JP3310841B2 - タイヤ加硫プレス - Google Patents

タイヤ加硫プレス

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JP3310841B2
JP3310841B2 JP30001495A JP30001495A JP3310841B2 JP 3310841 B2 JP3310841 B2 JP 3310841B2 JP 30001495 A JP30001495 A JP 30001495A JP 30001495 A JP30001495 A JP 30001495A JP 3310841 B2 JP3310841 B2 JP 3310841B2
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  • Heating, Cooling, Or Curing Plastics Or The Like In General (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等に装着し
て使用される空気入タイヤを加硫するタイヤ加硫プレス
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】加硫中のタイヤは、その内方に注入され
る加熱加圧媒体により内方から加熱され且つタイヤ金型
に押圧されるとともに、外方からも加熱されるが、外方
からの加熱方式には、タイヤ金型を上下両面から熱板
(Platen)により加熱するプラテン形(比較的タ
イヤ幅の狭いタイヤの加硫に採用されているプラテン
形)と、タイヤ金型をドーム内に配置し、同ドーム内
に充填したスチームによりタイヤ金型を外方から加熱す
るドーム形との2種類がある。
【0003】いづれの形式のタイヤ加硫機も、上記加熱
加圧媒体等の圧力によりタイヤ金型に開こうとする力が
作用し、これに抗してタイヤ金型を閉じておくために、
メカニカルクランクプレス機構または液圧プレス機構が
採用されており、強固なフレーム構造を必要としてい
た。このフレーム構造の簡素化を図るために、特開昭5
6−161139号公報、特開昭57−140141号
公報、特開平3−132306号公報等に記載されたタ
イヤ加硫プレス、即ち、前記プラテン形を前提として、
金型加圧装置と金型開閉装置とを各別に設け、フレーム
剛性を必要最小限にして、フレーム構造をコンパクト化
したタイヤ加硫プレスが既に提案されている。
【0004】その一例(特開平3−132306号公報
等に記載のもの)を図8〜図12により説明すると、図
8、図9の101がグリーンタイヤ、102が同グリー
ンタイヤ101の加硫成形時にその内面に沿って接触す
る成形用ブラダである。103が割金型で、同割金型1
03は、内周面が上広がりのデーパー状に形成された金
型コンテナ104と、同金型コンテナ104内に配置さ
れ且つ周方向に複数個に分割された分割金型106と、
上部金型107と、下部金型108と、上部ビード金型
109と、下部ビード金型110とにより構成されてい
る。
【0005】上記各分割金型106は、金型コンテナ1
04の内面に上下方向に形成された蟻溝に上下方向への
相対移動を可能に嵌挿されるともに、下部金型108に
径方向に形成された蟻溝に摺動可能に嵌挿されている。
従って各分割金型106は、下部金型108を昇降動作
させて、金型コンテナ104に対して相対的に昇降すれ
ば、径方向に開閉可能である。
【0006】下部金型108は、中心部の下方に配置さ
れた割金型操作軸111の上端部に割金型下部板112
とクランプリング113とを介して着脱自在に固定され
ている。またクランプリング113は、操作軸111の
上端にボルト114により固定されており、外周に複数
個のクランプ部115を有し、このクランプ部115を
下部板112の切欠部116に嵌合させた後、下部金型
108を角度θだけ回動させることにより、クランプ部
115が下部金型108と下部板112との間にクラン
プされて、下部金型108が操作軸111に固定される
ようになっている。
【0007】金型コンテナ104は、下部リング117
を介して下部プラテン118上に設置され、下部プラテ
ン118に径方向に放射状に形成されたT溝119に係
合するTボルト120により下部プラテン118に固定
されている。なお割金型103の組付け時には、金型コ
ンテナ104と、分割金型106と、下部金型108等
とがユニット化されているため、下部プラテン118上
