JP2000149394A - モータをもつディスク装置、およびモータ - Google Patents

モータをもつディスク装置、およびモータ

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JP2000149394A
JP2000149394A JP34108998A JP34108998A JP2000149394A JP 2000149394 A JP2000149394 A JP 2000149394A JP 34108998 A JP34108998 A JP 34108998A JP 34108998 A JP34108998 A JP 34108998A JP 2000149394 A JP2000149394 A JP 2000149394A
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current
power
voltage
signal
transistor
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JP34108998A
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Makoto Goto
誠 後藤
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動や騒音や消費電力を低減したモータをも
つディスク装置、およびモータを提供する。 【解決手段】 電圧変換器52を高周波スイッチングさ
せ、第1のパワー増幅器11〜13と第2のパワー増幅
器15〜17をフルオン動作させる。切換作成器34の
出力信号に応動して第1のパワー増幅器や第2のパワー
増幅器を滑らかに通電制御し、3相のコイルへの電流路
を滑らかに切り換え、滑らかな3相の駆動電流を供給す
る。これにより、電圧変換器やパワー増幅器の電力損失
を低減し、発生駆動力の脈動を低減する。その結果、デ
ィスクの再生動作や記録動作を安定に行うディスク装置
を実現する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モータを含んで構
成されたディスク装置と、モータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、OA機器やAV機器の駆動用モー
タとして、複数個のトランジスタにより電子的に電流路
を切り換えるモータが広く使用されている。光ディスク
装置(DVD装置、CD装置、等)や磁気ディスク装置
(HDD装置、FDD装置、等)などのディスク装置で
は、このようなモータを含んで構成されている。このよ
うなモータの例として、PNP型パワートランジスタと
NPN型パワートランジスタを用いてコイルへの電流路
を切り換えるモータがある。
【0003】図30に従来のモータを示し、その動作に
ついて説明する。ロータ2011は永久磁石による界磁
部を有し、ロータ2011の回転に応動して、位置検出
器2041は2組の3相の電圧信号K1,K2,K3と
K4,K5,K6を発生する。第1の分配器2042は
電圧信号K1,K2,K3に応動した3相の下側通電制
御信号M1,M2,M3を作りだし、下側のNPN型パ
ワートランジスタ2021,2022,2023の通電
を制御する。第2の分配器2043は電圧信号K4,K
5,K6に応動した3相の上側通電制御信号M4,M
5,M6を作りだし、上側のPNP型パワートランジス
タ2025,2026,2027の通電を制御する。こ
れにより、コイル2012,2013,2014に3相
の駆動電圧を供給する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の従来の
構成では、下記の各種の問題があった。まず、従来の構
成では、パワートランジスタにおける電力損失が大き
く、モータの電力効率が著しく悪かった。NPN型パワ
ートランジスタ2021,2022,2023およびP
NP型パワートランジスタ2025,2026,202
7は、そのエミッタ−コレクタ間の電圧をアナログ的に
制御し、コイル2012,2013,2014に必要な
振幅の駆動電圧を供給している。そのため、各パワート
ランジスタの残留電圧が大きく、残留電圧とコイルへの
駆動電流の積によって大きな電力損失・発熱が生じてい
た。特に、モータコイルへの駆動電流が大きいので、電
力損失は著しく大きかった。そのため、モータの電力効
率は極めて悪かった。
【0005】また、従来の構成のものはコストが高く、
コストダウンが大きな問題になっていた。コストダウン
のためには、モータのトランジスタや抵抗を1チップの
集積回路(IC)にまとめることが有効である。しか
し、パワートランジスタの電力損失・発熱が大きく、集
積回路化が難しかった。特に、モータコイルへの駆動電
流が大きいので、パワートランジスタの発熱により集積
回路の熱破壊を生じる恐れも大きい。また、熱破壊を防
止するために放熱板を取り付けた場合には、コストと体
積の増加が大きかった。また、近年、騒音や振動の少な
いディスク装置やモータが要望されてきた。しかし、従
来の構成では、パワートランジスタによる電流路の急峻
な切り換えに伴ってコイルに大きなスパイク電圧が発生
し、駆動電流の脈動を生じていた。これにより、発生駆
動力が脈動し、大きなモータ騒音やモータ振動が生じて
いた。
【0006】また、高品位の音声・映像信号をディジタ
ル的に記録された光ディスクまたは磁気ディスクから情
報信号を再生するディスク装置(例えば、DVD装置、
HDD装置、等)では、ディジタル再生信号のジッタを
小さくするため、および、高品位の音声・映像信号の鑑
賞を妨害しないため、再生機構から発生する振動や騒音
を極力小さくしたディスク装置が求められていた。ま
た、ディスクの種類によっては熱に弱いディスクもあ
り、記録・再生機構における発熱・消費電力を極力小さ
くしたディスク装置が必要になってきた。以上の種々の
問題を解決することがこの種のディスク装置、および、
モータにおける課題であった。本発明の目的は、上記の
課題をそれぞれまたは同時に解決したディスク装置やモ
ータを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によるディスク装
置では、少なくとも、情報信号を記録された、または、
情報信号を記録されるディスクと、少なくとも、前記デ
ィスクから信号再生を行う、または、前記ディスクに信
号記録を行うヘッド手段と、少なくとも、前記ヘッド手
段の出力信号を処理して再生情報信号を出力する、また
は、記録情報信号を信号処理して前記ヘッド手段に出力
する情報処理手段と、前記ディスクを一体的に固定して
直接回転駆動する移動体に取り付けられて磁石磁束を発
生する界磁手段と、固定体に配設されて複数相の磁束を
発生するQ相(ここに、Qは3以上の整数)のコイル
と、直流電源の電力供給路を高周波スイッチングする電
界効果型スイッチングトランジスタを含み、前記直流電
源の直流電圧を変換した変換直流電圧を出力する電圧供
給手段と、前記電圧供給手段の負極出力端子側から前記
Q相のコイルの一つへの電流路を形成する第1の電界効
果型パワートランジスタをそれぞれ含むQ個の第1のパ
ワー増幅手段と、前記電圧供給手段の正極出力端子側か
ら前記Q相のコイルの一つへの電流路を形成する第2の
電界効果型パワートランジスタをそれぞれ含むQ個の第
2のパワー増幅手段と、前記Q個の第1のパワー増幅手
段の通電を制御する第1の分配制御手段と、前記Q個の
第2のパワー増幅手段の通電を制御する第2の分配制御
手段と、指令信号に応動して前記電圧供給手段の前記正
極出力端子側と前記負極出力端子側の間の前記変換直流
電圧を制御する動作制御手段と、を具備するディスク装
置であって、但し、前記第1の分配制御手段は、Q個の
前記第1の電界効果型パワートランジスタのうちで少な
くとも1個の第1の電界効果型パワートランジスタをフ
ルオン動作させる手段を含んで構成され、前記第2の分
配制御手段は、Q個の前記第2の電界効果型パワートラ
ンジスタのうちで少なくとも1個の第2の電界効果型パ
ワートランジスタをフルオン動作させる手段を含んで構
成され、前記動作制御手段は、前記移動体の回転移動動
作に同期して変化する被変調信号を得る変調手段と、前
記変調手段の出力信号に応動して前記電圧供給手段の変
換直流電圧を変化させる手段を含んで構成されている。
【0008】上記におけるフルオン動作は、上記電界効
果型パワートランジスタのフルオン状態のことを言う。
なお、電界効果型パワートランジスタの動作状態には、
三つの状態:フルオン状態、ハーフオン状態、オフ状態
がある。ここで、フルオン状態では、電界効果型パワー
トランジスタは電流流入端子側と電流流出端子側の間を
短絡状態にする。ハーフオン状態では、電界効果型パワ
ートランジスタは能動領域内の増幅動作を行っている。
オフ状態では、電界効果型パワートランジスタは電流を
通電しない。また、フルオン状態とハーフオン状態の時
に、電界効果型パワートランジスタはオン動作状態(活
性状態または能動状態)にある。
【0009】このように構成することにより、電圧供給
手段を高周波スイッチング動作させ、第1のパワー増幅
手段や第2のパワー増幅手段をフルオン動作させなが
ら、Q相のコイルへの電流路の切換動作を滑らかにし、
コイルへの駆動電流を滑らかにすることを可能にした。
その結果、発生駆動力の脈動が大幅に低減され、ディス
ク装置の騒音や振動が著しく小さくできる。これによ
り、ディスクの振動が小さくなり、ディスクからの情報
信号の再生動作が安定になり、さらに、周囲に与える騒
音が小さくなり、ディスクからの再生信号鑑賞時の再生
障害や音響妨害を大幅に小さくした。また、電圧供給手
段の電界効果型スイッチングトランジスタを高周波スイ
ッチング動作させ、Q個の第1のパワー増幅手段のなか
で1個または複数個のパワー増幅手段をフルオン動作さ
せ、Q個の第2のパワー増幅手段のなかで1個または複
数個のパワー増幅手段をフルオン動作させているので、
電圧供給手段およびパワー増幅手段の電力損失を大幅に
低減した。これにより、ディスクを回転駆動するための
消費電力が大幅に低減され、ディスクへの発熱を大幅に
小さくした。すなわち、ディスクの温度上昇を極力小さ
くした。これにより、たとえば、記録可能ディスクを使
用して、このディスクへの記録動作および/または再生
動作を安定に行うことを可能にした。その結果、騒音と
振動と消費電力を同時に小さくし、応用範囲を広げた高
性能・高品位なディスク装置を実現できる。
【0010】別の観点の発明によるディスク装置では、
少なくとも、情報信号を記録された、又は、情報信号を
記録されるディスクと、少なくとも、前記ディスクから
信号再生を行う、又は、前記ディスクに信号記録を行う
ヘッド手段と、少なくとも、前記ヘッド手段の出力信号
を処理して再生情報信号を出力する、または、記録情報
信号を信号処理して前記ヘッド手段に出力する情報処理
手段と、前記ディスクを一体的に固定して直接回転駆動
する移動体に取り付けられて磁石磁束を発生する界磁手
段と、固定体に配設されて複数相の磁束を発生するQ相
(ここに、Qは3以上の整数)のコイルと、直流電源の
電力供給路を高周波スイッチングする電界効果型スイッ
チングトランジスタを含み、前記直流電源の直流電圧を
変換した変換直流電圧を出力する電圧供給手段と、前記
電圧供給手段の負極出力端子側から前記Q相のコイルの
一つへの電流路を形成する第1の電界効果型パワートラ
ンジスタをそれぞれ含むQ個の第1のパワー増幅手段
と、前記電圧供給手段の正極出力端子側から前記Q相の
コイルの一つへの電流路を形成する第2の電界効果型パ
ワートランジスタをそれぞれ含むQ個の第2のパワー増
幅手段と、前記Q個の第1のパワー増幅手段の通電を制
御する第1の分配制御手段と、前記Q個の第2のパワー
増幅手段の通電を制御する第2の分配制御手段と、指令
信号に応動して前記電圧供給手段の前記正極出力端子側
と前記負極出力端子側の間の前記変換直流電圧を制御す
る動作制御手段と、を具備するディスク装置であって、
但し、前記Q個の第1のパワー増幅手段のうちで少なく
とも1個の第1のパワー増幅手段は、前記第1の電界効
果型パワートランジスタを用いて通電制御端子側への入
力電流の電流増幅動作を行う手段を含んで構成され、前
記Q個の第2のパワー増幅手段のうちで少なくとも1個
の第2のパワー増幅手段は、前記第2の電界効果型パワ
ートランジスタを用いて通電制御端子側への入力電流の
電流増幅動作を行う手段を含んで構成され、前記第1の
分配制御手段は、少なくとも立ち上がり傾斜部分および
/または立ち下がり傾斜部分において実質的に滑らかに
変化する少なくとも1個の第1の電流信号を前記少なく
とも1個の第1のパワー増幅手段の通電制御端子側に供
給し、かつ、Q個の前記第1の電界効果型パワートラン
ジスタのうちで少なくとも1個の第1の電界効果型パワ
ートランジスタをフルオン動作させる手段を含んで構成
され、前記第2の分配制御手段は、少なくとも立ち上が
り傾斜部分および/または立ち下がり傾斜部分において
実質的に滑らかに変化する少なくとも1個の第2の電流
信号を前記少なくとも1個の第2のパワー増幅手段の通
電制御端子側に供給し、かつ、Q個の前記第2の電界効
果型パワートランジスタのうちで少なくとも1個の第2
の電界効果型パワートランジスタをフルオン動作させる
手段を含んで構成されている。
【0011】このように構成することにより、電圧供給
手段を高周波スイッチング動作させ、第1のパワー増幅
手段や第2のパワー増幅手段をフルオン動作させなが
ら、Q相のコイルへの電流路の切換動作を滑らかにし、
コイルへの駆動電流を滑らかにすることを可能にした。
Q個の第1のパワー増幅手段のうちで1個または複数個
は、通電制御端子側への入力電流を電流増幅して出力す
るように構成した。第1の分配制御手段は、立ち上がり
傾斜部分と立ち下がり傾斜部分と平坦部分等のなかで、
少なくとも立ち上がり傾斜部分および/または立ち下が
り傾斜部分において実質的に滑らかに変化する第1の電
流信号を第1のパワー増幅手段の通電制御端子側に供給
し、かつ、Q個の第1の電界効果型パワートランジスタ
のうちで少なくとも1個をフルオン動作させた。また、
Q個の第2のパワー増幅手段のうちで1個または複数個
は、通電制御端子側への入力電流を電流増幅して出力す
るように構成した。第2の分配制御手段は、少なくとも
立ち上がり傾斜部分および/または立ち下がり傾斜部分
において実質的に滑らかに変化する第2の電流信号を第
2のパワー増幅手段の通電制御端子側に供給し、かつ、
Q個の第2の電界効果型パワートランジスタのうちで少
なくとも1個をフルオン動作させた。その結果、コイル
の電流路の切換動作が滑らかにでき、発生駆動力の脈動
が大幅に低減され、ディスク装置の騒音や振動が著しく
小さくできる。これにより、ディスクの振動が小さくな
り、ディスクからの情報信号の再生動作が安定になり、
さらに、周囲に与える騒音が小さくなり、ディスクから
の再生信号鑑賞時の再生障害や音響妨害を大幅に小さく
した。また、電圧供給手段のスイッチングトランジスタ
を高周波スイッチング動作させ、Q個の第1のパワー増
幅手段のなかで1個または複数個のパワー増幅手段をフ
ルオン動作させ、Q個の第2のパワー増幅手段のなかで
1個または複数個のパワー増幅手段をフルオン動作させ
ているので、電圧供給手段およびパワー増幅手段の電力
損失を大幅に低減した。これにより、ディスクを回転駆
動するための消費電力が大幅に低減され、ディスクへの
発熱を大幅に小さくした。すなわち、ディスクの温度上
昇を極力小さくした。これにより、たとえば、記録可能
ディスクを使用して、このディスクへの記録動作および
/または再生動作を安定に行うことを可能にした。その
結果、騒音と振動と消費電力を同時に小さくし、応用範
囲を広げた高性能・高品位なディスク装置を実現でき
る。
【0012】本発明によるモータは、回転体に取り付け
られた界磁手段と、固定体に配設されて複数相の磁束を
発生するQ相(ここに、Qは3以上の整数)のコイル
と、直流電源の電力供給路を高周波スイッチングする電
界効果型スイッチングトランジスタを含み、前記直流電
源の直流電圧を変換した変換直流電圧を出力する電圧供
給手段と、前記電圧供給手段の負極出力端子側から前記
Q相のコイルの一つへの電流路を形成する第1の電界効
果型パワートランジスタをそれぞれ含むQ個の第1のパ
ワー増幅手段と、前記電圧供給手段の正極出力端子側か
ら前記Q相のコイルの一つへの電流路を形成する第2の
電界効果型パワートランジスタをそれぞれ含むQ個の第
2のパワー増幅手段と、前記Q個の第1のパワー増幅手
段の通電を制御する第1の分配制御手段と、前記Q個の
第2のパワー増幅手段の通電を制御する第2の分配制御
手段と、指令信号に応動して前記電圧供給手段の前記正
極出力端子側と前記負極出力端子側の間の前記変換直流
電圧を制御する動作制御手段と、を具備するモータであ
って、但し、前記Q個の第1のパワー増幅手段のうちで
少なくとも1個の第1のパワー増幅手段は、前記第1の
電界効果型パワートランジスタを用いて通電制御端子側
への入力電流の電流増幅動作を行う手段を含んで構成さ
れ、前記Q個の第2のパワー増幅手段のうちで少なくと
も1個の第2のパワー増幅手段は、前記第2の電界効果
型パワートランジスタを用いて通電制御端子側への入力
電流の電流増幅動作を行う手段を含んで構成され、前記
第1の分配制御手段は、少なくとも立ち上がり傾斜部分
および/または立ち下がり傾斜部分において実質的に滑
らかに変化する少なくとも1個の第1の電流信号を前記
少なくとも1個の第1のパワー増幅手段の通電制御端子
側に供給し、かつ、Q個の前記第1の電界効果型パワー
トランジスタのうちで少なくとも1個の第1の電界効果
型パワートランジスタをフルオン動作させる手段を含ん
で構成され、前記第2の分配制御手段は、少なくとも立
ち上がり傾斜部分および/または立ち下がり傾斜部分に
おいて実質的に滑らかに変化する少なくとも1個の第2
の電流信号を前記少なくとも1個の第2のパワー増幅手
段の通電制御端子側に供給し、かつ、Q個の前記第2の
電界効果型パワートランジスタのうちで少なくとも1個
の第2の電界効果型パワートランジスタをフルオン動作
させる手段を含んで構成され、前記動作制御手段は、前
記コイルへの合成供給電流に応動した合成電流検出信号
と前記指令信号を比較し、該比較結果に応動して前記電
圧供給手段の変換直流電圧を制御する手段を含んで構成
している。このように構成することにより、電圧供給手
段を高周波スイッチング動作させ、第1のパワー増幅手
段や第2のパワー増幅手段をフルオン動作させているの
で、電圧供給手段や第1のパワー増幅手段や第2のパワ
ー増幅手段の電力損失を大幅に低減できる。従って、電
力効率の良いモータになる。また、Q個の第1のパワー
増幅手段のうちで1個または全部を、通電制御端子側へ
の入力電流の電流増幅動作を行うように構成した。Q個
の第2のパワー増幅手段のうちで1個または全部を、通
電制御端子側への入力電流の電流増幅動作を行うように
構成した。Q個の第1のパワー増幅手段のうちで少なく
とも1個をフルオン動作させている場合に、立ち上がり
傾斜部分と立ち下がり傾斜部分と平坦部分などのなか
で、少なくとも立ち上がり傾斜部分および/または立ち
下がり傾斜部分において実質的に滑らかに変化する第1
の電流信号を第1のパワー増幅手段の通電制御端子側に
供給した。Q個の第2のパワー増幅手段のうちで少なく
とも1個をフルオン動作させている場合に、少なくとも
立ち上がり傾斜部分および/または立ち下がり傾斜部分
において実質的に滑らかに変化する第2の電流信号を第
2のパワー増幅手段の通電制御端子側に供給した。これ
により、電流路の切換動作を滑らかにでき、コイルへの
駆動電流が滑らかに変化し、発生駆動力の脈動は大幅に
低減できる。その結果、モータの振動や騒音は大幅に小
さくなる。また、電圧供給手段やパワー増幅手段の発熱
が小さいので、たとえば、スイッチングトランジスタや
パワートランジスタを1チップのシリコン基板上に他の
トランジスタ素子や抵抗素子と一緒に集積回路化するこ
とも可能になる。従って、低コストのモータにもでき
る。これらおよびその他の構成や動作については、実施
例の説明において詳細に説明する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について、
図面を参照しながら説明する。 《実施例1》図1から図8に本発明の実施例1のモータ
を含んで構成されたディスク装置と、モータを示す。図
1に全体構成を示す。移動体1は、たとえば、永久磁石
を用いた磁石磁束により複数極の界磁磁束を発生する界
磁部を取り付けられたロータ、すなわち回転体である。
ここでは、2極の永久磁石磁束による界磁部を示した
が、一般に、多極永久磁石磁束による界磁部が構成可能
である。前記解決手段で示したQ相を、3相として実施
する場合においては、3相コイル2,3,4は、固定体
であるステータに配設され、移動体1との相対関係に関
して、電気的に120度相当ずらされて配置されてい
る。3相コイル2,3,4は3相の駆動電流I1,I
