JPH09121587A - ブラシレス直流モータ - Google Patents

ブラシレス直流モータ

Info

Publication number
JPH09121587A
JPH09121587A JP7278800A JP27880095A JPH09121587A JP H09121587 A JPH09121587 A JP H09121587A JP 7278800 A JP7278800 A JP 7278800A JP 27880095 A JP27880095 A JP 27880095A JP H09121587 A JPH09121587 A JP H09121587A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
reference voltage
current
voltage
transistor group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7278800A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshio Inaji
稲治  利夫
Tomohiko Maruoka
智彦 丸岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP7278800A priority Critical patent/JPH09121587A/ja
Publication of JPH09121587A publication Critical patent/JPH09121587A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 駆動トランジスタでの電力損失を小さく抑え
た状態で固定子巻線の相切換を滑らかに行うことによ
り、振動・騒音の少ない電力効率に優れたブラシレス直
流モータを提供する。 【解決手段】 第1の駆動トランジスタ群5aの動作電
圧を第1の基準電圧発生手段9の出力する基準電圧信号
に等しくなるように第2の駆動トランジスタ群5bの通
電電流を制御し、また第2の駆動トランジスタ群5bの
動作電圧を第2の基準電圧発生手段10の出力する基準
電圧信号に等しくなるように電圧変換手段4の直流出力
電圧を制御するように構成される。固定子巻線11、1
2、13の電流を順次相切換する駆動トランジスタ群の
動作電圧を位置検出手段1の出力する整形信号に応動し
て変化させることにより駆動トランジスタでの電力損失
を小さく抑えることができ、電力効率に優れたブラシレ
ス直流モータを実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブラシレス直流モ
ータに関し、特に電源から供給される電力を効率よく利
用するようにしたブラシレス直流モータに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ブラシレス直流モータはブラシ付
の直流モータに比べ機械的接点を持たないため長寿命で
あると同時に、電気的雑音も少なく、高信頼性が要求さ
れる産業用機器や映像・音響機器に広く応用されてい
る。
【0003】従来、ブラシレス直流モータでは出力電圧
が一定の直流電源から電圧制御トランジスタなどを用い
て電圧制御し、例えばモータの回転速度に応じた電圧を
供給していた。したがって、モータ駆動に利用される有
効電圧は常に直流電源よりも小さく、直流電源からモー
タ駆動のための有効駆動電圧を差し引いた残りの電圧は
すべて電圧制御トランジスタのコレクタ損失(熱損失)
となり電力効率を著しく低下させていた。
【0004】この種のブラシレス直流モータのうち、電
力効率を向上させるために電圧制御トランジスタをスイ
ッチング制御することにより電圧制御トランジスタのコ
レクタ損失を低減させる方式のものが、従来よりいくつ
か提案されている。
【0005】その一例は、直流電源の一端と固定子巻線
の電流給電端子の間の電流路を形成する第1の駆動トラ
ンジスタ群を電流指令と位置信号に応じて電流制御し、
前記直流電源の他端と前記電流給電端子の間の電流路を
形成する第2の駆動トランジスタ群を、第1のトランジ
スタ群の動作電圧の最小電圧を所定の基準電圧に等しく
なるように制御し、さらに電圧制御用のスイッチングト
ランジスタを第2の駆動トランジスタ群の動作電圧が所
定の基準電圧に等しくなるようにオンオフ制御を行うこ
とによって、モータに供給される電圧を制御する。この
ような制御を行うことにより、モータの電力効率を大幅
に改善させている(例えば、特開昭58−198189
号公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のよ
うな構成では、位置信号をエミッタを共通接続した差動
トランジスタのベース入力に与え、差動切換を行うの
で、固定子巻線駆動電流は極めて安定に切り換えられる
が、固定子巻線に流れる駆動電流は通電幅がほぼ電気角
で120度の矩形波状となる。そのため、固定子巻線に
流れる電流が急峻にオン・オフされるため、振動、騒音
を発生しやすいという欠点を有する。そこで、固定子巻
線の相切換を滑らかに行うためには、1相から次の相に
電流切換を行う場合に2相に同時に電流を通電させる期
間が存在する、いわゆるオーバラップ駆動を行う方法が
ある(例えば、特開昭62−221894号公報参
照)。
【0007】モータの電力効率を改善するために、上記
先行技術において、第1の駆動トランジスタ群と第2の
駆動トランジスタ群とをオーバラップ駆動させ、電力効
率を向上させるために、第1の駆動トランジスタ群なら
びに第2の駆動トランジスタ群のエミッタ−コレクタ間
の残り電圧をさらに低減させるために動作電圧を低減さ
せると、今度は電流切換が滑らかに行われず、駆動電流
波形は波形歪みを発生し、この状態でモータを駆動する
と、振動、騒音を発生するという問題を有する。
【0008】本発明は上記問題点に鑑み、固定子巻線の
相切換を滑らかに行うことができ、可変出力の直流電圧
を出力できるスイッチング制御方式の電圧制御を使用し
た電力効率の優れたブラシレス直流モータを提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明のブラシレス直流モータは、複数個の磁極を
有する回転子と、前記回転子に所定の空隙を有して配設
された複数相の固定子巻線と、前記回転子の位置を検出
し複数相の位置信号を形成する位置検出手段と、直流電
源から可変出力の直流電圧を得るスイッチング制御方式
