JPH10248289A - モータ - Google Patents

モータ

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JPH10248289A
JPH10248289A JP9049994A JP4999497A JPH10248289A JP H10248289 A JPH10248289 A JP H10248289A JP 9049994 A JP9049994 A JP 9049994A JP 4999497 A JP4999497 A JP 4999497A JP H10248289 A JPH10248289 A JP H10248289A
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JP
Japan
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current
power
terminal side
signal
voltage
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JP9049994A
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English (en)
Inventor
Makoto Goto
誠 後藤
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 滑らかに変化する両方向の駆動電流をコイル
に供給する、集積回路化に適した構成のモータを提供す
る。 【解決手段】 複数相のコイルと、NMOS型スイッチ
ングトランジスタを含む電圧変換器52と、第1,2の
NMOS型パワートランジスタと第1,2のパワーダイ
オードを有して入力電流を増幅する第1,2のパワー増
幅器11〜13,15〜17と、滑らかに変化する第
1,2の分配電流信号を出力する第1,2の分配器3
7,38と、第1,2の分配電流信号を電流増幅して第
1,2のパワー増幅器に供給する第1,2の電流増幅器
41〜43,45〜47と、第1または2のNMOS型
パワートランジスタの動作電圧に応動してNMOS型ス
イッチングトランジスタのPWM動作を制御する動作制
御器51と、直流電源がオフしたときに、第1と2のパ
ワーダイオードを介して直流電圧を取り出す電圧取出器
を含んで構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数相のコイル負
荷に供給する両方向の電流を複数個のトランジスタによ
り電子的に滑らかに切り換えて供給するモータに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、OA機器やAV機器の駆動用モー
タとして、複数個のトランジスタにより電子的に電流路
を切り換えるモータが広く使用されている。米国特許
4,494,053号明細書には、このようなモータの
例として、PNP型パワートランジスタとNPN型パワ
ートランジスタを用いてコイルへの電流路を切り換える
モータが記載されている。
【0003】図15に従来のモータを示し、その動作に
ついて簡単に説明する。ロータ2011は永久磁石によ
る界磁部を有し、ロータ2011の回転に応動して、位
置検出器2041は2組の3相の電圧信号K1,K2,
K3とK4,K5,K6を発生する。第1の分配器20
42は電圧信号K1,K2,K3に応動した3相の下側
通電制御信号L1,L2,L3を作りだし、下側のNP
N型パワートランジスタ2021,2022,2023
のベースに供給し、NPN型パワートランジスタ202
1,2022,2023の通電を制御する。第2の分配
器2043は電圧信号K4,K5,K6に応動した3相
の上側通電制御信号M1,M2,M3を作りだし、上側
のPNP型パワートランジスタ2025,2026,2
027のベースに供給し、PNP型パワートランジスタ
2025,2026,2027の通電を制御する。これ
により、3相のコイル2012,2013,2014へ
の電流路を開閉制御する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来の構成では、コストが高く、コストダウンが大きな
問題になっていた。コストダウンのためには、モータの
トランジスタや抵抗類を1チップの集積回路(IC)に
まとめることが有効であるが、PNP型パワートランジ
スタを形成するためには大きなチップ面積が必要にな
り、コスト増加を招く大きな要因になっていた。また、
集積回路化した場合の寄生容量の影響が大きく、PNP
型パワートランジスタを高速動作させることが難しかっ
た。さらに、PNP型パワートランジスタを集積回路化
するためには、製造プロセスにおけるマスク枚数が多く
なり、製造コストがさらに高くなる。
【0005】また、従来の構成では、パワートランジス
タの発熱が大きく、集積回路化が難しかった。NPN型
パワートランジスタ2021,2022,2023およ
びPNP型パワートランジスタ2025,2026,2
027は、そのエミッタ−コレクタ間の電圧をアナログ
的に制御し、コイル2012,2013,2014に必
要な振幅の駆動電圧を供給している。そのため、各パワ
ートランジスタの残留電圧が大きく、残留電圧とコイル
への駆動電流の積によって大きな電力損失・発熱が生じ
ていた。特に、モータコイルへの駆動電流が大きいの
で、発熱も著しく大きくなっていた。そのため、これら
のパワートランジスタを1チップの集積回路上に形成し
た場合には、パワートランジスタの発熱による熱破壊を
生じ、実用化できなかった。発熱対策のために放熱板を
使用することも考えられるが、それでも十分な放熱性能
が得られないため、これらのパワートランジスタを集積
回路化して使用することは、極めて難しかった。また、
放熱板を設けることは、コスト増加の要因になる。
【0006】さらに、従来の構成では、通電状態となる
NPN型パワートランジスタおよびPNP型パワートラ
ンジスタを急峻に切り換えることにより、コイル201
2,2013,2014への電流路を切り換えていた。
そのため、電流路の変化時点においてコイルインダクタ
ンスによるスパイク電圧が生じ、駆動電流の脈動の原因
になっていた。これにより、発生駆動力が脈動し、ロー
タ2011は円滑に回転することができなかった。
【0007】本発明の目的は、上記の問題点を解決し、
コイルへの両方向の駆動電流をアナログ的に滑らかに切
り換えて制御する、集積回路化に適した構成のモータを
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の構成のモータで
は、固定体上に配設され、移動体に対して複数相の交番
磁束を発生する複数相のコイルと、直流電源の供給する
直流電圧を電力供給源として、高周波スイッチング動作
を行うNMOS型スイッチングトランジスタの電流流入
端子側を前記直流電源の正極端子側に接続し、前記NM
OS型スイッチングトランジスタの電流流出端子側と前
記直流電源の負極端子側の間にフライホイールダイオー
ドを接続し、前記NMOS型スイッチングトランジスタ
の電流流出端子側と正極出力端子側の間に整流用インダ
クタを含むフィルタ回路を接続し、前記直流電源の負極
端子側を負極出力端子側とし、前記正極出力端子側の電
位を可変することにより前記直流電源の直流電圧値より
も低い直流電圧値を前記正極出力端子側と前記負極出力
端子側の間に作り出す電圧変換手段と、前記電圧変換手
段の負極出力端子側に各電流流出端子側を接続され、各
電流流入端子側を前記コイルの各電力供給端子に接続さ
れた第1のNMOS型パワートランジスタ、および、前
記第1のNMOS型パワートランジスタの電流流出端子
側から電流流入端子側に向けて接続された第1のパワー
ダイオードをそれぞれ含み、通電制御端子側への入力電
流を増幅して出力するQ個(Qは2以上の整数)の第1
のパワー増幅手段と、前記電圧変換手段の正極出力端子
側に各電流流入端子側を接続され、各電流流出端子側を
前記コイルの各電力供給端子に接続された第2のNMO
S型パワートランジスタ、および、前記第2のNMOS
型パワートランジスタの電流流出端子側から電流流入端
子側に向けて接続された第2のパワーダイオードをそれ
ぞれ含み、通電制御端子側への入力電流を増幅して出力
するQ個の第2のパワー増幅手段と、指令信号に応動し
た電流を前記コイルに供給するために、第1の制御電流
信号と第2の制御電流信号を作り出す制御作成手段と、
複数相の切換信号を出力する切換作成手段と、前記切換
作成手段の出力信号に応動して前記第1の制御電流信号
を分配し、滑らかに変化するQ相の第1の分配電流信号
を出力する第1の分配手段と、前記第1の分配電流信号
を所定の電流増幅してQ相の第1の増幅電流信号を得
て、前記Q個の第1のパワー増幅手段の各通電制御端子
側に各第1の増幅電流信号を供給するQ個の第1の電流
増幅手段と、前記切換作成手段の出力信号に応動して前
記第2の制御電流信号を分配し、滑らかに変化するQ相
の第2の分配電流信号を出力する第2の分配手段と、前
記第2の分配電流信号を所定の電流増幅してQ相の第2
の増幅電流信号を得て、前記Q個の第2のパワー増幅手
段の各通電制御端子側に各第2の増幅電流信号を供給す
るQ個の第2の電流増幅手段と、前記第1のNMOS型
パワートランジスタもしくは前記第2のNMOS型パワ
ートランジスタの動作電圧に応動して前記NMOS型ス
イッチングトランジスタのスイッチング動作を制御し、
前記電圧変換手段の正極出力端子側の電位を可変制御す
る動作制御手段と、前記直流電源がオフした時に、前記
第1のパワーダイオードや前記第2のパワーダイオード
を介して前記コイルに生じている複数相の逆起電力を整
流した直流電圧を出力する電圧取出手段を具備してい
る。
【0009】また、本発明の他の構成のモータでは、固
定体上に配設され、移動体に対して複数相の交番磁束を
発生する複数相のコイルと、直流電源の供給する直流電
圧を電力供給源として、高周波スイッチング動作を行う
NMOS型スイッチングトランジスタ、および、前記N
MOS型スイッチングトランジスタの電流流出端子側か
ら電流流入端子側に向けて接続されたスイッチングダイ
オードを含み、前記NMOS型スイッチングトランジス
タの電流流入端子側を前記直流電源の正極端子側に接続
し、前記NMOS型スイッチングトランジスタの電流流
出端子側と前記直流電源の負極端子側の間にフライホイ
ールダイオードを接続し、前記NMOS型スイッチング
トランジスタの電流流出端子側と正極出力端子側の間に
整流用インダクタを含むフィルタ回路を接続し、前記直
流電源の負極端子側を負極出力端子側とし、前記正極出
力端子側の電位を可変することにより前記直流電源の直
流電圧値よりも低い直流電圧値を前記正極出力端子側と
前記負極出力端子側の間に作り出す電圧変換手段と、前
記電圧変換手段の負極出力端子側に各電流流出端子側を
接続され、各電流流入端子側を前記コイルの各電力供給
端子に接続された第1のNMOS型パワートランジス
タ、および、前記第1のNMOS型パワートランジスタ
の電流流出端子側から電流流入端子側に向けて接続され
た第1のパワーダイオードをそれぞれ含み、通電制御端
子側への入力電流を増幅して出力するQ個(Qは2以上
の整数)の第1のパワー増幅手段と、前記電圧変換手段
の正極出力端子側に各電流流入端子側を接続され、各電
流流出端子側を前記コイルの各電力供給端子に接続され
た第2のNMOS型パワートランジスタ、および、前記
第2のNMOS型パワートランジスタの電流流出端子側
から電流流入端子側に向けて接続された第2のパワーダ
イオードをそれぞれ含み、通電制御端子側への入力電流
を増幅して出力するQ個の第2のパワー増幅手段と、指
令信号に応動した電流を前記コイルに供給するために、
第1の制御電流信号と第2の制御電流信号を作り出す制
御作成手段と、複数相の切換信号を出力する切換作成手
段と、前記切換作成手段の出力信号に応動して前記第1
の制御電流信号を分配し、滑らかに変化するQ相の第1
の分配電流信号を出力する第1の分配手段と、前記第1
の分配電流信号を所定の電流増幅してQ相の第1の増幅
電流信号を得て、前記Q個の第1のパワー増幅手段の各
通電制御端子側に各第1の増幅電流信号を供給するQ個
の第1の電流増幅手段と、前記切換作成手段の出力信号
に応動して前記第2の制御電流信号を分配し、滑らかに
変化するQ相の第2の分配電流信号を出力する第2の分
配手段と、前記第2の分配電流信号を所定の電流増幅し
てQ相の第2の増幅電流信号を得て、前記Q個の第2の
パワー増幅手段の各通電制御端子側に各第2の増幅電流
信号を供給するQ個の第2の電流増幅手段と、前記第1
のNMOS型パワートランジスタもしくは前記第2のN
MOS型パワートランジスタの動作電圧に応動して前記
NMOS型スイッチングトランジスタのスイッチング動
作を制御し、前記電圧変換手段の正極出力端子側の電位
を可変制御する動作制御手段と、前記直流電源から前記
コイルへ至る電力供給路に直列に接続されたNMOS型
スイッチトランジスタを含み、前記直流電源がオフした
時に前記NMOS型スイッチトランジスタをオフにする
スイッチ手段と、前記直流電源がオフした時に、前記第
1のパワーダイオードや前記第2のパワーダイオードを
介して前記コイルに生じている複数相の逆起電力を整流
した直流電圧を出力する電圧取出手段を具備している。
【0010】このように、NMOS型スイッチングトラ
ンジスタやNMOS型パワートランジスタのように集積
回路化に適した製造コストの安いパワー素子を使用して
構成し、1チップのシリコン基板上に低コストに集積化
することを可能にした。また、第1のパワー増幅手段の
NMOS型パワートランジスタの電力損失が小さく、第
2のパワー増幅手段のNMOS型パワートランジスタの
電力損失が小さく、さらに、電圧変換に伴うNMOS型
スイッチングトランジスタの電力損失が小さい。従っ
て、これらのパワー素子を集積回路化しても、その発熱
が著しく小さく、集積回路の熱破壊は生じない。さら
に、第1のパワー増幅手段の第1のNMOS型パワート
ランジスタと第2のパワー増幅手段の第2のNMOS型
パワートランジスタにより、滑らかに変化する両方向の
駆動電流を各電力供給端子からコイルに供給しているの
で、脈動の少ない均一な駆動力を発生する高性能なモー
タを実現できる。さらに、直流電源がオフした時にコイ
ルに生じている逆起電力から直流電圧を容易に取出して
おり、オフ時の緊急対策用の電力として利用可能にして
いる。
【0011】また、本発明の他の構成のモータでは、固
定体上に配設され、移動体に対して複数相の交番磁束を
発生する複数相のコイルと、直流電圧を供給する電圧供
給手段と、前記電圧供給手段の負極出力端子側に各電流
流出端子側を接続され、各電流流入端子側を前記コイル
の各電力供給端子に接続された第1のMOS型パワート
ランジスタを含んだMOS型トランジスタによる第1の
パワー部カレントミラー回路をそれぞれ形成し、前記第
1のパワー部カレントミラー回路の通電制御端子側への
入力電流を増幅して出力するQ個(Qは2以上の整数)
の第1のパワー増幅手段と、前記電圧供給手段の正極出
力端子側に各電流流入端子側を接続され、各電流流出端
子側を前記コイルの各電力供給端子に接続された第2の
MOS型パワートランジスタを含んだMOS型パワート
ランジスタによる第2のパワー部カレントミラー回路を
それぞれ形成し、前記第2のパワー部カレントミラー回
路の通電制御端子側への入力電流を増幅して出力するQ
個の第2のパワー増幅手段と、指令信号に応動した電流
を前記コイルに供給するために、第1の制御電流信号と
第2の制御電流信号を作り出す制御作成手段と、複数相
の切換信号を出力する切換作成手段と、前記切換作成手
段の出力信号に応動して前記第1の制御電流信号を分配
し、滑らかに変化するQ相の第1の分配電流信号を出力
する第1の分配手段と、前記第1の分配電流信号を所定
の電流増幅してQ相の第1の増幅電流信号を得て、前記
Q個の第1のパワー増幅手段の各第1のパワー部カレン
トミラー回路の通電制御端子側に各第1の増幅電流信号
を供給するQ個の第1の電流増幅手段と、前記切換作成
手段の出力信号に応動して前記第2の制御電流信号を分
配し、滑らかに変化するQ相の第2の分配電流信号を出
力する第2の分配手段と、前記第2の分配電流信号を所
定の電流増幅してQ相の第2の増幅電流信号を得て、前
記Q個の第2のパワー増幅手段の各第2のパワー部カレ
ントミラー回路の通電制御端子側に各第2の増幅電流信
号を供給するQ個の第2の電流増幅手段を具備し、前記
制御手段は、前記第1の制御電流信号と前記第2の制御
電流信号を比例させて変化させ、前記第1のMOS型パ
ワートランジスタもしくは前記第2のMOS型パワート
ランジスタのいずれか一方により前記コイルへの合成供
給電流を前記指令信号に応動して制御し、前記第1のM
OS型パワートランジスタもしくは前記第2のMOS型
パワートランジスタの他方を飽和動作させるようにして
いる。
【0012】また、本発明の他の構成のモータでは、固
定体上に配設され、移動体に対して複数相の交番磁束を
発生する複数相のコイルと、直流電源の供給する直流電
圧を電力供給源として、高周波スイッチング動作を行う
MOS型スイッチングトランジスタを含み、前記MOS
型スイッチングトランジスタによりスイッチングされた
電圧信号を平滑する整流用インダクタを含むフィルタ回
路を有し、前記直流電源の直流電圧値から変換された変
換直流電圧値を正極出力端子側と負極出力端子側の間に
作り出す電圧変換手段と、前記電圧変換手段の負極出力
端子側に各電流流出端子側を接続され、各電流流入端子
側を前記コイルの各電力供給端子に接続された第1のM
OS型パワートランジスタを含んだMOS型トランジス
タによる第1のパワー部カレントミラー回路をそれぞれ
形成し、前記第1のパワー部カレントミラー回路の通電
制御端子側への入力電流を増幅して出力するQ個(Qは
2以上の整数)の第1のパワー増幅手段と、前記電圧変
換手段の正極出力端子側に各電流流入端子側を接続さ
れ、各電流流出端子側を前記コイルの各電力供給端子に
接続された第2のMOS型パワートランジスタを含んだ
MOS型トランジスタによる第2のパワー部カレントミ
ラー回路をそれぞれ形成し、前記第2のパワー部カレン
トミラー回路の通電制御端子側への入力電流を増幅して
出力するQ個の第2のパワー増幅手段と、指令信号に応
動した電流を前記コイルに供給するために、第1の制御
電流信号と第2の制御電流信号を作り出す制御作成手段
と、複数相の切換信号を出力する切換作成手段と、前記
切換作成手段の出力信号に応動して前記第1の制御電流
信号を分配し、滑らかに変化するQ相の第1の分配電流
信号を出力する第1の分配手段と、前記第1の分配電流
信号を所定の電流増幅してQ相の第1の増幅電流信号を
得て、前記Q個の第1のパワー増幅手段の各第1のパワ
ー部カレントミラー回路の通電制御端子側に各第1の増
幅電流信号を供給するQ個の第1の電流増幅手段と、前
記切換作成手段の出力信号に応動して前記第2の制御電
流信号を分配し、滑らかに変化するQ相の第2の分配電
流信号を出力する第2の分配手段と、前記第2の分配電
流信号を所定の電流増幅してQ相の第2の増幅電流信号
を得て、前記Q個の第2のパワー増幅手段の各第2のパ
ワー部カレントミラー回路の通電制御端子側に各第2の
増幅電流信号を供給するQ個の第2の電流増幅手段と、
前記第1のMOS型パワートランジスタもしくは前記第
2のMOS型パワートランジスタの一方の動作電圧に応
動して前記MOS型スイッチングトランジスタのスイッ
チング動作を制御し、前記電圧変換手段の変換直流電圧
を可変制御する動作制御手段を具備し、前記制御手段
は、前記第1の制御電流信号と前記第2の制御電流信号
を比例させて変化させ、前記第1のMOS型パワートラ
ンジスタもしくは前記第2のMOS型パワートランジス
タのうちで前記動作制御手段が動作電圧を検出する側の
パワートランジスタにより前記コイルへの合成供給電流
を前記指令信号に応動して制御し、前記第1のMOS型
パワートランジスタもしくは前記第2のMOS型パワー
トランジスタのうちで前記動作制御手段が動作電圧を検
出しない側のパワートランジスタを飽和動作させるよう
にしている。
【0013】このように、MOS型パワートランジスタ
のように集積回路化に適した製造コストの安いパワー素
子を使用して構成し、1チップのシリコン基板上に低コ
ストに集積化することを可能にした。また、第1のパワ
ー増幅手段を第1のMOS型パワートランジスタを用い
た第1のパワー部カレントミラー回路によって構成し、
第2のパワー増幅手段を第2のMOS型パワートランジ
スタを用いた第2のパワー部カレントミラー回路によっ
て構成することにより、滑らかに変化する両方向の駆動
電流を各電力供給端子からコイルに供給しているので、
脈動の少ない均一な駆動力を得ることができる。特に、
集積回路化に適した第1のパワー部カレントミラー回路
や第2のパワー部カレントミラー回路を用いて第1のパ
ワー増幅手段や第2のパワー増幅手段を構成し、MOS
型トランジスタの有する入力電圧に依存した非線形増幅
利得を線形電流利得に変えているので、Q個の第1のパ
ワー部カレントミラー回路間の電流増幅率のバラツキが
小さく、Q個の第2のパワー部カレントミラー回路間の
電流増幅率のバラツキが小さい。これにより、駆動電流
のバラツキや脈動が著しく小さくなり、脈動の少ない均
一な駆動力を発生する高性能なモータを実現できる。さ
らに、電圧変換手段を使用するならば、第1のパワー増
幅手段のMOS型パワートランジスタの電力損失が小さ
く、第2のパワー増幅手段のMOS型パワートランジス
タの電力損失が小さく、電圧変換に伴うMOS型スイッ
チングトランジスタの電力損失が小さい。従って、これ
らのパワー素子を集積回路化しても、その発熱が著しく
小さく、集積回路の熱破壊は生じない。さらに、電圧変
換を行うMOS型スイッチングトランジスタは通電制御
端子にスイッチング電圧信号を与えることにより高速ス
イッチング動作が可能であり、スイッチングに伴う電力
損失は極めて小さい。また、スイッチング周波数を容易
に高周波化することができ、整流用インダクタなどの部
品を小型化できる。
【0014】また、本発明の他の構成のモータでは、固
定体上に配設され、移動体に対して複数相の交番磁束を
発生する複数相のコイルと、直流電圧を供給する電圧供
給手段と、前記電圧供給手段の負極出力端子側に各電流
流出端子側を接続され、各電流流入端子側を前記コイル
の各電力供給端子に接続された第1のパワートランジス
タを含んだ第1のパワー部カレントミラー回路をそれぞ
れ形成し、前記第1のパワー部カレントミラー回路の通
電制御端子側への入力電流を増幅して出力するQ個(Q
は2以上の整数)の第1のパワー増幅手段と、前記電圧
供給手段の正極出力端子側に各電流流入端子側を接続さ
れ、各電流流出端子側を前記コイルの各電力供給端子に
接続された第2のパワートランジスタを含んだ第2のパ
ワー部カレントミラー回路をそれぞれ形成し、前記第2
のパワー部カレントミラー回路の通電制御端子側への入
力電流を増幅して出力するQ個の第2のパワー増幅手段
と、指令信号に応動した電流を前記コイルに供給するた
めに、第1の制御電流信号と第2の制御電流信号を作り
出す制御作成手段と、複数相の切換信号を出力する切換
作成手段と、前記切換作成手段の出力信号に応動して前
記第1の制御電流信号を分配し、滑らかに変化するQ相
の第1の分配電流信号を出力する第1の分配手段と、前
記第1の分配電流信号を所定の電流増幅してQ相の第1
の増幅電流信号を得て、前記Q個の第1のパワー増幅手
段の各第1のパワー部カレントミラー回路の通電制御端
子側に各第1の増幅電流信号を供給する第1の増幅部カ
レントミラー回路によって構成されたQ個の第1の電流
増幅手段と、前記切換作成手段の出力信号に応動して前
記第2の制御電流信号を分配し、滑らかに変化するQ相
の第2の分配電流信号を出力する第2の分配手段と、前
記第2の分配電流信号を所定の電流増幅してQ相の第2
の増幅電流信号を得て、前記Q個の第2のパワー増幅手
段の各第2のパワー部カレントミラー回路の通電制御端
子側に各第2の増幅電流信号を供給する第2の増幅部カ
レントミラー回路によって構成されたQ個の第2の電流
増幅手段を具備し、前記制御手段は、前記第1の制御電
流信号と前記第2の制御電流信号を比例させて変化さ
せ、前記第1のパワートランジスタもしくは前記第2の
パワートランジスタのいずれか一方により前記コイルへ
の合成供給電流を前記指令信号に応動して制御し、前記
第1のパワートランジスタもしくは前記第2のパワート
ランジスタの他方を飽和動作させるようにしている。
【0015】さらに、本発明の他の構成のモータでは、
固定体上に配設され、移動体に対して複数相の交番磁束
を発生する複数相のコイルと、直流電源の供給する直流
電圧を電力供給源として、高周波スイッチング動作を行
うスイッチングトランジスタを含み、前記スイッチング
トランジスタによりスイッチングされた電圧信号を平滑
する整流用インダクタを含むフィルタ回路を有し、前記
直流電源の直流電圧値から変換された変換直流電圧値を
正極出力端子側と負極出力端子側の間に作り出す電圧変
換手段と、前記電圧変換手段の負極出力端子側に各電流
流出端子側を接続され、各電流流入端子側を前記コイル
の各電力供給端子に接続された第1のパワートランジス
タを含んだ第1のパワー部カレントミラー回路をそれぞ
れ形成し、前記第1のパワー部カレントミラー回路の通
電制御端子側への入力電流を増幅して出力するQ個(Q
は2以上の整数)の第1のパワー増幅手段と、前記電圧
変換手段の正極出力端子側に各電流流入端子側を接続さ
れ、各電流流出端子側を前記コイルの各電力供給端子に
接続された第2のパワートランジスタを含んだ第2のパ
ワー部カレントミラー回路をそれぞれ形成し、前記第2
のパワー部カレントミラー回路の通電制御端子側への入
力電流を増幅して出力するQ個の第2のパワー増幅手段
と、指令信号に応動した電流を前記コイルに供給するた
めに、第1の制御電流信号と第2の制御電流信号を作り
出す制御作成手段と、複数相の切換信号を出力する切換
作成手段と、前記切換作成手段の出力信号に応動して前
記第1の制御電流信号を分配し、滑らかに変化するQ相
