JP3301756B2 - 無整流子直流電動機 - Google Patents

無整流子直流電動機

Info

Publication number
JP3301756B2
JP3301756B2 JP32359190A JP32359190A JP3301756B2 JP 3301756 B2 JP3301756 B2 JP 3301756B2 JP 32359190 A JP32359190 A JP 32359190A JP 32359190 A JP32359190 A JP 32359190A JP 3301756 B2 JP3301756 B2 JP 3301756B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pulse
signal
output
counting
counting means
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP32359190A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04193096A (ja
Inventor
稲治  利夫
誠 後藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP32359190A priority Critical patent/JP3301756B2/ja
Priority to KR1019910010168A priority patent/KR940009207B1/ko
Publication of JPH04193096A publication Critical patent/JPH04193096A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3301756B2 publication Critical patent/JP3301756B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は無整流子直流電動機に関し、さらに詳しくは
永久磁石回転子の回転位置を検出するためのホール素子
の如き位置検出素子を不要とした無整流子直流電動機に
関するものである。
従来の技術 無整流子直流電動機はブラシ付の直流電動機に比べ機
械的接点を持たないため長寿命であると同時に電気的雑
音も少なく、近年、高信頼性が要求される産業用機器や
映像・音響機器に広く応用されている。
従来、この種の無整流子直流電動機はそのほとんどが
固定子巻線の通電相切換えのために、ブラシに相当する
回転子位置検出素子(例えばホール素子)を使用してい
る。しかしながら、位置検出素子自体決して安価なもの
ではなく、さらに素子の取付け位置調整の煩雑さや配線
数の増加により、無整流子直流電動機はブラシ付直流電
動機に比べて大幅にコストが上昇する欠点がある。
また、電動機内部に位置検出素子を取り付けなければ
ならないため構造上の制約が起こることがしばしばあ
る。近年、機器の小型化に伴い使用される電動機も小型
かつ薄型化され、ホール素子等の位置検出素子を取り付
ける場所的余裕がなくなってきている。
そこで、ホール素子の如き位置検出素子の全くない無
整流子直流電動機が、従来よりいくつか提案されてい
る。
例えば特開昭55−160980号公報に示されるような、固
定子巻線に電流を一方向だけに供給する、いわゆる半波
駆動方式の無整流子直流電動機がある。これは起動時に
起動回路で特定の固定子巻線相のみを付勢して回転子の
位置決めを予め行い、次に3相の固定子巻線のうち休止
中の2つの固定子巻線に誘起される逆起電力を検出し
て、その検出信号を演算処理することによって次の通電
相を決定し、固定子巻線に電流を一方向だけに順次供給
するものである。
また、例えば特開昭62−260586号公報に示されるよう
な、固定子巻線に電流を両方向に供給する、いわゆる全
波駆動方式の無整流子直流電動機がある。これは電動機
の起動時には起動パルス発生回路の出力する起動パルス
で固定子巻線に流れる電流を強制的に順次切換えて駆動
し、回転子の回転が上昇して固定子巻線に逆起電力が誘
起されたときに逆起電力のゼロクロス点を検出し、その
出力信号をモノマルチで一定時間だけ遅延させることに
よって通電のタイミングを決定するものである。
以下、従来例の駆動波形について第2図および第3図
を参照しながら説明する。
第2図は無整流子直流電動機を構成する電力供給手段
の一実施例を示す回路構成図、第3図は従来例における
その各部信号波形図である。
第2図において、27は永久磁石回転子、11,12,13は固
定子巻線、21,22,23,24,25,26は駆動用トランジスタ
で、これらのトランジスタをオン・オフすることにより
固定子巻線11,12,13に電流を供給する。そのうち、21,2
2,23はPNPトランジスタ、24,25,26はNPNトランジスタで
構成されている。20は電源である。一般に無整流子直流
電動機の駆動は、永久磁石回転子27の回転位置に応じて
得られる6相のパルス信号を駆動用トランジスタ21,26,
22,24,23,25の各ベースに印加して行われる。その6相
のパルス信号波形を第3図のd〜iに示す。ただし、各
トランジスタのベースに加えられる信号の方向はPNPト
ランジスタ21,22,23には電流が流出する方向に、NPNト
ランジスタ24,25,26には電流が流入する方向に加えられ
る。まず、トランジスタ21,25が導通して固定子巻線11,
12に電流が流れる。次にトランジスタ21,26が導通して
固定子巻線11,13に電流が流れる。このような相切換え
動作を順次行い、永久磁石回転子27を回転させる。その
ときの固定子巻線11,12,13には第3図のj,k,lに示す電
流が両方向に通電される。また、永久磁石回転子27が回
転している状態では、固定子巻線11,12,13の各端子には
第3図のa,b,cに示す電圧(逆起電力)が誘起される。
6相のパルス信号d,e,f,g,h,iは永久磁石回転子27の回
転位置信号に相当し、逆起電力a,b,cの波形とは第3図
に示すような位相関係にあり電気角で30度だけ位相が異
なることに注意すべきである。例えば特開昭62−260586
号公報では、固定子巻線に誘起された逆起電力のゼロク
ロス点を検出し、その出力信号をモノマルチを用いるこ
とによって一定時間だけ遅延させて通電のタイミングを
決定している。また、6相の回転位置信号d,e,f,g,h,i
は矩形波状であるため、固定子巻線に流れる電流波形も
通電幅がほぼ120度(電気角)の矩形波状となり、固定
子巻線に流れる電流は急峻にオン・オフされることにな
る。
発明が解決しようとする課題 位置検出素子のない無整流子直流電動機は、基本的に
