JP3019435B2 - 新規なエネルギー線硬化型樹脂の製造方法 - Google Patents

新規なエネルギー線硬化型樹脂の製造方法

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JP3019435B2
JP3019435B2 JP3276391A JP3276391A JP3019435B2 JP 3019435 B2 JP3019435 B2 JP 3019435B2 JP 3276391 A JP3276391 A JP 3276391A JP 3276391 A JP3276391 A JP 3276391A JP 3019435 B2 JP3019435 B2 JP 3019435B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規にして有用なるエネ
ルギー線硬化型樹脂の製造方法に関する。さらに詳細に
は、本発明は有効成分として、特定の構造のオキシラン
環化合物と、特定のオキシラン環含有基と不飽和モノカ
ルボン酸化合物と多塩基酸の無水物と未反応のイソシア
ネート基および不飽和二重結合を併有する化合物とを反
応させることを特徴とする、エネルギー線硬化型樹脂の
製造方法に関する。
【0002】そして、かかる本発明のエネルギー線硬化
型樹脂は、コーティング材、印刷インキ、接着剤ならび
にフォトレジストなどとして、広範なる応用用途に適し
た、極めて有用なる、紫外線や電子線などの、いわゆる
エネルギー線により硬化可能なものである。
【0003】
【従来の技術】エネルギー線で硬化が可能な、特にラジ
カル重合反応によって硬化しうる樹脂としては、不飽和
ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂(エポキシ−ア
クリレート)、各種オリゴアクリレートまたはジアリル
フタレートプレポリマーなどの各種のものがあって、そ
れぞれの用途分野で特徴が活かされ、広範に用いられて
いる。
【0004】しかし、近年、その用途が広がるにつれ
て、益々、それぞれの性能に対する要求が高まっている
が、すべての諸性能を、同時に、満足させ得るような、
いわゆる万能なる、エネルギー線により硬化可能なる樹
脂組成物は、未だに、得られていないというのが、実状
である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、本発明者ら
は、前述した如き諸情勢に鑑み、既存の樹脂では、決し
て、満足することが出来ないような用途に対しても用い
ることが出来、耐水性、耐溶剤性、耐薬品性、耐熱性な
らびに硬化性などにに優れたラジカル硬化型樹脂の合成
について、鋭意、研究を開始した。
【0006】したがって、本発明が解決しようとする課
題は、それ自体が高感度であって、しかも、耐水性、耐
溶剤性、耐薬品性、耐熱性ならびに硬化性などにに優れ
たラジカル硬化型樹脂を見い出すことであり、そして、
こうした諸特性にすぐれた、極めて有用性の高いエネル
ギー線硬化型樹脂組成物を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上述した如き発明が解決しようとする課題に照準を合わ
せて、鋭意、検討を重ねた結果、特定の構造を有するオ
キシラン環含有化合物と、不飽和モノカルボン酸化合物
と、多塩基酸の無水物と、未反応のイソシアネート基お
よび不飽和二重結合を併有する化合物との反応によって
得られるエネルギー線硬化型樹脂が、上述したような塗
膜の諸性能を満足することが出来ることを見出すに及ん
で、本発明を完成するに到った。
【0008】すなわち、本発明は基本的には、特定の構
造のオキシラン環含有化合物と不飽和モノカルボン酸化
合物と芳香族−、脂肪族−および/または脂環族多塩基
酸の無水物と、未反応のイソシアネート基および不飽和
二重結合を併有する化合物との反応によって得られる皮
膜形成成分として極めて有用性の高いエネルギー線硬化
型樹脂の製造方法を提供するものであり、具体的には、
一般式[1]
【0009】
【化10】
【0010】[ただし、式中のW、X、YおよびZは、
それぞれ、同一であっても異なっていてもよい、水素原
子または式
【0011】
【化11】
【0012】で示される基を表すものとする。ただし、