に下部リング117の回動を案内するガイド119aが
設けられるとともに、下部リング117に固定した取付
金具121aと下部プラテン118との間には、回動シ
リンダ121が設けられ、この回動シリンダ121によ
り金型コンテナ104と、分割金型106と、下部金型
108等とが回動されるようになっている。
【0008】上部ビード金型109は、上部金型107
にボルトにより着脱自在に固定され、上部金型107
は、上部プラテン122にボルトにより着脱自在に固定
されている。また上部プラテン122には、周方向に複
数本の金型高さ調整ねじ123が突設している。同各金
型調整ねじ軸123は、上部中央の昇降筒体124に固
定の上部支持板125に回転自在に支持されたナット1
26に螺合され、またナット126は、ギヤー127、
128を介して駆動源(図示せず)に連結されており、
その駆動源により金型高さ調整ねじ軸123の周りに正
逆転することにより、金型高さ調整ねじ軸123を介し
て上部プラテン122が割金型103に応じて調整され
るようになっている。
【0009】上記操作軸111は、円筒状で、下部プラ
テン118の中心部に下方に突出状に形成されたガイド
筒部129に上下方向への摺動を可能に嵌挿されるとと
もに、中心機構130に対して上下方向への相対移動を
可能に嵌挿されている。そしてこの操作軸111の下端
部の対称位置には、2個の割金型操作用操作シリンダ1
52が取付けられ、この操作シリンダ152のピストン
ロッド153が加硫機フレーム132にピンを介して連
結されている。
【0010】上記中心機構130は、操作軸111に上
下方向への摺動を可能に嵌挿されている。そして上端に
下部ビード金型110を設けたビード昇降筒体133
と、成形用プラダ102の上下両端部を夫々クランプす
る上・下クランプ体134、135と、ビード昇降筒体
138内に上下方向への摺動を可能に嵌挿され且つ下ク
ランプ体135を支持する支持体136と、ビード昇降
筒体138下端のフランジ137に取付け且つピストン
ロッド138が支持体136に連結した下昇降シリンダ
139と、支持体136に取付け且つピストンロッド1
40を上クランプ体134に連結した上昇降シリンダ1
41等とを具えている。
【0011】上記ビード昇降筒体133の下端には、支
持筒体142が固定され、この支持筒体142の下端部
の対称位置には、2個のビード昇降シリンダ144(ピ
ストンロッド143をピンにより操作軸111に連結し
たビード昇降シリンダ144)が取付けられている。1
45が上部クランプドームで、この上部クランプドーム
は、支持板125に取付けられている。146が下部ク
ランプドームで、この下部クランプドーム146は、下
部プラテン118下側の支持板147に取付けられてい
る。148がロックリング(上・下部クランプドーム1
45、146をクランプしてロックするロックリン
グ)、149が締付シリンダである。
【0012】次に前記図8〜図12のタイヤ加硫プレス
の作用を具体的に説明する。加硫成形時には、割金型1
03内にグリーンタイヤ101を装入して、型締めを行
なった後、図8に仮想線で示すように成形用プラダ10
2内に触媒を供給し、この成形用プラダ102をグリー
ンタイヤ101の内面に沿って接触させた状態で加硫成
形を行う。
【0013】また加硫成形を終了して、加硫済みタイヤ
101Aを取出す際には、先ず上部プラテン122側を
上昇させて、割金型103を上下に開ける。このときに
は、割金型103のうち、上部金型107と上部ビード
金型109とが一体となって上昇するので、図10に示
すように分割金型106の上側が開放状態になる。次い
で操作シリンダ152を押上げ方向に作動させ、図11
に示すように操作軸111を上昇させ、割金型103の
下部金型108を上方に押上げて、この下部金型108
及び金型コンテナ104に対して摺動可能に嵌合してい
る各分割金型106を上昇させながら径方向外方に開い
て、タイヤ101Aから外す。
【0014】このとき、中心機構130がビード昇降シ
リンダ144を介して操作軸111に連結されているの
で、ビード昇降筒体133等が操作軸111とともに一
体的に上昇する。なおタイヤ101Aのビード部101
aに対する取出装置150のチャック爪151の係合を
容易にするため、上昇降シリンダ141を下げ方向に作
動させ、上クランプ体134を若干下げ、成形用プラダ
102をビード部101aから剥離させておく。
【0015】次いで取出装置150を割金型3上方位置
