JPH11164583A - モータ - Google Patents

モータ

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JPH11164583A
JPH11164583A JP9325730A JP32573097A JPH11164583A JP H11164583 A JPH11164583 A JP H11164583A JP 9325730 A JP9325730 A JP 9325730A JP 32573097 A JP32573097 A JP 32573097A JP H11164583 A JPH11164583 A JP H11164583A
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JP
Japan
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current
power
transistor
switching
power supply
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JP9325730A
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English (en)
Inventor
Makoto Goto
誠 後藤
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数相のコイルへの電流路を電子的に切り換
える、電力効率の良いモータを提供する。 【解決手段】 複数相のコイルへの電流路を形成する第
1のパワー増幅器11〜13と、前記コイルへの電流路
を形成する第2のパワー増幅器15〜17と、前記コイ
ルの共通接続端子への電流路を形成する電路形成器24
と、第1のパワー増幅器と第2のパワー増幅器の少なく
とも一方、もしくは、電路形成器を適時切り換えてスイ
ッチング動作させるスイッチング制御器22を具備する
モータ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数相のコイル負
荷に供給する電流を複数個のトランジスタにより電子的
に切り換えて供給するモータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、OA機器やAV機器の駆動用モー
タとして、複数個のトランジスタにより電子的に電流路
を切り換えるモータが広く使用されている。米国特許
4,494,053号公報には、このようなモータの例
として、PNP型パワートランジスタとNPN型パワー
トランジスタを用いてコイルへの電流路を切り換えるモ
ータが記載されている。
【0003】図11に従来のモータを示し、その動作に
ついて簡単に説明する。ロータ2011は永久磁石によ
る界磁部を有し、ロータ2011の回転に応動して、位
置検出器2041は2組の3相の電圧信号K1,K2,
K3とK4,K5,K6を発生する。第1の分配器20
42は電圧信号K1,K2,K3に応動した3相の下側
通電制御信号L1,L2,L3を作りだし、下側のNP
N型パワートランジスタ2021,2022,2023
のベースに供給し、NPN型パワートランジスタ202
1,2022,2023の通電を制御する。第2の分配
器2043は電圧信号K4,K5,K6に応動した3相
の上側通電制御信号M1,M2,M3を作りだし、上側
のPNP型パワートランジスタ2025,2026,2
027のベースに供給し、PNP型パワートランジスタ
2025,2026,2027の通電を制御する。これ
により、3相のコイル2012,2013,2014へ
の電流路を開閉制御する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来の構成では、下記の各種の課題があった。
【0005】まず、従来の構成では、パワートランジス
タにおける電力損失が大きく、モータの電力効率が著し
く悪かった。NPN型パワートランジスタ2021,2
022,2023およびPNP型パワートランジスタ2
025,2026,2027は、そのエミッタ−コレク
タ間の電圧をアナログ的に制御し、コイル2012,2
013,2014に必要な振幅の駆動電圧を供給してい
る。各パワートランジスタの残留電圧が大きく、残留電
圧とコイルへの駆動電流の積によって大きな電力損失・
発熱が生じていた。すなわち、モータの電力効率が悪
く、パワートランジスタの電力削減が問題になってい
た。
【0006】また、コストが高く、コストダウンが大き
な問題になっていた。コストダウンのためには、モータ
のトランジスタや抵抗を1チップの集積回路(IC)に
まとめることが有効であるが、パワートランジスタの発
熱が大きく、集積回路化が難しかった。モータコイルへ
の駆動電流が大きいので、発熱も著しく大きくなり、こ
れらのパワートランジスタを1チップの集積回路上に形
成した場合には、パワートランジスタの発熱による熱破
壊を生じ、実用化が困難であった。発熱対策のために放
熱板を使用することも考えられるが、それでも十分な放
熱性能が得られないため、これらのパワートランジスタ
を集積回路化して使用することは、極めて難しかった。
また、放熱板を設けることは、コスト増加の要因にな
る。
【0007】また、電流路の急峻な切換に伴ってスパイ
ク電圧が発生し、駆動電流の脈動が大きかった。そのた
め、モータ発生力の脈動およびモータ振動が生じ、問題
になっていた。特に、近年のAV・OA機器の高密度記
録再生化に伴って、振動の少ないモータが要望されてき
た。
【0008】また、高速回転動作を行わせる場合に、電
源電圧によって回転速度の上限が制約される。そのた
め、逆起電力の生じにくいモータ構造をとる場合が多い
が、そのような構成ではトルクが発生しにくくなる。そ
の結果、起動電流が増加し、パワートランジスタの発熱
が著しく大きくなり、熱破壊が問題になる。また、定常
制御状態におけるモータ電流も増加し、駆動電流による
パワートランジスタの発熱も著しく大きくなる。
【0009】本発明の目的は、上記の問題点を解決し、
コイルへの電流路をトランジスタによって電子的に切り
換えながらも、トランジスタの発熱を小さくし、集積回
路化に適した構成のモータを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の構成のモータで
は、固定体上に配設され、移動体に対して複数相の磁束
を発生する複数相のコイルと、電力供給源となる直流電
源手段と、前記直流電源手段の負極端子側に接続された
第1のパワートランジスタをそれぞれ含み、前記コイル
と前記直流電源手段の負極端子側の電流路を形成するQ
個(Qは3以上の整数)の第1のパワー増幅手段と、前
記直流電源手段の正極端子側に接続された第2のパワー
トランジスタをそれぞれ含み、前記コイルと前記直流電
源手段の正極端子側の電流路を形成するQ個の第2のパ
ワー増幅手段と、電路形成トランジスタを含み、前記コ
イルの共通接続端子と前記直流電源手段の一端の間の電
流路を形成する電路形成手段と、前記第1のパワートラ
ンジスタと前記第2のパワートランジスタの少なくとも
一方、もしくは、前記電路形成トランジスタを適時スイ
ッチング動作させるスイッチング制御手段と、前記電路
形成トランジスタをオフにし、前記第1のパワートラン
ジスタと前記第2のパワートランジスタの少なくとも一
方をスイッチング動作させ、前記第1のパワートランジ
スタと前記第2のパワートランジスタによって前記コイ
ルへの電流路を形成する第1の通電モード、および、前
記電路形成トランジスタをスイッチング動作させ、前記
第1のパワートランジスタと前記第2のパワートランジ
スタの少なくとも一方と前記電路形成トランジスタによ
って前記コイルへの電流路を形成する第2の通電モード
を、適時切り換える電路切換手段を具備する構成にして
いる。
【0011】このように構成することにより、第1の通
電モードでは、第1のパワートランジスタもしくは第2
のパワートランジスタがスイッチング動作しているの
で、パワートランジスタの電力損失は極めて小さい。従
って、電力効率の良いモータになる。また、第2の通電
モードでは、電路形成トランジスタがスイッチング動作
しているので、電路形成トランジスタやパワートランジ
スタの電力損失は極めて小さい。従って、電力効率の良
いモータになる。また、コイルに両方向の電流を供給し
て発生力を大きくする第1の通電モード、および、コイ
ルに片方向の電流を供給して高速回転を行わせる第2の
通電モードを、適時切り換えて動作させることにより、
大発生力で高速回転可能なモータを実現した。また、た
とえば、直流電源の通電電流に応動した出力信号と通電
指令信号の比較結果に基づいてスイッチング制御手段に
よりパワートランジスタもしくは電路形成トランジスタ
をスイッチング動作させるならば、簡素な構成により高
精度な電流制御を実現できる。また、たとえば、パワー
増幅手段の通電制御端子への入力電流を滑らかに変化さ
せることにより、コイルへの駆動電流を滑らかに変化さ
せることが可能になった。その結果、電流路の切り換え
に伴う駆動電流の脈動が大幅に小さくなり、振動の小さ
い高性能なモータを実現できる。また、集積回路化に適
した電力消費の少ないパワー素子を使用して、1チップ
のシリコン基板上に多くのトランジスタ素子や抵抗素子
を低コストに集積化することを可能にした。特に、非線
形電圧増幅を行う電界効果型トランジスタをパワートラ
ンジスタに使用した場合に、電界効果型パワー部カレン
トミラー回路を構成することにより、パワー増幅手段の
電流増幅率のバラツキを大幅に小さくすることを可能に
した。また、たとえば、第1のパワートランジスタにN
チャンネル電界効果型トランジスタを、第2のパワート
ランジスタにPチャンネル電界効果型トランジスタを使
用することを可能にし、第1の電界効果型パワートラン
ジスタや第2の電界効果型パワートランジスタを通電動
作させるための新たな電源を不要にした。さらに、パワ
ー増幅手段の電界効果型パワートランジスタの発熱が著
しく小さいので、集積回路の熱破壊は生じない。従っ
て、パワートランジスタや電路形成トランジスタを含め
た1チップ集積回路によって、低コストなモータを実現
できる。
【0012】また、本発明の他の構成のモータでは、固
定体上に配設され、移動体に対して複数相の磁束を発生
する複数相のコイルと、電力供給源となる直流電源手段
と、前記直流電源手段の負極端子側に接続された第1の
パワートランジスタをそれぞれ含み、前記コイルと前記
直流電源手段の負極端子側の電流路を形成するQ個(Q
は3以上の整数)の第1のパワー増幅手段と、前記直流
電源手段の正極端子側に接続された第2のパワートラン
ジスタをそれぞれ含み、前記コイルと前記直流電源手段
の正極端子側の電流路を形成するQ個の第2のパワー増
幅手段と、電路形成トランジスタを含み、前記コイルの
共通接続端子と前記直流電源手段の正極端子側の間の電
流路を形成する電路形成手段と、前記第1のパワートラ
ンジスタ、もしくは、前記電路形成トランジスタを適時
スイッチング動作させるスイッチング制御手段と、前記
電路形成トランジスタをオフにし、前記第1のパワート
ランジスタをスイッチング動作させ、前記第1のパワー
トランジスタと前記第2のパワートランジスタによって
前記コイルへの電流路を形成する第1の通電モード、お
よび、前記電路形成トランジスタをスイッチング動作さ
せ、前記第1のパワートランジスタと前記電路形成トラ
ンジスタによって前記コイルへの電流路を形成する第2
の通電モードを、適時切り換える電路切換手段を具備す
る構成にしている。
【0013】このように構成することにより、さらに集
積回路化に適した構成にしている。直流電源手段の負極
端子側とコイルの電流路を形成する第1のパワー増幅手
段の第1のパワートランジスタをスイッチング動作させ
ているので、第1のパワー増幅手段の第1のパワートラ
ンジスタを含めて集積回路化した場合に、集積回路の接
合分離部分を含めた寄生トランジスタが動作することを
防止している。すなわち、第1のパワー増幅手段をスイ
ッチング動作させても、第1のパワートランジスタの電
流流入端子側および電流流出端子側の電位が直流電源の
負極端子側電位(アース電位)以下にならないので、集
積回路の接合分離部分を含めた寄生トランジスタが動作
しない。その結果、同一チップ上に集積化された他のト
ランジスタ素子や抵抗素子の動作が乱されることがな
く、全体動作が安定になる。これは、モータのように大
電流を扱うパワー素子を集積回路化する上で、極めて重
要な事項である。これにより、並列的に接続された複数
個のパワートランジスタにより複数相のコイルに電子的
に滑らかに変化する駆動電流を供給するモータ回路を、
1チップのシリコン基板上に容易に集積回路化すること
を可能にした。
【0014】また、本発明の他の構成のモータでは、固
定体上に配設され、移動体に対して複数相の磁束を発生
する複数相のコイルと、電力供給源となる直流電源手段
と、前記直流電源手段の一端側に接続された電界効果型
パワートランジスタを用いた電界効果型パワー部カレン
トミラー回路をそれぞれ含み、前記コイルと前記直流電
源手段の一端側の電流路を形成するQ個(Qは3以上の
整数)のパワー増幅手段と、電界効果型トランジスタに
よる電路形成トランジスタを含み、前記コイルの共通接
続端子と前記直流電源手段の他端側の間の電流路を形成
する電路形成手段と、前記電路形成トランジスタをスイ
ッチング動作させるスイッチング制御手段を具備する構
成にしている。
【0015】このように構成することにより、電路形成
