従来の手動式の印刷装置によれば、装置を印刷用紙に対して垂直方向に押し付ける操作で印刷を行うため、押圧力のばらつきによって適切な印刷状態が得にくいという問題がある。また、押圧力がばらつくため、インクを充填した直後の1回目の印刷では、インクが出てこない部分もあり、画像性に欠けた。さらに、かかる押圧式の印刷方式であると、印刷対象が容易に移動できないような高所にあって印刷装置を保持した手を伸ばして印刷を行わなければならないような状況下では、適切な印刷動作を行うことは一層困難である。
そこで、本考案は上述した課題を解決するためになされたものであり、押圧タイプ以外の印刷動作を採用することにより、印刷対象の位置に係わらず一定の適切な印刷状態を得ることができる印刷装置を提供することを目的としている。
請求項1に記載された印刷装置は、
基体と、
前記基体の上面側に設けられた操作用のハンドルと、
前記基体の下面側に設けられ、弾性を備えた周状の凸面を有する版取り付け部と、
前記版取り付け部の前記凸面に沿って配置されるインク不通過性のシートと、前記シートとの間にインクを挟んで前記シートに密着する製版済みの孔版原紙とを備えた印刷版と、
前記凸面の周方向に関する前記版取り付け部の両縁部に対応して前記基部の一対の辺部にそれぞれ設けられ、前記印刷版の前記一縁部と他縁部をそれぞれ着脱可能に固定する一対の固定手段とを有し、
前記固定手段で前記印刷版が固定された前記版取り付け部の前記凸面を印刷面に接触させ、前記ハンドルを操作して揺動させることにより、前記凸面の周方向と直交する方向に沿って印刷面に接触する前記印刷版の接触領域を前記周方向に移動させて印刷を行うことを特徴としている。
請求項2に記載された印刷装置は、請求項1記載の印刷装置において、
前記版取り付け部の前記凸面に凹凸が形成されたことを特徴としている。
請求項3に記載された印刷装置は、請求項2記載の印刷装置において、
前記固定手段が、
前記基体の両縁部に設けられ、前記印刷版の両縁部を前記版取り付け部の両縁部に全長にわたってそれぞれ密着させるように保持する保持板と、
前記保持板に設けられて前記基体の外方に突出し、前記版取り付け部の両縁部に密着した前記保持板を前記版取り付け部と反対の方向に移動させるために操作者が操作する操作部と、
操作者が前記操作部を操作することにより、前記版取り付け部の両縁部に密着した前記保持板が前記版取り付け部と反対の方向に移動した場合に、該保持板を前記版取り付け部の方向に付勢する板ばねと、
を有することを特徴としている。
請求項4に記載された印刷装置は、請求項3記載の印刷装置において、前記固定手段の前記保持板の内面と外面に滑り止めを設けたことを特徴としている。
請求項5に記載された印刷装置は、請求項1乃至4のいずれか一つに記載の印刷装置において、
前記基体の上面から下面に貫通して設けられ、先端が前記版取り付け部に対面する複数の調整ねじを有し、
前記調整ねじを回動して前記基体の下面側への突出長さを調整することで前記版取り付け部を押圧し、前記版取り付け部に設けられた印刷版の張力を調整することを特徴としている。
請求項1に記載された印刷装置によれば、操作者は、版取り付け部の弾性を備えた周状の凸面に合せて印刷版を密着して取り付け、ハンドルを掴んで装置全体を印刷面上で揺動させることにより、凸面の周方向と直交する方向に沿って印刷面に接触している印刷版の接触領域を印刷版の一縁部から他縁部へ向けて周方向に移動させて印刷を行うことができる。かかる揺動式の印刷動作によれば、印刷面に対する加圧の加減を一定にすることが単なる押圧に比べて比較的容易であり、一定の印刷品質を得やすい。また、かかる印刷方式によれば、インクが広がりやすいため、インクを充填した直後の1回目の印刷から良好な画像の印刷物を得ることができる。特に、印刷対象が容易に移動できないような高所にあって印刷装置を保持した手を伸ばして印刷を行う場合であっても、適切な印刷動作を行うことが可能である。
請求項2に記載された印刷装置によれば、さらに、上述したような揺動式の印刷動作によっても、版取り付け部の印刷版が周方向(揺動方向)にずれていく恐れが少ない。また、内部にインクが充填された印刷版が版取り付け部の凹凸の形状に追従する変形を示し、印刷版内にありながら各凹凸内にインクが保持される効果が得られるので、上述したような揺動式の印刷動作によって印刷版内のインクがしごかれ、周方向(揺動方向)の先方に押されて移動してしまう恐れが少なく、印刷版の各印刷位置におけるインクの保持性が良好となる。
