JP3312195B2 - ブラシレス直流モータ - Google Patents

ブラシレス直流モータ

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JP3312195B2
JP3312195B2 JP30790196A JP30790196A JP3312195B2 JP 3312195 B2 JP3312195 B2 JP 3312195B2 JP 30790196 A JP30790196 A JP 30790196A JP 30790196 A JP30790196 A JP 30790196A JP 3312195 B2 JP3312195 B2 JP 3312195B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブラシレス直流モ
ータに関し、特に電源から供給される電力を効率良く利
用するようにしたブラシレス直流モータに関する。
【0002】
【従来の技術】ブラシレス直流モータはブラシ付の直流
モータに比べると、機械的接点を持たないため長寿命で
あると同時に電気的雑音も少なく、そのため、近年では
高信頼性が要求される産業用機器や映像・音響機器に広
く応用されている。
【0003】従来のブラシレス直流モータにおいては、
出力電圧が一定の直流電源から電圧制御トランジスタな
どを用いて電圧制御し、例えばモータの回転速度に応じ
た電圧を供給していた。したがって、モータ駆動に利用
される有効電圧は常に直流電源の電圧よりも小さく、直
流電源電圧からモータ駆動のための有効駆動電圧を差し
引いた残りの電圧はすべて電圧制御トランジスタのコレ
クタ損失(熱損失)となり、電力効率を著しく低下させ
ていた。
【0004】この種のブラシレス直流モータのうち、電
力効率を向上させるために電圧制御トランジスタをスイ
ッチング制御することにより電圧制御トランジスタのコ
レクタ損失を低減させる方式のものが、従来よりいくつ
か提案されている。
【0005】その一例は、直流電源の一端と固定子巻線
の電流給電端子の間の電流路を形成する第1の駆動トラ
ンジスタ群を電流指令と位置信号に応じて電流制御し、
前記直流電源の他端と前記電流給電端子の間の電流路を
形成する第2の駆動トランジスタ群を、第1の駆動トラ
ンジスタ群の動作電圧の最小電圧を所定の基準電圧に等
しくなるように制御し、さらに電圧制御用のスイッチン
グトランジスタを第2の駆動トランジスタ群の動作電圧
が所定の基準電圧に等しくなるようにオン・オフ制御を
行うことによって、モータに供給される電圧を制御する
ように構成してある。このような制御を行うことによ
り、モータの電力効率を大幅に改善させている(例え
ば、特開昭58−198189号公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような構成では、位置信号をエミッタを共通接続した差
動トランジスタのベース入力に与え、差動切換を行うの
で、固定子巻線駆動電流は極めて安定に切り換えられる
が、固定子巻線に流れる駆動電流は通電幅がほぼ電気角
で120度の矩形波状となる。そのため、固定子巻線に
流れる電流が急峻にオン・オフされるため、振動・騒音
を発生しやすいという欠点を有する。
【0007】そこで、固定子巻線の相切換を滑らかに行
うためには、1相から次の相に電流切換を行う場合に2
相に同時に電流を通電させる期間が存在する、いわゆる
オーバラップ駆動を行う方法がある(例えば、特開昭6
2−221894号公報参照)。なお、これについて
は、本発明の実施の形態の説明の中で図16を用いて説
明する。
【0008】上記先行技術において、第1の駆動トラン
ジスタ群と第2の駆動トランジスタ群とをオーバラップ
駆動させ、電力効率を向上させるために、第1の駆動ト
ランジスタ群ならびに第2の駆動トランジスタ群のエミ
ッタ・コレクタ間の残り電圧を低減させてトランジスタ
の動作電圧を低減させると、今度は電流切換が滑らかに
行われず、駆動電流波形は波形歪みを発生し、この状態
でモータを駆動すると振動・騒音を発生するという問題
を有する。なお、これについては、本発明の実施の形態
の説明の中で図17を用いて説明する。
【0009】本発明は上記問題点に鑑み、固定子巻線の
相切換を滑らかに行うことができ、可変出力の直流電圧
を出力できるスイッチング制御方式の電圧制御を使用し
た電力効率の優れたブラシレス直流モータを提供するこ
とを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明に係るブラシレス直流モータは、直流電源か
ら可変出力の直流電圧を得るスイッチング制御方式の電
圧変換手段の一端と固定子巻線の各電流給電端子の間の
電流路を形成する複数個のトランジスタからなる第1の
駆動トランジスタ群と、電圧変換手段の他端と固定子巻
線の各電流給電端子の間の電流路を形成する複数個のト
ランジスタからなる第2の駆動トランジスタ群とを備
え、回転子の位置検出手段によって回転子についての複
数相の位置信号を形成し、第1の分配制御手段によって
位置信号に基づいて第1の駆動トランジスタ群の通電を
分配制御し、また、第1の動作電圧検出手段によって第
1の駆動トランジスタ群を構成する複数のトランジスタ
の各動作電圧のうちの最小電圧を検出し、第2の動作電
圧検出手段によって第2の駆動トランジスタ群を構成す
る複数のトランジスタの各動作電圧のうちの最小電圧を
検出し、また、第2の分配制御手段において、位置検出
手段の出力に応動して第1の動作電圧が第1の基準電圧
に一致するように第2の駆動トランジスタ群に流れる電
流を分配制御し、電圧制御手段によって第2の動作電圧
が第2の基準電圧に一致するように前記電圧変換手段の
出力電圧を制御するように構成されている。そして、前
記第1及び前記第2の基準電圧は、それぞれ固定子巻線
の1相から次の相に電流切換が行われ2相に同時に電流
が流れる相切換通電状態のほうが1相のみに電流が流れ
る1相通電状態より大きくなるように構成されている。
第1の駆動トランジスタ群のエミッタ・コレクタ間の動
作電圧から検出した最小電圧である第1の動作電圧を第
1の基準電圧に等しくなるように第2の駆動トランジス
タ群の通電電流を制御し、また第2の駆動トランジスタ
群のエミッタ・コレクタ間の動作電圧から検出した最小
電圧である第2の動作電圧を第2の基準電圧に等しくな
るように電圧変換手段の直流出力電圧を制御する。そし
て、第1の駆動トランジスタ群と第2の駆動トランジス
タ群のエミッタ・コレクタ間の動作電圧を位置検出手段
の出力する位置信号に応動して変化させる。1相通電期
間では、駆動電流を通電している駆動トランジスタのエ
ミッタ・コレクタ間の動作電圧をできるだけ低く設定す
るように構成しているので、その駆動トランジスタでの
電力損失を小さく抑えることができる。さらに、駆動電
流の相切換の行われている相切換期間では、対応する駆
動トランジスタのエミッタ・コレクタ間の動作電圧を高
めに切り換えているので、固定子巻線の駆動電流の相切
換動作を滑らかに行い、ブラシレス直流モータを振動・
騒音の非常に少ない状態で駆動することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に係る請求項1のブラシレ
ス直流モータは、複数個の磁極を有する回転子と、前記
回転子に所定の空隙を有して配設された複数相の固定子
巻線と、前記回転子の位置を検出し複数相の位置信号を
形成する位置検出手段と、直流電源から可変出力の直流
電圧を得るスイッチング制御方式の電圧変換手段と、前
記電圧変換手段の一端と前記固定子巻線の各電流給電端
子の間の電流路を形成する複数個のトランジスタからな
る第1の駆動トランジスタ群と、前記固定子巻線への電
流供給を指令する指令信号と前記位置検出手段の出力に
応動して前記第1の駆動トランジスタ群の通電を分配制
御する第1の分配制御手段と、前記電圧変換手段の他端
と前記固定子巻線の各電流給電端子の間の電流路を形成
する複数個のトランジスタからなる第2の駆動トランジ
スタ群と、前記第1の駆動トランジスタ群を構成する複
数のトランジスタの各動作電圧のうちの最小電圧を検出
し第1の動作電圧を出力する第1の動作電圧検出手段
と、前記第2の駆動トランジスタ群を構成する複数のト
ランジスタの各動作電圧のうちの最小電圧を検出し第2
の動作電圧を出力する第2の動作電圧検出手段と、前記
位置検出手段の出力に応動して前記第1の動作電圧が第
1の基準電圧に一致するように前記第2の駆動トランジ
スタ群に流れる電流を分配制御する第2の分配制御手段
と、前記第2の動作電圧が第2の基準電圧に一致するよ
うに前記電圧変換手段の出力電圧を制御する電圧制御手
段とを具備し、前記第1及び前記第2の基準電圧は、そ
れぞれ固定子巻線の1相から次の相に電流切換が行われ
2相に同時に電流が流れる相切換通電状態のほうが1相
のみに電流が流れる1相通電状態より大きくなるように
構成されていることを特徴としている。
【0012】請求項1のブラシレス直流モータの構成に
おいては、位置検出手段の出力する位置信号により第1
の駆動トランジスタ群と第2の駆動トランジスタ群をそ
れぞれ分配制御することにより、固定子巻線に通電され
る電流の相切換を順次行い、回転子を回転駆動する。第
1の駆動トランジスタ群のエミッタ・コレクタ間の動作
電圧のうちの最小電圧である第1の動作電を第1の基
圧に等しくなるように第2の駆動トランジスタ群の
通電電流を制御し、また第2の駆動トランジスタ群のエ
ミッタ・コレクタ間の動作電圧のうちの最小電圧である
第2の動作電圧を第2の基準電圧に等しくなるようにス
イッチング制御方式の電圧変換手段の直流出力電圧を制
御する。そして、第1の駆動トランジスタ群と第2の駆
動トランジスタ群のエミッタ・コレクタ間の動作電圧を