の電圧変換手段と、前記電圧変換手段の一端と前記固定
子巻線の各給電端子の間の電流路を形成する3個のトラ
ンジスタからなる第1の駆動トランジスタ群と、前記固
定子巻線への電流供給を指令する指令信号と前記位置検
出手段の出力に応動して前記第1の駆動トランジスタ群
の通電を分配制御する第1の分配制御手段と、前記電圧
変換手段の他端と前記固定子巻線の各給電端子の間の電
流路を形成する3個のトランジスタからなる第2の駆動
トランジスタ群と、前記位置検出手段の出力に応動して
前記第2の駆動トランジスタ群の通電を分配制御し前記
第1の駆動トランジスタ群の最小の動作電圧に応じて前
記第2の駆動トランジスタ群の通電電流を制御する第2
の分配制御手段と、前記第2の駆動トランジスタ群の最
小の動作電圧に応じて前記電圧変換手段の出力電圧を制
御する電圧制御手段を具備し、前記第2の分配制御手段
は、第1の基準電圧信号を発生する第1の基準電圧発生
手段と、前記第1の駆動トランジスタ群の動作電圧と前
記第1の基準電圧信号を比較し前記第2の駆動トランジ
スタ群の通電電流を制御する第1の比較手段を含んで構
成され、前記電圧制御手段は、第2の基準信号を発生す
る第2の基準電圧発生手段と、前記第2の駆動トランジ
スタ群の動作電圧と前記第2の基準電圧信号を比較し前
記電圧変換手段の出力電圧を制御する第2の比較手段を
含んで構成され、前記第1の基準電圧信号および前記第
2の基準電圧信号を前記位置検出手段の出力する位置信
号に応動して変化させるという構成を備えたものであ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は上記した構成によって、
位置検出手段の出力する位置信号により第1の駆動トラ
ンジスタ群と第2の駆動トランジスタ群をそれぞれ分配
制御することにより、固定子巻線に通電される電流の相
切換を順次行い、回転子を回転駆動する。第1の駆動ト
ランジスタ群のエミッタ・コレクタ間の動作電圧を第1
の基準電圧発生手段の出力する基準電圧信号に等しくな
るように第2の駆動トランジスタ群の通電電流を制御
し、また第2の駆動トランジスタ群のエミッタ・コレク
タ間の動作電圧を第2の基準電圧発生手段の出力する基
準電圧信号に等しくなるようにスイッチング制御方式の
電圧変換手段の直流出力電圧を制御するように構成され
る。そして、第1の駆動トランジスタ群と第2の駆動ト
ランジスタ群のエミッタ・コレクタ間の動作電圧を位置
検出手段の出力する位置信号に応動して変化させる。す
なわち、第1の駆動トランジスタ群および第2の駆動ト
ランジスタ群を構成するそれぞれ3個の駆動トランジス
タにおいて、駆動電流の相切換の行われている相切換期
間では、対応する駆動トランジスタのエミッタ・コレク
タ間の動作電圧を高く設定しているので、固定子巻線1
1、12、13の駆動電流の相切換動作が滑らかに行わ
れる。その結果、振動、騒音が非常に少ないブラシレス
直流モータの駆動が可能となる。また、駆動電流の相切
換の完了している1相通電期間では、駆動電流を通電し
ている駆動トランジスタのエミッタ・コレクタ間の動作
電圧をできるだけ低く設定するように構成しているの
で、その駆動トランジスタでの電力損失を小さく抑える
ことができる。
【0011】その結果、本発明によれば、振動・騒音の
少ない、電力効率に優れたブラシレス直流モータを実現
することができる。
【0012】以下、本発明の一実施例のブラシレス直流
モータについて、図面を参照しながら説明する。
【0013】図1は本発明の一実施例におけるブラシレ
ス直流モータの構成を示すブロック図である。図1にお
いて、27は永久磁石回転子、11、12、13は固定
子巻線、5aは第1の駆動トランジスタ群、5bは第2
の駆動トランジスタ群、20は直流電源、4は直流電源
20から可変出力の直流電圧を得るスイッチング制御方
式の電圧変換回路である。第1の駆動トランジスタ群5
aは3個のNPN型の駆動トランジスタ21、22、2
3からなり、各駆動トランジスタ21、22、23はそ
れぞれ電圧変換回路4の負極側端子と固定子巻線11、
12、13の電流給電端子A,B,Cの間の電流路を形
成する。また第2の駆動トランジスタ群5bは3個のP
NP型の駆動トランジスタ24、25、26からなり、
各駆動トランジスタ24、25、26はそれぞれ電圧変
換回路4の正極側端子と固定子巻線11、12、13の
電流給電端子A,B,Cの間の電流路を形成する。
【0014】1は位置検出回路で、3相の固定子巻線1
1,12,13の電流給電端子A,B,Cと固定子巻線1
1、12、13の中性点oが入力される。位置検出回路
1は3相の固定子巻線11、12、13に誘起された逆
起電力信号a,b,cから3相の合成信号d,f,hと
3相の合成信号g,i,eとを合成する。3相の合成信
号d,f,hは第1の分配制御回路2に入力され、3相
の合成信号g,i,eは第2の分配制御回路3に入力さ
れる。駆動トランジスタ21、22、23の各ベースに
は、第1の分配制御回路2によって作成された3相の電
流信号d’、f’、h’がそれぞれ供給され、駆動トラ
ンジスタ21、22、23の通電を制御する。同様に、
駆動トランジスタ24、25、26の各ベースには、第
2の分配制御回路3によって作成された3相の電流信号
g’、i’、e’がそれぞれ供給され、駆動トランジス
タ24、25、26の通電を制御する。ただし、各駆動
トランジスタのベースに加えられる信号の方向はNPN
型トランジスタ21、22、23には電流を流し込む方
向に、PNP型トランジスタ24、25、26には電流
を引き出す方向に加えられる。
【0015】40は電流検出抵抗で、3相の固定子巻線
11,12,13に通電される電流を電圧値に変換する。
第1の分配制御回路2は指令端子6に入力される指令信
号と電流検出抵抗40に得られた電圧とを比較し、3相
の固定子巻線に供給される電流の大きさを制御する。7
は第1の駆動トランジスタ群5aを構成する駆動トラン
ジスタ21、22、23の最小の動作電圧を検出する第
1の動作電圧検出回路で、9は第2の分配制御回路3に
基準電圧を供給する第1の基準電圧発生回路である。第
2の分配制御回路3は第1の基準電圧発生回路9の発生
する第1の基準電圧信号E1と第1の動作電圧検出回路
7に得られた最小動作電圧Lとを比較する。第2の分配
制御回路3の出力g’、i’、e’は第2の駆動トラン
ジスタ群5bを構成する駆動トランジスタ24、25、
26のベースに入力され、第2の駆動トランジスタ群5
bの出力電流を制御する。
【0016】8は第2の駆動トランジスタ群5bを構成
する駆動トランジスタ24、25、26の最小の動作電
