JP3813061B2 - モータ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コイルへの電流路を複数個のトランジスタにより電子的に切り換えるモータに関するものである
【0002】
【従来の技術】
近年、OA機器やAV機器の駆動用モータとして、複数個のトランジスタにより電子的に電流路を切り換えるモータが広く使用されている。このようなモータの例として、PNP型パワートランジスタとNPN型パワートランジスタを用いてコイルへの電流路を切り換えるモータがある。図34に従来のモータを示し、その動作について簡単に説明する。ロータ2011は永久磁石による界磁部を有し、ロータ2011の回転に応動して、位置検出器2041は2組の3相の電圧信号K1、K2、K3とK4、K5、K6を発生する。第1の分配器2042は電圧信号K1、K2、K3に応動した3相の下側通電制御信号L1、L2、L3を作りだし、下側のNPN型パワートランジスタ2021、2022、2023のベースに供給し、NPN型パワートランジスタ2021、2022、2023の通電を制御する。第2の分配器2043は電圧信号K4、K5、K6に応動した3相の上側通電制御信号M1、M2、M3を作りだし、上側のPNP型パワートランジスタ2025、2026、2027のベースに供給し、PNP型パワートランジスタ2025、2026、2027の通電を制御する。これにより、3相のコイル2012、2013、2014に3相の駆動電圧を供給する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この従来のモータでは、下記の各種の課題が問題になっていた。
(1)電力損失が大きい。
従来の構成では、NPN型パワートランジスタ2021、2022、2023およびPNP型パワートランジスタ2025、2026、2027は、そのエミッタ−コレクタ間の電圧をアナログ的に制御し、コイル2012、2013、2014に必要な振幅の駆動電流を供給している。そのため、各パワートランジスタの残留電圧が大きく、この残留電圧とパワートランジスタの通電電流の積によって、大きな電力損失が生じていた。特に、モータコイルへの駆動電流が大きいので、電力損失は著しく大きかった。そのため、モータの電力効率は極めて悪かった。
(2)コストが高い。
コストを安くするためには、トランジスタや抵抗類を1チップの集積回路(IC)にまとめることが有効である。しかし、PNP型パワートランジスタ2025、2026、2027を形成するためには大きなチップ面積が必要になり、コスト増加を招く大きな要因になっていた。また、集積回路化した場合の寄生容量の影響により、PNP型パワートランジスタを高速動作させることが難しかった。また、パワートランジスタの電力損失・発熱が大きく、集積回路化が難しかった。特に、モータコイルへの駆動電流が大きいので、パワートランジスタの発熱により集積回路の熱破壊を生じる恐れも大きい。また、熱破壊を防止するために放熱板を取り付けた場合には、コスト増加が大きかった。
(3)モータの振動が大きい。
近年、光ディスク装置(DVD装置、CD装置、等)や磁気ディスク装置(HDD装置、FDD装置、等)などのディスク装置では、ディスクの高密度記録再生に伴って、振動の小さなモータが要望されてきた。しかし、従来の構成では、パワートランジスタの急峻な切り換えに伴ってコイルにスパイク電圧が生じ、駆動電流の脈動を生じていた。これにより、発生駆動力が脈動し、大きなモータ振動を生じていた。
これらの課題をそれぞれもしくは同時に解決したモータが強く望まれていた。本発明の目的は、上記の各種の問題点をそれぞれまたは同時に解決した構成のモータを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の構成のモータは、移動体と、複数相のコイルと、直流電圧を供給する2つの出力端子を有する電圧供給手段と、前記電圧供給手段の一方の出力端子側と前記コイルの一つへの電流路を形成する第1の電界効果型パワートランジスタをそれぞれ含むQ個(ここに、Qは3以上の整数)の第1のパワー増幅手段と、前記電圧供給手段の他方の出力端子側と前記コイルの一つへの電流路を形成する第2の電界効果型パワートランジスタをそれぞれ含むQ個の第2のパワー増幅手段と、複数相の切換信号を作りだす切換作成手段と、前記切換作成手段の出力信号に応動して前記Q個の第1のパワー増幅手段の通電を制御する第1の制御手段と、前記切換作成手段の出力信号に応動して前記Q個の第2のパワー増幅手段の通電を制御する第2の制御手段と、前記Q個の第1のパワー増幅手段と前記Q個の第2のパワー増幅手段のうちで少なくとも1個のパワー増幅手段を高周波スイッチング動作させるスイッチング動作手段と、を具備するモータであって、前記第1の制御手段は、立ち上がり傾斜部分と立ち下がり傾斜部分のうちの少なくとも一方の傾斜部分において電流振幅が滑らかに変化する少なくとも1つの電流信号を前記Q個の第1のパワー増幅手段のうちで少なくとも1個のパワー増幅手段の通電制御端子側に供給する手段と、前記少なくとも1つの電流信号の通電区間内において、前記少なくとも1個のパワー増幅手段の電界効果型パワートランジスタのオン抵抗を小さくする少なくとも1つの補助信号を前記少なくとも1個のパワー増幅手段の通電制御端子側に供給する手段と、を含んで構成している。
【0005】
このように構成することにより、補助信号を供給したときの電界効果型パワートランジスタのオン抵抗を小さくしている。これにより、パワー増幅手段の電界効果型パワートランジスタのオン抵抗による電力損失を小さくできる。従って、電力効率の良いモータを実現できる。また、立ち上がり傾斜部分と立ち下がり傾斜部分のうちの少なくとも一方の傾斜部分において電流振幅が滑らかに変化する電流信号をパワー増幅手段の通電制御端子側に供給することにより、コイルへの駆動電流を滑らかに変化させることができる。
【0006】
その結果、駆動電流の脈動や発生駆動力の脈動が大幅に低減され、振動の小さい高性能なモータを実現できる。すなわち、振動が小さく、電力効率の良いモータを実現できる。
【0007】
本発明の構成のモータは、移動体と、複数相のコイルと、直流電圧を供給する2つの出力端子を有する電圧供給手段と、前記電圧供給手段の一方の出力端子側と前記コイルの一つへの電流路を形成する第1の電界効果型パワートランジスタをそれぞれ含むQ個(ここに、Qは3以上の整数)の第1のパワー増幅手段と、前記電圧供給手段の他方の出力端子側と前記コイルの一つへの電流路を形成する第2の電界効果型パワートランジスタをそれぞれ含むQ個の第2のパワー増幅手段と、複数相の切換信号を作りだす切換作成手段と、前記切換作成手段の出力信号に応動して前記Q個の第1のパワー増幅手段の通電を制御する第1の制御手段と、前記切換作成手段の出力信号に応動して前記Q個の第2のパワー増幅手段の通電を制御する第2の制御手段と、前記Q個の第1のパワー増幅手段と前記Q個の第2のパワー増幅手段のうちで少なくとも1個のパワー増幅手段を高周波スイッチング動作させるスイッチング動作手段と、を具備するモータであって、前記第1の制御手段は、立ち上がり傾斜部分と立ち下がり傾斜部分のうちの少なくとも一方の傾斜部分において電流振幅が滑らかに変化する少なくとも1つの電流信号を前記Q個の第1のパワー増幅手段のうちで少なくとも1個のパワー増幅手段の通電制御端子側に供給する手段と、前記少なくとも1つの電流信号の通電区間内において、前記少なくとも1つの電流信号よりも短い角度幅に渡って通電される少なくとも1つの補助信号を前記少なくとも1個のパワー増幅手段の通電制御端子側に供給する手段と、を含んで構成している。
【0008】
このように構成することにより、補助信号を供給したときの電界効果型パワートランジスタのオン抵抗を小さくしている。これにより、パワー増幅手段の電界効果型パワートランジスタのオン抵抗による電力損失を小さくできる。従って、電力効率の良いモータを実現できる。また、立ち上がり傾斜部分と立ち下がり傾斜部分のうちの少なくとも一方の傾斜部分において電流振幅が滑らかに変化する電流信号をパワー増幅手段の通電制御端子側に供給することにより、コイルへの駆動電流を滑らかに変化させることができる。
【0009】
その結果、駆動電流の脈動や発生駆動力の脈動が大幅に低減され、振動の小さい高性能なモータを実現できる。すなわち、振動が小さく、電力効率の良いモータを実現できる。
【0010】
その結果、駆動電流の脈動や発生駆動力の脈動が大幅に低減され、振動の小さい高性能なモータを実現できる。すなわち、振動が小さく、電力効率の良いモータを実現できる。
【0011】
これらおよびその他の構成や動作については、実施の形態の説明において詳細に説明する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい数個の実施例を添付の図1〜図33を参照して詳細に説明する。
《実施例1》
図1から図8に本発明の実施例1のモータを示す。図1に全体構成を示す。移動体1は、たとえば、永久磁石の発生磁束により複数極の界磁磁束を発生する界磁部を取り付けられたロータである。ここでは、移動体1の界磁部を2極着磁された永久磁石で示してある。変形例では、多極であっても良く、多数の磁極片によって構成しても良い。3相コイル2、3、4は、固定体であるステータに配設され、移動体1との相対関係に関して、電気的に120度相当ずらされて配置されている。3相コイル2、3、4は3相の駆動電流I1、I2、I3により3相の磁束を発生し、移動体1の界磁部との相互作用によって駆動力を発生し、移動体1に駆動力を与える。ディスク1bは、移動体1に取り付けられ、移動体1と一緒に回転する。
【0013】
電圧供給部である直流電源50は、負極端子側(−)をアース電位にされ、正極端子側(+)に所要の直流電圧Vccおよび直流電流を供給している。直流電源50の負極端子側には、電流検出器21を介して、3個の第1のパワー増幅器11、12、13の電流流出端子側が共通接続されている。第1のパワー増幅器11は、第1のNMOS型パワートランジスタ61と、第1のNMOS型パワートランジスタ61に並列に逆接続された第1のパワーダイオード61dを含んで構成されている。ここで、NMOS型トランジスタはNチャンネルMOS構造の電界効果型トランジスタを意味する。第1のNMOS型パワートランジスタ61の電流流出端子側は直流電源50の負極端子側に電流検出器21を介して接続され、電流流入端子側はコイル2の電力供給端子に接続されている。第1のパワーダイオード61dの電流流入端子側は第1のNMOS型パワートランジスタ61の電流流出端子側に接続され、電流流出端子側は第1のNMOS型パワートランジスタ61の電流流入端子側に接続されている。第1のパワー増幅器11は、第1のNMOS型パワートランジスタ61とNMOS型トランジスタ71により第1の電界効果型パワー部カレントミラー回路を形成し、通電制御端子側への入力電流信号を電流増幅して出力する。ここで、電界効果型パワー部カレントミラー回路は電界効果型パワートランジスタを用いた電界効果型カレントミラー回路を意味する。
【0014】
第1のNMOS型パワートランジスタ61とNMOS型トランジスタ71のセル面積比を100倍にし、第1のNMOS型パワートランジスタ61が能動領域でハーフオン動作している場合の第1のパワー部カレントミラー回路の電流増幅率を100倍にしている。ここで、電界効果型トランジスタの動作状態には、3つの状態:フルオン状態、ハーフオン状態、オフ状態がある。ハーフオン状態では、電界効果型トランジスタは能動領域の増幅動作を行っている。また、フルオン状態とハーフオン状態の時に、電界効果型トランジスタは活性状態または能動状態にある。なお、第1のNMOS型パワートランジスタ61は、たとえば二重拡散NチャンネルMOS構造の電界効果型トランジスタによって構成され、第1のNMOS型パワートランジスタ61の電流流出端子側から電流流入端子側に向けて寄生ダイオード素子が等価回路的に逆接続される。この寄生ダイオード素子を第1のパワーダイオード61dとして使用している。
【0015】
同様に、第1のパワー増幅器12は、第1のNMOS型パワートランジスタ62と、第1のNMOS型パワートランジスタ62に並列に逆接続された第1のパワーダイオード62dを含んで構成されている。第1のNMOS型パワートランジスタ62の電流流出端子側は直流電源50の負極端子側に電流検出器21を介して接続され、電流流入端子側はコイル3の電力供給端子に接続されている。第1のパワーダイオード62dの電流流入端子側は第1のNMOS型パワートランジスタ62の電流流出端子側に接続され、電流流出端子側は第1のNMOS型パワートランジスタ62の電流流入端子側に接続されている。第1のパワー増幅器12は、第1のNMOS型パワートランジスタ62とNMOS型トランジスタ72により第1の電界効果型パワー部カレントミラー回路を形成し、通電制御端子側への入力電流信号を電流増幅して出力する(セル面積比は100倍)。なお、第1のNMOS型パワートランジスタ62は、たとえば二重拡散NチャンネルMOS構造の電界効果型トランジスタによって構成され、第1のNMOS型パワートランジスタ62の寄生ダイオード素子を第1のパワーダイオード62dとして使用している。
【0016】
同様に、第1のパワー増幅器13は、第1のNMOS型パワートランジスタ63と、第1のNMOS型パワートランジスタ63に並列に逆接続された第1のパワーダイオード63dを含んで構成されている。第1のNMOS型パワートランジスタ63の電流流出端子側は直流電源50の負極端子側に電流検出器21を介して接続され、電流流入端子側はコイル4の電力供給端子に接続されている。第1のパワーダイオード63dの電流流入端子側は第1のNMOS型パワートランジスタ63の電流流出端子側に接続され、電流流出端子側は第1のNMOS型パワートランジスタ63の電流流入端子側に接続されている。第1のパワー増幅器13は、第1のNMOS型パワートランジスタ63とNMOS型トランジスタ73により第1の電界効果型パワー部カレントミラー回路を形成し、通電制御端子側への入力電流信号を電流増幅して出力する(セル面積比は100倍)。なお、第1のNMOS型パワートランジスタ63は、たとえば二重拡散NチャンネルMOS構造の電界効果型トランジスタによって構成され、第1のNMOS型パワートランジスタ63の寄生ダイオード素子を第1のパワーダイオード63dとして使用している。
【0017】
第1のパワー増幅器11、12、13の各第1のパワー部カレントミラー回路は、それぞれ各通電制御端子側への入力電流信号を電流増幅して出力する。スイッチング制御器22の制御パルス信号Y1、Y2、Y3は、第1のパワー増幅器11、12、13の第1のNMOS型パワートランジスタ61、62、63をオン・オフ制御して高周波スイッチング動作させる。第1のパワー増幅器11、12、13は、コイル2、3、4の各電力供給端子への駆動電圧V1、V2、V3を高周波スイッチングして電力供給し、コイル2、3、4への駆動電流I1、I2、I3の負極側電流を供給する。この動作については、後述する。
【0018】
直流電源50の正極端子側には、3個の第2のパワー増幅器15、16、17の電流流入端子側が共通接続されている。第2のパワー増幅器15は、第2のNMOS型パワートランジスタ65と、第2のNMOS型パワートランジスタ65に並列に逆接続された第2のパワーダイオード65dを含んで構成されている。第2のNMOS型パワートランジスタ65の電流流入端子側は直流電源50の正極端子側に接続され、電流流出端子側はコイル2の電力供給端子に接続されている。第2のパワーダイオード65dの電流流入端子側は第2のNMOS型パワートランジスタ65の電流流出端子側に接続され、電流流出端子側は第2のNMOS型パワートランジスタ65の電流流入端子側に接続されている。第2のパワー増幅器15は、第2のNMOS型パワートランジスタ65とNMOS型トランジスタ75により第2の電界効果型パワー部カレントミラー回路を形成し、通電制御端子側への入力電流信号を電流増幅して出力する。第2のNMOS型パワートランジスタ65とNMOS型トランジスタ75のセル面積比を100倍にし、第2のNMOS型パワートランジスタ65が能動領域で動作している場合の第2のパワー部カレントミラー回路の電流増幅率を101倍にしている。なお、第2のNMOS型パワートランジスタ65は、たとえば二重拡散型NチャンネルMOS構造の電界効果型トランジスタによって構成され、第2のNMOS型パワートランジスタ65の電流流出端子側から電流流入端子側に向けて寄生ダイオード素子が等価回路的に逆接続される。この寄生ダイオード素子を第2のパワーダイオード65dとして使用している。
【0019】
同様に、第2のパワー増幅器16は、第2のNMOS型パワートランジスタ66と、第2のNMOS型パワートランジスタ66に並列に逆接続された第2のパワーダイオード66dを含んで構成されている。第2のNMOS型パワートランジスタ66の電流流入端子側は直流電源50の正極端子側に接続され、電流流出端子側はコイル3の電力供給端子に接続されている。第2のパワーダイオード66dの電流流入端子側は第2のNMOS型パワートランジスタ66の電流流出端子側に接続され、電流流出端子側は第2のNMOS型パワートランジスタ66の電流流入端子側に接続されている。第2のパワー増幅器16は、第2のNMOS型パワートランジスタ66とNMOS型トランジスタ76により第2の電界効果型パワー部カレントミラー回路を形成し、通電制御端子側への入力電流信号を電流増幅して出力する(セル面積比は100倍)。なお、第2のNMOS型パワートランジスタ66は、たとえば二重拡散型NチャンネルMOS構造の電界効果型トランジスタによって構成され、第2のNMOS型パワートランジスタ66の寄生ダイオード素子を第2のパワーダイオード66dとして使用している。
【0020】
同様に、第2のパワー増幅器17は、第2のNMOS型パワートランジスタ67と、第2のNMOS型パワートランジスタ67に並列に逆接続された第2のパワーダイオード67dを含んで構成されている。第2のNMOS型パワートランジスタ67の電流流入端子側は直流電源50の正極端子側に接続され、電流流出端子側はコイル4の電力供給端子に接続されている。第2のパワーダイオード67dの電流流入端子側は第2のNMOS型パワートランジスタ67の電流流出端子側に接続され、電流流出端子側は第2のNMOS型パワートランジスタ67の電流流入端子側に接続されている。第2のパワー増幅器17は、第2のNMOS型パワートランジスタ67とNMOS型トランジスタ77により第2の電界効果型パワー部カレントミラー回路を形成し、通電制御端子側への入力電流信号を電流増幅して出力する(セル面積比は100倍)。なお、第2のNMOS型パワートランジスタ67は、たとえば二重拡散型NチャンネルMOS構造の電界効果型トランジスタによって構成され、第2のNMOS型パワートランジスタ67の寄生ダイオード素子を第2のパワーダイオード67dとして使用している。
【0021】
第2のパワー増幅器15、16、17の各第2のパワー部カレントミラー回路は、それぞれ各通電制御端子側への入力電流信号を電流増幅して出力し、コイル2、3、4への駆動電流I1、I2、I3の正極側電流を供給する。この動作については、後述する。
このように、第1のパワー増幅器11、12、13は、直流電源50の負極端子側と正極端子側の間に並列的に接続され、直流電源50の負極端子側からコイル2、3、4への電流路を電子的に切り換えている。同様に、第2のパワー増幅器15、16、17は、直流電源50の負極端子側と正極端子側の間に並列的に接続され、直流電源50の正極端子側からコイル2、3、4への電流路を電子的に切り換えている。