位置検出手段の出力する位置信号に応動して変化させ
る。すなわち、第1の駆動トランジスタ群および第2の
駆動トランジスタ群を構成するそれぞれ複数個の駆動ト
ランジスタにおいて、駆動電流の相切換の行われている
相切換期間では、対応する駆動トランジスタのエミッタ
・コレクタ間の動作電圧を高めに切り換えているので、
固定子巻線の駆動電流の相切換動作が滑らかに行われ
る。その結果、ブラシレス直流モータの駆動を振動・騒
音の非常に少ない状態で実現できる。また、駆動電流の
相切換の完了している1相通電期間では、駆動電流を通
電している駆動トランジスタのエミッタ・コレクタ間の
動作電圧をできるだけ低く設定するように構成している
ので、その駆動トランジスタでの電力損失を小さく抑え
ることができる。
【0013】その結果、本発明によれば、振動・騒音の
少ない、電力効率に優れたブラシレス直流モータを実現
することができる。
【0014】本発明に係る請求項2のブラシレス直流モ
ータは、上記請求項1において、第1の基準電圧信号お
よび第2の基準電圧信号は、固定子巻線の1相から次の
相に通電電流の切換が行われ2相に同時に電流が通電さ
れる相切換通電状態と1相にのみ電流を通電する1相通
電状態とで第1の基準電圧信号および第2の基準電圧信
号の大きさを連続的に変化させ、前記相切換通電状態で
は2相に通電される通電電流がほぼ等しくなる時点を頂
点とする三角波状に変化させるように構成してあること
を特徴としている。相切換通電状態で高めに切り換える
第1の基準電圧信号および第2の基準電圧信号を対称的
な三角波状に変化させるので、固定子巻線の駆動電流の
相切換動作をさらに滑らかに行うことができ、ブラシレ
ス直流モータの駆動における振動・騒音の抑制を一層進
めることができる。
【0015】本発明に係る請求項3のブラシレス直流モ
ータは、上記請求項1において、第1の基準電圧信号お
よび第2の基準電圧信号の大きさを固定子巻線への電流
供給を指令する指令信号に応じて変化させるように構成
してあることを特徴としている。固定子巻線への電流供
給の大小変化に応じて第1および第2の基準電圧信号を
可変するので、駆動電流の変化にかかわらず、常に、電
力効率に優れかつ振動・騒音が少ないという効果を発揮
することができる。
【0016】本発明に係る請求項4のブラシレス直流モ
ータは、複数個の磁極を有する回転子と、前記回転子に
所定の空隙を有して配設された複数相の固定子巻線と、
前記回転子の位置を検出し複数相の位置信号を形成する
位置検出手段と、直流電源の一端と前記固定子巻線の各
電流給電端子の間の電流路を形成する複数個のトランジ
スタからなる第1の駆動トランジスタ群と、前記固定子
巻線への電流供給を指令する指令信号と前記位置検出手
段の出力に応じて前記第1の駆動トランジスタ群の通電
を分配制御する第1の分配制御手段と、前記直流電源の
他端と前記固定子巻線の各電流給電端子の間の電流路を
形成する複数個のトランジスタからなる第2の駆動トラ
ンジスタ群と、前記第1の駆動トランジスタ群を構成す
る複数のトランジスタの各動作電圧のうちの最小電圧を
検出し動作電圧を出力する動作電圧検出手段と、前記位
置検出手段の出力に応じて前記動作電圧が基準電圧に一
致するように前記第2の駆動トランジスタ群に流れる電
流を分配制御する第2の分配制御手段とを具備し、さら
に、前記基準電圧は、それぞれ固定子巻線の1相から次
の相に電流切換が行われ2相に同時に電流が流れる相切
換通電状態のほうが1相のみに電流が流れる1相通電状
態より大きくなるようにように構成されていることを特
徴としている。
【0017】請求項4のブラシレス直流モータの構成に
おいては、第2の駆動トランジスタ群を構成する複数個
の駆動トランジスタを直接に直流電源に接続してもよ
い。この場合にはスイッチング制御方式の電圧変換手段
を省略でき、第1の駆動トランジスタ群を構成する複数
個の駆動トランジスタの電力損失を低減することができ
るので、電力損失の大きい第2の駆動トランジスタ群を
構成する複数個の駆動トランジスタは外付けのディスク
リートトランジスタで構成し、電力損失が小さく発熱の
少ない第1の駆動トランジスタ群を構成する複数個の駆
動トランジスタは駆動集積回路内に含めて構成すること
が容易になる。
【0018】本発明に係る請求項5のブラシレス直流モ
ータは、上記請求項4において、基準電圧信号は、固定
子巻線の1相から次の相に通電電流の切換が行われ2相
に同時に電流が通電される相切換通電状態と1相にのみ
電流を通電する1相通電状態とで基準電圧信号の大きさ
を連続的に変化させ、前記相切換通電状態では2相に通
電される通電電流がほぼ等しくなる時点を頂点とする三
角波状に変化させるように構成してあることを特徴とし
ている。請求項2の場合と同様に、相切換通電状態で高
めに切り換える基準電圧信号を対称的な三角波状に変化
させるので、固定子巻線の駆動電流の相切換動作をさら
に滑らかに行うことができ、ブラシレス直流モータの駆
動における振動・騒音の抑制を一層進めることができ
る。
【0019】本発明に係る請求項6のブラシレス直流モ
ータは、上記請求項4において、基準電圧信号の大きさ
を固定子巻線への電流供給を指令する指令信号に応動し
て変化させるように構成してあることを特徴としてい
る。請求項3の場合と同様に、固定子巻線への電流供給
の大小変化に応じて基準電圧信号を可変するので、駆動
電流の変化にかかわらず、常に、電力効率に優れかつ振
動・騒音が少ないという効果を発揮することができる。
【0020】以下、本発明に係るブラシレス直流モータ
の具体的な実施の形態について、図面を参照しながら説
明する。
【0021】図1は本発明の実施の形態に係るブラシレ
ス直流モータの回路構成を示すブロック回路図である。
図1において、27は複数の磁極を有する永久磁石回転
子、11,12,13は回転子27に対して所定の空隙
を有して配設された固定子巻線、5aは第1の駆動トラ
ンジスタ群、5bは第2の駆動トランジスタ群、20は
直流電源、4は直流電源20から可変出力の直流電圧を
得るスイッチング制御方式の電圧変換回路である。第1
の駆動トランジスタ群5aは3個のNPN型の駆動トラ
ンジスタ21,22,23からなり、各駆動トランジス
タ21,22,23はそれぞれ電圧変換回路4の負極側
端子と固定子巻線11,12,13の電流給電端子A,
B,Cとの間の電流路を形成している。また第2の駆動
トランジスタ群5bは3個のPNP型の駆動トランジス
タ24,25,26からなり、各駆動トランジスタ2
4,25,26はそれぞれ電圧変換回路4の正極側端子
と固定子巻線11,12,13の電流給電端子A,B,
Cとの間の電流路を形成している。
【0022】1は位置検出回路で、3相の固定子巻線1
1,12,13の電流給電端子A,B,Cと固定子巻線
11,12,13の中性点oとが入力接続されている。
位置検出回路1は、3相の固定子巻線11,12,13
に誘起された逆起電力a,b,cに基づいて3相の位置
信号d,f,hと3相の位置信号g,i,eとを合成す
るように構成されている(図10参照)。3相の位置信
号d,f,hは第2の分配制御回路3に入力され、3相
の位置信号g,i,eは第1の分配制御回路2に入力さ
れている。第1の駆動トランジスタ群5aを構成する3
個の駆動トランジスタ21,22,23の各ベースに
は、第1の分配制御回路2によって作成された3相の電
流信号g′,i′,e′がそれぞれ供給され、駆動トラ
ンジスタ21,22,23の通電を制御するように構成
されている。同様に、第2の駆動トランジスタ群5bを
構成する3個の駆動トランジスタ24,25,26の各
ベースには、第2の分配制御回路3によって作成された
3相の電流信号d′,f′,h′がそれぞれ供給され、
駆動トランジスタ24,25,26の通電を制御するよ
うに構成されている。ただし、各駆動トランジスタのベ
ースに加えられる信号の方向については、NPN型トラ
ンジスタ21,22,23には電流を流し込む方向に、
PNP型トランジスタ24,25,26には電流を引き
出す方向に加えられる。
【0023】40は電流検出用抵抗器で、3相の固定子
巻線11,12,13に通電される電流を電圧値に変換
するものである。第1の分配制御回路2は、第1の比較
制御回路42において指令端子6に入力される指令信号
と電流検出用抵抗器40に得られた電圧とを比較し、そ
の結果得られた制御信号CLに応じて、第1の分配回路
41に入力される位置信号g,i,eの大きさを制御し
て電流信号g′,i′,e′を生成し、これで駆動トラ
ンジスタ21,22,23の駆動を制御することによ
り、3相の固定子巻線11,12,13に供給される電
流の大きさを制御するように構成されている。第2の分
配制御回路3は、第2の比較制御回路44において第1
の基準電圧発生回路9が発生する第1の基準電圧信号E
1と第1の動作電圧検出回路7が出力する最小動作電圧
Lとを比較し、その結果得られた制御信号CUに応じ
て、第2の分配回路43に入力される位置信号d,f,
hの大きさを制御して電流信号d′,f′,h′を生成
し、これで駆動トランジスタ24,25,26の駆動を
制御することにより、3相の固定子巻線11,12,1
3に供給される電流の大きさを制御するように構成され
ている。7は第1の駆動トランジスタ群5aを構成する
駆動トランジスタ21,22,23の最小動作電圧Lを
検出する第1の動作電圧検出回路、9は第2の分配制御
回路3の第2の比較制御回路44に第1の基準電圧信号
E1を供給する第1の基準電圧発生回路である。
【0024】8は第2の駆動トランジスタ群5bを構成
する駆動トランジスタ24,25,26の最小動作電圧
Uを検出する第2の動作電圧検出回路、10は電圧変換
回路4に対する電圧制御回路30に第2の基準電圧信号
E2を供給する第2の基準電圧発生回路である。電圧制
御回路30は第2の基準電圧発生回路10が発生する第