圧を検出する第2の動作電圧検出回路で、10は比較制
御回路35に基準電圧を供給する第2の基準電圧発生回
路である。比較制御回路35は第2の基準電圧発生回路
10の発生する第2の基準電圧信号と第2の電圧検出回
路8に得られた最小動作電圧とを比較し、制御信号CS
を電圧変換回路4に出力する。電圧変換回路4は、直流
電源20の正極端子から固定子巻線11、12、13に
至る給電路に直列に挿入され、比較制御回路35の制御
信号CSに応じて電圧変換回路4の出力電圧VMを制御
する。
【0017】位置検出回路1は、逆起電力検出回路14
と位置信号形成回路15より構成されている。図2は位
置検出回路1を構成する逆起電力検出回路14の一実施
例の回路構成図で、電動機の定常回転におけるその各部
信号波形図を図3に示す。
【0018】図2において、31,32,33は比較回路
で、その入力端子(+)には固定子巻線11,12,13
の各給電端子A、B、Cが接続され、入力端子(−)に
は固定子巻線11,12,13の中性点oが接続されてい
る。34,35,36はアンド回路で、それぞれ比較器3
1,32と比較器32、33および比較器33、31の
各出力が接続されている。37は、3入力のオア回路
で、アンド回路34,35,36の各出力が入力されて
オア出力mを出力する。
【0019】図2に示す逆起電力検出回路14の動作に
ついて、図3を用いて説明する。定常回転状態におい
て、固定子巻線11,12,13には図3に示す3相の逆
起電力a,b,cが誘起される。比較器31,32,33の
入力端子には、それぞれ固定子巻線11,12,13の
両端電圧が入力され、両端電圧がゼロになる時点におい
て変化する3相の整形信号u,v,wを得ている。固定
子巻線の両端電圧は、巻線に流れる電流と巻線抵抗によ
る電圧降下と逆起電力が合成された電圧であるが、逆起
電力のゼロクロス点において巻線に供給される電流はゼ
ロなので、3相の整形信号u,v,wのエッジは各逆起
電力a,b,cのゼロクロス点に対応する。整形信号
u,v,wは、アンド回路34,35,36とオア回路
37によって論理合成され、図3に示す整形信号mを得
ている。整形信号mの立ち上がりエッジは各逆起電力の
立ち上がり側のゼロクロス点に対応し、整形信号mの立
ち下がりエッジは各逆起電力の立ち下がり側のゼロクロ
ス点に対応している。
【0020】図4は位置検出回路1を構成する位置信号
形成回路15の一実施例を示す回路構成図である。図4
において、45は論理パルス発生回路、46は傾斜信号
発生回路、47は信号合成回路である。逆起電力検出回
路14で得られた整形信号mは、論理パルス発生回路4
5と傾斜信号発生回路46に入力される。論理パルス発
生回路45は入力された整形信号mを分周して固定子巻
線11,12,13に誘起される逆起電力と同じ周波数の
6相のパルスp1,p2,p3,p4,p5,p6を出力す
る。傾斜信号発生回路46は入力された整形信号mに応
じて傾斜信号stを発生する。論理パルス発生回路45
で発生された6相のパルスp1,p2,p3,p4,p5,
p6は信号合成回路47に入力され、傾斜信号発生回路
46の発生する傾斜信号stと6相のパルスp1,p2,
p3,p4,p5,p6をもとに6相の台形波状の位置信
号d,e,f,g,h,iが合成される。信号合成回路
47で合成された6相の位置信号d,e,f,g,h,
iは第1の分配回路41と第2の分配回路43に入力さ
れる。
【0021】図5は位置信号形成回路15を構成する論
理パルス発生回路45の一実施例の回路構成図、図6は
その各部信号波形である。
【0022】図5において、45は6相のリングカウン
タで整形信号mが入力され、6つの出力端子には図6に
示すp1,p2,p3,p4,p5,p6の6相パルスを出
力する。これらのパルスのパルス幅は電気角で60度で
ある。これらの6相パルスp1,p2,p3,p4,p
5,p6は図15に示す信号合成回路47にそれぞれ出
力される。
【0023】以下、図4に示した傾斜信号発生回路46
の動作について詳しく説明する。図7は傾斜信号発生回
路46の一実施例の回路構成図、図8は定常回転状態に
おける各部信号波形図である。
【0024】図7において、52は両エッジ微分回路
で、入力された整形信号mの両エッジのタイミングで微
分パルスnを作る。50は微分パルスnに応じて鋸歯状
の傾斜信号を発生するための充放電用コンデンサ、51
は充放電用コンデンサ50に充電電流を供給するための
定電流源回路で、充電電流の大きさはIである。53は
充放電用コンデンサ50に蓄えられた電荷を放電させる
ためのスイッチ回路である。微分パルスnはスイッチ回
路53の開閉動作を行う。すなわち、微分パルスnが”
H”のときはスイッチを閉じ、微分パルス信号nが”
L”のときはスイッチを開く。54は入力が充放電用コ
ンデンサ50に接続されたバッファアンプである。バッ
ファアンプ54の出力端子が傾斜信号発生回路46の出
力端子となり、傾斜信号stを出力する。
【0025】図7に示す傾斜信号発生回路46の動作に
ついて、まず回転子27が定常回転しているときについ
て図8を参照して説明する。
【0026】図8において、mは逆起電力検出回路14
の出力する整形信号で、nは両エッジ微分回路52によ
り整形信号mの両エッジのタイミングで発生された微分
パルスである。永久磁石回転子27が回転している場合
には、充放電用コンデンサ50には定電流源回路51の
電流Iによって充放電用コンデンサ50を充電する。と
ころが、微分パルスnが”H”になるとスイッチ回路5
3が閉じ、コンデンサ50の電荷を放電する。コンデン
サ50の端子電圧は、バッファ回路54を介して傾斜信
号stとして出力される。その結果、傾斜信号stは、
図8に示すように、整形信号mの立ち上がり、立ち下が
りの各エッジのタイミングから所定の傾斜で大きくな
り、微分パルスnが”H”になるとアース電位になる鋸
歯状の傾斜信号になる。
【0027】以下、図4に示した信号合成回路47の動
作について詳しく説明する。図9は信号合成回路47の
一実施例の回路構成図で、図10はその各部信号波形図
である。
【0028】図9において、60は信号合成回路47の
入力端子で、傾斜信号stが入力される。63はバッフ
ァ回路で、定電圧源62が接続され、その電圧に応じた
所定の第1の定電圧信号sfを出力する。61は反転バ
ッファ回路で、傾斜信号stと定電圧信号sfが入力さ
れ、定電圧信号sfを基準にして傾斜信号stを反転し
た反転傾斜信号sdを得ている。また、傾斜信号st、
定電圧信号sfおよび反転傾斜信号sdの3つの信号
