JP3441325B2 - 定着用ヒートローラ及びその製造方法 - Google Patents

定着用ヒートローラ及びその製造方法

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JP3441325B2
JP3441325B2 JP35120496A JP35120496A JP3441325B2 JP 3441325 B2 JP3441325 B2 JP 3441325B2 JP 35120496 A JP35120496 A JP 35120496A JP 35120496 A JP35120496 A JP 35120496A JP 3441325 B2 JP3441325 B2 JP 3441325B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、プリンタ等の電子
写真装置におけるトナー定着用ヒートローラに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、プリンタ等の電子写真装置に
おけるトナー定着装置は、発熱手段を備えたヒートロー
ラと加圧ローラを対向して配置し、これらのローラ間に
印字後の用紙を通過させることによって、トナーを加熱
定着するようになっている。
【0003】そして、上記ヒートローラとしては、アル
ミニウムやステンレス等の金属円筒体中にハロゲンラン
プ等の加熱素子を設けたものが用いられてきたが、発熱
効率が悪いため1分以上のウォームアップ時間が必要で
あり、また消費電力も大きいという問題点があった。
【0004】そこで、金属円筒体の表面にポリイミド等
の有機樹脂からなる絶縁層を介して発熱抵抗体を備え、
さらにその表面に離形層を備えた構造のヒートローラが
提案されている(特開昭55−72390号、特開昭6
2−200380号公報等参照)。
【0005】ところで、金属円筒体上に形成された絶縁
層上に発熱抵抗体を形成する場合、全体の厚みを均一に
調整することは非常に難しく、全体の抵抗値や抵抗分布
がばらついて所望の抵抗値をもったヒートローラを得る
ことが困難であった。また、発熱抵抗体を形成する際の
厚み分布の問題だけでなく、焼成時の温度や雰囲気によ
る影響もあった。
【0006】このように、絶縁層上に発熱抵抗体を備え
た構造の定着用ヒートローラにおいては、発熱抵抗体の
抵抗値の調整が重要な技術事項となっている。そこで、
特開平2−308291公報に示されるように、形成さ
れた発熱抵抗体にレーザー加工で溝を形成して抵抗値を
調整することが提案されている。この場合、金属円筒体
の中心軸方向の溝では抵抗調整作用が低いため、斜め方
向の螺旋状溝を形成することが提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
に発熱抵抗体に螺旋状の溝を形成する場合、図11に発
熱抵抗体3の展開図を示すように、斜めの溝31で分断
された発熱抵抗体3はほぼ平行四辺形状となり、軸方向
両端部における溝31の鈍角側の近傍部33、33の間
が破線で示すように最も距離が短くなる。そのため、こ
の発熱抵抗体3の軸方向両端部から電圧を印加すると、
上記近傍部33、33間の破線部に電流が集中しやすい
という問題があった。そのため、長期間使用すると溝3
1の近傍部33にクラックが生じやすく、断線が生じる
などの不都合があり、寿命が短いものであった。
【0008】また、発熱抵抗体3を備える場合、金属円
筒体の内周面側に形成すれば、安全性や均熱性等の点で
優れたものとなるが、内周面側に形成した発熱抵抗体に
対してレーザー加工で溝を形成することは困難であると
いう問題もあった。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は円筒体
内周面に絶縁層を介して発熱抵抗体を形成し、該発熱
抵抗体の両端部に電極部材を固着するとともに、上記円
筒体の外周面に離形層を有する定着用ヒートローラにお