2,I3により3相磁束を発生し、移動体1の界磁部と
の相互作用によって駆動力を発生し、移動体1に駆動力
を与える。ディスク1bは、移動体1であるロータに一
体的に固定して取り付けられ、移動体1によって直接回
転駆動されている。
【0014】ディスク1bにはディジタル的な情報信号
が記録されており、光学ヘッドまたは磁気ヘッドによっ
て構成されるヘッド1cにより、ディスク1bからの信
号再生をしている。情報処理器1dは、ヘッド1cから
の出力信号を処理し、再生情報信号(例えば、高品位な
音響・映像信号)を出力する。または、ディスク1bに
はディジタル的な情報信号が記録可能であり、光学ヘッ
ドもしくは磁気ヘッドによって構成されるヘッド1cに
より、ディスク1bに信号記録をしている。情報処理器
1dは、入力された記録情報信号(例えば、高品位な音
響・映像信号)を信号処理した記録用信号をヘッド1c
に供給し、ヘッド1cによってディスク1bに記録させ
ている。
【0015】たとえば、信号再生を行うディスク装置の
例では、界磁部が取り付けられた移動体1に固定された
ディスク1bは、ロータである移動体1と一体となって
直接回転駆動される。ディスク1bには高密度にディジ
タル情報信号が記録されている。ヘッド1cは、回転し
ているディスク1b上の情報信号を信号再生し、再生用
信号を出力する。情報処理器1dは、ヘッド1cからの
再生用信号をディジタル的に処理し、再生情報信号を出
力する。
【0016】また、たとえば、信号記録を行うディスク
装置の例では、界磁部が取り付けられた移動体1に固定
されたディスク1bは、ロータである移動体1と一体に
なって直接回転駆動される。ディスク1bは記録可能デ
ィスクであり、高密度にディジタル情報信号を記録でき
る。情報処理器1dは、入力された記録情報信号をディ
ジタル的に処理し、記録用信号をヘッド1cに出力す
る。ヘッド1cは、回転しているディスク1b上に記録
用信号を高密度に記録し、新たな情報信号をディスク1
b上に形成していく。なお、上記ヘッド1cとしては、
状況に応じて再生専用ヘッド、記録再生兼用ヘッドまた
は記録専用ヘッドが用いられる。
【0017】電圧変換器52は、200kHz程度の高
周波スイッチング動作を行うNMOS型スイッチングト
ランジスタ61を有している。ここに、NMOS型スイ
ッチングトランジスタとはNチャンネルMOS構造の電
界効果型スイッチングトランジスタのことである。NM
OS型スイッチングトランジスタ61は、その電流流出
端子側を直流電源50の負極端子側(−)に接続され、
その電流流入端子側と変換用インダクタ素子63の一端
が接続され、直流電源50の正極端子側(+)から変換
用インダクタ素子63への磁気エネルギーを補充する電
力供給路をオン・オフの高周波スイッチングしている。
変換用インダクタ素子63の一端に接続されたフライホ
イール用ダイオード62は、NMOS型スイッチングト
ランジスタ61のオン・オフの高周波スイッチング動作
に相補的にオフ・オン動作し、変換用インダクタ素子6
3から変換用コンデンサ素子64への電流路形成回路を
構成している。
【0018】これにより、フライホイール用ダイオード
62は、NMOS型スイッチングトランジスタ61がオ
フの時に、変換用インダクタ素子63を通り変換用コン
デンサ素子64を含む回路側に電流を供給する電流路を
形成する。すなわち、NMOS型スイッチングトランジ
スタ61がオンの時には、直流電源50の正極端子側か
ら変換用インダクタ素子63を通る電力供給路が形成さ
れ、変換用インダクタ素子63の磁気エネルギーを補充
する。すなわち、変換用インダクタ素子63の磁気エネ
ルギーを増加させる。NMOS型スイッチングトランジ
スタ61がオフに変わると、変換用インダクタ素子63
の端子電圧が大きくなってフライホイール用ダイオード
62を導通状態に変え、変換用インダクタ素子63から
変換用コンデンサ素子64を含む回路側への電流路形成
回路が動作する。すなわち、変換用インダクタ素子63
の磁気エネルギーを減少させる。これにより、変換用コ
ンデンサ素子64の一端と直流電源50の一端の間に変
換直流電圧(Vcc−Vg)を出力する。
【0019】変換用コンデンサ素子64は、電圧変換器
52の正極出力端子側(P)と負極出力端子側(M)の
間に接続され、変換用インダクタ素子63を介して供給
される電流・電圧を平滑するフィルタ回路を構成してい
る。これにより、NMOS型スイッチングトランジスタ
61を高周波PWM動作(パルス幅変調動作)すること
により、電圧変換器52の負極出力端子側の電位Vgを
可変制御している。その結果、直流電源50から供給さ
れる出力直流電圧Vccを電力供給源として、電圧変換
器52の正極出力端子側と負極出力端子側の間に変換直
流電圧(Vcc−Vg)を作り出している。ここで、直
流電源50の負極端子をグランド電位(0V)としてい
る。また、直流電源50と電圧変換器52によって、所
要の直流電圧を供給する電圧供給ブロックを形成してい
る。
【0020】なお、NMOS型スイッチングトランジス
タ61は、たとえば二重拡散MOS構造のNチャンネル
電界効果型トランジスタによって構成されている。ま
た、NMOS型スイッチングトランジスタ61は、その
電流流出端子側から電流流入端子側に向けて寄生素子と
して形成されたスイッチングダイオード61dを逆接続
して有し、等価回路的に接続されている(このような寄
生スイッチングダイオード61dを形成しないように、
集積回路化しても良い)。
【0021】電圧変換器52の負極出力端子側には、3
個の第1のパワー増幅器11,12,13の電流流出端
子側が共通接続されている。第1のパワー増幅器11は
第1のNMOS型パワートランジスタ81を有し、通電
制御端子側に入力された第1の電流増幅器41の出力電
流F1を増幅して出力する。ここに、NMOS型パワー
トランジスタとはNチャンネルMOS構造の電界効果型
パワートランジスタのことである。第1のNMOS型パ
ワートランジスタ81とNMOS型トランジスタ91
は、第1のNMOS型パワー部カレントミラー回路を構
成している。ここに、NMOS型パワー部カレントミラ
ー回路とはNチャンネルMOS構造の電界効果型パワー
トランジスタを用いた電界効果型パワー部カレントミラ
ー回路のことである。NMOS型パワートランジスタ8
1のセルサイズをNMOS型トランジスタ91のセルサ
イズの100倍にし、第1のNMOS型パワー部カレン
トミラー回路は能動領域で動作している時に100倍の
電流増幅率を得ている。
【0022】同様に、第1のパワー増幅器12は第1の
NMOS型パワートランジスタ82を有し、通電制御端
子側に入力された第1の電流増幅器42の出力電流F2
を増幅して出力する。第1のNMOS型パワートランジ
スタ82とNMOS型トランジスタ92は第1のNMO
S型パワー部カレントミラー回路を構成し、NMOS型
パワートランジスタ82のセルサイズをNMOS型トラ
ンジスタ92のセルサイズの100倍にしている。同様
に、第1のパワー増幅器13は第1のNMOS型パワー
トランジスタ83を有し、通電制御端子側に入力された
第1の電流増幅器43の出力電流F3を増幅して出力す
る。第1のNMOS型パワートランジスタ83とNMO
S型トランジスタ93は第1のNMOS型パワー部カレ
ントミラー回路を構成し、NMOS型パワートランジス
タ83のセルサイズをNMOS型トランジスタ93のセ
ルサイズの100倍にしている。
【0023】なお、第1のNMOS型パワートランジス
タ81,82,83は、それぞれNチャンネルMOS構
造の電界効果型トランジスタによって構成されている。
また、第1のNMOS型パワートランジスタ81,8
2,83は、その電流流出端子側から電流流入端子側に
向けて寄生素子として形成された第1のパワーダイオー
ド81d,82d,83dを逆接続して有し、等価回路
的に接続されている。第1のNMOS型パワートランジ
スタ81,82,83の各電流流出端子側は電圧変換器
52の負極出力端子側に共通接続され、各電流流入端子
側をコイル2,3,4の各電力供給端子に接続されてい
る。これにより、第1のパワー増幅器11,12,13
はそれぞれ各通電制御端子側への入力電流を増幅した電
流をコイル2,3,4の各電力供給端子に出力し、それ
ぞれコイル2,3,4への駆動電流I1,I2,I3の
負極側電流を供給する。
【0024】電圧変換器52の正極出力端子側には、電
流検出抵抗31を介して、3個の第2のパワー増幅器1
5,16,17の電流流入端子側が共通接続されてい
る。第2のパワー増幅器15は第2のNMOS型パワー
トランジスタ85を有し、通電制御端子側に入力された
第2の電流増幅器45の出力電流H1を増幅して出力す
る。第2のNMOS型パワートランジスタ85とNMO
S型トランジスタ95は第2のNMOS型パワー部カレ
ントミラー回路を構成している。NMOS型パワートラ
ンジスタ85のセルサイズをNMOS型トランジスタ9
5のセルサイズの100倍にし、第2のNMOS型パワ
ー部カレントミラー回路は能動領域にて動作している時
に101倍の電流増幅率を得ている。
【0025】同様に、第2のパワー増幅器16は第2の
NMOS型パワートランジスタ86を有し、通電制御端
子側に入力された第2の電流増幅器46の出力電流H2
を増幅して出力する。第2のNMOS型パワートランジ
スタ86とNMOS型トランジスタ96は第2のNMO
S型パワー部カレントミラー回路を構成し、NMOS型
パワートランジスタ86のセルサイズをNMOS型トラ
ンジスタ96のセルサイズの100倍にしている。
【0026】同様に、第2のパワー増幅器17は第2の
NMOS型パワートランジスタ87を有し、通電制御端
子側に入力された第2の電流増幅器47の出力電流H3
を増幅して出力する。第2のNMOS型パワートランジ
スタ87とNMOS型トランジスタ97は第2のNMO
S型パワー部カレントミラー回路を構成し、NMOS型
パワートランジスタ87のセルサイズをNMOS型トラ
ンジスタ97のセルサイズの100倍にしている。な
お、第2のNMOS型パワートランジスタ85,86,
87は、それぞれNチャンネルMOS構造の電界効果型
トランジスタによって構成されている。また、第2のN
MOS型パワートランジスタ85,86,87は、その
電流流出端子側から電流流入端子側に向けて寄生素子と
して形成された第1のパワーダイオード85d,86
d,87dを逆接続して有し、等価回路的に接続されて
いる。
【0027】第2のNMOS型パワートランジスタ8
5,86,87の各電流流入端子側は抵抗31を介して
電圧変換器52の正極出力端子側に共通接続され、各電
流流出端子側をコイル2,3,4の各電力供給端子に接
続されている。これにより、第2のパワー増幅器15,
16,17はそれぞれ各通電制御端子側への入力電流を
増幅した電流をコイル2,3,4の各電力供給端子に出
力し、それぞれコイル2,3,4への駆動電流I1,I
2,I3の正極側電流を供給している。電流供給器30
は、電流検出抵抗31とレベル変換回路32からなる電
流検出部および供給出力部33によって構成されてい
る。駆動電流I1,I2,I3の正極側電流の合成値に
相当するコイルへの合成供給電流Ivは、電流検出抵抗
31の電圧降下として検出される。レベル変換回路32
は合成供給電流Ivに応動した電流検出信号Bjを出力
する。供給出力部33は、電流検出信号Bjに応動した
第1の供給電流信号C1と第2の供給電流信号C2を出
力する。
【0028】図3に電流供給器30の具体的な構成を示
す。レベル変換回路32は、電圧電流変換回路151を
含んで構成されている。電圧電流変換回路151は合成
供給電流Ivによる電流検出抵抗31の電圧降下に比例
した電流検出信号Bjを出力する。電圧電流変換回路1
51の電流検出信号Bjは、供給出力部33のトランジ
スタ171と抵抗174に流れ、直流電源50の負極端
子側(−)を基準とする電圧信号Cgを得ている。
【0029】供給出力部33のトランジスタ171,1
72,173と抵抗174,175,176によるカレ
ントミラー回路は、電流検出信号Bjに比例した2つの
電流信号をトランジスタ172,173のコレクタ側に
作りだす。トランジスタ172のコレクタ電流は、トラ
ンジスタ181,182のカレントミラー回路を介して
出力される。トランジスタ182のコレクタ電流Bp1
と定電流源185の第1の所定電流Qq1を加算し、第
1の供給電流信号C1として出力される。トランジスタ
173のコレクタ電流Bp2と定電流源186の第2の
所定電流Qq2を加算し、第2の供給電流信号C2とし
て出力される。これにより、第1の供給電流信号C1と
第2の供給電流信号C2をコイルへの合成供給電流Iv
に比例もしくは略比例した電流信号になる。また、第1
の供給電流信号C1と第2の供給電流信号C2は、それ
ぞれ定電流源185,186の電流値Qq1,Qq2の
所定のバイアス電流を含んでいる。すなわち、C1=B
p1+Qq1,C2=Bp2+Qq2。なお、定電流源
185,186の電流値Qq1,Qq2は、必要に応じ
て供給するものであり、零にしてもよい。
【0030】図1の切換作成器34は、3相コイルに3
相電流を流すために、滑らかに変化する3相の切換電流
信号D1,D2,D3を出力する。図2に切換作成器3
4の具体的な構成を示す。この例では、切換作成器34
は位置検出部100と切換信号部101によって構成さ
れている。位置検出部100は、移動体1の界磁部の発
生磁束を検知する磁電変換素子(例えばホール素子)か
らなる位置検出素子111,112を含んで構成されて
いる。位置検出素子111,112は、電気的に120
゜の位相差を有し、移動体1の移動に伴って滑らかな正
弦波状に変化する2相の位置検出信号Ja1とJb1、
および、Ja2とJb2を出力する。ここで、Ja1と
Ja2は逆相の関係にあり(電気的に180゜の位相
差)、Jb1とJb2は逆相の関係にある。
【0031】なお、逆相の信号は新たな相数に数えな
い。位置検出信号Ja2とJb2は抵抗113,114
により合成されて3相目の位置検出信号Jc1を作りだ
し、位置検出信号Ja1とJb1は抵抗115,116
により合成されて3相目の位置検出信号Jc2を作りだ
す。これにより、位置検出部100は電気的に120゜
の位相差を有する3相の位置検出信号Ja1,Jb1,
Jc1(Ja2,Jb2,Jc2)を得ている。なお、
3個の位置検出素子を用いて、3相の位置検出信号を作
りだしても良い。
【0032】切換信号部101は、3相の位置検出信号
に応動して滑らかに変化する正弦波状の切換電流信号D
1,D2,D3を作りだす。トランジスタ122と12
3は、1相目の位置検出信号Ja1とJa2の差電圧に
応動して定電流源121の電流をコレクタ側に分流す
る。トランジスタ123のコレクタ電流は、トランジス
タ124,125のカレントミラー回路によって2倍に
増幅され、トランジスタ125のコレクタより出力され
る。トランジスタ125のコレクタ電流は、定電流源1
26の電流値と比較され、両者の差電流が1相目の切換
電流信号D1として出力される。従って、切換電流信号
D1は、位置検出信号Ja1に応動して滑らかに変化
し、電気角で180゜区間は電流が流出し(正極性の電
流)、次の180゜区間は電流が流入する(負極性の電
流)。
【0033】同様に、切換電流信号D2は、位置検出信
号Jb1に応動して滑らかに変化し、電気角で180゜
区間は電流が流出し(正極性の電流)、次の180゜区
間は電流が流入する(負極性の電流)。同様に、切換電
流信号D3は、位置検出信号Jc1に応動して滑らかに
変化し、電気角で180゜区間は電流が流出し(正極性
の電流)、次の180゜区間は電流が流入する(負極性
の電流)。これにより、切換電流信号D1,D2,D3
は正弦波状の3相の電流信号になる。図29(a)に3
相の切換電流信号D1,D2,D3の波形例を示す。な
お、横軸は移動体1の回転移動位置に対応している。
【0034】図1の分配作成器36は、第1の分配器3
7と第2の分配器38を含んで構成されている。第1の
分配器37は、切換作成器34の3相の切換電流信号D
1,D2,D3に応動して電流供給器30の第1の供給
電流信号C1を分配し、滑らかに変化する3相の第1の
分配電流信号E1,E2,E3を作り出す。第2の分配
器38は、切換作成器34の3相の切換電流信号D1,
D2,D3に応動して電流供給器30の第2の供給電流
信号C2を分配し、滑らかに変化する3相の第2の分配
電流信号G1,G2,G3を作り出す。
【0035】図4に分配作成器36の具体的な構成を示
す。第1の分配器37は、3個の第1の入力トランジス
タ201,202,203と3個の第1の分配トランジ
スタ205,206,207によって構成されている。
それぞれの第1の入力トランジスタ201,202,2
03の通電制御端子と電流経路端子対の信号入力端子
は、切換作成器34の3相の切換電流信号D1,D2,
D3がそれぞれ供給される電流流入流出端子側に接続さ
れている。第1の入力トランジスタ201,202,2
03の電流経路端子対の信号出力端子は共通接続されて
いる。第1の分配トランジスタ205,206,207
の電流信号入力端子側は共通接続され、共通接続端子側
に電流供給器30の第1の供給電流信号C1が入力され
る。第1の分配トランジスタ205,206,207
は、それぞれの通電制御端子側を3相の切換電流信号D
1,D2,D3がそれぞれ供給される電流流入流出端子
側に接続されている。
【0036】これにより、3個の第1の分配トランジス
タ205,206,207は、その電流信号出力端子側
から3相の第1の分配電流信号E1,E2,E3を出力
する。また、第1の入力トランジスタ201,202,
203と第1の分配トランジスタ205,206,20
7は同じ型のトランジスタを使用している。ここでは、
第1の入力トランジスタ201,202,203と第1
の分配トランジスタ205,206,207にPNP型
バイポーラトランジスタを使用している。第1の入力ト
ランジスタの通電制御端子はベース端子,電流経路端子
対の信号入力端子はコレクタ端子,電流経路端子対の信
号出力端子はエミッタ端子にしている。第1の分配トラ
ンジスタの通電制御端子はベース端子,電流信号入力端
子はエミッタ端子,電流信号出力端子はコレクタ端子に
している。
【0037】第2の分配器38は、3個の第2の入力ト
ランジスタ211,212,213と3個の第2の分配
トランジスタ215,216,217によって構成され
ている。それぞれの第2の入力トランジスタ211,2
12,213の通電制御端子と電流経路端子対の信号入
力端子は、切換作成器34の3相の切換電流信号D1,
D2,D3がそれぞれ供給される電流流入流出端子側に
接続されている。第2の入力トランジスタ211,21
2,213の電流経路端子対の信号出力端子は共通接続
されている。
【0038】第2の分配トランジスタ215,216,
217の電流信号入力端子側は共通接続され、共通接続
端子側に電流供給器30の第2の供給電流信号C2が入
力される。第2の分配トランジスタ215,216,2
17は、それぞれの通電制御端子側を3相の切換電流信
号D1,D2,D3がそれぞれ供給される電流流入流出
端子側に接続されている。これにより、3個の第2の分
配トランジスタ215,216,217は、その電流信
号出力端子側から3相の第2の分配電流信号G1,G
2,G3を出力する。また、第2の入力トランジスタ2
11,212,213と第2の分配トランジスタ21
5,216,217は同じ型のトランジスタを使用して
いる。さらに、第1の入力トランジスタ201,20
2,203のトランジスタの型を第2の入力トランジス
タ211,212,213のトランジスタの型とは極性
が異なるようにしている。ここでは、第2の入力トラン
ジスタ211,212,213と第2の分配トランジス
タ215,216,217にNPN型バイポーラトラン
ジスタを使用している。
【0039】第2の入力トランジスタの通電制御端子は
ベース端子,電流経路端子対の信号入力端子はコレクタ
端子,電流経路端子対の信号出力端子はエミッタ端子に
している。第2の分配トランジスタの通電制御端子はベ
ース端子,電流信号入力端子はエミッタ端子,電流信号
出力端子はコレクタ端子にしている。さらに、基準電圧
源220,トランジスタ221,222は所定電圧供給
部を構成し、第1の入力トランジスタ201,202,
203の共通接続端に第1の直流電圧を供給し、第2の
入力トランジスタ211,212,213の共通接続端
に第2の直流電圧を供給している。
【0040】これにより、切換電流信号D1が負極側電
流の時には、第1の入力トランジスタ201に電流を通
電し、第2の入力トランジスタ211には電流が流れな
い。また、切換電流信号D1が正極側電流の時には、第
2の入力トランジスタ211に電流を通電し、第1の入
力トランジスタ201には電流が流れない。すなわち、
切換電流信号D1の極性に応じて第1の入力トランジス
タ201と第2の入力トランジスタ211に相補的に滑
らかな電流を供給し、第1の入力トランジスタ201と
第2の入力トランジスタ211に同時に電流が流れるこ
とはない。同様に、切換電流信号D2が負極側電流の時
に第1の入力トランジスタ202に電流を通電し、正極