に入れた後、ビード昇降シリンダ144を上昇方向に作
動させ、中心機構130、即ち、ビード昇降筒体133
等を上昇させ、その上端の下部ビード金型110により
タイヤ101Aを下部金型108上から剥離させて持上
げて行く。そしてタイヤ101Aをチャック爪151の
位置まで上昇させれば、図12に示すように昇降シリン
ダ139、141を作動させて、成形用プラダ102を
タイヤ101A内面から剥離させるとともに、チャック
爪151によりタイヤ101Aのビード部101aをチ
ャックした後、ビード昇降筒体133と下部ビード金型
110とを下降させ、取出装置150によりタイヤ10
1Aを加硫機から取出して行く。
【0016】タイヤ101Aを取出した後、操作シリン
ダ152を下降方向に作動させて、操作軸111を介し
て下部金型108を下降させ、各分割金型106を金型
コンテナ104に対して相対的に下降させて、各分割金
型106を径方向内方に閉じる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】前記図8〜図12に示
す従来のタイヤ加硫プレスでは、加硫中のタイヤ101
内に注入される加熱加圧媒体の圧力により割金型103
(金型コンテナ104、分割金型106、上部金型10
7、下部金型108、並びに上部ビード型109、下部
ビード金型110)が開こうとする力に抗して割金型1
03を閉じておくために締付シリンダ149のロッドに
より下部プラテン118を介して割金型103を下から
加圧するとともに、その反力により、下クランプドーム
(下クランプドーム146及び下部支持板147)、ロ
ックリング148、上クランプドーム(上部クランプド
ーム145及び上部支持板125)、金型高さ調整ねじ
軸123、上部プラテン122を介して同割金型103
を上から加圧して、同タイヤ金型103を締付けておく
ように構成されており、加硫機フレーム132には、上
記締付力が直接作用しないようになっている。
【0018】一方、タイヤ加硫プレスは、一般に、厚さ
の異なるタイヤ金型の交換装着が可能になっており、締
付シリンダのストロークを大きくすれば、理論的には対
応可能であるが、現実問題としては、万一、リーク等に
より締付シリンダの出力が低下して、割金型が開くよう
なことがあると、タイヤ内方の加熱加圧媒体がタイヤを
貫通して噴出して、大事故を発生する危険性があること
から、締付シリンダのストロークは必要最小限にとど
め、その代りに金型高さ調整ねじ軸23の調整により金
型厚変更に対応するようになっている。
【0019】以上のことを念頭におくと、タイヤ加硫プ
レスでは、構造をさらに簡素化する必要がある。また前
記従来例では、金型高さ調整ねじ軸123が上部支持板
125と上熱板122の温度差による熱膨張差により曲
げを受けるので、これを改善する必要がある。
【0020】また前記従来例では、プラテン形を前提と
しており、要部にねじがあり、気密保持策を実施する上
で支障を来すので、ドーム形には採用できないという問
題があった。本発明は前記の問題点に鑑み提案するもの
であり、その目的とする処は、従来上下2枚必要とし
ていた強度部材のボルスタープレートを1枚に減らすこ
とができ、ドーム形についても構造を簡素化でき、
セクショナルモールド操作用シリンダ等を高温になる心
配のない場所に装着できるタイヤ加硫プレスを提供しよ
うとする点にある。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、タイヤ金型締付力を上下クランプドーム
並びにクランプリングを介してバランスさせる形式のタ
イヤ加硫プレスにおいて、前記上下クランプドームのう
ち、一方のクランプドームにタイヤ金型の厚さに応じて
接近、離間させるねじ機構を介して加圧シリンダを組付
けてなり、前記ねじ機構を、前記締付シリンダまたは同
シリンダ取付板に回転可能に組付けた複数のナットと、
同各ナットに係合し且つ一端部を前記クランプドームに
回転不能に組付けたねじ棒とにより構成している。(請
求項1)
【0022】
【0023】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)次に本発明のタイヤ加硫プレスを図1
〜図5に示す第1実施形態により説明する。本タイヤ加
硫プレスでは、(1)加圧シリンダを上または下クラン
プドームに固定しなければならない必然性のないことに
着目し、タイヤ金型の厚さに応じてボルスタープレート
を上下させるねじ機構を、上または下クランプドームと