いて、上記発熱抵抗体の抵抗値調整用に、複数の螺旋状
の溝が一定間隔でほぼ平行に形成するとともに、上記発
熱抵抗体の両端部に均等電流領域を形成したことを特徴
とする。
【0010】また、本発明は、上記均等電流領域とし
て、上記螺旋状の溝を上記発熱抵抗体端部から円筒体の
中心軸方向に沿ったストレート状とするか、または上記
発熱抵抗体端部を螺旋の向きと反対方向へ屈曲して形成
したことを特徴とする。
【0011】即ち、抵抗調整用の螺旋状溝の端部を、ス
トレート状又は螺旋と反対方向への屈曲状とすることに
よって、前述したような電流集中をなくし、耐久性を向
上させたものである。
【0012】さらに本発明は、上記均等電流領域は、
溝で分断される形状が長方形状となるように上記発熱抵
抗体の両端部に備えた鋸刃状の導電部により形成したこ
とを特徴とする。
【0013】即ち、発熱抵抗体の端部に鋸刃状の導電部
を形成して溝により分断された発熱抵抗体がほぼ長方形
状となるようにし、電流の集中を緩和するようにした。
【0014】さらに本発明によれば、円筒体の内周面に
絶縁層を介して発熱抵抗体を備えた後、円筒体内部に反
射部材を挿入し、円筒体端部より入射したレーザー光を
上記反射部材で反射させて、発熱抵抗体に抵抗値調整用
の溝を形成する工程からなる定着用ヒートローラの製造
方法を特徴とする。
【0015】即ち、円筒体内部に挿入した反射部材でレ
ーザー光を反射させることによって、内周面に形成した
発熱抵抗体に対して容易に所定形状の溝を形成できるよ
うにしたものである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施形態を図によっ
て説明する。
【0017】図1、2に示すように、本発明の定着用ヒ
ートローラは、金属パイプからなる円筒体1の内周面に
絶縁槽2を備え、この絶縁槽2上に発熱抵抗体3を形成
し、該発熱抵抗体3の端部に導電ペースト4を用いて電
極部材5を固着し、円筒体1の外周面には離形層6を備
えている。また、円筒体1の端部には、回転時に係止す
るための切り欠き1aを備えている。なお、図2では一
方の端部しか示していないが、両方の端部に同様の電極
部材5を固着してある。
【0018】この電極部材5は、円筒体1の中空孔を塞
ぐような蓋状であり、中央部に突出部を形成して、その
端面を給電部材7との摺動面5aとしてある。そして、
この定着用ヒートローラを使用する際は、円筒体1を回
転させながら、両端に備えた電極部材5の摺動面5aに
給電部材7を当接させ、摺動させながら給電することに
よって発熱抵抗体3に通電し、発熱させることができ
る。
【0019】このように、発熱抵抗体3を円筒体1の内
側に備え、電極部材5で中空孔を塞ぐことによって、放
熱を防止し、熱損失を少なくすることができる。
【0020】また、参考例として、一般的には図3に端
部の断面図を示すように、円筒体1の外周面に絶縁層2
を備え、その絶縁層2上に発熱抵抗体3を形成し、該発
熱抵抗体3の端部にリング状の電極部材5を固着し、そ
の他の発熱抵抗体3上に離形層6を備えている。この場
合は、給電部材(不図示)は電極部材5の外周面に当接
させて給電させている
【0021】本発明の定着用ヒートローラは、以下に詳
述するように、この発熱抵抗体3における抵抗調整手段
が重要である。
【0022】図4(a)に上記発熱抵抗体3の展開図を
示す。即ち、実際の発熱抵抗体3は円筒体1の内周面に
備えられて円筒形状となっているが、これを軸方向の1
本の直線で切断して展開したものを図4(a)に示して
ある。なお、図4(a)における左右方向が円筒体1の
中心軸方向である。
【0023】そして、図4(a)に示すように、発熱抵
抗体3には軸方向に対して斜め方向に一定間隔でほぼ平
行に抵抗値調整用の溝31を形成してあり、この溝31
の角度や間隔を変化させることによって、発熱抵抗体3
の抵抗値を調整できるようにしてある。なお、図4
(a)は展開図であるため溝31は直線状であるが、実
際の定着用ヒートローラではこの溝31は螺旋状とな
る。