は、各スイッチ回路71,72,73,74,75,7
6にそれぞれ入力されている。なお、スイッチ回路7
1,72,73,74,75,76はそれぞれ同一の構
成であるので、スイッチ回路71の構成だけを示してあ
る。スイッチ回路71において、64,65,66はス
イッチで、片方はそれぞれ入力端子60、バッファ回路
63および反転バッファ回路61に接続され、スイッチ
64,65,66の他方は共通接続されて抵抗67に接
続されている。抵抗67に得られる電圧信号が合成回路
71の出力となる。図9において、スイッチ64,6
5,66は、論理パルス発生回路2の出力する6相パル
スp1,p2,p3,p4,p5,p6のうち3つのパルス
(p1,p2,p3)の出力に応じてオン,オフされ
る。そして、スイッチ回路71の出力端子からは位置信
号dが出力される。同様にスイッチ回路72,73、7
4,75,76にはそれぞれ3つのパルス信号(p2、
p3、p4)、(p3、p4、p5)、(p4,p5,
p6)、(p5,p6,p1)、(p6,p1,p2)
の出力に応じて3つのスイッチ(図示しない)がオン,
オフされる。
【0029】図9に示した信号合成回路の動作につい
て、図10の各部信号波形図を用いて説明する。
【0030】図10において、mは逆起電力検出回路1
4の出力、p1,p2,p3,p4,p5,p6は論理
パルス発生回路45の出力、stは傾斜信号発生回路4
6の出力する傾斜信号を示している。傾斜信号stは反
転バッファ回路61に入力されているので、反転バッフ
ァ回路61の出力からは図10のsdに示すような、第
1の定電位信号sfを基準にしてstを反転した信号s
dが得られることとなる(sd=sf−st)。
【0031】スイッチ回路71を構成するスイッチ6
4,65,66は、論理パルス発生回路2の出力するパ
ルス信号p1、p2、p3に応じて、信号”H”でスイ
ッチが閉じ、信号”L”でスイッチが開くので、入力端
子60,バッファ回路63および反転バッファ回路61
の出力はスイッチ回路71の出力端子に順次接続され、
図10のdに示す台形波状の位置信号が得られる。な
お、切換わり時点において両者信号の電圧は等しく、さ
らにp1,p2,p3がすべて”L”の区間になると、
スイッチ回路64,65,66すべてが開き抵抗67の
電位はアース電位に等しくなる。したがって、抵抗67
には整形信号mの立ち上がりエッジから始まる立ち上が
り傾斜部分を有する台形波状の位置信号dが得られる。
【0032】以下、同様にして、スイッチ回路72,7
3,74,75,76の各出力端子からは、台形波状の
位置信号e,f,g,h,iが出力される。したがっ
て、位置信号形成回路14により整形信号mの各エッジ
から傾斜の始まる6相の位置信号d,e,f,g,h,
iが得られる。
【0033】図11は第1の電圧検出回路7の一実施例
の回路構成図である。図11において、81、82、8
3、84はダイオードで、それぞれアノード端子を共通
接続され、ダイオード81、82、83のカソード端子
はそれぞれ3相の固定子巻線11,12,13の電流給電
端子A,B,Cに接続されている。85は抵抗で、抵抗
85の片方は接地され、他方にはダイオード84のカソ
ード端子が接続されている。86は定電流源で、ダイオ
ード81、82、83、84のアノード共通端子に一定
電流を供給している。したがって、電流給電端子A,
B,Cに接続されている3個のダイオード81、82、
83のうちカソード電位の最も低いダイオードがオンさ
れる。するとダイオードのアノード共通端子の電位はオ
ン状態のダイオードの順方向電圧分だけ上昇し、定電流
源86の出力電流はダイオード84を介して抵抗85に
も供給される。したがって、抵抗85にはアノード共通
端子の電位より順方向電圧分だけ下降した電圧が発生す
る。すなわち、第1の最小電圧検出回路7の出力端子8
7からは3相の固定子巻線11,12,13の電流給電端
子A,B,Cの最小電圧値Lが出力される。
【0034】図12は第2の電圧検出回路8の一実施例
の回路構成図である。図12において、91、92、9
3はダイオードで、それぞれカソード端子を共通接続さ
れ、ダイオード91、92、93のアノード端子はそれ
ぞれ3相の固定子巻線11,12,13の電流給電端子
A,B,Cに接続されている。94はPNP型のトラン
ジスタで、エミッタは抵抗96を介してスイッチング制
御方式の電圧変換回路4(出力電圧はVM)に接続さ
れ、コレクタは抵抗95を介して接地されている。トラ
ンジスタ94のベースはダイオード91、92、93の
共通接続されたカソード端子に接続されている。97は
定電流源回路で、ダイオード91、92、93のカソー
ド共通端子とトランジスタ94のベースより一定電流を
引き出している。したがって、電流給電端子A,B,C
に接続されている3個のダイオード91、92、93の
うちアノード電位の最も高いダイオードだけがオンされ
る。するとダイオードのカソード共通端子の電位はオン
状態のダイオードの順方向電圧分だけ下降する。トラン
ジスタ94のベースはダイオード91、92、93のカ
ソード共通端子に接続され、トランジスタ94のエミッ
タ・ベース間の電圧はオン状態のダイオード順方向電圧
に等しいので、トランジスタ94のエミッタの電位はち
ょうど電流給電端子A,B,Cのうち最も高い電位と等
しくなる(大きさはVE)。抵抗96の片方は電圧変換
回路4に接続され、その電位はVMであるので、抵抗9
6には(VM−VE)の電位差に応じた電流が流れ、ト
ランジスタ94のエミッタに流れる電流とほぼ等しい電
流がトランジスタ94のコレクタに流れる。したがっ
て、抵抗95と抵抗96の抵抗値を等しく選べば抵抗9
5の両端には、抵抗96の両端と同じ(VM−VE)の
電位差を発生する。すなわち、第2の電圧検出回路8の
出力端子98からは電圧変換回路4の出力電圧VMと3
相の固定子巻線11,12,13の電流給電端子A,B,
Cとの差のうち最も小さい最小電圧値Uが出力される。
【0035】図1の第1の分配制御回路2は、第1の分
配回路41と第1の比較制御回路42より構成されてい
る。位置検出回路1により形成された3相の位置信号
d、f、hは第1の分配回路41に入力される。第1の
分配回路41は1種の乗算器で構成されており、第1の
分配回路41に入力される位置信号d、f、hを第1の
比較制御回路42の制御出力CLに応じて大きさを変化
させた電流信号d’、f’、h’を駆動トランジスタ2
1、22、23の各ベースに出力する。3相の電流信号
d’、f’、h’は、駆動トランジスタ21、22、2
3の通電を制御する。第1の比較制御回路42は指令端