W、X、Y及びZのいずれもが、水素原子である場合だ
けは、除かれるものとする。]で示される、いわゆるオ
キシラン基含有化合物中のW、X、Y及びZが、それぞ
れ、グリシジルエーテル基または水素原子となってい
る、特定の構造を持った化合物(ただし、W、X、Y及
びZのいずれもが、水素原子である場合だけは、除
く。)と不飽和モノカルボン酸との反応物と;芳香族
−、脂肪族−および/または脂環族多塩基酸の無水物
と;一分子中に少なくとも1個の水酸基を有するモノ−
および/またはそれ以上の多価(メタ)アクリレートと
の反応物および/または未反応のイソシアネート基およ
び不飽和二重結合を併有する化合物との反応によって得
られるエネルギー線硬化型樹脂の製造方法を提供するも
のである。
【0013】ここにおいて、上記したエネルギー線硬化
型樹脂〔以下、これを樹脂(A)ともいう。〕とは、特
定の構造のオキシラン化合物と不飽和モノカルボン酸と
の反応物と、芳香族−、脂肪族−および/または脂環式
多塩基酸の無水物と、多価イソシアネート化合物と、一
分子中に少なくとも1個の水酸基を有するモノ−および
/またはそれ以上の多価(メタ)アクリレートとの反応
物および/または未反応のイソシアネート基と不飽和二
重結合とを併有する化合物とを反応させたものを指称す
る。
【0014】当該樹脂(A)としては、勿論、上述した
ような各種の化合物を反応したものであれば、いずれも
使用することが出来るが、そのうちでも特に代表的なも
ののみを例示するに留めれば、まず、特定の多官能エポ
キシ化合物〔以下、これを(a−1)として扱うものと
する。〕と、このエポキシ基と反応する不飽和モノカル
ボン酸化合物〔以下、これを(a−2)として扱うもの
とする。〕とから得られる特定の反応物〔以下、これを
(a−3)として扱うものとする。〕に、少なくとも一
つの芳香族−、脂肪族−および/または脂環式多塩基酸
の無水物〔以下、これを(a−4)として扱うものとす
る。〕と、少なくとも一つの多価イソシアネート化合物
と、一分子中に少なくとも1個の水酸基を有するモノ−
および/またはそれ以上の多価(メタ)アクリレートと
の反応物および/または未反応のイソシアネート基と不
飽和二重結合とを併有する化合物〔以下、これを(a−
5)として扱うものとする。〕とを反応させて得られる
樹脂などである。
【0015】そのうち、上記反応物(a−3)を調製す
るために用いられる、特定の構造のエポキシ化合物(a
−1)として代表的なもののみを挙げるに止めれば、
2,7−ジヒドロキシナフタレンの単独、あるいは、一
部β−ナフトールを併用して、ホルマリンを酸触媒下で
反応させ生じるメチロール基同士が脱水縮合し、二量化
して得られる多官能水酸基化合物に、アルカリ化合物の
存在下にエピクロルヒドリンを反応させて得られるもの
が挙げられ、一般式[1]で示される化合物のW、X、
YまたはZが、それぞれ、グリシジルエーテル基または
水素原子となっているようなオキシラン環含有化合物
(ただし、W、X、YまたはZのいずれもが、水素原子
となっている場合だけは除かれる。)などである。
【0016】他方、前記エポキシ基と反応する不飽和モ
ノカルボン酸類(a−2)として特に代表的なもののみ
を例示するにとどめれば、アクリル酸、メタクリル酸、
α−エチルアクリル酸、α−クロルアクリル酸、α−ブ
ロムアクリル酸、α−フルオルアクリル酸、イタコン
酸、クロトン酸または桂皮酸などであり、これらは単独
使用でも2種以上の併用であってもよいが、特に、アク
リル酸の使用が好適である。
【0017】前記した多塩基酸の無水物(a−4)の特
に代表的なもののみを例示するにとどめれば、マレイン
酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒド
ロフタル酸、ヘット酸、ハイミック酸、クロレンディッ
ク酸、ダイマー酸、アジピン酸、コハク酸、アルケニル
コハク酸、セバチン酸、アゼライン酸、2,2,4−ト
リメチルアジピン酸、テレフタル酸、2−カリウムスル
ホテレフタル酸、2−ナトリウムスルホテレフタル酸、
イソフタル酸、2−カリウムスルホイソフタル酸または
2−ナトリウムスルホイソフタル酸などを始め、
【0018】5−ナトリウム−スルホイソフタル酸−ジ
メチルまたは−ジエチルのような−ジ低級アルキルエス
テル、オルソフタル酸、4−スルホフタル酸、1,10