【0024】なお、この溝31は、図4(b)に示すよ
うに発熱抵抗体3を完全に分断するものや、図4(c)
に示すように発熱抵抗体3を完全に分断せずに溝31の
底部で発熱抵抗体3が繋がった状態としたものでも良
い。
【0025】しかも、上記溝31は、中央部では斜め方
向の溝であるが、両端部では、軸方向に沿ったストレー
ト部31aとして均等電流領域32を形成してある。そ
のため、この発熱抵抗体3の両端から通電した場合に、
図11に示すような溝31の近傍部33への電流集中を
緩和して耐久性を向上させることができるのである。な
お、図5(a)に端部の拡大図を示すように、溝31の
斜め部とストレート部31aとの境界部31cは曲率半
径Rの曲線状とすることによって、この部分のクラック
を防止できる。
【0026】また、他の実施形態として、図5(b)に
示すように、溝31の端部を本来の斜め方向から逆の方
向への屈曲部31bとして、均等電流領域32を形成す
ることもでき、このような形状とすることで、さらに溝
31の近傍部33への電流集中を緩和することができ
る。この場合も、溝31の斜め部と屈曲部31bとの境
界部31cを曲率半径Rの曲線状とすることによって、
この部分のクラックを防止できる。
【0027】なお、いずれの場合も、上記の作用を成す
ためには、均等電流領域32の軸方向の長さLは2mm
以上、好ましくは5mm以上とすれば良い。
【0028】次に他の実施形態を説明する。
【0029】図6に発熱抵抗体3の展開図を示すよう
に、軸方向に対して斜め方向に一定間隔でほぼ平行に抵
抗値調整用の溝31を形成してあり、この溝31の角度
や間隔を変化させることによって、発熱抵抗体3の抵抗
値を調整できるようにしてある。なお、図6は展開図で
あるため溝31は直線状であるが、実際の定着用ヒート
ローラでは螺旋状となる。
【0030】この時、各溝31で分断される発熱抵抗体
3は平行四辺形状となるが、その両端部に導電ペースト
4を三角形状に塗布して、発熱抵抗体3がほぼ長方形状
となるようにしてある。そのため、図6に示すように、
発熱抵抗体3の両端部には、導電ペースト4により鋸刃
状の導電部からなる均等電流領域32が形成されること
になる。
【0031】このように導電ペースト4を塗布すること
によって、溝31によって分断される発熱抵抗体3がほ
ぼ長方形状となり、特に直線距離の短くなる部分がなく
なるため、電流集中を緩和できるのである。
【0032】また、導電ペースト4の代わりに、図7に
示すように電極部材5の端部5bを鋸刃状として、発熱
抵抗体3の端部に重ね合わせ、鋸刃状の導電部を形成す
ることもできる。
【0033】いずれの場合も、導電ペースト4又は電極
部材5からなる鋸刃状の導電部と溝31との成す角度θ
が90°±30°の範囲とすることが好ましい。これ
は、角度θがほぼ90°であれば、溝31によって分断
される発熱抵抗体3が長方形状に近くなり、電流の集中
を緩和する効果が高くなるためである。
【0034】また、図6の実施形態では、発熱抵抗体3
の全長にわたって溝31を形成したが、部分的に溝31
を形成することもできる。例えば、図8(a)では発熱
抵抗体3の軸方向両端部にのみ溝31を形成し、両端部
の抵抗値を高くしたものである。一般に定着用ヒートロ
ーラの場合、両端部が放熱して温度が低くなりやすいた
め、予め両端部の抵抗値を高くしておけば均一に発熱さ
せることができる。
【0035】さらに、図8(b)に示すように、発熱抵
抗体3を軸方向に複数のゾーンに分割し、各ゾーン毎に
異なる角度、間隔で溝31を形成することによって、抵
抗値の分布を細かく調整することもできる。
【0036】なお、図8では図示していないが、これら
の発熱抵抗体3の両端部には、図4〜図6に示すような
均等電流領域32を形成してある。
【0037】本発明において、円筒体1を成す金属パイ
プは、熱伝導率0.03cal/℃・cm・sec以上
の金属からなり、具体的にはアルミニウムやアルミニウ
ム合金、あるいはステンレス等を用い、その肉厚は0.