子6に入力される指令信号と電流検出抵抗40に得られ
た電圧とを比較し、制御信号CLを第1の分配回路41
に入力し、3相の固定子巻線に供給される電流の大きさ
が指令端子6に入力される指令信号に応じて制御され
る。
【0036】図1に示した第2の分配制御回路3は、第
2の分配回路43と第2の比較制御回路44より構成さ
れている。位置検出回路1により形成された3相の位置
信号g、i、eは第2の分配回路43に入力される。第
2の分配回路43も1種の乗算器で構成されており、第
2の分配回路43に入力される位置信号g、i、eを第
2の比較制御回路44の制御出力CUに応じて大きさを
変化させた電流信号g’、i’、e’を駆動トランジス
タ24、25、26の各ベースに出力する。3相の電流
信号g’、i’、e’は、駆動トランジスタ24、2
5、26の通電を制御する。第2の比較制御回路44は
第1の基準電圧発生回路9の発生する第1の基準電圧信
号E1と第1の動作電圧検出回路7により得られた最小
動作電圧Lとを比較し、制御信号CUを第2の分配回路
43に出力する。第2の分配回路43の出力は第2の駆
動トランジスタ群5bを構成する駆動トランジスタ2
4、25、26のベースに入力され、第2の駆動トラン
ジスタ群5bの出力電流を制御するので、3相の固定子
巻線11,12,13の電流給電端子A,B,Cの最小電
圧が第1の基準電圧信号E1に等しくなるように制御さ
れる。
【0037】同様にして、第3の比較制御回路35は、
第2の基準電圧発生回路10の発生する第2の基準電圧
信号E2と第2の動作電圧検出回路8で得られた最小動
作電圧Uとを比較し、制御信号CSを電圧変換回路4に
出力する。電圧変換回路4は、直流電源20の正極端子
から固定子巻線11、12、13に至る給電路に直列に
挿入された給電制御用スイッチングトランジスタ101
と、スイッチングトランジスタ101をオン・オフ制御
するスイッチング制御回路100と、環流ダイオード1
05とインダクタンスコイル106と、平滑コンデンサ
107によって構成されている。なお、スイッチング制
御回路100は、例えば、200kHzの三角波電圧信
号を発生する三角波発生回路と、第2の動作検出回路8
の出力を前記三角波電圧信号と比較するコンパレータな
どの周知の種々の構成を利用でき、第2の動作電圧検出
回路8の出力信号Uに応じたデューティのパルス信号を
得て、スイッチングトランジスタ101をオン・オフ制
御し、出力電圧VMを第2の駆動トランジスタ群5bに
出力する。したがって、出力電圧VMと3相の固定子巻
線11,12,13の電流給電端子A,B,Cの電圧差が
第2の基準電圧信号E2に等しくなるように制御され
る。すなわち、第2のトランジスタ群5bを構成する駆
動トランジスタ24、25、26のエミッタ・コレクタ
間の最小動作電圧が第2の基準電圧信号E2に等しくな
るように制御される。
【0038】以上のような信号処理により得られた信号
で電動機を駆動したときの各部波形を図13、図14お
よび図15に示す。
【0039】図13は、第1の基準電圧発生回路9の発
生する第1の基準電圧信号E1と第2の基準電圧発生回
路10の発生する第2の基準電圧信号E2の大きさを十
分大きく選んだときの各部波形を示す。
【0040】図13において、a,b,cは固定子巻線
11,12,13に誘起される逆起電力、A、B、Cは
3相の固定子巻線11,12,13の電流給電端子A,
B,Cの電圧波形を示す。mは、位置検出回路1を構成
する逆起電力検出回路14の出力する整形信号波形を示
す。
【0041】g’、i’、e’は第1の分配制御回路2
より駆動トランジスタ21、22、23のベースに入力
される台形波状の3相の電流信号波形、d’、f’、
h’は第2の分配制御回路3より駆動トランジスタ2
4、25、26のベースに入力される台形波状の3相の
電流信号波形である。Ia、Ib、Icは3相の固定子
巻線11、12、13に通電される台形波状の駆動電流
波形である。
【0042】駆動トランジスタ21、22、23および
駆動トランジスタ24、25、26はそれぞれ電気特性
の揃ったトランジスタを使用するので、第1の基準電圧
信号E1と第2の基準電圧信号E2の大きさを十分大き
く選んだ場合は、駆動トランジスタ21、22、23お
よび駆動トランジスタ24、25、26のエミッタ・コ
レクタ間の動作電圧も十分大きいので、それぞれのトラ
ンジスタの電流増幅率(hfe)は十分に大きくばらつき
も少ない。したがって、3相の固定子巻線11,12,1
3の駆動電流波形は、駆動トランジスタ21、22、2
3のベースに入力される台形波状の3相の電流信号波
形、g’、i’、e’および駆動トランジスタ24、2
5、26のベースに入力される台形波状の3相の電流信
号波形d’、f’、h’を等しく電流増幅することがで
き、台形波状の駆動電流波形Ia、Ib、Icを3相の
固定子巻線11、12、13に通電させることができ
る。
【0043】図13に示す期間(1)においては、固定
子巻線11には駆動トランジスタ24より電流Iaが流
し込まれ、固定子巻線11に流し込まれた電流Iaは中
性点oで固定子巻線12、13に分流され、固定子巻線
12には電流Ibが通電され、固定子巻線13には電流
Icが通電される。固定子巻線12、13に通電される
電流Ib、Icは駆動トランジスタ22、23を介して
電流が引き出される。また、図13に示す期間(2)に
おいては、固定子巻線11、12へそれぞれ駆動トラン
ジスタ24、25より流し込まれる電流Ia、Ibは、
図のごとく傾斜状に流し込まれ、電流の合計(Ia+I
b)は一定である。固定子巻線11、12に流し込まれ
た電流Ia、Ibは、今度は中性点oで合流され固定子
巻線13に電流Ic(=Ia+Ib)が通電され、固定
子巻線13より電流が引き出される。その他の期間につ
いても同様に駆動コイルの相切換動作が滑らかに行われ
る。
【0044】しかしながら、第1の基準電圧信号E1と
第2の基準電圧信号E2の大きさを十分大きく選び、駆
動トランジスタ21、22、23および駆動トランジス
タ24、25、26のエミッタ・コレクタ間の動作電圧
を大きく設定すれば、駆動トランジスタでの電力損失が
大きくなる。そこで、モータ駆動の電力効率を高めるた
めには、駆動トランジスタ21、22、23および駆動
トランジスタ24、25、26のエミッタ・コレクタ間
の動作電圧をできるだけ小さく設定する必要がある。
【0045】図14は、第1の基準電圧発生回路9の発
生する第1の基準電圧信号E1と第2の基準電圧発生回
路10の発生する第2の基準電圧信号E2の大きさを十
分小さく選んだとき(それぞれの値をE1’、E2’と