指令器20の指令信号Adは、電流供給器30とスイッチング制御器22に入力される。指令器20は、たとえば、移動体1の回転移動速度を検出し、該速度を所定値に制御する速度制御ブロックによって構成されている。従って、指令信号Adはコイル2、3、4への駆動電流や駆動電圧を制御し、コイルへの供給電力を変化させる。
【0022】
電流供給器30は、指令信号Adに応動する第1の供給電流信号C1と第2の供給電流信号C2を出力する。図3に電流供給器30の具体的な構成を示す。電圧電流変換回路151は、指令信号Adに比例した変換電流信号Bjを出力する。電圧電流変換回路151の変換電流信号Bjは、トランジスタ171、172、173と抵抗174、175、176によるカレントミラー回路に供給され、変換電流信号Bjに比例した2つの電流信号をトランジスタ172、173のコレクタ側に作りだす。トランジスタ172のコレクタ電流は、トランジスタ181、182のカレントミラー回路を介して出力される。トランジスタ182のコレクタ電流Bp1と定電流源183の第1の所定電流Qq1を加算し、第1の供給電流信号C1として出力する。すなわち、C1=Bp1+Qq1。また、トランジスタ173のコレクタ電流Bp2と定電流源184の第2の所定電流Qq2を加算し、第2の供給電流信号C2として出力する。すなわち、C2=Bp2+Qq2。これにより、第1の供給電流信号C1と第2の供給電流信号C2は指令信号Adに比例もしくは略比例した電流信号になる。また、第1の供給電流信号C1と第2の供給電流信号C2は、定電流源183、184の電流値Qq1、Qq2による所定のバイアス電流を含んでいる。なお、定電流源183、184の電流値Qq1、Qq2は、必要に応じて設定すれば良く、零であっても良い。
【0023】
図1の切換作成器34は、滑らかに変化する3相の切換電流信号D1、D2、D3を出力する。図2に切換作成器34の具体的な構成を示す。この例では、切換作成器34は位置検出部100と切換信号部101によって構成されている。位置検出部100は、移動体1の発生磁束を検知する磁電変換素子(例えばホール素子)からなる位置検出素子111、112を含んで構成されている。位置検出素子111、112は、電気的に120度の位相差を有し、移動体1の移動に伴って滑らかな正弦波状に変化する2相の位置検出信号Ja1とJb1、および、Ja2とJb2を出力する。ここで、Ja1とJa2は逆相の関係にあり(電気的に180度の位相差)、Jb1とJb2は逆相の関係にある。なお、逆相の信号は新たな相数に数えない。位置検出信号Ja2とJb2は抵抗113、114により合成されて3相目の位置検出信号Jc1を作りだし、位置検出信号Ja1とJb1は抵抗115、116により合成されて3相目の位置検出信号Jc2を作りだす。これにより、位置検出部100は電気的に120度の位相差を有して正弦波状に変化する3相の位置検出信号Ja1、Jb1、Jc1(Ja2、Jb2、Jc2)を得ている。なお、3個の位置検出素子を用いて3相の位置検出信号を作りだしても良い。
【0024】
切換信号部101は、3相の位置検出信号に応動して滑らかに変化する正弦波状の切換電流信号D1、D2、D3を作りだす。トランジスタ122と123は、1相目の位置検出信号Ja1とJa2の差電圧に応動して定電流源121の電流をコレクタ側に分流する。トランジスタ123のコレクタ電流は、トランジスタ124、125のカレントミラー回路によって2倍に増幅され、トランジスタ125のコレクタより出力される。トランジスタ125のコレクタ電流は、定電流源126の電流値と比較され、両者の差電流が1相目の切換電流信号D1として出力される。従って、切換電流信号D1は、位置検出信号Ja1に応動して滑らかに変化し、電気角で180度区間は電流が流出し(正極性の電流)、次の180度区間は電流が流入する(負極性の電流)。同様に、切換電流信号D2は、位置検出信号Jb1に応動して滑らかに変化し、電気角で180度区間は電流が流出し(正極性の電流)、次の180度区間は電流が流入する(負極性の電流)。同様に、切換電流信号D3は、位置検出信号Jc1に応動して滑らかに変化し、電気角で180度区間は電流が流出し(正極性の電流)、次の180度区間は電流が流入する(負極性の電流)。これにより、切換電流信号D1、D2、D3は所定の位相差を有する正弦波状の3相の電流信号になる。図9(a)に3相の切換電流信号D1、D2、D3の波形を示す。なお。図9の横軸は移動体1の回転移動位置である。
【0025】
図1の分配作成器36は、第1の分配器37と第2の分配器38を含んで構成されている。第1の分配器37は、切換作成器34の3相の切換電流信号D1、D2、D3に応動して電流供給器30の第1の供給電流信号C1を実質的に分配し、滑らかに変化する3相の第1の分配電流信号E1、E2、E3を作り出す。第2の分配器38は、切換作成器34の3相の切換電流信号D1、D2、D3に応動して電流供給器30の第2の供給電流信号C2を実質的に分配し、滑らかに変化する3相の第2の分配電流信号G1、G2、G3を作り出す。
【0026】
図4に分配作成器36の具体的な構成を示す。第1の分配器37の第1の分離回路216は、切換作成器34の切換電流信号D1の負極側電流に相当もしくは応動する第1の分離信号D1nを出力する。第1の分離回路217は、切換作成器34の切換電流信号D2の負極側電流に相当もしくは応動する第1の分離信号D2nを出力する。第1の分離回路218は、切換作成器34の切換電流信号D3の負極側電流に相当もしくは応動する第1の分離信号D3nを出力する。これにより、第1の分配器37の第1の分離回路216、217、218は、3相の切換電流信号D1、D2、D3の負極側電流に相当もしくは応動する3相の第1の分離信号D1n、D2n、D3nを得ている。
第1の分配器37の第1の乗算回路211は、第1の分離回路216の第1の分離信号D1nと第1の帰還回路215の第1の帰還信号Ebを乗算し、乗算結果に比例した第1の分配電流信号E1を出力する。同様に、第1の分配器37の第1の乗算回路212は、第1の分離回路217の第1の分離信号D2nと第1の帰還回路215の第1の帰還信号Ebを乗算し、乗算結果に比例した第1の分配電流信号E2を出力する。同様に、第1の分配器37の第1の乗算回路213は、第1の分離回路218の第1の分離信号D3nと第1の帰還回路215の第1の帰還信号Ebを乗算し、乗算結果に比例した第1の分配電流信号E3を出力する。
【0027】
第1の合成回路214は、3相の第1の分配電流信号E1、E2、E3の加算合成値に応動した第1の合成信号Eaを出力する。第1の帰還回路215は、第1の合成回路214の第1の合成信号Eaと電流供給器30の第1の供給電流信号C1の差信号に応動した第1の帰還信号Ebを得ている。これにより、第1の乗算回路211、212、213と第1の合成回路214と第1の帰還回路215は帰還ループを構成し、第1の合成信号Eaを第1の供給電流信号C1に対応した値にしている。
【0028】
第1の合成信号Eaは3相の第1の分配電流信号E1、E2、E3の加算値に対応し、3相の第1の分配電流信号E1、E2、E3はそれぞれ3相の第1の分離信号D1n、D2n、D3nに比例している。その結果、第1の分配器37の3相の第1の分配電流信号E1、E2、E3は、切換作成器34の3相の切換電流信号D1、D2、D3の負極側電流に応動して電流供給器30の第1の供給電流信号C1を実質的に分配した3相の電流信号になる。すなわち、第1の分配電流信号E1、E2、E3の大きさは、第1の供給電流信号C1に比例して変化する。図9(b)に3相の第1の分配電流信号E1、E2、E3の波形を示す。第1の分配器37は、第1の供給電流信号C1を移動体1の回転移動に伴って1相分もしくは2相分に交互に分配し、電気的に120度の位相差を有する3相の第1の分配電流信号E1、E2、E3を出力する。なお、第1の分配電流信号E1、E2、E3は、正極性電流(流出方向電流)になっている。
【0029】
第2の分配器38の第2の分離回路226は、切換作成器34の切換電流信号D1の正極側電流に相当もしくは応動する第2の分離信号D1pを出力する。第2の分離回路227は、切換作成器34の切換電流信号D2の正極側電流に相当もしくは応動する第2の分離信号D2pを出力する。第2の分離回路228は、切換作成器34の切換電流信号D3の正極側電流に相当もしくは応動する第2の分離信号D3pを出力する。これにより、第2の分配器38の第2の分離回路226、227、228は、3相の切換電流信号D1、D2、D3の正極側電流に相当もしくは応動する3相の第2の分離信号D1p、D2p、D3pを得ている。
【0030】
第2の分配器38の第2の乗算回路221は、第2の分離回路226の第2の分離信号D1pと第2の帰還回路225の第2の帰還信号Gbを乗算し、乗算結果に比例した第2の分配電流信号G1を出力する。同様に、第2の分配器38の第2の乗算回路222は、第2の分離回路227の第2の分離信号D2pと第2の帰還回路225の第2の帰還信号Gbを乗算し、乗算結果に比例した第2の分配電流信号G2を出力する。同様に、第2の分配器38の第2の乗算回路223は、第2の分離回路228の第2の分離信号D3pと第2の帰還回路225の第2の帰還信号Gbを乗算し、乗算結果に比例した第2の分配電流信号G3を出力する。
【0031】
第2の合成回路224は、3相の第2の分配電流信号G1、G2、G3の加算合成値に応動した第2の合成信号Gaを出力する。第2の帰還回路225は、第2の合成回路224の第2の合成信号Gaと電流供給器30の第2の供給電流信号C2の差信号に応動した第2の帰還信号Gbを得ている。これにより、第2の乗算回路221、222、223と第2の合成回路224と第2の帰還回路225は帰還ループを構成し、第2の合成信号Gaを第2の供給電流信号C2に対応した値にしている。第2の合成信号Gaは3相の第2の分配電流信号G1、G2、G3の加算値に対応し、3相の第2の分配電流信号G1、G2、G3はそれぞれ3相の第2の分離信号D1p、D2p、D3pに比例している。その結果、第2の分配器38の3相の第2の分配電流信号G1、G2、G3は、切換作成器34の切換電流信号D1、D2、D3に応動して電流供給器30の第2の供給電流信号C2を実質的に分配した3相の電流信号になる。すなわち、第2の分配電流信号G1、G2、G3の大きさは、第2の供給電流信号C2に比例して変化する。図9(c)に3相の第2の分配電流信号G1、G2、G3の波形を示す。第2の分配器38は、第2の供給電流信号C2を移動体1の回転移動に伴って1相分もしくは2相分に交互に分配し、電気的に120度の位相差を有する3相の第2の分配電流信号G1、G2、G3を出力する。なお、第2の分配電流信号G1、G2、G3は、実際には負極性電流(流入方向電流)になっている。
【0032】
また、第1の分配電流信号E1と第2の分配電流信号G1は180度の位相差を有し、相補的に滑らかに変化する(E1とG1は必ず一方が零になる)。同様に、第1の分配電流信号E2と第2の分配電流信号G2は180度の位相差を有し、相補的に滑らかに変化する(E2とG2は必ず一方が零になる)。同様に、第1の分配電流信号E3と第2の分配電流信号G3は180度の位相差を有し、相補的に滑らかに変化する(E3とG3は必ず一方が零になる)。
図1の第1の分配器37の第1の分配電流信号E1、E2、E3は、それぞれ第1の電流増幅器41、42、43に入力される。第1の電流増幅器41、42、43は、それぞれ第1の分配電流信号E1、E2、E3を所定倍の電流増幅して第1の増幅電流信号F1、F2、F3を作りだす。
【0033】
図5に第1の電流増幅器41、42、43の具体的な構成を示す。第1の電流増幅器41は、トランジスタ231、232による初段のカレントミラー回路と、トランジスタ233、234と抵抗235、236による次段のカレントミラー回路を縦続接続した第1の増幅部カレントミラー回路により構成している。トランジスタ231と232のエミッタ面積は等しくされ、初段のカレントミラー回路の電流増幅率は1倍にされている。また、トランジスタ233と234のエミッタ面積比を50倍、抵抗236と235の抵抗比を50倍にして、次段のカレントミラー回路では電流増幅率で50倍の所定の増幅を行う。同様に、第1の電流増幅器42は、トランジスタ241、242、243、244と抵抗245、246による第1の増幅部カレントミラー回路によって構成され、電流増幅率で50倍の所定の増幅を行う。同様に、第1の電流増幅器43は、トランジスタ251、252、253、254と抵抗255、256による第1の増幅部カレントミラー回路によって構成され、電流増幅率で50倍の所定の増幅を行う。これにより、第1の電流増幅器41、42、43は、3相の第1の分配電流信号E1、E2、E3をそれぞれ50倍の増幅し、3相の第1の増幅電流信号F1、F2、F3を出力する。
【0034】
図1の第2の分配器38の第2の分配電流信号G1、G2、G3は、それぞれ第2の電流増幅器45、46、47に入力される。第2の電流増幅器45、46、47は、それぞれ第2の分配電流信号G1、G2、G3を所定倍の電流増幅して第2の増幅電流信号H1、H2、H3を作りだし、高電圧出力器51の高電位点Vuから各第2のパワー増幅器15、16、17に供給する。高電圧出力器51は高周波パルス信号に応動して昇圧用コンデンサに充電・蓄積させることにより、直流電源50の正極端子側電位Vccよりも高い高電位点電位Vuを作り出す。高電圧出力器51の高電位点Vuから第2のパワー増幅器15、16、17の第2の電界効果型パワー部カレントミラー回路の各通電制御端子側に第2の増幅電流信号H1、H2、H3を供給し、第2の電流増幅器45、46、47の出力用トランジスタの飽和を防ぎ、第2のNMOS型パワートランジスタ65、66、67を十分な通電状態にする。
【0035】
図6に第2の電流増幅器45、46、47と高電圧出力器51の具体的な構成を示す。第2の電流増幅器45は、トランジスタ261、262と抵抗263、264による第2の増幅部カレントミラー回路により構成されている。トランジスタ261と262のエミッタ面積比を50倍、抵抗264と263の抵抗比を50倍にして、第2の電流増幅器45は電流増幅率で50倍の所定の増幅を行う。同様に、第2の電流増幅器46は、トランジスタ271、272と抵抗273、274による第2の増幅部カレントミラー回路によって構成され、電流増幅率で50倍の増幅を行う。同様に、第2の電流増幅器47は、トランジスタ281、282と抵抗283、284による第2の増幅部カレントミラー回路によって構成され、電流増幅率で50倍の増幅を行う。これにより、第2の電流増幅器45、46、47は、3相の第2の分配電流信号G1、G2、G3をそれぞれ50倍の増幅し、3相の第2の増幅電流信号H1、H2、H3を出力する。
【0036】
高電圧出力器51は、100kHz程度の高周波パルス信号Paを出力するパルス発生回路421と、第1の昇圧用コンデンサ411と、第2の昇圧用コンデンサ412と、ダイオード425〜428からなる第1の電圧制限回路と、ダイオード429からなる第2の電圧制限回路を含んで構成されている。パルス発生回路421のパルス信号Paに応動してインバータ回路422がディジタル的に変化する。インバータ回路422が“L”(直流電源50の負極端子側電位)の時にダイオード423を介して第1の昇圧用コンデンサ411が充電される。インバータ回路422が“H”(直流電源50の正極端子側電位)に変わると、第1の昇圧用コンデンサ411に蓄積された電荷は、ダイオード424を介して第2の昇圧用コンデンサ412に移され、第2の昇圧用コンデンサ412を充電・蓄積する。その結果、第2の昇圧用コンデンサ412の端子には、直流電源50の正極端子側電位Vccよりも高電位になる高電位点電位Vuが出力される。高電位点電位Vuは第2の電流増幅器45、46、47に接続されている。
【0037】
また、第2の昇圧用コンデンサ412への充電を続けると、高電位点の電圧Vuが非常に高くなり、集積回路化されたトランジスタやダイオードの耐圧破壊を起こす恐れがある。そこで、ダイオード425〜428による第1の電圧制限回路を設け、高電位点電圧Vuが所定値以上にならないように制限した。なお、耐圧破壊の心配がないならば、第1の電圧制限回路を無くしても良い。
また、第2の増幅電流信号H1、H2、H3は第2の昇圧用コンデンサ412の電荷を放電させるように作用する。モータの起動時などの大電流動作が長時間続くと、第2の昇圧用コンデンサ412の放電量が多くなり、高電圧出力器51の出力電圧点の電位Vuが著しく低下する場合もある。そこで、ダイオード429による第2の電圧制限回路を設けて、高電圧出力器51の高電位点電圧Vuが直流電源50の正極端子側電位Vccより大幅に小さくならないように制限した。なお、電流レベルの小さい通常制御状態では、第2の電圧制限回路は動作しない。また、電位Vuの変動が小さい場合には、第2の電圧制限回路を無くしても良い。
【0038】
図1の電流検出器21は、直流電源50の供給する通電電流Igを検出し、通電電流Igに応動した電流検出信号Agを出力する。スイッチング制御器22は、指令信号Adと電流検出信号Agを比較し、比較結果に応動して制御パルス信号Y1、Y2、Y3をオン・オフし、第1のパワー増幅器11、12、13の第1のNMOS型パワートランジスタ61、62、63を高周波スイッチング動作させる。なお、スイッチング制御器22と電流検出器21によってスイッチング動作ブロックを構成している。
【0039】
図7に電流検出器21とスイッチング制御器22の具体的な構成を示す。電流検出器21は、直流電源50の電流供給路に挿入された電流検出用の抵抗311によって構成され、抵抗311に生じる電圧降下により直流電源50の通電電流Igを検出し、電流検出信号Agを出力する。
スイッチング制御器22は、スイッチング制御信号W1を得るスイッチングパルス回路330を含んで構成されている。スイッチングパルス回路330の比較回路331は、指令信号Adと電流検出信号Agを比較した比較出力信号Crを得る。トリガ発生回路332は、100kHz程度の高周波のトリガパルス信号Dpを出力し、所定時間間隔毎に繰り返し状態保持回路333をトリガする。
【0040】
状態保持回路333は、トリガパリス信号Dpの立ち上がりエッジにおいてスイッチング制御信号W1を“Lb”(低電位状態)に変化させ、比較出力信号Crの立ち上がりエッジにおいてスイッチング制御信号W1を“Hb”(高電位状態)に変化させる。スイッチング制御信号W1が“Lb”の時には、制御トランジスタ341、342、343は同時にオフになり、制御パルス信号Y1、Y2、Y3はオフ(非電流通電状態)になる。このとき、第1のパワー増幅器11、12、13はそれぞれ第1の増幅電流信号F1、F2、F3を電流増幅するように動作し、コイル2、3、4に負極性電流を供給する電流路を形成する。スイッチング制御信号W1が“Hb”の時には、制御トランジスタ341、342、343は同時にオンになり、制御パルス信号Y1、Y2、Y3をオン(電流通電状態)にし、第1のパワー増幅器11、12、13の通電制御端子側への入力電流をバイパスする。従って、第1のパワー増幅器11、12、13の第1のNMOS型パワートランジスタ61、62、63はすべて同時にオフになる。このようにして、第1のパワー増幅器11、12、13は単一のスイッチング制御信号W1により通電状態と遮断状態を高周波でスイッチング制御され、コイル2、3、4への駆動電圧V1、V2、V3をパルス的な電圧にし、コイル2、3、4への駆動電流I1、I2、I3を指令信号Adに応動するように制御している。これについて説明する。