5〜1mmとする。また絶縁層2はポリイミド、フェノ
ール、シリコン、ボロシロキサン等の耐熱性に優れた有
機樹脂からなり、その厚みは絶縁耐力によって異なる
が、例えばポリイミドの場合10〜200μmの厚みが
好ましい。また離形層6はトナーとの離形性に優れたフ
ッ素樹脂、シリコン等から成るものである。
【0038】さらに上記発熱抵抗体3は、導電剤と、マ
トリックスを成す合成樹脂又はガラスとの混合物を用い
る。導電剤としては、Ag,Ni,Au,Pd,Mo,
Mn,W等の金属材、あるいはRe2 3 、Mn
2 3 、LaMnO3 等の金属化合物の少なくとも一種
を用いる。またマトリックスを成すガラスとしては、結
晶化ガラス、非結晶化ガラスのいずれでも良いが、結晶
化ガラスを用いることにより、加熱冷却サイクルによっ
ても抵抗値の変化を少なくすることができる。その組成
としては、PbOを50重量%以上含むものが良く、好
ましくは軟化点が500℃以下の低融点のものが良い。
【0039】なお、マトリックスを成す合成樹脂又はガ
ラスは成膜強度を向上するために必要であり、10重量
%未満であると成膜強度が低くなって抵抗温度係数も低
下し、一方90重量%を越えると抵抗値が大きくなりす
ぎるため、10〜90重量%の範囲で含有する。
【0040】また、発熱抵抗体3の厚みは5〜100μ
mとする。これは厚みが5μm未満であると抵抗値が高
くなってバラツキが生じやすくなり、一方100μmを
越えると剥がれやすくなるためである。
【0041】さらに、電極部材5は、円筒体1との熱傍
聴率の差が10×10-6/℃以内であり、電気抵抗率が
10μΩ・cm以下で、融点が800℃以上のものを用
い、具体的には、真鍮、銅、銅合金、ステンレス等、あ
るいはこれらの金属表面にニッケル等のメッキを施した
ものを用いる。
【0042】次に、本発明の定着用ヒートローラの製造
方法を説明する。
【0043】まず、金属パイプからなる円筒体1を所定
形状に加工し、内周面に有機樹脂からなる絶縁層2をス
ピンコート、スプレーコート、ディッピング等によって
塗布し、200〜450℃の空気中又は窒素雰囲気中で
焼き付ける。この上に、発熱抵抗体成分を有機溶剤、バ
インダー、分散剤等と混合してペースト状にしたものを
スクリーン印刷、ディッピング、スプレーコーティング
等により塗布して400〜500℃で焼成し、発熱抵抗
体3とする。
【0044】この後、発熱抵抗体3の抵抗値を確認しな
がら所定形状の溝31をレーザー加工で形成して抵抗値
を調整する。そして、発熱抵抗体3の両端に電極部材5
を導電ペースト4で接合し、円筒体1の外周面に離形層
6をコーティングすれば良い。
【0045】ここで、円筒体1の内周面に発熱抵抗体3
を形成した場合における、レーザー加工による溝31の
形成方法について説明する。
【0046】図9に示すように、上述した方法によって
発熱抵抗体3の焼き付けが完了した円筒体1を回転モー
タ12で回転自在に保持してステージ11に載置し、こ
のステージ11をボールねじ13と直線移動モータ14
で直線方向に移動可能とする。そして、この回転モータ
12と直線移動モータ14はシーケンサ15とパコン1
6に接続され、円筒体1を自由に回転、直線移動できる
ようにしてある。
【0047】一方、電源18に接続したレーザー発振器
17に細長いレーザー光導入部20を取り付けてある。
このレーザー光導入部20は、図10(a)に示すよう
に、筒体21の先端に反射部材である鏡22と窓25を
備え、後端よりレーザー光23と空気、窒素、アルゴン
等のガス24を導入するようになっている。そして、後
端部より導入したレーザー光23は鏡22で反射して窓
25より外部に導出される。
【0048】また、レーザー光導入部20としては、図
10(b)に示すように、光ファイバ26でレーザー光
23を導入し、光ファイバ26と筒体21の間でガス2
4を導入することもできる。あるいは、図10(c)に
示すように、レーザー光23を導入する光ファイバ26
とガス24を導入するパイプ27を並べて備え、鏡22
を反対の端部から挿入した構造とすることもできる。
【0049】いま、図9に示す装置において、レーザー
光導入部20を円筒体1の中空孔に挿入した状態で、回
転モータ12と直線移動モータ14を駆動して円筒体1
を移動させながら、レーザー光導入部20よりレーザー
光を照射すれば、円筒体1の内周面に形成した発熱抵抗
