JP7005947B2 - ウレタン(メタ)アクリレート樹脂 - Google Patents
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Description
<ウレタン(メタ)アクリレート樹脂>
本形態に係るウレタン(メタ)アクリレート樹脂は、ポリイソシアネート化合物(A)、ポリエステルジオール化合物(B)、及びモノヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物(C)を必須の反応原料とし、前記ポリイソシアネート化合物(A)の70質量%以上が芳香族基含有ポリイソシアネート化合物(A1)であることを特徴とする。なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは、メタクリレート、アクリレート、またはこれらの両方を意味する。また、「(メタ)アクリル」とは、メタクリル、アクリル、またはこれらの両方を意味する。さらに、「(メタ)アクリロイル」とは、メタクリロイル、アクリロイル、またはこれらの両方を意味する。
本発明は、ポリイソシアネート化合物(A)の70質量%が芳香族基含有ポリイソシアネート化合物(A1)であることを特徴の一つとする。更に、硬化塗膜における耐薬品性により優れるウレタン(メタ)アクリレート樹脂となることから、ポリイソシアネート化合物(A)の90質量%が芳香族基含有ポリイソシアネート化合物(A1)であることがより好ましい。
このような芳香族基としては、特に制限されないが、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、チオフェン、フェニルチオフェン、ジフェニルチオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピロール、フラン、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ローダニン、ピラゾロン、イミダゾロン、ピラン、ピリジン、フルオレン等の芳香族環から導かれるものが挙げられる。また、これらの芳香族環を複数組み合わせたものであってもよく、例えば、ビフェニル、ターフェニル、フルオレニル、ビチオフェン、チエニルフェニル、ジフェニルスチリル、スチルベン、トリフェニルエチレン、フェニルピリジン、スチリルチオフェン等の芳香族環から導かれるものが挙げられる。これらのうち、芳香族基は、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フルオレンから導かれるものであることが好ましく、高硬度および高い柔軟性を両立できる観点からベンゼンから導かれるものであることがより好ましい。なお、上記芳香族基は、化合物中に単独で含まれていても、2種以上が含まれていてもよい。
本発明の一実施形態において、ウレタン(メタ)アクリレートは、本発明の効果を阻害しない範囲において、芳香族基を含まない芳香族基未含有ポリイソシアネート化合物(A2)を併用することができる。芳香族基未含有ポリイソシアネート化合物(A2)としては、特に制限されないが、脂肪族ポリイソシアネート化合物、脂環式ポリイソシアネート化合物等が挙げられる。
ポリエステルジオール化合物(B)としては、特に制限されないが、ジカルボン酸と、ジオールとの反応生成物が挙げられる。
測定装置 ; 東ソー株式会社製 HLC-8220
カラム ; 東ソー株式会社製ガードカラムHXL-H
+東ソー株式会社製 TSKgel G5000HXL
+東ソー株式会社製 TSKgel G4000HXL
+東ソー株式会社製 TSKgel G3000HXL
+東ソー株式会社製 TSKgel G2000HXL
検出器 ; RI(示差屈折計)
データ処理:東ソー株式会社製 SC-8010
測定条件: カラム温度 40℃
溶媒 テトラヒドロフラン
流速 1.0ml/分
標準 ;ポリスチレン
試料 ;樹脂固形分換算で0.4質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(100μl)
本発明では、前記ポリエステルジオール化合物(B)と併せて、その他のポリオール化合物(B’)を併用してもよい。その他のポリオール化合物(B’)を用いる場合には、硬化物における硬度や伸度、耐薬品性等のバランスに優れるウレタン(メタ)アクリレート樹脂となることから、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂の全ポリオール原料に対し前記ポリエステルジオール化合物(B)を70質量%以上用いることが好ましく、90質量%以上用いることが好ましい。前記その他のポリオール化合物(B’)は、例えば、脂肪族ポリオール化合物、芳香族基含有ポリオール化合物、ポリエーテルポリオール化合物、3官能以上のポリエステルポリオール化合物、ポリカーボネートポリオール化合物等が挙げられる。
モノヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物(C)の具体例としては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のモノヒドロキシモノ(メタ)アクリレート化合物(C1);前記化合物(C1)のラクトン(カプロラクトン等)付加物またはアルキレンオキシド(メチレンオキシド、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等)付加物;グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等のモノヒドロキシポリ(メタ)アクリレート化合物(C2);前記化合物(C2)のラクトン(カプロラクトン等)付加物またはアルキレンオキシド(メチレンオキシド、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等)付加物等が挙げられる。