JP3308625B2 - 溶接ライン - Google Patents

溶接ライン

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JP3308625B2
JP3308625B2 JP03363393A JP3363393A JP3308625B2 JP 3308625 B2 JP3308625 B2 JP 3308625B2 JP 03363393 A JP03363393 A JP 03363393A JP 3363393 A JP3363393 A JP 3363393A JP 3308625 B2 JP3308625 B2 JP 3308625B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ロボットアームの端部
に溶接ガンを備えた溶接ロボットと、被溶接物の搬送を
行う搬送ロボットとを備えた溶接ラインに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】通常、溶接ラインでは、第1工程とし
て、複数のワークの相対的な位置決めを正確に行った上
で、1点以上の溶接を行い、各ワークの相対的な位置を
保持する仮付け溶接が行われ、その後、第2工程とし
て、増打ちと呼称される仮付け箇所以外の部位の溶接が
行われるようになっている。
【0003】上記のような溶接ラインでは、ロボットア
ームの端部にスポット溶接ガン等の溶接手段を備えた溶
接ロボットと、ロボットアームの端部にワークを保持す
るクランプ装置等の保持手段を備えた搬送ロボットとが
用いられている。例えば、図9に示すように、仮付け溶
接ステーション51において仮付け溶接が行われた後、
直列に配置された第1増打ちステーション52および第
2増打ちステーション53において増打ちが行われる場
合では、ワークの変更に柔軟に対応し、第1増打ちステ
ーション52と第2増打ちステーション53とにおける
溶接処理時間を等しくできるように、第1増打ちステー
ション52では2台の溶接ロボット58・59により、
そして、第2増打ちステーション52では1台の溶接ロ
ボット60によりそれぞれ溶接が行われるようになって
いる。
【0004】また、上記の場合、仮付け溶接ステーショ
ン51と第1増打ちステーション52との間に搬送ロボ
ット55、第1増打ちステーション52と第2増打ちス
テーション53との間に搬送ロボット56、そして、第
2増打ちステーション53と溶接処理済みのワークを載
置する処理済みワーク載置ステーション54との間に搬
送ロボット57がそれぞれ設けられ、これらの搬送ロボ
ット55〜57によって、いわゆる、バケツリレー式搬
送が行われるようになっている。
【0005】即ち、上記溶接ラインでは、先ず、搬送ロ
ボット55により、仮付け溶接されたワークが、仮付け
溶接ステーション51から第1増打ちステーション52
に搬送され、該ステーション52に設けられている位置
決め治具(図示せず)にセットされる。この後、2台の
溶接ロボット58・59により上記ワークの所定箇所が
溶接処理される。
【0006】次に、搬送ロボット56により、第1増打
ちステーション52から上記ワークが取り出されて第2
増打ちステーション53に搬送され、該ステーション5
3に設けられている位置決め治具(図示せず)にセット
される。これと同時に、搬送ロボット55により、仮付
け溶接された新たなワークが、第1増打ちステーション
52に搬送されて位置決め治具にセットされる。
【0007】そして、第2増打ちステーション53にお
いては、溶接ロボット60によってワークの残りの溶接
箇所が溶接処理され、また、第1増打ちステーション5
2においては、2台の溶接ロボット58・59による新
たなワークの溶接処理がなされる。
【0008】この後、搬送ロボット57により、第2増
打ちステーション53から溶接処理済みのワークが取り
出されて処理済みワーク載置ステーション54に搬送さ
れると共に、上記同様に、搬送ロボット56により、第
1増打ちステーション52で処理されたワークが第2増
打ちステーション53の位置決め治具にセットされ、さ
らに、搬送ロボット55により、仮付け溶接された別の
ワークが、再び、第1増打ちステーション52の位置決
め治具にセットされる。