の第1の分配電流信号を出力する第1の分配手段と、前
記第1の分配電流信号を所定の電流増幅してQ相の第1
の増幅電流信号を得て、前記Q個の第1のパワー増幅手
段の各第1のパワー部カレントミラー回路の通電制御端
子側に各第1の増幅電流信号を供給する第1の増幅部カ
レントミラー回路によって構成されたQ個の第1の電流
増幅手段と、前記切換作成手段の出力信号に応動して前
記第2の制御電流信号を分配し、滑らかに変化するQ相
の第2の分配電流信号を出力する第2の分配手段と、前
記第2の分配電流信号を所定の電流増幅してQ相の第2
の増幅電流信号を得て、前記Q個の第2のパワー増幅手
段の各第2のパワー部カレントミラー回路の通電制御端
子側に各第2の増幅電流信号を供給する第2の増幅部カ
レントミラー回路によって構成されたQ個の第2の電流
増幅手段と、前記第1のパワートランジスタもしくは前
記第2のパワートランジスタの一方の動作電圧に応動し
て前記スイッチングトランジスタのスイッチング動作を
制御し、前記電圧変換手段の変換直流電圧を可変制御す
る動作制御手段を具備し、前記制御手段は、前記第1の
制御電流信号と前記第2の制御電流信号を比例させて変
化させ、前記第1のパワートランジスタもしくは前記第
2のパワートランジスタのうちで前記動作制御手段が動
作電圧を検出する側のパワートランジスタにより前記コ
イルへの合成供給電流を前記指令信号に応動して制御
し、前記第1のパワートランジスタもしくは前記第2の
パワートランジスタのうちで前記動作制御手段が動作電
圧を検出しない側のパワートランジスタを飽和動作させ
るようにしている。
【0016】このように、パワー増幅手段のパワー部カ
レントミラー回路や電流増幅手段の増幅部カレントミラ
ー回路等のように、集積回路化に適した回路構成を取る
ことにより、1チップのシリコン基板上に低コストに安
定なモータ駆動用の回路を集積化することを可能にし
た。これにより、滑らかに変化する両方向の駆動電流を
各電力供給端子からコイルに供給しているので、脈動の
少ない均一な駆動力を得ることができる。特に、集積回
路化に適した第1のパワー部カレントミラー回路や第2
のパワー部カレントミラー回路を用いて第1のパワー増
幅手段や第2のパワー増幅手段を構成しているので、Q
個の第1のパワー部カレントミラー回路間の電流増幅率
のバラツキが小さく、Q個の第2のパワー部カレントミ
ラー回路間の電流増幅率のバラツキが小さい。また、集
積回路化に適した第1の増幅部カレントミラー回路や第
2の増幅部カレントミラー回路を用いて第1の電流増幅
手段や第2の電流増幅手段を構成しているので、Q個の
第1の増幅部カレントミラー回路間の電流増幅率のバラ
ツキが小さく、Q個の第2の増幅部カレントミラー回路
間の電流増幅率のバラツキが小さい。これにより、駆動
電流のバラツキや脈動が著しく小さくなり、脈動の少な
い均一な駆動力を発生する高性能なモータを実現でき
る。さらに、電圧変換手段を使用するならば、第1のパ
ワー増幅手段のパワートランジスタの電力損失が小さ
く、第2のパワー増幅手段のパワートランジスタの電力
損失が小さく、電圧変換に伴うスイッチングトランジス
タの電力損失が小さい。従って、これらのパワー素子を
集積回路化しても、その発熱が著しく小さく、集積回路
の熱破壊は生じない。
【0017】これらおよびその他の構成や動作について
は、実施の形態の説明において詳細に説明する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。
【0019】(実施の形態1)図1から図7に本発明の
実施の形態1のモータを示す。図1に全体構成を示す。
移動体1は、たとえば、永久磁石の発生磁束により複数
極の界磁磁束を発生する界磁部を取り付けられたロータ
である。3相コイル2,3,4は、固定体であるステー
タに配設され、移動体1との相対関係に関して、電気的
に所定角度(電気的に120度相当)ずらされて配置さ
れている。3相コイル2,3,4は3相の駆動電流I
1,I2,I3により3相の交番磁束を発生し、移動体
1との相互作用によって駆動力を発生し、移動体1に駆
動力を与える。
【0020】電力供給源である直流電源50は、たとえ
ば、直流電圧源70とスイッチ回路71によって構成さ
れている。直流電源50がオンの時には、スイッチ回路
71はTa端子側に接続され、直流電圧源70の直流電
圧を正極端子側(+)と負極端子側(−)の間に出力す
る。直流電源50がオフの時には、スイッチ回路71は
Tb端子側に接続され、等価的に直流電源50の正極端
子側と負極端子側は短絡状態になる。直流電源50は、
通常オン状態にあるが、電源オフ時,緊急時もしくは異
常時にオフする。
【0021】電圧変換器52は、200kHz程度の高
周波スイッチング動作を行うNMOS型スイッチングト
ランジスタ61(NチャンネルMOS構造のFETトラ
ンジスタ)を有している。NMOS型スイッチングトラ
ンジスタ61の電流流入端子側は直流電源50の正極端
子側(+)に接続され、NMOS型スイッチングトラン
ジスタ61の電流流出端子側と直流電源50の負極端子
側(−)の間にフライホイールダイオード62が接続さ
れ、NMOS型スイッチングトランジスタ61の電流流
出端子側と電圧変換器52の正極出力端子側(P)の間
に整流用インダクタ63と整流用コンデンサ64からな
るフィルタ回路が接続されている。整流用コンデンサ6
4は電圧変換器52の正極出力端子側と負極出力端子側
(M)の間に接続されている。直流電源50の負極端子
側を電圧変換器52の負極出力端子側となし、NMOS
型スイッチングトランジスタ61を高周波PWM動作
(パルス幅変調動作)することにより、正極出力端子側
の電位Vmを可変制御する。これにより、直流電源50
から供給される直流電圧Vccを電力供給源として、直
流電圧Vccよりも低い直流電圧値Vmを作り出してい
る。ここで、直流電源50の負極端子をアース電位(0
V)としている。また、NMOS型スイッチングトラン
ジスタ61は、たとえば電流チャネルを形成するボディ
拡散部分をアース電位に接続することにより、電流流出
端子側と電流流入端子側の間に寄生的なダイオードを形
成されないように構成している。
【0022】電圧変換器52の負極出力端子側には、3
個の第1のパワー増幅器11,12,13の電流流出端
子側が共通接続されている。第1のパワー増幅器11は
第1のNMOS型パワートランジスタ81とNMOS型
トランジスタ91による第1のパワー部カレントミラー
回路によって構成され、通電制御端子側に入力された第
1の電流増幅器41の出力電流F1を所定の増幅して出
力する。ここでは、NMOS型パワートランジスタ81
のセルサイズをNMOS型トランジスタ91のセルサイ
ズの100倍にして、およそ101倍の電流増幅率を得
ている。また、第1のNMOS型パワートランジスタ8
1は二重拡散NチャンネルMOS−FETトランジスタ
によって構成され、その電流流出端子側から電流流入端
子側に向けて、寄生素子として形成される第1のパワー
ダイオード81dが等価回路的に接続されている。同様
に、第1のパワー増幅器12は第1のNMOS型パワー
トランジスタ82とNMOS型トランジスタ92による
第1のパワー部カレントミラー回路によって構成され、
通電制御端子側に入力された第1の電流増幅器42の出
力電流F2を所定の増幅して出力する(101倍の電流
増幅率)。第1のNMOS型パワートランジスタ82は
二重拡散NチャンネルMOS−FETトランジスタによ
って構成され、その電流流出端子側から電流流入端子側
に向けて、寄生素子として形成される第1のパワーダイ
オード82dが等価回路的に接続されている。同様に、
第1のパワー増幅器13は第1のNMOS型パワートラ
ンジスタ83とNMOS型トランジスタ93による第1
のパワー部カレントミラー回路によって構成され、通電
制御端子側に入力された第1の電流増幅器43の出力電
流F3を所定の増幅して出力する(101倍の電流増幅
率)。第1のNMOS型パワートランジスタ83は二重
拡散NチャンネルMOS−FETトランジスタによって
構成され、その電流流出端子側から電流流入端子側に向
けて、寄生素子として形成される第1のパワーダイオー
ド83dが等価回路的に接続されている。
【0023】第1のNMOS型パワートランジスタ8
1,82,83の各電流流出端子側は電圧変換器52の
負極出力端子側に共通接続され、各電流流入端子側をコ
イル2,3,4の各電力供給端子に接続されている。こ
れにより、第1のパワー増幅器11,12,13はそれ
ぞれ各通電制御端子側への入力電流を増幅した電流をコ
イル2,3,4の各電力供給端子に出力し、それぞれコ
イル2,3,4への駆動電流I1,I2,I3の負極側
電流を供給している。
【0024】電圧変換器52の正極出力端子側には、電
流検出用の抵抗31を介して、3個の第2のパワー増幅
器15,16,17の電流流入端子側が共通接続されて
いる。第2のパワー増幅器15は第2のNMOS型パワ
ートランジスタ85とNMOS型トランジスタ95によ
る第2のパワー部カレントミラー回路によって構成さ
れ、通電制御端子側に入力された第2の電流増幅器45
の出力電流H1を所定の増幅して出力する。ここでは、
NMOS型パワートランジスタ85のセルサイズをNM
OS型トランジスタ95のセルサイズの100倍にし
て、およそ101倍の電流増幅率を得ている。また、第
2のNMOS型パワートランジスタ85は二重拡散Nチ
ャンネルMOS−FETトランジスタによって構成さ
れ、その電流流出端子側から電流流入端子側に向けて、
寄生素子として形成される第2のパワーダイオード85
dが等価回路的に接続されている。同様に、第2のパワ
ー増幅器16は第2のNMOS型パワートランジスタ8
6とNMOS型トランジスタ96による第2のパワー部
カレントミラー回路によって構成され、通電制御端子側
に入力された第2の電流増幅器46の出力電流H2を所
定の増幅して出力する(101倍の電流増幅率)。第2
のNMOS型パワートランジスタ86は二重拡散Nチャ
ンネルMOS−FETトランジスタによって構成され、
その電流流出端子側から電流流入端子側に向けて、寄生
素子として形成される第2のパワーダイオード86dが
等価回路的に接続されている。同様に、第2のパワー増
幅器17は第2のNMOS型パワートランジスタ87と
NMOS型トランジスタ97による第2のパワー部カレ
ントミラー回路によって構成され、通電制御端子側に入
力された第2の電流増幅器47の出力電流H3を所定の
増幅して出力する(101倍の電流増幅率)。第2のN
MOS型パワートランジスタ87は二重拡散Nチャンネ
ルMOS−FETトランジスタによって構成され、その
電流流出端子側から電流流入端子側に向けて、寄生素子
として形成される第2のパワーダイオード87dが等価
回路的に接続されている。
【0025】第2のNMOS型パワートランジスタ8
5,86,87の各電流流入端子側は抵抗31を介して
電圧変換器52の正極出力端子側に共通接続され、各電
流流出端子側をコイル2,3,4の各電力供給端子に接
続されている。これにより、第2のパワー増幅器15,
16,17はそれぞれ各通電制御端子側への入力電流を
増幅した電流をコイル2,3,4の各電力供給端子に出
力し、それぞれコイル2,3,4への駆動電流I1,I
2,I3の正極側電流を供給している。
【0026】制御作成器30は、電流検出用の抵抗31
とレベル変換回路32からなる電流検出部および比較増
幅部33によって構成されている。駆動電流I1,I
2,I3の正極側電流の合成値に相当するコイルへの合
成供給電流Ivは、電流検出用の抵抗31の電圧降下と
して検出され、レベル変換回路32は合成供給電流Iv
に応動した電流検出信号Bvを出力する。比較増幅部3
3は、指令信号Acと電流検出信号Bvを比較し、両者
の差に応動した第1の制御電流信号C1と第2の制御電
流信号C2を出力する。
【0027】図3に制御作成器30の具体的な構成を示
す。レベル変換回路32は、電圧電流変換回路151と
抵抗152を含んで構成されている。電圧電流変換回路
151は合成供給電流Ivによる電流検出用の抵抗31
の電圧降下に比例した電流を出力し、その出力電流は抵
抗152に流れ、直流電源50の負極端子側(−)を基
準とする電流検出信号Bvを出力する。
【0028】比較増幅部33の差動増幅回路161は、
指令信号Acと電流検出信号Bvの差電圧を増幅し、出
力電圧Cgを得る。トランジスタ171,172と抵抗
173,174は、出力電圧Cgに比例した2つの電流
信号を作りだす。トランジスタ171のコレクタ電流
は、トランジスタ181,182のカレントミラー回路
を介して第1の制御電流信号C1として出力される。一
方、トランジスタ172のコレクタ電流は第2の制御電
流信号C2として出力される。ここで、トランジスタ1
71,172と抵抗173,174を所定の設計値にす
ることにより、第1の制御電流信号C1に対して第2の
制御電流信号C2を多くなるようにしている(ここで
は、C2をC1の2倍の値にしている)。なお、コンデ
ンサ162は差動増幅回路161に設けられたローパス
フィルタである。
【0029】図1の切換作成器34は、3相コイルに3
相電流を流すために、滑らかに変化する3相の切換電流
信号D1,D2,D3を出力する。図2に切換作成器3
4の具体的な構成を示す。この例では、切換作成器34
は位置検出部100と切換信号部101によって構成さ
れている。
【0030】位置検出部100は、移動体1の発生磁束
を検知する磁電変換素子(例えばホール素子)からなる
位置検出素子111,112を含んで構成されている。
位置検出素子111,112は、所定の位相差(電気的
に120゜の位相差)を有し、移動体1の移動に伴って
滑らかな正弦波状に変化する2相の位置検出信号Ja1
とJb1、および、Ja2とJb2を出力する。ここ
で、Ja1とJa2は逆相の関係にあり(電気的に18
0゜の位相差)、Jb1とJb2は逆相の関係にある。
なお、逆相の信号は新たな相数に数えない。位置検出信
号Ja2とJb2は抵抗113,114により合成され
て3相目の位置検出信号Jc1を作りだし、位置検出信
号Ja1とJb1は抵抗115,116により合成され
て3相目の位置検出信号Jc2を作りだす。これによ
り、位置検出部100は所定の位相差(電気的に120
゜の位相差)を有する3相の位置検出信号Ja1,Jb
1,Jc1およびJa1,Jb2,Jc2を得ている。
【0031】切換信号部101は、3相の位置検出信号
に応動して滑らかに変化する正弦波状の切換電流信号D
1,D2,D3を作りだす。図2において、定電流源1
21,126,131,136,141,146は同一
値の定電流を供給する。トランジスタ122と123
は、1相目の位置検出信号Ja1とJa2の差電圧に応
動して定電流源121の電流をコレクタ側に分流する。
トランジスタ123のコレクタ電流は、トランジスタ1
24,125のカレントミラー回路によって2倍に増幅
され、トランジスタ125のコレクタより出力される。
トランジスタ125のコレクタ電流は、定電流源126
の電流値と比較され、両者の差電流が1相目の切換電流
信号D1として出力される。従って、切換電流信号D1
は、位置検出信号Ja1に応動して滑らかに変化し、電
気角で180゜区間は電流が流出し(正極性の電流)、
次の180゜区間は電流が流入する(負極性の電流)。
同様に、切換電流信号D2は、位置検出信号Jb1に応
動して滑らかに変化し、電気角で180゜区間は電流が
流出し(正極性の電流)、次の180゜区間は電流が流
入する(負極性の電流)。同様に、切換電流信号D3
は、位置検出信号Jc1に応動して滑らかに変化し、電
気角で180゜区間は電流が流出し(正極性の電流)、
次の180゜区間は電流が流入する(負極性の電流)。
これにより、切換電流信号D1,D2,D3は所定の位
相差を有する正弦波状の3相の電流信号になる。
【0032】図1の分配作成器36は、第1の分配部3
7と第2の分配部38を含んで構成されている。第1の
分配部37は、切換作成器34の3相の切換電流信号D
1,D2,D3に応動して制御作成器30の第1の制御
電流信号C1を分配し、滑らかに変化する3相の第1の
分配電流信号E1,E2,E3を作り出す。第2の分配
部38は、切換作成器34の3相の切換電流信号D1,
D2,D3に応動して制御作成器30の第2の制御電流
信号C2を分配し、滑らかに変化する3相の第2の分配
電流信号G1,G2,G3を作り出す。
【0033】図4に分配作成器36の具体的な構成を示
す。第1の分配部37は、切換作成器34の3相の切換
電流信号D1,D2,D3が供給される各電流流入流出
端子側に一端が接続され、他端を共通接続された3個の
第1のダイオード201,202,203と、各電流流
入流出端子側に各通電制御端子側が接続され、共通接続
された電流信号入力端子側に制御作成器30の第1の制
御電流信号C1が入力され、電流信号出力端子側から3
相の第1の分配電流信号E1,E2,E3を出力する3
個の第1の分配トランジスタ205,206,207に
よって構成されている。第2の分配部38は、切換作成
器34の3相の切換電流信号D1,D2,D3が供給さ
れる各電流流入流出端子側に一端が接続され、他端を共
通接続された3個の第2のダイオード211,212,
213と、各電流流入流出端子側に各通電制御端子側が
接続され、共通接続された電流信号入力端子側に制御作
成器30の第2の制御電流信号C2が入力され、電流信
号出力端子側から3相の第2の分配電流信号G1,G
2,G3を出力する3個の第2の分配トランジスタ21
5,216,217によって構成されている。基準電圧
源220,トランジスタ221,222は、所定電圧供
給部を構成し、第1のダイオード201,202,20
3の共通接続端に第1の直流電圧を供給し、第2のダイ
オード211,212,213の共通接続端に第2の直
流電圧を供給している。これにより、切換電流信号D1
が負極側電流の時に第1のダイオード201に電流を通
電し(第2のダイオード211には電流が流れない)、
正極側電流の時に第2のダイオード211に電流を通電
する(第1のダイオード201には電流が流れない)。
すなわち、切換電流信号D1の極性に応じて第1のダイ
オード201と第2のダイオード211に相補的に電流
を供給する。すなわち、第1のダイオード201と第2
のダイオード211に同時に電流が流れることはなく、
かつ、切換は切れ目なく滑らかに行われる。同様に、切
換電流信号D2が負極側電流の時に第1のダイオード2
02に電流を通電し、正極側電流の時に第2のダイオー
ド212に電流を通電する。切換電流信号D3が負極側
電流の時に第1のダイオード203に電流を通電し、正
極側電流の時に第2のダイオード213に電流を通電す
る。
【0034】第1の分配部37の第1の分配トランジス
タ205,206,207は、第1のダイオード20
1,202,203に流れる3相電流に応動して、第1
の制御電流信号C1をそれぞれのコレクタ側に分配し、
3相の第1の分配電流信号E1,E2,E3を作り出
す。従って、3相の第1の分配電流信号E1,E2,E
3は3相の切換電流信号D1,D2,D3の負極側電流
に応動して滑らかに変化し、分配電流信号E1,E2,
E3の合成値は第1の制御電流信号C1に等しくなる。
同様に、第2の分配部38の第2の分配トランジスタ2
15,216,217は、第2のダイオード211,2
12,213に流れる3相電流に応動して、第2の制御
電流信号C2をそれぞれのコレクタ側に分配し、3相の
第2の分配電流信号G1,G2,G3を作り出す。従っ
て、3相の第2の分配電流信号G1,G2,G3は3相
の切換電流信号D1,D2,D3の正極側電流に応動し
て滑らかに変化し、分配電流信号G1,G2,G3の合
成値は第2の制御電流信号C2に等しくなる。
【0035】これにより、分配作成器36は、3相の切
換電流信号D1,D2,D3に応動して3相の第1の分
配電流信号E1,E2,E3および3相の第2の分配電
流信号G1,G2,G3を作りだす。第1の分配電流信
号E1,E2,E3はそれぞれ電気的に120゜の位相
差を有し、第2の分配電流信号G1,G2,G3はそれ
ぞれ電気的に120゜の位相差を有している。また、第
1の分配電流信号E1と第2の分配電流信号G1は電気
的に180゜の位相差を持ちながら相補的に滑らかに変
化する(E1とG1は必ず一方が零になる)。同様に、
第1の分配電流信号E2と第2の分配電流信号G2は電
気的に180゜の位相差を持ちながら相補的に滑らかに
変化する(E2とG2は必ず一方が零になる)。同様
に、第1の分配電流信号E3と第2の分配電流信号G3
は電気的に180゜の位相差を持ちながら相補的に滑ら
かに変化する(E3とG3は必ず一方が零になる)。
【0036】図1の分配作成器36の第1の分配電流信
号E1,E2,E3は、それぞれ第1の電流増幅器4
1,42,43に入力される。第1の電流増幅器41,
42,43は、それぞれ第1の分配電流信号E1,E
2,E3を所定倍の電流増幅して第1の増幅電流信号F
1,F2,F3を作りだし、第1のパワー増幅器11,
12,13の各通電制御端子側に供給する。第1のNM
OS型パワートランジスタ81,82,83をそれぞれ
含んで構成された第1のパワー増幅器11,12,13
は、3相の第1の増幅電流信号F1,F2,F3をそれ
ぞれ電流増幅し、各電流流入端子側よりコイル2,3,
4に駆動電流I1,I2,I3の負極側電流を供給す
る。第1のNMOS型パワートランジスタ81,82,
83の電流流出端子側は共通接続され、電圧変換器52
の負極出力端子側(M)に接続されている。
【0037】図5に第1の電流増幅器41,42,43
の具体的な構成を示す。第1の電流増幅器41は、トラ
ンジスタ233,234と抵抗235,236による第
1の増幅部カレントミラー回路により構成されている。
トランジスタ233と234のエミッタ面積比を50
倍、抵抗236と235の抵抗比を50倍にして、第1
の増幅部カレントミラー回路は電流増幅率で51倍の所
定の増幅を行うようにしている。同様に、第1の電流増
幅器42は、トランジスタ243,244と抵抗24
5,246による第1の増幅部カレントミラー回路によ
って構成され、電流増幅率で51倍の所定の増幅を行う
ようにしている。同様に、第1の電流増幅器43は、ト
ランジスタ253,254と抵抗255,256による
第1の増幅部カレントミラー回路によって構成され、電
流増幅率で51倍の所定の増幅を行うようにしている。
これにより、第1の電流増幅器41,42,43は、3
相の第1の分配電流信号E1,E2,E3をそれぞれ5
1倍の増幅し、3相の第1の増幅電流信号F1,F2,
F3を作りだし、第1のパワー増幅器11,12,13
の第1のパワー部カレントミラー回路の各通電制御端子
側に供給する。
【0038】図1の分配作成器36の第2の分配電流信
号G1,G2,G3は、それぞれ第2の電流増幅器4
5,46,47に入力される。第2の電流増幅器45,
46,47は、それぞれ第2の分配電流信号G1,G
2,G3を所定倍の電流増幅して第2の増幅電流信号H
1,H2,H3を作りだし、第2のパワー増幅器15,
16,17の各通電制御端子側に供給する。第2のNM
OS型パワートランジスタ85,86,87をそれぞれ
含んで構成された第2のパワー増幅器15,16,17
は、3相の第2の増幅電流信号H1,H2,H3をそれ
ぞれ電流増幅し、各電流流入端子側よりコイル2,3,
4に駆動電流I1,I2,I3の正極側電流を供給す
る。第2のNMOS型パワートランジスタ85,86,
87の電流流入端子側は共通接続され、抵抗31を介し
て電圧変換器52の正極出力端子側(P)に接続されて
いる。
【0039】図6に第2の電流増幅器45,46,47
の具体的な構成を示す。第2の電流増幅器45は、トラ
ンジスタ261,262と抵抗263,264による第
2の増幅部カレントミラー回路により構成されている。
トランジスタ261と262のエミッタ面積比を50
倍、抵抗264と263の抵抗比を50倍にして、第2
の電流増幅器45は電流増幅率で50倍の所定の増幅を
行うようにしている。同様に、第2の電流増幅器46
は、トランジスタ271,272と抵抗273,274
による第2の増幅部カレントミラー回路によって構成さ
れ、電流増幅率で50倍の所定の増幅を行うようにして
いる。同様に、第2の電流増幅器47は、トランジスタ
281,282と抵抗283,284による第2の増幅
部カレントミラー回路によって構成され、電流増幅率で
50倍の所定の増幅を行うようにしている。これによ
り、第2の電流増幅器45,46,47は、3相の第2
の分配電流信号G1,G2,G3をそれぞれ50倍の増
幅し、3相の第2の増幅電流信号H1,H2,H3を作
りだし、第2のパワー増幅器15,16,17の第2の
パワー部カレントミラー回路の各通電制御端子側に供給
する。また、第2の電流増幅器45,46,47の第2
の増幅部カレントミラー回路は、出力用のPNP型トラ
ンジスタ262,272,282の電流流入端子側を直
流電源50の正極端子側に接続され、この出力用トラン
ジスタ262,272,282を介してそれぞれ第2の
パワー増幅器15,16,17に電流を供給している。
これにより、第2の電流増幅器45,46,47におけ
る電圧降下を小さくし、第2のパワー増幅器15,1
6,17の第2のNMOS型パワートランジスタ85,
86,87を十分に通電制御するようにしている。
【0040】図1の動作制御器51は、第1のNMOS
型パワートランジスタ81,82,83の電流流入端子
側と電流流出端子側の間の3相の動作電圧を検出し、最
小な動作電圧値に応動した動作検出信号Vdを出力す
る。電圧変換器52は、PWM部65において動作制御
器51の動作検出信号Vdに応動したパルス幅を有する
所定の高周波のPWM信号Sw(パルス幅変調信号)を
作り、NMOS型スイッチングトランジスタ61を高周
波スイッチング動作させる(NMOS型スイッチングト
ランジスタ61が常時オン状態になる場合も含んでい
る)。すなわち、動作制御器51の動作検出信号Vdに
応動して電圧変換器52のNMOS型スイッチングトラ
ンジスタ61のPWMスイッチング動作が制御される。
電圧変換器52は、直流電源50の直流電圧Vccを電