する)の各部波形を示す。
【0046】図14において、a,b,cは固定子巻線
11,12,13に誘起される逆起電力、mは、位置検
出回路1を構成する逆起電力検出回路14の出力する整
形信号波形で、図13と同一の波形である。A、B、C
は3相の固定子巻線11,12,13の電流給電端子A,
B,Cの電圧波形を示し、それぞれの電圧の値は図13
の各々に比べ、電圧値は低い値である。Ia、Ib、I
cは、第1の基準電圧発生回路9の発生する第1の基準
電圧信号E1’と第2の基準電圧発生回路10の発生す
る第2の基準電圧信号E2’の大きさを小さく選んだと
きの3相の固定子巻線11、12、13に通電される台
形波状の駆動電流波形であり、図14において期間
(1)では、固定子巻線11に駆動トランジスタ24よ
り流し込まれる電流Iaは、図13と同様に一定の電流
波形である。
【0047】一方、固定子巻線11に流し込まれた電流
Iaが中性点oで固定子巻線12、13に分流された
後、固定子巻線12(電流Ib)から固定子巻線13
(電流Ic)へ電流の相切換が行われるときは、固定子
巻線12、13に通電される電流を制御する駆動トラン
ジスタ22、23のエミッタ・コレクタ間の動作電圧
は、第1の基準電圧信号E1’の大きさを十分小さく設
定しているため、駆動トランジスタ22、23は、期間
(1)においてはトランジスタの飽和領域で動作してい
る。したがって、駆動トランジスタ22、23の電流増
幅率(hfe)は、トランジスタのエミッタ・コレクタ間
の動作電圧(ほぼ図14のA,B,C波形に等しい)に
極めて依存する。したがって、固定子巻線12、13に
通電されるそれぞれの電流Ib,Icは図14のIb,
Icに示すごとく、電流切換が滑らかに行われず、駆動
電流波形は波形歪みを発生する。
【0048】同様に、図14に示す期間(2)において
は、固定子巻線11、12へそれぞれ駆動トランジスタ
24、25より流し込まれる電流Ia、Ibの駆動電流
の合計(Ia+Ib)は一定で、これらの電流Ia、I
bは中性点oで合流され固定子巻線13に電流Ic(=
Ia+Ib)が通電され、固定子巻線13より駆動トラ
ンジスタ23を介して電流が引き出される。図14の期
間(2)では、固定子巻線13から駆動トランジスタ2
3より引き出される電流Icは、図13と同様に一定の
電流波形である。一方、固定子巻線11(電流Ia)か
ら固定子巻線12(電流Ib)へ電流の相切換が行われ
るときは、固定子巻線11、12に通電される電流を制
御する駆動トランジスタ24、25のエミッタ・コレク
タ間の動作電圧は、第2の基準電圧信号E2’の大きさ
を十分小さく設定しているため、駆動トランジスタ2
4、25は、期間(2)においてはトランジスタの飽和
領域で動作している。したがって、駆動トランジスタ2
4、25の電流増幅率(hfe)は、トランジスタのエミ
ッタ・コレクタ間の動作電圧(ほぼ図14のVM−A,
VM−Bの波形に等しい)に極めて依存する。
【0049】したがって、固定子巻線11、12に通電
されるそれぞれの電流Ia,Ibは図14のIa,Ib
に示すごとく、電流切換が滑らかに行われず、駆動電流
波形は波形歪みを発生する。その他の期間についても同
様に固定子巻線11、12、13の電流切換が滑らかに
行われず、駆動電流波形は波形歪みを発生し、このよう
な状態でモータを駆動すると振動、騒音を発生する。
【0050】図15は、本発明のブラシレス直流モータ
を駆動したときの各部波形を示したもので、位置検出回
路1を構成する逆起電力検出回路14の出力する整形信
号mの出力で、第1の基準電圧発生回路9の発生する第
1の基準電圧信号E1と第2の基準電圧発生回路10の
発生する第2の基準電圧信号E2の大きさを切り換える
ように構成したときの波形図である。すなわち、図1に
おいて、逆起電力検出回路14の出力である整形信号m
は、第1の基準電圧発生回路9と第2の基準電圧発生回
路10に入力され、整形信号mが”L”のとき、第1の
基準電圧発生回路9は基準電圧信号E1を出力し、整形
信号mが”H”のとき、基準電圧信号E1’(E1’<
E1)を出力する。同様に、第2の基準電圧発生回路1
0は、整形信号mが”H”のとき、基準電圧信号E2を
出力し、整形信号mが”L”のとき、基準電圧信号E
2’(E2’<E2)を出力する。
【0051】以上のように構成することにより、第1の
駆動トランジスタ群5aを構成する3個の駆動トランジ
スタ21、22、23で、固定子巻線11、12、13
の駆動電流の相切換の行われる期間(1)では、駆動ト
ランジスタ21、22、23のエミッタ・コレクタ間の
動作電圧は十分高く設定され、相切換の完了した期間
(2)では、駆動トランジスタ21、22、23のエミ
ッタ・コレクタ間の動作電圧は十分低く設定される。同
様にして、第2の駆動トランジスタ群5bを構成する3
個の駆動トランジスタ24、25、26の駆動電流の相
切換の行われる期間(2)では、駆動トランジスタ2
4、25、26のエミッタ・コレクタ間の動作電圧は十
分高く設定され、相切換の完了した期間(1)では、駆
動トランジスタ24、25、26のエミッタ・コレクタ
間の動作電圧は十分低く設定される。
【0052】その結果、図15より明らかなように、固
定子巻線11、12、13の駆動電流の相切換動作が滑
らかに行われるので、振動、騒音が非常に少ないブラシ
レス直流モータの駆動が可能となる。しかも第1の基準
電圧信号E1と第2の基準電圧信号E2の大きさを逆起
電力検出回路14の出力する整形信号mにより変化させ
ることにより、駆動トランジスタ21、22、23およ
び駆動トランジスタ24、25、26のエミッタ・コレ
クタ間の動作電圧を小さく設定することができるので、
駆動トランジスタでの電力損失を小さく抑えることがで
きる。
【0053】なお、本発明に係わる第1の基準電圧発生
回路9および第2の基準電圧発生回路10の発生する基
準電圧信号は、逆起電力検出回路14の出力する整形信
号mにより2段階にステップ状に切り換えるように構成
したが、2段階に限らずそれ以上に増やしてもよいし、
駆動電流の大きさ(電流検出抵抗40の電圧値)、もし
くは第1の分配制御回路2に入力される指令信号に応じ
て連続的に変化するように構成してもよいことは言うま
でもない。
【0054】また、本発明の実施例では、第1の駆動ト
ランジスタ群5aを構成する3個の駆動トランジスタ2
1、22、23のエミッタ・コレクタ間の動作電圧およ
び第2の駆動トランジスタ群5bを構成する3個の駆動
トランジスタ24、25、26のエミッタ・コレクタ間
の動作電圧の大きさをそれぞれ位置検出回路1を構成す
