JP3352032B2 - モータ - Google Patents

モータ

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JP3352032B2
JP3352032B2 JP23021098A JP23021098A JP3352032B2 JP 3352032 B2 JP3352032 B2 JP 3352032B2 JP 23021098 A JP23021098 A JP 23021098A JP 23021098 A JP23021098 A JP 23021098A JP 3352032 B2 JP3352032 B2 JP 3352032B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コイルへの電流路
を複数個のトランジスタにより電子的に切り換えるモー
タに関するものである
【0002】
【従来の技術】近年、OA機器やAV機器の駆動用モー
タとして、複数個のトランジスタにより電子的に電流路
を切り換えるモータが広く使用されている。このような
モータの例として、PNP型パワートランジスタとNP
N型パワートランジスタを用いてコイルへの電流路を切
り換えるモータがある。図34に従来のモータを示し、
その動作について簡単に説明する。ロータ2011は永
久磁石による界磁部を有し、ロータ2011の回転に応
動して、位置検出器2041は2組の3相の電圧信号K
1,K2,K3とK4,K5,K6を発生する。第1の
分配器2042は電圧信号K1,K2,K3に応動した
3相の下側通電制御信号L1,L2,L3を作りだし、
下側のNPN型パワートランジスタ2021,202
2,2023のベースに供給し、NPN型パワートラン
ジスタ2021,2022,2023の通電を制御す
る。第2の分配器2043は電圧信号K4,K5,K6
に応動した3相の上側通電制御信号M1,M2,M3を
作りだし、上側のPNP型パワートランジスタ202
5,2026,2027のベースに供給し、PNP型パ
ワートランジスタ2025,2026,2027の通電
を制御する。これにより、3相のコイル2012,20
13,2014に3相の駆動電圧を供給する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この従来のモ
ータでは、下記の各種の課題が問題になっていた。 (1)電力損失が大きい。 従来の構成では、NPN型パワートランジスタ202
1、2022、2023およびPNP型パワートランジ
スタ2025、2026、2027は、そのエミッタ−
コレクタ間の電圧をアナログ的に制御し、コイル201
2、2013、2014に必要な振幅の駆動電流を供給
している。そのため、各パワートランジスタの残留電圧
が大きく、この残留電圧とパワートランジスタの通電電
流の積によって、大きな電力損失が生じていた。特に、
モータコイルへの駆動電流が大きいので、電力損失は著
しく大きかった。そのため、モータの電力効率は極めて
悪かった。 (2)コストが高い。 コストを安くするためには、トランジスタや抵抗類を1
チップの集積回路(IC)にまとめることが有効であ
る。しかし、PNP型パワートランジスタ2025、2
026、2027を形成するためには大きなチップ面積
が必要になり、コスト増加を招く大きな要因になってい
た。また、集積回路化した場合の寄生容量の影響によ
り、PNP型パワートランジスタを高速動作させること
が難しかった。また、パワートランジスタの電力損失・
発熱が大きく、集積回路化が難しかった。特に、モータ
コイルへの駆動電流が大きいので、パワートランジスタ
の発熱により集積回路の熱破壊を生じる恐れも大きい。
また、熱破壊を防止するために放熱板を取り付けた場合
には、コスト増加が大きかった。 (3)モータの振動が大きい。 近年、光ディスク装置(DVD装置、CD装置、等)や
磁気ディスク装置(HDD装置、FDD装置、等)など
のディスク装置では、ディスクの高密度記録再生に伴っ
て、振動の小さなモータが要望されてきた。しかし、従
来の構成では、パワートランジスタの急峻な切り換えに
伴ってコイルにスパイク電圧が生じ、駆動電流の脈動を
生じていた。これにより、発生駆動力が脈動し、大きな
モータ振動を生じていた。これらの課題をそれぞれもし
くは同時に解決したモータが強く望まれていた。本発明
の目的は、上記の各種の問題点をそれぞれまたは同時に
解決した構成のモータを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の構成のモータ
は、移動体と、複数相のコイルと、直流電圧を供給する
電圧供給手段と、前記電圧供給手段の負極端子側と前記
コイルの一つへの電流路を形成する第1の電界効果型パ
ワートランジスタをそれぞれ含むQ個(Qは3以上の整
数)の第1のパワー増幅手段と、前記電圧供給手段の正
極端子側と前記コイルの一つへの電流路を形成する第2
の電界効果型パワートランジスタをそれぞれ含むQ個の
第2のパワー増幅手段と、複数相の切換信号を作りだす
切換作成手段と、前記切換作成手段の出力信号に応動し
て前記Q個の第1のパワー増幅手段からの通電を分配制
御する第1の分配制御手段と、前記切換作成手段の出力
信号に応動して前記Q個の第2のパワー増幅手段からの
通電を分配制御する第2の分配制御手段と、前記Q個の
第1のパワー増幅手段と前記Q個の第2のパワー増幅手
段のうちで少なくとも1個のパワー増幅手段を高周波ス
イッチング動作させるスイッチング動作手段と、を具備
するモータであって、前記第1の分配制御手段と前記第
2の分配制御手段は、立ち上がり傾斜部分と立ち下がり
傾斜部分のうちの少なくとも一方の傾斜部分において
流振幅が滑らかに変化する少なくとも1つの電流信号を
前記Q個の第1のパワー増幅手段と前記Q個の第2のパ
ワー増幅手段のうちで少なくとも1個のパワー増幅手段
の通電制御端子側に供給する手段と、前記コイルへの供
給電力を変化させる指令信号に応動して前記少なくとも
1つの電流信号の前記少なくとも一方の傾斜部分におけ
る電流振幅を変化させる手段と、を含んで構成してい
る。
【0005】このように構成することにより、第1のパ
ワー増幅手段と第2のパワー増幅手段のうちで少なくと
も1個のパワー増幅手段を高周波スイッチング動作させ
ているので、これらのパワー増幅手段の電力損失を大幅
に低減できる。従って、電力効率の良いモータになる。
また、第1のパワー増幅手段や第2のパワー増幅手段を
高周波スイッチング動作させている場合に、立ち上がり
傾斜部分と立ち下がり傾斜部分と平坦部分等のなかで、
立ち上がり傾斜部分と立ち下がり傾斜部分のうちの少な
くとも一方の傾斜部分において電流振幅が滑らかに変化
する電流信号をパワー増幅手段の通電制御端子側に供給
した。さらに、指令信号に応動して電流信号の傾斜部分
における電流振幅を変化させている。これにより、電流
路の切換動作を滑らかにできる。その結果、コイルへの
駆動電流が滑らかに変化し、発生駆動力の脈動は大幅に
低減される。その結果、電力効率が良く、振動の小さい
高性能なモータを実現できる。
【0006】また、本発明の別の観点のモータは、移動
体と、複数相のコイルと、直流電圧を供給する電圧供給
手段と、前記電圧供給手段の一方の出力極端子側と前記
コイルの一つへの電流路を形成する第1の電界効果型パ
ワートランジスタをそれぞれ含むQ個(Qは3以上の整
数)の第1のパワー増幅手段と、前記電圧供給手段の他
方の出力端子側と前記コイルの一つへの電流路を形成す
る第2の電界効果型パワートランジスタをそれぞれ含む
Q個の第2のパワー増幅手段と、複数相の切換信号を作
りだす切換作成手段と、前記切換作成手段の出力信号に
応動して前記Q個の第1のパワー増幅手段からの通電を
分配制御する第1の分配制御手段と、前記切換作成手段
の出力信号に応動して前記Q個の第2のパワー増幅手段
からの通電を分配制御する第2の分配制御手段と、少な
くとも1個の第1のパワー増幅手段を高周波スイッチン
グ動作させるスイッチング動作手段と、を具備するモー
タであって、前記第1の分配制御手段は、立ち上がり傾
斜部分と立ち下がり傾斜部分のうちの少なくとも一方の
傾斜部分において電流振幅が滑らかに変化するQ相の電
流信号を前記Q個の第1のパワー増幅手段の通電制御端
子側に供給する手段と、前記コイルへの供給電力を変化
させる指令信号に応動して前記Q相の電流信号の前記少
なくとも一方の傾斜部分における電流振幅を変化させる
手段と、を含んで構成している。
【0007】このように構成することにより、少なくと
も1個の第1のパワー増幅手段を高周波スイッチング動
作させているので、パワー増幅手段の電力損失を大幅に
低減できる。従って、電力効率の良いモータになる。ま
た、第1のパワー増幅手段を高周波スイッチング動作さ
せている場合に、立ち上がり傾斜部分と立ち下がり傾斜
部分と平坦部分等のなかで、立ち上がり傾斜部分と立ち
下がり傾斜部分のうちの少なくとも一方の傾斜部分にお
いて電流振幅が滑らかに変化するQ相の電流信号をQ個
の第1のパワー増幅手段の通電制御端子側に供給した。
さらに、指令信号に応動してQ相の電流信号の傾斜部分
における電流振幅を変化させている。これにより、電流
路の切換動作を滑らかにできる。その結果、コイルへの
駆動電流が滑らかに変化し、発生駆動力の脈動は大幅に
低減される。その結果、電力効率が良く、振動の小さい
高性能なモータを実現できる。
【0008】また、本発明の別の観点のモータは、移動
体と、複数相のコイルと、直流電圧を供給する電圧供給
手段と、前記電圧供給手段の一方の出力極端子側と前記
コイルの一つへの電流路を形成する第1の電界効果型パ
ワートランジスタをそれぞれ含むQ個(Qは3以上の整
数)の第1のパワー増幅手段と、前記電圧供給手段の他
方の出力端子側と前記コイルの一つへの電流路を形成す
る第2の電界効果型パワートランジスタをそれぞれ含む
Q個の第2のパワー増幅手段と、複数相の切換信号を作
りだす切換作成手段と、前記切換作成手段の出力信号に
応動して前記Q個の第1のパワー増幅手段からの通電を
分配制御する第1の分配制御手段と、前記切換作成手段
の出力信号に応動して前記Q個の第2のパワー増幅手段
からの通電を分配制御する第2の分配制御手段と、少な
くとも1個の第1のパワー増幅手段を高周波スイッチン
グ動作させるスイッチング動作手段と、を具備するモー
タであって、前記第2の分配制御手段は、立ち上がり傾
斜部分と立ち下がり傾斜部分のうちの少なくとも一方の
傾斜部分において電流振幅が滑らかに変化するQ相の電
流信号を前記Q個の第2のパワー増幅手段の通電制御端
子側に供給する手段と、前記コイルへの供給電力を変化
させる指令信号に応動して前記Q相の電流信号の前記少
なくとも一方の傾斜部分における電流振幅を変化させる
手段と、を含んで構成している。
【0009】このように構成することにより、少なくと
も1個の第1のパワー増幅手段を高周波スイッチング動
作させているので、パワー増幅手段の電力損失を大幅に
低減できる。従って、電力効率の良いモータになる。ま
た、第1のパワー増幅手段を高周波スイッチング動作さ
せている場合に、立ち上がり傾斜部分と立ち下がり傾斜
部分と平坦部分等のなかで、立ち上がり傾斜部分と立ち
下がり傾斜部分のうちの少なくとも一方の傾斜部分にお
いて電流振幅が滑らかに変化するQ相の電流信号をQ個
の第2のパワー増幅手段の通電制御端子側に供給した。
さらに、指令信号に応動してQ相の電流信号の傾斜部分
における電流振幅を変化させている。これにより、電流
路の切換動作を滑らかにできる。その結果、コイルへの
駆動電流が滑らかに変化し、発生駆動力の脈動は大幅に
低減される。その結果、電力効率が良く、振動の小さい
高性能なモータを実現できる。
【0010】また、本発明の別の観点のモータは、移動
体と、複数相のコイルと、直流電圧を供給する電圧供給
手段と、前記電圧供給手段の一方の出力極端子側と前記
コイルの一つへの電流路を形成する第1の電界効果型パ
ワートランジスタをそれぞれ含むQ個(Qは3以上の整
数)の第1のパワー増幅手段と、前記電圧供給手段の他
方の出力端子側と前記コイルの一つへの電流路を形成す
る第2の電界効果型パワートランジスタをそれぞれ含む
Q個の第2のパワー増幅手段と、複数相の切換信号を作
りだす切換作成手段と、前記切換作成手段の出力信号に
応動して前記Q個の第1のパワー増幅手段からの通電を
分配制御する第1の分配制御手段と、前記切換作成手段
の出力信号に応動して前記Q個の第2のパワー増幅手段
からの通電を分配制御する第2の分配制御手段と、前記
Q個の第1のパワー増幅手段と前記Q個の第2のパワー
増幅手段のうちで少なくとも1個のパワー増幅手段を高
周波スイッチング動作させるスイッチング動作手段と、
を具備するモータであって、前記第1の分配制御手段
は、立ち上がり傾斜部分と立ち下がり傾斜部分のうちの
少なくとも一方の傾斜部分において電流振幅が滑らかに
変化する第1のQ相の電流信号を前記Q個の第1のパワ
ー増幅手段の通電制御端子側に供給する手段と、前記コ
イルへの供給電力を変化させる指令信号に応動して前記
第1のQ相の電流信号の前記少なくとも一方の傾斜部分
における電流振幅を変化させる手段と、を含んで構成さ
れ、前記第2の分配制御手段は、立ち上がり傾斜部分と
立ち下がり傾斜部分のうちの少なくとも一方の傾斜部分
において電流振幅が滑らかに変化する第2のQ相の電流
信号を前記Q個の第2のパワー増幅手段の通電制御端子
側に供給する手段と、前記指令信号に応動して前記第2
のQ相の電流信号の前記少なくとも一方の傾斜部分にお
ける電流振幅を変化させる手段と、を含んで構成してい
る。
【0011】このように構成することにより、第1のパ
ワー増幅手段と第2のパワー増幅手段のうちで少なくと
も1個のパワー増幅手段を高周波スイッチング動作させ
ているので、これらのパワー増幅手段の電力損失を大幅
に低減できる。従って、電力効率の良いモータになる。
また、第1のパワー増幅手段や第2のパワー増幅手段を
高周波スイッチング動作させている場合に、立ち上がり
傾斜部分と立ち下がり傾斜部分と平坦部分等のなかで、
立ち上がり傾斜部分と立ち下がり傾斜部分のうちの少な
くとも一方の傾斜部分において電流振幅が滑らかに変化
する第1のQ相の電流信号をQ個の第1のパワー増幅手
段の通電制御端子側に供給した。また、立ち上がり傾斜
部分と立ち下がり傾斜部分のうちの少なくとも一方の傾
斜部分において電流振幅が滑らかに変化する第2のQ相
の電流信号をQ個の第2のパワー増幅手段の通電制御端
子側に供給した。さらに、指令信号に応動して第1のQ
相の電流信号の傾斜部分と第2のQ相の電流信号の傾斜
部分を変化させている。これにより、電流路の切換動作
を滑らかにできる。その結果、コイルへの駆動電流が滑
らかに変化し、発生駆動力の脈動は大幅に低減される。
その結果、電力効率が良く、振動の小さい高性能なモー
タを実現できる。これらおよびその他の構成や動作につ
いては、実施の形態の説明において詳細に説明する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい数個の実施例を
添付の図1〜図33を参照して詳細に説明する。 《実施例1》図1から図8に本発明の実施例1のモータ
を示す。図1に全体構成を示す。移動体1は、たとえ
ば、永久磁石の発生磁束により複数極の界磁磁束を発生
する界磁部を取り付けられたロータである。ここでは、
移動体1の界磁部を2極着磁された永久磁石で示してあ
る。変形例では、多極であっても良く、多数の磁極片に
よって構成しても良い。3相コイル2,3,4は、固定
体であるステータに配設され、移動体1との相対関係に
関して、電気的に120度相当ずらされて配置されてい
る。3相コイル2,3,4は3相の駆動電流I1,I
2,I3により3相の磁束を発生し、移動体1の界磁部
との相互作用によって駆動力を発生し、移動体1に駆動
力を与える。ディスク1bは、移動体1に取り付けら
れ、移動体1と一緒に回転する。
【0013】電圧供給部である直流電源50は、負極端
子側(−)をアース電位にされ、正極端子側(+)に所
要の直流電圧Vccおよび直流電流を供給している。直
流電源50の負極端子側には、電流検出器21を介し
て、3個の第1のパワー増幅器11,12,13の電流
流出端子側が共通接続されている。第1のパワー増幅器
11は、第1のNMOS型パワートランジスタ61と、
第1のNMOS型パワートランジスタ61に並列に逆接
続された第1のパワーダイオード61dを含んで構成さ
れている。ここで、NMOS型トランジスタはNチャン
ネルMOS構造の電界効果型トランジスタを意味する。
第1のNMOS型パワートランジスタ61の電流流出端
子側は直流電源50の負極端子側に電流検出器21を介
して接続され、電流流入端子側はコイル2の電力供給端
子に接続されている。第1のパワーダイオード61dの
電流流入端子側は第1のNMOS型パワートランジスタ
61の電流流出端子側に接続され、電流流出端子側は第
1のNMOS型パワートランジスタ61の電流流入端子
側に接続されている。第1のパワー増幅器11は、第1
のNMOS型パワートランジスタ61とNMOS型トラ
ンジスタ71により第1の電界効果型パワー部カレント
ミラー回路を形成し、通電制御端子側への入力電流信号
を電流増幅して出力する。ここで、電界効果型パワー部
カレントミラー回路は電界効果型パワートランジスタを
用いた電界効果型カレントミラー回路を意味する。
【0014】第1のNMOS型パワートランジスタ61
とNMOS型トランジスタ71のセル面積比を100倍
にし、第1のNMOS型パワートランジスタ61が能動
領域でハーフオン動作している場合の第1のパワー部カ
レントミラー回路の電流増幅率を100倍にしている。
ここで、電界効果型トランジスタの動作状態には、3つ
の状態:フルオン状態,ハーフオン状態,オフ状態があ
る。ハーフオン状態では、電界効果型トランジスタは能
動領域の増幅動作を行っている。また、フルオン状態と
ハーフオン状態の時に、電界効果型トランジスタは活性
状態または能動状態にある。なお、第1のNMOS型パ
ワートランジスタ61は、たとえば二重拡散Nチャンネ
ルMOS構造の電界効果型トランジスタによって構成さ
れ、第1のNMOS型パワートランジスタ61の電流流
出端子側から電流流入端子側に向けて寄生ダイオード素
子が等価回路的に逆接続される。この寄生ダイオード素
子を第1のパワーダイオード61dとして使用してい
る。
【0015】同様に、第1のパワー増幅器12は、第1
のNMOS型パワートランジスタ62と、第1のNMO
S型パワートランジスタ62に並列に逆接続された第1
のパワーダイオード62dを含んで構成されている。第
1のNMOS型パワートランジスタ62の電流流出端子
側は直流電源50の負極端子側に電流検出器21を介し
て接続され、電流流入端子側はコイル3の電力供給端子
に接続されている。第1のパワーダイオード62dの電
流流入端子側は第1のNMOS型パワートランジスタ6
2の電流流出端子側に接続され、電流流出端子側は第1
のNMOS型パワートランジスタ62の電流流入端子側
に接続されている。第1のパワー増幅器12は、第1の
NMOS型パワートランジスタ62とNMOS型トラン
ジスタ72により第1の電界効果型パワー部カレントミ
ラー回路を形成し、通電制御端子側への入力電流信号を
電流増幅して出力する(セル面積比は100倍)。な
お、第1のNMOS型パワートランジスタ62は、たと
えば二重拡散NチャンネルMOS構造の電界効果型トラ
ンジスタによって構成され、第1のNMOS型パワート
ランジスタ62の寄生ダイオード素子を第1のパワーダ
イオード62dとして使用している。
【0016】同様に、第1のパワー増幅器13は、第1
のNMOS型パワートランジスタ63と、第1のNMO
S型パワートランジスタ63に並列に逆接続された第1
のパワーダイオード63dを含んで構成されている。第
1のNMOS型パワートランジスタ63の電流流出端子
側は直流電源50の負極端子側に電流検出器21を介し
て接続され、電流流入端子側はコイル4の電力供給端子
に接続されている。第1のパワーダイオード63dの電
流流入端子側は第1のNMOS型パワートランジスタ6
3の電流流出端子側に接続され、電流流出端子側は第1
のNMOS型パワートランジスタ63の電流流入端子側
に接続されている。第1のパワー増幅器13は、第1の
NMOS型パワートランジスタ63とNMOS型トラン
ジスタ73により第1の電界効果型パワー部カレントミ
ラー回路を形成し、通電制御端子側への入力電流信号を
電流増幅して出力する(セル面積比は100倍)。な
お、第1のNMOS型パワートランジスタ63は、たと
えば二重拡散NチャンネルMOS構造の電界効果型トラ
ンジスタによって構成され、第1のNMOS型パワート
ランジスタ63の寄生ダイオード素子を第1のパワーダ
イオード63dとして使用している。
【0017】第1のパワー増幅器11,12,13の各
第1のパワー部カレントミラー回路は、それぞれ各通電
制御端子側への入力電流信号を電流増幅して出力する。
スイッチング制御器22の制御パルス信号Y1,Y2,
Y3は、第1のパワー増幅器11,12,13の第1の
NMOS型パワートランジスタ61,62,63をオン