力供給源として、NMOS型スイッチングトランジスタ
61のPWMスイッチング動作に応動した変換直流電圧
Vmを作り出す。また、高電圧出力器53は、高周波パ
ルス信号に応動して昇圧用コンデンサに充電・蓄積させ
ることにより、直流電源50の正極端子側電位Vccよ
りも高い高電位点電位Vuを作り出す。高電圧出力器5
3の高電位点電位Vuは電圧変換器52に供給され、N
MOS型スイッチングトランジスタ61の通電制御端子
側(ゲート端子)をアース電位から高電位Vuまでスイ
ングさせ、NMOS型スイッチングトランジスタ61を
完全にオン・オフ動作させるのに使用される。
【0041】図7に動作制御器51と電圧変換器52と
高電圧出力器53の具体的な構成を示す。高電圧出力器
53は、100kHz程度の高周波パルス信号Paを出
力するパルス発生回路321と、第1の昇圧用コンデン
サ311と、第2の昇圧用コンデンサ312と、ダイオ
ード325〜328からなる第1の電圧制限回路を含ん
で構成されている。パルス発生回路321のパルス信号
Paに応動してインバータ回路322がディジタル的に
変化する。インバータ回路322が”L”(直流電源5
0の負極端子側電位)の時にダイオード323を介して
第1の昇圧用コンデンサ311が充電される。インバー
タ回路322が”H”(直流電源50の正極端子側電
位)に変わると、第1の昇圧用コンデンサ311に蓄積
された電荷は、ダイオード324を介して第2の昇圧用
コンデンサ312に移され、第2の昇圧用コンデンサ3
12を充電・蓄積する。その結果、第2の昇圧用コンデ
ンサ312の端子には、直流電源50の正極端子側電位
Vccよりも高電位になる高電位点電位Vuが出力され
る。高電位点電位Vuは電圧変換器52のPWM部65
に供給されている。
【0042】また、第2の昇圧用コンデンサ312の容
量は第1の昇圧用コンデンサ311の容量の5倍以上に
されているが、充電を続けると、高電位点の電圧Vuが
非常に高くなり、集積回路化されたトランジスタやダイ
オードの耐圧破壊を起こしてしまうことが分かった。そ
こで、高電位点電圧Vuが所定値以上にならないよう
に、ダイオード325〜328による第1の電圧制限回
路で制限し、第2の昇圧用コンデンサ312への過剰な
電荷の充電を妨げ、不要な電荷を直流電源50の正極端
子側に流すようにした。
【0043】図7の動作制御器51は、第1のNMOS
型パワートランジスタ81,82,83の電流流入端子
側に生じる3相の電位Va,Vb,Vcで最小の電位値
をダイオード292,293,294と定電流源291
によって検出し、検出電圧信号Waを作り出す。一方、
第1のパワー増幅器11,12,13の共通接続端子側
の電位Vfをダイオード297と定電流源295と抵抗
296によって検出し、共通接続端子側電位Vfよりも
所定値高い基準側電圧信号Wbを抵抗296の端子に作
り出す。検出電圧信号Waと基準側電圧信号Wbを差動
増幅回路298によって比較する。これにより、3個の
第1のNMOS型パワートランジスタの電流流入端子側
と電流流出端子側の間の通電時の動作電圧と所定の基準
電圧を比較することになる。差動増幅回路298は、そ
の差電圧を増幅して動作検出信号Vdを出力する。な
お、コンデンサ299は差動増幅回路298においてロ
ーパスフィルタを形成している。
【0044】電圧変換器52のPWM部65は、三角波
発生回路301と比較回路302を含んで構成されてい
る。比較回路302は、三角波発生回路301の三角波
信号Vhと動作制御器51の動作検出信号Vdを比較
し、動作検出信号Vdに応動したPWM出力信号を出力
する。MOS型トランジスタ303は比較回路302の
出力信号によりオン・オフ動作し、NMOS型スイッチ
ングトランジスタ61の通電制御端子側にPWM信号S
wを作り出す。トランジスタ305,306のカレント
ミラー回路と定電流源304は、MOS型トランジスタ
303のプルアップ用の電流負荷を供給している。カレ
ントミラー回路の出力用のトランジスタ306の電流流
入端子側は、高電圧出力器53の高電位点Vuに接続さ
れ、定電流源304の電流値に対応した電流をMOS型
トランジスタ303に供給する。これにより、PWM信
号Swはアース電位(0V)から高電位点電位Vuの間
でパルス幅変調動作を行うパルス信号になる。PWM部
65のPWM信号SwはNMOS型スイッチングトラン
ジスタ61の通電制御端子側に供給され、PWM信号S
wに応動してNMOS型スイッチングトランジスタ61
はオン・オフ動作する。NMOS型スイッチングトラン
ジスタ61は電流流入端子側を直流電源50の正極端子
側に接続され、その電流流出端子側と直流電源50の負
極端子側の間にフライホイールダイオード62が接続さ
れ、NMOS型スイッチングトランジスタ61の電流流
出端子側と電圧変換器52の正極出力端子側の間に整流
用インダクタ63と整流用コンデンサ64からなるフィ
ルタ回路が接続されている。そのため、NMOS型スイ
ッチングトランジスタ61を高周波スイッチング動作を
行わせることにより、NMOS型スイッチングトランジ
スタ61の電流流出端子側に生じるスイッチングされた
電圧信号を整流用インダクタ63を含むフィルタ回路に
よって整流し、変換直流電圧Vmを可変制御できる。す
なわち、直流電源50の直流電圧を電力供給源として、
動作検出信号Vdに応動したNMOS型スイッチングト
ランジスタ61のPWMスイッチング動作により、正極
出力端子側と負極出力端子側の間の変換直流電圧Vmを
可変制御し、変換直流電圧Vmを第1のパワー増幅器1
1,12,13と第2のパワー増幅器15,16,17
に供給する。これにより、第1のNMOS型パワートラ
ンジスタ81,82,83の通電時の動作電圧は、所定
の小さな値に制御される。なお、トランジスタ303を
オフにすることにより、NMOS型スイッチングトラン
ジスタ61を常時オン状態で動作させる場合もあり、電
圧変換器52の電圧可変範囲はかなり広い。
【0045】図1の電圧取出器55は、出力側を共通接
続された第1の取出ダイオード75と第2の取出ダイオ
ード76を含んで構成されている。第1の取出ダイオー
ド75の入力側は、第2のNMOS型パワートランジス
タ85,86,87の電流流入端子側(電圧変換器52
のNMOS型スイッチングトランジスタの電流流出端子
側も含む)に接続されている。第2の取出ダイオード7
6の入力側は、直流電源50の正極端子側に接続されて
いる。電圧取出器55の正極側の出力端子Xfは第1の
取出ダイオード75と第2の取出ダイオード76の共通
接続端子側であり、電圧取出器55の負極側の出力端子
Xgは第1のNMOS型パワートランジスタ81,8
2,83の電流流出端子側である。これにより、第2の
NMOS型パワートランジスタの電流流入端子側と第1
のNMOS型パワートランジスタの電流流出端子側の間
に生じる端子間直流電圧を直流電源50の出力直流電圧
Vccと比較し、両者の内で大きい方の電圧値に応動し
た直流電圧を電圧取出器55の出力端子XfとXg間に
取り出している。
【0046】通常、直流電源50はオンであり、電圧取
出器55の出力端子Xf,Xg間には直流電源50の直
流電圧Vccに応動した直流電圧が出力されている。し
かし、緊急時に直流電源50がオフした時には、Vcc
が零になり、高電圧出力器53の出力電位Vuも零にな
り、電圧変換器52のNMOS型スイッチングトランジ
スタ61もオフになる。このとき、移動体1の動き(た
とえば、モータ回転)によってコイル2,3,4には3
相の逆起電力が生じている。第1のパワーダイオード8
1d,82d,83dと第2のパワーダイオード85
d,86d,87dは、コイル2,3,4に生じている
逆起電力による電圧信号を整流し、第2のNMOS型パ
ワートランジスタの電流流入端子側と第1のNMOS型
パワートランジスタの電流流出端子側の間に整流直流電
圧を出力する。電圧変換器52のNMOS型スイッチン
グトランジスタ61がオフであるから、電圧取出器55
は第1の取出ダイオード75を介して整流直流電圧を出
力端子Xf,Xg間に出力する。すなわち、電圧取出器
55は、直流電源50がオフした時に(スイッチ回路7
1がTa端子側からTb端子側に切り替わった場合)、
コイル2,3,4に生じている3相の逆起電力を第1の
パワーダイオード81d,82d,83dや第2のパワ
ーダイオード85d,86d,87dを介して整流した
直流電圧を出力端子Xf,Xg間に取り出している。
【0047】次に、図1のモータの全体的な動作につい
て、簡単に説明する。切換作成器34は、滑らかに変化
する3相の切換電流信号D1,D2,D3を作りだし、
分配作成器36に供給する。分配作成器36の第1の分
配器37は、制御作成器30の第1の制御電流信号C1
を3相の切換電流信号D1,D2,D3に応動して分配
し、3相の第1の分配電流信号E1,E2,E3を出力
する。第1の電流増幅器41,42,43は、それぞれ
第1の分配電流信号E1,E2,E3を所定倍の電流増
幅し、第1の増幅電流信号F1,F2,F3を出力し、
第1のパワー増幅器11,12,13の各通電制御端子
側に供給する。第1のパワー増幅器11,12,13の
第1のNMOS型パワートランジスタ81,82,83
は、それぞれ第1の増幅電流信号F1,F2,F3を電
流増幅し、3相のコイル2,3,4に駆動電流I1,I
2,I3の負極側電流を供給する。
【0048】一方、分配作成器36の第2の分配器38
は、制御作成器30の第2の制御電流信号C2を3相の
切換電流信号D1,D2,D3に応動して分配し、3相
の第2の分配電流信号G1,G2,G3を出力する。第
2の電流増幅器45,46,47は、それぞれ第2の分
配電流信号G1,G2,G3を所定倍の電流増幅し、第
2の増幅電流信号H1,H2,H3を出力し、第2のパ
ワー増幅器15,16,17の各通電制御端子側に供給
する。第2のパワー増幅器15,16,17の第2のN
MOS型パワートランジスタ85,86,87は、それ
ぞれ第2の増幅電流信号H1,H2,H3を電流増幅
し、3相のコイル2,3,4に駆動電流I1,I2,I
3の正極側電流を供給する。
【0049】制御作成器30の電流検出用の抵抗31
は、駆動電流I1,I2,I3の正極側電流の合成値で
ある合成供給電流Ivを検出し、レベル変換回路32を
介して合成供給電流Ivに応動した電流検出信号Bvを
作りだす。比較増幅部33は、指令信号Acと電流検出
信号Bvを比較し、その比較結果に応動した第1の制御
電流信号C1と第2の制御電流信号C2を出力する。第
1の制御電流信号C1と第2の制御電流信号C2は比例
して変化する(ここでは、C2の絶対値はC1の絶対値
の2倍の大きさになっている)。その結果、制御作成器
30と第1の分配器37と第1の電流増幅器41,4
2,43と第1のパワー増幅器11,12,13によっ
て、合成供給電流Ivを指令信号Acに応動した所定値
にする帰還ループが構成され、コイル2,3,4への供
給電流が制御される。また、制御作成器30と第2の分
配器38と第2の電流増幅器45,46,47と第2の
パワー増幅器15,16,17は、第2の電流増幅器4
5,46,47や第2のパワー増幅器15,16,17
を部分的に飽和動作させながら(正確には第2の電流増
幅器45,46,47の出力トランジスタが飽和動作す
る)、滑らかに変化する駆動電流I1,I2,I3の正
極側電流をコイル2,3,4に供給している。このと
き、電流検出信号Bvからみた第1のパワー増幅器の出
力電流までの伝達利得(比較増幅部33と第1の分配器
37と第1の電流増幅器41,42,43と第1のパワ
ー増幅器11,12,13のフォーワード利得)に較べ
て、電流検出信号Bvからみた第2のパワー増幅器の出
力電流までの伝達利得(比較増幅部33と第2の分配器
38と第2の電流増幅器45,46,47と第2のパワ
ー増幅器15,16,17のフォーワード利得)を大き
くし、全体の回路動作の安定化をはかっている。すなわ
ち、第2の電流増幅器や第2のパワー増幅器を部分的に
確実に飽和動作させて、第1のパワー増幅器内の第1の
NMOS型パワートランジスタによりコイルへの供給電
流を制御することを可能にした。このとき、第2の電流
増幅器45,46,47と第2のパワー増幅器15,1
6,17を低動作電圧にて飽和動作させているので、第
2のパワー増幅器15,16,17の第2のNMOS型
パワートランジスタ85,86,87における電力損失
・発熱は小さくなる。
【0050】対応する相の第1の分配電流信号E1と第
2の分配電流信号G1は、180゜の位相差をもって相
補的に流れるので、第1の増幅電流信号F1と第2の増
幅電流信号H1は相補的な電流になり、第1のパワー増
幅器11の第1のNMOS型パワートランジスタ81と
第2のパワー増幅器15の第2のNMOS型パワートラ
ンジスタ85も相補的に動作する。従って、滑らかに連
続的に変化する両方向の駆動電流I1がコイル2に供給
される。同様に、第1の分配電流信号E2と第2の分配
電流信号G2が180゜の位相差をもって相補的に流れ
るので、第1の増幅電流信号F2と第2の増幅電流信号
H2は相補的な電流になり、第1のパワー増幅器12の
第1のNMOS型パワートランジスタ82と第2のパワ
ー増幅器16の第2のNMOS型パワートランジスタ8
6も相補的に動作する。従って、滑らかに連続的に変化
する両方向の駆動電流I2がコイル3に供給される。同
様に、第1の分配電流信号E3と第2の分配電流信号G
3が180゜の位相差をもって相補的に流れるので、第
1の増幅電流信号F3と第2の増幅電流信号H3は相補
的な電流になり、第1のパワー増幅器13の第1のNM
OS型パワートランジスタ83と第2のパワー増幅器1
7の第2のNMOS型パワートランジスタ87も相補的
に動作する。従って、滑らかに連続的に変化する両方向
の駆動電流I3がコイル4に供給される。このように、
同一相の第1のNMOS型パワートランジスタと第2の
NMOS型パワートランジスタが同時に通電状態になる
ことがない。すなわち、第1のNMOS型パワートラン
ジスタと第2のNMOS型パワートランジスタの間の短
絡電流が発生しない。その結果、パワートランジスタの
過剰な発熱や過電流による破壊が生じなくなり、集積回
路化しても破壊や異常現象は生じない。また、滑らかに
変化する連続的な駆動電流I1,I2,I3がコイル
2,3,4に供給されるので、コイル2,3,4におけ
るスパイク電圧の発生もなく、寄生素子である第1のパ
ワーダイオード81d,82d,83dや第2のパワー
ダイオード85d,86d,87dを通じた異常電流が
流れることもない。従って、モータの発生駆動力の脈動
は著しく小さくなる。
【0051】電圧変換器52は、NMOS型スイッチン
グトランジスタ61を高周波PWM動作させ、正極出力
端子側と負極出力端子側の間の変換直流電圧Vmを可変
制御する。動作制御器51は通電時の第1のNMOS型
パワートランジスタ81,82,83の3相の動作電圧
の内で最小動作電圧を検出し、動作制御器51の出力信
号Vdに応動して電圧変換器52の正極出力端子側電位
Vmが可変制御される。これにより、第1のパワー増幅
器11,12,13の第1のNMOS型パワートランジ
スタ81,82,83の通電時の動作電圧は所定の小さ
な値に制御される。その結果、第1のパワー増幅器1
1,12,13の第1のNMOS型パワートランジスタ
における電力損失・発熱は小さくなる。また、PWM動
作するNMOS型スイッチングトランジスタ61と整流
用インダクタ63を用いて電圧変換しているので、電圧
変換器52における電力損失は小さい。特に、高電圧出
力器53によって直流電源50の正極端子側電位Vcc
よりも高くなる高電位点Vuを作り、0VからVuの間
で変化するPWM信号SwをNMOS型スイッチングト
ランジスタ61の通電制御端子側に加えている。従っ
て、NMOS型スイッチングトランジスタ61は完全に
オン・オフ動作し、NMOS型スイッチングトランジス
タ61の発熱も極めて小さくなる。
【0052】また、緊急時に直流電源50がオフした時
に、コイル2,3,4に生じている3相の逆起電力を第
1のパワーダイオード81d,82d,83dや第2の
パワーダイオード85d,86d,87dを介して整流
した直流電圧を、電圧取出器55の端子XfとXgの間
に出力する。この電圧取出器55の出力電圧を用いて、
緊急時の各種の退避処理を行うことが可能である。
【0053】本実施の形態では、集積回路化に好適のモ
ータ構成になっている。パワー素子としてNMOS型ス
イッチングトランジスタとNMOS型パワートランジス
タを使用して構成しているので、製造コストも安く、小
さなチップ上に集積回路化することが可能である。特
に、最近の検討により、MOS型パワー素子を低コスト
に同一チップ上に集積回路化して実現できる目処がたっ
てきた。また、制御作成器30,切換作成器34,分配
作成器36,3個の第1の電流増幅器41,42,4
3,3個の第2の電流増幅器45,46,47,動作制
御器51,電圧変換器52,高電圧出力器53のトラン
ジスタやダイオードや抵抗を、上記のNMOS型パワー
トランジスタと同一のチップ上に集積化することも容易
にできる。
【0054】また、第1のNMOS型パワートランジス
タや第2のNMOS型パワートランジスタとして二重拡
散NチャンネルMOS−FETトランジスタを使用する
ならば、チップサイズが小さく、集積回路化に向いてい
る。さらに、二重拡散NチャンネルMOS−FETトラ
ンジスタを使用した場合には、各NMOS型パワートラ
ンジスタの電流流出端子側から電流流入端子側に向けて
寄生素子であるダイオードが形成され、パワーダイオー
ドとして使用可能である。従って、パワーダイオードの
ためのチップ面積は実質的に零になる。
【0055】また、各パワー素子における発熱を極めて
小さくし、集積回路化に適した構成にしている。第2の
パワー増幅器15,16,17の第2のNMOS型パワ
ートランジスタ85,86,87は、第2の電流増幅器
45,46,47の出力用トランジスタの動作を含めて
考えると、通電時に飽和動作しているので、第2のNM
OS型パワートランジスタ85,86,87における電
力損失は非常に小さい。また、電流検出用の抵抗31に
おける電圧降下は、第2のNMOS型パワートランジス
タ85,86,87の電力損失をさらに小さくしてい
る。第1のパワー増幅器11,12,13の第1のNM
OS型パワートランジスタ81,82,83の通電時の
動作電圧は、動作制御器51と電圧変換器52によって
所定の小さな電圧値に制御されている。従って、第1の
NMOS型パワートランジスタ81,82,83の電力
損失は非常に小さい。電圧変換器52は、NMOS型ス
イッチングトランジスタ61を200kHz程度で高周
波PWM動作をさせて電圧変換をしているので、電圧変
換に伴う電力損失も非常に小さい。さらに、NMOS型
スイッチングトランジスタ61はその通電制御端子(ゲ
ート端子)に与える電圧信号Swの電圧スイングにより
PWM動作をするので、通電制御端子側への電流供給は
極めて少なく、電力損失はほとんど生じない(NPN型
トランジスタやPNP型トランジスタではベース電流に
よる電力損失が生じる)。また、NMOS型スイッチン
グトランジスタ61の通電制御端子側に加えるPWM信
号Swを0VからVuの間でスイングさせているので、
NMOS型スイッチングトランジスタ61は完全にオン
・オフ動作する。従って、第1のNMOS型パワートラ
ンジスタや第2のNMOS型パワートランジスタやNM
OS型スイッチングトランジスタにおける電力損失・発
熱が極めて小さく、これらを1チップに集積回路化する
ことが可能になる。また、放熱板等の発熱対策は不要に
なる。
【0056】また、NMOS型スイッチングトランジス
タ61は、NPN型トランジスタやPNP型トランジス
タに比較して高周波のスイッチング動作が可能であり、
PWM周波数を高くすることにより、整流用インダクタ
63や整流用コンデンサ64を小形・小容量にすること
が可能である。
【0057】また、高電圧出力器53の出力電位Vuが
Vccよりも所定値以上大きくならないように制限する
第1の電圧制限回路を設けているので、図1の構成のト
ランジスタやダイオードや抵抗を1チップの集積回路化
した場合に、耐圧破壊が生じなくなる。
【0058】なお、本実施の形態では、第2のパワー増
幅器15,16,17の第2のNMOS型パワートラン
ジスタ85,86,87を低動作電圧の飽和動作させ、
第1のパワー増幅器11,12,13の第1のNMOS
型パワートランジスタ81,82,83の動作電圧に応
動して電圧変換器52のNMOS型スイッチングトラン
ジスタ61をPWM動作させるようにしたが、このよう
な構成に限定されるものではない。たとえば、第1のパ
ワー増幅器11,12,13の第1のNMOS型パワー
トランジスタ81,82,83を低動作電圧の飽和動作
させ、第2のパワー増幅器15,16,17の第2のN
MOS型パワートランジスタ85,86,87の動作電
圧を動作制御器によって検出し、第2のNMOS型パワ
ートランジスタ85,86,87の動作電圧に応動して
電圧変換器のNMOS型スイッチングトランジスタをP
WM動作させてもよい。
【0059】すなわち、電流検出信号Bvからみた第2
のパワー増幅器の出力電流までの伝達利得(比較増幅部
と第2の分配器と第2の電流増幅器と第2のパワー増幅
器のフォーワード利得)に較べて、電流検出信号Bvか
らみた第1のパワー増幅器の出力電流までの伝達利得
(比較増幅部と第1の分配器と第1の電流増幅器と第1
のパワー増幅器のフォーワード利得)を大きくし、第1
のパワー増幅器の第1のNMOS型パワートランジスタ
を部分的に飽和動作させる。制御作成器と第2の分配器
と第2の電流増幅器と第2のパワー増幅器によって、合
成供給電流Ivを指令信号Acに応動した所定値にする
帰還ループを構成し、コイルへの供給電流を制御する。
動作制御器は通電時の第2のNMOS型パワートランジ
スタの3相の動作電圧の内で最小動作電圧を検出し、動
作制御器の出力信号Vdに応動して電圧変換器のNMO
S型スイッチングトランジスタのPWM動作を制御す
る。これにより、第2のパワー増幅器の第2のNMOS
型パワートランジスタの通電時の動作電圧は所定の小さ
な値に制御される。その結果、飽和動作する第1のパワ
ー増幅器の第1のNMOS型パワートランジスタにおけ
る発熱は小さく、所定の小さな動作電圧になる第2のパ
ワー増幅器の第2のNMOS型パワートランジスタにお
ける発熱は小さく、さらに、PWM動作する電圧変換器
のNMOS型スイッチングトランジスタの発熱も小さ
い。
【0060】また、本実施の形態では、制御作成器30
は合成供給電流Ivに応動した電流検出信号Bvを得る
電流検出部(抵抗31とレベル変換回路32)と、電流
検出信号Bvと指令信号Acを比較して比較結果に応動
した第1の制御電流信号C1と第2の制御電流信号C2
を出力する比較増幅部33を含んで構成している。第1
の制御電流信号C1に応動した第1の分配電流信号E
1,E2,E3を用いて第1のパワー増幅器11,1
2,13の第1のNMOS型パワートランジスタ81,
82,83の通電を制御し、第2の制御電流信号C2に
応動した第2の分配電流信号G1,G2,G3を用いて
第2のパワー増幅器15,16,17の第2のNMOS
型パワートランジスタ85,86,87の通電を制御す
る。これにより、指令信号Acに応動した正確な駆動電
流をコイル2,3,4に供給することができる。このと
き、電流路の切換はアナログ的に滑らかに行っているの
で、駆動電流I1,I2,I3は滑らかに変化し、電流
路の切り換わりに伴う駆動電流の脈動や駆動力の脈動は
生じない。
【0061】また、本実施の形態では、第1の電流増幅
器41,42,43を同一形式の第1の増幅部カレント
ミラー回路によって構成し、第2の電流増幅器45,4
6,47を同一形式の第2の増幅部カレントミラー回路
によって構成し、第2の増幅部カレントミラー回路の出
力用トランジスタ262,272,282の電流流入端
子側を直流電源50の正極端子側に接続した。これによ
り、電圧変換器52の正極出力端子側の電位Vmが変化
してVccに近づいても、第2の電流増幅器や第2のN
MOS型パワートランジスタは安定な動作を行い、滑ら
かに変化するアナログ的な駆動電流をコイルに供給でき
る。
【0062】また、本実施の形態では、各第1のパワー
増幅器11,12,13を第1のMOS型パワートラン
ジスタを含んだMOS型トランジスタによる第1のパワ
ー部カレントミラー回路によって構成しているので、第
1のパワー増幅器11,12,13の電流増幅率のバラ
ツキは極めて小さくなる。各第2のパワー増幅器15,
16,17を第2のMOS型パワートランジスタを含ん
だMOS型トランジスタによる第2のパワー部カレント
ミラー回路によって構成しているので、第2のパワー増
幅器15,16,17の電流増幅率のバラツキは極めて
小さくなる。従って、電流路の切換を安定に滑らかにす
ることができる。さらに、制御作成器30の第1の制御
電流信号C1と第2の制御電流信号C2を比例して変化
させることにより、第1のMOS型パワートランジスタ
もしくは第2のMOS型パワートランジスタの一方を確
実に低動作電圧の飽和動作させ、第1のMOS型パワー
トランジスタもしくは第2のMOS型パワートランジス
タの他方によってコイルへの合成供給電流Ivを指令信
号Acに応動して高精度に制御することができる。ま
た、高精度の電流制御を行う第1のMOS型パワートラ
ンジスタもしくは第2のMOS型パワートランジスタの
動作電圧に応動してMOS型スイッチングトランジスタ
のスイッチング動作を制御することにより、電流制御を
乱すことなく、電流制御を行っているMOS型パワート
ランジスタの動作電圧を活性動作する所定の小さな値に
高精度に制御できる。
【0063】このように、第1のパワー増幅器を第1の
MOS型パワートランジスタを含んだMOS型トランジ
スタによる第1のパワー部カレントミラー回路によって
構成し、第2のパワー増幅器を第2のMOS型パワート
ランジスタを含んだMOS型トランジスタによる第2の
パワー部カレントミラー回路によって構成するならば、
集積回路化に適しており、電流増幅率のバラツキが著し
く少なくなる。その結果、指令信号に応動して合成供給
電流を制御する第1のMOS型パワートランジスタもし