2の基準電圧信号E2と第2の動作電圧検出回路8に得
られた最小動作電圧Uとを比較し、制御信号CSを電圧
変換回路4に出力するように構成されている。電圧変換
回路4は、直流電源20の正極端子から固定子巻線1
1,12,13に至る給電路に直列に挿入され、電圧制
御回路30の制御信号CSに応じて電圧変換回路4の出
力電圧VMを制御するように構成されている。電圧変換
回路4は、直流電源20の正極端子から固定子巻線1
1,12,13に至る給電路に直列に挿入された給電制
御用スイッチングトランジスタ101と、電圧制御回路
30からの制御信号CSに基づいてスイッチングトラン
ジスタ101をオン・オフ制御するスイッチング制御回
路100と、環流ダイオード102と、インダクタンス
コイル103と、平滑コンデンサ104によって構成さ
れている。電圧制御回路30において第2の動作電圧検
出回路8により得られた最小動作電圧Uに応じたデュー
ティの制御信号CSを生成し、スイッチング制御回路1
00はその制御信号CSに対応したパルス信号によって
スイッチングトランジスタ101をオン・オフ制御し、
直流電源20の出力電圧VSを電圧変換回路4からの出
力電圧VMに変換して、第2の駆動トランジスタ群5b
に出力するように構成されている。なお、スイッチング
制御回路100は、例えば200kHzの三角波電圧信
号を発生する三角波発生回路と、第2の動作電圧検出回
路8の出力を前記三角波電圧信号と比較するコンパレー
タなどの周知の種々の構成を利用することもできる。位
置検出回路1は、逆起電力検出回路14と位置信号形成
回路15より構成されている。逆起電力検出回路14が
生成する整形信号mは位置信号形成回路15と第1の基
準電圧発生回路9と第2の基準電圧発生回路10とに供
給され、位置信号形成回路15が生成する傾斜信号st
と反転傾斜信号sdはそれぞれ第1の基準電圧発生回路
9と第2の基準電圧発生回路10とに供給されるように
構成されている。詳しくは、以下において、順次に説明
していく。
【0025】図2は位置検出回路1を構成する逆起電力
検出回路14の一つの具体例の回路構成図で、モータの
定常回転状態におけるその各部信号波形を図3に示す。
【0026】図2において、31,32,33は比較回
路で、それぞれの正入力端子(+)には固定子巻線1
1,12,13の各給電端子A,B,Cが接続されて誘
起された逆起電力a,b,cが入力され、負入力端子
(−)には固定子巻線11,12,13の中性点oが接
続されている。34,35,36はアンド回路で、それ
ぞれ比較回路31,32と比較回路32,33および比
較回路33,31の各出力が接続されている。37は3
入力のオア回路で、アンド回路34,35,36の各出
力が入力されて整形信号mを出力するようになってい
る。
【0027】図2に示す逆起電力検出回路14の動作に
ついて、図3を用いて説明する。定常回転状態におい
て、固定子巻線11,12,13には図3に示す3相の
逆起電力a,b,cが誘起される。比較回路31,3
2,33の入力端子には、それぞれ固定子巻線11,1
2,13の両端電圧が入力され、両端電圧がゼロになる
時点において変化する3相の比較信号u,v,wを得て
いる。固定子巻線11,12,13の両端電圧は、巻線
に流れる電流と巻線抵抗により発生する電圧降下と永久
磁石回転子27の回転により誘起される逆起電力とが合
成された電圧であるが、逆起電力a,b,cのゼロクロ
ス点において巻線に供給される電流はゼロなので、3相
の比較信号u,v,wのエッジは各逆起電力a,b,c
のゼロクロス点に対応する。比較信号u,v,wは、ア
ンド回路34,35,36とオア回路37によって論理
合成され、図3に示す整形信号mを得ている。整形信号
mの立ち上がりエッジは各逆起電力a,b,cの立ち上
がり側のゼロクロス点に対応し、整形信号mの立ち下が
りエッジは各逆起電力a,b,cの立ち下がり側のゼロ
クロス点に対応している。この整形信号mは、1周期
(360度)を3分周したものに相当し、1つの矩形波
の電気角は60度である。整形信号mは、位置信号形成
回路15と第1の基準電圧発生回路9と第2の基準電圧
発生回路10とに供給されている。
【0028】図4は位置検出回路1を構成する位置信号
形成回路15の一つの具体例を示す回路構成図である。
図4において、45は論理パルス発生回路、46は傾斜
信号発生回路、47は信号合成回路である。論理パルス
発生回路45については、図5に具体的構成を示し、動
作波形を図6で説明する。傾斜信号発生回路46につい
ては、図7に具体的構成を示し、動作波形を図8で説明
する。信号合成回路47については、図9に具体的構成
を示し、動作波形を図10で説明する。
【0029】逆起電力検出回路14で得られた整形信号
mは、論理パルス発生回路45と傾斜信号発生回路46
に入力される。論理パルス発生回路45は入力された整
形信号mを分周して固定子巻線11,12,13に誘起
される逆起電力a,b,cと同じ周波数の6相のパルス
p1,p2,p3,p4,p5,p6を出力する(図6
参照)。傾斜信号発生回路46は入力された整形信号m
に応じて傾斜信号stを発生する(図8参照)。信号合
成回路47は、論理パルス発生回路45で発生された6
相のパルスp1,p2,p3,p4,p5,p6と傾斜
信号発生回路46で発生された傾斜信号stとを入力
し、傾斜信号stと6相のパルスp1,p2,p3,p
4,p5,p6をもとに6相の台形波状の位置信号d,
e,f,g,h,iを合成する(図10参照)。信号合
成回路47で合成された6相の位置信号d,e,f,
g,h,iのうち、位置信号g,i,eは第1の分配制
御回路2における第1の分配回路41に入力され、位置
信号d,f,hは第2の分配制御回路3における第2の
分配回路43に入力される。
【0030】図5は位置信号形成回路15を構成する論
理パルス発生回路45の一つの具体例の回路構成図、図
6はその各部信号波形を示す波形図である。
【0031】図5に示す論理パルス発生回路45は6相
のリングカウンタで構成されており、整形信号mが入力
されると、6つの出力端子には図6に示す6相のパルス
p1,p2,p3,p4,p5,p6が出力される。各
パルスp1,p2,p3,p4,p5,p6のパルス幅
は電気角で60度である。これらの6相のパルスp1,
p2,p3,p4,p5,p6は、図9に示す信号合成
回路47にそれぞれ出力される。
【0032】図7は位置信号形成回路15を構成する傾
斜信号発生回路46の一つの具体例の回路構成図、図8
は定常回転状態における各部信号波形を示す波形図であ
る。
【0033】図7において、52は両エッジ微分回路
で、入力される整形信号mの両エッジのタイミングで微
分パルスnを作る。50は微分パルスnに応じて鋸歯状
の傾斜信号stを発生するための充放電用コンデンサ、
51は充放電用コンデンサ50に充電電流を供給するた
めの定電流源回路で、充電電流の大きさはIである。5
3は充放電用コンデンサ50に蓄えられた電荷を放電さ
せるためのスイッチ回路である。微分パルスnはスイッ
チ回路53の開閉動作を行う。すなわち、微分パルスn
が“H”のときはスイッチを閉じ、微分パルス信号nが
“L”のときはスイッチを開く。54は入力が充放電用
コンデンサ50に接続されたバッファアンプである。バ
ッファアンプ54の出力端子が傾斜信号発生回路46の
出力端子となり、傾斜信号stを出力する。
【0034】図7に示す傾斜信号発生回路46の動作に
ついて、永久磁石回転子27が定常回転しているときに
ついて図8を参照して説明する。
【0035】図8において、mは逆起電力検出回路14
から両エッジ微分回路52に入力される整形信号で、n
は両エッジ微分回路52により整形信号mの両エッジの
タイミングで発生された微分パルスである。回転子27
が回転している場合には、定電流源回路51の電流Iに
よって充放電用コンデンサ50を充電する。ところが、
整形信号mの立ち上がり、立ち下がりの各エッジのタイ
ミングで微分パルスnが“H”になるとスイッチ回路5
3が閉じ、コンデンサ50の電荷を瞬時に放電し、アー
ス電位となる。微分パルスnが“L”になるとスイッチ
回路53が開き、定電流源回路51の電流が再び充放電
用コンデンサ50に充電され、その両端電圧は所定の傾
斜で大きくなっていく。再び微分パルスnが“H”にな
るとコンデンサ50の電荷を瞬時に放電する。その結
果、コンデンサ50の端子電圧は、バッファアンプ54
を介して鋸歯状波形の傾斜信号stとして後段の信号合
成回路47に出力される。なお、この傾斜信号stは図
1における第1の基準電圧発生回路9および第2の基準
電圧発生回路10にも供給される。
【0036】図9は信号合成回路47の一つの具体例の
回路構成図で、図10はその各部信号波形を示す波形図
である。
【0037】図9において、60は信号合成回路47の
入力端子で、傾斜信号発生回路46からの傾斜信号st
が入力される。63はバッファ回路で、定電圧源62が
接続され、その電圧に応じた所定の定電圧信号sfを出
力する。61は反転バッファ回路で、傾斜信号stと定
電圧信号sfが入力され、定電圧信号sfを基準にして
傾斜信号stを反転した反転傾斜信号sdを得ている。
また、傾斜信号st、定電圧信号sfおよび反転傾斜信
号sdの3つの信号は、各スイッチ回路71,72,7
3,74,75,76にそれぞれ入力されている。な
お、スイッチ回路71,72,73,74,75,76
はそれぞれ同一の構成であるので、スイッチ回路71の
構成だけを示してある。スイッチ回路71において、6
4,65,66はスイッチで、片方はそれぞれ入力端子
60、バッファ回路63の出力端子および反転バッファ
回路61の出力端子に接続され、スイッチ64,65,
66の他方は共通接続されて抵抗器67に接続されてい