請求項3に記載された印刷装置によれば、さらに、印刷版の周方向(揺動方向)の両縁部の全長を版取り付け部の両縁部にそれぞれ確実に固定できるので、上述したような揺動式の印刷動作において、版取り付け部の印刷版が周方向(揺動方向)にずれる恐れが一層少ない。
請求項4に記載された印刷装置によれば、さらに、前記固定手段の前記保持板の内面に滑り止めがあるので、版取り付け部と保持板の間に挿入した印刷版が抜けにくい。また、前記固定手段の前記保持板の外面に滑り止めがあるので、印刷動作に移る際に印刷動作のスタートラインとなる基体の一縁部の位置が印刷面上でずれることがなく、当初に想定した通りの印刷位置に印刷を施すことができる。
請求項5に記載された印刷装置によれば、さらに、調整ねじを回動して基体の下面側への突出長さを調整することで、版取り付け部を押圧し、版取り付け部に設けられた印刷版の張力を調整することができる。
以下、本考案を実施するために実用新案登録出願人が出願時点で最良と思う本考案の実施の形態を図1〜図10を参照して説明する。
図1乃至図7は第1実施形態の図であり、図1は本印刷装置を上面側から見た斜視図、図2は本印刷装置を下面側から見た斜視図、図3は本印刷装置の側面側を示す斜視図であって固定手段の一部を拡大して示す図、図4は固定手段の構造と作用を示す側面図、図5は本印刷装置に使用される印刷版の斜視図、図6は本印刷装置における印刷版の装着手順を示す斜視図、図7は本印刷装置による印刷方法を示す作用図である。
図8及び図9は第2実施形態の図であり、図8は調整ねじと保持板の滑り止めを説明する側断面図、図9は本印刷装置における調整ねじの配置を示す平面図である。
図10は各実施形態の印刷装置と位置合せシートを使用した印刷方法を示す斜視図である。
1.第1実施形態(図1〜図7)
図1及び図2に示す第1例の印刷装置1は、周状の凸面に孔版原紙からなる印刷版20を取付け、これを手動で操作して印刷面上でロッキング動作(揺動)させることにより印刷を行う装置である。
図1及び図2に示すように、この印刷装置1は、板金等で製作された略矩形の板を基体2として有している。この基体2の上面側の中央には、操作用のハンドル3が設けられている。
なお、基体2の上面とは、印刷装置を使用する場合に上側となるハンドル3が設けられている面を指し、下面とは印刷版が取り付けられる側を指すものとし、上下が逆となった図面においても統一して使用するものとする(後述する第2実施形態も同様)。
また、基体2の下面側の4つの各辺には、下方に向けて枠片4が立ち上げられている。そして、基体2の下面側の枠片4内には、後述する印刷版20を取り付けるための版取り付け部5が設けられている。版取り付け部5は、全体として略かまぼこ状の外形を有する部材であり、周状の凸面6を下方に向けて基体2の下面側に固定されている。版取り付け部5は、印刷版20が取り付けられる凸面6が弾性材料(ゴム、スポンジ等)で構成されており、その他の部分は剛体で構成されている。図示の例では、版取り付け部5は凸面6も含めて全体が一体構造となっているが、剛性を有する金属製等の基台の凸面に、別部材である弾性材料のネットを被せて印刷版20を取り付けるための凸面6を構成するものとしても良い。
図2に示すように、この版取り付け部5は、少なくともその凸面6の表面に滑り止めの凹凸7が形成されており、ここに装着される印刷版20が印刷動作によって印刷動作方向(周方向)にずれないようになっている。
図1乃至図4に示すように、この印刷装置1の基体2には、その矩形状の一対の長辺である一対の縁部に、印刷版20の固定手段8がそれぞれ設けられている。まず、基体2の前記一対の縁部には保持板9が設けられている。保持板9は、枠片4の内側に配置された基板部10と、基板部10から立ち上げられて版取り付け部5の両縁部の凸面6に接触する押さえ板11とからなり、基体2の長辺と略同一の長さ及び略L字形の断面を有する長手部材である。図4(a)に示すように、この保持板9の押さえ板11は、外力が加わらない状態では、版取り付け部5の凸面6に接触した状態にあるので、押さえ板11と版取り付け部5の間に印刷版20の両縁部を挟んで固定することができる。