は固定子巻線に誘起される逆起電力を利用して、固定子
巻線の相切換えに必要な回転位置信号を作成している。
しかしながら、起動時には回転子が静止しているため各
固定子巻線には逆起電力が発生していない。そこで、上
述した従来技術に示される無整流子直流電動機にあって
は、起動用に特別な起動回路を設けている、特開昭55−
160980号公報では、特定の固定子巻線のみを付勢して予
め回転子の初期位置を決定している。ところが初期位置
を決定するために、固定子巻線の1相のみを付勢しても
回転子の位置は振動的となりなかなか静止せず、その結
果起動時間が長くなる。
また、得開昭62−260586号公報では、起動回路の発生
する出力パルスにより固定子巻線を強制的に順次切換え
ている。しかし、固定子巻線を強制的に順次切換えても
回転子の回転は同じく振動的となる。したがって、検出
回路で逆起電力のゼロクロス点をうまく検出できても、
固定子巻線を強制的に順次切換えて駆動する起動モード
から逆起電力のゼロクロス点を検出して行う正規の位置
検出モードにはうまく切換えることが困難である。すな
わち、起動モードから正規の位置検出モードへの切換え
のタイミングが難しく、結果として電動機の起動時間が
長くなる。一般に、これら回転子位置検出素子のない無
整流子直流電動機は起動時においては回転子が静止して
いるため、各固定子巻線には逆起電力を発生していな
い。そのため、初期の通電相が定まらず、位置検出素子
付の電動機に比べると起動性が著しく劣るという問題点
がある。
さらに、これら位置検出素子のない無整流子直流電動
機は、起動時においては相切換えを強制的に行うため一
種の同期電動機と考えられ、起動に適した相切換えの周
波数は電動機に加わる負荷の大きさや回転子の慣性によ
って大きくばらつく。場合によっては、いつまでも固定
子巻線に誘起される逆起電力のゼロクロス点をうまく検
出できず、固定子巻線を強制的に順次切換えて駆動する
起動モードから、逆起電力のゼロクロス点を検出して行
う正規の位置検出モードになかなか移行できないという
問題点がある。
さらに前者の先行技術に示される無整流子直流電動機
にあっては、固定子巻線の一方向だけに電流を供給する
半波駆動方式であるため、その駆動回路を簡単に構成で
きる反面、固定子巻線に流れる電流を両方向に流れるよ
うに構成した全波駆動方式の電動機に比べると固定子巻
線の利用率が低くて効率が悪く、発生トルクも小さいと
いう問題点がある。
本発明は、上記問題点に鑑み、回転子位置検出素子の
不要な無整流子直流電動機でありながら、特別な起動回
路を設けることなく良好な起動特性の得られる無整流子
直流電動機を提供することを目的としている。
さらに本発明は、固定子巻線に流れる電流を両方向に
流れるように構成した全波駆動方式の無整流子直流電動
機を提供することを目的としている。
課題を解決するための手段 本発明の無整流子直流電動機の構成では、上記目的を
達成するために、複数相の固定子巻線と、 複数相の選択信号により選択された前記固定子巻線に
回転時に発生する逆起電力を検出してパルス信号列を発
生させる逆起電力検出手段と、 前記パルス信号列が入力され、前記パルス信号列の周
期を計数して、当該周期が所定値以下のときには計数し
た周期のx倍(x<1)の時間だけ前記パルス信号列を
遅延した第1の遅延パルスを出力し、前記パルス信号列
の周期が前記所定値を越えたときには前記固定子巻線の
相切換え動作を順次行わせるための疑似信号となる疑似
出力パルスを出力するとともに、予め設定した所定値の
y倍(y<x)の時間だけ前記パルス信号列を遅延した
第2の遅延パルスを出力するパルス発生手段と、 前記疑似出力パルスまたは前記パルス信号列を分周し
て複数相のパルス信号を発生する論理パルス発生手段
と、 前記論理パルス発生手段の発生する複数相のパルス信
号と前記第1または第2の遅延パルスとに基いて前記複
数相の選択信号を前記逆起電力検出手段に出力する選択
信号発生手段と、 前記複数相のパルス信号に同期した位置信号を合成す
る位置信号合成手段と、 前記位置信号に基いて前記固定子巻線に電力を供給す
る電力供給手段と、を含んで構成されている。
作用 本発明は上記した構成により、選択信号に応じて固定
子巻線に誘起された逆起電力のゼロクロス点をパルス整
形してパルス信号列に変換する。そのパルス信号列の周
期を計数し、その周期に応じて回転位置信号を作成して
いるので、電動機の回転数を変化させても次に通電すべ
き固定子巻線の通電位相が変化することはない。しか
も、固定子巻線の通電状態から次に検出すべき相の逆起
電力のみをパルス信号列に変換するように選択回路を付
加しているので、逆起電力のゼロクロス点の誤検出によ
る相切換えの誤動作もなく常に安定した駆動が得られ
る。
したがって、回転数を変える必要がある用途にも容易
に応用することが可能となり、従来例の回転子位置検出
素子不要の無整流子直流電動機に見られるような回転数
を変化させた場合に駆動が不安定になるということはな
い。
さらに加えて、本発明は起動用に特別な起動回路を設
けなくても、起動時においては疑似出力パルスを容易に
出力することができ、この疑似出力パルスにより固定子
巻線を強制的に順次切換えている。そして、逆起電力検
出手段で逆起電力のゼロクロス点を検出したとき、固定
子巻線を強制的に順次切換えて駆動する起動モードから
逆起電力のゼロクロス点を検出して行う正規の位置検出
モードに速やかに切換えることができ、従来の位置検出
素子付の電動機と比べても遜色のない起動特性が得られ
る。
さらに加えて、本発明は固定子巻線に誘起される逆起
電力のゼロクロス点のみを検出しているので、駆動電流
による電圧降下の影響を受けることもなく固定子巻線に
流れる電流を両方向に流せる全波駆動方式の電動機の構
成をとることができる。したがって、半波駆動方式の電
動機に比べて高効率、高トルクの無整流子直流電動機が
提供できる。
さらに加えて、固定子巻線各相に通電される電流の相
切換えが極めて滑らかに行われるため、従来例に見られ
るような、相切換えに伴うスパイク状電圧を低減するた
めの比較的大きなコンデンサを含むフィルタ回路を固定
子巻線の通電端子に接続する必要がない。
また固定子巻線に流れる電流が、従来例の如く急峻に
オン・オフされることがなく相切換えが滑らかに行われ
るため、振動および騒音の非常に少ない電動機の駆動が
可能となる。
実施例 以下、本発明の一実施例について、図面を参照しなが
ら説明する。
第1図は本発明の一実施例における無整流子直流電動
機の構成を示すブロック図である。第1図において、1
は逆起電力検出手段で、3相の固定子巻線11,12,13に誘
起される逆起電力と選択信号発生手段6の出力する選択
信号が入力される。逆起電力検出手段1は選択信号発生
手段6の出力する選択信号に応じて3相の逆起電力のゼ