これらのうち、硬化物における硬度と伸度のバランスに優れるウレタン(メタ)アクリレート樹脂となることから、前記モノヒドロキシモノ(メタ)アクリレート化合物(C1)が好ましい。また、前記モノヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物(C)中の前記モノヒドロキシモノ(メタ)アクリレート化合物(C1)の割合が70質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましい。なお、上述のモノヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物(C)は単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のウレタン(メタ)アクリレート樹脂の製造方法は特に限定されず、どのように製造されたものであってもよい。例えば、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂の反応原料を全て一括で反応させる方法(方法1)で製造してもよいし、前記ポリイソシアネート化合物(A)と前記ポリエステルジオール化合物(B)とを反応させて中間体を得た後、前記モノヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物(C)を反応させる方法(方法2)や、前記ポリイソシアネート化合物(A)と前記モノヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物(C)とを反応させて中間体を得た後、前記ポリエステルジオール化合物(B)を反応させる方法(方法3)等で製造してもよい。前記その他のポリオール化合物(B’)を用いる場合には、前記ポリエステルジオール化合物(B)と同じタイミングで反応させることが好ましい。中でも、反応の制御が容易であることから、前記方法2で製造することが好ましい。
本発明の硬化性組成物は、前記ウレタン(メタ)アクリレート樹脂の他、その他の成分を含有していてもよい。前記その他の成分は、例えば、前記ウレタン(メタ)アクリレート樹脂以外のその他の樹脂成分や、無機微粒子、光重合開始剤、溶剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、シリコン系添加剤、フッ素系添加剤、帯電防止剤、有機ビーズ、量子ドット(QD)、レオロジーコントロール剤、脱泡剤、防曇剤、着色剤等が挙げられる。
その他の樹脂成分は、例えば、(メタ)アクリロイル基含有アクリル樹脂(X1)、デンドリマー型(メタ)アクリレート樹脂(X2)、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(X3)、モノ(メタ)アクリレート化合物及びその変性体(X4)、脂肪族炭化水素型ポリ(メタ)アクリレート化合物及びその変性体(X5)、脂環式ポリ(メタ)アクリレート化合物及びその変性体(X6)、芳香族ポリ(メタ)アクリレート化合物及びその変性体(X7)等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。
で表される化合物等のモノ(メタ)アクリレート化合物:前記各種のモノ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)オキシエチレン鎖、(ポリ)オキシプロピレン鎖、(ポリ)オキシテトラメチレン鎖等の(ポリ)オキシアルキレン鎖を導入した(ポリ)オキシアルキレン変性体;前記各種のモノ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)ラクトン構造を導入したラクトン変性体等が挙げられる。
で表されるビカルバゾール化合物、下記構造式(6-1)又は(6-2)
で表されるフルオレン化合物等の芳香族ジ(メタ)アクリレート化合物;前記各種の芳香族ポリ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)オキシエチレン鎖、(ポリ)オキシプロピレン鎖、(ポリ)オキシテトラメチレン鎖等の(ポリ)オキシアルキレン鎖を導入した(ポリ)オキシアルキレン変性体;前記各種の芳香族ポリ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)ラクトン構造を導入したラクトン変性体等が挙げられる。
無機粒子は、樹脂組成物の硬化物の硬度を高める機能を有する。この際、トレードオフの関係にある柔軟性の低下は相対的に生じにくく、硬度および柔軟性が総合的に高くなりうる。
無機粒子の表面処理に使用される表面処理剤としては、特に制限されないが、シランカップリング剤であることが好ましい。当該シランカップリング剤としては、特に制限されないが、ビニル系シランカップリング剤、エポキシ系シランカップリング剤、(メタ)アクリロイルオキシ系のシランカップリング剤、アミノ系シランカップリング剤、ウレイド系シランカップリング剤、メルカプト系シランカップリング剤、スルフィド系シランカップリング剤、イソシアネート系のシランカップリング剤等が挙げられる。
前記ウレイド系シランカップリング剤としては、特に制限されないが、3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
粒子径測定装置:大塚電子株式会社製「ELSZ-2」
粒子径測定サンプル:組成物を不揮発分1質量%のメチルイソブチルケトン溶液としたもの。
一実施形態において、樹脂組成物は重合開始剤をさらに含んでいてもよい。当該重合開始剤は、樹脂組成物を好適に硬化させる機能を有する。重合開始剤としては、特に制限されないが、ベンゾフェノン系重合開始剤、キサントン・チオキサントン系重合開始剤、ベンゾイン・ベンゾイル系重合開始剤、ケタール系重合開始剤、アセトフェノン系重合開始剤、トリアジン系重合開始剤、ロフィン二量体系重合開始剤、ホスフィンオキシド系重合開始剤等が挙げられる。