【0009】以降は、上述の溶接ロボット58〜60に
よる溶接処理と搬送ロボット55〜57によるワークの
搬送とが連続して行われる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成では、1台の搬送ロボットは、2つのステーシ
ョン間のワーク搬送しか行うことができないため、各ス
テーション間に搬送ロボット55〜57が必要であり、
溶接ラインに設置される搬送ロボット55〜57の台数
が多くなり、溶接ラインの設備コストが非常に高いもの
となっている。
【0011】また、第1増打ちステーション52で溶接
処理を行う溶接ロボット58・59は、位置決め治具に
セットされたワークの溶接処理が完了した後、直ちに次
の溶接処理を開始することはできず、搬送ロボット56
によって該ワークが位置決め治具から取り外され、搬送
ロボット55によって新たなワークが位置決め治具にセ
ットされるまでの間、待機状態となる。同じく、第2増
打ちステーション53で溶接処理を行う溶接ロボット6
0も、ワークの溶接処理が完了した後、直ちに次の溶接
処理を開始することはできず、搬送ロボット57によっ
て該ワークが位置決め治具から取り外され、搬送ロボッ
ト56によって次のワークが位置決め治具にセットされ
るまでの間、待機状態となる。
【0012】さらに、第1増打ちステーション52と第
2増打ちステーション53とにおける溶接処理時間を一
致させることは困難であり、両ステーション52・52
間で溶接処理時間にいくらかのずれが生じるのは拒めな
い。このため、通常、第2増打ちステーション53で溶
接処理を行う溶接ロボット60において、上記両ステー
ション52・52間の溶接処理時間差分だけの待機状態
が生じる。
【0013】上記のように、従来の構成では、溶接ライ
ンに設置された何れの溶接ロボット58〜60にも、搬
送ロボット55〜57によるワーク交換時に待機状態が
生じると共に、溶接ステーションが複数存在する場合、
何台かの溶接ロボットは、各ステーション間の溶接処理
時間差分だけ待機状態となり、溶接ロボット58〜60
の稼働率が低く、溶接ラインの処理能力(単位時間当た
りのワークの処理数)を充分に高めることができないと
いう問題を有している。
【0014】ところで、実開昭64−38184号公報
には、ロボットアームの端部にスポット溶接ガン等の溶
接手段とクランプ装置等の保持手段とを備えた溶接ロボ
ットとが開示されており、1台のロボットで溶接処理と
ワークの搬送とが可能となっている。そこで、この溶接
ロボットを溶接ラインに使用することにより、ロボット
の設置台数を削減することが可能となるが、その反面、
ロボットに溶接処理と搬送とを行わせるための制御およ
びケーブル処理が複雑になるという不都合が生じる。ま
た、この溶接ロボットにおいては、自らがワークの搬送
をしているときは、溶接処理が行えないので、この溶接
ロボットを用いた溶接ラインの処理能力は低いものとな
る。
【0015】本発明は、上記に鑑みなされたものであ
り、その目的は、搬送ロボット(搬送手段)の数を削減
することによって、装置コストの低減を図ることができ
る溶接ラインを提供することにある。
【0016】また、本発明のその他の目的は、溶接ロボ
ット(溶接手段)の待機ロス時間の削減によって処理能
力の向上を図ることができる溶接ラインを提供すること
にある。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る溶
ラインは、上記の課題を解決するために、被溶接物の
溶接処理が行われる複数の溶接ステーションと、2つの
被溶接物を同時に保持可能な2つの保持部を有する保持
装置を備えた1つの搬送手段と、上記搬送手段の動作を
制御する制御手段とを備え、上記制御手段は、上記保持
装置の一方の保持部にて1つの未処理被溶接物を保持さ
せた状態で上記搬送手段を溶接ステーションに移動さ
せ、該溶接ステーションで溶接処理が行われた処理済被
溶接物を上記保持装置の他方の保持部にて保持させて該
溶接ステーションから取り出させた後、該溶接ステーシ
ョンに上記未処理被溶接物をセットする動作を、各溶接
ステーションで行うように上記搬送手段の動作を制御す
ることを特徴としている。
【0018】また、請求項2の発明に係る溶接ライン
は、上記の課題を解決するために、上記構成において、
