JP3309053B2 - 定着用ヒートローラ - Google Patents

定着用ヒートローラ

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JP3309053B2 JP25815096A JP25815096A JP3309053B2 JP 3309053 B2 JP3309053 B2 JP 3309053B2 JP 25815096 A JP25815096 A JP 25815096A JP 25815096 A JP25815096 A JP 25815096A JP 3309053 B2 JP3309053 B2 JP 3309053B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特にプリンタ等の
電子写真装置におけるトナー定着用ヒートローラに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、プリンタ等の電子写真装置に
おけるトナー定着装置は、発熱手段を備えたヒートロー
ラと、加圧ローラを対向して配置し、これらのローラ間
に印字後の用紙を通過させることによって、トナーを加
熱定着するようになっている。
【0003】そして、上記ヒートローラとしてはアルミ
ニウムやステンレス等の金属パイプ中にハロゲンランプ
等の加熱素子を設けたものが用いられてきたが、発熱効
率が悪いため1分以上のウォームアップ時間が必要であ
り、また消費電力も大きいという問題点があった。
【0004】そこで、金属パイプからなる円筒体の表面
にポリイミド等の有機樹脂やガラスからなる絶縁層を介
して発熱抵抗体を備え、さらにその表面に離形層を備え
た構造のヒートローラが提案されている(特開昭55−
72390号、特開昭62−200380号公報等参
照)。
【0005】
【0006】
【0007】
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この定着用ヒ
ートローラでは、昇温、降温を繰り返すことから、長期
使用中に絶縁層と発熱抵抗体が剥がれやすいという問題
点があった。
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、円筒
体の表面にポリイミドからなる絶縁層を介して発熱抵抗
体を備えてなる定着用ヒートローラにおいて、上記絶縁
層にSiO2又はAl23を添加して上記発熱抵抗体と
の密着層としたことを特徴とする。
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施形態を図によっ
て説明する。
【0021】図1に示すように、本発明の定着用ヒート
ローラは、金属パイプからなる円筒体1の内周面に絶縁
層2を備え、この絶縁層2上に発熱抵抗体3を形成し、
該発熱抵抗体3の端部に導電ペースト4を用いて電極部
材5を固着し、円筒体1の外周面には離形層6を備えて
いる。また、円筒体1の端部には、回転時に係止するた
めの切り欠き1aを備えている。なお、図1(b)では
一方の端部しか示していないが、両方の端部に同様に電
極部材5を固着してある。
【0022】この電極部材5は、円筒体1の中空孔を塞
ぐような蓋状であり、中央部に突出部を形成して、その
端面を給電部材7との摺動面5aとしてある。そして、
この定着用ヒートローラを使用する際は、円筒体1を回
転させながら、両端に備えた電極部材5の摺動面5aに
給電部材7を当接させ、摺動させながら給電することに
よって、発熱抵抗体3に通電し、発熱させることができ
る。
【0023】また、他の実施形態として、図2に示すも
のは、円筒体1の外周面に絶縁層2、発熱抵抗体3、離
形層6をこの順で形成し、発熱抵抗体3の端部にリング
状の電極部材5を備えたものである。
【0024】なお、上記円筒体1を成す金属パイプは、
熱伝導率0.03cal/℃・cm・sec以上の金属
から成り、具体的にはアルミニウムやアルミニウム合
金、あるいはステンレス等を用い、その肉厚は0.5〜
3mmとする。また、絶縁層2はポリイミド、フェノー
ル、シリコン、ボロシロキサン等の耐熱性500℃以
上、ガラス転移温度(Tg)250℃以上の有機樹脂か
らなり、その厚みは絶縁耐力によって異なるが、例えば
ポリイミドの場合10〜200μmの厚みが好ましい。
また、離形層6はトナーとの離形性に優れたフッ素樹