ロクロス点を検出してパルス列mに変換する。このパル
ス列mは3相の逆起電力のゼロクロス点を示す。逆起電
力検出手段1の出力するパルス列mは、論理パルス発生
手段2とパルス発生手段3に入力される。論理パルス発
生手段2は逆起電力検出手段1の出力するパルス列mを
分周して固定子巻線11,12,13に誘起される逆起電力と同
じ周波数の6相のパルスを出力する。パルス発生手段3
はまず入力されたパルス列の周期mを計数する。そして
計数した周期の概略1/2の時間だけ出力パルスを遅延さ
せて遅延パルスzとして選択信号発生手段6に出力す
る。また計数した周期が所定の範囲を越えたときは疑似
出力パルスtを論理パルス発生手段2に出力する。論理
パルス発生手段2で発生された6相のパルス信号は位置
信号合成手段4に入力され、6相のパルス信号をもとに
永久磁石回転子27の回転位置信号に変換される。この回
転位置信号は固定子巻線電力供給手段5に入力される。
固定子巻線電力供給手段5は位置信号合成手段4の出力
する回転位置信号に応じて各固定子巻線11,12,13に順次
駆動電流を両方向に供給する。
以上のように構成された一実施例をもとにして本発明
の無整流子直流電動機の動作について詳しく説明する。
第4図は本発明の無整流子直流電動機を構成する電力
供給手段5の一実施例の各部信号波形図である。
第4図において、a,b,cはそれぞれ固定子巻線11,12,1
3に誘起される逆起電力波形である。d,e,f,g,h,iは位置
信号合成手段4で合成される6相信号で、永久磁石回転
子27の回転位置に応じて得られる6相の回転位置信号に
相当する。これは従来例の第3図のd,e,f,g,h,iに示す
矩形波状の信号波形とは異なり台形波状の信号波形であ
る。
第4図のd〜iの6相回転位置信号はそれぞれ駆動用
トランジスタ21,26,22,24,23,25の各ベースに入力され
る。ただし、各トランジスタのベースに加えられる信号
の方向はPNPトランジスタ21,22,23には電流を引き出す
方向に、NPNトランジスタ24,25,26には電流を流し込む
方向に加えられる。それぞれのトランジスタは加えられ
たベース電流を増幅して各ベース電流に比例した電流が
各コレクタに流れる。その結果、固定子巻線11,12,13に
は第4図のj,k,lに示す電流が両方向に通電される。こ
のような相切換え動作を順次行い、永久磁石回転子27を
回転させる。
このような信号処理を行う本発明の一実施例の各部の
動作についてさらに図面を用いて説明する。
第5図は第1図に示す本発明の一実施例における逆起
電力検出手段1の回路構成図である。
第5図において、14,15,16は抵抗で、片方は固定子巻
線11,12,13の各端子に接続され、他方はそれぞれ共通接
続されている。31,32,33は比較回路で、その入力端子
(+)には固定子巻線11,12,13の各端子が接続され、入
力端子(−)には抵抗14,15,16の共通接続点が接続され
ている。34,35,36はインバータ回路で、それぞれ比較器
31,32,33の各出力が接続されている。71,72,73,74,75,7
6はスイッチで、そのうちスイッチ71,73,75の片方はイ
ンバータ回路36,34,35の各出力にそれぞれ接続され、ス
イッチ72,74,76の片方は比較回路32,33,31の各出力にそ
れぞれ接続されている。スイッチ71,72,73,74,75,76の
他方はそれぞれ共通接続されて、逆起電力検出手段1の
出力端子となっている。
第5図に示す逆起電力検出手段1の動作について第6
図を用いて説明する。
第5図に示す抵抗14,15,16はそれぞれ固定子巻線11,1
2,13と接続されているので、抵抗14,15,16の共通接続点
には固定子巻線11,12,13の中性点oと同一の電位が得ら
れる。したがって、電動機としては特別に固定子巻線の
中性点から信号線を引き出しておく必要がない。固定子
巻線11,12,13に誘起される逆起電力はそれぞれ第6図の
a,b,cに示されるような信号波形であり、これらは第5
図の比較器31,32,33の入力端子(+)に入力され、入力
端子(−)には抵抗14,15,16の共通接続点に得られる固
定子巻線の中性点電位が入力されている。したがって、
比較器31,32,33の各出力端子には第6図のu,v,wに示す
ような逆起電力a,b,cを波形整形したパルスが得られ
る。パルス波形u,v,wのパルスエッジは逆起電力a,b,cの
ゼロクロス点とそれぞれ一致する。第6図のt1,t2,t3,t
4,t5,t6は選択信号発生手段6から逆起電力検出手段1
に出力される6相の信号で、その立ち上がりエッジは逆
起電力a,b,cのゼロクロス点のタイミングと電気角で30
度だけ遅延させた選択信号波形を示す。これらの選択信
号によりスイッチ71,72,73,74,75,76が信号“H"でスイ
ッチオン、信号“L"でスイッチオフされる。その結果、
スイッチ71,72,73,74,75,76の共通接続点からは第6図
のmに示す波形が得られ3相の逆起電力a,b,cのゼロク
ロス点とパルスの立ち上がりエッジとが一致したパルス
列mが出力される。すなわち、逆起電力a,b,cのゼロク
ロス点ごとにパルスが出力され逆起電力a,b,cの1周期
につき6回(電気角で60度ごと)のパルス列mが出力さ
れる。
次に本発明の一実施例におけるパルス発生手段3の動
作について詳しく説明する。
第7図は第1図に示す本発明の一実施例におけるパル
ス発生手段3の回路構成図で、電動機の定常回転時にお
ける各部信号波形図を第8図に、電動機の起動時におけ
る各部信号波形図を第9図に示す。
第7図において、41は第1のカウント手段、42は第2
のカウント手段、44はクロックパルス発生回路である。
第1のカウント手段41はその計数値がオーバーフローし
たときにキャリーフラグtを出力し、第2のカウント手
段42はその計数値が零になったときにゼロフラグzを出
力する。43は転送手段で、逆起電力検出手段1の出力す
るパルス列mと第1のカウント手段41の出力するパルス
tが入力され、第1のカウント手段41にはその計数値を
リセットするリセットパルスrを、第2のカウント手段
42には第1のカウント手段41の計数値をロードするロー
ドパルスsを出力する。45はラッチ回路で、セット端子
Sには第1のカウント手段41の出力するパルスtが入力
され、リセット端子Rには逆起電力検出手段1の出力す
るパルス列mが入力される。そして、ラッチ回路45の出
力端子Qはクロックパルス切換回路46に切換信号scを出
力する。クロックパルス発生回路44は3種類のクロック
パルスck,2ck(クロック周波数はckの2倍),4ck(クロ
ック周波数はckの4倍)を発生しており、クロックパル
スckは第1のカウント手段41に、クロックパルス2ck,4c
kはクロックパルス切換回路46に入力されている。クロ
