JP3310331B2 - 新規なエネルギー線硬化性樹脂組成物 - Google Patents

新規なエネルギー線硬化性樹脂組成物

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JP3310331B2
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昌之 木下
英宣 石川
茂 榊原
照夫 斉藤
守夫 鈴木
賢二 沢崎
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大日本インキ化学工業株式会社
太陽インキ製造株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規にして有用なエネ
ルギー線硬化性樹脂組成物に関し、更に詳しくは、各種
コーティング材、印刷インキ用、印刷板製造用として優
れた特性を有する感光性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】硬化可能、特にラジカル重合反応により
硬化する樹脂は、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエス
テル樹脂、各種オリゴアクリレート、ジアリルフタレー
トプレポリマー等各種の物があり、それぞれの用途分野
で特徴を生かされ、広く用いられている。しかし、この
ような樹脂を用いたエネルギー線硬化性樹脂組成物は、
塗布する場合などにおいて水希釈できないため多量の有
機溶剤で希釈しなければならず、また塗布に用いた治具
の洗浄に有機溶剤を使用することから、環境汚染や作業
条件の悪化、火災危険性等の問題があり、その改善が望
まれている。このように、環境汚染、作業条件の改良な
どの面から、各用途分野における水性化要求は益々強く
なっているが、各種用途での樹脂組成物の性能を劣化さ
せる事なく水性化されたエネルギー線により硬化可能な
樹脂組成物は未だ得られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述の情勢
に鑑み、以上のような問題点を解決すべくなされたもの
であり、各種用途に用いることのできるエネルギー線で
硬化可能で、水または有機溶剤で任意に希釈可能で、基
材に対する付着性、耐薬品性に優れた塗膜を形成する事
ができ、かつ、未硬化塗膜は水または希酸水溶液で再溶
解可能であるので、インキ、コーティング、等の広範な
用途に適した極めて有用な樹脂組成物を提供しようとす
るものである。すなわち、本発明の目的は、第一に、水
または有機溶剤に任意に希釈可能で、未硬化塗膜は水ま
たは希酸水溶液で再溶解可能なエネルギー線硬化性樹脂
組成物を提供することを目的とし、第二に、感度がよ
く、エネルギー線により容易に反応が起こり硬化する、
水または有機溶剤に任意に希釈可能で、未硬化塗膜は水
または希酸水溶液で再溶解可能なエネルギー線硬化性樹
脂組成物を提供することを目的とし、第三に、光だけで
なく触媒によっては熱によっても硬化することができ
る、水または有機溶剤に任意に希釈可能で、未硬化塗膜
は水または希酸水溶液で再溶解可能なエネルギー線硬化
性樹脂組成物を提供することを目的とし、第四に、光ま
たは熱で硬化した硬化物が、耐アルカリ、密着性、耐薬
品性、表面硬度、耐湿性、耐水性に優れる、水または有
機溶剤に任意に希釈可能で、未硬化塗膜は水または希酸
水溶液で再溶解可能なエネルギー線硬化性樹脂組成物を
提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、前記目
的を達成するために、必須の成分として、不飽和二重結
合を有する化合物の一部に脂肪族第二アミンを付加さ
せ、更に酸で中和する事によりカチオン性の水溶性をも
たせた化合物、あるいは更に光重合開始剤を含んでなる
ことを特徴とするエネルギー線硬化性樹脂組成物が提供
される。
【0005】前記不飽和二重結合を有する化合物の一部
に脂肪族第二アミンを付加させ、更に酸で中和する事に
よりカチオン性の水溶性をもたせた化合物としては、不
飽和二重結合と酸によって中和することができる塩基を
有する化合物、例えば通常既知のポリオール(a−1)
の一部の水酸基に、水酸基と(メタ)アクリロイル基を
有する化合物(a−2)を多価イソシアネート(a−
3)で反応させた物や、上記ポリオール(a−1)に未
反応のイソシアネ−ト基と不飽和二重結合を有する化合