側電流の時に第2の入力トランジスタ212に電流を通
電する。同様に、切換電流信号D3が負極側電流の時に
第1の入力トランジスタ203に電流を通電し、正極側
電流の時に第2の入力トランジスタ213に電流を通電
する。
【0041】第1の分配器37の第1の分配トランジス
タ205,206,207は、第1の入力トランジスタ
201,202,203に流れる3相電流に応動して、
第1の供給電流信号C1をそれぞれの電流信号出力端子
側に分配し、3相の第1の分配電流信号E1,E2,E
3を作り出す。従って、3相の第1の分配電流信号E
1,E2,E3は3相の切換電流信号D1,D2,D3
の負極側電流に応動して滑らかに変化し、分配電流信号
E1,E2,E3の合成値は第1の供給電流信号C1に
等しくなる。同様に、第2の分配器38の第2の分配ト
ランジスタ215,216,217は、第2の入力トラ
ンジスタ211,212,213に流れる3相電流に応
動して、第2の供給電流信号C2をそれぞれの電流信号
出力端子側に分配し、3相の第2の分配電流信号G1,
G2,G3を作り出す。
【0042】従って、3相の第2の分配電流信号G1,
G2,G3は3相の切換電流信号D1,D2,D3の正
極側電流に応動して滑らかに変化し、分配電流信号G
1,G2,G3の合成値は第2の供給電流信号C2に等
しくなる。図29(b)に3相の第1の分配電流信号E
1,E2,E3の波形例を示し、図29(c)に3相の
第2の分配電流信号G1,G2,G3の波形例を示す。
これらの電流信号は、立ち上がり傾斜部分および立ち下
がり傾斜部分において滑らかに変化する。
【0043】第1の分配電流信号E1,E2,E3は1
20゜の位相差を有し、第2の分配電流信号G1,G
2,G3は120゜の位相差を有している。第1の分配
電流信号E1と第2の分配電流信号G1は180゜の位
相差を持ちながら相補的に滑らかに変化し、E1とG1
は必ず一方が零になる。同様に、第1の分配電流信号E
2と第2の分配電流信号G2は180゜の位相差を持ち
ながら相補的に滑らかに変化し、E2とG2は必ず一方
が零になる。同様に、第1の分配電流信号E3と第2の
分配電流信号G3は180゜の位相差を持ちながら相補
的に滑らかに変化し、E3とG3は必ず一方が零にな
る。
【0044】図1の第1の分配器37の第1の分配電流
信号E1,E2,E3は、それぞれ第1の電流増幅器4
1,42,43に入力される。第1の電流増幅器41,
42,43は、それぞれ第1の分配電流信号E1,E
2,E3を所定倍の電流増幅して第1の増幅電流信号F
1,F2,F3を作りだし、第1のパワー増幅器11,
12,13の各通電制御端子側に供給する。第1のパワ
ー増幅器11,12,13は、3相の第1の増幅電流信
号F1,F2,F3をそれぞれ電流増幅し、各電流流入
端子側よりコイル2,3,4に駆動電流I1,I2,I
3の負極側電流を供給する。
【0045】図5に第1の電流増幅器41,42,43
の具体的な構成を示す。第1の電流増幅器41は、トラ
ンジスタ231,232による前段のカレントミラー回
路とトランジスタ233,234と抵抗235,236
による後段のカレントミラー回路を有し、前段と後段の
カレントミラー回路を縦続接続した第1の増幅部カレン
トミラー回路によって構成されている。トランジスタ2
31と232のエミッタ面積比を1にし、前段のカレン
トミラー回路の電流増幅率を1にしている。トランジス
タ233と234のエミッタ面積比を50倍、抵抗23
6と235の抵抗比を50倍にして、後段のカレントミ
ラー回路の電流増幅率を50倍にしている。
【0046】その結果、第1の電流増幅器41の第1の
増幅部カレントミラー回路は、電流増幅率で50倍の増
幅を行っている。同様に、第1の電流増幅器42は、ト
ランジスタ241,242,243,244と抵抗24
5,246による第1の増幅部カレントミラー回路によ
って構成され、電流増幅率で50倍の増幅を行ってい
る。同様に、第1の電流増幅器43は、トランジスタ2
51,252,253,254と抵抗255,256に
よる第1の増幅部カレントミラー回路によって構成さ
れ、電流増幅率で50倍の増幅を行っている。これによ
り、第1の電流増幅器41,42,43は、3相の第1
の分配電流信号E1,E2,E3を50倍の増幅した3
相の第1の増幅電流信号F1,F2,F3を作りだし、
第1のパワー増幅器11,12,13の第1のパワー部
カレントミラー回路の各通電制御端子側に供給する。
【0047】図1の第2の分配器38の第2の分配電流
信号G1,G2,G3は、それぞれ第2の電流増幅器4
5,46,47に入力される。第2の電流増幅器45,
46,47は、それぞれ第2の分配電流信号G1,G
2,G3を所定倍の電流増幅した第2の増幅電流信号H
1,H2,H3を作りだす。高電圧出力器53は、高周
波パルス信号に応動して昇圧用コンデンサに充電・蓄積
させ、直流電源50の正極端子側電位Vccよりも高い
高電位点電位Vuを作り出す。第2の電流増幅器45,
46,47は、第2の増幅電流信号H1,H2,H3を
高電圧出力器53の高電位点Vuから第2のパワー増幅
器15,16,17の各通電制御端子側に供給する。第
2のパワー増幅器15,16,17は、3相の第2の増
幅電流信号H1,H2,H3をそれぞれ電流増幅し、各
電流流出端子側よりコイル2,3,4に駆動電流I1,
I2,I3の正極側電流を供給する。
【0048】図6に第2の電流増幅器45,46,47
と高電圧出力器53の具体的な構成を示す。高電圧出力
器53は、100kHz程度の高周波パルス信号Paを
出力するパルス発生回路421と、第1の昇圧用コンデ
ンサ411と、第2の昇圧用コンデンサ412と、ダイ
オード425〜428からなる第1の電圧制限回路と、
ダイオード429からなる第2の電圧制限回路を含んで
構成されている。パルス発生回路421のパルス信号P
aに応動してインバータ回路422がディジタル的に変
化する。
【0049】インバータ回路422が”L”(たとえ
ば、直流電源50の負極端子側電位)の時にダイオード
423を介して第1の昇圧用コンデンサ411が充電さ
れる。インバータ回路422が”H”(たとえば、直流
電源50の正極端子側電位)に変わると、第1の昇圧用
コンデンサ411に蓄積された電荷は、ダイオード42
4を介して第2の昇圧用コンデンサ412に移され、第
2の昇圧用コンデンサ412を充電・蓄積する。その結
果、第2の昇圧用コンデンサ412の端子には、電圧変
換器52の正極出力端子側電位よりも高電位になる高電
位点電位Vuが出力される。高電位点電位Vuは第2の
電流増幅器45,46,47に接続されている。
【0050】また、第2の昇圧用コンデンサ412の充
電を続けると、高電位点の電圧Vuが非常に高くなり、
集積回路化されたトランジスタやダイオードの耐圧破壊
を起こす恐れがある。そこで、高電位点電圧Vuが所定
値以上にならないように、ダイオード425〜428に
よる第1の電圧制限回路で制限した。なお、耐圧破壊の
心配がないならば、第1の電圧制限回路を無くしても良
い。
【0051】また、第2の増幅電流信号H1,H2,H
3は第2の昇圧用コンデンサ412の電荷を放電させる
ように作用する。モータ起動時などのような大電流動作
が長時間続くと、第2の昇圧用コンデンサ412の充電
・蓄積電荷が不足し、高電圧出力器53の出力電圧点の
電位Vuが著しく低下する場合もある。そのため、回路
動作が一時的に不安定になり、起動動作が阻害される恐
れがある。そこで、ダイオード429による第2の電圧
制限回路を設けて、高電圧出力器53の高電位点電位V
uが大幅に小さくならないように制限した。なお、電流
レベルの小さい通常制御状態では、第2の電圧制限回路
は動作しない。また、電位Vuの変動が小さい場合に
は、第2の電圧制限回路を無くしても良い。
【0052】第2の電流増幅器45は、トランジスタ2
61,262と抵抗263,264による第2の増幅部
カレントミラー回路によって構成されている。トランジ
スタ261と262のエミッタ面積比を50倍、抵抗2
64と263の抵抗比を50倍にして、電流増幅率を5
0倍にしている。その結果、第2の電流増幅器45の第
2の増幅部カレントミラー回路は、電流増幅率で50倍
の増幅を行っている。同様に、第2の電流増幅器46
は、トランジスタ271,272と抵抗273,274
による第2の増幅部カレントミラー回路によって構成さ
れ、電流増幅率で50倍の増幅を行っている。
【0053】同様に、第2の電流増幅器47は、トラン
ジスタ281,282と抵抗283,284による第2
の増幅部カレントミラー回路によって構成され、電流増
幅率で50倍の増幅を行っている。これにより、第2の
電流増幅器45,46,47は、3相の第2の分配電流
信号G1,G2,G3をそれぞれ50倍の増幅した3相
の第2の増幅電流信号H1,H2,H3を作りだし、高
電圧出力器53の高電位点Vuから第2のパワー増幅器
15,16,17の第2のパワー部カレントミラー回路
の各通電制御端子側に供給する。
【0054】図1の動作制御器51は、指令信号Adに
応動した動作制御信号Vdを出力する。指令信号Ad
は、たとえば、移動体1の速度と目標速度を比較する速
度制御ブロックによって作りだされ、動作制御器51に
供給される。電圧変換器52は、PWM部65において
動作制御器51の動作制御信号Vdに応動したパルス幅
を有する所定の高周波のPWM信号Sw(パルス幅変調
信号)を作り、NMOS型スイッチングトランジスタ6
1を高周波スイッチング動作させる(NMOS型スイッ
チングトランジスタ61が常時オン状態になる場合も含
んでいる)。
【0055】すなわち、動作制御器51の動作制御信号
Vdに応動して電圧変換器52のNMOS型スイッチン
グトランジスタ61のPWMスイッチング動作が制御さ
れる。電圧変換器52は、直流電源50の直流電圧Vc
cを電力供給源として、NMOS型スイッチングトラン
ジスタ61のPWMスイッチング動作に応動した変換直
流電圧(Vcc−Vg)を作り出す。
【0056】図7に動作制御器51と電圧変換器52の
具体的な構成を示す。動作制御器51の電圧電流変換回
路290は、コイルへの合成供給電流Ivに応動して変
化する電流検出抵抗31の電圧降下信号に比例した電流
を出力する。電圧電流変換回路290の出力電流は抵抗
291に通電され、合成電流検出信号Agを得る。すな
わち、合成電流検出信号Agはコイル2,3,4への合
成供給電流Ivに比例もしくは略比例した電圧信号にな
る。差動増幅回路292は、指令信号Adと合成電流検
出信号Agを比較し、その差電圧を増幅して動作制御信
号Vdを出力する。なお、コンデンサ293は差動増幅
回路292においてフィルタを形成している。
【0057】電圧変換器52のPWM部65は、三角波
発生回路301と比較回路302を含んで構成されてい
る。三角波発生回路301は、200kHz程度の三角
波信号Vhを出力する。比較回路302は、三角波発生
回路301の三角波信号Vhと動作制御器51の動作制
御信号Vdを比較し、動作制御信号Vdに応動したPW
M電圧信号Swを作り出す。PWM信号SwはNMOS
型スイッチングトランジスタ61の通電制御端子側に供
給され、PWM信号Swに応動してNMOS型スイッチ
ングトランジスタ61はオン・オフ動作する。NMOS
型スイッチングトランジスタ61は、直流電源50の正
極端子側から変換用インダクタ素子63への磁気エネル
ギーを補充する電力供給路を高周波スイッチングする。
【0058】電流路形成回路を構成するフライホイール
用ダイオード62は、NMOS型スイッチングトランジ
スタ61のオン・オフの高周波スイッチング動作に相補
的にオフ・オン動作し、変換用インダクタ素子63から
変換用コンデンサ素子64を含む回路側への電流路を形
成する。NMOS型スイッチングトランジスタ61の高
周波スイッチングに伴う変換用インダクタ素子63の磁
気エネルギーの増加・減少によって、変換用コンデンサ
素子64の一端と直流電源50の一端の間に変換直流電
圧(Vcc−Vg)を出力する。
【0059】このように、直流電源50の直流電圧を電
力供給源として、NMOS型スイッチングトランジスタ
61は動作制御信号Vdに応動して高周波PWM動作
(パルス幅変調動作)し、電圧変換器52の負極出力端
子側の電位Vgを可変制御し、電圧変換器52の正極出
力端子側と負極出力端子側の間に変換直流電圧値(Vc
c−Vg)を出力する。変換直流電圧(Vcc−Vg)
は、並列接続された第1のパワー増幅器11,12,1
3と並列接続された第2のパワー増幅器15,16,1
7に供給される。
【0060】図1の第1のパワー増幅器11,12,1
3の第1のパワートランジスタ81,82,83と第2
のパワー増幅器15,16,17の第2のパワートラン
ジスタ85,86,87と電圧変換器52のスイッチン
グトランジスタ61は、電流供給器30や切換作成器3
4や分配作成器36や第1の電流増幅器41,42,4
3や第2の電流増幅器45,46,47や動作制御器5
1や電圧変換器52や高電圧出力器53の所要のトラン
ジスタや抵抗等と一緒に単一のシリコン基板上に接合分
離して集積回路化されている。
【0061】図8に集積回路構造の一例を示す。P型シ
リコン基板上に所要のN+層やN−層やP+層やP−層
等を拡散させて各種のトランジスタを形成している。番
号191は、二重拡散NMOS型電界効果トランジスタ
の例であり、第1のNMOS型パワートランジスタや第
2のNMOS型パワートランジスタやNMOS型スイッ
チングトランジスタとして使用する。番号192は、N
PN型バイポーラトランジスタの例であり、信号増幅ト
ランジスタとして使用する。番号193は、PNP型バ
イポーラトランジスタの例であり、信号増幅トランジス
タとして使用する。番号194は、Pチャンネルおよび
NチャンネルのCMOS型電界効果トランジスタの例で
あり、論理信号処理に使用する。
【0062】また、各トランジスタの間は、グランド電
位(0V)に接続されたシリコン基板と同電位になるP
層によって接合分離される。接合分離された集積回路
は、誘電分離された集積回路と比較して、低コストの製
造プロセスを用いて、小さな1チップ基板上に多数のパ
ワー用トランジスタ素子や信号用トランジスタを高密度
に集積化できる。すなわち、安価に集積回路化できる。
なお、具体的なマスク配置は設計事項であり、詳細な説
明を省略する。
【0063】次に、全体的な動作について説明する。切
換作成器34は、滑らかに変化する3相の切換電流信号
D1,D2,D3を作りだし、分配作成器36に供給す
る。第1の分配器37は、電流供給器30の第1の供給
電流信号C1を3相の切換電流信号D1,D2,D3に
応動して分配し、3相の第1の分配電流信号E1,E
2,E3を出力する。第1の電流増幅器41,42,4
3は、それぞれ第1の分配電流信号E1,E2,E3を
所定倍の電流増幅した第1の増幅電流信号F1,F2,
F3を出力し、第1のパワー増幅器11,12,13の
各通電制御端子側に供給する。
【0064】第1のパワー増幅器11,12,13は、
それぞれ第1の増幅電流信号F1,F2,F3を電流増
幅し、3相のコイル2,3,4に駆動電流I1,I2,
I3の負極側電流を供給する。なお、電流供給器30と
切換作成器34と第1の分配器37と第1の電流増幅器
41,42,43は第1の分配制御ブロックを形成し、
切換作成器34の出力信号に応動して第1のパワー増幅
器11,12,13の通電を分配制御する。
【0065】一方、第2の分配器38は、電流供給器3
0の第2の供給電流信号C2を3相の切換電流信号D
1,D2,D3に応動して分配し、3相の第2の分配電
流信号G1,G2,G3を出力する。第2の電流増幅器
45,46,47は、それぞれ第2の分配電流信号G
1,G2,G3を所定倍の電流増幅した第2の増幅電流
信号H1,H2,H3を出力し、第2のパワー増幅器1
5,16,17の各通電制御端子側に供給する。第2の
パワー増幅器15,16,17は、それぞれ第2の増幅
電流信号H1,H2,H3を電流増幅し、3相のコイル
2,3,4に駆動電流I1,I2,I3の正極側電流を
供給する。
【0066】なお、電流供給器30と切換作成器34と
第2の分配器38と第2の電流増幅器45,46,47
は第2の分配制御ブロックを形成し、切換作成器34の
出力信号に応動して第2のパワー増幅器15,16,1
7の通電を分配制御する。また、第1の分配制御ブロッ
クと第2の分配制御ブロックによって分配動作ブロック
を形成している。
【0067】電流検出抵抗31は、駆動電流I1,I
2,I3の正極側電流の合成値もしくは負極側電流の合
成値に相当する合成供給電流Ivを検出し、動作制御器
51および電流供給器30のレベル変換回路32に出力
する。電流供給器30のレベル変換回路32と供給出力
部33は、合成供給電流Ivに応動した第1の供給電流
信号C1と第2の供給電流信号C2を出力する。
【0068】第1の分配制御ブロックは、少なくとも立
ち上がり傾斜部分および立ち下がり傾斜部分が滑らかに
変化する3相の第1の増幅電流信号F1,F2,F3
(3相の第1の電流信号)を作りだし、第1の増幅電流
信号F1,F2,F3を第1のパワー増幅器11,1
2,13の各通電制御端子側にそれぞれ供給する。第1
のパワー増幅器11,12,13は、各通電制御端子側
への入力電流を増幅動作して、コイル2,3,4への負
極側電流を供給する。これにより、3個の第1のNMO
S型パワートランジスタ81,82,83のうちで1個
もしくは2個の第1のNMOS型パワートランジスタを
オン動作(フルオン動作もしくはハーフオン動作)さ
せ、かつ、少なくとも1個の第1のNMOS型パワート
ランジスタを確実にフルオン動作させている。
【0069】ここで、MOS型トランジスタのフルオン
動作とは電流流入端子側と電流流出端子側を短絡させる
動作状態、すなわち、動作電圧が実質的に零になる動作
状態である。ハーフオン動作とは、能動領域内において
増幅動作を行う動作状態である。また、オフ動作とは、
電流流入端子側から電流流出端子側への電流通電が遮断
された動作状態である。
【0070】これにより、第1のパワー増幅器は、電流
路の切り換わりの初めの期間および終わりの期間におい
てハーフオン動作を行い、能動領域内の電流増幅動作に
より滑らかに電流値を変化させる。また、第1のパワー
増幅器は、支配的に電流路を形成している期間において
フルオン動作を行う。その結果、第1のパワー増幅器1
1,12,13による電流路の切換え動作を行ってもス
パイク電圧の発生がなくなり、コイル2,3,4への駆
動電流I1,I2,I3は滑らかに変化する。
【0071】第2の分配制御ブロックは、少なくとも立
ち上がり傾斜部分および立ち下がり傾斜部分が滑らかに
変化する3相の第2の増幅電流信号H1,H2,H3
(3相の第2の電流信号)を作りだし、第2の増幅電流
信号H1,H2,H3を第2のパワー増幅器15,1
6,17の各通電制御端子側にそれぞれ供給する。第2
のパワー増幅器15,16,17は、各通電制御端子側
への入力電流を増幅動作して、コイル2,3,4への正
極側電流を供給する。これにより、3個の第2のNMO
S型パワートランジスタ85,86,87のうちで1個
もしくは2個の第2のNMOS型パワートランジスタを
オン動作(フルオン動作もしくはハーフオン動作)さ
せ、かつ、少なくとも1個の第2のNMOS型パワート
ランジスタを確実にフルオン動作させている。
【0072】これにより、第2のパワー増幅器は、電流
路の切り換わりの初めの期間および終わりの期間におい
てハーフオン動作を行い、能動領域内の電流増幅動作に
より滑らかに電流値を変化させる。また、第2のパワー
増幅器は、支配的に電流路を形成している期間において
フルオン動作を行う。その結果、第2のパワー増幅器1
5,16,17による電流路の切換え動作を行ってもス
パイク電圧の発生がなくなり、コイル2,3,4への駆
動電流I1,I2,I3は滑らかに変化する。
【0073】また、第1の分配制御ブロックと第1のパ
ワー増幅器は第1の正帰還ループを形成し、その合成伝
達利得(電流供給器30と第1の分配器37と第1の電
流増幅器41,42,43と第1のパワー増幅器11,
12,13のフォーワード利得)を1以上に大きくして
いる。また、第2の分配制御ブロックと第2のパワー増
幅器は第2の正帰還ループを形成し、その合成伝達利得
(電流供給器30と第2の分配器38と第2の電流増幅
器45,46,47と第2のパワー増幅器15,16,
17のフォーワード利得)を1以上に大きくしている。
これにより、全体の回路動作の安定化をはかっている。
【0074】すなわち、3個の第1のNMOS型パワー
トランジスタ81,82,83のうちで少なくとも1個
を確実にフルオン動作させ、3個の第2のNMOS型パ
ワートランジスタ85,86,87のうちで少なくとも
1個を確実にフルオン動作させ、コイル2,3,4への
電流路を確実に形成している。また、上記2つの正帰還
ループの一巡伝達利得を極力小さく設定し、電流路の切
換動作を滑らかに行わせている。
【0075】同一相の第1の分配電流信号E1と第2の
分配電流信号G1は、180゜の位相差をもって相補的
に流れる。従って、第1のパワー増幅器11と第2のパ