る逆起電力検出回路14の出力する整形信号mの出力で
変化させるように構成したが、例えば第1の駆動トラン
ジスタ群5aを構成する3個の駆動トランジスタ21、
22、23のエミッタ・コレクタ間の動作電圧のみを逆
起電力検出回路14の出力する整形信号mの出力で変化
させるように構成し、第2の駆動トランジスタ群5bを
構成する3個の駆動トランジスタ24、25、26を直
接直流電源20に接続してもよい。この場合にはスイッ
チング制御方式の電圧変換回路4を省略でき、第1の駆
動トランジスタ群5aを構成する3個の駆動トランジス
タ21、22、23の電力損失を低減することができる
ので、電力損失の大きい第2の駆動トランジスタ群5b
を構成する3個の駆動トランジスタ24、25、26は
外付けのディスクリートトランジスタで構成し、電力損
失の小さく発熱の少ない第1の駆動トランジスタ群5a
を構成する3個の駆動トランジスタ21、22、23は
駆動集積回路内に含めて構成することが容易になる。
【0055】また、本発明の実施例では、位置検出回路
1は固定子巻線11、12、13に発生する逆起電力を
検出して回転子27の位置信号を形成するように構成し
たが、回転子27の磁極に複数個のホール素子を対向さ
せることにより回転子27の位置を直接検出するように
構成してもよいことは言うまでもない。
【0056】また、本発明の実施例では、3相のモータ
に限ったが、相数は3相に限らず何相にでも応用できる
ことは言うまでもない。
【0057】
【発明の効果】以上のように本発明のブラシレス直流モ
ータでは、固定子巻線の駆動電流波形は滑らかな立ち上
がり傾斜および立ち下がり傾斜を有する台形波状となる
ため、固定子巻線の電流の切り換えも滑らかであり、こ
れにより振動や騒音の著しく小さな電動機を実現でき
る。
【0058】さらに本発明のブラシレス直流モータを駆
動したときの各部波形(図15)に示したように、整形
信号mに応じて第1の駆動トランジスタ群と第2の駆動
トランジスタ群のエミッタ・コレクタ間の動作電圧を変
化させるように構成し、第1の駆動トランジスタ群と第
2の駆動トランジスタ群のうち、3相の固定子巻線の駆
動電流の相切換の行われる期間においては、動作中の駆
動トランジスタのエミッタ・コレクタ間の動作電圧は高
く設定され、相切換の完了した期間では、駆動トランジ
スタのエミッタ・コレクタ間の動作電圧は十分低く設定
されるので、その通電している駆動トランジスタでの電
力損失を小さく抑えることができ、本発明によれば、振
動・騒音の少ない、電力効率に優れたブラシレス直流モ
ータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のブラシレス直流モータの一実施例の構
成を示すブロック図
【図2】本発明に係わる位置検出回路を構成する逆起電
力検出回路の一実施例の回路構成図
【図3】図2に示す逆起電力検出回路の各部信号波形図
【図4】本発明に係わる位置検出回路を構成する位置信
号形成回路の回路構成図
【図5】本発明に係わる位置信号形成回路を構成する論
理パルス発生回路の回路構成図
【図6】図5に示す論理パルス発生回路の各部信号波形
【図7】本発明に係わる位置信号形成回路を構成する傾
斜信号発生回路の回路構成図
【図8】図7に示す傾斜信号発生回路の各部信号波形図
【図9】本発明に係わる位置信号形成回路を構成する信
号合成回路の回路構成図
【図10】図9に示す信号合成回路の各部信号波形図
【図11】本発明に係わる第1の最小電圧検出回路の回
路構成図
【図12】本発明に係わる第2の最小電圧検出回路の回
路構成図
【図13】駆動トランジスタの動作電圧を高く設定した
ときの本発明のブラシレス直流モータの各部信号波形図
【図14】駆動トランジスタの動作電圧を低く設定した
ときの本発明のブラシレス直流モータの各部信号波形図
【図15】駆動トランジスタの動作電圧を位置信号に応
じて変化させたときの本発明のブラシレス直流モータの
各部信号波形図
【符号の説明】
1 位置検出手段 2 第1の分配制御手段 3 第2の分配制御手段 4 電圧変換手段 5a 第1の駆動トランジスタ群 5b 第2の駆動トランジスタ群 11,12,13 固定子巻線 27 回転子

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数個の磁極を有する回転子と、前記回転
    子に所定の空隙を有して配設された複数相の固定子巻線
    と、前記回転子の位置を検出し複数相の位置信号を形成
    する位置検出手段と、直流電源から可変出力の直流電圧
    を得るスイッチング制御方式の電圧変換手段と、前記電
    圧変換手段の一端と前記固定子巻線の各給電端子の間の
    電流路を形成する3個のトランジスタからなる第1の駆
    動トランジスタ群と、前記固定子巻線への電流供給を指
    令する指令信号と前記位置検出手段の出力に応動して前
    記第1の駆動トランジスタ群の通電を分配制御する第1
    の分配制御手段と、前記電圧変換手段の他端と前記固定
    子巻線の各給電端子の間の電流路を形成する3個のトラ
    ンジスタからなる第2の駆動トランジスタ群と、前記位
    置検出手段の出力に応動して前記第2の駆動トランジス
    タ群の通電を分配制御し前記第1の駆動トランジスタ群
    の最小の動作電圧に応じて前記第2の駆動トランジスタ
    群の通電電流を制御する第2の分配制御手段と、前記第
    2の駆動トランジスタ群の最小の動作電圧に応じて前記
    電圧変換手段の出力電圧を制御する電圧制御手段を具備
    し、 前記第2の分配制御手段は、第1の基準電圧信号を発生
    する第1の基準電圧発生手段と、前記第1の駆動トラン
    ジスタ群の動作電圧と前記第1の基準電圧信号を比較し
    前記第2の駆動トランジスタ群の通電電流を制御する第
    1の比較手段を含んで構成され、前記電圧制御手段は、
    第2の基準信号を発生する第2の基準電圧発生手段と、
    前記第2の駆動トランジスタ群の動作電圧と前記第2の
    基準電圧信号を比較し前記電圧変換手段の出力電圧を制
    御する第2の比較手段を含んで構成され、前記第1の基
    準電圧信号および前記第2の基準電圧信号を前記位置検
    出手段の出力する位置信号に応動して変化させるように
    構成されたことを特徴とするブラシレス直流モータ。
  2. 【請求項2】第1の基準電圧発生手段の第1の基準電圧
    信号および第2の基準電圧発生手段の第2の基準電圧信
    号の大きさを固定子巻線への電流供給を指令する指令信