図1,2及び4に示すように、各保持板9の中央には操作部12が設けられている。操作部12は基体2の枠片4の中央に設けられた孔4aから基体2の外方に突出し、基体2の上面側に向けられている。図4(a)で矢印にて示すように、図示しない操作者が操作部12を内方(ハンドル3方向)に押すと、同図(b)に示すように保持板9の基板部10が基体2から離れるとともに、保持板9の押さえ板11が版取り付け部5から離れる方向に移動し、押さえ板11と版取り付け部5の間に隙間が生じるので、ここから印刷版20の縁部を差し込むことができる。
図3及び図4に示すように、基体2の一対の短辺の下面側には、それぞれ細長い板状の板ばね13が配置され、その各中央において固定部材14で基体2に固定されている。板ばね13の両端は、保持板9の基板部10の両端部を上から押さえつけており、保持板9の押さえ板11が版取り付け部5に接触した状態を保持している。このため、図4(b)に示すように、図示しない操作者が操作部12を押すことにより、版取り付け部5に密着した保持板9の押さえ板11を版取り付け部5から離れる方向に移動させた場合には、該保持板9は板ばね13の弾性力によって版取り付け部5の方向に復帰するように付勢されることとなる。
図5に示すように、第1例の印刷装置1で使用される印刷版20は、インク不通過性の矩形のシート21と、シート21と略同一形状でシート21に一縁部で固定された孔版原紙22からなる。孔版原紙22は、図示しない製版手段によって所望の画像が形成されたものである。印刷を行う場合には、シート21と孔版原紙22の間にインクを挟んだ状態でこの印刷版20を版取り付け部5に取り付ける。なお、印刷版20の形状及び大きさ(サイズ)は、版取り付け部5の凸面6の表面形状と同一となっているが、前記固定手段8による取り付けが可能となるためには、少なくとも周方向の大きさが凸面6と同等か、やや大きいことが必要である。
次に、以上説明した印刷装置1を用いた印刷手順について説明する。
孔版原紙22に所望の画像を製版した後、孔版原紙22とシート21を一縁部で両面テープ等によって結合する。ここで、後にインクを充填すべき位置を明確にするため、孔版原紙22の画像形成部分を油性ペン等でマーキングしておく。
次に、印刷装置1の一方の操作部12を押して一方の保持板9の押さえ板11を版取り付け部5から離し、両者の間に隙間を作る。この隙間に両面テープ等で結合した印刷版20の一縁部を挿入し、操作部12を離して保持板9を復帰させ、印刷版20の一縁部を版取り付け部5の一縁部に固定する。また、印刷版20の他縁部の固定されていないシート21の他縁部のみを、同様にして他方の保持板9と他方の版取り付け部5に固定する。ここで、シート21を他方の固定手段8に挟み込む操作が凸面6の滑り止め(凹凸7)のためにうまく出来ない場合は、へら等を使ってシート21の他縁部を保持板9と版取り付け部5の間に押し込むように取り付けるとよい。これによって、シート21は版取り付け部5の凸面6に沿って装着された状態となる。
図6に示すように、印刷装置1を置き台25の上に印刷版20が斜め上向きとなる姿勢で置く。そして、開いて下方に垂れ下がった孔版原紙22の上(内側)にインクを載せる。ここで、孔版原紙22の製版部分を前述したようにマーキングしておけば、インクを載せるべき位置が容易に分かるので好都合である。
孔版原紙22の他縁部を他方の保持板9と他方の版取り付け部5の間に固定する。ここで、孔版原紙22を他方の固定手段8に挟み込むには、へら等を使って孔版原紙22の他縁部を保持板9と版取り付け部5の間に押し込むようにするとよい。これによって、孔版原紙22はシート21に密着して版取り付け部5に装着された状態となる。これで印刷版20のセットが完了した。
印刷を行うには、作業者が手でハンドル3を持ち、印刷版20が固定された版取り付け部5の凸面6の一縁部側を印刷面の所望の位置に位置決めし、基体2の一縁部を当該位置に接触させる。ここで、基体2の一縁部に沿って滑り止めのゴム等を設けておけば、後述する印刷動作に移る際に、印刷動作のスタートラインとなる基体2の一縁部の位置が印刷面上でずれることがなく、当初に想定した通りの印刷位置に印刷を施すことができる。