くは第2のMOS型パワートランジスタの動作が安定す
る。そのため、合成供給電流を制御するMOS型パワー
トランジスタの動作電圧に応動してMOS型スイッチン
グトランジスタの高速なスイッチング動作を制御するこ
とにより、高精度な電圧制御が可能になる。さらに、M
OS型パワートランジスタやMOS型スイッチングトラ
ンジスタにNチャンネルのNMOS型パワートランジス
タやNMOS型スイッチングトランジスタを用いるなら
ば、集積化した時のチップサイズを小さくできる利点も
ある。しかし、MOS型トランジスタによるパワー部カ
レントミラー回路の構成は、PチャンネルのPMOS型
パワートランジスタを含んだPMOS型トランジスタに
よるカレントミラー回路を用いて構成しても良い。ま
た、MOS型スイッチングトランジスタにPチャンネル
のPMOS型スイッチングトランジスタを用いても良
い。
【0064】このように、MOS型パワートランジスタ
を含んだMOS型トランジスタによる第1のパワー部カ
レントミラー回路や第2のパワー部カレントミラー回路
を使用するならば、NPN型バイポーラトランジスタや
PNP型バイポーラトランジスタのようなベース電流の
供給が不要であり、ベース電流による誤差が発生しな
い。特に、バイポーラトランジスタのカレントミラー回
路では、トランジスタが飽和動作する場合に、著しく大
きな誤差およびベース電流が発生する。これに対して、
第1のパワー部カレントミラー回路の第1のMOS型パ
ワートランジスタもしくは第2のパワー部カレントミラ
ー回路の第2のMOS型パワートランジスタを低動作電
圧の飽和動作をさせた場合であっても、MOS型トラン
ジスタのカレントミラー回路では不要な電流消費が発生
しないので、電力損失・発熱が極めて小さい。
【0065】また、本実施の形態のように、第1の電流
増幅器41,42,43を第1の増幅部カレントミラー
回路によって構成するならば、第1の電流増幅器の電流
増幅率のバラツキは小さくなる。また、第2の電流増幅
器45,46,47を第2の増幅部カレントミラー回路
によって構成するならば、第2の電流増幅器の電流増幅
率のバラツキも小さくなる。従って、集積回路化に適し
た構成になっている。これにより、制御作成器30の第
1の制御電流信号C1と第2の制御電流信号C2を比例
して変化させることにより、第1のMOS型パワートラ
ンジスタもしくは第2のMOS型パワートランジスタの
一方を確実に低動作電圧の飽和動作させ、第1のMOS
型パワートランジスタもしくは第2のMOS型パワート
ランジスタの他方によってコイルへの合成供給電流Iv
を指令信号Acに応動して高精度に制御することができ
る。すなわち、合成供給電流の制御動作が極めて安定に
なる。
【0066】さらに、本実施の形態では、分配作成器3
6を工夫し、切換作成器34の滑らかに変化する3相の
切換電流信号D1,D2,D3が流入流出する各電流流
入流出端子側に一端が接続され、他端を共通接続された
3個の第1のダイオード回路と、各電流流入流出端子側
に各通電制御端子側が接続され、共通接続された電流信
号入力端子側に第1の制御電流信号C1が入力され、電
流信号出力端子側から3相の第1の分配電流信号E1,
E2,E3を出力する第1の分配トランジスタ回路と、
各電流流入流出端子側に一端が接続され、他端を共通接
続された3個の第2のダイオード回路と、各電流流入流
出端子側に各通電制御端子側が接続され、共通接続され
た電流信号入力端子側に第2の制御電流信号C2が入力
され、電流信号出力端子側から3相の第2の分配電流信
号G1,G2,G3を出力する第2の分配トランジスタ
回路を含んで構成するようにしている。これにより、第
1の分配電流信号と第2の分配電流信号が180゜の位
相差を有し、相補的に滑らかに切りかわるように変化
し、かつ、同一相の第1の分配電流信号と第2の分配電
流信号の一方は必ず零になる。すなわち、確実に相補的
に動作する。さらに、第1の分配電流信号E1,E2,
E3を電流増幅して第1のパワー増幅器の第1のパワー
トランジスタの通電を制御し、第2の分配電流信号G
1,G2,G3を電流増幅して第2のパワー増幅器の第
2のパワートランジスタの通電を制御しているので、第
1のパワートランジスタと第2のパワートランジスタに
よる電流路の開閉は確実に相補的に行われ、かつ、電流
の値も滑らかに連続的に変化する。これにより、同一相
の第1のパワートランジスタと第2のパワートランジス
タが同時に通電状態になることが生じない。その結果、
直流電源50の短絡電流が発生しないので、集積回路化
した場合にIC内のパワートランジスタの電流破壊や熱
破壊は生じない。さらに、滑らかに変化する3相の駆動
電流を3相コイルに供給できるので、駆動力の脈動も著
しく小さくなる。
【0067】また、本実施の形態では、直流電源50が
オフした時に、コイル2,3,4に生じている3相の逆
起電力を第1のパワーダイオード81d,82d,83
dや第2のパワーダイオード85d,86d,87dを
介して整流した直流電圧を、電圧取出器55の端子Xf
とXgの間に取り出している。この電圧取出器55の出
力電圧を用いて、緊急時の各種の退避処理を行うことが
可能である(たとえば、ハードディスク装置などにおい
て、緊急の直流電源オフ時に、この電圧取出器55の出
力電圧を使用して、電気的にマイコンのメモリ内容の保
存をしたり、機械的に読みとりヘッドの退避移動を行う
ことが可能になる)。
【0068】また、NMOS型スイッチングトランジス
タ61は、たとえば、チャネル形成するp形ボディ拡散
部分をアース電位に接続したNチャンネルMOS−FE
Tトランジスタによって構成し、その電流流出端子側と
電流流入端子側の間に寄生素子であるダイオードを形成
しないようにした。これにより、直流電源50がオフし
た場合に、直流電源50への不要な電流路の形成を防
ぎ、電圧取出器55の動作の安定化をはかっている。
【0069】なお、本実施の形態では、第1のパワー増
幅器11,12,13と第2のパワー増幅器15,1
6,17と制御作成器30と切換作成器34と分配作成
器36(第1の分配器37と第2の分配器38)と第1
の電流増幅器41,42,43と第2の電流増幅器4
5,46,47と動作制御器51と電圧変換器52と高
電圧出力器53と電圧取出器55を含んで、3相の負荷
(コイル2,3,4)への駆動電流を供給する駆動回路
を形成している。
【0070】また、直流電源50と電圧変換器52と動
作制御器51は、電圧変換器52の正極出力端子側と負
極出力端子側の間に所要の直流電圧Vmを供給する電圧
供給回路を形成している。
【0071】なお、前述の本実施の形態の切換作成器3
4は、磁電変換素子を使用した位置検出部100を含ん
で構成した。しかし、そのような素子を用いることな
く、たとえば、コイル2,3,4に生じる逆起電圧を利
用して切換信号D1,D2,D3を作り出しても良い。
【0072】また、第1の分配器37の第1の分配電流
信号E1,E2,E3および第2の分配器38の第2の
分配電流信号G1,G2,G3は時間的に傾斜を持って
切り換わっていればよい。これにより、駆動電流I1,
I2,I3も時間的に傾斜を持って滑らかに電流路を切
り換えていく。さらに、駆動電流の極性が変化する時に
連続的に電流値を変化させることが好ましいが、同一相
の第1の分配電流信号と第2の分配電流信号が同時に零
になる期間があり、その相の駆動電流を零にする時間が
存在してもかまわない。
【0073】(実施の形態2)図8から図9に本発明の
実施の形態2のモータの構成を示す。図8に全体構成を
示す。本実施の形態2では、第1のNMOS型パワート
ランジスタによる合成供給電流Ivを検出する制御作成
器400を使用するようにした。また、直流電源50の
正極端子側電位Vccよりも高い高電位点電位Vuを作
り出す高電圧出力器410を設け、高電圧出力器410
の高電位点電位Vuを電圧変換器52と第2の電流増幅
器45,46,47に供給するようにした。その他の構
成において、前述の実施の形態1と同様なものには同一
の番号を付し、詳細な説明を省略する。
【0074】図8の制御作成器400は電流検出用の抵
抗401と比較増幅部33を含んで構成されている。電
流検出用の抵抗401には、第1のパワー増幅器11,
12,13の第1のNMOS型パワートランジスタ8
1,82,83の共通接続端子側からコイルに供給され
る合成供給電流Ivが流れ、合成供給電流Ivに比例し
た電圧降下が発生する。この電圧降下は電流検出信号B
vとして、比較増幅部33に入力される。比較増幅部3
3は、電流検出信号Bvと指令信号Acを比較し、比較
結果に応動した第1の制御電流信号C1と第2の制御電
流信号C2が出力される。比較増幅部33の具体的な構
成は、前述の図3に示した構成と同様であり、詳細な説
明を省略する。
【0075】図8の高電圧出力器410は高周波パルス
信号に応動して昇圧用コンデンサに充電・蓄積させるこ
とにより、直流電源50の正極端子側電位Vccよりも
高い高電位点電位Vuを作り出す。高電圧出力器410
の高電位点Vuは、電圧変換器52のPWM部65に供
給され、NPN型スイッチングトランジスタ61のPW
M信号Swを作り出すための高電位点を与える。また、
高電圧出力器410の高電位点Vuは、第2の電流増幅
器45,46,47の電流流入端子側に供給される。第
2の電流増幅器45,46,47は、第2の分配電流信
号G1,G2,G3を所定倍の電流増幅して第2の増幅
電流信号H1,H2,H3を作りだし、高電圧出力器4
10によって作り出された高電位点Vuから第2のNM
OS型パワートランジスタ85,86,87を含む第2
のパワー増幅器15,16,17の各通電制御端子側に
第2の増幅電流信号H1,H2,H3を供給する。これ
により、第2の電流増幅器45,46,47の出力用ト
ランジスタの飽和を防ぎ、第2のNMOS型パワートラ
ンジスタ85,86,87を部分的に低動作電圧の飽和
動作させる。第2のNMOS型パワートランジスタ8
5,86,87は、それぞれ第2の増幅電流信号H1,
H2,H3を電流増幅し、各電流流出端子側よりコイル
2,3,4に3相の駆動電流I1,I2,I3の正極側
電流を供給する。これにより、第2のNMOS型パワー
トランジスタ85,86,87での電力損失・発熱は極
めて小さくなる。
【0076】図9に高電圧出力器410の具体的な構成
を示す。高電圧出力器410は、100kHz程度の高
周波パルス信号Paを出力するパルス発生回路421
と、第1の昇圧用コンデンサ411と、第2の昇圧用コ
ンデンサ412と、ダイオード425〜428からなる
第1の電圧制限回路と、ダイオード429からなる第2
の電圧制限回路を含んで構成されている。パルス発生回
路421のパルス信号Paに応動してインバータ回路4
22がディジタル的に変化する。インバータ回路422
が”L”(直流電源50の負極端子側電位)の時にダイ
オード423を介して第1の昇圧用コンデンサ411が
充電される。インバータ回路422が”H”(直流電源
50の正極端子側電位)に変わると、第1の昇圧用コン
デンサ411に蓄積された電荷は、ダイオード424を
介して第2の昇圧用コンデンサ412に移され、第2の
昇圧用コンデンサ412を充電・蓄積する。その結果、
第2の昇圧用コンデンサ412の端子には、直流電源5
0の正極端子側電位Vccよりも高電位になる高電位点
電位Vuが出力される。高電位点電位Vuは第2の電流
増幅器45,46,47に接続されている。
【0077】また、第2の昇圧用コンデンサ412の容
量は第1の昇圧用コンデンサ411の容量の5倍以上に
されているが、充電を続けると、高電位点の電圧Vuが
非常に高くなり、集積回路化されたトランジスタやダイ
オードの耐圧破壊を起こしてしまうことが分かった。そ
こで、高電位点電圧Vuが所定値以上にならないよう
に、ダイオード425〜428による第1の電圧制限回
路で制限し、第2の昇圧用コンデンサ412への過剰な
電荷の充電を妨げ、不要な電荷を直流電源50の正極端
子側に流すようにした。
【0078】また、第2の増幅電流信号H1,H2,H
3は第2の昇圧用コンデンサ412の電荷を放電させる
ように作用する。起動時などの大電流動作時に第2の増
幅電流信号の値が大きくなり、第2の昇圧用コンデンサ
412の充電・蓄積電荷が不足し、高電圧出力器410
の出力電圧点の電位Vuが著しく低下する場合もある。
そのため、電圧変換器52を含めた回路動作が一時的に
不安定になり、起動動作が著しく阻害される恐れがあ
る。そこで、ダイオード429による第2の電圧制限回
路を設けて、高電圧出力器410の高電位点電圧Vuが
直流電源50の正極端子側電位Vccより大幅に小さく
ならないように制限した。保護用に設けた第2の電圧制
限回路が動作すると、ダイオード429を介して第2の
電流増幅器45,46,47に電流を供給するので、高
電圧出力器410の出力電圧Vuはダイオード順方向電
圧程度の低下にとどまり、モータは安定に起動して短時
間に安定な制御状態になり、電流レベルはすみやかに小
さくなる。その結果、第2の電圧制限回路は通常制御時
には動作しない。
【0079】その他の構成及び動作は、前述の実施の形
態1と同様であり、詳細な説明を省略する。
【0080】本実施の形態では、高電圧出力器410に
よって直流電源50の正極端子側電位Vccよりも所定
値高い高電位点Vuを作りだし、第2の電流増幅器4
5,46,47を構成するカレントミラー回路の出力用
PNP型トランジスタ262,272,282の電流流
入端子側をこの高電位点Vuに接続しているので、第2
のパワー増幅器15,16,17の第2のNMOS型パ
ワートランジスタ85,86,87をそれぞれの通電時
点において確実に低動作電圧の飽和状態にできる(オン
電圧を0.1V程度まで小さくできる)。これにより、
第2のNMOS型パワートランジスタ85,86,87
における発熱が小さくなり、集積回路化に適した構成に
なっている。さらに、コイル2,3,4に供給できる駆
動電圧の最大値が大きくなり、電源電圧Vccの有効利
用範囲が広くなる。これにより、高速までの回転駆動が
可能になる。特に、直流電源50の電圧値Vccが小さ
いときに、電圧の有効利用範囲が著しく改善され、その
効果が大きい。
【0081】また、高電圧出力器410の出力電位Vu
がVccよりも所定値以上大きくならないように制限す
る第1の電圧制限回路を設けているので、図8の構成の
トランジスタやダイオードや抵抗を1チップの集積回路
化した場合に、耐圧破壊が生じなくなる。さらに、高電
圧出力器410の出力電位VuがVccよりも所定値以
上小さくならないように制限する第2の電圧制限回路を
設けているので、モータ起動時などの大電流供給時でも
高電圧出力器410の出力電位Vuが直流電源50の正
極端子側電位Vcc近くにとどまり、コイル2,3,4
に十分大きな起動電流が供給できる。これにより、高電
圧出力器410内において使用する第1の昇圧用コンデ
ンサや第2の昇圧用コンデンサの容量を小さくすること
も可能である。
【0082】その他、本実施の形態においても、前述の
実施の形態1で得られた各種の利点がある。
【0083】また、本実施の形態では、第1のパワー増
幅器11,12,13と第2のパワー増幅器15,1
6,17と制御作成器400と切換作成器34と分配作
成器36(第1の分配器37と第2の分配器38)と第
1の電流増幅器41,42,43と第2の電流増幅器4
5,46,47と動作制御器51と電圧変換器52と高
電圧出力器410を含んで、3相の負荷(コイル2,
3,4)への駆動電流を供給する駆動回路を形成してい
る。
【0084】(実施の形態3)図10と図11に本発明
の実施の形態3のモータを示す。図10に全体構成を示
す。本実施の形態3では、前述の実施の形態2の高電圧
出力器の変形例を示す。その他の構成において、前述の
実施の形態1や実施の形態2と同様なものには同一の番
号を付し、詳細な説明を省略する。
【0085】図10の高電圧出力器450は、昇圧用イ
ンダクタと昇圧用コンデンサを含んで構成され、直流電
源50の正極端子電位Vccよりも高い高電位点電位V
uを作りだし、電圧変換器52と第2の電流増幅器4
5,46,47に供給している。
【0086】図11に高電圧出力器450の具体的な構
成を示す。高電圧出力器450は、100kHz程度の
高周波パルス信号Paを出力するパルス発生回路461
と、昇圧用インダクタ451と、昇圧用コンデンサ45
2と、ダイオード475〜478からなる第1の電圧制
限回路と、ダイオード479からなる第2の電圧制限回
路を含んで構成されている。パルス発生回路461のパ
ルス信号Paに応動してインバータ回路462,46
5,466がディジタル的に変化する。パルス信号Pa
が”L”の時にトランジスタ464と468がオンとな
り、トランジスタ464,468を介して昇圧用インダ
クタ451に電流が流れ、昇圧用インダクタ451に磁
気エネルギーを充電する。パルス信号Paが”H”に変
わるとトランジスタ464,468がオフになり、昇圧
用インダクタ451に蓄積された磁気エネルギーによ
り、ダイオード470と471を介して直流電源50の
負極端子側から昇圧用インダクタ451を通って昇圧用
コンデンサ452に電流を流す充電路が形成され、昇圧
用コンデンサ452を充電して電荷を蓄積する。その結
果、昇圧用コンデンサ452の端子には、直流電源50
の正極端子側電位Vccよりも高電位になる高電位点電
位Vuが出力される。
【0087】また、昇圧用コンデンサ452への充電を
続けると、高電位点の電圧Vuが非常に高くなり、集積
回路化されたトランジスタやダイオードの耐圧破壊を引
き起こす。ダイオード475〜478による第1の電圧
制限回路は、高電位点電圧Vuが所定値以上にならない
ように制限し、昇圧用コンデンサ452への過剰な電荷
を直流電源50の正極端子側に流す。
【0088】また、ダイオード479による第2の電圧
制限回路は、高電圧出力器450の高電位点電圧Vuが
直流電源50の正極端子側電位Vccより大幅に小さく
ならないように制限した。保護用に設けた第2の電圧制
限回路が動作すると、ダイオード479を介して第2の
電流増幅器45,46,47に電流を供給するので、高
電圧出力器450の出力電圧Vuはダイオード順方向電
圧程度の低下にとどまり、モータは安定に起動して短時
間に安定な制御状態になり、電流レベルはすみやかに小
さくなる。その結果、第2の電圧制限回路は通常制御時
には動作しない。
【0089】その他の構成及び動作は、前述の実施の形
態1もしくは実施の形態2と同様であり、詳細な説明を
省略する。
【0090】本実施の形態では、昇圧用インダクタ45
1に蓄積された磁気エネルギーを利用し、ダイオード4
70と471を介して直流電源50の負極端子側から昇
圧用インダクタ451を通って昇圧用コンデンサ452
への充電路を形成させることにより、昇圧用電力の回生
を行っている。通常制御状態において第1の電圧制限回
路が動作する場合が多いが、このような場合であって
も、昇圧用インダクタ451の磁気エネルギーは直流電
源50の正極端子側に回生されるので、高電圧出力器4
50における無駄な電力損失が著しく少なくなる。これ
により、高電圧出力器450の電力損失・発熱が小さく
なり、集積回路化が容易になる。
【0091】さらに、本実施の形態でも、前述の実施の
形態と同様な各種の利点を得ることができる。
【0092】また、本実施の形態では、第1のパワー増
幅器11,12,13と第2のパワー増幅器15,1
6,17と制御作成器400と切換作成器34と分配作
成器36(第1の分配器37と第2の分配器38)と第
1の電流増幅器41,42,43と第2の電流増幅器4
5,46,47と動作制御器51と電圧変換器52と高
電圧出力器450を含んで、3相の負荷(コイル2,
3,4)への駆動電流を供給する駆動回路を形成してい
る。
【0093】(実施の形態4)図12に本発明の実施の
形態4のモータを示す。図12に全体構成を示す。移動
体1は、たとえば、永久磁石の発生磁束により複数極の
界磁磁束を発生する界磁部を取り付けられたロータであ
る。3相コイル2,3,4は、固定体であるステータに
配設され、移動体1との相対関係に関して、電気的に所
定角度(電気的に120度相当)ずらされて配置されて
いる。3相コイル2,3,4は3相の駆動電流I1,I
2,I3により3相の交番磁束を発生し、移動体1との
相互作用によって駆動力を発生し、移動体1に駆動力を
与える。
【0094】電力供給源である直流電源50は、たとえ
ば、直流電圧源70とスイッチ回路71によって構成さ
れている。直流電源50がオンの時には、スイッチ回路
71はTa端子側に接続され、直流電圧源70の直流電
圧を正極端子側(+)と負極端子側(−)の間に出力す
る。直流電源50がオフの時には、スイッチ回路71は
Tb端子側に接続され、等価的に直流電源50の正極端
子側と負極端子側は短絡状態になる。直流電源50は、
通常オン状態にあるが、電源オフ時,緊急時もしくは異
常時にオフする。
【0095】電圧変換器652は、200kHz程度の
高周波スイッチング動作を行うNMOS型スイッチング
トランジスタ661を有している。NMOS型スイッチ
ングトランジスタ661は、二重拡散NチャンネルMO
S−FETトランジスタにより構成され、その電流流出
端子側から電流流入端子側に向けて、寄生素子として形
成されるスイッチングダイオード661dが等価回路的
に接続されている。NMOS型スイッチングトランジス
タ661の電流流入端子側は直流電源50の正極端子側
(+)に接続され、NMOS型スイッチングトランジス
タ661の電流流出端子側と直流電源50の負極端子側
(−)の間にフライホイールダイオード62が接続さ
れ、NMOS型スイッチングトランジスタ661の電流
流出端子側と電圧変換器652の正極出力端子側(P)
の間に整流用インダクタ63と整流用コンデンサ64か
らなるフィルタ回路が接続されている。整流用コンデン
サ64は電圧変換器652の正極出力端子側と負極出力
端子側(M)の間に接続されている。直流電源50の負
極端子側を電圧変換器652の負極出力端子側(M)と
なし、NMOS型スイッチングトランジスタ661を高
周波PWM動作(パルス幅変調動作)することにより、
正極出力端子側の電位Vmを可変制御する。これによ
り、直流電源50から供給される直流電圧Vccを電力
供給源として、直流電圧Vccよりも低い直流電圧値V
mを作り出している。
【0096】電圧変換器652の負極出力端子側には、
3個の第1のパワー増幅器11,12,13の電流流出
端子側が共通接続されている。第1のパワー増幅器11
は第1のNMOS型パワートランジスタ81とNMOS
型トランジスタ91による第1のパワー部カレントミラ
ー回路によって構成され、通電制御端子側に入力された
第1の電流増幅器41の出力電流F1を所定の増幅して
出力する。ここでは、NMOS型パワートランジスタ8
1のセルサイズをNMOS型トランジスタ91のセルサ
イズの100倍にして、およそ101倍の電流増幅率を
得ている。また、第1のNMOS型パワートランジスタ
81は二重拡散NチャンネルMOS−FETトランジス
タによって構成され、その電流流出端子側から電流流入
端子側に向けて、寄生素子として形成される第1のパワ
ーダイオード81dが等価回路的に接続されている。同
様に、第1のパワー増幅器12は第1のNMOS型パワ
ートランジスタ82とNMOS型トランジスタ92によ
る第1のパワー部カレントミラー回路によって構成さ
れ、通電制御端子側に入力された第1の電流増幅器42
の出力電流F2を所定の増幅して出力する(101倍の
電流増幅率)。第1のNMOS型パワートランジスタ8
2は二重拡散NチャンネルMOS−FETトランジスタ
によって構成され、その電流流出端子側から電流流入端
子側に向けて、寄生素子として形成される第1のパワー
ダイオード82dが等価回路的に接続されている。同様
に、第1のパワー増幅器13は第1のNMOS型パワー
トランジスタ83とNMOS型トランジスタ93による
第1のパワー部カレントミラー回路によって構成され、
通電制御端子側に入力された第1の電流増幅器43の出
力電流F3を所定の増幅して出力する(101倍の電流
増幅率)。第1のNMOS型パワートランジスタ83は
二重拡散NチャンネルMOS−FETトランジスタによ
って構成され、その電流流出端子側から電流流入端子側
に向けて、寄生素子として形成される第1のパワーダイ
オード83dが等価回路的に接続されている。
【0097】第1のNMOS型パワートランジスタ8
1,82,83の各電流流出端子側は電圧変換器652
の負極出力端子側に共通接続され、各電流流入端子側を
コイル2,3,4の各電力供給端子に接続されている。
これにより、第1のパワー増幅器11,12,13はそ
れぞれ各通電制御端子側への入力電流を増幅した電流を
コイル2,3,4の各電力供給端子に出力し、それぞれ
コイル2,3,4への駆動電流I1,I2,I3の負極
側電流を供給している。
【0098】電圧変換器652の正極出力端子側には、
スイッチ器670と電流検出用の抵抗31を介して、3
個の第2のパワー増幅器15,16,17の電流流入端
子側が共通接続されている。第2のパワー増幅器15は
第2のNMOS型パワートランジスタ85とNMOS型
トランジスタ95による第2のパワー部カレントミラー
回路によって構成され、通電制御端子側に入力された第
2の電流増幅器45の出力電流H1を所定の増幅して出
力する。ここでは、NMOS型パワートランジスタ85
のセルサイズをNMOS型トランジスタ95のセルサイ
ズの100倍にして、およそ101倍の電流増幅率を得
ている。また、第2のNMOS型パワートランジスタ8
5は二重拡散NチャンネルMOS−FETトランジスタ
によって構成され、その電流流出端子側から電流流入端
子側に向けて、寄生素子として形成される第2のパワー
ダイオード85dが等価回路的に接続されている。同様
に、第2のパワー増幅器16は第2のNMOS型パワー
トランジスタ86とNMOS型トランジスタ96による
第2のパワー部カレントミラー回路によって構成され、
通電制御端子側に入力された第2の電流増幅器46の出
力電流H2を所定の増幅して出力する(101倍の電流
増幅率)。第2のNMOS型パワートランジスタ86は
二重拡散NチャンネルMOS−FETトランジスタによ