脂、シリコン等から成るものである。
【0025】さらに、上記発熱抵抗体3は、詳細を後述
するように、金属や導電性セラミックス等からなる導電
剤と、マトリックスを成す合成樹脂又はガラスとの混合
物を用いる。また、発熱抵抗体3の厚みは5〜100μ
mとする。これは厚みが5μm未満であると抵抗値が高
くなってバラツキが生じやすくなり、一方100μmを
超えると剥がれやすくなるためである。
【0026】さらに、電極部材5は、円筒体1との熱膨
張率の差が10×10-6/℃以内であり、電気抵抗率が
10μΩ・cm以下で、融点が800℃以上のものを用
い、具体的には、真鍮、銅、銅合金、ステンレス等、あ
るいはこれらの金属表面にニッケル等のメッキを施した
ものを用いる。
【0027】次に、本発明の定着用ヒートローラの製造
方法を説明する。
【0028】まず、金属パイプからなる円筒体1を所定
形状に加工し、内周面または外周面に有機樹脂からなる
絶縁層2をスピンコート、スプレーコート、ディッピン
グ等によって塗布し200〜450℃の空気中または窒
素雰囲気中で焼き付ける。この上に、発熱抵抗体成分を
有機溶剤、バインダー、分散剤等と混合してペースト状
にしたものをスクリーン印刷、ディッピング、スプレー
コーティング等により塗布して400〜500℃で焼成
し、発熱抵抗体3とする。
【0029】この後、必要に応じて発熱抵抗体3にレー
ザー加工で溝を形成する。その後、発熱抵抗体3の両端
に電極部材5を導電ペースト4で接合し、円筒体1の外
周面に離形層6をコーティングすれば良い。
【0030】なお、絶縁層2よりも発熱抵抗体3の方
が、周波数1〜10MHzのレーザー光に対する吸収性
が高くなるようにすることが好ましい。そのための具体
的な手段としては、上記発熱抵抗体3中に1〜10MH
zの周波数のレーザー光の吸収性成分を含有すれば良
い。
【0031】即ち、上記定着用ヒートローラの製造工程
で、軸方向の抵抗分布を調整するためにレーザー光によ
る加工(レーザートリミング)を行い、部分的に発熱抵
抗体3を除去して抵抗値を高くすることが行われてい
る。例えば、図3(a)に発熱抵抗体3の展開図を示す
ように、軸方向に沿って複数のゾーン32、33、34
に分割し、端部のゾーン32、34に、レーザートリミ
ングで互いに平行な斜めの溝31を形成することによっ
て、この端部のゾーン32、34の抵抗値を高くするこ
とができる。
【0032】あるいは、図3(b)に示すように、端部
のゾーン32と中央のゾーン33の両方に互いに平行な
斜めの溝31を形成し、互いの角度を変化させることに
よって、それぞれのゾーンの抵抗値を変化させることが
できる。このとき、各ゾーン32、33の間に境界部3
5を備えておけば、各ゾーンの個々の抵抗値を測定する
ことが容易である。
【0033】さらに、図3(c)に示すように、軸方向
に伸びる溝31aとこれに連続した軸に直交方向の溝3
1bを形成することもできる。
【0034】いずれの場合も、溝31の断面図を図4に
示すように、発熱抵抗体3のみが完全に除去され、絶縁
層2は除去されずに残った状態とすることが好ましい。
そのためには、絶縁層2に比べて発熱抵抗体3の方が、
レーザー光の吸収性を高くしておけば良いことになる。
【0035】そこで、発熱抵抗体3中に、周波数1〜1
0MHzのレーザー光の吸収性成分を含有した。
【0036】ここで、YAGレーザーの周波数は1.0
6MHz、CO2 レーザーの周波数は10.6MHzで
あるから、周波数1〜10MHzでの吸収性が高けれ
ば、さまざまなレーザー光を用いた加工に対応できる。
【0037】なお、レーザー光の吸収性成分とは、上記
周波数のレーザー光を照射した時の吸収率が20%以上
であるものを言い、具体的には、LaMnO3 、Co
O、MnO2 、Pd、その他の遠赤外線吸収体化合物等
を用い、色調として黒から茶、緑のものが好適である。
【0038】これらの成分は、発熱抵抗体3中に2〜5
0%の範囲で添加するが、これは2%未満ではレーザー
光を吸収する作用に乏しく、一方50%を超えるとマト
リックスの強度を低下させ耐久性が低下するためであ
る。なお、これらの成分には絶縁性のものもあり、発熱
抵抗体3の抵抗調整用に用いることもできる。
【0039】なお、以上の実施形態では発熱抵抗体3側
にレーザー光の吸収成分を含有する例を示したが、逆に
絶縁層2側にレーザー光の非吸収成分を含有することも
できる。