ックパルス切換回路46は、入力された切換信号scに応じ
てクロックパルス2ck,4ckのうちどちらか1つのクロッ
クパルスを選択して第2のカウント手段42のクロックと
して出力する。なお、第2のカウント手段42の出力する
ゼロフラグzが選択信号発生手段6に入力される遅延パ
ルスzに対応し、第1のカウント手段41の出力するパル
スtが論理パルス発生手段3に入力される疑似出力パル
スtに対応する。
第7図に示すパルス発生手段3の動作について、まず
電動機が定常回転しているときの動作を第8図を用いて
説明する。第8図のm,tに示すように、逆起電力検出手
段1は等間隔のパルス列mを出力し、第1のカウント手
段41はパルスtを出力しないので、ラッチ回路45のQ出
力はリセットされ、切換信号scは第8図に示すように
“L"のままである。切換信号scが“L"のときクロックパ
ルス切換回路46はクロック2ckを選択するように構成さ
れ、第2のカウント手段42に入力される。第1のカウン
ト手段41は転送手段43の出力するリセットパルスrが入
力されるまでクロックパルスckをアップカウントする。
リセットパルスrは逆起電力発生手段1の出力するパル
ス列mと同じ周期であるから、第1のカウント手段41の
計数値は逆起電力検出手段1の出力するパルス列mの周
期を計数したことになる。その様子を第8図のpに計数
値をアナログ的に示している。第2のカウント手段42に
は転送手段43の出力するロードパルスsのタイミングで
第1のカウント手段41のカウント値pが初期値として転
送される。第2のカウント手段42は、パルス列mの周期
を計数した計数値pを2ckのクロックでダウンカウント
されるのでロードパルスs(またはパルスmの立ち上が
りエッジ)のパルス列のちょうど中間点で計数値が零に
なる。その様子を第8図のqにアナログ的に示してい
る。第2のカウント手段42は計数値が零のときゼロフラ
グを出力するように構成されているので、第2のカウン
ト手段42は第8図のzに示すような遅延パルスzを出力
する。逆起電力検出手段1の出力するパルス列mの立ち
上がりエッジは3相の固定子巻線11,12,13に誘起される
逆起電力a,b,cのゼロクロス点を示すものであるから、
パルス列mの立ち上がりエッジで出力されるパルス列s
の間隔は電気角で60度に相当する。したがって、第8図
に示すzの立ち上がりエッジは逆起電力a,b,cのゼロク
ロス点からちょうど電気角で30度だけ遅延されたことに
なり、遅延パルスとして選択信号発生手段6に出力され
る。なお、ロードパルスsとリセットパルスrの位相関
係は第8図に示しているとおりである。リセットパルス
rをロードパルスsより遅延させているのは、第1のカ
ウント手段41のカウント値を第2のカウント手段42に確
実に転送させるためである。また同図ではパルスs,rの
パルス幅を便宜上大きく記してあるが、パルス周期に比
べて十分に狭いものとする。
次に、電動機の起動時における動作について第9図を
用いて説明する。第1のカウント手段41は、転送手段43
の出力するリセットパルスrが入力されるまでクロック
パルスckをアップカウントする。ところが、回転子は静
止しているので、逆起電力発生手段1はパルス列mを出
力しない。したがって、第1のカウント手段41の計数値
は第9図のpに示すように単調に増加し、その計数値が
オーバーフローしたとき、第1のカウント手段41からは
パルスtを転送手段43とラッチ回路45に出力する。転送
手段43は、その信号tを受けてリセットパルスrとロー
ドパルスsを出力する。パルスtはラッチ回路45のセッ
ト端子Sに入力されるので、ラッチ回路45の出力する切
換信号scは第9図のscに示すように“H"になる。切換信
号scが“H"のとき、クロックパルス切換回路46はクロッ
クパルス発生回路44のクロック4ckを選択するように構
成され、クロック4ckは第2のカウント手段42に入力さ
れる。第2のカウント手段42はロードパルスsで初期値
がロードされた後、ダウンカウントされ、計数値が零に
なったときゼロフラグzを遅延パルスとして選択信号発
生手段6に出力する。また、キャリーフラグtは疑似出
力パルスとして論理パルス発生手段2に出力される。電
動機の起動時においては、逆起電力検出手段1からはパ
ルス列mが出力されず、その代わりに疑似出力パルスt
が固定子巻線の相切換え動作を順次行うための疑似信号
となる。この疑似出力パルスtにより永久磁石回転子27
は回転を開始される。そして、第9図に示すように、逆
起電力検出手段1からパルスmが出力されたとき、ラッ
チ回路45はパルスmによってリセットされ、その出力の
切換信号scは“L"になる。ところで今、仮に第2のカウ
ント手段42に入力されるクロックは2ckのままでダウン
カウントされるように構成されていたものとする。この
ように構成されたときの第2のカウント手段42の計数値
の様子を第9図のqに点線で示す。第9図のqの点線の
波形より明らかなように、第2のカウント手段42はダウ
ンカウントされてその計数値が零に達しないうちに、第
1のカウント手段41の計数値がさらに転送される場合が
発生する。その場合は、第2のカウント手段42の計数値
は零にならず遅延パルスzが出力されない。したがっ
て、第9図のzに示したようなxのパルスが発生しな
い。その結果、固定子巻線の相切換えを疑似出力パルス
tで強制的に行っても、次に逆起電力のゼロクロス点を
検出すべき相の選択信号が選択信号発生手段6より出力
されず、電動機の加速がうまく行われない。
そこで、転送手段43が信号tを受けたときは、クロッ
クパルス切換回路46により第2のカウント手段42に入力
されるクロックパルスは2ckから4ckに切換えられるよう
に構成したとする。すると、第2のカウント手段に転送
された初期値はクロック4ckでダウンカウントされるの
で、計数値はクロック2ckでダウンカウントした場合よ
り1/2の時間で零になる。その様子を第9図のqに実線
で示す。したがって、上述したような第2のカウント手
段42の計数値が零に達しないうちに、第1のカウント手
段41の計数値がさらに転送されることはなく、第9図の
qに示す実線の波形のように第2のカウント手段42の計
数値は必ず零になり遅延パルスzが出力される。すなわ
ち、第1のカウント手段41の計数値がオーバーフローし
ないとき、第1のカウント手段41は疑似出力パルスtを
転送手段43に出力せず、第2のカウント手段42に転送さ
れた初期値がクロック2ckでダウンカウントされる。こ
れにより、第2のカウント手段42は第1のカウント手段
41の計数値で決まる周期の1/2倍(xに相当しx<1)
の時間だけ遅延した第1の遅延パルスz(図8)を出力
する。一方、第1のカウント手段41の計数値がオーバー
フローして第1のカウント手段41が疑似出力パルスtを