物(代表的なものとしては2−イソシアネ−トエチルメ
タクリレ−ト等がある)を反応させたものを用い、これ
ら不飽和二重結合を有する化合物の一部の不飽和二重結
合に、脂肪族第二アミン(a−4)を付加させて得られ
た、少なくとも一つ以上の不飽和二重結合と酸によって
中和することができる塩基を有する塩基含有ポリウレタ
ンアクリレートを、酸で中和した水溶性のエネルギー線
硬化性化合物等が挙げられる。
【0006】前記ポリオール(a−1)としては、フタ
ル酸、イソフタル酸、アジピン酸、コハク酸、アゼライ
ン酸、セバシン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒド
ロフタル酸、ヘット酸、ハイミック酸、マレイン酸、フ
マル酸、イタコン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸
等の多塩基酸とエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、1、3−ブチレングリコール、1、6−ヘキサン
ジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコ
ール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコー
ル、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロー
ルプロパン、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、ペ
ンタエリトリット、ジペンタエリトリット等の通常既知
の多価アルコールとをエステル化反応させて得られるポ
リエステル化合物などや、活性水酸基を有する多価アル
コール化合物、水酸基含有ポリブタジエン等がある。こ
れらは単独使用でも二種類以上の併用でも良いことは勿
論である。
【0007】前記水酸基と(メタ)アクリロイル基を有
する化合物(a−2)としては、特に代表的なもののみ
を例示するに留めれば、2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レ−ト、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレ−ト、
3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレ−ト、4−ヒド
ロキシブチル(メタ)アクリレ−ト、ポリエチレングリ
コ−ルモノ(メタ)アクリレ−ト、ポリプロピレングリ
コ−ルモノ(メタ)アクリレ−ト、ペンタエリスリト−
ルジ(メタ)アクリレ−ト、ペンタエリスリト−ルトリ
(メタ)アクリレ−ト、グリセリンモノ(メタ)アクリ
レ−ト、グリセリンジ(メタ)アクリレ−ト、グリシジ
ル(メタ)アクリレ−ト−(メタ)アクリル酸付加物、
トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレ−ト−ジ
(メタ)アクリレ−トまたはN−メチロ−ル(メタ)ア
クリルアミド等がある。これらは単独使用でも二種類以
上の併用でも良いことは勿論である。
【0008】前記多価イソシアネート(a−3)として
は、特に代表的なもののみを例示するに留めれば、2、
4−トリレンジイソシアネ−ト、2、6−トリレンジイ
ソシアネ−ト、1、3−キシリレンジイソシアネ−ト、
1、4−キシリレンジイソシアネ−ト、ジフェニルメタ
ン−4、4’−ジイソシアネ−ト、3−メチル−ジフェ
ニルメタンジイソシアネ−トもしくは1、5−ナフタレ
ンジイソシアネ−トのごとき芳香族をもったジイソシア
ネ−ト化合物;ジシクロヘキシルメタンジイソシアネ−
トもしくはイソホロンジイソシアネ−トのごとき脂環式
ジイソシアネ−ト化合物;またはヘキサメチレンジイソ
シアネ−トもしくはリジンジイソシアネ−トのごとき脂
肪族ジイソシアネ−ト化合物をはじめ、上掲された芳香
環をもったジイソシアネ−ト化合物を水素添加して得ら
れるジイソシアネ−ト化合物、例えば水添キシリレンジ
イソシアネ−トもしくは水添ジフェニルメタン−4、
4’−ジイソシアネ−ト;これらの各種ジイソシアネ−
ト化合物とトリメチロ−ルプロパンなどで代表される2
ないし6価の低分子アルコ−ルとを、水酸基の1当量に
対してイソシアネ−ト基の2当量となる割合で付加反応
せしめて得られるポリイソシアネ−ト化合物;または各