続けてハンドル3を操作し、図7(a),(b),(c)に動作を連続して示すように、装置全体を印刷面30上で揺動させる。これにより、凸面6の周方向と直交する方向に沿って印刷面30に接触する印刷版20の接触領域が、この周方向に移動しつつ印刷が行われる。言わば、本印刷装置1は、周方向と直交する方向に沿った印刷版20の線状の接触領域を印刷面30との間で維持しながら、これを周方向の一方から他方に移動させることで印刷を行うので、印面に加わる圧力が一定に保持されやすく、印刷品質は良好である。また、かかる印刷方式によれば、インクが広がりやすいため、インクを充填した直後の1回目の印刷から良好な画像の印刷物を得ることができる。また、手を伸ばさなければ届かないような高所に印刷面30がある場合でも、比較的容易に一定の印刷圧で適切な印刷動作を行うことが可能である。
また、本印刷装置1は、印刷版を装着する凸面6には弾性のあるネット等によって凹凸が設けられているので、印刷時に印刷版は版取り付け部の凹凸の形状に追従する変形を示し、印刷版内のインクは印刷版内にありながら各凹凸内に保持される効果が得られる。従って、上述したような揺動式の印刷動作によって印刷版内のインクがしごかれ、周方向(揺動方向)の先方に押されて移動してしまう恐れが少なく、印刷版の各印刷位置におけるインクの保持性が良好となり、印刷を重ねても印刷品質が低下することがない。なお、印刷版20のシート21を変形しやすいストレッチフィルムで構成すれば、印刷時に印刷版が版取り付け部の凹凸の形状により追従しやすくなる。
また、本印刷装置1では、印刷版20の両縁部が版取り付け部5の両縁部に固定手段8で全長にわたって確実に固定されており、さらに印刷版20は滑り止め構造の凹凸7を有する凸面6に確実に接して保持されているので、上述したようなロッキンッグ動作(揺動)によっても印刷版20が周方向に位置ずれを起こす恐れが少なく、印刷回数が増えても印刷品質の低下が生じにくい。
2.第2実施形態(図8、図9)
図8及び図9に示す第2例の印刷装置1aは、第1例の印刷装置1と基本構造が略同一であるので、機能乃至構造が実質的に同様である部分は第1例と同一の符号を付すとともに第1例の説明を援用して必要に応じて説明を省略し、第1例と異なる部分を中心に説明するものとする。
図8に示すように、基体2の上面側にあるハンドル3は、基体2に設けられた貫通孔2aを介して、基体2の下面側にある版取り付け部5に一体に結合されている。そして、基体2の複数箇所にはねじ孔40が貫通して形成されており、このねじ孔40には調整ねじ41が基体2の上面から下面に貫通して設けられており、調整ねじ40の先端は版取り付け部5の上面に当接している。
図9に示すように、前記調整ねじ41は、本印刷装置の使用時における揺動方向に沿ってハンドル3の前後となる2箇所と、これと直交する方向に沿ってハンドル3の左右となる2箇所に設けられている。すなわち、ハンドル3を中心とした4つの位置に合計4本の調整ねじ41が設けられている。前述した図8は、図9のA−A切断線における断面図であり、揺動方向に沿ってハンドル3の前後に設けられた2本の調整ねじ41が表れているが、揺動方向と直交する方向に沿ってハンドル3の左右に設けられた調整ねじ41も、図8に示す調整ねじ41と構造及び作用は略同一である。
このような調整ねじ41を有する第2例の印刷装置1aによれば、調整ねじ41を回動して基体2の下面側への突出長さを調整することで版取り付け部5を押圧すれば、版取り付け部5が移動し、これに設けられた印刷版20に働く張力を調整することができる。
次に、第2例の印刷装置1aは、図8に示すように、前記固定手段8における前記保持板9の押さえ板11の内面と外面に、ゴム等の弾性材料ややすり材等からなる滑り止め45が設けられている。
版取り付け部5の凸面6に装着された印刷版20の縁部は、押さえ板11の内面側の滑り止め45と版取り付け部5の縁部との間に確実に保持されるので、上記調整ねじ41で張力を増大させたり、印刷中に周方向の力を繰り返し受けてもても押さえ板11から外れることがない。
また、押さえ板11の外面にも滑り止め45があるので、印刷時、印刷動作のスタートラインとなる印刷面上の所定位置に基体2の一縁部を位置決めした場合、押さえ板11の外面の滑り止め45が印刷面に接することとなる。従って、この滑り止め45によって印刷開始位置が印刷動作の開始の際にずれてしまうことがなく、当初に想定した通りの印刷位置に印刷を施すことができる。
3.印刷態様を示す実施形態(図10)