って構成され、その電流流出端子側から電流流入端子側
に向けて、寄生素子として形成される第2のパワーダイ
オード86dが等価回路的に接続されている。同様に、
第2のパワー増幅器17は第2のNMOS型パワートラ
ンジスタ87とNMOS型トランジスタ97による第2
のパワー部カレントミラー回路によって構成され、通電
制御端子側に入力された第2の電流増幅器47の出力電
流H3を所定の増幅して出力する(101倍の電流増幅
率)。第2のNMOS型パワートランジスタ87は二重
拡散NチャンネルMOS−FETトランジスタによって
構成され、その電流流出端子側から電流流入端子側に向
けて、寄生素子として形成される第2のパワーダイオー
ド87dが等価回路的に接続されている。
【0099】第2のNMOS型パワートランジスタ8
5,86,87の各電流流入端子側は抵抗31を介して
電圧変換器652の正極出力端子側に共通接続され、各
電流流出端子側をコイル2,3,4の各電力供給端子に
接続されている。これにより、第2のパワー増幅器1
5,16,17はそれぞれ各通電制御端子側への入力電
流を増幅した電流をコイル2,3,4の各電力供給端子
に出力し、それぞれコイル2,3,4への駆動電流I
1,I2,I3の正極側電流を供給している。
【0100】スイッチ器670はNMOS型スイッチト
ランジスタ671を含んで構成され、NMOS型スイッ
チトランジスタ671の電流流入端子側は電圧変換器6
52の正極出力端子側に接続され、その電流流出端子側
は抵抗31を介して第2のNMOS型パワートランジス
タ85,86,87の共通接続端子側に接続され、その
通電制御端子側は高電圧出力器53の高電位点Vuに接
続されている。直流電源50がオンの時には、高電圧出
力器53は高電位点Vuを出力しているので、NMOS
型スイッチトランジスタ671はオンになる。直流電源
50がオフになると、高電圧出力器53は出力電位Vu
も零になるので、NMOS型スイッチトランジスタ67
1はオフになる。ここでは、NMOS型スイッチトラン
ジスタ671は二重拡散NチャンネルMOS−FETト
ランジスタによって構成され、ドレイン端子とソース端
子を逆接続されているので、電流流入端子側から電流流
出端子側に向けて、寄生素子として形成されるスイッチ
ダイオード671dが等価回路的に接続されている。N
MOS型スイッチトランジスタ671がオンの時にはス
イッチダイオード671dの両端が短絡され、NMOS
型スイッチトランジスタ671がオフの時にはスイッチ
ダイオード671dが逆流素子ダイオードとして働くよ
うにしている。しかし、スイッチダイオード671dが
存在しなくても、動作上は問題ない。
【0101】制御作成器30は、電流検出用の抵抗31
とレベル変換回路32からなる電流検出部および比較増
幅部33によって構成されている。駆動電流I1,I
2,I3の正極側電流の合成値に相当するコイルへの合
成供給電流Ivは、電流検出用の抵抗31の電圧降下と
して検出され、レベル変換回路32は合成供給電流Iv
に応動した電流検出信号Bvを出力する。比較増幅部3
3は、指令信号Acと電流検出信号Bvを比較し、両者
の差に応動した第1の制御電流信号C1と第2の制御電
流信号C2を出力する。制御作成器30の具体的な構成
は、前述の図3に示したものと同様であり、詳細な説明
を省略する。
【0102】切換作成器34は、3相コイルに3相電流
を流すために、滑らかに変化する3相の切換電流信号D
1,D2,D3を出力する。切換作成器34の具体的な
構成は、前述の図2に示したものと同様であり、詳細な
説明を省略する(この例では、切換作成器34は位置検
出部100と切換信号部101によって構成されてい
る)。
【0103】分配作成器36は、第1の分配部37と第
2の分配部38を含んで構成されている。第1の分配部
37は、切換作成器34の3相の切換電流信号D1,D
2,D3に応動して制御作成器30の第1の制御電流信
号C1を分配し、滑らかに変化する3相の第1の分配電
流信号E1,E2,E3を作り出す。第2の分配部38
は、切換作成器34の3相の切換電流信号D1,D2,
D3に応動して制御作成器30の第2の制御電流信号C
2を分配し、滑らかに変化する3相の第2の分配電流信
号G1,G2,G3を作り出す。分配作成器36の具体
的な構成は、前述の図4に示したものと同様であり、詳
細な説明を省略する。
【0104】分配作成器36の第1の分配電流信号E
1,E2,E3は、それぞれ第1の電流増幅器41,4
2,43に入力される。第1の電流増幅器41,42,
43は、それぞれ第1の分配電流信号E1,E2,E3
を所定倍の電流増幅して第1の増幅電流信号F1,F
2,F3を作りだし、第1のパワー増幅器11,12,
13の各通電制御端子側に供給する。第1のNMOS型
パワートランジスタ81,82,83をそれぞれ含んで
構成された第1のパワー増幅器11,12,13は、3
相の第1の増幅電流信号F1,F2,F3をそれぞれ電
流増幅し、各電流流入端子側よりコイル2,3,4に駆
動電流I1,I2,I3の負極側電流を供給する。第1
のNMOS型パワートランジスタ81,82,83の電
流流出端子側は共通接続され、電圧変換器652の負極
出力端子側(M)に接続されている。第1の電流増幅器
41,42,43の具体的な構成は、前述の図5に示し
たものと同様であり、詳細な説明を省略する。
【0105】分配作成器36の第2の分配電流信号G
1,G2,G3は、それぞれ第2の電流増幅器45,4
6,47に入力される。第2の電流増幅器45,46,
47は、それぞれ第2の分配電流信号G1,G2,G3
を所定倍の電流増幅して第2の増幅電流信号H1,H
2,H3を作りだし、第2のパワー増幅器15,16,
17の各通電制御端子側に供給する。第2のNMOS型
パワートランジスタ85,86,87をそれぞれ含んで
構成された第2のパワー増幅器15,16,17は、3
相の第2の増幅電流信号H1,H2,H3をそれぞれ電
流増幅し、各電流流入端子側よりコイル2,3,4に駆
動電流I1,I2,I3の正極側電流を供給する。第2
のNMOS型パワートランジスタ85,86,87の電
流流入端子側は共通接続され、スイッチ器670と抵抗
31を介して電圧変換器652の正極出力端子側(P)
に接続されている。第2の電流増幅器45,46,47
の具体的な構成は、前述の図6に示したものと同様であ
り、詳細な説明を省略する。
【0106】動作制御器51は、第1のNMOS型パワ
ートランジスタ81,82,83の電流流入端子側と電
流流出端子側の間の3相の動作電圧を検出し、最小な動
作電圧値に応動した動作検出信号Vdを出力する。電圧
変換器652は、PWM部65において動作制御器51
の動作検出信号Vdに応動したパルス幅を有する所定の
高周波のPWM信号Sw(パルス幅変調信号)を作り、
NMOS型スイッチングトランジスタ661を高周波ス
イッチング動作させる(NMOS型スイッチングトラン
ジスタ661が常時オン状態になる場合も含んでい
る)。すなわち、動作制御器51の動作検出信号Vdに
応動して電圧変換器652のNMOS型スイッチングト
ランジスタ661のPWMスイッチング動作が制御され
る。電圧変換器652は、直流電源50の直流電圧Vc
cを電力供給源として、NMOS型スイッチングトラン
ジスタ661のPWMスイッチング動作に応動した変換
直流電圧Vmを作り出す。また、高電圧出力器53は、
高周波パルス信号に応動して昇圧用コンデンサに充電・
蓄積させることにより、直流電源50の正極端子側電位
Vccよりも高い高電位点電位Vuを作り出す。高電圧
出力器53の高電位点電位Vuは電圧変換器652に供
給され、NMOS型スイッチングトランジスタ661の
通電制御端子側(ゲート端子)をアース電位から高電位
Vuまでスイングさせ、NMOS型スイッチングトラン
ジスタ661を完全にオン・オフ動作させるのに使用さ
れる。動作制御器51と電圧変換器652と高電圧出力
器53の具体的な構成は、前述の図7に示したものと同
様であり、詳細な説明を省略する。
【0107】電圧取出器55は、出力側を共通接続され
た第1の取出ダイオード75と第2の取出ダイオード7
6を含んで構成されている。第1の取出ダイオード75
の入力側は、第2のNMOS型パワートランジスタ8
5,86,87の電流流入端子側(スイッチ器670の
NMOS型スイッチトランジスタ671の電流流出端子
側も含む)に接続されている。第2の取出ダイオード7
6の入力側は、直流電源50の正極端子側に接続されて
いる。電圧取出器55の正極側の出力端子Xfは第1の
取出ダイオード75と第2の取出ダイオード76の共通
接続端子側であり、電圧取出器55の負極側の出力端子
Xgは第1のNMOS型パワートランジスタ81,8
2,83の電流流出端子側である。これにより、第2の
NMOS型パワートランジスタの電流流入端子側と第1
のNMOS型パワートランジスタの電流流出端子側の間
に生じる端子間直流電圧を直流電源50の出力直流電圧
Vccと比較し、両者の内で大きい方の電圧値に応動し
た直流電圧を電圧取出器55の出力端子XfとXg間に
取り出している。
【0108】通常、直流電源50はオンであり、電圧取
出器55の出力端子Xf,Xg間には直流電源50の直
流電圧Vccに応動した直流電圧が出力されている。し
かし、緊急時に直流電源50がオフした時には、Vcc
が零になり、高電圧出力器53の出力電位Vuも零にな
り、電圧変換器652のNMOS型スイッチングトラン
ジスタ661やスイッチ器670のNMOS型スイッチ
トランジスタ671もオフになる。このとき、移動体1
の動き(たとえば、モータ回転)によってコイル2,
3,4には3相の逆起電力が生じている。第1のパワー
ダイオード81d,82d,83dと第2のパワーダイ
オード85d,86d,87dは、コイル2,3,4に
生じている逆起電力による電圧信号を整流し、第2のN
MOS型パワートランジスタの電流流入端子側と第1の
NMOS型パワートランジスタの電流流出端子側の間に
整流直流電圧を出力する。スイッチ器670のNMOS
型スイッチトランジスタ671がオフであるから、電圧
取出器55は第1の取出ダイオード75を介して整流直
流電圧を出力端子Xf,Xg間に出力する。すなわち、
電圧取出器55は、直流電源50がオフした時に(スイ
ッチ回路71がTa端子側からTb端子側に切り替わっ
た場合)、コイル2,3,4に生じている3相の逆起電
力を第1のパワーダイオード81d,82d,83dや
第2のパワーダイオード85d,86d,87dを介し
て整流した直流電圧を出力端子Xf,Xg間に取り出し
ている。
【0109】次に、図12のモータの全体的な動作につ
いて、簡単に説明する。切換作成器34は、滑らかに変
化する3相の切換電流信号D1,D2,D3を作りだ
し、分配作成器36に供給する。分配作成器36の第1
の分配器37は、制御作成器30の第1の制御電流信号
C1を3相の切換電流信号D1,D2,D3に応動して
分配し、3相の第1の分配電流信号E1,E2,E3を
出力する。第1の電流増幅器41,42,43は、それ
ぞれ第1の分配電流信号E1,E2,E3を所定倍の電
流増幅し、第1の増幅電流信号F1,F2,F3を出力
し、第1のパワー増幅器11,12,13の各通電制御
端子側に供給する。第1のパワー増幅器11,12,1
3の第1のNMOS型パワートランジスタ81,82,
83は、それぞれ第1の増幅電流信号F1,F2,F3
を電流増幅し、3相のコイル2,3,4に駆動電流I
1,I2,I3の負極側電流を供給する。
【0110】一方、分配作成器36の第2の分配器38
は、制御作成器30の第2の制御電流信号C2を3相の
切換電流信号D1,D2,D3に応動して分配し、3相
の第2の分配電流信号G1,G2,G3を出力する。第
2の電流増幅器45,46,47は、それぞれ第2の分
配電流信号G1,G2,G3を所定倍の電流増幅し、第
2の増幅電流信号H1,H2,H3を出力し、第2のパ
ワー増幅器15,16,17の各通電制御端子側に供給
する。第2のパワー増幅器15,16,17の第2のN
MOS型パワートランジスタ85,86,87は、それ
ぞれ第2の増幅電流信号H1,H2,H3を電流増幅
し、3相のコイル2,3,4に駆動電流I1,I2,I
3の正極側電流を供給する。
【0111】制御作成器30の電流検出用の抵抗31
は、駆動電流I1,I2,I3の正極側電流の合成値で
ある合成供給電流Ivを検出し、レベル変換回路32を
介して合成供給電流Ivに応動した電流検出信号Bvを
作りだす。比較増幅部33は、指令信号Acと電流検出
信号Bvを比較し、その比較結果に応動した第1の制御
電流信号C1と第2の制御電流信号C2を出力する。第
1の制御電流信号C1と第2の制御電流信号C2は比例
関係にある(ここでは、C2の絶対値はC1の絶対値の
2倍の大きさになっている)。その結果、制御作成器3
0と第1の分配器37と第1の電流増幅器41,42,
43と第1のパワー増幅器11,12,13によって、
合成供給電流Ivを指令信号Acに応動した所定値にす
る帰還ループが構成され、コイル2,3,4への供給電
流が制御される。また、制御作成器30と第2の分配器
38と第2の電流増幅器45,46,47と第2のパワ
ー増幅器15,16,17は、第2の電流増幅器45,
46,47や第2のパワー増幅器15,16,17を部
分的に飽和動作させながら(正確には第2の電流増幅器
45,46,47の出力トランジスタが飽和動作す
る)、滑らかに変化する駆動電流I1,I2,I3の正
極側電流をコイル2,3,4に供給している。このと
き、電流検出信号Bvからみた第1のパワー増幅器の出
力電流までの伝達利得(比較増幅部33と第1の分配器
37と第1の電流増幅器41,42,43と第1のパワ
ー増幅器11,12,13のフォーワード利得)に較べ
て、電流検出信号Bvからみた第2のパワー増幅器の出
力電流までの伝達利得(比較増幅部33と第2の分配器
38と第2の電流増幅器45,46,47と第2のパワ
ー増幅器15,16,17のフォーワード利得)を大き
くし、全体の回路動作の安定化をはかっている。すなわ
ち、第2の電流増幅器や第2のパワー増幅器を部分的に
確実に飽和動作させて、第1のパワー増幅器内の第1の
NMOS型パワートランジスタによりコイルへの供給電
流を制御することを可能にした。このとき、第2の電流
増幅器45,46,47と第2のパワー増幅器15,1
6,17を低動作電圧にて飽和動作させているので、第
2のパワー増幅器15,16,17の第2のNMOS型
パワートランジスタ85,86,87における電力損失
・発熱は小さくなる。
【0112】対応する相の第1の分配電流信号E1と第
2の分配電流信号G1は、180゜の位相差をもって相
補的に流れるので、第1の増幅電流信号F1と第2の増
幅電流信号H1は相補的な電流になり、第1のパワー増
幅器11の第1のNMOS型パワートランジスタ81と
第2のパワー増幅器15の第2のNMOS型パワートラ
ンジスタ85も相補的に動作する。従って、滑らかに連
続的に変化する両方向の駆動電流I1がコイル2に供給
される。同様に、第1の分配電流信号E2と第2の分配
電流信号G2が180゜の位相差をもって相補的に流れ
るので、第1の増幅電流信号F2と第2の増幅電流信号
H2は相補的な電流になり、第1のパワー増幅器12の
第1のNMOS型パワートランジスタ82と第2のパワ
ー増幅器16の第2のNMOS型パワートランジスタ8
6も相補的に動作する。従って、滑らかに連続的に変化
する両方向の駆動電流I2がコイル3に供給される。同
様に、第1の分配電流信号E3と第2の分配電流信号G
3が180゜の位相差をもって相補的に流れるので、第
1の増幅電流信号F3と第2の増幅電流信号H3は相補
的な電流になり、第1のパワー増幅器13の第1のNM
OS型パワートランジスタ83と第2のパワー増幅器1
7の第2のNMOS型パワートランジスタ87も相補的
に動作する。従って、滑らかに連続的に変化する両方向
の駆動電流I3がコイル4に供給される。このように、
同一相の第1のNMOS型パワートランジスタと第2の
NMOS型パワートランジスタが同時に通電状態になる
ことがない。すなわち、第1のNMOS型パワートラン
ジスタと第2のNMOS型パワートランジスタの間の短
絡電流が発生しない。その結果、パワートランジスタの
過剰な発熱や過電流による破壊が生じなくなり、集積回
路化しても破壊や異常現象は生じない。また、滑らかに
変化する連続的な駆動電流I1,I2,I3がコイル
2,3,4に供給されるので、コイル2,3,4におけ
るスパイク電圧の発生もなく、寄生素子である第1のパ
ワーダイオード81d,82d,83dや第2のパワー
ダイオード85d,86d,87dを通じた異常電流が
流れることもない。従って、モータの発生駆動力の脈動
は著しく小さくなる。
【0113】電圧変換器652は、NMOS型スイッチ
ングトランジスタ661を高周波PWM動作させ、正極
出力端子側と負極出力端子側の間の変換直流電圧Vmを
可変制御する。動作制御器51は通電時の第1のNMO
S型パワートランジスタ81,82,83の3相の動作
電圧の内で最小動作電圧を検出し、動作制御器51の出
力信号Vdに応動して電圧変換器652の正極出力端子
側電位Vmが可変制御される。これにより、第1のパワ
ー増幅器11,12,13の第1のNMOS型パワート
ランジスタ81,82,83の通電時の動作電圧は所定
の小さな値に制御される。その結果、第1のパワー増幅
器11,12,13の第1のNMOS型パワートランジ
スタにおける電力損失・発熱は小さくなる。また、PW
M動作するNMOS型スイッチングトランジスタ661
と整流用インダクタ63を用いて電圧変換しているの
で、電圧変換器652における電力損失は小さい。特
に、高電圧出力器53によって直流電源50の正極端子
側電位Vccよりも高くなる高電位点Vuを作り、0V
からVuの間で変化するPWM信号SwをNMOS型ス
イッチングトランジスタ661の通電制御端子側に加え
ている。従って、NMOS型スイッチングトランジスタ
661は完全にオン・オフ動作し、NMOS型スイッチ
ングトランジスタ661の発熱も極めて小さくなる。
【0114】また、緊急時に直流電源50がオフした時
に、スイッチ器670のNMOS型スイッチトランジス
タ671がオフになるから、コイル2,3,4に生じて
いる3相の逆起電力を第1のパワーダイオード81d,
82d,83dや第2のパワーダイオード85d,86
d,87dを介して整流した直流電圧を、電圧取出器5
5の端子XfとXgの間に出力する。この電圧取出器5
5の出力電圧を用いて、緊急時の各種の退避処理を行う
ことが可能である。
【0115】本実施の形態では、集積回路化に好適のモ
ータ構成になっている。パワー素子としてNMOS型ス
イッチングトランジスタとNMOS型パワートランジス
タとNMOS型スイッチトランジスタを使用して構成し
ているので、製造コストも安く、小さなチップ上に集積
回路化することが可能である。特に、最近の検討によ
り、NMOS型スイッチングトランジスタとNMOS型
パワートランジスタとNMOS型スイッチトランジスタ
を低コストに同一チップ上に集積回路化して実現できる
目処がたってきた。また、制御作成器30,切換作成器
34,分配作成器36,3個の第1の電流増幅器41,
42,43,3個の第2の電流増幅器45,46,4
7,動作制御器51,電圧変換器652,高電圧出力器
53のトランジスタやダイオードや抵抗を、上記のNM
OS型パワートランジスタと同一のチップ上に集積化す
ることも容易にできる。
【0116】また、第1のNMOS型パワートランジス
タや第2のNMOS型パワートランジスタとして二重拡
散NチャンネルMOS−FETトランジスタを使用する
ならば、チップサイズが小さく、集積回路化に向いてい
る。さらに、二重拡散NチャンネルMOS−FETトラ
ンジスタを使用した場合には、各NMOS型パワートラ
ンジスタの電流流出端子側から電流流入端子側に向けて
寄生素子であるダイオードが形成され、パワーダイオー
ドとして使用可能である。従って、パワーダイオードの
ためのチップ面積は実質的に零になる。また、NMOS
型スイッチングトランジスタやNMOS型スイッチトラ
ンジスタを二重拡散NチャンネルMOS−FETトラン
ジスタによって構成した場合に、寄生素子としてスイッ
チングダイオードやスイッチダイオードが形成される
が、これらの寄生ダイオードが不都合を生じることはな
い。
【0117】また、各パワー素子における発熱を極めて
小さくし、集積回路化に適した構成にしている。第2の
パワー増幅器15,16,17の第2のNMOS型パワ
ートランジスタ85,86,87は、第2の電流増幅器
45,46,47の出力用トランジスタの動作を含めて
考えると、通電時に飽和動作しているので、第2のNM
OS型パワートランジスタ85,86,87における電
力損失は非常に小さい。また、電流検出用の抵抗31に
おける電圧降下は、第2のNMOS型パワートランジス
タ85,86,87の電力損失をさらに小さくしてい
る。第1のパワー増幅器11,12,13の第1のNM
OS型パワートランジスタ81,82,83の通電時の
動作電圧は、動作制御器51と電圧変換器652によっ
て所定の小さな電圧値に制御されている。従って、第1
のNMOS型パワートランジスタ81,82,83の電
力損失は非常に小さい。電圧変換器652は、NMOS
型スイッチングトランジスタ661を200kHz程度
で高周波PWM動作をさせて電圧変換をしているので、
電圧変換に伴う電力損失も非常に小さい。さらに、NM
OS型スイッチングトランジスタ661はその通電制御
端子(ゲート端子)の電圧信号Swの電圧スイングによ
りPWM動作をするので、通電制御端子側への電流供給
は極めて少なく、電力損失はほとんど生じない(NPN
型トランジスタやPNP型トランジスタではベース電流
による電力損失が生じる)。また、NMOS型スイッチ
ングトランジスタ661の通電制御端子側に加えるPW
M信号Swを0VからVuの間でスイングさせているの
で、NMOS型スイッチングトランジスタ661は完全
にオン・オフ動作する。従って、第1のNMOS型パワ
ートランジスタや第2のNMOS型パワートランジスタ
やNMOS型スイッチングトランジスタにおける電力損
失・発熱が極めて小さく、これらを1チップに集積回路
化することが可能になる。また、放熱板等の発熱対策は
不要になる。
【0118】また、NMOS型スイッチングトランジス
タ661は、NPN型トランジスタやPNP型トランジ
スタに比較して高周波のスイッチング動作が可能であ
り、PWM周波数を高くすることにより、整流用インダ
クタ63や整流用コンデンサ64を小形・小容量にする
ことが可能である。
【0119】また、高電圧出力器53の出力電位Vuが
Vccよりも所定値以上大きくならないように制限する
第1の電圧制限回路を設けているので、図1の構成のト
ランジスタやダイオードや抵抗を1チップの集積回路化
した場合に、耐圧破壊が生じなくなる。
【0120】なお、本実施の形態では、第2のパワー増
幅器15,16,17の第2のNMOS型パワートラン
ジスタ85,86,87を低動作電圧の飽和動作させ、
第1のパワー増幅器11,12,13の第1のNMOS
型パワートランジスタ81,82,83の動作電圧に応
動して電圧変換器652のNMOS型スイッチングトラ
ンジスタ661をPWM動作させるようにしたが、この
ような構成に限定されるものではない。たとえば、第1
のパワー増幅器11,12,13の第1のNMOS型パ
ワートランジスタ81,82,83を低動作電圧の飽和
動作させ、第2のパワー増幅器15,16,17の第2
のNMOS型パワートランジスタ85,86,87の動
作電圧を動作制御器によって検出し、第2のNMOS型
パワートランジスタ85,86,87の動作電圧に応動
して電圧変換器のNMOS型スイッチングトランジスタ
をPWM動作させてもよい。
【0121】すなわち、電流検出信号Bvからみた第2
のパワー増幅器の出力電流までの伝達利得(比較増幅部
と第2の分配器と第2の電流増幅器と第2のパワー増幅
器のフォーワード利得)に較べて、電流検出信号Bvか
らみた第1のパワー増幅器の出力電流までの伝達利得
(比較増幅部と第1の分配器と第1の電流増幅器と第1
のパワー増幅器のフォーワード利得)を大きくし、第1
のパワー増幅器の第1のNMOS型パワートランジスタ
を部分的に飽和動作させる。制御作成器と第2の分配器
と第2の電流増幅器と第2のパワー増幅器によって、合
成供給電流Ivを指令信号Acに応動した所定値にする
帰還ループを構成し、コイルへの供給電流を制御する。
動作制御器は通電時の第2のNMOS型パワートランジ
スタの3相の動作電圧の内で最小動作電圧を検出し、動
作制御器の出力信号Vdに応動して電圧変換器のNMO
S型スイッチングトランジスタのPWM動作を制御す
る。これにより、第2のパワー増幅器の第2のNMOS
型パワートランジスタの通電時の動作電圧は所定の小さ
な値に制御される。その結果、飽和動作する第1のパワ
ー増幅器の第1のNMOS型パワートランジスタにおけ
る発熱は小さく、所定の小さな動作電圧になる第2のパ
ワー増幅器の第2のNMOS型パワートランジスタにお
ける発熱は小さく、さらに、PWM動作する電圧変換器
のNMOS型スイッチングトランジスタの発熱も小さ
い。
【0122】また、本実施の形態では、制御作成器30
は合成供給電流Ivに応動した電流検出信号Bvを得る
電流検出部(抵抗31とレベル変換回路32)と、電流
検出信号Bvと指令信号Acを比較して比較結果に応動
した第1の制御電流信号C1と第2の制御電流信号C2
を出力する比較増幅部33を含んで構成している。第1
の制御電流信号C1に応動した第1の分配電流信号E
1,E2,E3を用いて第1のパワー増幅器11,1
2,13の第1のNMOS型パワートランジスタ81,
82,83の通電を制御し、第2の制御電流信号C2に
応動した第2の分配電流信号G1,G2,G3を用いて
第2のパワー増幅器15,16,17の第2のNMOS
型パワートランジスタ85,86,87の通電を制御す
る。これにより、指令信号Acに応動した正確な駆動電
流をコイル2,3,4に供給することができる。このと
き、電流路の切換はアナログ的に滑らかに行っているの
で、駆動電流I1,I2,I3は滑らかに変化し、電流