トランジスタがスイッチング動作しているので、電路形
成トランジスタやパワートランジスタの発熱は著しく小
さくなる。従って、電力効率の良いモータになる。ま
た、非線形電圧増幅を行う電界効果型トランジスタをパ
ワートランジスタに使用しながらも、電界効果型パワー
部カレントミラー回路を構成することにより、パワー増
幅手段の電流増幅率のバラツキを大幅に小さくすること
を可能にした。また、たとえば、パワー増幅手段の通電
制御端子への入力電流を滑らかに変化させることによ
り、コイルへの駆動電流を滑らかに変化させることが可
能になった。その結果、電流路の切り換えに伴う駆動電
流の脈動が大幅に小さくなり、振動の小さい高性能なモ
ータを実現できる。また、たとえば、直流電源の通電電
流に応動した出力信号と通電指令信号の比較結果に基づ
いてスイッチング制御手段により電路形成トランジスタ
をスイッチング動作させるならば、簡素な構成により高
精度な電流制御を実現できる。また、集積回路化に適し
た電力消費の少ないパワー素子を使用して、1チップの
シリコン基板上に多くのトランジスタ素子や抵抗素子を
低コストに集積化することを可能にした。さらに、パワ
ー増幅手段の電界効果型パワートランジスタの発熱が著
しく小さいので、集積回路の熱破壊は生じない。従っ
て、パワートランジスタや電路形成トランジスタを含め
た1チップ集積回路によって、低コストなモータを実現
できる。
【0016】これらおよびその他の構成や動作について
は、実施の形態の説明において詳細に説明する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。
【0018】(実施の形態1)図1から図8に本発明の
実施の形態1のモータを示す。図1に全体構成を示す。
移動体1は、たとえば、永久磁石の発生磁束により複数
極の界磁磁束を発生する界磁部を取り付けられたロータ
である。3相コイル2,3,4は、固定体であるステー
タに配設され、移動体1との相対関係に関して、電気的
に120度相当ずらされて配置されている。3相コイル
2,3,4は3相の駆動電流I1,I2,I3により3
相の磁束を発生し、移動体1との相互作用によって駆動
力を発生し、移動体1に駆動力を与える。
【0019】電力供給源である直流電源50は、負極端
子側(−)をアース電位にされ、正極端子側(+)に所
要の直流電圧Vccを供給している。直流電源50の負
極端子側には、電流検出器21を介して、3個の第1の
パワー増幅器11,12,13の電流流出端子側が共通
接続されている。第1のパワー増幅器11は、第1のN
MOS型パワートランジスタ61と、第1のNMOS型
パワートランジスタ61に並列に逆接続された第1のパ
ワーダイオード61dを含んで構成されている。ここ
で、NMOS型トランジスタはNチャンネルMOS構造
の電界効果型トランジスタを意味する(以下同様)。第
1のNMOS型パワートランジスタ61の電流流出端子
側は直流電源50の負極端子側に電流検出器21を介し
て接続され、電流流入端子側はコイル2の電力供給端子
に接続されている。第1のパワーダイオード61dの電
流流入端子側は第1のNMOS型パワートランジスタ6
1の電流流出端子側に接続され、電流流出端子側は第1
のNMOS型パワートランジスタ61の電流流入端子側
に接続されている。第1のパワー増幅器11は、第1の
NMOS型パワートランジスタ61とNMOS型トラン
ジスタ71により第1のNMOS型パワー部カレントミ
ラー回路を形成し、通電制御端子側への入力電流を増幅
して出力する。ここで、NMOS型パワー部カレントミ
ラー回路はNチャンネルMOS構造の電界効果型トラン
ジスタを用いた電界効果型パワー部カレントミラー回路
を意味する(以下同様)。第1のNMOS型パワートラ
ンジスタ61とNMOS型トランジスタ71のチップ面
積比を100倍にし、第1のNMOS型パワートランジ
スタ61が能動領域で動作している場合の第1のパワー
部カレントミラー回路の電流増幅率を100倍にしてい
る。なお、第1のNMOS型パワートランジスタ61
は、二重拡散型NMOS−FETトランジスタ(二重拡
散型NチャンネルMOS構造の電界効果型トランジス
タ)によって構成され、第1のNMOS型パワートラン
ジスタ61の電流流出端子側から電流流入端子側に向け
て等価回路的に逆接続される寄生ダイオード素子を第1
のパワーダイオード61dとして使用している。
【0020】同様に、第1のパワー増幅器12は、第1
のNMOS型パワートランジスタ62と、第1のNMO
S型パワートランジスタ62に並列に逆接続された第1
のパワーダイオード62dを含んで構成されている。第
1のNMOS型パワートランジスタ62の電流流出端子
側は直流電源50の負極端子側に電流検出器21を介し
て接続され、電流流入端子側はコイル3の電力供給端子
に接続されている。第1のパワーダイオード62dの電
流流入端子側は第1のNMOS型パワートランジスタ6
2の電流流出端子側に接続され、電流流出端子側は第1
のNMOS型パワートランジスタ62の電流流入端子側
に接続されている。第1のパワー増幅器12は、第1の
NMOS型パワートランジスタ62とNMOS型トラン
ジスタ72により第1のNMOS型パワー部カレントミ
ラー回路を形成し、通電制御端子側への入力電流を増幅
して出力する(チップ面積比は100倍)。なお、第1
のNMOS型パワートランジスタ62は二重拡散型NM
OS−FETトランジスタによって構成され、第1のN
MOS型パワートランジスタ62の寄生ダイオード素子
を第1のパワーダイオード62dとして使用している。
【0021】同様に、第1のパワー増幅器13は、第1
のNMOS型パワートランジスタ63と、第1のNMO
S型パワートランジスタ63に並列に逆接続された第1
のパワーダイオード63dを含んで構成されている。第
1のNMOS型パワートランジスタ63の電流流出端子
側は直流電源50の負極端子側に電流検出器21を介し
て接続され、電流流入端子側はコイル4の電力供給端子
に接続されている。第1のパワーダイオード63dの電
流流入端子側は第1のNMOS型パワートランジスタ6
3の電流流出端子側に接続され、電流流出端子側は第1
のNMOS型パワートランジスタ63の電流流入端子側
に接続されている。第1のパワー増幅器13は、第1の
NMOS型パワートランジスタ63とNMOS型トラン
ジスタ73により第1のNMOS型パワー部カレントミ
ラー回路を形成し、通電制御端子側への入力電流を増幅
して出力する(チップ面積比は100倍)。なお、第1
のNMOS型パワートランジスタ63は二重拡散型NM
OS−FETトランジスタによって構成され、第1のN
MOS型パワートランジスタ63の寄生ダイオード素子
を第1のパワーダイオード63dとして使用している。
【0022】第1のパワー増幅器11,12,13の各
第1の電界効果型パワー部カレントミラー回路は、それ
ぞれ各通電制御端子側への入力電流を増幅して出力す
る。スイッチング制御器22の第1の制御パルス信号Z
1,Z2,Z3は、第1のパワー増幅器11,12,1
3の第1のNMOS型パワートランジスタ61,62,
63をオン・オフ制御して高周波スイッチング動作させ
る。第1のパワー増幅器11,12,13は、コイル
2,3,4の各電力供給端子への駆動電圧を高周波スイ
ッチングして供給し、コイル2,3,4への駆動電流I
1,I2,I3の負極側電流を供給する。この動作につ
いては、後述する。
【0023】直流電源50の正極端子側には、通電停止
器25の通電トランジスタ91を介して、3個の第2の
パワー増幅器15,16,17の電流流入端子側が共通
接続されている。第2のパワー増幅器15は、第2のP
MOS型パワートランジスタ65と、第2のPMOS型
パワートランジスタ65に並列に逆接続された第2のパ
ワーダイオード65dを含んで構成されている。ここ
に、PMOS型トランジスタはPチャンネルMOS構造
の電界効果型トランジスタを意味する(以下同様)。第
2のPMOS型パワートランジスタ65の電流流入端子
側は直流電源50の正極端子側に接続され、電流流出端
子側はコイル2の電力供給端子に接続されている。第2
のパワーダイオード65dの電流流入端子側は第2のP
MOS型パワートランジスタ65の電流流出端子側に接
続され、電流流出端子側は第2のPMOS型パワートラ
ンジスタ65の電流流入端子側に接続されている。第2
のパワー増幅器15は、第2のPMOS型パワートラン
ジスタ65とPMOS型トランジスタ75により第2の
PMOS型パワー部カレントミラー回路を形成し、通電
制御端子側への入力電流を増幅して出力する。ここに、
PMOS型パワー部カレントミラー回路はPチャンネル
MOS構造の電界効果型トランジスタを用いた電界効果
型パワー部カレントミラー回路を意味する。第2のPM
OS型パワートランジスタ65とPMOS型トランジス
タ75のチップ面積比を100倍にし、第2のPMOS
型パワートランジスタ65が能動領域で動作している場
合の第2のパワー部カレントミラー回路の電流増幅率を
100倍にしている。なお、第2のPMOS型パワート
ランジスタ65は二重拡散型PMOS−FETトランジ
スタ(二重拡散型PチャンネルMOS構造の電界効果型
トランジスタ)によって構成され、第2のPMOS型パ
ワートランジスタ65の電流流出端子側から電流流入端
子側に向けて等価回路的に逆接続される寄生ダイオード
素子を第2のパワーダイオード65dとして使用してい
る。
【0024】同様に、第2のパワー増幅器16は、第2
のPMOS型パワートランジスタ66と、第2のPMO
S型パワートランジスタ66に並列に逆接続された第2
のパワーダイオード66dを含んで構成されている。第
2のPMOS型パワートランジスタ66の電流流入端子
側は直流電源50の正極端子側に接続され、電流流出端
子側はコイル3の電力供給端子に接続されている。第2
のパワーダイオード66dの電流流入端子側は第2のP
MOS型パワートランジスタ66の電流流出端子側に接
続され、電流流出端子側は第2のPMOS型パワートラ
ンジスタ66の電流流入端子側に接続されている。第2
のパワー増幅器16は、第2のPMOS型パワートラン
ジスタ66とPMOS型トランジスタ76により第2の
PMOS型パワー部カレントミラー回路を形成し、通電
制御端子側への入力電流を増幅して出力する(チップ面
積比は100倍)。なお、第2のPMOS型パワートラ
ンジスタ66は二重拡散型PMOS−FETトランジス
タによって構成され、第2のPMOS型パワートランジ
スタ66の寄生ダイオード素子を第2のパワーダイオー
ド66dとして使用している。
【0025】同様に、第2のパワー増幅器17は、第2
のPMOS型パワートランジスタ67と、第2のPMO
S型パワートランジスタ67に並列に逆接続された第2
のパワーダイオード67dを含んで構成されている。第
2のPMOS型パワートランジスタ67の電流流入端子
側は直流電源50の正極端子側に接続され、電流流出端
子側はコイル4の電力供給端子に接続されている。第2
のパワーダイオード67dの電流流入端子側は第2のP
MOS型パワートランジスタ67の電流流出端子側に接
続され、電流流出端子側は第2のPMOS型パワートラ
ンジスタ67の電流流入端子側に接続されている。第2
のパワー増幅器17は、第2のPMOS型パワートラン
ジスタ67とPMOS型トランジスタ77により第2の
PMOS型パワー部カレントミラー回路を形成し、通電
制御端子側への入力電流を増幅して出力する(チップ面
積比は100倍)。なお、第2のPMOS型パワートラ
ンジスタ67は二重拡散型PMOS−FETトランジス
タによって構成され、第2のPMOS型パワートランジ
スタ67の寄生ダイオード素子を第2のパワーダイオー
ド67dとして使用している。
【0026】第2のパワー増幅器15,16,17の各
第2の電界効果型パワー部カレントミラー回路は、それ
ぞれ各通電制御端子側への入力電流を増幅して出力し、
コイル2,3,4への駆動電流I1,I2,I3の正極
側電流を供給する(通電停止器25の通電トランジスタ
91がオンの場合)。この動作については、後述する。
【0027】このように、第1のパワー増幅器11,1
2,13は、直流電源50の負極端子側と正極端子側の
間に並列的に接続され、直流電源50の負極端子側から
コイル2,3,4への電流路を電子的に切り換えてい
る。同様に、第2のパワー増幅器15,16,17は、
直流電源50の負極端子側と正極端子側の間に並列的に
接続され、直流電源50の正極端子側からコイル2,
3,4への電流路を電子的に切り換えている。
【0028】図1の通電停止器25は、直流電源50の
正極端子から第2のパワー増幅器15,16,17への
電流路に直列に逆接続されたPMOS型通電トランジス
タ91(PチャネルMOS構造の電界効果型トランジス
タ)とスイッチ回路95を有している。PMOS型通電
トランジスタ91がオンの時には直流電源50から第2
のパワー増幅器への電流路を形成し、PMOS型通電ト
ランジスタ91がオフの時には直流電源50から第2の
パワー増幅器への電流路を開放する。PMOS型通電ト
ランジスタ91は逆接続され、その電流流入端子側(ソ
ース端子)を直流電源50の正極端子側に接続し、その
電流流出端子側(ドレイン端子)を第2のパワー増幅器
15,16,17の共通接続端子側に接続している。P
MOS型通電トランジスタ91は、二重拡散Pチャンネ
ルMOS構造の電界効果型トランジスタにより構成さ
れ、その寄生素子として形成されたダイオード91dは
電流流入端子側から電流流出端子側に向けて等価回路的
に接続されている。なお、寄生ダイオードの形成されな
い構造の通電トランジスタの場合には、通電トランジス