ワー増幅器15は相補的に動作し、滑らかに連続的に変
化する両方向の駆動電流I1がコイル2に供給される。
同様に、第1のパワー増幅器12と第2のパワー増幅器
16は相補的に動作し、滑らかに連続的に変化する両方
向の駆動電流I2がコイル3に供給される。同様に、第
1のパワー増幅器13と第2のパワー増幅器17は相補
的に動作し、滑らかに連続的に変化する両方向の駆動電
流I3がコイル4に供給される。
【0076】このように、同一相の第1のパワー増幅器
と第2のパワー増幅器が同時に通電状態になることがな
いので、電圧変換器52の正極出力端子側と負極出力端
子側の間の短絡電流は発生しない。その結果、パワート
ランジスタの過剰な発熱や過電流による破壊が生じなく
なり、集積回路の過電流破壊や異常現象は生じない。ま
た、滑らかに変化する連続的な駆動電流I1,I2,I
3がコイル2,3,4に供給されるので、コイル2,
3,4におけるスパイク電圧の発生もなく、寄生素子で
ある第1のパワーダイオード81d,82d,83dや
第2のパワーダイオード85d,86d,87dを通じ
た異常電流が流れることもない。従って、発生駆動力の
脈動は著しく小さくなる。
【0077】動作制御器51は指令信号Adと合成電流
検出信号Agの比較結果に応動した動作制御信号Vdを
作りだし、電圧変換器52は動作制御信号Vdに応動し
てNMOS型スイッチングトランジスタ61を高周波P
WM動作させ、負極出力端子側の電位Vgを可変制御す
る。電圧変換器52の変換直流電圧(Vcc−Vg)
は、並列的に接続された第1のパワー増幅器11,1
2,13と並列的に接続された第2のパワー増幅器1
5,16,17に供給され、選択された第1のNMOS
型パワートランジスタと選択された第2のNMOS型パ
ワートランジスタを介してコイル2,3,4への電流路
を形成する。
【0078】その結果、コイル2,3,4への合成供給
電流Ivは、指令信号Adに応動した値に正確に制御さ
れる。これにより、電圧変換器52と第1のパワー増幅
器11,12,13と第2のパワー増幅器15,16,
17によるコイル2,3,4への駆動電流I1,I2,
I3は脈動が少ない滑らかな電流波形になる。その結
果、発生駆動力の脈動は小さくなり、振動・騒音が低減
される。
【0079】また、指令信号Adに応動した合成供給電
流Ivに比例もしくは略比例して3相の第1の増幅電流
信号を変化させ、常に適切な入力電流が第1のパワー増
幅器の通電制御端子側に供給されるようにした。これに
より、指令信号Adに応動してコイルへの駆動電流が変
化した場合であっても、滑らかに変化する駆動電流をコ
イルに供給でき、常に滑らかな電流路の切換動作を実現
できる。
【0080】また、指令信号Adに応動した合成供給電
流Ivに比例もしくは略比例して3相の第2の増幅電流
信号を変化させ、常に適切な入力電流が第2のパワー増
幅器の通電制御端子側に供給されるようにした。これに
より、指令信号Adに応動してコイルへの駆動電流が変
化した場合であっても、滑らかに変化する駆動電流をコ
イルに供給でき、常に滑らかな電流路の切換動作を実現
できる。
【0081】本実施例では、電圧変換器を高周波スイッ
チング動作させ、第1のパワー増幅器と第2のパワー増
幅器をフルオン動作させながら、電流路の切換動作を滑
らかにしている。その結果、ディスクの回転駆動力の脈
動が小さくなり、騒音や振動は大幅に低減される。ま
た、電圧変換器やパワー増幅器の電力損失が小さく、そ
の発熱を大幅に小さくしている。従って、ディスク1か
らの信号再生時(例えば、高品位の音声・映像信号の鑑
賞時)においても、再生機構から発生する騒音や振動が
小さく、信号再生や信号鑑賞の妨げになることがない。
すなわち、ディスクの振動が小さくなることから、ヘッ
ドの再生信号のジッタが小さくなり、再生誤りによる信
号障害が極めて少なくなる。
【0082】また、ディスク再生に伴う騒音が小さく、
再生信号の鑑賞妨害になる不快音が発生しなくなる。さ
らに、熱に弱い記録可能ディスクの利用が容易になり、
記録可能ディスクへの記録動作や再生動作が安定に行う
ことができる。たとえば、記録可能ディスクへの信号記
録場所の変動を低減し、正確かつ安定な記録を実現でき
る。このように、騒音と振動と消費電力を大幅に低減さ
れ、高品位・高性能のディスク装置を実現できる。
【0083】また、本実施例では、電圧変換器の電界効
果型スイッチングトランジスタは高周波スイッチング動
作しているので、電圧変換器の電力損失は小さい。第1
のパワー増幅器の第1の電界効果型パワートランジスタ
は支配的に電流路を形成している時にフルオン動作して
いるので、第1のパワー増幅器の電力損失は小さい。第
2のパワー増幅器の第2の電界効果型パワートランジス
タは支配的に電流路を形成している時にフルオン動作し
ているので、第2のパワー増幅器の電力損失は少ない。
従って、電力効率の非常に良いモータになる。また、第
1の供給電流信号C1や第2の供給電流信号C2を合成
供給電流Ivもしくは指令信号Adに応動して変化さ
せ、第1の増幅電流信号や第2の増幅電流信号を合成供
給電流Ivもしくは指令信号Adに応動して変化させて
いるので、第1のパワー増幅器や第2のパワー増幅器へ
の入力電流による電力損失も小さくしている。
【0084】また、本実施例では、立ち上がり傾斜部分
や立ち下がり傾斜部分において滑らかに変化する3相の
第1の増幅電流信号F1,F2,F3(3相の第1の電
流信号)を3個の第1のパワー増幅器の通電制御端子側
に供給した。これにより、第1のパワー増幅器11,1
2,13の第1の電界効果型パワートランジスタ81,
82,83のうちで少なくとも1個の第1の電界効果型
パワートランジスタをフルオン動作させながらも、コイ
ル2,3,4への駆動電流I1,I2,I3の負極側電
流を滑らかに変化させた。
【0085】同様に、立ち上がり傾斜部分や立ち下がり
傾斜部分において滑らかに変化する3相の第2の増幅電
流信号H1,H2,H3(3相の第2の電流信号)を3
個の第2のパワー増幅器の通電制御端子側に供給した。
これにより、第2のパワー増幅器15,16,17の第
2の電界効果型パワートランジスタ85,86,87の
うちで少なくとも1個の第2の電界効果型パワートラン
ジスタをフルオン動作させながらも、コイル2,3,4
への駆動電流I1,I2,I3の正極側電流を滑らかに
変化させた。
【0086】これにより、電流路の切換動作を滑らかに
でき、駆動電流の脈動を小さくし、発生駆動力の脈動や
振動・騒音を著しく低減した。また、3相の第1の電流
信号F1,F2,F3や3相の第2の電流信号H1,H
2,H3の少なくとも傾斜部分を合成供給電流Ivもし
くは指令信号Adに応動して変化させることにより、指
令信号Adが変化した場合でも常に滑らかな電流路の切
換動作を実現できる。
【0087】なお、パワー増幅器の通電制御端子側に供
給する電流信号は、実質的に滑らかに変化する電流信号
で有れば良く、たとえば、階段状のステップ的もしくは
段階状のディジタル的に値を変化させる電流信号であっ
ても良い。また、立ち上がり傾斜部分と立ち下がり傾斜
部分と平坦部分などのなかで、少なくとも立ち上がり傾
斜部分および/または立ち下がり傾斜部分において実質
的に滑らかに変化する電流信号をパワー増幅器の通電制
御端子側に供給することにより、電流路の切換動作を滑
らかにでき、振動・騒音の低減効果がある。
【0088】また、本実施例では、動作制御器51は合
成電流検出信号Agと指令信号Adの比較結果に応動し
た動作制御信号Vdを出力し、動作制御信号Vdに応動
して電圧変換器52の変換直流電圧(Vcc−Vg)を
制御している。その結果、3相のコイルへの合成供給電
流Ivは指令信号Adに比例して正確に制御され、良好
な電流制御を実現できる。従って、駆動電流の脈動は小
さくなり、発生駆動力の脈動や振動は大幅に小さくな
る。
【0089】また、本実施例では、集積回路化に好適の
構成にしている。まず、パワー素子として電界効果型ス
イッチングトランジスタと電界効果型パワートランジス
タを使用して構成しているので、小さなチップ上に集積
回路化することが可能である。また、電流供給器30や
切換作成器34や分配作成器36や第1の電流増幅器4
1,42,43や第2の電流増幅器45,46,47や
動作制御器51や電圧変換器52や高電圧出力器53の
所要のトランジスタやダイオードや抵抗等の半導体素子
を、上記の電界効果型パワートランジスタおよび電界効
果型スイッチングトランジスタと同一のチップ上に接合
分離して集積回路化している。接合分離した集積回路
は、誘電分離した集積回路に比較して、小さなチップ基
板上に高密度に集積化でき、低コストに実現できる。
【0090】また、第1のNMOS型パワートランジス
タや第2のNMOS型パワートランジスタとして二重拡
散MOS構造の電界効果型トランジスタを使用し、小さ
なチップサイズに集積回路化している。二重拡散MOS
構造の電界効果型トランジスタを使用した場合には、電
流流出端子側から電流流入端子側に向けて寄生パワーダ
イオードが形成される。しかし、電流路の切換を滑らか
に行っているので、これらの寄生パワーダイオードの動
作を防止し、駆動電流の脈動を小さくしている。
【0091】また、本実施例では、接合分離部分に形成
される寄生トランジスタ素子の動作を防止している。図
8に示したように、接合分離技術を用いた集積回路は、
高密度集積に適した低コストのICを実現できる。しか
し、直流電源の負極端子側(グランド電位)に接続され
た接合分離部分をベース端子とする多数の寄生トランジ
スタ素子が形成される欠点がある。通常、これらの寄生
トランジスタが動作しないように、逆バイアスされてい
る。しかし、集積されたトランジスタの端子電位がグラ
ンド電位よりもダイオードの順方向電圧分低くなると、
寄生トランジスタが動作し、他の集積されたトランジス
タから電流を抜き取る現象が生じる。
【0092】モータのように、インダクタンス作用を有
するコイルや変換用インダクタ素子に大電流を供給する
用途では、寄生トランジスタが動作すると、集積された
トランジスタの働きを妨害する恐れがある。本実施例の
NMOS型スイッチングトランジスタ61は、その電流
流出端子側を直流電源50の負極端子側に接続され、そ
の電流流入端子側と変換用インダクタ素子63の一端が
接続され、直流電源50の正極端子側から変換用インダ
クタ素子63への磁気エネルギーを補充する電力供給路
を高周波スイッチングする。電流路形成回路であるフラ
イホイール用ダイオード62は、変換用インダクタ素子
63の一端と直流電源50の正極端子側の間に接続さ
れ、NMOS型スイッチングトランジスタ61のオン・
オフの高周波スイッチング動作に相補的にオフ・オン動
作し、変換用インダクタ素子63から変換用コンデンサ
素子64への電流路を形成する。
【0093】変換用コンデンサ素子64の一端と直流電
源50の一端の間に変換直流電位(Vcc−Vg)を出
力し、並列的に接続された3個の第1のパワー増幅器1
1,12,13と並列的に接続された3個の第2のパワ
ー増幅器15,16,17に変換直流電圧を供給する。
これにより、NMOS型スイッチングトランジスタ61
とフライホイール用ダイオード62は、各端子の電位が
直流電源50の負極端子側電位以下にならない。従っ
て、NMOS型スイッチングトランジスタ61が高周波
スイッチングを行っても、寄生トランジスタが動作する
ことはない。
【0094】また、第1のNMOS型パワートランジス
タや第2のNMOS型パワートランジスタは電流路を滑
らかに切り換えているので、それらの各端子の電位も直
流電源50の負極端子側電位以下にならない。従って、
第1のパワートランジスタや第2のパワートランジスタ
による電流路の切り換えを行っても、寄生トランジスタ
が動作することはない。その結果、スイッチングトラン
ジスタやフライホイール用ダイオードや第1のパワート
ランジスタや第2のパワートランジスタを他のトランジ
スタと一緒に1チップの集積回路化しても、集積回路内
の寄生トランジスタの動作を防止できる。
【0095】また、本実施例では、各パワー素子におけ
る発熱を極めて小さくしている。第1の電界効果型パワ
ートランジスタはフルオン動作し、第2の電界効果型パ
ワートランジスタはフルオン動作しているので、パワー
増幅器における電力損失は非常に小さい。電圧変換器
は、電界効果型スイッチングトランジスタを高周波PW
M動作をさせているので、電圧変換に伴う電力損失も非
常に小さい。従って、第1のパワー増幅器や第2のパワ
ー増幅器や電圧変換器における電力損失・発熱が極めて
小さく、パワートランジスタやスイッチングトランジス
タを1チップに集積回路化することが可能になる。ま
た、放熱板等の発熱対策は不要になる。
【0096】また、本実施例では、第1のパワー増幅器
を電界効果型トランジスタによる第1の電界効果型パワ
ー部カレントミラー回路によって構成し、第2のパワー
増幅器を電界効果型トランジスタによる第2の電界効果
型パワー部カレントミラー回路によって構成し、第1の
パワー増幅器11,12,13と第2のパワー増幅器1
5,16,17の電流増幅率のバラツキを大幅に小さく
した。また、第1のパワー増幅器と第1の分配制御ブロ
ックの合成伝達利得および第2のパワー増幅器と第2の
分配制御ブロックの合成伝達利得のバラツキが小さくな
る利点もある。
【0097】これにより、合成供給電流Ivもしくは指
令信号Adに比例もしくは略比例させて第1の増幅電流
信号F1,F2,F3や第2の増幅電流信号H1,H
3,H3を変化させながらも、3個の第1の電界効果型
パワートランジスタのうちで少なくとも1個の第1の電
界効果型パワートランジスタを確実にフルオン動作させ
ること、および3個の第2の電界効果型パワートランジ
スタのうちで少なくとも1個の第2の電界効果型パワー
トランジスタを確実にフルオン動作させることを実現し
た。また、起動時の大電流供給時であっても定常制御時
の小電流供給時であっても、適切な傾斜部分を持った3
相の第1の増幅電流信号を第1のパワー増幅器の通電制
御端子側に供給でき、適切な傾斜部分を持った3相の第
2の増幅電流信号を第2のパワー増幅器の通電制御端子
側に供給できる。その結果、常に、滑らかな傾斜部分を
有する脈動の少ない駆動電流をコイルに供給でき、発生
駆動力の脈動は著しく小さくなる。
【0098】なお、滑らかな電流路の切り換えを行うた
めには、3相の第1の増幅電流信号F1,F2,F3や
3相の第2の増幅電流信号H1,H2,H3の立ち上が
り傾斜部分もしくは立ち下がり傾斜部分は電気角で15
゜以上にすることが好ましい(少なくとも5゜以上にし
たほうが良い)。また、同一相を形成する電流信号F1
と電流信号H1は、F1の傾斜の開始部分がH1の傾斜
の終了部分に一致もしくは略一致し、H1の傾斜の開始
部分がF1の傾斜の終了部分に一致もしくは略一致する
ように、相補的に流れることが最も好ましい。電流信号
F2と電流信号H2、および、電流信号F3と電流信号
H3についても同様である。
【0099】また、第1の増幅電流信号F1,F2,F
3や第2の増幅電流信号H1,H2,H3は、立ち上が
り傾斜部分や立ち下がり傾斜部分において実質的に時間
的に傾斜を持って切り換わればよい。これにより、駆動
電流I1,I2,I3も立ち上がり傾斜部分や立ち下が
り傾斜部分において時間的に傾斜を持って滑らかに電流
路を切り換えていく。なお、滑らかな電流路の切り換え
を行うためには、3相の第1の増幅電流信号F1,F
2,F3のそれぞれの角度幅を電気角で120度よりも
広くすることが重要であり、180度もしくは略180
度にすることが最も好ましい。
【0100】すなわち、上述したように、第1の分配制
御ブロックの動作によって、3個の第1のパワー増幅器
のそれぞれの通電区間を電気角で(360/3)度より
も大きい角度幅、すなわち実質的に(360/3+1
0)度以上の角度幅にし、3個の第1のパワー増幅器に
より2相分のコイルに通電する期間を設ける必要があ
る。このとき、通電区間を180度にすることが最も好
ましいが、150度以上ならば実用的な効果を得られ
る。
【0101】また、滑らかな電流路の切り換えを行うた
めには、3相の第2の増幅電流信号H1,H2,H3の
それぞれの角度幅を電気角で120度よりも広くするこ
とが重要であり、180度もしくは略180度にするこ
とが最も好ましい。すなわち、上述したように、第2の
分配制御ブロックの動作によって、3個の第2のパワー
増幅器のそれぞれの通電区間を電気角で(360/3)
度よりも大きい角度幅、すなわち実質的に(360/3
+10)度以上の角度幅にし、3個の第2のパワー増幅
器により2相分のコイルに通電する期間を設ける必要が
ある。このとき、通電区間を180度にすることが最も
好ましいが、150度以上ならば実用的な効果を得られ
る。
【0102】また、本実施例では、分配作成器36を工
夫し、同一相の第1の増幅電流信号と第2の増幅電流信
号が180゜の位相差を有し、相補的に滑らかに切りか
わるように変化させ、かつ、第1の増幅電流信号と第2
の増幅電流信号の一方は必ず零にした。これにより、同
一相の第1のパワー増幅器と第2のパワー増幅器が同時
に通電状態になることが生じない。その結果、短絡電流
が発生しないので、パワートランジスタの電流破壊や熱
破壊は生じない。なお、駆動電流の極性が変化する時に
連続的に電流値を変化させることが好ましいが、同一相
の第1の増幅電流信号と第2の増幅電流信号が同時に零
になる期間があり、その相の駆動電流を零にする時間が
存在してもかまわない。
【0103】なお、本実施例では、第1のパワー増幅器
11,12,13と第2のパワー増幅器15,16,1
7と電流供給器30と切換作成器34と分配作成器36
(第1の分配器37と第2の分配器38)と第1の電流
増幅器41,42,43と第2の電流増幅器45,4
6,47と動作制御器51と電圧変換器52と高電圧出
力器53によって、3相の負荷(コイル2,3,4)へ
の駆動電流を供給する駆動回路を形成した。
【0104】また、本実施例の切換作成器34は、2個
の磁電変換素子を使用して3相の位置検出信号を得る位
置検出部100を含んで構成した。しかし、3個の磁電
変換素子を使用しても構成できる。また、そのような検
出素子を用いることなく、たとえば、コイル2,3,4
に生じる逆起電力を利用して切換信号D1,D2,D3
を作り出しても良い。
【0105】また、本実施例において、第1のパワー増
幅器11,12,13や第2のパワー増幅器15,1
6,17は図1に示された構成に限らず、種々の変形が
可能である。たとえば、第1のパワー増幅器11,1
2,13や第2のパワー増幅器15,16,17のそれ
ぞれの代わりに、図22に示した構成のパワー増幅器1
000を使用しても良い。パワー増幅器1000はNM
OS型パワートランジスタ1010とNMOS型トラン
ジスタ1011と抵抗1012によって電界効果型パワ
ー部カレントミラー回路を構成している。
【0106】電界効果型パワー部カレントミラー回路1
000は、電界効果型パワートランジスタ1010の制
御端子側が電界効果型トランジスタ1011の制御端子
側に(直接あるいは例えば抵抗などの何らかの要素を介
して)接続され、電界効果型トランジスタ1011の電
流路端子対の一方の端子側が電界効果型パワートランジ
スタ1010の電流路端子対の一方の端子側に抵抗10
12を介して接続され、電界効果型トランジスタ101
1の電流路端子対のもう一方の端子側がパワー増幅器1
000の通電制御端子側に(直接あるいは何らかの要素
を介して)接続され、かつ、電界効果型トランジスタ1
011の制御端子側がパワー増幅器1000の通電制御
端子側に(直接あるいは何らかの要素を介して)接続さ
れ構成されている。
【0107】この電界効果型パワー部カレントミラー回
路は、セルサイズの比よりも比較的大きな電流増幅率を
有している。これにより、パワー増幅器への入力電流を
小さくできる利点がある。
【0108】また、たとえば、図23に示した構成のパ
ワー増幅器1100を使用しても良い。パワー増幅器1
100はNMOS型パワートランジスタ1110とNM
OS型トランジスタ1111と抵抗1112によって電
界効果型パワー部カレントミラー回路を構成している。
【0109】電界効果型パワー部カレントミラー回路1
100は、電界効果型パワートランジスタ1110の制
御端子側が電界効果型トランジスタ1111の制御端子
側に(直接あるいは何らかの要素を介して)接続され、
電界効果型トランジスタ1111の電流路端子対の一方
の端子側がパワー増幅器1100の通電制御端子側に抵
抗1112を介して接続され、電界効果型トランジスタ
1111の電流路端子対のもう一方の端子側が電界効果
型パワートランジスタ1110の電流路端子対の一方の
端子側に(直接あるいは何らかの要素を介して)接続さ
れ、かつ、電界効果型トランジスタ1111の制御端子
側がパワー増幅器1100の通電制御端子側に(直接あ
るいは何らかの要素を介して)接続されるように構成さ
れている。
【0110】この電界効果型パワー部カレントミラー回
路は、通電制御端子側への入力電流が小さい内は所定の
電流増幅率を有し、入力電流が大きくなると、その電流