数の溶接ステーションで溶接処理を行うことができる
共用溶接手段(例えば、溶接ロボット)を備え、上記制
御手段は、上記搬送手段によって処理済被溶接物と未処
理被溶接物との交換が行われている溶接ステーション以
外の溶接ステーションで溶接処理を行うように、上記共
用溶接手段の動作を制御することを特徴としている。
【0019】
【作用】上記請求項1の発明の構成によれば、搬送手段
は、2つの被溶接物を同時に保持可能であり、未処理被
溶接物を保持した状態で溶接ステーションに移動し、該
溶接ステーションで、先ず、処理済被溶接物を保持して
取り出し、その後、該溶接ステーションに上記未処理被
溶接物をセットするようになっている。これにより、あ
るステーション(未処理被溶接物が載置されている場
所)から溶接ステーションへの未処理被溶接物の搬送
と、上記溶接ステーションから他のステーション(処理
済被溶接物を載置する場所)への処理済被溶接物の搬送
が1つの搬送手段によって可能となる。
【0020】また、溶接ステーションが2つ以上存在す
る場合でも、上記同様に、各溶接ステーションにおい
て、処理済被溶接物の取り出しと未処理被溶接物のセッ
トとを行えば、1つの搬送手段によって全ての被溶接物
の搬送が可能となる。
【0021】また、上記請求項2の発明の構成によれ
ば、共用溶接手段は、複数の溶接ステーションにおいて
溶接処理を行うことが可能であり、搬送手段によって処
理済被溶接物と未処理被溶接物との交換が行われている
溶接ステーション以外の溶接ステーションで溶接処理を
行うようになっている。これにより、上記共用溶接手段
には、従来では必要であった被溶接物の交換時の待機ロ
スが生じることはなく、したがって、本溶接装置におい
ては、従来よりも処理能力の向上が図られる。
【0022】
【実施例】本発明の一実施例について図1ないし図8に
基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0023】本実施例に係る溶接装置(溶接ライン)
は、図1に示すように、複数のワークの相対的な位置決
めを正確に行った上で、所定箇所の溶接を行い、各ワー
クの相対的な位置を保持する仮付け溶接が行われる仮付
け溶接ステーションSTA 、仮付け箇所以外の部位の溶
接が行われる第1および第2増打ちステーション(溶接
ステーション)ST1 ・ST2 、および、溶接処理済み
のワークが載置される処理済みワーク載置ステーション
STB を備えている。
【0024】上記仮付け溶接ステーションSTA には、
回転テーブル29が設けられており、この回転テーブル
29上には、3つの位置決め治具30…が略等間隔で設
けられている。上記回転テーブル29は、テーブル駆動
装置34(図4参照)に駆動され、所定時間毎に略12
0°回転するようになっている。上記位置決め治具30
には、自動車のフロア等の大型ワークWA と、この大型
ワークWA に溶接される小型ワークWB とを保持する図
示しないクランプ装置が設けられている。
【0025】上記位置決め治具30…の周囲には、大型
ワークWA の裏面に溶接される図示しない小型ワーク
を、作業者が位置決め治具30の所定位置にセットする
ためのマニュアルセットステーション31、所定位置に
載置されている上記大型ワークWA および小型ワークW
B を搬送して位置決め治具30にセットする搬送ロボッ
ト32、および、仮付け溶接を行う2台の仮付け溶接ロ
ボット33・33が設けられている。
【0026】上記搬送ロボット32は、フロアに敷設さ
れたレール32a上を移動可能であると共に、ロボット
アーム32bの端部に上記大型ワークWA および小型ワ
ークWB をクランプするためのクランプ装置(図示せ
ず)を備えている。また、上記溶接ロボット33は、ロ
ボットアーム33aの端部にスポット溶接ガン(図示せ
ず)を備えている。
【0027】上記第1および第2増打ちステーションS
1 ・ST2 には、それぞれ、仮付け溶接ステーション
STA で大型ワークWA に小型ワークWB と図示しない
小型ワークとが仮付け溶接されたもの(以下、ワークW
C と称する)を位置決め保持する位置決め治具12・1
2が設けられている。
【0028】また、フロアには、上記仮付け溶接ステー
ションSTA における溶接処理位置34付近から、上記