種ジイソシアネ−ト化合物と水とを反応させて得られる
ビュレット型ポリイソシアネ−ト化合物;あるいは2−
イソシアネ−トエチル−2、6−ジイソシアネ−トヘキ
サノエ−トのごとき3官能イソシアネ−ト化合物;さら
には各種ジイソシアネ−ト化合物をイソシアヌレ−ト化
せしめて得られる多量体等がある。これらは単独使用で
も二種類以上の併用でも良いことは勿論である。
【0009】前記脂肪族第二アミン(a−4)として
は、代表的な物を挙げると、ジメチルアミン、ジエチル
アミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ
ブチルアミン、ジアミルアミン、ジエタノールアミン
ある。これらは単独使用でも二種類以上の併用でも良
いことは勿論である。
【0010】前記中和に用いる酸としては、乳酸や蟻酸
などが好適に用いられ、そのほかに代表的なものを例示
すると、酢酸、トリメチル酢酸、アクリル酸、メタクリ
ル酸、ヒドロキシ酢酸、クロトン酸、クロル酢酸、マレ
イン酸モノメチルエステル、フマル酸モノメチルエステ
ル、イタコン酸モノメチルエステル等が挙げられる。こ
れらは単独使用でも2種以上の併用でも良い事はもちろ
んである。
【0011】次に、前述した光重合開始剤として代表的
なものには、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、
ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエ
ーテル、のごときベンゾインとベンゾインアルキルエー
テル類、アセトフェノン、2、2−ジメトキシ−2−フ
ェニルアセトフェノン、2、2−ジエトキシ−2−フェ
ニルアセトフェノン、1、1−ジクロロアセトフェノン
のごときアセトフェノン類、2−メチルアントラキノ
ン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリブチル
アントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−アミ
ルアントラキノンのごときアントラキノン類、2、4−
ジメチルチオキサントン、2、4−ジエチルチオキサン
トン、2−クロロチオキサントン、2、4−ジイソプロ
ピルチオキサントンのごときチオキサントン類、アセト
フェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール
のごときケタール類、ベンゾフェノンのごときベンゾフ
ェノン類またはキサントン類等があるが、かかる光重合
開始剤は安息香酸系または第三級アミンなど公知慣用の
光重合促進剤の一種あるいは二種以上と組み合わせて用
いることができる。
【0012】さらに必要により有機溶剤を用いることが
でき、代表的なものにはメチルエチルケトン、シクロヘ
キサン等のケトン類、トルエン、キシレンのごとき芳香
族炭化水素、セロソルブ、ブチルセロソルブのごときセ
ロソルブ類、カルビトール、ブチルカルビトールのごと
きカルビトール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソル
ブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビト
ールアセテート、ブチルカルビトールアセテートのごと
き酢酸エステル類等があり、これらは一種または二種以
上の混合物として用いられる。
【0013】また、本発明のエネルギー線硬化性樹脂組
成物の性能を逸脱させない範囲で、更に必要に応じてβ
−ヒドロキシエチルアクリレート、β−ヒドロキシプロ
ピルアクリレート、グリシジルアクリレート、β−ヒド
ロキシエチルアクリロイルフォスフェート、ジメチルア
ミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリ
レート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレ
ングリコールジアクリレート、トリエチレングリコール
ジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレー
ト、プロピレングリコールジアクリレート、ジプロピレ
ングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコー
ルジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリ
レート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリ
メチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリ
トールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ
アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレ
ート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジ
ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、もしくは、
トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレ
ート、または、上記アクリレートに対する各メタクリレ
ート類、多塩基酸とヒドロキシアルキル(メタ)アクリ
レートとのモノ−、ジ−、トリ−またはそれ以上のポリ
エステル、ビスフェノールA型エポキシアクリレート、
ノボラック型エポキシアクリレートまたはウレタンアク
リレートのごとき、エチレン性不飽和二重結合を有する
モノマー類、オリゴマー類もしくはプレポリマー類を添
加することができる。さらには充填剤、フタロシアニン
ブルー、フタロシアニングリーン、酸化チタン、カーボ
ンブラックのごとき公知慣用の着色用顔料、消泡剤、密
着性付与剤またはレベリング剤などの各種添加剤、ある
いはハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテ
ル、ピロガロール、ターシャリブチルカテコール、フェ
ノチアジンのごとき公知慣用の重合禁止剤を加えてもよ
い。
【0014】
【発明の作用】本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物
は、必須成分として、少なくとも一つ以上の不飽和二重
結合を有する化合物の不飽和二重結合の一部に、活性水
素を有するアミノ基を有する化合物を付加させ、更に酸
で中和する事によりカチオン性のアンモニウム塩を生成
し、水溶性とされたエネルギー線硬化性化合物を含有し
ているため、硬化前には水または有機溶剤で任意に希釈
可能であり、また高感度の物であり、エネルギー線照射
による硬化後には耐水性、耐溶剤性ならびに耐刷性など
に優れた硬化塗膜を形成することができ、未硬化塗膜は
水または希酸水溶液に再溶解可能である。また、本発明
のエネルギー線硬化性樹脂組成物は、過酸化物などの熱
硬化触媒を添加することにより熱硬化させることもでき
る。本発明でいう前記エネルギー線とは、電子線、α
線、β線、γ線、X線、中性子線、または紫外線のごと
き電離性放射線や光などを総称するものである。上記の
ようにして得られた本発明の感光性樹脂組性物は、用途
に応じてアルミニウム、ステンレス等の金属板、スクリ
ーンメッシュ、紙、木材、合成樹脂、半導体基板、その
他任意の基材上に、例えば100〜300μmの乾燥厚
さと成るように塗布し、乾燥して使用される。この感光
材料には、紫外線から成るエネルギー線を、例えば30
0〜400nmの範囲の波長で照射エネルギー量が10
〜10000mJ/cm2 となるように照射し、照射部
を硬化させた後、非照射部を水、希酸水溶液等で除去す
れば、画像膜が形成され、各種印刷板、等として利用さ
れる。
【0015】
【実施例】次に、実施例および応用例を示して本発明に
ついてより具体的に説明する。なお、以下において
「部」とあるのは、特に断りのない限り、全て重量基準
である。 実施例1 温度計、撹拌機および還流冷却管を備えたフラスコに、
トリエチレングリコール450g、ジメチロールプロピ
オン酸133gを加え常法によりエステル化し、トリエ
チレングリコールとジメチロールプロピオン酸の反応物
とトリエチレングリコールの混合物を得た。さらにこれ
にアジピン酸を145g加えてエステル化し、反応物
(a−1−1)を得た。別に、トリレンジイソシアネー
トの1モルと2−ヒドロキシエチルアクリレートの1モ
ルとを、常法により、ウレタン化反応させて、ウレタン
アクリレートたる末端に未反応のイソシアネ−ト基を有
する不飽和ウレタン化合物(a−1−2)を得た。次い