【0041】
トリガパルス信号Dpの立ち上がりエッジによって状態保持回路333のスイッチング制御信号W1が“Lb”に変化した時には、第1の分配器37によって選択分配された第1の分配電流信号E1、E2、E3および第1の増幅電流信号F1、F2、F3に応動して、第1のパワー増幅器11、12、13の第1のNMOS型パワートランジスタが通電状態になる。たとえば、第1の分配電流信号E1および第1の増幅電流信号F1のみが選択されている場合を考えると、第1のパワー増幅器11の第1のNMOS型パワートランジスタ61が通電状態になる。第1のNMOS型パワートランジスタ61はフルオン状態にされ、コイル2に駆動電流I1の負極側電流を供給する電流路を形成する。ここに、電界効果型トランジスタのフルオン状態とは、電流流入端子側と電流流出端子側の間はオン抵抗による非常に小さな電圧降下動作を行っている。コイルのインダクタンス作用によって、コイル2の駆動電流I1の負極側電流値は徐々に増加する。従って、直流電源50の供給する通電電流Igも増加し、電流検出器21の電流検出信号Agは大きくなる。電流検出信号Agが指令信号Adより大きくなった瞬間に、比較回路331の比較出力信号Crが立ち上がりエッジを発生し、状態保持回路333のスイッチング制御信号W1は“Hb”に変化する。
【0042】
スイッチング制御信号W1が“Hb”になると、制御トランジスタ341、342、343がオンになる。その結果、第1のパワー増幅器11、12、13の通電制御端子側は同時に直流電源50の負極端子側に接続され、第1のNMOS型パワートランジスタ61、62、63はすべて同時にオフ状態になる。従って、通電電流Igは零になる。ここに、電界効果型トランジスタのオフ状態とは、電流流入端子側から電流流出端子側にかけてトランジスタ電流を流さない状態である。このとき、コイル2のインダクタンス作用によって、電力供給端子側の駆動電圧V1がパルス的に大きくなり、第2のパワー増幅器15の第2のパワーダイオード65dを通る電流路を形成し、コイル2の駆動電流I1の負極側電流を連続的に流し続ける。その結果、コイル2の駆動電流I1の負極側電流値は徐々に小さくなる。少しの時間を経過した後に、トリガパルス信号Dpの次の立ち上がりエッジが到来し、上述のスイッチング動作を繰り返す。これにより、所定の時間間隔毎に繰り返し発生するトリガパルス信号Dpによって、第1のパワー増幅器を高周波スイッチング動作させている。なお、100kHz程度の高周波スイッチング動作を行っているので、コイルの駆動電流の高周波リップル分は非常に小さい。
【0043】
このようにして、直流電源50の通電電流Igを指令信号Adに応動した値にパルス的に制御し、コイル2、3、4への合成供給電流を指令信号Adに応動した値に制御する。これにより、コイル2、3、4への連続的な駆動電流を制御する。第1のパワー増幅器の第1のNMOS型パワートランジスタのオン時の通電電流は、直流電源50の通電電流Igを超えることはない。従って、指令信号Adに応動した第1の供給電流信号C1を分配増幅して第1のパワー増幅器に供給することにより、第1のパワー増幅器の第1のパワートランジスタを確実にオン状態のスイッチング動作をさせることができる。
【0044】
さらに、移動体1の移動に伴って第1の分配電流信号を1相分もしくは2相分に交互に滑らかに分配しているので、電流路の切換は滑らかになる。たとえば、第1の分配電流信号E1、E2および第1の増幅電流信号F1、F2が通電されている場合を考える。トリガパルス信号Dpの立ち上がりエッジによって状態保持回路333のスイッチング制御信号W1が“Lb”に変化した時には、第1のパワー増幅器11の第1のNMOS型パワートランジスタ61と第1のパワー増幅器12の第1のNMOS型パワートランジスタ62が通電状態になる。第1の増幅電流信号F1に応動して第1のNMOS型パワートランジスタ61はオン状態(フルオン状態もしくはハーフオン状態)になり、コイル2の駆動電流I1の負極側電流を供給する電流路を形成する。第1の増幅電流信号F2に応動して第1のNMOS型パワートランジスタ62はオン状態(フルオン状態もしくはハーフオン状態)になり、コイル3の駆動電流I2の負極側電流を供給する電流路を形成する。
【0045】
第1のNMOS型パワートランジスタ61と62は、少なくともいずれか一方はフルオン状態になされている。ここに、電界効果型トランジスタのハーフオン状態とは、能動領域において増幅動作を行っている状態である。特に、パワートランジスタがハーフオン状態で動作している場合には、パワー増幅器の電界効果型カレントミラー回路は通電制御端子側への入力電流信号を所定の電流増幅率で電流増幅動作する。コイル2、3に供給される駆動電流I1、I2の負極側電流の合成電流値が、直流電源50の通電電流Igになる。
【0046】
コイルのインダクタンス作用によって、通電電流Igは徐々に大きくなる。電流検出信号Agが指令信号Adより大きくなると比較出力信号Crが立ち上がりエッジを発生し、スイッチング制御信号W1が“Hb”に変化し、制御トランジスタ341、342、343がオンになる。その結果、第1のパワー増幅器11、12、13の通電制御端子側は同時に直流電源50の負極端子側に接続され、第1のNMOS型パワートランジスタ61、62、63はすべて同時にオフ状態になる。従って、通電電流Igは零になる。コイル2のインダクタンス作用によって、電力供給端子側の駆動電圧V1がパルス的に大きくなり、第2のパワー増幅器15の第2のパワーダイオード65dを通る電流路を形成し、コイル2の駆動電流I1の負極側電流を流し続ける。その結果、コイル2の駆動電流I1の負極側電流値は徐々に小さくなる。また、コイル3のインダクタンス作用によって、電力供給端子側の駆動電圧V2がパルス的に大きくなり、第2のパワー増幅器16の第2のパワーダイオード66dを通る電流路を形成し、コイル3の駆動電流I2の負極側電流を流し続ける。その結果、コイル3の駆動電流I2の負極側電流値は徐々に小さくなる。少しの時間を経過した後に、トリガパルス信号Dpの次の立ち上がりエッジが到来し、上述のスイッチング動作を繰り返す。このようにして、移動体1の移動動作に伴って第1の分配電流信号E1、E2および第1の増幅電流信号F1、F2を変化させ、コイル2、3の駆動電流I1、I2の負極側電流値を滑らかに変化する。他の相の電流路の切換動作も同様である。ここで、3相の第1の増幅電流信号を指令信号Adに比例もしくは略比例して変化させているので、指令信号Adが変化した場合にも常に滑らかな電流路の切り換え動作を行うことができる。
【0047】
また、第2の分配器38によって選択分配された第2の分配電流信号G1、G2、G3および第2の増幅電流信号H1、H2、H3に応動して、第2のパワー増幅器15、16、17の第2のNMOS型パワートランジスタが通電状態になる。たとえば、第2の分配電流信号G2および第2の増幅電流信号H2のみが選択されている場合を考えると、第2のパワー増幅器16の第2のNMOS型パワートランジスタ66が通電状態になる。第2のNMOS型パワートランジスタ66はフルオン状態にされ、コイル3に駆動電流I2の正極側電流を供給する電流路を形成する。直流電源50の通電電流Igおよびコイルへの合成供給電流は、すでに説明したように、指令信号Adに応動した値に制御されているので、コイル3の駆動電流I2の正極側電流も指令信号Adに応動した値になる。従って、指令信号Adに応動して変化する第2の供給電流信号C2を分配増幅した第2の増幅電流信号を第2のパワー増幅器の通電制御端子側に供給することにより、第2のパワー増幅器の第2のパワートランジスタを確実にフルオン状態にすることができる。
【0048】
さらに、移動体1の移動に伴って第2の分配電流信号を1相分もしくは2相分に交互に滑らかに分配しているので、電流路の切換は滑らかになる。たとえば、第2の分配電流信号G2、G3および第2の増幅電流信号H2、H3が通電されている場合を考える。第2のパワー増幅器16の第2のNMOS型パワートランジスタ66と第2のパワー増幅器17の第2のNMOS型パワートランジスタ67が通電状態になる。第2の増幅電流信号H2に応動して第2のNMOS型パワートランジスタ66はオン状態(フルオン状態もしくはハーフオン状態)になり、コイル3の駆動電流I2の正極側電流を供給する。第2の増幅電流信号H3に応動して第2のNMOS型パワートランジスタ67はオン状態(フルオン状態もしくはハーフオン状態)になり、コイル4の駆動電流I3の正極側電流を供給する。第2のNMOS型パワートランジスタ66と67は、少なくともいずれか一方がフルオン状態になるようにされている。このようにして、移動体1の移動動作に伴って第2の分配電流信号G2、G3および第2の増幅電流信号H2、H3が変化させ、コイル3、4の駆動電流I2、I3の正極側電流値を滑らかに変化させる。他の相の電流路の切換動作も同様である。ここで、3相の第2の増幅電流信号を指令信号Adに比例もしくは略比例して変化させているので、指令信号Adが変化した場合にも常に滑らかな電流路の切り換え動作を行うことができる。
【0049】
図1の第1のパワー増幅器11、12、13の第1のNMOS型パワートランジスタ61、62、63と第2のパワー増幅器15、16、17の第2のNMOS型パワートランジスタ65、66、67は、指令器20や電流検出器21やスイッチング制御器22や電流供給器30や切換作成器34や分配作成器36や第1の電流増幅器41、42、43や第2の電流増幅器45、46、47や高電圧出力器51の所要のトランジスタや抵抗等の半導体素子と一緒に単一のシリコン基板上に接合分離して集積回路化されている。図8に集積回路の構造の一例を示す。P型シリコン基板上に所要のN+層やN−層やP+層やP−層等を拡散させて各種のトランジスタを形成している。番号191は、二重拡散されたNMOS型トランジスタの例であり、第1のNMOS型パワートランジスタや第2のNMOS型パワートランジスタとして使用する。この二重拡散NMOS型トランジスタの寄生ダイオード素子は、第1のパワーダイオードや第2のパワーダイオードとして使用される。
【0050】
番号192は、NPN型バイポーラトランジスタの例であり、信号増幅トランジスタとして使用する。番号193は、PNP型バイポーラトランジスタの例であり、信号増幅トランジスタとして使用する。番号194は、PチャンネルおよびNチャンネルのCMOS型電界効果トランジスタの例であり、論理信号処理に使用する。また、各トランジスタの間は、アース電位(0V)に接続されたシリコン基板と同電位になるP層によって接合分離される。接合分離された集積回路は、誘電分離された集積回路と比較して、低コストの製造プロセスを用いて、小さな1チップ基板上に多数のパワー用トランジスタ素子や信号用トランジスタを高密度に集積化できる。すなわち、安価に集積回路化できる。なお、具体的なマスク配置は設計事項であり、詳細な説明を省略する。
次に、図1のモータの全体的な動作について説明する。切換作成器34は、滑らかに変化する3相の切換電流信号D1、D2、D3を作りだし、分配作成器36の第1の分配器37と第2の分配器38に供給する。第1の分配器37は、3相の第1の分離信号D1n、D2n、D3nに応動して、第1の供給電流信号C1に比例した3相の第1の分配電流信号E1、E2、E3を出力する。第1の電流増幅器41、42、43は、それぞれ第1の分配電流信号E1、E2、E3を電流増幅した第1の増幅電流信号F1、F2、F3を出力し、第1のパワー増幅器11、12、13の各通電制御端子側に供給する。第1のパワー増幅器11、12、13の第1のNMOS型パワートランジスタ61、62、63は、スイッチング制御器22のスイッチング制御信号W1に応動した制御パルス信号Y1、Y2、Y3によってオン・オフの高周波スイッチング動作する。
【0051】
スイッチング制御信号W1が“Lb”の時には、第1のパワー増幅器11、12、13はそれぞれ第1の増幅電流信号F1、F2、F3を電流増幅動作し、3相のコイル2、3、4に駆動電流I1、I2、I3の負極側電流を供給する電流路を形成する。スイッチング制御信号W1が“Hb”時には、第1のパワー増幅器11、12、13の第1のNMOS型パワートランジスタ61、62、63はすべてオフになる。このとき、3相のコイル2、3、4に駆動電流I1、I2、I3の負極側電流を連続的に供給する電流路は、第2のパワー増幅器15、16、17の第2のパワーダイオード65d、66d、67dによって形成される。その結果、第1のパワー増幅器11、12、13が高周波スイッチング動作しているにもかかわらず、コイルへの駆動電流は滑らかに変化させることができる。その結果、第1のパワー増幅器11、12、13による電流路の切換動作は滑らかにできる。
【0052】
電流検出器21は直流電源50の通電電流Igを検出し、通電電流Igに応動した電流検出信号Agを出力する。スイッチング制御器22は、指令器20の指令信号Adと電流検出器21の電流検出信号Agの両者を比較し、その比較結果に応動してスイッチング制御信号W1を変化させ、第1のパワー増幅器11、12、13の第1のNMOS型パワートランジスタ61、62、63(および第1のパワー部カレントミラー回路)を同時にオフさせる。その結果、第1のパワー増幅器11、12、13の第1のNMOS型パワートランジスタ61、62、63のうちで1個もしくは2個の電界効果型パワートランジスタが単一のパルス信号W1に応動してオン・オフの高周波スイッチング動作を行ない、直流電源50の通電電流Igおよびコイルへの合成供給電流を指令信号Adに応動した値に制御する。なお、電流供給器30と第1の分配器37と第1の電流増幅器41、42、43は第1の分配制御ブロックを形成し、第1のパワー増幅器11、12、13の第1のNMOS型パワートランジスタ61、62、63の通電区間を制御している。なお、上記第1の分配制御ブロックは特許請求の範囲における第1の制御手段を構成している。
【0053】
一方、第2の分配器38は、3相の第2の分離信号D1p、D2p、D3pに応動して、第2の供給電流信号C2に比例した3相の第2の分配電流信号G1、G2、G3を出力する。第2の電流増幅器45、46、47は、それぞれ第2の分配電流信号G1、G2、G3を電流増幅した第2の増幅電流信号H1、H2、H3を出力し、第2のパワー増幅器15、16、17の各通電制御端子側に供給する。第1のパワー増幅器11、12、13がオン・オフの高周波スイッチング動作しているにもかかわらず、第2のパワー増幅器15、16、17はそれぞれ第2の増幅電流信号H1、H2、H3を増幅して出力し、3相のコイル2、3、4に駆動電流I1、I2、I3の正極側電流を供給する。その結果、第2のパワー増幅器15、16、17による電流路の切換動作は滑らかにできる。なお、電流供給器30と第2の分配器38と第2の電流増幅器45、46、47は第2の分配制御ブロックを形成し、第2のパワー増幅器15、16、17の第2のNMOS型パワートランジスタ65、66、67の通電区間を制御している。なお、上記第2の分配制御ブロックは特許請求の範囲における第2の制御手段を構成している。
【0054】
このように、立ち上がり傾斜部分および立ち下がり傾斜部分において滑らかに変化する3相の第1の増幅電流信号F1、F2、F3を第1のパワー増幅器11、12、13の通電制御端子側に供給し、スイッチング制御器22の制御パルス信号Y1、Y2、Y3によって第1のパワー増幅器11、12、13の通電制御端子側をオン・オフのスイッチングした。これにより、第1のNMOS型パワートランジスタ61、62、63を単一のスイッチング制御信号W1に応動してオン・オフの高周波スイッチング動作させながらも、コイル2、3、4に供給する駆動電流I1、I2、I3の負極側電流を滑らかに変化させることができる。
【0055】
また、立ち上がり傾斜部分および立ち下がり傾斜部分において滑らかに変化する3相の第2の増幅電流信号H1、H2、H3を第2のパワー増幅器15、16、17の通電制御端子側に供給した。これにより、コイル2、3、4への正極側電流を滑らかに変化させることができる。
その結果、第1のパワー増幅器11、12、13と第2のパワー増幅器15、16、17によるコイル2、3、4への駆動電流I1、I2、I3は脈動が極めて少ない滑らかな電流波形になる。これにより、モータの発生駆動力の脈動は大幅に小さくなり、振動・騒音が少ない高性能なモータを実現できる。
【0056】
さらに、3相の第1の増幅電流信号を指令信号Adに比例もしくは略比例して変化させ、常に適切な入力電流が第1のパワー増幅器の通電制御端子側に供給されるようにした。これにより、指令信号Adに応動してコイルへの駆動電流が変化した場合であっても、滑らかに変化する駆動電流をコイルに供給でき、常に滑らかな電流路の切換動作を実現できる。
また、3相の増幅電流信号を指令信号Adに比例もしくは略比例して変化させ、常に適切な入力電流が第2のパワー増幅器の通電制御端子側に供給されるようにした。これにより、指令信号Adに応動してコイルへの駆動電流が変化した場合であっても、滑らかに変化する駆動電流をコイルに供給でき、常に滑らかな電流路の切換動作を実現できる。
また、第1の分配器37と第2の分配器38の動作によって、同一相の第1の分配電流信号と第2の分配電流信号は相補的に流れるので、第1のパワー増幅器の第1のNMOS型パワートランジスタと第2のパワー増幅器の第2のNMOS型パワートランジスタも相補的に動作する。従って、滑らかに連続的に変化する両方向の駆動電流がコイルに供給され、かつ、同一相の第1のパワートランジスタと第2のパワートランジスタによる短絡電流は生じない。
【0057】
本実施例では、第1のパワー増幅器の第1のNMOS型パワートランジスタをオン・オフの高周波スイッチング動作させているので、第1のパワー増幅器の電力損失は小さい。第2のパワー増幅器の第2のNMOS型パワートランジスタをオン動作させているので、第2のパワー増幅器の電力損失は小さい。従って、電力効率の非常に良いモータになる。また、第1の増幅電流信号や第2の増幅電流信号を指令信号Adに応動して変化させているので、第1のパワー増幅器や第2のパワー増幅器への入力電流による電力損失も小さくしている。
【0058】
また、本実施例では、立ち上がり傾斜部分や立ち下がり傾斜部分において滑らかに変化する3相の第1の増幅電流信号F1、F2、F3(第1の3相の電流信号)を3個の第1のパワー増幅器の通電制御端子側に供給した。これにより、第1のパワー増幅器11、12、13の第1のNMOS型パワートランジスタ61、62、63のうちで1個もしくは2個の第1のNMOS型パワートランジスタをオン・オフの高周波スイッチング動作させながらも、コイル2、3、4への駆動電流I1、I2、I3の負極側電流を滑らかに変化させた。
同様に、立ち上がり傾斜部分や立ち下がり傾斜部分において滑らかに変化する3相の第2の増幅電流信号H1、H2、H3(第2の3相の電流信号)を3個の第2のパワー増幅器の通電制御端子側に供給した。これにより、第2のパワー増幅器15、16、17の第2のNMOS型パワートランジスタ65、66、67のうちで1個もしくは2個の第2のNMOS型パワートランジスタをオン動作させながらも、コイル2、3、4への駆動電流I1、I2、I3の正極側電流を滑らかに変化させた。
【0059】