−デカメチレンジカルボン酸、ムコン酸、シュウ酸、マ
ロン酸、グルタル酸、トリメリット酸、ヘキサヒドロフ
タル酸、テトラブロムフタル酸、メチルシクロヘキセン
トリカルボン酸またはピロメリット酸、の無水物などで
ある。
【0019】これらは単独使用でも2種以上の併用でも
良いことは勿論である。前記した化合物(a−5)を得
るために用いられる、多価イソシアネ−ト化合物として
特に代表的なもののみを例示するに留めれば、2,4−
トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシ
アネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,
4−キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−
4,4’−ジイソシアネート、3−メチル−ジフェニル
メタンジイソシアネートもしくは1,5−ナフタレンジ
イソシアネートの如き芳香族をもったジイソシアネート
化合物;ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートもし
くはイソホロンジイソシアネートの如き脂環式ジイソシ
アネート化合物;またはヘキサメチレンジイソシアネー
トもしくはリジンジイソシアネートの如き脂肪族ジイソ
シアネート化合物をはじめ、
【0020】水添キシリレンジイソシアネートもしくは
水添ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネートの
如き、上掲された芳香環をもったジイソシアネート化合
物を水素添加して得られるイソシアネート化合物、;こ
れらの各種ジイソシアネート化合物とトリメチロールプ
ロパンなどで代表される2ないし6価の低分子アルコー
ルとを、水酸基の1当量に対してイソシアネート基の2
当量となる割合で付加反応せしめて得られるポリイソシ
アネート化合物;または各種ジイソシアネート化合物と
水とを反応させて得られるビュレット型ポリイソシアネ
ート化合物;あるいは2−イソシアネートエチル−2,
6−ジイソシアネートヘキサノエートの如き3官能イソ
シアネート化合物;さらには各種ジイソシアネート化合
物をイソシアヌレート化せしめて得られる多量体などが
ある。
【0021】次いで、上記官能性水酸基含有(メタ)ア
クリレートとして特に代表的なもののみを例示するに留
めれば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、
2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒ
ドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ
ブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、
【0022】ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレ
ート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレー
ト、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、グリセリン
ジ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレ
ート−(メタ)アクリル酸付加物、トリス(2−ヒドロ
キシエチル)イソシアヌレート−ジ(メタ)アクリレー
トまたはN−メチロール(メタ)アクリルアミドなどで
ある。
【0023】これら各種の官能性水酸基含有(メタ)ア
クリレートを単独で使用し、あるいは2種以上を併用し
て、前掲された如き各種の多価イソシアネート化合物
と、NCO当量/OH当量=1.5〜2.0なる割合で
反応させて、1分子中に少なくとも1個の(メタ)アク
リロイル(オキシ)基、つまり、アクリロイル基、メタ
クリロイル基、アクリロイルオキシ基またはメタクリロ
イルオキシ基を有する、不飽和ウレタン化合物ともいう
べき1種のウレタン(メタ)アクリレートプレポリマー
が得られる。
【0024】かかる不飽和ウレタン化合物ないしはウレ
タン(メタ)アクリレートプレポリマーとして代表的な