転送手段43に出力したとき、第2のカウント手段42に入
力されるクロックパルスは2ckから4ckに切換えられ、第
1のカウント手段41の最大計数値で決定される所定値が
第2カウント手段42に転送され、クロック4ckでダウン
カウントされる。これにより、第2のカウント手段42は
予め設定された所定値の1/4倍(yに相当しy<x)の
時間だけ遅延した第2の遅延パルスz(図9)を出力す
ることになる。以下、定常時と同様な動作で第2のカウ
ント手段42からは第9図のzに示すような遅延パルスz
が出力され、遅延パルスzは選択信号発生手段6に加え
られ、電力供給手段5により3相の固定子巻線11,12,13
の通電相の切換えが順次行われる。そして電動機は加速
され、良好な起動特性が得られる。
第10図は第1図に示す本発明の一実施例におけるパル
ス発生手段3の他の実施例の回路構成図で、電動機の定
常回転におけるその各部信号波形図を第11図に、電動機
の起動時におけるその各部信号波形図を第12図に示す。
なお、第7図と同一の機能を有するものについては同
一の符号を付して重複した説明は省略する。
第10図において、第1のカウント手段41は8ビット
の、第2のカウント手段42は7ビットのディジタルカウ
ンタで構成されている。第1のカウント手段41、第2の
カウント手段42にはそれぞれ同一のクロックckが入力さ
れている。46は7つのスイッチで構成されたスイッチ転
送回路で、転送手段43の出力するロードパルスsにより
短時間の間だけa接点またはb接点に接続される。ま
た、スイッチ転送手段46にはラッチ回路45の出力する切
換信号scが入力され、スイッチ転送回路46は切換信号sc
が“L"の状態で、ロードパルスsが入力されたときには
a接点に接続され、切換信号scが“H"の状態でロードパ
ルスsが入力されたときにはb接点に接続されるように
構成されている。スイッチ転送回路46がa接点に接続さ
れたときは、第1のカウント手段41の計数値の最下位ビ
ットを除くビット(第10図の例では上位7ビット分)が
第2のカウント手段42に転送される。また、スイッチ転
送回路46がb接点に接続されたときは、第1のカウント
手段41の計数値の最下位から2ビット分を除くビット
(第10図の例では上位6ビット分)が第2のカウント手
段42に転送され、第2のカウント手段42の最上位ビット
には0が転送される。
第10図に示すパルス発生手段の動作について、まず永
久磁石回転子27が定常回転しているときについて第11図
を用いて説明する。
電動機が定常回転しているときには、ラッチ回路45の
Q出力はリセットされ、切換信号scは第11図に示すよう
に“L"のままである。したがって、スイッチ転送回路46
は、ロードパルスsが入力されたときにはa接点に接続
されるので、第2のカウント手段42には第1のカウント
手段41の計数値pの最下位ビットだけが捨てられて転送
されるので、第11図のqに示すように、第2のカウント
手段42の初期値は第1のカウント手段41の計数値pの1/
2の値が初期値として与えられることになる。第2のカ
ウント手段42は、パルス列mの周期を計数して得られた
計数値の半分に相当するp/2をクロックckでダウンカウ
ントすることになるので、ロードパルスs(またはパル
スmの立ち上がりエッジ)のパルス列のちょうど中間点
で計数値が零になる。その様子を第11図のqにアナログ
的に示している。第2のカウント手段42は計数値が零の
ときゼロフラグを出力するように構成されているので、
第2のカウント手段42は第11図のzに示すような遅延パ
ルスzを出力する。
次に、電動機の起動時における動作について第12図を
用いて説明する。起動時には逆起電力検出手段1はパル
ス列mを出力しないので、第1のカウント手段41はクロ
ックパルスckをアップカウントし続ける。したがって、
第1のカウント手段41の計数値は第12図のpに示すよう
に単調に増加し、その計数値がオーバーフローしたと
き、第1のカウント手段41からはキャリーフラグtが出
力され、転送手段43とラッチ回路45に入力される。する
と、ラッチ回路45の出力は第12図のscに示すように“H"
となる。この状態でロードパルスsが入力されたときに
は、スイッチ転送手段46は、b接点に接続されるので、
第2のカウント手段42には第1のカウント手段41の計数
値pの最下位から2ビット分だけが捨てられて転送され
るので、第11図のqに実線で示すように、第2のカウン
ト手段42の初期値は第1のカウント手段41の計数値pの
1/4の値が初期値として与えられることになる。ところ
で今、第12図のqに点線で示すように、転送手段43が信
号tを受けたとき、第1のカウント手段41の計数値の半
分であるp/2の値(上位7ビット分)をそのまま第2の
カウント手段42に初期値として転送されるものとする。
このように構成したときは、第12図のqの点線の波形よ
り明らかなように、起動時においては第2のカウント手
段42がダウンカウントされてその計数値が零に達しない
うちに、第1のカウント手段41の計数値がさらに転送さ
れる場合が発生する。この場合には、第2のカウント手
段42の計数値は零にならず、遅延パルスzが出力されな
い。したがって、第12図のzに示したようなパルスxは
発生しない。その結果、固定子巻線の相切換えがうまく
行われず電動機の加速がうまく行われない。
そこで、起動時に転送手段43が信号tを受けたとき
は、第1のカウント手段41の計数値の半分であるp/2の
値(この場合は最下位1ビットを除く上位7ビット)を
そのまま第2のカウント手段42に転送するのではなく、
転送時にはスイッチ転送回路45を短時間の間、接点bに
接続することにより、第1のカウント手段41の計数値の
1/4であるp/4の値(この場合は第1のカウント手段41の
上位6ビット分)を第2のカウント手段42に転送する。
その様子を第12図のqに実線で示す。したがって、この
場合には第2のカウント手段42の計数値が零に達しない
うちに、第1のカウントダウン手段41の計数値がさらに
転送されることはなく、第2のカウント手段42の計数値
は必ず零になり、計数値が零になったときゼロフラグz
を遅延パルスとして出力する。すなわち、第1のカウン
ト手段41の計数値がオーバーフローしないとき、第1の
カウント手段41は疑似出力パルスtをラッチ回路45に出
力せず、第2のカウント手段42に転送された第1のカウ
ント手段41を計数値の1/2であるp/2をクロックckでダウ
ンカウントする。これにより、第2のカウント手段42は
第1のカウント手段41の計数値で決まる周期の1/2倍
(xに相当しx<1)の時間だけ遅延した第1の遅延パ
ルスzを出力する。第1のカウント手段41の計数値がオ
ーバーフローして第1のカウント手段41が疑似出力パル