これにより、電流路の切換動作を滑らかにでき、駆動電流の脈動を小さくし、発生駆動力の脈動やモータ振動を著しく低減した。また、第1の3相の電流信号や第2の3相の電流信号の少なくとも傾斜部分を指令信号Adに応動して変化させることにより、モータ負荷に応動して指令信号Adが変化した場合でも常に滑らかな電流路の切換動作を実現できる。なお、パワー増幅器の通電制御端子側に供給する電流信号は、実質的に滑らかに変化する電流信号で有れば良く、たとえば、階段状のステップ的もしくは段階状のディジタル的に値を変化させる電流信号であっても良い。また、立ち上がり傾斜部分と立ち下がり傾斜部分と平坦部分などのなかで、少なくとも立ち上がり傾斜部分および/または立ち下がり傾斜部分において実質的に滑らかに変化する電流信号をパワー増幅器の通電制御端子側に供給することにより、電流路の切換動作を滑らかにできる。
【0060】
また、本実施例では、電流検出器21は直流電源50の通電電流Igに応動した電流検出信号Agを得ている。従って、電流検出器21の電流検出信号Agは3相のコイルへの合成供給電流(駆動電流I1、I2、I3の負極側電流もしくは正極側電流の合成値)に対応して変化する。スイッチング制御器22は指令信号Adと電流検出器21の出力信号Agを比較し、その比較結果に応動して第1のパワー増幅器11、12、13の第1のNMOS型パワートランジスタ61、62、63をオン・オフのパルス的な高周波スイッチング動作させる。すなわち、トリガパルス信号Dpの繰り返しタイミングにおいてスイッチング制御器22のスイッチング制御信号W1を“Lb”に変化させ、第1の3相電流信号F1、F2、F3に応動して第1のパワー増幅器の第1のNMOS型パワートランジスタを通電状態に変化させる。
【0061】
電流検出器21の出力信号Agが指令信号Adよりも大きくなった瞬間に、スイッチング制御器22のスイッチング制御信号W1を“Hb”に変化させ、3個の第1のパワー増幅器11、12、13の第1のNMOS型パワートランジスタ61、62、63を同時にオフ状態にする。これにより、1相もしくは2相のコイルに負極側の駆動電流を供給しながらも、指令信号Adに応動して通電電流Igを制御でき、モータの発生駆動力を指令信号Adに応動した値に正確に制御できる。また、指令信号Adと電流検出器21の出力信号Agの比較結果に応動した単一のパルス信号(スイッチング制御信号W1)により、3個の第1のパワー増幅器を同時にオン・オフの高周波スイッチング動作をさせた。これにより、極めて簡素な構成によって、3相コイルへの駆動電流の正確な制御を実現した。すなわち、全体構成が極めて簡素になる。また、高周波スイッチングのタイミングを決めるパルス信号が1個であるから、検出タイミングの管理が簡単であり、電流検出動作および電流制御動作が安定になる。なお、スイッチング制御器22と電流検出器21は、パワー増幅器のスイッチング動作を制御するスイッチング動作ブロックを形成している。
【0062】
本実施例では、集積回路化に好適のモータ構成になっている。パワー素子としてパワートランジスタとその寄生素子として形成されるパワーダイオードを使用して構成しているので、部品点数が少なく、これらのパワー素子を小さなチップ上に集積回路化することが可能である。また、指令器20、電流検出器21、スイッチング制御器22、電流供給器30、切換作成器34、分配作成器36(第1の分配器37と第2の分配器38)、3個の第1の電流増幅器41、42、43、3個の第2の電流増幅器45、46、47、高電圧出力器51の所要のトランジスタや抵抗等の半導体素子を、パワートランジスタと同一チップ上に集積回路化できる。
【0063】
また、各パワー素子における発熱を極めて小さくしているので、集積回路化に適した構成になっている。すなわち、第1のNMOS型パワートランジスタをオン・オフの高周波スイッチング動作させ、第2のNMOS型パワートランジスタをオン動作させているので、第1のNMOS型パワートランジスタや第2のNMOS型パワートランジスタや第1のパワーダイオードや第2のパワーダイオードにおける電力損失・発熱が極めて小さい。従って、これらのパワー素子を1チップに集積回路化しても、熱破壊が生じることはない。また、放熱板等の発熱対策は不要である。
【0064】
また、本実施例では、接合分離部分に形成される寄生トランジスタ素子の動作を防止し、集積回路化に適した構成にしている。図8に示したような接合分離技術を用いた集積回路は、高密度集積に適した低コストのICを実現できる。しかし、直流電源の負極端子側(アース電位)に接続された接合分離部分をベース端子とする多数の寄生トランジスタ素子が形成される欠点がある。通常、これらの寄生トランジスタが動作しないように、逆バイアスされている。しかし、集積されたトランジスタの端子電位がアース電位よりもダイオードの順方向電圧分低くなると、寄生トランジスタが動作し、他の集積されたトランジスタから電流を抜き取る現象が生じる。モータのように、インダクタンス作用を有するコイルに大電流を供給する用途では、寄生トランジスタが動作すると、集積トランジスタの働きを著しく妨害する恐れがある。特に、コイルに電流を供給するパワートランジスタをオン・オフの高周波スイッチングを行わせる場合には、コイル電圧がパルス的に暴れやすく、寄生トランジスタが動作しやすい。
【0065】
これに対して、本実施例では、第1のパワー増幅器の第1のNMOS型パワートランジスタのみをオン・オフの高周波スイッチング動作させ、コイルに電流を供給する構成にした。第1のNMOS型パワートランジスタの電流流出端子側は直流電源の負極端子側に接続されているので、高周波スイッチング動作を行わせても、第1のNMOS型パワートランジスタの電流流入端子側電位および電流流出端子側電位はアース電位以下にならない。また、第1のNMOS型パワートランジスタの電流流入端子側電位は直流電源50の正極端子電位以上になるが、集積トランジスタの動作を妨害する寄生トランジスタの動作は起こらない。従って、第1のNMOS型パワートランジスタが高周波スイッチングを行っても、安定な回路動作を得ることができる。
また、第2のパワー増幅器の第2のNMOS型パワートランジスタは電流路を滑らかに切り換えている。従って、第2のNMOS型パワートランジスタによる電流路の切換動作を行っても、コイルの各電力供給端子側電位は直流電源50の負極端子側電位以下にならない。
【0066】
従って、第1のパワー増幅器の第1のNMOS型パワートランジスタや第2のパワー増幅器の第2のNMOS型パワートランジスタによる電流路の切換動作や高周波スイッチング動作を行っても、寄生トランジスタによる妨害動作は生じない。その結果、第1のNMOS型パワートランジスタや第2のNMOS型パワートランジスタを他のトランジスタと一緒に1チップの集積回路化しても、集積回路内のトランジスタを安定に回路動作させることができる。これにより、3相のコイルへの電流路を電子的に滑らかに切り換えるモータの回路部分を、寄生トランジスタ素子による妨害動作を心配することなく、1チップのシリコン基板上に集積回路化することが可能になる。
【0067】
また、本実施例では、第1のパワー増幅器を第1の電界効果型パワー部カレントミラー回路によって構成し、第2のパワー増幅器を第2の電界効果型パワー部カレントミラー回路によって構成し、第1のパワー増幅器11、12、13と第2のパワー増幅器15、16、17の電流増幅率のばらつきを大幅に小さくした。また、切換信号に応動して滑らかに変化する第1の3相の電流信号F1、F2、F3を作りだし、立ち上がり傾斜部分と立ち下がり傾斜部分と平坦部分などのなかで、少なくとも立ち上がり傾斜部分および/または立ち下がり傾斜部分において実質的に滑らかに変化する第1の3相の電流信号F1、F2、F3を、3個の第1のパワー増幅器11、12、13の通電制御端子側に供給した。
【0068】
また、切換信号に応動して滑らかに変化する第2の3相の電流信号H1、H2、H3を作りだし、立ち上がり傾斜部分と立ち下がり傾斜部分と平坦部分などのなかで、少なくとも立ち上がり傾斜部分および/または立ち下がり傾斜部分において実質的に滑らかに変化する第2の3相の電流信号H1、H2、H3を、3個の第2のパワー増幅器15、16、17の通電制御端子側に供給した。これにより、第1のパワー増幅器の第1の電界効果型パワートランジスタ61、62、63をオン・オフの高周波スイッチング動作させながらも、3個の第1の電界効果型パワートランジスタ61、62、63および3個の第2の電界効果型パワートランジスタ65、66、67による電流路の切換動作を滑らかに行わせた。その結果、駆動電流の脈動やモータ振動や騒音は著しく小さくできた。なお、電界効果型パワートランジスタを集積回路化することにより、電界効果型パワー部カレントミラー回路の電流増幅率のばらつきをさらに低減できる。また、第1のパワー増幅器と第1の分配制御ブロックの合成伝達利得および第2のパワー増幅器と第2の分配制御ブロックの合成伝達利得のばらつきが小さくなる利点もある。
【0069】
また、指令信号Adに応動して電流供給器30の第1の供給電流信号C1と第2の供給電流信号C2を変化させることにより、第1の3相の電流信号や第2の3相の電流信号を指令信号Adに応動して変化させた。これにより、3個の第1のNMOS型パワートランジスタのうちで少なくとも1個の第1のNMOS型パワートランジスタをフルオン状態とオフ状態の高周波スイッチング動作させながらも、滑らかに電流路の切換動作を行わせることができた。また、3個の第2のNMOS型パワートランジスタのうちで少なくとも1個の第2のNMOS型パワートランジスタを確実にフルオン動作させながらも、滑らかに電流路の切換動作を行わせることができた。このように構成することにより、指令信号Adに応動した起動時の大電流供給時であっても定常制御時の小電流供給時であっても、実質的に滑らかに変化する適切な傾斜部分を持った第1の3相の電流信号を第1のパワー増幅器の通電制御端子側に供給でき、実質的に滑らかに変化する適切な傾斜部分を持った第2の3相の電流信号を第2のパワー増幅器の通電制御端子側に供給できる。
【0070】
その結果、脈動の少ない駆動電流をコイルに供給でき、発生駆動力の脈動は著しく小さくなる。なお、滑らかな電流路の切り換えを行うためには、第1の3相の電流信号F1、F2、F3のそれぞれの角度幅を電気角で120度よりも広くすることが重要であり、180度もしくは略180度にすることが最も好ましい。しかし、150度以上でも効果はある。また、滑らかな電流路の切り換えを行うためには、第2の3相の電流信号H1、H2、H3のそれぞれの角度幅を電気角で120度よりも広くすることが重要であり、180度もしくは略180度にすることが最も好ましい。しかし、150度以上でも効果はある。
【0071】
さらに、本実施例では、第1相目を形成する第1の3相の電流信号F1と第2の3相の電流信号H1は電気角で180度の位相差を有し、相補的に流れるようになっている。第2相目を形成する第1の3相の電流信号F2と第2の3相の電流信号H2についても同様であり、第3相目を形成する第1の3相の電流信号F3と第2の3相の電流信号H3についても同様である。これにより、同一相の第1のパワー増幅器と第2のパワー増幅器が同時に通電状態になることが生じない。その結果、短絡電流が発生しないので、パワートランジスタの電流破壊や熱破壊は生じない。
【0072】
なお、本実施例では、第1のパワー増幅器11、12、13と第2のパワー増幅器15、16、17と指令器20と電流検出器21とスイッチング制御器22と電流供給器30と切換作成器34と分配作成器36(第1の分配器37と第2の分配器38)と第1の電流増幅器41、42、43と第2の電流増幅器45、46、47と高電圧出力器51によって、3相の負荷(コイル2、3、4)への駆動電流を供給する駆動回路を形成している。
また、本実施例の切換作成器34は、2個の磁電変換素子を使用して3相の位置検出信号を得る位置検出部100を含んで構成した。しかし、3個の磁電変換素子を用いても構成できる。また、そのような検出素子を用いることなく、たとえば、コイル2、3、4に生じる逆起電力を利用して切換信号D1、D2、D3を作り出しても良い。
【0073】
また、第1の3相の電流信号F1、F2、F3もしくは第2の3相の電流信号H1、H2、H3は、立ち上がり傾斜部分や立ち下がり傾斜部分において実質的に時間的に傾斜を持って切り換わればよい。これにより、駆動電流I1、I2、I3も立ち上がり傾斜部分や立ち下がり傾斜部分において時間的に傾斜を持って滑らかに電流路を切り換えていく。さらに、駆動電流の極性が変化する時に連続的に電流値を変化させることが好ましいが、同一相の第1の3相の電流信号と第2の3相の電流信号が同時に零になる期間があり、その相の駆動電流を零にする時間が存在してもかまわない。しかし、各第1のNMOS型パワートランジスタの通電角度幅を電気角で120度よりも大きくし(好ましくは150度以上)、2個の第1のNMOS型パワートランジスタが同時に通電状態になる期間を設けることにより、モータ振動は小さくなる。また、各第2のNMOS型パワートランジスタの通電角度幅を電気角で120度よりも大きくし(好ましくは150度以上)、2個の第2のNMOS型パワートランジスタが同時に通電状態になる期間を設けることにより、モータ振動は小さくなる。このとき、各第1のNMOS型パワートランジスタの通電角度幅を180度に等しくもしくは略等しくすることが、最も好ましい。また、各第2のNMOS型パワートランジスタの通電角度幅を180度に等しくもしくは略等しくすることが、最も好ましい。
【0074】
また、本実施例において、第1のパワー増幅器11、12、13や第2のパワー増幅器15、16、17は図1に示された構成に限らず、種々の変形が可能である。たとえば、第1のパワー増幅器11、12、13や第2のパワー増幅器15、16、17のそれぞれの代わりに、図10に示した構成のパワー増幅器450を使用しても良い。パワー増幅器450は電界効果型パワートランジスタ451とパワーダイオード451dと電界効果型トランジスタ452と抵抗453を有し、電界効果型パワー部カレントミラー回路を含んで構成されている。この電界効果型パワー部カレントミラー回路は、電界効果型パワートランジスタ451の制御端子側が電界効果型トランジスタ452の制御端子側に(直接あるいは例えば抵抗などの何らかの要素を介して)接続され、電界効果型トランジスタ452の電流路端子対の一方の端子側が電界効果型パワートランジスタ451の電流路端子対の一方の端子側に抵抗453を介して接続され、電界効果型トランジスタ452の電流路端子対のもう一方の端子側がパワー増幅器450の通電制御端子側に(直接あるいは何らかの要素を介して)接続され、かつ電界効果型トランジスタ452の制御端子側がパワー増幅器452の通電制御端子側に(直接あるいは何らかの要素を介して)接続されるように構成されている。この電界効果型パワー部カレントミラー回路は、通電制御端子側への入力電流が小さい時から大きな電流増幅率を有し、パワー増幅器への入力電流を小さくできる利点がある。
【0075】
また、たとえば、図11に示した構成のパワー増幅器460を使用しても良い。パワー増幅器460はNMOS型パワートランジスタ461とパワーダイオード461dとNMOS型トランジスタ462と抵抗463を有し、電界効果型パワー部カレントミラー回路を含んで構成されている。電界効果型パワー部カレントミラー回路は、電界効果型パワートランジスタ461の制御端子側が電界効果型トランジスタ462の制御端子側に(直接あるいは何らかの要素を介して)接続され、電界効果型トランジスタ462の電流路端子対の一方の端子側がパワー増幅器460の通電制御端子側に抵抗463を介して接続され、電界効果型トランジスタ462の電流路端子対のもう一方の端子側が電界効果型パワートランジスタ461の電流路端子対の一方の端子側に(直接あるいは何らかの要素を介して)接続され、かつ電界効果型トランジスタ462の制御端子側がパワー増幅器460の通電制御端子側に(直接あるいは何らかの要素を介して)接続されるように構成されている。この電界効果型パワー部カレントミラー回路は、通電制御端子側への入力電流が小さい内は所定の電流増幅率を有し、入力電流が大きくなると、その電流増幅率が急激に大きくなる。これにより、モータの起動時のように大電流をコイルに供給する場合に、パワー増幅器への入力電流を小さくできる利点がある。なお、NMOS型パワートランジスタ451とパワーダイオード451dやNMOS型パワートランジスタ461とパワーダイオード461dは二重拡散NチャンネルMOS構造の電界効果型パワートランジスタとその寄生ダイオード素子によって構成でき、集積回路化は容易である。
【0076】
また、本実施例において、スイッチング制御器22のスイッチングパルス回路330には、種々の変形が可能である。たとえば、スイッチングパルス回路330の代わりに図12に示した構成のスイッチングパルス回路480が使用可能である。スイッチングパルス回路480の比較回路481は、指令信号Adと電流検出信号Agを比較した比較出力信号Crを出力する。すなわち、電流検出信号Agが指令信号Adよりも小さい時に比較出力信号Crは“Lb”になり、電流検出信号Agが指令信号Adよりも大きくなると比較出力信号Crは“Hb”に変わる。時定数回路482は、比較回路481の比較出力信号Crの立ち上がりエッジ(“Lb”から“Hb”への変化時点)をトリガとして、所定の時間幅Wpだけ“Hb”になるスイッチング制御信号W1を発生する。この時間幅Wpはコンデンサ483への充放電によって決められる。
【0077】
スイッチング制御信号W1が“Lb”の時には、制御パルス信号Y1、Y2、Y3をオフ(非通電状態)にし、第1の増幅電流信号F1、F2、F3に応じて第1のパワー増幅器11、12、13がオン状態(フルオン状態もしくはハーフオン状態)になり、コイル2、3、4への電流路を形成する。スイッチング制御信号W1が“Hb”になると、制御パルス信号Y1、Y2、Y3がオン(電流通電状態)になり、第1のパワー増幅器11、12、13の第1のNMOS型パワートランジスタ61、62、63は同時にオフになる。
【0078】
これにより、電流検出信号Agが指令信号Adよりも小さい時にスイッチング制御信号W1が“Lb”になり、第1のパワー増幅器はオン状態になる。直流電源50の通電電流Igが増加し、電流検出信号Agが指令信号Adよりも大きくなったタイミングにおいて、比較出力信号Crは“Hb”に変化する。比較回路481の比較出力信号Crの立ち上がりエッジによって時定数回路482がトリガされ、スイッチング制御器信号W1は所定時間幅Wpだけ“Hb”になる。その結果、第1のパワー増幅器11、12、13は所定の時間幅Wbの間は同時にオフ状態になる。第1のパワー増幅器がオフになってから所定時間幅Wpを経過後に、スイッチング制御信号W1は“Lb”に変わり、再度、第1のパワー増幅器はオン状態になる。このようにして、第1のパワー増幅器11、12、13の第1のNMOS型パワートランジスタ61、62、63はオン・オフの高周波スイッチング動作を行う。また、移動体1の移動動作に伴って、コイル2、3、4への電流路は滑らかに切り換えられていく。
【0079】
《実施例2》
図13から図15に本発明の実施例2のモータを示す。図13に全体構成を示す。本実施例は、前述の実施例1において、さらに、補助供給器500と第1の合成器81、82、83と第2の合成器85、86、87を設けたものである。その他の構成において、前述の実施例1と同様なものには同一の番号を付し、詳細な説明を省略する。