【0040】また、発熱抵抗体3を成すマトリックス成
分として、燐酸系ガラス、酸化亜鉛系ガラス、樹脂の少
なくとも一種を用い、鉛(Pb)成分を含まないように
することが好ましい。
【0041】即ち、マトリックス成分の融点を低くする
ためにPbOを含むと、このPb成分が環境汚染の原因
になる。そこで、Pb成分を含まずに低融点とできるよ
うなマトリックス成分について種々検討を重ねた結果、
燐酸系ガラス(P2 5 −Al2 3 −Bi2
3 系)、酸化亜鉛系ガラス(ZnO−B2 3 系)、ポ
リイミド等の熱硬化性樹脂、の一種を用いれば良いこと
がわかった。
【0042】これらのマトリックス成分を用いれば、P
b成分を含まずに低融点とすることができ、環境汚染の
恐れをなくすことができる。
【0043】なお、これらのマトリックス成分は、発熱
抵抗体3の全体に対して、50〜85%の範囲で含有さ
せるが、これは定着用ヒートローラとして必要な抵抗値
とするためである。
【0044】また、上記発熱抵抗体3として抵抗温度係
数(TCR)が3000ppm/℃以上のものを用いる
ことが好ましい。
【0045】一般に、発熱抵抗体3に一定電圧を印加し
て昇温させた場合、発熱抵抗体3のTCRが高いと、昇
温時に抵抗値が高くなって電力が低下し、発熱量が低下
する。したがって、電力または電流の初期値(突入電
力、突入電流)を規定する仕様のプリンター等に用いる
場合は、TCRの低い発熱抵抗体3を用いることが好ま
しい。
【0046】しかし、プリンター等の仕様によっては、
飽和時の電力又は電流を規定する場合もあり、この場合
は上記と逆になる。即ち、発熱抵抗体3に一定電圧を印
加した時の時間と電力の関係を図5に示すように、飽和
時の電力を規定した場合、TCRが低い比較例に比べ、
TCRの大きい本発明実施例では初期値の電力を高くす
ることができる。そのため、TCRの高い発熱抵抗体3
を用いた方が高い電力を印加でき、昇温速度を速くする
ことができるのである。
【0047】なお、ここで、TCRを3000ppm/
℃以上と限定した理由は、TCRが3000ppm/℃
未満では昇温速度を短縮する効果に乏しいためであり、
またTCR3000ppm/℃以上の具体的な材質とし
て、金属1成分系ではAg等、2成分系ではAgとPd
を9:1で混合したもの等がある。
【0048】次に本発明について説明する。本発明は、
上記絶縁層2に、絶縁層2と発熱抵抗体3との密着層を
備えたことを特徴とする。
【0049】即ち、図6(a)に示すように、定着用ヒ
ートローラにおける絶縁層2の表層部に密着層21を備
え、この上に発熱抵抗体3を形成してある。ここで、密
着層21は、絶縁層2を成す樹脂成分に加えて、発熱抵
抗体3との密着性の良い成分を含有してある。そのた
め、密着層21は絶縁層2及び発熱抵抗体3との密着性
に優れ、両者の密着強度を向上できる。
【0050】上記密着層21に添加する発熱抵抗体3と
の密着性の良い成分としては、発熱抵抗体3中のマトリ
ックス成分を成すガラス成分とのなじみの良い成分を用
い、具体的にはSiO2又はAl23を用いる。上記密
着層21では、ポリイミドの樹脂成分に加えて、これら
の密着性の良い成分を、全体の0.05〜80%の範囲
で含有することによって、発熱抵抗体3との密着性を高
めている。
【0051】なお、図6(a)では絶縁層2と密着層2
1を別に形成した例について説明したが、実際には絶縁
層2の全体を密着層21とする。
【0052】さらに、他の実施形態として、図6(b)
に示すように、絶縁層2の表面をブラスト処理等で粗く
して、この面を密着層21とすることもできる。この場
合は、発熱抵抗体3を形成した時にアンカー効果で密着
性を高めることができる。
【0053】また、上記絶縁層2と発熱抵抗体3の間に
両者の反応層を形成することが好ましい。この場合は、
絶縁層2と発熱抵抗体3を成す材質の組合せが重要であ
り、両者が反応性の高い材質の組合せとなるようにすれ
ば良い。
【0054】具体的には、絶縁層2としてポリイミドを
用い、発熱抵抗体3中の導電剤またはマトリックス成分
として、Ag、Pb、Cu、Ni、Crの少なくとも一
種を用いる。これらの金属材とポリイミドは反応しやす
く、その結果、絶縁層2と発熱抵抗体3の密着性を向上
させることができる。
【0055】または、絶縁層2としてポリイミドを用
い、発熱抵抗体3中のマトリックス成分として同じポリ
