JPH11146678A - モータ - Google Patents

モータ

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JPH11146678A
JPH11146678A JP10041335A JP4133598A JPH11146678A JP H11146678 A JPH11146678 A JP H11146678A JP 10041335 A JP10041335 A JP 10041335A JP 4133598 A JP4133598 A JP 4133598A JP H11146678 A JPH11146678 A JP H11146678A
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JP
Japan
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power
current
transistor
voltage
switching
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JP10041335A
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English (en)
Inventor
Makoto Goto
誠 後藤
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 集積回路化に適した構成のモータを提供す
る。 【解決手段】 動作制御器310は、電界効果型パワー
トランジスタ81〜83の動作電圧を検出し、モータの
移動動作に同期して変化する被変調信号および検出動作
電圧に応動した動作制御信号Vdを出力する。動作制御
信号に応動してスイッチングトランジスタ61のスイッ
チング動作を制御し、電圧変換器52の変換直流電圧を
可変制御する。電圧変換器の変換直流電圧はパワー増幅
器11〜17に供給される。電界効果型パワー部カレン
トミラー回路によって構成されたパワー増幅器は、電圧
変換器の変換直流電圧から3相コイル2〜4への電流路
を滑らかに切り換え、コイルへの駆動電流I1〜I3の
脈動を小さくし、モータ振動を低減する。集積回路内に
形成される寄生トランジスタによる誤動作を防止するよ
うに、スイッチングトランジスタやパワートランジスタ
を所要の半導体素子と一緒に集積回路化する。電界効果
型パワートランジスタ81〜87の電力損失は低減さ
れ、集積回路の発熱は小さい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数個のトランジ
スタにより電子的にコイルへの電流路を切り換えて供給
するモータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、OA機器やAV機器の駆動用モー
タとして、複数個のトランジスタにより電子的に電流路
を切り換えるモータが広く使用されている。このような
モータの例として、PNP型パワートランジスタとNP
N型パワートランジスタを用いてコイルへの電流路を切
り換えるモータがある。図25に従来のモータを示し、
その動作について簡単に説明する。ロータ2011は永
久磁石による界磁部を有し、ロータ2011の回転に応
動して、位置検出器2041は2組の3相の電圧信号K
1,K2,K3とK4,K5,K6を発生する。第1の
分配器2042は電圧信号K1,K2,K3に応動した
3相の下側通電制御信号L1,L2,L3を作りだし、
下側のNPN型パワートランジスタ2021,202
2,2023の通電を制御する。第2の分配器2043
は電圧信号K4,K5,K6に応動した3相の上側通電
制御信号M1,M2,M3を作りだし、上側のPNP型
パワートランジスタ2025,2026,2027の通
電を制御する。これにより、コイル2012,201
3,2014に3相の駆動電圧を供給する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この従来のモ
ータでは、下記の各種の課題が問題になっていた。 (1)電力損失が大きい。従来の構成では、NPN型パ
ワートランジスタ2021,2022,2023および
PNP型パワートランジスタ2025,2026,20
27は、そのエミッタ−コレクタ間の電圧をアナログ的
に制御し、コイル2012,2013,2014に必要
な振幅の駆動電流を供給している。そのため、各パワー
トランジスタの残留電圧が大きく、この残留電圧とパワ
ートランジスタの通電電流の積によって、大きな電力損
失が生じていた。特に、モータコイルへの駆動電流が大
きいので、電力損失は著しく大きかった。そのため、モ
ータの電力効率は極めて悪かった。 (2)コストが高い。コストを安くするためには、トラ
ンジスタや抵抗類を1チップの集積回路(IC)にまと
めることが有効である。しかし、PNP型パワートラン
ジスタ2025,2026,2027を形成するために
は大きなチップ面積が必要になり、コスト増加を招く大
きな要因になっていた。また、集積回路化した場合の寄
生容量の影響により、PNP型パワートランジスタを高
速動作させることが難しかった。また、パワートランジ
スタの電力損失・発熱が大きく、集積回路化が難しかっ
た。特に、モータコイルへの駆動電流が大きいので、パ
ワートランジスタの発熱により集積回路の熱破壊を生じ
る危険性が大きい。また、熱破壊を防止するために放熱
板を取り付けた場合には、コスト増加が大きかった。 (3)モータの振動が大きい。近年、光ディスク装置や
磁気ディスク装置では、ディスクの高密度記録再生に伴
って、振動の小さなモータが要望されてきた。しかし、
従来の構成では、パワートランジスタの急峻な切り換え
に伴ってコイルにスパイク電圧が生じ、駆動電流の脈動
を生じていた。これにより、発生駆動力が脈動し、大き
なモータ振動を生じていた。これらの課題をそれぞれも
しくは同時に解決したモータが強く望まれていた。本発
明の目的は、上記の各種の問題点をそれぞれまたは同時
に解決し、集積回路化に適した構成のモータを提供する
ことにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のモータでは、移
動体と、複数相のコイルと、直流電圧を供給する電圧供
給手段と、前記電圧供給手段の負極出力端子側と前記コ
イルの電流路を形成する第1のパワートランジスタをそ
れぞれ含むQ個(Qは2以上の整数)の第1のパワー増
幅手段と、前記電圧供給手段の正極出力端子側と前記コ
イルの電流路を形成する第2のパワートランジスタをそ
れぞれ含むQ個の第2のパワー増幅手段と、複数相の切
換信号を出力する切換作成手段と、前記切換作成手段の
出力信号に応動して前記第1のパワー増幅手段の通電を
分配制御する第1の分配制御手段と、前記切換作成手段
の出力信号に応動して前記第2のパワー増幅手段の通電
を分配制御する第2の分配制御手段を具備するモータで
あって、前記電圧供給手段は、磁気エネルギーを蓄える
変換用インダクタ手段と、電気エネルギーを蓄える変換
用コンデンサ手段と、直流電源の負極端子側に電流流出
端子側を接続され、電流流入端子側を前記変換用インダ
クタ手段の一端に接続されたスイッチングトランジスタ
を含み、前記直流電源から前記変換用インダクタ手段の
磁気エネルギーを補充する電力供給路をオン・オフの高
周波スイッチングするスイッチング手段と、前記スイッ
チングトランジスタのオン・オフのスイッチング動作に
相補的にオフ・オン動作して前記変換用インダクタ手段
から前記変換用コンデンサ手段を含む回路側への電流路
を形成する電流路形成手段と、を有し、前記変換用コン
デンサ手段の一端と前記直流電源の一端の間に出力した
変換直流電圧を前記第1のパワー増幅手段と前記第2の
パワー増幅手段に供給する構成とし、さらに、前記スイ
ッチングトランジスタと前記第1のパワートランジスタ
と前記第2のパワートランジスタと、を所要の半導体素
子と一緒に単一チップの集積回路内に形成した集積回路
手段を有するように構成した。
【0005】これにより、第1のパワートランジスタや
第2のパワートランジスタの電力損失を大幅に低減し
た。また、電圧供給手段のスイッチングトランジスタの
電力損失も小さい。その結果、モータの電力効率は著し
く向上した。また、これらのパワー素子を単一チップに
集積回路化しても、その発熱が著しく小さく、集積回路
の熱破壊は生じない。また、上記構成にすることによ
り、集積回路化に伴って形成される寄生トランジスタ素
子の動作を防止した。すなわち、スイッチングトランジ
スタが高周波スイッチング動作を行っても、寄生トラン
ジスタによる誤動作が生じないようにした。従って、ス
イッチングトランジスタやパワートランジスタ等のパワ
ー素子を、所要の半導体素子と一緒に単一チップの集積
回路内に高密度に形成でき、安価なモータを実現でき
る。また、たとえば、第1のパワー増幅手段や第2のパ
ワー増幅手段の通電制御端子側に滑らかに変化する第1
の分配電流信号や第2の分配電流信号を供給することに
より、滑らかに変化する両方向の駆動電流をコイルに供
給でき、駆動電流の脈動を大幅に低減した。その結果、
発生駆動力の脈動が低減し、高性能なモータを実現でき
る。
【0006】また、本発明の他の構成のモータでは、移
動体と、複数相のコイルと、直流電源の電力供給路を高
周波スイッチングするスイッチングトランジスタを含
み、前記直流電源の直流電圧を変換した変換直流電圧を
出力する電圧供給手段と、前記電圧供給手段の負極出力
端子側と前記コイルの電流路を形成する第1のパワート
ランジスタをそれぞれ含むQ個(Qは2以上の整数)の
第1のパワー増幅手段と、前記電圧供給手段の正極出力
端子側と前記コイルの電流路を形成する第2のパワート
ランジスタをそれぞれ含むQ個の第2のパワー増幅手段
と、複数相の切換信号を出力する切換作成手段と、前記
切換作成手段の出力信号に応動して前記第1のパワー増
幅手段の通電を分配制御する第1の分配制御手段と、前
記切換作成手段の出力信号に応動して前記第2のパワー
増幅手段の通電を分配制御する第2の分配制御手段と、
前記スイッチングトランジスタのスイッチング動作を制
御し、前記電圧供給手段の変換直流電圧を可変制御する
動作制御手段を具備するモータであって、前記動作制御
手段は、前記移動体の移動動作に同期してアナログ的に
振幅を変化させる被変調信号を得る変調手段と、前記第
1のパワートランジスタもしくは前記第2のパワートラ
ンジスタの動作電圧を検出する動作電圧検出手段と、を
有し、前記動作電圧検出手段の出力信号と前記変調手段
の出力信号に応動して前記スイッチングトランジスタの
スイッチング動作を制御する構成にした。
【0007】これにより、第1のパワートランジスタや
第2のパワートランジスタやスイッチングトランジスタ
の電力損失を大幅に低減し、モータの電力効率は著しく
向上させた。また、動作制御手段と電圧供給手段によっ
て、通電時のパワートランジスタを能動領域内の小さな
動作電圧に制御し、かつ、スイッチングトランジスタの
スイッチング動作を変調手段の出力信号に応動して変化
させるようにした。その結果、コイルの逆起電力波形の
影響による動作電圧の脈動を低減でき、パワートランジ
スタの動作電圧を常に必要最小限の値に制御できた。従
って、通電時のパワートランジスタにおける電力損失・
発熱は一層小さくなった。
【0008】また、本発明の他の構成のモータでは、移
動体と、複数相のコイルと、直流電圧を供給する電圧供
給手段と、前記電圧供給手段の負極出力端子側と前記コ
イルの電流路を形成する第1の電界効果型パワートラン
ジスタをそれぞれ含み、前記第1の電界効果型パワート
ランジスタを用いた第1の電界効果型パワー部カレント
ミラー回路を有するQ個(Qは2以上の整数)の第1の
パワー増幅手段と、前記電圧供給手段の正極出力端子側
と前記コイルの電流路を形成する第2の電界効果型パワ
ートランジスタをそれぞれ含み、前記第2の電界効果型
パワートランジスタを用いた第2の電界効果型パワー部
カレントミラー回路を有するQ個の第2のパワー増幅手
段と、複数相の切換信号を出力する切換作成手段と、前
記切換作成手段の出力信号に応動し、少なくとも立ち上
がり傾斜部分および立ち下がり傾斜部分において滑らか
に変化する第1のQ相の電流信号を前記Q個の第1のパ
ワー増幅手段の各通電制御端子側に供給する第1の分配
制御手段と、前記切換作成手段の出力信号に応動し、少
なくとも立ち上がり傾斜部分および立ち下がり傾斜部分
において滑らかに変化する第2のQ相の電流信号を前記
Q個の第2のパワー増幅手段の各通電制御端子側に供給
する第2の分配制御手段と、を具備する構成にした。
【0009】これにより、第1の電界効果型パワー部カ
レントミラー回路を有して第1のパワー増幅手段を構成
し、第2の電界効果型パワー部カレントミラー回路を有
して第2のパワー増幅手段を構成し、電界効果型パワー
トランジスタを用いて電流増幅動作を行わせた。その結
果、非線形性やバラツキの大きい電界効果型パワートラ
ンジスタを使用しながらも、第1のパワー増幅手段と第
2のパワー増幅手段のそれぞれおよび相互の電流増幅率
のバラツキを大幅に低減した。従って、コイルへの駆動
電流のバラツキが小さくなり、モータ振動は大幅に小さ
くなる。また、第1の分配制御手段と第2の分配制御手
段によって、滑らかに変化する第1のQ相の電流信号と
第2のQ相の電流信号とを作りだし、第1のQ相の電流
信号をQ個の第1のパワー増幅手段の各通電制御端子側
に供給し、第2のQ相の電流信号をQ個の第2のパワー
増幅手段の各通電制御端子側に供給することにより、Q
個の第1の電界効果型パワートランジスタとQ個の第2
の電界効果型パワートランジスタによる通電電流路の切
換動作を滑らかに行わせることができた。その結果、電
流路の切換に伴うコイルへの駆動電流の脈動を低減で
き、振動の小さいモータを実現できる。
【0010】また、本発明の他の構成のモータでは、移
動体と、複数相のコイルと、直流電圧を供給する電圧供
給手段と、前記電圧供給手段の負極出力端子側と前記コ
イルの電流路を形成する第1のパワートランジスタをそ
れぞれ含むQ個(Qは2以上の整数)の第1のパワー増
幅手段と、前記電圧供給手段の正極出力端子側と前記コ
イルの電流路を形成する第2のパワートランジスタをそ
れぞれ含むQ個の第2のパワー増幅手段と、複数相の切
換信号を出力する切換作成手段と、前記切換作成手段の
出力信号に応動して前記第1のパワー増幅手段の通電を
分配制御する第1の分配制御手段と、前記切換作成手段
の出力信号に応動して前記第2のパワー増幅手段の通電
を分配制御する第2の分配制御手段とを具備するモータ
であって、さらに、前記電圧供給手段の正極出力端子側
と前記複数相のコイルの共通接続端子側の電流路をオフ
・オンする分路トランジスタを含む分路スイッチ手段
と、前記電圧供給手段の正極出力端子側から前記第2の
パワー増幅手段への電流路を開閉する通電トランジスタ
を含む通電停止手段と、前記第2のパワートランジスタ
の電流流出端子側から電流流入端子側に向けて一方向に
通電可能なダイオード手段と、を有する構成にした。
【0011】これにより、コイルに両方向の電流を供給
して大きな発生力を得る第1の通電モードと、コイルに
片方向の電流を供給して高速回転を行わせる第2の通電
モードを、適時切り換えて動作できるモータを実現し
た。特に、第2のパワートランジスタの電流流出端子側
から電流流入端子側に向けて接続されているダイオード
手段は、第2の通電モードにおいてコイルに生じる逆起
電力によって逆流電流を流そうとするが、通電停止手段
の通電トランジスタによって逆流を防止し、正常な動作
を行わせている。また、たとえば、第1のパワートラン
ジスタや第2のパワートランジスタや分路トランジスタ
や通電トランジスタを集積回路化した場合に、集積回路
内に形成される多くの寄生素子(ダイオード手段を含
む)による誤動作を防止し、上記の第1の通電モードと
第2の通電モードを安定に動作させる構成にしている。
また、たとえば、第1のパワー増幅手段や第2のパワー
増幅手段の通電制御端子側に滑らかに変化する第1の分
配電流信号や第2の分配電流信号を供給することによ
り、滑らかに変化する両方向もしくは片方向の駆動電流
をコイルに供給できるので、駆動電流の脈動を大幅に低
減できる。その結果、発生駆動力の脈動が少ない、高性
能なモータを実現できる。
【0012】また、本発明の他の構成のモータでは、移
動体と、複数相のコイルと、直流電圧を供給する電圧供
給手段と、前記電圧供給手段の負極出力端子側と前記コ
イルの電流路を形成する第1のNMOS型パワートラン
ジスタをそれぞれ含むQ個(Qは2以上の整数)の第1
のパワー増幅手段と、前記電圧供給手段の正極出力端子
側と前記コイルの電流路を形成する第2のPMOS型パ
ワートランジスタをそれぞれ含むQ個の第2のパワー増
幅手段と、複数相の切換信号を出力する切換作成手段
と、前記切換作成手段の出力信号に応動して前記第1の
パワー増幅手段の通電を分配制御する第1の分配制御手
段と、前記切換作成手段の出力信号に応動して前記第2
のパワー増幅手段の通電を分配制御する第2の分配制御
手段を具備するモータであって、さらに、前記電圧供給
手段の直流電源がオフになった時に、前記直流電源の正
極端子側から前記第2のパワー増幅手段の電流流入端子
側への電力路を遮断するPMOS型電力路スイッチトラ
ンジスタを有する電力路スイッチ手段と、前記直流電源
がオフになった時に、前記コイルの逆起電力を整流した
整流直流電圧を取り出す電圧取出手段と、を含むように
構成した。これにより、直流電源がオフになった時に整
流直流電圧を取り出せるモータを実現した。さらに、こ
のモータを動作させるために、直流電源の出力直流電圧
以上の高電位点を必要としない構成にした。その結果、
直流電源がオフとなった緊急状態において、整流直流電
圧を用いて所要の緊急退避処理を実行することを可能に
し、かつ、このような緊急状態を含めて、高電位点を得
るための回路構成による電力損失をなくした。また、高
電位点を得るための回路構成による部品点数の増加(特
にコンデンサ)をなくした。その結果、低コストに信頼
性の高いモータ及び機器を実現可能にした。これらおよ
びその他の構成や動作については、実施例の説明におい
て詳細に説明する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について、
図面を参照しながら説明する。 《実施例1》図1から図8に本発明の実施例1のモータ
を示す。図1に全体構成を示す。移動体1は、たとえ
ば、永久磁石の発生磁束により複数極の界磁磁束を発生
する界磁部を取り付けられたロータである。ここでは、
移動体1の界磁部を2極着磁された永久磁石で示してい
るが、多極であっても良く、多数の磁極片で構成しても
良い。3相コイル2,3,4は、電気的に120度相当
ずらされて、固定体であるステータに配設されている。
3相コイル2,3,4は3相の駆動電流I1,I2,I
3により3相磁束を発生し、移動体1の界磁部との相互
作用によって駆動力を発生し、移動体1に駆動力を与え
る。
【0014】電圧変換器52は、200kHz程度の高
周波スイッチング動作を行うNMOS型スイッチングト
ランジスタ61を有している。ここに、NMOS型スイ
ッチングトランジスタとはNチャンネルMOS構造の電
界効果型スイッチングトランジスタのことである。NM
OS型スイッチングトランジスタ61は、その電流流出
端子側を直流電源50の負極端子側(−)に接続され、
その電流流入端子側と変換用インダクタ素子63の一端
が接続され、直流電源50の正極端子側(+)から変換
用インダクタ素子63への磁気エネルギーを補充する電
力供給路を高周波スイッチング(オン・オフ動作)して
いる。変換用インダクタ素子63の一端に接続されたフ
ライホイール用ダイオード62は、NMOS型スイッチ
ングトランジスタ61のオン・オフの高周波スイッチン
グ動作に相補的にオフ・オン動作し、変換用インダクタ
素子63から変換用コンデンサ素子64への電流路形成
回路を構成している。これにより、フライホイール用ダ
イオード62は、NMOS型スイッチングトランジスタ
61がオフの時に、変換用インダクタ素子63を通り変
換用コンデンサ素子64を含む回路側に電流を供給する
電流路を形成する。すなわち、NMOS型スイッチング
トランジスタ61がオンの時には、直流電源50の正極
端子側から変換用インダクタ素子63を通る電力供給路
が形成され、変換用インダクタ素子63の磁気エネルギ
ーを補充する(変換用インダクタ素子63の磁気エネル
ギーを増加させる)。NMOS型スイッチングトランジ
スタ61がオフに変わると、変換用インダクタ素子63
の端子電圧が大きくなってフライホイール用ダイオード
62を導通状態に変え、変換用インダクタ素子63から
変換用コンデンサ素子64を含む回路側への電流路形成
回路が動作する(変換用インダクタ素子63の磁気エネ
ルギーを減少させる)。これにより、変換用コンデンサ
素子64の一端と直流電源50の一端の間に変換直流電
圧(Vcc−Vg)を出力する。
【0015】変換用コンデンサ素子64は、電圧変換器
52の正極出力端子側(P)と負極出力端子側(M)の
間に接続され、変換用インダクタ素子63を介して供給
される電流・電圧を平滑するフィルタ回路を構成してい
る。これにより、NMOS型スイッチングトランジスタ
61を高周波PWM動作(パルス幅変調動作)すること
により、電圧変換器52の負極出力端子側の電位Vgを
可変制御している。その結果、直流電源50から供給さ
れる直流電圧Vccを電力供給源として、電圧変換器5
2の正極出力端子側と負極出力端子側の間に変換直流電
圧値(Vcc−Vg)を作り出している。ここで、直流
電源50の負極端子をアース電位(0V)としている。
また、直流電源50と電圧変換器52によって、所要の
直流電圧を供給する電圧供給ブロックを形成している。
なお、NMOS型スイッチングトランジスタ61は、た
とえば二重拡散MOS構造のNチャンネル電界効果型ト
ランジスタによって構成され、その電流流出端子側から
電流流入端子側に向けて寄生素子として形成されたスイ
ッチングダイオード61dを逆接続して有し、等価回路
的に接続されている(このような寄生スイッチングダイ
オード61dを形成しないように、集積回路化しても良
い)。
【0016】電圧変換器52の負極出力端子側には、3
個の第1のパワー増幅器11,12,13の電流流出端
子側が共通接続されている。第1のパワー増幅器11は
第1のNMOS型パワートランジスタ81を有し、通電
制御端子側に入力された第1の電流増幅器41の出力電
流F1を所定の増幅して出力する。ここに、NMOS型
パワートランジスタとはNチャンネルMOS構造の電界
効果型パワートランジスタのことである。第1のNMO
S型パワートランジスタ81とNMOS型トランジスタ
91は、第1のNMOS型パワー部カレントミラー回路