図13の補助供給器500は、切換作成器34の出力信号に応動して3相の第1の補助電流信号F4、F5、F6と3相の第2の補助電流信号H4、H5、H6を供給する。図14に補助供給器500の具体的な構成を示す。補助供給器500は補助切換作成部510と補助電流切換部520によって構成されている。補助切換作成部510は、切換作成器34の3相の位置検出信号Ja1、Jb1、Jc1が入力され、これらの位置検出信号に応動した補助切換信号J4〜J9を出力する。
【0080】
図15に補助切換作成部510の具体的な構成例を示す。補助切換作成部510のコンパレータ回路541、542、543は、それぞれ、3相の位置検出信号Ja1、Jb1、Jc1の内の2相の信号を比較し、比較結果に応動した3相のディジタル信号Jd、Je、Jfを出力する。図16(a)〜(c)にディジタル信号Jd、Je、Jfの波形関係を示す。これらの3相のディジタル信号Jd、Je、Jfは、反転回路551、552、553とアンド回路561〜567によって論理合成され、補助切換信号J4〜J9を作りだす。図16(d)〜(i)に補助切換信号J4〜J9の波形関係を示す。ディジタル信号Jd、Je、Jfは、それぞれ電気角で180度もしくは略180度の角度幅にわたって“Hb”、残りの180度の角度幅にわたって“Lb”になる。また、ディジタル信号Jd、Je、Jfは、120度の位相差を有する3相の信号になる。補助切換信号J4、J5、J6は、それぞれ電気角で120度もしくは略120度の角度幅にわたって“Hb”になり、残りの240度の角度幅にわたって“Lb”になる。これらの補助切換信号J4、J5、J6は、順番に変化する3相のディジタル信号である。また、補助切換信号J7、J8、J9は、それぞれ電気角で120度もしくは略120度の角度幅にわたって“Hb”になり、残りの240度の角度幅にわたって“Lb”になる。これらの補助切換信号J7、J8、J9は、順番に変化する3相のディジタル信号である。
【0081】
図14の補助切換作成部510の補助切換信号J4〜J9は、補助電流切換部520に入力される。補助電流切換部520は、3個の第1の電流源521、522、523と3個の第2の電流源525、526、527と3個の第1のスイッチ回路531、532、533と3個の第2のスイッチ回路535、536、537を有している。第1の電流源521、522、523と第2の電流源525、526、527は、高電圧出力器51の高電位点電位Vuから流出する方向に接続されている。
第1のスイッチ回路531、532、533は、補助切換作成部510の補助切換信号J4、J5、J6が“Hb”になるとスイッチをオンにする。これにより、第1の電流源521、522、523の電流を補助切換信号J4、J5、J6に応動して出力し、3相の第1の補助電流信号F4、F5、F6を作りだす。また、第2のスイッチ回路535、536、537は、補助切換作成部510の補助切換信号J7、J8、J9が“Hb”になるとスイッチをオンにする。これにより、第2の電流源525、526、527の電流を補助切換信号J7、J8、J9に応動して出力し、3相の第2の補助電流信号H4、H5、H6を作りだす。図17(a)、(b)、(c)に第1の補助電流信号F4、F5、F6の波形を示し、図17(d)、(e)、(f)に第2の補助電流信号H4、H5、H6の波形を示す。
【0082】
図13の第1の合成器81は単純に結節点で構成され、第1の電流増幅器41の第1の増幅電流信号F1と第1の補助電流信号F4を加算合成し、第1の合成電流信号F1+F4を出力する。第1の合成器82は単純に結節点で構成され、第1の電流増幅器42の第1の増幅電流信号F2と第1の補助電流信号F5を加算合成し、第1の合成電流信号F2+F5を出力する。第1の合成器83は単純に結節点で構成され、第1の電流増幅器43の第1の増幅電流信号F3と第1の補助電流信号F6を加算合成し、第1の合成電流信号F3+F6を出力する。
第2の合成器85は単純に結節点で構成され、第2の電流増幅器45の第2の増幅電流信号H1と第2の補助電流信号H4を加算合成し、第2の合成電流信号H1+H4を出力する。第2の合成器86は単純に結節点で構成され、第2の電流増幅器46の第2の増幅電流信号H2と第2の補助電流信号H5を加算合成し、第2の合成電流信号H2+H5を出力する。第2の合成器87は単純に結節点で構成され、第2の電流増幅器47の第2の増幅電流信号H3と第2の補助電流信号H6を加算合成し、第2の合成電流信号H3+H6を出力する。
【0083】
図17(g)に第1の増幅電流信号F1、F2、F3の波形を示し、図17(h)に第2の増幅電流信号H1、H2、H3の波形を示す。また、図17(i)に第1の合成電流信号F1+F4、F2+F5、F3+F6の波形を示し、図17(j)に第2の合成電流信号H1+H4、H2+H5、H3+H6の波形を示す。
第1の合成電流信号F1+F4、F2+F5、F3+F6は、零からの立ち上がり傾斜部分および零への立ち下がり傾斜部分において、約30度の角度幅(電気角)にわたって滑らかに変化する第1の3相の電流信号になっている。同様に、第2の合成電流信号H1+H4、H2+H5、H3+H6は、零からの立ち上がり傾斜部分および零への立ち下がり傾斜部分において、約30度の角度幅(電気角)にわたって滑らかに変化する第2の3相の電流信号になっている。
【0084】
第1の合成電流信号F1+F4、F2+F5、F3+F6は、それぞれ第1のパワー増幅器11、12、13の通電制御端子側に供給され、第1のNMOS型パワートランジスタ61、62、63の通電を分配制御し、コイル2、3、4への電流路を滑らかに切り換える。実際には、第1のNMOS型パワートランジスタ61、62、63はスイッチング制御器22によってオン・オフの高周波スイッチング動作を制御されながら、第1の合成電流信号に応動してコイルへの通電の分配制御を行っている。同様に、第2の合成電流信号H1+H4、H2+H5、H3+H6は、それぞれ第2のパワー増幅器15、16、17の通電制御端子側に供給され、第2のNMOS型パワートランジスタ65、66、67の通電を分配制御し、コイル2、3、4への電流路を滑らかに切り換える。
【0085】
その他の構成及び動作は、前述の実施例1と同様であり、詳細な説明を省略する。
本実施例では、第1のパワー増幅器の通電制御端子側に供給される3相の第1の合成電流信号(第1の3相の電流信号)を、それぞれ、少なくとも立ち上がり傾斜部分および/または立ち下がり傾斜部分において滑らかに変化させ、第1のNMOS型パワートランジスタによる電流路の切換動作を滑らかにし、滑らかに変化する駆動電流をコイルに供給した。このとき、第1の合成電流信号に第1の補助電流信号を含ませることにより、支配的に電流路を形成する第1のNMOS型パワートランジスタのオン抵抗を小さくし、電力損失を低減した。また、第1のパワー増幅器の通電制御端子側をスイッチング制御器の制御パルス信号Y1、Y2、Y3によりオン・オフさせ、第1のNMOS型パワートランジスタを高周波スイッチング動作させて、電力損失を大幅に低減させた。
【0086】
同様に、第2のパワー増幅器の通電制御端子側に供給される3相の第2の合成電流信号(第2の3相の電流信号)を、それぞれ、少なくとも立ち上がり傾斜部分および/または立ち下がり傾斜部分において滑らかに変化させ、第2のNMOS型パワートランジスタによる電流路の切換動作を滑らかにし、滑らかに変化する駆動電流をコイルに供給した。このとき、第2の合成電流信号に第2の補助電流信号を含ませることにより、支配的に電流路を形成する第2のNMOS型パワートランジスタのオン抵抗を小さくし、電力損失を低減した。
これにより、第1のパワー増幅器の第1のNMOS型パワートランジスタと第2のパワー増幅器の第2のNMOS型パワートランジスタの電力損失を大幅に低減でき、モータの電力効率は大幅に改善される。また、コイルへの駆動電流の脈動が低減でき、モータ振動や騒音を大幅に小さくできる。
【0087】
前述の実施例の具体的な構成では、第1の合成電流信号の通電幅を180度もしくは略180度にし、第1の補助電流信号の通電幅を120度もしくは略120度にした。その結果、第1の合成電流信号は、立ち上がり傾斜部分の30度もしくは略30度の角度幅を滑らかに変化し、立ち下がり傾斜部分の30度もしくは略30度の角度幅を滑らかに変化する。これにより、滑らかな電流路の切換動作と第1のNMOS型パワートランジスタのオン抵抗による電力損失の低減を同時に実現した。また、3相の第1の補助電流信号F4、F5、F6を順番に切り換えて供給し、いずれか1個の第1の補助電流信号を供給するようにした。また、同一期間に2個以上の第1の補助電流信号が重複して流れないようにした。
【0088】
また、第2の合成電流信号の通電幅を180度もしくは略180度にし、第2の補助電流信号の通電幅を120度もしくは略120度にした。その結果、第2の合成電流信号は、立ち上がり傾斜部分の30度もしくは略30度の角度幅を滑らかに変化し、立ち下がり傾斜部分の30度もしくは略30度の角度幅を滑らかに変化する。これにより、滑らかな電流路の切換動作と第2のNMOS型パワートランジスタのオン抵抗による電力損失の低減を同時に実現した。また、3相の第2の補助電流信号H4、H5、H6を順番に切り換えて供給し、いずれか1個の第2の補助電流信号を供給するようにした。また、同一期間に2個以上の第2の補助電流信号が重複して流れないようにした。
しかし、これらの角度幅は、適時、変更が可能である。第1の合成電流信号や第2の合成電流信号の角度幅は、たとえば、150度にしても良い。また、第1の補助電流信号や第2の補助電流信号の角度幅も120度と異ならせることも可能である。
さらに、本実施例でも、前述の実施例1と同様な各種の利点を得ることができる。
【0089】
《実施例3》
図18と図19に本発明の実施例3のモータを示す。図18に全体構成を示す。本実施例は、前述の実施例2において、補助供給器500の出力電流信号をパワー増幅器の通電制御端子側に直接供給するようにしたものである。その他の構成において、前述の実施例1もしくは実施例2と同様なものには同一の番号を付し、詳細な説明を省略する。
図18において、第1のパワー増幅器611は、通電制御端子側の第1端子に第1の電流増幅器41の第1の増幅電流信号F1が入力され、通電制御端子側の第2端子に補助供給器500の第1の補助電流信号F4が入力され、通電制御端子側の第3端子にスイッチング制御器22の制御パルス信号Y1が入力されている。
【0090】
同様に、第1のパワー増幅器612は、通電制御端子側の第1端子に第1の電流増幅器42の第1の増幅電流信号F2が入力され、通電制御端子側の第2端子に補助供給器500の第1の補助電流信号F5が入力され、通電制御端子側の第3端子にスイッチング制御器22の制御パルス信号Y2が入力されている。同様に、第1のパワー増幅器613は、通電制御端子側の第1端子に第1の電流増幅器43の第1の増幅電流信号F3が入力され、通電制御端子側の第2端子に補助供給器500の第1の補助電流信号F6が入力され、通電制御端子側の第3端子にスイッチング制御器22の制御パルス信号Y3が入力されている。
【0091】
また、第2のパワー増幅器615は、通電制御端子側の第1端子に第2の電流増幅器45の第2の増幅電流信号H1が入力され、通電制御端子側の第2端子に補助供給器500の第2の補助電流信号H4が入力されている。同様に、第2のパワー増幅器616は、通電制御端子側の第1端子に第2の電流増幅器46の第2の増幅電流信号H2が入力され、通電制御端子側の第2端子に補助供給器500の第2の補助電流信号H5が入力されている。同様に、第2のパワー増幅器617は、通電制御端子側の第1端子に第2の電流増幅器47の第2の増幅電流信号H3が入力され、通電制御端子側の第2端子に補助供給器500の第2の補助電流信号H6が入力されている。
【0092】
図19に第1のパワー増幅器611、612、613や第2のパワー増幅器615、616、617の具体的な構成に相当するパワー増幅器620を示す。ここでは、パワー増幅器620を第1のパワー増幅器611として使用する場合を示している。パワー増幅器620は、NMOS型パワートランジスタ621と、NMOS型パワートランジスタ621に並列に逆接続されたパワーダイオード621dを含んで構成されている。パワーダイオード621dの電流流入端子側はNMOS型パワートランジスタ621の電流流出端子側に接続され、電流流出端子側はNMOS型パワートランジスタ621の電流流入端子側に接続されている。パワー増幅器620は、NMOS型パワートランジスタ621とNMOS型トランジスタ622により電界効果型パワー部カレントミラー回路を形成している(セル面積比は100倍)。
【0093】
パワー増幅器620の通電制御端子側の第1端子とNMOS型トランジスタ622の電流路端子対の一方の端子側の間に抵抗623が接続され、通電制御端子側の第1端子と第2端子の間に抵抗624が接続され、通電制御端子側の第3端子はNMOS型パワートランジスタ621の制御端子側に接続されている。これにより、パワー増幅器620の電界効果型パワー部カレントミラー回路は、通電制御端子側の第1端子への第1の増幅電流信号F1が小さい内は所定の電流増幅率を有し、第1の増幅電流信号F1が大きくなると、その電流増幅率が急激に大きくなる。また、通電制御端子側の第2端子への第1の補助電流信号F4によってNMOS型パワートランジスタ621のオン抵抗を低減している。さらに、パワー増幅器620のNMOS型パワートランジスタ621および電界効果型パワー部カレントミラー回路は、通電制御端子側の第3端子への制御パルス信号Y1によってオン・オフの高周波スイッチング動作を行っている。
【0094】
なお、NMOS型パワートランジスタ621は、たとえば二重拡散NチャンネルMOS構造の電界効果型トランジスタによって構成され、NMOS型パワートランジスタ621の寄生ダイオード素子をパワーダイオード621dとして使用している。なお、パワー増幅器620の抵抗623または/および抵抗624は、零にしても動作上問題はない。また、第1の増幅電流信号F1と第1の補助電流信号F4はパワー増幅器620の内部で合成され、NMOS型パワートランジスタ621やパワー部カレントミラー回路に供給されている。
【0095】
パワー増幅器620を第1のパワー増幅器612、613として使用する場合は、図19に示した構成と同様である。また、パワー増幅器620を第2のパワー増幅器615、616、617として使用する場合には、通電制御端子側の第3端子を接続しなければ良い。
その他の構成及び動作は、前述の実施例2もしくは実施例1と同様であり、詳細な説明を省略する。
【0096】
本実施例では、第1のパワー増幅器の通電制御端子側の第1端子に供給される3相の第1の増幅電流信号(第1の3相の電流信号)を、それぞれ、少なくとも立ち上がり傾斜部分および/または立ち下がり傾斜部分において滑らかに変化させ、第1のNMOS型パワートランジスタによる電流路の切換動作を滑らかにし、滑らかに変化する駆動電流をコイルに供給した。また、第1のパワー増幅器の通電制御端子側の第2端子に第1の補助電流信号を供給し、支配的に電流路を形成する第1のNMOS型パワートランジスタのオン抵抗を小さくするようにした。ここに、支配的に電流路を形成する第1のNMOS型パワートランジスタとは、3個の第1のNMOS型パワートランジスタのうちで最も大きな駆動電流を供給するパワートランジスタを意味する。さらに、第1のパワー増幅器の通電制御端子側の第3端子にスイッチング制御器の制御パルス信号を供給し、第1のNMOS型パワートランジスタをオン・オフの高周波スイッチング動作させるようにした。
【0097】
同様に、第2のパワー増幅器の通電制御端子側の第2端子に供給される3相の第2の増幅電流信号(第2の3相の電流信号)を、それぞれ、少なくとも立ち上がり傾斜部分および/または立ち下がり傾斜部分において滑らかに変化させ、第2のNMOS型パワートランジスタによる電流路の切換動作を滑らかにし、滑らかに変化する駆動電流をコイルに供給した。また、第2のパワー増幅器の通電制御端子側の第2端子に第2の補助電流信号を供給し、支配的に電流路を形成する第2のNMOS型パワートランジスタのオン抵抗を小さくするようにした。ここに、支配的に電流路を形成する第2のNMOS型パワートランジスタとは、3個の第2のNMOS型パワートランジスタのうちで最も大きな駆動電流を供給するパワートランジスタを意味する。
【0098】
さらに、本実施例でも、前述の実施例と同様な各種の利点を得ることができる。また、本実施例において、第1のパワー増幅器611、612、613や第2のパワー増幅器615、616、617は図19に示された構成のパワー増幅器620に限らず、種々の変形が可能である。図20に第1のパワー増幅器611、612、613や第2のパワー増幅器615、616、617に使用可能な別の構成のパワー増幅器640を示す。ここでは、パワー増幅器640を第1のパワー増幅器611として使用する場合を示している。パワー増幅器640は、NMOS型パワートランジスタ641と、NMOS型パワートランジスタ641に並列に逆接続されたパワーダイオード641dを含んで構成されている。パワーダイオード641dの電流流入端子側はNMOS型パワートランジスタ641の電流流出端子側に接続され、電流流出端子側はNMOS型パワートランジスタ641の電流流入端子側に接続されている。パワー増幅器640は、NMOS型パワートランジスタ641とNMOS型トランジスタ642により電界効果型パワー部カレントミラー回路を形成している(セル面積比は100倍)。
【0099】
パワー増幅器640の通電制御端子側の第1端子はNMOS型トランジスタ622の電流路端子対の一方の端子側に接続され、NMOS型トランジスタ622の電流路端子対の他方の端子側とNMOS型パワートランジスタ641の電流路端子対の一方の端子側の間に抵抗643が接続され、通電制御端子側の第1端子と第2端子の間に抵抗644が接続され、通電制御端子側の第3端子はNMOS型パワートランジスタ641の制御端子側に接続されている。これにより、パワー増幅器640の電界効果型パワー部カレントミラー回路は、通電制御端子側の第1端子への第1の増幅電流信号F1が小さいときから大きな電流増幅動作を行うようになる。
【0100】
また、通電制御端子側の第2端子への第1の補助電流信号F4によってNMOS型パワートランジスタ641のオン抵抗を低減している。さらに、パワー増幅器640のNMOS型パワートランジスタ641および電界効果型パワー部カレントミラー回路は、通電制御端子側の第3端子への制御パルス信号Y1によってオン・オフの高周波スイッチング動作を行っている。なお、NMOS型パワートランジスタ641は、たとえば二重拡散NチャンネルMOS構造の電界効果型トランジスタによって構成され、NMOS型パワートランジスタ641の寄生ダイオード素子をパワーダイオード641dとして使用している。なお、パワー増幅器640の抵抗643または/および抵抗644は、零にしても動作上問題はない。
【0101】
《実施例4》
図21と図22に本発明の実施例4のモータを示す。図21に全体構成を示す。本実施例は、前述の実施例3において、第1のパワー増幅器の第1のNMOS型パワートランジスタと第2のパワー増幅器の第2のNMOS型パワートランジスタをオン・オフの高周波スイッチング動作させるスイッチング制御器700を設けたものである。その他の構成において、前述の実施例1もしくは実施例2もしくは実施例3と同様なものには同一の番号を付し、詳細な説明を省略する。
【0102】