路の切り換わりに伴う駆動電流の脈動や駆動力の脈動は
生じない。
【0123】また、本実施の形態では、第1の電流増幅
器41,42,43を同一形式の第1の増幅部カレント
ミラー回路によって構成し、第2の電流増幅器45,4
6,47を同一形式の第2の増幅部カレントミラー回路
によって構成し、第2の増幅部カレントミラー回路の出
力用トランジスタ262,272,282の電流流入端
子側を直流電源50の正極端子側に接続した。これによ
り、電圧変換器652の正極出力端子側の電位Vmが変
化してVccに近づいても、第2の電流増幅器や第2の
NMOS型パワートランジスタは安定な動作を行い、滑
らかに変化するアナログ的な駆動電流をコイルに供給で
きる。
【0124】また、本実施の形態では、各第1のパワー
増幅器11,12,13を第1のMOS型パワートラン
ジスタを含んだMOS型トランジスタによる第1のパワ
ー部カレントミラー回路によって構成しているので、第
1のパワー増幅器11,12,13の電流増幅率のバラ
ツキは極めて小さくなる。各第2のパワー増幅器15,
16,17を第2のMOS型パワートランジスタを含ん
だMOS型トランジスタによる第2のパワー部カレント
ミラー回路によって構成しているので、第2のパワー増
幅器15,16,17の電流増幅率のバラツキは極めて
小さくなる。従って、電流路の切換を安定に滑らかにす
ることができる。さらに、制御作成器30の第1の制御
電流信号C1と第2の制御電流信号C2を比例して変化
させることにより、第1のMOS型パワートランジスタ
もしくは第2のMOS型パワートランジスタの一方を確
実に低動作電圧の飽和動作させ、第1のMOS型パワー
トランジスタもしくは第2のMOS型パワートランジス
タの他方によってコイルへの合成供給電流Ivを指令信
号Acに応動して高精度に制御することができる。ま
た、高精度の電流制御を行う第1のMOS型パワートラ
ンジスタもしくは第2のMOS型パワートランジスタの
動作電圧に応動してMOS型スイッチングトランジスタ
のスイッチング動作を制御することにより、電流制御を
乱すことなく、電流制御を行っているMOS型パワート
ランジスタの動作電圧を活性動作する所定の小さな値に
高精度に制御できる。
【0125】このように、第1のパワー増幅器を第1の
MOS型パワートランジスタを含んだMOS型トランジ
スタによる第1のパワー部カレントミラー回路によって
構成し、第2のパワー増幅器を第2のMOS型パワート
ランジスタを含んだMOS型トランジスタによる第2の
パワー部カレントミラー回路によって構成するならば、
集積回路化に適しており、電流増幅率のバラツキが著し
く少なくなる。その結果、指令信号に応動して合成供給
電流を制御する第1のMOS型パワートランジスタもし
くは第2のMOS型パワートランジスタの動作が安定す
る。そのため、合成供給電流を制御するMOS型パワー
トランジスタの動作電圧に応動してMOS型スイッチン
グトランジスタの高速なスイッチング動作を制御するこ
とにより、高精度な電圧制御が可能になる。さらに、M
OS型パワートランジスタやMOS型スイッチングトラ
ンジスタにNチャンネルのNMOS型パワートランジス
タやNMOS型スイッチングトランジスタを用いるなら
ば、集積化した時のチップサイズを小さくできる利点も
ある。しかし、MOS型トランジスタによるパワー部カ
レントミラー回路の構成は、PチャンネルのPMOS型
パワートランジスタを含んだPMOS型トランジスタに
よるカレントミラー回路を用いて構成しても良い。ま
た、MOS型スイッチングトランジスタにPチャンネル
のPMOS型スイッチングトランジスタを用いても良
い。
【0126】このように、MOS型パワートランジスタ
を含んだMOS型トランジスタによる第1のパワー部カ
レントミラー回路や第2のパワー部カレントミラー回路
を使用するならば、NPN型バイポーラトランジスタや
PNP型バイポーラトランジスタのようなベース電流の
供給が不要であり、ベース電流による誤差が発生しな
い。特に、バイポーラトランジスタのカレントミラー回
路では、トランジスタが飽和動作する場合に、著しく大
きな誤差およびベース電流が発生する。これに対して、
第1のパワー部カレントミラー回路の第1のMOS型パ
ワートランジスタもしくは第2のパワー部カレントミラ
ー回路の第2のMOS型パワートランジスタを低動作電
圧の飽和動作をさせた場合であっても、MOS型トラン
ジスタのカレントミラー回路では不要な電流消費が発生
しないので、電力損失・発熱が極めて小さい。
【0127】また、本実施の形態のように、第1の電流
増幅器41,42,43を第1の増幅部カレントミラー
回路によって構成するならば、第1の電流増幅器の電流
増幅率のバラツキは小さくなる。また、第2の電流増幅
器45,46,47を第2の増幅部カレントミラー回路
によって構成するならば、第2の電流増幅器の電流増幅
率のバラツキも小さくなる。従って、集積回路化に適し
た構成になっている。これにより、制御作成器30の第
1の制御電流信号C1と第2の制御電流信号C2を比例
して変化させることにより、第1のMOS型パワートラ
ンジスタもしくは第2のMOS型パワートランジスタの
一方を確実に低動作電圧の飽和動作させ、第1のMOS
型パワートランジスタもしくは第2のMOS型パワート
ランジスタの他方によってコイルへの合成供給電流Iv
を指令信号Acに応動して高精度に制御することができ
る。すなわち、合成供給電流の制御動作が極めて安定に
なる。
【0128】さらに、本実施の形態では、分配作成器3
6を工夫し、切換作成器34の滑らかに変化する3相の
切換電流信号D1,D2,D3が流入流出する各電流流
入流出端子側に一端が接続され、他端を共通接続された
3個の第1のダイオード回路と、各電流流入流出端子側
に各通電制御端子側が接続され、共通接続された電流信
号入力端子側に第1の制御電流信号C1が入力され、電
流信号出力端子側から3相の第1の分配電流信号E1,
E2,E3を出力する第1の分配トランジスタ回路と、
各電流流入流出端子側に一端が接続され、他端を共通接
続された3個の第2のダイオード回路と、各電流流入流
出端子側に各通電制御端子側が接続され、共通接続され
た電流信号入力端子側に第2の制御電流信号C2が入力
され、電流信号出力端子側から3相の第2の分配電流信
号G1,G2,G3を出力する第2の分配トランジスタ
回路を含んで構成するようにしている。これにより、第
1の分配電流信号と第2の分配電流信号が180゜の位
相差を有し、相補的に滑らかに切りかわるように変化
し、かつ、同一相の第1の分配電流信号と第2の分配電
流信号の一方は必ず零になる。すなわち、確実に相補的
に動作する。さらに、第1の分配電流信号E1,E2,
E3を電流増幅して第1のパワー増幅器の第1のパワー
トランジスタの通電を制御し、第2の分配電流信号G
1,G2,G3を電流増幅して第2のパワー増幅器の第
2のパワートランジスタの通電を制御しているので、第
1のパワートランジスタと第2のパワートランジスタに
よる電流路の開閉は確実に相補的に行われ、かつ、電流
の値も滑らかに連続的に変化する。これにより、同一相
の第1のパワートランジスタと第2のパワートランジス
タが同時に通電状態になることが生じない。その結果、
直流電源50の短絡電流が発生しないので、集積回路化
した場合にIC内のパワートランジスタの電流破壊や熱
破壊は生じない。さらに、滑らかに変化する3相の駆動
電流を3相コイルに供給できるので、駆動力の脈動も著
しく小さくなる。
【0129】また、本実施の形態では、直流電源50が
オフした時に、コイル2,3,4に生じている3相の逆
起電力を第1のパワーダイオード81d,82d,83
dや第2のパワーダイオード85d,86d,87dを
介して整流した直流電圧を、電圧取出器55の端子Xf
とXgの間に取り出している。このとき、スイッチ器6
70がNMOS型スイッチトランジスタ671をオフに
して、直流電源50への不要な電流路の形成を防ぎ、電
圧取出器55の動作の安定化をはかっている。この電圧
取出器55の出力電圧を用いて、緊急時の各種の退避処
理を行うことが可能である(たとえば、ハードディスク
装置などにおいて、電気的にマイコンのメモリ内容を保
存したり、機械的に読みとりヘッドの退避移動を行うこ
とが可能である)。
【0130】なお、本実施の形態では、第1のパワー増
幅器11,12,13と第2のパワー増幅器15,1
6,17と制御作成器30と切換作成器34と分配作成
器36(第1の分配器37と第2の分配器38)と第1
の電流増幅器41,42,43と第2の電流増幅器4
5,46,47と動作制御器51と電圧変換器652と
高電圧出力器53と電圧取出器55とスイッチ器670
を含んで、3相の負荷(コイル2,3,4)への駆動電
流を供給する駆動回路を形成している。
【0131】また、直流電源50と電圧変換器652と
動作制御器51は、電圧変換器652の正極出力端子側
と負極出力端子側の間に所要の直流電圧Vmを供給する
電圧供給回路を形成している。
【0132】なお、前述の本実施の形態の切換作成器3
4は、磁電変換素子を使用した位置検出部100を含ん
で構成した。しかし、そのような素子を用いることな
く、たとえば、コイル2,3,4に生じる逆起電圧を利
用して切換信号D1,D2,D3を作り出しても良い。
【0133】また、電圧取出器55はダイオードの代わ
りにスイッチ動作をするMOS型のFETトランジスタ
を用いて構成しても良い。
【0134】また、第1の分配器37の第1の分配電流
信号E1,E2,E3および第2の分配器38の第2の
分配電流信号G1,G2,G3は時間的に傾斜を持って
切り換わっていればよい。これにより、駆動電流I1,
I2,I3も時間的に傾斜を持って滑らかに電流路を切
り換えていく。さらに、駆動電流の極性が変化する時に
連続的に電流値を変化させることが好ましいが、同一相
の第1の分配電流信号と第2の分配電流信号が同時に零
になる期間があり、その相の駆動電流を零にする時間が
存在してもかまわない。
【0135】(実施の形態5)図13に本発明の実施の
形態2のモータの構成を示す。図13に全体構成を示
す。本実施の形態5では、第1のNMOS型パワートラ
ンジスタによる合成供給電流Ivを検出する制御作成器
400を使用するようにした。また、直流電源50の正
極端子側電位Vccよりも高い高電位点電位Vuを作り
出す高電圧出力器410を設け、高電圧出力器410の
高電位点電位Vuを電圧変換器652と第2の電流増幅
器45,46,47とスイッチ器700に供給するよう
にした。さらに、スイッチ器700は直流電源50と電
圧変換器652の間に設けるようにした。その他の構成
において、前述の実施の形態4と同様なものには同一の
番号を付し、詳細な説明を省略する。
【0136】図13の制御作成器400は電流検出用の
抵抗401と比較増幅部33を含んで構成されている。
電流検出用の抵抗401には、第1のパワー増幅器1
1,12,13の第1のNMOS型パワートランジスタ
81,82,83の共通接続端子側からコイルに供給さ
れる合成供給電流Ivが流れ、合成供給電流Ivに比例
した電圧降下が発生する。この電圧降下は電流検出信号
Bvとして、比較増幅部33に入力される。比較増幅部
33は、電流検出信号Bvと指令信号Acを比較し、比
較結果に応動した第1の制御電流信号C1と第2の制御
電流信号C2が出力される。比較増幅部33の具体的な
構成は、前述の図3に示した構成と同様であり、詳細な
説明を省略する。
【0137】図13の高電圧出力器410は高周波パル
ス信号に応動して昇圧用コンデンサに充電・蓄積させる
ことにより、直流電源50の正極端子側電位Vccより
も高い高電位点電位Vuを作り出す。高電圧出力器41
0の高電位点Vuは、電圧変換器652のPWM部65
に供給され、NMOS型スイッチングトランジスタ66
1のPWM信号Swを作り出すための高電位点を与え
る。また、高電圧出力器410の高電位点Vuは、第2
の電流増幅器45,46,47の電流流入端子側に供給
される。第2の電流増幅器45,46,47は、第2の
分配電流信号G1,G2,G3を所定倍の電流増幅して
第2の増幅電流信号H1,H2,H3を作りだし、高電
圧出力器410によって作り出された高電位点Vuから
第2のNMOS型パワートランジスタ85,86,87
を含む第2のパワー増幅器15,16,17の各通電制
御端子側に第2の増幅電流信号H1,H2,H3を供給
する。これにより、第2の電流増幅器45,46,47
の出力用トランジスタの飽和を防ぎ、第2のNMOS型
パワートランジスタ85,86,87を部分的に低動作
電圧の飽和動作させる。第2のNMOS型パワートラン
ジスタ85,86,87は、それぞれ第2の増幅電流信
号H1,H2,H3を電流増幅し、各電流流出端子側よ
りコイル2,3,4に3相の駆動電流I1,I2,I3
の正極側電流を供給する。これにより、第2のNMOS
型パワートランジスタ85,86,87での電力損失・
発熱は極めて小さくなる。高電圧出力器410の具体的
な構成は、前述の図9に示したものと同様であり、詳細
な説明は省略する。
【0138】スイッチ器700は、直流電源50からコ
イル2,3,4への電力供給路に直列に接続されたNM
OS型スイッチトランジスタ701を含んで構成されて
いる。NMOS型スイッチトランジスタ701は、その
電流流入端子側を直流電源50の正極端子側に接続さ
れ、その電流流出端子側を電圧変換器652のNMOS
型スイッチングトランジスタ661の電流流入端子側に
接続され、その通電制御端子側を高電圧出力器410の
高電位点Vuに接続されている。直流電源50がオンの
時には、NMOS型スイッチトランジスタ701はオン
になり、電流流入端子側から電流流出端子側の間を短絡
し、直流電源50からコイルへの電力供給を行わせる。
直流電源50がオフになると、高電圧出力器410の高
電位点Vuもアース電位になるからNMOS型スイッチ
トランジスタ701はオフになり、電流流入端子側から
電流流出端子側の間を開放する。これにより、第1のパ
ワーダイオード81d,82d,83dと第2のパワー
ダイオード85d,86d,87dを介してコイル2,
3,4に生じている逆起電力を整流した直流電圧を作り
出し、電圧取出器55のダイオード75を介して出力さ
れる。なお、NMOS型スイッチトランジスタ701は
逆接続された二重拡散NチャンネルMOS−FETトラ
ンジスタによって構成され、寄生素子として形成される
スイッチダイオード701dをその電流流入端子側から
電流流出端子側に向けて等価回路的に接続される。しか
し、NMOS型スイッチトランジスタ701が逆接続さ
れているので、スイッチダイオード701dは上述の各
種の動作に対して悪影響をしない。
【0139】その他の構成及び動作は、前述の実施の形
態4と同様であり、詳細な説明を省略する。
【0140】本実施の形態では、高電圧出力器410に
よって直流電源50の正極端子側電位Vccよりも所定
値高い高電位点Vuを作りだし、第2の電流増幅器4
5,46,47を構成するカレントミラー回路の出力用
PNP型トランジスタ262,272,282の電流流
入端子側をこの高電位点Vuに接続しているので、第2
のパワー増幅器15,16,17の第2のNMOS型パ
ワートランジスタ85,86,87をそれぞれの通電時
点において確実に低動作電圧の飽和状態にできる(オン
電圧を0.1V程度まで小さくできる)。これにより、
第2のNMOS型パワートランジスタ85,86,87
における発熱が小さくなり、集積回路化に適した構成に
なっている。さらに、コイル2,3,4に供給できる駆
動電圧の最大値が大きくなり、電源電圧Vccの有効利
用範囲が広くなる。これにより、高速までの回転駆動が
可能になる。特に、直流電源50の電圧値Vccが小さ
いときに、電圧の有効利用範囲が著しく改善され、その
効果が大きい。
【0141】また、高電圧出力器410の出力電位Vu
がVccよりも所定値以上大きくならないように制限す
る第1の電圧制限回路を設けているので、図13の構成
のトランジスタやダイオードや抵抗を1チップの集積回
路化した場合に、耐圧破壊が生じなくなる。さらに、高
電圧出力器410の出力電位VuがVccよりも所定値
以上小さくならないように制限する第2の電圧制限回路
を設けているので、モータ起動時などの大電流供給時で
も高電圧出力器410の出力電位Vuが直流電源50の
正極端子側電位Vcc近くにとどまり、コイル2,3,
4に十分大きな起動電流が供給できる。これにより、高
電圧出力器410内において使用する第1の昇圧用コン
デンサや第2の昇圧用コンデンサの容量を小さくするこ
とも可能である。
【0142】その他、本実施の形態においても、前述の
実施の形態4で得られた各種の利点がある。
【0143】また、本実施の形態では、第1のパワー増
幅器11,12,13と第2のパワー増幅器15,1
6,17と制御作成器400と切換作成器34と分配作
成器36(第1の分配器37と第2の分配器38)と第
1の電流増幅器41,42,43と第2の電流増幅器4
5,46,47と動作制御器51と電圧変換器652と
高電圧出力器410とスイッチ器700を含んで、3相
の負荷(コイル2,3,4)への駆動電流を供給する駆
動回路を形成している。
【0144】(実施の形態6)図14に本発明の実施の
形態6のモータを示す。図14に全体構成を示す。本実
施の形態4では、前述の実施の形態5の高電圧出力器の
変形例を示す。その他の構成において、前述の実施の形
態4や実施の形態5と同様なものには同一の番号を付
し、詳細な説明を省略する。
【0145】図14の高電圧出力器450は、昇圧用イ
ンダクタと昇圧用コンデンサを含んで構成され、直流電
源50の正極端子電位Vccよりも高い高電位点電位V
uを作りだし、電圧変換器652と第2の電流増幅器4
5,46,47とスイッチ器700に供給している。高
電圧出力器450の具体的な構成は、前述の図11に示
したものと同様であり、詳細な説明は省略する。
【0146】その他の構成及び動作は、前述の実施の形
態4もしくは実施の形態5と同様であり、詳細な説明を
省略する。
【0147】本実施の形態では、昇圧用インダクタ45
1に蓄積された磁気エネルギーを利用し、ダイオード4
70と471を介して直流電源50の負極端子側から昇
圧用インダクタ451を通って昇圧用コンデンサ452
への充電路を形成させることにより、昇圧用電力の回生
を行っている。通常制御状態において第1の電圧制限回
路が動作する場合が多いが、このような場合であって
も、昇圧用インダクタ451の磁気エネルギーは直流電
源50の正極端子側に回生されるので、高電圧出力器4
50における無駄な電力損失が著しく少なくなる。これ
により、高電圧出力器450の電力損失・発熱が小さく
なり、集積回路化が容易になる。
【0148】さらに、本実施の形態でも、前述の実施の
形態と同様な各種の利点を得ることができる。
【0149】また、本実施の形態では、第1のパワー増
幅器11,12,13と第2のパワー増幅器15,1
6,17と制御作成器400と切換作成器34と分配作
成器36(第1の分配器37と第2の分配器38)と第
1の電流増幅器41,42,43と第2の電流増幅器4
5,46,47と動作制御器51と電圧変換器652と
高電圧出力器450とスイッチ器700を含んで、3相
の負荷(コイル2,3,4)への駆動電流を供給する駆
動回路を形成している。
【0150】なお、前述の各実施の形態の具体的な構成
については、各種の変形が可能である。たとえば、各相
のコイルは複数個のコイルを直列もしくは並列に接続し
て構成しても良い。3相コイルはスター結線に限らず、
デルタ結線であってもよい。また、3相に限らず、一般
に、多相のモータが構成できる。
【0151】また、移動体は回転移動に限らず、直進移
動しても良い。移動体の磁極数も2極に限定されるもの
ではない。切換作成器の構成は、2個の位置検出素子を
用いるものに限定されない。
【0152】さらに、第1のパワー増幅器の第1のパワ
ー部カレントミラー回路や第2のパワー増幅器の第2の
パワー部カレントミラー回路や第1の電流増幅器の第1
の増幅部カレントミラー回路や第2の電流増幅器の第2
のカレントミラー回路は、線形電流増幅動作をさせた方
が脈動の少ない駆動電流をコイルに供給でき好ましい
が、そのような場合に限定されるものではない。たとえ
ば、抵抗を挿入されたカレントミラー回路で構成した
り、複数段のカレントミラー回路を縦続接続して複合カ
レントミラー回路を構成したり、非線形電流増幅するカ
レントミラー回路を使用するようにしても良い。また、
カレントミラー回路のリーク吸収用の回路、通電制御端
子側の容量に蓄積された電荷を放電する回路、等を設け
ても良い。
【0153】また、分配作成器や制御作成器や切換作成
器や第1の電流増幅器や第2の電流増幅器や動作制御器
や電圧変換器や高電圧出力器におけるトランジスタやダ
イオードを、適時、FETトランジスタ(電界効果トラ
ンジスタ)を用いて構成するようにしても良い。
【0154】また、切換作成器は磁電変換素子を使用し
た位置検出部を含んで構成したが、そのような場合に限
らず、たとえば、コイルに生じる逆起電圧を利用して切
換信号を作り出しても良い。
【0155】また、第1の分配器の第1の分配電流信号
もしくは第2の分配器の第2の分配電流信号は時間的に
傾斜を持って切り換わっていればよく、その構成は前述
の実施の形態に限定されない。たとえば、同一相の第1
の分配電流信号と第2の分配電流信号が同時に零になる
期間があり、その相の駆動電流を零にする時間が存在し
てもかまわない。
【0156】さらに、第1のパワー増幅器の第1のNM
OS型パワートランジスタもしくは第2のパワー増幅器
の第2のNMOS型パワートランジスタの内、いずれか
一方を低動作電圧の飽和動作させることにより発熱を極
めて小さくした。しかし、本発明はそのような場合に限
定されない。
【0157】また、電圧取出器はダイオードの代わりに
スイッチ動作をするトランジスタを用いても良い。
【0158】その他、本発明の主旨を変えずして種々の
変形が可能であり、本発明に含まれることはいうまでも
ない。
【0159】
【発明の効果】本発明のモータでは、集積回路化に適し
たパワー素子として使用し、1チップのシリコン基板上
に低コストに集積化して実現できる。また、第1のパワ
ー増幅器のパワートランジスタの電力損失が小さく、第
2のパワー増幅器のパワートランジスタの電力損失が小
さく、さらに、電圧変換に伴うスイッチングトランジス
タの電力損失が小さい。従って、これらのパワー素子か
ら発生する発熱が極めて小さく、発熱による熱破壊の恐
れがないので、これらのパワー素子を容易に集積回路化
できる。また、第1のパワー増幅器と第2のパワー増幅
器により、滑らかに変化する両方向の駆動電流を各電力
供給端子からコイルに供給しているので、駆動力の脈動
が極めて少なくなり、滑らかに動作するモータを実現で
きる。また、直流電源がオフした緊急時には、コイルに
生じている逆起電力を整流して取り出し、緊急時の直流
電圧源として利用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における全体構成を示す
【図2】実施の形態1における切換作成器34の回路図
【図3】実施の形態1における制御作成器30の回路図
【図4】実施の形態1における分配作成器36の回路図
【図5】実施の形態1における第1の電流増幅器41,
42,43の回路図
【図6】実施の形態1における第2の電流増幅器45,
46,47の回路図
【図7】実施の形態1における動作制御器51と電圧変
換器52と高電圧出力器53の回路図
【図8】本発明の実施の形態2における全体構成を示す
【図9】実施の形態2における高電圧出力器410の回
路図
【図10】本発明の実施の形態3における全体構成を示
す図
【図11】実施の形態3における高電圧出力器450の
回路図
【図12】本発明の実施の形態4における全体構成を示
す図
【図13】本発明の実施の形態5における全体構成を示
す図
【図14】本発明の実施の形態6における全体構成を示
す図
【図15】従来のモータの構成を示す図
【符号の説明】
1 移動体 2,3,4 コイル 11,12,13 第1のパワー増幅器 15,16,17 第2のパワー増幅器 81,82,83 第1のNMOS型パワートランジス
タ 81d,82d,83d 第1のパワーダイオード 85,86,87 第2のNMOS型パワートランジス
タ 85d,86d,87d 第2のパワーダイオード 30,400 制御作成器 34 切換作成器 36 分配作成器 37 第1の分配部 38 第2の分配部 41,42,43 第1の電流増幅器 45,46,47 第2の電流増幅器 50 直流電源 51 動作制御器 52,652 電圧変換器 61,661 NMOS型スイッチングトランジスタ 62 フライホイールダイオード 63 整流用インダクタ 53,410,450 高電圧出力器 670,700 スイッチ器 671,701 NMOS型スイッチトランジスタ

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定体上に配設され、移動体に対して複数
    相の交番磁束を発生する複数相のコイルと、直流電源の
    供給する直流電圧を電力供給源として、高周波スイッチ
    ング動作を行うNMOS型スイッチングトランジスタの
    電流流入端子側を前記直流電源の正極端子側に接続し、
    前記NMOS型スイッチングトランジスタの電流流出端
    子側と前記直流電源の負極端子側の間にフライホイール
    ダイオードを接続し、前記NMOS型スイッチングトラ
    ンジスタの電流流出端子側と正極出力端子側の間に整流
    用インダクタを含むフィルタ回路を接続し、前記直流電
    源の負極端子側を負極出力端子側とし、前記正極出力端
    子側の電位を可変することにより前記直流電源の直流電
    圧値よりも低い直流電圧値を前記正極出力端子側と前記
    負極出力端子側の間に作り出す電圧変換手段と、前記電
    圧変換手段の負極出力端子側に各電流流出端子側を接続
    され、各電流流入端子側を前記コイルの各電力供給端子
    に接続された第1のNMOS型パワートランジスタ、お
    よび、前記第1のNMOS型パワートランジスタの電流