を構成している。ここに、NMOS型パワー部カレント
ミラー回路とはNチャンネルMOS構造の電界効果型パ
ワートランジスタを用いた電界効果型パワー部カレント
ミラー回路のことである。NMOS型パワートランジス
タ81のセルサイズをNMOS型トランジスタ91のセ
ルサイズの100倍にし、能動領域で動作している時に
100倍の電流増幅率を得ている。なお、第1のNMO
S型パワートランジスタ81は二重拡散NチャンネルM
OS構造の電界効果型トランジスタによって構成され、
その電流流出端子側から電流流入端子側に向けて寄生素
子として形成された第1のパワーダイオード81dを逆
接続して有し、等価回路的に接続されている。
【0017】同様に、第1のパワー増幅器12は第1の
NMOS型パワートランジスタ82を有し、通電制御端
子側に入力された第1の電流増幅器42の出力電流F2
を所定の増幅して出力する。第1のNMOS型パワート
ランジスタ82とNMOS型トランジスタ92は第1の
NMOS型パワー部カレントミラー回路を構成し、NM
OS型パワートランジスタ82のセルサイズをNMOS
型トランジスタ92のセルサイズの100倍にしてい
る。なお、第1のNMOS型パワートランジスタ82は
二重拡散NチャンネルMOS構造の電界効果型トランジ
スタによって構成され、その電流流出端子側から電流流
入端子側に向けて寄生素子として形成された第1のパワ
ーダイオード82dを逆接続して有し、等価回路的に接
続されている。
【0018】同様に、第1のパワー増幅器13は第1の
NMOS型パワートランジスタ83を有し、通電制御端
子側に入力された第1の電流増幅器43の出力電流F3
を所定の増幅して出力する。第1のNMOS型パワート
ランジスタ83とNMOS型トランジスタ93は第1の
NMOS型パワー部カレントミラー回路を構成し、NM
OS型パワートランジスタ83のセルサイズをNMOS
型トランジスタ93のセルサイズの100倍にしてい
る。なお、第1のNMOS型パワートランジスタ83は
二重拡散NチャンネルMOS構造の電界効果型トランジ
スタによって構成され、その電流流出端子側から電流流
入端子側に向けて寄生素子として形成された第1のパワ
ーダイオード83dを逆接続して有し、等価回路的に接
続されている。
【0019】第1のNMOS型パワートランジスタ8
1,82,83の各電流流出端子側は電圧変換器52の
負極出力端子側に共通接続され、各電流流入端子側をコ
イル2,3,4の各電力供給端子に接続されている。こ
れにより、第1のパワー増幅器11,12,13はそれ
ぞれ各通電制御端子側への入力電流を増幅した電流をコ
イル2,3,4の各電力供給端子に出力し、それぞれコ
イル2,3,4への駆動電流I1,I2,I3の負極側
電流を供給する。
【0020】電圧変換器52の正極出力端子側には、電
流検出用の抵抗31を介して、3個の第2のパワー増幅
器15,16,17の電流流入端子側が共通接続されて
いる。第2のパワー増幅器15は第2のNMOS型パワ
ートランジスタ85を有し、通電制御端子側に入力され
た第2の電流増幅器45の出力電流H1を所定の増幅し
て出力する。第2のNMOS型パワートランジスタ85
とNMOS型トランジスタ95は第2のNMOS型パワ
ー部カレントミラー回路を構成している。NMOS型パ
ワートランジスタ85のセルサイズをNMOS型トラン
ジスタ95のセルサイズの100倍にし、能動領域にて
動作しているときは101倍の電流増幅率を得ている。
なお、第2のNMOS型パワートランジスタ85は二重
拡散NチャンネルMOS構造の電界効果型トランジスタ
によって構成され、その電流流出端子側から電流流入端
子側に向けて寄生素子として形成された第2のパワーダ
イオード85dを逆接続して有し、等価回路的に接続さ
れている。
【0021】同様に、第2のパワー増幅器16は第2の
NMOS型パワートランジスタ86を有し、通電制御端
子側に入力された第2の電流増幅器46の出力電流H2
を所定の増幅して出力する。第2のNMOS型パワート
ランジスタ86とNMOS型トランジスタ96は第2の
NMOS型パワー部カレントミラー回路を構成し、NM
OS型パワートランジスタ86のセルサイズをNMOS
型トランジスタ96のセルサイズの100倍にしてい
る。なお、第2のNMOS型パワートランジスタ86は
二重拡散NチャンネルMOS構造の電界効果型トランジ
スタによって構成され、その電流流出端子側から電流流
入端子側に向けて寄生素子として形成された第2のパワ
ーダイオード86dを逆接続して有し、等価回路的に接
続されている。
【0022】同様に、第2のパワー増幅器17は第2の
NMOS型パワートランジスタ87を有し、通電制御端
子側に入力された第2の電流増幅器47の出力電流H3
を所定の増幅して出力する。第2のNMOS型パワート
ランジスタ87とNMOS型トランジスタ97は第2の
NMOS型パワー部カレントミラー回路を構成し、NM
OS型パワートランジスタ87のセルサイズをNMOS
型トランジスタ97のセルサイズの100倍にしてい
る。なお、第2のNMOS型パワートランジスタ87は
二重拡散NチャンネルMOS構造の電界効果型トランジ
スタによって構成され、その電流流出端子側から電流流
入端子側に向けて寄生素子として形成された第2のパワ
ーダイオード87dを逆接続して有し、等価回路的に接
続されている。
【0023】第2のNMOS型パワートランジスタ8
5,86,87の各電流流入端子側は抵抗31を介して
電圧変換器52の正極出力端子側に共通接続され、各電
流流出端子側をコイル2,3,4の各電力供給端子に接
続されている。これにより、第2のパワー増幅器15,
16,17はそれぞれ各通電制御端子側への入力電流を
増幅した電流をコイル2,3,4の各電力供給端子に出
力し、それぞれコイル2,3,4への駆動電流I1,I
2,I3の正極側電流を供給している。
【0024】制御作成器30は、電流検出用の抵抗31
とレベル変換回路32からなる電流検出部および比較増
幅部33によって構成されている。駆動電流I1,I
2,I3の正極側電流の合成値に相当するコイルへの合
成供給電流Ivは、電流検出用の抵抗31の電圧降下と
して検出される。レベル変換回路32は合成供給電流I
vに応動した電流検出信号Bvを出力する。比較増幅部
33は、指令信号Acと電流検出信号Bvを比較し、両
者の差に応動した第1の制御電流信号C1と第2の制御
電流信号C2を出力する。指令信号ACは、たとえば、
移動体1の速度と目標速度を比較する速度制御ブロック
によって作り出され、比較増幅部33に供給される。
【0025】図3に制御作成器30の具体的な構成を示
す。レベル変換回路32は、電圧電流変換回路151と
抵抗152を含んで構成されている。電圧電流変換回路
151は合成供給電流Ivによる電流検出用の抵抗31
の電圧降下に比例した電流を出力し、その出力電流は抵
抗152に流れ、直流電源50の負極端子側(−)を基
準とする電流検出信号Bvを出力する。
【0026】比較増幅部33の差動増幅回路161は、
指令信号Acと電流検出信号Bvの差電圧を増幅し、出
力電圧Cgを得る。トランジスタ171,172と抵抗
173,174は、出力電圧Cgに比例した2つの電流
信号を作りだす。トランジスタ171のコレクタ電流
は、トランジスタ181,182のカレントミラー回路
を介して、第1の制御電流信号C1として出力される。
トランジスタ172のコレクタ電流は第2の制御電流信
号C2として出力される。ここで、トランジスタ17
1,172と抵抗173,174を所定の設計値にな
し、第2の制御電流信号C2を第1の制御電流信号C1
の2倍の値にしている。なお、コンデンサ162は差動
増幅回路161においてローパスフィルタを形成してい
る。
【0027】図1の切換作成器34は、3相コイルに3
相電流を流すために、滑らかに変化する3相の切換電流
信号D1,D2,D3を出力する。図2に切換作成器3
4の具体的な構成を示す。この例では、切換作成器34
は位置検出部100と切換信号部101によって構成さ
れている。
【0028】位置検出部100は、移動体1の界磁部の
発生磁束を検知する磁電変換素子(例えばホール素子)
からなる位置検出素子111,112を含んで構成され
ている。位置検出素子111,112は、電気的に12
0゜の位相差を有し、移動体1の移動に伴って滑らかな
正弦波状に変化する2相の位置検出信号Ja1とJb
1、および、Ja2とJb2を出力する。ここで、Ja
1とJa2は逆相の関係にあり(電気的に180゜の位
相差)、Jb1とJb2は逆相の関係にある。なお、逆
相の信号は新たな相数に数えない。位置検出信号Ja2
とJb2は抵抗113,114により合成されて3相目
の位置検出信号Jc1を作りだし、位置検出信号Ja1
とJb1は抵抗115,116により合成されて3相目
の位置検出信号Jc2を作りだす。これにより、位置検
出部100は電気的に120゜の位相差を有する3相の
位置検出信号Ja1,Jb1,Jc1およびJa2,J
b2,Jc2を得ている。
【0029】切換信号部101は、3相の位置検出信号
に応動して滑らかに変化する正弦波状の切換電流信号D
1,D2,D3を作りだす。トランジスタ122と12
3は、1相目の位置検出信号Ja1とJa2の差電圧に
応動して定電流源121の電流をコレクタ側に分流す
る。トランジスタ123のコレクタ電流は、トランジス
タ124,125のカレントミラー回路によって2倍に
増幅され、トランジスタ125のコレクタより出力され
る。トランジスタ125のコレクタ電流は、定電流源1
26の電流値と比較され、両者の差電流が1相目の切換
電流信号D1として出力される。従って、切換電流信号
D1は、位置検出信号Ja1に応動して滑らかに変化
し、電気角で180゜区間は電流が流出し(正極性の電
流)、次の180゜区間は電流が流入する(負極性の電
流)。同様に、切換電流信号D2は、位置検出信号Jb
1に応動して滑らかに変化し、電気角で180゜区間は
電流が流出し(正極性の電流)、次の180゜区間は電
流が流入する(負極性の電流)。
【0030】同様に、切換電流信号D3は、位置検出信
号Jc1に応動して滑らかに変化し、電気角で180゜
区間は電流が流出し(正極性の電流)、次の180゜区
間は電流が流入する(負極性の電流)。これにより、切
換電流信号D1,D2,D3は正弦波状の3相の電流信
号になる。
【0031】図1の分配作成器36は、第1の分配器3
7と第2の分配器38を含んで構成されている。第1の
分配器37は、切換作成器34の3相の切換電流信号D
1,D2,D3に応動して制御作成器30の第1の制御
電流信号C1を分配し、滑らかに変化する3相の第1の
分配電流信号E1,E2,E3を作り出す。第2の分配
器38は、切換作成器34の3相の切換電流信号D1,
D2,D3に応動して制御作成器30の第2の制御電流
信号C2を分配し、滑らかに変化する3相の第2の分配
電流信号G1,G2,G3を作り出す。
【0032】図4に分配作成器36の具体的な構成を示
す。第1の分配器37は、3個の第1の入力トランジス
タ201,202,203と3個の第1の分配トランジ
スタ205,206,207によって構成されている。
それぞれの第1の入力トランジスタ201,202,2
03の通電制御端子と電流経路端子対の信号入力端子
は、切換作成器34の3相の切換電流信号D1,D2,
D3がそれぞれ供給される電流流入流出端子側に接続さ
れている。第1の入力トランジスタ201,202,2
03の電流経路端子対の信号出力端子は共通接続されて
いる。第1の分配トランジスタ205,206,207
の電流信号入力端子側は共通接続され、共通接続端子側
に制御作成器30の第1の制御電流信号C1が入力され
る。第1の分配トランジスタ205,206,207
は、それぞれの通電制御端子側を3相の切換電流信号D
1,D2,D3がそれぞれ供給される電流流入流出端子
側に接続されている。これにより、3個の第1の分配ト
ランジスタ205,206,207は、その電流信号出
力端子側から3相の第1の分配電流信号E1,E2,E
3を出力する。
【0033】また、第1の入力トランジスタ201,2
02,203と第1の分配トランジスタ205,20
6,207は同じ型のトランジスタを使用している。こ
こでは、第1の入力トランジスタ201,202,20
3と第1の分配トランジスタ205,206,207に
PNP型バイポーラトランジスタを使用している。第1
の入力トランジスタの通電制御端子はベース端子,電流
経路端子対の信号入力端子はコレクタ端子,電流経路端
子対の信号出力端子はエミッタ端子にしている。第1の
分配トランジスタの通電制御端子はベース端子,電流信
号入力端子はエミッタ端子,電流信号出力端子はコレク
タ端子にしている。
【0034】第2の分配器38は、3個の第2の入力ト
ランジスタ211,212,213と3個の第2の分配
トランジスタ215,216,217によって構成され
ている。それぞれの第2の入力トランジスタ211,2
12,213の通電制御端子と電流経路端子対の信号入
力端子は、切換作成器34の3相の切換電流信号D1,
D2,D3がそれぞれ供給される電流流入流出端子側に
接続されている。第2の入力トランジスタ211,21
2,213の電流経路端子対の信号出力端子は共通接続
されている。第2の分配トランジスタ215,216,
217の電流信号入力端子側は共通接続され、共通接続
端子側に制御作成器30の第2の制御電流信号C2が入
力される。第2の分配トランジスタ215,216,2
17は、それぞれの通電制御端子側を3相の切換電流信
号D1,D2,D3がそれぞれ供給される電流流入流出
端子側に接続されている。これにより、3個の第2の分
配トランジスタ215,216,217は、その電流信
号出力端子側から3相の第2の分配電流信号G1,G
2,G3を出力する。
【0035】また、第2の入力トランジスタ211,2
12,213と第2の分配トランジスタ215,21
6,217は同じ型のトランジスタを使用している。さ
らに、第1の入力トランジスタ201,202,203
のトランジスタの型を第2の入力トランジスタ211,
212,213のトランジスタの型とは極性が異なるよ
うにしている。ここでは、第2の入力トランジスタ21
1,212,213と第2の分配トランジスタ215,
216,217にNPN型バイポーラトランジスタを使
用している。第2の入力トランジスタの通電制御端子は
ベース端子,電流経路端子対の信号入力端子はコレクタ
端子,電流経路端子対の信号出力端子はエミッタ端子に
している。第2の分配トランジスタの通電制御端子はベ
ース端子,電流信号入力端子はエミッタ端子,電流信号
出力端子はコレクタ端子にしている。
【0036】さらに、基準電圧源220,トランジスタ
221,222は所定電圧供給部を構成し、第1の入力
トランジスタ201,202,203の共通接続端に第
1の直流電圧を供給し、第2の入力トランジスタ21
1,212,213の共通接続端に第2の直流電圧を供
給している。
【0037】これにより、切換電流信号D1が負極側電
流の時には、第1の入力トランジスタ201に電流を通
電し、第2の入力トランジスタ211には電流が流れな
い。また、切換電流信号D1が正極側電流の時には、第
2の入力トランジスタ211に電流を通電し、第1の入
力トランジスタ201には電流が流れない。すなわち、
切換電流信号D1の極性に応じて第1の入力トランジス
タ201と第2の入力トランジスタ211に相補的に滑
らかな電流を供給し、第1の入力トランジスタ201と
第2の入力トランジスタ211に同時に電流が流れるこ
とはない。
【0038】同様に、切換電流信号D2が負極側電流の
時に第1の入力トランジスタ202に電流を通電し、正
極側電流の時に第2の入力トランジスタ212に電流を
通電する。同様に、切換電流信号D3が負極側電流の時
に第1の入力トランジスタ203に電流を通電し、正極
側電流の時に第2の入力トランジスタ213に電流を通
電する。
【0039】第1の分配器37の第1の分配トランジス
タ205,206,207は、第1の入力トランジスタ
201,202,203に流れる3相電流に応動して、
第1の制御電流信号C1をそれぞれの電流信号出力端子
側に分配し、3相の第1の分配電流信号E1,E2,E
3を作り出す。従って、3相の第1の分配電流信号E
1,E2,E3は3相の切換電流信号D1,D2,D3
の負極側電流に応動して滑らかに変化し、分配電流信号
E1,E2,E3の合成値は第1の制御電流信号C1に
等しくなる。
【0040】同様に、第2の分配器38の第2の分配ト
ランジスタ215,216,217は、第2の入力トラ
ンジスタ211,212,213に流れる3相電流に応
動して、第2の制御電流信号C2をそれぞれの電流信号
出力端子側に分配し、3相の第2の分配電流信号G1,
G2,G3を作り出す。従って、3相の第2の分配電流
信号G1,G2,G3は3相の切換電流信号D1,D
2,D3の正極側電流に応動して滑らかに変化し、分配
電流信号G1,G2,G3の合成値は第2の制御電流信
号C2に等しくなる。
【0041】第1の分配電流信号E1,E2,E3は1
20゜の位相差を有し、第2の分配電流信号G1,G
2,G3は120゜の位相差を有している。第1の分配
電流信号E1と第2の分配電流信号G1は180゜の位
相差を持ちながら相補的に滑らかに変化し、E1とG1
は必ず一方が零になる。同様に、第1の分配電流信号E
2と第2の分配電流信号G2は180゜の位相差を持ち
ながら相補的に滑らかに変化し、E2とG2は必ず一方
が零になる。同様に、第1の分配電流信号E3と第2の
分配電流信号G3は180゜の位相差を持ちながら相補
的に滑らかに変化し、E3とG3は必ず一方が零にな
る。
【0042】図1の第1の分配器37の第1の分配電流
信号E1,E2,E3は、それぞれ第1の電流増幅器4
1,42,43に入力される。第1の電流増幅器41,
42,43は、それぞれ第1の分配電流信号E1,E
2,E3を所定倍の電流増幅して第1の増幅電流信号F
1,F2,F3を作りだし、第1のパワー増幅器11,
12,13の各通電制御端子側に供給する。第1のパワ
ー増幅器11,12,13は、3相の第1の増幅電流信
号F1,F2,F3をそれぞれ電流増幅し、各電流流入
端子側よりコイル2,3,4に駆動電流I1,I2,I
3の負極側電流を供給する。
【0043】図5に第1の電流増幅器41,42,43
の具体的な構成を示す。第1の電流増幅器41は、トラ
ンジスタ231,232による前段のカレントミラー回
路とトランジスタ233,234と抵抗235,236
による後段のカレントミラー回路を有し、前段と後段の
カレントミラー回路を縦続接続した第1の増幅部カレン
トミラー回路によって構成されている。トランジスタ2
31と232のエミッタ面積比を1にし、前段のカレン
トミラー回路の電流増幅率を1にしている。トランジス
タ233と234のエミッタ面積比を50倍、抵抗23
6と235の抵抗比を50倍にして、後段のカレントミ
ラー回路の電流増幅率を50倍にしている。その結果、
第1の電流増幅器41の第1の増幅部カレントミラー回
路は、電流増幅率で50倍の増幅を行っている。同様
に、第1の電流増幅器42は、トランジスタ241,2
42,243,244と抵抗245,246による第1
の増幅部カレントミラー回路によって構成され、電流増
幅率で50倍の増幅を行っている。
【0044】同様に、第1の電流増幅器43は、トラン
ジスタ251,252,253,254と抵抗255,
256による第1の増幅部カレントミラー回路によって
構成され、電流増幅率で50倍の増幅を行っている。こ
れにより、第1の電流増幅器41,42,43は、3相
の第1の分配電流信号E1,E2,E3を50倍の増幅
した3相の第1の増幅電流信号F1,F2,F3を作り
だし、第1のパワー増幅器11,12,13の第1のパ
ワー部カレントミラー回路の各通電制御端子側に供給す
る。
【0045】図1の第2の分配器38の第2の分配電流
信号G1,G2,G3は、それぞれ第2の電流増幅器4
5,46,47に入力される。第2の電流増幅器45,
46,47は、それぞれ第2の分配電流信号G1,G
2,G3を所定倍の電流増幅した第2の増幅電流信号H
1,H2,H3を作りだす。高電圧出力器53は、高周
波パルス信号に応動して昇圧用コンデンサに充電・蓄積
させ、直流電源50の正極端子側電位Vccよりも高い
高電位点電位Vuを作り出す。第2の電流増幅器45,
46,47は、第2の増幅電流信号H1,H2,H3を
高電圧出力器53の高電位点Vuから第2のパワー増幅
器15,16,17の各通電制御端子側に供給する。第
2のパワー増幅器15,16,17は、3相の第2の増
幅電流信号H1,H2,H3をそれぞれ電流増幅し、各
電流流出端子側よりコイル2,3,4に駆動電流I1,
I2,I3の正極側電流を供給する。
【0046】図6に第2の電流増幅器45,46,47
と高電圧出力器53の具体的な構成を示す。高電圧出力
器53は、100kHz程度の高周波パルス信号Paを
出力するパルス発生回路421と、第1の昇圧用コンデ
ンサ411と、第2の昇圧用コンデンサ412と、ダイ
オード425〜428からなる第1の電圧制限回路と、
ダイオード429からなる第2の電圧制限回路を含んで
構成されている。パルス発生回路421のパルス信号P
aに応動してインバータ回路422がディジタル的に変
化する。
【0047】インバータ回路422が”L”(たとえ
ば、直流電源50の負極端子側電位)の時にダイオード
423を介して第1の昇圧用コンデンサ411が充電さ
れる。
【0048】インバータ回路422が”H”(たとえ
ば、直流電源50の正極端子側電位)に変わると、第1
の昇圧用コンデンサ411に蓄積された電荷は、ダイオ
ード424を介して第2の昇圧用コンデンサ412に移
され、第2の昇圧用コンデンサ412を充電・蓄積す
る。その結果、第2の昇圧用コンデンサ412の端子に
は、電圧変換器52の正極出力端子側電位よりも高電位
になる高電位点電位Vuが出力される。高電位点電位V
uは第2の電流増幅器45,46,47に接続されてい
る。
【0049】また、第2の昇圧用コンデンサ412の充
電を続けると、高電位点の電圧Vuが非常に高くなり、
集積回路化されたトランジスタやダイオードの耐圧破壊
を起こす恐れがある。そこで、高電位点電圧Vuが所定
値以上にならないように、ダイオード425〜428に
よる第1の電圧制限回路で制限した。なお、耐圧破壊の
心配がないならば、第1の電圧制限回路を無くしても良
い。
【0050】また、第2の増幅電流信号H1,H2,H
3は第2の昇圧用コンデンサ412の電荷を放電させる
ように作用する。モータ起動時などのような大電流動作
が長時間続くと、第2の昇圧用コンデンサ412の充電
・蓄積電荷が不足し、高電圧出力器53の出力電圧点の
電位Vuが著しく低下する場合もある。そのため、回路
動作が一時的に不安定になり、起動動作が阻害される恐
れがある。そこで、ダイオード429による第2の電圧