図21のスイッチング制御器700は、指令信号Adと電流検出器21の電流検出信号Agの比較結果に応動して、制御パルス信号Y1、Y2、Y3、Y4、Y5、Y6を作り、第1のパワー増幅器611、612、613と第2のパワー増幅器615、616、617をオン・オフの高周波スイッチング動作させる。第1のパワー増幅器611、612、613および第2のパワー増幅器615、616、617の具体的な構成は、前述の図19のパワー増幅器620もしくは図20のパワー増幅器640と同様であり、詳細な説明は省略する。
【0103】
図22にスイッチング制御器700の具体的な構成を示す。スイッチング制御器700のスイッチングパルス回路330の比較回路331は、指令信号Adと電流検出信号Agを比較した比較出力信号Crを得る。トリガ発生回路332は、100kHz程度の高周波のトリガパルス信号Dpを出力する。状態保持回路333は、トリガパルス信号Dpの立ち上がりエッジにおいてスイッチング制御信号W1を“Lb”(低電位状態)に変化させ、比較出力信号Crの立ち上がりエッジにおいてスイッチング制御信号W1を“Hb”(高電位状態)に変化させる。スイッチング制御信号W1が“Lb”の時には、制御トランジスタ741、742、743、744、745、746は同時にオフになり、制御パルス信号Y1、Y2、Y3、Y4、Y5、Y6はオフ(無通電状態)になる。このとき、第1のパワー増幅器611、612、613は、それぞれ第1の増幅電流信号F1、F2、F3を電流増幅し、コイル2、3、4に駆動電流I1、I2、I3の負極側電流を供給する電流路を形成する。
【0104】
また、第2のパワー増幅器615、616、617は、それぞれ第2の増幅電流信号H1、H2、H3を電流増幅し、コイル2、3、4に駆動電流I1、I2、I3の正極側電流を供給する電流路を形成する。スイッチング制御信号W1が“Hb”の時には、制御トランジスタ741、742、743、744、745、746は同時にオンになり、制御パルス信号Y1、Y2、Y3、Y4、Y5、Y6はオン(通電状態)になる。このとき、第1のパワー増幅器611、612、613の第1のNMOS型パワートランジスタはすべて同時にオフになり、かつ、第2のパワー増幅器615、616、617の第2のNMOS型パワートランジスタはすべて同時にオフになる。このようにして、第1のパワー増幅器611、612、613および第2のパワー増幅器615、616、617は単一のスイッチング制御信号W1によりオン状態とオフ状態を高周波スイッチング制御され、コイルへの駆動電流を指令信号Adに応動するようにしている。これについて説明する。
【0105】
トリガパルス信号Dpの立ち上がりエッジによって状態保持回路333のスイッチング制御信号W1が“Lb”に変化した時には、第1の増幅電流信号F1、F2、F3が零でない相の第1のパワー増幅器が通電状態になり、第2の増幅電流信号H1、H2、H3が零でない相の第2のパワー増幅器が通電状態になる。たとえば、第1の増幅電流信号F1のみが選択され、第2の増幅電流信号H2のみが選択された場合を考える。第1の増幅電流信号F1に応動して第1のパワー増幅器611の第1のNMOS型パワートランジスタが通電状態になり、コイル2の駆動電流I1の負極側電流を供給する電流路を形成する。第2の増幅電流信号H2に応動して第2のパワー増幅器616の第2のNMOS型パワートランジスタが通電状態になり、コイル3の駆動電流I2の正極側電流を供給する電流路を形成する。
【0106】
コイル2、3に十分な駆動電流を供給するために、第1のパワー増幅器611の第1のNMOS型パワートランジスタおよび第2のパワー増幅器616の第2のNMOS型パワートランジスタはフルオン状態になる。コイルのインダクタンス作用によって、コイル2、3の駆動電流値は徐々に増加する。従って、直流電源50の供給する通電電流Igが増加し、電流検出器21の電流検出信号Agは大きくなる。電流検出信号Agが指令信号Adより大きくなった瞬間に、比較回路331の比較出力信号Crが立ち上がりエッジを発生し、状態保持回路333のスイッチング制御信号W1は“Hb”に変化する。スイッチング制御信号W1が“Hb”になると制御パルス信号Y1〜Y6がオンになり、第1のパワー増幅器611、612、613の第1のNMOS型パワートランジスタおよび第2のパワー増幅器615、616、617の第2のNMOS型パワートランジスタはすべて同時にオフ状態に変わる。このとき、コイル2のインダクタンス作用によって、コイル2の電力供給端子側の駆動電圧を急激に大きくし、第2のパワー増幅器615の第2のパワーダイオードを通る電流路を形成する。その結果、コイル2への駆動電流I1の負極側電流は連続的に流れ続ける。
【0107】
また、コイル3のインダクタンス作用によって、コイル3の電力供給端子側の駆動電圧を急激に小さくし、第1のパワー増幅器612の第1のパワーダイオードを通る電流路を形成する。その結果、コイル3への駆動電流I2の正極側電流は連続的に流れ続ける。これにより、コイル2、3の駆動電流値は徐々に小さくなる。少しの時間を経過した後に、トリガパルス信号Dpの次の立ち上がりエッジが到来し、上述のスイッチング動作を繰り返す。このようにして、直流電源50の通電電流Igのピーク値を指令信号Adに応動した値に制御し、コイル2、3、4への駆動電流を制御する。また、第1の補助電流信号F4が第1のパワー増幅器611の通電制御端子側に供給されている場合には、第1のパワー増幅器611の第1のNMOS型パワートランジスタのオン抵抗を小さくする効果がある。また、第2の補助電流信号H5が第2のパワー増幅器616の通電制御端子側に供給されている場合には、第2のパワー増幅器616の第2のNMOS型パワートランジスタのオン抵抗を小さくする効果がある。
【0108】
さらに、移動体1の移動に伴って第1の増幅電流信号を1相分もしくは2相分に交互に滑らかに分配しているので、第1のパワー増幅器611、612、613による電流路の切換は滑らかになる。第1のパワー増幅器611、612、613の第1のNMOS型パワートランジスタの高周波スイッチング動作は、前述の説明と同様である。また、移動体1の移動に伴って第2の増幅電流信号を1相分もしくは2相分に交互に滑らかに分配しているので、第2のパワー増幅器615、616、617による電流路の切換は滑らかになる。
【0109】
第2のパワー増幅器615、616、617の第2のNMOS型パワートランジスタの高周波スイッチング動作は、前述の説明と同様である。これにより、駆動電流が滑らかに変化し、電流脈動やモータ振動が著しく小さくなる。なお、第1の増幅電流信号F1、F2、F3や第2の増幅電流信号H1、H2、H3を指令信号Adに応動した必要最小限の値に小さくしているので、指令信号Adが変化した場合でも常に滑らかな電流路の切り換え動作を行わせることができる。また、第1の増幅電流信号や第2の増幅電流信号による電力損失を低減できる。
その他の構成及び動作は、前述の実施例1もしくは実施例2もしくは実施例3と同様であり、詳細な説明を省略する。
【0110】
本実施例では、第1のパワー増幅器の第1のNMOS型パワートランジスタおよび第2のパワー増幅器の第2のNMOS型パワートランジスタを高周波スイッチング動作しているので、これらのパワートランジスタにおける電力損失は大幅に低減される。このとき、第1のパワー増幅器と第2のパワー増幅器は単一のスイッチング制御信号W1に応動して同時にオン・オフするので、高周波スイッチング動作させる構成やコイルへの駆動電流を制御する構成を極めて簡単にできる。さらに、本実施例でも、前述の実施例1もしくは実施例2もしくは実施例3と同様な各種の利点を得ることができる。
【0111】
《実施例5》
図23から図27に本発明の実施例5のモータを示す。図23に全体構成を示す。本実施例5では、前述の実施例4において、第2のパワー増幅器815、816、817を第2のPMOS型パワートランジスタを使用して構成したものである。また、スイッチング制御器800、補助供給器810、第2の電流増幅器845、846、847を変更している。その他の構成において、前述の実施例1、実施例2、実施例3もしくは実施例4と同様なものには同一の番号を付し、詳細な説明を省略する。
【0112】
図23において、第1のパワー増幅器611は、通電制御端子側の第1端子に第1の電流増幅器41の第1の増幅電流信号F1が入力され、通電制御端子側の第2端子に補助供給器810の第1の補助電流信号F4が入力され、通電制御端子側の第3端子にスイッチング制御器800の制御パルス信号Y1が入力されている。同様に、第1のパワー増幅器612は、通電制御端子側の第1端子に第1の電流増幅器42の第1の増幅電流信号F2が入力され、通電制御端子側の第2端子に補助供給器810の第1の補助電流信号F5が入力され、通電制御端子側の第3端子にスイッチング制御器800の制御パルス信号Y2が入力されている。同様に、第1のパワー増幅器613は、通電制御端子側の第1端子に第1の電流増幅器43の第1の増幅電流信号F3が入力され、通電制御端子側の第2端子に補助供給器810の第1の補助電流信号F6が入力され、通電制御端子側の第3端子にスイッチング制御器800の制御パルス信号Y3が入力されている。
【0113】
図19に示した前述のパワー増幅器620を第1のパワー増幅器611、612、613として使用する。図19のパワー増幅器620を第1のパワー増幅器611として使用する場合は、すでに説明した通りである。また、第1のパワー増幅器612、613の場合も同様な構成である。
図23において、第2のパワー増幅器815は、通電制御端子側の第1端子に第2の電流増幅器845の第2の増幅電流信号H1が入力され、通電制御端子側の第2端子に補助供給器810の第2の補助電流信号H4が入力され、通電制御端子側の第3端子にスイッチング制御器800の制御パルス信号Y4が入力されている。同様に、第2のパワー増幅器816は、通電制御端子側の第1端子に第2の電流増幅器846の第2の増幅電流信号H2が入力され、通電制御端子側の第2端子に補助供給器810の第2の補助電流信号H5が入力され、通電制御端子側の第3端子にスイッチング制御器800の制御パルス信号Y5が入力されている。同様に、第2のパワー増幅器817は、通電制御端子側の第1端子に第2の電流増幅器847の第2の増幅電流信号H3が入力され、通電制御端子側の第2端子に補助供給器810の第2の補助電流信号H6が入力され、通電制御端子側の第3端子にスイッチング制御器800の制御パルス信号Y6が入力されている。
【0114】
図27に第2のパワー増幅器815、816、817の具体的な構成に相当するパワー増幅器900を示す。ここでは、パワー増幅器900を第2のパワー増幅器815として使用する場合を示している。パワー増幅器900は、PMOS型パワートランジスタ905と、PMOS型パワートランジスタ905に並列に逆接続されたパワーダイオード905dを含んで構成されている。パワーダイオード905dの電流流入端子側はPMOS型パワートランジスタ905の電流流出端子側に接続され、電流流出端子側はPMOS型パワートランジスタ905の電流流入端子側に接続されている。パワー増幅器900は、PMOS型パワートランジスタ905とPMOS型トランジスタ906により電界効果型パワー部カレントミラー回路を形成している(セル面積比は100倍)。パワー増幅器900の通電制御端子側の第1端子とPMOS型トランジスタ906の電流路端子対の一方の端子側の間に抵抗907が接続され、通電制御端子側の第1端子と第2端子の間に抵抗908が接続され、通電制御端子側の第3端子はPMOS型パワートランジスタ905の制御端子側に接続されている。これにより、パワー増幅器900の電界効果型パワー部カレントミラー回路は、通電制御端子側の第1端子への第2の増幅電流信号H1が小さい内は所定の電流増幅率を有し、第2の増幅電流信号H1が大きくなると、その電流増幅率が急激に大きくなる。
【0115】
また、通電制御端子側の第2端子への第2の補助電流信号H4によってPMOS型パワートランジスタ905のオン抵抗を低減する。さらに、パワー増幅器900のPMOS型パワートランジスタ905および電界効果型パワー部カレントミラー回路は、通電制御端子側の第3端子への制御パルス信号Y4がオン・オフの高周波スイッチングする場合に、オン・オフの高周波スイッチング動作を行う。なお、PMOS型パワートランジスタ905は、たとえば二重拡散PチャンネルMOS構造の電界効果型トランジスタによって構成され、PMOS型パワートランジスタ905の寄生ダイオード素子をパワーダイオード905dとして使用している。なお、パワー増幅器900の抵抗907または/および抵抗908は、零にしても動作上問題はない。
図23の第2の電流増幅器845、846、847は、第1の分配電流信号G1、G2、G3を電流増幅した第2の増幅電流信号H1、H2、H3を作りだす。第2の増幅電流信号H1、H2、H3は、それぞれ第2のパワー増幅器815、816、817の通電制御端子側の第1端子に供給されている。
【0116】
図26に第2の電流増幅器845、846、847の具体的な構成を示す。第2の電流増幅器845は、トランジスタ951、952による初段のカレントミラー回路と、トランジスタ953、954と抵抗955、956による次段のカレントミラー回路を縦続接続した第2の増幅部カレントミラー回路によって構成されている。第2の電流増幅器845は、電流増幅率で50倍の所定の増幅を行う。同様に、第2の電流増幅器846は、トランジスタ961、962、963、964と抵抗965、966による第2の増幅部カレントミラー回路によって構成され、電流増幅率で50倍の所定の増幅を行う。同様に、第2の電流増幅器847は、トランジスタ971、972、973、974と抵抗975、976による第2の増幅部カレントミラー回路によって構成され、電流増幅率で50倍の所定の増幅を行う。これにより、第2の電流増幅器845、846、847は、3相の第2の分配電流信号G1、G2、G3をそれぞれ50倍の増幅し、3相の増幅電流信号H1、H2、H3を出力する。
【0117】
図23のスイッチング制御器800は、第1のパワー増幅器611、612、613または/および第2のパワー増幅器815、816、817をオン・オフの高周波スイッチング動作させる。図24にスイッチング制御器800の具体的な構成の一例を示す。スイッチング制御器800のスイッチングパルス回路330は、前述の図7に示した構成と同様であり、スイッチング制御信号W1を出力する。
設定スイッチ回路840がGa側に接続されている場合には、設定スイッチ信号Sfは“Lb”であるから、アンド回路830の出力は“Lb”になり、制御トランジスタ835、836、837はオフになる。従って、制御パルス信号Y4、Y5、Y6はオフ状態になる。また、スイッチング制御信号W1に応動して制御トランジスタ831、832、833がオン・オフ動作し、制御パルス信号Y1、Y2、Y3はオン・オフ出力される。その結果、制御パルス信号Y1、Y2、Y3に応動して第1のパワー増幅器611、612、613の第1のNMOS型パワートランジスタがオン・オフの高周波スイッチング動作する。なお、制御パルス信号Y4、Y5、Y6はオフであるから、第2のパワー増幅器815、816、817は第2の電流増幅器845、846、847の第2の増幅電流信号H1、H2、H3に応動して通電を分配制御される(高周波スイッチング動作はしない)。
【0118】
また、設定スイッチ回路840がGb側に接続されている場合には、設定スイッチ信号Sfは“Hb”であるから、スイッチング制御信号W1に応動して制御トランジスタ835、836、837もオン・オフ動作する。従って、スイッチング制御信号W1に応動して制御トランジスタ831、832、833、835、836、837がオン・オフ動作し、制御パルス信号Y1、Y2、Y3、Y4、Y5、Y6がオン・オフ出力される。その結果、制御パルス信号Y1、Y2、Y3に応動して第1のパワー増幅器611、612、613の第1のNMOS型パワートランジスタがオン・オフの高周波スイッチング動作し、制御パルス信号Y4、Y5、Y6に応動して第2のパワー増幅器815、816、817の第2のPMOS型パワートランジスタがオン・オフの高周波スイッチング動作する。なお、設定スイッチ回路840の接続はどちらかに固定されるものであるが、必要に応じて適時切り換えても良い。
【0119】
図23の補助供給器810は、切換作成器34の出力信号に応動して3相の第1の補助電流信号F4、F5、F6を第1のパワー増幅器611、612、613の通電制御端子側に供給し、切換作成器34の出力信号に応動して3相の第2の補助電流信号H4、H5、H6を第2のパワー増幅器815、816、817の通電制御端子側に供給する。図25に補助供給器810の具体的な構成を示す。補助供給器810の補助切換作成部510は前述の図14もしくは図15に示した構成と同様であり、詳細な説明は省略する。補助電流切換部850は、3個の第1の電流源871、872、873と3個の第2の電流源875、876、877と3個の第1のスイッチ回路881、882、883と3個の第2のスイッチ回路885、886、887を有している。第1の電流源871、872、873は直流電源50の正極端子側より流出する方向に接続され、第2の電流源875、876、877は直流電源50の負極端子側に流入する方向に接続されている。
【0120】
第1のスイッチ回路881、882、883は、補助切換作成部510の補助切換信号J4、J5、J6が“Hb”になるとスイッチをオンにし、第1の電流源871、872、873の電流を3相の第1の補助電流信号F4、F5、F6として出力する。第2のスイッチ回路885、886、887は、補助切換作成部510の補助切換信号J7、J8、J9が“Hb”になるとスイッチをオンにし、第2の電流源875、876、877の電流を3相の第2の補助電流信号H4、H5、H6として出力する。
第1の補助電流信号F4、F5、F6と第1の増幅電流信号F1、F2、F3の波形関係は、前述の図17(a)〜(c)、(g)に示したものと同様である。また、第2の補助電流信号H4、H5、H6と第2の増幅電流信号H1、H2、H3の波形関係は、前述の図17(d)〜(f)、(h)に示したものと同様である。
【0121】
その他の構成及び動作は、前述の実施例1や実施例2や実施例3や実施例4と同様であり、詳細な説明を省略する。
本実施例では、第1のパワー増幅器の第1のNMOS型パワートランジスタをオン・オフの高周波スイッチング動作させているので、第1のパワー増幅器の電力損失は小さい。また、第2のパワー増幅器の第2のPMOS型パワートランジスタをフルオン動作もしくはオン・オフの高周波のスイッチング動作させているので、第2のパワー増幅器の電力損失は小さい。従って、電力効率の良いモータになる。また、第1の増幅電流信号や第2の増幅電流信号を指令信号Adに応動して変化させ、第1のパワー増幅器や第2のパワー増幅器の入力電流による電力損失も小さくしている。なお、3個の第1のパワー増幅器のみを高周波スイッチング動作させる場合、3個の第2のパワー増幅器のみを高周波スイッチング動作させる場合、3個の第1のパワー増幅器と3個の第2のパワー増幅器の両方を高周波スイッチング動作させる場合、3個の第1のパワー増幅器の高周波スイッチング動作と3個の第2のパワー増幅器の高周波スイッチング動作を適時切り換えて動作させる場合、など、各種のスイッチング動作の行わせ方がある。これらは設計事項であり、詳細な説明を省略する。
【0122】