タを逆接続する必要はない。また、抵抗90は、通電ト
ランジスタ91のゲート端子電位をプルアップするもの
であるが、必要に応じて接続すればよい(なくしても良
い)。
【0029】図1の電路形成器24は、直流電源50の
正極端子とコイル2,3,4の共通接続端子の間に接続
されたPMOS型電路形成トランジスタ81(Pチャネ
ルMOS構造の電界効果型トランジスタ)とフライホイ
ールダイオード82を有している。PMOS型電路形成
トランジスタ81はスイッチング制御器22の第2の制
御パルス信号Zhに応動してオン・オフ動作する。フラ
イホイールダイオード82は、PMOS型電路形成トラ
ンジスタ81と相補的にオフ・オン動作し、電路形成ト
ランジスタ81がオフの時の電流帰路を形成する。これ
により、PMOS型電路形成トランジスタ81はスイッ
チング制御器22によって適時スイッチング動作され、
電路形成トランジスタ81を介してコイル2,3,4の
共通接続端子側への電流路が形成される。PMOS型電
路形成トランジスタ81は、二重拡散PチャンネルMO
S構造の電界効果型トランジスタにより構成され、その
寄生素子として形成されたダイオード81dは電流流出
端子側から電流流入端子側に向けて等価回路的に逆接続
されている。
【0030】図1の電路切換指令器23は、第1の電路
切換指令信号L1と第2の電路切換指令信号L2を出力
し、コイルへの電流供給路を切り換える。第1の通電モ
ードの指令時には、電路切換指令器23は第1の電路切
換指令信号L1および第2の電路切換指令信号L2を”
L”(低電位状態)にし、PMOS型通電トランジスタ
91をオンおよびスイッチ回路95をオンにし、第1の
パワー増幅器11,12,13と第2のパワー増幅器1
5,16,17によってコイル2,3,4に両方向の駆
動電流I1,I2,I3を供給する(このとき、PMO
S型電路形成トランジスタ81はオフ状態になされてい
る)。また、第2の通電モードの指令時には、電路切換
指令器23は第1の電路切換指令信号L1および第2の
電路切換指令信号L2を”H”(高電位状態)にし、P
MOS型通電トランジスタ91をオフおよびスイッチ回
路95をオフにして第2のパワー増幅器15,16,1
7を通電停止状態にし、PMOS型電路形成トランジス
タ81と第1のパワー増幅器11,12,13によって
コイル2,3,4に片方向の駆動電流I1,I2,I3
を供給する(このとき、PMOS型電路形成トランジス
タ81はスイッチング制御器22の第2の制御パルス信
号Zhに応動して高周波スイッチング動作をしてい
る)。
【0031】図1の通電指令器20の通電指令信号Ad
は、電流供給器30とスイッチング制御器22に入力さ
れる。通電指令器20は、たとえば、移動体1の回転移
動速度を検出し、該速度を所定値に制御する速度制御回
路等によって構成されている。
【0032】電流供給器30は、通電指令信号Adに応
動する第1の供給電流信号C1と第2の供給電流信号C
2を出力する。図3に電流供給器30の具体的な構成を
示す。電圧電流変換回路151は、通電指令信号Adに
比例した変換電流信号Bjを出力する。電圧電流変換回
路151の変換電流信号Bjは、トランジスタ170,
171,172,173と抵抗174,175,176
によるカレントミラー回路に供給され、変換電流信号B
jに比例した2つの電流信号をトランジスタ172,1
73のコレクタ側に作りだす。トランジスタ172のコ
レクタ電流は、トランジスタ181,182のカレント
ミラー回路を介して出力される。トランジスタ182の
コレクタ電流Bp1と定電流源192の第1の所定電流
Qq1を加算し、第1の供給電流信号C1として出力す
る。トランジスタ173のコレクタ電流Bp2と定電流
源191の第2の所定電流Qq2を加算し、第2の供給
電流信号C2として出力する。これにより、第1の供給
電流信号C1と第2の供給電流信号C2は通電指令信号
Adに比例もしくは略比例した電流信号にしている。ま
た、第1の供給電流信号C1と第2の供給電流信号C2
は、定電流源191,192の電流値Qq1,Qq2に
よる所定のバイアス電流を含んでいる。
【0033】図1の切換作成器34は、3相コイルに3
相電流を流すために、滑らかに変化する3相の切換電流
信号D1,D2,D3を出力する。図2に切換作成器3
4の具体的な構成を示す。この例では、切換作成器34
は位置検出部100と切換信号部101によって構成さ
れている。
【0034】位置検出部100は、移動体1の発生磁束
を検知する磁電変換素子(例えばホール素子)からなる
位置検出素子111,112を含んで構成されている。
位置検出素子111,112は、電気的に120゜の位
相差を有し、移動体1の移動に伴って滑らかな正弦波状
に変化する2相の位置検出信号Ja1とJb1、およ
び、Ja2とJb2を出力する。ここで、Ja1とJa
2は逆相の関係にあり(電気的に180゜の位相差)、
Jb1とJb2は逆相の関係にある。なお、逆相の信号
は新たな相数に数えない。位置検出信号Ja2とJb2
は抵抗113,114により合成されて3相目の位置検
出信号Jc1を作りだし、位置検出信号Ja1とJb1
は抵抗115,116により合成されて3相目の位置検
出信号Jc2を作りだす。これにより、位置検出部10
0は電気的に120゜の位相差を有して正弦波状に変化
する3相の位置検出信号Ja1,Jb1,Jc1および
Ja2,Jb2,Jc2を得ている。
【0035】切換信号部101は、3相の位置検出信号
に応動して滑らかに変化する正弦波状の切換電流信号D
1,D2,D3を作りだす。図2において、定電流源1
21,126,131,136,141,146は同一
値の定電流を供給する。トランジスタ122と123
は、1相目の位置検出信号Ja1とJa2の差電圧に応
動して定電流源121の電流をコレクタ側に分流する。
トランジスタ123のコレクタ電流は、トランジスタ1
24,125のカレントミラー回路によって2倍に増幅
され、トランジスタ125のコレクタより出力される。
トランジスタ125のコレクタ電流は、定電流源126
の電流値と比較され、両者の差電流が1相目の切換電流
信号D1として出力される。従って、切換電流信号D1
は、位置検出信号Ja1に応動して滑らかに変化し、電
気角で180゜区間は電流が流出し(正極性の電流)、
次の180゜区間は電流が流入する(負極性の電流)。
同様に、切換電流信号D2は、位置検出信号Jb1に応
動して滑らかに変化し、電気角で180゜区間は電流が
流出し(正極性の電流)、次の180゜区間は電流が流
入する(負極性の電流)。同様に、切換電流信号D3
は、位置検出信号Jc1に応動して滑らかに変化し、電
気角で180゜区間は電流が流出し(正極性の電流)、
次の180゜区間は電流が流入する(負極性の電流)。
これにより、切換電流信号D1,D2,D3は所定の位
相差を有する正弦波状の3相の電流信号になる。図9
(a)に3相の切換電流信号D1,D2,D3の波形を
示す。なお、図9の横軸は移動体1の回転移動位置であ
る。
【0036】図1の分配作成器36は、第1の分配器3
7と第2の分配器38を含んで構成されている。第1の
分配器37は、切換作成器34の3相の切換電流信号D
1,D2,D3に応動して電流供給器30の第1の供給
電流信号C1を分配し、滑らかに変化する3相の第1の
分配電流信号E1,E2,E3を作り出す。第2の分配
器38は、切換作成器34の3相の切換電流信号D1,
D2,D3に応動して電流供給器30の第2の供給電流
信号C2を分配し、滑らかに変化する3相の第2の分配
電流信号G1,G2,G3を作り出す(通電停止器25
のスイッチ回路95がオンの場合)。
【0037】図4に分配作成器36の具体的な構成を示
す。第1の分配器37は、切換作成器34の3相の切換
電流信号D1,D2,D3が供給される各電流流入流出
端子側に通電制御端子と電流経路端子対の信号入力端子
が接続され、電流経路端子対の信号出力端子を共通接続
された3個の第1の入力トランジスタ201,202,
203と、各電流流入流出端子側に各通電制御端子側が
接続され、共通接続された電流信号入力端子側に電流供
給器30の第1の供給電流信号C1が入力され、電流信
号出力端子側から3相の第1の分配電流信号E1,E
2,E3を出力する3個の第1の分配トランジスタ20
5,206,207によって構成されている。また、第
1の入力トランジスタ201,202,203と第1の
分配トランジスタ205,206,207は同じ型のト
ランジスタを使用している。ここでは、第1の入力トラ
ンジスタと第1の分配トランジスタにPNP型バイポー
ラトランジスタを使用し、第1の入力トランジスタの通
電制御端子をベース端子,電流経路端子対の信号入力端
子をコレクタ端子,電流経路端子対の信号出力端子をエ
ミッタ端子にし、第1の分配トランジスタの通電制御端
子をベース端子,電流信号入力端子をエミッタ端子,電
流信号出力端子をコレクタ端子にしている。第2の分配
器38は、切換作成器34の3相の切換電流信号D1,
D2,D3が供給される各電流流入流出端子側に通電制
御端子と電流経路端子対の信号入力端子が接続され、電
流経路端子対の信号出力端子を共通接続された3個の第
2の入力トランジスタ211,212,213と、各電
流流入流出端子側に各通電制御端子側が接続され、共通
接続された電流信号入力端子側に電流供給器30の第2
の供給電流信号C2が入力され、電流信号出力端子側か
ら3相の第2の分配電流信号G1,G2,G3を出力す
る3個の第2の分配トランジスタ215,216,21
7によって構成されている。また、第2の入力トランジ
スタ211,212,213と第2の分配トランジスタ
215,216,217は同じ型のトランジスタを使用
している。さらに、第1の入力トランジスタ201,2
02,203のトランジスタの型を第2の入力トランジ
スタ211,212,213のトランジスタの型とは極
性が異なるようにしている。ここでは、第2の入力トラ
ンジスタと第2の分配トランジスタにNPN型バイポー
ラトランジスタを使用し、第2の入力トランジスタの通
電制御端子をベース端子,電流経路端子対の信号入力端
子をコレクタ端子,電流経路端子対の信号出力端子をエ
ミッタ端子にし、第2の分配トランジスタの通電制御端
子をベース端子,電流信号入力端子をエミッタ端子,電
流信号出力端子をコレクタ端子にしている。基準電圧源
220,トランジスタ221,222は、所定電圧供給
部を構成し、第1の入力トランジスタ201,202,
203の共通接続端に第1の直流電圧を供給し、第2の
入力トランジスタ211,212,213の共通接続端
に第2の直流電圧を供給している。これにより、切換電
流信号D1が負極側電流の時に第1の入力トランジスタ
201に電流を通電し(第2の入力トランジスタ211
には電流が流れない)、正極側電流の時に第2の入力ト
ランジスタ211に電流を通電する(第1の入力トラン
ジスタ201には電流が流れない)。すなわち、切換電
流信号D1の極性に応じて第1の入力トランジスタ20
1と第2の入力トランジスタ211に相補的に電流を供
給する。これにより、第1の入力トランジスタ201と
第2の入力トランジスタ211に同時に電流が流れなく
なる。同様に、切換電流信号D2が負極側電流の時に第
1の入力トランジスタ202に電流を通電し、正極側電
流の時に第2の入力トランジスタ212に電流を通電す
る。切換電流信号D3が負極側電流の時に第1の入力ト
ランジスタ203に電流を通電し、正極側電流の時に第
2の入力トランジスタ213に電流を通電する。
【0038】第1の分配器37の第1の分配トランジス
タ205,206,207は、第1の入力トランジスタ
201,202,203に流れる3相電流に応動して、
第1の供給電流信号C1をそれぞれの電流信号出力端子
側に分配し、3相の第1の分配電流信号E1,E2,E
3を作り出す。従って、3相の第1の分配電流信号E
1,E2,E3は3相の切換電流信号D1,D2,D3
の負極側電流に応動して滑らかに変化し、分配電流信号
E1,E2,E3の合成値は第1の供給電流信号C1に
等しくなる。図9(b)に第1の分配電流信号E1,E
2,E3の波形を示す。第1の分配器37は、第1の供
給電流信号C1を移動体1の回転移動に伴って1相分も
しくは2相分に交互に分配し、電気的に120゜の位相
差を有する3相の第1の分配電流信号E1,E2,E3
を出力する。
【0039】同様に、第2の分配器38の第2の分配ト
ランジスタ215,216,217は、第2の入力トラ
ンジスタ211,212,213に流れる3相電流に応
動して、第2の供給電流信号C2をそれぞれの電流信号
出力端子側に分配し、3相の第2の分配電流信号G1,
G2,G3を作り出す。従って、3相の第2の分配電流
信号G1,G2,G3は3相の切換電流信号D1,D
2,D3の正極側電流に応動して滑らかに変化し、分配
電流信号G1,G2,G3の合成値は第2の供給電流信
号C2に等しくなる。図9(c)に第2の分配電流信号
G1,G2,G3の波形を示す。第2の分配器38は、
第2の供給電流信号C2を移動体1の回転移動に伴って
1相分もしくは2相分に交互に分配し、電気的に120
゜の位相差を有する3相の第2の分配電流信号G1,G
2,G3を出力する。
【0040】第1の分配電流信号E1と第2の分配電流
信号G1は180゜の位相差を有し、相補的に滑らかに
変化する(E1とG1は必ず一方が零になる)。同様
に、第1の分配電流信号E2と第2の分配電流信号G2
は180゜の位相差を有し、相補的に滑らかに変化する
(E2とG2は必ず一方が零になる)。同様に、第1の
分配電流信号E3と第2の分配電流信号G3は180゜