制限回路を設けて、高電圧出力器53の高電位点電位V
uが大幅に小さくならないように制限した。
【0051】なお、電流レベルの小さい通常制御状態で
は、第2の電圧制限回路は動作しない。また、電位Vu
の変動が小さい場合には、第2の電圧制限回路を無くし
ても良い。
【0052】第2の電流増幅器45は、トランジスタ2
61,262と抵抗263,264による第2の増幅部
カレントミラー回路によって構成されている。トランジ
スタ261と262のエミッタ面積比を50倍、抵抗2
64と263の抵抗比を50倍にして、電流増幅率を5
0倍にしている。その結果、第2の電流増幅器45の第
2の増幅部カレントミラー回路は、電流増幅率で50倍
の増幅を行っている。同様に、第2の電流増幅器46
は、トランジスタ271,272と抵抗273,274
による第2の増幅部カレントミラー回路によって構成さ
れ、電流増幅率で50倍の増幅を行っている。
【0053】同様に、第2の電流増幅器47は、トラン
ジスタ281,282と抵抗283,284による第2
の増幅部カレントミラー回路によって構成され、電流増
幅率で50倍の増幅を行っている。これにより、第2の
電流増幅器45,46,47は、3相の第2の分配電流
信号G1,G2,G3をそれぞれ50倍の増幅した3相
の第2の増幅電流信号H1,H2,H3を作りだし、高
電圧出力器53の高電位点Vuから第2のパワー増幅器
15,16,17の第2のパワー部カレントミラー回路
の各通電制御端子側に供給する。
【0054】図1の動作制御器51は、第1のパワー増
幅器11,12,13の電流流入端子側と電流流出端子
側の間の3相の動作電圧を検出し、最小な動作電圧値に
応動した動作制御信号Vdを出力する。電圧変換器52
は、PWM部65において動作制御器51の動作制御信
号Vdに応動したパルス幅を有する所定の高周波のPW
M信号Sw(パルス幅変調信号)を作り、NMOS型ス
イッチングトランジスタ61を高周波スイッチング動作
させる(NMOS型スイッチングトランジスタ61が常
時オン状態になる場合も含んでいる)。
【0055】すなわち、動作制御器51の動作制御信号
Vdに応動して電圧変換器52のNMOS型スイッチン
グトランジスタ61のPWMスイッチング動作が制御さ
れる。電圧変換器52は、直流電源50の直流電圧Vc
cを電力供給源として、NMOS型スイッチングトラン
ジスタ61のPWMスイッチング動作に応動した変換直
流電圧(Vcc−Vg)を作り出す。
【0056】図7に動作制御器51と電圧変換器52の
具体的な構成を示す。動作制御器51は、動作電位検出
部285と基準側電位部286と電位比較部287によ
って構成されている。動作電位検出部285は、第1の
パワー増幅器11,12,13の第1のNMOS型パワ
ートランジスタ81,82,83の電流流入端子側に生
じる3相の電位Va,Vb,Vcで最小の電位値をダイ
オード292,293,294と定電流源291によっ
て検出し、検出電圧信号Waを作り出す。
【0057】基準側電位部286は、第1のパワー増幅
器11,12,13の共通接続端子側の電位Vgをダイ
オード297と定電流源295と抵抗296によって検
出し、共通接続端子側電位Vgよりも高い基準側電圧信
号Wbを抵抗296の端子に作り出す。
【0058】電位比較部287は、検出電圧信号Waと
基準側電圧信号Wbを差動増幅回路298によって比較
する。差動増幅回路298は、その差電圧を増幅して動
作制御信号Vdを出力する。これにより、3個の第1の
パワー増幅器の電流流入端子側と電流流出端子側の間の
通電時の動作電圧に応動する動作制御信号Vdが得られ
る。なお、コンデンサ299は差動増幅回路298にお
いてローパスフィルタを形成している。
【0059】電圧変換器52のPWM部65は、三角波
発生回路301と比較回路302を含んで構成されてい
る。比較回路302は、三角波発生回路301の200
kHzの三角波信号Vhと動作制御器51の動作制御信
号Vdを比較し、動作制御信号Vdに応動したPWM電
圧信号Swを作り出す。PWM信号SwはNMOS型ス
イッチングトランジスタ61の通電制御端子側に供給さ
れ、PWM信号Swに応動してNMOS型スイッチング
トランジスタ61はオン・オフ動作する。
【0060】NMOS型スイッチングトランジスタ61
は、直流電源50の正極端子側から変換用インダクタ素
子63への磁気エネルギーを補充する電力供給路を高周
波スイッチングする。電流路形成回路を構成するフライ
ホイール用ダイオード62は、NMOS型スイッチング
トランジスタ61のオン・オフの高周波スイッチング動
作に相補的にオフ・オン動作し、変換用インダクタ素子
63から変換用コンデンサ素子64への電流路を形成す
る。
【0061】NMOS型スイッチングトランジスタ61
の高周波スイッチングに伴う変換用インダクタ素子63
の磁気エネルギーの増加・減少によって、変換用コンデ
ンサ素子64の一端と直流電源50の一端の間に変換直
流電圧(Vcc−Vg)を出力する。
【0062】このように、直流電源50の直流電圧を電
力供給源として、NMOS型スイッチングトランジスタ
61は動作制御信号Vdに応動して高周波PWM動作
(パルス幅変調動作)し、電圧変換器52の負極出力端
子側の電位Vgを可変制御し、電圧変換器52の正極出
力端子側と負極出力端子側の間に変換直流電圧値(Vc
c−Vg)を出力する。
【0063】変換直流電圧(Vcc−Vg)は、並列接
続された第1のパワー増幅器11,12,13と並列接
続された第2のパワー増幅器15,16,17に供給さ
れる。これにより、第1のパワー増幅器11,12,1
3の通電時の動作電圧は、所定の小さな値に制御され
る。なお、NMOS型スイッチングトランジスタ61を
常時オン状態もしくはオフ状態で動作させる場合もあ
り、電圧変換器52の電圧可変範囲はかなり広い。
【0064】図1の第1のパワー増幅器11,12,1
3の第1のパワートランジスタ81,82,83と第2
のパワー増幅器15,16,17の第2のパワートラン
ジスタ85,86,87と電圧変換器52のスイッチン
グトランジスタ61は、制御作成器30や切換作成器3
4や分配作成器36や第1の電流増幅器41,42,4
3や第2の電流増幅器45,46,47や動作制御器5
1や電圧変換器52や高電圧出力器53の所要のトラン
ジスタや抵抗等と一緒に単一のシリコン基板上に接合分
離されて集積回路化されている。
【0065】図8に集積回路プロセスの一例を示す。P
型シリコン基板上に所要のN+層やN−層やP+層やP
−層等を拡散させて各種のトランジスタを形成してい
る。番号191は、二重拡散NMOS型電界効果トラン
ジスタの例であり、第1のNMOS型パワートランジス
タや第2のNMOS型パワートランジスタやNMOS型
スイッチングトランジスタとして使用する。
【0066】番号192は、NPN型バイポーラトラン
ジスタの例であり、信号増幅トランジスタとして使用す
る。番号193は、PNP型バイポーラトランジスタの
例であり、信号増幅トランジスタとして使用する。
【0067】番号194は、PチャンネルおよびNチャ
ンネルのCMOS型電界効果トランジスタの例であり、
論理信号処理に使用する。また、各トランジスタの間
は、アース電位(0V)に接続されたシリコン基板と同
電位になるP層によって接合分離される。
【0068】接合分離された集積回路は、誘電分離され
た集積回路と比較して、低コストの製造プロセスを用い
て、小さな1チップ基板上に多数のパワー用トランジス
タ素子や信号用トランジスタを高密度に集積化できる。
すなわち、安価に集積回路化できる。なお、具体的なマ
スク配置は設計事項であり、詳細な説明を省略する。
【0069】次に、図1のモータの全体的な動作につい
て、簡単に説明する。切換作成器34は、滑らかに変化
する3相の切換電流信号D1,D2,D3を作りだし、
分配作成器36に供給する。第1の分配器37は、制御
作成器30の第1の制御電流信号C1を3相の切換電流
信号D1,D2,D3に応動して分配し、3相の第1の
分配電流信号E1,E2,E3を出力する。
【0070】第1の電流増幅器41,42,43は、そ
れぞれ第1の分配電流信号E1,E2,E3を所定倍の
電流増幅した第1の増幅電流信号F1,F2,F3を出
力し、第1のパワー増幅器11,12,13の各通電制
御端子側に供給する。第1のパワー増幅器11,12,
13は、それぞれ第1の増幅電流信号F1,F2,F3
を電流増幅し、3相のコイル2,3,4に駆動電流I
1,I2,I3の負極側電流を供給する。
【0071】なお、制御作成器30と第1の分配器37
と第1の電流増幅器41,42,43は第1の分配制御
ブロックを形成し、切換作成器34の出力信号に応動し
て第1のパワー増幅器11,12,13の通電を分配制
御する。
【0072】一方、第2の分配器38は、制御作成器3
0の第2の制御電流信号C2を3相の切換電流信号D
1,D2,D3に応動して分配し、3相の第2の分配電
流信号G1,G2,G3を出力する。第2の電流増幅器
45,46,47は、それぞれ第2の分配電流信号G
1,G2,G3を所定倍の電流増幅した第2の増幅電流
信号H1,H2,H3を出力し、第2のパワー増幅器1
5,16,17の各通電制御端子側に供給する。
【0073】第2のパワー増幅器15,16,17は、
それぞれ第2の増幅電流信号H1,H2,H3を電流増
幅し、3相のコイル2,3,4に駆動電流I1,I2,
I3の正極側電流を供給する。なお、制御作成器30と
第2の分配器38と第2の電流増幅器45,46,47
は第2の分配制御ブロックを形成し、切換作成器34の
出力信号に応動して第2のパワー増幅器15,16,1
7の通電を分配制御する。
【0074】制御作成器30の電流検出用の抵抗31
は、駆動電流I1,I2,I3の正極側電流の合成値で
ある合成供給電流Ivを検出し、レベル変換回路32を
介して合成供給電流Ivに応動した電流検出信号Bvを
作りだす。比較増幅部33は、指令信号Acと電流検出
信号Bvを比較し、その比較結果に応動した第1の制御
電流信号C1と第2の制御電流信号C2を出力する。
【0075】第1の制御電流信号C1と第2の制御電流
信号C2は比例して変化し、C2の絶対値をC1の絶対
値の2倍にした。その結果、第1の分配制御ブロック
(制御作成器30と第1の分配器37と第1の電流増幅
器41,42,43)と第1のパワー増幅器11,1
2,13によって、合成供給電流Ivを指令信号Acに
応動した所定値にする帰還ループが構成され、コイル
2,3,4への供給電流が制御される。
【0076】また、第2の分配制御ブロック(制御作成
器30と第2の分配器38と第2の電流増幅器45,4
6,47)と第2のパワー増幅器15,16,17は、
第2のパワー増幅器15,16,17の第2のNMOS
型パワートランジスタ85,86,87を部分的に飽和
動作させながら、滑らかに変化する駆動電流I1,I
2,I3の正極側電流をコイル2,3,4に供給してい
る。
【0077】第1の分配制御ブロックと第1のパワー増
幅器の合成伝達利得(制御作成器30と第1の分配器3
7と第1の電流増幅器41,42,43と第1のパワー
増幅器11,12,13のフォーワード利得)に較べ
て、第2の分配制御ブロックと第2のパワー増幅器の合
成伝達利得(制御作成器30と第2の分配器38と第2
の電流増幅器45,46,47と第2のパワー増幅器1
5,16,17のフォーワード利得)を大きくし、全体
の回路動作の安定化をはかっている。
【0078】すなわち、第2のパワー増幅器の第2のN
MOS型パワートランジスタを部分的に確実に低動作電
圧の飽和動作させて、第1のパワー増幅器の第1のNM
OS型パワートランジスタによりコイルへの供給電流を
制御することを可能にした。ここで、MOS型トランジ
スタにおける低動作電圧の飽和動作とは、非能動領域も
しくは抵抗性領域(遮断領域ではない)において、電流
流入端子側と電流流出端子側の動作電圧が抵抗性の電圧
降下になる動作を意味している。このとき、MOS型ト
ランジスタの動作電圧は通電電流に比例もしくは略比例
して変化する抵抗性の電圧降下になる。
【0079】すなわち、第2のNMOS型パワートラン
ジスタは、電流路の切り換わり期間において能動領域内
で電流増幅作用をして滑らかに電流値を変化させるが、
切り換わり後の期間において抵抗性領域における抵抗性
の電圧降下の動作を行っている。
【0080】また、第1のNMOS型パワートランジス
タ81,82,83は能動領域内で動作して合成供給電
流の制御を行い、その切り換わり期間においても電流制
御をしながら滑らかに電流値を変化させている。
【0081】同一相の第1の分配電流信号E1と第2の
分配電流信号G1は、180゜の位相差をもって相補的
に流れる。従って、第1のパワー増幅器11と第2のパ
ワー増幅器15は相補的に動作し、滑らかに連続的に変
化する両方向の駆動電流I1がコイル2に供給される。
【0082】同様に、第1の分配電流信号E2と第2の
分配電流信号G2が180゜の位相差をもって相補的に
流れ、第1のパワー増幅器12と第2のパワー増幅器1
6は相補的に動作し、滑らかに連続的に変化する両方向
の駆動電流I2がコイル3に供給される。
【0083】同様に、第1の分配電流信号E3と第2の
分配電流信号G3が180゜の位相差をもって相補的に
流れ、第1のパワー増幅器13と第2のパワー増幅器1
7は相補的に動作し、滑らかに連続的に変化する両方向
の駆動電流I3がコイル4に供給される。
【0084】このように、同一相の第1のパワー増幅器
と第2のパワー増幅器が同時に通電状態になることがな
いので、電圧変換器52の正極出力端子側と負極出力端
子側の間の短絡電流が発生しない。その結果、パワート
ランジスタの過剰な発熱や過電流による破壊が生じなく
なり、集積回路の過電流破壊や異常現象は生じない。
【0085】また、滑らかに変化する連続的な駆動電流
I1,I2,I3がコイル2,3,4に供給されるの
で、コイル2,3,4におけるスパイク電圧の発生もな
く、寄生素子である第1のパワーダイオード81d,8
2d,83dや第2のパワーダイオード85d,86
d,87dを通じた異常電流が流れることもない。従っ
て、モータの発生駆動力の脈動は著しく小さくなる。
【0086】動作制御器51は通電時の第1のパワー増
幅器11,12,13の3相の動作電圧の内で最小動作
電圧を検出し、動作制御信号Vdを出力する。電圧変換
器52は、動作制御信号Vdに応動してNMOS型スイ
ッチングトランジスタ61を高周波スイッチング動作さ
せ、正極出力端子側と負極出力端子側の間の変換直流電
圧(Vcc−Vg)を可変制御する。これにより、動作
制御器51と電圧変換器52によって、第1のパワー増
幅器11,12,13の検出動作電圧を所定の小さな値
に制御する制御ループが形成される。その結果、第1の
パワー増幅器11,12,13における電力損失・発熱
は小さくなる。
【0087】また、電圧変換器52はNMOS型スイッ
チングトランジスタ61により変換用インダクタ素子6
3への電力供給路をスイッチングさせて電圧変換してい
るので、電圧変換器52における電力損失は小さい。特
に、PWM信号SwによりNMOS型スイッチングトラ
ンジスタ61を完全にオン・オフ動作させているので、
NMOS型スイッチングトランジスタ61の発熱は極め
て小さい。
【0088】本実施例では、集積回路化に好適のモータ
構成になっている。まず、パワー素子としてMOS型ス
イッチングトランジスタとMOS型パワートランジスタ
を使用して構成しているので、小さなチップ上に集積回
路化することが可能である。特に、最近の検討により、
MOS型パワー素子を低コストに同一チップ上に集積回
路化して実現できる目処がたってきた。
【0089】また、制御作成器30や切換作成器34や
分配作成器36や第1の電流増幅器41,42,43や
第2の電流増幅器45,46,47や動作制御器51や
電圧変換器52や高電圧出力器53の所要のトランジス
タやダイオードや抵抗等の半導体素子を、上記のMOS
型パワートランジスタおよびMOS型スイッチングトラ
ンジスタと同一のチップ上に接合分離して集積回路化し
ている。
【0090】接合分離した集積回路は、誘電分離した集
積回路に比較して、小さなチップ基板上に高密度に集積
化できる。その結果、安価に実現できる。また、第1の
NMOS型パワートランジスタや第2のNMOS型パワ
ートランジスタとして二重拡散MOS構造の電界効果型
トランジスタを使用し、小さなチップサイズに集積回路
化している。
【0091】二重拡散MOS構造の電界効果型トランジ
スタを使用した場合には、電流流出端子側から電流流入
端子側に向けて寄生パワーダイオードが形成される。し
かし、電流路の切換を滑らかに行っているので、寄生パ
ワーダイオードの動作を防止し、駆動電流の脈動を小さ
くしている。
【0092】また、本実施例では、接合分離部分に形成
される寄生トランジスタ素子の動作を防止し、集積回路
化に適した構成にしている。図8に示したように、接合
分離技術を用いた集積回路は、高密度集積に適した低コ
ストのICを実現できる。しかし、直流電源の負極端子
側(アース電位)に接続された接合分離部分をベース端
子とする多数の寄生トランジスタ素子が形成される欠点
がある。
【0093】通常、これらの寄生トランジスタが動作し
ないように、逆バイアスされている。しかし、集積され
たトランジスタの端子電位がアース電位よりもダイオー
ドの順方向電圧分低くなると、寄生トランジスタが動作
し、他の集積されたトランジスタから電流を抜き取る現
象が生じる。モータのように、インダクタンス作用を有
するコイルや変換用インダクタ素子に大電流を供給する
用途では、寄生トランジスタが動作すると、集積された
トランジスタの働きを妨害する恐れがある。
【0094】本実施例のNMOS型スイッチングトラン
ジスタ61は、その電流流出端子側を直流電源50の負
極端子側に接続され、その電流流入端子側と変換用イン
ダクタ素子63の一端が接続され、直流電源50の正極
端子側から変換用インダクタ素子63への磁気エネルギ
ーを補充する電力供給路を高周波スイッチングする。電
流路形成回路であるフライホイール用ダイオード62
は、変換用インダクタ素子63の一端と直流電源50の
正極端子側の間に接続され、NMOS型スイッチングト
ランジスタ61の高周波スイッチング動作に相補的にオ
フ・オン動作し、変換用インダクタ素子63から変換用
コンデンサ素子64への電流路を形成する。
【0095】変換用コンデンサ素子64の一端と直流電
源50の一端の間に変換直流電位(Vcc−Vg)を出
力し、並列的に接続された3個の第1のパワー増幅器1
1,12,13と並列的に接続された第2のパワー増幅
器15,16,17に変換直流電圧を供給する。これに
より、NMOS型スイッチングトランジスタ61とフラ
イホイール用ダイオード62は、各端子の電位が直流電
源50の負極端子側電位以下にならない。従って、NM
OS型スイッチングトランジスタ61が高周波スイッチ
ングを行っても、寄生トランジスタが動作することはな
い。
【0096】また、第1のNMOS型パワートランジス
タや第2のNMOS型パワートランジスタは電流路を滑
らかに切り換えているので、それらの各端子の電位も直
流電源50の負極端子側電位以下にならない。従って、
第1のパワートランジスタや第2のパワートランジスタ
による電流路の切り換えを行っても、寄生トランジスタ
が動作することはない。その結果、スイッチングトラン
ジスタやフライホイール用ダイオードや第1のパワート
ランジスタや第2のパワートランジスタを他のトランジ
スタと一緒に1チップの集積回路化しても、集積回路内
の寄生トランジスタの動作を完全に防止できる。
【0097】また、本実施例では、各パワー素子におけ
る発熱を極めて小さくし、集積回路化に適した構成にし
ている。第2のパワー増幅器15,16,17の第2の
NMOS型パワートランジスタ85,86,87は、通
電時に低動作電圧の飽和動作(抵抗性の電圧降下動作)
しているので、第2のパワー増幅器における電力損失は
非常に小さい。第1のパワー増幅器11,12,13の
通電時の動作電圧は、動作制御器51と電圧変換器52
によって所定の小さな電圧値に制御される。これによ
り、第1のNMOS型パワートランジスタ81,82,
83の動作電圧の平均値は能動領域内の小さな値に制御
でき、その電力損失は非常に小さくなる。
【0098】電圧変換器52は、NMOS型スイッチン
グトランジスタ61を高周波PWM動作をさせて電圧変
換をしているので、電圧変換に伴う電力損失も非常に小
さい。
【0099】さらに、NMOS型スイッチングトランジ
スタ61はその通電制御端子(ゲート端子)に与える電
圧信号Swの電圧スイングによりPWM動作をするの
で、通電制御端子側への電流供給は極めて少なく、電力
損失はほとんど生じない。従って、第1のパワー増幅器
や第2のパワー増幅器や電圧変換器における電力損失・
発熱が極めて小さく、パワートランジスタやスイッチン
グトランジスタを1チップに集積回路化することが可能
になる。また、放熱板等の発熱対策は不要になる。
【0100】また、本実施例では、第2のパワー増幅器
を低動作電圧の飽和動作させ、第1のパワー増幅器の動
作電圧に応動して電圧変換器52のNMOS型スイッチ
ングトランジスタ61をPWM動作させるようにした
が、このような構成に限定されるものではない。
【0101】たとえば、第1のパワー増幅器を低動作電
圧の飽和動作させ、第2のパワー増幅器の動作電圧を動
作制御器によって検出し、第2のNMOS型パワートラ
ンジスタの動作電圧に応動して電圧変換器のNMOS型
スイッチングトランジスタをPWM動作させてもよい。
このとき、第2の分配制御ブロックと第2のパワー増幅
器の合成伝達利得に比較して、第1の分配制御ブロック
と第1のパワー増幅器の合成伝達利得を大きくし、第1
のパワー増幅器の第1のNMOS型パワートランジスタ
を部分的に飽和動作させる。
【0102】制御作成器と第2の分配器と第2の電流増
幅器と第2のパワー増幅器によって、合成供給電流Iv
を指令信号Acに応動した所定値にする帰還ループを構
成し、コイルへの供給電流を制御する。
【0103】動作制御器は第2のパワー増幅器の3相の
動作電圧の内で最小動作電圧を検出し、動作制御器の出
力信号Vdに応動して電圧変換器のNMOS型スイッチ
ングトランジスタのPWM動作を制御する。これによ
り、第2のパワー増幅器の通電時の動作電圧は所定の小
さな値に制御される。その結果、飽和動作する第1のパ
ワー増幅器における発熱は小さく、所定の小さな動作電
圧になる第1のパワー増幅器における発熱は小さく、さ
らに、PWM動作する電圧変換器のNMOS型スイッチ
ングトランジスタの発熱も小さい。
【0104】また、本実施例では、制御作成器30は合
成供給電流Ivに応動した電流検出信号Bvを得る電流
検出部(抵抗31とレベル変換回路32)と、電流検出
信号Bvと指令信号Acを比較して比較結果に応動した