イミドを用いれば、両方のポリイミド同士が反応して強
固に接合することができる。
【0056】なお、ここで絶縁層2と発熱抵抗体3の間
に両者の反応層を有するかどうかは、発熱抵抗体3の剥
離試験を行えば判断できる。即ち、反応層がなければ発
熱抵抗体3は絶縁層2との境界面で完全に剥離するが、
反応層があれば発熱抵抗体3を剥離した場合に絶縁層2
の表面に発熱抵抗体3の一部が残存する。したがって、
発熱抵抗体3の剥離試験を行った時に、絶縁層2の表面
い発熱抵抗体3が残存すれば、反応層が存在することに
なる。
【0057】また、アルカリ成分の含有量が20重量%
以下のガラスで上記絶縁層2を形成することが好まし
い。即ち、絶縁層2を成すガラスのアルカリ成分を減ら
すことによって、高温での絶縁性を維持し、絶縁不良を
防止することができる。
【0058】ここでアルカリ成分とは、主にアルカリ金
属酸化物のことであり、Na2 O、K2 O、Li2 O等
である。また、これらのアルカリ成分は熱膨張率の調整
に用いられていたが、これらの成分を20重量%以下に
減らしても、その分Al2 3 を増やせば熱膨張率を高
くするとともに耐湿性を向上でき、さらにB2 3 を増
やせば融点を低くすることができる。
【0059】
【実施例】実施例1 以下、本発明の好ましい態様について説明する。
【0060】図4に示すように、アルミニウムからなる
円筒体1の表面にポリイミドからなる絶縁層2を形成
し、この表面に表1に示す各種組成からなる発熱抵抗体
3を厚み5〜30μmで形成した。
【0061】この発熱抵抗体3に、YAGレーザー(周
波数1.06MHz)、CO2 レーザー(周波数10.
6MHz)を用いて、出力3Wで2分間の加工を行い、
溝31を形成した。その後、溝31を挟む両側の発熱抵
抗体間の抵抗値を測定し、この値が1kΩ以上のものは
○、1kΩ未満のものを×で評価した。
【0062】結果は表1に示す通りである。この結果よ
り、レーザー光の吸収性成分を含まないもの(No.
1、8、11)では、溝31による絶縁性が悪く、溝3
1が完全に形成されていなかった。
【0063】これに対し、その他のレーザー光の吸収性
成分を含む第1発明の実施例では、レーザー光による加
工性が良く、短時間で溝31を加工できることがわか
る。なお、No.14、15では添加成分を含んでいな
いが、導電剤のPdがレーザー光の吸収成分を兼用して
いる。
【0064】
【表1】
【0065】実施例2 次に、本発明の好ましい態様について説明する。
【0066】図1に示す構造の定着用ヒートローラを試
作し、直径20mm、長さ280mm、肉厚1mmのア
ルミニウムからなる円筒体1の内周面にポリイミドの絶
縁層2を形成し、この上に表2に示す各種組成の発熱抵
抗体3を形成した。
【0067】それぞれ、270℃で5秒間保持した後、
急冷して55秒間保持する熱サイクルを5000回繰り
返す耐久試験を行い、その後の抵抗変化率が5%未満の
ものを○、5%以上のものを×で評価した。
【0068】結果は表2に示す通りである。この結果よ
り、マトリックス成分として、リン酸系ガラス、酸化亜
鉛系ガラス、ポリイミドを用いた第2発明実施例(N
o.1〜15)では、環境汚染対象金属が含まれず、ま
たマトリックス成分の含有量を15〜50%としておけ
ば耐久性も優れていた。
【0069】
【表2】
【0070】実施例3 次に、本発明の好ましい態様について説明する。
【0071】実施例2と同様にして、発熱抵抗体3の導
電剤の組成を変えて表3に示すようにTCRを変化させ
て、定着用ヒートローラを試作した。なお、マトリック
ス成分は鉛系ガラスとした。それぞれ、飽和電力が60
Wとなるように規定し、常温から220℃までの昇温速
度を測定した。
【0072】結果は表3に示す通りである。この結果よ
り、発熱抵抗体3のTCRが大きいほど昇温速度を速く
でき、特にTCRが3000ppm/℃を超えると急激
に速くできることがわかる。
【0073】
【表3】
【0074】実施例4 次に、本発明の実施例を説明する。
【0075】絶縁層2と発熱抵抗体3との密着性を評価
するために、図7に示すように、円筒体1に相当するア
ルミニウム製の基板11上に、表4に示す種々の組成の
絶縁層12を形成し、その上に、30×30mmの範囲
で発熱抵抗体13を形成した。なお、発熱抵抗体13の
組成は鉛系ガラス+Ag、Pd系とした。
【0076】この発熱抵抗体13上にエポキシ系接着剤