の位相差を有し、相補的に滑らかに変化する(E3とG
3は必ず一方が零になる)。
【0041】図1の第1の分配器37の第1の分配電流
信号E1,E2,E3は、それぞれ第1の電流増幅器4
1,42,43に入力される。第1の電流増幅器41,
42,43は、それぞれ第1の分配電流信号E1,E
2,E3を所定倍の電流増幅して第1の増幅電流信号F
1,F2,F3を作りだす。
【0042】図5に第1の電流増幅器41,42,43
の具体的な構成を示す。第1の電流増幅器41は、トラ
ンジスタ231,232による初段のカレントミラー回
路と、トランジスタ233,234と抵抗235,23
6による次段のカレントミラー回路を縦続接続した第1
の増幅部カレントミラー回路により構成している。トラ
ンジスタ231と232のエミッタ面積は等しくされ、
初段のカレントミラー回路の電流増幅率は1倍にされて
いる。また、トランジスタ233と234のエミッタ面
積比を50倍、抵抗236と235の抵抗比を50倍に
して、次段のカレントミラー回路では電流増幅率で50
倍の所定の増幅を行う。同様に、第1の電流増幅器42
は、トランジスタ241,242,243,244と抵
抗245,246による第1の増幅部カレントミラー回
路によって構成され、電流増幅率で50倍の所定の増幅
を行う。同様に、第1の電流増幅器43は、トランジス
タ251,252,253,254と抵抗255,25
6による第1の増幅部カレントミラー回路よって構成さ
れ、電流増幅率で50倍の所定の増幅を行う。これによ
り、第1の電流増幅器41,42,43は、3相の第1
の分配電流信号E1,E2,E3をそれぞれ50倍の増
幅し、3相の第1の増幅電流信号F1,F2,F3を出
力する。
【0043】図1の第2の分配器38の第2の分配電流
信号G1,G2,G3は、それぞれ第2の電流増幅器4
5,46,47に入力される。第2の電流増幅器45,
46,47は、それぞれ第2の分配電流信号G1,G
2,G3を所定倍の電流増幅して第2の増幅電流信号H
1,H2,H3を作りだし、各第2のパワー増幅器1
5,16,17に供給する。第2の増幅電流信号H1,
H2,H3は第2のパワー増幅器15,16,17の第
2のPMOS型パワー部カレントミラー回路の各通電制
御端子側に供給され、第2のPMOS型パワートランジ
スタ65,66,67を低動作電圧にて飽和動作させ
る。
【0044】図6に第2の電流増幅器45,46,47
の具体的な構成を示す。第2の電流増幅器45は、トラ
ンジスタ261,262による初段のカレントミラー回
路と、トランジスタ263,264と抵抗265,26
6による次段のカレントミラー回路を縦続接続した第2
の増幅部カレントミラー回路により構成している。トラ
ンジスタ261と262のエミッタ面積は等しくされ、
初段のカレントミラー回路の電流増幅率は1倍にされて
いる。また、トランジスタ263と264のエミッタ面
積比を50倍、抵抗266と265の抵抗比を50倍に
して、次段のカレントミラー回路では電流増幅率で50
倍の所定の増幅を行う。同様に、第2の電流増幅器46
は、トランジスタ271,272,273,274と抵
抗275,276による第2の増幅部カレントミラー回
路によって構成され、電流増幅率で50倍の所定の増幅
を行う。同様に、第2の電流増幅器47は、トランジス
タ281,282,283,284と抵抗285,28
6による第2の増幅部カレントミラー回路よって構成さ
れ、電流増幅率で50倍の所定の増幅を行う。これによ
り、第2の電流増幅器45,46,47は、3相の第2
の分配電流信号G1,G2,G3をそれぞれ50倍の増
幅し、3相の第2の増幅電流信号H1,H2,H3を出
力する。
【0045】図1の電流検出器21は、直流電源50の
供給する通電電流Igを検出し、通電電流Igに応動し
た電流検出信号Agを出力する。スイッチング制御器2
2は、通電指令信号Adと電流検出信号Agを比較し、
比較結果に応動して制御パルス信号を出力する。電路切
換指令器23の第1の電路切換指令信号L1が”L”と
なる第1の通電モードの場合には、第1の制御パルス信
号Z1,Z2,Z3をオン・オフし、第1のパワー増幅
器11,12,13の第1のNMOS型パワートランジ
スタ61,62,63を高周波スイッチング動作させ
る。このとき、第2の制御パルス信号Zhは高電位状態
に固定され、電路形成器24の電路形成トランジスタ8
1はオフ状態になる。
【0046】また、電路切換指令器23の第1の電路切
換指令信号L1が”H”となる第2の通電モードの場合
には、第2の制御パルス信号Zhをオン・オフし、電路
形成器24の電路形成トランジスタ81を高周波スイッ
チング動作させる。このとき、第1の制御パルス信号Z
1,Z2,Z3はオフ状態(非通電状態)に固定され、
第1のパワー増幅器11,12,13の第1のNMOS
型パワートランジスタ61,62,63は第1の増幅電
流信号F1,F2,F3を増幅して出力する。このと
き、通電停止器25は通電トランジスタ91およびスイ
ッチ回路95をオフにし、第2のパワー増幅器15,1
6,17の第2のPMOS型パワートランジスタ65,
66,67をオフ状態(通電停止状態)にする。
【0047】図7に電流検出器21とスイッチング制御
器22の具体的な構成を示す。電流検出器21は、直流
電源50の電流供給路に挿入された電流検出用の抵抗3
11によって構成され、抵抗311に生じる電圧降下に
より直流電源50の通電電流Ig(コイル11,12,
13の合成供給電流)を検出し、電流検出信号Agを出
力する。
【0048】スイッチング制御器22の比較回路331
は、通電指令信号Adと電流検出信号Agを比較した比
較出力信号Crを得る。トリガ発生回路332は、10
0kHz程度の高周波のトリガパルス信号Dpを出力
し、所定時間間隔毎に繰り返して第1の状態保持回路3
33と第2の状態保持回路334をトリガする。
【0049】電路切換指令器23の第1の電路切換指令
信号L1が”L”となる第1の通電モードでは、第1の
状態保持回路333の状態リセット端子Rrが”H”に
なるから、セット端子Sとリセット端子Rへの入力に応
動して第1のスイッチング制御信号W1を”Hb”(高
電位状態)や”Lb”(低電位状態)に変化させる。こ
のとき、第2の状態保持回路334の状態リセット端子
Rrが”L”であるから、セット端子Sとリセット端子
Rへの入力に関わらず第2のスイッチング制御信号W2
は”Lb”(低電位状態)に固定される。
【0050】また、電路切換指令器23の第1の電路切
換指令信号L1が”H”となる第2の通電モードでは、
第2の状態保持回路334の状態リセット端子Rrが”
H”になるから、セット端子Sとリセット端子Rへの入
力に応動して第2のスイッチング制御信号W2を”H
b”や”Lb”に変化させる。このとき、第1の状態保
持回路333の状態リセット端子Rrが”L”であるか
ら、セット端子Sとリセット端子Rへの入力に関わらず
第1のスイッチング制御信号W1は”Lb”に固定され
る。
【0051】まず、第1の通電モードについて説明す
る。第1の状態保持回路333は、トリガパリス信号D
pの立ち上がりエッジにおいて第1のスイッチング制御
信号W1を”Lb”に変化させ、比較出力信号Crの立
ち上がりエッジにおいて第1のスイッチング制御信号W
1を”Hb”に変化させる。第1のスイッチング制御信
号W1が”Lb”の時には、第1の制御トランジスタ3
41,342,343は同時にオフになり、第1の制御
パルス信号Z1,Z2,Z3はオフ(無通電状態)にな
る。従って、第1のパワー増幅器11,12,13はそ
れぞれ第1の増幅電流信号F1,F2,F3を電流増幅
し、コイル2,3,4に負極性電流を供給する電流路を
形成する。第1のスイッチング制御信号W1が”Hb”
の時には、第1の制御トランジスタ341,342,3
43は同時にオンになり、第1の制御パルス信号Z1,
Z2,Z3はオン(低電圧状態)になる。このとき、第
1のパワー増幅器11,12,13の第1のNMOS型
パワートランジスタはすべて同時にオフになる。このよ
うにして、第1のパワー増幅器11,12,13は第1
のスイッチング制御信号W1によりオン状態とオフ状態
をスイッチング制御され、コイルへの駆動電流を通電指
令信号Adに応動するように制御している。なお、第2
の状態保持回路334の第2のスイッチング制御信号W
2が”Lb”であるから、第2の制御トランジスタ35
1,352を介して出力される第2の制御パルス信号Z
hは直流電源50の正極端子側電位になる。その結果、
電路形成器24の電路形成トランジスタ81はオフ状態
に固定される。
【0052】この第1の通電モードの動作について、さ
らに詳細に説明する。トリガパルス信号Dpの立ち上が
りエッジによって第1の状態保持回路333の第1のス
イッチング制御信号W1が”Lb”に変化した時には、
第1の分配器37によって選択分配された第1の分配電
流信号E1,E2,E3が零でない相の第1のパワー増
幅器のパワー部カレントミラー回路が通電状態になる。
たとえば、第1の分配電流信号E1のみが選択されてい
る場合を考えると、第1のパワー増幅器11の第1のN
MOS型パワートランジスタ61が通電状態になる。第
1のNMOS型パワートランジスタ61は、コイル2に
駆動電流I1の負極側電流を十分に供給するために、低
動作電圧のオン状態になる。ここに、NMOS型トラン
ジスタのオン状態とは、低動作電圧の飽和状態であり、
電流流入端子側と電流流出端子側が抵抗性の電圧降下を
生じる状態である。コイルのインダクタンス作用によっ
て、コイル2の駆動電流I1の負極側電流値は徐々に増
加する。従って、直流電源50の供給する通電電流Ig
も増加し、電流検出器21の電流検出信号Agは大きく
なる。電流検出信号Agが通電指令信号Adより大きく
なった瞬間に、比較回路331の比較出力信号Crが立
ち上がりエッジを発生し、第1の状態保持回路333の
第1のスイッチング制御信号W1は”Hb”に変化す
る。第1のスイッチング制御信号W1が”Hb”になる
と、第1のパワー増幅器11,12,13の第1のNM
OS型パワートランジスタ61,62,63はすべて同
時にオフ状態になる。ここに、NMOS型トランジスタ
のオフ状態とは、電流流入端子側から電流流出端子側に
かけて電流を流さない状態である。このとき、コイル2
は駆動電流I1の負極側電流を連続的に流し続けるため
に、コイル2の電力供給端子側の駆動電圧を大きくし、
第2のパワー増幅器15の第2のパワーダイオード65
dを通る電流路を形成する。その結果、コイル2の駆動
電流I1の負極側電流値は徐々に小さくなる。少しの時
間を経過した後に、トリガパルス信号Dpの次の立ち上
がりエッジが到来し、上述のスイッチング動作を繰り返
す。これにより、所定の時間間隔毎に繰り返し発生する
トリガパルス信号Dpによって、第1のパワー増幅器を
高周波スイッチング動作させている。その結果、スイッ
チング周波数は100kHz程度の高周波になるので、
コイルの駆動電流の高周波リップル分は非常に小さくな
る。
【0053】このようにして、直流電源50の通電電流
Ig(パルス電流信号)を通電指令信号Adに応動した
値に制御し、コイル2,3,4への駆動電流を制御す
る。第1のパワー増幅器の第1のNMOS型パワートラ
ンジスタのオン時の通電電流は、直流電源50の通電電
流Igを超えることはない。従って、通電指令信号Ad
に応動した第1の供給電流信号C1を分配増幅して第1
のパワー増幅器に供給することにより、第1のパワー増
幅器の第1のパワートランジスタを確実にオン状態のス
イッチング動作をさせることができる。また、第1の供
給電流信号C1を必要最低限な値にすることにより、第
1の増幅電流信号による電力損失を低減できる。
【0054】さらに、移動体1の移動に伴って第1の分
配電流信号を1相分もしくは2相分に交互に滑らかに分
配しているので、電流路の切換は滑らかになる。たとえ
ば、第1の分配電流信号E1,E2に分配している場合
を考える。トリガパルス信号Dpの立ち上がりエッジに
よって第1の状態保持回路333の第1のスイッチング
制御信号W1が”Lb”に変化した時には、第1のパワ
ー増幅器11の第1のNMOS型パワートランジスタ6
1と第1のパワー増幅器12の第1のNMOS型パワー
トランジスタ62が通電状態になる。第1の分配電流信
号E1に応動して第1のNMOS型パワートランジスタ
61はオン状態になり、コイル2の駆動電流I1の負極
側電流を供給する電流路を形成する。第1の分配電流信
号E2に応動して第1のNMOS型パワートランジスタ
62はオン状態になり、コイル3の駆動電流I2の負極
側電流を供給する電流路を形成する。コイル2,3の駆
動電流I1,I2の負極側電流の合成値が、直流電源5
0の通電電流Igになる。コイルのインダクタンス作用
によって、通電電流Igは徐々に大きくなる。電流検出
信号Agが通電指令信号Adより大きくなると比較出力
信号Crが立ち上がりエッジを発生し、第1のスイッチ
ング制御信号W1が”Hb”に変化し、第1のパワー増
幅器11,12,13の第1のNMOS型パワートラン
ジスタ61,62,63はすべて同時にオフ状態にな
る。コイル2は駆動電流I1の負極側電流を流し続ける
ために、電力供給端子側の駆動電圧を大きくし、第2の
パワー増幅器15の第2のパワーダイオード65dを通
る電流路を形成する。コイル2の駆動電流I1の負極側
電流値は徐々に小さくなる。コイル3は駆動電流I2の
負極側電流を流し続けるために、電力供給端子側の駆動
電圧を大きくし、第2のパワー増幅器16の第2のパワ
ーダイオード66dを通る電流路を形成する。コイル3
の駆動電流I2の負極側電流値は徐々に小さくなる。少