第1の制御電流信号C1と第2の制御電流信号C2を出
力する比較増幅部33を含んで構成している。
【0105】第1の制御電流信号C1に応動した第1の
分配電流信号E1,E2,E3を用いて第1のパワー増
幅器11,12,13の通電を制御し、第2の制御電流
信号C2に応動した第2の分配電流信号G1,G2,G
3を用いて第2のパワー増幅器15,16,17の通電
を制御する。
【0106】これにより、指令信号Acに応動した正確
な駆動電流をコイル2,3,4に供給することができ
る。このとき、電流路の切換はアナログ的に滑らかに行
っているので、駆動電流I1,I2,I3は滑らかに変
化し、電流路の切り換わりに伴う駆動電流の脈動や駆動
力の脈動は極めて小さくなる。
【0107】また、本実施例では、第1のパワー増幅器
を電界効果型トランジスタによる第1の電界効果型パワ
ー部カレントミラー回路によって構成し、第2のパワー
増幅器を電界効果型トランジスタによる第2の電界効果
型パワー部カレントミラー回路によって構成することに
より、第1のパワー増幅器11,12,13と第2のパ
ワー増幅器15,16,17の電流増幅率のバラツキを
大幅に小さくした。一般に、電界効果型トランジスタは
非線形な電圧増幅特性を有し、アナログ的なパワー増幅
には不向きである。しかし、本実施例では、電界効果型
パワー部カレントミラー回路を形成することにより、イ
ンダクタンス作用を有するコイルへの安定な電流供給を
実現した。
【0108】また、切換信号に応動して滑らかに変化す
る第1の分配電流信号と第2の分配電流信号を作りだ
し、第1の分配電流信号に応動した電流信号を第1のパ
ワー増幅器11,12,13の通電制御端子側に供給
し、第2の分配電流信号に応動した電流信号を第2のパ
ワー増幅器15,16,17の通電制御端子側に供給す
ることにより、電界効果型パワートランジスタにより電
流路の滑らかな切換を行わせた。その結果、駆動電流の
脈動やモータ振動は著しく小さくできた。なお、電界効
果型パワートランジスタを集積回路化することにより、
第1と第2の電界効果型パワー部カレントミラー回路の
電流増幅率のバラツキをさらに低減できる。
【0109】また、第1のパワー増幅器と第1の分配制
御ブロックの合成伝達利得のバラツキが小さくなり、第
2のパワー増幅器と第2の分配制御ブロックの合成伝達
利得のバラツキが小さくなったので、制御作成器30の
第1の制御電流信号C1と第2の制御電流信号C2を比
例して変化させることにより、第1のMOS型パワート
ランジスタもしくは第2のMOS型パワートランジスタ
の一方を確実に低動作電圧の飽和動作(抵抗性の電圧降
下動作)させ、第1のMOS型パワートランジスタもし
くは第2のMOS型パワートランジスタの他方によって
コイルへの合成供給電流Ivを指令信号Acに応動して
高精度に制御できる構成を実現した。
【0110】さらに、電流制御を行う第1のMOS型パ
ワートランジスタもしくは第2のMOS型パワートラン
ジスタの動作電圧に応動して電圧変換器のMOS型スイ
ッチングトランジスタのスイッチング動作を制御するこ
とにより、電流制御を行うMOS型パワートランジスタ
の動作電圧を能動領域の所定値に高精度に制御すること
を可能にした。特に、第1と第2の電界効果型パワー部
カレントミラー回路の電流増幅率のバラツキが著しく小
さいことから、電流制御動作や動作電圧制御動作が安定
になる。
【0111】また、本実施例では、第1の電流増幅器を
第1の増幅部カレントミラー回路によって構成し、電流
増幅率のバラツキを小さくした。また、第2の電流増幅
器を第2の増幅部カレントミラー回路によって構成し、
電流増幅率のバラツキを小さくした。従って、集積回路
化に適した構成になっている。
【0112】これにより、制御作成器30の第1の制御
電流信号C1と第2の制御電流信号C2を比例して変化
させ、第1のMOS型パワートランジスタもしくは第2
のMOS型パワートランジスタの一方を確実に低動作電
圧の飽和動作させ、第1のMOS型パワートランジスタ
もしくは第2のMOS型パワートランジスタの他方によ
ってコイルへの合成供給電流Ivを高精度に制御でき
る。すなわち、合成供給電流の制御動作は極めて安定に
なる。
【0113】さらに、本実施例では、分配作成器36を
工夫し、同一相の第1の分配電流信号と第2の分配電流
信号が180゜の位相差を有し、相補的に滑らかに切り
かわるように変化させ、かつ、第1の分配電流信号と第
2の分配電流信号の一方は必ず零にした。これにより、
同一相の第1のパワー増幅器と第2のパワー増幅器が同
時に通電状態になることが生じない。その結果、短絡電
流が発生しないので、パワートランジスタの電流破壊や
熱破壊は生じない。
【0114】また、滑らかに変化する第1の分配電流信
号E1,E2,E3を電流増幅して第1のパワー増幅器
の通電を制御し、滑らかに変化する第2の分配電流信号
G1,G2,G3を電流増幅して第2のパワー増幅器の
通電を制御した。これにより、第1のパワー増幅器と第
2のパワー増幅器によるコイルへの駆動電流は滑らかに
連続的に変化する。その結果、滑らかに変化する3相の
駆動電流を3相コイルに供給できるので、駆動力の脈動
は著しく小さくなる。
【0115】なお、本実施例では、第1のパワー増幅器
11,12,13と第2のパワー増幅器15,16,1
7と制御作成器30と切換作成器34と分配作成器36
(第1の分配器37と第2の分配器38)と第1の電流
増幅器41,42,43と第2の電流増幅器45,4
6,47と動作制御器51と電圧変換器52と高電圧出
力器53によって、3相の負荷(コイル2,3,4)へ
の駆動電流を供給する駆動回路を形成した。
【0116】また、直流電源50と電圧変換器52は、
電圧変換器52の正極出力端子側と負極出力端子側の間
に所要の変換直流電圧(Vcc−Vg)を供給する電圧
供給回路を形成している。
【0117】これらの構成は、適時変更が可能である。
なお、本実施例の切換作成器34は、磁電変換素子を使
用した位置検出部100を含んで構成した。しかし、そ
のような素子を用いることなく、たとえば、コイル2,
3,4に生じる逆起電力を利用して3相の切換信号を作
り出しても良い。
【0118】また、第1の分配電流信号E1,E2,E
3は時間的に傾斜を持って切り換わり、第2の分配電流
信号G1,G2,G3は時間的に傾斜を持って切り換わ
ればよい。これにより、駆動電流I1,I2,I3も時
間的に傾斜を持って滑らかに電流路を切り換えていく。
さらに、駆動電流の極性が変化する時に連続的に電流値
を変化させることが好ましいが、同一相の第1の分配電
流信号と第2の分配電流信号が同時に零になる期間があ
り、その相の駆動電流を零にする時間が存在してもかま
わない。
【0119】また、本実施例において、第1のパワー増
幅器11,12,13や第2のパワー増幅器15,1
6,17は図1に示された構成に限らず、種々の変形が
可能である。たとえば、第1のパワー増幅器11,1
2,13や第2のパワー増幅器15,16,17のそれ
ぞれの代わりに、図19に示した構成のパワー増幅器1
000を使用しても良い。パワー増幅器1000はNM
OS型パワートランジスタ1010とNMOS型トラン
ジスタ1011と抵抗1012によって電界効果型パワ
ー部カレントミラー回路を構成している。この電界効果
型パワー部カレントミラー回路は、通電制御端子側への
入力電流が小さい内は所定の電流増幅率を有し、入力電
流が大きくなると、その電流増幅率が急激に大きくな
る。
【0120】また、たとえば、図20に示した構成のパ
ワー増幅器1100を使用しても良い。パワー増幅器1
100はNMOS型パワートランジスタ1110とNM
OS型トランジスタ1111と抵抗1112によって電
界効果型パワー部カレントミラー回路を構成している。
この電界効果型パワー部カレントミラー回路は、通電制
御端子側への入力電流が小さい内は所定の電流増幅率を
有し、入力電流が大きくなると、その電流増幅率が急激
に大きくなる。なお、NMOS型パワートランジスタ1
010やNMOS型パワートランジスタ1110は二重
拡散NチャンネルMOS構造の電界効果型パワートラン
ジスタによって構成でき、集積回路化は容易である。
【0121】また、本実施例において、電圧変換器52
の電流路形成回路であるフライホイール用ダイオード6
2の部分には、種々の変形が可能である。たとえば、フ
ライホイール用ダイオード62の代わりに図23に示し
た構成のNMOS型同期整流トランジスタ1400を使
用し、PWM部65からの信号によって、スイッチング
トランジスタ61のオン・オフのスイッチング動作と相
補的に同期整流トランジスタ1400をオフ・オンのス
イッチング動作させることが可能である。同期整流トラ
ンジスタ1400は二重拡散NチャンネルMOS構造の
電界効果型パワートランジスタによって構成され、同期
整流トランジスタ1400の電流入力出力端子間に逆接
続された寄生ダイオード1400dによってフライホイ
ール用ダイオードの効果を得ることもできる。
【0122】また、たとえば、図24に示した構成のP
MOS型同期整流トランジスタ1500を使用し、PW
M部65からの信号によって、スイッチングトランジス
タ61のオン・オフのスイッチング動作と相補的に同期
整流トランジスタ1500をオフ・オンのスイッチング
動作させることが可能である。同期整流トランジスタ1
500は二重拡散PチャンネルMOS構造の電界効果型
パワートランジスタによって構成され、同期整流トラン
ジスタ1500の電流入力出力端子間に逆接続された寄
生ダイオード1500dによってフライホイール用ダイ
オードの効果を得ることもできる。また、同期整流トラ
ンジスタ1400や1500を集積回路化することは容
易である。
【0123】《実施例2》図9から図11に本発明の実
施例2のモータを示す。図9に全体構成を示す。本実施
例2では、動作制御器310に変調部300を設け、電
圧変換器52の変換直流電圧を検出動作電圧と被変調信
号に応動して制御するようにした。その他の構成におい
て、前述の実施例1と同様なものには同一の番号を付
し、詳細な説明を省略する。
【0124】図9の動作制御器310は、第1のパワー
増幅器の検出動作電圧と後述の被変調電流信号Pmに応
動した動作制御信号Vdを出力する。電圧変換器52
は、動作制御信号Vdに応動してNMOS型スイッチン
グトランジスタ61を高周波スイッチング動作させる。
電圧変換器52は、直流電源50の直流電圧Vccを電
力供給源として、NMOS型スイッチングトランジスタ
61のPWMスイッチング動作に応動した変換直流電圧
(Vcc−Vg)を作り出す。
【0125】図10に動作制御器310と電圧変換器5
2の具体的な構成を示す。動作制御器310は、動作電
位検出部285と基準側電位部286と電位比較部28
7と変調部300によって構成されている。動作電位検
出部285は、第1のパワー増幅器11,12,13の
第1のNMOS型パワートランジスタ81,82,83
の電流流入端子側に生じる3相の電位Va,Vb,Vc
で最小の電位値をダイオード292,293,294と
定電流源291によって検出し、検出電圧信号Waを作
り出す。
【0126】基準側電位部286は、第1のパワー増幅
器11,12,13の共通接続端子側の電位Vgをダイ
オード297と定電流源295と抵抗296によって検
出し、共通接続端子側電位Vgよりも高い基準側電圧信
号Wbを抵抗296の端子に作り出す。変調部300の
被変調電流信号Pmは基準側電位部286の抵抗296
に供給されており、基準側電圧信号Wbは変調部300
の被変調電流信号Pmに応動して変化する。
【0127】電位比較部287は、検出電圧信号Waと
基準側電圧信号Wbを差動増幅回路298によって比較
する。差動増幅回路298は、その差電圧を増幅して動
作制御信号Vdを出力する。これにより、第1のパワー
増幅器の検出動作電圧と被変調電流信号Pmに応動する
動作制御信号Vdが得られる。なお、コンデンサ299
は差動増幅回路298においてローパスフィルタを形成
している。
【0128】電圧変換器52のPWM部65は、三角波
発生回路301と比較回路302を含んで構成されてい
る。比較回路302は、三角波発生回路301の200
kHzの三角波信号Vhと動作制御器51の動作制御信
号Vdを比較し、動作制御信号Vdに応動したPWM電
圧信号Swを作り出す。
【0129】PWM信号SwはNMOS型スイッチング
トランジスタ61の通電制御端子側に供給され、PWM
信号Swに応動してNMOS型スイッチングトランジス
タ61はオン・オフ動作する。NMOS型スイッチング
トランジスタ61は、その電流流出端子側を直流電源5
0の負極端子側に接続され、その電流流入端子側と変換
用インダクタ素子63の一端が接続され、直流電源50
の正極端子側から変換用インダクタ素子63への磁気エ
ネルギーを補充する電力供給路を高周波スイッチングす
る。
【0130】フライホイール用ダイオード62は、変換
用インダクタ素子63の一端と直流電源50の正極端子
側の間に接続され、NMOS型スイッチングトランジス
タ61のオン・オフの高周波スイッチング動作に相補的
にオフ・オン動作し、変換用インダクタ素子63から変
換用コンデンサ素子64への電流路を形成する。
【0131】NMOS型スイッチングトランジスタ61
が高周波スイッチングに伴う変換用インダクタ素子63
の磁気エネルギーの増加・減少によって、変換用コンデ
ンサ素子64の一端と直流電源50の一端の間に変換直
流電圧(Vcc−Vg)を出力する。
【0132】図11に変調部300の具体的な構成を示
す。変調部300は、移動体1の回転移動に同期して変
化する変調信号R1,R2,R3を得る変調作成回路3
91と、電圧変換器52の変換直流電圧に比例した変換
電流信号Lmを得る変換電流回路392と、変調信号R
1,R2,R3に応動して変換電流信号Lmを変調した
被変調電流信号Pmを得る電流変調回路393を含んで
構成されている。
【0133】変調作成回路391のトランジスタ32
1,322は、切換作成器34の位置検出信号Ja1,
Ja2に応動して、定電流源317の電流をコレクタ側
に分配する。トランジスタ321,322のコレクタ電
流は、トランジスタ324,325のカレントミラー回
路によって比較される。両者の差電流の絶対値はトラン
ジスタ325,326,327,328,329,33
0による絶対値回路を介して出力され、抵抗361に電
圧信号R1を作り出す。すなわち、電圧信号R1は位置
検出信号Ja1の絶対値に対応している。
【0134】同様に、トランジスタ331〜340,定
電流源318,抵抗362は、位置検出信号Jb1の絶
対値に対応した電圧信号R2を抵抗362の端子に作り
出す。同様に、トランジスタ341〜350,定電流源
319,抵抗363は、位置検出信号Jc1の絶対値に
対応した電圧信号R3を抵抗363の端子に作り出す。
すなわち、電圧信号R1,R2,R3は3相の位置検出
信号Ja1,Jb1,Jc1に応動した3相の絶対値信
号になる。
【0135】変換電流回路392の電圧電流変換回路3
89は、電圧変換器52の正極出力端子側(P)と負極
出力端子側(M)の間の変換直流電圧に比例もしくは略
比例した変換電流信号Lmを出力する。電流変調回路3
93のトランジスタ371,372,373,374と
ダイオード375,376は、3相の絶対値電圧信号R
1,R2,R3と所定電圧(ここでは、抵抗361,3
62,363の共通接続端子の電圧)を比較し、比較結
果に応動して変換電流信号Lmをトランジスタ371,
372,373,374のコレクタ側に分流する。
【0136】トランジスタ371,372,373のコ
レクタは共通接続され、その合成電流とトランジスタ3
74のコレクタ電流がトランジスタ377,378のカ
レントミラー回路によって比較され、その差電流がトラ
ンジスタ379,380のカレントミラー回路を介して
被変調電流信号Pmとして出力される。
【0137】これにより、被変調電流信号Pmは移動体
の回転移動動作に同期して振幅をアナログ的に変化させ
る。特に、トランジスタ371,372,373,37
4とダイオード375,376の構成により、3相の絶
対値電圧信号R1,R2,R3の最小値と電圧電流変換
回路389の変換電流信号Lmの乗算結果に応じて被変
調電流信号Pmは変化する。
【0138】3相の絶対値電圧信号R1,R2,R3の
最小値は、位置検出信号の一周期の変化に対して6回変
化する高調波信号である。従って、被変調電流信号Pm
は、変換電流信号Lmに比例したピーク振幅を有し、位
置検出信号の一周期(電気角360度)当たり6回、ア
ナログ的に変化する高調波信号になる。この回数は、第
1のパワートランジスタと第2のパワートランジスタに
よるコイル2,3,4への電流路の切換回数に対応して
いる。
【0139】図9の電圧変換器52は、NMOS型スイ
ッチングトランジスタ61を高周波PWM動作させ、正
極出力端子側と負極出力端子側の間の変換直流電圧(V
cc−Vg)を可変制御する。動作制御器310は通電
時の第1のNMOS型パワートランジスタ81,82,
83の3相の動作電圧の内で最小動作電圧を検出し、動
作制御器310の出力信号Vdに応動して電圧変換器5
2の負極出力端子側電位Vgが可変制御される。
【0140】これにより、動作制御器310と電圧変換
器52によって、第1のパワー増幅器の検出動作電圧を
所定の小さな値に制御する制御ループが形成されてい
る。その結果、第1のパワー増幅器11,12,13の
第1のNMOS型パワートランジスタにおける電力損失
・発熱は小さくなる。また、PWM動作するNMOS型
スイッチングトランジスタ61と変換用インダクタ素子
63を用いて電圧変換しているので、電圧変換器52に
おける電力損失は小さい。特に、PWM信号Swにより
NMOS型スイッチングトランジスタ61を完全にオン
・オフ動作させているので、スイッチングトランジスタ
61の発熱も極めて小さくなる。
【0141】このとき、動作制御器310は変調部30
0を含んで構成され、変調部300によって移動体1の
移動動作に同期した被変調電流信号Pmを作りだす。動
作制御器310は、第1のパワートランジスタ81,8
2,83の動作電圧を検出し、検出動作電圧と被変調電
流信号Pmを演算合成し、両者に応動した動作制御信号
Vdを出力する。第1のパワートランジスタ81,8
2,83の検出動作電圧は、コイル2,3,4への電流
路の切換に伴って変化するリップル電圧分を含んでい
る。
【0142】第2のパワートランジスタ85,86,8
7を低動作電圧の飽和動作をさせ、第1のパワートラン
ジスタ81,82,83によってコイルへの合成供給電
流を制御する構成のモータでは、第1のパワートランジ
スタ81,82,83の動作電圧が移動体1の回転移動
に同期して変化するリップル電圧分を含み、リップル電
圧分の変化回数は電流路の切換回数に一致することがわ
かった。
【0143】そこで、変調部300により移動体1の回
転移動に同期して振幅がアナログ的に変化する被変調電
流信号Pmを作りだし、第1のパワートランジスタ8
1,82,83の検出動作電圧に含まれるリップル電圧
分を補償するようにした。これにより、動作制御信号V
dにリップル電圧分の影響が現れないようにできたの
で、第1のパワートランジスタの動作電圧の制御精度が
向上し、その平均電圧を小さくできる。その結果、第1
のパワートランジスタの電力損失・発熱はさらに小さく
なる。
【0144】また、第2のパワートランジスタを低動作
電圧の飽和動作(抵抗性の電圧降下動作)させ、第1の
パワートランジスタの最小の動作電圧を所要の小さな電
圧値に制御する制御ループを有する構成のモータでは、
検出動作電圧のリップル電圧分の大きさが電圧変換器5
2の変換直流電圧にほぼ比例することがわかった。そこ
で、変調部300の被変調電流信号Pmの大きさを電圧
変換器52の変換直流電圧に応動して変化させた。これ
により、合成供給電流の変化や回転移動速度の変化が生
じても、第1のパワートランジスタの動作電圧の制御に
誤差が生じなくなり、その電力損失を確実に小さくでき
る。その他の構成及び動作は、前述の実施例1と同様で
あり、詳細な説明を省略する。
【0145】本実施例では、パワー素子の電力損失・発
熱をさらに小さくしている。第2のパワー増幅器は、通
電時に低動作電圧の飽和動作(抵抗性の電圧降下動作)
しているので、第2のNMOS型パワートランジスタに
おける電力損失は非常に小さい。第1のパワー増幅器の
通電時の動作電圧は、動作制御器310と電圧変換器5
2によって所定の小さな電圧値に制御されている。
【0146】特に、動作制御器310が変調部300を
含んで構成され、被変調電流信号Pmと検出動作電圧の
両者に応動した動作制御信号Vdによって電圧変換器5
2のスイッチングトランジスタ61のスイッチング動作
を制御した。これにより、第1のNMOS型パワートラ
ンジスタ81,82,83の動作電圧の平均値は能動領
域内の極めて小さな値に制御でき、その電力損失は大幅
に小さくなる。
【0147】また、変調部300の被変調電流信号Pm
の大きさを電圧変換器52の変換直流電圧に比例もしく
は略比例して変化させているので、回転移動速度の変化
や合成供給電流の変化が生じても、検出動作電圧に含ま
れるリップル電圧分を確実に補償し、第2のパワートラ
ンジスタの動作電圧は所要の小さな値に保たれる。
【0148】なお、第1のパワー増幅器の第1のパワー
トランジスタを低動作電圧の飽和動作させ、第2のパワ
ー増幅器の第2のパワートランジスタの動作電圧を制御
するようにしても良い。また、変調部300の電圧電流
変換回路389を定電流源に置き換え、電流信号Lmを
所定値の電流にしても良い。
【0149】さらに、動作制御器310の変調部300
による電力損失の低減効果は、パワートランジスタやス
イッチングトランジスタにバイポーラトランジスタを使
用しても得ることが可能である。
【0150】このように、パワー素子における発熱が小
さいので、集積回路化に好適のモータ構成になってい
る。
【0151】従って、制御作成器30,切換作成器3
4,分配作成器36,第1の電流増幅器41,42,4
3,第2の電流増幅器45,46,47,動作制御器3
10,電圧変換器52,高電圧出力器53の所要のトラ
ンジスタやダイオードや抵抗を、パワートランジスタや
スイッチングトランジスタと同一のチップ上に集積回路
化することが容易になる。
【0152】また、前述の本実施例の切換作成器34
は、磁電変換素子を使用した位置検出部100を含んで
構成した。しかし、そのような素子を用いることなく、
たとえば、コイル2,3,4に生じる逆起電力を利用し
て3相の切換信号を作り出しても良い。このとき、逆起
電力の零クロス時点ををタイミング信号として利用し、
移動体1の移動動作に同期して変化する変調部の被変調
電流信号Pmを得ることができる。
【0153】《実施例3》図12から図14に本発明の
実施例3のモータを示す。図12に全体構成を示す。本