    号に応動して変化させるように構成されたことを特徴と
    する請求項1記載のブラシレス直流モータ。
  3. 【請求項3】第1の基準信号発生手段の第1の基準電圧
    信号および第2の基準電圧発生手段の第2の基準電圧信
    号は、固定子巻線の1相から次の相に通電電流の切換が
    行われ2相に同時に電流が通電される相切換通電状態と
    1相にのみ電流を通電する1相通電状態とで第1の基準
    電圧信号と第2の基準電圧信号の大きさを異ならせるこ
    とを特徴とする請求項1記載のブラシレス直流モータ。
  4. 【請求項4】複数個の磁極を有する回転子と、前記回転
    子に所定の空隙を有して配設された複数相の固定子巻線
    と、前記回転子の位置を検出し複数相の位置信号を形成
    する位置検出手段と、直流電源の一端と前記固定子巻線
    の各給電端子の間の電流路を形成する3個のトランジス
    タからなる第1の駆動トランジスタ群と、前記固定子巻
    線への電流供給を指令する指令信号と前記位置検出手段
    の出力に応動して前記第1の駆動トランジスタ群の通電
    を分配制御する第1の分配制御手段と、前記直流電源の
    他端と前記固定子巻線の各給電端子の間の電流路を形成
    する3個のトランジスタからなる第2の駆動トランジス
    タ群と、前記位置検出手段の出力に応動して前記第2の
    駆動トランジスタ群の通電を分配制御し前記第1の駆動
    トランジスタ群の最小の動作電圧に応じて前記第2の駆
    動トランジスタ群の通電電流を制御する第2の分配制御
    手段を具備し、 前記第2の分配制御手段は、基準電圧信号を発生する基
    準電圧発生手段と、前記第1の駆動トランジスタ群の動
    作電圧と前記基準電圧信号を比較し前記第2の駆動トラ
    ンジスタ群の通電電流を制御する比較手段を含んで構成
    され、前記基準信号発生手段の前記基準電圧信号を前記
    位置検出手段の出力する位置信号に応動して変化させる
    ように構成されたことを特徴とするブラシレス直流モー
    タ。
  5. 【請求項5】基準信号発生手段の基準電圧信号を固定子
    巻線への電流供給を指令する指令信号と位置検出手段の
    出力する位置信号に応動して変化させるように構成され
    たことを特徴とする請求項4記載のブラシレス直流モー
    タ。
  6. 【請求項6】基準信号発生手段の基準電圧信号は、固定
    子巻線の1相から次の相に通電電流の切換が行われ2相
    に同時に電流が通電される相切換通電状態と1相にのみ
    電流を通電する1相通電状態とで基準信号発生手段の基
    準電圧信号の大きさを異ならせることを特徴とする請求
    項4記載のブラシレス直流モータ。
JP7278800A 1995-10-26 1995-10-26 ブラシレス直流モータ Pending JPH09121587A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7278800A JPH09121587A (ja) 1995-10-26 1995-10-26 ブラシレス直流モータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7278800A JPH09121587A (ja) 1995-10-26 1995-10-26 ブラシレス直流モータ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09121587A true JPH09121587A (ja) 1997-05-06

Family

ID=17602356

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7278800A Pending JPH09121587A (ja) 1995-10-26 1995-10-26 ブラシレス直流モータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09121587A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015087340A (ja) * 2013-11-01 2015-05-07 株式会社ミツトヨ 加速度・速度検出器及び加速度・速度検出方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015087340A (ja) * 2013-11-01 2015-05-07 株式会社ミツトヨ 加速度・速度検出器及び加速度・速度検出方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4359674A (en) Control system for a DC motor
JP4288851B2 (ja) モータ駆動装置
CN108206651B (zh) 一种九开关逆变器双电机驱动系统及其控制方法
JPS644439B2 (ja)
JPH09121587A (ja) ブラシレス直流モータ
US4028598A (en) Direct-current motor comprising an electronic commutator
JP3312195B2 (ja) ブラシレス直流モータ
JP3300637B2 (ja) ブラシレス直流モータ
JP3578698B2 (ja) ブラシレス直流モータ駆動装置
JP3578903B2 (ja) ブラシレス直流モータ及びブラシレス直流モータの駆動制御方法
JP2751579B2 (ja) 無整流子直流電動機
JPS6188785A (ja) ブラシレス直流モ−タ
JPH07298671A (ja) ブラシレスモータの駆動装置
JPH09182486A (ja) モータ駆動装置
JPH0767302B2 (ja) ブラシレスモータの駆動回路
JP3301756B2 (ja) 無整流子直流電動機
JP2751607B2 (ja) 無整流子直流電動機
JPH0239196B2 (ja)
JP2661369B2 (ja) ブラシレスモータの駆動装置
JP2770559B2 (ja) 無整流子直流電動機
JP2836199B2 (ja) 無整流子直流電動機
JP2751608B2 (ja) 無整流子直流電動機
JP3748475B2 (ja) モータドライブ回路
JPS62272896A (ja) 直流ブラシレスモ−タの駆動方法
JPH10201282A (ja) ブラシレスモータ