JP2502804B2 - 無整流子直流電動機 - Google Patents

無整流子直流電動機

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、ホール素子の如き回転位置検出用の検出素
子を不要にした無整流子直流電動機に関するものであ
る。
従来の技術 無整流子直流電動機は、ブラシ付の直流電動機に比べ
て機械的接点を持たないため長寿命であると同時に電気
的騒音も少なく、近年、高信頼性が要求される産業用機
器や映像・音響機器に広く応用されている。
従来、この種の無整流子直流電動機は、ほとんどが固
定子巻線の通電相切換えのために、ブラシに相当する回
転子位置検出素子(例えばホール素子)を使用してい
る。しかしながら、位置検出素子は決して安価なもので
はなく、さらに、検出素子の取付け位置調整の煩雑さや
配線数の増加が生じている。そのため、無整流子直流電
動機は、ブラシ付直流電動機に比べて大幅にコストが上
昇する欠点がある。
また、電動機内部に位置検出素子を取り付けなければ
ならないため、構造上の制約が起こることがしばしばあ
る。近年、機器の小型化に伴って、電動機も小型かつ薄
型化され、ホール素子等の位置検出素子を取り付ける場
所的な余裕がなくなってきている。
そこで、位置検出素子を用いない無整流子直流電動機
が、従来よりいくつか提案されている。
例えば特開昭55−160980号公報には、固定子巻線に電
流を一方向だけに供給する、いわゆる半波駆動方式の無
整流子直流電動機が記載されている。この特開昭55−16
0980号公報では、3相の固定子巻線のうちで休止中の2
つの固定子巻線に誘起される逆起電力を検出し、検出信
号を演算処理することによって次の通電相を決定し、固
定子巻線に電流を一方向だけに順次供給している。
また、例えば特開昭62−260586号公報には、固定子巻
線に電流を両方向に供給する、いわゆる全波駆動方式の
無整流子直流電動機が記載されている。この特開昭62−
260586号公報では、回転子の回転に伴って固定子巻線に
誘起される逆起電力の零クロス点を検出し、検出信号を
モノマルチで一定時間だけ遅延させ、通電のタイミング
を決定している。
次に、従来例の駆動波形について、第14図および第15
図を参照しながら説明する。第14図は、従来の無整流子
直流電動機の固定子巻線に電力(電流)を供給する回路
であり、第15図は従来例の動作を説明するための信号波
形である。
第14図において、227は永久磁石回転子、211,212,213
は3相の固定子巻線、221,222,223,224,225,226は駆動
トランジスタであり、これらのトランジスタをオン,オ
フすることにより固定子巻線211,212,213に電流を供給
する。
無整流子直流電動機の駆動は、第15図に示すような、
回転子227の回転位置に応じて得られる6相のパルス信
号d′,f′,h′,g′,i′,e′(例えば電流信号)を駆動
トランジスタ221,222,223,224,225,226の各ベースに印
加して行われる。ここで、各トランジスタのベースへの
信号は、PNP形トランジスタ221,222,223では電流が流出
する方向に、NPN形トランジスタ224,225,226には電流が
流入する方向に加える。例えば、トランジスタ221,225
が導通した場合には、固定子巻線211,212に電流が流れ
る。次に、トランジスタ221,226が導通すると、電流路
が切換わり、固定子巻線211,213に電流が流れる。この
ようにして、電流路の切換え動作を順次行い、第15図に
示すように、固定子巻線211,212,213に両方向の電流I
a′,Ib′,Ic′を供給し、永久磁石回転子227を回転させ
る。また、回転子227の定常回転状態では、固定子巻線2
11,212,213の各電流給電端子A,B,Cと中性点Oの間に、
第15図に示すような逆起電力a′,b′,c′が誘起され
る。
6相のパルス信号d′,e′,f′,g′,h′,i′は回転子
227の回転位置に対応した位置信号に相当し、逆起電力
a′,b′,c′の波形とと第15図に示す位相関係にある。
すなわち、電気角で30度だけ位相が異なる。ここに、電
気角360度は逆起電力の1周期分に相当する。そこで、
例えば特開昭62−260586号公報では、固定子巻線に誘起
された逆起電力の零クロス点を検出し、その出力信号を
モノマルチを用いて一定時間だけ遅延させ、通電のタイ
ミングを決定している。
また、6相の位置信号d′,e′,f′,g′,h′,i′は矩
形波状であるために、固定子巻線に流れる電流波形I
a′,Ib′,Ic′も矩形波状となり、固定子巻線に流れる
電流は急峻にオン,オフされることになる。
発明が解決しようとする課題 前者の先行技術(特開昭55−160980号公報)の無整流
子直流電動機では、固定子巻線に一方向だけの電流を供
給する半波駆動方式であるため、その駆動構成を簡単に
できる反面、巻線に両方向に流れる電流を供給する構成
の全波駆動方式の電動機に比べると、巻線の利用率が低
くて効率が悪く、発生トルクも小さいという問題点があ
る。
また、後者の先行技術(特開昭62−260586号公報)の
無整流子直流電動機では、固定子巻線に誘起される逆起
電力の零クロス点で発生されたパルスをモノマルチで一
定時間だけ遅延させで通電相を決定する方式であり、そ
の遅延時間が電動機の回転数と無関係に一定であるため
回転数を変える必要がある用途には向かず、適用性に乏
しいという問題点がある。
また、両者先行技術の無整流子直流電動機では、巻線
に流れる電流は矩形波状となる。そのため、巻線電流が
急峻にオン,オフされるため、回転時に大きな振動や騒
音を発生するという重大な欠点がある。特に、電動機を
高速回転で使用するほど振動や騒音が著しくなる。ま
た、電流の切換えに伴うスパイク状電圧を低減するため
に、大容量の電解コンデンサを含むフィルタ回路を固定
子巻線に接続する必要がある。
本発明は、このような点を考慮し、位置検出素子の不
要な、しかも電流を両方向に流れるように構成した全波
駆動方式の無整流子直流電動機を提供することを目的と
している。特に、滑らかな電流路の切換えを行い、高速
回転時にも振動,騒音の極めて少ない無整流子直流電動
機を提供するものである。
課題を解決するための手段 上記目的を達成するために本発明の無整流子直流電動
機は、3相の固定子巻線と、直流電源の一端と前記固定
子巻線の電流給電端子の間の電流路を形成する3個のト
ランジスタからなる第1の駆動トランジスタ群と、前記
直流電源の他端と前記電流給電端子の間の電流路を形成
する3個のトランジスタからなる第2の駆動トランジス
タ群と、前記固定子巻線に発生する逆起電力に応動した
3相の整形信号を得る逆起電力検出手段と、前記整形信
号に応動して複数相のパルス信号を発生する論理パルス
発生手段と、前記整形信号のエッジ時点もしくはほぼエ
ッジ時点から始まる傾斜信号を発生する波形発生手段
と、前記論理パルス発生手段が出力するパルス信号と前