る。抵抗器67に得られる電圧信号がスイッチ回路71
の出力となる。
【0038】図9において、スイッチ64,65,66
は、論理パルス発生回路45が出力する6相のパルスp
1,p2,p3,p4,p5,p6のうち3つのパルス
(p1,p2,p3)の出力に応じてオン・オフされ
る。そして、スイッチ回路71の出力端子からは台形波
状の位置信号dが出力される。同様にスイッチ回路7
2,73,74,75,76においては、それぞれ3つ
ずつのパルス(p2,p3,p4)、(p3,p4,p
5)、(p4,p5,p6)、(p5,p6,p1)、
(p6,p1,p2)の出力に応じて3つのスイッチ
(図示しない)がオン・オフされ、それぞれの出力端子
から台形波状の位置信号e,f,g,h,iが出力され
る。
【0039】図9の信号合成回路47の動作について、
図10の各部信号波形を示す波形図を用いて説明する。
【0040】図10において、mは逆起電力検出回路1
4が出力して論理パルス発生回路45と傾斜信号発生回
路46とに入力する整形信号、p1,p2,p3,p
4,p5,p6は論理パルス発生回路45が出力するパ
ルス、stは傾斜信号発生回路46から入力される傾斜
信号を示している。傾斜信号stは反転バッファ回路6
1に入力され、反転バッファ回路61の出力端子から、
定電圧信号sfを基準にして傾斜信号stを反転した反
転傾斜信号sdが得られることになる(sd=sf−s
t)。
【0041】スイッチ回路71を構成するスイッチ6
4,65,66は、論理パルス発生回路45が出力する
パルスp1,p2,p3に応じて、レベル“H”でスイ
ッチが閉じ、レベル“L”でスイッチが開くので、入力
端子60からの傾斜信号st、バッファ回路63からの
定電圧信号sfおよび反転バッファ回路61からの反転
傾斜信号sdが抵抗器67の両端に現れ、台形波状の位
置信号dが得られる。なお、各切り換わり時点におい
て、傾斜信号stと定電圧信号sfとの電圧レベル、定
電圧信号sfと反転傾斜信号sdとの電圧レベルは互い
に等しく、さらにパルスp1,p2,p3がすべて
“L”の区間になると、スイッチ64,65,66のす
べてが開き、抵抗器67の電位はアース電位に等しくな
る。したがって、抵抗器67には整形信号mの立ち上が
りエッジから始まる立ち上がり傾斜部分を有する台形波
状の位置信号dが得られる。
【0042】以下、同様にして、スイッチ回路72,7
3,74,75,76の各出力端子からは、台形波状の
位置信号e,f,g,h,iが出力される。したがっ
て、位置信号形成回路15により整形信号mの立ち上が
り・立ち下がりの各エッジから立ち上がり傾斜の始まる
6相の位置信号d,e,f,g,h,iが得られる。こ
れらの位置信号d,e,f,g,h,iのうち、位置信
号g,i,eが第1の分配制御回路2における第1の分
配回路41に供給され、位置信号d,f,hが第2の分
配制御回路3における第2の分配回路43に供給され
る。なお、反転バッファ回路61で生成された反転傾斜
信号sdは図1における第1の基準電圧発生回路9およ
び第2の基準電圧発生回路10にも供給される。
【0043】次に、図1に示す第1の動作電圧検出回路
7の具体的構成について説明する。図11は第1の動作
電圧検出回路7の一つの具体例の回路構成図である。図
11において、81,82,83,84はダイオード
で、それぞれアノード端子が共通接続され、ダイオード
81,82,83のカソード端子はそれぞれ3相の固定
子巻線11,12,13の電流給電端子A,B,Cに接
続されている。85は抵抗器で、抵抗器85の片方は接
地され、他方にはダイオード84のカソード端子が接続
されている。86は定電流源回路で、ダイオード81,
82,83,84のアノード共通端子に一定電流を供給
している。87はこの第1の動作電圧検出回路7の出力
端子である。
【0044】電流給電端子A,B,Cに接続されている
3個のダイオード81,82,83のうちカソード電位
の最も低いダイオードがオンされる。するとダイオード
のアノード共通端子の電位はオン状態のダイオードの順
方向電圧分だけ上昇し、定電流源回路86の出力電流は
ダイオード84を介して抵抗器85にも供給される。し
たがって、抵抗器85にはアノード共通端子の電位より
順方向電圧分だけ下降した電圧が発生する。すなわち、
第1の動作電圧検出回路7の出力端子87からは3相の
固定子巻線11,12,13の電流給電端子A,B,C
のうち最小の電圧値の信号である最小動作電圧Lが出力
される。
【0045】次に、図1に示す第2の動作電圧検出回路
8の具体的構成について説明する。図12は第2の動作
電圧検出回路8の一つの具体例の回路構成図である。図
12において、91,92,93はダイオードで、それ
ぞれカソード端子が共通接続され、ダイオード91,9
2,93のアノード端子はそれぞれ3相の固定子巻線1
1,12,13の電流給電端子A,B,Cに接続されて
いる。94はPNP型のトランジスタで、エミッタは抵
抗器96を介してスイッチング制御方式の電圧変換回路
4(出力電圧はVM)に接続され、コレクタは抵抗器9
5を介して接地されている。トランジスタ94のベース
はダイオード91,92,93の共通接続されたカソー
ド端子に接続されている。97は定電流源回路で、ダイ
オード91,92,93のカソード共通端子とトランジ
スタ94のベースより一定電流を引き出している。98
はこの第2の動作電圧検出回路8の出力端子である。
【0046】電流給電端子A,B,Cに接続されている
3個のダイオード91,92,93のうちアノード電位
の最も高いダイオードだけがオンされる。するとダイオ
ードのカソード共通端子の電位はオン状態のダイオード
の順方向電圧分だけ下降する。トランジスタ94のベー
スはダイオード91,92,93のカソード共通端子に
接続され、トランジスタ94のエミッタ・ベース間の電
圧はオン状態のダイオード順方向電圧に等しいので、ト
ランジスタ94のエミッタの電位はちょうど電流給電端
子A,B,Cのうち最も高い電位と等しくなる(大きさ
はVE)。抵抗器96の片方は電圧変換回路4に接続さ
れ、その電位はVMであるので、抵抗器96には(VM
−VE)の電位差に応じた電流が流れ、トランジスタ9
4のエミッタに流れる電流とほぼ等しい電流がトランジ
スタ94のコレクタに流れる。したがって、抵抗器95
と抵抗器96の抵抗値を等しく選べば抵抗器95の両端
には、抵抗器96の両端と同じ(VM−VE)の電位差
が発生する。すなわち、第2の動作電圧検出回路8の出
力端子98からは電圧変換回路4の出力電圧VMと3相
の固定子巻線11,12,13の電流給電端子A,B,
Cのうちの最も高い電位VEとの差の電圧(VM−V
E)、すなわち電流給電端子A,B,Cのうち電圧変換
回路4の出力電圧VMとの差が最も小さい電圧値の信号
である最小動作電圧Uが出力される。
【0047】図1に示す第1の分配制御回路2におい
て、位置検出回路1により形成された3相の位置信号
g,i,eは第1の分配回路41に入力される。第1の
分配回路41は一種の乗算器で構成されており、第1の
分配回路41に入力される位置信号g,i,eを第1の
比較制御回路42の制御信号CLに応じて大きさを変化
させた電流信号g′,i′,e′を第1の駆動トランジ
スタ群5aを構成する駆動トランジスタ21,22,2
3の各ベースに出力する。3相の電流信号g′,i′,
e′は、駆動トランジスタ21,22,23の通電を制
御する。第1の比較制御回路42は指令端子6に入力さ
れる指令信号と電流検出用抵抗器40に得られた電圧と
を比較し、制御信号CLを第1の分配回路41に入力
し、3相の固定子巻線11,12,13に供給される電
流の大きさが指令端子6に入力される指令信号に応じて
制御される。
【0048】図1に示す第2の分配制御回路3について
は、位置検出回路1により形成された3相の位置信号
d,f,hは第2の分配回路43に入力される。第2の
分配回路43も一種の乗算器で構成されており、第2の
分配回路43に入力される位置信号d,f,hを第2の
比較制御回路44の制御信号CUに応じて大きさを変化
させた電流信号d′,f′,h′を第2の駆動トランジ
スタ群5bを構成する駆動トランジスタ24,25,2
6の各ベースに出力する。3相の電流信号d′,f′,
h′は、駆動トランジスタ24,25,26の通電を制
御する。第2の比較制御回路44は第1の基準電圧発生
回路9が発生する第1の基準電圧信号E1と第1の動作
電圧検出回路7により得られた最小動作電圧Lとを比較
し、制御信号CUを第2の分配回路43に出力する。第
2の分配回路43が出力する電流信号d′,f′,h′
は駆動トランジスタ24,25,26のベースに入力さ
れ、第2の駆動トランジスタ群5bの出力電流を制御す
るので、3相の固定子巻線11,12,13の電流給電
端子A,B,Cの最小電圧が第1の基準電圧信号E1に
等しくなるように制御される。
【0049】同様にして、電圧制御回路30は、第2の
基準電圧発生回路10が発生する第2の基準電圧信号E
2と第2の動作電圧検出回路8で得られた最小動作電圧
Uとを比較し、制御信号CSを電圧変換回路4のスイッ
チング制御回路100に出力し、スイッチング制御回路
100は給電制御用スイッチングトランジスタ101を
制御して直流電源20の出力電圧VSを調整し、出力電
圧VMとして第2の駆動トランジスタ群5bに出力す
る。したがって、出力電圧VMと3相の固定子巻線1
1,12,13の電流給電端子A,B,Cの電圧差が第
2の基準電圧信号E2に等しくなるように制御される。
すなわち、第2の駆動トランジスタ群5bを構成する駆
動トランジスタ24,25,26のエミッタ・コレクタ
間の最小動作電圧が第2の基準電圧信号E2に等しくな
るように制御される。
【0050】以上のような信号処理により得られた信号
でモータを駆動したときの各部波形を図16および図1