で、新たに温度計、撹拌機および還流冷却管を備えたフ
ラスコに、上記(a−1−1)を646g、(a−1−
2)を580g加え、ジ−n−ブチル錫ジアセテートの
0.5gをも加えて、80℃でウレタン化反応を行なっ
た。赤外線吸収スペクトル分析(以下、IR分析と略称
する。)によって、イソシアネ−ト基の残存していない
ことを確認した。これに105gのジエタノールアミン
を加え80℃で6時間反応させた後、90gの乳酸を加
えて中和し、水溶性のエネルギー線硬化性樹脂を得た。
以下、これを樹脂A−1と略記する。
【0016】実施例2 温度計、撹拌機および還流冷却管を備えたフラスコに、
合成溶媒としてメチルエチルケトン500gを入れ、そ
こに分子量500、水酸基を2つ有するポリエステルポ
リオール(クラレ社製クラポールP−510)を100
0g加え、さらにトリレンジイソシアネート174gを
発熱に注意しながら適下し、常法のウレタン化反応によ
り反応物(a−2−1)を得た。別に、トリレンジイソ
シアネートの1モルとペンタエリスリトールトリアクリ
レートの1モルとを、常法により、ウレタン化反応させ
て、ウレタンアクリレートたる末端に未反応のイソシア
ネ−ト基を有する不飽和ウレタン化合物(a−2−2)
を得た。次いで、新たに温度計、撹拌機および還流冷却
管を備えたフラスコに、上記(a−2−1)を1674
g、(a−2ー2)を948g加え、ジ−n−ブチル錫
ジアセテートの0.5gをも加えて、80℃でウレタン
化反応を行なった。IR分析によって、イソシアネ−ト
基の残存していないことを確認した。これに210gの
ジエタノールアミンを加え80℃で6時間反応させた
後、180gの乳酸を加えて中和し、水溶性のエネルギ
ー線硬化性樹脂を得た。以下、これを樹脂A−2と略記
する。
【0017】比較例1 温度計、撹拌機および還流冷却管を備えたフラスコに、
合成溶媒としてメチルエチルケトン500gを入れ、そ
こに分子量500、水酸基を2つ有するポリエステルポ
リオール(クラレ社製クラポールP−510)を100
0g加え、さらにトリレンジイソシアネート174gを
発熱に注意しながら適下し、常法のウレタン化反応によ
り反応物(c−1−1)を得た。別に、トリレンジイソ
シアネートの1モルとペンタエリスリトールトリアクリ
レートの1モルとを、常法により、ウレタン化反応させ
て、ウレタンアクリレートたる末端に未反応のイソシア
ネ−ト基を有する不飽和ウレタン化合物(c−1−2)
を得た。次いで、新たに温度計、撹拌機および還流冷却
管を備えたフラスコに、上記(c−1−1)を1674
g、(c−1ー2)を948g加え、ジ−n−ブチル錫
ジアセテートの0.5gをも加えて、80℃でウレタン
化反応を行なった。IR分析によって、イソシアネ−ト
基の残存していないことを確認した。以下、これを樹脂
C−1と略記する。
【0018】
【応用例】
応用例1 実施例1で得られた樹脂A−1に対して、下記のごとき
各成分を配合せしめ、充分に混合し、撹拌して塗料を得
た。 樹脂A−1 100部 1ーヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 3部 イオン交換水 20部 しかる後、得られた上記塗料を、水研ぎしたブリキ板に
20μmの厚さで塗布した。これを80℃の温風中で1
0分間乾燥させた後、80Wの高圧水銀灯で、高さ15
cmから30秒間照射し硬化させた。得られた塗膜の性
能評価試験の結果を表1に示す。
【0019】応用例2 応用例1において、樹脂A−1に代えて実施例2で得ら
れた樹脂A−2の同量を用いるように変更した以外は、
応用例1と同様にして塗膜を得て、同様の性能評価を行
なったところ、表1に示されるような結果が得られた。
【0020】比較応用例1 応用例1において、樹脂A−1に代えて比較例1で得ら
れた樹脂C−1の同量を用いるように変更した以外は、
応用例1と同様にして塗膜を得て、同様の性能評価を行
なったところ、表1に示されるような結果が得られた。
【表1】
【0021】なお、表1における各性能の評価は、次の
ような要領で行なったものである。 水希釈性:調製した塗料10gに水10gを混入してそ
の外観を目視判定した。 ◎:完全に溶解 ×:溶解せず、水と樹脂が分離
【0022】水再溶解性:塗料を塗布したブリキ板を8
0℃の温風中で10分間乾燥させた後、イオン交換水に
5分浸して塗膜の溶解状態を目視で判定した。 ◎:ブリキ面に塗膜が残っていない。 ○:ブリキ面に塗膜が殆ど残っていない。 △:ブリキ面に塗膜が若干残る。 ×:ブリキ面に塗膜が残る。