ボルスタープレートと間に組込む代りに、加圧シリンダ
と上または下クランプドームとの間に組込み、反対側の
クランプドームとボルスタープレートとを1体化してい
る。(2)上記ねじ機構を、加圧シリンダまたは同シリ
ンダ取付板に回転可能に組付けた複数のナットと、同各
ナットに係合し且つ一端部を前記クランプドームに回転
不能に組付けたねじ棒とにより構成している。(3)上
記各ナットをチェーンまたは歯車により駆動手段に連結
して、同期回転可能にしている。(4)加圧シリンダを
加圧締付用ラム形シリンダと複数の戻しシリンダとの組
合せとし、加圧用ラム形シリンダは必要に応じてドーナ
ツ形または同一ピッチ円上に複数のラムを配置した構成
にしている。
【0024】図1のX−X線から左側の部分は、厚いタ
イヤ金型Mを示し、図1のX−X線から右側の部分は、
薄いタイヤ金型Mを示し、いづれもタイヤ金型Mが閉じ
られた状態を示している。1がベースフレーム、2が据
付架台、4が断熱材3を介してベースフレーム1にボル
ト締めされた下クランプドームで、下クランプドーム4
の中心部には図示を省略したブラダ等を操作する下部中
心機構30が組込まれている。
【0025】5が案内ローラ(図示せず)等により回転
可能に下クランプドームに支持され、駆動手段(図示せ
ず)の作用により往復回転するクランプリング、6が上
クランプドーム、7が上クランプドーム6の内周部に挿
入固定されたガイドブッシュ、8がボルスタープレー
ト、9がガイドブッシュ7に滑動可能に挿入されて下端
がボルスタープレート8に固定されたガイド円筒、Mが
公知のタイヤ金型(上下2つ割りの通称2ピースモール
ドと呼ばれている形式のタイヤ金型またはトレッド型部
が周方向に複数に分割された通称セクショナルモールド
と呼ばれている形式のタイヤ金型)で、下方は下クラン
プドームの内方上面に、上方はボルスタープレートの下
面に、それぞれボルト締めされている。
【0026】5aが前記クランプリング5の下部内方に
形成されたフランジで、同フランジ5aは、下クランプ
ドーム4の円筒部4aの上端外方に形成されたフランジ
4bの下面側に延びており、クランプリング5の上部内
方に形成された爪5bと上クランプドーム6の円筒部6
aの下端外方に形成された爪6bとは、クランプリング
5の回転角度如何により、後述する加圧シリンダ11及
び昇降シリンダ29の作用により上クランプドーム6が
上昇されようとしたときに係合して、上下クランプドー
ム4、6をロックしたり、通過して上下クランプドーム
4、6とともにタイヤ金型Mの開きを可能にしたりす
る。
【0027】本実施例の加圧シリンダ11は、内方にラ
ム13が滑動可能に組込まれている。同加圧シリンダ1
1は、ラム13の抜け止め用フランジ14がボルト締め
されたラム形シリンダ12と、上記ガイド円筒9の上端
にボルト締めされたガイド板10とラム形シリンダ12
との間にタイボルト23を介して組込まれた戻しシリン
ダ22とにより構成され、ラム形シリンダ12は、ねじ
機構15を介して上クランプドーム6に組付けられてい
る。
【0028】本実施例のねじ機構15は、下端が上クラ
ンプドーム6の上面に一端が固定された複数のねじ棒1
6と、ねじ棒16のおねじに係合するめねじとを有し、
ラム形シリンダ12のボデーに挿入固定されたブッシュ
18の内方に回転可能に組込まれたナット17と、ナッ
ト17にキー止めされナット21により抜け止め固定さ
れたチェーンホイール19と、チェーンホイール19と
チェーン20とが掛け渡されたナット17回転用駆動手
段(図示せず)とにより構成されている。なおナット1
7と駆動手段との間をチェーン掛けする代りに歯車によ
り連結してもよい。
【0029】25がベースフレーム1にボルト締めされ
たガイド支柱、26がガイド支柱25にボルト締めされ
たレール、27がレール26に係合して直動するベヤリ
ング、28が直動ベヤリング28をボルト締めしたビー
ムで、ベースフレーム1に組付けられた昇降シリンダ2
9のピストンロッドの先端がビーム28に固定的に組付
けられており、昇降シリンダ29の作用によりビーム2
8がレール26を案内部材として昇降する。ビーム28
の両端には、上のクランプドーム6がボルト締めされて
いる。
【0030】なお前記プラテン形として使用する場合
は、ボルスタープレート8とタイヤ金型Mとの間、並び
にタイヤ金型Mと下クランプドーム4との間に熱板(P
laten)を挿入するか、ボルスタープレート8及び
下クランプドーム4に蒸気通路を設けて、熱板兼用形と