増幅率が急激に大きくなる。なお、NMOS型パワート
ランジスタ1010やNMOS型パワートランジスタ1
110はNチャンネルMOS構造の電界効果型パワート
ランジスタによって構成でき、集積回路化は容易であ
る。
【0111】また、本実施例において、電圧変換器52
の電流路形成回路であるフライホイール用ダイオード6
2の部分には、種々の変形が可能である。たとえば、フ
ライホイール用ダイオード62の代わりに図26に示し
た構成のNMOS型同期整流トランジスタ1400を使
用し、PWM部65からの信号によって、スイッチング
トランジスタ61のオン・オフのスイッチング動作と相
補的に同期整流トランジスタ1400をオフ・オンのス
イッチング動作させることが可能である。同期整流トラ
ンジスタ1400はNチャンネルMOS構造の電界効果
型パワートランジスタによって構成され、同期整流トラ
ンジスタ1400の電流入力出力端子間に逆接続された
寄生ダイオード1400dによってフライホイール用ダ
イオードの効果を得ることもできる。
【0112】また、たとえば、図27に示した構成のP
MOS型同期整流トランジスタ1500を使用し、PW
M部65からの信号によって、スイッチングトランジス
タ61のオン・オフのスイッチング動作と相補的に同期
整流トランジスタ1500をオフ・オンのスイッチング
動作させることが可能である。同期整流トランジスタ1
500の電流入力出力端子間に逆接続された寄生ダイオ
ード1500dによってフライホイール用ダイオードの
効果を得ることもできる。
【0113】また、電流供給器30の構成は図1に示し
たものに限定されず、各種の変形が可能である。図1の
電流供給器30は、たとえば、図28に示した構成の電
流供給器950に置き換えても良い。電流供給器950
は、指令信号Adと電圧源951の基準電圧(零も含
む)の差電圧に比例もしくは略比例した電流信号Bkを
レベル変換部952によって作りだし、供給出力部95
3によって電流信号Bkに比例もしくは略比例した第1
の供給電流信号C1と第2の供給電流信号C2を出力す
る。
【0114】すなわち、指令信号Adに直接応動した第
1の供給電流信号C1と第2の供給電流信号C2を得て
いる。なお、第1の供給電流信号C1や第2の供給電流
信号C2には、所要のバイアス値を含ませても良い。電
流供給器950の具体的な構成は、前述の図3に示した
電流供給器30の構成と同様であり、詳細な説明は省略
する。
【0115】《実施例2》図9から図12に本発明の実
施例2のモータを含んで構成されたディスク装置と、モ
ータを示す。図9に全体構成を示す。本実施例2では、
動作制御器310に変調部300を設け、電圧変換器5
2の変換直流電圧を被変調信号に応動して変化するよう
にした。その他の構成において、前述の実施例1と同様
なものには同一の番号を付し、詳細な説明を省略する。
【0116】図9の動作制御器310は、指令信号Ad
と合成電流検出信号Agの比較結果と後述の被変調電流
信号Pmに応動した動作制御信号Vdを出力する。電圧
変換器52は、動作制御信号Vdに応動してNMOS型
スイッチングトランジスタ61を高周波スイッチング動
作させる。電圧変換器52は、直流電源50の直流電圧
Vccを電力供給源として、NMOS型スイッチングト
ランジスタ61のPWMスイッチング動作に応動した変
換直流電圧(Vcc−Vg)を作り出す。
【0117】図10に動作制御器310と電圧変換器5
2の具体的な構成を示す。動作制御器310の電圧電流
変換回路290は、コイルへの合成供給電流Ivに応動
した電流検出抵抗31の電圧降下信号に比例した電流を
出力する。電圧電流変換回路290の出力電流は抵抗2
91に通電され、合成電流検出信号Agを得る。従っ
て、合成電流検出信号Agはコイルへの合成供給電流I
vに比例した電圧信号になる。差動増幅回路292は、
指令信号Adと合成電流検出信号Agを比較し、その差
電圧を増幅して増幅信号Vfを出力する。
【0118】変調部300は、移動体1の回転移動動作
に応動してアナログ的に変化する被変調電流信号Pmを
出力する。被変調電流信号Pmは合成部295の抵抗2
96に供給され、抵抗296の端子に動作制御信号Vd
を作り出している。すなわち、動作制御信号Vdは、指
令信号Adと合成電流検出信号Agの差電圧と被変調電
流信号Pmに応動して変化する。動作制御信号Vdは、
電圧変換器52に供給される。なお、コンデンサ293
は差動増幅回路292においてフィルタを形成してい
る。
【0119】図11に変調部300の具体的な構成を示
す。変調部300は、移動体1の回転移動に同期して変
化する変調信号R1,R2,R3を得る変調作成回路3
91と、振幅電流信号Lmを作る振幅回路392と、変
調信号R1,R2,R3に応動して振幅電流信号Lmを
変調した被変調電流信号Pmを出力する被変調出力回路
393を含んで構成されている。
【0120】変調作成回路391のトランジスタ32
1,322は、切換作成器34の位置検出信号Ja1,
Ja2に応動して、定電流源317の電流をコレクタ側
に分配する。トランジスタ321,322のコレクタ電
流は、トランジスタ324,325のカレントミラー回
路によって比較される。両者の差電流の絶対値はトラン
ジスタ325,326,327,328,329,33
0による絶対値回路を介して出力され、抵抗361に電
圧信号R1を作り出す。すなわち、電圧信号R1は位置
検出信号Ja1の絶対値に対応している。
【0121】同様に、トランジスタ331〜340,定
電流源318,抵抗362は、位置検出信号Jb1の絶
対値に対応した電圧信号R2を抵抗362の端子に作り
出す。同様に、トランジスタ341〜350,定電流源
319,抵抗363は、位置検出信号Jc1の絶対値に
対応した電圧信号R3を抵抗363の端子に作り出す。
すなわち、電圧信号R1,R2,R3は3相の位置検出
信号Ja1,Jb1,Jc1に応動した3相の絶対値信
号になる。
【0122】振幅回路392は、被変調電流信号Pmの
振幅を決める振幅電流信号Lmを出力する(具体的な構
成は後述する)。被変調出力回路393のトランジスタ
371,372,373,374とダイオード375,
376は、3相の絶対値電圧信号R1,R2,R3と所
定電圧(ここでは、抵抗361,362,363の共通
接続端子の電圧)を比較し、比較結果に応動して振幅電
流信号Lmをトランジスタ371,372,373,3
74のコレクタ側に分流する。
【0123】トランジスタ371,372,373のコ
レクタは共通接続され、その合成電流とトランジスタ3
74のコレクタ電流がトランジスタ377,378のカ
レントミラー回路によって比較され、その差電流がトラ
ンジスタ379,380のカレントミラー回路を介して
被変調電流信号Pmとして出力される。
【0124】これにより、被変調電流信号Pmは移動体
1の回転移動動作に同期して振幅をアナログ的に変化さ
せる。特に、トランジスタ371,372,373,3
74とダイオード375,376の構成により、3相の
絶対値電圧信号R1,R2,R3の最小値と振幅回路3
89の振幅電流信号Lmの乗算結果に応じて被変調電流
信号Pmは変化する。3相の絶対値電圧信号R1,R
2,R3の最小値は、位置検出信号の一周期の変化に対
して6回変化する高調波信号である。
【0125】従って、被変調電流信号Pmは、振幅電流
信号Lmに比例したピーク振幅を有し、位置検出信号の
一周期(電気角360度)当たり6回、アナログ的に変
化する高調波信号になる。この回数は、第1のパワート
ランジスタと第2のパワートランジスタによるコイル
2,3,4への電流路の切換回数に対応している。
【0126】図12に振幅回路392の具体的な構成の
一例を示す。振幅回路392の電圧電流変換回路401
は、電圧変換器52の正極出力端子側と負極出力端子側
の間の変換直流電圧に比例した電流信号L1を流出方向
に出力する。電圧電流変換回路402は、合成供給電流
Ivに比例した電流信号L2を流入方向に出力する。定
電流源403は所定値の電流信号L3を流入方向に出力
する。従って、振幅回路392の振幅電流信号Lmは、
電流信号L1,L2,L3が流入・流出方向を含めて演
算合成され、Lm=|L1|−|L2|−|L3|にな
る。ここに、|A|は信号Aの絶対値を意味する。
【0127】また、電流信号|L1|は電圧変換器52
の変換直流電圧に相当させ、電流信号|L2|はコイル
の内部抵抗や電流検出抵抗31やパワートランジスタの
オン抵抗などでの電圧降下に相当させ、電流信号|L3
|はその他の電圧降下に相当させている。その結果、振
幅回路392は、電流が通電されている2相分のコイル
に発生している逆起電力の大きさを推定する逆起電力推
定機構を構成し、振幅電流信号Lmは逆起電力の大きさ
に応動した電流信号になっている。
【0128】従って、被変調電流信号Pmは、移動体1
の移動動作に応動してアナログ的に変化し、コイルの逆
起電力の大きさに応動したピーク振幅を有する高調波信
号になっている。また、動作制御信号Vdは、指令信号
Adと合成電流検出信号Agの比較結果および被変調電
流信号Pmの両者に応動して変化する。
【0129】図9の電圧変換器52は、動作制御器51
の動作制御信号Vdに応動してNMOS型スイッチング
トランジスタ61をオン・オフの高周波スイッチング動
作させ、変換用コンデンサ素子64の一端と直流電源5
0の一端の間に変換直流電圧(Vcc−Vg)を出力す
る。従って、電圧変換器52は、指令信号Adと合成電
流検出信号Agの比較結果および被変調電流信号Pmに
応動してNMOS型スイッチングトランジスタ61を高
周波PWM動作させ、正極出力端子側と負極出力端子側
の間の変換直流電圧(Vcc−Vg)を可変制御する。
また、PWM動作するNMOS型スイッチングトランジ
スタ61と変換用インダクタ素子63を用いて電圧変換
しているので、電圧変換器52における電力損失は小さ
い。
【0130】ここで、動作制御器310は変調部300
を含んで構成され、被変調電流信号Pmに応動した動作
制御信号Vdを作りだす。電圧変換器52は動作制御信
号Vdに応動してNMOS型スイッチングトランジスタ
61を高周波PWM動作させ、負極出力端子側の電位V
gを可変制御する。従って、電圧変換器52の負極出力
端子側の電位Vgおよび変換直流電圧(Vcc−Vg)
は、被変調電流信号Pmに応動して変化する。
【0131】電圧変換器52の変換直流電圧(Vcc−
Vg)は、並列的に接続された第1のパワー増幅器1
1,12,13と並列的に接続された第2のパワー増幅
器15,16,17に供給され、選択された第1のNM
OS型パワートランジスタと選択された第2のNMOS
型パワートランジスタがオン状態になり、コイル2,
3,4への電流路を形成する。変調部300の被変調電
流信号Pmは、電圧変換器52の変換直流電圧に応動し
て変化し、通電されたコイルの逆起電力の大きさに応動
したピーク振幅を有している。また、被変調電流信号P
mは、移動体1の移動動作に同期して変化する高調波信
号にされている。これにより、通電状態にあるコイルに
生じる逆起電力のリップル分の影響を相殺・補償するよ
うに作用させている。これについて説明する。
【0132】各相のコイル2,3,4にはそれぞれ所定
の位相差の正弦波状の逆起電力が生じるが、電圧変換器
52の変換直流電圧が印加される電流路を形成されたコ
イルの合成の逆起電力は、電流路の切換に伴ってリップ
ル分を有している。合成供給電流Ivを指令信号Adに
一致させる電流制御を施しているが、逆起電力のリップ
ル分が大きく、その影響が残留する。そのため、コイル
への駆動電流が合成の逆起電力のリップル分の影響を受
けて脈動し、発生駆動力に大きな脈動が生じる。
【0133】そこで、電圧変換器52の変換直流電圧
(Vcc−Vg)を変調部300の被変調電流信号Pm
に応動して変化させ、通電状態にあるコイルに生じる逆
起電力のリップル分の影響を相殺・補償させた。特に、
被変調電流信号Pmを電圧変換器52の変換直流電圧に
応動して変化させ、被変調電流信号Pmのピーク振幅を
逆起電力の大きさに応動させることにより、逆起電力の
影響を正確に補償できるようにした。その結果、電流制
御の精度が向上し、駆動力の脈動が大幅に小さくなり、
振動・騒音の少ない高性能なモータを有するディスク装
置を実現できる。
【0134】特に、図12に示した振幅回路392で
は、通電されているコイルの逆起電力の大きさに応動し
て振幅電流信号Lmを変化させ、変調部300の被変調
電流信号Pmのピーク振幅を逆起電力の大きさに対応し
て変えている。これにより、移動体1の回転移動速度の
変化により逆起電力が大幅に変化しても、適切な振幅の
高調波成分を電圧変換器52の変換直流電圧に含ませる
ことを可能にした。その結果、発生駆動力の脈動は常に
小さくなる。
【0135】また、図13に振幅回路392の他の構成
例を示す。ここでは、電圧変換器52の変換直流電圧に
応動した電流信号L1をそのまま振幅電流信号Lmにし
ている。その結果、被変調電流信号Lmも変換直流電圧
に応動して変化する。このような構成であっても、駆動
力の脈動を軽減可能である。
【0136】また、図14に振幅回路392の他の構成
例を示す。ここでは、指令信号Adに応動した動作制御
器51の増幅電圧信号Vfに応動した電流信号L4と所
定の電流値L5を演算合成して、振幅電流信号Lmを得
ている。なお、逆起電力の大きさの変化が少ない場合に
は、振幅電流信号Lmを一定値にすることも可能であ
る。その他の構成及び動作は、前述の実施例1と同様で
あり、詳細な説明を省略する。
【0137】本実施例では、動作制御器310に移動体
1の移動動作に同期して変化する被変調電流信号Pmを
得る変調部300を設けて、変調部300の出力信号P
mに応動して電圧変換器52の変換直流電圧を変化させ
た。これにより、駆動力の脈動は大幅に低減した。ま
た、変調部300の被変調電流信号Pmを電圧変換器5
2の変換直流電圧に応動して変化させ、移動体1の回転
移動速度が変化した場合でも、常に駆動力の脈動を低減
できるようにした。
【0138】また、本実施例の切換作成器34は、磁電
変換素子を使用した位置検出部100を含んで構成し
た。しかし、そのような素子を用いることなく、たとえ
ば、コイル2,3,4に生じる逆起電力を利用して3相
の切換信号を作り出しても良い。このとき、逆起電力の
零クロス時点をタイミング信号として利用し、移動体1
の移動動作に同期して変化する変調部の被変調信号を得
て、被変調信号に応動して電圧変換器の変換直流電圧を
変化させることができる。その他、本実施例でも、前述
の実施例1と同様な各種の利点を得ることができる。
【0139】《実施例3》図15から図17に本発明の
実施例3のモータを含んで構成されたディスク装置と、
モータを示す。図15に全体構成を示す。本実施例3で
は、直流電源50のオフ時に、電力路スイッチ器54を
オフにし、電圧取出器490の端子Xfにコイル2,
3,4の逆起電力の整流直流電圧を取り出すようにし
た。また、異なった構成の高電圧出力器450を用い
た。その他の構成において、前述の実施例2もしくは実
施例1と同様なものには同一の番号を付し、詳細な説明
を省略する。
【0140】図15の高電圧出力器450は、昇圧用イ
ンダクタと昇圧用コンデンサを含んで構成され、直流電
源50の正極端子電位Vccよりも高い高電位点電位V
uを作りだし、第2の電流増幅器45,46,47に供
給する。
【0141】図16に高電圧出力器450の具体的な構
成を示す。高電圧出力器450は、100kHz程度の
高周波パルス信号Paを出力するパルス発生回路461
と、昇圧用インダクタ451と、昇圧用コンデンサ45
2と、ダイオード475〜478からなる第1の電圧制
限回路と、ダイオード479からなる第2の電圧制限回
路を含んで構成されている。パルス発生回路461のパ
ルス信号Paに応動してインバータ回路462がディジ
タル的に変化する。
【0142】パルス信号Paが”L”の時にトランジス
タ464がオンとなり、トランジスタ464を介して昇
圧用インダクタ451に電流が流れ、昇圧用インダクタ
451に磁気エネルギーを充電する。パルス信号Pa
が”H”に変わるとトランジスタ464がオフになり、
昇圧用インダクタ451に蓄積された磁気エネルギーに
より、ダイオード471を介して昇圧用コンデンサ45
2に電流を流す充電路が形成され、昇圧用コンデンサ4
52を充電して電荷を蓄積する。その結果、昇圧用コン
デンサ452の端子には、直流電源50の正極端子側電
位Vccよりも高電位になる高電位点電位Vuが出力さ
れる。
【0143】また、昇圧用コンデンサ452への充電を
続けると、高電位点の電圧Vuが非常に高くなり、集積
回路化されたトランジスタやダイオードの耐圧破壊を引
き起こす。ダイオード475〜478による第1の電圧
制限回路は、高電位点電圧Vuが所定値以上にならない
ように制限し、耐圧破壊を防止している。また、ダイオ
ード479による第2の電圧制限回路は、高電圧出力器
450の高電位点電圧Vuが直流電源50の正極端子側
電位Vccより大幅に小さくならないように制限した。
これにより、モータ起動時などの大電流供給時でも高電
位点電位Vuが過度に小さくならないため、集積回路動
作が安定する。なお、第1の電圧制限回路や第2の電圧
制限回路は、必要がなければ接続しなくてもよい。
【0144】図15の直流電源50は、たとえば、直流
電圧源70とスイッチ回路71によって構成されてい
る。直流電源50がオンの時には、スイッチ回路71は
Ta端子側に接続され、直流電圧源70の直流電圧を正
極端子側と負極端子側の間に出力する。直流電源50が
オフの時には、スイッチ回路71はTb端子側に接続さ
れ、等価的に直流電源50の正極端子側と負極端子側は
短絡状態になる。直流電源50は、通常オン状態にある
が、電源オフ時,緊急時もしくは異常時にオフする。
【0145】図15の電力路スイッチ器54は、直流電
源50の出力電圧に応動してオン・オフするPMOS型
電力路トランジスタ72を含んで構成されている。直流
電源50が所定の出力電圧を供給している場合にPMO
S型電力路トランジスタ72はオンになり、直流電源5
0の正極端子側から第2のパワー増幅器15,16,1
7の電流流入端子側への電力路を接続する。直流電源5
0の出力電圧が零もしくは所定値以下に小さくなるとP
MOS型電力路トランジスタ72はオフになり、直流電
源50の正極端子側と第2のパワー増幅器15,16,
17の電流流入端子側への電流路を開放する。
【0146】PMOS型電力路トランジスタ72は、そ
の電流流入端子側を直流電源50の正極端子側に接続さ
れ、その電流流出端子側を電圧変換器52の正極出力端
子側に接続されている。PMOS型電力路トランジスタ
72の動作はスイッチ制御部73によって切り換えら
れ、直流電源50の出力電圧に応動してオン・オフが切
り換わる。
【0147】図17に電力路スイッチ器54の具体的な
構成を示す。スイッチ制御部73は、NMOS型トラン
ジスタ311と抵抗312によって構成されている。直
流電源50のスイッチ回路71がTa側にあり、直流電
源50が所定の電圧を出力している場合には、NMOS
型トランジスタ311がオンとなり、PMOS型電力路
トランジスタ72はオンになる。直流電源50のスイッ
チ回路71がTb側に換わり、直流電源50がオフした
場合には、NMOS型トランジスタ311がオフとな
り、PMOS型電力路トランジスタ72もオフになる。
ここでは、PMOS型電力路トランジスタ72は逆接続
されたPチャンネルMOS構造の電界効果型トランジス
タによって構成されている。
【0148】すなわち、ドレイン端子を電流流入端子側
にし、ソース端子を電流流出端子側にし、寄生素子とし
て形成されたスイッチダイオード72dが電流流入端子
側から電流流出端子側に向けて等価回路的に接続されて
いる。PMOS型電力路トランジスタ72がオンの時に
はスイッチダイオード72dの両端が短絡され、PMO
S型電力路トランジスタ72がオフの時にはスイッチダ
イオード72dが逆流防止ダイオードとして働いてい
る。しかし、スイッチダイオード72dが存在しなくて
も、動作上は問題ない。
【0149】図15の電圧取出器490は、出力側を共
通接続された第1の取出ダイオード491と第2の取出
ダイオード492を含んで構成されている。第1の取出
ダイオード491の入力側は、第2のパワー増幅器の第
2のNMOS型パワートランジスタの共通接続端子側に
接続されている。第2の取出ダイオード492の入力側
は、直流電源50の正極端子側に接続されている。電圧
取出器490の正極側の出力端子Xfは第1の取出ダイ
オード491と第2の取出ダイオード492の共通接続
端子側である。これにより、第2のNMOS型パワート
ランジスタの共通接続端子側に生じる直流電圧を直流電
源50の出力直流電圧Vccと比較し、両者の内で大き
い方の電圧値に応動した直流電圧を電圧取出器490の
出力端子Xfに取り出している。
【0150】通常、直流電源50はオンであり、電圧取
出器490の出力端子Xfには直流電源50の出力直流
電圧Vccに応動した直流電圧が出力されている。しか
し、緊急時に直流電源50がオフした時には、直流電源