スtをラッチ回路45に出力したとき、第1のカウント手
段41の最大計数値で決定される所定値の1/4であるp/4を
クロックckでダウンカウントする。これにより、第2の
カウント手段42は予め設定された所定値の1/4倍(yに
相当しy<x)の時間だけ遅延した第2の遅延パルスz
を出力することになる。第7図の実施例では第1,第2の
カウント手段に供給するクロックの周波数は異なるが、
第10図の実施例では1種類のクロックでよいという利点
がある。
以下、定常時と同様な操作で第2のカウント手段42か
らは第12図のzに示すような遅延パルスzが出力され、
遅延パルスzは選択信号発生手段6に加えられ、電力供
給手段5により3相の固定子巻線11,12,13の通電相の切
換えが順次行われる。そして電動機は加速され、良好な
起動特性が得られる。
第13図は第1図に示す本発明の一実施例における論理
パルス発生手段2の回路構成図で、その各部信号波形図
を第14図に示す。
第13図において、82は2入力のオア回路で、逆起電力
検出手段1のパルス列mとパルス発生手段3の疑似出力
パルスtが入力される。81は6相のリングカウンタであ
り、オア回路82の出力n1が入力されている。リングカウ
ンタ81は、入力されたパルスn1の立ち上がりエッジで順
次カウントされ、6つの出力端子が第14図に示すp1,p2,
p3,p4,p5,p6の6相パルス信号を出力する。これらパル
ス信号のパルス幅は電気角で60度である。これらの6相
パルス信号p1〜p6は第1図の位置信号合成手段4と選択
信号発生手段6にそれぞれ出力される。
第15図は第1図に示す本発明の一実施例における選択
信号発生手段6の回路構成図で、その各部信号波形図を
同じく第16図に示す。
第15図において、91,92,93,94,95,96はDフリップフ
ロップで、各クロック端子Cにはパルス発生手段3の出
力する遅延パルスzが入力され、各D入力端子には論理
パルス発生手段2で出力された6相パルス信号p1〜p6が
入力される。その結果、Dフリップフロップの各Q出力
端子からは論理パルス発生手段2の6相パルス信号p1〜
p6をそれぞれ遅延パルスzのパルス幅だけ遅延した6相
信号t1〜t6を出力する。その様子を第14図のt1〜t6に示
す。これらの6相パルス信号t1〜t6は第6図の6相の選
択信号となり、そのパルス幅は電気角で60度で、逆起電
力検出手段1に出力される。
第16図は第1図に示す本発明の一実施例における位置
信号合成手段4の回路構成図で、その各部信号波形図を
第17図に示す。
第16図において、50は充放電用コンデンサ51に蓄えら
れた電荷を放電させるためのリセット用スイッチ、51は
論理パルス発生手段2の出力に応じて鋸歯状波を発生す
るための充放電用コンデンサ、52は充放電用コンデンサ
51に充電電流を供給するための定電流源回路、54は入力
がコンデンサ51に接続されたバッファアンプである。コ
ンデンサ51,スイッチ50,定電流源回路52,バッファアン
プ54で鋸歯状波発生手段100を構成している。55はバッ
ファアンプで、入力には基準電圧源53が接続されてい
る。56は反転アンプで、バッファアンプ54とバッファア
ンプ55の出力が接続されている。バッファアンプ54,バ
ッファアンプ55および反転アンプ56の各出力は信号合成
手段101,102,103,104,105,106に接続されている。な
お、信号合成手段101,102,103,104,105,106はそれぞれ
同一の構成であるので、信号合成手段101の構成だけで
示してある。信号合成手段101において61,62,63はスイ
ッチで、片方はそれぞれバッファアンプ54,55および反
転アンプ56に接続され、スイッチ61,62,63の他方は共通
接続されて抵抗64に接続されている。抵抗64に得られる
電圧信号は電流変換回路65により電流信号に変換され、
信号合成手段101の出力となる。
次に第16図に示す位置信号合成手段4の動作について
第17図の各部信号波形図を用いて説明する。
鋸歯状波発生手段100のスイッチ50が開いているとき
は、コンデンサ51には定電流源回路52により一定電流が
供給され、スイッチ50が閉じたときはコンデンサ51に蓄
えられた電荷は瞬時に放電させる。ところが、スイッチ
50は逆起電力検出手段1の出力するパルスmの立ち上が
りエッジで短時間だけ閉じるように構成されているの
で、パルスmの立ち上がりエッジでコンデンサ51に蓄え
られた電荷を瞬時に放電させ、鋸歯状波発生手段100か
らは第17図のstに示すようなパルスmと同位相の鋸歯状
波が得られる。第17図のsfは基準電圧源53を示す波形
で、大きさは鋸歯状波stのピーク値に等しく設定されて
いる。第17図のstbは、反転アンプ56の出力を示す波形
で、反転アンプ56にはバッファアンプ54の出力stとバッ
ファアンプ55の出力sfとが入力され、sfを基準にしてst
が反転されるので、反転アンプ56の出力からは第17図の
stbに示すような、stを反転した信号が得られる。信号
合成手段101を構成するスイッチ61,62,63は、論理パル
ス発生手段2の出力するパルス信号p1,p2,p3に応じて信
号“H"でスイッチオン、信号“L"でスイッチオフされる
ので、バッファアンプ54,55および反転アンプ56の出力
は信号合成手段101にて合成される。なお、p1,p2,p3が
すべて“L"の区間ではスイッチ61,62,63がすべてオフさ
れ、抵抗64の電位はアース電位に等しくなる。このよう
にして抵抗64に得られた合成電圧値は、電流変換回路65
により電流値(電流吸い込み)に変換され、出力端子d
からは第17図のdに示す回転位置信号波形が出力され
る。
以下、同様にして信号合成手段102,103,104,105,106
の各出力端子からは、パルス信号(p2,p3,p4)、(p3,p
4,p5)、(P4,P5,P6)、(P5,P6,p1)、(p6,p1,p2)に
応じて回転位置信号e,f,g,h,iが出力される。ただし、
信号合成手段102,104,106の各出力e,g,iは電流吐き出し
型の出力で、信号合成手段103,105の各出力f,hは信号合
成手段101の出力dと同じ電流吸い込み型の出力であ
る。第17図のd〜iの信号は永久磁石回転子27の回転位
置信号となり、第1図電力供給手段5に入力される。す
なわち、位置信号合成手段4は、論理パルス発生手段2
の発生する6相パルス信号p1〜p6に同期した6相の回転
位置信号を出力する。
以上の説明で明らかなように、本発明の無整流子直流
電動機では、逆起電力検出手段1は固定子巻線11,12,13
に誘起される逆起電力a,b,cのうち、6相の選択信号t1
〜t6に応じて1相の逆起電力のゼロクロス点のみを順次
整形してパルス信号列mに変換する。電動機の定常回転
時には、論理パルス発生手段2はこのパルス信号列mを