記波形発生手段が出力する傾斜信号より6相の位置信号
を合成する信号合成手段を具備し、前記信号合成手段の
3相の位置信号に応動して前記第1の駆動トランジスタ
群を通電制御し、前記信号合成手段の他の3相の位置信
号に応動して前記第2の駆動トランジスタ群を通電制御
するよう構成している。
さらに、本発明では、上記の目的を達成するために、
3相の固定子巻線と、直流電源の一端と前記固定子巻線
の電流給電端子の間の電流路を形成する3個のトランジ
スタからなる第1の駆動トランジスタ群と、前記直流電
源の他端と前記電流給電端子の間の電流路を形成する3
個のトランジスタからなる第2の駆動トランジスタ群
と、前記固定子巻線に発生する逆起電力に応動した3相
の整形信号を得る起電力検出手段と、前記整形信号に応
動して複数相のパルス信号を発生する論理パルス発生手
段と、前記整形信号に応動して第1の傾斜信号を発生す
る第1の傾斜波形発生手段と、前記整形信号に応動して
前記第1の傾斜信号とは異なるタイミングにおいて第2
の傾斜信号を発生する第2の傾斜波形発生手段と、前記
論理パルス発生手段が出力するパルス信号と前記第1の
傾斜波形発生手段が出力する第1の傾斜信号より3相の
第1の位置信号を合成する第1の位置信号合成手段と、
前記論理パルス発生手段が出力するパルス信号と前記第
2の傾斜波形発生手段が出力する第2の傾斜信号より前
記第1の位置信号とは異なるタイミングの3相の第2の
位置信号を合成する第2の位置信号合成手段を具備し、
前記第1の位置信号に応動して前記第1の駆動トランジ
スタ群を通電制御し、前記第2の位置信号に応動して前
記第2の駆動トランジスタ群を通電制御するよう構成し
ている。
作用 本発明は、上記した構成により、固定子巻線に誘起さ
れる逆起電力に応動した3相の整形信号を得て、整形信
号に応動した傾斜信号(第1の傾斜信号と第2の傾斜信
号)を発生し、この傾斜信号を使用して滑らかに変化す
る6相の位置信号(第1の回転位置信号と第2の回転位
置信号)を合成し、この合成された位置信号によって第
1の駆動トランジスタ群と第2の駆動トランジスタ群を
通電制御することにより、固定子巻線に台形波状の滑ら
かな両方向の電流を供給している。
これにより、巻線電流が従来例の如く急峻にオン,オ
フされることがなく、電流路の切換えが滑らかに行わ
れ、振動および騒音が著しく小さい電動機が実現でき
る。
実施例 以下、本発明の一実施例について、図面を参照しなが
ら説明する。
第1図は、本発明の一実施例の無整流子直流電動機の
全体構成を示すブロック図である。第1図の電力供給部
5は、信号合成部4の6相の位置信号に応動して第1の
駆動トランジスタ群5aと第2の駆動トランジスタ群5bを
通電制御し、固定子巻線11,12,13に所定の両方向の電流
を分配供給する。
第2図に電力供給部5の具体的な構成例を示す。電力
供給部5の第1の駆動トランジスタ群5aは、3個のPNP
形の第1の駆動トランジスタ21,22,23からなり、各駆動
トランジスタ21,22,23はそれぞれ直流電源20の正極側端
子と固定子巻線11,12,13の電流給電端子A,B,Cの間の電
流路を形成する。また、第2の駆動トランジスタ群5b
は、3個のNPN形の第2の駆動トランジスタ24,25,26か
らなり、各駆動トランジスタ24,25,26はそれぞれ直流電
源20の負極側端子と固定子巻線11,12,13の電流給電端子
A,B,Cの間の電流路を形成する。
第1の駆動トランジスタ21,22,23の各ベースには、信
号合成部4の第1の位置信号合成器4aによって合成され
た3相の第1の位置信号d,f,h(電流信号)がそれぞれ
供給され、第1の駆動トランジスタの通電を制御する。
同様に、第2の駆動トランジスタ24,25,26の各ベースに
は、第2の位置信号合成器4bによって合成された3相の
第2の位置信号g,i,e(電流信号)がそれぞれ供給さ
れ、第2の駆動トランジスタの通電を制御する。永久磁
石回転子27の回転に伴って、6相の位置信号d,f,h,g,i,
eが所定の順序にて変化し、固定子巻線11,12,13には所
定の3相両方向電流Ia,Ib,Icがそれぞれ供給される。そ
の結果、永久磁石回転子27は回転駆動され、所定の回転
数(高速回転もしくは低速回転)での回転を持続する。
定常回転状態では、固定子巻線11,12,13に誘起される逆
起電力a,b,cと3相両方向電流Ia,Ib,Icは同位相にな
り、各逆起電力a,b,cの零クロス時点において対応する
巻線への電流は零もしくはほぼ零になる。その具体的な
動作および各信号波形は後述する。
第1図の逆起電力検出部1は、3相の固定子巻線11,1
2,13の電流給電端子A,B,Cと中性点Oが接続され、巻線1
1,12,13に誘起される逆起電力a,b,cの零クロス時点のタ
イミングを検出する。すなわち、逆起電力検出部1は、
3相の逆起電力a,b,cに応動し、その零クロス時点に対
応した3相の整形信号を得て、各整形信号のエッジ時点
において変化する整形タイミング信号mを得る。
第3図に逆起電力検出部1の具体的な構成例を示し、
第4図にその動作説明用の信号波形を示す。定常回転状
態において、巻線11,12,13には第4図に示す3相の逆起
電力a,b,cが発生する。コンパレータ回路31,32,33は、
それぞれ各巻線11,12,13の両端電圧が入力され、両端電
圧が零になる時点において変化する3相の整形信号u,v,
wを得ている。巻線の両端電圧は、供給電流と巻線抵抗
による電圧降下と逆起電力が合成された電圧であるが、
逆起電力が零になる時点(零クロス時点)において巻線
に供給される電流は零もしくはほぼ零なので、3相の整
形信号u,v,wのエッジは各逆起電力a,b,cの零クロス時点
に対応する。整形信号u,v,wは、アンド回路34,35,36と
オア回路37によって論理合成され、第4図に示す整形タ
イミング信号mを得ている。整形タイミング信号mの各
立ち上がりエッジは各逆起電力の立ち上がり側の零クロ
ス点に対応し、整形タイミング信号mの各立ち下がりエ
ッジは各逆起電力の立ち下がり側の零クロス点に対応し
ている。
第1図の論理パルス発生部2は、逆起電力検出部1の
整形タイミング信号mが入力され、6相の論理パルスを
作る。第5図に論理パルス発生部2の具体的な構成例を
示し、第6図にその動作説明用波形を示す。
第5図において、整形タイミング信号mは両エッジ微
分回路80に入力され、整形タイミング信号mの両エッジ
のタイミングにおいて微分パルス信号naを得る(第6図
(a),(b))。微分パルス信号naは、データ入力形
フリップフロップ回路81,82,83,84,85,86とノア回路87
からなる6進シフトレジスタのクロックパルスになる。
微分パルス信号naが発生する毎に“H"(高電位)状態が
順次シフトし、第6図に示すような、サイクリックな6
相の論理パルス信号p1〜p6を発生する。この論理パルス
信号p1〜p6の各エッジは、整形タイミング信号mの各エ
ッジに対応し、逆起電力a,b,cの各零クロス時点に対応