しの時間を経過した後に、トリガパルス信号Dpの次の
立ち上がりエッジが到来し、上述のスイッチング動作を
繰り返す。このようにして、第1の分配電流信号E1,
E2の変化に伴って、コイル2,3の駆動電流I1,I
2の負極側電流値は滑らかにその値を変化させる。他の
相の電流路の切換も同様である。なお、第1の供給電流
信号C1を通電指令信号Adに応動した必要最小限の値
に小さくしているので、通電指令信号Adが変化した場
合にも常に滑らかな電流路の切り換え動作を行ってい
る。
【0055】この第1の通電モードにおいて、電路切換
指令器23の第2の電路切換指令信号L2が”L”であ
るから、通電停止器25の通電トランジスタ91とスイ
ッチ回路95はオン状態にある。従って、第2のパワー
増幅器15,16,17は、第2の分配器38によって
選択分配された第2の分配電流信号G1,G2,G3に
応動した電流を常に流している。たとえば、第2の分配
電流信号G2のみが選択されている場合を考えると、第
2のパワー増幅器16の第2のPMOS型パワートラン
ジスタ66が通電状態になる。第2のPMOS型パワー
トランジスタ66はコイル3に駆動電流I2の正極側電
流を十分に供給するために、低動作電圧のオン状態にな
る。直流電源50の通電電流Ig(コイルへの合成供給
電流)は通電指令信号Adに応動した値に制御されてい
る。従って、通電指令信号Adに応動した第2の供給電
流信号C2を分配増幅して第2のパワー増幅器に供給す
ることにより、第2のパワー増幅器の第2のパワートラ
ンジスタを確実にオン状態にすることができる。また、
第2の供給電流信号C2を必要最低限な値にすることに
より、第2の増幅電流信号による電力損失を低減でき
る。
【0056】さらに、移動体1の移動に伴って第2の分
配電流信号を1相分もしくは2相分に交互に滑らかに分
配しているので、電流路の切換は滑らかになる。たとえ
ば、第2の分配電流信号G2,G3に分配している場合
を考える。第2のパワー増幅器16の第2のPMOS型
パワートランジスタ66と第2のパワー増幅器17の第
2のPMOS型パワートランジスタ67が通電状態にな
る。第2の分配電流信号G2に応動して第2のPMOS
型パワートランジスタ66はオン状態になり、コイル3
の駆動電流I2の正極側電流を供給する。第2の分配電
流信号G3に応動して第2のPMOS型パワートランジ
スタ67はオン状態になり、コイル4の駆動電流I3の
正極側電流を供給する。従って、第2の分配電流信号G
2,G3の変化に伴って、コイル3,4の駆動電流I
2,I3の正極側電流値は滑らかにその値を変化させ
る。他の相の電流路の切換も同様である。なお、第2の
供給電流信号C2を通電指令信号Adに応動して必要最
小限の値に小さくしているので、通電指令信号Adが変
化した場合にも常に滑らかな電流路の切り換え動作を行
っている。
【0057】次に、第2の通電モードについて説明す
る。第2の状態保持回路334は、トリガパリス信号D
pの立ち上がりエッジにおいて第2のスイッチング制御
信号W2を”Hb”に変化させ、比較出力信号Crの立
ち上がりエッジにおいて第2のスイッチング制御信号W
2を”Lb”に変化させる。第2のスイッチング制御信
号W2が”Hb”の時には、第2の制御トランジスタ3
51,352は第2の制御パルス信号Zhを低電位状態
にし、電路形成器24の電路形成トランジスタ81をオ
ンにする。第2のスイッチング制御信号W2が”Lb”
の時には、第2の制御トランジスタ351,352は第
2の制御パルス信号Zhを高電位状態にし、電路形成器
24の電路形成トランジスタ81をオフにする。このよ
うにして、電路形成器24の電路形成トランジスタ81
は第2のスイッチング制御信号W2(第2の制御パルス
信号Zh)によりオン状態とオフ状態を高周波スイッチ
ング制御され、コイルへの合成供給電流Igを通電指令
信号Adに応動するように制御している。なお、第1の
状態保持回路333の第1のスイッチング制御信号W1
が”Lb”であるから、第1の制御トランジスタ34
1,342,343を介して出力される第1の制御パル
ス信号Z1,Z2,Z3はオフ状態(非通電状態)にな
る。その結果、第1のパワー増幅器11,12,13は
第1の増幅電流信号F1,F2,F3を増幅して出力す
る。また、第2の通電モードにおいて、電路切換指令器
23の第2の電路切換指令信号L2が”H”であるか
ら、通電停止器25の通電トランジスタ91およびスイ
ッチ回路95はオフ状態になり、第2のパワー増幅器1
5,16,17は通電停止状態になっている。その結
果、電路形成器24の電路形成トランジスタ81と第1
のパワー増幅器11,12,13によってコイル2,
3,4に片方向の負極性側駆動電流I1,I2,I3が
供給される。
【0058】この第2の通電モードの動作について、さ
らに詳細に説明する。トリガパルス信号Dpの立ち上が
りエッジによって第2の状態保持回路334の第2のス
イッチング制御信号W2が”Hb”に変化した時には、
電路形成器24の電路形成トランジスタ81はオンにな
る。ここで、第1の分配器37によって選択分配された
第1の分配電流信号E1,E2,E3が零でない相の第
1のパワー増幅器のパワー部カレントミラー回路が通電
状態になっている。たとえば、第1の分配電流信号E1
のみが選択されている場合を考えると、第1のパワー増
幅器11の第1のNMOS型パワートランジスタ61が
通電状態になる。第1のNMOS型パワートランジスタ
61は、コイル2に駆動電流I1の負極側電流を十分に
供給するために、低動作電圧のオン状態になる。電路形
成トランジスタ81と第1のNMOS型パワートランジ
スタ61がオンであるから、コイルのインダクタンス作
用によって、コイル2の駆動電流I1の負極側電流値は
徐々に増加する。従って、直流電源50の供給する通電
電流Ig(コイルの合成供給電流)も増加し、電流検出
器21の電流検出信号Agは大きくなる。電流検出信号
Agが通電指令信号Adより大きくなった瞬間に、比較
回路331の比較出力信号Crが立ち上がりエッジを発
生し、第2の状態保持回路334の第2のスイッチング
制御信号W2は”Lb”に変化する。第2のスイッチン
グ制御信号W2が”Lb”になると、電路形成トランジ
スタ81はオフ状態になる。このとき、コイル2は駆動
電流I1の負極側電流を連続的に流し続けるために、コ
イル2の共通接続端子側の駆動電圧を小さくし、電路形
成器24のフライホイールダイオード82を通る電流帰
路を形成する。その結果、コイル2の駆動電流I1の負
極側電流値は徐々に小さくなる。少しの時間を経過した
後に、トリガパルス信号Dpの次の立ち上がりエッジが
到来し、上述のスイッチング動作を繰り返す。これによ
り、所定の時間間隔毎に繰り返し発生するトリガパルス
信号Dpによって、電路形成トランジスタ81を高周波
スイッチング動作させている。その結果、スイッチング
周波数は100kHz程度の高周波になるので、コイル
の駆動電流の高周波リップル分は非常に小さくなる。
【0059】このようにして、直流電源50の通電電流
Ig(コイルへの合成供給電流)を通電指令信号Adに
応動した値に制御し、コイル2,3,4への駆動電流を
制御する。第1のパワー増幅器の第1のNMOS型パワ
ートランジスタのオン時の通電電流は、直流電源50の
通電電流Igを超えることはない。従って、通電指令信
号Adに応動した第1の供給電流信号C1を分配増幅し
て第1のパワー増幅器に供給することにより、第1のパ
ワー増幅器の第1のパワートランジスタを確実にオン状
態にさせることができる。また、第1の供給電流信号C
1を必要最低限な値にすることにより、第1の増幅電流
信号による電力損失を低減できる。
【0060】さらに、移動体1の移動に伴って第1の分
配電流信号を1相分もしくは2相分に交互に滑らかに分
配しているので、電流路の切換は滑らかになる。たとえ
ば、第1の分配電流信号E1,E2に分配している場合
を考える。このとき、第1のパワー増幅器11の第1の
NMOS型パワートランジスタ61と第1のパワー増幅
器12の第1のNMOS型パワートランジスタ62が通
電状態になる。第1の分配電流信号E1に応動して第1
のNMOS型パワートランジスタ61はオン状態にな
り、コイル2の駆動電流I1の負極側電流を供給する電
流路を形成する。第1の分配電流信号E2に応動して第
1のNMOS型パワートランジスタ62はオン状態にな
り、コイル3の駆動電流I2の負極側電流を供給する電
流路を形成する。コイル2,3の駆動電流I1,I2の
負極側電流の合成値が、直流電源50の通電電流Igに
なる。トリガパルス信号Dpの立ち上がりエッジによっ
て第2の状態保持回路334の第2のスイッチング制御
信号W2が”Hb”に変化した時には、電路形成トラン
ジスタ81がオン状態になる。コイルのインダクタンス
作用によって、通電電流Igは徐々に大きくなる。電流
検出信号Agが通電指令信号Adより大きくなると比較
出力信号Crが立ち上がりエッジを発生し、第2のスイ
ッチング制御信号W2が”Lb”に変化し、電路形成ト
ランジスタ81はオフ状態になる。コイル2およびコイ
ル3は駆動電流I1,I2の負極側電流を流し続けるた
めに、共通接続端子側の駆動電圧を小さくし、フライホ
イールダイオード82を通る電流帰路を形成する。コイ
ル2およびコイル3の駆動電流I1,I2の負極側電流
値は徐々に小さくなる。少しの時間を経過した後に、ト
リガパルス信号Dpの次の立ち上がりエッジが到来し、
上述のスイッチング動作を繰り返す。このようにして、
第1の分配電流信号E1,E2の変化に伴って、コイル
2,3の駆動電流I1,I2の負極側電流値は滑らかに
その値を変化させる。他の相の電流路の切換も同様であ
る。なお、第1の供給電流信号C1を通電指令信号Ad
に応動した必要最小限の値に小さくしているので、通電
指令信号Adが変化した場合にも常に滑らかな電流路の
切り換え動作を行っている。
【0061】なお、この第2の通電モードにおいて、電
路切換指令器23の第2の電路切換指令信号L2が”
H”であるから、通電停止器25の通電トランジスタ9
1およびスイッチ回路95はオフ状態にある。従って、
第2のパワー増幅器15,16,17の第2のPMOS
型パワートランジスタ65,66,67は、通電停止状
態(オフ状態)にされている。また、PMOS型通電ト
ランジスタ91は逆接続されているので寄生ダイオード
91dは逆流素子ダイオードになり、移動体1の回転動
作に伴ってコイル2,3,4に大きな逆起電力が生じて
も、パワーダイオード65d,66d,67dを介して
直流電源50の正極端子側に不要な電流が流れる事を防
止している。
【0062】図1の第1のパワー増幅器11,12,1
3の第1のNMOS型パワートランジスタ61,62,
63と第2のパワー増幅器15,16,17の第2のP
MOS型パワートランジスタ65,66,67と電路形
成器24の電路形成トランジスタ81と通電停止器25
の通電トランジスタ91は、通電指令器20や電流検出
器21やスイッチング制御器22や電路切換指令器23
や電路形成器24や通電停止器25や電流供給器30や
切換作成器34や分配作成器36や第1の電流増幅器4
1,42,43や第2の電流増幅器45,46,47の
所要のトランジスタや抵抗等と一緒に単一のシリコン基
板上に集積回路化されている。図8に集積回路プロセス
の一例を示す。P型シリコン基板上に所要のN+層やN
−層等を拡散させて各種のトランジスタを形成してい
る。番号291は横型二重拡散の電界効果トランジスタ
の例であり、たとえば、第1のNMOS型パワートラン
ジスタとして使用する。同様に、第2のPMOS型パワ
ートランジスタやPMOS型電路形成トランジスタやP
MOS型通電トランジスタも同一チップ上に形成でき
る。番号292はNPN型バイポーラトランジスタの例
であり、番号293はPNP型バイポーラトランジスタ
の例であり、信号増幅トランジスタとして使用する。番
号294はPチャンネルおよびNチャンネルのCMOS
型電界効果トランジスタの例であり、論理信号処理に使
用する。また、各トランジスタの間は、アース電位(0
V)に接続されたシリコン基板と同電位になるP層によ
って接合分離される。接合分離された集積回路は、誘電
分離された集積回路と比較して、低コストの製造プロセ
スを用いて、小さな1チップ基板上に多数のパワー用ト
ランジスタ素子や信号用トランジスタを高密度に集積化
できる。すなわち、安価に集積回路化できる。なお、具
体的なマスク配置は設計事項であり、詳細な説明を省略
する。
【0063】次に、図1のモータの全体的な動作につい
て、簡単に説明する。まず、第1の通電モードについて
説明する。電路切換指令器23の電路切換指令信号L
1,L2は”L”であり、通電停止器25の通電トラン
ジスタ91およびスイッチ回路95はオンになる。ま
た、スイッチング制御器22の第2の制御パルス信号Z
hは”H”になり、電路形成器24の電路形成トランジ
スタ81はオフになっている。
【0064】切換作成器34は、滑らかに変化する3相
の切換電流信号D1,D2,D3を作りだし、分配作成
器36の第1の分配器37と第2の分配器38に供給す
る。第1の分配器37は、電流供給器30の第1の供給
電流信号C1を3相の切換電流信号D1,D2,D3に
応動して分配し、3相の第1の分配電流信号E1,E
2,E3を出力する。第1の電流増幅器41,42,4
3は、それぞれ第1の分配電流信号E1,E2,E3を
所定倍の電流増幅し、第1の増幅電流信号F1,F2,
F3を出力し、第1のパワー増幅器11,12,13の
各通電制御端子側に供給する。第1のパワー増幅器1
1,12,13の第1のNMOS型パワートランジスタ