受けて6相のパルス信号p1〜p6を作成している。ところ
が、電動機の起動時には逆起電力検出手段1からはパル
ス列mが出力されないので、論理パルス発生手段2はパ
ルス列mの代わりにパルス発生手段3から出力される疑
似出力パルスtを受けて、同様に6相のパルス信号p1〜
p6を作成している。この6相パルス信号p1〜p6は位置信
号合成手段4に入力され、6相パルス信号p1〜6pに同期
した6相の回転位置信号に変換される。なお、起動時に
おいては逆起電力検出手段1からはパルス信号列mが出
力されないので、充放電用コンデンサ51は放電されず、
コンデンサ51は一定の直流値に充電されるため、回転位
置信号は第17図d〜iに示すような台形波状でなく矩形
波状の波形を発生する。そして、最後に電力供給手段5
はこの回転位置信号d〜iに応じて固定子巻線11,12,13
に第4図のj,k,lに示すような駆動電流を順次両方向に
供給し、永久磁石回転子27は回転される。
したがって、本発明の無整流子直流電動機は、ホール
素子の如き位置検出素子の不要な、しかも特別な起動回
路を設けることなしに、良好な起動特性の得られる全波
駆動方式の電動機を構成することができる。
なお、本発明に係わるパルス発生手段につき第7図の
一実施例では、第2のカウント手段に入力されるクロッ
ク周波数は第1のカウント手段に入力されるクロック周
波数の2倍として説明したが整数倍であってもよい。ま
た本発明に係わるパルス発生手段につき第15図の一実施
例では、第2のカウント手段に初期値として転送される
値は2分の1となるように選んだが整数分の1でもよ
い。
また、本発明に関わる逆起電力検出手段1は、第4図
に示すように固定子巻線の中性点電位oを検出するため
に共通接続した3本の抵抗を使用して行っているが、直
接電動機の固定子巻線の中性点から信号線を引き出して
使用しても可能であることは言うまでもない。また、実
施例では固定子巻線がY結線である3相の電動機に限っ
たが、相数は3相に限らず何相であってもよい。また本
発明の無整流子直流電動機は、固定子巻線がΔ結線され
た電動機に適用することも可能である。
発明の効果 本発明の無整流子直流電動機は、逆起電力検出手段で
固定子巻線に誘起される逆起電力のゼロクロス点のみを
検出しているので、ホール素子の如き回転子位置検出素
子が不要でありながら、固定子巻線に流れる電流を両方
向に供給する全波駆動方式の電動機が容易に構成でき
る。したがって、固定子巻線の一方向だけに電流を供給
する半波駆動方式に比べて固定子巻線の利用率が高く、
高効率で、高発生トルクの電動機を提供することができ
る。
さらには、従来の無整流子直流電動機のような回転子
位置検出素子が不要のため、素子の取付け位置調整の煩
雑さや配線数が削減され、大幅コストが削減される。
さらには電動機内部に回転子位置検出素子を取り付け
る必要がないため、電動機は構想上の制約を受けずに超
小型化、超薄型化が可能となる。
また、本発明の無整流子直流電動機は、起動時におい
ては、逆起電力検出手段から出力パルスが出力されなく
ても、パルス発生手段からは疑似出力パルスが出力され
て固定子巻線の通電相を順次切換えているので、特別な
起動回路を設けることなく良好な起動特性が得られる。
さらに、本発明の無整流子直流電動機は、固定子巻線
の通電状態から次に検出すべき相の逆起電力のみをパル
ス信号列に変換するように選択回路を付加しているの
で、逆起電力のゼロクロス点誤検出による相切換えの誤
動作もなく、常に安定した駆動が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の無整流子直流電動機の一実施例の構成
を示すブロック図、第2図は本発明の一実施例における
電動機とそれを構成する電力供給手段の一実施例を示す
回路構成図、第3図は従来例における電力供給手段の各
部信号波形図、第4図は本発明の一実施例における電力
供給手段の各部信号波形図、第5図は本発明の一実施例
を構成する逆起電力検出手段の一実施例を示す回路構成
図、第6図は第5図の逆起電力検出手段の各部信号波形
図、第7図は本発明の一実施例を構成するパルス発生手
段の一実施例を示す回路構成図、第8図は第7図のパル
ス発生手段の定常回路における各部信号波形図、第9図
は第7図のパルス発生手段の起動時における各部信号波
形図、第10図は本発明の一実施例を構成するパルス発生
手段の他の実施例の回路構成図、第11図は第10図のパル
ス発生手段の定常回転における各部信号波形図、第12図
は第10図のパルス発生手段の起動時における各部信号波
形図、第13図は本発明の一実施例を構成する論理パルス
発生手段の一実施例を示す回路構成図、第14図は本発明
の一実施例を構成する論理パルス発生手段と本発明の一
実施例を構成する選択信号発生手段の一実施例の動作を
説明する信号波系図、第15図は本発明の一実施例を構成
する選択信号発生手段の一実施例を示す回路構成図、第
16図は本発明の一実施例を構成する位置信号合成手段の
一実施例を示す回路構成図、第17図は第16図の位置信号
合成手段の動作を説明する信号波形図である。 1……逆起電力検出手段、2……論理パルス発生手段、
3……パルス発生手段、4……位置信号合成手段、5…
…電力供給手段、6……選択信号発生手段、11,12,13…
…固定子巻線、41……第1のカウント手段、42……第2
のカウント手段。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数相の固定子巻線と、 複数相の選択信号により選択された前記固定子巻線に回
    転時に発生する逆起電力を検出してパルス信号列を発生
    させる逆起電力検出手段と、 前記パルス信号列が入力され、前記パルス信号列の周期
    を計数して、当該周期が所定値以下のときには計数した
    周期のx倍(x<1)の時間だけ前記パルス信号列を遅
    延した第1の遅延パルスを出力し、前記パルス信号列の
    周期が前記所定値を越えたときには前記固定子巻線の相
    切換え動作を順次行わせるための疑似信号となる疑似出
    力パルスを出力するとともに、予め設定した所定値のy
    倍(y<x)の時間だけ前記パルス信号列を遅延した第
    2の遅延パルスを出力するパルス発生手段と、 前記疑似出力パルスまたは前記パルス信号列を分周して
    複数相のパルス信号を発生する論理パルス発生手段と、 前記論理パルス発生手段の発生する複数相のパルス信号
    と前記第1または第2の遅延パルスとに基いて前記複数
    相の選択信号を前記逆起電力検出手段に出力する選択信
    号発生手段と、 前記複数相のパルス信号に同期した位置信号を合成する
    位置信号合成手段と、 前記位置信号に基いて前記固定子巻線に電力を供給する