実施例3では、直流電源50のオフ時に、電力路スイッ
チ器54をオフにし、電圧取出器490の端子Xfにコ
イル2,3,4の逆起電力の整流直流電圧を取り出すよ
うにした。また、異なった構成の高電圧出力器450を
用いた。
【0154】その他の構成において、前述の実施例2も
しくは実施例1と同様なものには同一の番号を付し、詳
細な説明を省略する。図12の高電圧出力器450は、
昇圧用インダクタと昇圧用コンデンサを含んで構成さ
れ、直流電源50の正極端子電位Vccよりも高い高電
位点電位Vuを作りだし、第2の電流増幅器45,4
6,47に供給する。
【0155】図13に高電圧出力器450の具体的な構
成を示す。高電圧出力器450は、100kHz程度の
高周波パルス信号Paを出力するパルス発生回路461
と、昇圧用インダクタ451と、昇圧用コンデンサ45
2と、ダイオード475〜478からなる第1の電圧制
限回路と、ダイオード479からなる第2の電圧制限回
路を含んで構成されている。
【0156】パルス発生回路461のパルス信号Paに
応動してインバータ回路462がディジタル的に変化す
る。パルス信号Paが”L”の時にトランジスタ464
がオンとなり、トランジスタ464を介して昇圧用イン
ダクタ451に電流が流れ、昇圧用インダクタ451に
磁気エネルギーを充電する。
【0157】パルス信号Paが”H”に変わるとトラン
ジスタ464がオフになり、昇圧用インダクタ451に
蓄積された磁気エネルギーにより、ダイオード471を
介して昇圧用コンデンサ452に電流を流す充電路が形
成され、昇圧用コンデンサ452を充電して電荷を蓄積
する。その結果、昇圧用コンデンサ452の端子には、
直流電源50の正極端子側電位Vccよりも高電位にな
る高電位点電位Vuが出力される。
【0158】また、昇圧用コンデンサ452への充電を
続けると、高電位点の電圧Vuが非常に高くなり、集積
回路化されたトランジスタやダイオードの耐圧破壊を引
き起こす。ダイオード475〜478による第1の電圧
制限回路は、高電位点電圧Vuが所定値以上にならない
ように制限し、耐圧破壊を防止している。また、ダイオ
ード479による第2の電圧制限回路は、高電圧出力器
450の高電位点電圧Vuが直流電源50の正極端子側
電位Vccより大幅に小さくならないように制限した。
これにより、モータ起動時などの大電流供給時でも高電
位点電位Vuが過度に小さくならないため、集積回路動
作が安定する。
【0159】なお、第1の電圧制限回路や第2の電圧制
限回路は、必要がなければ接続しなくてもよい。
【0160】図12の直流電源50は、たとえば、直流
電圧源70とスイッチ回路71によって構成されてい
る。直流電源50がオンの時には、スイッチ回路71は
Ta端子側に接続され、直流電圧源70の直流電圧を正
極端子側と負極端子側の間に出力する。直流電源50が
オフの時には、スイッチ回路71はTb端子側に接続さ
れ、等価的に直流電源50の正極端子側と負極端子側は
短絡状態になる。直流電源50は、通常オン状態にある
が、電源オフ時,緊急時もしくは異常時にオフする。
【0161】図12の電力路スイッチ器54は、直流電
源50の出力電圧に応動してオン・オフするPMOS型
電力路トランジスタ72を含んで構成されている。直流
電源50が所定の出力電圧を供給している場合にPMO
S型電力路トランジスタ72はオンになり、直流電源5
0の正極端子側から第2の増幅器15、16、17の電
流流入端子側への電力路を接続する。直流電源50の出
力電圧が零もしくは所定値以下に小さくなるとPMOS
型電力路トランジスタ72はオフになり、直流電源50
の正極端子側と第2の増幅器15、16、17の電流流
入端子側への電力路を開放する。
【0162】PMOS型電力路トランジスタ72は、そ
の電流流入端子側を直流電源50の正極端子側に接続さ
れ、その電流流出端子側を電圧変換器52の正極出力端
子側に接続されている。PMOS型電力路トランジスタ
72の動作はスイッチ制御部73によって切り換えら
れ、直流電源50の出力電圧に応動してオン・オフが切
り換わる。
【0163】図14に電力路スイッチ器54の具体的な
構成を示す。スイッチ制御部73は、NMOS型トラン
ジスタ311と抵抗312によって構成されている。直
流電源50のスイッチ回路71がTa側にあり、直流電
源50が所定の電圧を出力している場合には、NMOS
型トランジスタ311がオンとなり、PMOS型電力路
トランジスタ72はオンになる。
【0164】直流電源50のスイッチ回路71がTb側
に換わり、直流電源50がオフした場合には、NMOS
型トランジスタ311がオフとなり、PMOS型電力路
トランジスタ72もオフになる。ここでは、PMOS型
電力路トランジスタ72は逆接続された二重拡散Pチャ
ンネルMOS構造の電界効果型トランジスタによって構
成されている。すなわち、ドレイン端子を電流流入端子
側にし、ソース端子を電流流出端子側にし、寄生素子と
して形成されたスイッチダイオード72dが電流流入端
子側から電流流出端子側に向けて等価回路的に接続され
ている。
【0165】PMOS型電力路トランジスタ72がオン
の時にはスイッチダイオード72dの両端が短絡され、
PMOS型電力路トランジスタ72がオフの時にはスイ
ッチダイオード72dが逆流防止ダイオードとして働い
ている。しかし、スイッチダイオード72dが存在しな
くても、動作上は問題ない。
【0166】図12の電圧取出器490は、出力側を共
通接続された第1の取出ダイオード491と第2の取出
ダイオード492を含んで構成されている。第1の取出
ダイオード491の入力側は、第2のパワー増幅器の第
2のNMOS型パワートランジスタの共通接続端子側に
接続されている。第2の取出ダイオード492の入力側
は、直流電源50の正極端子側に接続されている。
【0167】電圧取出器490の正極側の出力端子Xf
は第1の取出ダイオード491と第2の取出ダイオード
492の共通接続端子側である。これにより、第2のN
MOS型パワートランジスタの共通接続端子側に生じる
直流電圧を直流電源50の出力直流電圧Vccと比較
し、両者の内で大きい方の電圧値に応動した直流電圧を
電圧取出器490の出力端子Xfに取り出している。
【0168】通常、直流電源50はオンであり、電圧取
出器490の出力端子Xfには直流電源50の出力直流
電圧Vccに応動した直流電圧が出力されている。しか
し、緊急時に直流電源50がオフした時には、直流電源
50の出力直流電圧Vccが零になり、電力路スイッチ
器54のPMOS型電力路トランジスタ72はオフす
る。
【0169】直流電源50がオフになると、指令信号A
cが零になされ、制御作成器30の第1の制御電流信号
C1や第2の制御電流信号C2が零になる。これによ
り、第1の分配器37の第1の分配電流信号や第2の分
配器38の第2の分配電流信号が零になる。その結果、
第1のパワー増幅器11,12,13の第1のNMOS
型パワートランジスタ81,82,83の通電が停止
し、第2のパワー増幅器15,16,17の第2のNM
OS型パワートランジスタ85,86,87の通電が停
止する。
【0170】このとき、移動体1の回転移動動作によっ
てコイル2,3,4には3相の逆起電力が生じている。
第1のパワーダイオード81d,82d,83dと第2
のパワーダイオード85d,86d,87dとスイッチ
ングダイオード61dは、コイル2,3,4に生じてい
る逆起電力を整流し、第2のパワー増幅器の共通接続端
子側に整流直流電圧を出力する。
【0171】電力路スイッチ器54の電力路トランジス
タ72がオフであるから、電圧取出器490の第1の取
出ダイオード491を介して、整流直流電圧は出力端子
Xfに出力される。すなわち、電圧取出器490は、直
流電源50がオフした時に、コイル2,3,4に生じて
いる3相の逆起電力をパワーダイオードによって整流し
た整流直流電圧を出力端子Xfに取り出している。この
電圧取出器490の出力電圧を用いて、緊急時の各種の
退避処理を行うことが可能である。
【0172】その他の構成及び動作は、前述の実施例1
もしくは実施例2と同様であり、詳細な説明を省略す
る。
【0173】本実施例では、直流電源50がオフした時
に、コイルに生じている3相の逆起電力を第1のパワー
ダイオードや第2のパワーダイオードを介して整流した
整流直流電圧を、電圧取出器490の端子Xfに取り出
している。この電圧取出器490の出力電圧を用いて、
緊急時の各種の退避処理を行うことが可能である。
【0174】たとえば、本実施例のモータをハードディ
スク装置のスピンドルモータに使用した場合には、直流
電源50のオフ時に、この電圧取出器490の出力電圧
を使用して、電気的にマイコンのメモリ内容の保存をし
たり、機械的に再生ヘッドの退避移動を行うことが可能
になる。
【0175】なお、直流電源50がオフになった時に、
制御作成器30の第1の制御電流信号C1を所定値にす
るならば、移動体1の回転移動に伴って第1のパワー増
幅器11,12,13の第1のNMOS型パワートラン
ジスタ81,82,83を順次オン状態にすることが可
能である。
【0176】また、第2の制御電流信号C2を零にする
ならば、第2のパワー増幅器15,16,17の第2の
NMOS型パワートランジスタ85,86,87はすべ
てオフ状態にすることが可能である。また、電圧変換器
52のPWM信号Swを高電圧にするならば、NMOS
型スイッチングトランジスタ61をオン状態にすること
が可能である。
【0177】これにより、コイルの3相の逆起電力の負
極側電圧はパワートランジスタやスイッチングトランジ
スタを活性動作させて整流し、正極側電圧は第2のパワ
ーダイオード85d,86d,87dによって整流させ
ることができる。また、電圧取出器490はダイオード
の代わりにスイッチ動作をするMOS型電界効果トラン
ジスタを用いて構成しても良い。なお、第2の制御電流
信号C2も所定値となし、第2のパワー増幅器15、1
6、17と高電圧出力器450を動作させるならば、コ
イルの3相の逆起電力の正極側電圧もパワートランジス
タによって整流させることができる。
【0178】さらに、本実施例でも、前述の実施例と同
様な各種の利点を得ることができる。
【0179】《実施例4》図15と図16に本発明の実
施例4のモータを示す。図15に全体構成を示す。本実
施例4では、第2のパワー増幅器615,616,61
7に第2のPMOS型パワートランジスタ685,68
6,687を使用し、高電圧出力器をなくしたものであ
る。これに伴って、第2の電流増幅器645,646,
647を変更した。その他の構成において、前述の実施
例3もしくは実施例2もしくは実施例1と同様なものに
は同一の番号を付し、詳細な説明を省略する。
【0180】図15の電圧変換器52の正極出力端子側
には、電流検出用の抵抗31を介して、3個の第2のパ
ワー増幅器615,616,617の電流流入端子側が
共通接続されている。第2のパワー増幅器615は第2
のPMOS型パワートランジスタ685とPMOS型ト
ランジスタ695による第2の電界効果型パワー部カレ
ントミラー回路によって構成され、通電制御端子側に入
力された第2の電流増幅器645の出力電流H1を所定
の増幅して出力する。
【0181】ここで、PMOS型トランジスタとはPチ
ャンネルMOS構造の電界効果型トランジスタを意味す
る。第2のPMOS型パワートランジスタ685のセル
サイズをPMOS型トランジスタ695のセルサイズの
100倍にして、能動領域で動作している時に100倍
の電流増幅率を得ている。また、第2のPMOS型パワ
ートランジスタ685は二重拡散PチャンネルMOS構
造の電界効果型トランジスタによって構成され、その電
流流出端子側から電流流入端子側に向けて、寄生素子と
して形成された第2のパワーダイオード685dが等価
回路的に逆接続されている。
【0182】同様に、第2のパワー増幅器616は第2
のPMOS型パワートランジスタ686とPMOS型ト
ランジスタ696による第2の電界効果型パワー部カレ
ントミラー回路によって構成され、通電制御端子側に入
力された第2の電流増幅器646の出力電流H2を所定
の増幅して出力する(セルサイズは100倍)。第2の
PMOS型パワートランジスタ686は二重拡散Pチャ
ンネルMOS構造の電界効果型トランジスタによって構
成され、その電流流出端子側から電流流入端子側に向け
て、寄生素子として形成された第2のパワーダイオード
686dが等価回路的に逆接続されている。
【0183】同様に、第2のパワー増幅器617は第2
のPMOS型パワートランジスタ687とPMOS型ト
ランジスタ697による第2の電界効果型パワー部カレ
ントミラー回路によって構成され、通電制御端子側に入
力された第2の電流増幅器647の出力電流H3を所定
の増幅して出力する(セルサイズは100倍)。第2の
PMOS型パワートランジスタ687は二重拡散Pチャ
ンネルMOS構造の電界効果型トランジスタによって構
成され、その電流流出端子側から電流流入端子側に向け
て、寄生素子として形成された第2のパワーダイオード
687dが等価回路的に逆接続されている。
【0184】第2のPMOS型パワートランジスタ68
5,686,687の各電流流入端子側は抵抗31を介
して電圧変換器52の正極出力端子側に共通接続され、
各電流流出端子側をコイル2,3,4の各電力供給端子
に接続されている。これにより、第2のパワー増幅器6
15,616,617はそれぞれ各通電制御端子側への
入力電流を増幅した電流をコイル2,3,4の各電力供
給端子に出力し、それぞれコイル2,3,4への駆動電
流I1,I2,I3の正極側電流を供給している。
【0185】図15の第2の分配器38の第2の分配電
流信号G1,G2,G3は、それぞれ第2の電流増幅器
645,646,647に入力される。第2の電流増幅
器645,646,647は、それぞれ第2の分配電流
信号G1,G2,G3を所定倍の電流増幅して第2の増
幅電流信号H1,H2,H3を作りだし、第2のパワー
増幅器615,616,617の各通電制御端子側に供
給する。第2のパワー増幅器615,616,617
は、3相の第2の増幅電流信号H1,H2,H3をそれ
ぞれ電流増幅し、各電流流出端子側よりコイル2,3,
4に駆動電流I1,I2,I3の正極側電流を供給す
る。
【0186】図16に第2の電流増幅器645,64
6,647の具体的な構成を示す。第2の電流増幅器6
45は、トランジスタ651,652による前段のカレ
ントミラー回路とトランジスタ653,654と抵抗6
55,656による後段のカレントミラー回路を有し、
前段と後段のカレントミラー回路を縦続接続した第2の
増幅部カレントミラー回路によって構成されている。ト
ランジスタ651と652のエミッタ面積比を1にし、
前段のカレントミラー回路の電流増幅率を1にしてい
る。
【0187】トランジスタ653と654のエミッタ面
積比を50倍、抵抗656と655の抵抗比を50倍に
して、後段のカレントミラー回路の電流増幅率を50倍
にしている。その結果、第2の電流増幅器645の第2
の増幅部カレントミラー回路は、電流増幅率で50倍の
増幅を行っている。同様に、第2の電流増幅器646
は、トランジスタ661,662,663,664と抵
抗665,666による第2の増幅部カレントミラー回
路によって構成され、電流増幅率で50倍の増幅を行っ
ている。
【0188】同様に、第2の電流増幅器647は、トラ
ンジスタ671,672,673,674と抵抗67
5,676による第2の増幅部カレントミラー回路によ
って構成され、電流増幅率で50倍の増幅を行ってい
る。これにより、第2の電流増幅器645,646,6
47は、3相の第2の分配電流信号G1,G2,G3を
それぞれ50倍の増幅した3相の第2の増幅電流信号H
1,H2,H3を作りだし、第2のパワー増幅器61
5,616,617の第2のパワー部カレントミラー回
路の各通電制御端子側に供給する。
【0189】また、第2の電流増幅器645,646,
647の第2の増幅部カレントミラー回路は、出力用の
NPN型トランジスタ654,664,674の電流流
出端子側を直流電源50の負極端子側に接続され、この
出力用トランジスタ654,664,674を介してそ
れぞれ第2のパワー増幅器615,616,617に電
流を供給している。これにより、第2のパワー増幅器6
15,616,617の第2のPMOS型パワートラン
ジスタ685,686,687を十分に通電制御するよ
うにしている。
【0190】次に、図15のモータの全体的な動作につ
いて、簡単に説明する。切換作成器34は、滑らかに変
化する3相の切換電流信号D1,D2,D3を分配作成
器36に供給する。第1の分配器37は、制御作成器3
0の第1の制御電流信号C1を3相の切換電流信号D
1,D2,D3に応動して分配し、滑らかに変化する3
相の第1の分配電流信号E1,E2,E3を出力する。
【0191】第1の電流増幅器41,42,43は、そ
れぞれ第1の分配電流信号E1,E2,E3を所定倍の
電流増幅した第1の増幅電流信号F1,F2,F3を出
力し、第1のパワー増幅器11,12,13の各通電制
御端子側に供給する。第1のパワー増幅器11,12,
13の第1の電界効果型パワー部カレントミラー回路
は、それぞれ第1の増幅電流信号F1,F2,F3を電
流増幅し、3相のコイル2,3,4に駆動電流I1,I
2,I3の負極側電流を供給する。
【0192】第2の分配器38は、制御作成器30の第
2の制御電流信号C2を3相の切換電流信号D1,D
2,D3に応動して分配し、滑らかに変化する3相の第
2の分配電流信号G1,G2,G3を出力する。第2の
電流増幅器645,646,647は、それぞれ第2の
分配電流信号G1,G2,G3を所定倍の電流増幅した
第2の増幅電流信号H1,H2,H3を出力し、第2の
パワー増幅器615,616,617の各通電制御端子
側に供給する。
【0193】第2のパワー増幅器615,616,61
7の第2の電界効果型パワー部カレントミラー回路は、
それぞれ第2の増幅電流信号H1,H2,H3を電流増
幅し、3相のコイル2,3,4に駆動電流I1,I2,
I3の正極側電流を供給する。
【0194】制御作成器30の電流検出用の抵抗31
は、駆動電流I1,I2,I3の正極側電流の合成値で
ある合成供給電流Ivを検出し、レベル変換回路32を
介して合成供給電流Ivに応動した電流検出信号Bvを
作りだす。比較増幅部33は、指令信号Acと電流検出
信号Bvを比較し、その比較結果に応動した第1の制御
電流信号C1と第2の制御電流信号C2を出力する。
【0195】第1の制御電流信号C1と第2の制御電流
信号C2は比例して変化する。第1の分配制御ブロック
(制御作成器30と第1の分配器37と第1の電流増幅
器41,42,43)と第1のパワー増幅器11,1
2,13によって、合成供給電流Ivを指令信号Acに
応動した所定値にする帰還ループが構成され、コイル
2,3,4への供給電流が制御される。
【0196】また、第2の分配制御ブロック(制御作成
器30と第2の分配器38と第2の電流増幅器645,
646,647)と第2のパワー増幅器615,61
6,617は、第2のパワー増幅器615,616,6
17の第2のPMOS型パワートランジスタ685,6
86,687を部分的に低動作電圧の飽和動作(抵抗性
の電圧降下動作)させながら、滑らかに変化する駆動電
流I1,I2,I3の負極側電流をコイル2,3,4に
供給する。このとき、第1の分配制御ブロックと第1の
パワー増幅器の合成伝達利得に比較して、第2の分配制
御ブロックと第2のパワー増幅器の合成伝達利得を大き
くし、全体の回路動作の安定化をはかっている。
【0197】すなわち、第2のパワー増幅器の第2のP
MOS型パワートランジスタを部分的に確実に低動作電
圧の飽和動作させて、第1のパワー増幅器内の第1のN
MOS型パワートランジスタによりコイルへの供給電流
を制御することを可能にした。ここで、POS型トラン
ジスタにおける低動作電圧の飽和動作とは、非能動領域
もしくは抵抗性領域(遮断領域ではない)における抵抗
性の電圧降下の動作を意味している。
【0198】すなわち、第2のPMOS型パワートラン
ジスタは、電流路の切り換わり期間において能動領域内
で電流増幅作用をして滑らかに電流値を変化させるが、
切り換わり後の期間において抵抗性領域における抵抗性
の電圧降下の動作を行っている。一方、第1のNMOS
型パワートランジスタは能動領域内で動作して合成供給
電流の制御を行い、電流路の切り換わり期間においても
電流制御をしながら滑らかに電流値を変化させる。
【0199】同一相の第1の分配電流信号E1と第2の
分配電流信号G1は、180゜の位相差をもって相補的
に流れるので、第1のパワー増幅器11と第2のパワー
増幅器615は相補的に動作する。従って、滑らかに連
続的に変化する両方向の駆動電流I1がコイル2に供給
される。
【0200】同様に、第1の分配電流信号E2と第2の
分配電流信号G2が180゜の位相差をもって相補的に
流れるので、第1のパワー増幅器12と第2のパワー増
幅器616は相補的に動作する。従って、滑らかに連続
的に変化する両方向の駆動電流I2がコイル3に供給さ
れる。
【0201】同様に、第1の分配電流信号E3と第2の
分配電流信号G3が180゜の位相差をもって相補的に
流れるので、第1のパワー増幅器13と第2のパワー増
幅器617は相補的に動作する。従って、滑らかに連続
的に変化する両方向の駆動電流I3がコイル4に供給さ
れる。
【0202】このように、同一相の第1のパワー増幅器
と第2のパワー増幅器が同時に通電状態になることがな
いので、第1のNMOS型パワートランジスタと第2の
PMOS型パワートランジスタの間の短絡電流が発生し
ない。また、滑らかに変化する連続的な駆動電流I1,
I2,I3がコイル2,3,4に供給するので、コイル
2,3,4におけるスパイク電圧の発生もなく、寄生素
子である第1のパワーダイオード81d,82d,83
dや第2のパワーダイオード685d,686d,68
7dを通じた異常電流が流れることもない。従って、モ
ータの発生駆動力の脈動は著しく小さくなる。
【0203】電圧変換器52は、NMOS型スイッチン
グトランジスタ61を高周波PWM動作させ、正極出力
端子側と負極出力端子側の間の変換直流電圧(Vcc−
Vg)を可変制御する。動作制御器310は、第1のパ
ワー増幅器の3相の動作電圧の内で最小動作電圧を検出
し、検出動作電圧と変調部300の被変調電流信号Pm
に応動した動作制御信号Vdを出力する。
【0204】動作制御器310の出力信号Vdに応動し
てNMOS型スイッチングトランジスタ61のスイッチ
ング動作が制御され、電圧変換器52の変換直流電圧
(Vcc−Vg)を可変制御する。これにより、第1の
パワー増幅器の第1のNMOS型パワートランジスタの
通電時の動作電圧は所定の小さな値に制御される。
【0205】動作制御器310は変調部300を含んで
構成され、変調部300によって移動体1に同期した被