する。定常回転状態の整形タイミング信号mと論理パル
スp1〜p6の位相関係を、第6図に示す。
第1図の波形発生部3は、第1の傾斜波形発生器3aと
第2の傾斜波形発生器3bを含んで構成され、逆起電力検
出部1の整形タイミング信号mが入力され、発生タイミ
ングの異なる第1の傾斜信号st1と第2の傾斜信号st2を
生成する。
第7図に波形発生部3の具体的な構成例を示し、第8
図(a)および第8図(b)にその動作説明用波形を示
す。第8図(a)は高速回転時(第1の回転数)での定
常回転状態の所要の信号波形を示し、第8図(b)は低
速回転時(第1の回転数よりも低い第2の回転数)での
定常回転状態の所要の信号波形を示している。
まず、第8図(a)を参照して、高速回転時での波形
発生部3の動作を説明する。整形タイミング信号mは両
エッジ微分回路42に入力され、整形タイミング信号mの
各エッジのタイミングにおいて微分パルス信号nbを作
る。微分パルス信号nbは立ち下がり微分回路43に入力さ
れ、微分パルス信号nbの立ち下がり時点において微分パ
ルス信号rを作る。カウンタ回路45は所要ビット数のア
ップ形バイナリーカウンタ(例えば、5ビットアップカ
ウンタ)であり、クロックパルス回路44の出力するクロ
ックパルス信号cpをカウントし、微分パルス信号rによ
ってリセットされている。第8図(a)にカウンタ回路
45の内容をアナログ信号に変えた場合の波形ppを示す。
セット・リセット形フリップフロップ回路46は、セット
端子にカウンタ回路45の最上位ビットの出力信号が入力
され、リセット端子に微分パルス信号rが入力されてい
る。その結果、微分パルス信号rが出力される毎にフリ
ップフロップ回路46の出力信号qaは“L"(低電位状態)
になり、カウンタ回路45の最上位ビットが“H"(高電位
状態)になると、フリップフロップ回路46の出力信号qa
は“H"になる。高速回転時では、微分パルス信号rのパ
ルス間隔が狭く、カウンタ回路45の最上位ビットは“L"
のままである。従って、フリップフロップ回路46の出力
信号qaは第8図(a)に示すように“L"の状態にある。
データ入力形フリップフロップ回路47は、フリップフロ
ップ回路46の出力信号qaを微分パルス信号nbのタイミン
グにおいて取り込み、回転数(整形信号の周期)に応じ
た保持信号saとして出力する。従って、高速回転時のフ
リップフロップ回路47の保持信号saは第8図(a)に示
すように“L"状態を保持する。
第1の遅延回路40aは、整形タイミング信号mが直接
入力され、整形タイミング信号mの立ち下がりエッジよ
り所定時間τaの間“H"状態を遅延させた第1の遅延信
号maを出力する。第2の遅延回路40bは、整形タイミン
グ信号mをインバータ回路41によって反転した信号が入
力され、整形タイミング信号mの立ち上がりエッジより
所定時間τbの間“H"状態を保った第2の遅延信号mbを
出力する。
第7図に示すように、第1の傾斜波形発生器3aは、第
1の遅延信号maと保持信号saが入力され、第1の傾斜信
号st1を出力する。保持信号saはインバータ回路55aを介
してスイッチ回路56aの開閉動作を行う。すなわち、保
持信号saが“L"の時にスイッチを閉じ、保持信号saが
“H"の時にスイッチを開く。同様に、遅延信号maはイン
バータ回路53aを介してスイッチ回路54aの開閉動作を行
う。すなわち、遅延信号maが“L"の時にスイッチを閉
じ、遅延信号maが“H"の時にスイッチを開く。高速回転
時では、保持信号saは“L"であるから、スイッチ回路56
aは閉じ、定電流源51aと定電流源52aの合成電流(11+1
2)によってコンデンサ50aを充電する。遅延信号maが
“L"になるとスイッチ回路54aが閉じ、コンデンサ50aの
電荷を放電する。コンデンサ50aの端子電圧は、バッフ
ァ回路57aを介して第1の傾斜信号st1として出力され
る。その結果、第1の傾斜信号st1は、第8図(a)に
示すように、整形タイミング信号mの立ち上がりエッジ
時点(整形信号の立ち上がりエッジ時点)から所定の傾
斜で大きくなり、遅延信号maが“L"になるとアース電位
になる三角波状の信号になる。なお、第1の傾斜信号ma
の傾斜部分の時間幅は、整形タイミング信号mのエッジ
間隔(“H"の区間)よりも十分に広くなる。
第2の傾斜波形発生器3bは、第2の遅延信号mbと保持
信号saが入力され、第2の傾斜信号st2を作る。保持信
号saはインバータ回路55bを介してスイッチ回路56bの開
閉動作を行う。すなわち、保持信号sbが“L"の時にスイ
ッチを閉じ、保持信号saが“H"の時にスイッチを開く。
同様に、遅延信号mbはインバータ回路53bを介してスイ
ッチ回路54bの開閉動作を行う。すなわち、mbが“L"の
時にスイッチを閉じ、mbが“H"の時にスイッチを開く。
保持信号saは“L"であるから、スイッチ回路56bは閉
じ、定電流源51bと定電流源52bの合成電流(I1+I2)に
よってコンデンサ50bを充電する。遅延信号mbが“L"に
なるとスイッチ回路54bが閉じ、コンデンサ50bの電荷を
放電する。コンデンサ50bの端子電圧は、バッファ回路5
7bを介して第2の傾斜信号st2として出力される。その
結果、第2の傾斜信号st2は、第8図(a)に示すよう
に、整形タイミング信号mの立ち下がりエッジ時点(整
形信号の立ち下がりエッジ時点)から所定の傾斜で大き
くなり、遅延信号mbが“L"になるとアース電位になる三
角波状の信号になる。なお、第2の傾斜信号mbの傾斜部
分の時間幅は、整形タイミング信号mのエッジ間隔
(“L"の区間)よりも十分に広くなる。
このように、第1の傾斜信号st1は整形タイミング信
号mの立ち上がりエッジから三角波を作り、第2の傾斜
信号st2は整形タイミング信号mの立ち下がりエッジか
ら三角波を作り、傾斜信号st1とst2は交互に異なるタイ
ミングの傾斜信号になる(第8図(a))。
次に、低速回転時(第2の回転数)での定常回転状態
における第7図の波形発生部の動作を、第8図(b)を
参照して説明する。両エッジ微分回路42と微分回路43に
よる微分パルス信号nb,rを得る動作は第8図(a)と同
様である。
低速回転時には、整形タイミング信号mのエッジ間隔
(整形信号の周期に比例)は長く、カウンタ回路45の最
大カウント値は第8図(b)のppに示すように大きくな
り、最上位ビットが“L“から“H"に変わる時間幅があ
る。そのため、フリップフロップ回路46はセットされ、
その出力信号qaも“H"に変わる(第8図(b):qa)。
このときに、整形タイミング信号mのエッジが到来して
微分パルス信号nbが発生し、フリップフロップ回路46の
出力信号qaをフリップフロップ回路47でラッチし、フリ
ップフロップ回路47の保持信号saは“H"になる(第8図
(b):sa)。
第1の遅延信号maは整形タイミング信号mの“H"の区
間を遅延時間τaだけ伸ばしたものであり、第2の遅延
信号mbは整形タイミング信号mの反転信号の“H"の区間