また、本実施例では、第1のパワー増幅器に第1のNMOS型パワートランジスタを使用し、第2のパワー増幅器に第2のPMOS型パワートランジスタを使用し、第1のNMOS型パワートランジスタや第2のPMOS型パワートランジスタを通電制御するための構成を大幅に簡素にした。すなわち、高電圧出力器をなくし、パワートランジスタを駆動制御するために直流電源50以外の電圧源を不要にした。これにより、全体の構成は著しく簡素になった。
また、本実施例では、非線形な電圧増幅利得を有するNMOS型パワートランジスタとPMOS型パワートランジスタを使用しながらも、電界効果型パワー部カレントミラー回路を構成し、第1のパワー増幅器と第2のパワー増幅器の電流増幅率のばらつきを大幅に低減した。これにより、電流路の切換動作を滑らかにした。
また、本実施例では、第1の増幅電流信号(第1の3相の電流信号)や第2の増幅電流信号(第2の3相の電流信号)を指令信号Adに応動して変化させ、指令信号Adが変化した場合であっても常に滑らかな電流路の切換動作を実現した。
【0123】
さらに、本実施例でも、前述の実施例と同様な各種の利点を得ることができる。また、本実施例において、第1のパワー増幅器611、612、613は図19に示された構成のパワー増幅器620に限らず、種々の変形が可能である。たとえば、図20に示したパワー増幅器640を第1のパワー増幅器611、612、613として使用可能である。
また、本実施例において、第2のパワー増幅器815、816、817は図27に示された構成のパワー増幅器900に限らず、種々の変形が可能である。図28に第2のパワー増幅器815、816、817に使用可能な別の構成のパワー増幅器920を示す。ここでは、パワー増幅器920を第2のパワー増幅器815として使用する場合を示している。パワー増幅器920は、PMOS型パワートランジスタ925と、PMOS型パワートランジスタ925に並列に逆接続されたパワーダイオード925dを含んで構成されている。パワーダイオード925dの電流流入端子側はPMOS型パワートランジスタ925の電流流出端子側に接続され、電流流出端子側はPMOS型パワートランジスタ925の電流流入端子側に接続されている。
【0124】
パワー増幅器920は、PMOS型パワートランジスタ925とPMOS型トランジスタ926により電界効果型パワー部カレントミラー回路を形成している(セル面積比は100倍)。パワー増幅器920の通電制御端子側の第1端子はPMOS型トランジスタ926の電流路端子対の一方の端子側に接続され、PMOS型トランジスタ926の電流路端子対の他方の端子側とPMOS型パワートランジスタ925の電流路端子対の一方の端子側の間に抵抗927が接続され、通電制御端子側の第1端子と第2端子の間に抵抗928が接続され、通電制御端子側の第3端子はPMOS型パワートランジスタ925の制御端子に接続されている。これにより、パワー増幅器920の電界効果型パワー部カレントミラー回路は、通電制御端子側の第1端子への第2の増幅電流信号H1が小さいときから、かなり大きな電流増幅動作を行うようになる。
【0125】
また、通電制御端子側の第2端子への第2の補助電流信号H4によってPMOS型パワートランジスタ925のオン抵抗による電力損失を低減している。さらに、パワー増幅器920のPMOS型パワートランジスタ925および電界効果型パワー部カレントミラー回路は、通電制御端子側の第3端子への制御パルス信号Y4がオン・オフ動作している場合に、オン・オフの高周波スイッチング動作を行う。なお、PMOS型パワートランジスタ925は、たとえば二重拡散PチャンネルMOS構造の電界効果型トランジスタによって構成され、PMOS型パワートランジスタ925の寄生ダイオード素子をパワーダイオード925dとして使用している。なお、パワー増幅器920の抵抗927または/および抵抗928は、零にしても動作上問題はない。
【0126】
《実施例6》
図29と図30に本発明の実施例6のモータを示す。図29に全体構成を示す。本実施例は、前述の実施例3において、さらに、オフ動作器1000を設けたものである。その他の構成において、前述の実施例1、実施例2、実施例3、実施例4もしくは実施例5と同様なものには同一の番号を付し、詳細な説明を省略する。
【0127】
図29において、第1のパワー増幅器611は、通電制御端子側の第1端子に第1の電流増幅器41の第1の増幅電流信号F1が入力され、通電制御端子側の第2端子に補助供給器500の第1の補助電流信号F4が入力され、通電制御端子側の第3端子にスイッチング制御器22の制御パルス信号Y1が入力されている。同様に、第1のパワー増幅器612は、通電制御端子側の第1端子に第1の電流増幅器42の第1の増幅電流信号F2が入力され、通電制御端子側の第2端子に補助供給器500の第1の補助電流信号F5が入力され、通電制御端子側の第3端子にスイッチング制御器22の制御パルス信号Y2が入力されている。同様に、第1のパワー増幅器613は、通電制御端子側の第1端子に第1の電流増幅器43の第1の増幅電流信号F3が入力され、通電制御端子側の第2端子に補助供給器500の第1の補助電流信号F6が入力され、通電制御端子側の第3端子にスイッチング制御器22の制御パルス信号Y3が入力されている。
【0128】
また、第2のパワー増幅器615は、通電制御端子側の第1端子に第2の電流増幅器45の第2の増幅電流信号H1が入力され、通電制御端子側の第2端子に補助供給器500の第2の補助電流信号H4が入力され、通電制御端子側の第3端子にオフ動作器1000のオフ電流信号Z4が入力されている。同様に、第2のパワー増幅器616は、通電制御端子側の第1端子に第2の電流増幅器46の第2の増幅電流信号H2が入力され、通電制御端子側の第2端子に補助供給器500の第2の補助電流信号H5が入力され、通電制御端子側の第3端子にオフ動作器1000のオフ電流信号Z5が入力されている。同様に、第2のパワー増幅器617は、通電制御端子側の第1端子に第2の電流増幅器47の第2の増幅電流信号H3が入力され、通電制御端子側の第2端子に補助供給器500の第2の補助電流信号H6が入力され、通電制御端子側の第3端子にオフ動作器1000のオフ電流信号Z6が入力されている。
【0129】
オフ動作器1000のオフ電流信号Z4は、少なくとも第1のパワー増幅器611が通電状態の高周波スイッチング動作を行っている場合に、同じ相の第2のパワー増幅器615の通電制御端子側から電流を流出させ、第2のパワー増幅器615をオフ動作させる。また、第2のパワー増幅器615が通電状態になるときには、オフ電流信号Z4は無信号状態(零電流)になり、第2のパワー増幅器615は通電制御端子側への入力電流に応動して通電制御される。同様に、オフ動作器1000のオフ電流信号Z5は、少なくとも第1のパワー増幅器612が通電状態の高周波スイッチング動作を行っている場合に、同じ相の第2のパワー増幅器616の通電制御端子側から電流を流出させ、第2のパワー増幅器616をオフ動作させる。
【0130】
また、第2のパワー増幅器616が通電状態になるときには、オフ電流信号Z5は無信号状態(零電流)になり、第2のパワー増幅器616は通電制御端子側への入力電流に応動して通電制御される。同様に、オフ動作器1000のオフ電流信号Z6は、少なくとも第1のパワー増幅器613が通電状態の高周波スイッチング動作を行っている場合に、同じ相の第2のパワー増幅器617の通電制御端子側から電流を流出させ、第2のパワー増幅器617をオフ動作させる。また、第2のパワー増幅器617が通電状態になるときには、オフ電流信号Z6は無信号状態(零電流)になり、第2のパワー増幅器617は通電制御端子側への入力電流に応動して通電制御される。
【0131】
図30にオフ動作器1000の具体的な構成を示す。オフ動作器1000のコンパレータ1010は、切換作成器34の出力信号Ja1と所定電圧を比較し、その比較結果に応動して電界効果型トランジスタ1012をオン・オフさせる。その結果、オフ電流信号Z4を出力し、第2のパワー増幅器615を確実にオフ動作させる。同様に、コンパレータ1020は、切換作成器34の出力信号Jb1と所定電圧を比較し、その比較結果に応動して電界効果型トランジスタ1022をオン・オフさせる。その結果、オフ電流信号Z5を出力し、第2のパワー増幅器616を確実にオフ動作させる。同様に、コンパレータ1030は、切換作成器34の出力信号Jc1と所定電圧を比較し、その比較結果に応動して電界効果型トランジスタ1032をオン・オフさせる。その結果、オフ電流信号Z6を出力し、第2のパワー増幅器617を確実にオフ動作させる。
【0132】
その他の構成及び動作は、前述の実施例3、実施例2もしくは実施例1と同様であり、詳細な説明を省略する。
本実施例では、通電状態にある第1のパワー増幅器が高周波スイッチング動作を行っている場合に、オフ動作器のオフ信号によって同じ相の第2のパワー増幅器をオフにしているので、駆動電圧が大振幅の高周波パルス電圧になっても、第2のパワー増幅器の不要な電流通電を防止することができる。特に、第2のパワー増幅器を電界効果型パワー部カレントミラー回路で構成している場合に、電界効果型パワートランジスタの特性ばらつきによってこのような不要電流が発生しやすく、オフ動作器によって完全にオフする必要がある。
【0133】
なお、前述の構成では、第1のパワー増幅器のみを高周波スイッチング動作させるようにしたが、そのような場合に限定されず、第1のパワー増幅器と第2のパワー増幅器を高周波スイッチング動作させるようにしても良い。また、第1の増幅電流信号が零になって第1のパワー増幅器がオフ状態になる期間に、オフ動作器の新たなオフ信号によって第1のパワー増幅器を強制的にオフ動作させるようにしても良い。
また、本実施例でも、前述の実施例と同様な各種の利点を得ることができる。
【0134】
なお、前述の各実施例の具体的な構成については、各種の変形が可能である。たとえば、各相のコイルは複数個の部分コイルを直列もしくは並列に接続して構成しても良い。3相のコイルはスター結線に限らず、デルタ結線であってもよい。また、一般に、多相のモータが構成できる。また、移動体の界磁部は図示のものに限定されるものではない。一般に、界磁部は多極構成が可能である。また、移動体の移動動作に伴って変化する磁束をコイルに供給する構成の界磁部は容易に使用可能であり、公知の各種の構成が可能である。さらに、移動体もしくは界磁部の構成に限定されるものではない。本発明にもとづいて、ブラシレスモータや永久磁石界磁型ステッピングモータやレラクタンス型ステッピングモータやハイブリッド型ステッピングモータやその他の各種のモータが構成可能であり、本発明に含まれることは言うまでもない。さらに、移動体は回転移動に限らず、直進移動しても良い。また、スイッチング制御器や電流検出器や分配作成器や第1の電流増幅器や第2の電流増幅器などは前述の構成に限定されるものではない。また、スイッチング制御器の機能やその他の所要の機能のすべてもしくは一部を、マイクロプロセッサによってディジタル的に実行しても良い。
【0135】
また、分配作成器36は前述の構成に限定されるものではない。図31に他の構成の分配作成器1136を示す。これについて説明する。分配作成器1136は、第1の分配器1137と第2の分配器1138を含んで構成されている。第1の分配器1137は、切換作成器34の3相の切換電流信号D1、D2、D3に応動して電流供給器30の第1の供給電流信号C1を分配し、滑らかに変化する3相の第1の分配電流信号E1、E2、E3を作り出す。第2の分配器1138は、切換作成器34の3相の切換電流信号D1、D2、D3に応動して電流供給器30の第2の供給電流信号C2を分配し、滑らかに変化する3相の第2の分配電流信号G1、G2、G3を作り出す。
【0136】
第1の分配器1137は、3個の第1の入力トランジスタ1201、1202、1203と3個の第1の分配トランジスタ1205、1206、1207によって構成されている。それぞれの第1の入力トランジスタ1201、1202、1203の通電制御端子と電流路端子対の信号入力端子は、切換作成器34の3相の切換電流信号D1、D2、D3がそれぞれ供給される電流流入流出端子側に接続されている。第1の入力トランジスタ1201、1202、1203の電流路端子対の信号出力端子は共通接続されている。第1の分配トランジスタ1205、1206、1207の電流信号入力端子側は共通接続され、共通接続端子側に電流供給器30の第1の供給電流信号C1が入力される。第1の分配トランジスタ1205、1206、1207は、それぞれの通電制御端子側を3相の切換電流信号D1、D2、D3がそれぞれ供給される電流流入流出端子側に接続されている。
【0137】
これにより、3個の第1の分配トランジスタ1205、1206、1207は、その電流信号出力端子側から3相の第1の分配電流信号E1、E2、E3を出力する。また、第1の入力トランジスタ1201、1202、1203と第1の分配トランジスタ1205、1206、1207は同じ型のトランジスタを使用している。ここでは、第1の入力トランジスタ1201、1202、1203と第1の分配トランジスタ1205、1206、1207にPNP型バイポーラトランジスタを使用している。第1の入力トランジスタの通電制御端子はベース端子、電流路端子対の信号入力端子はコレクタ端子、電流路端子対の信号出力端子はエミッタ端子にしている。第1の分配トランジスタの通電制御端子はベース端子、電流信号入力端子はエミッタ端子、電流信号出力端子はコレクタ端子にしている。
【0138】
第2の分配器1138は、3個の第2の入力トランジスタ1211、1212、1213と3個の第2の分配トランジスタ1215、1216、1217によって構成されている。それぞれの第2の入力トランジスタ1211、1212、1213の通電制御端子と電流路端子対の信号入力端子は、切換作成器34の3相の切換電流信号D1、D2、D3がそれぞれ供給される電流流入流出端子側に接続されている。第2の入力トランジスタ1211、1212、1213の電流路端子対の信号出力端子は共通接続されている。第2の分配トランジスタ1215、1216、1217の電流信号入力端子側は共通接続され、共通接続端子側に電流供給器30の第2の供給電流信号C2が入力される。第2の分配トランジスタ1215、1216、1217は、それぞれの通電制御端子側を3相の切換電流信号D1、D2、D3がそれぞれ供給される電流流入流出端子側に接続されている。
【0139】
これにより、3個の第2の分配トランジスタ1215、1216、1217は、その電流信号出力端子側から3相の第2の分配電流信号G1、G2、G3を出力する。また、第2の入力トランジスタ1211、1212、1213と第2の分配トランジスタ1215、1216、1217は同じ型のトランジスタを使用している。さらに、第1の入力トランジスタ1201、1202、1203のトランジスタの型を第2の入力トランジスタ1211、1212、1213のトランジスタの型とは極性が異なるようにしている。ここでは、第2の入力トランジスタ1211、1212、1213と第2の分配トランジスタ1215、1216、1217にNPN型バイポーラトランジスタを使用している。第2の入力トランジスタの通電制御端子はベース端子、電流路端子対の信号入力端子はコレクタ端子、電流路端子対の信号出力端子はエミッタ端子にしている。第2の分配トランジスタの通電制御端子はベース端子、電流信号入力端子はエミッタ端子、電流信号出力端子はコレクタ端子にしている。さらに、基準電圧源1220、トランジスタ1221、1222は所定電圧供給部を構成し、第1の入力トランジスタ1201、1202、1203の共通接続端に第1の直流電圧を供給し、第2の入力トランジスタ1211、1212、1213の共通接続端に第2の直流電圧を供給している。
【0140】
これにより、切換電流信号D1が負極側電流の時には、第1の入力トランジスタ1201に電流を通電し、第2の入力トランジスタ1211には電流が流れない。また、切換電流信号D1が正極側電流の時には、第2の入力トランジスタ1211に電流を通電し、第1の入力トランジスタ1201には電流が流れない。すなわち、切換電流信号D1の極性に応じて第1の入力トランジスタ1201と第2の入力トランジスタ1211に相補的に滑らかな電流を供給し、第1の入力トランジスタ1201と第2の入力トランジスタ1211に同時に電流が流れることはない。同様に、切換電流信号D2が負極側電流の時に第1の入力トランジスタ1202に電流を通電し、正極側電流の時に第2の入力トランジスタ1212に電流を通電する。同様に、切換電流信号D3が負極側電流の時に第1の入力トランジスタ1203に電流を通電し、正極側電流の時に第2の入力トランジスタ1213に電流を通電する。
【0141】
第1の分配器1137の第1の分配トランジスタ1205、1206、1207は、第1の入力トランジスタ1201、1202、1203に流れる3相電流に応動して、第1の供給電流信号C1をそれぞれの電流信号出力端子側に分配し、3相の第1の分配電流信号E1、E2、E3を作り出す。従って、3相の第1の分配電流信号E1、E2、E3は3相の切換電流信号D1、D2、D3の負極側電流に応動して滑らかに変化し、分配電流信号E1、E2、E3の合成値は第1の供給電流信号C1に等しくなる。同様に、第2の分配器1138の第2の分配トランジスタ1215、1216、1217は、第2の入力トランジスタ1211、1212、1213に流れる3相電流に応動して、第2の供給電流信号C2をそれぞれの電流信号出力端子側に分配し、3相の第2の分配電流信号G1、G2、G3を作り出す。従って、3相の第2の分配電流信号G1、G2、G3は3相の切換電流信号D1、D2、D3の正極側電流に応動して滑らかに変化し、分配電流信号G1、G2、G3の合成値は第2の供給電流信号C2に等しくなる。3相の第1の分配電流信号E1、E2、E3や3相の第2の分配電流信号G1、G2、G3の波形は、図9に示したものと同様になる。これらの電流信号は、立ち上がり傾斜部分および立ち下がり傾斜部分において滑らかに変化する。
【0142】
また、集積回路化において、周知の半導体プロセスによる各種の1チップ集積回路技術が使用可能である。たとえば、二重拡散MOS型電界効果トランジスタやCMOS型電界効果トランジスタやバイポーラトランジスタを単独種類もしくは複数種類使用できる各種の1チップ集積回路技術がある。集積回路のサブストレートを直流電源の負極端子側の電位(アース電位)に接続して使用し、接合分離技術により高密度の集積回路化が可能である。しかし、誘電分離技術を使用してトランジスタや抵抗を1チップに形成する集積回路技術を使用しても良い。なお、1チップ内の具体的なトランジスタ配置は、個々の集積回路設計によって異なるので、詳細な説明を省略する。
また、パワー増幅器のパワーダイオードはパワートランジスタと一緒に集積回路内に形成することが可能であるが、必要に応じて、集積回路に外付けにしても良い。たとえば、パワートランジスタに並列にショットキー型のパワーダイオードを逆接続してもよい。また、第1の電流増幅器の第1の増幅部カレントミラー回路や第2の電流増幅器の第2の増幅部カレントミラー回路は、電流が大きくなると電流増幅率が大きくなるような非線形な電流増幅特性を有していても良い。
【0143】
また、スイッチング制御器は電流検出信号と指令信号の比較結果に応動してパワー増幅器のスイッチング動作を制御し、高精度な電流制御を実現した。しかし、本発明はこのような構成に限定されず、各種の変形が可能である。たとえば、スイッチング制御器が単一のスイッチング制御信号に応動して、第1のパワー増幅器と第2のパワー増幅器のうちの少なくとも1個のパワー増幅器をスイッチング動作させても良い。また、第1のパワー増幅器や第2のパワー増幅器の一方もしくは両方を複数相のスイッチング制御信号でスイッチング動作させるようにしても良い。また、電流検出器の挿入場所は、直流電源の正極端子側であっても良い。さらに、電流検出器は、直流電源の供給電流を直接に検出する方法に限定されるものではなく、公知の各種の方法が適用可能である。たとえば、電界効果型パワートランジスタの通電電流に応動する信号を得るようにしても良い。