【0023】硬化性:ブリキ板に塗布した塗膜を80℃
の温風中で10分間乾燥させた後、80W/cmの強度
の高圧水銀ランプの下15cmの位置を50m/分の速
度で通過させ、内部が硬化するまでの通過回数を測定し
た。
【0024】耐水性:ブリキ板に塗布した塗膜を80℃
の温風中で10分間乾燥させた後、2000mJ/cm
2 の紫外線を照射せしめ、膜厚30μmの硬化塗膜を作
り、イオン交換水を浸したガーゼで硬化塗膜を20回擦
った後の膜厚の減少量を測定した。 ◎:膜厚減少量0〜5μm未満 ○:膜厚減少量5〜10μm未満 △:膜厚減少量10〜15μm未満 ×:膜厚減少量15μm以上
【0025】耐溶剤性:ブリキ板に塗布した塗膜を80
℃の温風中で10分間乾燥させた後、2000mJ/c
2 の紫外線を照射せしめ、膜厚30μmの硬化塗膜を
作り、アセトンを浸したガーゼで硬化塗膜を20回擦っ
た後の膜厚の減少量を測定した。 ◎:膜厚減少量0〜5μm未満 ○:膜厚減少量5〜10μm未満 △:膜厚減少量10〜15μm未満 ×:膜厚減少量15μm以上
【0026】耐アルカリ性:ブリキ板に塗布した塗膜を
80℃の温風中で10分間乾燥させた後、2000mJ
/cm2 の紫外線を照射せしめ、膜厚30μmの硬化塗
膜を作り、10%水酸化ナトリウム水溶液を浸したガー
ゼで硬化塗膜を20回擦った後の膜厚の減少量を測定し
た。 ◎:膜厚減少量0〜5μm未満 ○:膜厚減少量5〜10μm未満 △:膜厚減少量10〜15μm未満 ×:膜厚減少量15μm以上
【0027】
【発明の効果】表1の結果からも明らかなように、本発
明のエネルギー線硬化性樹脂及び樹脂組成物は、水また
は有機溶剤で任意に希釈可能であり、環境汚染や作業条
件を改善できると共に、常温または加熱下で自由にエネ
ルギー線硬化させることができ、基材に対する付着性、
耐薬品性に優れた塗膜を形成することができ、かつ、未
硬化塗膜は水または希酸水溶液で再溶解可能であるの
で、インキ、コーティング、印刷版材等の広範な用途に
適した、極めて有用なる樹脂組成物である。また、本発
明のエネルギー線硬化性樹脂組成物は、エネルギー線だ
けでなく触媒の添加によっては熱によっても硬化するこ
とができ、耐アルカリ、密着性、耐薬品性、表面硬度、
耐湿性、耐水性に優れる硬化塗膜が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G03F 7/027 513 G03F 7/027 513 H05K 3/00 H05K 3/00 F (72)発明者 斉藤 照夫 埼玉県比企郡嵐山町大蔵字大谷388番地 太陽インキ製造株式会社 嵐山事業所 内 (72)発明者 鈴木 守夫 埼玉県比企郡嵐山町大蔵字大谷388番地 太陽インキ製造株式会社 嵐山事業所 内 (72)発明者 沢崎 賢二 埼玉県比企郡嵐山町大蔵字大谷388番地 太陽インキ製造株式会社 嵐山事業所 内 (56)参考文献 特開 昭49−40395(JP,A) 特開 昭59−111638(JP,A) 特開 昭59−113430(JP,A) 特開 平5−339330(JP,A) 特開 平3−200828(JP,A) 特開 平3−174479(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 299/00 - 299/08 C08F 290/00 - 290/14 C08G 18/67 C09D 11/10 C09D 175/16 G03F 7/027 511 G03F 7/027 513

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 必須の成分として不飽和二重結合を有
    する化合物の一部に脂肪族第二アミンを付加させ更に酸
    で中和する事によりカチオン性の水溶性をもたせた化合
    物を含んでなることを特徴とするエネルギー線硬化性樹
    脂組成物。
  2. 【請求項2】 必須の成分として不飽和二重結合を有
    する化合物の一部に脂肪族第二アミンを付加させ更に酸
    で中和する事によりカチオン性の水溶性をもたせた化合
    物、及び光重合開始剤を含んでなることを特徴とするエ
    ネルギー線硬化性樹脂組成物。
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