第1および第2増打ちステーションST1 ・ST2 の近
傍を通って、処理済みワーク載置ステーションSTB
近へと延びるレール2が敷設されており、このレール2
上には、レール2に沿って自由に移動できる搬送ロボッ
ト(搬送手段)1が設けられている。
【0029】上記搬送ロボット1は、図2に示すよう
に、胴体部1aがa方向に旋回し、上碗部1bがb方向
に揺動し、前碗部1cがc方向に揺動すると共にd方向
に回動し、手首部1dがe方向に揺動すると共にf方向
に回動するようになっている。また、上記手首部1dに
は、被溶接物としての上記ワークWC を2つ保持するこ
とができるクランプ機構(保持装置)3が取り付けられ
ている。
【0030】上記クランプ機構3は、図3に示すよう
に、略直角をなす第1フレーム4aと第2フレーム4b
との端部同士を接続してなるL字状のベースフレーム4
を有し、このベースフレーム4が取り付け部材7によっ
て上記搬送ロボット1の手首部1dに取り付けられてい
る。上記ベースフレーム4の第1および第2フレーム4
a・4bには、上記ワークWC をクランプするための複
数のクランプ装置5…、および、ワークWC を支持する
ための複数の支持部6…が設けられている。そして、上
記クランプ機構3は、第1フレーム4aに設けられたク
ランプ装置5…および支持部6…により、1つのワーク
C を保持することができると共に、第2フレーム4b
に設けられたクランプ装置5…および支持部6…によ
り、もう1つのワークWC を保持することができるよう
になっている。以下、第1フレーム4aに設けられたク
ランプ装置5…および支持部6…を第1クランプ部3
a、第2フレーム4bに設けられたクランプ装置5…お
よび支持部6…を第2クランプ部3bとする。
【0031】図1に示すように、上記第1増打ちステー
ションST1 の近傍には、第1増打ちステーションST
1 において溶接を行う専用の第1溶接ロボット8が設け
られている。また、第1および第2増打ちステーション
ST1 ・ST2 の近傍で、且つ、両ステーションST1
・ST2 からの距離が略等しい位置には、第1および第
2増打ちステーションST1 ・ST2 の何れにおいても
溶接が可能な第2溶接ロボット(共用溶接手段)9が設
けられている。さらに、第2増打ちステーションST2
の近傍には、第2増打ちステーションST2 において溶
接を行う専用の第3溶接ロボット10が設けられてい
る。
【0032】上記の第1ないし第3溶接ロボット8〜1
0は、胴体部がフロアに固定されており、且つ、手首部
に上記クランプ装置3の代わりに図示しないスポット溶
接ガンが設けられている以外は、上記搬送ロボット1と
略同様の構成であるため、その説明は省略する。
【0033】また、上記溶接装置は、図4に示すよう
に、仮付け溶接ステーションSTA に設けられている搬
送ロボット32、仮付け溶接ロボット33・33および
テーブル駆動装置34の各動作を制御すると共に、増打
ち工程ラインに設けられている搬送ロボット1および第
1ないし第3溶接ロボット8〜10の各動作を制御する
マイクロコンピュータ等からなる制御装置(制御手段)
11を有しており、この制御装置11により装置の自動
運転が可能となっている。
【0034】上記の構成において、溶接装置の動作を以
下に説明する。
【0035】先ず、仮付け溶接ステーションSTA にお
いてワークの仮付け溶接が行われる。即ち、所定周期で
回転と停止を連続的に繰り返す回転テーブル29上に配
設された3つの位置決め治具30に、作業者がマニュア
ルセットステーション31において図示しない小型ワー
クを、順次セットすることになる。また、上記作業者に
よる小型ワークセット後の位置決め治具30に、搬送ロ
ボット32が大型ワークWA と小型ワークWB とを、順
次セットすることになる。そして、全ての被溶接ワーク
が位置決め治具30にセットされた後、溶接処理位置3
4において2台の仮付け溶接ロボット33・33によっ
て仮付け溶接が行われる。
【0036】上記のように仮付け溶接が行われたワーク
C は、搬送ロボット1により位置決め治具30から取
り出される。即ち、搬送ロボット1は、レール2の溶接
処理位置34側端に移動し、仮付け溶接されたワークW
C を、クランプ機構3によってクランプして位置決め治
具30から取り外す。