を遅延時間τbだけ伸ばしたものである(第8図
(b):ma,mb)。
第1の傾斜波形発生器3aに、保持信号saと第1の遅延
信号maが入力される。保持信号saが“H"であるから、ス
イッチ回路56aは開く。従って、コンデンサ50aの充電電
流は定電流源51aの電流I1だけになり、第1の傾斜信号s
t1の時間的な傾斜は緩やかになる(第8図(b):st
1)。なお、第8図(b)に示すst1の波線は合成電流
(I1+I2)によってコンデンサ50aを充電したと仮定し
た場合の第1の傾斜信号を表している。
また、第2の傾斜波形発生器3bには、保持信号saと第
2の遅延信号mbが入力される。保持信号saが“H"である
から、スイッチ回路56bは開く。従って、コンデンサ50b
の充電電流は定電流源51bの電流I1だけになり、第2の
傾斜信号st2の時間的な傾斜は緩やかになる(第8図
(b):st2)。なお、第8図(b)に示したst2の波線
は合成電流(I1+I2)によってコンデンサ50bを充電し
たと仮定した場合の第2の傾斜信号を表している。
このようにして、低速回転時(第2の回転数の定常状
態)において、第1の傾斜信号st1と第2の傾斜信号st2
の時間的な傾斜を緩やかにし、整形タイミング信号mの
エッジ間隔における電位上昇値を、高速回転時(第1の
回転数の定常状態)と同じになるようにしている。な
お、カウンタ回路45は、オーバーフロー検出時のカウン
ト停止機能を有し、オーバーフローを検出したときにク
ロックパルス信号cpのカウント動作を停止するようにし
ている。
第1図の信号合成部4は、第1の位置信号合成器4aと
第2の位置信号合成器4bを含んで構成され、論理パルス
発生部2の論理パルス信号と波形発生部3の傾斜信号
(第1の傾斜信号と第2の傾斜信号)が入力され、タイ
ミングの異なるそれぞれ3相の第1の位置信号と第2の
位置信号(合計6相の位置信号)を合成する。
第9図に信号合成部4の具体的な構成例を示し、第10
図にその動作説明用波形を示す。第9図の第1の位置信
号合成器4aには、第1の傾斜信号st1が入力される。バ
ッファ回路63aは定電流源62aの電位が入力され、その電
位に応じた所定の第1の定電位信号sf1を出力する。反
転バッファ回路61aは、第1の傾斜信号st1と第1の定電
位信号sf1が入力され、第1の定電位信号sf1を基準にし
て第1の傾斜信号st1を反転した第1の反転傾斜信号sd1
を得ている(第10図:sd1)。
各合成回路71,72,73は、論理パルス発生部2の論理パ
ルスp1〜p6に応動して、第1の傾斜信号st1と第1の定
電位信号sf1と第1の反転傾斜信号sd1を合成し、3相の
第1の位置信号d,f,hを作り出す。第10図にこれらの信
号波形を示す。
合成回路71は、3個のスイッチ回路64,65,66と抵抗67
と電流変換回路68からなり、スイッチ回路64,65,66を論
理パルスp1,p2,p3によって開閉し、抵抗67に台形波状の
電圧信号を得て、その電圧信号の正極部分を電流変換回
路68によって電流に変換し、位置信号dを得ている(第
10図:d)。p1が“H"の区間ではスイッチ回路64が閉じ、
第1の傾斜信号st1が抵抗67の電圧になる。次に、p2が
“H"の区間にかわるとスイッチ回路65が閉じ、第1の定
電位信号sf1が抵抗67の電圧になる。この切り換わり時
点における第1の傾斜信号st1の電位は、第1の定電位
信号sf1の電位に等しい。次に、p3が“H"の区間にかわ
るとスイッチ回路66が閉じ、第1の反転傾斜信号sd1が
抵抗67の電圧になる。第1の反転傾斜信号sd1は第1の
定電位信号sf1を基準にした反転信号であり、切り換わ
り時点において両者の電位は等しい。さらに、p1,p2,p3
がすべて“L"の区間になると、スイッチ回路64,65,66が
開き、抵抗67の電位はアース電位に等しくなる。従っ
て、抵抗67には台形波状の電圧信号が得られる。電流変
換回路68は、この抵抗67の電圧信号からアース電位以上
の正極側の電圧に比例した電流信号に変換し、台形波状
の位置信号dとして出力(電流吸い込み)する(第10
図:d)。
合成回路72,73の構成および動作は、合成回路71と同
様であり、それぞれ論理パルスp3,p4,p5とp5,p6,p1に応
動して、台形波状の位置信号fとhを出力(電流吸い込
み)する(第10図:f,h)。このようにして、第1の位置
信号合成器4aは、3相の台形波状の位置信号d,f,hを合
成・出力する。
第9図の第2の位置信号合成器4bには、第2の傾斜信
号st2が入力される。バッファ回路63bは、定電圧源62b
の電位が入力され、その電位に応じた所定の第2の定電
位信号sf2が出力される。反転バッファ回路61bは、第2
の傾斜信号st2と第2の定電位信号sf2が入力され、第2
の定電位信号sf2を基準にして第2の傾斜信号st2を反転
させた第2の反転傾斜信号sd2が作り出される(第10図:
sd2)。
合成回路74,75,76は、論理パルス発生部2の論理パル
スp1〜p6に応動して、第2の傾斜信号st2と第2の定電
位信号sf2と第2の反転傾斜信号sd2を合成し、3相の第
2の位置信号g,i,eを作り出す。各合成回路の構成は、
前述の合成回路71と同様である(但し、電流変換回路の
電流の向きは流し出しになる)。たとえば、合成回路74
は、論理パルスp4,p5,p6によってスイッチ回路を閉開
し、抵抗に台形波状の電圧信号を得て、その電圧信号の
正極部分を電流変換回路によって電流に変換し、位置信
号gを作り出す。すなわち、p4が“H"になると第2の傾
斜信号st2が抵抗の電圧になり、p5が“H"にかわると第
2の定電位信号sf2が抵抗の電圧になり、p6が“H"にか
わると第2の反転傾斜信号sd2が抵抗の電圧になり、p4,
p5,p6がすべて“L"にかわると抵抗の電位はアース電位
に等しくなる。その結果、抵抗には台形波状の電圧信号
が得られ、電流変換回路はこの抵抗の電圧信号からアー
ス電位以上の正極側の電圧に比例した電流に変換し、台
形波状の位置信号gとして出力(電流流出)する(第10
図:g)。なお、第2の傾斜信号st2と第2の定電位信号s
f2の切り換わり時点における両者の電位は等しくされ、
かつ、第2の定電位信号sf2と第2の反転傾斜信号sd2の
切り換わり時点において両者の電位は等しくされてい
る。
合成回路75と76の構成および動作は、合成回路74と同
様であり、それぞれ論理パルスp6,p1,p2とp2,p3,p4に応
動して、台形波状の位置信号iとeを出力(電流流出)
する(第10図:i,e)。このようにして、第2の位置信号
合成器4bは、3相の台形波状の位置信号g,i,eを合成・
出力する。
第10図に示すように、第1の位置信号合成器4aによる
3相の第1の位置信号d,f,hは整形タイミング信号mの
立ち上がりエッジ(整形信号の立ち上がりエッジ)より
傾斜の始まる台形波状になり、第2の位置信号合成器4b
による3相の第2の位置信号g,i,eは整形タイミング信
号mの立ち下がりエッジ(整形信号の立ち下がりエッ
ジ)より傾斜の始まる台形波状になる。従って、信号合
成部4により整形信号の各エッジから傾斜の始まる6相
の台形波状の位置信号d,f,h,g,i,eが得られる。
第1図に示す電力供給部5は第1の駆動トランジスタ
群5aと第2の駆動トランジスタ群5bを含んで構成され、
信号合成部4の位置信号(第1の位置信号と第2の位置
信号)に応動して、所定の両方向の電流を固定子巻線1
1,12,13に分配供給する。すでに説明した第2図の電力
供給部5の動作説明用波形を第11図に示す。
第2図に示すように、第1の駆動トランジスタ21,22,
23の各ベースには、信号合成部4の第1の位置信号合成
器4aによって合成された台形波状の3相の第1の位置信
号d,f,hがそれぞれ供給され、第1の駆動トランジスタ
の通電を制御する。同様に、第2の駆動トランジスタ2
4,25,26の各ベースには、第2の位置信号合成器4bによ
って合成された台形波状の3相の第2の位置信号g,i,e
がそれぞれ供給され、第2の駆動トランジスタの通電を
制御する。永久磁石回転子27の回転に伴って、6相の位
置信号d,f,h,g,i,eが第11図のように変化し、固定子巻
線11,12,13にはそれぞれ第11図に示した台形波状の3相
の電流Ia,Ib,Icが両方向に供給される。その結果、永久
磁石回転子27は回転駆動され、所定の回転数(高速回転
もしくは低速回転)での回転を持続する。
第11図に固定子巻線11,12,13に誘起される逆起電力a,
b,cを示す。定常回転状態では、逆起電力a,b,cと電流I
a,Ib,Icは同位相になる。また、電流Ia,Ib,Icが台形波
状になるように駆動トランジスタの通電を制御している
ので、各固定子巻線11,12,13の逆起電力a,b,cの零クロ
ス時点においてその固定子巻線に供給される各電流Ia,I
b,Icは零もしくはほぼ零になる。従って、逆起電力検出
部1により正確な逆起電力の零クロス時点の検出が可能
になる。
次に、第1図から第11図に示した本発明の実施例の全
体的な動作を説明する。逆起電力検出部1は、固定子巻
線11,12,13の両端電圧を整形することにより、巻線11,1
2,13に誘起される逆起電力a,b,cに応動した3相の整形
信号u,v.wを得て、整形信号の各エッジに対応して変化
する整形タイミング信号mを作る。論理パルス発生部2
は、整形タイミング信号mの各エッジにおいてシフトす
る6相の論理パルスp1〜p6を作る。波形発生部3は、整
形タイミング信号mの立ち上がりエッジ時点から傾斜を
始める第1の傾斜信号st1と整形タイミング信号mの立
ち下がりエッジ時点から傾斜を始める第2の傾斜信号st
2を作る。信号合成部4は、論理パルスp1〜p6と第1の
傾斜信号st1から台形波状の3相の第1の位置信号d,f,h
を作り、論理パルスp1〜p6と第2の傾斜信号st2から台
形波状の3相の第2の位置信号g,i,eを作る。第1の位
置信号d,h,fと第2の位置信号g,i,eの位相は異なってお
り、信号合成部4は合計6相の台形波状の位置信号を作
り出している。電力供給部5の第1の駆動トランジスタ
群5aは第1の位置信号によって通電を制御され、第2の
駆動トランジスタ群5bは第2の位置信号によって通電を
制御されている。従って、第1の駆動トランジスタ群5a
と第2の駆動トランジスタ群5bによって、固定子巻線1
1,12,13には第11図に示す台形波状の3相の両方向の電
流Ia,Ib,Icが供給される。定常回転状態においては、固
定子巻線11,12,13の逆起電力a,b,cと電流Ia,Ib,Icは同
位相になる(第11図参照)。
このように、本発明の実施例では、位置検出素子が全
く不要な無整流子直流電動機を実現しており、非常に簡
素な構造になっている。
また、本実施例の位置信号は、逆起電力の零クロス時
点に一致する整形信号のエッジ時点から始める滑らかな
傾斜を持った台形波状になされている。その結果、電流
も非常に滑らかな台形波状になり、固定子巻線の電流の
切り換わりも滑らかであり、振動や騒音の著しく小さな
電動機を実現している。特に、本実施例のように、各位
置信号を電気角で60度(整形タイミング信号mのエッジ
間隔)の立ち上がり傾斜部と60度の平坦部と60度の立ち
下がり傾斜部を持つように合成するならば、第1の駆動
トランジスタ群を制御する3相の位置信号d,f,hの合成
値を一定にでき、かつ、第2の駆動トランジスタ群を制
御する3相の位置信号g,i,eの合成値を一定にできるの
で、巻線に供給する合成電流(直流電源からみた供給電
流)を一定にできる効果もある。その結果、電流脈動が
なくなり、均一なトルクを発生させることができる。な
お、逆起電力の1周期が電気角の360度である。
さらに、本実施例に示したように、整形信号の周期
(整形タイミング信号の半周期)に応じて波形発生部の
傾斜信号の傾斜を変え得るようにするならば、回転数を
変化させた場合でも、上述の滑らかな台形波状の位置信
号を簡単に得ることができる。
次に、波形発生部3の他の具体的な構成例を第12図に
示し、その動作を説明する。なお、動作波形は第8図
(a)および第8図(b)と同様であり、同じ信号につ
いては同一の信号名とした。整形タイミング信号mは両
エッジ微分回路103に入力され、整形タイミング信号m
の両エッジタイミングにおいてパルスを発生する微分パ
ルス信号nbを作る(第8図(a):a,b)。微分パルス信
号nbは立ち下がり微分回路104に入力され、微分パルス
信号nbの立ち下がり時点において微分パルス信号rを作
る(第8図(a):r)。カウンタ回路102は不要ビット
数のアップ形バイナリーカウンタ(例えば、5ビットア
ップカウンタ)であり、クロックパルス回路101の出力
するクロックパルス信号cp1をカウントし、微分パルス
信号rによってリセットされている(第8図(a))に
カウンタ回路102の内容をアナログ的に示した波形ppを
示す)。リセット形フリップフロップ回路105は、セッ
ト端子にカウンタ回路102の最上位ビットの出力信号が
入力され、リセット端子に微分パルス信号rが入力され
ている。その結果、微分パルス信号rが出力される毎に
フリップフロップ回路105の出力信号qaは“L"(低電位
状態)になり、カウンタ回路102の最上位ビットが“H"
になると、出力信号qaは“H"(高電位状態)になる。高
速回転時(第1の回転数)では、微分パルス信号rのパ
ルス間隔が狭く、カウンタ回路102は十分にカウントア
ップする時間がなく、その最上位ビットは“L"のままで
ある。従って、フリップフロップ回路105の出力信号qa
は“L"の状態を保持する。データ入力形フリップフロッ
プ回路106は、フリップフロップ回路105の出力信号qaを
微分パルス信号nbのタイミングにおいて取り込み、回転
数(整形信号の周期)に応じた保持信号saとして出力す
る。その結果、フリップフロップ回路106の保持信号sa
は高速回転時では“L"状態を保持する(第8図(a):q
a,sa)。