61,62,63は、スイッチング制御器22の第1の
スイッチング制御信号W1に応動した第1の制御パルス
信号Z1,Z2,Z3によって高周波のスイッチング動
作する。第1のスイッチング制御信号W1が”Lb”の
時には、第1のパワー増幅器11,12,13はそれぞ
れ第1の増幅電流信号F1,F2,F3を電流増幅し、
3相のコイル2,3,4に駆動電流I1,I2,I3の
負極側電流を供給する電流路を形成する。第1のスイッ
チング制御信号W1が”Hb”時には、第1のパワー増
幅器11,12,13の第1のNMOS型パワートラン
ジスタ61,62,63はすべてオフになる。このと
き、3相のコイル2,3,4に駆動電流I1,I2,I
3の負極側電流を供給する電流路は、第2のパワー増幅
器15,16,17の第2のパワーダイオード65d,
66d,67dによって形成される。その結果、コイル
への駆動電流は連続的に変化し、滑らかな駆動電流が供
給される。
【0065】電流検出器21は直流電源50の通電電流
Igを検出し、通電電流Igに応動した電流検出信号A
gを出力する。スイッチング制御器22は、通電指令器
20の通電指令信号Adと電流検出器21の電流検出信
号Agの両者を比較し、その比較結果に応動して第1の
スイッチング制御信号W1を変化させ、第1のパワー増
幅器11,12,13の第1のNMOS型パワートラン
ジスタ61,62,63(および第1の電界効果型パワ
ー部カレントミラー回路)を同時にオフさせる。その結
果、第1の分配電流信号によって通電状態となる第1の
パワー増幅器が高周波スイッチング動作を行ない、直流
電源50の通電電流Igおよびコイルへの供給電流を通
電指令信号Adに応動した値に制御する。なお、電流供
給器30と第1の分配器37と第1の電流増幅器41,
42,43は第1の分配制御ブロックを形成し、第1の
パワー増幅器11,12,13の第1のNMOS型パワ
ートランジスタ61,62,63の通電分配を制御して
いる。
【0066】一方、第2の分配器38は、電流供給器3
0の第2の供給電流信号C2を3相の切換電流信号D
1,D2,D3に応動して分配し、3相の第2の分配電
流信号G1,G2,G3を出力する。第2の電流増幅器
45,46,47は、それぞれ第2の分配電流信号G
1,G2,G3を所定倍の電流増幅し、第2の増幅電流
信号H1,H2,H3を出力し、第2のパワー増幅器1
5,16,17の各通電制御端子側に供給する。第2の
パワー増幅器15,16,17の第2のPMOS型パワ
ートランジスタ65,66,67は、それぞれ第2の増
幅電流信号H1,H2,H3を電流増幅し、3相のコイ
ル2,3,4に駆動電流I1,I2,I3の正極側電流
を供給する電流路を滑らかに切り換える。すなわち、電
流供給器30と第2の分配器38と第2の電流増幅器4
5,46,47は第2の分配制御ブロックを形成し、第
2のパワー増幅器15,16,17の第2のPMOS型
パワートランジスタ65,66,67の通電分配を制御
している。
【0067】第1の分配器37の第1の分配電流信号の
滑らかな変化に応動して、第1のパワー増幅器の第1の
パワートランジスタの供給する駆動電流も滑らかに変化
する。従って、第1のパワー増幅器11,12,13に
よるコイル2,3,4への電流路の切換が滑らかに行わ
れ、駆動電流の脈動が極めて小さくなる。同様に、第2
の分配器38の第2の分配電流信号の滑らかな変化に応
動して、第2のパワー増幅器の第2のパワートランジス
タの供給する駆動電流も滑らかに変化する。従って、第
2のパワー増幅器15,16,17によるコイル2,
3,4への電流路の切換が滑らかに行われ、駆動電流の
脈動が小さくなる。
【0068】また、第1の分配器37と第2の分配器3
8の動作によって、同一相の第1の分配電流信号と第2
の分配電流信号は相補的に流れるので、第1のパワー増
幅器の第1のNMOS型パワートランジスタと第2のパ
ワー増幅器の第2のPMOS型パワートランジスタも相
補的に動作する。従って、滑らかに連続的に変化する両
方向の駆動電流がコイルに供給され、かつ、同一相の第
1のパワートランジスタと第2のパワートランジスタに
よる短絡電流は生じない。その結果、モータの発生駆動
力の脈動は大幅に小さくなり、振動の少ない高性能なモ
ータになる。
【0069】次に、第2の通電モードについて説明す
る。電路切換指令器23の電路切換指令信号L1,L2
は”H”になり、通電停止器25の通電トランジスタ9
1およびスイッチ回路95はオフになる。また、スイッ
チング制御器22の第1の制御パルス信号Z1,Z2,
Z3はオフになる。
【0070】切換作成器34は、滑らかに変化する3相
の切換電流信号D1,D2,D3を作りだし、分配作成
器36の第1の分配器37と第2の分配器38に供給す
る。第1の分配器37は、電流供給器30の第1の供給
電流信号C1を3相の切換電流信号D1,D2,D3に
応動して分配し、3相の第1の分配電流信号E1,E
2,E3を出力する。第1の電流増幅器41,42,4
3は、それぞれ第1の分配電流信号E1,E2,E3を
所定倍の電流増幅し、第1の増幅電流信号F1,F2,
F3を出力し、第1のパワー増幅器11,12,13の
各通電制御端子側に供給する。第1のパワー増幅器1
1,12,13の第1のNMOS型パワートランジスタ
61,62,63は、第1の増幅電流信号F1,F2,
F3を増幅して出力する。
【0071】一方、通電停止器25の動作により、第2
のパワー増幅器15,16,17の第2のPMOS型パ
ワートランジスタ65,66,67は、コイル2,3,
4への通電を停止している。
【0072】電流検出器21は直流電源50の通電電流
Igを検出し、通電電流Igに応動した電流検出信号A
gを出力する。スイッチング制御器22は、通電指令器
20の通電指令信号Adと電流検出器21の電流検出信
号Agの両者を比較し、その比較結果に応動して第2の
スイッチング制御信号W2を変化させ、第2の制御パル
ス信号Zhによって電路形成器24の電路形成トランジ
スタ81をオン・オフ制御する。その結果、電路形成ト
ランジスタ81が高周波スイッチング動作を行ない、直
流電源50の通電電流Igおよびコイルへの供給電流を
通電指令信号Adに応動した値に制御する。なお、電流
供給器30と第1の分配器37と第1の電流増幅器4
1,42,43は第1の分配制御ブロックを形成し、第
1のパワー増幅器11,12,13の第1のNMOS型
パワートランジスタ61,62,63の通電分配を制御
している。第1の分配器37の第1の分配電流信号の滑
らかな変化に応動して、第1のパワー増幅器の第1のパ
ワートランジスタの供給する駆動電流も滑らかに変化す
る。従って、第1のパワー増幅器11,12,13によ
るコイル2,3,4への電流路の切換が滑らかに行わ
れ、駆動電流の脈動が極めて小さくなる。その結果、モ
ータの発生駆動力の脈動は大幅に小さくなり、振動の少
ない高性能なモータになる。
【0073】本実施の形態では、第1の通電モードにお
いて、第1のパワー増幅器の第1のNMOS型パワート
ランジスタを高周波スイッチング動作させているので、
第1のパワー増幅器の電力損失は小さい。第2のパワー
増幅器の第2のPMOS型パワートランジスタを低動作
電圧にて飽和動作させているので、第2のパワー増幅器
の電力損失は少ない。従って、電力効率の良いモータに
なる。さらに、第1の供給電流信号C1と第2の供給電
流信号C2を通電指令信号Adに応動して変化させ、第
1のパワー増幅器や第2のパワー増幅器への入力電流に
よる電力損失も小さくしている。
【0074】また、第2の通電モードにおいて、電路形
成器の電路形成トランジスタを高周波スイッチング動作
させているので、電路形成器の電力損失は小さい。第1
のパワー増幅器の第1のNMOS型パワートランジスタ
を低動作電圧にて飽和動作させているので、第1のパワ
ー増幅器の電力損失は少ない。従って、電力効率の良い
モータになる。さらに、第1の供給電流信号C1を通電
指令信号Adに応動して変化させ、第1のパワー増幅器
や第2のパワー増幅器への入力電流による電力損失も小
さくしている。
【0075】このように、コイルに両方向の駆動電流を
供給する第1の通電モード、および、コイルに片方向の
駆動電流を供給する第2の通電モードを適時切り換える
ようにするならば、起動時や低速回転時に大きなトルク
を得ることができ、かつ、直流電源の電源電圧による回
転数の制約を上回る高速回転を実現できる。なお、第1
の通電モードにおいて、第1のパワー増幅器と第2のパ
ワー増幅器の少なくとも一方をスイッチング動作させる
ことにより、電力効率の良いモータになる。すなわち、
第2のパワー増幅器のスイッチング動作、もしくは、第
1のパワー増幅器と第2のパワー増幅器の両方のスイッ
チング動作によっても、第1の通電モードを実現でき
る。
【0076】また、本実施の形態では、第1の供給電流
信号C1を移動体1の回転移動動作に伴って1相分もし
くは2相分に交互に分配し、滑らかに変化する3相の第
1の分配電流信号を作り出し、第1のパワー増幅器の第
1のパワー部カレントミラー回路に供給した。これによ
り、第1のパワー増幅器11,12,13の第1のNM
OS型パワートランジスタ61,62,63は高周波ス
イッチング動作しながら、コイル2,3,4への駆動電
流I1,I2,I3の負極側電流を滑らかに変化させ
る。同様に、第2の供給電流信号C2を移動体1の回転
移動動作に伴って1相分もしくは2相分に交互に分配
し、滑らかに変化する3相の第2の分配電流信号を作り
出し、第2のパワー増幅器の第2のパワー部カレントミ
ラー回路に供給した。これにより、第2のパワー増幅器
15,16,17の第2のPMOS型パワートランジス
タ65,66,67は、コイル2,3,4への駆動電流
I1,I2,I3の正極側電流を滑らかに変化させる。
その結果、駆動電流の脈動が大幅に小さくなり、駆動力
の脈動やモータ振動は著しく小さくなる。さらに、第1
の供給電流信号C1と第2の供給電流信号C2を通電指
令信号Adに比例して変化させ、直流電源50の供給す
る通電電流が小さい時に第1の供給電流信号C1と第2
の供給電流信号C2を小さくしている。これにより、コ
イルへの供給電流の大きさが変化しても、常に滑らかな
電流路の切換を実現している。
【0077】また、本実施の形態では、第1の通電モー
ドにおいて、直流電源50の通電電流Igを電流検出器
21にて検出し、通電指令信号Adと電流検出器21の
出力信号Agを比較し、その比較結果に応動して第1の
パワー増幅器を高周波スイッチング制御する。これによ
り、通電指令信号Adに応動した正確な通電電流Igを
3相のコイル2,3,4に分配供給でき、通電指令信号
Adによりモータ発生力を正確に制御できる。また、ト
リガパルス信号Dpの繰り返しタイミングにおいて選択
された第1のパワー増幅器をオンさせ、通電指令信号A
dと電流検出器21の出力信号Agの比較結果によって
第1のパワー増幅器を同時にオフ状態に変えるので、極
めて簡単な構成によって通電電流Igの制御が実現でき
る。すなわち、移動体1の回転移動に伴って1相分もし
くは2相分の第1のパワー増幅器が活性になっている
が、オフにするときには3相分の第1のパワー増幅器1
1,12,13を同時にオフ状態にすればよいので、構
成が簡単である。また、高周波スイッチングのタイミン
グ管理が1個であるから、電流検出器21による電流検
出動作が安定になる。
【0078】同様に、第2の通電モードにおいて、直流
電源50の通電電流Igを電流検出器21にて検出し、
通電指令信号Adと電流検出器21の出力信号Agを比
較し、その比較結果に応動して電路形成トランジスタを
高周波スイッチング制御する。これにより、通電指令信
号Adに応動した正確な通電電流Igを3相のコイル
2,3,4に分配供給でき、通電指令信号Adによりモ
ータ発生力を正確に制御できる。また、第2の通電モー
ドを形成する多くの構成部分は第1の通電モードの場合
と共用化できるので、全体構成が極めて簡素になる。ま
た、高周波スイッチングのタイミング管理が1個である
から、電流検出器21による電流検出動作が安定にな
る。
【0079】本実施の形態では、集積回路化に好適のモ
ータ構成になっている。パワー素子としてパワートラン
ジスタとその寄生素子として形成されるパワーダイオー
ドを使用して構成しているので、製造コストが安く、小
さなチップ上に集積回路化することが可能である。ま
た、通電指令器20,電流検出器21,スイッチング制
御器22,電路切換指令器23,電路形成器24,通電
停止器25,電流供給器30,切換作成器34,分配作
成器36(第1の分配器37と第2の分配器38),3
個の第1の電流増幅器41,42,43,3個の第2の
電流増幅器45,46,47の所要のトランジスタや抵
抗を、パワートランジスタと同一チップ上に接合分離し
て集積回路化できる。
【0080】また、各パワー素子における発熱を極めて
小さくし、集積回路化に適した構成にしている。スイッ
チング動作もしくは低動作電圧の飽和動作しながら電流
路を形成しているので、第1のNMOS型パワートラン
ジスタや第2のPMOS型パワートランジスタやPMO
S型電路形成トランジスタやPMOS型通電トランジス
タにおける電力損失・発熱が極めて小さい。従って、こ
れらのパワー素子を1チップに集積回路化しても、放熱
板等の発熱対策は不要である。
【0081】また、第1のパワー増幅器に第1のNMO
S型パワートランジスタを使用し、第2のパワー増幅器
に第2のPMOS型パワートランジスタを使用し、電路
形成器にPMOS型電路形成トランジスタを使用し、通
電停止器にPMOS型通電トランジスタを使用すること
により、これらのパワー素子を通電制御するために、直