一実施形態において、樹脂組成物は、溶媒をさらに含んでいてもよい。当該溶媒は、樹脂組成物の粘度を調整する機能等を有する。溶媒としては、特に制限されないが、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキソラン等のエーテル溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル溶媒;トルエン、キシレン、ジブチルヒドロキシトルエン等の芳香族溶媒;カルビトール、セロソルブ、メタノール、イソプロパノール、ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール溶媒;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル等のグリコールエーテル系溶媒が挙げられる。これらの溶媒は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
樹脂組成物の製造方法は、特に制限されず、公知の方法により製造することができる。例えば、硬化性組成物が無機粒子を含有する場合には、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂に無機粒子を順次添加、混合して製造してもよいし、無機粒子にウレタン(メタ)アクリレート樹脂を順次添加し、混合して製造してもよい。硬化性組成物がその他の樹脂成分や、溶媒、重合開始剤、他の添加物等を含む場合には、その添加順序も特に制限はない。例えば、その他の樹脂成分を含む場合、樹脂組成物は、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂およびその他の樹脂成分を混合した後、無機粒子を順次添加、混合してもよいし、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂に無機粒子を順次添加、混合した後、その他の樹脂成分を順次添加、混合してもよい。混合条件についても特に制限されず、乾式であっても湿式であってもよい。また、混合温度、混合圧力等についても特に制限されず適宜決定されうる。
本発明の一形態によれば、硬化物が提供される。
一実施形態において、前記硬化物は、上述のウレタン(メタ)アクリレート樹脂を含有する硬化性組成物を硬化してなる。硬化物は、表面硬度及び擦傷耐性が高く、かつ柔軟性に優れる特徴を生かし、加飾成形性が容易であり、家電筐体や自動車内装部品等に優れた意匠性を付与する際のディスプレイ部材や自動車部材、建材用途の他、各種の電子機器や家電、家具等の表面保護フィルム、メッキ代替、塗装代替等、様々な用途に好適に用いることができる。本形態に係る硬化物は高硬度を有し、柔軟性に優れることから、加飾成形性が容易であり、家電筐体や自動車内装部品等に優れた意匠性を付与することができ、耐擦傷性にも優れる。
<ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(1)の製造>
タケネート500(m-キシリレンジイソシアネート(XDI)、三井化学株式会社製)376.4質量部と、触媒である亜鉛オクテート0.1質量部と、重合禁止剤であるメトキノン0.3質量部と、ジブチルヒドロキシトルエン3.3質量部と、を四つ口フラスコに加え、フラスコの内温が50℃になるまで加温した。次いで、クラレポリオールP-530(ポリ[(3-メチル-1,5,-ペンタンジオール)-alt-(イソフタル酸)]、重量平均分子量:500、株式会社クラレ製)492.1質量部を2時間かけて分割投入し、80℃で2時間反応させた。次に、2-ヒドロキシプロピルアクリレート241.5部を1時間かけて分割投入し、80℃で3時間反応させることで、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(1)を合成した。なお、反応完了の判断は赤外吸収スペクトルにてイソシアネート基の消失を確認することによって行った。ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(1)の重量平均分子量(Mw)は3,650であった。
<ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(2)の製造>
XDIの代わりに、トルエンジイソシアネート(TDI)348.4質量部を用いたことを除いては、実施例1と同様の方法でウレタン(メタ)アクリレート樹脂(2)を合成した。ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(2)の重量平均分子量(Mw)は2,560であった。
<ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(3)の製造>
クラレポリオールP-530の代わりに、クラレポリオールP-1020(ポリ[(3-メチル-1,5,-ペンタンジオール)-alt-(テレフタル酸)]、重量平均分子量:1000、株式会社クラレ製)996.5質量部を用いたことを除いては、実施例1と同様の方法でウレタン(メタ)アクリレート樹脂(3)を合成した。ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(3)の重量平均分子量(Mw)は7,100であった。
<ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(1’)の製造>
XDIの代わりに、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)366質量部を用いたことを除いては、実施例1と同様の方法でウレタン(メタ)アクリレート樹脂(1’)を合成した。
<(メタ)アクリロイル基含有アクリル樹脂の製造>