変調電流信号Pmを作りだす。動作制御器310は、第
1のパワートランジスタ81,82,83の動作電圧を
検出し、検出動作電圧と被変調電流信号Pmを演算合成
し、両者に応動した動作制御信号Vdを出力する。これ
により、動作制御信号Vdに検出動作電圧のリップル電
圧分の悪影響が現れないようにし、第1のパワートラン
ジスタの動作電圧の制御精度を向上させ、その平均電圧
を小さくした。その結果、第1のパワートランジスタの
電力損失・発熱を小さくできた。
【0206】また、緊急時に直流電源50がオフした時
に、コイル2,3,4に生じている3相の逆起電力を第
1のパワーダイオード81d,82d,83dや第2の
パワーダイオード685d,686d,687dを介し
て整流した整流直流電圧を、電圧取出器490の端子X
fに出力する。この電圧取出器490の出力電圧を用い
て、緊急時の各種の退避処理を行う。
【0207】本実施例では、接合分離して集積回路化に
好適のモータ構成になっている。まず、パワー素子の発
熱を小さくし、パワートランジスタやスイッチングトラ
ンジスタを集積回路化した場合の熱破壊を防止した。ま
た、第1のパワートランジスタや第2のパワートランジ
スタとして二重拡散MOS構造の電界効果型トランジス
タを使用し、チップサイズを小さくした。また、パワー
トランジスタの電流流出端子側から電流流入端子側に向
けて形成された寄生ダイオードをパワーダイオードとし
て使用し、パワーダイオードのためのチップ面積を実質
的に零にした。
【0208】また、第2のパワー増幅器や電力路スイッ
チ器に、第2のPMOS型パワートランジスタやPMO
S型電力路トランジスタを使用し、これらのパワー素子
を動作させるための別の電源を不要にした(コンデンサ
等を必要とし、電力消費を行う高電圧出力器をなくし
た)。これにより、直流電源50や電圧変換器52以外
の別電源が不要になり、全体構成は著しく簡素になる。
【0209】また、直流電源の負極端子側に電流流出端
子側を接続されたNMOS型スイッチングトランジスタ
をPWM動作させ、NMOS型スイッチングトランジス
タと変換用インダクタ素子によって変換直流電圧を得て
いる。これにより、NMOS型スイッチングトランジス
タの電流流入端子側および電流流出端子側の電位が直流
電源50の負極端子側電位(アース電位)以下にならな
い。その結果、接合分離部分をベース端子とする寄生ト
ランジスタ素子の動作を防止でき、全体の回路動作が安
定になった。
【0210】なお、本実施例では、第2のパワー増幅器
を低動作電圧の飽和動作させ、第1のパワー増幅器の動
作電圧に応動して電圧変換器のスイッチングトランジス
タをPWM動作させるようにした。しかし、この関係を
逆にし、第1のパワー増幅器を低動作電圧の飽和動作さ
せ、第2のパワー増幅器の動作電圧を動作制御器によっ
て検出し、第2のパワートランジスタの動作電圧に応動
して電圧変換器のスイッチングトランジスタをPWM動
作させてもよい。
【0211】また、本実施例では、制御作成器により電
流検出信号Bvと指令信号Acを比較し、比較結果に応
動した第1の制御電流信号C1と第2の制御電流信号C
2を出力する。第1の制御電流信号C1に応動した第1
の分配電流信号E1,E2,E3を用いて第1のパワー
増幅器11,12,13の第1のパワー部カレントミラ
ー回路の通電を制御し、第2の制御電流信号C2に応動
した第2の分配電流信号G1,G2,G3を用いて第2
のパワー増幅器15,16,17の第2のパワー部カレ
ントミラー回路の通電を制御する。
【0212】これにより、指令信号Acに応動した正確
な駆動電流をコイル2,3,4に供給することができ
る。このとき、電流路の切換はアナログ的に滑らかに行
っているので、駆動電流I1,I2,I3は滑らかに変
化し、電流路の切り換わりに伴う駆動電流の脈動や駆動
力の脈動は極めて小さくなる。
【0213】また、本実施例では、第1のパワー増幅器
11,12,13を第1のNMOS型パワートランジス
タによる第1の電界効果型パワー部カレントミラー回路
によって構成し、第2のパワー増幅器615,616,
617を第2のPMOS型パワートランジスタによる第
2の電界効果型パワー部カレントミラー回路によって構
成し、電流増幅率のバラツキを小さくしている。
【0214】通常、NMOS型パワートランジスタとP
MOS型パワートランジスタは大幅に異なる非線形電圧
増幅特性を有している。しかし、本実施例では、NMO
S型パワー部カレントミラー回路の電流増幅率のバラツ
キは著しく小さくなり、PMOS型パワー部カレントミ
ラー回路の電流増幅率のバラツキは著しく小さくなる。
さらに、NMOS型パワー部カレントミラー回路とPM
OS型パワー部カレントミラー回路の電流増幅率のバラ
ツキも著しく小さくできる。従って、滑らかに変化する
第1の分配電流信号を第1のパワー増幅器に供給するこ
とにより、第1のパワー増幅器による電流路の切換を滑
らかにできる。
【0215】また、滑らかに変化する第2の分配電流信
号を第2のパワー増幅器に供給することにより、第2の
パワー増幅器による電流路の切換を滑らかにできる。さ
らに、第1のNMOS型パワートランジスタもしくは第
2のPMOS型パワートランジスタの一方を確実に低動
作電圧の飽和動作(抵抗性の電圧降下動作)させ、第1
のNMOS型パワートランジスタもしくは第2のPMO
S型パワートランジスタの他方によってコイルへの合成
供給電流Ivを高精度に制御できる。
【0216】また、電流制御を行う第1のNMOS型パ
ワートランジスタもしくは第2のPMOS型パワートラ
ンジスタの動作電圧に応動してスイッチングトランジス
タのスイッチング動作を制御し、電流制御を乱すことな
く、電流制御を行っているパワートランジスタの動作電
圧を能動領域の所定の小さな値に高精度に制御できる。
【0217】また、本実施例では、直流電源50がオフ
した時に、コイルに生じている3相の逆起電力を第1の
パワーダイオードや第2のパワーダイオードを介して整
流した整流直流電圧を、電圧取出器の端子Xfに取り出
している。この電圧取出器の出力電圧を用いて、緊急の
直流電源オフ時に、電気的にマイコンのメモリ内容の保
存をしたり、機械的に読みとりヘッドの退避移動を行う
ことが可能になる。また、本実施例において、第1のパ
ワー増幅器11,12,13は図15に示された構成に
限らず、種々の変形が可能である。たとえば、第1のパ
ワー増幅器11,12,13のそれぞれの代わりに、図
19に示した構成のパワー増幅器1000を使用しても
良い。また、たとえば、図20に示した構成のパワー増
幅器1100を使用しても良い。また、本実施例におい
て、第2のパワー増幅器615,616,617は図1
5に示された構成に限らず、種々の変形が可能である。
たとえば、第2のパワー増幅器615,616,617
のそれぞれの代わりに、図21に示した構成のパワー増
幅器1200を使用しても良い。パワー増幅器1200
はPMOS型パワートランジスタ1210とPMOS型
トランジスタ1211と抵抗1012によって電界効果
型パワー部カレントミラー回路を構成している。この電
界効果型パワー部カレントミラー回路は、通電制御端子
側への入力電流が小さい内は所定の電流増幅率を有し、
入力電流が大きくなると、その電流増幅率が急激に大き
くなる。また、たとえば、図22に示した構成のパワー
増幅器1300を使用しても良い。パワー増幅器130
0はPMOS型パワートランジスタ1310とPMOS
型トランジスタ1311と抵抗1312によって電界効
果型パワー部カレントミラー回路を構成している。この
電界効果型パワー部カレントミラー回路は、通電制御端
子側への入力電流が小さい内は所定の電流増幅率を有
し、入力電流が大きくなると、その電流増幅率が急激に
大きくなる。なお、PMOS型パワートランジスタ12
10やPMOS型パワートランジスタ1310は二重拡
散PチャンネルMOS構造の電界効果型パワートランジ
スタによって構成でき、集積回路化は容易である。
【0218】さらに、本実施例でも、前述の実施例と同
様な各種の利点を得ることができる。
【0219】《実施例5》図17に本発明の実施例5の
モータを示す。図17に全体構成を示す。本実施例5で
は、分路スイッチ器701と通電停止器702を設け、
コイル2,3,4に両方向の駆動電流を供給する第1の
通電モードと、コイル2,3,4に片方向の駆動電流を
供給する第2の通電モードを、適時切り換えて供給でき
るようにした。また、コイル2,3,4の共通接続端子
側より整流直流電圧を取り出すように、電圧取出器74
0を変更した。その他の構成において、前述の実施例4
もしくは実施例3もしくは実施例2もしくは実施例1と
同様なものには同一の番号を付し、詳細な説明を省略す
る。
【0220】まず、分路スイッチ器700をオフにし、
通電停止器701を停止動作させない場合(第1の通電
モード)を説明する。すなわち、分路スイッチ器700
の第1のスイッチ部711はオフ、通電停止器701の
第2のスイッチ部721と第3のスイッチ部731はオ
ンにした場合である。第1のスイッチ部711がオフで
あるから、分路スイッチ器700のPMOS型分路トラ
ンジスタ710はオフになる。
【0221】PMOS型分路トランジスタ710は、二
重拡散PチャンネルMOS構造の電界効果型トランジス
タにより構成され、その寄生素子として形成されたダイ
オード710dは電流流出端子側から電流流入端子側に
向けて等価回路的に接続されている。
【0222】通電停止器701の第2のスイッチ部72
1がオンであるから、制御作成器30の第2の制御電流
信号C2は第2の分配器38に供給される。通電停止器
701の第3のスイッチ部731がオンであるから、P
MOS型通電トランジスタ730はオンになる。PMO
S型通電トランジスタ730は逆接続され、その電流流
入端子側を抵抗31と電力路スイッチ器54を介して直
流電源50の正極端子側に接続し、その電流流出端子側
を第2のパワー増幅器615,616,617の共通接
続端子側に接続している。
【0223】PMOS型通電トランジスタ730は、二
重拡散PチャンネルMOS構造の電界効果型トランジス
タにより構成され、PMOS型通電トランジスタ730
が逆接続されているので、その寄生素子として形成され
たダイオード730dは電流流入端子側から電流流出端
子側に向けて等価回路的に接続されている。
【0224】従って、分路スイッチ器700の第1のス
イッチ部711をオフにし、通電停止器701の第2の
スイッチ部721と第3のスイッチ部731をオンにし
た場合には、前述の実施例4と実質的に同じ構成にな
る。従って、第1のパワー増幅器11,12,13およ
び第2のパワー増幅器615,616,617によっ
て、コイル2,3,4に正極性および負極性の両方向の
駆動電流I1,I2,I3を供給する(第1の通電モー
ド)。具体的な構成及び動作は、前述の実施例4と同様
であり、詳細な説明を省略する。
【0225】次に、分路スイッチ器700をオンにし、
通電停止器701を停止動作させた場合(第2の通電モ
ード)を説明する。すなわち、分路スイッチ器700の
第1のスイッチ部711をオンにし、通電停止器701
の第2のスイッチ部721と第3のスイッチ部731を
オフにした場合である。第1のスイッチ部711がオン
であるから、分路スイッチ器700のPMOS型分路ト
ランジスタ710はオンになる。従って、電圧変換器6
52の正極出力端子側から電流検出用の抵抗31とPM
OS型分路トランジスタ710を介してコイル2,3,
4の共通接続端子側への電流路が形成される。
【0226】一方、通電停止器701の第2のスイッチ
部721がオフであるから、制御作成器30の第2の制
御電流信号C2は第2の分配器38に供給されない。従
って、第2の分配電流信号G1,G2,G3および第2
の増幅電流信号H1,H2,H3は零になる。その結
果、第2のパワー増幅器615,616,617の第2
のPMOS型パワートランジスタ685,686,68
7はすべてオフになる。さらに、第3のスイッチ部73
1がオフであるから、通電トランジスタ730はオフに
なる。
【0227】このとき、通電トランジスタ730および
その寄生ダイオード730dは、コイル2,3,4に生
じた逆起電力の電流路を遮断し、不要な電流路の形成を
防止する。従って、コイル2,3,4への電流路は、電
圧変換器52の正極出力端子側と負極出力端子側の間に
並列的に接続されている第1のパワー増幅器11,1
2,13の第1のNMOS型パワートランジスタ81,
82,83によって形成される。すなわち、コイル2,
3,4に負極性の片方向の駆動電流I1,I2,I3が
供給される(第2の通電モード)。なお、分路スイッチ
器700の抵抗712と通電停止器701の抵抗732
はプルアップ抵抗であり、必要なければなくしても良
い。
【0228】この第2の通電モードの全体動作につい
て、簡単に説明する。制御作成器30は、電流検出信号
Bvと指令信号Acの比較結果に応動した第1の制御電
流信号C1と第2の制御電流信号C2を出力する。第2
の制御電流信号C2は通電停止器701の第2のスイッ
チ部721で阻止され、第2の分配器38に供給されな
い。従って、第2のパワー増幅器615,616,61
7は、通電をすべて停止し、コイル2,3,4に電流を
供給しない。一方、第1の制御電流信号C1は第1の分
配器37に供給される。
【0229】第1の分配器37は、切換作成器34の3
相の切換電流信号D1,D2,D3に応動して第1の制
御電流信号C1を分配し、滑らかに変化する3相の第1
の分配電流信号E1,E2,E3を出力する。第1の電
流増幅器41,42,43は、それぞれ第1の分配電流
信号E1,E2,E3を電流増幅した第1の増幅電流信
号F1,F2,F3を出力し、第1のパワー増幅器1
1,12,13の通電制御端子側に供給する。
【0230】第1のパワー増幅器11,12,13の第
1のパワー部カレントミラー回路は、それぞれ第1の増
幅電流信号F1,F2,F3を電流増幅してコイル2,
3,4に供給する。このように、第1の分配制御ブロッ
ク(制御作成器30と第1の分配器37と第1の電流増
幅器41,42,43)と第1のパワー増幅器11,1
2,13によって帰還ループが形成され、指令信号に応
動した合成供給電流を供給する。
【0231】動作制御器310は、第1のパワー増幅器
11,12,13の第1のNMOS型パワートランジス
タ81,82,83の動作電圧を検出し、その最小動作
電圧に応動した動作制御信号Vdを出力する。
【0232】電圧変換器52は、動作制御信号Vdに応
動してNMOS型スイッチングトランジスタ61を高周
波スイッチング動作させる。その結果、電圧変換器52
の変換直流電圧(Vcc−Vg)が可変制御され、第1
のパワー増幅器の動作電圧を所定の小さな値に制御す
る。電圧変換器52の変換直流電圧は、並列的に接続さ
れた3個の第1のパワー増幅器11,12,13とコイ
ル2,3,4と分路スイッチ器700に供給され、選択
された第1のパワー増幅器の第1のパワートランジスタ
によってコイルに片方向の駆動電流を供給する電流路が
形成される。
【0233】電圧取出器740は、直流電源50の正極
端子側電位とコイルの共通接続端子側電位を比較し、大
きい方の電圧を出力している。これにより、直流電源5
0がオフしたときに、コイルに生じる3相の逆起電力の
整流電圧信号を端子Xfに取り出している。その他の構
成及び動作は、前述の実施例4と同様であり、詳細な説
明を省略する。
【0234】本実施例では、コイルに両方向の駆動電流
を供給する第1の通電モードと、コイルに片方向の駆動
電流を供給する第2の通電モードを、適時切り換えて供
給し、モータ性能を変更することを可能にした。第1の
通電モードおよび第2の通電モードにおいて、第1のパ
ワー増幅器や第2のパワー増幅器やスイッチングトラン
ジスタや分路トランジスタや通電トランジスタなどのパ
ワー素子における電力損失・発熱は小さい。従って、こ
れらのパワー素子を必要に応じて単一のシリコン基板上
に接合分離して集積回路化できる。
【0235】また、コイルに両方向の駆動電流を供給す
る第1の通電モードでは、発生力を大きくできる利点が
ある。コイルに片方向の駆動電流を供給する第2の通電
モードでは、コイルに発生する逆起電力を大きくできる
ので、モータを高速回転できる利点がある。従って、発
生力が大きく高速回転が可能なモータを実現できる。
【0236】また、集積回路化した第2のパワートラン
ジスタ685,686,687に寄生素子である第2の
パワーダイオード685d,686d,687dが逆接
続している。分路トランジスタ710をオンにしてコイ
ル2,3,4に片方向の駆動電流を供給する場合に、コ
イルに生じる逆起電力によって電力供給端子側の電位が
交流的に上昇し、第2のパワーダイオード685d,6
86d,687dを介して電流が逆流しようとする。し
かし、本実施例では、通電トランジスタ730を逆接続
しているので、通電トランジスタ730をオフにするこ
とにより、逆流電流路を確実に遮断できる。
【0237】なお、通電トランジスタ730は逆接続し
たPMOS型トランジスタに限らず、逆接続したNMO
S型トランジスタによっても構成可能である。これらの
逆接続した電界効果型トランジスタでは、電流流入端子
側から電流流出端子側に向けて寄生ダイオードが形成さ
れ、通電トランジスタのオフ時に寄生ダイオードも電流
の逆流を阻止する。
【0238】また、本実施例でも、前述の各実施例と同
様な各種の利点を得ることができる。なお、本実施例で
は、第1のパワー増幅器11,12,13と第2のパワ
ー増幅器615,616,617と制御作成器30と切
換作成器34と分配作成器36(第1の分配器37と第
2の分配器38)と第1の電流増幅器41,42,43
と第2の電流増幅器645,646,647と動作制御
器310と電圧変換器52と分路スイッチ器700と通
電停止器701と電圧取出器740によって、3相の負
荷(コイル2,3,4)への駆動電流を供給する駆動回
路を形成している。
【0239】また、コイルに片方向だけの駆動電流を供
給する構成のモータも実現できる。たとえば、図17に
おいて、第2のパワー増幅器615,616,617や
通電停止器701や分路スイッチ器700をなくし、コ
イル2,3,4の共通接続端子側を抵抗31を介して電
圧変換器52の正極出力端子側に接続した構成にしても
良い。
【0240】また、高電圧出力器を設けて、第2のパワ
ートランジスタ685,686,687や分路トランジ
スタ710や通電トランジスタ730にNMOS型トラ
ンジスタを使用し、高電圧出力器の高電位点からこれら
の素子の通電を制御する事も可能である。
【0241】《実施例6》図18に本発明の実施例6の
モータを示す。図18に全体構成を示す。本実施例6で
は、電圧変換器752として、たとえば高電圧出力器4
50のごとき構成の電圧変換を行わせるようにした。そ
の他の構成において、前述の実施例5もしくは前述の実
施例4もしくは実施例3もしくは実施例2もしくは実施
例1と同様なものには同一の番号を付し、詳細な説明を
省略する。
【0242】図18の電圧変換器752は、200kH
z程度の高周波スイッチング動作を行うNMOS型スイ
ッチングトランジスタ761を有している。NMOS型
スイッチングトランジスタ761は、その電流流出端子
側を直流電源50の負極端子側(−)に接続され、その
電流流入端子側と変換用インダクタ素子763の一端に
接続され、直流電源50の正極端子側(+)から変換用
インダクタ素子763への磁気エネルギーを補充する電
力供給路を高周波スイッチング(オン・オフ動作)して
いる。
【0243】変換用インダクタ素子763の一端に接続
されたフライホイール用ダイオード762は、NMOS
型スイッチングトランジスタ761のオン・オフの高周
波スイッチング動作に相補的にオフ・オン動作し、変換
用インダクタ素子763から変換用コンデンサ素子76
4への電流路を形成する。すなわち、NMOS型スイッ
チングトランジスタ761がオンの時には、直流電源5
0の正極端子から変換用インダクタ素子763を通る電
力供給路が形成され、変換用インダクタ素子763の磁
気エネルギーを補充する。
【0244】NMOS型スイッチングトランジスタ76
1がオフに変わると、変換用インダクタ素子763の端
子電圧が大きくなってフライホイール用ダイオード76
2を導通状態に変え、変換用インダクタ素子763から
変換用コンデンサ素子764を含む回路側への電流路を
形成する。これにより、変換用コンデンサ素子764の
一端と直流電源50の一端の間に変換直流電圧Vmを出
力する。
【0245】変換用コンデンサ素子764は、電圧変換
器752の正極出力端子側(P)と負極出力端子側
(M)の間に接続され、変換用インダクタ素子763を
介して供給される電流・電圧を平滑するフィルタ回路を
構成している。これにより、NMOS型スイッチングト
ランジスタ761を高周波PWM動作(パルス幅変調動
作)することにより、電圧変換器752の正極出力端子
側の電位Vmを可変制御している。その結果、直流電源
50から供給される直流電圧Vccを電力供給源とし
て、電圧変換器752の正極出力端子側と負極出力端子
側の間に変換直流電圧値Vmを作り出す。ここで、直流
電源50の負極端子をアース電位(0V)としている。
【0246】なお、NMOS型スイッチングトランジス
タ761は、たとえば二重拡散MOS構造のNチャンネ
ル電界効果型トランジスタによって構成され、その電流
流出端子側から電流流入端子側に向けて寄生素子として
形成されたスイッチングダイオード761dを等価回路
的に逆接続されている。動作制御器310は、第1のパ
ワー増幅器11,12,13の電流流入端子側と電流流
出端子側の間の3相の動作電圧を検出し、最小な動作電
圧値に応動した動作制御信号Vdを出力する。電圧変換
器752は、PWM部765において動作制御信号Vd
に応動したパルス幅を有する所定の高周波のPWM信号
Swを作り、NMOS型スイッチングトランジスタ76
1を高周波スイッチング動作させる。すなわち、動作制
御器310の動作制御信号Vdに応動して電圧変換器7
52のNMOS型スイッチングトランジスタ761のP
WMスイッチング動作が制御される。
【0247】電圧変換器752は、直流電源50の直流
電圧Vccを電力供給源として、NMOS型スイッチン
グトランジスタ761のPWMスイッチング動作に応動
した変換直流電圧Vmを正極出力端子側と負極出力端子
側の間に出力する。なお、電圧変換器752のPWM部
765の具体的な構成は、前述の図7に示したものと同
様な構成であり、詳細な説明を省略する。図18の電圧
取出器790は出力ダイオード791を含んでいる。出
力ダイオード791は、入力端子側を第2のPMOS型
パワートランジスタ685,686,687の電流流入
端子側に接続され、出力端子側を電圧取出器790の出
力端子Xfに接続されている。これにより、直流電源5