7に示す。図16および図17は、従来の技術の場合の
ブラシレス直流モータの問題点を指摘することにより、
図15のように制御することでその問題点を解消したこ
とを示すための比較例として記載しているものである。
すなわち、図16は、第1の基準電圧信号E1および第
2の基準電圧信号E2を十分大きく設定したときには、
固定子巻線11,12,13に対して歪みのない正確な
台形波状の駆動電流Ia,Ib,Icを流すことができ
るが、反面で、駆動トランジスタ21,22,23およ
び駆動トランジスタ24,25,26のエミッタ・コレ
クタ間の動作電圧を大きく設定することになって各駆動
トランジスタでの電力損失が大きくなることを示そうと
している。そして、図17は、電力損失を抑えるために
第1の基準電圧信号E1および第2の基準電圧信号E2
を十分小さく設定したときには、駆動トランジスタが飽
和領域で動作することになり、エミッタ・コレクタ間の
動作電圧が不足するため、固定子巻線11,12,13
に流れる駆動電流Ia,Ib,Icが相切換期間におい
て歪みを生じるようになることを示そうとしている。
【0051】図16は、第1の基準電圧発生回路9が発
生する第1の基準電圧信号E1と第2の基準電圧発生回
路10が発生する第2の基準電圧信号E2の大きさを一
定電圧で十分大きく設定したときの各部波形を示す。図
16において、a,b,cは固定子巻線11,12,1
3に誘起される逆起電力、VA,VB,VCは3相の固
定子巻線11,12,13の電流給電端子A,B,Cの
電圧波形を示す。mは位置検出回路1における逆起電力
検出回路14が出力する整形信号である。g′,i′,
e′は第1の分配制御回路2より第1の駆動トランジス
タ群5aを構成する駆動トランジスタ21,22,23
のベースに入力される台形波状の3相の電流信号、
d′,f′,h′は第2の分配制御回路3より第2の駆
動トランジスタ群5bを構成する駆動トランジスタ2
4,25,26のベースから電流を引き出すように入力
される台形波状の3相の電流信号である。電流信号
d′,f′,h′については波形の正負は反転して考え
るべきである。Ia,Ib,Icは3相の固定子巻線1
1,12,13に通電される台形波状の駆動電流であ
る。
【0052】駆動トランジスタ21,22,23および
駆動トランジスタ24,25,26はそれぞれ電気特性
の揃ったトランジスタを使用するので、第1の基準電圧
信号E1と第2の基準電圧信号E2の大きさを十分大き
く設定した場合は、駆動トランジスタ21,22,23
および駆動トランジスタ24,25,26のエミッタ・
コレクタ間の動作電圧も十分大きいので、それぞれのト
ランジスタの電流増幅率(hfe)は十分に大きくばらつ
きも少ない。したがって、3相の固定子巻線11,1
2,13の駆動電流Ia,Ib,Icは、駆動トランジ
スタ21,22,23のベースに入力される台形波状の
3相の電流信号g′,i′,e′および駆動トランジス
タ24,25,26のベースに入力される台形波状の3
相の電流信号d′,f′,h′を等しく電流増幅するこ
とができ、歪みのない正確な台形波状の駆動電流Ia,
Ib,Icを3相の固定子巻線11,12,13に通電
させることができる。
【0053】図16に示す期間(1)においては、ベー
スから引き込む電流信号d′が大きいので駆動トランジ
スタ24はオンとなるのに対して、引き込む電流信号
f′,h′はゼロであるので駆動トランジスタ25,2
6はオフとなり、また、ベースに流入する電流信号g′
はゼロであるので駆動トランジスタ21はオフとなり、
縦続接続の駆動トランジスタ24,21の同時オンを防
止する。そして、ベースに流入する電流信号i′が次第
に減少する駆動トランジスタ22のオン状態は次第に低
下し、流入する電流信号e′が次第に増加する駆動トラ
ンジスタ23のオン状態は次第に増大し、両駆動トラン
ジスタ22,23の総合導通量は一定に保たれる。した
がって、固定子巻線11には駆動トランジスタ24より
駆動電流Iaが流し込まれ、固定子巻線11に対して中
性点oに向かって流し込まれる駆動電流Iaは中性点o
で固定子巻線12,13に分流され、固定子巻線12に
は中性点oから流れ出す駆動電流Ibが通電され、固定
子巻線13には中性点oから流れ出す駆動電流Icが通
電される。固定子巻線12,13に通電される駆動電流
Ib,Icは駆動トランジスタ22,23を介して引き
出される。
【0054】期間(1)において、第2の駆動トランジ
スタ群5bを構成する3個の駆動トランジスタ24,2
5,26のうちオンとなっているのは駆動電流Iaを流
す1つの駆動トランジスタ24のみであり、この駆動ト
ランジスタ24については1相通電期間T1となってい
る。また、第1の駆動トランジスタ群5aを構成する3
個の駆動トランジスタ21,22,23のうち2つの駆
動トランジスタ22,23がオンとなっていて、駆動電
流Ib,Icの相切換が行われているので、これらの駆
動トランジスタ22,23については相切換期間T2と
なっている。
【0055】また、図16に示す期間(2)において
は、ベースから引き込む電流信号d′が次第に減少する
ので駆動トランジスタ24のオン状態が次第に低下し、
固定子巻線11に対して中性点oに向かって流し込まれ
る駆動電流Iaは次第に減少し、一方、引き込む電流信
号f′が次第に増加するので駆動トランジスタ25のオ
ン状態が次第に増大し、固定子巻線12に対して中性点
oに向かって流し込まれる駆動電流Ibは次第に増加
し、両駆動電流の合計(Ia+Ib)は一定である。固
定子巻線11,12に対して中性点oに向かって流し込
まれる駆動電流Ia,Ibは、今度は中性点oで合流さ
れ、固定子巻線13には中性点oから流れ出す駆動電流
Ic(=Ia+Ib)が通電され、固定子巻線13に通
電される駆動電流Icは駆動トランジスタ23を介して
引き出される。
【0056】期間(2)において、第1の駆動トランジ
スタ群5aを構成する3個の駆動トランジスタ21,2
2,23のうちオンとなっているのは駆動電流Icを流
す1つの駆動トランジスタ23のみであり、この駆動ト
ランジスタ23については1相通電期間T1となってい
る。また、第2の駆動トランジスタ群5bを構成する3
個の駆動トランジスタ24,25,26のうち2つの駆
動トランジスタ24,25がオンとなっていて、駆動電
流Ia,Ibの相切換が行われているので、これらの駆
動トランジスタ24,25については相切換期間T2と
なっている。
【0057】期間(1),(2)以外の期間においても
同様の動作が行われる。
【0058】以上のように、第1の基準電圧信号E1と
第2の基準電圧信号E2を十分大きく設定した場合は、
各駆動トランジスタ2のエミッタ・コレクタ間の動作電
圧も十分大きくそれぞれの電流増幅率(hfe)が十分に
大きいので、3相の固定子巻線11,12,13に対し
て相切換期間T2においても歪みを発生させない正確な
台形波状の駆動電流Ia,Ib,Icを通電させること
ができる。
【0059】しかしながら、第1の基準電圧信号E1と
第2の基準電圧信号E2の大きさを十分大きく選び、駆
動トランジスタ21,22,23および駆動トランジス
タ24,25,26のエミッタ・コレクタ間の動作電圧
を大きく設定すれば、駆動トランジスタでの電力損失が
大きくなるという問題がある。
【0060】そこで、モータ駆動の電力効率を高めるた
めには、駆動トランジスタ21,22,23および駆動
トランジスタ24,25,26のエミッタ・コレクタ間
の動作電圧をできるだけ小さく設定する必要がある。こ
れが図17の場合である。
【0061】図17は、第1の基準電圧発生回路9が発
生する第1の基準電圧信号E1と第2の基準電圧発生回
路10が発生する第2の基準電圧信号E2の大きさを十
分小さく設定したとき(それぞれの値をE1′,E2′
とする)の各部波形を示す。図17において、a,b,
cは固定子巻線11,12,13に誘起される逆起電
力、mは位置検出回路1において逆起電力検出回路14
が出力する整形信号で、図16と同一の波形である。V
A,VB,VCは3相の固定子巻線11,12,13の
電流給電端子A,B,Cの電圧波形を示し、それぞれの
電圧の値は図16の各々に比べて低くなっている。I
a,Ib,Icは、第1の基準電圧発生回路9が発生す
る第1の基準電圧信号E1′と第2の基準電圧発生回路
10が発生する第2の基準電圧信号E2′の大きさを小
さく設定したときの3相の固定子巻線11,12,13
に通電されるほぼ台形波状の駆動電流である。
【0062】図17に示す期間(1)においては、固定
子巻線11に駆動トランジスタ24より流し込まれる電
流Iaは、図16と同様に一定の電流波形である。一
方、固定子巻線11に流し込まれた駆動電流Iaが中性
点oで固定子巻線12,13に分流された後、固定子巻
線12(電流Ib)から固定子巻線13(電流Ic)へ
電流の相切換が行われるときは、固定子巻線12,13
に通電される電流を制御する駆動トランジスタ22,2
3のエミッタ・コレクタ間の動作電圧は、第1の基準電
圧信号E1′の大きさを十分小さく設定しているため、
駆動トランジスタ22,23は、期間(1)においては
トランジスタの飽和領域で動作している。
【0063】したがって、駆動トランジスタ22,23
の電流増幅率(hfe)は、トランジスタのエミッタ・コ
レクタ間の動作電圧(ほぼ図17のVB,VCの波形に
等しい)に極めて依存する。その結果、固定子巻線1
2,13に通電されるそれぞれの駆動電流Ib,Icは
電流切換が滑らかに行われず、駆動電流Ib,Icは波
形歪みを発生する。すなわち、駆動トランジスタ24に
ついての1相通電期間T1では駆動電流Iaに歪みは発
生しないが、駆動トランジスタ22,23についての相
切換期間T2においては駆動電流Ib,Icに歪みが発
生する。
【0064】同様に、図17に示す期間(2)において