・オフ制御して高周波スイッチング動作させる。第1の
パワー増幅器11,12,13は、コイル2,3,4の
各電力供給端子への駆動電圧V1,V2,V3を高周波
スイッチングして電力供給し、コイル2,3,4への駆
動電流I1,I2,I3の負極側電流を供給する。この
動作については、後述する。
【0018】直流電源50の正極端子側には、3個の第
2のパワー増幅器15,16,17の電流流入端子側が
共通接続されている。第2のパワー増幅器15は、第2
のNMOS型パワートランジスタ65と、第2のNMO
S型パワートランジスタ65に並列に逆接続された第2
のパワーダイオード65dを含んで構成されている。第
2のNMOS型パワートランジスタ65の電流流入端子
側は直流電源50の正極端子側に接続され、電流流出端
子側はコイル2の電力供給端子に接続されている。第2
のパワーダイオード65dの電流流入端子側は第2のN
MOS型パワートランジスタ65の電流流出端子側に接
続され、電流流出端子側は第2のNMOS型パワートラ
ンジスタ65の電流流入端子側に接続されている。第2
のパワー増幅器15は、第2のNMOS型パワートラン
ジスタ65とNMOS型トランジスタ75により第2の
電界効果型パワー部カレントミラー回路を形成し、通電
制御端子側への入力電流信号を電流増幅して出力する。
第2のNMOS型パワートランジスタ65とNMOS型
トランジスタ75のセル面積比を100倍にし、第2の
NMOS型パワートランジスタ65が能動領域で動作し
ている場合の第2のパワー部カレントミラー回路の電流
増幅率を101倍にしている。なお、第2のNMOS型
パワートランジスタ65は、たとえば二重拡散型Nチャ
ンネルMOS構造の電界効果型トランジスタによって構
成され、第2のNMOS型パワートランジスタ65の電
流流出端子側から電流流入端子側に向けて寄生ダイオー
ド素子が等価回路的に逆接続される。この寄生ダイオー
ド素子を第2のパワーダイオード65dとして使用して
いる。
【0019】同様に、第2のパワー増幅器16は、第2
のNMOS型パワートランジスタ66と、第2のNMO
S型パワートランジスタ66に並列に逆接続された第2
のパワーダイオード66dを含んで構成されている。第
2のNMOS型パワートランジスタ66の電流流入端子
側は直流電源50の正極端子側に接続され、電流流出端
子側はコイル3の電力供給端子に接続されている。第2
のパワーダイオード66dの電流流入端子側は第2のN
MOS型パワートランジスタ66の電流流出端子側に接
続され、電流流出端子側は第2のNMOS型パワートラ
ンジスタ66の電流流入端子側に接続されている。第2
のパワー増幅器16は、第2のNMOS型パワートラン
ジスタ66とNMOS型トランジスタ76により第2の
電界効果型パワー部カレントミラー回路を形成し、通電
制御端子側への入力電流信号を電流増幅して出力する
(セル面積比は100倍)。なお、第2のNMOS型パ
ワートランジスタ66は、たとえば二重拡散型Nチャン
ネルMOS構造の電界効果型トランジスタによって構成
され、第2のNMOS型パワートランジスタ66の寄生
ダイオード素子を第2のパワーダイオード66dとして
使用している。
【0020】同様に、第2のパワー増幅器17は、第2
のNMOS型パワートランジスタ67と、第2のNMO
S型パワートランジスタ67に並列に逆接続された第2
のパワーダイオード67dを含んで構成されている。第
2のNMOS型パワートランジスタ67の電流流入端子
側は直流電源50の正極端子側に接続され、電流流出端
子側はコイル4の電力供給端子に接続されている。第2
のパワーダイオード67dの電流流入端子側は第2のN
MOS型パワートランジスタ67の電流流出端子側に接
続され、電流流出端子側は第2のNMOS型パワートラ
ンジスタ67の電流流入端子側に接続されている。第2
のパワー増幅器17は、第2のNMOS型パワートラン
ジスタ67とNMOS型トランジスタ77により第2の
電界効果型パワー部カレントミラー回路を形成し、通電
制御端子側への入力電流信号を電流増幅して出力する
(セル面積比は100倍)。なお、第2のNMOS型パ
ワートランジスタ67は、たとえば二重拡散型Nチャン
ネルMOS構造の電界効果型トランジスタによって構成
され、第2のNMOS型パワートランジスタ67の寄生
ダイオード素子を第2のパワーダイオード67dとして
使用している。
【0021】第2のパワー増幅器15,16,17の各
第2のパワー部カレントミラー回路は、それぞれ各通電
制御端子側への入力電流信号を電流増幅して出力し、コ
イル2,3,4への駆動電流I1,I2,I3の正極側
電流を供給する。この動作については、後述する。この
ように、第1のパワー増幅器11,12,13は、直流
電源50の負極端子側と正極端子側の間に並列的に接続
され、直流電源50の負極端子側からコイル2,3,4
への電流路を電子的に切り換えている。同様に、第2の
パワー増幅器15,16,17は、直流電源50の負極
端子側と正極端子側の間に並列的に接続され、直流電源
50の正極端子側からコイル2,3,4への電流路を電
子的に切り換えている。指令器20の指令信号Adは、
電流供給器30とスイッチング制御器22に入力され
る。指令器20は、たとえば、移動体1の回転移動速度
を検出し、該速度を所定値に制御する速度制御ブロック
によって構成されている。従って、指令信号Adはコイ
ル2,3,4への駆動電流や駆動電圧を制御し、コイル
への供給電力を変化させる。
【0022】電流供給器30は、指令信号Adに応動す
る第1の供給電流信号C1と第2の供給電流信号C2を
出力する。図3に電流供給器30の具体的な構成を示
す。電圧電流変換回路151は、指令信号Adに比例し
た変換電流信号Bjを出力する。電圧電流変換回路15
1の変換電流信号Bjは、トランジスタ171,17
2,173と抵抗174,175,176によるカレン
トミラー回路に供給され、変換電流信号Bjに比例した
2つの電流信号をトランジスタ172,173のコレク
タ側に作りだす。トランジスタ172のコレクタ電流
は、トランジスタ181,182のカレントミラー回路
を介して出力される。トランジスタ182のコレクタ電
流Bp1と定電流源183の第1の所定電流Qq1を加
算し、第1の供給電流信号C1として出力する。すなわ
ち、C1=Bp1+Qq1。また、トランジスタ173
のコレクタ電流Bp2と定電流源184の第2の所定電
流Qq2を加算し、第2の供給電流信号C2として出力
する。すなわち、C2=Bp2+Qq2。これにより、
第1の供給電流信号C1と第2の供給電流信号C2は指
令信号Adに比例もしくは略比例した電流信号になる。
また、第1の供給電流信号C1と第2の供給電流信号C
2は、定電流源183,184の電流値Qq1,Qq2
による所定のバイアス電流を含んでいる。なお、定電流
源183,184の電流値Qq1,Qq2は、必要に応
じて設定すれば良く、零であっても良い。
【0023】図1の切換作成器34は、滑らかに変化す
る3相の切換電流信号D1,D2,D3を出力する。図
2に切換作成器34の具体的な構成を示す。この例で
は、切換作成器34は位置検出部100と切換信号部1
01によって構成されている。位置検出部100は、移
動体1の発生磁束を検知する磁電変換素子(例えばホー
ル素子)からなる位置検出素子111,112を含んで
構成されている。位置検出素子111,112は、電気
的に120度の位相差を有し、移動体1の移動に伴って
滑らかな正弦波状に変化する2相の位置検出信号Ja1
とJb1、および、Ja2とJb2を出力する。ここ
で、Ja1とJa2は逆相の関係にあり(電気的に18
0度の位相差)、Jb1とJb2は逆相の関係にある。
なお、逆相の信号は新たな相数に数えない。位置検出信
号Ja2とJb2は抵抗113,114により合成され
て3相目の位置検出信号Jc1を作りだし、位置検出信
号Ja1とJb1は抵抗115,116により合成され
て3相目の位置検出信号Jc2を作りだす。これによ
り、位置検出部100は電気的に120度の位相差を有
して正弦波状に変化する3相の位置検出信号Ja1,J
b1,Jc1(Ja2,Jb2,Jc2)を得ている。
なお、3個の位置検出素子を用いて3相の位置検出信号
を作りだしても良い。
【0024】切換信号部101は、3相の位置検出信号
に応動して滑らかに変化する正弦波状の切換電流信号D
1,D2,D3を作りだす。トランジスタ122と12
3は、1相目の位置検出信号Ja1とJa2の差電圧に
応動して定電流源121の電流をコレクタ側に分流す
る。トランジスタ123のコレクタ電流は、トランジス
タ124,125のカレントミラー回路によって2倍に
増幅され、トランジスタ125のコレクタより出力され
る。トランジスタ125のコレクタ電流は、定電流源1
26の電流値と比較され、両者の差電流が1相目の切換
電流信号D1として出力される。従って、切換電流信号
D1は、位置検出信号Ja1に応動して滑らかに変化
し、電気角で180度区間は電流が流出し(正極性の電
流)、次の180度区間は電流が流入する(負極性の電
流)。同様に、切換電流信号D2は、位置検出信号Jb
1に応動して滑らかに変化し、電気角で180度区間は
電流が流出し(正極性の電流)、次の180度区間は電
流が流入する(負極性の電流)。同様に、切換電流信号
D3は、位置検出信号Jc1に応動して滑らかに変化
し、電気角で180度区間は電流が流出し(正極性の電
流)、次の180度区間は電流が流入する(負極性の電
流)。これにより、切換電流信号D1,D2,D3は所
定の位相差を有する正弦波状の3相の電流信号になる。
図9(a)に3相の切換電流信号D1,D2,D3の波
形を示す。なお。図9の横軸は移動体1の回転移動位置
である。
【0025】図1の分配作成器36は、第1の分配器3
7と第2の分配器38を含んで構成されている。第1の
分配器37は、切換作成器34の3相の切換電流信号D
1,D2,D3に応動して電流供給器30の第1の供給
電流信号C1を実質的に分配し、滑らかに変化する3相
の第1の分配電流信号E1,E2,E3を作り出す。第
2の分配器38は、切換作成器34の3相の切換電流信
号D1,D2,D3に応動して電流供給器30の第2の
供給電流信号C2を実質的に分配し、滑らかに変化する
3相の第2の分配電流信号G1,G2,G3を作り出
す。
【0026】図4に分配作成器36の具体的な構成を示
す。第1の分配器37の第1の分離回路216は、切換
作成器34の切換電流信号D1の負極側電流に相当もし
くは応動する第1の分離信号D1nを出力する。第1の
分離回路217は、切換作成器34の切換電流信号D2
の負極側電流に相当もしくは応動する第1の分離信号D
2nを出力する。第1の分離回路218は、切換作成器
34の切換電流信号D3の負極側電流に相当もしくは応
動する第1の分離信号D3nを出力する。これにより、
第1の分配器37の第1の分離回路216,217,2
18は、3相の切換電流信号D1,D2,D3の負極側
電流に相当もしくは応動する3相の第1の分離信号D1
n,D2n,D3nを得ている。第1の分配器37の第
1の乗算回路211は、第1の分離回路216の第1の
分離信号D1nと第1の帰還回路215の第1の帰還信
号Ebを乗算し、乗算結果に比例した第1の分配電流信
号E1を出力する。同様に、第1の分配器37の第1の
乗算回路212は、第1の分離回路217の第1の分離
信号D2nと第1の帰還回路215の第1の帰還信号E
bを乗算し、乗算結果に比例した第1の分配電流信号E
2を出力する。同様に、第1の分配器37の第1の乗算
回路213は、第1の分離回路218の第1の分離信号
D3nと第1の帰還回路215の第1の帰還信号Ebを
乗算し、乗算結果に比例した第1の分配電流信号E3を
出力する。
【0027】第1の合成回路214は、3相の第1の分
配電流信号E1,E2,E3の加算合成値に応動した第
1の合成信号Eaを出力する。第1の帰還回路215
は、第1の合成回路214の第1の合成信号Eaと電流
供給器30の第1の供給電流信号C1の差信号に応動し
た第1の帰還信号Ebを得ている。これにより、第1の
乗算回路211,212,213と第1の合成回路21
4と第1の帰還回路215は帰還ループを構成し、第1
の合成信号Eaを第1の供給電流信号C1に対応した値
にしている。
【0028】第1の合成信号Eaは3相の第1の分配電
流信号E1,E2,E3の加算値に対応し、3相の第1
の分配電流信号E1,E2,E3はそれぞれ3相の第1
の分離信号D1n,D2n,D3nに比例している。そ
の結果、第1の分配器37の3相の第1の分配電流信号
E1,E2,E3は、切換作成器34の3相の切換電流
信号D1,D2,D3の負極側電流に応動して電流供給
器30の第1の供給電流信号C1を実質的に分配した3
相の電流信号になる。すなわち、第1の分配電流信号E
1,E2,E3の大きさは、第1の供給電流信号C1に
比例して変化する。図9(b)に3相の第1の分配電流
信号E1,E2,E3の波形を示す。第1の分配器37
は、第1の供給電流信号C1を移動体1の回転移動に伴
って1相分もしくは2相分に交互に分配し、電気的に1
20度の位相差を有する3相の第1の分配電流信号E
1,E2,E3を出力する。なお、第1の分配電流信号
E1,E2,E3は、正極性電流(流出方向電流)にな
っている。
【0029】第2の分配器38の第2の分離回路226
は、切換作成器34の切換電流信号D1の正極側電流に
相当もしくは応動する第2の分離信号D1pを出力す
る。第2の分離回路227は、切換作成器34の切換電
流信号D2の正極側電流に相当もしくは応動する第2の
分離信号D2pを出力する。第2の分離回路228は、
切換作成器34の切換電流信号D3の正極側電流に相当
もしくは応動する第2の分離信号D3pを出力する。こ
れにより、第2の分配器38の第2の分離回路226,
227,228は、3相の切換電流信号D1,D2,D
3の正極側電流に相当もしくは応動する3相の第2の分
離信号D1p,D2p,D3pを得ている。
【0030】第2の分配器38の第2の乗算回路221
は、第2の分離回路226の第2の分離信号D1pと第
2の帰還回路225の第2の帰還信号Gbを乗算し、乗
算結果に比例した第2の分配電流信号G1を出力する。
同様に、第2の分配器38の第2の乗算回路222は、
第2の分離回路227の第2の分離信号D2pと第2の
帰還回路225の第2の帰還信号Gbを乗算し、乗算結
果に比例した第2の分配電流信号G2を出力する。同様
に、第2の分配器38の第2の乗算回路223は、第2
の分離回路228の第2の分離信号D3pと第2の帰還
回路225の第2の帰還信号Gbを乗算し、乗算結果に
比例した第2の分配電流信号G3を出力する。
【0031】第2の合成回路224は、3相の第2の分
配電流信号G1,G2,G3の加算合成値に応動した第
2の合成信号Gaを出力する。第2の帰還回路225
は、第2の合成回路224の第2の合成信号Gaと電流
供給器30の第2の供給電流信号C2の差信号に応動し
た第2の帰還信号Gbを得ている。これにより、第2の
乗算回路221,222,223と第2の合成回路22
4と第2の帰還回路225は帰還ループを構成し、第2
の合成信号Gaを第2の供給電流信号C2に対応した値
にしている。第2の合成信号Gaは3相の第2の分配電
流信号G1,G2,G3の加算値に対応し、3相の第2
の分配電流信号G1,G2,G3はそれぞれ3相の第2
の分離信号D1p,D2p,D3pに比例している。そ
の結果、第2の分配器38の3相の第2の分配電流信号
G1,G2,G3は、切換作成器34の切換電流信号D
1,D2,D3に応動して電流供給器30の第2の供給
電流信号C2を実質的に分配した3相の電流信号にな
る。すなわち、第2の分配電流信号G1,G2,G3の
大きさは、第2の供給電流信号C2に比例して変化す
る。図9(c)に3相の第2の分配電流信号G1,G
2,G3の波形を示す。第2の分配器38は、第2の供
給電流信号C2を移動体1の回転移動に伴って1相分も
しくは2相分に交互に分配し、電気的に120度の位相
差を有する3相の第2の分配電流信号G1,G2,G3
を出力する。なお、第2の分配電流信号G1,G2,G
3は、実際には負極性電流(流入方向電流)になってい
る。
【0032】また、第1の分配電流信号E1と第2の分
配電流信号G1は180度の位相差を有し、相補的に滑
らかに変化する(E1とG1は必ず一方が零になる)。
同様に、第1の分配電流信号E2と第2の分配電流信号
G2は180度の位相差を有し、相補的に滑らかに変化
する(E2とG2は必ず一方が零になる)。同様に、第
1の分配電流信号E3と第2の分配電流信号G3は18
0度の位相差を有し、相補的に滑らかに変化する(E3
とG3は必ず一方が零になる)。図1の第1の分配器3
7の第1の分配電流信号E1,E2,E3は、それぞれ
第1の電流増幅器41,42,43に入力される。第1
の電流増幅器41,42,43は、それぞれ第1の分配
電流信号E1,E2,E3を所定倍の電流増幅して第1
の増幅電流信号F1,F2,F3を作りだす。
【0033】図5に第1の電流増幅器41,42,43
の具体的な構成を示す。第1の電流増幅器41は、トラ
ンジスタ231,232による初段のカレントミラー回
路と、トランジスタ233,234と抵抗235,23
6による次段のカレントミラー回路を縦続接続した第1
の増幅部カレントミラー回路により構成している。トラ
ンジスタ231と232のエミッタ面積は等しくされ、
初段のカレントミラー回路の電流増幅率は1倍にされて
いる。また、トランジスタ233と234のエミッタ面
積比を50倍、抵抗236と235の抵抗比を50倍に
して、次段のカレントミラー回路では電流増幅率で50
倍の所定の増幅を行う。同様に、第1の電流増幅器42
は、トランジスタ241,242,243,244と抵
抗245,246による第1の増幅部カレントミラー回
路によって構成され、電流増幅率で50倍の所定の増幅
を行う。同様に、第1の電流増幅器43は、トランジス
タ251,252,253,254と抵抗255,25
6による第1の増幅部カレントミラー回路によって構成
され、電流増幅率で50倍の所定の増幅を行う。これに
より、第1の電流増幅器41,42,43は、3相の第
1の分配電流信号E1,E2,E3をそれぞれ50倍の
増幅し、3相の第1の増幅電流信号F1,F2,F3を
出力する。
【0034】図1の第2の分配器38の第2の分配電流
信号G1,G2,G3は、それぞれ第2の電流増幅器4
5,46,47に入力される。第2の電流増幅器45,
46,47は、それぞれ第2の分配電流信号G1,G
2,G3を所定倍の電流増幅して第2の増幅電流信号H
1,H2,H3を作りだし、高電圧出力器51の高電位
点Vuから各第2のパワー増幅器15,16,17に供
給する。高電圧出力器51は高周波パルス信号に応動し
て昇圧用コンデンサに充電・蓄積させることにより、直
流電源50の正極端子側電位Vccよりも高い高電位点
電位Vuを作り出す。高電圧出力器51の高電位点Vu
から第2のパワー増幅器15,16,17の第2の電界
効果型パワー部カレントミラー回路の各通電制御端子側
に第2の増幅電流信号H1,H2,H3を供給し、第2
の電流増幅器45,46,47の出力用トランジスタの
飽和を防ぎ、第2のNMOS型パワートランジスタ6
5,66,67を十分な通電状態にする。
【0035】図6に第2の電流増幅器45,46,47
と高電圧出力器51の具体的な構成を示す。第2の電流
増幅器45は、トランジスタ261,262と抵抗26
3,264による第2の増幅部カレントミラー回路によ
り構成されている。トランジスタ261と262のエミ
ッタ面積比を50倍、抵抗264と263の抵抗比を5
0倍にして、第2の電流増幅器45は電流増幅率で50
倍の所定の増幅を行う。同様に、第2の電流増幅器46
は、トランジスタ271,272と抵抗273,274
による第2の増幅部カレントミラー回路によって構成さ
れ、電流増幅率で50倍の増幅を行う。同様に、第2の
電流増幅器47は、トランジスタ281,282と抵抗
283,284による第2の増幅部カレントミラー回路
によって構成され、電流増幅率で50倍の増幅を行う。
これにより、第2の電流増幅器45,46,47は、3
相の第2の分配電流信号G1,G2,G3をそれぞれ5
0倍の増幅し、3相の第2の増幅電流信号H1,H2,
H3を出力する。
【0036】高電圧出力器51は、100kHz程度の
高周波パルス信号Paを出力するパルス発生回路421
と、第1の昇圧用コンデンサ411と、第2の昇圧用コ
ンデンサ412と、ダイオード425〜428からなる
第1の電圧制限回路と、ダイオード429からなる第2
の電圧制限回路を含んで構成されている。パルス発生回
路421のパルス信号Paに応動してインバータ回路4
22がディジタル的に変化する。インバータ回路422
が”L”(直流電源50の負極端子側電位)の時にダイ
オード423を介して第1の昇圧用コンデンサ411が
充電される。インバータ回路422が”H”(直流電源
50の正極端子側電位)に変わると、第1の昇圧用コン
デンサ411に蓄積された電荷は、ダイオード424を
介して第2の昇圧用コンデンサ412に移され、第2の
昇圧用コンデンサ412を充電・蓄積する。その結果、