    流出端子側から電流流入端子側に向けて接続された第1
    のパワーダイオードをそれぞれ含み、通電制御端子側へ
    の入力電流を増幅して出力するQ個(Qは2以上の整
    数)の第1のパワー増幅手段と、前記電圧変換手段の正
    極出力端子側に各電流流入端子側を接続され、各電流流
    出端子側を前記コイルの各電力供給端子に接続された第
    2のNMOS型パワートランジスタ、および、前記第2
    のNMOS型パワートランジスタの電流流出端子側から
    電流流入端子側に向けて接続された第2のパワーダイオ
    ードをそれぞれ含み、通電制御端子側への入力電流を増
    幅して出力するQ個の第2のパワー増幅手段と、指令信
    号に応動した電流を前記コイルに供給するために、第1
    の制御電流信号と第2の制御電流信号を作り出す制御作
    成手段と、複数相の切換信号を出力する切換作成手段
    と、前記切換作成手段の出力信号に応動して前記第1の
    制御電流信号を分配し、滑らかに変化するQ相の第1の
    分配電流信号を出力する第1の分配手段と、前記第1の
    分配電流信号を所定の電流増幅してQ相の第1の増幅電
    流信号を得て、前記Q個の第1のパワー増幅手段の各通
    電制御端子側に各第1の増幅電流信号を供給するQ個の
    第1の電流増幅手段と、前記切換作成手段の出力信号に
    応動して前記第2の制御電流信号を分配し、滑らかに変
    化するQ相の第2の分配電流信号を出力する第2の分配
    手段と、前記第2の分配電流信号を所定の電流増幅して
    Q相の第2の増幅電流信号を得て、前記Q個の第2のパ
    ワー増幅手段の各通電制御端子側に各第2の増幅電流信
    号を供給するQ個の第2の電流増幅手段と、前記第1の
    NMOS型パワートランジスタもしくは前記第2のNM
    OS型パワートランジスタの動作電圧に応動して前記N
    MOS型スイッチングトランジスタのスイッチング動作
    を制御し、前記電圧変換手段の正極出力端子側の電位を
    可変制御する動作制御手段と、前記直流電源がオフした
    時に、前記第1のパワーダイオードや前記第2のパワー
    ダイオードを介して前記コイルに生じている複数相の逆
    起電力を整流した直流電圧を出力する電圧取出手段を具
    備するモータ。
  2. 【請求項2】Q個の第1の電流増幅手段はそれぞれ所定
    倍の電流増幅を行う同一形式の第1の増幅部カレントミ
    ラー回路によって構成され、Q個の第2の電流増幅手段
    はそれぞれ所定倍の電流増幅を行う同一形式の第2の増
    幅部カレントミラー回路によって構成された請求項1に
    記載のモータ。
  3. 【請求項3】制御作成手段は、コイルへの合成供給電流
    に応動した電流検出信号を得る電流検出手段と、前記電
    流検出手段の出力信号と指令信号を比較して、該比較結
    果に応動した第1の制御電流信号と第2の制御電流信号
    を出力する比較増幅手段を含んで構成された請求項1ま
    たは請求項2のいずれかに記載のモータ。
  4. 【請求項4】第1の分配手段および第2の分配手段は、
    切換作成手段のQ相の切換電流信号の各電流流入流出端
    子側に一端が接続され、他端を共通接続されたQ個の第
    1のダイオード手段と、前記各電流流入流出端子側に各
    通電制御端子側が接続され、共通接続された電流信号入
    力端子側に前記第1の制御電流信号が入力され、電流信
    号出力端子側からQ相の第1の分配電流信号を出力する
    Q個の第1の分配トランジスタ手段と、前記切換作成手
    段の各電流流入流出端子側に一端が接続され、他端を共
    通接続されたQ個の第2のダイオード手段と、前記各電
    流流入流出端子側に各通電制御端子側が接続され、共通
    接続された電流信号入力端子側に前記第2の制御電流信
    号が入力され、電流信号出力端子側からQ相の第2の分
    配電流信号を出力するQ個の第2の分配トランジスタ手
    段とを含んで構成された請求項1から請求項3のいずれ
    かに記載のモータ。
  5. 【請求項5】少なくともNMOS型スイッチングトラン
    ジスタとQ個の第1のNMOS型パワートランジスタと
    Q個の第2のNMOS型パワートランジスタを同一チッ
    プ上に形成した集積回路手段を含み、前記第1のNMO
    S型パワートランジスタの寄生素子として第1のパワー
    ダイオードを形成し、前記第2のNMOS型パワートラ
    ンジスタの寄生素子として第2のパワーダイオードを形
    成した請求項1から請求項4のいずれかに記載のモー
    タ。
  6. 【請求項6】固定体上に配設され、移動体に対して複数
    相の交番磁束を発生する複数相のコイルと、直流電源の
    供給する直流電圧を電力供給源として、高周波スイッチ
    ング動作を行うNMOS型スイッチングトランジスタの
    電流流入端子側を前記直流電源の正極端子側に接続し、
    前記NMOS型スイッチングトランジスタの電流流出端
    子側と前記直流電源の負極正極端子側の間にフライホイ
    ールダイオードを接続し、前記NMOS型スイッチング
    トランジスタの電流流出端子側と正極出力端子側の間に
    整流用インダクタを含むフィルタ回路を接続し、前記直
    流電源の負極端子側を負極出力端子側とし、前記正極出
    力端子側の電位を可変することにより前記直流電源の直
    流電圧値よりも低い直流電圧値を前記正極出力端子側と
    前記負極出力端子側の間に作り出す電圧変換手段と、前
    記電圧変換手段の負極出力端子側に各電流流出端子側を
    接続され、各電流流入端子側を前記コイルの各電力供給
    端子に接続された第1のNMOS型パワートランジス
    タ、および、前記第1のNMOS型パワートランジスタ
    の電流流出端子側から電流流入端子側に向けて接続され
    た第1のパワーダイオードをそれぞれ含み、通電制御端
    子側への入力電流を増幅して出力するQ個(Qは2以上
    の整数)の第1のパワー増幅手段と、前記電圧変換手段
    の正極出力端子側に各電流流入端子側を接続され、各電
    流流出端子側を前記コイルの各電力供給端子に接続され
    た第2のNMOS型パワートランジスタ、および、前記
    第2のNMOS型パワートランジスタの電流流出端子側
    から電流流入端子側に向けて接続された第2のパワーダ
    イオードをそれぞれ含み、通電制御端子側への入力電流
    を増幅して出力するQ個の第2のパワー増幅手段と、高
    周波パルス信号に応動して昇圧用コンデンサに充電・蓄
    積させ、前記直流電源の正極端子側電位よりも高電位点
    になる直流電圧を出力する高電圧出力手段と、指令信号
    に応動した電流を前記コイルに供給するために、第1の
    制御電流信号と第2の制御電流信号を作り出す制御作成
    手段と、複数相の切換信号を出力する切換作成手段と、
    前記切換作成手段の出力信号に応動して前記第1の制御
    電流信号を分配し、滑らかに変化するQ相の第1の分配
    電流信号を出力する第1の分配手段と、前記第1の分配
    電流信号を所定の電流増幅してQ相の第1の増幅電流信
    号を得て、前記Q個の第1のパワー増幅手段の各通電制
    御端子側に各第1の増幅電流信号を供給するQ個の第1
    の電流増幅手段と、前記切換作成手段の出力信号に応動
    して前記第2の制御電流信号を分配し、滑らかに変化す
    るQ相の第2の分配電流信号を出力する第2の分配手段
    と、前記第2の分配電流信号を所定の電流増幅してQ相
    の第2の増幅電流信号を得て、前記高電圧出力手段の高
    電位点から前記Q個の第2のパワー増幅手段の各通電制
    御端子側に各第2の増幅電流信号を供給するQ個の第2
    の電流増幅手段と、前記第1のNMOS型パワートラン
    ジスタもしくは前記第2のNMOS型パワートランジス
    タの動作電圧に応動して前記NMOS型スイッチングト
    ランジスタのスイッチング動作を制御し、前記電圧変換
    手段の正極出力端子側の電位を可変制御する動作制御手
    段と、前記直流電源がオフした時に、前記第1のパワー
    ダイオードや前記第2のパワーダイオードを介して前記
    コイルに生じている複数相の逆起電力を整流した直流電
    圧を出力する電圧取出手段を具備するモータ。
  7. 【請求項7】高電圧出力手段は、高周波パルス信号に応
    動して所定期間充電される第1の昇圧用コンデンサと、
    前記第1の昇圧用コンデンサの充電電荷を移送・蓄積す
    る第2の昇圧用コンデンサと、前記第2の昇圧用コンデ
    ンサの端子に発生する高電位点の電位が直流電源の正極
    端子側電位より所定値以上に大きくならないように制限
    する第1の電圧制限手段を有する請求項6に記載のモー
    タ。
  8. 【請求項8】Q個の第1の電流増幅手段はそれぞれ所定
    倍の電流増幅を行う同一形式の第1の増幅部カレントミ
    ラー回路によって構成され、Q個の第2の電流増幅手段
    はそれぞれ所定倍の電流増幅を行う同一形式の第2の増
    幅部カレントミラー回路によって構成され、前記第2の
    電流増幅手段を構成する前記第2の増幅部カレントミラ
    ー回路の出力用トランジスタの電流流入端子側を前記高
    電圧出力手段の高電位点に接続した請求項6または請求
    項7のいずれかに記載のモータ。
  9. 【請求項9】固定体上に配設され、移動体に対して複数
    相の交番磁束を発生する複数相のコイルと、直流電源の
    供給する直流電圧を電力供給源として、高周波スイッチ
    ング動作を行うNMOS型スイッチングトランジスタの
    電流流入端子側を前記直流電源の正極端子側に接続し、
    前記NMOS型スイッチングトランジスタの電流流出端
    子側と前記直流電源の負極端子側の間にフライホイール
    ダイオードを接続し、前記NMOS型スイッチングトラ
    ンジスタの電流流出端子側と正極出力端子側の間に整流
    用インダクタを含むフィルタ回路を接続し、前記直流電
    源の負極端子側を負極出力端子側とし、前記正極出力端
    子側の電位を可変することにより前記直流電源の直流電
    圧値よりも低い直流電圧値を前記正極出力端子側と前記
    負極出力端子側の間に作り出す電圧変換手段と、前記電
    圧変換手段の負極出力端子側に各電流流出端子側を接続
    され、各電流流入端子側を前記コイルの各電力供給端子
    に接続された第1のNMOS型パワートランジスタ、お
    よび、前記第1のNMOS型パワートランジスタの電流
    流出端子側から電流流入端子側に向けて接続された第1
    のパワーダイオードをそれぞれ含み、通電制御端子側へ
    の入力電流を増幅して出力するQ個(Qは2以上の整
    数)の第1のパワー増幅手段と、前記電圧変換手段の正
    極出力端子側に各電流流入端子側を接続され、各電流流
    出端子側を前記コイルの各電力供給端子に接続された第
    2のNMOS型パワートランジスタ、および、前記第2
    のNMOS型パワートランジスタの電流流出端子側から
    電流流入端子側に向けて接続された第2のパワーダイオ
    ードをそれぞれ含み、通電制御端子側への入力電流を増
    幅して出力するQ個の第2のパワー増幅手段と、高周波
    パルス信号に応動して昇圧用インダクタにエネルギーを
    充電・蓄積させた後に昇圧用コンデンサに放電させ、前
    記昇圧用コンデンサの端子に前記直流電源の正極端子側
    電位よりも高電位点になる直流電圧を出力する高電圧出
    力手段と、指令信号に応動した電流を前記コイルに供給
    するために、第1の制御電流信号と第2の制御電流信号
    を作り出す制御作成手段と、複数相の切換信号を出力す
    る切換作成手段と、前記切換作成手段の出力信号に応動
    して前記第1の制御電流信号を分配し、滑らかに変化す
    るQ相の第1の分配電流信号を出力する第1の分配手段
    と、前記第1の分配電流信号を所定の電流増幅してQ相
    の第1の増幅電流信号を得て、前記Q個の第1のパワー
    増幅手段の各通電制御端子側に各第1の増幅電流信号を
    供給するQ個の第1の電流増幅手段と、前記切換作成手
    段の出力信号に応動して前記第2の制御電流信号を分配
    し、滑らかに変化するQ相の第2の分配電流信号を出力
    する第2の分配手段と、前記第2の分配電流信号を所定
    の電流増幅してQ相の第2の増幅電流信号を得て、前記
    高電圧出力手段の高電位点から前記Q個の第2のパワー
    増幅手段の各通電制御端子側に各第2の増幅電流信号を
    供給するQ個の第2の電流増幅手段と、前記第1のNM
    OS型パワートランジスタもしくは前記第2のNMOS
    型パワートランジスタの動作電圧に応動して前記NMO
    S型スイッチングトランジスタのスイッチング動作を制
    御し、前記電圧変換手段の正極出力端子側の電位を可変
    制御する動作制御手段と、前記直流電源がオフした時
    に、前記第1のパワーダイオードや前記第2のパワーダ
    イオードを介して前記コイルに生じている複数相の逆起
    電力を整流した直流電圧を出力する電圧取出手段を具備
    するモータ。
  10. 【請求項10】高電圧出力手段は、高周波パルス信号に
    応動して所定期間エネルギーを充電される昇圧用インダ
    クタと、前記昇圧用インダクタのエネルギーを放電させ
    て移送・蓄積する昇圧用コンデンサと、前記昇圧用コン
    デンサの端子に発生する高電位点の電位が直流電源の正
    極端子側電位より所定値以上に大きくならないように制
    限する第1の電圧制限手段を有する請求項9に記載のモ
    ータ。
  11. 【請求項11】高電圧出力手段は、高周波パルス信号に
    応動して所定期間エネルギーを充電される昇圧用インダ
    クタと、前記昇圧用インダクタのエネルギーを放電させ
    て移送・蓄積する昇圧用コンデンサと、前記昇圧用コン
    デンサの充電路として直流電源の負極端子側から前記昇
    圧用インダクタを通して充電電流を流す充電路形成手段
    を有する請求項9または請求項10のいずれかに記載の
    モータ。
  12. 【請求項12】Q個の第1の電流増幅手段はそれぞれ所
    定倍の電流増幅を行う同一形式の第1の増幅部カレント
    ミラー回路によって構成され、Q個の第2の電流増幅手
    段はそれぞれ所定倍の電流増幅を行う同一形式の第2の
    増幅部カレントミラー回路によって構成され、前記第2
    の電流増幅手段を構成する前記第2の増幅部カレントミ
    ラー回路の出力用トランジスタの電流流入端子側を前記
    高電圧出力手段の高電位点に接続した請求項9から請求
    項11のいずれかに記載のモータ。
  13. 【請求項13】固定体上に配設され、移動体に対して複
    数相の交番磁束を発生する複数相のコイルと、直流電源
    の供給する直流電圧を電力供給源として、高周波スイッ
    チング動作を行うNMOS型スイッチングトランジスタ
    の電流流入端子側を前記直流電源の正極端子側に接続
    し、前記NMOS型スイッチングトランジスタの電流流
    出端子側と前記直流電源の負極端子側の間にフライホイ
    ールダイオードを接続し、前記NMOS型スイッチング
    トランジスタの電流流出端子側と正極出力端子側の間に
    整流用インダクタを含むフィルタ回路を接続し、前記直
    流電源の負極端子側を負極出力端子側とし、前記正極出
    力端子側の電位を可変することにより前記直流電源の直
    流電圧値よりも低い直流電圧値を前記正極出力端子側と
    前記負極出力端子側の間に作り出す電圧変換手段と、前
    記電圧変換手段の負極出力端子側に各電流流出端子側を
    接続され、各電流流入端子側を前記コイルの各電力供給
    端子に接続された第1のNMOS型パワートランジス
    タ、および、前記第1のNMOS型パワートランジスタ
    の寄生素子として存在し、前記第1のNMOS型パワー
    トランジスタの電流流出端子側から電流流入端子側に向
    けて接続された第1のパワーダイオードをそれぞれ含
    み、通電制御端子側への入力電流を増幅して出力するQ
    個(Qは2以上の整数)の第1のパワー増幅手段と、前
    記電圧変換手段の正極出力端子側に各電流流入端子側を
    接続され、各電流流出端子側を前記コイルの各電力供給
    端子に接続された第2のNMOS型パワートランジス
    タ、および、前記第1のNMOS型パワートランジスタ
    の寄生素子として存在し、前記第2のNMOS型パワー
    トランジスタの電流流出端子側から電流流入端子側に向
    けて接続された第2のパワーダイオードをそれぞれ含
    み、通電制御端子側への入力電流を増幅して出力するQ
    個の第2のパワー増幅手段と、指令信号に応動した電流
    を前記コイルに供給するために、第1の制御電流信号と
    第2の制御電流信号を作り出す制御作成手段と、複数相
    の切換信号を出力する切換作成手段と、前記切換作成手
    段の出力信号に応動して前記第1の制御電流信号を分配
    し、滑らかに変化するQ相の第1の分配電流信号を出力
    する第1の分配手段と、前記第1の分配電流信号を所定
    の電流増幅してQ相の第1の増幅電流信号を得て、前記
    Q個の第1のパワー増幅手段の各通電制御端子側に各第
    1の増幅電流信号を供給するQ個の第1の電流増幅手段
    と、前記切換作成手段の出力信号に応動して前記第2の
    制御電流信号を分配し、滑らかに変化するQ相の第2の
    分配電流信号を出力する第2の分配手段と、前記第2の
    分配電流信号を所定の電流増幅してQ相の第2の増幅電
    流信号を得て、前記Q個の第2のパワー増幅手段の各通
    電制御端子側に各第2の増幅電流信号を供給するQ個の
    第2の電流増幅手段と、前記第1のNMOS型パワート
    ランジスタもしくは前記第2のNMOS型パワートラン
    ジスタの動作電圧に応動して前記NMOS型スイッチン
    グトランジスタのスイッチング動作を制御し、前記電圧
    変換手段の正極出力端子側の電位を可変制御する動作制
    御手段と、前記直流電源がオフした時に、前記第1のパ
    ワーダイオードや前記第2のパワーダイオードを介して
    前記コイルに生じている複数相の逆起電力を整流した直
    流電圧を出力する電圧取出手段を具備するモータ。
  14. 【請求項14】固定体上に配設され、移動体に対して複
    数相の交番磁束を発生する複数相のコイルと、直流電源
    の供給する直流電圧を電力供給源として、高周波スイッ
    チング動作を行うNMOS型スイッチングトランジス
    タ、および、前記NMOS型スイッチングトランジスタ
    の電流流出端子側から電流流入端子側に向けて接続され
    たスイッチングダイオードを含み、前記NMOS型スイ
    ッチングトランジスタの電流流入端子側を前記直流電源
    の正極端子側に接続し、前記NMOS型スイッチングト
    ランジスタの電流流出端子側と前記直流電源の負極端子
    側の間にフライホイールダイオードを接続し、前記NM
    OS型スイッチングトランジスタの電流流出端子側と正
    極出力端子側の間に整流用インダクタを含むフィルタ回
    路を接続し、前記直流電源の負極端子側を負極出力端子
    側とし、前記正極出力端子側の電位を可変することによ
    り前記直流電源の直流電圧値よりも低い直流電圧値を前
    記正極出力端子側と前記負極出力端子側の間に作り出す
    電圧変換手段と、前記電圧変換手段の負極出力端子側に
    各電流流出端子側を接続され、各電流流入端子側を前記
    コイルの各電力供給端子に接続された第1のNMOS型
    パワートランジスタ、および、前記第1のNMOS型パ
    ワートランジスタの電流流出端子側から電流流入端子側
    に向けて接続された第1のパワーダイオードをそれぞれ
    含み、通電制御端子側への入力電流を増幅して出力する
    Q個(Qは2以上の整数)の第1のパワー増幅手段と、
    前記電圧変換手段の正極出力端子側に各電流流入端子側
    を接続され、各電流流出端子側を前記コイルの各電力供
    給端子に接続された第2のNMOS型パワートランジス
    タ、および、前記第2のNMOS型パワートランジスタ
    の電流流出端子側から電流流入端子側に向けて接続され
    た第2のパワーダイオードをそれぞれ含み、通電制御端
    子側への入力電流を増幅して出力するQ個の第2のパワ
    ー増幅手段と、指令信号に応動した電流を前記コイルに
    供給するために、第1の制御電流信号と第2の制御電流
    信号を作り出す制御作成手段と、複数相の切換信号を出
    力する切換作成手段と、前記切換作成手段の出力信号に
    応動して前記第1の制御電流信号を分配し、滑らかに変
    化するQ相の第1の分配電流信号を出力する第1の分配
    手段と、前記第1の分配電流信号を所定の電流増幅して
    Q相の第1の増幅電流信号を得て、前記Q個の第1のパ
    ワー増幅手段の各通電制御端子側に各第1の増幅電流信
    号を供給するQ個の第1の電流増幅手段と、前記切換作
    成手段の出力信号に応動して前記第2の制御電流信号を
    分配し、滑らかに変化するQ相の第2の分配電流信号を
    出力する第2の分配手段と、前記第2の分配電流信号を
    所定の電流増幅してQ相の第2の増幅電流信号を得て、
    前記Q個の第2のパワー増幅手段の各通電制御端子側に
    各第2の増幅電流信号を供給するQ個の第2の電流増幅
    手段と、前記第1のNMOS型パワートランジスタもし
    くは前記第2のNMOS型パワートランジスタの動作電
    圧に応動して前記NMOS型スイッチングトランジスタ
    のスイッチング動作を制御し、前記電圧変換手段の正極
    出力端子側の電位を可変制御する動作制御手段と、前記
    直流電源から前記コイルへ至る電力供給路に直列に接続
    されたNMOS型スイッチトランジスタを含み、前記直
    流電源がオフした時に前記NMOS型スイッチトランジ
    スタをオフにするスイッチ手段と、前記直流電源がオフ
    した時に、前記第1のパワーダイオードや前記第2のパ
    ワーダイオードを介して前記コイルに生じている複数相
    の逆起電力を整流した直流電圧を出力する電圧取出手段
    を具備するモータ。
  15. 【請求項15】固定体上に配設され、移動体に対して複
    数相の交番磁束を発生する複数相のコイルと、直流電圧
    を供給する電圧供給手段と、前記電圧供給手段の負極出
    力端子側に各電流流出端子側を接続され、各電流流入端
    子側を前記コイルの各電力供給端子に接続された第1の
    NMOS型パワートランジスタ、および、前記第1のN
    MOS型パワートランジスタの電流流出端子側から電流
    流入端子側に向けて接続された第1のパワーダイオード
    をそれぞれ含み、前記第1のNMOS型パワートランジ
    スタを用いたカレントミラー回路をそれぞれ形成し、通
    電制御端子側への入力電流を増幅して出力するQ個(Q
    は2以上の整数)の第1のパワー増幅手段と、前記電圧
    供給手段の正極出力端子側に各電流流入端子側を接続さ
    れ、各電流流出端子側を前記コイルの各電力供給端子に
    接続された第2のNMOS型パワートランジスタ、およ
    び、前記第2のNMOS型パワートランジスタの電流流
    出端子側から電流流入端子側に向けて接続された第2の
    パワーダイオードをそれぞれ含み、前記第2のNMOS
    型パワートランジスタを用いたカレントミラー回路をそ
    れぞれ形成し、通電制御端子側への入力電流を増幅して
    出力するQ個の第2のパワー増幅手段と、指令信号に応
    動した電流を前記コイルに供給するために、第1の制御
    電流信号と第2の制御電流信号を作り出す制御作成手段
    と、複数相の切換信号を出力する切換作成手段と、前記
    切換作成手段の出力信号に応動して前記第1の制御電流
    信号を分配し、滑らかに変化するQ相の第1の分配電流
    信号を出力する第1の分配手段と、前記第1の分配電流
    信号を所定の電流増幅してQ相の第1の増幅電流信号を
    得て、前記Q個の第1のパワー増幅手段の各通電制御端
    子側に各第1の増幅電流信号を供給するQ個の第1の電
    流増幅手段と、前記切換作成手段の出力信号に応動して
    前記第2の制御電流信号を分配し、滑らかに変化するQ
    相の第2の分配電流信号を出力する第2の分配手段と、
    前記第2の分配電流信号を所定の電流増幅してQ相の第
    2の増幅電流信号を得て、前記Q個の第2のパワー増幅
    手段の各通電制御端子側に各第2の増幅電流信号を供給
    するQ個の第2の電流増幅手段と、前記コイルへの電力
    供給路に直列に接続されたNMOS型スイッチトランジ
    スタを含み、前記電圧供給手段の電圧供給動作がオフし
    た時に前記NMOS型スイッチトランジスタをオフにす
    るスイッチ手段と、前記電圧供給手段の電圧供給動作が
    オフした時に、前記第1のパワーダイオードや前記第2
    のパワーダイオードを介して前記コイルに生じている複
    数相の逆起電力を整流した直流電圧を出力する電圧取出
    手段を具備するモータ。
  16. 【請求項16】固定体上に配設され、移動体に対して複