【0037】次に、搬送ロボット1は、上記のクランプ
したワークWC を仮付け溶接ステーションSTA から第
1増打ちステーションST1 へと搬送し、該ワークWC
を位置決め治具12にセットする。
【0038】上記のように、第1増打ちステーションS
1 の位置決め治具12にワークWC がセットされる
と、直ちに、第1溶接ロボット8および第2溶接ロボッ
ト9による溶接処理が開始される。
【0039】一方、上記搬送ロボット1は、ワークWC
のセット後、再び仮付け溶接ステーションSTA へと戻
って、仮付け溶接された次のワークWC を位置決め治具
30から取り外し、このワークWC を、今度は、第2増
打ちステーションST2 へと搬送して、該ワークWC
位置決め治具12にセットする。
【0040】上記のように、第2増打ちステーションS
2 の位置決め治具12にワークWC がセットされる
と、直ちに、第3溶接ロボット10による溶接処理が開
始される。
【0041】また、上記搬送ロボット1は、ワークWC
のセット後、再び、レール2の溶接処理位置34側端に
移動し、仮付け溶接された次のワークWC を位置決め治
具30から取り外し、このワークWC を、今度は、第1
増打ちステーションST1 へと搬送することになる。
尚、上記搬送ロボット1は、ワークWC を2つ保持可能
なクランプ機構3を有しているが、この場合、クランプ
機構3の第1クランプ部3aでワークWC をクランプ
し、第2クランプ部3bは何もクランプしていない状態
となる。
【0042】ここで、上記第1増打ちステーションST
1 では、第1および第2溶接ロボット8・9による溶接
処理が行われているが、この溶接処理完了後、第2溶接
ロボット9は、直ちに、第2増打ちステーションST2
における溶接処理を開始する。即ち、この後、第2増打
ちステーションST2 では、第2および第3溶接ロボッ
ト9・10によって溶接処理が行われることになる。
【0043】上記のように第1増打ちステーションST
1 における溶接処理が終了した後、上記搬送ロボット1
は、何もクランプしていない第2クランプ部3bで、処
理済被溶接物としての溶接済みのワークWC をクランプ
して位置決め治具12から取り外すと共に、第1クラン
プ部3aでクランプしている未処理被溶接物としての次
のワークWC を、位置決め治具12にセットする。
【0044】上記のように、第1増打ちステーションS
1 の位置決め治具12に次のワークWC がセットされ
ると、直ちに、第1溶接ロボット8による溶接処理が開
始される。
【0045】一方、溶接済みのワークWC をクランプし
た搬送ロボット1は、レール2の処理済みワーク載置ス
テーションSTB 側端に移動し、該ステーションSTB
に配置されたパレット13上に、該溶接済みのワークW
C を載置する。この後、搬送ロボット1は、再び、レー
ル2の溶接処理位置34側端に移動し、仮付け溶接され
た次のワークWC を位置決め治具30から取り外し、こ
のワークWC を、今度は、第2増打ちステーションST
2 へと搬送することになる。尚、この場合も、搬送ロボ
ット1は、クランプ機構3の第1クランプ部3aでワー
クWC をクランプし、第2クランプ部3bは何もクラン
プしていない状態となる。
【0046】ここで、上記第2増打ちステーションST
2 では、第2および第3溶接ロボット9・10による溶
接処理が行われているが、この溶接処理完了後、第2溶
接ロボット9は、直ちに、第1増打ちステーションST
1 における溶接処理を開始する。即ち、この後、第1増
打ちステーションST1 では、第1および第2溶接ロボ
ット8・9によって溶接処理が行われることになる。
【0047】上記のように第2増打ちステーションST
2 における溶接処理が終了した後、上記搬送ロボット1
は、何もクランプしていない第2クランプ部3bで、溶
接済みのワークWC をクランプして位置決め治具12か
ら取り外すと共に、第1クランプ部3aでクランプして
いる次のワークWC を、位置決め治具12にセットす
る。
【0048】上記のように、第2増打ちステーションS
2 の位置決め治具12に次のワークWC がセットされ
ると、直ちに、第3溶接ロボット10による溶接処理が
開始される。
【0049】一方、溶接済みのワークWC をクランプし
た搬送ロボット1は、レール2の処理済みワーク載置ス