は、固定子巻線11,12へそれぞれ駆動トランジスタ
24,25より流し込まれる駆動電流Ia,Ibの合計
(Ia+Ib)は一定で、これらの駆動電流Ia,Ib
は中性点oで合流され固定子巻線13に電流Ic(=I
a+Ib)が通電され、固定子巻線13より駆動トラン
ジスタ23を介して電流が引き出される。図17の期間
(2)では、固定子巻線13から駆動トランジスタ23
より引き出される電流Icは、図16と同様に一定の電
流波形である。一方、固定子巻線11(電流Ia)から
固定子巻線12(電流Ib)へ電流の相切換が行われる
ときは、固定子巻線11,12に通電される電流を制御
する駆動トランジスタ24,25のエミッタ・コレクタ
間の動作電圧は、第2の基準電圧信号E2′の大きさを
十分小さく設定しているため、駆動トランジスタ24,
25は、期間(2)においてはトランジスタの飽和領域
で動作している。したがって、駆動トランジスタ24,
25の電流増幅率(hfe)は、トランジスタのエミッタ
・コレクタ間の動作電圧(ほぼ図17のVM−VA,V
M−VBの波形に等しい)に極めて依存する。その結
果、固定子巻線11,12に通電されるそれぞれの電流
Ia,Ibは電流切換が滑らかに行われず、駆動電流I
a,Ibは波形歪みを発生する。すなわち、駆動トラン
ジスタ23についての1相通電期間T1では駆動電流I
cに歪みは発生しないが、駆動トランジスタ24,25
についての相切換期間T2においては駆動電流Ia,I
bに歪みが発生する。
【0065】期間(1),(2)以外の期間においても
同様の動作が行われる。すなわち、電力損失を抑えるた
めに第1の基準電圧信号E1および第2の基準電圧信号
E2を十分小さく設定したときには、駆動トランジスタ
が飽和領域で動作することになり、エミッタ・コレクタ
間の動作電圧が不足するため、固定子巻線11,12,
13に流れる駆動電流Ia,Ib,Icが相切換期間に
おいて歪みを生じ、このような状態でモータを駆動する
と振動・騒音を発生するという問題がある。
【0066】このような問題を解決するために、本発明
の実施の形態に係るブラシレス直流モータにおいては、
図15のような波形となるように制御するように構成し
てある。図15は、本発明の実施の形態において、第1
の基準電圧発生回路9が発生する第1の基準電圧信号E
1と第2の基準電圧発生回路10が発生する第2の基準
電圧信号E2の大きさを位置検出回路1が出力する整形
信号mのタイミングに同期して連続的に変化させるよう
に構成したときの波形図である。
【0067】すなわち、図15に示すように、第1の基
準電圧発生回路9が発生する第1の基準電圧信号E1
は、整形信号mの立ち下がりエッジのタイミングから傾
斜状に増大し整形信号mの“L”の期間の中間点を頂点
として今度は傾斜状に減少するように変化させる。一
方、第2の基準電圧発生回路10が発生する第2の基準
電圧信号E2は、逆に、整形信号mの立ち上がりエッジ
のタイミングから傾斜状に増大し整形信号mの“H”の
期間の中間点を頂点として今度は傾斜状に減少するよう
に変化させる。
【0068】以下、このような第1の基準電圧信号E1
と第2の基準電圧信号E2とを発生させる構成および動
作について詳しく説明する。
【0069】図13は、本発明の実施の形態に係るブラ
シレス直流モータにおける第1の基準電圧発生回路9お
よび第2の基準電圧発生回路10の一つの具体例の回路
構成図、図14は定常回転状態における各部信号波形を
示す波形図である。
【0070】図13において、111,112,113
はダイオードで、それぞれアノード端子を共通接続さ
れ、ダイオード111,112のカソード端子には、そ
れぞれ位置検出回路1が出力する傾斜信号stと反転傾
斜信号sdが入力されるように構成されている。114
は抵抗器で、抵抗器114の片方は接地され、他方には
ダイオード113のカソード端子が接続されている。1
15は定電流源回路で、ダイオード111,112,1
13のアノード共通端子に一定電流を供給している。し
たがって、位置検出回路1が出力する傾斜信号stと反
転傾斜信号sdが接続されている2個のダイオード11
1,112のうちカソード電位の低いダイオードがオン
される。するとダイオードのアノード共通端子の電位は
オン状態のダイオードの順方向電圧分だけ上昇し、定電
流源回路115の出力電流Iはダイオード113を介し
て抵抗器114にも供給される。したがって、抵抗器1
14にはアノード共通端子の電位より順方向電圧分だけ
下降した電圧が発生する。すなわち、抵抗器114の両
端には傾斜信号stと反転傾斜信号sdとのうち大きく
ない方の電圧をもつ三角波状の最小電圧信号ssが出力
される。
【0071】抵抗器114の両端に得られた最小電圧信
号ssは、各スイッチ回路121,131にそれぞれ入
力されている。スイッチ回路121,131の他方は、
それぞれレベルシフト回路122,123に接続されて
いる。位置検出回路1が出力する整形信号mに応じてス
イッチ回路121,131がオン・オフされる。スイッ
チ回路121は、整形信号mがレベル“H”のときに開
き、レベル“L”のときに閉じるように構成され、逆
に、スイッチ回路131は、整形信号mがレベル“H”
のときに閉じ、レベル“L”のときに開くように構成さ
れている。つまり、スイッチ回路121とスイッチ回路
131とは互いに逆相でスイッチングされるようになっ
ている。レベルシフト回路122は2入力端子を有し、
片方にはスイッチ回路121を介して最小電圧信号ss
が入力され、他方には基準電圧回路123の低めに設定
された第1の基準電圧信号E1′が入力され、レベルシ
フト回路122の出力端子からは第1の基準電圧信号E
1が出力されるように構成されている。この部分が第1
の基準電圧発生回路9を構成している。同様にレベルシ
フト回路132の2入力端子のうち、片方にはスイッチ
回路131を介して最小電圧信号ssが入力され、他方
には基準電圧回路133の低めに設定された第2の基準
電圧信号E2′が入力され、レベルシフト回路132の
出力端子からは第2の基準電圧信号E2が出力されるよ
うに構成されている。この部分が第2の基準電圧発生回
路10を構成している。
【0072】次に、図13に示す第1の基準電圧発生回
路9および第2の基準電圧発生回路10の動作を、回転
子27が定常回転している場合について、図14の波形
図を参照して説明する。図14において、mは位置検出
回路1を構成する逆起電力検出回路14が出力する整形
信号、stは位置信号形成回路15における傾斜信号発
生回路46が出力する傾斜信号、sdは信号合成回路4
7を構成する反転バッファ回路61が出力する反転傾斜
信号を示す。ssは図13の抵抗器114の両端に得ら
れた最小電圧信号である。3つのダイオード111,1
12,113と抵抗器114の働きにより、入力されて
きた傾斜信号stと反転傾斜信号sdの大きさを比較
し、小さい方の信号が選択されるので、三角波状の最小
電圧信号ssが得られる。
【0073】第1の基準電圧発生回路9において、整形
信号mが“H”レベルのときはスイッチ回路121はオ
フであるから、レベルシフト回路122は低めに設定さ
れた第1の基準電圧信号E1′を出力し、整形信号mが
“L”レベルのときはスイッチ回路121はオンとなる
から、レベルシフト回路122は低めに設定された第1
の基準電圧信号E1′にスイッチ回路121を介して入
力された最小電圧信号ssを加算した山形の第1の基準
電圧信号E1を出力する。
【0074】同様に、第2の基準電圧発生回路10にお
いて、整形信号mが“L”レベルのときはスイッチ回路
131はオフであるから、レベルシフト回路132は低
めに設定された第2の基準電圧信号E2′を出力し、整
形信号mが“H”レベルのときはスイッチ回路131は
オンとなるから、レベルシフト回路132は低めに設定
された第2の基準電圧信号E2′にスイッチ回路131
を介して入力された最小電圧信号ssを加算した山形の
第2の基準電圧信号E2を出力する。
【0075】以上のように、第1の基準電圧発生回路9
が山形の第1の基準電圧信号E1を出力するタイミング
と第2の基準電圧発生回路10が山形の第2の基準電圧
信号E2を出力するタイミングとは交互となっている。
【0076】図15に示す期間(1)においては、図1
6で説明したのと同様に、ベースから引き込む電流信号
d′が大きいので駆動トランジスタ24はオンとなるの
に対して、引き込む電流信号f′,h′はゼロであるの
で駆動トランジスタ25,26はオフとなり、また、ベ
ースに流入する電流信号g′はゼロであるので駆動トラ
ンジスタ21はオフとなり、縦続接続の駆動トランジス
タ24,21の同時オンを防止する。そして、ベースに
流入する電流信号i′が次第に減少する駆動トランジス
タ22のオン状態は次第に低下し、流入する電流信号
e′が次第に増加する駆動トランジスタ23のオン状態
は次第に増大し、両駆動トランジスタ22,23の総合
導通量は一定に保たれる。したがって、固定子巻線11
には駆動トランジスタ24より駆動電流Iaが流し込ま
れ、固定子巻線11に対して中性点oに向かって流し込
まれる駆動電流Iaは中性点oで固定子巻線12,13
に分流され、固定子巻線12には中性点oから流れ出す
駆動電流Ibが通電され、固定子巻線13には中性点o
から流れ出す駆動電流Icが通電される。固定子巻線1
2,13に通電される駆動電流Ib,Icは駆動トラン
ジスタ22,23を介して引き出される。
【0077】期間(1)において、第2の駆動トランジ
スタ群5bを構成する3個の駆動トランジスタ24,2
5,26のうちオンとなっているのは駆動電流Iaを流
す1つの駆動トランジスタ24のみであり、この駆動ト
ランジスタ24については1相通電期間T1となってい
る。この駆動トランジスタ24についての1相通電期間