撹拌装置、冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えた反応装置にメチルイソブチルケトン453質量部を仕込み、撹拌しながら系内温度が110℃になるまで加熱した。グリシジルメタアクリレート720質量部、メチルメタアクリレート480質量部およびt-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート(日本乳化剤株式会社製「パーブチルO」)48質量部からなる混合液を3時間かけて滴下ロートより滴下した後、110℃で15時間反応させた。90℃まで冷却し、メトキノン1.6質量部およびアクリル酸367質量部を仕込み、更にトリフェニルホスフィン7.8質量部を加えた。100℃まで加熱して8時間反応させ、(メタ)アクリロイル基含有アクリル樹脂のメチルイソブチルケトン溶液3000質量部(不揮発分50質量%)を得た。前記(メタ)アクリロイル基含有アクリル樹脂の重量平均分子量(Mw)は20,000、原料の仕込み比から算出される(メタ)アクリロイル基当量の理論値は309g/当量、水酸基価は182mgKOH/gであった。
<硬化性組成物(1)~(3)及び(1’)の製造>
表1に示す割合で各成分を配合し、酢酸エチルを加えて不揮発分40質量%に調整して、硬化性組成物を得た。光重合開始剤としてはBASF社製「イルガキュア#184」を用いた。
<硬化性組成物(4)の製造>
ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(1)82質量部と、無機粒子であるR7200(粒子表面に(メタ)アクリロイル基を有する疎水性フュームドシリカ、平均一次粒径:12nm、アエロジル社製)10質量部と、前記(メタ)アクリロイル基含有アクリル樹脂8質量部(樹脂固形分)とを混合し、メチルイソブチルケトンを用いて不揮発分50質量%のスラリーとしたものを、湿式ボールミル(アシザワ株式会社製「スターミルLMZ015」)を用いて混合分散し、分散体を得た。更に、光重合開始剤(BASF社製「イルガキュア#184」)を2質量部添加し、メチルイソブチルケトンを加えて不揮発分40質量%に調整して硬化性組成物(4)を得た。
メディア:メジアン径100μmのジルコニアビーズ
ミルの内容積に対する樹脂組成物の充填率:70体積%
攪拌翼の先端部の周速:12m/sec
樹脂組成物の流速:200ml/min
分散時間:60分
硬化性組成物(4)の製造において、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(1)を64質量部に、無機粒子であるR7200を20質量部に、(メタ)アクリロイル基含有アクリル樹脂を16質量部(樹脂固形分)に変更したことを除いては硬化性組成物(4)と同様の方法で硬化性組成物(5)を製造した。
硬化性組成物(1)~(5)及び(1’)について各種性能評価を行った。結果を表1に示す。
硬化性組成物を厚さ125μmのポリエチレンテレフタラート(PET)フィルムにバーコーターで塗布し、80℃で1分間乾燥した。次いで、空気雰囲気下、高圧水銀ランプで紫外線を照射することで(300mJ/cm2)、PETフィルム上に膜厚5μmの硬化物が積層された積層フィルムを得た。
積層フィルムを幅10mm×長さ100mmの試験片となるように切り出しを行った。
得られた試験片に対して、以下の条件で引張試験を行った。
引張速度:10mm/分
チャック間距離:40mm
温度:25℃
試験片表面にクラックが発生する、または試験片が破断するまでの伸張伸度を測定し、以下の基準に従って評価を行った。
A:100%超
B:60%超100%未満
C:20%超60%未満
D:20%未満
引張伸度試験と同様の方法で積層フィルムを得た。
積層フィルム表面に対し、JIS K 5400:1990に準拠して、荷重750gの鉛筆引っかき試験を行った。この際、鉛筆引っかき試験は5回行い、1回以上傷がついた硬度の一つ下の硬度をその硬化物の鉛筆強度と判断した。なお、評価は、以下の基準に従って行った。
A:F~9H
B:B~HB
C:3B~2B
D:6B~4B
引張伸度試験と同様の方法で積層フィルムを得た。
積層フィルム上に日焼け止めクリーム(Johnson&Johnson Consumer Inc.社製「ニュートロジーナ ウルトラシアーサンスクリーン」)を0.1g/cm2となるように塗布し、80℃のオーブン内で6時間放置した。オーブンから取り出し常温に戻した後、布で日焼け止め乳液を拭き取り、拭き取り後の塗膜表面の状態で評価した。
A:試験前の積層フィルムと比較して変化がない
B:拭き取り後が残る或いは曇りが生じる
C:塗膜に剥がれやヒビ等が生じる
Claims (5)
- ポリイソシアネート化合物(A)、ポリエステルジオール化合物(B)、及びモノヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物(C)を必須の反応原料とし、前記ポリイソシアネート化合物(A)の70質量%以上が芳香族基含有ポリイソシアネート化合物(A1)であるウレタン(メタ)アクリレート樹脂と、
(メタ)アクリロイル基含有アクリル樹脂と、無機粒子とを含有する硬化性組成物であって、
前記ポリエステルジオール化合物(B)が、ポリ[(3-メチル-1,5,-ペンタンジオール)-alt-(イソフタル酸)]又はポリ[(3-メチル-1,5,-ペンタンジオール)-alt-(テレフタル酸)]を含むものであることを特徴とする硬化性組成物。 - 前記ポリエステルジオール化合物(B)の重量平均分子量(Mw)が450~1200の範囲である請求項1記載の硬化性組成物。
- 前モノヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物(C)としてモノヒドロキシモノ(メタ)アクリレート(C1)を用いる請求項1記載の硬化性組成物。
- 請求項1~3の何れか1項記載の硬化性組成物の硬化物。
- 請求項4記載の硬化物からなる層を有する積層フィルム。
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