テーションSTB 側端に移動し、該ステーションSTB
に配置されたパレット13上に、該溶接済みのワークW
C を載置する。この後、搬送ロボット1は、再び、レー
ル2の溶接処理位置34側端に移動し、仮付け溶接され
た次のワークWC を位置決め治具30から取り外し、こ
のワークWC を、今度は、第1増打ちステーションST
1 へと搬送することになる。
【0050】この後、搬送ロボット1は、上記同様にし
て、仮付け溶接されたワークWC を第1および第2増打
ちステーションST1 ・ST2 に交互に搬送し、上記各
ステーションST1 ・ST2 において、溶接済みのワー
クWC と上記仮付け溶接されたワークWC とのワーク交
換を行い、溶接済みのワークWC を処理済みワーク載置
ステーションSTB へ搬送するという動作を繰り返す。
また、第1ないし第3溶接ロボット8〜10も、上記同
様の動作を繰り返し、搬送ロボット1によって第1およ
び第2増打ちステーションST1 ・ST2 に順次セット
されるワークWC を溶接する。
【0051】以上のようにして、仮付け溶接ステーショ
ンSTA で仮付け溶接されたワークWC が、順次、第1
および第2増打ちステーションST1 ・ST2 において
溶接処理され、処理済みワーク載置ステーションSTB
へ送られる。
【0052】ここで、制御装置11の搬送ロボット1に
対する制御を示す図6のフローチャートに基づいて、搬
送ロボット1の動作に注目してみると、搬送ロボット1
は、先ず、仮付け溶接ステーションSTA へ移動し(S
1)、仮付け溶接されたワークWC を第1クランプ部3
aでクランプして位置決め治具30から取り外す(S
2)。次に、前回における仮付け溶接されたワークWC
の搬送場所が、第2増打ちステーションST2 であった
なら(S3)、第1増打ちステーションST1 へ移動す
る(S4)。そして、第1増打ちステーションST1
おける溶接処理の終了後(S5)、溶接済みのワークW
C を第2クランプ部3bでクランプして位置決め治具1
2から取り外す(S6)と共に、第1クランプ部3aで
クランプしているワークWC を、位置決め治具12にセ
ットする(S7)。次に、溶接済みのワークWC を処理
済みワーク載置ステーションSTB へ搬送し、該ワーク
Cをパレット13上に載置した後(S8)、再び上記
のS1およびS2を実行して仮付け溶接された次のワー
クWC をクランプし、S3でNOなので、今度は、第2
増打ちステーションST2 へ移動し(S9)、以下、上
記の動作を繰り返す。即ち、上記搬送ロボット1の各ス
テーション間の移動は、図5に示すように、A〜Fの順
に行われる。
【0053】このように、上記搬送ロボット1は、2つ
のワークWC を同時に保持することができるクランプ機
構3を備えており、第1および第2増打ちステーション
ST1 ・ST2 において、位置決め治具12からの溶接
済みワークWC の取り出しと、位置決め治具12への次
のワークWC のセットとを行う構成である。
【0054】これにより、4つのステーションSTA
ST1 ・ST2 ・STB 間のワークWC の搬送を1台の
搬送ロボット1のみで行うことが可能となる。従来で
は、4つのステーション間の搬送には、3台の搬送ロボ
ットが必要であったことを考えると、本実施例では、搬
送ロボットの台数の削減によるコストの低減が図られ
る。
【0055】また、従来では、溶接処理中は搬送ロボッ
トが待機状態となり、搬送ロボットの稼働率が非常に低
いものとなっているのに対し、本実施例では、搬送ロボ
ット1は連続的に搬送作業が行え、搬送ロボット1に殆
ど待機状態が生じることがなく、稼働率が非常に高い。
【0056】次に、制御装置11の第1ないし第3溶接
ロボット8〜10に対する制御を示す図7および図8の
フローチャートに基づいて、第1ないし第3溶接ロボッ
ト8〜10の動作に注目してみる。
【0057】先ず、第1溶接ロボット8および第3溶接
ロボット10は、図7に示すように、搬送ロボット1に
よって位置決め治具12にセットされたワークWC を溶
接処理し(S10)、この溶接処理が完了後(S1
1)、搬送ロボット1によるワークWC の交換中は、待
機状態となり(S12)、次のワークWC が位置決め治
具12にセットされた後(S13)、溶接処理を開始す