T1においては、固定子巻線11に流し込まれる駆動電
流Iaは一定の値を保っている。この1相通電期間T1
においては、第2の基準電圧発生回路10が出力する基
準電圧は、整形信号mが“L”レベルでスイッチ回路1
31がオフであるから低めに設定された第2の基準電圧
信号E2′となり、駆動トランジスタ24でのエミッタ
・コレクタ間の動作電圧が低いので電力損失は少ない。
【0078】また、期間(1)において、第1の駆動ト
ランジスタ群5aを構成する3個の駆動トランジスタ2
1,22,23のうち2つの駆動トランジスタ22,2
3がオンとなっていて、駆動電流Ib,Icの相切換が
行われているので、これらの駆動トランジスタ22,2
3については相切換期間T2となっている。これら駆動
トランジスタ22,23についての相切換期間T2にお
いては、第1の基準電圧発生回路9が出力する基準電圧
は、整形信号mが“L”レベルでスイッチ回路121が
オンであるため低めに設定された第1の基準電圧信号E
1′に最小電圧信号ssが加算された高めの第1の基準
電圧信号E1となり、駆動トランジスタ22,23のエ
ミッタ・コレクタ間の動作電圧は十分に大きなものとな
る。したがって、図17の場合のように駆動トランジス
タ22,23の電流増幅率(hfe)がトランジスタのエ
ミッタ・コレクタ間の動作電圧(ほぼ図17のVB,V
Cの波形に等しい)に依存するといったことはなく、ま
た、電流給電端子B,Cの電圧VB,VCの波形も滑ら
かになるため、固定子巻線12,13に通電されるそれ
ぞれの駆動電流Ib,Icは電流切換が滑らかに行われ
ることになり、相切換期間T2であっても、駆動電流I
b,Icには波形歪みが発生しない。
【0079】また、図15に示す期間(2)において
は、図16で説明したのと同様に、ベースから引き込む
電流信号d′が次第に減少するので駆動トランジスタ2
4のオン状態が次第に低下し、固定子巻線11に対して
中性点oに向かって流し込まれる駆動電流Iaは次第に
減少し、一方、引き込む電流信号f′が次第に増加する
ので駆動トランジスタ25のオン状態が次第に増大し、
固定子巻線12に対して中性点oに向かって流し込まれ
る駆動電流Ibは次第に増加し、両駆動電流の合計(I
a+Ib)は一定である。固定子巻線11,12に対し
て中性点oに向かって流し込まれる駆動電流Ia,Ib
は、今度は中性点oで合流され、固定子巻線13には中
性点oから流れ出す駆動電流Ic(=Ia+Ib)が通
電され、固定子巻線13に通電される駆動電流Icは駆
動トランジスタ23を介して引き出される。
【0080】期間(2)において、第1の駆動トランジ
スタ群5aを構成する3個の駆動トランジスタ21,2
2,23のうちオンとなっているのは駆動電流Icを流
す1つの駆動トランジスタ23のみであり、この駆動ト
ランジスタ23については1相通電期間T1となってい
る。この駆動トランジスタ23についての1相通電期間
T1においては、固定子巻線13に流れるる駆動電流I
cは一定の値を保っている。この1相通電期間T1にお
いては、第1の基準電圧発生回路9が出力する基準電圧
は、整形信号mが“H”レベルでスイッチ回路121が
オフであるから低めに設定された第1の基準電圧信号E
1′となり、駆動トランジスタ23でのエミッタ・コレ
クタ間の動作電圧が低いので電力損失は少ない。
【0081】また、期間(2)において、第2の駆動ト
ランジスタ群5bを構成する3個の駆動トランジスタ2
4,25,26のうち2つの駆動トランジスタ24,2
5がオンとなっていて、駆動電流Ia,Ibの相切換が
行われているので、これらの駆動トランジスタ24,2
5については相切換期間T2となっている。これら駆動
トランジスタ24,25についての相切換期間T2にお
いては、第2の基準電圧発生回路10が出力する基準電
圧は、整形信号mが“H”レベルでスイッチ回路131
がオンであるため低めに設定された第2の基準電圧信号
E2′に最小電圧信号ssが加算された高めの第2の基
準電圧信号E2となり、駆動トランジスタ24,25の
エミッタ・コレクタ間の動作電圧は十分に大きなものと
なる。したがって、図17の場合のように駆動トランジ
スタ24,25の電流増幅率(hfe)がトランジスタの
エミッタ・コレクタ間の動作電圧(ほぼ図17のVM−
VA,VM−VBの波形に等しい)に依存するといった
ことはなく、また、電流給電端子A,Bの電圧VA,V
Bの波形も滑らかになるため、固定子巻線11,12に
通電されるそれぞれの駆動電流Ia,Ibは電流切換が
滑らかに行われることになり、相切換期間T2であって
も、駆動電流Ia,Ibには波形歪みが発生しない。
【0082】期間(1),(2)以外の期間においても
同様の動作が行われる。
【0083】以上のように構成することにより、第1の
駆動トランジスタ群5aを構成する3個の駆動トランジ
スタ21,22,23で、固定子巻線11,12,13
の駆動電流の相切換の行われる相切換期間T2において
は、第1の基準電圧発生回路9から高めの第1の基準電
圧信号E1を出力することによって駆動トランジスタ2
1,22,23のエミッタ・コレクタ間の動作電圧を十
分高く設定し、飽和領域での動作を避ける一方、相切換
の完了した1相通電期間T1においては、駆動トランジ
スタ21,22,23のエミッタ・コレクタ間の動作電
圧はもともと低めに設定されていた第1の基準電圧信号
E1′の出力に基づいて十分低く設定される。同様に、
第2の駆動トランジスタ群5bを構成する3個の駆動ト
ランジスタ24,25,26の駆動電流の相切換の行わ
れる相切換期間T2においては、第2の基準電圧発生回
路10から高めの第2の基準電圧信号E2を出力するこ
とによって駆動トランジスタ24,25,26のエミッ
タ・コレクタ間の動作電圧を十分高く設定し、飽和領域
での動作を避ける一方、相切換の完了した1相通電期間
T1においては、駆動トランジスタ24,25,26の
エミッタ・コレクタ間の動作電圧はもともと低めに設定
されていた第2の基準電圧信号E2′の出力に基づいて
十分低く設定される。
【0084】以上のことから明らかなように、基本的に
は低めに設定された第1の基準電圧信号E1′と第2の
基準電圧信号E2′を出力することにより、駆動トラン
ジスタ21,22,23および駆動トランジスタ24,
25,26のエミッタ・コレクタ間の動作電圧を小さく
設定することができるので、駆動トランジスタでの電力
損失を小さく抑えることができる。しかも、高めの第1
の基準電圧信号E1と第2の基準電圧信号E2として、
逆起電力検出回路14の出力する整形信号mのタイミン
グで山形に変化させることにより、固定子巻線11,1
2,13の駆動電流の相切換動作が波形歪みの発生なし
に滑らかに行われるので、振動・騒音が非常に少ないブ
ラシレス直流モータの駆動が可能となる。
【0085】なお、図13に示した第1の基準電圧発生
回路9および第2の基準電圧発生回路10では、低めに
設定された第1の基準電圧信号E1′および第2の基準
電圧信号E2′の大きさは一定としたが、第1の駆動ト
ランジスタ群5aおよび第2の駆動トランジスタ群5b
を構成する駆動トランジスタ21,22,23,24,
25,26のエミッタ・コレクタ間の動作電圧は固定子
巻線への電流供給を指令する指令信号に応じて変化させ
るように構成し、供給電流が大きくなったときには第1
の基準電圧信号E1′および第2の基準電圧信号E2′
の大きさを大きくするように構成してもよい。
【0086】また、上記の実施の形態では、第1の駆動
トランジスタ群5aを構成する3個の駆動トランジスタ
21,22,23のエミッタ・コレクタ間の動作電圧お
よび第2の駆動トランジスタ群5bを構成する3個の駆
動トランジスタ24,25,26のエミッタ・コレクタ
間の動作電圧の大きさをそれぞれ位置検出回路1を構成
する逆起電力検出回路14が出力する整形信号mのタイ
ミングで変化させるように構成したが、例えば第1の駆
動トランジスタ群5aを構成する3個の駆動トランジス
タ21,22,23のエミッタ・コレクタ間の動作電圧
のみを逆起電力検出回路14の出力する整形信号mの出
力で変化させるように構成し、第2の駆動トランジスタ
群5bを構成する3個の駆動トランジスタ24,25,
26は直接直流電源20に接続してもよい。この場合に
はスイッチング制御方式の電圧変換回路4を省略でき、
第1の駆動トランジスタ群5aを構成する3個の駆動ト
ランジスタ21,22,23の電力損失を低減すること
ができるので、電力損失の大きい第2の駆動トランジス
タ群5bを構成する3個の駆動トランジスタ24,2
5,26は外付けのディスクリートトランジスタで構成
し、電力損失が小さく発熱の少ない第1の駆動トランジ
スタ群5aを構成する3個の駆動トランジスタ21,2
2,23は駆動集積回路内に含めて構成することが容易
になる。
【0087】また、上記実施の形態では、位置検出回路
1は固定子巻線11,12,13に発生する逆起電力を
検出して回転子27の位置信号を形成するように構成し
たが、回転子27の磁極に複数個のホール素子を対向さ
せることにより回転子27の位置を直接検出するように
構成してもよいことは言うまでもない。
【0088】また、上記実施の形態では、3相のモータ
に限ったが、相数は3相に限らず何相にでも応用できる
ことは言うまでもない。
【0089】
【発明の効果】以上のように本発明のブラシレス直流モ
ータによれば、第1の駆動トランジスタ群のエミッタ・
コレクタ間の動作電圧を第1の基準電圧発生手段の出力
する基準電圧信号に等しくなるように第2の駆動トラン
ジスタ群の通電電流を制御し、また第2の駆動トランジ
スタ群のエミッタ・コレクタ間の動作電圧を第2の基準
電圧発生手段の出力する基準電圧信号に等しくなるよう
に電圧変換手段の直流出力電圧を制御し、第1の駆動ト
ランジスタ群と第2の駆動トランジスタ群のエミッタ・