体3をレーザー加工して溝31を形成することができ
る。
【0050】なお、具体的な溝31の形成方法として
は、予め発熱抵抗体3の全体、あるいはゾーン毎に抵抗
値を測定しておき、求める抵抗値との差から、必要とす
る溝31の角度、間隔を算出し、この結果にしたがっ
て、レーザー加工で溝31を形成し、その後もう一度抵
抗値を測定して確認する。
【0051】以上のような方法によれば、円筒体1の内
周面に発熱抵抗体3を形成した場合でも、所定形状の溝
31を容易に高精度で形成することができるのである。
そして、円筒体1の内周面に発熱抵抗体3を形成してお
けば、万一ショートにより発火する等の事故を起こした
場合でも、外部の印字用紙に引火することはなく、安全
性を高められるとともに、内週面の発熱抵抗体3からの
熱が円筒体1を通じて離形層6に伝わるため、全体を均
一に発熱させることができる。
【0052】
【実施例】実施例1 本発明実施例として図2に示す定着用ヒートローラを作
製した。円筒体1はアルミニウムで形成し、外径22m
m、長さ290mm、肉厚1mmとした。この内周面
に、ポリイミドからなり厚さ10〜200μmの絶縁層
2、及び導電剤とガラスセラミックスの混合物からなり
厚さ1〜50μmの発熱抵抗体3を形成した。
【0053】その後、図9に示す装置を用いて発熱抵抗
体3に抵抗調整用の螺旋状の溝31を形成した。この
時、図5に示すように溝31の間隔Dは28mmとし、
溝31の端部はストレート部31aとして均等電流領域
32を形成した。なお均等電流領域32の軸方向の長さ
Lは5mm及び10mmの2種類を作製し、さらに比較
例としてこのような均等電流領域32を形成しないもの
も作製した。
【0054】これらの3種類のヒートローラについて、
最も電流密度が高くなる部分の発熱量(電力)をFEM
解析で求めた。結果を図12に示すように、均等電流領
域32を設けない比較例(L=0)では発熱量が大き
く、電流密度が局所的に高くなっていることがわかる。
これに対し、均等電流領域32を備えた本発明実施例
(L=5,10)では電流密度の上昇量が小さく、電流
の集中を防止できることがわかる。
【0055】なお、さらに種々実験の結果、上記均等電
流領域32の軸方向の長さLを2mm以上としておけば
電流の集中を防止できることが確認された。
【0056】実施例2 次に、上記の均等電流領域32の軸方向の長さLを10
mmとした本発明実施例の定着用ヒートローラ6本と、
比較例の均等電流領域32を備えない定着用ヒートロー
ラ3本を用意し、耐久試験を行った。具体的には、両方
の定着用ヒートローラに対し、1.5kWの電力印加で
280℃まで昇温させた後、常温まで冷却させる冷熱サ
イクルを繰り返した時の抵抗変化率を測定した。
【0057】結果を図13に示すように、比較例では抵
抗変化率が大きく、100サイクル程度で電流集中によ
る発熱抵抗体3のクラック等のために断線してしまっ
た。これに対し、本発明実施例では1000サイクル以
上でもほとんど抵抗変化せず、耐久性に優れていること
がわかる。
【0058】実施例3 さらに、上記と同様の定着用ヒートローラにおいて、均
等電流領域32におけるストレート部31aと中心軸方
向との成す角度α、ストレート部31aからなる均等電
流領域32の長さL、ストレート部31aと斜め部との
境界部31cの曲率半径Rを表1に示すように変化させ
た。
【0059】それぞれ、1粉管に280℃まで昇温し常
温まで冷却するサイクルを2000回繰り返した時に、
発熱抵抗体3に破損が発生しないものを○、したものを
×として評価した。
【0060】結果を表1に示すように、ストレート部3
1cの中心軸に対する角度αが30°以下、ストレート
部31aからなる均等電流領域32の長さLが2mm以
上、ストレート部31aと斜め部との境界部31cの曲
率半径Rが1mm以上の範囲であれば、2000回の温
度サイクルでも破損せず、耐久性に優れていることがわ
かる。
【0061】
【表1】
【0062】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、円筒体の
内周面に絶縁層を介して発熱抵抗体を形成し、該発熱抵
抗体の両端部に電極部材を固着するとともに、上記円筒
体の外周面に離形層を有する定着用ヒートローラにおい
て、上記発熱抵抗体の抵抗値調整用に、複数の螺旋状の
が一定間隔でほぼ平行に形成するとともに、上記発熱