する(前記特開平3−132306号公報に記載のプラ
テン118、122は兼用形)。またドーム形として使
用する場合は、上下クランプドーム4、6の間、ブッシ
ュ7とガイド円筒9との間等に公知のパッキンを組込
み、上下クランプドーム4、6内を気密にする。
【0031】また一般にセクショナルモールド操作用シ
リンダ、センサ等は、上方に組込んだ方が便利なことか
ら、本実施例では、同操作シリンダ等を含む上部中心機
をガイド円筒9内に組込み可能にし、加圧シリンダ11
を上クランプドーム6の上方に配置しているが、上下両
中心機構の構成如何によっては、上下方向配置を逆にし
て、加圧シリンダ11を下クランプドーム4の下方にね
じ機構を介して組付けるようにしてもよい。
【0032】次に前記図1〜図5に示す第1実施形態の
作用を具体的に説明する。加硫が終了したら、タイヤ内
方の加熱加圧媒体を排出するとともにドーム形の場合に
は、上下両クランプドーム内の蒸気も排出し、これらの
圧力が充分に降下したら、ラム形シリンダ12の出力を
0とするとともに戻しシリンダ22を作用させて、ガイ
ド円筒9をラム形シリンダ12に引っかける。そうする
と、上クランプドーム6が自重により降下して、上下ク
ランプドーム4、6とクランプリング5との係合が解除
される。
【0033】次いで駆動手段(図示せず)を作用させ
て、クランプリング5bを回転し、爪5bと6bが通過
可能な状態にしてから、昇降シリンダ29を作用させ、
ビーム28を介して上クランプドーム6を上昇させて、
タイヤ金型Mを開く。タイヤ金型Mが開いたら、公知の
手順により、公知のアンローダUとの共働により加硫済
タイヤを取出し、公知のローダLとの共働により未加硫
タイヤの搬入、整形(Shaping)を行って、タイ
ヤ金型Mを閉じる。
【0034】タイヤ金型Mが閉じ終ったら、上記と逆の
手順で、クランプリング5を回わして、爪5bに6bを
係合可能な状態とし、戻しシリンダ22を解放し、ラム
形シリンダ12に出力させて、タイヤ金型Mを上下から
締付け、次いでタイヤ内方に加熱加圧媒体を注入し、ド
ーム形の場合には、上下両クランプドーム4、6内にも
蒸気を注入して、加硫工程に入る。
【0035】タイヤ金型Mの交換時は、上クランプドー
ム6に設けたマンホール(図示せず)からタイヤ金型M
をボルスタープレート8に取付けているボルトを外して
から上クランプドームを上昇させて、プレスを開き、公
知手順により新旧のタイヤ金型の交換を行う。次いでナ
ット17を回して、ボルスタープレート8を充分に引上
げてから、上クランプドーム6を下降させて、プレスを
閉じる。
【0036】次いでナット17を逆に回して、ボルスタ
ープレート8を下降させ、タイヤ金型に当接させてか
ら、上記ボルトを締めて、タイヤ金型Mをボルスタープ
レート8に固定して、タイヤ金型Mの交換を終了する。
なおこの間、ラム形シリンダ12は解放し、戻しシリン
ダ22を作用させて、ガイド円筒9をラム形シリンダ1
2に引つけておく。
【0037】従って次にタイヤを加硫するに当ってタイ
ヤ金型Mを締付けるに要するラム型シリンダ12のスト
ロークは、クランプリング5を回転させるに要する上下
クランプドーム4、6とクランプリング5とのクリヤラ
ンス、ナット17を回転させるに要するクリヤランス
(図3のC1)その他のクリヤランスと上記締付力によ
る上下クランプドーム4、6、ボルスタープレート8そ
の他の弾性変形代の合計となり、小ストロークでよいこ
とになる。
【0038】また上クランプドーム6の昇温により、ね
じ棒16の取付ピッチ円が大きくなっていくので、仮り
にラム形シリンダ12のボデーに係合するめねじを形成
していたとすると、同ボデーと上クランプドーム6との
温度差による熱膨張差からねじ棒16に曲げを生じる
が、前記ナット17とブッシュ18との間にクリヤラン
スC2を設け、このC2を適当に選定しておくことによ
り、タイヤ加硫開始前にタイヤ金型M等がプレス内で予
熱されることもあって、強度メンバーであるねじ棒16
に曲げを生じさせなくて済むようにしている。
【0039】(第2実施形態)次に本発明のタイヤ加硫
プレスを図6に示す第2実施形態により説明する。図6
のY−Y線から左側の部分は、厚いタイヤ金型を示し、
図6のY−Y線から右側の部分は薄いタイヤ金型(但し
タイヤ金型は下ビード部のみ)を示し、いづれもプレス
が開かれて、タイヤの搬入が行われている状態を示して
いる。
【0040】前記第1実施形態と異なるのは、加圧シリ
ンダ11のみで、第1実施形態と同じ部分には、同一符