0がオフになった時に、出力ダイオード791を介し
て、電圧取出器790はコイル2,3,4の逆起電力電
を整流した整流直流電圧を出力端子Xfに得ている。こ
のとき、電圧変換器752のフライホイール用ダイオー
ド762は、直流電源50がオフになった時に、3相の
コイル2,3,4の逆起電力によってコイル側から直流
電源50に逆流する電流を阻止している。従って、フラ
イホイール用ダイオード762は実質的に図12や図1
7に示した電力路スイッチ器54の役割も果たしてい
る。従って、電圧取出器790の整流直流電圧を用い
て、直流電源50がオフになった時に、各種の保護動作
を行うことができる。その他の構成及び動作は、前述の
実施例5と同様であり、詳細な説明を省略する。
【0248】本実施例では、集積回路化に好適のモータ
構成になっている。まず、パワー素子の発熱を小さく
し、パワートランジスタやスイッチングトランジスタを
集積回路化した場合の熱破壊を防止した。また、第1の
パワートランジスタや第2のパワートランジスタやスイ
ッチングトランジスタとして二重拡散MOS構造の電界
効果型トランジスタを使用し、チップサイズを小さくし
た。
【0249】また、直流電源の負極端子側に電流流出端
子側を接続されたNMOS型スイッチングトランジスタ
をPWM動作させ、NMOS型スイッチングトランジス
タと変換用インダクタ素子によって変換直流電圧を得て
いる。これにより、NMOS型スイッチングトランジス
タの電流流入端子側および電流流出端子側の電位が直流
電源50の負極端子側電位(アース電位)以下にならな
い。その結果、接合分離部分をベース端子とする寄生ト
ランジスタ素子の動作を防止でき、全体の回路動作が安
定になった。
【0250】また、第2のパワー増幅器や分路スイッチ
器や通電停止器に、第2のPMOS型パワートランジス
タやPMOS型分路トランジスタやPMOS型通電トラ
ンジスタを使用し、これらのパワー素子を動作させるた
めの別の電源を不要にした。
【0251】また、本実施例では、コイルに両方向の駆
動電流を供給する第1の通電モードと、コイルに片方向
の駆動電流を供給する第2の通電モードを、適時切り換
えて供給し、モータ性能を変更することを可能にした。
このような切換えを行っても、第1のパワー増幅器や第
2のパワー増幅器やスイッチングトランジスタや分路ト
ランジスタや通電トランジスタなどのパワー素子におけ
る電力損失・発熱は小さい。従って、これらのパワー素
子を必要に応じて単一のシリコン基板上に集積回路化で
きる。
【0252】また、本実施例では、電圧変換器752の
変換直流電圧Vmを直流電源50の出力直流電圧Vcc
よりも大きくできる構成にし、コイル2,3,4への供
給電圧レベルを大きくした。これにより、モータの高速
回転を容易に実現できる。なお、モータ起動時などで
は、スイッチングトランジスタ761がオフ状態にな
り、直流電源50の出力直流電圧Vccがフライホイー
ル用ダイオード762を介して出力され、電圧変換器7
52の変換直流電圧になることもある。また、本実施例
において、電圧変換器752の電流路形成回路であるフ
ライホイール用ダイオード762は、スイッチングトラ
ンジスタ761がオフの時に変換用インダクタ素子76
3から変換用コンデンサ素子764を含む回路側への電
流路を形成すれば良く、種々の変形が可能である。
【0253】たとえば、フライホイール用ダイオード7
62の代わりに図23に示した構成のNMOS型同期整
流トランジスタ1400を使用し、PWM部765から
の信号によって、スイッチングトランジスタ761のオ
ン・オフのスイッチング動作と相補的にNMOS型同期
整流トランジスタ1400をオフ・オンのスイッチング
動作させることが可能である。NMOS型同期整流トラ
ンジスタ1400は二重拡散NチャンネルMOS構造の
電界効果型パワートランジスタによって構成され、NM
OS型同期整流トランジスタ1400の電流入力出力端
子間に逆接続された寄生ダイオード1400dによって
フライホイール用ダイオードの効果を得ることもでき
る。また、たとえば、図24に示した構成のPMOS型
同期整流トランジスタ1500を使用し、PWM部76
5からの信号によって、スイッチングトランジスタ76
1のオン・オフのスイッチング動作と相補的にPMOS
型同期整流トランジスタ1500をオフ・オンのスイッ
チング動作させることが可能である。PMOS型同期整
流トランジスタ1500は二重拡散PチャンネルMOS
構造の電界効果型パワートランジスタによって構成さ
れ、PMOS型同期整流トランジスタ1500の電流入
力出力端子間に逆接続された寄生ダイオード1500d
によってフライホイール用ダイオードの効果を得ること
もできる。さらに、フライホイール用ダイオード762
を置き換えたPMOS型同期整流トランジスタ1500
は、直流電源50がオフになった時に、コイルの逆起電
力によって生じるコイル側から直流電源50に向けての
逆流電流を阻止できるので、PMOS型同期整流トラン
ジスタ1500は図17のPMOS型電力路トランジス
タ72の役目を果たしている。また、PMOS型同期整
流トランジスタ1500を動作させるために新たな高電
位点を供給する回路が不要であり(直流電源50の出力
直流電圧以外は必要ない)、モータの構成が簡素にな
る。
【0254】また、本実施例では、制御作成器により電
流検出信号Bvと指令信号Acを比較し、比較結果に応
動した第1の制御電流信号C1と第2の制御電流信号C
2を出力する。第1の制御電流信号C1に応動した第1
の分配電流信号E1,E2,E3を用いて第1のパワー
増幅器11,12,13の第1のパワー部カレントミラ
ー回路の通電を制御し、第2の制御電流信号C2に応動
した第2の分配電流信号G1,G2,G3を用いて第2
のパワー増幅器615,616,617の第2のパワー
部カレントミラー回路の通電を制御する。
【0255】これにより、指令信号Acに応動した正確
な駆動電流をコイル2,3,4に供給することができ
る。このとき、電流路の切換はアナログ的に滑らかに行
っているので、駆動電流I1,I2,I3は滑らかに変
化し、電流路の切り換わりに伴う駆動電流の脈動や駆動
力の脈動は極めて小さくなる。なお、このような効果
は、分路トランジスタをオンにした片方向の電流供給の
場合でも得られる。なお、本実施例では、直流電源50
と電圧変換器752は、電圧変換器の正極出力端子側と
負極出力端子側の間に所要の変換直流電圧Vmを供給す
る電圧供給ブロックを形成している。この電圧供給ブロ
ックは、変換直流電圧Vmを直流電源50の出力直流電
圧Vccよりも大きくすることができる。その他、本実
施例でも、前述の実施例と同様な各種の利点を得ること
ができる。
【0256】なお、前述の各実施例の具体的な構成につ
いては、各種の変形が可能である。たとえば、各相のコ
イルは複数個の部分コイルを直列もしくは並列に接続し
て構成しても良い。3相のコイルはスター結線に限ら
ず、デルタ結線であってもよい。また、一般に、多相の
モータが構成できる。また、移動体の界磁部は図示のも
のに限定されるものではない。その磁極数も2極に限定
されるものではなく、一般に、多極構成が可能である。
さらに、界磁部は移動体の移動動作に伴って変化する磁
束をコイルに供給するものであれば良く、公知の各種の
構成が可能である。本発明にもとづいて、ブラシレスモ
ータや永久磁石型ステッピングモータやレラクタンス型
ステッピングモータやハイブリッド型ステッピングモー
タやその他の各種のモータが構成可能であり、本発明に
含まれることは言うまでもない。さらに、移動体は回転
移動に限らず、直進移動しても良い。また、動作制御器
は前述の構成に限定されるものではなく、さらに、パワ
ー増幅器の発熱が許容されるものであれば、動作制御器
や電圧変換器をなくしても良い。
【0257】また、図19から図22に示したように、
第1と第2のパワー増幅器の構成には各種の変形が可能
である。また、図23と図24に示したように、フライ
ホイール用ダイオードによる電流路形成回路の構成には
各種の変形が可能である。同等な機能を有する回路やデ
バイスによって置き代えることが可能であり、本発明に
含まれることは言うまでもない。
【0258】また、集積回路化において、周知の半導体
プロセスによる各種の1チップ集積回路技術が使用可能
である。たとえば、二重拡散MOS型電界効果トランジ
スタやCMOS型電界効果トランジスタやバイポーラト
ランジスタを単独種類もしくは複数種類使用できる各種
の1チップ集積回路技術がある。いずれも、集積回路の
サブストレートを直流電源の負極端子側の電位(アース
電位)に接続して使用し、高密度の集積回路化が可能で
ある。なお、1チップ内の具体的なトランジスタ配置
は、個々の集積回路設計によって異なるので、詳細な説
明を省略する。また、第1のパワー増幅器や第2のパワ
ー増幅器は前述の実施例に示した構成に限定されず、実
質的に本発明の主旨に添った動作を行うならば、各種の
変形が可能である。前述の形態では、好ましい例とし
て、電界効果型トランジスタを用いたパワー部カレント
ミラー回路を有するパワー増幅器を示したが、このよう
な構成に限定されるものではない。その他、本発明の主
旨を変えずして種々の変形が可能であり、本発明に含ま
れることはいうまでもない。
【0259】
【発明の効果】本発明のモータでは、集積回路化に適し
たパワー素子を使用し、1チップのシリコン基板上に低
コストに集積化して実現できる。また、第1のパワー増
幅器のパワートランジスタの電力損失が小さく、第2の
パワー増幅器のパワートランジスタの電力損失が小さ
く、スイッチングトランジスタの電力損失が小さい。従
って、これらのパワー素子から発生する発熱が極めて小
さく、発熱による熱破壊の恐れがないので、これらのパ
ワー素子を容易に集積回路化できる。また、第1のパワ
ー増幅器と第2のパワー増幅器の構成により、滑らかに
変化する両方向の駆動電流を各電力供給端子からコイル
に供給しているので、駆動力の脈動が極めて少なくな
り、滑らかに動作するモータを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における全体構成を示す図で
ある。
【図2】実施例1における切換作成器34の回路図であ
る。
【図3】実施例1における制御作成器30の回路図であ
る。
【図4】実施例1における分配作成器36の回路図であ
る。
【図5】実施例1における第1の電流増幅器41,4
2,43の回路図である。
【図6】実施例1における第2の電流増幅器45,4
6,47と高電圧出力器53の回路図である。
【図7】実施例1における動作制御器51と電圧変換器
52の回路図である。
【図8】実施例1に使用可能な集積回路プロセスの一例
を示す図である。
【図9】本発明の実施例2における全体構成を示す図で
ある。
【図10】実施例2における動作制御器310と電圧変
換器52の回路図である。
【図11】実施例2における変調部300の回路図であ
る。
【図12】本発明の実施例3における全体構成を示す図
である。
【図13】実施例3における高電圧出力器450の回路
図である。
【図14】実施例3における電力路スイッチ器54と電
圧変換器52の回路図である。
【図15】本発明の実施例4における全体構成を示す図
である。
【図16】実施例4における第2の電流増幅器645,
646,647の回路図である。
【図17】本発明の実施例5における全体構成を示す図
である。
【図18】本発明の実施例6における全体構成を示す図
である。
【図19】本発明の実施例におけるパワー増幅器の別の
構成を示す図である。
【図20】本発明の実施例におけるパワー増幅器の別の
構成を示す図である。
【図21】本発明の実施例におけるパワー増幅器の別の
構成を示す図である。
【図22】本発明の実施例におけるパワー増幅器の別の
構成を示す図である。
【図23】本発明の実施例における電圧変換器の電流路
形成回路の別の構成を示す図である。
【図24】本発明の実施例における電圧変換器の電流路
形成回路の別の構成を示す図である。
【図25】従来のモータの構成を示す図である。
【符号の説明】
1 移動体 2,3,4 コイル 11,12,13 第1のパワー増幅器 15,16,17,615,616,617 第2のパ
ワー増幅器 81,82,83 第1のNMOS型パワートランジス
タ 85,86,87 第2のNMOS型パワートランジス
タ 685,686,687 第2のPMOS型パワートラ
ンジスタ 30 制御作成器 34 切換作成器 36 分配作成器 37 第1の分配器 38 第2の分配器 41,42,43 第1の電流増幅器 45,46,47,645,646,647 第2の電
流増幅器 50 直流電源 51,310 動作制御器 52,752 電圧変換器 61,761 NMOS型スイッチングトランジスタ 62,762 フライホイール用ダイオード(電流路形
成回路) 63,763 変換用インダクタ素子 64,764 変換用コンデンサ素子 53,450 高電圧出力器 490,740,790 電圧取出器 54 電力路スイッチ器 72 電力路トランジスタ 700 分路スイッチ器 710 分路トランジスタ 701 通電停止器 730 通電トランジスタ

Claims (47)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動体と、複数相のコイルと、直流電圧
    を供給する電圧供給手段と、前記電圧供給手段の負極出
    力端子側と前記コイルの電流路を形成する第1のパワー
    トランジスタをそれぞれ含むQ個(Qは2以上の整数)
    の第1のパワー増幅手段と、前記電圧供給手段の正極出
    力端子側と前記コイルの電流路を形成する第2のパワー
    トランジスタをそれぞれ含むQ個の第2のパワー増幅手
    段と、複数相の切換信号を出力する切換作成手段と、前
    記切換作成手段の出力信号に応動して前記第1のパワー
    増幅手段の通電を分配制御する第1の分配制御手段と、
    前記切換作成手段の出力信号に応動して前記第2のパワ
    ー増幅手段の通電を分配制御する第2の分配制御手段を
    具備するモータであって、 前記電圧供給手段は、 磁気エネルギーを蓄える変換用インダクタ手段と、 電気エネルギーを蓄える変換用コンデンサ手段と、 直流電源の負極端子側に電流流出端子側を接続され、電
    流流入端子側を前記変換用インダクタ手段の一端に接続
    されたスイッチングトランジスタを含み、前記直流電源
    から前記変換用インダクタ手段の磁気エネルギーを補充
    する電力供給路をオン・オフの高周波スイッチングする
    スイッチング手段と、 前記スイッチングトランジスタのオン・オフのスイッチ
    ング動作に相補的にオフ・オン動作して前記変換用イン
    ダクタ手段から前記変換用コンデンサ手段を含む回路側
    への電流路を形成する電流路形成手段と、 を有し、 前記変換用コンデンサ手段の一端と前記直流電源の一端
    の間に出力した変換直流電圧を前記第1のパワー増幅手
    段と前記第2のパワー増幅手段に供給する構成とし、 さらに、前記スイッチングトランジスタと前記第1のパ
    ワートランジスタと前記第2のパワートランジスタと、
    を所要の半導体素子と一緒に単一チップの集積回路内に
    形成した集積回路手段を有するモータ。
  2. 【請求項2】 前記第1の分配制御手段と前記第2の分
    配制御手段は、 前記第1のパワートランジスタもしくは前記第2のパワ
    ートランジスタのうちの一方のパワートランジスタによ
    り前記コイルへの合成供給電流を指令信号に応動して制
    御し、前記第1のパワートランジスタもしくは前記第2
    のパワートランジスタのうちの他方のパワートランジス
    タを低動作電圧の飽和動作とさせた請求項1に記載のモ
    ータ。
  3. 【請求項3】 前記第1のパワートランジスタもしくは
    前記第2のパワートランジスタのうちの一方のパワート
    ランジスタの動作電圧に応動して前記スイッチングトラ
    ンジスタのスイッチング動作を制御する構成にした請求
    項1または請求項2のいずれかに記載のモータ。
  4. 【請求項4】 前記第1の分配制御手段と前記第2の分
    配制御手段は、 前記第1の制御電流信号と前記第2の制御電流信号を作
    り出す制御作成手段と、切換作成手段の出力信号に応動
    して前記第1の制御電流信号を分配し、滑らかに変化す
    るQ相の第1の分配電流信号を出力する第1の分配手段
    と、前記第1の分配電流信号を所定の電流増幅してQ相
    の第1の増幅電流信号を得て、前記Q個の第1のパワー
    増幅手段の各通電制御端子側に各第1の増幅電流信号を
    供給するQ個の第1の電流増幅手段と、前記切換作成手
    段の出力信号に応動して前記第2の制御電流信号を分配
    し、滑らかに変化するQ相の第2の分配電流信号を出力
    する第2の分配手段と、前記第2の分配電流信号を所定
    の電流増幅してQ相の第2の増幅電流信号を得て、前記
    Q個の第2のパワー増幅手段の各通電制御端子側に各第
    2の増幅電流信号を供給するQ個の第2の電流増幅手段
    と、を有して構成された請求項1から請求項3のいずれ
    かに記載のモータ。
  5. 【請求項5】 前記第1のパワー増幅手段は、前記第1
    のパワートランジスタの電流入出力端子間に寄生素子と
    して逆接続された第1のパワーダイオードを有し、 前記第2のパワー増幅手段は、前記第2のパワートラン
    ジスタの電流入出力端子間に寄生素子として逆接続され
    た第2のパワーダイオードとを有し、 さらに、 前記直流電源がオフになった時に、前記直流電源の正極
    端子側から前記第2のパワー増幅手段の電流流入端子側
    への電力路を遮断する電力路スイッチ手段と、前記直流
    電源がオフになった時に、前記コイルの逆起電力を整流
    した整流直流電圧を取り出す電圧取出手段とを有する請
    求項1から請求項4のいずれかに記載のモータ。
  6. 【請求項6】 さらに、前記電圧供給手段の正極出力端
    子側と前記複数相のコイルの共通接続端子側の電流路を
    オフ・オンする分路スイッチ手段と、前記第2のパワー
    増幅手段による前記コイルへの電流供給を実施・停止さ
    せる通電停止手段を具備し、 前記分路スイッチ手段をオフおよび前記通電停止手段の
    停止動作をさせない場合に、前記コイルに両方向の電流
    を供給し、前記分路スイッチ手段をオンおよび前記通電
    停止手段の停止動作をさせた場合に、前記コイルに片方
    向の電流を供給するようにした請求項1から請求項5の
    いずれかに記載のモータ。
  7. 【請求項7】 前記電圧供給手段は、前記変換用コンデ
    ンサ手段の一端と前記直流電源の一端の間に出力する変
    換直流電圧を前記直流電源の出力直流電圧よりも大きく
    できる構成にした請求項1から請求項6のいずれかに記
    載のモータ。
  8. 【請求項8】 前記スイッチングトランジスタをNMO
    S型スイッチングトランジスタにし、前記第1のパワー
    トランジスタを第1のNMOS型パワートランジスタに
    し、前記第2のパワートランジスタを第2のNMOS型
    パワートランジスタにした請求項1から請求項7のいず
    れかに記載のモータ。
  9. 【請求項9】 前記スイッチングトランジスタをNMO
    S型スイッチングトランジスタにし、前記第1のパワー
    トランジスタを第1のNMOS型パワートランジスタに
    し、前記第2のパワートランジスタを第2のPMOS型
    パワートランジスタにした請求項1から請求項7のいず
    れかに記載のモータ。
  10. 【請求項10】 移動体と、複数相のコイルと、直流電
    源の電力供給路を高周波スイッチングするスイッチング
    トランジスタを含み、前記直流電源の直流電圧を変換し
    た変換直流電圧を出力する電圧供給手段と、前記電圧供
    給手段の負極出力端子側と前記コイルの電流路を形成す
    る第1のパワートランジスタをそれぞれ含むQ個(Qは
    2以上の整数)の第1のパワー増幅手段と、前記電圧供
    給手段の正極出力端子側と前記コイルの電流路を形成す
    る第2のパワートランジスタをそれぞれ含むQ個の第2
    のパワー増幅手段と、複数相の切換信号を出力する切換
    作成手段と、前記切換作成手段の出力信号に応動して前
    記第1のパワー増幅手段の通電を分配制御する第1の分
    配制御手段と、前記切換作成手段の出力信号に応動して
    前記第2のパワー増幅手段の通電を分配制御する第2の
    分配制御手段と、前記スイッチングトランジスタのスイ
    ッチング動作を制御し、前記電圧供給手段の変換直流電
    圧を可変制御する動作制御手段を具備するモータであっ
    て、 前記動作制御手段は、 前記移動体の移動動作に同期してアナログ的に振幅を変
    化させる被変調信号を得る変調手段と、 前記第1のパワートランジスタもしくは前記第2のパワ
    ートランジスタの動作電圧を検出する動作電圧検出手段
    と、 を有し、 前記動作電圧検出手段の出力信号と前記変調手段の出力
    信号に応動して前記スイッチングトランジスタのスイッ
    チング動作を制御するモータ。
  11. 【請求項11】 前記変調手段は、前記移動体の移動動
    作に同期した変調信号を得る変調作成手段と、前記電圧
    供給手段の変換直流電圧に応動する変換電流信号を得る
    変換電流手段と、前記変調信号によって前記変換電流信
    号を変調して被変調電流信号を得る電流変調手段を含ん
    で構成された請求項10に記載のモータ。
  12. 【請求項12】 前記第1の分配制御手段と前記第2の
    分配制御手段は、 前記第1のパワートランジスタもしくは前記第2のパワ
    ートランジスタのうちで動作制御手段が動作電圧を検出
    する側のパワートランジスタにより前記コイルへの合成
    供給電流を指令信号に応動して制御し、前記第1のパワ
    ートランジスタもしくは前記第2のパワートランジスタ
    のうちで前記動作制御手段が動作電圧を検出しない側の
    パワートランジスタを低動作電圧の飽和動作とさせた請
    求項10または請求項11のいずれかに記載のモータ。
  13. 【請求項13】 前記第1の分配制御手段と前記第2の
    分配制御手段は、 前記第1の制御電流信号と前記第2の制御電流信号を作
    り出す制御作成手段と、切換作成手段の出力信号に応動
    して前記第1の制御電流信号を分配し、滑らかに変化す
    るQ相の第1の分配電流信号を出力する第1の分配手段
    と、前記第1の分配電流信号を所定の電流増幅してQ相