ものには、トリレンジイソシアネートと2−ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレートとの反応生成物などが挙げ
られる。
【0025】また、(a−5)にはもちろん、未反応の
イソシアネート基と不飽和二重結合を有する化合物、代
表的なものとしては2−イソシアネートエチルメタクリ
レートなどがあるが、これらを用いることは当然可能で
あり、これらは単独使用でも、2種以上の併用でも良い
ことは勿論である。
【0026】かくして得られるエネルギー線硬化型樹脂
は、高感度のものであり、耐水性、耐溶剤性ならびに耐
薬品性、耐熱性などに優れた皮膜を与えるものとなる。
かくして得られる本発明のエネルギー線硬化型樹脂は、
必要に応じて、本発明の目的を逸脱しない範囲、とりわ
け、保存安定性ならびに耐水性、耐溶剤性および耐薬品
性、耐熱性などを保持しうる範囲内で、公知慣用の添加
剤、就中、他のタイプの反応性希釈剤、有機溶剤などを
添加せしめることを妨げるものではない。
【0027】前記反応性希釈剤としては、単官能性のも
のから多官能性のものまでが広く用いられるが、それら
のうちでも特に代表的なもののみを例示するに留めれ
ば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−エチル
ヘキシル(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリド
ン、1−ビニルイミダゾール、イソボルニル(メタ)ア
クリレート、テトラヒドロフルフィリル(メタ)アクリ
レート、カルビトール(メタ)アクリレート、フェノキ
シエチル(メタ)アクリレート、
【0028】ジシクロペンタジエン(メタ)アクリレー
ト、1,3−ブタンジ(メタ)アクリレート、1,6−
ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバ
リン酸エステルネオペンチルグリコールジ(メタ)アク
リレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリ
レートペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート
またはジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレ
ートなどがある。
【0029】溶剤としてはトルエンもしくはキシレンの
如き芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトンもしくはシクロヘキサノンの如きケトン
類;酢酸メチル、酢酸エチルもしくは酢酸ブチルの如き
エステル類;メタノール、エタノール、プロパノールも
しくはブタノールの如きアルコール類、ヘキサン、ヘプ
タンの如き脂肪族炭化水素類をはじめ、セロソルブアセ
テート、カルビトールアセテート、ジメチルホルムアミ
ド、またはテトラヒドロフランなどが挙げられる。
【0030】本発明でいう前記エネルギー線とは、電子
線、α線、β線、γ線、X線、中性子線、または紫外線
の如き、電離性放射線や光などを総称するものである。
本発明において、エネルギー線として紫外線を用いて本
発明の樹脂組成物を硬化させる場合には、波長が100
0〜8000オングストローム なる紫外線により解離
してラジカルを発生するような光(重合)開始剤を使用
すべきであり、かかる光(重合)開始剤としては公知慣
用のものが、いずれも使用できるが、そのうちでも代表
的な例を挙げるとすればアセトフェノン類、ベンゾフェ
ノン、ミヒラーズケトン、ベンジン、ベンゾイン・ベン
ゾエート、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル類、
ベンジル・ジメチルケタール、α−アシロキシムエステ
ル、チオキサントン類、アンスラキノン類およびそれら
の各種誘導体などである。
【0031】また、こうした光(重合)開始剤に公知慣
用の光増感剤をも併用することができるが、かかる光増
感剤として特に代表的なもののみを例示するに留めれ
ば、アミン類、尿素類、含硫黄化合物、含燐化合物、含
塩素化合物またはニトリル類もしくはその他の含窒素化
合物などである。
【0032】本発明のエネルギー線硬化型樹脂は、通常