第1例又は第2例の印刷装置1,1aを使用して印刷を行う場合、図10に示すような位置合せシート50を使用することができる。この位置合せシート50は、印刷装置1,1aの凸面6を平面に展開したような矩形状の開口51がくり抜かれたシート体であり、被印刷体の上に位置決めして配置し、その開口51内の一縁51aに印刷装置1,1aの印面の一縁を位置決めして揺動による印刷動作を行えば、被印刷体の表面の規定の位置に印刷を施すことができる。
また、第1例及び第2例のいずれにおいても、ハンドル3にウレタン等の弾性材料からなるグリップを巻き付ければ、印刷動作時の腕の疲れが軽減されるので好ましい。
図1は第1実施形態の印刷装置を上面側から見た斜視図である。 図2は第1実施形態の印刷装置を下面側から見た斜視図である。 図3は第1実施形態の印刷装置の側面側を示す斜視図であって固定手段の一部を拡大して示す図である。 図4は第1実施形態の印刷装置における固定手段の構造と作用を示す側面図である。 図5は第1実施形態の印刷装置に使用される印刷版の斜視図である。 図6は第1実施形態の印刷装置における印刷版の装着手順を示す斜視図である。 図7は第1実施形態の印刷装置による印刷方法を示す作用図である。 図8は第2実施形態の印刷装置における調整ねじと保持板の滑り止めを説明する側断面図である。 図9は第2実施形態の印刷装置における調整ねじの配置を示す平面図である。 図10は各実施形態の印刷装置と位置合せシートを使用した印刷方法を示す斜視図である。
符号の説明
1…印刷装置
2…基体
3…ハンドル
5…版取り付け部
6…凸面
7…滑り止め45の凹凸
8…固定手段
9…保持板
12…操作部
13…板ばね
20…印刷版
21…シート
22…孔版原紙
30…印刷面
41…調整ねじ
45…滑り止め
50…位置合せシート

Claims (5)

  1. 基体と、
    前記基体の上面側に設けられた操作用のハンドルと、
    前記基体の下面側に設けられ、弾性を備えた周状の凸面を有する版取り付け部と、
    前記版取り付け部の前記凸面に沿って配置されるインク不通過性のシートと、前記シートとの間にインクを挟んで前記シートに密着する製版済みの孔版原紙とを備えた印刷版と、
    前記凸面の周方向に関する前記版取り付け部の両縁部に対応して前記基部の一対の辺部にそれぞれ設けられ、前記印刷版の前記一縁部と他縁部をそれぞれ着脱可能に固定する一対の固定手段とを有し、
    前記固定手段で前記印刷版が固定された前記版取り付け部の前記凸面を印刷面に接触させ、前記ハンドルを操作して揺動させることにより、前記凸面の周方向と直交する方向に沿って印刷面に接触する前記印刷版の接触領域を前記周方向に移動させて印刷を行うことを特徴とする印刷装置。
  2. 前記版取り付け部の前記凸面に凹凸が形成されたことを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
  3. 前記固定手段が、
    前記基体の両縁部に設けられ、前記印刷版の両縁部を前記版取り付け部の両縁部に全長にわたってそれぞれ密着させるように保持する保持板と、
    前記保持板に設けられて前記基体の外方に突出し、前記版取り付け部の両縁部に密着した前記保持板を前記版取り付け部と反対の方向に移動させるために操作者が操作する操作部と、
    操作者が前記操作部を操作することにより、前記版取り付け部の両縁部に密着した前記保持板が前記版取り付け部と反対の方向に移動した場合に、該保持板を前記版取り付け部の方向に付勢する板ばねと、
    を有することを特徴とする請求項2記載の印刷装置。
  4. 前記固定手段の前記保持板の内面と外面に滑り止めを設けたことを特徴とする請求項3記載の印刷装置。
  5. 前記基体の上面から下面に貫通して設けられ、先端が前記版取り付け部に対面する複数の調整ねじを有し、
    前記調整ねじを回動して前記基体の下面側への突出長さを調整することで前記版取り付け部を押圧し、前記版取り付け部に設けられた印刷版の張力を調整することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の印刷装置。
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