流電源50以外の電圧源が不要であり、全体構成は極め
て簡素になる。
【0082】また、本実施の形態では、集積回路化に適
したパワー部カレントミラー回路を使用し、パワー増幅
器の電流増幅率のバラツキを小さくした。特に、電界効
果型トランジスタは非線形な電圧増幅特性を有している
が、電界効果型パワー部カレントミラー回路を構成する
ことによって線形な電流増幅特性にした。集積回路化し
た第1の電界効果型パワー部カレントミラー回路の電流
増幅率は、カレントミラー回路を構成する電界効果型ト
ランジスタのチップ面積比で決まる。そのため、第1の
パワー増幅器11,12,13の電流増幅率のバラツキ
は非常に小さくなる。これにより、第1の分配制御ブロ
ックと第1のパワー増幅器の合成の電流増幅利得を所定
の値にできる。第1の供給電流信号C1を通電指令信号
Adに応動して変化させることにより、第1のパワー増
幅器の通電制御端子への第1の増幅電流信号を必要最小
限に小さくできる。その結果、コイルへの供給電流が変
化しても、第1のパワー増幅器によって滑らかな電流路
の切換を実現できる。同様に、第2のパワー増幅器を電
界効果型パワートランジスタを用いた第2の電界効果型
パワー部カレントミラー回路により構成しているので、
第2のパワー増幅器の通電制御端子側の入力電流を増幅
して出力する。集積回路化した第2の電界効果型パワー
部カレントミラー回路の電流増幅率はチップ面積比で決
まるために、第2のパワー増幅器15,16,17の電
流増幅率のバラツキは非常に小さい。これにより、第2
の分配制御ブロックと第2のパワー増幅器の合成の電流
増幅利得を所定の値にできる。第2の供給電流信号C2
を通電指令信号Adに応動して変化させることにより、
第2のパワー増幅器の通電制御端子への第2の増幅電流
信号を必要最小限に小さくできる。その結果、コイルへ
の供給電流が変化しても、第2のパワー増幅器によって
滑らかな電流路の切換を実現できる。このような効果
は、増幅特性が大幅に異なるNチャンネル電界効果型パ
ワートランジスタとPチャンネル電界効果型パワートラ
ンジスタを混在させて使用した場合に顕著になる。すな
わち、Nチャンネル電界効果型パワートランジスタを用
いた第1の電界効果型パワー部カレントミラー回路の電
流増幅率、および、Pチャンネル電界効果型トランジス
タを用いた第2の電界効果型パワー部カレントミラー回
路の電流増幅率を、バラツキなく所定の値にすることが
容易に実現できる。
【0083】また、本実施の形態では、第1の通電モー
ドにおいて、集積回路の接合分離部分を含んだ寄生トラ
ンジスタの動作を防止している。集積回路の接合分離部
分は直流電源の負極端子側電位(アース電位)に接続さ
れる。集積回路に内蔵されたトランジスタの出力端子電
位がアース電位よりもダイオード順方向電圧分低くなる
と、寄生トランジスタが動作し、他のトランジスタ素子
から電流を抜き取る現象が生じる。そのため、集積回路
動作に支障をきたし、動作異常が生じてしまう。本実施
の形態では、第1のNMOS型パワートランジスタだけ
を高周波スイッチング動作させ、コイルに電流を供給す
る構成にした。第1のNMOS型パワートランジスタの
電流流出端子側は直流電源の負極端子側に接続されてい
るので、第1のパワートランジスタの電流流入端子側電
位および電流流出端子側電位はアース電位以下にならな
い。従って、集積回路の接合分離部分を含めた寄生的な
トランジスタが動作しない。これは、モータコイルに大
電流を供給するパワー素子を集積回路化する上で、極め
て重要な事項である。これにより、3相のコイルへの電
流路を電子的に滑らかに切り換えるモータ回路を、1チ
ップのシリコン基板上に接合分離して集積回路化するこ
とを可能にした。
【0084】なお、本実施の形態では、第1のパワー増
幅器11,12,13と第2のパワー増幅器15,1
6,17と通電指令器20と電流検出器21とスイッチ
ング制御器22と電路切換指令器23と電路形成器24
と通電停止器25と電流供給器30と切換作成器34と
分配作成器36(第1の分配器37と第2の分配器3
8)と第1の電流増幅器41,42,43と第2の電流
増幅器45,46,47によって、3相の負荷(コイル
2,3,4)への駆動電流を供給する駆動回路を形成し
ている。
【0085】また、前述の本実施の形態の切換作成器3
4は、磁電変換素子を使用した位置検出部100を含ん
で構成した。しかし、そのような素子を用いることな
く、たとえば、コイル2,3,4に生じる逆起電圧を利
用して切換信号D1,D2,D3を作り出しても良い。
【0086】(実施の形態2)図10に本発明の実施の
形態2のモータを示す。図10に全体構成を示す。本実
施の形態は、前述の実施の形態1において、電路形成器
524のフライホイールダイオード582の接続個所を
変更したものである。その他の構成において、前述の実
施の形態1と同様なものには同一の番号を付し、詳細な
説明を省略する。
【0087】図10の電路形成器524のフライホイー
ルダイオード582は、コイルの共通接続端子側と第1
のパワー増幅器の共通接続端子側の間に接続されてい
る。フライホイールダイオード582は、第2の通電モ
ードにおいて、電路形成トランジスタ81のオン・オフ
動作に相補的にオフ・オン動作し、コイルの共通接続端
子への電流帰路を形成する。このような接続にしても、
電流検出器21やスイッチング制御器22による電路形
成器24の電路形成トランジスタ81のスイッチング制
御・通電電流制御を正確に行うことができる。また、フ
ライホイールダイオード582による電流帰路形成時
に、電流検出器21での電力損失を無くしているので、
本実施例の電力効率はさらに良くなっている。
【0088】その他の構成及び動作は、前述の実施の形
態1と同様であり、詳細な説明を省略する。
【0089】さらに、本実施の形態でも、前述の実施の
形態と同様な各種の利点を得ることができる。
【0090】なお、前述の各実施の形態の具体的な構成
については、各種の変形が可能である。たとえば、各相
のコイルは複数個のコイルを直列もしくは並列に接続し
て構成しても良い。また、コイルの相数は3相に限定さ
れない。
【0091】また、移動体は回転移動に限らず、直進移
動しても良い。移動体の磁極数は2極に限定されるもの
ではなく、多極にしても良く、また、磁性歯を用いても
良い。
【0092】また、切換作成器の構成は、2個の位置検
出素子に限定されるものではなく、3個以上の位置検出
素子を使用しても良い。また、切換作成器は磁電変換素
子を使用した位置検出部を含んで構成したが、そのよう
な場合に限らず、たとえば、コイルに生じる逆起電圧を
利用して切換信号を作り出しても良い。
【0093】また、分配作成器の第1の分配器や第2の
分配器の構成は、前述の実施の形態に限定されるもので
はない。駆動電流の極性が変化する時に連続的に電流値
を変化させることが駆動電流の脈動を防ぐ意味で好まし
いが、たとえば、同一相の第1の分配電流信号と第2の
分配電流信号が同時に零になる期間があり、その相の駆
動電流を零にする時間が存在してもかまわない。
【0094】また、パワートランジスタに二重拡散型M
OS構造の電界効果型トランジスタを用いて、この電界
効果型トランジスタに逆接続される寄生ダイオードをパ
ワーダイオードとして使用し、構成を簡素にした。パワ
ーダイオードはパワートランジスタと一緒に集積回路内
に形成することが可能であるが、必要に応じて、集積回
路に外付けしても良く、本発明に含まれることは言うま
でもない。たとえば、パワートランジスタに並列にショ
ットキー型のパワーダイオードを逆接続してもよい。ま
た、第1のパワーダイオードや第2のパワーダイオード
やその他のダイオードは必要に応じて接続すれば良い。
さらに、フライホイールダイオードの部分にNMOS型
同期整流トランジスタを使用し、同期整流トランジスタ
を電路形成トランジスタと相補的にオフ・オン動作させ
て電流帰路を形成しても良い。その他、電路形成トラン
ジスタと相補的にオフ・オン動作して電流帰路を形成す
る素子構成・手段で有れば、フライホイールダイオード
の代わりに利用可能である。
【0095】また、電路形成器の電路形成トランジスタ
をコイルの共通接続端子と直流電源の一端に直接接続し
たが、本発明はそのような場合に限らず、たとえば、整
流用のインダクタンス素子やコンデンサ素子による整流
回路を介してコイルの共通接続端子側への電流路を形成
するようにしてもよい。
【0096】また、第1のパワー増幅器の第1のパワー
部カレントミラー回路や第2のパワー増幅器の第2のパ
ワー部カレントミラー回路や第1の電流増幅器の第1の
増幅部カレントミラー回路や第2の電流増幅器の第2の
増幅部カレントミラー回路は、所定の電流増幅率での線
形な電流増幅動作をさせた方が、脈動の少ない駆動電流
をコイルに供給できるので好ましい。しかし、本発明は
そのような場合に限定されるものではない。たとえば、
抵抗を挿入されたカレントミラー回路で構成したり、複
数段のカレントミラー回路を縦続接続して複合カレント
ミラー回路を構成したり、大電流時に電流増幅率が大き
くなるような非線形な電流増幅をするカレントミラー回
路を使用するようにしても良い。また、リーク吸収用の
回路、通電制御端子側の容量に蓄えられていた電荷を放
電する回路、等を設けても良い。
【0097】また、第1の制御パルス信号に連動して、
第1の電流増幅器や第2の電流増幅器の入力信号も一緒
にオン・オフさせても良い。さらに、第1の制御パルス
信号に連動して、スイッチング動作に関係する第1の供
給電流信号C1もしくは第2の供給電流信号C2の値を
変化させるようにしても良い。たとえば、パワー増幅器
がオフ状態からオン状態になる場合に、パワートランジ
スタのオン立ち上がりを高速化するために、関連する供
給電流信号を必要に応じた短時間大きくすることも可能
である。また、通電停止器は前述の実施の形態に示した
ものに、限定されない。
【0098】また、電流を通電している第1のパワー増
幅器のオン・オフのスイッチング動作に連動して、対応
する同一相の第2のパワー増幅器を相補的にオフ・オン
のスイッチング動作させ、パワーダイオードによる電力
損失を低減することも可能であり、本発明に含まれるこ
とは言うまでもない。
【0099】また、分配作成器や電流供給器や切換作成
器や第1の電流増幅器や第2の電流増幅器やスイッチン
グ制御器や通電指令器におけるトランジスタやダイオー
ドを、適時、FETトランジスタ(電界効果トランジス
タ)を用いて構成するようにしても良い。
【0100】なお、集積回路化には、周知の半導体プロ
セスによる1チップ集積回路技術が使用可能であること
は、言うまでもない。たとえば、二重拡散MOS型FE
TトランジスタやバイポーラトランジスタやCMOSト
ランジスタが使用できる1チップ集積回路技術、二重拡
散MOS型FETトランジスタやCMOSトランジスタ
が使用できる1チップ集積回路技術、CMOSトランジ
スタによる1チップ集積回路技術などがある。いずれ
も、誘電分離技術による集積回路よりも高密度に集積回
路化できる。1チップ内の具体的なトランジスタ配置や
接合分離のための拡散層の形成配置は、個々の集積回路
設計によって異なるので、詳細な説明を省略する。
【0101】その他、本発明の主旨を変えずして種々の
変形が可能であり、本発明に含まれることはいうまでも
ない。
【0102】
【発明の効果】本発明のモータでは、パワー増幅器のパ
ワートランジスタをスイッチング制御している。これに
より、パワー増幅器の電力損失・発熱が少なくなり、電
力効率の良いモータになる。また、滑らかに変化する分
配電流信号をパワー増幅器の通電制御端子に供給するこ
とにより、電流路の切り換えを簡単に滑らかに行わせる
ことができる。その結果、駆動電流の脈動が小さくな
り、発生力の脈動やモータ振動が大幅に小さくなる。ま
た、パワートランジスタなどのパワー素子の発熱が小さ
いので、1チップのシリコン基板上に低コストかつ高精
度に集積回路化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における全体構成を示す
【図2】実施の形態1における切換作成器34の回路図
【図3】実施の形態1における電流供給器30の回路図
【図4】実施の形態1における分配作成器36(第1の
分配器37と第2の分配器38)の回路図
【図5】実施の形態1における第1の電流増幅器41,
42,43の回路図
【図6】実施の形態1における第2の電流増幅器45,
46,47の回路図
【図7】実施の形態1における電流検出器21とスイッ
チング制御器22の回路図
【図8】実施の形態1における集積回路の一部を示す図
【図9】実施の形態1における切換電流信号D1,D
2,D3と第1の分配電流信号E1,E2,E3と第2
の分配電流信号G1,G2,G3の波形図
【図10】本発明の実施の形態2における全体構成を示
す図
【図11】従来のモータの構成を示す図
【符号の説明】
1 移動体 2,3,4 コイル 11,12,13 第1のパワー増幅器 15,16,17 第2のパワー増幅器 20 通電指令器 21 電流検出器 22 スイッチング制御器 23 電路切換指令器 24,524 電路形成器 25 通電停止器 30 電流供給器 34 切換作成器 36 分配作成器 37 第1の分配器 38 第2の分配器 41,42,43 第1の電流増幅器 45,46,47 第2の電流増幅器 50 直流電源

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定体上に配設され、移動体に対して複数
    相の磁束を発生する複数相のコイルと、電力供給源とな
    る直流電源手段と、前記直流電源手段の負極端子側に接