は、そのまま、上掲した如きエネルギー源を用いること
により放射線ないしは活性エネルギー線を照射させて硬
化せしめればよい。
【0033】
【実施例】次に、本発明を実施例および応用例により、
一層、具体的に説明するが、以下において、部、および
%は特に断りの無い限り、すべて重量基準であるものと
する。
【0034】実施例1 温度計、攪拌機および環流冷却管を備えたフラスコに、
2,7−ジヒドロキシナフタレンに蓚酸とホルマリンを
加え、反応させ、平均4官能の2量体のヒドロキシ化合
物を得た。これにエピクロルヒドリンを反応させてエポ
キシ化して得られた4官能エポキシ化合物の556g
(エポキシ当量:138g/eq.)とハイドロキノンモ
ノメチルエーテルの1.3gとを加え、さらにアクリル
酸の288g、トリフェニルフォスフォンの12.8g
をも加えて、エポキシ当量が15000以上となるま
で、110℃の温度で反応せしめて、反応物(a−3−
1)を得た。
【0035】別に、トリレンジイソシアネートの1モル
と2−ヒドロキシエチルアクリレートの1モルとを、常
法により、ウレタン化反応させて、末端に未反応のイソ
シアネート基を有する不飽和イソシアネート化合物(a
−5−1)を得た。
【0036】次いで新たに、温度計、撹拌器および還流
冷却管を備えたフラスコに、(a−3−1)の844g
およびテトラヒドロ無水フタル酸の152gを加え、酸
価が57となるまで110℃で反応せしめ、さらに、此
処で(a−5−1)を290g加え、ジ−n−ブチル錫
ジアセテートの0.5gをも加えて、80℃でウレタン
化反応を行なった。
【0037】赤外線吸収スペクトル分析(以下、IR分
析と略記する。)によって、イソシアネート基の残存し
ていないことを確認し、目的とするエネルギー線硬化型
樹脂を得た。
【0038】以下、これを樹脂(A−1)と略記する。 実施例 2 温度計、攪拌機および還流冷却管を備えたフラスコに、
実施例1で得られた(a−3−1)の844gおよびテ
トラヒドロ無水フタル酸の304gを仕込んで、酸価が
98となるまで110℃で反応せしめ、さらに、(a−
5−1)の580gを加え、そして、ジ−n−ブチル錫
ジアセテートの0.5gをも加えて、80℃でウレタン
化反応を行なった。
【0039】IR分析によって、イソシアネート基の残
存していないことを確認し、目的とするエネルギー線硬
化型樹脂を得た。以下、これを樹脂(A−2)と略記す
る。
【0040】実施例 3 温度計、攪拌機および還流冷却管を備えたフラスコに、
トリレンジイソシアネートの1モルを仕込み、発熱に注
意しつつ、1モルの2−ヒドロキシエチルメタクリレー
トを加えていき、80℃でウレタン化反応せしめ、末端
に未反応のイソシアネート基を有する不飽和イソシアネ
ート化合物(a−5−2)を得た。
【0041】次いで、(a−5−1)の代わりに、この
(a−5−2)の304gを用いるように変更た以外
は、実施例1と同様にして、目的とするエネルギー線硬
化樹脂を得た。
【0042】以下、これを樹脂(A−3)と略記する。 実施例 4 温度計、攪拌機および還流冷却管を備えたフラスコに、
実施例1で得られた(a−3−1)の844gおよびテ
トラヒドロ無水フタル酸の456gを仕込んで、酸価が
130となるまで110℃で反応せしめ、さらに、実施
例1で得られた(a−5−1)の290gを加え、ジ−
n−ブチル錫ジアセテートの0.5gをも加えて、80
℃でウレタン化反応を行なった。
【0043】IR分析によって、イソシアネート基の残
存していないことを確認し、目的とするエネルギー線硬
化型樹脂を得た。以下、これを樹脂(A−4)と略記す
る。
【0044】実施例 5 (a−5−1)の代わりに、(a−5−2)の304g
を用いるように変更した以外は、実施例4と同様にして
目的とするエネルギー線硬化樹脂を得た。
【0045】以下、これを樹脂(A−5)と略記する。 実施例 6 温度計、攪拌機および還流冷却管を備えたフラスコに、
イソホロンジイソシアネートの1モルとジ−n−ブチル
錫ジアセテートの0.1gとを仕込み、発熱に注意しつ
つ、ペンタエリスリトールトリアクリレートの1モルを
加え、80℃で反応を行って、末端に未反応のイソシア
ネート基を有する不飽和イソシアネート化合物(a−5
−3)を得た。
【0046】次いで、(a−5−1)の代わりに、この