コレクタ間の動作電圧を位置検出手段の出力する位置信
号に応動して変化させ、1相通電期間では、駆動電流を
通電している駆動トランジスタのエミッタ・コレクタ間
の動作電圧をできるだけ低く設定するように構成してい
るので、その駆動トランジスタでの電力損失を小さく抑
えることができる。さらに、駆動電流の相切換の行われ
ている相切換期間では、対応する駆動トランジスタのエ
ミッタ・コレクタ間の動作電圧を高めに切り換えている
ので、固定子巻線の駆動電流の相切換動作を滑らかに行
い、ブラシレス直流モータを振動・騒音の非常に少ない
状態で駆動することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るブラシレス直流モー
タの回路構成を示すブロック回路図である。
【図2】実施の形態のブラシレス直流モータにおける位
置検出回路を構成する逆起電力検出回路の一つの具体例
の回路構成図である。
【図3】図2に示す逆起電力検出回路の動作を説明する
ための各部の信号波形図である。
【図4】実施の形態のブラシレス直流モータにおける位
置検出回路を構成する位置信号形成回路の一つの具体例
の回路構成図である。
【図5】実施の形態のブラシレス直流モータにおける位
置信号形成回路を構成する論理パルス発生回路の一つの
具体例の回路構成図である。
【図6】図5に示す論理パルス発生回路の動作を説明す
るための各部の信号波形図である。
【図7】実施の形態のブラシレス直流モータにおける位
置信号形成回路を構成する傾斜信号発生回路の一つの具
体例の回路構成図である。
【図8】図7に示す傾斜信号発生回路の動作を説明する
ための各部の信号波形図である。
【図9】実施の形態のブラシレス直流モータにおける位
置信号形成回路を構成する信号合成回路の一つの具体例
の回路構成図である。
【図10】図9に示す信号合成回路の動作を説明するた
めの各部の信号波形図である。
【図11】実施の形態のブラシレス直流モータにおける
第1の動作電圧検出回路の一つの具体例の回路構成図で
ある。
【図12】実施の形態のブラシレス直流モータにおける
第2の動作電圧検出回路の一つの具体例の回路構成図で
ある。
【図13】実施の形態のブラシレス直流モータにおける
第1の基準電圧発生回路および第2の基準電圧発生回路
の一つの具体例の回路構成図である。
【図14】図16に示す第1の基準電圧発生回路および
第2の基準電圧発生回路の動作を説明するための各部の
信号波形図である。
【図15】実施の形態のブラシレス直流モータにおいて
駆動トランジスタの動作電圧を位置信号に応じて変化さ
せたときの動作を説明するための各部の信号波形図であ
る。
【図16】従来の技術の場合のブラシレス直流モータに
おいて電力損失が大きくなるという問題点を指定するた
めの動作を説明するための各部の信号波形図である。
【図17】従来の技術の場合のブラシレス直流モータに
おいて電力損失を抑えるために第1の基準電圧信号およ
び第2の基準電圧信号を十分低く設定したときに相切換
期間において固定子巻線の駆動電流に波形歪みが発生す
ることになるという問題点を指定するための動作を説明
するための各部の信号波形図である。
【符号の説明】
1……位置検出回路 2……第1の分配制御回路 3……第2の分配制御回路 4……電圧変換回路 5a……第1の駆動トランジスタ群 5b……第2の駆動トランジスタ群 7……第1の動作電圧検出回路 8……第2の動作電圧検出回路 9……第1の基準電圧発生回路 10……第2の基準電圧発生回路 11,12,13……固定子巻線 14……逆起電力検出回路 15……位置信号形成回路 20……直流電源 21,22,23……第1の駆動トランジスタ群の各駆
動トランジスタ 24,25,26……第2の駆動トランジスタ群の各駆
動トランジスタ 27……回転子 30……電圧制御回路 41……第1の分配回路 42……第1の比較制御回路 43……第2の分配回路 44……第2の比較制御回路 45……論理パルス発生回路 46……傾斜信号発生回路 47……信号合成回路 61……反転バッファ回路 101……給電制御用スイッチングトランジスタ A,B,C……電流給電端子 a,b,c……逆起電力 g,i,e……第1の分配制御回路に対する位置信号 d,f,h……第2の分配制御回路に対する位置信号 E1……第1の基準電圧信号 E2……第2の基準電圧信号 Ia,Ib,Ic……駆動電流 L,U……最小動作電圧 m……整形信号 st……傾斜信号 sd……反転傾斜信号 sf……定電圧信号 T1……1相通電期間 T2……相切換期間

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数個の磁極を有する回転子と、前記回
    転子に所定の空隙を有して配設された複数相の固定子巻
    線と、前記回転子の位置を検出し複数相の位置信号を形
    成する位置検出手段と、直流電源から可変出力の直流電
    圧を得るスイッチング制御方式の電圧変換手段と、前記
    電圧変換手段の一端と前記固定子巻線の各電流給電端子
    の間の電流路を形成する複数個のトランジスタからなる
    第1の駆動トランジスタ群と、前記固定子巻線への電流
    供給を指令する指令信号と前記位置検出手段の出力に応
    動して前記第1の駆動トランジスタ群の通電を分配制御
    する第1の分配制御手段と、前記電圧変換手段の他端と
    前記固定子巻線の各電流給電端子の間の電流路を形成す
    る複数個のトランジスタからなる第2の駆動トランジス
    タ群と、前記第1の駆動トランジスタ群を構成する複数
    のトランジスタの各動作電圧のうちの最小電圧を検出し
    第1の動作電圧を出力する第1の動作電圧検出手段と、
    前記第2の駆動トランジスタ群を構成する複数のトラン
    ジスタの各動作電圧のうちの最小電圧を検出し第2の動
    作電圧を出力する第2の動作電圧検出手段と、前記位置
    検出手段の出力に応動して前記第1の動作電圧が第1の
    基準電圧に一致するように前記第2の駆動トランジスタ
    群に流れる電流を分配制御する第2の分配制御手段と、
    前記第2の動作電圧が第2の基準電圧に一致するように
    前記電圧変換手段の出力電圧を制御する電圧制御手段と
    を具備し、 前記第1及び前記第2の基準電圧は、それぞれ固定子巻
    線の1相から次の相に電流切換が行われ2相に同時に電
    流が流れる相切換通電状態のほうが1相のみに電流が流
    れる1相通電状態より大きくなるように構成されている
    ことを特徴とするブラシレス直流モータ。
  2. 【請求項2】 第1の基準電圧信号および第2の基準電
    圧信号は、固定子巻線の1相から次の相に通電電流の切
    換が行われ2相に同時に電流が通電される相切換通電状
    態と1相にのみ電流が通電する1相通電状態とで前記第
    1の基準電圧信号および第2の基準電圧信号の大きさを
    連続的に変化させ、前記相切換通電状態では2相に通電
    される通電電流がほぼ等しくなる時点を頂点とする三角
    波状に変化させるように構成してあることを特徴とする
    請求項1に記載のブラシレス直流モータ。
  3. 【請求項3】 第1の基準電圧信号および第2の基準電
    圧信号の大きさを固定子巻線への電流供給を指令する指
    令信号に応じて変化させるように構成してあることを特
    徴とする請求項1に記載のブラシレス直流モータ。
  4. 【請求項4】 複数個の磁極を有する回転子と、前記回
    転子に所定の空隙を有して配設された複数相の固定子巻
    線と、前記回転子の位置を検出し複数相の位置信号を形
    成する位置検出手段と、直流電源の一端と前記固定子巻
    線の各電流給電端子の間の電流路を形成する複数個のト
    ランジスタからなる第1の駆動トランジスタ群と、前記
    固定子巻線への電流供給を指令する指令信号と前記位置
    検出手段の出力に応じて前記第1の駆動トランジスタ群
    の通電を分配制御する第1の分配制御手段と、前記直流
    電源の他端と前記固定子巻線の各電流給電端子の間の電
    流路を形成する複数個のトランジスタからなる第2の駆
    動トランジスタ群と、前記第1の駆動トランジスタ群を
    構成する複数のトランジスタの各動作電圧のうちの最小
    電圧を検出し動作電圧を出力する動作電圧検出手段と、
    前記位置検出手段の出力に応じて前記動作電圧が基準電
    圧に一致するように前記第2の駆動トランジスタ群に流
    れる電流を分配制御する第2の分配制御手段とを具備
    し、 前記基準電圧は、それぞれ固定子巻線の1相から次の相
    電流切換が行われ2相に同時に電流が流れる相切換通
    電状態のほうが1相のみに電流が流れる1相通電状態よ
    り大きくなるようにように構成されていることを特徴と
    するブラシレス直流モータ。
  5. 【請求項5】 基準電圧信号は、固定子巻線の1相から
    次の相に通電電流の切換が行われ2相に同時に電流が通
    電される相切換通電状態と1相にのみ電流を通電する1
    相通電状態とで基準電圧信号の大きさを連続的に変化さ
    せ、前記相切換通電状態では2相に通電される通電電流
    がほぼ等しくなる時点を頂点とする三角波状に変化させ
    るように構成してあることを特徴とする請求項4に記載
    のブラシレス直流モータ。
  6. 【請求項6】 基準電圧信号の大きさを固定子巻線への
    電流供給を指令する指令信号に応じて変化させるように
    構成してあることを特徴とする請求項4に記載のブラシ
    レス直流モータ。
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