第2の昇圧用コンデンサ412の端子には、直流電源5
0の正極端子側電位Vccよりも高電位になる高電位点
電位Vuが出力される。高電位点電位Vuは第2の電流
増幅器45,46,47に接続されている。
【0037】また、第2の昇圧用コンデンサ412への
充電を続けると、高電位点の電圧Vuが非常に高くな
り、集積回路化されたトランジスタやダイオードの耐圧
破壊を起こす恐れがある。そこで、ダイオード425〜
428による第1の電圧制限回路を設け、高電位点電圧
Vuが所定値以上にならないように制限した。なお、耐
圧破壊の心配がないならば、第1の電圧制限回路を無く
しても良い。また、第2の増幅電流信号H1,H2,H
3は第2の昇圧用コンデンサ412の電荷を放電させる
ように作用する。モータの起動時などの大電流動作が長
時間続くと、第2の昇圧用コンデンサ412の放電量が
多くなり、高電圧出力器51の出力電圧点の電位Vuが
著しく低下する場合もある。そこで、ダイオード429
による第2の電圧制限回路を設けて、高電圧出力器51
の高電位点電圧Vuが直流電源50の正極端子側電位V
ccより大幅に小さくならないように制限した。なお、
電流レベルの小さい通常制御状態では、第2の電圧制限
回路は動作しない。また、電位Vuの変動が小さい場合
には、第2の電圧制限回路を無くしても良い。
【0038】図1の電流検出器21は、直流電源50の
供給する通電電流Igを検出し、通電電流Igに応動し
た電流検出信号Agを出力する。スイッチング制御器2
2は、指令信号Adと電流検出信号Agを比較し、比較
結果に応動して制御パルス信号Y1,Y2,Y3をオン
・オフし、第1のパワー増幅器11,12,13の第1
のNMOS型パワートランジスタ61,62,63を高
周波スイッチング動作させる。なお、スイッチング制御
器22と電流検出器21によってスイッチング動作ブロ
ックを構成している。
【0039】図7に電流検出器21とスイッチング制御
器22の具体的な構成を示す。電流検出器21は、直流
電源50の電流供給路に挿入された電流検出用の抵抗3
11によって構成され、抵抗311に生じる電圧降下に
より直流電源50の通電電流Igを検出し、電流検出信
号Agを出力する。スイッチング制御器22は、スイッ
チング制御信号W1を得るスイッチングパルス回路33
0を含んで構成されている。スイッチングパルス回路3
30の比較回路331は、指令信号Adと電流検出信号
Agを比較した比較出力信号Crを得る。トリガ発生回
路332は、100kHz程度の高周波のトリガパルス
信号Dpを出力し、所定時間間隔毎に繰り返し状態保持
回路333をトリガする。
【0040】状態保持回路333は、トリガパリス信号
Dpの立ち上がりエッジにおいてスイッチング制御信号
W1を”Lb”(低電位状態)に変化させ、比較出力信
号Crの立ち上がりエッジにおいてスイッチング制御信
号W1を”Hb”(高電位状態)に変化させる。スイッ
チング制御信号W1が”Lb”の時には、制御トランジ
スタ341,342,343は同時にオフになり、制御
パルス信号Y1,Y2,Y3はオフ(非電流通電状態)
になる。このとき、第1のパワー増幅器11,12,1
3はそれぞれ第1の増幅電流信号F1,F2,F3を電
流増幅するように動作し、コイル2,3,4に負極性電
流を供給する電流路を形成する。スイッチング制御信号
W1が”Hb”の時には、制御トランジスタ341,3
42,343は同時にオンになり、制御パルス信号Y
1,Y2,Y3をオン(電流通電状態)にし、第1のパ
ワー増幅器11,12,13の通電制御端子側への入力
電流をバイパスする。従って、第1のパワー増幅器1
1,12,13の第1のNMOS型パワートランジスタ
61,62,63はすべて同時にオフになる。このよう
にして、第1のパワー増幅器11,12,13は単一の
スイッチング制御信号W1により通電状態と遮断状態を
高周波でスイッチング制御され、コイル2,3,4への
駆動電圧V1,V2,V3をパルス的な電圧にし、コイ
ル2,3,4への駆動電流I1,I2,I3を指令信号
Adに応動するように制御している。これについて説明
する。
【0041】トリガパルス信号Dpの立ち上がりエッジ
によって状態保持回路333のスイッチング制御信号W
1が”Lb”に変化した時には、第1の分配器37によ
って選択分配された第1の分配電流信号E1,E2,E
3および第1の増幅電流信号F1,F2,F3に応動し
て、第1のパワー増幅器11,12,13の第1のNM
OS型パワートランジスタが通電状態になる。たとえ
ば、第1の分配電流信号E1および第1の増幅電流信号
F1のみが選択されている場合を考えると、第1のパワ
ー増幅器11の第1のNMOS型パワートランジスタ6
1が通電状態になる。第1のNMOS型パワートランジ
スタ61はフルオン状態にされ、コイル2に駆動電流I
1の負極側電流を供給する電流路を形成する。ここに、
電界効果型トランジスタのフルオン状態とは、電流流入
端子側と電流流出端子側の間はオン抵抗による非常に小
さな電圧降下動作を行っている。コイルのインダクタン
ス作用によって、コイル2の駆動電流I1の負極側電流
値は徐々に増加する。従って、直流電源50の供給する
通電電流Igも増加し、電流検出器21の電流検出信号
Agは大きくなる。電流検出信号Agが指令信号Adよ
り大きくなった瞬間に、比較回路331の比較出力信号
Crが立ち上がりエッジを発生し、状態保持回路333
のスイッチング制御信号W1は”Hb”に変化する。
【0042】スイッチング制御信号W1が”Hb”にな
ると、制御トランジスタ341,342,343がオン
になる。その結果、第1のパワー増幅器11,12,1
3の通電制御端子側は同時に直流電源50の負極端子側
に接続され、第1のNMOS型パワートランジスタ6
1,62,63はすべて同時にオフ状態になる。従っ
て、通電電流Igは零になる。ここに、電界効果型トラ
ンジスタのオフ状態とは、電流流入端子側から電流流出
端子側にかけてトランジスタ電流を流さない状態であ
る。このとき、コイル2のインダクタンス作用によっ
て、電力供給端子側の駆動電圧V1がパルス的に大きく
なり、第2のパワー増幅器15の第2のパワーダイオー
ド65dを通る電流路を形成し、コイル2の駆動電流I
1の負極側電流を連続的に流し続ける。その結果、コイ
ル2の駆動電流I1の負極側電流値は徐々に小さくな
る。少しの時間を経過した後に、トリガパルス信号Dp
の次の立ち上がりエッジが到来し、上述のスイッチング
動作を繰り返す。これにより、所定の時間間隔毎に繰り
返し発生するトリガパルス信号Dpによって、第1のパ
ワー増幅器を高周波スイッチング動作させている。な
お、100kHz程度の高周波スイッチング動作を行っ
ているので、コイルの駆動電流の高周波リップル分は非
常に小さい。
【0043】このようにして、直流電源50の通電電流
Igを指令信号Adに応動した値にパルス的に制御し、
コイル2,3,4への合成供給電流を指令信号Adに応
動した値に制御する。これにより、コイル2,3,4へ
の連続的な駆動電流を制御する。第1のパワー増幅器の
第1のNMOS型パワートランジスタのオン時の通電電
流は、直流電源50の通電電流Igを超えることはな
い。従って、指令信号Adに応動した第1の供給電流信
号C1を分配増幅して第1のパワー増幅器に供給するこ
とにより、第1のパワー増幅器の第1のパワートランジ
スタを確実にオン状態のスイッチング動作をさせること
ができる。
【0044】さらに、移動体1の移動に伴って第1の分
配電流信号を1相分もしくは2相分に交互に滑らかに分
配しているので、電流路の切換は滑らかになる。たとえ
ば、第1の分配電流信号E1,E2および第1の増幅電
流信号F1,F2が通電されている場合を考える。トリ
ガパルス信号Dpの立ち上がりエッジによって状態保持
回路333のスイッチング制御信号W1が”Lb”に変
化した時には、第1のパワー増幅器11の第1のNMO
S型パワートランジスタ61と第1のパワー増幅器12
の第1のNMOS型パワートランジスタ62が通電状態
になる。第1の増幅電流信号F1に応動して第1のNM
OS型パワートランジスタ61はオン状態(フルオン状
態もしくはハーフオン状態)になり、コイル2の駆動電
流I1の負極側電流を供給する電流路を形成する。第1
の増幅電流信号F2に応動して第1のNMOS型パワー
トランジスタ62はオン状態(フルオン状態もしくはハ
ーフオン状態)になり、コイル3の駆動電流I2の負極
側電流を供給する電流路を形成する。
【0045】第1のNMOS型パワートランジスタ61
と62は、少なくともいずれか一方はフルオン状態にな
されている。ここに、電界効果型トランジスタのハーフ
オン状態とは、能動領域において増幅動作を行っている
状態である。特に、パワートランジスタがハーフオン状
態で動作している場合には、パワー増幅器の電界効果型
カレントミラー回路は通電制御端子側への入力電流信号
を所定の電流増幅率で電流増幅動作する。コイル2,3
に供給される駆動電流I1,I2の負極側電流の合成電
流値が、直流電源50の通電電流Igになる。
【0046】コイルのインダクタンス作用によって、通
電電流Igは徐々に大きくなる。電流検出信号Agが指
令信号Adより大きくなると比較出力信号Crが立ち上
がりエッジを発生し、スイッチング制御信号W1が”H
b”に変化し、制御トランジスタ341,342,34
3がオンになる。その結果、第1のパワー増幅器11,
12,13の通電制御端子側は同時に直流電源50の負
極端子側に接続され、第1のNMOS型パワートランジ
スタ61,62,63はすべて同時にオフ状態になる。
従って、通電電流Igは零になる。コイル2のインダク
タンス作用によって、電力供給端子側の駆動電圧V1が
パルス的に大きくなり、第2のパワー増幅器15の第2
のパワーダイオード65dを通る電流路を形成し、コイ
ル2の駆動電流I1の負極側電流を流し続ける。その結
果、コイル2の駆動電流I1の負極側電流値は徐々に小
さくなる。また、コイル3のインダクタンス作用によっ
て、電力供給端子側の駆動電圧V2がパルス的に大きく
なり、第2のパワー増幅器16の第2のパワーダイオー
ド66dを通る電流路を形成し、コイル3の駆動電流I
2の負極側電流を流し続ける。その結果、コイル3の駆
動電流I2の負極側電流値は徐々に小さくなる。少しの
時間を経過した後に、トリガパルス信号Dpの次の立ち
上がりエッジが到来し、上述のスイッチング動作を繰り
返す。このようにして、移動体1の移動動作に伴って第
1の分配電流信号E1,E2および第1の増幅電流信号
F1,F2を変化させ、コイル2,3の駆動電流I1,
I2の負極側電流値を滑らかに変化する。他の相の電流
路の切換動作も同様である。ここで、3相の第1の増幅
電流信号を指令信号Adに比例もしくは略比例して変化
させているので、指令信号Adが変化した場合にも常に
滑らかな電流路の切り換え動作を行うことができる。
【0047】また、第2の分配器38によって選択分配
された第2の分配電流信号G1,G2,G3および第2
の増幅電流信号H1,H2,H3に応動して、第2のパ
ワー増幅器15,16,17の第2のNMOS型パワー
トランジスタが通電状態になる。たとえば、第2の分配
電流信号G2および第2の増幅電流信号H2のみが選択
されている場合を考えると、第2のパワー増幅器16の
第2のNMOS型パワートランジスタ66が通電状態に
なる。第2のNMOS型パワートランジスタ66はフル
オン状態にされ、コイル3に駆動電流I2の正極側電流
を供給する電流路を形成する。直流電源50の通電電流
Igおよびコイルへの合成供給電流は、すでに説明した
ように、指令信号Adに応動した値に制御されているの
で、コイル3の駆動電流I2の正極側電流も指令信号A
dに応動した値になる。従って、指令信号Adに応動し
て変化する第2の供給電流信号C2を分配増幅した第2
の増幅電流信号を第2のパワー増幅器の通電制御端子側
に供給することにより、第2のパワー増幅器の第2のパ
ワートランジスタを確実にフルオン状態にすることがで
きる。
【0048】さらに、移動体1の移動に伴って第2の分
配電流信号を1相分もしくは2相分に交互に滑らかに分
配しているので、電流路の切換は滑らかになる。たとえ
ば、第2の分配電流信号G2,G3および第2の増幅電
流信号H2,H3が通電されている場合を考える。第2
のパワー増幅器16の第2のNMOS型パワートランジ
スタ66と第2のパワー増幅器17の第2のNMOS型
パワートランジスタ67が通電状態になる。第2の増幅
電流信号H2に応動して第2のNMOS型パワートラン
ジスタ66はオン状態(フルオン状態もしくはハーフオ
ン状態)になり、コイル3の駆動電流I2の正極側電流
を供給する。第2の増幅電流信号H3に応動して第2の
NMOS型パワートランジスタ67はオン状態(フルオ
ン状態もしくはハーフオン状態)になり、コイル4の駆
動電流I3の正極側電流を供給する。第2のNMOS型
パワートランジスタ66と67は、少なくともいずれか
一方がフルオン状態になるようにされている。このよう
にして、移動体1の移動動作に伴って第2の分配電流信
号G2,G3および第2の増幅電流信号H2,H3が変
化させ、コイル3,4の駆動電流I2,I3の正極側電
流値を滑らかに変化させる。他の相の電流路の切換動作
も同様である。ここで、3相の第2の増幅電流信号を指
令信号Adに比例もしくは略比例して変化させているの
で、指令信号Adが変化した場合にも常に滑らかな電流
路の切り換え動作を行うことができる。
【0049】図1の第1のパワー増幅器11,12,1
3の第1のNMOS型パワートランジスタ61,62,
63と第2のパワー増幅器15,16,17の第2のN
MOS型パワートランジスタ65,66,67は、指令
器20や電流検出器21やスイッチング制御器22や電
流供給器30や切換作成器34や分配作成器36や第1
の電流増幅器41,42,43や第2の電流増幅器4
5,46,47や高電圧出力器51の所要のトランジス
タや抵抗等の半導体素子と一緒に単一のシリコン基板上
に接合分離して集積回路化されている。図8に集積回路
の構造の一例を示す。P型シリコン基板上に所要のN+
層やN−層やP+層やP−層等を拡散させて各種のトラ
ンジスタを形成している。番号191は、二重拡散され
たNMOS型トランジスタの例であり、第1のNMOS
型パワートランジスタや第2のNMOS型パワートラン
ジスタとして使用する。この二重拡散NMOS型トラン
ジスタの寄生ダイオード素子は、第1のパワーダイオー
ドや第2のパワーダイオードとして使用される。
【0050】番号192は、NPN型バイポーラトラン
ジスタの例であり、信号増幅トランジスタとして使用す
る。番号193は、PNP型バイポーラトランジスタの
例であり、信号増幅トランジスタとして使用する。番号
194は、PチャンネルおよびNチャンネルのCMOS
型電界効果トランジスタの例であり、論理信号処理に使
用する。また、各トランジスタの間は、アース電位(0
V)に接続されたシリコン基板と同電位になるP層によ
って接合分離される。接合分離された集積回路は、誘電
分離された集積回路と比較して、低コストの製造プロセ
スを用いて、小さな1チップ基板上に多数のパワー用ト
ランジスタ素子や信号用トランジスタを高密度に集積化
できる。すなわち、安価に集積回路化できる。なお、具
体的なマスク配置は設計事項であり、詳細な説明を省略
する。次に、図1のモータの全体的な動作について説明
する。切換作成器34は、滑らかに変化する3相の切換
電流信号D1,D2,D3を作りだし、分配作成器36
の第1の分配器37と第2の分配器38に供給する。第
1の分配器37は、3相の第1の分離信号D1n,D2
n,D3nに応動して、第1の供給電流信号C1に比例
した3相の第1の分配電流信号E1,E2,E3を出力
する。第1の電流増幅器41,42,43は、それぞれ
第1の分配電流信号E1,E2,E3を電流増幅した第
1の増幅電流信号F1,F2,F3を出力し、第1のパ
ワー増幅器11,12,13の各通電制御端子側に供給
する。第1のパワー増幅器11,12,13の第1のN
MOS型パワートランジスタ61,62,63は、スイ
ッチング制御器22のスイッチング制御信号W1に応動
した制御パルス信号Y1,Y2,Y3によってオン・オ
フの高周波スイッチング動作する。
【0051】スイッチング制御信号W1が”Lb”の時
には、第1のパワー増幅器11,12,13はそれぞれ
第1の増幅電流信号F1,F2,F3を電流増幅動作
し、3相のコイル2,3,4に駆動電流I1,I2,I
3の負極側電流を供給する電流路を形成する。スイッチ
ング制御信号W1が”Hb”時には、第1のパワー増幅
器11,12,13の第1のNMOS型パワートランジ
スタ61,62,63はすべてオフになる。このとき、
3相のコイル2,3,4に駆動電流I1,I2,I3の
負極側電流を連続的に供給する電流路は、第2のパワー
増幅器15,16,17の第2のパワーダイオード65
d,66d,67dによって形成される。その結果、第
1のパワー増幅器11,12,13が高周波スイッチン
グ動作しているにもかかわらず、コイルへの駆動電流は
滑らかに変化させることができる。その結果、第1のパ
ワー増幅器11,12,13による電流路の切換動作は
滑らかにできる。
【0052】電流検出器21は直流電源50の通電電流
Igを検出し、通電電流Igに応動した電流検出信号A
gを出力する。スイッチング制御器22は、指令器20
の指令信号Adと電流検出器21の電流検出信号Agの
両者を比較し、その比較結果に応動してスイッチング制
御信号W1を変化させ、第1のパワー増幅器11,1
2,13の第1のNMOS型パワートランジスタ61,
62,63(および第1のパワー部カレントミラー回
路)を同時にオフさせる。その結果、第1のパワー増幅
器11,12,13の第1のNMOS型パワートランジ
スタ61,62,63のうちで1個もしくは2個の電界
効果型パワートランジスタが単一のパルス信号W1に応
動してオン・オフの高周波スイッチング動作を行ない、
直流電源50の通電電流Igおよびコイルへの合成供給
電流を指令信号Adに応動した値に制御する。なお、電
流供給器30と第1の分配器37と第1の電流増幅器4
1,42,43は第1の分配制御ブロックを形成し、第
1のパワー増幅器11,12,13の第1のNMOS型
パワートランジスタ61,62,63の通電区間を制御
している。
【0053】一方、第2の分配器38は、3相の第2の
分離信号D1p,D2p,D3pに応動して、第2の供
給電流信号C2に比例した3相の第2の分配電流信号G
1,G2,G3を出力する。第2の電流増幅器45,4
6,47は、それぞれ第2の分配電流信号G1,G2,
G3を電流増幅した第2の増幅電流信号H1,H2,H
3を出力し、第2のパワー増幅器15,16,17の各
通電制御端子側に供給する。第1のパワー増幅器11,
12,13がオン・オフの高周波スイッチング動作して
いるにもかかわらず、第2のパワー増幅器15,16,
17はそれぞれ第2の増幅電流信号H1,H2,H3を
増幅して出力し、3相のコイル2,3,4に駆動電流I
1,I2,I3の正極側電流を供給する。その結果、第
2のパワー増幅器15,16,17による電流路の切換
動作は滑らかにできる。なお、電流供給器30と第2の
分配器38と第2の電流増幅器45,46,47は第2
の分配制御ブロックを形成し、第2のパワー増幅器1
5,16,17の第2のNMOS型パワートランジスタ
65,66,67の通電区間を制御している。
【0054】このように、立ち上がり傾斜部分および立
ち下がり傾斜部分において滑らかに変化する3相の第1
の増幅電流信号F1,F2,F3を第1のパワー増幅器
11,12,13の通電制御端子側に供給し、スイッチ
ング制御器22の制御パルス信号Y1,Y2,Y3によ
って第1のパワー増幅器11,12,13の通電制御端
子側をオン・オフのスイッチングした。これにより、第
1のNMOS型パワートランジスタ61,62,63を
単一のスイッチング制御信号W1に応動してオン・オフ
の高周波スイッチング動作させながらも、コイル2,
3,4に供給する駆動電流I1,I2,I3の負極側電
流を滑らかに変化させることができる。
【0055】また、立ち上がり傾斜部分および立ち下が
り傾斜部分において滑らかに変化する3相の第2の増幅
電流信号H1,H2,H3を第2のパワー増幅器15,
16,17の通電制御端子側に供給した。これにより、
コイル2,3,4への正極側電流を滑らかに変化させる
ことができる。その結果、第1のパワー増幅器11,1
2,13と第2のパワー増幅器15,16,17による
コイル2,3,4への駆動電流I1,I2,I3は脈動
が極めて少ない滑らかな電流波形になる。これにより、
モータの発生駆動力の脈動は大幅に小さくなり、振動・
騒音が少ない高性能なモータを実現できる。
【0056】さらに、3相の第1の増幅電流信号を指令
信号Adに比例もしくは略比例して変化させ、常に適切
な入力電流が第1のパワー増幅器の通電制御端子側に供
給されるようにした。これにより、指令信号Adに応動
してコイルへの駆動電流が変化した場合であっても、滑
らかに変化する駆動電流をコイルに供給でき、常に滑ら
かな電流路の切換動作を実現できる。また、3相の増幅
電流信号を指令信号Adに比例もしくは略比例して変化