50の出力電圧Vccが零になり、電力路スイッチ器5
4のPMOS型電力路トランジスタ72はオフする。直
流電源50がオフになると、電流供給器30の第1の供
給電流信号C1や第2の供給電流信号C2が零または非
常に小さくなり,第1の分配器37の第1の分配電流信
号や第2の分配器38の第2の分配電流信号が零または
非常に小さくなる。
【0151】その結果、第1のパワー増幅器11,1
2,13の第1のNMOS型パワートランジスタ81,
82,83、および、第2のパワー増幅器15,16,
17の第2のPMOS型パワートランジスタ85,8
6,87の通電がほぼ停止する。このとき、移動体1の
回転移動動作によってコイル2,3,4には3相の逆起
電力が生じている。第1のパワーダイオード81d,8
2d,83dと第2のパワーダイオード85d,86
d,87dとスイッチングダイオード61dは、コイル
2,3,4に生じている逆起電力を整流し、第2のパワ
ー増幅器の共通接続端子側に整流直流電圧を出力する。
【0152】電力路スイッチ器54の電力路トランジス
タ72がオフであるから、電圧取出器490の第1の取
出ダイオード491を介して、整流直流電圧は出力端子
Xfに出力される。すなわち、電圧取出器490は、直
流電源50がオフした時に、コイル2,3,4に生じて
いる3相の逆起電力をパワーダイオードによって整流し
た整流直流電圧を出力端子Xfに取り出している。この
電圧取出器490の出力電圧を用いて、緊急時の各種の
退避処理を行うことが可能である。ここでは、緊急時に
電圧取出器490の整流直流電圧を用いて、ヘッド1c
の退避処理を行っている。
【0153】その他の構成及び動作は、前述の実施例1
もしくは実施例2と同様であり、詳細な説明を省略す
る。本実施例では、直流電源50がオフした時に、コイ
ルに生じている3相の逆起電力を第1のパワーダイオー
ドや第2のパワーダイオードを介して整流した整流直流
電圧を、電圧取出器490の端子Xfに取り出してい
る。この電圧取出器490の出力電圧を用いて、緊急時
の各種の退避処理を行うことが可能である。たとえば、
本実施例をハードディスク装置として使用した場合に
は、直流電源50のオフ時に、この電圧取出器490の
整流直流電圧を使用して、電気的にマイコンのメモリ内
容の保存をしたり、機械的にヘッドの退避移動を行って
いる。これにより、ディスク装置の信頼性を向上させ
た。
【0154】なお、直流電源50がオフになった時に、
電流供給器30の第1の供給電流信号C1を所定値にす
るならば、移動体1の回転移動に伴って第1のパワー増
幅器11,12,13の第1のNMOS型パワートラン
ジスタ81,82,83を順次オン状態にすることが可
能である。また、第2の供給電流信号C2を零にするな
らば、第2のパワー増幅器15,16,17の第2のN
MOS型パワートランジスタ85,86,87はすべて
オフ状態にすることが可能である。また、電圧変換器5
2のPWM信号Swを高電圧にするならば、NMOS型
スイッチングトランジスタ61をオン状態にすることが
可能である。
【0155】これにより、コイルの3相の逆起電力の負
極側電圧はパワートランジスタやスイッチングトランジ
スタを活性動作させて整流し、正極側電圧は第2のパワ
ーダイオード85d,86d,87dによって整流させ
ることができる。また、電圧取出器490はダイオード
の代わりにスイッチ動作をする電界効果型トランジスタ
を用いて構成しても良い。また、第2の供給電流信号C
2も所定値となし、第2のパワー増幅器15,16,1
7と高電圧出力器450を動作させるならば、コイルの
3相の逆起電力の正極側電圧もパワートランジスタによ
って整流させることができる。さらに、本実施例でも、
前述の実施例と同様な各種の利点を得ることができる。
【0156】《実施例4》図18と図19に本発明の実
施例4のモータを含んで構成されたディスク装置と、モ
ータを示す。図18に全体構成を示す。本実施例4で
は、第2のパワー増幅器615,616,617に第2
のPMOS型パワートランジスタ685,686,68
7を使用し、高電圧出力器をなくしたものである。これ
に伴って、第2の電流増幅器645,646,647を
変更した。その他の構成において、前述の実施例3,実
施例2,もしくは実施例1と同様なものには同一の番号
を付し、詳細な説明を省略する。
【0157】図18の電圧変換器52の正極出力端子側
には、電流検出抵抗31を介して、3個の第2のパワー
増幅器615,616,617の電流流入端子側が共通
接続されている。第2のパワー増幅器615は第2のP
MOS型パワートランジスタ685とPMOS型トラン
ジスタ695による第2の電界効果型パワー部カレント
ミラー回路によって構成され、通電制御端子側に入力さ
れた第2の電流増幅器645の出力電流H1を増幅して
出力する。ここで、PMOS型トランジスタとはPチャ
ンネルMOS構造の電界効果型トランジスタを意味す
る。第2のPMOS型パワートランジスタ685のセル
サイズをPMOS型トランジスタ695のセルサイズの
100倍にして、第2の電界効果型パワー部カレントミ
ラー回路が能動領域で動作している時に100倍の電流
増幅率を得ている。
【0158】同様に、第2のパワー増幅器616は第2
のPMOS型パワートランジスタ686とPMOS型ト
ランジスタ696による第2の電界効果型パワー部カレ
ントミラー回路によって構成され、通電制御端子側に入
力された第2の電流増幅器646の出力電流H2を増幅
して出力する(セルサイズ比は100倍)。同様に、第
2のパワー増幅器617は第2のPMOS型パワートラ
ンジスタ687とPMOS型トランジスタ697による
第2の電界効果型パワー部カレントミラー回路によって
構成され、通電制御端子側に入力された第2の電流増幅
器647の出力電流H3を増幅して出力する(セルサイ
ズ比は100倍)。
【0159】第2のPMOS型パワートランジスタ68
5,686,687の各電流流入端子側は電流検出抵抗
31を介して電圧変換器52の正極出力端子側に共通接
続され、各電流流出端子側をコイル2,3,4の各電力
供給端子に接続されている。なお、第2のPMOS型パ
ワートランジスタ685,686,687はPチャンネ
ルMOS構造の電界効果型トランジスタによって構成さ
れ、その電流流出端子側から電流流入端子側に向けて、
寄生素子として形成された第2のパワーダイオード68
5d,686d,687dが等価回路的に逆接続されて
いる。
【0160】第2の分配器38の第2の分配電流信号G
1,G2,G3は、それぞれ第2の電流増幅器645,
646,647に入力される。第2の電流増幅器64
5,646,647は、それぞれ第2の分配電流信号G
1,G2,G3を所定倍の電流増幅して第2の増幅電流
信号H1,H2,H3を作りだし、第2のパワー増幅器
615,616,617の各通電制御端子側に供給す
る。第2のパワー増幅器615,616,617は、3
相の第2の増幅電流信号H1,H2,H3をそれぞれ電
流増幅し、各電流流出端子側よりコイル2,3,4に駆
動電流I1,I2,I3の正極側電流を供給する。
【0161】図19に第2の電流増幅器645,64
6,647の具体的な構成を示す。第2の電流増幅器6
45は、トランジスタ651,652による前段のカレ
ントミラー回路とトランジスタ653,654と抵抗6
55,656による後段のカレントミラー回路を有し、
前段と後段のカレントミラー回路を縦続接続した第2の
増幅部カレントミラー回路によって構成されている。ト
ランジスタ651と652のエミッタ面積比を1にし、
前段のカレントミラー回路の電流増幅率を1にしてい
る。
【0162】トランジスタ653と654のエミッタ面
積比を50倍、抵抗656と655の抵抗比を50倍に
して、後段のカレントミラー回路の電流増幅率を50倍
にしている。その結果、第2の電流増幅器645の第2
の増幅部カレントミラー回路は、電流増幅率で50倍の
増幅を行っている。同様に、第2の電流増幅器646
は、トランジスタ661,662,663,664と抵
抗665,666による第2の増幅部カレントミラー回
路によって構成され、電流増幅率で50倍の増幅を行っ
ている。同様に、第2の電流増幅器647は、トランジ
スタ671,672,673,674と抵抗675,6
76による第2の増幅部カレントミラー回路によって構
成され、電流増幅率で50倍の増幅を行っている。
【0163】これにより、第2の電流増幅器645,6
46,647は、3相の第2の分配電流信号G1,G
2,G3をそれぞれ50倍の増幅した3相の第2の増幅
電流信号H1,H2,H3を作りだし、第2のパワー増
幅器615,616,617の第2のパワー部カレント
ミラー回路の各通電制御端子側に供給する。また、第2
の電流増幅器645,646,647の第2の増幅部カ
レントミラー回路は、出力用のNPN型トランジスタ6
54,664,674の電流流出端子側を直流電源50
の負極端子側に接続され、この出力用トランジスタ65
4,664,674を介してそれぞれ第2のパワー増幅
器615,616,617に電流を供給している。これ
により、第2のパワー増幅器615,616,617の
第2のPMOS型パワートランジスタ685,686,
687を十分に通電制御するようにしている。
【0164】その他の構成及び動作は、前述の実施例
1,実施例2もしくは実施例3と同様であり、詳細な説
明を省略する。次に、全体的な動作について説明する。
第1の分配器37は、第1の供給電流信号C1を3相の
切換電流信号D1,D2,D3に応動して分配し、3相
の第1の分配電流信号E1,E2,E3を出力する。第
1の電流増幅器41,42,43は、第1の分配電流信
号E1,E2,E3を電流増幅した第1の増幅電流信号
F1,F2,F3を出力し、第1のパワー増幅器11,
12,13の各通電制御端子側に供給する。第1のパワ
ー増幅器11,12,13の第1の電界効果型パワー部
カレントミラー回路は、第1の増幅電流信号F1,F
2,F3を電流増幅し、3相のコイル2,3,4に駆動
電流I1,I2,I3の負極側電流を供給する。
【0165】第2の分配器38は、第2の供給電流信号
C2を3相の切換電流信号D1,D2,D3に応動して
分配し、3相の第2の分配電流信号G1,G2,G3を
出力する。第2の電流増幅器645,646,647
は、第2の分配電流信号G1,G2,G3を所定倍の電
流増幅した第2の増幅電流信号H1,H2,H3を出力
し、第2のパワー増幅器615,616,617の各通
電制御端子側に供給する。第2のパワー増幅器615,
616,617の第2の電界効果型パワー部カレントミ
ラー回路は、第2の増幅電流信号H1,H2,H3を電
流増幅し、3相のコイル2,3,4に駆動電流I1,I
2,I3の正極側電流を供給する。
【0166】電流供給器30の電流検出抵抗31は、駆
動電流I1,I2,I3の正極側電流の合成値である合
成供給電流Ivを検出する。レベル変換回路32と供給
出力部33は、合成供給電流Ivに比例もしくは略比例
した第1の供給電流信号C1と第2の供給電流信号C2
を出力する。第1の分配制御ブロック(電流供給器30
と切換作成器34と第1の分配器37と第1の電流増幅
器41,42,43)は、立ち上がり傾斜部分および立
ち下がり傾斜部分が滑らかに変化する3相の第1の増幅
電流信号F1,F2,F3を作りだし、第1の増幅電流
信号F1,F2,F3を第1のパワー増幅器11,1
2,13の各通電制御端子側に供給している。従って、
各第1のパワー増幅器は、電流路の切り換わりの初めの
期間および終わりの期間において能動領域内で電流増幅
作用をして滑らかに電流値を変化させ、支配的に電流路
を形成した期間においてフルオン動作を行っている。
【0167】これにより、3個の第1のNMOS型パワ
ートランジスタ81,82,83のうちで少なくとも1
個の第1のNMOS型パワートランジスタを確実にフル
オン動作させながらも、3個の第1のNMOS型パワー
トランジスタ81,82,83による電流路の切換動作
を滑らかに行わせている。その結果、電流路の切り換わ
りに伴うスパイク電圧の発生がなくなり、コイル2,
3,4への駆動電流I1,I2,I3は滑らかに変化す
る。
【0168】第2の分配制御ブロック(電流供給器30
と切換作成器34と第2の分配器38と第2の電流増幅
器645,646,647)は、立ち上がり傾斜部分お
よび立ち下がり傾斜部分が滑らかに変化する3相の第2
の増幅電流信号H1,H2,H3を作りだし、第2の増
幅電流信号H1,H2,H3を第2のパワー増幅器61
5,616,617の各通電制御端子側に供給してい
る。従って、各第2のパワー増幅器は、電流路の切り換
わりの初めの期間および終わりの期間において能動領域
内で電流増幅作用をして滑らかに電流値を変化させ、支
配的に電流路を形成した期間においてフルオン動作を行
っている。
【0169】これにより、3個の第2のPMOS型パワ
ートランジスタ685,686,687のうちで少なく
とも1個の第2のPMOS型パワートランジスタを確実
にフルオン動作させながらも、3個の第2のPMOS型
パワートランジスタ685,686,687による電流
路の切換動作を滑らかに行わせている。その結果、電流
路の切り換わりに伴うスパイク電圧の発生がなくなり、
コイル2,3,4への駆動電流I1,I2,I3は滑ら
かに変化する。
【0170】また、第1の分配制御ブロックと第1のパ
ワー増幅器11,12,13によって第1の正帰還ルー
プが形成され、第2の分配制御ブロックと第2のパワー
増幅器615,616,617によって第2の正帰還ル
ープが形成されている。これにより、コイルへの合成供
給電流Ivが変化した場合であっても、全体の回路動作
の安定化をはかっている。
【0171】同一相の第1の増幅電流信号F1と第2の
増幅電流信号H1は、180゜の位相差をもって相補的
に流れるので、第1のパワー増幅器11と第2のパワー
増幅器615は相補的に動作する。従って、滑らかに連
続的に変化する両方向の駆動電流I1がコイル2に供給
される。
【0172】同様に、第1のパワー増幅器12と第2の
パワー増幅器616は相補的に動作し、滑らかに連続的
に変化する両方向の駆動電流I2がコイル3に供給され
る。同様に、第1のパワー増幅器13と第2のパワー増
幅器617は相補的に動作し、滑らかに連続的に変化す
る両方向の駆動電流I3がコイル4に供給される。この
ように、滑らかに変化する連続的な駆動電流I1,I
2,I3をコイル2,3,4に供給するので、コイル
2,3,4におけるスパイク電圧の発生もなく、寄生素
子である第1のパワーダイオード81d,82d,83
dや第2のパワーダイオード685d,686d,68
7dを通じた異常電流が流れることもない。従って、発
生駆動力の脈動は著しく小さくなる。
【0173】動作制御器310は、指令信号Adと合成
電流検出信号Agの比較結果および変調部300の被変
調電流信号Pmに応動した動作制御信号Vdを出力す
る。動作制御器310の出力信号Vdに応動して電圧変
換器52のNMOS型スイッチングトランジスタ61の
スイッチング動作が制御され、電圧変換器52の変換直
流電圧(Vcc−Vg)を可変制御する。従って、変調
部300の被変調電流信号Pmは逆起電力のリップル分
による影響を補償し、指令信号Adに応動した正確な合
成供給電流Ivを供給するように高精度な電流制御を行
っている。その結果、駆動力の脈動を低減している。
【0174】また、緊急時に直流電源50がオフした時
に、コイル2,3,4に生じている3相の逆起電力を第
1のパワーダイオード81d,82d,83dや第2の
パワーダイオード685d,686d,687dを介し
て整流した整流直流電圧を、電圧取出器490の端子X
fに出力する。この電圧取出器490の出力電圧を用い
て、緊急時の各種の退避処理を行う。
【0175】本実施例では、電圧変換器やパワー増幅器
の電力損失が小さく、電力効率の良いディスク装置およ
びモータを得ることができる。従って、パワートランジ
スタやスイッチングトランジスタを集積回路化した場合
の熱破壊を防止できる。また、パワートランジスタの電
流流出端子側から電流流入端子側に向けて形成された寄
生ダイオードをパワーダイオードとして使用し、パワー
ダイオードのためのチップ面積を実質的に零にした。
【0176】また、第2のパワー増幅器や電力路スイッ
チ器に、第2のPMOS型パワートランジスタやPMO
S型電力路トランジスタを使用し、これらのパワー素子
を動作させるための別の電源を不要にした。すなわち、
コンデンサ等の部品を必要とし、電力消費の比較的大き
い高電圧出力器をなくした。これにより、全体構成は著
しく簡素になる。
【0177】また、直流電源の負極端子側に電流流出端
子側を接続されたNMOS型スイッチングトランジスタ
をPWM動作させ、NMOS型スイッチングトランジス
タと変換用インダクタ素子によって変換直流電圧を得て
いる。これにより、NMOS型スイッチングトランジス
タの電流流入端子側および電流流出端子側の電位が直流
電源50の負極端子側電位(グランド電位)以下になら
ない。その結果、接合分離部分をベース端子とする寄生
トランジスタ素子の動作を防止でき、全体の回路動作が
安定になる。
【0178】また、本実施例では、電流供給器により合
成供給電流Ivに応動した第1の供給電流信号C1と第
2の供給電流信号C2を出力する。第1の供給電流信号
C1に応動した第1の増幅電流信号F1,F2,F3を
用いて第1のパワー増幅器11,12,13の通電を制
御し、第2の供給電流信号C2に応動した第2の増幅流
信号H1,H2,H3を用いて第2のパワー増幅器1
5,16,17の通電を制御する。これにより、指令信
号Adに応動してコイルへの合成供給電流Ivが変化し
た場合であっても、電流路の切換動作はアナログ的に滑
らかに行うことができる。
【0179】また、3個の第1のNMOS型パワートラ
ンジスタうちで少なくとも1個の第1のパワートランジ
スタを確実にフルオン動作でき、3個の第2のPMOS
型パワートランジスタのうちで少なくとも1個の第2の
パワートランジスタを確実にフルオン動作できる。従っ
て、電流路の切り換わりに伴う駆動電流の脈動や駆動力
の脈動は極めて小さくなり、振動・騒音や発熱の小さい
ディスク装置やモータを実現できる。
【0180】また、本実施例において、第1のパワー増
幅器11,12,13は図18に示された構成に限ら
ず、種々の変形が可能である。たとえば、第1のパワー
増幅器11,12,13のそれぞれの代わりに、図22
に示した構成のパワー増幅器1000を使用しても良
い。また、たとえば、図23に示した構成のパワー増幅
器1100を使用しても良い。
【0181】また、本実施例において、第2のパワー増
幅器615,616,617は図18に示された構成に
限らず、種々の変形が可能である。たとえば、第2のパ
ワー増幅器615,616,617のそれぞれの代わり
に、図24に示した構成のパワー増幅器1200を使用
しても良い。パワー増幅器1200はPMOS型パワー
トランジスタ1210とPMOS型トランジスタ121
1と抵抗1012によって電界効果型パワー部カレント
ミラー回路を構成している。
【0182】電界効果型パワー部カレントミラー回路1
200は、電界効果型パワートランジスタ1210の制
御端子側が電界効果型トランジスタ1211の制御端子
側に(直接あるいは何らかの要素を介して)接続され、
電界効果型トランジスタ1211の電流路端子対の一方
の端子側が電界効果型パワートランジスタ1210の電
流路端子対の一方の端子側に抵抗1212を介して接続
され、電界効果型トランジスタ1211の電流路端子対
のもう一方の端子側がパワー増幅器1200の通電制御
端子側に(直接あるいは何らかの要素を介して)接続さ
れ、かつ、電界効果型トランジスタ1211の制御端子
側がパワー増幅器1200の通電制御端子側に(直接あ
るいは何らかの要素を介して)接続されるように構成さ
れている。この電界効果型パワー部カレントミラー回路
は、比較的大きな電流増幅率を有している。
【0183】また、たとえば、図25に示した構成のパ
ワー増幅器1300を使用しても良い。パワー増幅器1
300はPMOS型パワートランジスタ1310とPM
OS型トランジスタ1311と抵抗1312によって電
界効果型パワー部カレントミラー回路を構成している。
【0184】電界効果型パワー部カレントミラー回路1
300は、電界効果型パワートランジスタ1310の制
御端子側が電界効果型トランジスタ1311の制御端子
側に(直接あるいは何らかの要素を介して)接続され、
電界効果型トランジスタ1311の電流路端子対の一方
の端子側がパワー増幅器1300の通電制御端子側に抵
抗1312を介して接続され、電界効果型トランジスタ
1311の電流路端子対のもう一方の端子側が電界効果
型パワートランジスタ1310の電流路端子対の一方の
端子側に(直接あるいは何らかの要素を介して)接続さ
れ、かつ、電界効果型トランジスタ1311の制御端子
側がパワー増幅器1300の通電制御端子側に(直接あ
るいは何らかの要素を介して)接続されるように構成さ
れている。
【0185】この電界効果型パワー部カレントミラー回
路は、通電制御端子側への入力電流が小さい内は所定の
電流増幅率を有し、入力電流が大きくなると、その電流