で7×7mmの範囲に金属ブロック14を接合し、この
金属ブロック14を上方向に引き上げたとき、発熱抵抗
体13が剥離するまでの引っ張り力を測定し、これを接
合強度とした。この値が2kgf以上のものを○、2k
gf未満のものを×として評価した。
【0077】結果は表4に示す通りである。この結果よ
り、絶縁層12に、平均粒径0.05〜10μmのSi
2 を0.05〜40%の範囲で添加したものでは、絶
縁層12自体が発熱抵抗体13との密着層となることか
ら、充分に高い接合強度を示した。なお、この実施例で
はSiO2 を添加したもののみを示したが、この他にA
2 3 等の無機物を添加したものであれば同様の結果
であった。
【0078】
【表4】
【0079】実施例5 次に、本発明の好ましい態様について説明する。
【0080】実施例4と同様にして、絶縁層12はポリ
イミドで形成し、発熱抵抗体13の組成を表5に示すよ
うに種々に変化させた。それぞれ、発熱抵抗体13が剥
離するまでの引っ張り強度を求めて接合強度とした。
【0081】結果は表5に示す通りである。この結果よ
り、Ag、Pb、Cu、Ni、Crの一種を含む発熱抵
抗体13(No.1、2、4、5)は、ポリイミド製の
絶縁層12との間で反応層を形成し、密着強度を向上で
きることがわかる。
【0082】
【表5】
【0083】実施例6 次に、本発明の好ましい態様について説明する。
【0084】円筒体1上に、表6に示す各組成のガラス
で絶縁層2を形成した。なお、これらの組成は、いずれ
も焼成温度850〜1000℃、熱膨張率220〜24
0×10-7/℃となるように調整したものである。
【0085】この絶縁層2を200℃に保持した時の絶
縁抵抗を測定した結果を表6に示す。一般に絶縁抵抗は
100MΩ以上あれば絶縁劣化を生じることがなく、表
6よりアルカリ成分を20重量%以下としておけば良い
ことがわかる。
【0086】
【表6】
【0087】
【0088】
【0089】
【0090】
【発明の効果】本発明によれば、定着用ヒートローラに
おいて、ポリイミドからなる絶縁層にSiO2又はAl2
3を添加して発熱抵抗体との密着層としたことによっ
て、絶縁層と発熱抵抗体との密着性を高めることができ
る。
【0091】
【0092】
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の定着用ヒートローラを示す側
面図、(b)は(a)中のX−X線断面図である。
【図2】(a)は本発明の定着用ヒートローラを示す側
面図、(b)は(a)中のY−Y線断面図である。
【図3】(a)〜(c)は本発明の定着用ヒートローラ
における発熱抵抗体の展開図である。
【図4】図3(a)中のZ−Z線断面図である。
【図5】定着用ヒートローラに一定電圧を印加した時
の、時間と電力の関係を示すグラフである。
【図6】定着用ヒートローラにおける発熱抵抗体近傍の
部分断面図である。
【図7】発熱抵抗体の密着強度を測定するための試験装
置を示す断面図である。
【符号の説明】
1:円筒体 2:絶縁層 3:発熱抵抗体 4:導電ペースト 5:電極部材 6:離形層 7:給電部材 31:溝 32、33、34:ゾーン 35:境界部
フロントページの続き (72)発明者 坂元 広治 滋賀県八日市市蛇溝町長谷野1166番地の 6 京セラ株式会社滋賀工場内 (72)発明者 徳永 浩治 滋賀県八日市市蛇溝町長谷野1166番地の 6 京セラ株式会社滋賀工場内 審査官 矢沢 清純 (56)参考文献 特開 昭59−155872(JP,A) 特開 平2−308291(JP,A) 特開 昭55−164859(JP,A) 特開 平8−152799(JP,A) 特開 昭63−158582(JP,A) 特開 昭60−121279(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 15/20

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円筒体の表面にポリイミドからなる絶縁層
    を介して発熱抵抗体を備えてなる定着用ヒートローラに
    おいて、上記絶縁層にSiO 2 又はAl 2 3 を添加して
    上記発熱抵抗体との密着層としたことを特徴とする定着
    用ヒートローラ。
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