させ、常に適切な入力電流が第2のパワー増幅器の通電
制御端子側に供給されるようにした。これにより、指令
信号Adに応動してコイルへの駆動電流が変化した場合
であっても、滑らかに変化する駆動電流をコイルに供給
でき、常に滑らかな電流路の切換動作を実現できる。ま
た、第1の分配器37と第2の分配器38の動作によっ
て、同一相の第1の分配電流信号と第2の分配電流信号
は相補的に流れるので、第1のパワー増幅器の第1のN
MOS型パワートランジスタと第2のパワー増幅器の第
2のNMOS型パワートランジスタも相補的に動作す
る。従って、滑らかに連続的に変化する両方向の駆動電
流がコイルに供給され、かつ、同一相の第1のパワート
ランジスタと第2のパワートランジスタによる短絡電流
は生じない。
【0057】本実施例では、第1のパワー増幅器の第1
のNMOS型パワートランジスタをオン・オフの高周波
スイッチング動作させているので、第1のパワー増幅器
の電力損失は小さい。第2のパワー増幅器の第2のNM
OS型パワートランジスタをオン動作させているので、
第2のパワー増幅器の電力損失は小さい。従って、電力
効率の非常に良いモータになる。また、第1の増幅電流
信号や第2の増幅電流信号を指令信号Adに応動して変
化させているので、第1のパワー増幅器や第2のパワー
増幅器への入力電流による電力損失も小さくしている。
【0058】また、本実施例では、立ち上がり傾斜部分
や立ち下がり傾斜部分において滑らかに変化する3相の
第1の増幅電流信号F1,F2,F3(第1の3相の電
流信号)を3個の第1のパワー増幅器の通電制御端子側
に供給した。これにより、第1のパワー増幅器11,1
2,13の第1のNMOS型パワートランジスタ61,
62,63のうちで1個もしくは2個の第1のNMOS
型パワートランジスタをオン・オフの高周波スイッチン
グ動作させながらも、コイル2,3,4への駆動電流I
1,I2,I3の負極側電流を滑らかに変化させた。同
様に、立ち上がり傾斜部分や立ち下がり傾斜部分におい
て滑らかに変化する3相の第2の増幅電流信号H1,H
2,H3(第2の3相の電流信号)を3個の第2のパワ
ー増幅器の通電制御端子側に供給した。これにより、第
2のパワー増幅器15,16,17の第2のNMOS型
パワートランジスタ65,66,67のうちで1個もし
くは2個の第2のNMOS型パワートランジスタをオン
動作させながらも、コイル2,3,4への駆動電流I
1,I2,I3の正極側電流を滑らかに変化させた。
【0059】これにより、電流路の切換動作を滑らかに
でき、駆動電流の脈動を小さくし、発生駆動力の脈動や
モータ振動を著しく低減した。また、第1の3相の電流
信号や第2の3相の電流信号の少なくとも傾斜部分を指
令信号Adに応動して変化させることにより、モータ負
荷に応動して指令信号Adが変化した場合でも常に滑ら
かな電流路の切換動作を実現できる。なお、パワー増幅
器の通電制御端子側に供給する電流信号は、実質的に滑
らかに変化する電流信号で有れば良く、たとえば、階段
状のステップ的もしくは段階状のディジタル的に値を変
化させる電流信号であっても良い。また、立ち上がり傾
斜部分と立ち下がり傾斜部分と平坦部分などのなかで、
少なくとも立ち上がり傾斜部分および/または立ち下が
り傾斜部分において実質的に滑らかに変化する電流信号
をパワー増幅器の通電制御端子側に供給することによ
り、電流路の切換動作を滑らかにできる。
【0060】また、本実施例では、電流検出器21は直
流電源50の通電電流Igに応動した電流検出信号Ag
を得ている。従って、電流検出器21の電流検出信号A
gは3相のコイルへの合成供給電流(駆動電流I1,I
2,I3の負極側電流もしくは正極側電流の合成値)に
対応して変化する。スイッチング制御器22は指令信号
Adと電流検出器21の出力信号Agを比較し、その比
較結果に応動して第1のパワー増幅器11,12,13
の第1のNMOS型パワートランジスタ61,62,6
3をオン・オフのパルス的な高周波スイッチング動作さ
せる。すなわち、トリガパルス信号Dpの繰り返しタイ
ミングにおいてスイッチング制御器22のスイッチング
制御信号W1を”Lb”に変化させ、第1の3相電流信
号F1,F2,F3に応動して第1のパワー増幅器の第
1のNMOS型パワートランジスタを通電状態に変化さ
せる。
【0061】電流検出器21の出力信号Agが指令信号
Adよりも大きくなった瞬間に、スイッチング制御器2
2のスイッチング制御信号W1を”Hb”に変化させ、
3個の第1のパワー増幅器11,12,13の第1のN
MOS型パワートランジスタ61,62,63を同時に
オフ状態にする。これにより、1相もしくは2相のコイ
ルに負極側の駆動電流を供給しながらも、指令信号Ad
に応動して通電電流Igを制御でき、モータの発生駆動
力を指令信号Adに応動した値に正確に制御できる。ま
た、指令信号Adと電流検出器21の出力信号Agの比
較結果に応動した単一のパルス信号(スイッチング制御
信号W1)により、3個の第1のパワー増幅器を同時に
オン・オフの高周波スイッチング動作をさせた。これに
より、極めて簡素な構成によって、3相コイルへの駆動
電流の正確な制御を実現した。すなわち、全体構成が極
めて簡素になる。また、高周波スイッチングのタイミン
グを決めるパルス信号が1個であるから、検出タイミン
グの管理が簡単であり、電流検出動作および電流制御動
作が安定になる。なお、スイッチング制御器22と電流
検出器21は、パワー増幅器のスイッチング動作を制御
するスイッチング動作ブロックを形成している。
【0062】本実施例では、集積回路化に好適のモータ
構成になっている。パワー素子としてパワートランジス
タとその寄生素子として形成されるパワーダイオードを
使用して構成しているので、部品点数が少なく、これら
のパワー素子を小さなチップ上に集積回路化することが
可能である。また、指令器20,電流検出器21,スイ
ッチング制御器22,電流供給器30,切換作成器3
4,分配作成器36(第1の分配器37と第2の分配器
38),3個の第1の電流増幅器41,42,43,3
個の第2の電流増幅器45,46,47,高電圧出力器
51の所要のトランジスタや抵抗等の半導体素子を、パ
ワートランジスタと同一チップ上に集積回路化できる。
【0063】また、各パワー素子における発熱を極めて
小さくしているので、集積回路化に適した構成になって
いる。すなわち、第1のNMOS型パワートランジスタ
をオン・オフの高周波スイッチング動作させ、第2のN
MOS型パワートランジスタをオン動作させているの
で、第1のNMOS型パワートランジスタや第2のNM
OS型パワートランジスタや第1のパワーダイオードや
第2のパワーダイオードにおける電力損失・発熱が極め
て小さい。従って、これらのパワー素子を1チップに集
積回路化しても、熱破壊が生じることはない。また、放
熱板等の発熱対策は不要である。
【0064】また、本実施例では、接合分離部分に形成
される寄生トランジスタ素子の動作を防止し、集積回路
化に適した構成にしている。図8に示したような接合分
離技術を用いた集積回路は、高密度集積に適した低コス
トのICを実現できる。しかし、直流電源の負極端子側
(アース電位)に接続された接合分離部分をベース端子
とする多数の寄生トランジスタ素子が形成される欠点が
ある。通常、これらの寄生トランジスタが動作しないよ
うに、逆バイアスされている。しかし、集積されたトラ
ンジスタの端子電位がアース電位よりもダイオードの順
方向電圧分低くなると、寄生トランジスタが動作し、他
の集積されたトランジスタから電流を抜き取る現象が生
じる。モータのように、インダクタンス作用を有するコ
イルに大電流を供給する用途では、寄生トランジスタが
動作すると、集積トランジスタの働きを著しく妨害する
恐れがある。特に、コイルに電流を供給するパワートラ
ンジスタをオン・オフの高周波スイッチングを行わせる
場合には、コイル電圧がパルス的に暴れやすく、寄生ト
ランジスタが動作しやすい。
【0065】これに対して、本実施例では、第1のパワ
ー増幅器の第1のNMOS型パワートランジスタのみを
オン・オフの高周波スイッチング動作させ、コイルに電
流を供給する構成にした。第1のNMOS型パワートラ
ンジスタの電流流出端子側は直流電源の負極端子側に接
続されているので、高周波スイッチング動作を行わせて
も、第1のNMOS型パワートランジスタの電流流入端
子側電位および電流流出端子側電位はアース電位以下に
ならない。また、第1のNMOS型パワートランジスタ
の電流流入端子側電位は直流電源50の正極端子電位以
上になるが、集積トランジスタの動作を妨害する寄生ト
ランジスタの動作は起こらない。従って、第1のNMO
S型パワートランジスタが高周波スイッチングを行って
も、安定な回路動作を得ることができる。また、第2の
パワー増幅器の第2のNMOS型パワートランジスタは
電流路を滑らかに切り換えている。従って、第2のNM
OS型パワートランジスタによる電流路の切換動作を行
っても、コイルの各電力供給端子側電位は直流電源50
の負極端子側電位以下にならない。
【0066】従って、第1のパワー増幅器の第1のNM
OS型パワートランジスタや第2のパワー増幅器の第2
のNMOS型パワートランジスタによる電流路の切換動
作や高周波スイッチング動作を行っても、寄生トランジ
スタによる妨害動作は生じない。その結果、第1のNM
OS型パワートランジスタや第2のNMOS型パワート
ランジスタを他のトランジスタと一緒に1チップの集積
回路化しても、集積回路内のトランジスタを安定に回路
動作させることができる。これにより、3相のコイルへ
の電流路を電子的に滑らかに切り換えるモータの回路部
分を、寄生トランジスタ素子による妨害動作を心配する
ことなく、1チップのシリコン基板上に集積回路化する
ことが可能になる。
【0067】また、本実施例では、第1のパワー増幅器
を第1の電界効果型パワー部カレントミラー回路によっ
て構成し、第2のパワー増幅器を第2の電界効果型パワ
ー部カレントミラー回路によって構成し、第1のパワー
増幅器11,12,13と第2のパワー増幅器15,1
6,17の電流増幅率のばらつきを大幅に小さくした。
また、切換信号に応動して滑らかに変化する第1の3相
の電流信号F1,F2,F3を作りだし、立ち上がり傾
斜部分と立ち下がり傾斜部分と平坦部分などのなかで、
少なくとも立ち上がり傾斜部分および/または立ち下が
り傾斜部分において実質的に滑らかに変化する第1の3
相の電流信号F1,F2,F3を、3個の第1のパワー
増幅器11,12,13の通電制御端子側に供給した。
【0068】また、切換信号に応動して滑らかに変化す
る第2の3相の電流信号H1,H2,H3を作りだし、
立ち上がり傾斜部分と立ち下がり傾斜部分と平坦部分な
どのなかで、少なくとも立ち上がり傾斜部分および/ま
たは立ち下がり傾斜部分において実質的に滑らかに変化
する第2の3相の電流信号H1,H2,H3を、3個の
第2のパワー増幅器15,16,17の通電制御端子側
に供給した。これにより、第1のパワー増幅器の第1の
電界効果型パワートランジスタ61,62,63をオン
・オフの高周波スイッチング動作させながらも、3個の
第1の電界効果型パワートランジスタ61,62,63
および3個の第2の電界効果型パワートランジスタ6
5,66,67による電流路の切換動作を滑らかに行わ
せた。その結果、駆動電流の脈動やモータ振動や騒音は
著しく小さくできた。なお、電界効果型パワートランジ
スタを集積回路化することにより、電界効果型パワー部
カレントミラー回路の電流増幅率のばらつきをさらに低
減できる。また、第1のパワー増幅器と第1の分配制御
ブロックの合成伝達利得および第2のパワー増幅器と第
2の分配制御ブロックの合成伝達利得のばらつきが小さ
くなる利点もある。
【0069】また、指令信号Adに応動して電流供給器
30の第1の供給電流信号C1と第2の供給電流信号C
2を変化させることにより、第1の3相の電流信号や第
2の3相の電流信号を指令信号Adに応動して変化させ
た。これにより、3個の第1のNMOS型パワートラン
ジスタのうちで少なくとも1個の第1のNMOS型パワ
ートランジスタをフルオン状態とオフ状態の高周波スイ
ッチング動作させながらも、滑らかに電流路の切換動作
を行わせることができた。また、3個の第2のNMOS
型パワートランジスタのうちで少なくとも1個の第2の
NMOS型パワートランジスタを確実にフルオン動作さ
せながらも、滑らかに電流路の切換動作を行わせること
ができた。このように構成することにより、指令信号A
dに応動した起動時の大電流供給時であっても定常制御
時の小電流供給時であっても、実質的に滑らかに変化す
る適切な傾斜部分を持った第1の3相の電流信号を第1
のパワー増幅器の通電制御端子側に供給でき、実質的に
滑らかに変化する適切な傾斜部分を持った第2の3相の
電流信号を第2のパワー増幅器の通電制御端子側に供給
できる。
【0070】その結果、脈動の少ない駆動電流をコイル
に供給でき、発生駆動力の脈動は著しく小さくなる。な
お、滑らかな電流路の切り換えを行うためには、第1の
3相の電流信号F1,F2,F3のそれぞれの角度幅を
電気角で120度よりも広くすることが重要であり、1
80度もしくは略180度にすることが最も好ましい。
しかし、150度以上でも効果はある。また、滑らかな
電流路の切り換えを行うためには、第2の3相の電流信
号H1,H2,H3のそれぞれの角度幅を電気角で12
0度よりも広くすることが重要であり、180度もしく
は略180度にすることが最も好ましい。しかし、15
0度以上でも効果はある。
【0071】さらに、本実施例では、第1相目を形成す
る第1の3相の電流信号F1と第2の3相の電流信号H
1は電気角で180度の位相差を有し、相補的に流れる
ようになっている。第2相目を形成する第1の3相の電
流信号F2と第2の3相の電流信号H2についても同様
であり、第3相目を形成する第1の3相の電流信号F3
と第2の3相の電流信号H3についても同様である。こ
れにより、同一相の第1のパワー増幅器と第2のパワー
増幅器が同時に通電状態になることが生じない。その結
果、短絡電流が発生しないので、パワートランジスタの
電流破壊や熱破壊は生じない。
【0072】なお、本実施例では、第1のパワー増幅器
11,12,13と第2のパワー増幅器15,16,1
7と指令器20と電流検出器21とスイッチング制御器
22と電流供給器30と切換作成器34と分配作成器3
6(第1の分配器37と第2の分配器38)と第1の電
流増幅器41,42,43と第2の電流増幅器45,4
6,47と高電圧出力器51によって、3相の負荷(コ
イル2,3,4)への駆動電流を供給する駆動回路を形
成しているまた、本実施例の切換作成器34は、2個の
磁電変換素子を使用して3相の位置検出信号を得る位置
検出部100を含んで構成した。しかし、3個の磁電変
換素子を用いても構成できる。また、そのような検出素
子を用いることなく、たとえば、コイル2,3,4に生
じる逆起電力を利用して切換信号D1,D2,D3を作
り出しても良い。
【0073】また、第1の3相の電流信号F1,F2,
F3もしくは第2の3相の電流信号H1,H2,H3
は、立ち上がり傾斜部分や立ち下がり傾斜部分において
実質的に時間的に傾斜を持って切り換わればよい。これ
により、駆動電流I1,I2,I3も立ち上がり傾斜部
分や立ち下がり傾斜部分において時間的に傾斜を持って
滑らかに電流路を切り換えていく。さらに、駆動電流の
極性が変化する時に連続的に電流値を変化させることが
好ましいが、同一相の第1の3相の電流信号と第2の3
相の電流信号が同時に零になる期間があり、その相の駆
動電流を零にする時間が存在してもかまわない。しか
し、各第1のNMOS型パワートランジスタの通電角度
幅を電気角で120度よりも大きくし(好ましくは15
0度以上)、2個の第1のNMOS型パワートランジス
タが同時に通電状態になる期間を設けることにより、モ
ータ振動は小さくなる。また、各第2のNMOS型パワ
ートランジスタの通電角度幅を電気角で120度よりも
大きくし(好ましくは150度以上)、2個の第2のN
MOS型パワートランジスタが同時に通電状態になる期
間を設けることにより、モータ振動は小さくなる。この
とき、各第1のNMOS型パワートランジスタの通電角
度幅を180度に等しくもしくは略等しくすることが、
最も好ましい。また、各第2のNMOS型パワートラン
ジスタの通電角度幅を180度に等しくもしくは略等し
くすることが、最も好ましい。
【0074】また、本実施例において、第1のパワー増
幅器11,12,13や第2のパワー増幅器15,1
6,17は図1に示された構成に限らず、種々の変形が
可能である。たとえば、第1のパワー増幅器11,1
2,13や第2のパワー増幅器15,16,17のそれ
ぞれの代わりに、図10に示した構成のパワー増幅器4
50を使用しても良い。パワー増幅器450は電界効果
型パワートランジスタ451とパワーダイオード451
dと電界効果型トランジスタ452と抵抗453を有
し、電界効果型パワー部カレントミラー回路を含んで構
成されている。この電界効果型パワー部カレントミラー
回路は、電界効果型パワートランジスタ451の制御端
子側が電界効果型トランジスタ452の制御端子側に
(直接あるいは例えば抵抗などの何らかの要素を介し
て)接続され、電界効果型トランジスタ452の電流路
端子対の一方の端子側が電界効果型パワートランジスタ
451の電流路端子対の一方の端子側に抵抗453を介
して接続され、電界効果型トランジスタ452の電流路
端子対のもう一方の端子側がパワー増幅器450の通電
制御端子側に(直接あるいは何らかの要素を介して)接
続され、かつ電界効果型トランジスタ452の制御端子
側がパワー増幅器452の通電制御端子側に(直接ある
いは何らかの要素を介して)接続されるように構成され
ている。この電界効果型パワー部カレントミラー回路
は、通電制御端子側への入力電流が小さい時から大きな
電流増幅率を有し、パワー増幅器への入力電流を小さく
できる利点がある。
【0075】また、たとえば、図11に示した構成のパ
ワー増幅器460を使用しても良い。パワー増幅器46
0はNMOS型パワートランジスタ461とパワーダイ
オード461dとNMOS型トランジスタ462と抵抗
463を有し、電界効果型パワー部カレントミラー回路
を含んで構成されている。電界効果型パワー部カレント
ミラー回路は、電界効果型パワートランジスタ461の
制御端子側が電界効果型トランジスタ462の制御端子
側に(直接あるいは何らかの要素を介して)接続され、
電界効果型トランジスタ462の電流路端子対の一方の
端子側がパワー増幅器460の通電制御端子側に抵抗4
63を介して接続され、電界効果型トランジスタ462
の電流路端子対のもう一方の端子側が電界効果型パワー
トランジスタ461の電流路端子対の一方の端子側に
(直接あるいは何らかの要素を介して)接続され、かつ
電界効果型トランジスタ462の制御端子側がパワー増
幅器460の通電制御端子側に(直接あるいは何らかの
要素を介して)接続されるように構成されている。この
電界効果型パワー部カレントミラー回路は、通電制御端
子側への入力電流が小さい内は所定の電流増幅率を有
し、入力電流が大きくなると、その電流増幅率が急激に
大きくなる。これにより、モータの起動時のように大電
流をコイルに供給する場合に、パワー増幅器への入力電
流を小さくできる利点がある。なお、NMOS型パワー
トランジスタ451とパワーダイオード451dやNM
OS型パワートランジスタ461とパワーダイオード4
61dは二重拡散NチャンネルMOS構造の電界効果型
パワートランジスタとその寄生ダイオード素子によって
構成でき、集積回路化は容易である。
【0076】また、本実施例において、スイッチング制
御器22のスイッチングパルス回路330には、種々の
変形が可能である。たとえば、スイッチングパルス回路
330の代わりに図12に示した構成のスイッチングパ
ルス回路480が使用可能である。スイッチングパルス
回路480の比較回路481は、指令信号Adと電流検
出信号Agを比較した比較出力信号Crを出力する。す
なわち、電流検出信号Agが指令信号Adよりも小さい
時に比較出力信号Crは”Lb”になり、電流検出信号
Agが指令信号Adよりも大きくなると比較出力信号C
rは”Hb”に変わる。時定数回路482は、比較回路
481の比較出力信号Crの立ち上がりエッジ(”L
b”から”Hb”への変化時点)をトリガとして、所定
の時間幅Wpだけ”Hb”になるスイッチング制御信号
W1を発生する。この時間幅Wpはコンデンサ483へ
の充放電によって決められる。
【0077】スイッチング制御信号W1が”Lb”の時
には、制御パルス信号Y1,Y2,Y3をオフ(非通電
状態)にし、第1の増幅電流信号F1,F2,F3に応
じて第1のパワー増幅器11,12,13がオン状態
(フルオン状態もしくはハーフオン状態)になり、コイ
ル2,3,4への電流路を形成する。スイッチング制御
信号W1が”Hb”になると、制御パルス信号Y1,Y
2,Y3がオン(電流通電状態)になり、第1のパワー
増幅器11,12,13の第1のNMOS型パワートラ
ンジスタ61,62,63は同時にオフになる。
【0078】これにより、電流検出信号Agが指令信号