第1の遅延回路108aは、整形タイミング信号mが直接
入力され、整形タイミング信号mの立ち下がりエッジよ
り所定時間τaの間“H"状態を遅延させた遅延信号maを
出力する(第8図(a):ma)。第2の遅延回路108b
は、整形タイミング信号mをインバータ回路109によっ
て反転された信号が入力され、整形タイミング信号mの
反転信号の立ち下がりエッジより所定時間τbの間“H"
状態を遅延させた遅延信号mbを出力する(第8図
(a):mb)。
分周回路107は、クロックパルス信号cp1に対して所定
の分周を行い、分周クロックパルス信号cp2を出力す
る。
第1の傾斜波形発生器3aは、第1の遅延信号maと保持
信号saとクロックパルス信号cp1と分周クロックパルス
信号cp2が入力され、第1の傾斜信号st1を生成する。選
択回路121aは、保持信号saの状態に応じてクロックパル
ス信号cp1と分周クロックパルス信号cp2を選択して、第
1のクロック信号caとしている。すなわち、保持信号sa
が“L"の時にcaをcp1とし、保持信号saが“H"の時にca
をcp2(分周信号)としている。高速回転時(第1の回
転数)では、保持信号saのレベルは“L"であり、クロッ
ク信号caはcp1になる。選択回路121aのクロック信号ca
はアンド回路122aを介してアップ形のカウンタ回路124a
のクロック端子に入力され、カウンタ回路124aはクロッ
ク信号caをカウントする。第1の遅延信号maはインバー
タ回路123aを介してカウンタ回路124aのリセット端子に
入力され、maが“L"の時にカウンタ回路124aをリセット
する。カウンタ回路124aの内容はD/A変換回路(ディジ
タル−アナログ変換回路)125aに入力され、その内容に
応じたアナログ電圧に変換し、第1の傾斜信号st1を得
ている(第8図(a):st1)。なお、カウンタ回路124a
は最上位ビットの反転信号をオーバーフロー信号(OV
F)としてアンド回路122aに出力し、オーバーフロー時
にクロックの入力を禁止するようにし、カウンタ回路12
4aの内容が所定値以上になることを禁止している。
第2の傾斜波形発生器3bは、第2の遅延信号mbと保持
信号saとクロックパルス信号cp1と分周クロックパルス
信号cp2が入力され、第2の傾斜信号st2を生成する。選
択回路121bは、保持信号saの状態に応じてクロックパル
ス信号cp1と分周クロックパルス信号cp2を選択して第2
のクロック信号cbとなしている。すなわち、保持信号sb
が“L"の時にcbをcp1とし、保持信号sbが“H"の時にcb
をcp2(分周信号)としている。高速回転時(第1の回
転数)では、保持信号saのレベルは“L"であり、クロッ
ク信号cbはcp1になる。選択回路121bのクロック信号cb
はアンド回路122bを介してアップ形のカウンタ回路124b
のクロック端子に入力され、カウンタ回路124bはクロッ
ク信号cbをカウントする。第2の遅延信号mbはインバー
タ回路123bを介してカウンタ回路124bのリセット端子に
入力され、mbが“L"の時にカウンタ回路124bをリセット
する。カウンタ回路124bの内容はD/A変換回路(ディジ
タル−アナログ変換回路)125bに入力され、その内容に
応じたアナログ電圧に変換し、第2の傾斜信号st2を得
ている(第8図(a):st2)。なお、カウンタ回路124b
は最上位ビットの反転信号をオーバーフロー信号として
アンド回路122bに出力し、オーバーフロー時にクロック
の入力を禁止するようにし、カウンタ回路124bの内容が
所定値以上になることを禁止している。
このように、第1の傾斜信号st1は整形タイミング信
号mの立ち上がりエッジから三角波を作り、第2の傾斜
信号st2は整形タイミング信号mの立ち下がりエッジか
ら三角波を作り、傾斜信号st1とst2は交互に異なるタイ
ミングの傾斜信号になる(第8図(a):st1,st2)。
次に、低速回転時(第2の回転数)での定常回転状態
における第12図の波形発生部の動作を説明する(第8図
(b)を参照)。両エッジ微分回路103と微分回路104に
よる微分パルス信号nbとrを得る動作は上述した高速回
転時と同じである(第8図(b):m,nb,r)。低速回転
時には、整形タイミング信号mのエッジ間隔(整形信号
の周期に比例)は長く、カウンタ回路102の最大カウン
ト値は第8図(b)のppに示すように大きくなり、最上
位ビットが“L"から“H"に変わる時間幅がある。そのた
め、フリップフロップ回路105はセットされ、その出力
信号qaも“H"に変わる(第8図(b):qa)。このとき
に、整形タイミング信号mのエッジが到来して微分パル
ス信号nbが発生し、フリップフロップ回路105の出力信
号qaをフリップフロップ回路106でラッチし、フリップ
フロップ回路106の保持信号saは“H"になる(第8図
(b):sa)。
第1の遅延信号maは整形タイミング信号mの“H"の区
間を遅延時間τaだけ伸ばしたものであり、第2の遅延
信号mbは整形タイミング信号mの反転信号の“H"の区間
を遅延時間τbだけ伸ばしたものである(第8図
(b):ma,mb)。
第1の傾斜波形発生器3aに、第1の遅延信号maと保持
信号saとクロックパルス信号cp1と分周クロックパルス
信号cp2が入力される。保持信号saが“H"であるから、
選択回路121aは分周クロックパルス信号cp2をクロック
信号caとして出力する。すなわち、低速回転時(第2の
回転数)でのクロック信号ca=cp22の周波数は、高速回
転時のクロック信号ca=cp1の周波数よりも回転数比に
対応して小さくされる(回転数比に対応した所定の分周
値分の1)。従って、カウンタ回路124aは時間的に緩や
かにカウントアップしてゆき、カウンタ回路124aの内容
をD/A変換回路125aによりアナログ値に変換した第1の
傾斜信号st1の時間的な傾斜も緩やかになる(第8図
(b):st1)。なお、第8図(b)に示したst1の波線
はクロック信号cp1でカウントしたと仮定した場合の第
1の傾斜信号を表している。
また、第2の傾斜波形発生器3bには、第2の遅延信号
mbと保持信号saとクロックパルス信号cp1と分周クロッ
クパルス信号cp2が入力される。保持信号saが“H"であ
るから、選択回路121bは分周クロックパルス信号cp2を
クロック信号cbとして出力する。すなわち、低速回転時
(第2の回転数)でのクロック信号cb=cp2の周波数
は、高速回転時のクロック信号cb=cp1の周波数よりも
小さくされ、所定分周値分の1になる。従って、カウン
タ回路124bは時間的に緩やかにカウントアップしてゆ
き、カウンタ回路124bの内容をD/A変換回路125bにより
アナログ値に変換した第2の傾斜信号st2の時間的な傾
斜も緩やかになる(第8図(b):st2)。なお、第8図
(b)に示したst2の波線はクロック信号cp1でカウント
したと仮定した場合の第2の傾斜信号を表している。
このようにして、低速回転時(第2の回転数の定常回