    数相の交番磁束を発生する複数相のコイルと、直流電源
    の供給する直流電圧を電力供給源として、高周波スイッ
    チング動作を行うスイッチングトランジスタを含み、前
    記スイッチングトランジスタによりスイッチングされた
    電圧信号を平滑する整流用インダクタを含むフィルタ回
    路を有し、前記直流電源の直流電圧値から変換された変
    換直流電圧値を正極出力端子側と負極出力端子側の間に
    作り出す電圧変換手段と、前記電圧変換手段の負極出力
    端子側に各電流流出端子側を接続され、各電流流入端子
    側を前記コイルの各電力供給端子に接続された第1のパ
    ワートランジスタを含み、通電制御端子側への入力電流
    を増幅して出力するQ個(Qは2以上の整数)の第1の
    パワー増幅手段と、前記電圧変換手段の正極出力端子側
    に各電流流入端子側を接続され、各電流流出端子側を前
    記コイルの各電力供給端子に接続された第2のパワート
    ランジスタを含み、通電制御端子側への入力電流を増幅
    して出力するQ個の第2のパワー増幅手段と、指令信号
    に応動した電流を前記コイルに供給するために、第1の
    制御電流信号と第2の制御電流信号を作り出す制御作成
    手段と、複数相の切換信号を出力する切換作成手段と、
    前記切換作成手段の出力信号に応動して前記第1の制御
    電流信号を分配し、滑らかに変化するQ相の第1の分配
    電流信号を出力する第1の分配手段と、前記第1の分配
    電流信号を所定の電流増幅してQ相の第1の増幅電流信
    号を得て、前記Q個の第1のパワー増幅手段の各通電制
    御端子側に各第1の増幅電流信号を供給するQ個の第1
    の電流増幅手段と、前記切換作成手段の出力信号に応動
    して前記第2の制御電流信号を分配し、滑らかに変化す
    るQ相の第2の分配電流信号を出力する第2の分配手段
    と、前記第2の分配電流信号を所定の電流増幅してQ相
    の第2の増幅電流信号を得て、前記Q個の第2のパワー
    増幅手段の各通電制御端子側に各第2の増幅電流信号を
    供給するQ個の第2の電流増幅手段と、前記第1のパワ
    ートランジスタもしくは前記第2のパワートランジスタ
    の一方の動作電圧に応動して前記スイッチングトランジ
    スタのスイッチング動作を制御し、前記電圧変換手段の
    変換直流電圧を可変制御する動作制御手段と、前記第2
    のパワートランジスタの電流流入端子側と前記第1のパ
    ワートランジスタの電流流出端子側の間に生じる端子間
    直流電圧を前記直流電源の出力直流電圧と比較し、大き
    い方の電圧値に応動した直流電圧を取り出す電圧取出手
    段を具備するモータ。
  17. 【請求項17】直流電源の供給する直流電圧を電力供給
    源として、高周波スイッチング動作を行うNMOS型ス
    イッチングトランジスタの電流流入端子側を前記直流電
    源の正極端子側に接続し、前記NMOS型スイッチング
    トランジスタの電流流出端子側と前記直流電源の負極端
    子側の間にフライホイールダイオードを接続し、前記N
    MOS型スイッチングトランジスタの電流流出端子側と
    正極出力端子側の間に整流用インダクタを含むフィルタ
    回路を接続し、前記直流電源の負極端子側を負極出力端
    子側とし、前記正極出力端子側の電位を可変することに
    より前記直流電源の直流電圧値よりも低い直流電圧値を
    前記正極出力端子側と前記負極出力端子側の間に作り出
    す電圧変換手段と、前記電圧変換手段の負極出力端子側
    に各電流流出端子側を接続され、各電流流入端子側を複
    数相の負荷への各電力供給端子に接続された第1のNM
    OS型パワートランジスタ、および、前記第1のNMO
    S型パワートランジスタの電流流出端子側から電流流入
    端子側に向けて接続された第1のパワーダイオードをそ
    れぞれ含み、通電制御端子側への入力電流を増幅して出
    力するQ個(Qは2以上の整数)の第1のパワー増幅手
    段と、前記電圧変換手段の正極出力端子側に各電流流入
    端子側を接続され、各電流流出端子側を前記複数相の負
    荷への各電力供給端子に接続された第2のNMOS型パ
    ワートランジスタ、および、前記第2のNMOS型パワ
    ートランジスタの電流流出端子側から電流流入端子側に
    向けて接続された第2のパワーダイオードをそれぞれ含
    み、通電制御端子側への入力電流を増幅して出力するQ
    個の第2のパワー増幅手段と、指令信号に応動した電流
    を前記負荷に供給するために、第1の制御電流信号と第
    2の制御電流信号を作り出す制御作成手段と、複数相の
    切換信号を出力する切換作成手段と、前記切換作成手段
    の出力信号に応動して前記第1の制御電流信号を分配
    し、滑らかに変化するQ相の第1の分配電流信号を出力
    する第1の分配手段と、前記第1の分配電流信号を所定
    の電流増幅してQ相の第1の増幅電流信号を得て、前記
    Q個の第1のパワー増幅手段の各通電制御端子側に各第
    1の増幅電流信号を供給するQ個の第1の電流増幅手段
    と、前記切換作成手段の出力信号に応動して前記第2の
    制御電流信号を分配し、滑らかに変化するQ相の第2の
    分配電流信号を出力する第2の分配手段と、前記第2の
    分配電流信号を所定の電流増幅してQ相の第2の増幅電
    流信号を得て、前記Q個の第2のパワー増幅手段の各通
    電制御端子側に各第2の増幅電流信号を供給するQ個の
    第2の電流増幅手段と、前記第1のNMOS型パワート
    ランジスタもしくは前記第2のNMOS型パワートラン
    ジスタの動作電圧に応動して前記NMOS型スイッチン
    グトランジスタのスイッチング動作を制御し、前記電圧
    変換手段の正極出力端子側の電位を可変制御する動作制
    御手段と、前記直流電源がオフした時に、前記第1のパ
    ワーダイオードや前記第2のパワーダイオードを介して
    前記負荷に生じている複数相の電圧信号を整流した直流
    電圧を出力する電圧取出手段を具備する駆動回路を含ん
    で構成されたモータ。
  18. 【請求項18】直流電源の供給する直流電圧を電力供給
    源として、高周波スイッチング動作を行うNMOS型ス
    イッチングトランジスタ、および、前記NMOS型スイ
    ッチングトランジスタの電流流出端子側から電流流入端
    子側に向けて接続されたスイッチングダイオードを含
    み、前記NMOS型スイッチングトランジスタの電流流
    入端子側を前記直流電源の正極端子側に接続し、前記N
    MOS型スイッチングトランジスタの電流流出端子側と
    前記直流電源の負極端子側の間にフライホイールダイオ
    ードを接続し、前記NMOS型スイッチングトランジス
    タの電流流出端子側と正極出力端子側の間に整流用イン
    ダクタを含むフィルタ回路を接続し、前記直流電源の負
    極端子側を負極出力端子側とし、前記正極出力端子側の
    電位を可変することにより前記直流電源の直流電圧値よ
    りも低い直流電圧値を前記正極出力端子側と前記負極出
    力端子側の間に作り出す電圧変換手段と、前記電圧変換
    手段の負極出力端子側に各電流流出端子側を接続され、
    各電流流入端子側を複数相の負荷への各電力供給端子に
    接続された第1のNMOS型パワートランジスタ、およ
    び、前記第1のNMOS型パワートランジスタの電流流
    出端子側から電流流入端子側に向けて接続された第1の
    パワーダイオードをそれぞれ含み、通電制御端子側への
    入力電流を増幅して出力するQ個(Qは2以上の整数)
    の第1のパワー増幅手段と、前記電圧変換手段の正極出
    力端子側に各電流流入端子側を接続され、各電流流出端
    子側を前記複数相の負荷への各電力供給端子に接続され
    た第2のNMOS型パワートランジスタ、および、前記
    第2のNMOS型パワートランジスタの電流流出端子側
    から電流流入端子側に向けて接続された第2のパワーダ
    イオードをそれぞれ含み、通電制御端子側への入力電流
    を増幅して出力するQ個の第2のパワー増幅手段と、指
    令信号に応動した電流を前記負荷に供給するために、第
    1の制御電流信号と第2の制御電流信号を作り出す制御
    作成手段と、複数相の切換信号を出力する切換作成手段
    と、前記切換作成手段の出力信号に応動して前記第1の
    制御電流信号を分配し、滑らかに変化するQ相の第1の
    分配電流信号を出力する第1の分配手段と、前記第1の
    分配電流信号を所定の電流増幅してQ相の第1の増幅電
    流信号を得て、前記Q個の第1のパワー増幅手段の各通
    電制御端子側に各第1の増幅電流信号を供給するQ個の
    第1の電流増幅手段と、前記切換作成手段の出力信号に
    応動して前記第2の制御電流信号を分配し、滑らかに変
    化するQ相の第2の分配電流信号を出力する第2の分配
    手段と、前記第2の分配電流信号を所定の電流増幅して
    Q相の第2の増幅電流信号を得て、前記Q個の第2のパ
    ワー増幅手段の各通電制御端子側に各第2の増幅電流信
    号を供給するQ個の第2の電流増幅手段と、前記第1の
    NMOS型パワートランジスタもしくは前記第2のNM
    OS型パワートランジスタの動作電圧に応動して前記N
    MOS型スイッチングトランジスタのスイッチング動作
    を制御し、前記電圧変換手段の正極出力端子側の電位を
    可変制御する動作制御手段と、前記直流電源から前記負
    荷へ至る電力供給路に直列に接続されたNMOS型スイ
    ッチトランジスタを含み、前記直流電源がオフした時に
    前記NMOS型スイッチトランジスタをオフにするスイ
    ッチ手段と、前記直流電源がオフした時に、前記第1の
    パワーダイオードや前記第2のパワーダイオードを介し
    て前記負荷に生じている複数相の電圧信号を整流した直
    流電圧を出力する電圧取出手段を具備する駆動回路を含
    んで構成されたモータ。
  19. 【請求項19】直流電圧を供給する電圧供給手段と、前
    記電圧供給手段の負極出力端子側に各電流流出端子側を
    接続され、各電流流入端子側を複数相の負荷への各電力
    供給端子に接続された第1のNMOS型パワートランジ
    スタ、および、前記第1のNMOS型パワートランジス
    タの電流流出端子側から電流流入端子側に向けて接続さ
    れた第1のパワーダイオードをそれぞれ含み、通電制御
    端子側への入力電流を増幅して出力するQ個(Qは2以
    上の整数)の第1のパワー増幅手段と、前記電圧供給手
    段の正極出力端子側に各電流流入端子側を接続され、各
    電流流出端子側を前記複数相の負荷への各電力供給端子
    に接続された第2のNMOS型パワートランジスタ、お
    よび、前記第2のNMOS型パワートランジスタの電流
    流出端子側から電流流入端子側に向けて接続された第2
    のパワーダイオードをそれぞれ含み、通電制御端子側へ
    の入力電流を増幅して出力するQ個の第2のパワー増幅
    手段と、指令信号に応動した電流を前記負荷に供給する
    ために、第1の制御電流信号と第2の制御電流信号を作
    り出す制御作成手段と、複数相の切換信号を出力する切
    換作成手段と、前記切換作成手段の出力信号に応動して
    前記第1の制御電流信号を分配し、滑らかに変化するQ
    相の第1の分配電流信号を出力する第1の分配手段と、
    前記第1の分配電流信号を所定の電流増幅してQ相の第
    1の増幅電流信号を得て、前記Q個の第1のパワー増幅
    手段の各通電制御端子側に各第1の増幅電流信号を供給
    するQ個の第1の電流増幅手段と、前記切換作成手段の
    出力信号に応動して前記第2の制御電流信号を分配し、
    滑らかに変化するQ相の第2の分配電流信号を出力する
    第2の分配手段と、前記第2の分配電流信号を所定の電
    流増幅してQ相の第2の増幅電流信号を得て、前記Q個
    の第2のパワー増幅手段の各通電制御端子側に各第2の
    増幅電流信号を供給するQ個の第2の電流増幅手段と、
    前記負荷への電力供給路に直列に接続されたNMOS型
    スイッチトランジスタを含み、前記電圧供給手段の電圧
    供給動作がオフした時に前記NMOS型スイッチトラン
    ジスタをオフにするスイッチ手段と、前記電圧供給手段
    の電圧供給動作がオフした時に、前記第1のパワーダイ
    オードや前記第2のパワーダイオードを介して前記負荷
    に生じている複数相の電圧信号を整流した直流電圧を出
    力する電圧取出手段を具備する駆動回路を含んで構成さ
    れたモータ。
  20. 【請求項20】固定体上に配設され、移動体に対して複
    数相の交番磁束を発生する複数相のコイルと、直流電圧
    を供給する電圧供給手段と、前記電圧供給手段の負極出
    力端子側に各電流流出端子側を接続され、各電流流入端
    子側を前記コイルの各電力供給端子に接続された第1の
    MOS型パワートランジスタを含んだMOS型トランジ
    スタによる第1のパワー部カレントミラー回路をそれぞ
    れ形成し、前記第1のパワー部カレントミラー回路の通
    電制御端子側への入力電流を増幅して出力するQ個(Q
    は2以上の整数)の第1のパワー増幅手段と、前記電圧
    供給手段の正極出力端子側に各電流流入端子側を接続さ
    れ、各電流流出端子側を前記コイルの各電力供給端子に
    接続された第2のMOS型パワートランジスタを含んだ
    MOS型トランジスタによる第2のパワー部カレントミ
    ラー回路をそれぞれ形成し、前記第2のパワー部カレン
    トミラー回路の通電制御端子側への入力電流を増幅して
    出力するQ個の第2のパワー増幅手段と、指令信号に応
    動した電流を前記コイルに供給するために、第1の制御
    電流信号と第2の制御電流信号を作り出す制御作成手段
    と、複数相の切換信号を出力する切換作成手段と、前記
    切換作成手段の出力信号に応動して前記第1の制御電流
    信号を分配し、滑らかに変化するQ相の第1の分配電流
    信号を出力する第1の分配手段と、前記第1の分配電流
    信号を所定の電流増幅してQ相の第1の増幅電流信号を
    得て、前記Q個の第1のパワー増幅手段の各第1のパワ
    ー部カレントミラー回路の通電制御端子側に各第1の増
    幅電流信号を供給するQ個の第1の電流増幅手段と、前
    記切換作成手段の出力信号に応動して前記第2の制御電
    流信号を分配し、滑らかに変化するQ相の第2の分配電
    流信号を出力する第2の分配手段と、前記第2の分配電
    流信号を所定の電流増幅してQ相の第2の増幅電流信号
    を得て、前記Q個の第2のパワー増幅手段の各第2のパ
    ワー部カレントミラー回路の通電制御端子側に各第2の
    増幅電流信号を供給するQ個の第2の電流増幅手段を具
    備し、前記制御手段は、前記第1の制御電流信号と前記
    第2の制御電流信号を比例させて変化させ、前記第1の
    MOS型パワートランジスタもしくは前記第2のMOS
    型パワートランジスタのいずれか一方により前記コイル
    への合成供給電流を前記指令信号に応動して制御し、前
    記第1のMOS型パワートランジスタもしくは前記第2
    のMOS型パワートランジスタの他方を飽和動作させた
    モータ。
  21. 【請求項21】固定体上に配設され、移動体に対して複
    数相の交番磁束を発生する複数相のコイルと、直流電源
    の供給する直流電圧を電力供給源として、高周波スイッ
    チング動作を行うMOS型スイッチングトランジスタを
    含み、前記MOS型スイッチングトランジスタによりス
    イッチングされた電圧信号を平滑する整流用インダクタ
    を含むフィルタ回路を有し、前記直流電源の直流電圧値
    から変換された変換直流電圧値を正極出力端子側と負極
    出力端子側の間に作り出す電圧変換手段と、前記電圧変
    換手段の負極出力端子側に各電流流出端子側を接続さ
    れ、各電流流入端子側を前記コイルの各電力供給端子に
    接続された第1のMOS型パワートランジスタを含んだ
    MOS型トランジスタによる第1のパワー部カレントミ
    ラー回路をそれぞれ形成し、前記第1のパワー部カレン
    トミラー回路の通電制御端子側への入力電流を増幅して
    出力するQ個(Qは2以上の整数)の第1のパワー増幅
    手段と、前記電圧変換手段の正極出力端子側に各電流流
    入端子側を接続され、各電流流出端子側を前記コイルの
    各電力供給端子に接続された第2のMOS型パワートラ
    ンジスタを含んだMOS型トランジスタによる第2のパ
    ワー部カレントミラー回路をそれぞれ形成し、前記第2
    のパワー部カレントミラー回路の通電制御端子側への入
    力電流を増幅して出力するQ個の第2のパワー増幅手段
    と、指令信号に応動した電流を前記コイルに供給するた
    めに、第1の制御電流信号と第2の制御電流信号を作り
    出す制御作成手段と、複数相の切換信号を出力する切換
    作成手段と、前記切換作成手段の出力信号に応動して前
    記第1の制御電流信号を分配し、滑らかに変化するQ相
    の第1の分配電流信号を出力する第1の分配手段と、前
    記第1の分配電流信号を所定の電流増幅してQ相の第1
    の増幅電流信号を得て、前記Q個の第1のパワー増幅手
    段の各第1のパワー部カレントミラー回路の通電制御端
    子側に各第1の増幅電流信号を供給するQ個の第1の電
    流増幅手段と、前記切換作成手段の出力信号に応動して
    前記第2の制御電流信号を分配し、滑らかに変化するQ
    相の第2の分配電流信号を出力する第2の分配手段と、
    前記第2の分配電流信号を所定の電流増幅してQ相の第
    2の増幅電流信号を得て、前記Q個の第2のパワー増幅
    手段の各第2のパワー部カレントミラー回路の通電制御
    端子側に各第2の増幅電流信号を供給するQ個の第2の
    電流増幅手段と、前記第1のMOS型パワートランジス
    タもしくは前記第2のMOS型パワートランジスタの一
    方の動作電圧に応動して前記MOS型スイッチングトラ
    ンジスタのスイッチング動作を制御し、前記電圧変換手
    段の変換直流電圧を可変制御する動作制御手段を具備
    し、前記制御手段は、前記第1の制御電流信号と前記第
    2の制御電流信号を比例させて変化させ、前記第1のM
    OS型パワートランジスタもしくは前記第2のMOS型
    パワートランジスタのうちで前記動作制御手段が動作電
    圧を検出する側のパワートランジスタにより前記コイル
    への合成供給電流を前記指令信号に応動して制御し、前
    記第1のMOS型パワートランジスタもしくは前記第2
    のMOS型パワートランジスタのうちで前記動作制御手
    段が動作電圧を検出しない側のパワートランジスタを飽
    和動作させたモータ。
  22. 【請求項22】固定体上に配設され、移動体に対して複
    数相の交番磁束を発生する複数相のコイルと、直流電圧
    を供給する電圧供給手段と、前記電圧供給手段の負極出
    力端子側に各電流流出端子側を接続され、各電流流入端
    子側を前記コイルの各電力供給端子に接続された第1の
    パワートランジスタを含んだ第1のパワー部カレントミ
    ラー回路をそれぞれ形成し、前記第1のパワー部カレン
    トミラー回路の通電制御端子側への入力電流を増幅して
    出力するQ個(Qは2以上の整数)の第1のパワー増幅
    手段と、前記電圧供給手段の正極出力端子側に各電流流
    入端子側を接続され、各電流流出端子側を前記コイルの
    各電力供給端子に接続された第2のパワートランジスタ
    を含んだ第2のパワー部カレントミラー回路をそれぞれ
    形成し、前記第2のパワー部カレントミラー回路の通電
    制御端子側への入力電流を増幅して出力するQ個の第2
    のパワー増幅手段と、指令信号に応動した電流を前記コ
    イルに供給するために、第1の制御電流信号と第2の制
    御電流信号を作り出す制御作成手段と、複数相の切換信
    号を出力する切換作成手段と、前記切換作成手段の出力
    信号に応動して前記第1の制御電流信号を分配し、滑ら
    かに変化するQ相の第1の分配電流信号を出力する第1
    の分配手段と、前記第1の分配電流信号を所定の電流増
    幅してQ相の第1の増幅電流信号を得て、前記Q個の第
    1のパワー増幅手段の各第1のパワー部カレントミラー
    回路の通電制御端子側に各第1の増幅電流信号を供給す
    る第1の増幅部カレントミラー回路によって構成された
    Q個の第1の電流増幅手段と、前記切換作成手段の出力
    信号に応動して前記第2の制御電流信号を分配し、滑ら
    かに変化するQ相の第2の分配電流信号を出力する第2
    の分配手段と、前記第2の分配電流信号を所定の電流増
    幅してQ相の第2の増幅電流信号を得て、前記Q個の第
    2のパワー増幅手段の各第2のパワー部カレントミラー
    回路の通電制御端子側に各第2の増幅電流信号を供給す
    る第2の増幅部カレントミラー回路によって構成された
    Q個の第2の電流増幅手段を具備し、前記制御手段は、
    前記第1の制御電流信号と前記第2の制御電流信号を比
    例させて変化させ、前記第1のパワートランジスタもし
    くは前記第2のパワートランジスタのいずれか一方によ
    り前記コイルへの合成供給電流を前記指令信号に応動し
    て制御し、前記第1のパワートランジスタもしくは前記
    第2のパワートランジスタの他方を飽和動作させたモー
    タ。
  23. 【請求項23】固定体上に配設され、移動体に対して複
    数相の交番磁束を発生する複数相のコイルと、直流電源
    の供給する直流電圧を電力供給源として、高周波スイッ
    チング動作を行うスイッチングトランジスタを含み、前
    記スイッチングトランジスタによりスイッチングされた
    電圧信号を平滑する整流用インダクタを含むフィルタ回
    路を有し、前記直流電源の直流電圧値から変換された変
    換直流電圧値を正極出力端子側と負極出力端子側の間に
    作り出す電圧変換手段と、前記電圧変換手段の負極出力
    端子側に各電流流出端子側を接続され、各電流流入端子
    側を前記コイルの各電力供給端子に接続された第1のパ
    ワートランジスタを含んだ第1のパワー部カレントミラ
    ー回路をそれぞれ形成し、前記第1のパワー部カレント
    ミラー回路の通電制御端子側への入力電流を増幅して出
    力するQ個(Qは2以上の整数)の第1のパワー増幅手
    段と、前記電圧変換手段の正極出力端子側に各電流流入
    端子側を接続され、各電流流出端子側を前記コイルの各
    電力供給端子に接続された第2のパワートランジスタを
    含んだ第2のパワー部カレントミラー回路をそれぞれ形
    成し、前記第2のパワー部カレントミラー回路の通電制
    御端子側への入力電流を増幅して出力するQ個の第2の
    パワー増幅手段と、指令信号に応動した電流を前記コイ
    ルに供給するために、第1の制御電流信号と第2の制御
    電流信号を作り出す制御作成手段と、複数相の切換信号
    を出力する切換作成手段と、前記切換作成手段の出力信
    号に応動して前記第1の制御電流信号を分配し、滑らか
    に変化するQ相の第1の分配電流信号を出力する第1の
    分配手段と、前記第1の分配電流信号を所定の電流増幅
    してQ相の第1の増幅電流信号を得て、前記Q個の第1
    のパワー増幅手段の各第1のパワー部カレントミラー回
    路の通電制御端子側に各第1の増幅電流信号を供給する
    第1の増幅部カレントミラー回路によって構成されたQ
    個の第1の電流増幅手段と、前記切換作成手段の出力信
    号に応動して前記第2の制御電流信号を分配し、滑らか
    に変化するQ相の第2の分配電流信号を出力する第2の
    分配手段と、前記第2の分配電流信号を所定の電流増幅
    してQ相の第2の増幅電流信号を得て、前記Q個の第2
    のパワー増幅手段の各第2のパワー部カレントミラー回
    路の通電制御端子側に各第2の増幅電流信号を供給する
    第2の増幅部カレントミラー回路によって構成されたQ
    個の第2の電流増幅手段と、前記第1のパワートランジ
    スタもしくは前記第2のパワートランジスタの一方の動
    作電圧に応動して前記スイッチングトランジスタのスイ
    ッチング動作を制御し、前記電圧変換手段の変換直流電
    圧を可変制御する動作制御手段を具備し、前記制御手段
    は、前記第1の制御電流信号と前記第2の制御電流信号
    を比例させて変化させ、前記第1のパワートランジスタ
    もしくは前記第2のパワートランジスタのうちで前記動
    作制御手段が動作電圧を検出する側のパワートランジス
    タにより前記コイルへの合成供給電流を前記指令信号に
    応動して制御し、前記第1のパワートランジスタもしく
    は前記第2のパワートランジスタのうちで前記動作制御
    手段が動作電圧を検出しない側のパワートランジスタを
    飽和動作させたモータ。
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