増幅率が急激に大きくなる。さらに、本実施例でも、前
述の実施例と同様な各種の利点を得ることができる。
【0186】《実施例5》図20に本発明の実施例5の
モータを含んで構成されたディスク装置と、モータを示
す。図20に全体構成を示す。本実施例5では、分路ス
イッチ器700と通電停止器701を設け、コイル2,
3,4に両方向の駆動電流を供給する第1の通電モード
と、コイル2,3,4に片方向の駆動電流を供給する第
2の通電モードを、適時切り換えて供給できるようにし
た。また、コイル2,3,4の共通接続端子側より整流
直流電圧を取り出すように、電圧取出器740を変更し
た。その他の構成において、前述の実施例4,実施例
3,実施例2,もしくは実施例1と同様なものには同一
の番号を付し、詳細な説明を省略する。
【0187】まず、分路スイッチ器700をオフにし、
通電停止器701を停止動作させない場合(第1の通電
モード)を説明する。すなわち、分路スイッチ器700
の第1のスイッチ部711はオフ、通電停止器701の
第2のスイッチ部721と第3のスイッチ部731はオ
ンにした場合である。第1のスイッチ部711がオフで
あるから、分路スイッチ器700のPMOS型分路トラ
ンジスタ710はオフになる。
【0188】PMOS型分路トランジスタ710は、P
チャンネルMOS構造の電界効果型トランジスタにより
構成され、その寄生素子として形成されたダイオード7
10dは電流流出端子側から電流流入端子側に向けて等
価回路的に接続されている。通電停止器701の第2の
スイッチ部721がオンであるから、電流供給器30の
第2の供給電流信号C2は第2の分配器38に供給され
る。通電停止器701の第3のスイッチ部731がオン
であるから、PMOS型通電トランジスタ730はオン
になり、第2のパワー増幅器615,616,617へ
の電流供給を実施する。
【0189】PMOS型通電トランジスタ730は逆接
続され、その電流流入端子側を抵抗31と電力路スイッ
チ器54を介して直流電源50の正極端子側に接続し、
その電流流出端子側を第2のパワー増幅器615,61
6,617の共通接続端子側に接続している。PMOS
型通電トランジスタ730はPチャンネルMOS構造の
電界効果型トランジスタにより構成され、PMOS型通
電トランジスタ730が逆接続されているので、その寄
生素子として形成されたダイオード730dは電流流入
端子側から電流流出端子側に向けて等価回路的に接続さ
れている。
【0190】従って、分路スイッチ器700の第1のス
イッチ部711をオフにし、通電停止器701の第2の
スイッチ部721と第3のスイッチ部731をオンにし
た場合には、前述の実施例4と実質的に同じ構成にな
る。従って、第1のパワー増幅器11,12,13およ
び第2のパワー増幅器615,616,617によっ
て、コイル2,3,4に正極性および負極性の両方向の
駆動電流I1,I2,I3を供給する(第1の通電モー
ド)。具体的な構成及び動作は、前述の実施例4と同様
であり、詳細な説明を省略する。
【0191】次に、分路スイッチ器700をオンにし、
通電停止器701を停止動作させた場合(第2の通電モ
ード)を説明する。すなわち、分路スイッチ器700の
第1のスイッチ部711をオンにし、通電停止器701
の第2のスイッチ部721と第3のスイッチ部731を
オフにした場合である。第1のスイッチ部711がオン
であるから、分路スイッチ器700のPMOS型分路ト
ランジスタ710はオンになる。従って、電圧変換器5
2の正極出力端子側から電流検出抵抗31とPMOS型
分路トランジスタ710を介してコイル2,3,4の共
通接続端子側への電流路が形成される。
【0192】一方、通電停止器701の第2のスイッチ
部721がオフであるから、電流供給器30の第2の供
給電流信号C2は第2の分配器38に供給されない。従
って、第2の分配電流信号G1,G2,G3および第2
の増幅電流信号H1,H2,H3は零になる。その結
果、第2のパワー増幅器615,616,617の第2
のPMOS型パワートランジスタ685,686,68
7はすべてオフになる。さらに、第3のスイッチ部73
1がオフであるから、通電トランジスタ730はオフに
なり、第2のパワー増幅器への電流供給は停止される。
【0193】このとき、通電トランジスタ730および
その寄生ダイオード730dは、コイル2,3,4に生
じた逆起電力の電流路を遮断し、不要な電流路の形成を
防止する。従って、コイル2,3,4への電流路は、電
圧変換器52の正極出力端子側と負極出力端子側の間に
並列的に接続されている第1のパワー増幅器11,1
2,13の第1のNMOS型パワートランジスタ81,
82,83によって形成される。すなわち、コイル2,
3,4に負極性の片方向の駆動電流I1,I2,I3が
供給される(第2の通電モード)。なお、分路スイッチ
器700の抵抗712と通電停止器701の抵抗732
はプルアップ抵抗であり、必要に応じて接続すればよ
い。
【0194】この第2の通電モードの全体動作について
説明する。電流供給器30は、合成供給電流Ivに応動
した第1の供給電流信号C1と第2の供給電流信号C2
を出力する。第2の供給電流信号C2は通電停止器70
1の第2のスイッチ部721で阻止され、第2の分配器
38に供給されない。従って、第2のパワー増幅器61
5,616,617は、通電をすべて停止し、コイル
2,3,4に電流を供給しない。
【0195】一方、第1の供給電流信号C1は第1の分
配器37に供給される。第1の分配器37は、切換作成
器34の3相の切換電流信号D1,D2,D3に応動し
て第1の供給電流信号C1を分配し、滑らかに変化する
3相の第1の分配電流信号E1,E2,E3を出力す
る。第1の電流増幅器41,42,43は、それぞれ第
1の分配電流信号E1,E2,E3を電流増幅した第1
の増幅電流信号F1,F2,F3を出力し、第1のパワ
ー増幅器11,12,13の通電制御端子側に供給す
る。
【0196】第1のパワー増幅器11,12,13の第
1のパワー部カレントミラー回路は、それぞれ第1の増
幅電流信号F1,F2,F3を電流増幅してコイル2,
3,4に供給する。このように、第1の分配制御ブロッ
クは、3個の第1のNMOS型パワートランジスタ8
1,82,83のうちで少なくとも1個の第1のパワー
トランジスタをフルオン動作させる。
【0197】動作制御器310は、指令信号Adに応動
した動作制御信号Vdを出力する。電圧変換器52は、
動作制御信号Vdに応動してNMOS型スイッチングト
ランジスタ61を高周波スイッチング動作させる。その
結果、電圧変換器52の変換直流電圧(Vcc−Vg)
が可変制御される。電圧変換器52の変換直流電圧は、
並列的に接続された3個の第1のパワー増幅器11,1
2,13とコイル2,3,4と分路スイッチ器700に
供給され、選択された第1のパワー増幅器の第1のパワ
ートランジスタによってコイルに片方向の駆動電流を供
給する電流路が形成される。
【0198】電圧取出器740は、直流電源50の正極
端子側電位とコイルの共通接続端子側電位を比較し、大
きい方の電圧を出力している。これにより、直流電源5
0がオフしたときに、コイルに生じる3相の逆起電力の
整流電圧信号を端子Xfに取り出している。その他の構
成及び動作は、前述の実施例4と同様であり、詳細な説
明を省略する。
【0199】本実施例では、コイルに両方向の駆動電流
を供給する第1の通電モードと、コイルに片方向の駆動
電流を供給する第2の通電モードを、適時切り換えて供
給し、モータ性能を変更することを可能にした。第1の
通電モードおよび第2の通電モードにおいて、第1のパ
ワー増幅器や第2のパワー増幅器やスイッチングトラン
ジスタや分路トランジスタや通電トランジスタなどのパ
ワー素子における電力損失・発熱は小さい。従って、こ
れらのパワー素子を必要に応じて単一のシリコン基板上
に集積回路化できる。
【0200】また、コイルに両方向の駆動電流を供給す
る第1の通電モードでは、発生力を大きくできる利点が
ある。コイルに片方向の駆動電流を供給する第2の通電
モードでは、コイルに発生する逆起電力を大きくできる
ので、モータを高速回転できる利点がある。従って、発
生力が大きく高速回転が可能なモータを実現できる。
【0201】また、集積回路化した第2のパワートラン
ジスタ685,686,687には、寄生素子である第
2のパワーダイオード685d,686d,687dが
逆接続されている。分路トランジスタ710をオンにし
てコイル2,3,4に片方向の駆動電流を供給する場合
に、コイルに生じる逆起電力によって電力供給端子側の
電位が交流的に上昇し、第2のパワーダイオード685
d,686d,687dを介して電流が逆流しようとす
る。しかし、本実施例では、通電トランジスタ730を
逆接続しているので、通電トランジスタ730をオフに
することにより、逆流電流路を確実に遮断できる。
【0202】なお、通電トランジスタ730は逆接続し
たPMOS型トランジスタに限らず、逆接続したNMO
S型トランジスタによっても構成可能である。これらの
逆接続した電界効果型トランジスタでは、電流流入端子
側から電流流出端子側に向けて寄生ダイオードが形成さ
れ、通電トランジスタのオフ時に寄生ダイオードも電流
の逆流を阻止する。また、本実施例でも、前述の各実施
例と同様な各種の利点を得ることができる。
【0203】なお、本実施例では、第1のパワー増幅器
11,12,13と第2のパワー増幅器615,61
6,617と電流供給器30と切換作成器34と分配作
成器36(第1の分配器37と第2の分配器38)と第
1の電流増幅器41,42,43と第2の電流増幅器6
45,646,647と動作制御器310と電圧変換器
52と分路スイッチ器700と通電停止器701と電圧
取出器740によって、3相の負荷(コイル2,3,
4)への駆動電流を供給する駆動回路を形成している。
【0204】また、高電圧出力器を設けて、第2のパワ
ートランジスタ685,686,687や分路トランジ
スタ710や通電トランジスタ730にNMOS型トラ
ンジスタを使用し、高電圧出力器の高電位点からこれら
の素子の通電を制御する事も可能である。
【0205】《実施例6》図21に本発明の実施例6の
モータを含んで構成されたディスク装置と、モータを示
す。図21に全体構成を示す。本実施例6では、電圧変
換器752として、たとえば高電圧出力器450のごと
き構成の電圧変換を行わせるようにした。その他の構成
において、前述の実施例5,前述の実施例4,実施例
3,実施例2,もしくは実施例1と同様なものには同一
の番号を付し、詳細な説明を省略する。
【0206】図21の電圧変換器752は、200kH
z程度の高周波スイッチング動作を行うNMOS型スイ
ッチングトランジスタ761を有している。NMOS型
スイッチングトランジスタ761は、その電流流出端子
側を直流電源50の負極端子側(−)に接続され、その
電流流入端子側と変換用インダクタ素子763の一端に
接続され、直流電源50の正極端子側(+)から変換用
インダクタ素子763への磁気エネルギーを補充する電
力供給路をオン・オフの高周波スイッチングしている。
【0207】変換用インダクタ素子763の一端に接続
されたフライホイール用ダイオード762は、NMOS
型スイッチングトランジスタ761のオン・オフの高周
波スイッチング動作に相補的にオフ・オン動作し、変換
用インダクタ素子763から変換用コンデンサ素子76
4を含む回路側への電流路を形成する。すなわち、NM
OS型スイッチングトランジスタ761がオンの時に
は、直流電源50の正極端子から変換用インダクタ素子
763を通る電力供給路が形成され、変換用インダクタ
素子763の磁気エネルギーを補充する。
【0208】NMOS型スイッチングトランジスタ76
1がオフに変わると、変換用インダクタ素子763の端
子電圧が大きくなってフライホイール用ダイオード76
2を導通状態に変え、変換用インダクタ素子763から
変換用コンデンサ素子764を含む回路側への電流路を
形成する。これにより、変換用コンデンサ素子764の
一端と直流電源50の一端の間に変換直流電圧Vmを出
力する。変換用コンデンサ素子764は、電圧変換器7
52の正極出力端子側(P)と負極出力端子側(M)の
間に接続され、変換用インダクタ素子763を介して供
給される電流・電圧を平滑するフィルタ回路を構成して
いる。
【0209】これにより、NMOS型スイッチングトラ
ンジスタ761を高周波PWM動作(パルス幅変調動
作)することにより、電圧変換器752の正極出力端子
側の電位Vmを可変制御している。その結果、直流電源
50から供給される直流電圧Vccを電力供給源とし
て、電圧変換器752の正極出力端子側と負極出力端子
側の間に変換直流電圧値Vmを作り出す。ここで、直流
電源50の負極端子をグランド電位(0V)としてい
る。
【0210】なお、NMOS型スイッチングトランジス
タ761は、NチャンネルMOS構造の電界効果型トラ
ンジスタによって構成され、その電流流出端子側から電
流流入端子側に向けて寄生素子として形成されたスイッ
チングダイオード761dを等価回路的に逆接続されて
いる。
【0211】動作制御器310は、指令信号Adと合成
電流信号Agの比較結果と被変調電流信号Pmに応動し
た動作制御信号Vdを出力する。電圧変換器752は、
PWM部765において動作制御信号Vdに応動したパ
ルス幅を有する所定の高周波のPWM信号Swを作り、
NMOS型スイッチングトランジスタ761を高周波ス
イッチング動作させる。すなわち、動作制御器310の
動作制御信号Vdに応動して電圧変換器752のNMO
S型スイッチングトランジスタ761のPWMスイッチ
ング動作が制御される。電圧変換器752は、直流電源
50の直流電圧Vccを電力供給源として、NMOS型
スイッチングトランジスタ761のPWMスイッチング
動作に応動した変換直流電圧Vmを正極出力端子側と負
極出力端子側の間に出力する。なお、電圧変換器752
のPWM部765の具体的な構成は、前述の図7に示し
たものと同様な構成であり、詳細な説明を省略する。
【0212】図21の電圧取出器790は出力ダイオー
ド791を含んでいる。出力ダイオード791は、入力
端子側を第2のPMOS型パワートランジスタ685,
686,687の電流流入端子側に接続され、出力端子
側を電圧取出器790の出力端子Xfに接続されてい
る。これにより、直流電源50がオフになった時に、出
力ダイオード791を介して、電圧取出器790はコイ
ル2,3,4の逆起電力を整流した整流直流電圧を出力
端子Xfに得ている。
【0213】このとき、電圧変換器752のフライホイ
ール用ダイオード762は、直流電源50がオフになっ
た時に、3相のコイル2,3,4の逆起電力によってコ
イル側から直流電源50に逆流する電流を阻止してい
る。従って、フライホイール用ダイオード762は実質
的に図15や図20に示した電力路スイッチ器54の役
割も果たしている。従って、電圧取出器790の整流直
流電圧を用いて、直流電源50がオフになった時に、各
種の保護動作を行うことができる。その他の構成及び動
作は、前述の実施例5と同様であり、詳細な説明を省略
する。
【0214】本実施例では、電圧変換器やパワー増幅器
の電力損失を低減し、電力効率を改善している。また、
パワー素子の発熱が小さいので、集積回路化に適した構
成になっている。また、直流電源の負極端子側に電流流
出端子側を接続されたNMOS型スイッチングトランジ
スタをPWM動作させ、NMOS型スイッチングトラン
ジスタと変換用インダクタ素子によって変換直流電圧を
得ている。これにより、NMOS型スイッチングトラン
ジスタの電流流入端子側および電流流出端子側の電位が
直流電源50の負極端子側電位(グランド電位)以下に
ならない。その結果、接合分離部分をベース端子とする
寄生トランジスタ素子の動作を防止でき、全体の回路動
作が安定になる。
【0215】また、第2のパワー増幅器や分路スイッチ
器や通電停止器に、第2のPMOS型パワートランジス
タやPMOS型分路トランジスタやPMOS型通電トラ
ンジスタを使用し、これらのパワー素子を動作させるた
めの別の電源を不要にした。また、本実施例では、コイ
ルに両方向の駆動電流を供給する第1の通電モードと、
コイルに片方向の駆動電流を供給する第2の通電モード
を、適時切り換えて供給し、モータ性能を変更すること
を可能にした。このような切換えを行っても、第1のパ
ワー増幅器や第2のパワー増幅器やスイッチングトラン
ジスタや分路トランジスタや通電トランジスタなどのパ
ワー素子における電力損失・発熱は小さい。
【0216】また、本実施例では、直流電源50と電圧
変換器752は、電圧変換器の正極出力端子側と負極出
力端子側の間に所要の変換直流電圧Vmを供給する電圧
供給ブロックを形成している。この電圧供給ブロック
は、変換直流電圧Vmを直流電源50の出力直流電圧V
ccよりも大きくすることができ、コイル2,3,4へ
の供給電圧レベルを大きくした。これにより、モータの
高速回転を容易に実現できる。なお、モータ起動時など
では、スイッチングトランジスタ761がオフ状態にな
り、直流電源50の出力直流電圧Vccがフライホイー
ル用ダイオード762を介して出力され、電圧変換器7
52の変換直流電圧になることもある。
【0217】また、本実施例において、電圧変換器75
2の電流路形成回路であるフライホイール用ダイオード
762は、スイッチングトランジスタ761がオフの時
に変換用インダクタ素子763から変換用コンデンサ素
子764を含む回路側への電流路を形成すれば良く、種
々の変形が可能である。たとえば、フライホイール用ダ
イオード762の代わりに図26に示した構成のNMO
S型同期整流トランジスタ1400を使用し、PWM部
765からの信号によって、スイッチングトランジスタ
761のオン・オフのスイッチング動作と相補的にNM
OS型同期整流トランジスタ1400をオフ・オンのス
イッチング動作させることが可能である。
【0218】NMOS型同期整流トランジスタ1400
の電流入力出力端子間に逆接続された寄生ダイオード1
400dによってフライホイール用ダイオードの効果を
得ることもできる。
【0219】また、たとえば、図27に示した構成のP
MOS型同期整流トランジスタ1500を使用し、PW
M部765からの信号によって、スイッチングトランジ
スタ761のオン・オフのスイッチング動作と相補的に
PMOS型同期整流トランジスタ1500をオフ・オン
のスイッチング動作させることが可能である。PMOS
型同期整流トランジスタ1500の電流入力出力端子間
に逆接続された寄生ダイオード1500dによってフラ
イホイール用ダイオードの効果を得ることもできる。
【0220】さらに、フライホイール用ダイオード76
2を置き換えたPMOS型同期整流トランジスタ150
0は、直流電源50がオフになった時に、コイルの逆起
電力によって生じるコイル側から直流電源50に向けて
の逆流電流を阻止できるので、PMOS型同期整流トラ
ンジスタ1500は図17のPMOS型電力路トランジ
スタ72の役目を果たしている。また、PMOS型同期
整流トランジスタ1500を動作させるために新たな高
電位点を供給する高電圧出力器が不要であり、全体の構
成が簡素になる。
【0221】また、本実施例では、合成供給電流Ivに
応動した第1の増幅電流信号F1,F2,F3を作りだ
し、少なくとも立ち上がり傾斜部分および立ち下がり傾
斜部分において滑らかに変化する3相の第1の増幅電流
信号を第1のパワー増幅器11,12,13の通電制御
端子側に供給する。また、合成供給電流Ivに応動した
第2の増幅電流信号H1,H2,H3を作りだし、少な
くとも立ち上がり傾斜部分および立ち下がり傾斜部分に
おいて滑らかに変化する3相の第2の増幅電流信号を第
2のパワー増幅器615,616,617の通電制御端
子側に供給する。
【0222】これにより、3個の第1のNMOS型パワ
ートランジスタ81,82,83のうちで少なくとも1
個をフルオン動作させ、3個の第2のPMOS型パワー
トランジスタ685,686,687のうちで少なくと
も1個をフルオン動作させながらも、コイル2,3,4
への電流路の切換動作を滑らかにした。従って、電流路
の切り換わりに伴う駆動電流の脈動や駆動力の脈動は極
めて小さくなる。その結果、振動・騒音が小さく、消費
電力の小さいディスク装置やモータを実現できる。
【0223】なお、このような効果は、分路トランジス
タをオンにした片方向の電流供給の場合でも得られる。
また、図21の電流供給器30の代わりに図28に示し
た電流供給器950を使用し、第1の増幅電流信号や第
2の増幅電流信号を指令信号Adに直接応動して変化さ
せることも可能である。その他、本実施例でも、前述の
実施例と同様な各種の利点を得ることができる。
【0224】なお、前述の各実施例の具体的な構成につ
いては、各種の変形が可能である。たとえば、各相のコ
イルは複数個の部分コイルを直列もしくは並列に接続し
て構成しても良い。3相のコイルはスター結線に限ら
ず、デルタ結線であってもよい。また、コイルの相数は
3相に限定されない。例えば、前記の相数3に代えて相
数4のコイルをもつシステムも全く同様に構成できる。