転状態)において、第1の傾斜信号st1と第2の傾斜信
号st2の時間的な傾斜を緩やかにし、整形タイミング信
号mのエッジ間隔における電位上昇値を、高速回転時
(第1の回転数の定常回転状態)と同じになるようにし
ている。その結果、低速回転時でも高速回転時と同様
な、立ち上がり傾斜および立ち下がり傾斜が電気角で60
度の滑らかな台形波状の位置信号が合成され、固定子巻
線への供給電流も滑らかな台形波状になる。
このように、第1の傾斜信号発生器3aおよび第2の傾
斜信号発生器3bを、カウンタ回路やD/A変換回路を使っ
てディジタル的に構成するならば、簡単な構成で精度の
良い傾斜信号st1やst2を得ることができる。すなわち、
水晶発振器等を使用することによりクロック信号を高精
度に作り出せ、R−2Rラダー抵抗型のD/A変換回路によ
り精度良くアナログ信号に変換できるので、傾斜信号の
時間的な傾斜を高精度に作り出すことができる。その結
果、台形波状の位置信号の立ち上がり傾斜部分および立
ち下がり傾斜部分を60度(電気角)もしくはほぼ60度に
することができ、固定子巻線への電流波形を第11図Ia,I
b,Icに示したような好ましい台形波状の両方向電流にす
ることが容易にできる。特に、量産時のバラツキが著し
く少なくなる。
また、高速回転や低速回転に回転数を切換えるときに
も、第1の傾斜信号発生器3aおよび第2の傾斜信号発生
器3bのカウンタ回路へのクロック信号の周波数を変える
ことにより、簡単に傾斜信号st1やst2の時間的な傾斜を
変えることができる。すなわち、回転数を切換える用途
に対して極めて容易に対応できる。
なお、カウンタ回路102は、オーバーフロー時のカウ
ント停止機能を有し、オーバーフローを検出したときに
クロックパルス信号cp1のカウント動作を停止し、その
カウント内容を保持している。また、選択回路121aと12
1bを1個にして、クロック信号caとcbを同一の信号にし
てもよい。
次に、逆起電力検出部1の他の具体的な構成例を第13
図に示し、その動作について説明する。なお、動作波形
は第4図と同様であり、同じ信号については同一の信号
名としている)。本例では、中性点Oを接続しないで、
電流給電端子A,B,Cのみの接続によって、3相の整形信
号u,v,wを得ている。
コンパレータ回路131は、正極入力端子に給電端子A
が接続され、負極入力端子に給電端子B,Cが抵抗141,142
を介して接続されている。抵抗141と142の抵抗値は等し
い、もしくは抵抗141の方が抵抗142よりも少し大きい。
抵抗141と142による合成電圧は、中性点Oからみると固
定子巻線11の両端電圧の反転電圧に等しく、もしくはほ
ぼ等しくなる。従って、コンパレータ回路131の整形信
号uは、第4図に示すように固定子巻線11の逆起電力a
の零クロス時点において変化する信号になる。
同様に、コンパレータ回路132は、正極入力端子に給
電端子Bが接続され、負極入力端子に給電端子C,Aが抵
抗143,144を介して接続されている。抵抗143と144の抵
抗値は等しい、もしくは抵抗143の方が抵抗144よりも少
し大きい。抵抗143と144による合成電圧は、中性点Oか
らみると固定子巻線12の両端電圧の反転電圧に等しく、
もしくはほぼ等しくなる。従って、コンパレータ回路13
2の整形信号vは、第4図に示すように固定子巻線12の
逆起電力bの零クロス時点において変化する信号にな
る。
コンパレータ回路133は、正極入力端子に給電端子C
が接続され、負極入力端子に給電端子A,Bが抵抗145,146
を介して接続されている。抵抗145と146の抵抗値は等し
い、もしくは抵抗145の方が抵抗146よりも少し大きい。
抵抗145と146による合成電圧は、中性点Oからみると固
定子巻線13の両端電圧の反転電圧に等しく、もしくはほ
ぼ等しくなる。従って、コンパレータ回路133の整形信
号wは、第4図に示すように固定子巻線13の逆起電力c
の零クロス時点において変化する信号になる。
3相の整形信号u,v,wはアンド回路134,135,136とオア
回路137によって論理合成され、各整形信号のエッジ時
点において変化する整形タイミング信号mを得ている。
整形タイミング信号mの立ち上がりエッジは各逆起電力
の立ち上がり側の零クロス点に対応し、整形タイミング
信号mの立ち下がりエッジは各逆起電力の立ち下がり側
の零クロス点に対応している。
本例では、電流給電端子だけを接続していながらも、
正確な逆起電力の零クロス時点の検出が可能になってい
る。また、抵抗141〜146の抵抗値を適当に選定すること
により、その検出位相を少しシフトさせることも可能で
ある。特に、本実施例の電動機のように逆起電力を検出
して通電のタイミングを制御し、その検出信号から台形
波状の電流を固定子巻線に両方向に供給する場合には、
抵抗141,143,145の抵抗値をそれぞれ抵抗142,144,146の
抵抗値よりも大きく設定したほうが、検出位相(整形信
号が変化するタイミング)を逆起電力の正確な零クロス
時点よりも早めに設定でき、好ましい効果を得ることが
できる。
以上説明したように、本発明の無整流子直流電動機
は、ホール素子の如き回転子位置検出素子を設けること
なく、固定子巻線に両方向の電流を供給する全波駆動方
式の電動機を実現できるものである。
なお、前述の実施例では、Y結線された3相の固定子
巻線を有する電動機について説明したが、本発明はその
ような場合に限らず、固定子巻線がΔ結線された電動機
に適用することも可能である。
また、前述の実施例の波形発生部では、整形信号の周
期(整形タイミング信号mの半周期・周期)に応じて傾
斜信号の時間的な傾斜を2段階に切換えるように構成し
たが、本発明はそのような場合に限らず、3段階もしく
はそれ以上に増やしてもよい。さらに、整形信号の周期
に応じて、傾斜信号の時間的な傾斜を連続的に変化する
ように構成してもよいことは言うまでもない。
また、前述の実施例の論理パルス発生部では、整形タ
イミング信号を利用して6相の論理パルス信号を作った
が、本発明はそのような場合に限らず、例えば、3相の
整形信号を直接利用して論理パルス信号を作ることも可
能である。さらに、6相の論理パルス信号に限らず、必
要に応じて複数相の論理パルス信号を作ることができ
る。
また、前述の実施例の信号合成部では、傾斜信号を所
定電位信号を使って電圧信号を合成した後に、電流信号
に変換して位置信号を得たが、本発明はそのような場合
に限らず、傾斜信号を直接電流信号に変換し、その後に
所定電流信号と合成することによって台形波状の位置信
号を合成するようにしても良い。
これらの変更・変形をおこなった場合にも、本発明に
含まれることは言うまでもない。その他、本発明の主旨
を変えずして種々の変更・変形が可能である。
発明の効果 本発明は、固定子巻線に誘起される逆起電力を利用し
て、固定子巻線に滑らかな両方向の電流を供給する全波
駆動方式の無整流子直流電動機を実現するものであるた
め、ホール素子の如き位置検出素子が不要となり、半波