る(S10)。このように、搬送ロボット1によるワー
クWC の交換中に第1および第3溶接ロボット8・10
に待機状態が生じる。
【0058】一方、第2溶接ロボット9は、図8に示す
ように、第1増打ちステーションST1 において上記第
1溶接ロボット8と共に溶接処理を行い(S14)、こ
の溶接処理が完了後(S15)、直ちに、第2増打ちス
テーションST2 において上記第3溶接ロボット10と
共に溶接処理を行い(S16)、この溶接処理が完了後
(S17)、直ちに上記S14に移行し、以下、第1増
打ちステーションST1 と第2増打ちステーションST
2 とにおける溶接処理を連続して繰り返す。
【0059】このように、上記第2溶接ロボット9は、
第1および第2増打ちステーションST1 ・ST2 で共
用され、何れのステーションST1 ・ST2 においても
溶接処理が可能であり、一方のステーションST1 (S
2 )において、搬送ロボット1によるワークWC の交
換が行われているときは、他方のステーションST
2(ST1 )において溶接処理を行う構成となっている
ので、待機ロスが生じることはない。
【0060】従来では、溶接ラインに設置された何れの
溶接ロボットにも、搬送ロボットによるワーク搬送交換
時に待機状態が生じていたが、本実施例では、第1およ
び第3溶接ロボット8・10に待機状態が生じるもの
の、第2溶接ロボット9には待機状態が生じることはな
く、したがって、本実施例の溶接装置は、従来よりも処
理能力(単位時間当たりのワークの処理数)の向上が図
られている。
【0061】また、従来では、増打ちステーションが複
数存在する場合、各ステーション間の溶接処理時間を一
致させることは困難であり、各ステーション間の溶接処
理時間差分だけ溶接ロボットおよび搬送ロボットが待機
状態となり、これが処理能力のさらなる低下を来してい
る。これに対し、本実施例では、第1および第2増打ち
ステーションST1 ・ST2 においては、同一の溶接処
理が行われるため、両ステーションST1 ・ST2 間に
は殆ど溶接処理時間差が生じることがなく、したがっ
て、各ステーション間の溶接処理時間差に起因するロボ
ットの待機ロスがない点からも、本実施例の溶接装置
は、従来よりも処理能力の向上が図られていると言え
る。
【0062】ところで、ワークWC の種類変更がなされ
る場合では、それに応じて位置決め治具12・12およ
び搬送ロボット1のクランプ機構3の変更が必要となる
が、本実施例では、このワークWC の種類変更にも従来
よりも容易に対応可能である。即ち、従来では、増打ち
ステーションが複数存在する場合、各増打ちステーショ
ン毎に異なった位置決め治具を製作する必要があった
が、本実施例では、第1および第2増打ちステーション
ST1 ・ST2 にそれぞれ設けられている位置決め治具
12・12は、同一の溶接処理を行うためのものであ
り、同一の構成である。したがって、本実施例では、図
面の共通化等により、位置決め治具12・12の製作コ
ストを従来よりも削減することができる。また、従来で
は、3台の搬送ロボットのクランプ機構を変更する必要
があったが、本実施例では、一台の搬送ロボット1のク
ランプ機構3のみを変更するだけでワークWC の種類変
更に対応できる。
【0063】尚、本実施例では、第1および第2増打ち
ステーションST1 ・ST2 の2つのステーションで増
打ち工程が行われるようになっているが、これに限定さ
れるものではなく、3つ以上の溶接ステーションで増打
ち工程が行われるようになっていてもよい。但し、増打
ち工程における溶接ステーション数は、各溶接ステーシ
ョンにおける溶接処理時間と、搬送ロボットの搬送処理
能力に応じて設定する必要がある。
【0064】上記実施例は、あくまでも、本発明の技術
内容を明らかにするものであって、そのような具体例に
のみ限定して狭義に解釈されるべきものではなく、本発
明の精神と特許請求事項の範囲内で、いろいろと変更し
て実施することができるものである。
【0065】
【発明の効果】請求項1の発明の溶接ラインは、以上の
ように、被溶接物の溶接処理が行われる複数の溶接ステ
ーションと、2つの被溶接物を同時に保持可能な2つの
保持部を有する保持装置を備えた1つの搬送手段と、上
記搬送手段の動作を制御する制御手段とを備え、上記制