    の第1の増幅電流信号を得て、前記Q個の第1のパワー
    増幅手段の各通電制御端子側に各第1の増幅電流信号を
    供給するQ個の第1の電流増幅手段と、前記切換作成手
    段の出力信号に応動して前記第2の制御電流信号を分配
    し、滑らかに変化するQ相の第2の分配電流信号を出力
    する第2の分配手段と、前記第2の分配電流信号を所定
    の電流増幅してQ相の第2の増幅電流信号を得て、前記
    Q個の第2のパワー増幅手段の各通電制御端子側に各第
    2の増幅電流信号を供給するQ個の第2の電流増幅手段
    と、 を有して構成された請求項10から請求項12のいずれ
    かに記載のモータ。
  14. 【請求項14】 前記電圧供給手段は、 磁気エネルギーを蓄える変換用インダクタ手段と、電気
    エネルギーを蓄える変換用コンデンサ手段と、直流電源
    の負極端子側に電流流出端子側を接続され、電流流入端
    子側を前記変換用インダクタ手段の一端に接続されたス
    イッチングトランジスタと、を含み、前記直流電源から
    前記変換用インダクタ手段の磁気エネルギーを補充する
    電力供給路を高周波スイッチングするスイッチング手段
    と、前記スイッチングトランジスタのオン・オフのスイ
    ッチング動作に相補的にオフ・オン動作して前記変換用
    インダクタ手段から前記変換用コンデンサ手段を含む回
    路側への電流路を形成する電流路形成手段と、を有し、 前記変換用コンデンサ手段の一端と前記直流電源の一端
    の間に出力した変換直流電圧を前記第1のパワー増幅手
    段と前記第2のパワー増幅手段に供給する構成とした請
    求項10から請求項13のいずれかに記載のモータ。
  15. 【請求項15】 前記電圧供給手段は、前記変換用コン
    デンサ手段の一端と前記直流電源の一端の間に出力する
    変換直流電圧を前記直流電源の出力直流電圧よりも大き
    くできる構成にした請求項14に記載のモータ。
  16. 【請求項16】 前記第1のパワー増幅手段は、前記第
    1のパワートランジスタの電流入出力端子間に寄生素子
    として逆接続された第1のパワーダイオードとを有し、 前記第2のパワー増幅手段は、前記第2のパワートラン
    ジスタの電流入出力端子間に寄生素子として逆接続され
    た第2のパワーダイオードとを有し、 さらに、 前記直流電源がオフになった時に、前記直流電源の正極
    端子側から前記第2のパワー増幅手段の電流流入端子側
    への電力路を遮断する電力路スイッチ手段と、前記直流
    電源がオフになった時に、前記コイルの逆起電力を整流
    した整流直流電圧を取り出す電圧取出手段とを有する請
    求項10から請求項15のいずれかに記載のモータ。
  17. 【請求項17】 さらに、前記電圧供給手段の正極出力
    端子側と前記複数相のコイルの共通接続端子側の電流路
    をオフ・オンする分路スイッチ手段と、前記第2のパワ
    ー増幅手段による前記コイルへの電流供給を実施・停止
    させる通電停止手段とを具備し、 前記分路スイッチ手段をオフおよび前記通電停止手段の
    停止動作をさせない場合に、前記コイルに両方向の電流
    を供給し、前記分路スイッチ手段をオンおよび前記通電
    停止手段の停止動作をさせた場合に、前記コイルに片方
    向の電流を供給するようにした請求項10から請求項1
    6のいずれかに記載のモータ。
  18. 【請求項18】 前記スイッチングトランジスタをNM
    OS型スイッチングトランジスタにし、前記第1のパワ
    ートランジスタを第1のNMOS型パワートランジスタ
    にし、前記第2のパワートランジスタを第2のNMOS
    型パワートランジスタにした請求項10から請求項17
    のいずれかに記載のモータ。
  19. 【請求項19】 前記スイッチングトランジスタをNM
    OS型スイッチングトランジスタにし、前記第1のパワ
    ートランジスタを第1のNMOS型パワートランジスタ
    にし、前記第2のパワートランジスタを第2のPMOS
    型パワートランジスタにした請求項10から請求項17
    のいずれかに記載のモータ。
  20. 【請求項20】 移動体と、 複数相のコイルと、 直流電圧を供給する電圧供給手段と、 前記電圧供給手段の負極出力端子側と前記コイルの電流
    路を形成する第1の電界効果型パワートランジスタをそ
    れぞれ含み、前記第1の電界効果型パワートランジスタ
    を用いた第1の電界効果型パワー部カレントミラー回路
    を有するQ個(Qは2以上の整数)の第1のパワー増幅
    手段と、 前記電圧供給手段の正極出力端子側と前記コイルの電流
    路を形成する第2の電界効果型パワートランジスタをそ
    れぞれ含み、前記第2の電界効果型パワートランジスタ
    を用いた第2の電界効果型パワー部カレントミラー回路
    を有するQ個の第2のパワー増幅手段と、 複数相の切換信号を出力する切換作成手段と、 前記切換作成手段の出力信号に応動し、少なくとも立ち
    上がり傾斜部分および立ち下がり傾斜部分において滑ら
    かに変化する第1のQ相の電流信号を前記Q個の第1の
    パワー増幅手段の各通電制御端子側に供給する第1の分
    配制御手段と、 前記切換作成手段の出力信号に応動し、少なくとも立ち
    上がり傾斜部分および立ち下がり傾斜部分において滑ら
    かに変化する第2のQ相の電流信号を前記Q個の第2の
    パワー増幅手段の各通電制御端子側に供給する第2の分
    配制御手段と、 を具備するモータ。
  21. 【請求項21】 前記第1の分配制御手段と前記第2の
    分配制御手段は、前記第1の電界効果型パワートランジ
    スタもしくは前記第2の電界効果型パワートランジスタ
    のうちの一方の電界効果型パワートランジスタによりコ
    イルへの合成供給電流を指令信号に応動して制御し、前
    記第1の電界効果型パワートランジスタもしくは前記第
    2の電界効果型パワートランジスタのうちの他方の電界
    効果型パワートランジスタを低動作電圧の飽和動作とさ
    せた請求項20に記載のモータ。
  22. 【請求項22】 前記電圧供給手段は、 磁気エネルギーを蓄える変換用インダクタ手段と、電気
    エネルギーを蓄える変換用コンデンサ手段と、直流電源
    の負極端子側に電流流出端子側を接続され、電流流入端
    子側を前記変換用インダクタ手段の一端に接続されたス
    イッチングトランジスタと、を含み、前記直流電源から
    前記変換用インダクタ手段の磁気エネルギーを補充する
    電力供給路を高周波スイッチングするスイッチング手段
    と、前記スイッチングトランジスタのスイッチング動作
    に相補的にオフ・オン動作して前記変換用インダクタ手
    段から前記変換用コンデンサ手段を含む回路側への電流
    路を形成する電流路形成手段と、を有し、 前記変換用コンデンサ手段の一端と前記直流電源の一端
    の間に出力した変換直流電圧を前記第1のパワー増幅手
    段と前記第2のパワー増幅手段に供給する構成とした請
    求項20または請求項21のいずれかに記載のモータ。
  23. 【請求項23】 前記電圧供給手段は、前記変換用コン
    デンサ手段の一端と前記直流電源の一端の間に出力する
    変換直流電圧を前記直流電源の出力直流電圧よりも大き
    くできる構成にした請求項22に記載のモータ。
  24. 【請求項24】 前記第1のパワー増幅手段は、前記第
    1の電界効果型パワートランジスタの電流入出力端子間
    に寄生素子として逆接続された第1のパワーダイオード
    を有し、 前記第2のパワー増幅手段は、前記第2の電界効果型パ
    ワートランジスタの電流入出力端子間に寄生素子として
    逆接続された第2のパワーダイオードとを有し、 さらに、 直流電源がオフになった時に、前記直流電源の正極端子
    側から前記第2のパワー増幅手段の電流流入端子側への
    電力路を遮断する電力路スイッチ手段と、前記直流電源
    がオフになった時に、前記コイルの逆起電力を整流した
    整流直流電圧を取り出す電圧取出手段とを有する請求項
    20から請求項23のいずれかに記載のモータ。
  25. 【請求項25】 さらに、前記電圧供給手段の正極出力
    端子側と前記複数相のコイルの共通接続端子側の電流路
    をオフ・オンする分路スイッチ手段と、前記第2のパワ
    ー増幅手段による前記コイルへの電流供給を実施・停止
    させる通電停止手段を具備し、 前記分路スイッチ手段をオフおよび前記通電停止手段の
    停止動作をさせない場合に、前記コイルに両方向の電流
    を供給し、前記分路スイッチ手段をオンおよび前記通電
    停止手段の停止動作をさせた場合に、前記コイルに片方
    向の電流を供給するようにした請求項20から請求項2
    4のいずれかに記載のモータ。
  26. 【請求項26】 前記第1の電界効果型パワートランジ
    スタを第1のNMOS型パワートランジスタにし、前記
    第2の電界効果型パワートランジスタを第2のNMOS
    型パワートランジスタにした請求項20から請求項25
    のいずれかに記載のモータ。
  27. 【請求項27】 前記第1の電界効果型パワートランジ
    スタを第1のNMOS型パワートランジスタにし、前記
    第2の電界効果型パワートランジスタを第2のPMOS
    型パワートランジスタにした請求項20から請求項25
    のいずれかに記載のモータ。
  28. 【請求項28】 前記第1の分配制御手段と前記第2の
    分配制御手段は、 第1の制御電流信号と第2の制御電流信号を作り出す制
    御作成手段と、 前記切換作成手段の出力信号に応動して前記第1の制御
    電流信号を分配し、滑らかに変化するQ相の第1の分配
    電流信号を出力する第1の分配手段と、 前記第1の分配電流信号に応動した第1の増幅電流信号
    を前記第1のパワー増幅手段の各通電制御端子側に供給
    するQ個の第1の電流増幅手段と、 前記切換作成手段の出力信号に応動して前記第2の制御
    電流信号を分配し、滑らかに変化するQ相の第2の分配
    電流信号を出力する第2の分配手段と、 前記第2の分配電流信号に応動した第2の増幅電流信号
    を前記第2のパワー増幅手段の各通電制御端子側に供給
    するQ個の第2の電流増幅手段と、 を有する請求項20から請求項27のいずれかに記載の
    モータ。
  29. 【請求項29】 前記制御作成手段は、前記コイルへの
    合成供給電流に応動した電流検出信号を得る電流検出手
    段と、前記電流検出手段の出力信号と指令信号を比較し
    て、該比較結果に応動した第1の制御電流信号と第2の
    制御電流信号を出力する比較増幅手段を含んで構成され
    た請求項28に記載のモータ。
  30. 【請求項30】 移動体と、複数相のコイルと、直流電
    圧を供給する電圧供給手段と、前記電圧供給手段の負極
    出力端子側と前記コイルの電流路を形成する第1のパワ
    ートランジスタをそれぞれ含むQ個(Qは2以上の整
    数)の第1のパワー増幅手段と、前記電圧供給手段の正
    極出力端子側と前記コイルの電流路を形成する第2のパ
    ワートランジスタをそれぞれ含むQ個の第2のパワー増
    幅手段と、複数相の切換信号を出力する切換作成手段
    と、前記切換作成手段の出力信号に応動して前記第1の
    パワー増幅手段の通電を分配制御する第1の分配制御手
    段と、前記切換作成手段の出力信号に応動して前記第2
    のパワー増幅手段の通電を分配制御する第2の分配制御
    手段とを具備するモータであって、 さらに、 前記電圧供給手段の正極出力端子側と前記複数相のコイ
    ルの共通接続端子側の電流路をオフ・オンする分路トラ
    ンジスタを含む分路スイッチ手段と、 前記電圧供給手段の正極出力端子側から前記第2のパワ
    ー増幅手段への電流路を開閉する通電トランジスタを含
    む通電停止手段と、 前記第2のパワートランジスタの電流流出端子側から電
    流流入端子側に向けて一方向に通電可能なダイオード手
    段と、 を有するモータ。
  31. 【請求項31】 前記通電トランジスタを逆接続された
    電界効果型通電トランジスタによって形成し、前記電界
    効果型通電トランジスタの電流流入端子側から電流流出
    端子側に向けて一方向に通電可能な寄生ダイオード素子
    が形成されるようにした請求項30に記載のモータ。
  32. 【請求項32】 前記第1の分配制御手段と前記第2の
    分配制御手段は、前記第1のパワートランジスタにより
    前記コイルへの合成供給電流を指令信号に応動して制御
    し、前記第2のパワートランジスタを低動作電圧の飽和
    動作とさせた請求項30または請求項31のいずれかに
    記載のモータ。
  33. 【請求項33】 前記第1の分配制御手段と前記第2の
    分配制御手段は、 前記第1の制御電流信号と前記第2の制御電流信号を作
    り出す制御作成手段と、切換作成手段の出力信号に応動
    して前記第1の制御電流信号を分配し、滑らかに変化す
    るQ相の第1の分配電流信号を出力する第1の分配手段
    と、前記第1の分配電流信号を所定の電流増幅してQ相
    の第1の増幅電流信号を得て、前記Q個の第1のパワー
    増幅手段の各通電制御端子側に各第1の増幅電流信号を
    供給するQ個の第1の電流増幅手段と、前記切換作成手
    段の出力信号に応動して前記第2の制御電流信号を分配
    し、滑らかに変化するQ相の第2の分配電流信号を出力
    する第2の分配手段と、前記第2の分配電流信号を所定
    の電流増幅してQ相の第2の増幅電流信号を得て、前記
    Q個の第2のパワー増幅手段の各通電制御端子側に各第
    2の増幅電流信号を供給するQ個の第2の電流増幅手段
    と、を有して構成された請求項30から請求項32のい
    ずれかに記載のモータ。
  34. 【請求項34】 前記電圧供給手段は、 磁気エネルギーを蓄える変換用インダクタ手段と、電気
    エネルギーを蓄える変換用コンデンサ手段と、直流電源
    の負極端子側に電流流出端子側を接続され、電流流入端
    子側を前記変換用インダクタ手段の一端に接続されたス
    イッチングトランジスタと、を含み、前記直流電源から
    前記変換用インダクタ手段の磁気エネルギーを補充する
    電力供給路を高周波スイッチングするスイッチング手段
    と、前記スイッチングトランジスタのオン・オフのスイ
    ッチング動作に相補的にオフ・オン動作して前記変換用
    インダクタ手段から前記変換用コンデンサ手段を含む回
    路側への電流路を形成する電流路形成手段と、を有し、 前記変換用コンデンサ手段の一端と前記直流電源の一端
    の間に出力した変換直流電圧を前記第1のパワー増幅手
    段と前記第2のパワー増幅手段に供給する構成とした請
    求項30から請求項33のいずれかに記載のモータ。
  35. 【請求項35】 前記第1のパワートランジスタの動作
    電圧に応動して前記スイッチングトランジスタのスイッ
    チング動作を制御する構成にした請求項34に記載のモ
    ータ。
  36. 【請求項36】 前記電圧供給手段は、前記変換用コン
    デンサ手段の一端と前記直流電源の一端の間に出力する
    変換直流電圧を前記直流電源の出力直流電圧よりも大き
    くできる構成にした請求項34または請求項35のいず
    れかに記載のモータ。
  37. 【請求項37】 前記第1のパワー増幅手段は、前記第
    1のパワートランジスタの電流入出力端子間に寄生素子
    として逆接続された第1のパワーダイオードを有し、 前記第2のパワー増幅手段は、第2のパワートランジス
    タの電流入出力端子間に寄生素子として逆接続された第
    2のパワーダイオードとを有し、 さらに、 直流電源がオフになった時に、前記直流電源の正極端子
    側から前記第2のパワー増幅手段の電流流入端子側への
    電力路を遮断する電力路スイッチ手段と、前記直流電源
    がオフになった時に、前記コイルの逆起電力を整流した
    整流直流電圧を取り出す電圧取出手段とを有する請求項
    30から請求項36のいずれかに記載のモータ。
  38. 【請求項38】 前記第1のパワートランジスタを第1
    の電界効果型パワートランジスタにし、前記第2のパワ
    ートランジスタを第2の電界効果型パワートランジスタ
    にし、前記分路トランジスタを電界効果型分路トランジ
    スタにし、前記通電トランジスタを電界効果型通電トラ
    ンジスタにした請求項30から請求項37のいずれかに
    記載のモータ。
  39. 【請求項39】 さらに、前記第1のパワートランジス
    タと前記第2のパワートランジスタと前記分路トランジ
    スタと前記通電トランジスタを所要の半導体素子と一緒
    に単一チップの集積回路内に形成する集積回路手段を有
    し、前記ダイオード手段は前記第2のパワートランジス
    タの電流流出端子側から電流流入端子側に向けて寄生素
    子として形成された寄生ダイオード素子により構成され
    た請求項30から請求項38のいずれかに記載のモー
    タ。
  40. 【請求項40】 移動体と、複数相のコイルと、直流電
    圧を供給する電圧供給手段と、前記電圧供給手段の負極
    出力端子側と前記コイルの電流路を形成する第1のNM
    OS型パワートランジスタをそれぞれ含むQ個(Qは2
    以上の整数)の第1のパワー増幅手段と、前記電圧供給
    手段の正極出力端子側と前記コイルの電流路を形成する
    第2のPMOS型パワートランジスタをそれぞれ含むQ
    個の第2のパワー増幅手段と、複数相の切換信号を出力
    する切換作成手段と、前記切換作成手段の出力信号に応
    動して前記第1のパワー増幅手段の通電を分配制御する
    第1の分配制御手段と、前記切換作成手段の出力信号に
    応動して前記第2のパワー増幅手段の通電を分配制御す
    る第2の分配制御手段を具備するモータであって、 さらに、前記電圧供給手段の直流電源がオフになった時
    に、前記直流電源の正極端子側から前記第2のパワー増
    幅手段の電流流入端子側への電力路を遮断するPMOS
    型電力路トランジスタを有する電力路スイッチ手段と、 前記直流電源がオフになった時に、前記コイルの逆起電
    力を整流した整流直流電圧を取り出す電圧取出手段と、 を含むモータ。
  41. 【請求項41】 前記第1の分配制御手段と前記第2の
    分配制御手段は、前記第1のNMOS型パワートランジ
    スタもしくは前記第2のPMOS型パワートランジスタ
    のいずれか一方のパワートランジスタにより前記コイル
    への合成供給電流を指令信号に応動して制御し、前記第
    1のNMOS型パワートランジスタもしくは前記第2の
    PMOS型パワートランジスタの他方のパワートランジ
    スタを低動作電圧の飽和動作させた請求項40に記載の
    モータ。
  42. 【請求項42】 前記電圧供給手段は、 磁気エネルギーを蓄える変換用インダクタ手段と、電気
    エネルギーを蓄える変換用コンデンサ手段と、直流電源
    の負極端子側に電流流出端子側を接続され、電流流入端
    子側を前記変換用インダクタ手段の一端に接続されたス
    イッチングトランジスタと、を含み、前記直流電源から
    前記変換用インダクタ手段の磁気エネルギーを補充する
    電力供給路を高周波スイッチングするスイッチング手段
    と、前記スイッチングトランジスタのオン・オフのスイ
    ッチング動作に相補的にオフ・オン動作して前記変換用
    インダクタ手段から前記変換用コンデンサ手段を含む回
    路側への電流路を形成する電流路形成手段と、を有し、 前記変換用コンデンサ手段の一端と前記直流電源の一端
    の間に出力した変換直流電圧を前記第1のパワー増幅手
    段と前記第2のパワー増幅手段に供給する構成とした請
    求項40または請求項41のいずれかに記載のモータ。
  43. 【請求項43】 前記第1のNMOS型パワートランジ
    スタもしくは前記第2のPMOS型パワートランジスタ
    のいずれか一方の動作電圧に応動して前記スイッチング
    トランジスタのスイッチング動作を制御する構成にした
    請求項42に記載のモータ。
  44. 【請求項44】 前記電圧供給手段は、前記変換用コン
    デンサ手段の一端と前記直流電源の一端の間に出力する
    変換直流電圧を前記直流電源の出力直流電圧よりも大き
    くできる構成にした請求項42に記載のモータ。
  45. 【請求項45】 さらに、前記電圧供給手段の正極出力
    端子側と前記複数相のコイルの共通接続端子側の電流路
    をオフ・オンする分路スイッチ手段と、前記第2のパワ
    ー増幅手段による前記コイルへの電流供給を実施・停止
    させる通電停止手段を具備し、前記分路スイッチ手段を
    オフおよび前記通電停止手段の停止動作をさせない場合
    に、前記コイルに両方向の電流を供給し、前記分路スイ
    ッチ手段をオンおよび前記通電停止手段の停止動作をさ
    せた場合に、前記コイルに片方向の電流を供給するよう
    にした請求項40から請求項44のいずれかに記載のモ
    ータ。
  46. 【請求項46】 前記第1のパワー増幅手段は、前記第
    1のNMOS型パワートランジスタを用いた第1の電界
    効果型パワー部カレントミラー回路を有し、前記第2の
    パワー増幅手段は、前記第2のPMOS型パワートラン
    ジスタを用いた第2の電界効果型パワー部カレントミラ
    ー回路を有する請求項40から請求項45のいずれかに
    記載のモータ。
  47. 【請求項47】 前記電力路スイッチ手段は、逆接続さ
    れた前記PMOS型電力路トランジスタを有し、前記P
    MOS型電力路トランジスタの電流流入端子側から電流
    流出端子側に向けて一方向に通電可能な寄生ダイオード
    素子が形成されるようにした請求項40から請求項46
    のいずれかに記載のモータ。
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