    続された第1のパワートランジスタをそれぞれ含み、前
    記コイルと前記直流電源手段の負極端子側の電流路を形
    成するQ個(Qは3以上の整数)の第1のパワー増幅手
    段と、前記直流電源手段の正極端子側に接続された第2
    のパワートランジスタをそれぞれ含み、前記コイルと前
    記直流電源手段の正極端子側の電流路を形成するQ個の
    第2のパワー増幅手段と、電路形成トランジスタを含
    み、前記コイルの共通接続端子と前記直流電源手段の一
    端の間の電流路を形成する電路形成手段と、前記第1の
    パワートランジスタと前記第2のパワートランジスタの
    少なくとも一方、もしくは、前記電路形成トランジスタ
    を適時スイッチング動作させるスイッチング制御手段
    と、前記電路形成トランジスタをオフにし、前記第1の
    パワートランジスタと前記第2のパワートランジスタの
    少なくとも一方をスイッチング動作させ、前記第1のパ
    ワートランジスタと前記第2のパワートランジスタによ
    って前記コイルへの電流路を形成する第1の通電モー
    ド、および、前記電路形成トランジスタをスイッチング
    動作させ、前記第1のパワートランジスタと前記第2の
    パワートランジスタの少なくとも一方と前記電路形成ト
    ランジスタによって前記コイルへの電流路を形成する第
    2の通電モードを、適時切り換える電路切換手段を具備
    するモータ。
  2. 【請求項2】固定体上に配設され、移動体に対して複数
    相の磁束を発生する複数相のコイルと、電力供給源とな
    る直流電源手段と、前記直流電源手段の負極端子側に接
    続された第1のパワートランジスタをそれぞれ含み、前
    記コイルと前記直流電源手段の負極端子側の電流路を形
    成するQ個(Qは3以上の整数)の第1のパワー増幅手
    段と、前記直流電源手段の正極端子側に接続された第2
    のパワートランジスタをそれぞれ含み、前記コイルと前
    記直流電源手段の正極端子側の電流路を形成するQ個の
    第2のパワー増幅手段と、電路形成トランジスタを含
    み、前記コイルの共通接続端子と前記直流電源手段の正
    極端子側の間の電流路を形成する電路形成手段と、前記
    第1のパワートランジスタ、もしくは、前記電路形成ト
    ランジスタを適時スイッチング動作させるスイッチング
    制御手段と、前記電路形成トランジスタをオフにし、前
    記第1のパワートランジスタをスイッチング動作させ、
    前記第1のパワートランジスタと前記第2のパワートラ
    ンジスタによって前記コイルへの電流路を形成する第1
    の通電モード、および、前記電路形成トランジスタをス
    イッチング動作させ、前記第1のパワートランジスタと
    前記電路形成トランジスタによって前記コイルへの電流
    路を形成する第2の通電モードを、適時切り換える電路
    切換手段を具備するモータ。
  3. 【請求項3】スイッチング制御手段は、直流電源手段の
    供給する通電電流に応動した出力信号と通電指令信号を
    比較し、第1の通電モードでは、比較結果に応動して前
    記第1のパワートランジスタと前記第2のパワートラン
    ジスタの少なくとも一方をスイッチング動作させ、第2
    の通電モードでは、比較結果に応動して前記電路形成ト
    ランジスタをスイッチング動作させた請求項1または請
    求項2のいずれかに記載のモータ。
  4. 【請求項4】さらに、第2の通電モードにおいて、前記
    前記第1のパワートランジスタもしくは前記第2のパワ
    ートランジスタの一方の電流路形成動作を停止させる通
    電停止手段を有する請求項1から請求項3のいずれかに
    記載のモータ。
  5. 【請求項5】第1のパワー増幅手段は第1の電界効果型
    パワートランジスタを用いた第1の電界効果型パワー部
    カレントミラー回路を有し、第2のパワー増幅手段は第
    2の電界効果型パワートランジスタを用いた第2の電界
    効果型パワー部カレントミラー回路を有する請求項1か
    ら請求項4のいずれかに記載のモータ。
  6. 【請求項6】第1のパワートランジスタをNチャンネル
    電界効果型トランジスタにし、第2のパワートランジス
    タをPチャンネル電界効果型トランジスタにし、電路形
    成トランジスタをPチャンネル電界効果型トランジスタ
    にした請求項1から請求項5のいずれかに記載のモー
    タ。
  7. 【請求項7】第1のパワー増幅手段の第1のパワートラ
    ンジスタおよび第2のパワー増幅手段の第2のパワート
    ランジスタおよび電路形成手段の電路形成トランジスタ
    を所要のトランジスタやダイオードや抵抗と一緒に同一
    チップ上に形成した集積回路手段を有する請求項1から
    請求項6のいずれかに記載のモータ。
  8. 【請求項8】固定体上に配設され、移動体に対して複数
    相の磁束を発生する複数相のコイルと、電力供給源とな
    る直流電源手段と、前記直流電源手段の負極端子側に接
    続された第1のパワートランジスタをそれぞれ含み、前
    記コイルと前記直流電源手段の負極端子側の電流路を形
    成するQ個(Qは3以上の整数)の第1のパワー増幅手
    段と、前記直流電源手段の正極端子側に接続された第2
    のパワートランジスタをそれぞれ含み、前記コイルと前
    記直流電源手段の正極端子側の電流路を形成するQ個の
    第2のパワー増幅手段と、電路形成トランジスタを含
    み、前記コイルの共通接続端子と前記直流電源手段の一
    端の間の電流路を形成する電路形成手段と、複数相の切
    換信号を出力する切換作成手段と、前記切換作成手段の
    出力信号に応動して前記Q個の第1のパワー増幅手段へ
    の分配電流を分配制御する第1の分配制御手段と、前記
    切換作成手段の出力信号に応動して前記Q個の第2のパ
    ワー増幅手段への分配電流を分配制御する第2の分配制
    御手段と、前記直流電源手段の供給する通電電流に応動
    した出力信号を得る電流検出手段と、通電指令信号と前
    記電流検出手段の出力信号を比較し、比較結果に応動し
    て前記第1のパワートランジスタと前記第2のパワート
    ランジスタの少なくとも一方、もしくは、前記電路形成
    トランジスタを適時スイッチング動作させるスイッチン
    グ制御手段と、前記電路形成トランジスタをオフにし、
    前記第1のパワートランジスタと前記第2のパワートラ
    ンジスタの少なくとも一方をスイッチング動作させ、前
    記第1のパワートランジスタと前記第2のパワートラン
    ジスタによって前記コイルへの電流路を形成する第1の
    通電モード、および、前記電路形成トランジスタをスイ
    ッチング動作させ、前記第1のパワートランジスタと前
    記第2のパワートランジスタの少なくとも一方と前記電
    路形成トランジスタによって前記コイルへの電流路を形
    成する第2の通電モードを、適時切り換える電路切換手
    段を具備するモータ。
  9. 【請求項9】固定体上に配設され、移動体に対して複数
    相の磁束を発生する複数相のコイルと、電力供給源とな
    る直流電源手段と、前記直流電源手段の負極端子側に接
    続された第1のパワートランジスタをそれぞれ含み、前
    記コイルと前記直流電源手段の負極端子側の電流路を形
    成するQ個(Qは3以上の整数)の第1のパワー増幅手
    段と、前記直流電源手段の正極端子側に接続された第2
    のパワートランジスタをそれぞれ含み、前記コイルと前
    記直流電源手段の正極端子側の電流路を形成するQ個の
    第2のパワー増幅手段と、複数相の切換信号を出力する
    切換作成手段と、前記切換作成手段の出力信号に応動し
    て前記Q個の第1のパワー増幅手段への分配電流を分配
    制御する第1の分配制御手段と、前記切換作成手段の出
    力信号に応動して前記Q個の第2のパワー増幅手段への
    分配電流を分配制御する第2の分配制御手段と、電路形
    成トランジスタを含み、前記コイルの共通接続端子と前
    記直流電源手段の正極端子側の間の電流路を形成する電
    路形成手段と、複数相の切換信号を出力する切換作成手
    段と、前記切換作成手段の出力信号に応動して前記Q個
    の第1のパワー増幅手段への分配電流を分配制御する第
    1の分配制御手段と、前記切換作成手段の出力信号に応
    動して前記Q個の第2のパワー増幅手段への分配電流を
    分配制御する第2の分配制御手段と、前記直流電源手段
    の供給する通電電流に応動した出力信号を得る電流検出
    手段と、通電指令信号と前記電流検出手段の出力信号を
    比較し、比較結果に応動して前記第1のパワートランジ
    スタ、もしくは、前記電路形成トランジスタを適時スイ
    ッチング動作させるスイッチング制御手段と、前記電路
    形成トランジスタをオフにし、前記第1のパワートラン
    ジスタをスイッチング動作させ、前記第1のパワートラ
    ンジスタと前記第2のパワートランジスタによって前記
    コイルへの電流路を形成する第1の通電モード、およ
    び、前記電路形成トランジスタをスイッチング動作さ
    せ、前記第1のパワートランジスタと前記電路形成トラ
    ンジスタによって前記コイルへの電流路を形成する第2
    の通電モードを、適時切り換える電路切換手段を具備す
    るモータ。
  10. 【請求項10】第1の分配制御手段は、通電指令信号に
    応動して変化する第1の供給電流信号を出力する電流供
    給手段と、切換作成手段の出力信号に応動して前記第1
    の供給電流信号を1相分もしくは2相分に分配し、Q相
    の第1の分配電流信号を出力する第1の分配手段と、前
    記第1の分配電流信号を所定の電流増幅してQ相の第1
    の増幅電流信号を得て、Q個の第1のパワー増幅手段の
    各通電制御端子側に各増幅電流信号を供給するQ個の第
    1の電流増幅手段を含んで構成された請求項8または請
    求項9のいずれかに記載のモータ。
  11. 【請求項11】第2の分配制御手段は、通電指令信号に
    応動して変化する第2の供給電流信号を出力する電流供
    給手段と、前記切換作成手段の出力信号に応動して前記
    第2の供給電流信号を1相分もしくは2相分に分配し、
    Q相の第2の分配電流信号を出力する第2の分配手段
    と、前記第2の分配電流信号を所定の電流増幅してQ相
    の第2の増幅電流信号を得て、Q個の第2のパワー増幅
    手段の各通電制御端子側に各増幅電流信号を供給するQ
    個の第2の電流増幅手段を含んで構成された請求項8か
    ら請求項10のいずれかに記載のモータ。
  12. 【請求項12】固定体上に配設され、移動体に対して複
    数相の磁束を発生する複数相のコイルと、電力供給源と
    なる直流電源手段と、前記直流電源手段の一端側に接続
    された電界効果型パワートランジスタを用いた電界効果
    型パワー部カレントミラー回路をそれぞれ含み、前記コ
    イルと前記直流電源手段の一端側の電流路を形成するQ
    個(Qは3以上の整数)のパワー増幅手段と、電界効果
    型トランジスタによる電路形成トランジスタを含み、前
    記コイルの共通接続端子と前記直流電源手段の他端側の
    間の電流路を形成する電路形成手段と、前記電路形成ト
    ランジスタをスイッチング動作させるスイッチング制御
    手段を具備するモータ。
  13. 【請求項13】固定体上に配設され、移動体に対して複
    数相の磁束を発生する複数相のコイルと、電力供給源と
    なる直流電源手段と、前記直流電源手段の一端側に接続
    されたパワートランジスタをそれぞれ含み、前記コイル
    と前記直流電源手段の一端側の電流路を形成するQ個
    (Qは3以上の整数)のパワー増幅手段と、電路形成ト
    ランジスタを含み、前記コイルの共通接続端子と前記直
    流電源手段の他端側の間の電流路を形成する電路形成手
    段と、前記直流電源手段の供給する通電電流に応動した
    出力信号と通電指令信号を比較し、比較結果に応動して
    前記電路形成トランジスタをスイッチング動作させるス
    イッチング制御手段を具備するモータ。
  14. 【請求項14】さらに、複数相の切換信号を出力する切
    換作成手段と、前記切換作成手段の出力信号に応動して
    前記Q個のパワー増幅手段への分配電流を分配制御する
    分配制御手段を有し、分配制御手段は、通電指令信号に
    応動して変化する供給電流信号を出力する電流供給手段
    と、切換作成手段の出力信号に応動して前記供給電流信
    号を1相分もしくは2相分に分配し、Q相の分配電流信
    号を出力する分配手段と、前記分配電流信号を所定の電
    流増幅してQ相の増幅電流信号を得て、Q個のパワー増
    幅手段の各通電制御端子側に各増幅電流信号を供給する
    Q個の電流増幅手段を含んで構成された請求項12また
    は請求項13のいずれかに記載のモータ。
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