その場合は、第1のパワー増幅器,第2のパワー増幅
器,第1の電流増幅器,第2の電流増幅器がそれぞれ4
組設けられる。
【0225】また、移動体の磁極数も2極に限定される
ものではなく、多極にしても良く、また、磁石磁束を供
給する構成ならば、磁性歯を用いても良い。また、コイ
ルへの合成供給電流の検出には、周知の各種の方法が使
用可能である。
【0226】また、集積回路化において、周知の半導体
プロセスによる各種の1チップ集積回路技術が使用可能
である。たとえば、電界効果型トランジスタやバイポー
ラトランジスタを単独種類もしくは複数種類使用できる
各種の1チップ集積回路技術がある。集積回路のサブス
トレートを直流電源の負極端子側の電位(グランド電
位)に接続し、接合分離することにより高密度の集積回
路化が可能である。しかし、誘電体分離して集積回路化
しても良い。なお、1チップ内の具体的なトランジスタ
配置は、個々の集積回路設計によって異なるので、詳細
な説明を省略する。
【0227】また、前述の実施例にもとづいて、騒音や
振動や消費電力を同時に大幅に低減したディスク装置を
実現でき、高性能なDVD装置やCD装置やHDD装置
やFDD装置などを構成できる。特に、振動が小さいこ
とから、ディスクからの再生信号のジッタが大幅に小さ
くなり、再生誤り率が小さくなる。ディスクへの記録に
おいては、記録場所の変動が大幅に小さくなる。また、
騒音が小さいことから、ディスクから再生した音声・映
像信号の鑑賞において騒音障害を生じない。また、消費
電力が小さいことから、熱に弱い記録可能ディスクを使
用して、記録可能ディスクの再生動作または/および記
録動作を安定に行うことができる。
【0228】このように、本発明のディスク装置は、デ
ィスクの使い方を大幅に広げるものである。なかでも、
本発明に基づいて、DVD装置やHDD装置のようなデ
ィスク装置を構成した場合には、高品位の音声・映像信
号を高密度に記録されたディスクを騒音妨害なく安定に
再生鑑賞すること、または/および、高品位の音声・映
像信号をディスクに高密度に記録すること、などが容易
になり、高性能・高品位なディスク装置を実現できる。
その他、本発明の主旨を変えずして種々の変形が可能で
あり、本発明に含まれることはいうまでもない。
【0229】
【発明の効果】本発明のモータを用いたディスク装置、
および、モータでは、電圧変換器を高周波スイッチング
動作させ、パワー増幅器をフルオン動作させながらも、
電流路の切換動作を滑らかにし、滑らかな駆動電流によ
って円滑な駆動力を得ている。これにより、騒音と振動
と消費電力を同時に小さくしたディスク装置、および、
モータの実現を可能にした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における全体構成を示す図で
ある。
【図2】実施例1における切換作成器34の回路図であ
る。
【図3】実施例1における制御作成器30の回路図であ
る。
【図4】実施例1における分配作成器36の回路図であ
る。
【図5】実施例1における第1の電流増幅器41,4
2,43の回路図である。
【図6】実施例1における第2の電流増幅器45,4
6,47と高電圧出力器53の回路図である。
【図7】実施例1における動作制御器51と電圧変換器
52の回路図である。
【図8】実施例1における集積回路の一部の断面図であ
る。
【図9】本発明の実施例2における全体構成を示す図で
ある。
【図10】実施例2における動作制御器310と電圧変
換器52の回路図である。
【図11】実施例2における変調部300の回路図であ
る。
【図12】実施例2における振幅回路392の回路図で
ある。
【図13】実施例2における振幅回路392の別の構成
の回路図である。
【図14】実施例2における振幅回路392の別の構成
の回路図である。
【図15】本発明の実施例3における全体構成を示す図
である。
【図16】実施例3における高電圧出力器450の回路
図である。
【図17】実施例3における電力路スイッチ器54と電
圧変換器52の回路図である。
【図18】本発明の実施例4における全体構成を示す図
である。
【図19】実施例4における第2の電流増幅器645,
646,647の回路図である。
【図20】本発明の実施例5における全体構成を示す図
である。
【図21】本発明の実施例6における全体構成を示す図
である。
【図22】本発明の実施例におけるパワー増幅器の別の
構成を示す図である。
【図23】本発明の実施例におけるパワー増幅器の別の
構成を示す図である。
【図24】本発明の実施例におけるパワー増幅器の別の
構成を示す図である。
【図25】本発明の実施例におけるパワー増幅器の別の
構成を示す図である。
【図26】本発明の実施例における電圧変換器の電流路
形成回路の別の構成を示す図である。
【図27】本発明の実施例における電圧変換器の電流路
形成回路の別の構成を示す図である。
【図28】本発明の実施例における電流供給器の別の構
成を示す図である。
【図29】本発明の実施例の動作を説明するための波形
図である。
【図30】従来のモータの構成を示す図である。
【符号の説明】
1 移動体 1b ディスク 1c ヘッド 1d 情報処理器 2,3,4 コイル 11,12,13 第1のパワー増幅器 15,16,17,615,616,617 第2のパ
ワー増幅器 30 電流供給器 34 切換作成器 36 分配作成器 37 第1の分配器 38 第2の分配器 41,42,43 第1の電流増幅器 45,46,47,645,646,647 第2の電
流増幅器 50 直流電源 51,310 動作制御器 52,752 電圧変換器 53,450 高電圧出力器 54 電力路スイッチ器 490,790 電圧取出器 700 分路スイッチ器 701 通電停止器

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、情報信号を記録された、ま
    たは、情報信号を記録されるディスクと、 少なくとも、前記ディスクから信号再生を行う、また
    は、前記ディスクに信号記録を行うヘッド手段と、 少なくとも、前記ヘッド手段の出力信号を処理して再生
    情報信号を出力する、または、記録情報信号を信号処理
    して前記ヘッド手段に出力する情報処理手段と、 前記ディスクを一体的に固定して直接回転駆動する移動
    体に取り付けられて磁石磁束を発生する界磁手段と、 固定体に配設されて複数相の磁束を発生するQ相(ここ
    に、Qは3以上の整数)のコイルと、 直流電源の電力供給路を高周波スイッチングする電界効
    果型スイッチングトランジスタを含み、前記直流電源の
    直流電圧を変換した変換直流電圧を出力する電圧供給手
    段と、 前記電圧供給手段の負極出力端子側から前記Q相のコイ
    ルの一つへの電流路を形成する第1の電界効果型パワー
    トランジスタをそれぞれ含むQ個の第1のパワー増幅手
    段と、 前記電圧供給手段の正極出力端子側から前記Q相のコイ
    ルの一つへの電流路を形成する第2の電界効果型パワー
    トランジスタをそれぞれ含むQ個の第2のパワー増幅手
    段と、 前記Q個の第1のパワー増幅手段の通電を制御する第1
    の分配制御手段と、 前記Q個の第2のパワー増幅手段の通電を制御する第2
    の分配制御手段と、 指令信号に応動して前記電圧供給手段の前記正極出力端
    子側と前記負極出力端子側の間の前記変換直流電圧を制
    御する動作制御手段と、 を具備するディスク装置であって、 但し、前記第1の分配制御手段は、Q個の前記第1の電
    界効果型パワートランジスタのうちで少なくとも1個の
    第1の電界効果型パワートランジスタをフルオン動作さ
    せる手段を含んで構成され、 前記第2の分配制御手段は、Q個の前記第2の電界効果
    型パワートランジスタのうちで少なくとも1個の第2の
    電界効果型パワートランジスタをフルオン動作させる手
    段を含んで構成され、 前記動作制御手段は、前記移動体の回転移動動作に同期
    して変化する被変調信号を得る変調手段と、前記変調手
    段の出力信号に応動して前記電圧供給手段の変換直流電
    圧を変化させる手段を含んで構成された、 ディスク装置。
  2. 【請求項2】 前記動作制御手段は、さらに、前記コイ
    ルへの合成供給電流に応動した合成電流検出信号と前記
    指令信号を比較し、該比較結果に応動して前記電圧供給
    手段の変換直流電圧を制御する手段を含んで構成され
    た、 請求項1に記載のディスク装置。
  3. 【請求項3】 前記変調手段は、前記電圧供給手段の前
    記変換直流電圧に応動して前記被変調信号を変化させる
    構成にされた、 請求項1または請求項2のいずれかに記載のディスク装
    置。
  4. 【請求項4】 前記第1の分配制御手段は、少なくとも
    立ち上がり傾斜部分および立ち下がり傾斜部分において
    実質的に滑らかに変化するQ相の第1の電流信号を前記
    Q個の第1のパワー増幅手段の通電制御端子側に供給す
    る手段を含んで構成された、 請求項1から請求項3のいずれかに記載のディスク装
    置。
  5. 【請求項5】 前記第2の分配制御手段は、少なくとも
    立ち上がり傾斜部分および立ち下がり傾斜部分において
    実質的に滑らかに変化するQ相の第2の電流信号を前記
    Q個の第2のパワー増幅手段の通電制御端子側に供給す
    る手段を含んで構成された、 請求項1から請求項4のいずれかに記載のディスク装
    置。
  6. 【請求項6】 前記第1の分配制御手段および/または
    第2の分配制御手段は、前記指令信号に応動して前記第
    1の電流信号および/または前記第2の電流信号を変化
    させる手段を有して構成された請求項4または請求項5
    のいずれかに記載のディスク装置。
  7. 【請求項7】 前記第1のパワー増幅手段は前記第1の
    電界効果型パワートランジスタを用いた第1の電界効果
    型パワー部カレントミラー回路を含んで構成され、前記
    第2のパワー増幅手段は前記第2の電界効果型パワート
    ランジスタを用いた第2の電界効果型パワー部カレント
    ミラー回路を含んで構成された、 請求項1から請求項6のいずれかに記載のディスク装
    置。
  8. 【請求項8】 少なくとも、情報信号を記録された、ま
    たは、情報信号を記録されるディスクと、 少なくとも、前記ディスクから信号再生を行う、また
    は、前記ディスクに信号記録を行うヘッド手段と、 少なくとも、前記ヘッド手段の出力信号を処理して再生
    情報信号を出力する、または、記録情報信号を信号処理
    して前記ヘッド手段に出力する情報処理手段と、 前記ディスクを一体的に固定して直接回転駆動する移動
    体に取り付けられて磁石磁束を発生する界磁手段と、 固定体に配設されて複数相の磁束を発生するQ相(ここ
    に、Qは3以上の整数)のコイルと、 直流電源の電力供給路を高周波スイッチングする電界効
    果型スイッチングトランジスタを含み、前記直流電源の
    直流電圧を変換した変換直流電圧を出力する電圧供給手
    段と、 前記電圧供給手段の負極出力端子側から前記Q相のコイ
    ルの一つへの電流路を形成する第1の電界効果型パワー
    トランジスタをそれぞれ含むQ個の第1のパワー増幅手
    段と、 前記電圧供給手段の正極出力端子側から前記Q相のコイ
    ルの一つへの電流路を形成する第2の電界効果型パワー
    トランジスタをそれぞれ含むQ個の第2のパワー増幅手
    段と、 前記Q個の第1のパワー増幅手段の通電を制御する第1
    の分配制御手段と、 前記Q個の第2のパワー増幅手段の通電を制御する第2
    の分配制御手段と、 指令信号に応動して前記電圧供給手段の前記正極出力端
    子側と前記負極出力端子側の間の前記変換直流電圧を制
    御する動作制御手段と、 を具備するディスク装置であって、 但し、前記Q個の第1のパワー増幅手段のうちで少なく
    とも1個の第1のパワー増幅手段は、前記第1の電界効
    果型パワートランジスタを用いて通電制御端子側への入
    力電流の電流増幅動作を行う手段を含んで構成され、 前記Q個の第2のパワー増幅手段のうちで少なくとも1
    個の第2のパワー増幅手段は、前記第2の電界効果型パ
    ワートランジスタを用いて通電制御端子側への入力電流
    の電流増幅動作を行う手段を含んで構成され、 前記第1の分配制御手段は、少なくとも立ち上がり傾斜
    部分および/または立ち下がり傾斜部分において実質的
    に滑らかに変化する少なくとも1個の第1の電流信号を
    前記少なくとも1個の第1のパワー増幅手段の通電制御
    端子側に供給し、かつ、Q個の前記第1の電界効果型パ
    ワートランジスタのうちで少なくとも1個の第1の電界
    効果型パワートランジスタをフルオン動作させる手段を
    含んで構成され、 前記第2の分配制御手段は、少なくとも立ち上がり傾斜
    部分および/または立ち下がり傾斜部分において実質的
    に滑らかに変化する少なくとも1個の第2の電流信号を
    前記少なくとも1個の第2のパワー増幅手段の通電制御
    端子側に供給し、かつ、Q個の前記第2の電界効果型パ
    ワートランジスタのうちで少なくとも1個の第2の電界
    効果型パワートランジスタをフルオン動作させる手段を
    含んで構成された、 ディスク装置。
  9. 【請求項9】 前記動作制御手段は、前記コイルへの合
    成供給電流に応動した合成電流検出信号と前記指令信号
    を比較し、該比較結果に応動して前記電圧供給手段の変
    換直流電圧を制御する手段を含んで構成された、 請求項8に記載のディスク装置。
  10. 【請求項10】 前記動作制御手段は、前記移動体の回
    転移動動作に同期して変化する被変調信号を得る変調手
    段と、前記変調手段の出力信号に応動して前記電圧供給
    手段の変換直流電圧を変化させる手段を含んで構成され
    た、 請求項8または請求項9のいずれかに記載のディスク装
    置。
  11. 【請求項11】 前記変調手段は、前記電圧供給手段の
    前記変換直流電圧に応動して前記被変調信号を変化させ
    る構成にされた、 請求項10に記載のディスク装置。
  12. 【請求項12】 前記第1の分配制御手段および/また
    は第2の分配制御手段は、前記指令信号に応動して前記
    第1の電流信号および/または前記第2の電流信号を変
    化させる手段を有して構成された請求項8から請求項1
    1のいずれかに記載のディスク装置。
  13. 【請求項13】 前記第1の分配制御手段は、少なくと
    も立ち上がり傾斜部分および立ち下がり傾斜部分におい
    て実質的に滑らかに変化するQ相の第1の電流信号を前
    記Q個の第1のパワー増幅手段の通電制御端子側に供給
    する手段を含んで構成された、 請求項8から請求項12のいずれかに記載のディスク装
    置。
  14. 【請求項14】 前記第2の分配制御手段は、少なくと
    も立ち上がり傾斜部分および立ち下がり傾斜部分におい
    て実質的に滑らかに変化するQ相の第2の電流信号を前
    記Q個の第2のパワー増幅手段の通電制御端子側に供給
    する手段を含んで構成された、 請求項8から請求項13のいずれかに記載のディスク装
    置。
  15. 【請求項15】 前記電圧供給手段は、前記直流電源の
    直流電圧を変換した変換直流電圧を前記第1のパワー増
    幅手段と前記第2のパワー増幅手段に供給し、前記変換
    直流電圧を前記直流電源の出力直流電圧よりも大きくで
    きる構成にした、 請求項8から請求項14のいずれかに記載のディスク装
    置。
  16. 【請求項16】 前記第1のパワー増幅手段は前記第1
    の電界効果型パワートランジスタを用いた第1の電界効
    果型パワー部カレントミラー回路を含んで構成され、前
    記第2のパワー増幅手段は前記第2の電界効果型パワー
    トランジスタを用いた第2の電界効果型パワー部カレン
    トミラー回路を含んで構成された、 請求項8から請求項15のいずれかに記載のディスク装
    置。
  17. 【請求項17】 回転体に取り付けられた界磁手段と、 固定体に配設されて複数相の磁束を発生するQ相(ここ
    に、Qは3以上の整数)のコイルと、 直流電源の電力供給路を高周波スイッチングする電界効
    果型スイッチングトランジスタを含み、前記直流電源の
    直流電圧を変換した変換直流電圧を出力する電圧供給手
    段と、 前記電圧供給手段の負極出力端子側から前記Q相のコイ
    ルの一つへの電流路を形成する第1の電界効果型パワー
    トランジスタをそれぞれ含むQ個の第1のパワー増幅手
    段と、 前記電圧供給手段の正極出力端子側から前記Q相のコイ
    ルの一つへの電流路を形成する第2の電界効果型パワー
    トランジスタをそれぞれ含むQ個の第2のパワー増幅手
    段と、 前記Q個の第1のパワー増幅手段の通電を制御する第1
    の分配制御手段と、 前記Q個の第2のパワー増幅手段の通電を制御する第2
    の分配制御手段と、 指令信号に応動して前記電圧供給手段の前記正極出力端
    子側と前記負極出力端子側の間の前記変換直流電圧を制
    御する動作制御手段と、 を具備するモータであって、 但し、前記Q個の第1のパワー増幅手段のうちで少なく
    とも1個の第1のパワー増幅手段は、前記第1の電界効
    果型パワートランジスタを用いて通電制御端子側への入
    力電流の電流増幅動作を行う手段を含んで構成され、 前記Q個の第2のパワー増幅手段のうちで少なくとも1
    個の第2のパワー増幅手段は、前記第2の電界効果型パ
    ワートランジスタを用いて通電制御端子側への入力電流
    の電流増幅動作を行う手段を含んで構成され、 前記第1の分配制御手段は、少なくとも立ち上がり傾斜
    部分および/または立ち下がり傾斜部分において実質的
    に滑らかに変化する少なくとも1個の第1の電流信号を
    前記少なくとも1個の第1のパワー増幅手段の通電制御
    端子側に供給し、かつ、Q個の前記第1の電界効果型パ
    ワートランジスタのうちで少なくとも1個の第1の電界
    効果型パワートランジスタをフルオン動作させる手段を
    含んで構成され、 前記第2の分配制御手段は、少なくとも立ち上がり傾斜
    部分および/または立ち下がり傾斜部分において実質的
    に滑らかに変化する少なくとも1個の第2の電流信号を
    前記少なくとも1個の第2のパワー増幅手段の通電制御
    端子側に供給し、かつ、Q個の前記第2の電界効果型パ
    ワートランジスタのうちで少なくとも1個の第2の電界
    効果型パワートランジスタをフルオン動作させる手段を
    含んで構成され、 前記動作制御手段は、前記コイルへの合成供給電流に応
    動した合成電流検出信号と前記指令信号を比較し、該比
    較結果に応動して前記電圧供給手段の変換直流電圧を制
    御する手段を含んで構成された、 モータ。
  18. 【請求項18】 前記動作制御手段は、さらに、前記回
    転体の回転移動動作に同期して変化する被変調信号を得
    る変調手段と、前記変調手段の出力信号に応動して前記
    電圧供給手段の変換直流電圧を変化させる手段を含んで
    構成された、 請求項17に記載のモータ。
  19. 【請求項19】 前記変調手段は、前記電圧供給手段の
    前記変換直流電圧に応動して前記被変調信号を変化させ
    る構成にされた、 請求項18に記載のモータ。
  20. 【請求項20】 前記第1の分配制御手段および/また
    は第2の分配制御手段は、前記指令信号に応動して前記
    第1の電流信号および/または前記第2の電流信号を変
    化させる手段を有して構成された請求項17から請求項
    19いずれかに記載のモータ。
  21. 【請求項21】 前記電圧供給手段は、前記直流電源の
    直流電圧を変換した変換直流電圧を前記第1のパワー増
    幅手段と前記第2のパワー増幅手段に供給し、前記変換
    直流電圧を前記直流電源の出力直流電圧よりも大きくで
    きる構成にした、 請求項17から請求項20のいずれかに記載のモータ。
  22. 【請求項22】 前記第1のパワー増幅手段は前記第1
    の電界効果型パワートランジスタを用いた第1の電界効
    果型パワー部カレントミラー回路を含んで構成され、前
    記第2のパワー増幅手段は前記第2の電界効果型パワー
    トランジスタを用いた第2の電界効果型パワー部カレン
    トミラー回路を含んで構成された、 請求項17から請求項21のいずれかに記載のモータ。
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