Adよりも小さい時にスイッチング制御信号W1が”L
b”になり、第1のパワー増幅器はオン状態になる。直
流電源50の通電電流Igが増加し、電流検出信号Ag
が指令信号Adよりも大きくなったタイミングにおい
て、比較出力信号Crは”Hb”に変化する。比較回路
481の比較出力信号Crの立ち上がりエッジによって
時定数回路482がトリガされ、スイッチング制御器信
号W1は所定時間幅Wpだけ”Hb”になる。その結
果、第1のパワー増幅器11,12,13は所定の時間
幅Wbの間は同時にオフ状態になる。第1のパワー増幅
器がオフになってから所定時間幅Wpを経過後に、スイ
ッチング制御信号W1は”Lb”に変わり、再度、第1
のパワー増幅器はオン状態になる。このようにして、第
1のパワー増幅器11,12,13の第1のNMOS型
パワートランジスタ61,62,63はオン・オフの高
周波スイッチング動作を行う。また、移動体1の移動動
作に伴って、コイル2,3,4への電流路は滑らかに切
り換えられていく。
【0079】《実施例2》図13から図15に本発明の
実施例2のモータを示す。図13に全体構成を示す。本
実施例は、前述の実施例1において、さらに、補助供給
器500と第1の合成器81,82,83と第2の合成
器85,86,87を設けたものである。その他の構成
において、前述の実施例1と同様なものには同一の番号
を付し、詳細な説明を省略する。図13の補助供給器5
00は、切換作成器34の出力信号に応動して3相の第
1の補助電流信号F4,F5,F6と3相の第2の補助
電流信号H4,H5,H6を供給する。図14に補助供
給器500の具体的な構成を示す。補助供給器500は
補助切換作成部510と補助電流切換部520によって
構成されている。補助切換作成部510は、切換作成器
34の3相の位置検出信号Ja1,Jb1,Jc1が入
力され、これらの位置検出信号に応動した補助切換信号
J4〜J9を出力する。
【0080】図15に補助切換作成部510の具体的な
構成例を示す。補助切換作成部510のコンパレータ回
路541,542,543は、それぞれ、3相の位置検
出信号Ja1,Jb1,Jc1の内の2相の信号を比較
し、比較結果に応動した3相のディジタル信号Jd,J
e,Jfを出力する。図16(a)〜(c)にディジタ
ル信号Jd,Je,Jfの波形関係を示す。これらの3
相のディジタル信号Jd,Je,Jfは、反転回路55
1,552,553とアンド回路561〜567によっ
て論理合成され、補助切換信号J4〜J9を作りだす。
図16(d)〜(i)に補助切換信号J4〜J9の波形
関係を示す。ディジタル信号Jd,Je,Jfは、それ
ぞれ電気角で180度もしくは略180度の角度幅にわ
たって”Hb”、残りの180度の角度幅にわたって”
Lb”になる。また、ディジタル信号Jd,Je,Jf
は、120度の位相差を有する3相の信号になる。補助
切換信号J4,J5,J6は、それぞれ電気角で120
度もしくは略120度の角度幅にわたって”Hb”にな
り、残りの240度の角度幅にわたって”Lb”にな
る。これらの補助切換信号J4,J5,J6は、順番に
変化する3相のディジタル信号である。また、補助切換
信号J7,J8,J9は、それぞれ電気角で120度も
しくは略120度の角度幅にわたって”Hb”になり、
残りの240度の角度幅にわたって”Lb”になる。こ
れらの補助切換信号J7,J8,J9は、順番に変化す
る3相のディジタル信号である。
【0081】図14の補助切換作成部510の補助切換
信号J4〜J9は、補助電流切換部520に入力され
る。補助電流切換部520は、3個の第1の電流源52
1,522,523と3個の第2の電流源525,52
6,527と3個の第1のスイッチ回路531,53
2,533と3個の第2のスイッチ回路535,53
6,537を有している。第1の電流源521,52
2,523と第2の電流源525,526,527は、
高電圧出力器51の高電位点電位Vuから流出する方向
に接続されている。第1のスイッチ回路531,53
2,533は、補助切換作成部510の補助切換信号J
4,J5,J6が”Hb”になるとスイッチをオンにす
る。これにより、第1の電流源521,522,523
の電流を補助切換信号J4,J5,J6に応動して出力
し、3相の第1の補助電流信号F4,F5,F6を作り
だす。また、第2のスイッチ回路535,536,53
7は、補助切換作成部510の補助切換信号J7,J
8,J9が”Hb”になるとスイッチをオンにする。こ
れにより、第2の電流源525,526,527の電流
を補助切換信号J7,J8,J9に応動して出力し、3
相の第2の補助電流信号H4,H5,H6を作りだす。
図17(a),(b),(c)に第1の補助電流信号F
4,F5,F6の波形を示し、図17(d),(e),
(f)に第2の補助電流信号H4,H5,H6の波形を
示す。
【0082】図13の第1の合成器81は単純に結節点
で構成され、第1の電流増幅器41の第1の増幅電流信
号F1と第1の補助電流信号F4を加算合成し、第1の
合成電流信号F1+F4を出力する。第1の合成器82
は単純に結節点で構成され、第1の電流増幅器42の第
1の増幅電流信号F2と第1の補助電流信号F5を加算
合成し、第1の合成電流信号F2+F5を出力する。第
1の合成器83は単純に結節点で構成され、第1の電流
増幅器43の第1の増幅電流信号F3と第1の補助電流
信号F6を加算合成し、第1の合成電流信号F3+F6
を出力する。第2の合成器85は単純に結節点で構成さ
れ、第2の電流増幅器45の第2の増幅電流信号H1と
第2の補助電流信号H4を加算合成し、第2の合成電流
信号H1+H4を出力する。第2の合成器86は単純に
結節点で構成され、第2の電流増幅器46の第2の増幅
電流信号H2と第2の補助電流信号H5を加算合成し、
第2の合成電流信号H2+H5を出力する。第2の合成
器87は単純に結節点で構成され、第2の電流増幅器4
7の第2の増幅電流信号H3と第2の補助電流信号H6
を加算合成し、第2の合成電流信号H3+H6を出力す
る。
【0083】図17(g)に第1の増幅電流信号F1,
F2,F3の波形を示し、図17(h)に第2の増幅電
流信号H1,H2,H3の波形を示す。また、図17
(i)に第1の合成電流信号F1+F4,F2+F5,
F3+F6の波形を示し、図17(j)に第2の合成電
流信号H1+H4,H2+H5,H3+H6の波形を示
す。第1の合成電流信号F1+F4,F2+F5,F3
+F6は、零からの立ち上がり傾斜部分および零への立
ち下がり傾斜部分において、約30度の角度幅(電気
角)にわたって滑らかに変化する第1の3相の電流信号
になっている。同様に、第2の合成電流信号H1+H
4,H2+H5,H3+H6は、零からの立ち上がり傾
斜部分および零への立ち下がり傾斜部分において、約3
0度の角度幅(電気角)にわたって滑らかに変化する第
2の3相の電流信号になっている。
【0084】第1の合成電流信号F1+F4,F2+F
5,F3+F6は、それぞれ第1のパワー増幅器11,
12,13の通電制御端子側に供給され、第1のNMO
S型パワートランジスタ61,62,63の通電を分配
制御し、コイル2,3,4への電流路を滑らかに切り換
える。実際には、第1のNMOS型パワートランジスタ
61,62,63はスイッチング制御器22によってオ
ン・オフの高周波スイッチング動作を制御されながら、
第1の合成電流信号に応動してコイルへの通電の分配制
御を行っている。同様に、第2の合成電流信号H1+H
4,H2+H5,H3+H6は、それぞれ第2のパワー
増幅器15,16,17の通電制御端子側に供給され、
第2のNMOS型パワートランジスタ65,66,67
の通電を分配制御し、コイル2,3,4への電流路を滑
らかに切り換える。
【0085】その他の構成及び動作は、前述の実施例1
と同様であり、詳細な説明を省略する。本実施例では、
第1のパワー増幅器の通電制御端子側に供給される3相
の第1の合成電流信号(第1の3相の電流信号)を、そ
れぞれ、少なくとも立ち上がり傾斜部分および/または
立ち下がり傾斜部分において滑らかに変化させ、第1の
NMOS型パワートランジスタによる電流路の切換動作
を滑らかにし、滑らかに変化する駆動電流をコイルに供
給した。このとき、第1の合成電流信号に第1の補助電
流信号を含ませることにより、支配的に電流路を形成す
る第1のNMOS型パワートランジスタのオン抵抗を小
さくし、電力損失を低減した。また、第1のパワー増幅
器の通電制御端子側をスイッチング制御器の制御パルス
信号Y1,Y2,Y3によりオン・オフさせ、第1のN
MOS型パワートランジスタを高周波スイッチング動作
させて、電力損失を大幅に低減させた。
【0086】同様に、第2のパワー増幅器の通電制御端
子側に供給される3相の第2の合成電流信号(第2の3
相の電流信号)を、それぞれ、少なくとも立ち上がり傾
斜部分および/または立ち下がり傾斜部分において滑ら
かに変化させ、第2のNMOS型パワートランジスタに
よる電流路の切換動作を滑らかにし、滑らかに変化する
駆動電流をコイルに供給した。このとき、第2の合成電
流信号に第2の補助電流信号を含ませることにより、支
配的に電流路を形成する第2のNMOS型パワートラン
ジスタのオン抵抗を小さくし、電力損失を低減した。こ
れにより、第1のパワー増幅器の第1のNMOS型パワ
ートランジスタと第2のパワー増幅器の第2のNMOS
型パワートランジスタの電力損失を大幅に低減でき、モ
ータの電力効率は大幅に改善される。また、コイルへの
駆動電流の脈動が低減でき、モータ振動や騒音を大幅に
小さくできる。
【0087】前述の実施例の具体的な構成では、第1の
合成電流信号の通電幅を180度もしくは略180度に
し、第1の補助電流信号の通電幅を120度もしくは略
120度にした。その結果、第1の合成電流信号は、立
ち上がり傾斜部分の30度もしくは略30度の角度幅を
滑らかに変化し、立ち下がり傾斜部分の30度もしくは
略30度の角度幅を滑らかに変化する。これにより、滑
らかな電流路の切換動作と第1のNMOS型パワートラ
ンジスタのオン抵抗による電力損失の低減を同時に実現
した。また、3相の第1の補助電流信号F4,F5,F
6を順番に切り換えて供給し、いずれか1個の第1の補
助電流信号を供給するようにした。また、同一期間に2
個以上の第1の補助電流信号が重複して流れないように
した。
【0088】また、第2の合成電流信号の通電幅を18
0度もしくは略180度にし、第2の補助電流信号の通
電幅を120度もしくは略120度にした。その結果、
第2の合成電流信号は、立ち上がり傾斜部分の30度も
しくは略30度の角度幅を滑らかに変化し、立ち下がり
傾斜部分の30度もしくは略30度の角度幅を滑らかに
変化する。これにより、滑らかな電流路の切換動作と第
2のNMOS型パワートランジスタのオン抵抗による電
力損失の低減を同時に実現した。また、3相の第2の補
助電流信号H4,H5,H6を順番に切り換えて供給
し、いずれか1個の第2の補助電流信号を供給するよう
にした。また、同一期間に2個以上の第2の補助電流信
号が重複して流れないようにした。しかし、これらの角
度幅は、適時、変更が可能である。第1の合成電流信号
や第2の合成電流信号の角度幅は、たとえば、150度
にしても良い。また、第1の補助電流信号や第2の補助
電流信号の角度幅も120度と異ならせることも可能で
ある。さらに、本実施例でも、前述の実施例1と同様な
各種の利点を得ることができる。
【0089】《実施例3》図18と図19に本発明の実
施例3のモータを示す。図18に全体構成を示す。本実
施例は、前述の実施例2において、補助供給器500の
出力電流信号をパワー増幅器の通電制御端子側に直接供
給するようにしたものである。その他の構成において、
前述の実施例1もしくは実施例2と同様なものには同一
の番号を付し、詳細な説明を省略する。図18におい
て、第1のパワー増幅器611は、通電制御端子側の第
1端子に第1の電流増幅器41の第1の増幅電流信号F
1が入力され、通電制御端子側の第2端子に補助供給器
500の第1の補助電流信号F4が入力され、通電制御
端子側の第3端子にスイッチング制御器22の制御パル
ス信号Y1が入力されている。
【0090】同様に、第1のパワー増幅器612は、通
電制御端子側の第1端子に第1の電流増幅器42の第1
の増幅電流信号F2が入力され、通電制御端子側の第2
端子に補助供給器500の第1の補助電流信号F5が入
力され、通電制御端子側の第3端子にスイッチング制御
器22の制御パルス信号Y2が入力されている。同様
に、第1のパワー増幅器613は、通電制御端子側の第
1端子に第1の電流増幅器43の第1の増幅電流信号F
3が入力され、通電制御端子側の第2端子に補助供給器
500の第1の補助電流信号F6が入力され、通電制御
端子側の第3端子にスイッチング制御器22の制御パル
ス信号Y3が入力されている。
【0091】また、第2のパワー増幅器615は、通電
制御端子側の第1端子に第2の電流増幅器45の第2の
増幅電流信号H1が入力され、通電制御端子側の第2端
子に補助供給器500の第2の補助電流信号H4が入力
されている。同様に、第2のパワー増幅器616は、通
電制御端子側の第1端子に第2の電流増幅器46の第2
の増幅電流信号H2が入力され、通電制御端子側の第2
端子に補助供給器500の第2の補助電流信号H5が入
力されている。同様に、第2のパワー増幅器617は、
通電制御端子側の第1端子に第2の電流増幅器47の第
2の増幅電流信号H3が入力され、通電制御端子側の第
2端子に補助供給器500の第2の補助電流信号H6が
入力されている。
【0092】図19に第1のパワー増幅器611,61
2,613や第2のパワー増幅器615,616,61
7の具体的な構成に相当するパワー増幅器620を示
す。ここでは、パワー増幅器620を第1のパワー増幅
器611として使用する場合を示している。パワー増幅
器620は、NMOS型パワートランジスタ621と、
NMOS型パワートランジスタ621に並列に逆接続さ
れたパワーダイオード621dを含んで構成されてい
る。パワーダイオード621dの電流流入端子側はNM
OS型パワートランジスタ621の電流流出端子側に接
続され、電流流出端子側はNMOS型パワートランジス
タ621の電流流入端子側に接続されている。パワー増
幅器620は、NMOS型パワートランジスタ621と
NMOS型トランジスタ622により電界効果型パワー
部カレントミラー回路を形成している(セル面積比は1
00倍)。
【0093】パワー増幅器620の通電制御端子側の第
1端子とNMOS型トランジスタ622の電流路端子対
の一方の端子側の間に抵抗623が接続され、通電制御
端子側の第1端子と第2端子の間に抵抗624が接続さ
れ、通電制御端子側の第3端子はNMOS型パワートラ
ンジスタ621の制御端子側に接続されている。これに
より、パワー増幅器620の電界効果型パワー部カレン
トミラー回路は、通電制御端子側の第1端子への第1の
増幅電流信号F1が小さい内は所定の電流増幅率を有
し、第1の増幅電流信号F1が大きくなると、その電流
増幅率が急激に大きくなる。また、通電制御端子側の第
2端子への第1の補助電流信号F4によってNMOS型
パワートランジスタ621のオン抵抗を低減している。
さらに、パワー増幅器620のNMOS型パワートラン
ジスタ621および電界効果型パワー部カレントミラー
回路は、通電制御端子側の第3端子への制御パルス信号
Y1によってオン・オフの高周波スイッチング動作を行
っている。
【0094】なお、NMOS型パワートランジスタ62
1は、たとえば二重拡散NチャンネルMOS構造の電界
効果型トランジスタによって構成され、NMOS型パワ
ートランジスタ621の寄生ダイオード素子をパワーダ
イオード621dとして使用している。なお、パワー増
幅器620の抵抗623または/および抵抗624は、
零にしても動作上問題はない。また、第1の増幅電流信
号F1と第1の補助電流信号F4はパワー増幅器620
の内部で合成され、NMOS型パワートランジスタ62
1やパワー部カレントミラー回路に供給されている。
【0095】パワー増幅器620を第1のパワー増幅器
612,613として使用する場合は、図19に示した
構成と同様である。また、パワー増幅器620を第2の
パワー増幅器615,616,617として使用する場
合には、通電制御端子側の第3端子を接続しなければ良
い。その他の構成及び動作は、前述の実施例2もしくは
実施例1と同様であり、詳細な説明を省略する。
【0096】本実施例では、第1のパワー増幅器の通電
制御端子側の第1端子に供給される3相の第1の増幅電
流信号(第1の3相の電流信号)を、それぞれ、少なく
とも立ち上がり傾斜部分および/または立ち下がり傾斜
部分において滑らかに変化させ、第1のNMOS型パワ
ートランジスタによる電流路の切換動作を滑らかにし、
滑らかに変化する駆動電流をコイルに供給した。また、
第1のパワー増幅器の通電制御端子側の第2端子に第1
の補助電流信号を供給し、支配的に電流路を形成する第
1のNMOS型パワートランジスタのオン抵抗を小さく
するようにした。ここに、支配的に電流路を形成する第
1のNMOS型パワートランジスタとは、3個の第1の
NMOS型パワートランジスタのうちで最も大きな駆動
電流を供給するパワートランジスタを意味する。さら
に、第1のパワー増幅器の通電制御端子側の第3端子に
スイッチング制御器の制御パルス信号を供給し、第1の
NMOS型パワートランジスタをオン・オフの高周波ス
イッチング動作させるようにした。
【0097】同様に、第2のパワー増幅器の通電制御端
子側の第2端子に供給される3相の第2の増幅電流信号
(第2の3相の電流信号)を、それぞれ、少なくとも立
ち上がり傾斜部分および/または立ち下がり傾斜部分に
おいて滑らかに変化させ、第2のNMOS型パワートラ
ンジスタによる電流路の切換動作を滑らかにし、滑らか
に変化する駆動電流をコイルに供給した。また、第2の
パワー増幅器の通電制御端子側の第2端子に第2の補助
電流信号を供給し、支配的に電流路を形成する第2のN
MOS型パワートランジスタのオン抵抗を小さくするよ
うにした。ここに、支配的に電流路を形成する第2のN
MOS型パワートランジスタとは、3個の第2のNMO
S型パワートランジスタのうちで最も大きな駆動電流を
供給するパワートランジスタを意味する。
【0098】さらに、本実施例でも、前述の実施例と同
様な各種の利点を得ることができる。また、本実施例に
おいて、第1のパワー増幅器611,612,613や
第2のパワー増幅器615,616,617は図19に
示された構成のパワー増幅器620に限らず、種々の変
形が可能である。図20に第1のパワー増幅器611,
612,613や第2のパワー増幅器615,616,
617に使用可能な別の構成のパワー増幅器640を示
す。ここでは、パワー増幅器640を第1のパワー増幅
器611として使用する場合を示している。パワー増幅
器640は、NMOS型パワートランジスタ641と、
NMOS型パワートランジスタ641に並列に逆接続さ
れたパワーダイオード641dを含んで構成されてい
る。パワーダイオード641dの電流流入端子側はNM
OS型パワートランジスタ641の電流流出端子側に接
続され、電流流出端子側はNMOS型パワートランジス
タ641の電流流入端子側に接続されている。パワー増
幅器640は、NMOS型パワートランジスタ641と
NMOS型トランジスタ642により電界効果型パワー
部カレントミラー回路を形成している(セル面積比は1
00倍)。
【0099】パワー増幅器640の通電制御端子側の第
1端子はNMOS型トランジスタ622の電流路端子対
の一方の端子側に接続され、NMOS型トランジスタ6
22の電流路端子対の他方の端子側とNMOS型パワー
トランジスタ641の電流路端子対の一方の端子側の間
に抵抗643が接続され、通電制御端子側の第1端子と
第2端子の間に抵抗644が接続され、通電制御端子側
の第3端子はNMOS型パワートランジスタ641の制
御端子側に接続されている。これにより、パワー増幅器
640の電界効果型パワー部カレントミラー回路は、通
電制御端子側の第1端子への第1の増幅電流信号F1が
小さいときから大きな電流増幅動作を行うようになる。
【0100】また、通電制御端子側の第2端子への第1
の補助電流信号F4によってNMOS型パワートランジ
スタ641のオン抵抗を低減している。さらに、パワー
増幅器640のNMOS型パワートランジスタ641お
よび電界効果型パワー部カレントミラー回路は、通電制
御端子側の第3端子への制御パルス信号Y1によってオ
ン・オフの高周波スイッチング動作を行っている。な
お、NMOS型パワートランジスタ641は、たとえば
二重拡散NチャンネルMOS構造の電界効果型トランジ
スタによって構成され、NMOS型パワートランジスタ
641の寄生ダイオード素子をパワーダイオード641
dとして使用している。なお、パワー増幅器640の抵
抗643または/および抵抗644は、零にしても動作
上問題はない。
【0101】《実施例4》図21と図22に本発明の実
施例4のモータを示す。図21に全体構成を示す。本実
施例は、前述の実施例3において、第1のパワー増幅器