抵抗体の両端部に均等電流領域を形成したことによっ
て、通電時の電流集中をなくし、発熱冷却サイクルを繰
り返しても抵抗変化やクラック等が生じることを防止
し、耐久性を向上させることができる。
【0063】また本発明によれば、円筒体の内周面に絶
縁層を介して発熱抵抗体を備えた後、円筒体内部に反射
部材を挿入し、円筒体端部より入射したレーザー光を上
記反射部材で反射させて、発熱抵抗体に抵抗値調整用の
溝を形成する工程から定着用ヒートローラを製造したこ
とによって、円筒体の内周面に備えた発熱抵抗体に対
し、容易に高精度の溝を形成することができる。その結
果、内周面に発熱抵抗体を備えた安全性、均熱性の高い
定着用ヒートローラを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の定着用ヒートローラを示す側面図であ
る。
【図2】図1中のX−X線断面図である。
【図3】本発明の他の実施形態を示す断面図である。
【図4】(a)は本発明の定着用ヒートローラにおける
発熱抵抗体の展開図、(b)(c)は(a)中のY−Y
線断面図である。
【図5】(a)(b)は本発明の定着用ヒートローラに
おける発熱抵抗体の展開拡大図である。
【図6】本発明の他の実施形態の定着用ヒートローラに
おける発熱抵抗体の展開図である。
【図7】本発明の他の実施形態の定着用ヒートローラに
おける端部の断面図である。
【図8】本発明の他の実施形態における発熱抵抗体の展
開図である。
【図9】本発明の定着用ヒートローラの製造装置を示す
概略斜視図である。
【図10】(a)〜(c)は本発明の定着用ヒートロー
ラを製造するために用いるレーザー光導入部を示す概略
図である。
【図11】従来の定着用ヒートローラにおける発熱抵抗
体の展開図である。
【図12】本発明及び比較例の定着用ヒートローラにお
ける、均等電流領域の長さLと局所発熱量の関係をを示
すグラフである。
【図13】本発明及び比較例の定着用ヒートローラにお
ける、冷熱サイクルと抵抗変化率の関係を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
1:円筒体 2:絶縁層 3:発熱抵抗体 31:溝 31a:ストレート部 31b:屈曲部 32:均等電流領域 4:導電ペースト 5:電極部材 6:離形層
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−262909(JP,A) 特開 平6−13162(JP,A) 特開 昭60−124388(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05B 3/00 335 G03G 15/20 103 H05B 3/02 - 3/48

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円筒体の内周面に絶縁層を介して発熱抵抗
    を形成し、該発熱抵抗体の両端部に電極部材を固着す
    るとともに、上記円筒体の外周面に離形層を有する定着
    用ヒートローラにおいて、 上記発熱抵抗体の抵抗値調整用に、複数の螺旋状の溝
    一定間隔でほぼ平行に形成するとともに、上記発熱抵抗
    体の両端部に均等電流領域を形成したことを特徴とする
    定着用ヒートローラ。
  2. 【請求項2】上記均等電流領域は、上記螺旋状の溝を
    記発熱抵抗体端部から円筒体の中心軸方向に沿ったスト
    レート状とするか、または上記発熱抵抗体端部を螺旋の
    向きと反対方向へ屈曲して形成したことを特徴とする請
    求項1記載の定着用ヒートローラ。
  3. 【請求項3】上記均等電流領域は、各溝で分断される形
    状が長方形状となるように上記発熱抵抗体の両端部に備
    えた鋸刃状の導電部により形成したことを特徴とする請
    求項1記載の定着用ヒートローラ。
  4. 【請求項4】円筒体の内周面に絶縁層を介して発熱抵抗
    体を備えた後、円筒体内部に反射部材を挿入し、円筒体
    端部より入射したレーザー光を上記反射部材で反射させ
    て、発熱抵抗体に請求項1〜3に記載の抵抗値調整用の
    溝を形成する工程からなる定着用ヒートローラの製造方
    法。
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