(a−5−3)の1,040gを用いるように変更した
以外は、実施例2同様にして、目的とするエネルギー線
硬化型樹脂を得た。
【0047】以下、これを(A−6)と略記する。 応用例 1〜6 各実施例で得られた、それぞれの樹脂(A)に対して、
次に示されるような各種の成分を配合せしめ、充分に混
合せしめ、攪拌して塗料を調製した。
【0048】 樹脂(A−1からA−6) 100部 1−ヒドロキシヘキシルフェニルケトン 3部 トリメチロールプロパントリアクリレート 20部 次いで、かくして得られた上記各種の塗料を、水研ぎし
たブリキ板に、20ミクロン(μm)の厚さで、各別に
塗布した。
【0049】しかるのち、それぞれの塗膜を、各別に、
80Wの高圧水銀灯で、15cmの高さから、60秒間
のあいだ紫外線を照射して硬化せしめた。そして、かく
して硬化された、それぞれの被覆板について、諸性能の
評価試験を行った。
【0050】それらの結果は、まとめて、第1表に示
す。 比較例 1 温度計、攪拌機および還流冷却管を備えたフラスコに、
エポキシ当量が213なる「エピクロン N−695」
〔大日本インキ化学工業(株)製のクレゾール・ノボラ
ック型エポキシ化合物〕の426gとハイドロキノンモ
ノメチルエーテルの1.3gとを仕込み、アクリル酸の
144gを加え、酸価が3以下となるまで110℃の温
度で反応せしめて、反応物(c−3−1)を得た。
【0051】次いで新たに、温度計、攪拌機および還流
冷却管を備えたフラスコに、この(c−3−1)の57
0gおよびテトラヒドロ無水フタル酸のを152をg加
え、ジ−n−ブチル錫ジアセテートの0.5gをも加え
て、酸価が78になるまで110℃の温度で反応を行
い、さらに、実施例1で得られた(a−5−1)の29
0gを加え、IR分析でイソシアネート基が無くなるま
で、80℃で反応せしめて、対照用のエネルギー線硬化
樹脂を得た。
【0052】以下、これを樹脂(C−1)と略記する。 比較応用例 1 樹脂(A−1)に替えて、比較例1で得られた樹脂(C
−1)の同量を用いるように変更した以外は、応用例1
と同様にして、まず塗料を得、次いで塗布し、しかるの
ち、硬化せしめた。
【0053】この硬化被覆板についても、同様の諸性能
の評価を行った処、第1表に示されるような結果が得ら
れた。
【0054】なお、各種性能の評価は、次のような要領
で行ったものである。 硬化性……………塗布した塗膜を、80℃の温風中で、
15分間乾燥させたのちに、80W/cm2 なる強度の
高圧水銀ランプの下、15cmなる位置を50m/分な
る速度で通過せしめて、硬化するまでの回数を測定し
た。
【0055】耐水性……………ガーゼにイオン交換水を
浸して、硬化塗膜を40回擦ったのちの、膜厚の減少の
程度を測定する。 ◎:5μm未満 ○:5μm以上10μm未満 △:10μm以上15μm未満 ×:15μm以上
【0056】耐溶剤性…………ガーゼにアセトンを浸
し、硬化塗膜を40回擦ったのちの膜厚の減少程度を測
定する。評価基準は耐水性の場合と同じ。
【0057】耐アルカリ性……ガーゼに10%水酸化ナ
トリウム水溶液を浸し、硬化塗膜を40回擦ったのちの
膜厚の減少程度を測定する。評価基準は耐水性の場合と
同じ。
【0058】耐熱性……………塗布した塗膜を、80℃
の温風中で、15分間乾燥させたのちに、80W/cm
2 なる強度の高圧水銀ランプの下、15cmなる位置を
50m/分なる速度で、10回通過せしめた硬化塗膜
を、200℃の加熱炉中に40秒間置いてから、直ち
に、塗膜面にガーゼを圧着させて、冷却後にガーゼを剥
がして、塗膜の変化(塗面変化状態)を目視により判定
した。
【0059】◎:全く変化が認められないもの ○:表面にガーゼの跡が、少々つくもの ×:塗膜が溶融してしまって、ガーゼと共に剥がれるも
【0060】アルカリ溶解性…塗布した塗膜を、80℃
の温風内で15分乾燥させたのち、未硬化塗膜を1/1
0N水酸化カリウム水溶液を浸したガーゼで、30回こ
すって、塗膜の溶解の具合いを観る。
【0061】◎:塗膜が、全然、残っていないもの ○:塗膜が殆ど残っていないもの △:塗膜が若干残っているもの ×:塗膜が、(ほぼ)完全に残っているもの
【0062】
【表1】
【0063】第1表から明らかなように、本発明のエネ
ルギー線硬化型樹脂は、常温で、あるいは、加熱下で、