の第1のNMOS型パワートランジスタと第2のパワー
増幅器の第2のNMOS型パワートランジスタをオン・
オフの高周波スイッチング動作させるスイッチング制御
器700を設けたものである。その他の構成において、
前述の実施例1もしくは実施例2もしくは実施例3と同
様なものには同一の番号を付し、詳細な説明を省略す
る。
【0102】図21のスイッチング制御器700は、指
令信号Adと電流検出器21の電流検出信号Agの比較
結果に応動して、制御パルス信号Y1,Y2,Y3,Y
4,Y5,Y6を作り、第1のパワー増幅器611,6
12,613と第2のパワー増幅器615,616,6
17をオン・オフの高周波スイッチング動作させる。第
1のパワー増幅器611,612,613および第2の
パワー増幅器615,616,617の具体的な構成
は、前述の図19のパワー増幅器620もしくは図20
のパワー増幅器640と同様であり、詳細な説明は省略
する。
【0103】図22にスイッチング制御器700の具体
的な構成を示す。スイッチング制御器700のスイッチ
ングパルス回路330の比較回路331は、指令信号A
dと電流検出信号Agを比較した比較出力信号Crを得
る。トリガ発生回路332は、100kHz程度の高周
波のトリガパルス信号Dpを出力する。状態保持回路3
33は、トリガパルス信号Dpの立ち上がりエッジにお
いてスイッチング制御信号W1を”Lb”(低電位状
態)に変化させ、比較出力信号Crの立ち上がりエッジ
においてスイッチング制御信号W1を”Hb”(高電位
状態)に変化させる。スイッチング制御信号W1が”L
b”の時には、制御トランジスタ741,742,74
3,744,745,746は同時にオフになり、制御
パルス信号Y1,Y2,Y3,Y4,Y5,Y6はオフ
(無通電状態)になる。このとき、第1のパワー増幅器
611,612,613は、それぞれ第1の増幅電流信
号F1,F2,F3を電流増幅し、コイル2,3,4に
駆動電流I1,I2,I3の負極側電流を供給する電流
路を形成する。
【0104】また、第2のパワー増幅器615,61
6,617は、それぞれ第2の増幅電流信号H1,H
2,H3を電流増幅し、コイル2,3,4に駆動電流I
1,I2,I3の正極側電流を供給する電流路を形成す
る。スイッチング制御信号W1が”Hb”の時には、制
御トランジスタ741,742,743,744,74
5,746は同時にオンになり、制御パルス信号Y1,
Y2,Y3,Y4,Y5,Y6はオン(通電状態)にな
る。このとき、第1のパワー増幅器611,612,6
13の第1のNMOS型パワートランジスタはすべて同
時にオフになり、かつ、第2のパワー増幅器615,6
16,617の第2のNMOS型パワートランジスタは
すべて同時にオフになる。このようにして、第1のパワ
ー増幅器611,612,613および第2のパワー増
幅器615,616,617は単一のスイッチング制御
信号W1によりオン状態とオフ状態を高周波スイッチン
グ制御され、コイルへの駆動電流を指令信号Adに応動
するようにしている。これについて説明する。
【0105】トリガパルス信号Dpの立ち上がりエッジ
によって状態保持回路333のスイッチング制御信号W
1が”Lb”に変化した時には、第1の増幅電流信号F
1,F2,F3が零でない相の第1のパワー増幅器が通
電状態になり、第2の増幅電流信号H1,H2,H3が
零でない相の第2のパワー増幅器が通電状態になる。た
とえば、第1の増幅電流信号F1のみが選択され、第2
の増幅電流信号H2のみが選択された場合を考える。第
1の増幅電流信号F1に応動して第1のパワー増幅器6
11の第1のNMOS型パワートランジスタが通電状態
になり、コイル2の駆動電流I1の負極側電流を供給す
る電流路を形成する。第2の増幅電流信号H2に応動し
て第2のパワー増幅器616の第2のNMOS型パワー
トランジスタが通電状態になり、コイル3の駆動電流I
2の正極側電流を供給する電流路を形成する。
【0106】コイル2,3に十分な駆動電流を供給する
ために、第1のパワー増幅器611の第1のNMOS型
パワートランジスタおよび第2のパワー増幅器616の
第2のNMOS型パワートランジスタはフルオン状態に
なる。コイルのインダクタンス作用によって、コイル
2,3の駆動電流値は徐々に増加する。従って、直流電
源50の供給する通電電流Igが増加し、電流検出器2
1の電流検出信号Agは大きくなる。電流検出信号Ag
が指令信号Adより大きくなった瞬間に、比較回路33
1の比較出力信号Crが立ち上がりエッジを発生し、状
態保持回路333のスイッチング制御信号W1は”H
b”に変化する。スイッチング制御信号W1が”Hb”
になると制御パルス信号Y1〜Y6がオンになり、第1
のパワー増幅器611,612,613の第1のNMO
S型パワートランジスタおよび第2のパワー増幅器61
5,616,617の第2のNMOS型パワートランジ
スタはすべて同時にオフ状態に変わる。このとき、コイ
ル2のインダクタンス作用によって、コイル2の電力供
給端子側の駆動電圧を急激に大きくし、第2のパワー増
幅器615の第2のパワーダイオードを通る電流路を形
成する。その結果、コイル2への駆動電流I1の負極側
電流は連続的に流れ続ける。
【0107】また、コイル3のインダクタンス作用によ
って、コイル3の電力供給端子側の駆動電圧を急激に小
さくし、第1のパワー増幅器612の第1のパワーダイ
オードを通る電流路を形成する。その結果、コイル3へ
の駆動電流I2の正極側電流は連続的に流れ続ける。こ
れにより、コイル2,3の駆動電流値は徐々に小さくな
る。少しの時間を経過した後に、トリガパルス信号Dp
の次の立ち上がりエッジが到来し、上述のスイッチング
動作を繰り返す。このようにして、直流電源50の通電
電流Igのピーク値を指令信号Adに応動した値に制御
し、コイル2,3,4への駆動電流を制御する。また、
第1の補助電流信号F4が第1のパワー増幅器611の
通電制御端子側に供給されている場合には、第1のパワ
ー増幅器611の第1のNMOS型パワートランジスタ
のオン抵抗を小さくする効果がある。また、第2の補助
電流信号H5が第2のパワー増幅器616の通電制御端
子側に供給されている場合には、第2のパワー増幅器6
16の第2のNMOS型パワートランジスタのオン抵抗
を小さくする効果がある。
【0108】さらに、移動体1の移動に伴って第1の増
幅電流信号を1相分もしくは2相分に交互に滑らかに分
配しているので、第1のパワー増幅器611,612,
613による電流路の切換は滑らかになる。第1のパワ
ー増幅器611,612,613の第1のNMOS型パ
ワートランジスタの高周波スイッチング動作は、前述の
説明と同様である。また、移動体1の移動に伴って第2
の増幅電流信号を1相分もしくは2相分に交互に滑らか
に分配しているので、第2のパワー増幅器615,61
6,617による電流路の切換は滑らかになる。
【0109】第2のパワー増幅器615,616,61
7の第2のNMOS型パワートランジスタの高周波スイ
ッチング動作は、前述の説明と同様である。これによ
り、駆動電流が滑らかに変化し、電流脈動やモータ振動
が著しく小さくなる。なお、第1の増幅電流信号F1,
F2,F3や第2の増幅電流信号H1,H2,H3を指
令信号Adに応動した必要最小限の値に小さくしている
ので、指令信号Adが変化した場合でも常に滑らかな電
流路の切り換え動作を行わせることができる。また、第
1の増幅電流信号や第2の増幅電流信号による電力損失
を低減できる。その他の構成及び動作は、前述の実施例
1もしくは実施例2もしくは実施例3と同様であり、詳
細な説明を省略する。
【0110】本実施例では、第1のパワー増幅器の第1
のNMOS型パワートランジスタおよび第2のパワー増
幅器の第2のNMOS型パワートランジスタを高周波ス
イッチング動作しているので、これらのパワートランジ
スタにおける電力損失は大幅に低減される。このとき、
第1のパワー増幅器と第2のパワー増幅器は単一のスイ
ッチング制御信号W1に応動して同時にオン・オフする
ので、高周波スイッチング動作させる構成やコイルへの
駆動電流を制御する構成を極めて簡単にできる。さら
に、本実施例でも、前述の実施例1もしくは実施例2も
しくは実施例3と同様な各種の利点を得ることができ
る。
【0111】《実施例5》図23から図27に本発明の
実施例5のモータを示す。図23に全体構成を示す。本
実施例5では、前述の実施例4において、第2のパワー
増幅器815,816,817を第2のPMOS型パワ
ートランジスタを使用して構成したものである。また、
スイッチング制御器800,補助供給器810,第2の
電流増幅器845,846,847を変更している。そ
の他の構成において、前述の実施例1,実施例2,実施
例3もしくは実施例4と同様なものには同一の番号を付
し、詳細な説明を省略する。
【0112】図23において、第1のパワー増幅器61
1は、通電制御端子側の第1端子に第1の電流増幅器4
1の第1の増幅電流信号F1が入力され、通電制御端子
側の第2端子に補助供給器810の第1の補助電流信号
F4が入力され、通電制御端子側の第3端子にスイッチ
ング制御器800の制御パルス信号Y1が入力されてい
る。同様に、第1のパワー増幅器612は、通電制御端
子側の第1端子に第1の電流増幅器42の第1の増幅電
流信号F2が入力され、通電制御端子側の第2端子に補
助供給器810の第1の補助電流信号F5が入力され、
通電制御端子側の第3端子にスイッチング制御器800
の制御パルス信号Y2が入力されている。同様に、第1
のパワー増幅器613は、通電制御端子側の第1端子に
第1の電流増幅器43の第1の増幅電流信号F3が入力
され、通電制御端子側の第2端子に補助供給器810の
第1の補助電流信号F6が入力され、通電制御端子側の
第3端子にスイッチング制御器800の制御パルス信号
Y3が入力されている。
【0113】図19に示した前述のパワー増幅器620
を第1のパワー増幅器611,612,613として使
用する。図19のパワー増幅器620を第1のパワー増
幅器611として使用する場合は、すでに説明した通り
である。また、第1のパワー増幅器612,613の場
合も同様な構成である。図23において、第2のパワー
増幅器815は、通電制御端子側の第1端子に第2の電
流増幅器845の第2の増幅電流信号H1が入力され、
通電制御端子側の第2端子に補助供給器810の第2の
補助電流信号H4が入力され、通電制御端子側の第3端
子にスイッチング制御器800の制御パルス信号Y4が
入力されている。同様に、第2のパワー増幅器816
は、通電制御端子側の第1端子に第2の電流増幅器84
6の第2の増幅電流信号H2が入力され、通電制御端子
側の第2端子に補助供給器810の第2の補助電流信号
H5が入力され、通電制御端子側の第3端子にスイッチ
ング制御器800の制御パルス信号Y5が入力されてい
る。同様に、第2のパワー増幅器817は、通電制御端
子側の第1端子に第2の電流増幅器847の第2の増幅
電流信号H3が入力され、通電制御端子側の第2端子に
補助供給器810の第2の補助電流信号H6が入力さ
れ、通電制御端子側の第3端子にスイッチング制御器8
00の制御パルス信号Y6が入力されている。
【0114】図27に第2のパワー増幅器815,81
6,817の具体的な構成に相当するパワー増幅器90
0を示す。ここでは、パワー増幅器900を第2のパワ
ー増幅器815として使用する場合を示している。パワ
ー増幅器900は、PMOS型パワートランジスタ90
5と、PMOS型パワートランジスタ905に並列に逆
接続されたパワーダイオード905dを含んで構成され
ている。パワーダイオード905dの電流流入端子側は
PMOS型パワートランジスタ905の電流流出端子側
に接続され、電流流出端子側はPMOS型パワートラン
ジスタ905の電流流入端子側に接続されている。パワ
ー増幅器900は、PMOS型パワートランジスタ90
5とPMOS型トランジスタ906により電界効果型パ
ワー部カレントミラー回路を形成している(セル面積比
は100倍)。パワー増幅器900の通電制御端子側の
第1端子とPMOS型トランジスタ906の電流路端子
対の一方の端子側の間に抵抗907が接続され、通電制
御端子側の第1端子と第2端子の間に抵抗908が接続
され、通電制御端子側の第3端子はPMOS型パワート
ランジスタ905の制御端子側に接続されている。これ
により、パワー増幅器900の電界効果型パワー部カレ
ントミラー回路は、通電制御端子側の第1端子への第2
の増幅電流信号H1が小さい内は所定の電流増幅率を有
し、第2の増幅電流信号H1が大きくなると、その電流
増幅率が急激に大きくなる。
【0115】また、通電制御端子側の第2端子への第2
の補助電流信号H4によってPMOS型パワートランジ
スタ905のオン抵抗を低減する。さらに、パワー増幅
器900のPMOS型パワートランジスタ905および
電界効果型パワー部カレントミラー回路は、通電制御端
子側の第3端子への制御パルス信号Y4がオン・オフの
高周波スイッチングする場合に、オン・オフの高周波ス
イッチング動作を行う。なお、PMOS型パワートラン
ジスタ905は、たとえば二重拡散PチャンネルMOS
構造の電界効果型トランジスタによって構成され、PM
OS型パワートランジスタ905の寄生ダイオード素子
をパワーダイオード905dとして使用している。な
お、パワー増幅器900の抵抗907または/および抵
抗908は、零にしても動作上問題はない。図23の第
2の電流増幅器845,846,847は、第1の分配
電流信号G1,G2,G3を電流増幅した第2の増幅電
流信号H1,H2,H3を作りだす。第2の増幅電流信
号H1,H2,H3は、それぞれ第2のパワー増幅器8
15,816,817の通電制御端子側の第1端子に供
給されている。
【0116】図26に第2の電流増幅器845,84
6,847の具体的な構成を示す。第2の電流増幅器8
45は、トランジスタ951,952による初段のカレ
ントミラー回路と、トランジスタ953,954と抵抗
955,956による次段のカレントミラー回路を縦続
接続した第2の増幅部カレントミラー回路によって構成
されている。第2の電流増幅器845は、電流増幅率で
50倍の所定の増幅を行う。同様に、第2の電流増幅器
846は、トランジスタ961,962,963,96
4と抵抗965,966による第2の増幅部カレントミ
ラー回路によって構成され、電流増幅率で50倍の所定
の増幅を行う。同様に、第2の電流増幅器847は、ト
ランジスタ971,972,973,974と抵抗97
5,976による第2の増幅部カレントミラー回路によ
って構成され、電流増幅率で50倍の所定の増幅を行
う。これにより、第2の電流増幅器845,846,8
47は、3相の第2の分配電流信号G1,G2,G3を
それぞれ50倍の増幅し、3相の増幅電流信号H1,H
2,H3を出力する。
【0117】図23のスイッチング制御器800は、第
1のパワー増幅器611,612,613または/およ
び第2のパワー増幅器815,816,817をオン・
オフの高周波スイッチング動作させる。図24にスイッ
チング制御器800の具体的な構成の一例を示す。スイ
ッチング制御器800のスイッチングパルス回路330
は、前述の図7に示した構成と同様であり、スイッチン
グ制御信号W1を出力する。設定スイッチ回路840が
Ga側に接続されている場合には、設定スイッチ信号S
fは”Lb”であるから、アンド回路830の出力は”
Lb”になり、制御トランジスタ835,836,83
7はオフになる。従って、制御パルス信号Y4,Y5,
Y6はオフ状態になる。また、スイッチング制御信号W
1に応動して制御トランジスタ831,832,833
がオン・オフ動作し、制御パルス信号Y1,Y2,Y3
はオン・オフ出力される。その結果、制御パルス信号Y
1,Y2,Y3に応動して第1のパワー増幅器611,
612,613の第1のNMOS型パワートランジスタ
がオン・オフの高周波スイッチング動作する。なお、制
御パルス信号Y4,Y5,Y6はオフであるから、第2
のパワー増幅器815,816,817は第2の電流増
幅器845,846,847の第2の増幅電流信号H
1,H2,H3に応動して通電を分配制御される(高周
波スイッチング動作はしない)。
【0118】また、設定スイッチ回路840がGb側に
接続されている場合には、設定スイッチ信号Sfは”H
b”であるから、スイッチング制御信号W1に応動して
制御トランジスタ835,836,837もオン・オフ
動作する。従って、スイッチング制御信号W1に応動し
て制御トランジスタ831,832,833,835,
836,837がオン・オフ動作し、制御パルス信号Y
1,Y2,Y3,Y4,Y5,Y6がオン・オフ出力さ
れる。その結果、制御パルス信号Y1,Y2,Y3に応
動して第1のパワー増幅器611,612,613の第
1のNMOS型パワートランジスタがオン・オフの高周
波スイッチング動作し、制御パルス信号Y4,Y5,Y
6に応動して第2のパワー増幅器815,816,81
7の第2のPMOS型パワートランジスタがオン・オフ
の高周波スイッチング動作する。なお、設定スイッチ回
路840の接続はどちらかに固定されるものであるが、
必要に応じて適時切り換えても良い。
【0119】図23の補助供給器810は、切換作成器
34の出力信号に応動して3相の第1の補助電流信号F
4,F5,F6を第1のパワー増幅器611,612,
613の通電制御端子側に供給し、切換作成器34の出
力信号に応動して3相の第2の補助電流信号H4,H
5,H6を第2のパワー増幅器815,816,817
の通電制御端子側に供給する。図25に補助供給器81
0の具体的な構成を示す。補助供給器810の補助切換
作成部510は前述の図14もしくは図15に示した構
成と同様であり、詳細な説明は省略する。補助電流切換
部850は、3個の第1の電流源871,872,87
3と3個の第2の電流源875,876,877と3個
の第1のスイッチ回路881,882,883と3個の
第2のスイッチ回路885,886,887を有してい
る。第1の電流源871,872,873は直流電源5
0の正極端子側より流出する方向に接続され、第2の電
流源875,876,877は直流電源50の負極端子
側に流入する方向に接続されている。
【0120】第1のスイッチ回路881,882,88
3は、補助切換作成部510の補助切換信号J4,J
5,J6が”Hb”になるとスイッチをオンにし、第1
の電流源871,872,873の電流を3相の第1の
補助電流信号F4,F5,F6として出力する。第2の
スイッチ回路885,886,887は、補助切換作成
部510の補助切換信号J7,J8,J9が”Hb”に
なるとスイッチをオンにし、第2の電流源875,87
6,877の電流を3相の第2の補助電流信号H4,H
5,H6として出力する。第1の補助電流信号F4,F
5,F6と第1の増幅電流信号F1,F2,F3の波形
関係は、前述の図17(a)〜(c),(g)に示した
ものと同様である。また、第2の補助電流信号H4,H
5,H6と第2の増幅電流信号H1,H2,H3の波形
関係は、前述の図17(d)〜(f),(h)に示した
ものと同様である。
【0121】その他の構成及び動作は、前述の実施例1
や実施例2や実施例3や実施例4と同様であり、詳細な
説明を省略する。本実施例では、第1のパワー増幅器の
第1のNMOS型パワートランジスタをオン・オフの高
周波スイッチング動作させているので、第1のパワー増
幅器の電力損失は小さい。また、第2のパワー増幅器の
第2のPMOS型パワートランジスタをフルオン動作も
しくはオン・オフの高周波のスイッチング動作させてい
るので、第2のパワー増幅器の電力損失は小さい。従っ
て、電力効率の良いモータになる。また、第1の増幅電
流信号や第2の増幅電流信号を指令信号Adに応動して
変化させ、第1のパワー増幅器や第2のパワー増幅器の
入力電流による電力損失も小さくしている。なお、3個
の第1のパワー増幅器のみを高周波スイッチング動作さ
せる場合、3個の第2のパワー増幅器のみを高周波スイ
ッチング動作させる場合、3個の第1のパワー増幅器と
3個の第2のパワー増幅器の両方を高周波スイッチング
動作させる場合、3個の第1のパワー増幅器の高周波ス
イッチング動作と3個の第2のパワー増幅器の高周波ス
イッチング動作を適時切り換えて動作させる場合、な
ど、各種のスイッチング動作の行わせ方がある。これら
は設計事項であり、詳細な説明を省略する。
【0122】また、本実施例では、第1のパワー増幅器
に第1のNMOS型パワートランジスタを使用し、第2
のパワー増幅器に第2のPMOS型パワートランジスタ
を使用し、第1のNMOS型パワートランジスタや第2
のPMOS型パワートランジスタを通電制御するための
構成を大幅に簡素にした。すなわち、高電圧出力器をな
くし、パワートランジスタを駆動制御するために直流電
源50以外の電圧源を不要にした。これにより、全体の
構成は著しく簡素になった。また、本実施例では、非線
形な電圧増幅利得を有するNMOS型パワートランジス
タとPMOS型パワートランジスタを使用しながらも、
電界効果型パワー部カレントミラー回路を構成し、第1
のパワー増幅器と第2のパワー増幅器の電流増幅率のば
らつきを大幅に低減した。これにより、電流路の切換動
作を滑らかにした。また、本実施例では、第1の増幅電
流信号(第1の3相の電流信号)や第2の増幅電流信号
(第2の3相の電流信号)を指令信号Adに応動して変
化させ、指令信号Adが変化した場合であっても常に滑
らかな電流路の切換動作を実現した。
【0123】さらに、本実施例でも、前述の実施例と同
様な各種の利点を得ることができる。また、本実施例に
おいて、第1のパワー増幅器611,612,613は
図19に示された構成のパワー増幅器620に限らず、
種々の変形が可能である。たとえば、図20に示したパ
ワー増幅器640を第1のパワー増幅器611,61
2,613として使用可能である。また、本実施例にお
いて、第2のパワー増幅器815,816,817は図
27に示された構成のパワー増幅器900に限らず、種
々の変形が可能である。図28に第2のパワー増幅器8
15,816,817に使用可能な別の構成のパワー増
幅器920を示す。ここでは、パワー増幅器920を第
2のパワー増幅器815として使用する場合を示してい
る。パワー増幅器920は、PMOS型パワートランジ
スタ925と、PMOS型パワートランジスタ925に
並列に逆接続されたパワーダイオード925dを含んで
構成されている。パワーダイオード925dの電流流入
端子側はPMOS型パワートランジスタ925の電流流
出端子側に接続され、電流流出端子側はPMOS型パワ
ートランジスタ925の電流流入端子側に接続されてい
る。
【0124】パワー増幅器920は、PMOS型パワー
トランジスタ925とPMOS型トランジスタ926に
より電界効果型パワー部カレントミラー回路を形成して
いる(セル面積比は100倍)。パワー増幅器920の
通電制御端子側の第1端子はPMOS型トランジスタ9
26の電流路端子対の一方の端子側に接続され、PMO
S型トランジスタ926の電流路端子対の他方の端子側
とPMOS型パワートランジスタ925の電流路端子対
の一方の端子側の間に抵抗927が接続され、通電制御
端子側の第1端子と第2端子の間に抵抗928が接続さ
れ、通電制御端子側の第3端子はPMOS型パワートラ
ンジスタ925の制御端子に接続されている。これによ
り、パワー増幅器920の電界効果型パワー部カレント
ミラー回路は、通電制御端子側の第1端子への第2の増
幅電流信号H1が小さいときから、かなり大きな電流増
幅動作を行うようになる。
【0125】また、通電制御端子側の第2端子への第2
の補助電流信号H4によってPMOS型パワートランジ
スタ925のオン抵抗による電力損失を低減している。
さらに、パワー増幅器920のPMOS型パワートラン
ジスタ925および電界効果型パワー部カレントミラー
回路は、通電制御端子側の第3端子への制御パルス信号
Y4がオン・オフ動作している場合に、オン・オフの高
周波スイッチング動作を行う。なお、PMOS型パワー
トランジスタ925は、たとえば二重拡散Pチャンネル
MOS構造の電界効果型トランジスタによって構成さ
れ、PMOS型パワートランジスタ925の寄生ダイオ
ード素子をパワーダイオード925dとして使用してい
る。なお、パワー増幅器920の抵抗927または/お
よび抵抗928は、零にしても動作上問題はない。
【0126】《実施例6》図29と図30に本発明の実
施例6のモータを示す。図29に全体構成を示す。本実
施例は、前述の実施例3において、さらに、オフ動作器
1000を設けたものである。その他の構成において、
前述の実施例1,実施例2,実施例3,実施例4もしく
は実施例5と同様なものには同一の番号を付し、詳細な
説明を省略する。
【0127】図29において、第1のパワー増幅器61
1は、通電制御端子側の第1端子に第1の電流増幅器4
1の第1の増幅電流信号F1が入力され、通電制御端子
側の第2端子に補助供給器500の第1の補助電流信号
F4が入力され、通電制御端子側の第3端子にスイッチ
ング制御器22の制御パルス信号Y1が入力されてい
る。同様に、第1のパワー増幅器612は、通電制御端
子側の第1端子に第1の電流増幅器42の第1の増幅電
流信号F2が入力され、通電制御端子側の第2端子に補
助供給器500の第1の補助電流信号F5が入力され、
通電制御端子側の第3端子にスイッチング制御器22の
制御パルス信号Y2が入力されている。同様に、第1の
パワー増幅器613は、通電制御端子側の第1端子に第
1の電流増幅器43の第1の増幅電流信号F3が入力さ
れ、通電制御端子側の第2端子に補助供給器500の第
1の補助電流信号F6が入力され、通電制御端子側の第
3端子にスイッチング制御器22の制御パルス信号Y3
が入力されている。
【0128】また、第2のパワー増幅器615は、通電
制御端子側の第1端子に第2の電流増幅器45の第2の
増幅電流信号H1が入力され、通電制御端子側の第2端
子に補助供給器500の第2の補助電流信号H4が入力
され、通電制御端子側の第3端子にオフ動作器1000
のオフ電流信号Z4が入力されている。同様に、第2の
パワー増幅器616は、通電制御端子側の第1端子に第
2の電流増幅器46の第2の増幅電流信号H2が入力さ
れ、通電制御端子側の第2端子に補助供給器500の第
2の補助電流信号H5が入力され、通電制御端子側の第
3端子にオフ動作器1000のオフ電流信号Z5が入力
されている。同様に、第2のパワー増幅器617は、通
電制御端子側の第1端子に第2の電流増幅器47の第2
の増幅電流信号H3が入力され、通電制御端子側の第2
端子に補助供給器500の第2の補助電流信号H6が入
力され、通電制御端子側の第3端子にオフ動作器100
0のオフ電流信号Z6が入力されている。
【0129】オフ動作器1000のオフ電流信号Z4
は、少なくとも第1のパワー増幅器611が通電状態の
高周波スイッチング動作を行っている場合に、同じ相の
第2のパワー増幅器615の通電制御端子側から電流を
流出させ、第2のパワー増幅器615をオフ動作させ
る。また、第2のパワー増幅器615が通電状態になる
ときには、オフ電流信号Z4は無信号状態(零電流)に
なり、第2のパワー増幅器615は通電制御端子側への
入力電流に応動して通電制御される。同様に、オフ動作
器1000のオフ電流信号Z5は、少なくとも第1のパ
ワー増幅器612が通電状態の高周波スイッチング動作
を行っている場合に、同じ相の第2のパワー増幅器61
6の通電制御端子側から電流を流出させ、第2のパワー
増幅器616をオフ動作させる。
【0130】また、第2のパワー増幅器616が通電状
態になるときには、オフ電流信号Z5は無信号状態(零
電流)になり、第2のパワー増幅器616は通電制御端
子側への入力電流に応動して通電制御される。同様に、
オフ動作器1000のオフ電流信号Z6は、少なくとも
第1のパワー増幅器613が通電状態の高周波スイッチ
ング動作を行っている場合に、同じ相の第2のパワー増
幅器617の通電制御端子側から電流を流出させ、第2
のパワー増幅器617をオフ動作させる。また、第2の
パワー増幅器617が通電状態になるときには、オフ電
流信号Z6は無信号状態(零電流)になり、第2のパワ
ー増幅器617は通電制御端子側への入力電流に応動し
て通電制御される。
【0131】図30にオフ動作器1000の具体的な構
成を示す。オフ動作器1000のコンパレータ1010
は、切換作成器34の出力信号Ja1と所定電圧を比較
し、その比較結果に応動して電界効果型トランジスタ1
012をオン・オフさせる。その結果、オフ電流信号Z
4を出力し、第2のパワー増幅器615を確実にオフ動
作させる。同様に、コンパレータ1020は、切換作成
器34の出力信号Jb1と所定電圧を比較し、その比較
結果に応動して電界効果型トランジスタ1022をオン
・オフさせる。その結果、オフ電流信号Z5を出力し、
第2のパワー増幅器616を確実にオフ動作させる。同
様に、コンパレータ1030は、切換作成器34の出力
信号Jc1と所定電圧を比較し、その比較結果に応動し
て電界効果型トランジスタ1032をオン・オフさせ
る。その結果、オフ電流信号Z6を出力し、第2のパワ
ー増幅器617を確実にオフ動作させる。
【0132】その他の構成及び動作は、前述の実施例
3,実施例2もしくは実施例1と同様であり、詳細な説
明を省略する。本実施例では、通電状態にある第1のパ
ワー増幅器が高周波スイッチング動作を行っている場合
に、オフ動作器のオフ信号によって同じ相の第2のパワ
ー増幅器をオフにしているので、駆動電圧が大振幅の高
周波パルス電圧になっても、第2のパワー増幅器の不要
な電流通電を防止することができる。特に、第2のパワ
ー増幅器を電界効果型パワー部カレントミラー回路で構
成している場合に、電界効果型パワートランジスタの特
性ばらつきによってこのような不要電流が発生しやす
く、オフ動作器によって完全にオフする必要がある。
【0133】なお、前述の構成では、第1のパワー増幅
器のみを高周波スイッチング動作させるようにしたが、
そのような場合に限定されず、第1のパワー増幅器と第
2のパワー増幅器を高周波スイッチング動作させるよう
にしても良い。また、第1の増幅電流信号が零になって
第1のパワー増幅器がオフ状態になる期間に、オフ動作
器の新たなオフ信号によって第1のパワー増幅器を強制
的にオフ動作させるようにしても良い。また、本実施例
でも、前述の実施例と同様な各種の利点を得ることがで
きる。
【0134】なお、前述の各実施例の具体的な構成につ
いては、各種の変形が可能である。たとえば、各相のコ
イルは複数個の部分コイルを直列もしくは並列に接続し
て構成しても良い。3相のコイルはスター結線に限ら
ず、デルタ結線であってもよい。また、一般に、多相の
モータが構成できる。また、移動体の界磁部は図示のも
のに限定されるものではない。一般に、界磁部は多極構
成が可能である。また、移動体の移動動作に伴って変化
する磁束をコイルに供給する構成の界磁部は容易に使用
可能であり、公知の各種の構成が可能である。さらに、
移動体もしくは界磁部の構成に限定されるものではな
い。本発明にもとづいて、ブラシレスモータや永久磁石
界磁型ステッピングモータやレラクタンス型ステッピン
グモータやハイブリッド型ステッピングモータやその他
の各種のモータが構成可能であり、本発明に含まれるこ
とは言うまでもない。さらに、移動体は回転移動に限ら
ず、直進移動しても良い。また、スイッチング制御器や
電流検出器や分配作成器や第1の電流増幅器や第2の電
流増幅器などは前述の構成に限定されるものではない。
また、スイッチング制御器の機能やその他の所要の機能
のすべてもしくは一部を、マイクロプロセッサによって
ディジタル的に実行しても良い。
【0135】また、分配作成器36は前述の構成に限定
されるものではない。図31に他の構成の分配作成器1
136を示す。これについて説明する。分配作成器11
36は、第1の分配器1137と第2の分配器1138
を含んで構成されている。第1の分配器1137は、切
換作成器34の3相の切換電流信号D1,D2,D3に
応動して電流供給器30の第1の供給電流信号C1を分
配し、滑らかに変化する3相の第1の分配電流信号E
1,E2,E3を作り出す。第2の分配器1138は、
切換作成器34の3相の切換電流信号D1,D2,D3
に応動して電流供給器30の第2の供給電流信号C2を
分配し、滑らかに変化する3相の第2の分配電流信号G
1,G2,G3を作り出す。
【0136】第1の分配器1137は、3個の第1の入
力トランジスタ1201,1202,1203と3個の
第1の分配トランジスタ1205,1206,1207
によって構成されている。それぞれの第1の入力トラン
ジスタ1201,1202,1203の通電制御端子と
電流路端子対の信号入力端子は、切換作成器34の3相
の切換電流信号D1,D2,D3がそれぞれ供給される
電流流入流出端子側に接続されている。第1の入力トラ
ンジスタ1201,1202,1203の電流路端子対
の信号出力端子は共通接続されている。第1の分配トラ
ンジスタ1205,1206,1207の電流信号入力
端子側は共通接続され、共通接続端子側に電流供給器3
0の第1の供給電流信号C1が入力される。第1の分配
トランジスタ1205,1206,1207は、それぞ
れの通電制御端子側を3相の切換電流信号D1,D2,
D3がそれぞれ供給される電流流入流出端子側に接続さ
れている。
【0137】これにより、3個の第1の分配トランジス
タ1205,1206,1207は、その電流信号出力
端子側から3相の第1の分配電流信号E1,E2,E3
を出力する。また、第1の入力トランジスタ1201,
1202,1203と第1の分配トランジスタ120
5,1206,1207は同じ型のトランジスタを使用
している。ここでは、第1の入力トランジスタ120
1,1202,1203と第1の分配トランジスタ12
05,1206,1207にPNP型バイポーラトラン
ジスタを使用している。第1の入力トランジスタの通電
制御端子はベース端子,電流路端子対の信号入力端子は
コレクタ端子,電流路端子対の信号出力端子はエミッタ
端子にしている。第1の分配トランジスタの通電制御端
子はベース端子,電流信号入力端子はエミッタ端子,電
流信号出力端子はコレクタ端子にしている。
【0138】第2の分配器1138は、3個の第2の入
力トランジスタ1211,1212,1213と3個の
第2の分配トランジスタ1215,1216,1217
によって構成されている。それぞれの第2の入力トラン
ジスタ1211,1212,1213の通電制御端子と
電流路端子対の信号入力端子は、切換作成器34の3相
の切換電流信号D1,D2,D3がそれぞれ供給される
電流流入流出端子側に接続されている。第2の入力トラ
ンジスタ1211,1212,1213の電流路端子対
の信号出力端子は共通接続されている。第2の分配トラ
ンジスタ1215,1216,1217の電流信号入力
端子側は共通接続され、共通接続端子側に電流供給器3
0の第2の供給電流信号C2が入力される。第2の分配
トランジスタ1215,1216,1217は、それぞ
れの通電制御端子側を3相の切換電流信号D1,D2,
D3がそれぞれ供給される電流流入流出端子側に接続さ
れている。
【0139】これにより、3個の第2の分配トランジス
タ1215,1216,1217は、その電流信号出力
端子側から3相の第2の分配電流信号G1,G2,G3
を出力する。また、第2の入力トランジスタ1211,
1212,1213と第2の分配トランジスタ121
5,1216,1217は同じ型のトランジスタを使用
している。さらに、第1の入力トランジスタ1201,
1202,1203のトランジスタの型を第2の入力ト
ランジスタ1211,1212,1213のトランジス
タの型とは極性が異なるようにしている。ここでは、第
2の入力トランジスタ1211,1212,1213と
第2の分配トランジスタ1215,1216,1217
にNPN型バイポーラトランジスタを使用している。第
2の入力トランジスタの通電制御端子はベース端子,電
流路端子対の信号入力端子はコレクタ端子,電流路端子
対の信号出力端子はエミッタ端子にしている。第2の分
配トランジスタの通電制御端子はベース端子,電流信号
入力端子はエミッタ端子,電流信号出力端子はコレクタ
端子にしている。さらに、基準電圧源1220,トラン
ジスタ1221,1222は所定電圧供給部を構成し、
第1の入力トランジスタ1201,1202,1203
の共通接続端に第1の直流電圧を供給し、第2の入力ト
ランジスタ1211,1212,1213の共通接続端
に第2の直流電圧を供給している。
【0140】これにより、切換電流信号D1が負極側電
流の時には、第1の入力トランジスタ1201に電流を
通電し、第2の入力トランジスタ1211には電流が流
れない。また、切換電流信号D1が正極側電流の時に
は、第2の入力トランジスタ1211に電流を通電し、
第1の入力トランジスタ1201には電流が流れない。
すなわち、切換電流信号D1の極性に応じて第1の入力
トランジスタ1201と第2の入力トランジスタ121
1に相補的に滑らかな電流を供給し、第1の入力トラン
ジスタ1201と第2の入力トランジスタ1211に同
時に電流が流れることはない。同様に、切換電流信号D
2が負極側電流の時に第1の入力トランジスタ1202
に電流を通電し、正極側電流の時に第2の入力トランジ
スタ1212に電流を通電する。同様に、切換電流信号
D3が負極側電流の時に第1の入力トランジスタ120
3に電流を通電し、正極側電流の時に第2の入力トラン
ジスタ1213に電流を通電する。
【0141】第1の分配器1137の第1の分配トラン
ジスタ1205,1206,1207は、第1の入力ト
ランジスタ1201,1202,1203に流れる3相
電流に応動して、第1の供給電流信号C1をそれぞれの
電流信号出力端子側に分配し、3相の第1の分配電流信
号E1,E2,E3を作り出す。従って、3相の第1の
分配電流信号E1,E2,E3は3相の切換電流信号D
1,D2,D3の負極側電流に応動して滑らかに変化
し、分配電流信号E1,E2,E3の合成値は第1の供
給電流信号C1に等しくなる。同様に、第2の分配器1
138の第2の分配トランジスタ1215,1216,
1217は、第2の入力トランジスタ1211,121
2,1213に流れる3相電流に応動して、第2の供給
電流信号C2をそれぞれの電流信号出力端子側に分配
し、3相の第2の分配電流信号G1,G2,G3を作り
出す。従って、3相の第2の分配電流信号G1,G2,
G3は3相の切換電流信号D1,D2,D3の正極側電
流に応動して滑らかに変化し、分配電流信号G1,G
2,G3の合成値は第2の供給電流信号C2に等しくな
る。3相の第1の分配電流信号E1,E2,E3や3相
の第2の分配電流信号G1,G2,G3の波形は、図9
に示したものと同様になる。これらの電流信号は、立ち
上がり傾斜部分および立ち下がり傾斜部分において滑ら
かに変化する。
【0142】また、集積回路化において、周知の半導体
プロセスによる各種の1チップ集積回路技術が使用可能
である。たとえば、二重拡散MOS型電界効果トランジ
スタやCMOS型電界効果トランジスタやバイポーラト
ランジスタを単独種類もしくは複数種類使用できる各種
の1チップ集積回路技術がある。集積回路のサブストレ
ートを直流電源の負極端子側の電位(アース電位)に接
続して使用し、接合分離技術により高密度の集積回路化
が可能である。しかし、誘電分離技術を使用してトラン
ジスタや抵抗を1チップに形成する集積回路技術を使用
しても良い。なお、1チップ内の具体的なトランジスタ
配置は、個々の集積回路設計によって異なるので、詳細
な説明を省略する。また、パワー増幅器のパワーダイオ
ードはパワートランジスタと一緒に集積回路内に形成す
ることが可能であるが、必要に応じて、集積回路に外付
けにしても良い。たとえば、パワートランジスタに並列
にショットキー型のパワーダイオードを逆接続してもよ
い。また、第1の電流増幅器の第1の増幅部カレントミ
ラー回路や第2の電流増幅器の第2の増幅部カレントミ
ラー回路は、電流が大きくなると電流増幅率が大きくな
るような非線形な電流増幅特性を有していても良い。
【0143】また、スイッチング制御器は電流検出信号
と指令信号の比較結果に応動してパワー増幅器のスイッ
チング動作を制御し、高精度な電流制御を実現した。し
かし、本発明はこのような構成に限定されず、各種の変
形が可能である。たとえば、スイッチング制御器が単一
のスイッチング制御信号に応動して、第1のパワー増幅
器と第2のパワー増幅器のうちの少なくとも1個のパワ
ー増幅器をスイッチング動作させても良い。また、第1
のパワー増幅器や第2のパワー増幅器の一方もしくは両
方を複数相のスイッチング制御信号でスイッチング動作
させるようにしても良い。また、電流検出器の挿入場所
は、直流電源の正極端子側であっても良い。さらに、電
流検出器は、直流電源の供給電流を直接に検出する方法
に限定されるものではなく、公知の各種の方法が適用可
能である。たとえば、電界効果型パワートランジスタの
通電電流に応動する信号を得るようにしても良い。
【0144】また、補助供給器は補助電流信号を出力す
る構成に限定されるものではなく、パワー増幅器の通電
制御端子側に補助電圧信号を供給するようにしても良
い。補助供給器の補助信号によって、パワー増幅器の電
界効果型パワートランジスタのオン抵抗を小さくし、電
流路の滑らかな切換動作を阻害すること無しに、オン抵
抗による電力損失を小さくできる。また、コイルに両方
向の電流を供給する場合に限らず、片方向の電流を供給
するように構成することも可能であり、両方向の電流供
給と片方向の電流供給を適時切り換えるようにしても良
い。
【0145】また、第1のパワー増幅器や第2のパワー
増幅器は前述の実施例に示した構成に限定されず、実質
的に本発明の主旨に添った動作を行うならば、各種の変
形が可能である。前述の形態では、好ましい例として、
電界効果型パワートランジスタを用いたパワー部カレン
トミラー回路を有するパワー増幅器を示したが、このよ
うな構成に限定されるものではない。たとえば、IGB
Tトランジスタ(Insulated Gate bipolar Transistor)
もしくはCOMFETトランジスタ(Conductivity modu
lated Field Effect Transistor)は非線形な電圧増幅特
性を有する複合パワートランジスタであり、その増幅特
性のばらつきが大きいことからオン・オフのスイッチン
グ素子として利用されている。しかし、IGBTトラン
ジスタは入力側に電界効果型トランジスタを有する複合
電界効果型パワートランジスタであることから、IGB
Tトランジスタを用いた電界効果型パワー部カレントミ
ラー回路を構成することができ、IGBTトランジスタ
を用いて電流増幅特性を有するパワー増幅器を構成する
ことが可能になる。
【0146】このようなパワー増幅器の通電制御端子側
に、少なくとも立ち上がり傾斜部分および/または立ち
下がり傾斜部分において滑らかに変化する電流信号を供
給することによりによって、滑らかに電流路を切り換え
ることが可能になる。これにより、複合電界効果型パワ
ートランジスタは多くの欠点(オン電圧が大きい,増幅
利得ばらつきが大きい)を有しているけれども、複合電
界効果型パワートランジスタを含んだパワー増幅器を用
いて、本発明に示した各種の効果を得ることも可能にな
る。従って、本発明の電界効果型パワートランジスタに
は、IGBTトランジスタもしくは電界効果型トランジ
スタを入力側に有する複合電界効果型トランジスタも含
んでいる。図32にIGBTトランジスタのような入力
側に電界効果型トランジスタを有する複合電界効果型パ
ワートランジスタ1910を用いたパワー増幅器190
0の構成例を示す。
【0147】この例では、パワー増幅器1900を第1
のパワー増幅器611に使用したものである。複合電界
効果型トランジスタ1910と電界効果型トランジスタ
1911との接続により、等価的に電界効果型パワー部
カレントミラー回路を構成している。これにより、パワ
ー増幅器1900の通電制御端子側への入力電流を電流
増幅して、複合電界効果型トランジスタ1910の通電
電流路に駆動電流を出力する。パワーダイオード191
0dは、複合電界効果型トランジスタ1910の通電電
流路に並列に等価回路的に逆接続された寄生ダイオード
である。また、オン時の複合電界効果型トランジスタ1
910は、所要電圧のバイアス値を含んだフルオン動作
を行っている。なお、抵抗1912または/および19
13は零であっても良い。
【0148】図33にIGBTトランジスタのような入
力側に電界効果型トランジスタを有する複合電界効果型
パワートランジスタ1960を用いたパワー増幅器19
50の別の構成例を示す。複合電界効果型トランジスタ
1960と電界効果型トランジスタ1961との接続に
より、等価的に電界効果型パワー部カレントミラー回路
を構成している。これにより、パワー増幅器1950の
通電制御端子側への入力電流を電流増幅して、複合電界
効果型トランジスタ1960の通電電流路に駆動電流を
出力する。パワーダイオード1960dは、複合電界効
果型トランジスタ1960の通電電流路に並列に等価回
路的に逆接続された寄生ダイオードである。なお、抵抗
1962または/および1963は零であっても良い。
【0149】また、前述の実施例に示した直流電源50
は、直流電圧や直流電流を供給できるものであれば、各
種の構成が可能である。たとえば、電池電源やSWレギ
ュレータ電源やACラインの交流電圧をダイオード整流
した電源等が使用される。また、本発明の技術を用い
て、ディスク回転駆動用の機器に限らず、各種のモータ
応用機器が構成可能である。その他、本発明の主旨を変
えず種々の変形が可能であり、本発明に含まれることは
いうまでもない。
【0150】
【発明の効果】本発明のモータでは、パワートランジス
タを含むパワー増幅器の通電制御端子側に、たとえば、
立ち上がり傾斜部分および立ち下がり傾斜部分において
滑らかに変化する電流信号を供給し、さらに、このパワ
ー増幅器をオン・オフの高周波スイッチング動作させ
た。これにより、パワー増幅器の電力損失・発熱を低減
しながらも、コイルへの電流路の切換動作は滑らかにで
きる。従って、電力効率が良く、振動の小さい高性能な
モータを実現可能にした。また、パワー増幅器のパワー
トランジスタを集積回路化することも可能になり、コス
トも安くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1における全体構成を示す
図。
【図2】 実施例1における切換作成器34の回路図。
【図3】 実施例1における電流供給器30の回路図。
【図4】 実施例1における分配作成器36の構成を示
す図。
【図5】 実施例1における第1の電流増幅器41,4
2,43の回路図。
【図6】 実施例1における第2の電流増幅器45,4
6,47と高電圧出力器51の回路図。
【図7】 実施例1におけるスイッチング制御器22と
電流検出器21の回路図。
【図8】 実施例1における集積回路の一部の断面図。
【図9】 実施例1の動作を説明するための信号波形を
示す図。
【図10】 本発明の実施例におけるパワー増幅器の別
の構成を示す図。
【図11】 本発明の実施例におけるパワー増幅器の別
の構成を示す図。
【図12】 本発明の実施例におけるスイッチングパル
ス回路の別の構成を示す図。
【図13】 本発明の実施例2における全体構成を示す
図。
【図14】 実施例2における補助供給器500の回路
図。
【図15】 実施例2における補助切換作成部510の
回路図。
【図16】 実施例2における補助切換作成部510の
信号波形を示す図。
【図17】 実施例2における第1の補助電流信号と第
2の補助電流信号と第1の増幅電流信号と第2の増幅電
流信号と第1の合成電流信号と第2の合成電流信号の信
号波形を示す図。
【図18】 本発明の実施例3における全体構成を示す
図。
【図19】 実施例3におけるパワー増幅器の回路図。
【図20】 本発明の実施例におけるパワー増幅器の別
の構成を示す図。
【図21】 本発明の実施例4における全体構成を示す
図。
【図22】 実施例4におけるスイッチング制御器70
0の回路図。
【図23】 本発明の実施例5における全体構成を示す
図。
【図24】 実施例5におけるスイッチング制御器80
0の回路図。
【図25】 実施例5における補助供給器810の回路
図。
【図26】 実施例5における第2の電流増幅器84
5,846,847の回路図。
【図27】 実施例5における第2のパワー増幅器の回
路図。
【図28】 本発明の実施例における第2のパワー増幅
器の別の構成を示す図である。
【図29】 本発明の実施例6における全体構成を示す
図。
【図30】 実施例6におけるオフ動作器1000の回
路図。
【図31】 本発明の実施例における分配作成器の別の
構成を示す図。
【図32】 本発明の実施例におけるパワー増幅器の別
の構成を示す図。
【図33】 本発明の実施例におけるパワー増幅器の別
の構成を示す図。
【図34】 従来のモータの構成を示す図。
【符号の説明】
1 移動体 1b ディスク 2,3,4 コイル 11,12,13,611,612,613 第1のパ
ワー増幅器 15,16,17,615,616,617,815,
816,817第2のパワー増幅器 20 指令器 21 電流検出器 22,700,800 スイッチング制御器 30 電流供給器 34 切換作成器 36,1036 分配作成器 37,1037 第1の分配器 38,1038 第2の分配器 41,42,43 第1の電流増幅器 45,46,47,845,846,847 第2の電
流増幅器 50 直流電源 51 高電圧出力器 81,82,83 第1の合成器 85,86,87 第2の合成器 500,810 補助供給器 1000 オフ動作器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−87594(JP,A) 特開 昭64−8890(JP,A) 特開 昭59−230488(JP,A) 実開 昭58−156397(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02P 6/00 - 6/24

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動体と、 複数相のコイルと、 直流電圧を供給する電圧供給手段と、 前記電圧供給手段の負極端子側と前記コイルの一つへの
    電流路を形成する第1の電界効果型パワートランジスタ
    をそれぞれ含むQ個(Qは3以上の整数)の第1のパワ
    ー増幅手段と、 前記電圧供給手段の正極端子側と前記コイルの一つへの
    電流路を形成する第2の電界効果型パワートランジスタ
    をそれぞれ含むQ個の第2のパワー増幅手段と、 複数相の切換信号を作りだす切換作成手段と、 前記切換作成手段の出力信号に応動して前記Q個の第1
    のパワー増幅手段からの通電を分配制御する第1の分配
    制御手段と、 前記切換作成手段の出力信号に応動して前記Q個の第2
    のパワー増幅手段からの通電を分配制御する第2の分配
    制御手段と、 前記Q個の第1のパワー増幅手段と前記Q個の第2のパ
    ワー増幅手段のうちで少なくとも1個のパワー増幅手段
    を高周波スイッチング動作させるスイッチング動作手段
    と、を具備するモータであって、前記 第1の分配制御手段と前記第2の分配制御手段は、
    立ち上がり傾斜部分と立ち下がり傾斜部分のうちの少な
    くとも一方の傾斜部分において電流振幅が滑らかに変化
    する少なくとも1つの電流信号を前記Q個の第1のパワ
    ー増幅手段と前記Q個の第2のパワー増幅手段のうちで
    少なくとも1個のパワー増幅手段の通電制御端子側に供
    給する手段と、 前記コイルへの供給電力を変化させる指令信号に応動し
    て前記少なくとも1つの電流信号の前記少なくとも一方
    の傾斜部分における電流振幅を変化させる手段と、 を含
    んで構成された、モータ。
  2. 【請求項2】 前記第1の分配制御手段が、 立ち上がり傾斜部分と立ち下がり傾斜部分のうちの少な
    くとも一方の傾斜部分において電流振幅が滑らかに変化
    する第1のQ相の電流信号を前記Q個の第1のパワー増
    幅手段の通電制御端子側に供給するように構成された、
    請求項1に記載のモータ。
  3. 【請求項3】 前記第2の分配制御手段が、 立ち上がり傾斜部分と立ち下がり傾斜部分のうちの少な
    くとも一方の傾斜部分において電流振幅が滑らかに変化
    する第2のQ相の電流信号を前記Q個の第2のパワー増
    幅手段の通電制御端子側に供給するように構成された、
    請求項1または請求項2のいずれかに記載のモータ。
  4. 【請求項4】 前記第1の分配制御手段と前記第2の分
    配制御手段が、前記指令信号に比例もしくは略比例して
    前記電流信号の前記少なくとも一方の傾斜部分における
    電流振幅を変化させる手段を含んで構成された、請求項
    から請求項3のいずれかに記載のモータ。
  5. 【請求項5】 前記スイッチング動作手段が、前記コイ
    ルへの合成供給電流に応動した電流検出信号を得る電流
    検出手段と、前記電流検出手段の出力信号と前記指令信
    号を比較し、該比較結果に応動して前記Q個の第1のパ
    ワー増幅手段と前記Q個の第2のパワー増幅手段のうち
    で少なくとも一方のパワー増幅手段の通電制御端子側を
    パルス的に同時にオフにさせるスイッチング制御手段
    と、を含んで構成された、請求項1から請求項4のいず
    れかに記載のモータ。
  6. 【請求項6】 前記スイッチング動作手段が、前記Q個
    の第1のパワー増幅手段と前記Q個の第2のパワー増幅
    手段のうちで少なくとも一方のパワー増幅手段の通電制
    御端子側を単一のパルス信号に応動してスイッチング動
    作させるスイッチング制御手段を含んで構成された、請
    求項1から請求項5のいずれかに記載のモータ。
  7. 【請求項7】 前記Q個の第1のパワー増幅手段と前記
    Q個の第2のパワー増幅手段のうちで少なくとも1個の
    パワー増幅手段が、通電制御端子側への入力電流の電流
    増幅動作を行う手段を含んで構成された、請求項1から
    請求項6のいずれかに記載のモータ。
  8. 【請求項8】 移動体と、 複数相のコイルと、 直流電圧を供給する電圧供給手段と、 前記電圧供給手段の一方の出力極端子側と前記コイルの
    一つへの電流路を形成する第1の電界効果型パワートラ
    ンジスタをそれぞれ含むQ個(Qは3以上の整数)の第
    1のパワー増幅手段と、 前記電圧供給手段の他方の出力端子側と前記コイルの一
    つへの電流路を形成する第2の電界効果型パワートラン
    ジスタをそれぞれ含むQ個の第2のパワー増幅手段と、 複数相の切換信号を作りだす切換作成手段と、 前記切換作成手段の出力信号に応動して前記Q個の第1
    のパワー増幅手段からの通電を分配制御する第1の分配
    制御手段と、 前記切換作成手段の出力信号に応動して前記Q個の第2
    のパワー増幅手段からの通電を分配制御する第2の分配
    制御手段と、 少なくとも1個の第1のパワー増幅手段を高周波スイッ
    チング動作させるスイッチング動作手段と、を具備する
    モータであって、前記 第1の分配制御手段は、立ち上がり傾斜部分と立ち
    下がり傾斜部分のうちの少なくとも一方の傾斜部分にお
    いて電流振幅が滑らかに変化するQ相の電流信号を前記
    Q個の第1のパワー増幅手段の通電制御端子側に供給す
    る手段と、 前記コイルへの供給電力を変化させる指令信号に応動し
    て前記Q相の電流信号の前記少なくとも一方の傾斜部分
    における電流振幅を変化させる手段と、 を含んで構成さ
    れた、モータ。
  9. 【請求項9】 前記第1の分配制御手段が、前記指令信
    号に比例もしくは略比例して前記Q相の電流信号の前記
    少なくとも一方の傾斜部分における電流振幅を変化させ
    る手段を含んで構成された、請求項8に記載のモータ。
  10. 【請求項10】 前記スイッチング動作手段が、前記コ
    イルへの合成供給電流に応動した電流検出信号を得る電
    流検出手段と、前記電流検出手段の出力信号と前記指令
    信号を比較し、該比較結果に応動して前記Q個の第1の
    パワー増幅手段の通電制御端子側を同時にオフにさせる
    ことにより、1個または2個の前記第1のパワー増幅手
    段を同時に高周波スイッチング動作させるスイッチング
    制御手段と、を含んで構成された、請求項8または請求
    項9のいずれかに記載のモータ。
  11. 【請求項11】 移動体と、 複数相のコイルと、 直流電圧を供給する電圧供給手段と、 前記電圧供給手段の一方の出力極端子側と前記コイルの
    一つへの電流路を形成する第1の電界効果型パワートラ
    ンジスタをそれぞれ含むQ個(Qは3以上の整数)の第
    1のパワー増幅手段と、 前記電圧供給手段の他方の出力端子側と前記コイルの一
    つへの電流路を形成する第2の電界効果型パワートラン
    ジスタをそれぞれ含むQ個の第2のパワー増幅手段と、 複数相の切換信号を作りだす切換作成手段と、 前記切換作成手段の出力信号に応動して前記Q個の第1
    のパワー増幅手段からの通電を分配制御する第1の分配
    制御手段と、 前記切換作成手段の出力信号に応動して前記Q個の第2
    のパワー増幅手段からの通電を分配制御する第2の分配
    制御手段と、 少なくとも1個の第1のパワー増幅手段を高周波スイッ
    チング動作させるスイッチング動作手段と、を具備する
    モータであって、前記 第2の分配制御手段は、立ち上がり傾斜部分と立ち
    下がり傾斜部分のうちの少なくとも一方の傾斜部分にお
    いて電流振幅が滑らかに変化するQ相の電流信号を前記
    Q個の第2のパワー増幅手段の通電制御端子側に供給す
    る手段と、 前記コイルへの供給電力を変化させる指令信号に応動し
    て前記Q相の電流信号の前記少なくとも一方の傾斜部分
    における電流振幅を変化させる手段と、 を含んで構成さ
    れた、モータ。
  12. 【請求項12】 前記第2の分配制御手段が、前記指令
    信号に比例もしくは略比例して前記Q相の電流信号の
    少なくとも一方の傾斜部分における電流振幅を変化さ
    せる手段を含んで構成された、請求項11に記載のモー
    タ。
  13. 【請求項13】 前記スイッチング動作手段が、前記コ
    イルへの合成供給電流に応動した電流検出信号を得る電
    流検出手段と、前記電流検出手段の出力信号と前記指令
    信号を比較し、該比較結果に応動して前記Q個の第1の
    パワー増幅手段の通電制御端子側を同時にオフにさせる
    ことにより、1個または2個の前記第 1のパワー増幅手
    段を同時に高周波スイッチング動作させるスイッチング
    制御手段と、を含んで構成された、請求項11または請
    求項12のいずれかに記載のモータ。
  14. 【請求項14】 移動体と、 複数相のコイルと、 直流電圧を供給する電圧供給手段と、 前記電圧供給手段の一方の出力極端子側と前記コイルの
    一つへの電流路を形成する第1の電界効果型パワートラ
    ンジスタをそれぞれ含むQ個(Qは3以上の整数)の第
    1のパワー増幅手段と、 前記電圧供給手段の他方の出力端子側と前記コイルの一
    つへの電流路を形成する第2の電界効果型パワートラン
    ジスタをそれぞれ含むQ個の第2のパワー増幅手段と、 複数相の切換信号を作りだす切換作成手段と、 前記切換作成手段の出力信号に応動して前記Q個の第1
    のパワー増幅手段からの通電を分配制御する第1の分配
    制御手段と、 前記切換作成手段の出力信号に応動して前記Q個の第2
    のパワー増幅手段からの通電を分配制御する第2の分配
    制御手段と、 前記Q個の第1のパワー増幅手段と前記Q個の第2のパ
    ワー増幅手段のうちで少なくとも1個のパワー増幅手段
    を高周波スイッチング動作させるスイッチング動作手段
    と、を具備するモータであって、前記 第1の分配制御手段は、立ち上がり傾斜部分と立ち
    下がり傾斜部分のうちの少なくとも一方の傾斜部分にお
    いて電流振幅が滑らかに変化する第1のQ相の電流信号
    を前記Q個の第1のパワー増幅手段の通電制御端子側に
    供給する手段と、 前記コイルへの供給電力を変化させる指令信号に応動し
    て前記第1のQ相の電流信号の前記少なくとも一方の
    斜部分における電流振幅を変化させる手段と、を含んで
    構成され 前記第2の分配制御手段は、立ち上がり傾斜部分と立ち
    下がり傾斜部分のうちの少なくとも一方の傾斜部分にお
    いて電流振幅が滑らかに変化する第2のQ相の 電流信号
    を前記Q個の第2のパワー増幅手段の通電制御端子側に
    供給する手段と、 前記指令信号に応動して前記第2のQ相の電流信号の前
    記少なくとも一方の傾斜部分における電流振幅を変化さ
    せる手段と、を含んで構成された、 モータ。
  15. 【請求項15】 前記第1の分配制御手段が、前記第1
    のQ相の電流信号の前記少なくとも一方の傾斜部分にお
    ける電流振幅を前記指令信号に比例もしくは略比例して
    変化させる手段を含んで構成され、 前記第2の分配制御手段が、前記第2のQ相の電流信号
    の前記少なくとも一方の傾斜部分における電流振幅を前
    記指令信号に比例もしくは略比例して変化させる手段を
    含んで構成された、請求項14に記載のモータ。
  16. 【請求項16】 前記スイッチング動作手段が、前記コ
    イルへの合成供給電流に応動した電流検出信号を得る電
    流検出手段と、前記電流検出手段の出力信号と前記指令
    信号を比較し、該比較結果に応動して前記Q個の第1の
    パワー増幅手段の通電制御端子側を同時にオフにさせる
    ことにより、1個または2個の前記第1のパワー増幅手
    段を同時に高周波スイッチング動作させるスイッチング
    制御手段と、を含んで構成された、請求項14または請
    求項15のいずれかに記載のモータ。
  17. 【請求項17】 前記スイッチング動作手段は、前記複
    数相のコイルへの合成供給電流に応動した電流検出信号
    を得る電流検出手段と、前記電流検出手段の出力信号と
    前記指令信号を比較し、該比較結果に応動してQ個の前
    記第1の電界効果型パワートランジスタとQ個の前記第
    2の電界効果型パワートランジスタのうちで少なくとも
    1個の電界効果型パワートランジスタを高周波スイッチ
    ング動作させるスイッチング制御手段と、を含んで構成
    された、請求項14から請求項16のいずれかに記載の
    モータ。
  18. 【請求項18】 前記複数相のコイルの相数を3にし、
    Q=3にした、請求項1から請求項17のいずれかに記
    載のモータ。
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