駆動方式に比べて高効率で、かつ発生トルクの大きい無
整流子直流電動機を実現できる。さらに、本発明の無整
流子直流電動機は、巻線電流を滑らかな台形波状にして
いるので、高速回転時の振動・騒音が極めて小さい。ま
た、スパイク状電圧を低減するための大容量の電解コン
デンサを含むフィルタ回路も不要もしくは大幅に小さく
でき、回路構成も簡素化できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の無整流子直流電動機の一実施例の全体
構成を示すブロック図、第2図は本発明に係る電力供給
部の具体的な構成例を示す回路構成図、第3図は本発明
に係る逆起電力検出部の具体的な構成例を示す回路構成
図、第4図は本発明に係る逆起電力検出部の動作を説明
するための信号波形図、第5図は本発明に係る論理パル
ス発生部の具体的な構成例を示す回路構成図、第6図は
本発明に係る論理パルス発生部の動作を説明するための
信号波形図、第7図は本発明に係る波形発生部の具体的
な構成例を示す回路構成図、第8図(a)および第8図
(b)は本発明に係る波形発生部の動作を説明するため
の信号波形図、第9図は本発明に係る信号合成部の具体
的な構成例を示す回路構成図、第10図は本発明に係る信
号合成部の動作を説明するための信号波形図、第11図は
本発明に係る電力供給部の動作を説明するための信号波
形図、第12図は本発明に係る波形発生部の他の具体的な
構成例を示す回路構成図、第13図は本発明に係る逆起電
力検出部の他の具体的な構成例を示す回路構成図、第14
図は従来の無整流子直流電動機の回路構成図、第15図は
従来の無整流子直流電動機の動作を説明するための信号
波形図である。 1……逆起電力検出部、2……論理パルス発生部、3…
…波形発生部、3a……第1の傾斜波形発生器、3b……第
2の傾斜波形発生器、4……信号合成部、4a……第1の
位置信号合成器、4b……第2の位置信号合成器、5……
電力供給部、5a……第1の駆動トランジスタ群、5b……
第2の駆動トランジスタ群、11,12,13……固定子巻線。

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】3相の固定子巻線と、直流電源の一端と前
    記固定子巻線の電流給電端子の間の電流路を形成する3
    個のトランジスタからなる第1の駆動トランジスタ群
    と、前記直流電源の他端と前記電流給電端子の間の電流
    路を形成する3個のトランジスタからなる第2の駆動ト
    ランジスタ群と、前記固定子巻線に発生する逆起電力に
    応動した3相の整形信号を得る逆起電力検出手段と、前
    記整形信号に応動して複数相のパルス信号を発生する論
    理パルス発生手段と、前記整形信号のエッジ時点もしく
    はほぼエッジ時点から始まる傾斜信号を発生する波形発
    生手段と、前記論理パルス発生手段が出力するパルス信
    号と前記波形発生手段が出力する傾斜信号より6相の位
    置信号を合成する信号合成手段とを具備し、前記信号合
    成手段の3相の位置信号に応動して前記第1の駆動トラ
    ンジスタ群を通電制御し、前記信号合成手段の他の3相
    の位置信号に応動して前記第2の駆動トランジスタ群を
    通電制御するよう構成した無整流子直流電動機。
  2. 【請求項2】波形発生手段は、逆起電力検出手段の整形
    信号の周期に応じて傾斜信号の時間的な傾斜を変化させ
    る手段を含んで構成されたことを特徴とする請求項
    (1)記載の無整流子直流電動機。
  3. 【請求項3】波形発生手段は、逆起電力検出手段の整形
    信号に応動してクロック信号をカウントする動作とリセ
    ットする動作を繰り返すカウント手段と、前記カウント
    手段の内容をアナログ量に変換するディジタル−アナロ
    グ変換手段を含んで構成されたことを特徴とする請求項
    (1)記載の無整流子直流電動機。
  4. 【請求項4】波形発生手段は、逆起電力検出手段の整形
    信号の周期に応じてクロック信号の周波数を変化させる
    手段を含んで構成されたことを特徴とする請求項(3)
    記載の無整流子直流電動機。
  5. 【請求項5】3相の固定子巻線と、直流電源の一端と前
    記固定子巻線の電流給電端子の間の電流路を形成する3
    個のトランジスタからなる第1の駆動トランジスタ群
    と、前記直流電動機の他端と前記電流給電端子の間の電
    流路を形成する3個のトランジスタからなる第2の駆動
    トランジスタ群と、前記固定子巻線に発生する逆起電力
    に応動した3相の整形信号を得る逆起電力検出手段と、
    前記整形信号に応動して複数相のパルス信号を発生する
    論理パルス発生手段と、前記整形信号に応動して第1の
    傾斜信号を発生する第1の傾斜波形発生手段と、前記整
    形信号に応動して前記第1の傾斜信号とは異なるタイミ
    ングにおいて第2の傾斜信号を発生する第2の傾斜波形
    発生手段と、前記論理パルス発生手段が出力するパルス
    信号と前記第1の傾斜波形発生手段が出力する第1の傾
    斜信号より3相の第1の位置信号を合成する第1の位置
    信号合成手段と、前記論理パルス発生手段が出力するパ
    ルス信号と前記第2の傾斜波形発生手段が出力する第2
    の傾斜信号より前記第1の位置信号とは異なるタイミン
    グの3相の第2の位置信号を合成する第2の位置信号合
    成手段を具備し、前記第1の位置信号に応動して前記第
    1の駆動トランジスタ群を通電制御し、前記第2の位置
    信号に応動して前記第2の駆動トランジスタ群を通電制
    御するよう構成した無整流子直流電動機。
  6. 【請求項6】第1の傾斜波形発生手段もしくは第2の傾
    斜波形発生手段は、逆起電力検出手段の整形信号の周期
    に応じて第1の傾斜信号もしくは第2の傾斜信号の時間
    的な傾斜を変化させる手段を含んで構成されたことを特
    徴とする請求項(5)記載の無整流子直流電動機。
  7. 【請求項7】第1の傾斜波形発生手段もしくは第2の傾
    斜波形発生手段は、逆起電力検出手段の整形信号に応動
    してクロック信号をカウントする動作とリセットする動
    作を繰り返すカウント手段と、前記カウント手段の内容
    をアナログ量に変換するディジタル−アナログ変換手段
    を含んで構成されたことを特徴とする請求項(5)記載
    の無整流子直流電動機。
  8. 【請求項8】第1の傾斜波形発生手段もしくは第2の傾
    斜波形発生手段は、逆起電力検出手段の整形信号の周期
    に応じてクロック信号の周波数を変化させる手段を含ん
    で構成されたことを特徴とする請求項(7)記載の無整
    流子直流電動機。
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