号を付している。本実施形態の加圧シリンダ11は、内
方にラム32が滑動可能に組込まれている。同加圧シリ
ンダ11は、ドーナツ形ラムシリンダ(ラム32の抜
け止め用フランジ33がボルト締めされたボデー31の
中央部にラム32の小径部が突出し且つラム32の中央
部にはセクショナルモールド操作用ロッドが挿入可能な
貫通穴33aが形成されたドーナツ形ラムシリンダ)
と、戻し用ラムシリンダ34(上記ボデー31に上端
が固定されたタイロッド34の下端に固定された梁36
と前記ガイド板10との間に組込まれた戻し用ラムシリ
ンダ34)とにより構成されている。
【0041】そしてセクショナルモールド操作用シリン
ダ等が上記ボデー31の上方に組付可能になっており、
ドーナツ形ラムシリンダに圧力流体を送入すると、ラム
32が下方に押出されて、ガイド円筒9等を介してタイ
ヤ金型Mが締付けられ、戻しラムシリンダの方に圧力流
体を送入すると、ガイド板10がボデー31に引つけら
れて、クランプリング5が回転可能になる。
【0042】(第3実施形態)次に本発明のタイヤ加硫
プレスを図7に示す第3実施形態により説明する。本実
施形態の加圧シリンダ11は、複数組の締付用ラムシ
リンダ(ねじ機構15が組付けられたシリンダ取付板3
7にボデー38がボルト締めされた各ラム39とボデー
38とから成る複数組の締付用ラムシリンダ)と、第
2実施形態と同じ戻し用ラムシリンダ34とにより構成
されている。
【0043】そしてシリンダ取付板の中央の穴37a並
びにボデー38間の中央部空間40にセクショナルモー
ルド操作用ロッドが配置され、シリンダ取付板37の上
面にセクショナルモールド操作シリンダ等が組付可能に
なっている。なお本実施例では、シリンダ取付板37に
複数の締付用ラムシリンダのボデー38をボルト締めす
るようにしているが、同ボデー38と取付板37とを1
体化してもよい。
【0044】
【発明の効果】本発明のタイヤ加硫プレスは前記のよう
に構成されており、短ストロークの加圧シリンダにより
タイヤ金型の締付けを行うので、装着金型厚の変更に対
応するねじ機構を装備していながら、従来上下2枚必要
としていた強度部材のボルスタープレートを1枚に減ら
すことができる。
【0045】またねじ機構を上下クランプドーム外に移
すので、ドーム形についても構造を簡素化できる上に、
セクショナルモールド操作用シリンダ等を高温になる心
配のない場所に装着できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のタイヤ加硫プレスの第1実施形態を示
す一部切裁正面図である。
【図2】図1のa−a線に沿う横断平面図である。
【図3】図1のb−b線に沿う縦断側面図である。
【図4】図1の矢視c−c線に沿う横断平面図である。
【図5】図4の別の態様を示す横断平面図である。
【図6】本発明のタイヤ加硫プレスの第2実施形態を示
す一部切裁正面図である。
【図7】本発明のタイヤ加硫プレスの第3実施形態の加
圧シリンダを示す縦断側面図である。
【図8】従来のタイヤ加硫プレスの縦断側面図である。
【図9】同タイヤ加硫プレスの一部切裁平面図である。
【図10】同タイヤ加硫プレスの作用説明図である。
【図11】同タイヤ加硫プレスの作用説明図である。
【図12】同タイヤ加硫プレスの作用説明図である。
【符号の説明】
M タイヤ金型 4 下クランプドーム 5 クランプリング 6 上クランプドーム 9 ガイド円筒 11 加圧シリンダ 15 ねじ機構 16 ねじ棒 17 ナット
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 33/04 B29C 35/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タイヤ金型締付力を上下クランプドーム
    並びにクランプリングを介してバランスさせる形式のタ
    イヤ加硫プレスにおいて、前記上下クランプドームのう
    ち、一方のクランプドームにタイヤ金型の厚さに応じて
    接近、離間させるねじ機構を介して加圧シリンダを組付
    けてなり、 前記ねじ機構を、前記締付シリンダまたは同シリンダ取
    付板に回転可能に組付けた複数のナットと、同各ナット
    に係合し且つ一端部を前記クランプドームに回転不能に
    組付けたねじ棒とにより構成した ことを特徴とするタイ
    ヤ加硫プレス。
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