自由に、エネルギー線硬化させることが出来ることは勿
論、特定のオキシラン基という特別の構造を持った樹脂
から得られるものである処から、硬化性に優れるもので
あるし、硬化塗膜が優れた耐水性、耐溶剤性ならびに耐
薬品性をも有するものであるし、しかも、耐熱性にも優
れるという、各種用途に、極めて有用なものである。
【0064】
【発明の効果】本発明で得られるエネルギー線硬化型樹
脂は、高感度のものであり、しかも、硬化塗膜は耐水性
及び耐溶剤性ならびに耐薬品性および耐熱性などに優れ
ている処から、とりわけ、コーティング剤、印刷インキ
ならびにフォトレジストなどとして、広範なる用途にお
いて極めて有用なものである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C09D 163/10 C09D 163/10 C09J 163/10 C09J 163/10 (56)参考文献 特開 平4−246409(JP,A) 特開 平4−255710(JP,A) 特開 平1−6014(JP,A) 特開 平2−97513(JP,A) 特開 平2−209912(JP,A) 特開 平3−143911(JP,A) 特開 平4−46968(JP,A) 特開 平4−239012(JP,A) 特開 平4−248883(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 59/14 C07C 271/22 C08F 2/46 - 2/50 C08F 290/00 - 290/14 C08F 299/00 - 299/08 C09D 1/00 - 201/10 C09J 1/00 - 201/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式[1] 【化1】 [ただし、式中のW、X、Y及びZは、それぞれ、同一
    であっても異なっていてもよい、水素原子または式 【化2】 で示される基を表わすものとする。ただし、W、X、Y
    及びZのいずれもが水素原子である場合を除かれるもの
    とする。]で示されるオキシラン基含有化合物と、不飽
    和モノカルボン酸化合物と、芳香族−、脂肪族−および
    /または脂環族多塩基酸の無水物、未反応のイソシアネ
    ート基および不飽和二重結合を併有する化合物とを反応
    させることを特徴とする、エネルギー線硬化型樹脂の製
    造方法
  2. 【請求項2】一般式 【化3】 [ただし、式中のW、X、Y及びZは、それぞれ、同一
    であっても異なってもよい、水素原子または式 【化4】 で示される基を表わすものとする。ただし、W、X、Y
    及びZのいずれもが水素原子である場合を除かれるもの
    とする。]で示されるオキシラン基含有化合物の少なく
    とも一つのオキシラン環含有基が、一般式 【化5】 [ただし、式中のR1は水素原子またはメチル基を表わ
    すものとし、R2は水素原子、メチル基、シアノ基また
    はハロゲン原子を表すものとし、B1は多塩基酸の無水
    物の残基を表すものとする。]で示される基で置換され
    ており、さらに、少なくとも一つのオキシラン環含有基
    が、一般式 【化6】 [ただし、式中のR1およびR2は前出の通りであるも
    のとし、また、Aはアクリロイル基またはメタクリロイ
    ル基を有する化合物の残基を表すものとする。]で示さ
    れる基で置換されており、さらにまた、その他のオキシ
    ラン基が、水素原子、あるいは、一般式 【化7】 [ただし、式中のR1およびR2は前出の通りである。
    B1は多塩基酸の無水物の残基、Aはアクリロイル基ま
    たはメタクリロイル基を有する化合物の残基を表わすも
    のとする。]一般式 【化8】 [ただし、式中のR1およびR2は前出の通りであるも
    のとし、Aはアクリロイル基またはメタクリロイル基を
    有する化合物の残基を表すものとする。]および/また
    は一般式 【化9】 [ただし、式中のR1およびR2は前出の通りであるも
    のとする。]で示される基で置換されているものであ
    る、請求項1に記載のエネルギー線硬化型樹脂の製造方
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