御手段は、上記保持装置の一方の保持部にて1つの未処
理被溶接物を保持させた状態で上記搬送手段を溶接ステ
ーションに移動させ、該溶接ステーションで溶接処理が
行われた処理済被溶接物を上記保持装置の他方の保持部
にて保持させて該溶接ステーションから取り出させた
後、該溶接ステーションに上記未処理被溶接物をセット
する動作を、各溶接ステーションで行うように上記搬送
手段の動作を制御する構成である。
【0066】それゆえ、溶接ステーションを含む3以上
のステーション間の被溶接物の搬送が上記1つの搬送手
段によって可能となり、従来よりも搬送手段の数を削減
することができ、したがって、装置のコストの低減が図
られるという効果を奏する。
【0067】また、請求項2の発明の溶接ラインは、以
上のように、上記構成において、複数の溶接ステーショ
ンで溶接処理を行うことができる共用溶接手段を備え、
上記制御手段は、上記搬送手段によって処理済被溶接物
と未処理被溶接物との交換が行われている溶接ステーシ
ョン以外の溶接ステーションで溶接処理を行うように、
上記共用溶接手段の動作を制御する構成である。
【0068】それゆえ、上記共用溶接手段には、従来で
は必要であった被溶接物の交換時の待機ロスを生じるこ
とがないため、従来よりも装置の処理能力の向上が図ら
れるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すものであり、溶接装置
の概略の平面図ある。
【図2】上記溶接装置における搬送ロボットを示す概略
の正面図である。
【図3】上記搬送ロボットのクランプ機構を示す概略の
正面図である。
【図4】上記溶接装置の要部の構成を示すブロック図で
ある。
【図5】上記搬送ロボットのステーション間の移動順序
を示す説明図である。
【図6】上記溶接装置における制御装置の上記搬送ロボ
ットに対する制御動作を示すフローチャートである。
【図7】上記制御装置の第1および第3溶接ロボットに
対する制御動作を示すフローチャートである。
【図8】上記制御装置の第2溶接ロボットに対する制御
動作を示すフローチャートである。
【図9】従来例を示すものであり、溶接装置(溶接ライ
ン)の概略の平面図ある。
【符号の説明】
1 搬送ロボット(搬送手段) 2 レール 3 クランプ機構(保持装置) 3a 第1クランプ部 3b 第2クランプ部 8 第1溶接ロボット 9 第2溶接ロボット(共用溶接手段) 10 第3溶接ロボット 11 制御装置(制御手段) STA 仮付け溶接ステーション ST1 第1増打ちステーション(溶接ステーション) ST2 第2増打ちステーション(溶接ステーション) STB 処理済みワーク載置ステーション WC ワーク(被溶接物)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 11/11 B23K 11/24 B23K 37/00 B23K 37/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被溶接物の溶接処理が行われる複数の溶接
    ステーションと、 2つの被溶接物を同時に保持可能な2つの保持部を有す
    る保持装置を備えた1つの搬送手段と、 上記搬送手段の動作を制御する制御手段とを備え、 上記制御手段は、上記保持装置の一方の保持部にて1つ
    の未処理被溶接物を保持させた状態で上記搬送手段を溶
    接ステーションに移動させ、該溶接ステーションで溶接
    処理が行われた処理済被溶接物を上記保持装置の他方の
    保持部にて保持させて該溶接ステーションから取り出さ
    せた後、該溶接ステーションに上記未処理被溶接物をセ
    ットする動作を、各溶接ステーションで行うように上記
    搬送手段の動作を制御することを特徴とする溶接ライ
  2. 【請求項2】数の溶接ステーションで溶接処理を行う
    ことができる共用溶接手段を備え、 上記制御手段は、上記搬送手段によって処理済被溶接物
    と未処理被溶接物との交換が行われている溶接ステーシ
    ョン以外の溶接ステーションで溶接処理を行うように、
    上記共用溶接手段の動作を制御することを特徴とする
    求項1記載の溶接ライン
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