【0144】
また、補助供給器は補助電流信号を出力する構成に限定されるものではなく、パワー増幅器の通電制御端子側に補助電圧信号を供給するようにしても良い。補助供給器の補助信号によって、パワー増幅器の電界効果型パワートランジスタのオン抵抗を小さくし、電流路の滑らかな切換動作を阻害すること無しに、オン抵抗による電力損失を小さくできる。
また、コイルに両方向の電流を供給する場合に限らず、片方向の電流を供給するように構成することも可能であり、両方向の電流供給と片方向の電流供給を適時切り換えるようにしても良い。
【0145】
また、第1のパワー増幅器や第2のパワー増幅器は前述の実施例に示した構成に限定されず、実質的に本発明の主旨に添った動作を行うならば、各種の変形が可能である。前述の形態では、好ましい例として、電界効果型パワートランジスタを用いたパワー部カレントミラー回路を有するパワー増幅器を示したが、このような構成に限定されるものではない。たとえば、IGBTトランジスタ(Insulated Gate bipolar Transistor) もしくはCOMFETトランジスタ(Conductivity modulated Field Effect Transistor)は非線形な電圧増幅特性を有する複合パワートランジスタであり、その増幅特性のばらつきが大きいことからオン・オフのスイッチング素子として利用されている。しかし、IGBTトランジスタは入力側に電界効果型トランジスタを有する複合電界効果型パワートランジスタであることから、IGBTトランジスタを用いた電界効果型パワー部カレントミラー回路を構成することができ、IGBTトランジスタを用いて電流増幅特性を有するパワー増幅器を構成することが可能になる。
【0146】
このようなパワー増幅器の通電制御端子側に、少なくとも立ち上がり傾斜部分および/または立ち下がり傾斜部分において滑らかに変化する電流信号を供給することによりによって、滑らかに電流路を切り換えることが可能になる。これにより、複合電界効果型パワートランジスタは多くの欠点(オン電圧が大きい、増幅利得ばらつきが大きい)を有しているけれども、複合電界効果型パワートランジスタを含んだパワー増幅器を用いて、本発明に示した各種の効果を得ることも可能になる。従って、本発明の電界効果型パワートランジスタには、IGBTトランジスタもしくは電界効果型トランジスタを入力側に有する複合電界効果型トランジスタも含んでいる。図32にIGBTトランジスタのような入力側に電界効果型トランジスタを有する複合電界効果型パワートランジスタ1910を用いたパワー増幅器1900の構成例を示す。
【0147】
この例では、パワー増幅器1900を第1のパワー増幅器611に使用したものである。複合電界効果型トランジスタ1910と電界効果型トランジスタ1911との接続により、等価的に電界効果型パワー部カレントミラー回路を構成している。これにより、パワー増幅器1900の通電制御端子側への入力電流を電流増幅して、複合電界効果型トランジスタ1910の通電電流路に駆動電流を出力する。パワーダイオード1910dは、複合電界効果型トランジスタ1910の通電電流路に並列に等価回路的に逆接続された寄生ダイオードである。また、オン時の複合電界効果型トランジスタ1910は、所要電圧のバイアス値を含んだフルオン動作を行っている。なお、抵抗1912または/および1913は零であっても良い。
【0148】
図33にIGBTトランジスタのような入力側に電界効果型トランジスタを有する複合電界効果型パワートランジスタ1960を用いたパワー増幅器1950の別の構成例を示す。複合電界効果型トランジスタ1960と電界効果型トランジスタ1961との接続により、等価的に電界効果型パワー部カレントミラー回路を構成している。これにより、パワー増幅器1950の通電制御端子側への入力電流を電流増幅して、複合電界効果型トランジスタ1960の通電電流路に駆動電流を出力する。パワーダイオード1960dは、複合電界効果型トランジスタ1960の通電電流路に並列に等価回路的に逆接続された寄生ダイオードである。なお、抵抗1962または/および1963は零であっても良い。
【0149】
また、前述の実施例に示した直流電源50は、直流電圧や直流電流を供給できるものであれば、各種の構成が可能である。たとえば、電池電源やSWレギュレータ電源やACラインの交流電圧をダイオード整流した電源等が使用される。また、本発明の技術を用いて、ディスク回転駆動用の機器に限らず、各種のモータ応用機器が構成可能である。
その他、本発明の主旨を変えず種々の変形が可能であり、本発明に含まれることはいうまでもない。
【0150】
【発明の効果】
本発明のモータでは、電界効果型パワートランジスタを含む一方のパワー増幅器を180度にわたりオン・オフの高周波スイッチング動作させ、他方のパワー増幅器を180度にわたりオン動作させた。これにより、パワー増幅器の電力損失・発熱を低減しながらも、コイルへの電流路の切換動作は滑らかにできる。従って、電力効率が良く、振動の小さい高性能なモータを実現可能にした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における全体構成を示す図。
【図2】実施例1における切換作成器34の回路図。
【図3】実施例1における電流供給器30の回路図。
【図4】実施例1における分配作成器36の構成を示す図。
【図5】実施例1における第1の電流増幅器41、42、43の回路図。
【図6】実施例1における第2の電流増幅器45、46、47と高電圧出力器51の 回路図。
【図7】実施例1におけるスイッチング制御器22と電流検出器21の回路図。
【図8】実施例1における集積回路の一部の断面図。
【図9】実施例1の動作を説明するための信号波形を示す図。
【図10】本発明の実施例におけるパワー増幅器の別の構成を示す図。
【図11】本発明の実施例におけるパワー増幅器の別の構成を示す図。
【図12】本発明の実施例におけるスイッチングパルス回路の別の構成を示す図。
【図13】本発明の実施例2における全体構成を示す図。
【図14】実施例2における補助供給器500の回路図。
【図15】実施例2における補助切換作成部510の回路図。
【図16】実施例2における補助切換作成部510の信号波形を示す図。
【図17】実施例2における第1の補助電流信号と第2の補助電流信号と第1の増幅電流信号と第2の増幅電流信号と第1の合成電流信号と第2の合成電流信号の信号波形を示す図。
【図18】本発明の実施例3における全体構成を示す図。
【図19】実施例3におけるパワー増幅器の回路図。
【図20】本発明の実施例におけるパワー増幅器の別の構成を示す図。
【図21】本発明の実施例4における全体構成を示す図。
【図22】実施例4におけるスイッチング制御器700の回路図。
【図23】本発明の実施例5における全体構成を示す図。
【図24】実施例5におけるスイッチング制御器800の回路図。
【図25】実施例5における補助供給器810の回路図。
【図26】実施例5における第2の電流増幅器845、846、847の回路図。
【図27】実施例5における第2のパワー増幅器の回路図。
【図28】本発明の実施例における第2のパワー増幅器の別の構成を示す図である。
【図29】本発明の実施例6における全体構成を示す図。
【図30】実施例6におけるオフ動作器1000の回路図。
【図31】本発明の実施例における分配作成器の別の構成を示す図。
【図32】本発明の実施例におけるパワー増幅器の別の構成を示す図。
【図33】本発明の実施例におけるパワー増幅器の別の構成を示す図。
【図34】従来のモータの構成を示す図。
【符号の説明】
1 移動体
1b ディスク
2、3、4 コイル
11、12、13、611、612、613 第1のパワー増幅器
15、16、17、615、616、617、815、816、817
第2のパワー増幅器
20 指令器
21 電流検出器
22、700、800 スイッチング制御器
30 電流供給器
34 切換作成器
36、1036 分配作成器
37、1037 第1の分配器
38、1038 第2の分配器
41、42、43 第1の電流増幅器
45、46、47、845、846、847 第2の電流増幅器
50 直流電源
51 高電圧出力器
81、82、83 第1の合成器
85、86、87 第2の合成器
500、810 補助供給器
1000 オフ動作器

Claims (14)

  1. 移動体と、
    複数相のコイルと、
    直流電圧を供給する2つの出力端子を有する電圧供給手段と、
    前記電圧供給手段の一方の出力端子側と前記コイルの一つへの電流路を形成する第1の電界効果型パワートランジスタをそれぞれ含むQ個(ここに、Qは3以上の整数)の第1のパワー増幅手段と、
    前記電圧供給手段の他方の出力端子側と前記コイルの一つへの電流路を形成する第2の電界効果型パワートランジスタをそれぞれ含むQ個の第2のパワー増幅手段と、
    複数相の切換信号を作りだす切換作成手段と、
    前記切換作成手段の出力信号に応動して前記Q個の第1のパワー増幅手段の通電を制御する第1の制御手段と、
    前記切換作成手段の出力信号に応動して前記Q個の第2のパワー増幅手段の通電を制御する第2の制御手段と、
    前記Q個の第1のパワー増幅手段と前記Q個の第2のパワー増幅手段のうちで少なくとも1個のパワー増幅手段を高周波スイッチング動作させるスイッチング動作手段と、
    を具備するモータであって、
    前記第1の制御手段は、
    立ち上がり傾斜部分と立ち下がり傾斜部分のうちの少なくとも一方の傾斜部分において電流振幅が滑らかに変化する少なくとも1つの電流信号を前記Q個の第1のパワー増幅手段のうちで少なくとも1個のパワー増幅手段の通電制御端子側に供給する手段と、
    前記少なくとも1つの電流信号の通電区間内において、前記少なくとも1個のパワー増幅手段の電界効果型パワートランジスタのオン抵抗を小さくする少なくとも1つの補助信号を前記少なくとも1個のパワー増幅手段の通電制御端子側に供給する手段と、
    を含んで構成された、モータ。
  2. 前記第1の制御手段は、立ち上がり傾斜部分と立ち下がり傾斜部分のうちの少なくとも一方の傾斜部分において電流振幅が滑らかに変化する第1のQ相の電流信号を前記Q個の第1のパワー増幅手段の通電制御端子側に供給する手段と、前記第1のQ相の電流信号のそれぞれの通電区間内において前記Q個の第1のパワー増幅手段の電界効果型パワートランジスタのオン抵抗を小さくする第1のQ相の補助信号を前記Q個の第1のパワー増幅手段の通電制御端子側に供給する手段と、を含んで構成された、
    請求項1に記載のモータ。
  3. 前記第1の制御手段は、前記コイルへの供給電力を変化させる指令信号に応動して前記少なくとも1つの電流信号の前記少なくとも一方の傾斜部分における電流振幅を変化させる手段を含んで構成された、
    請求項1または請求項2のいずれかに記載のモータ。
  4. 前記スイッチング動作手段は、前記複数相のコイルへの合成供給電流に応動した電流検出信号を得る電流検出手段と、前記電流検出手段の出力信号と指令信号を比較し、該比較結果に応動して前記Q個の第1のパワー増幅手段と前記Q個の第2のパワー増幅手段のうちで前記少なくとも一方のQ個のパワー増幅手段をパルス的に同時にオフ状態にさせるスイッチング制御手段と、
    を含んで構成された請求項3に記載のモータ。
  5. 前記補助信号の通電幅を電気角で360/Q度に等しくもしくは略等しくした請求項1から請求項4のいずれかに記載のモータ。
  6. 移動体と、
    複数相のコイルと、
    直流電圧を供給する2つの出力端子を有する電圧供給手段と、
    前記電圧供給手段の一方の出力端子側と前記コイルの一つへの電流路を形成する第1の電界効果型パワートランジスタをそれぞれ含むQ個(ここに、Qは3以上の整数)の第1のパワー増幅手段と、
    前記電圧供給手段の他方の出力端子側と前記コイルの一つへの電流路を形成する第2の電界効果型パワートランジスタをそれぞれ含むQ個の第2のパワー増幅手段と、
    複数相の切換信号を作りだす切換作成手段と、
    前記切換作成手段の出力信号に応動して前記Q個の第1のパワー増幅手段の通電を制御する第1の制御手段と、
    前記切換作成手段の出力信号に応動して前記Q個の第2のパワー増幅手段の通電を制御する第2の制御手段と、
    前記Q個の第1のパワー増幅手段と前記Q個の第2のパワー増幅手段のうちで少なくとも1個のパワー増幅手段を高周波スイッチング動作させるスイッチング動作手段と、
    を具備するモータであって、
    前記第1の制御手段は、
    立ち上がり傾斜部分と立ち下がり傾斜部分のうちの少なくとも一方の傾斜部分において電流振幅が滑らかに変化する少なくとも1つの電流信号を前記Q個の第1のパワー増幅手段のうちで少なくとも1個のパワー増幅手段の通電制御端子側に供給する手段と、
    前記少なくとも1つの電流信号の通電区間内において、前記少なくとも1つの電流信号よりも短い角度幅に渡って通電される少なくとも1つの補助信号を前記少なくとも1個のパワー増幅手段の通電制御端子側に供給する手段と、
    を含んで構成された、モータ。
  7. 前記第1の制御手段は、立ち上がり傾斜部分と立ち下がり傾斜部分のうちの少なくとも一方の傾斜部分において電流振幅が滑らかに変化する第1のQ相の電流信号を前記Q個の第1のパワー増幅手段の通電制御端子側に供給する手段と、前記第1のQ相の電流信号のそれぞれの通電区間内において前記第1のQ相の電流信号よりも短い角度幅に渡って通電される第1のQ相の補助信号を前記Q個の第1のパワー増幅手段の通電制御端子側に供給する手段と、を含んで構成された、
    請求項6に記載のモータ。
  8. 移動体と、
    3相のコイルと、
    直流電圧を供給する2つの出力端子を有する電圧供給手段と、
    前記電圧供給手段の一方の出力端子側と前記コイルの一つへの電流路を形成する第1の電界効果型パワートランジスタをそれぞれ含む3個の第1のパワー増幅手段と、
    前記電圧供給手段の他方の出力端子側と前記コイルの一つへの電流路を形成する第2の電界効果型パワートランジスタをそれぞれ含む3個の第2のパワー増幅手段と、
    複数相の切換信号を作りだす切換作成手段と、
    前記切換作成手段の出力信号に応動して前記3個の第1のパワー増幅手段の通電を制御する第1の制御手段と、
    前記切換作成手段の出力信号に応動して前記3個の第2のパワー増幅手段の通電を制御する第2の制御手段と、
    前記3個の第1のパワー増幅手段と前記3個の第2のパワー増幅手段のうちで少なくとも1個のパワー増幅手段を高周波スイッチング動作させるスイッチング動作手段と、
    を具備するモータであって、
    前記第1の制御手段は、
    立ち上がり傾斜部分と立ち下がり傾斜部分のうちの少なくとも一方の傾斜部分において 電流振幅が滑らかに変化する少なくとも1つの電流信号を前記3個の第1のパワー増幅手段のうちで少なくとも1個のパワー増幅手段の通電制御端子側に供給する手段と、
    前記少なくとも1つの電流信号の通電区間内において、前記少なくとも1個のパワー増幅手段の電界効果型パワートランジスタのオン抵抗を小さくする少なくとも1つの補助信号を前記少なくとも1個のパワー増幅手段の通電制御端子側に供給する手段と、
    を含んで構成された、モータ。
  9. 前記第1の制御手段は、立ち上がり傾斜部分と立ち下がり傾斜部分のうちの少なくとも一方の傾斜部分において電流振幅が滑らかに変化する第1の3相の電流信号を前記3個の第1のパワー増幅手段の通電制御端子側に供給する手段と、前記第1のQ相の電流信号のそれぞれの通電区間内において前記Q個の第1のパワー増幅手段の電界効果型パワートランジスタのオン抵抗を小さくする第1の3相の補助信号を前記3個の第1のパワー増幅手段の通電制御端子側に供給する手段と、を含んで構成された、
    請求項8に記載のモータ。
  10. 前記第1の制御手段は、前記コイルへの供給電力を変化させる指令信号に応動して前記少なくとも1つの電流信号の前記少なくとも一方の傾斜部分における電流振幅を変化させる手段を含んで構成された、
    請求項8または請求項9のいずれかに記載のモータ。
  11. 前記スイッチング動作手段は、前記3相のコイルへの合成供給電流に応動した電流検出信号を得る電流検出手段と、前記電流検出手段の出力信号と指令信号を比較し、該比較結果に応動して前記3個の第1のパワー増幅手段と前記3個の第2のパワー増幅手段のうちで前記少なくとも一方の3個のパワー増幅手段をパルス的に同時にオフ状態にさせるスイッチング制御手段と、
    を含んで構成された請求項10に記載のモータ。
  12. 前記補助信号の通電幅を電気角で120度に等しくもしくは略等しくした請求項8から請求項11のいずれかに記載のモータ
  13. 移動体と、
    3相のコイルと、
    直流電圧を供給する2つの出力端子を有する電圧供給手段と、
    前記電圧供給手段の一方の出力端子側と前記コイルの一つへの電流路を形成する第1の電界効果型パワートランジスタをそれぞれ含む3個の第1のパワー増幅手段と、
    前記電圧供給手段の他方の出力端子側と前記コイルの一つへの電流路を形成する第2の電界効果型パワートランジスタをそれぞれ含む3個の第2のパワー増幅手段と、
    複数相の切換信号を作りだす切換作成手段と、
    前記切換作成手段の出力信号に応動して前記3個の第1のパワー増幅手段の通電を制御する第1の制御手段と、
    前記切換作成手段の出力信号に応動して前記3個の第2のパワー増幅手段の通電を制御する第2の制御手段と、
    前記3個の第1のパワー増幅手段と前記3個の第2のパワー増幅手段のうちで少なくとも1個のパワー増幅手段を高周波スイッチング動作させるスイッチング動作手段と、
    を具備するモータであって、
    前記第1の制御手段は、
    立ち上がり傾斜部分と立ち下がり傾斜部分のうちの少なくとも一方の傾斜部分において電流振幅が滑らかに変化する少なくとも1つの電流信号を前記3個の第1のパワー増幅手段のうちで少なくとも1個のパワー増幅手段の通電制御端子側に供給する手段と、
    前記少なくとも1つの電流信号の通電区間内において、前記少なくとも1つの電流信号 よりも短い角度幅に渡って通電される少なくとも1つの補助信号を前記少なくとも1個のパワー増幅手段の通電制御端子側に供給する手段と、
    を含んで構成された、モータ。
  14. 前記第1の制御手段は、立ち上がり傾斜部分と立ち下がり傾斜部分のうちの少なくとも一方の傾斜部分において電流振幅が滑らかに変化する第1の3相の電流信号を前記3個の第1のパワー増幅手段の通電制御端子側に供給する手段と、前記第1のQ相の電流信号のそれぞれの通電区間内において前記第1のQ相の電流信号よりも短い角度幅に渡って通電される第1の3相の補助信号を前記3個の第1のパワー増幅手段の通電制御端子側に供給する手段と、を含んで構成された、
    請求項13に記載のモータ。
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