    電力供給手段と、 を含んで構成されたことを特徴とする無整流子直流電動
    機。
  2. 【請求項2】x=1/2であることを特徴とする無整流子
    直流電動機。
  3. 【請求項3】パルス発生手段は、逆起電流検出手段の出
    力するパルス信号列または疑似出力パルスが入力されて
    リセットパルスとロードパルスを出力する転送手段と、
    前記リセットパルスが入力されるまで計数する第1のカ
    ウント手段と、複数のクロック周波数のクロック信号を
    選択的に出力でき、前記転送手段に前記パルス信号列が
    入力されたときと前記疑似出力パルスが入力されたとき
    で異なるクロック周波数のクロック信号を出力するクロ
    ック発生手段と、異なるクロック信号が入力されて前記
    ロードパルスが入力されるまで計数し第1の遅延パルス
    と第2の遅延パルスを出力する第2のカウント手段と、
    を含んで構成されたことを特徴とする請求項(1)記載
    の無整流子直流電動機。
  4. 【請求項4】第2のカウント手段に入力されるクロック
    周波数は、第1のカウント手段の計数値が所定値以下の
    ときは第1のカウント手段に入力されるクロック周波数
    の2倍にしたことを特徴とする請求項(3)記載の無整
    流子直流電動機。
  5. 【請求項5】第2のカウント手段に入力されるクロック
    周波数は、第1のカウント手段の計数値が所定値を越え
    たときは前記計数値が前記所定値以下のときより大きく
    なるようにしたことを特徴とする請求項(3)に記載の
    無整流子直流電動機。
  6. 【請求項6】第2のカウント手段に入力されるクロック
    周波数は、第1のカウント手段の計数値が所定値を越え
    たときは前記計数値が前記所定値以下のときの2倍にし
    たことを特徴とする請求項(3)及び請求項(5)記載
    の無整流子直流電動機。
  7. 【請求項7】転送手段は、第1のカウント手段の計数値
    が所定値を越えたときは第2のカウント手段に転送され
    る初期値を第1のカウント手段の計数値の2分の1にな
    るようにしたことを特徴とする請求項(3)記載の無整
    流子直流電動機。
JP32359190A 1990-06-20 1990-11-26 無整流子直流電動機 Expired - Fee Related JP3301756B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32359190A JP3301756B2 (ja) 1990-11-26 1990-11-26 無整流子直流電動機
KR1019910010168A KR940009207B1 (ko) 1990-06-20 1991-06-19 무정류자 직류전동기

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32359190A JP3301756B2 (ja) 1990-11-26 1990-11-26 無整流子直流電動機

Related Child Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001109160A Division JP3394763B2 (ja) 2001-04-06 2001-04-06 無整流子直流電動機
JP2001264495A Division JP3394765B2 (ja) 2001-08-31 2001-08-31 無整流子直流電動機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04193096A JPH04193096A (ja) 1992-07-13
JP3301756B2 true JP3301756B2 (ja) 2002-07-15

Family

ID=18156415

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32359190A Expired - Fee Related JP3301756B2 (ja) 1990-06-20 1990-11-26 無整流子直流電動機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3301756B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04193096A (ja) 1992-07-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR940009208B1 (ko) 무정류자 직류전동기
US5177416A (en) Brushless dc motor
JP3301756B2 (ja) 無整流子直流電動機
JP2751579B2 (ja) 無整流子直流電動機
JP2910229B2 (ja) 無整流子直流電動機
JP2502781B2 (ja) 無整流子直流電動機
JP2770559B2 (ja) 無整流子直流電動機
JP3394763B2 (ja) 無整流子直流電動機
JP3394765B2 (ja) 無整流子直流電動機
JP2502780B2 (ja) 無整流子直流電動機
JP3578698B2 (ja) ブラシレス直流モータ駆動装置
JP3119863B2 (ja) 無整流子直流電動機
JP2751607B2 (ja) 無整流子直流電動機
JP2836199B2 (ja) 無整流子直流電動機
JP2751608B2 (ja) 無整流子直流電動機
JP3079617B2 (ja) 無整流子直流電動機
JP2827467B2 (ja) 無整流子直流電動機
KR940006962B1 (ko) 무정류자 직류전동기
JP2502804B2 (ja) 無整流子直流電動機
JPH04261387A (ja) 無整流子直流電動機
KR940009207B1 (ko) 무정류자 직류전동기
JPH0767378A (ja) 無整流子直流電動機
JPH08242595A (ja) 無整流子直流電動機
JP2502781C (ja)
JPH09121587A (ja) ブラシレス直流モータ

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080426

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090426

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100426

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees