JP3304023B2 - 燃焼装置 - Google Patents

燃焼装置

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JP3304023B2
JP3304023B2 JP31560994A JP31560994A JP3304023B2 JP 3304023 B2 JP3304023 B2 JP 3304023B2 JP 31560994 A JP31560994 A JP 31560994A JP 31560994 A JP31560994 A JP 31560994A JP 3304023 B2 JP3304023 B2 JP 3304023B2
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透 鶴田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、瞬間式給湯機に適用さ
れる燃焼装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の燃焼装置においては、バーナを点
火する際、これを安全かつ確実に行うために、要求熱量
より低い熱量で緩点火した後、要求熱量による通常燃焼
に移行する方法が採用されている。
【0003】例えば、バーナを1個備えた燃焼装置で
は、図1、2に示すように、まず熱量f0を緩点火ポイ
ントとして緩点火させ、その後、要求熱量F1での燃焼
に移行している。この場合、緩点火に0.5秒程度の時
間を必要とする。また、バーナを2個備えた燃焼装置で
は、図3、4に示すように、まず熱量f01を緩点火ポイ
ントとして第1バーナを緩点火させ、次に熱量f02(f
01<f02<F1)を緩点火ポイントとして第2バーナを
緩点火させた後、要求熱量F1での燃焼に移行してい
る。この場合、緩点火に1秒程度の時間を必要とする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、家庭用瞬間
式給湯機の熱交換器の水容量は200CC程度であるが、
例えばシャワーを利用した場合、シャワーとして快適と
される流量は、通常、12リットル/分程度とされているた
め、この流量だと熱交換器内の200ccの湯は約1秒で
入れ替わることになる。
【0005】そのため、シャワー等を断続利用した場
合、再点火時の出湯性の良否は、上記1秒の間に如何に
短時間でバーナの燃焼量を要求熱量にまで立上げること
ができるかによって左右されることとなる。
【0006】しかしながら、上記従来の装置において
は、バーナの熱量を要求熱量まで立上げるのにバーナ1
個の装置で約0.5秒、バーナ2個の装置で約1秒とい
う緩点火の時間を要するので、シャワー等の断続使用時
には再出湯時に湯温のアンダーシュートを惹き起すとい
う不具合がある。この不具合は、特に、バーナを2個以
上備えた燃焼装置において顕著である。
【0007】そこで、この問題を解決するための一つの
方策として、緩点火ポイントf0(又はf01、f02)を
従来より高く設定する方法が提案されたが、点火時には
ある程度の着火遅れが必ずあるため、緩点火ポイントを
高くすると、この着火遅れによる未燃焼ガスの放出量が
多くなるという別の問題が生じる。
【0008】従って本発明の目的は、燃焼装置におい
て、点火の際に着火遅れによる未燃焼ガスの発生を出来
るだけ抑止しつつ、出力熱量を出来るだけ短時間で要求
熱量まで立ち上げられるようにし、もって、例えば瞬間
式給湯機における給湯ワンストップ後の再出湯時に、安
定して目標湯温の出湯が得られるようにすることにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の観点に従
う燃焼装置は、バーナ及び燃焼室を備え、着火時に緩点
火燃焼量で緩点火を行った後、必要燃焼量での定常燃焼
に移行するように制御されるもので、上記バーナ及び上
記燃焼室の暖まり程度を判断する判断手段と、上記判断
手段からの判定結果に応じて上記緩点火燃焼量を可変す
る緩点火制御手段と、を有し、上記緩点火制御手段が、
上記バーナ及び上記燃焼室が所定程度以上暖まっている
ことを示す判断結果を受けて、上記緩点火燃焼量を比較
的大きくし、上記所定程度以上には暖まっていないこと
を示す判断結果を受けて、上記緩点火燃焼量を比較的小
さくする。また、本発明の第2の観点に従う燃焼装置
は、複数のバーナと燃焼室とを備え、着火時に緩点火燃
焼量で緩点火を行った後、必要燃焼量での定常燃焼に移
行するように制御されるもので、上記各バーナ及び上記
燃焼室の暖まり程度を判断する判断手段と、上記判断手
段からの判定結果に応じて上記緩点火燃焼量を可変する
緩点火制御手段と、を有し、上記緩点火制御手段が、上
記定常燃焼において上記複数のバーナを同時に燃焼させ
る必要がある場合には、上記緩点火燃焼量を可変するた
めに、上記判断結果に応じて、同時着火させるバーナの
個数を可変すると共に、上記バーナ及び上記燃焼室が所
定程度以上暖まっていることを示す判断結果を受けて、
上記緩点火燃焼量を比較的大きくし、上記所定程度以上
には暖まっていないことを示す判断結果を受けて、上記
緩点火燃焼量を比較的小さくする。
【0010】
【作用】本発明の第1の観点に従う燃焼装置では、予め
バーナ及び燃焼室の暖まり具合を判断して、その結果に
応じて緩点火の燃焼量を調整する。より具体的には、バ
ーナ及び燃焼室が所定程度以上暖まっている場合には、
比較的大きい燃焼量で緩点火を行い、所定程度以上には
暖まっていない場合には、比較的小さい燃焼量で緩点火
を行う。
【0011】これは、最適着火の成否がバーナや燃焼室
の温度によって左右される点に着目したものである。即
ち、その温度が十分高い時は、着火が容易で着火遅れが
生じにくいのに対し、温度が低い時は、着火遅れが生じ
やすい。そのため、本発明の第1の観点のように、温度
が高い時だけ緩点火の燃焼量を大きくすることにより、
着火遅れによる未燃焼ガスの発生を回避しつつ、温度が
高い時には必要燃焼量へ速やかに立ち上がると共に着火
時の出力熱量も大きくできるというメリットが得られ
る。
【0012】特に、給湯機に本発明を適用した場合、例
えばシャワーの断続使用を行っても、再着火時の湯温上
昇速度が向上するので、湯温のアンダーシュートが改善
され、捨水の量も減るなどの効果がある。
【0013】本発明の第2の観点に従う燃焼装置では、
定常燃焼において上記複数のバーナを同時に燃焼させる
必要がある場合、一般の緩点火シーケンスでは、最初に
一つのバーナに点火し、その後に他のバーナにも点火
し、というように段階的に燃焼するバーナの個数を増加
させている。この段階的なシーケンスをそのまま採用し
て、このシーケンスの中でバーナや燃焼室の温度の高低
に応じて各バーナの緩点火燃焼量を違えるようにするこ
とができる。また、温度が低い時は上記段階的なシーケ
ンスを実行するが、温度が高い時は、複数バーナを一挙
に同時点火するようにすることもできる。
【0014】この後者のシーケンスによれば、緩点火全
体の時間を短かくできるため、上記したメリットが一層
顕著となる。
【0015】バーナや燃焼室の暖まり具合を判断する方
法としては、第1に燃焼室の温度を検出するという方法
があるが、その他に、出湯温度に基づいて判断する方法
や、着火直前の燃焼停止の時間に基づいて判断する方法
もある。燃焼室温度や出湯温度により判断する方法で
は、判断が正確であると共に、それらの温度センサが燃
焼制御のために元々備えられていれば、コスト増加の問
題も生じない。また、燃焼停止時間により判断する方法
は、上記の温度センサが元々備ってない燃焼装置におい
ても、ソフトウェアのみで対応でき格別のハード部品の
増加が不要なため、コストアップとならないというメリ
ットがある。
【0016】また、燃焼停止時間に基づいて判断する方
法では、、更に、前回の燃焼時間も加味することができ
る。これにより、前回の燃焼によってバーナや燃焼室が
暖められた程度も判断材料となるため、判断がより正確
となる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を、図面により詳細に
説明する。
【0018】図5は、本発明の一実施例である複数バー
ナタイプの給湯機の構成を示す。この給湯機は、給水管
1、熱交換器3、給湯管5、燃焼室7、ガス供給管9、
ファン11及びコントローラ31を備える。
【0019】給水管1には、水流を検知したか否かによ
りオン/オフする水流スイッチ13が、給湯管5には、
出湯温度を検出する出湯サーミスタ15が、夫々設けら
れている。
【0020】燃焼室7内には、2つのバーナつまり第1
バーナ17及び第2バーナ18を始め、第1バーナ17
に点火するためのイグナイタ19、燃焼室温度を検出す
る燃焼室サーミスタ21及び着火(炎)の有無を検知す
るフレームセンサ23が設けられている。
【0021】ガス供給管9には、全体的なガス供給をオ
ン/オフするための元電磁弁25、全体的なガス供給量
を調節するための比例弁27、及び一方又は双方のバー
ナを選択するための切替弁29、30が設けられてい
る。
【0022】コントローラ31は、上記した水流スイッ
チ13、出湯サーミスタ15、燃焼室サーミスタ21及
びフレームセンサ23からの検出信号や、リモートコン
トローラ(図示しない)からの湯温設定値TS等を入力
して、ファン11、イグナイタ19、元電磁弁25、比
例弁27及び切替弁29、30等の動作を制御する。
【0023】コントローラ31が行う制御の内、本発明
に直接関連するものは点火時の燃焼量の制御であり、そ
の概略は次の通りである。
【0024】点火時、まず、バーナ17、18及び燃焼
室7がある程度の温度以上に暖まっているか否かを判断
する。この判断は、例えば燃焼室サーミスタ21が検出
した燃焼室温度TKに基づいて行なう。この判断の結
果、暖まっている場合には、所定の比較的高い(=出力
熱量の大きい)緩点火ポイントで緩点火を行い(以下、
この緩点火モードをホットモードという)、一方暖まっ
ていない場合には、所定の比較的低い(=出力熱量の小
さい)緩点火ポイントで緩点火を行う(以下、この緩点
火モードをコールドモードという)。この制御は、点火
時の着火遅れはバーナ及び燃焼室が冷めている時に起こ
りやすく、暖まっているときには起こりにくいという事
実を利用したもので、バーナ及び燃焼室がある程度以上
暖まっているときには高い緩点火ポイントで点火するこ
とにより、より速やかに要求熱量まで燃焼量を立ち上げ
ることができる共に、着火遅れが少ないため未燃焼ガス
の発生が実質的に問題とならないというメリットが得ら
れる。
【0025】図6は、この制御動作を示したフローチャ
ートで、運転スイッチがオンの状態で水流スイッチがタ
ーンオンすると(ステップS101)、燃焼室サーミス
タ21からの燃焼室温度TKを読込んで、この燃焼室温
度TKが所定温度、例えば30℃より大きいか否かをチ
ェックする(ステップS102)。このチェックの結
果、TK>30℃であると認識すると、緩点火のシーケ
ンスとしてホットモード用の所定シーケンスを設定する
(ステップS103)。一方、ステップS102でTK
≦30℃と認識すると、緩点火のシーケンスとしてコー
ルドモード用の所定シーケンスを設定する(ステップS
106)。
【0026】この後、その設定号数で緩点火が行われ
(ステップS104)、緩点火のシーケンスが実行され
た後、要求熱量による比例燃焼制御に移行することとな
る(ステップS105)。
【0027】なお、ステップS101で運転スイッチ又
は水流スイッチの一方がオフの時には、装置が燃焼中か
否かをチェックし(ステップS107)、燃焼中である
ときには消火を行うこととなる(ステップS108)。
【0028】図7は、ホットモード及びコールドモード
の緩点火シーケンスを示すタイムチャートである。ホッ
トモードとコールドモードの相違は、図7の最下部に示
した燃焼量の制御にあり、ホットモードの燃焼量は実線
でコールドモードの燃焼量は破線で示してある。
【0029】図7において、時刻t1で給水管1内の流
量が必要着火最小流量に達したことにより水流スイッチ
13がオン(即ち、着火条件が成立)すると、比例弁2
7が開き、且つ、ファン11が回転を開始する。比例弁
27の開度は、装置がホットモードに設定されていると
きには符号aで示した比較的大きい燃焼量が得られるよ
う設定され、コールドモードの時には符号bで示した比
較的小さい燃焼量が得られるように設定される。
【0030】時刻t2でファン11の回転数が安定する
と(図示しない回転数センサからの出力で安定したか否
かのチェック可能)、元電磁弁25を開き、次に、時刻
t3でイグナイタ19が起動し、時刻t1から所定のプリ
パージ時間が経過した時刻t4で、第1バーナ17に対
応する切替弁29が開く。
【0031】上記一連の動作により、第1バーナ17に
おいて緩点火が行われ、時刻t5において着火するとこ
れはフレームセンサ23によって検出される。そして、
着火時刻t5より所定の緩点火時間(例えば、0.5
秒)が経過した時刻t6で、比例弁27が更に大きく開
かれ且つ切替弁30が開かれ、これにより第2バーナ1
8に火移りして、両バーナ17、18による緩点火が行
われる。尚、この時点でイグナイタ19は駆動停止す
る。この両バーナ17、18による緩点火でも、ホット
モードでは符号cで示す比較的大きい燃焼量が設定さ
れ、コールドモードでは符号dで示す比較的小さい燃焼
量が設定される。
【0032】この後、時刻t6より所定の緩点火時間
(例えば、0.5秒)が経過した時刻t7で、空燃比を
緩点火時の値(ガスリッチ状態)から定常燃焼時の適正
空燃比に移行させるために、ファン11の回転数を適正
空燃比に従った操作線に乗せるための制御が開始され、
この制御が終了する時刻t8で緩点火のシーケンスが終
了する。
【0033】この後、比例弁27を要求燃焼量eまで所
定速度で開いていくと共に、燃焼量の増加に合せてファ
ン11の回転数を上昇させ、要求燃焼量eでの定常燃焼
に移行する。この場合、定常燃焼に到達する時刻は、コ
ールドモードでは時刻t10であるのに対し、ホットモー
ドではより早い時刻t9で定常燃焼に達する。つまり、
ホットモードでは、t10−t9の時間だけ要求燃焼量e
に到達する時間を短縮できる。
【0034】更に、ホットモードのときの方が、コール
ドモードのときよりも、要求燃焼量eに達するまでの
間、ハッチングで示した面積Aの分だけ多くの熱量を熱
交換器に導入することができる。これらのことから、ホ
ットモードでは、コールドモードに比較して、再出湯時
の湯温の低下を抑えることができる。シャワーの断続使
用等では、ホットモードが設定されることが多いと予想
され、これにより断続使用時の湯温の安定性が向上す
る。
【0035】図8及び図9はそれぞれ、上述した図7の
緩点火シーケンスとは別の緩点火シーケンスの例を示
す。図7のシーケンスに代えて、図8又は図9のシーケ
ンスを採用してもよい。尚、図8及び図9では、切替弁
29、30及びファン11についてはホットモードのシ
ーケンスだけを示している。
【0036】まず、図8のシーケンスを説明する。これ
は、コールドモードでは図7と同様であるが、ホットモ
ードでは両バーナ17、18を同時に点火するようにし
たものである。即ち、コールドモードでは、時刻t1で
着火条件が成立すると、まず、比例弁27を第1バーナ
17の緩点火燃焼量fに対応した開度に開き、その後、
プリパージを行い、続いて第1バーナ17に着火してそ
の緩点火を所定時間(例えば、0.5秒)行う。第1バ
ーナ17の緩点火が終了した時点t6で、比例弁27を
第1バーナ17及び第2バーナ18の緩点火燃焼量gに
対応した開度に開き、第2バーナ18に火移りさせて、
両バーナ17、18による緩点火を所定時間(例えば、
0.5秒)行う。緩点火が終了した時刻t9より、燃焼
量を要求燃焼量まで立ち上げる。
【0037】一方、ホットモードでは、着火条件が成立
した時刻t1で、比例弁27を第1バーナ及び第2バー
ナ18の緩点火燃焼量gに対応した開度に一気に開き、
続いて、プリパージを行った後、第1バーナ17及び第
2バーナ18の双方を同時に点火する。その後、所定の
緩点火時間(例えば、0.5秒)が経過した時刻t7
で、燃焼量を要求燃焼量まで立ち上げる。
【0038】このシーケンスでも、ホットモードとコー
ルドモードとを比較対照すれば、前者の方が、後者より
も、目標燃焼量に達するまでの時間が短縮され、且つハ
ッチングで示した面積Bの分だけ多くの熱量を導入する
ことができ、そのため、断続使用における再給湯時の湯
温の安定性が向上する。
【0039】次に、図9のシーケンスを説明する。これ
は、ホットモードでは図8のシーケンスと同様に両バー
ナ17、18を同時に点火すると共に、その時の緩点火
燃焼量をコールドモードの両バーナ緩点火時の燃焼量よ
り多くしたものである。
【0040】即ち、コールドモードのシーケンスは図8
のそれと同じであるが、ホットモードでは、着火条件が
成立した時刻t1で、コールドモードの両バーナ緩点火
時の燃焼量gよりも更に大きい燃焼量hに対応する開度
に比例弁27を一気に開き、続いて、プリパージを行っ
た後、両バーナ17、18を同時に点火する。そして、
所定の緩点火時間(例えば、0.5秒)が経過したら、
燃焼量を要求燃焼量まで上昇させる。
【0041】このシーケンスでは、ホットモードの緩点
火燃焼量を図8のそれより大きくした分だけ、図8のシ
ーケンスより更に、要求燃焼量に達するまでの時間短縮
の効果と、より大きい面積Cの分の熱量を多く導入でき
る効果とが得られる。
【0042】図10は、図6に示した緩点火時の制御動
作の変形例を示す。
【0043】この図10の制御では、バーナ及び燃焼室
の温度を判断するのに、出湯温度THを用いる。即ち、
運転スイッチがオンの状態で水流スイッチがターンオン
すると(ステップS121)、まず、出湯温度THを読
み込み、これと湯温設定値TSとを比較する(ステップ
S122)。その結果、TH>TS−5℃であればホット
モードを設定し(ステップS123)、TH≦TS−5℃
であればコールドモードを設定する(ステップS12
6)。なお、出湯温度THは、前回燃焼からの経過時間
を代表しており、THの値がある程度高ければ前回燃焼
からの経過時間は短くバーナ及び燃焼室が十分暖まって
いると推定できる。
【0044】その他のステップについては、図6と同様
である。
【0045】図11は、ホットモードとコールドモード
とを決めるための上記とは別の方法の一例を示す。これ
は、前回燃焼からの経過時間の長短に基いてホットモー
ドかコールドモードかを決めるようにしたものである。
【0046】まず、デフォルトとしてコールドモードが
設定される。バーナの燃焼が開始されると(ステップS
131)、燃焼開始からの時間を計測して1分経過した
か否かをチェックする(ステップS132)。このチェ
ックの結果、燃焼状態で1分経過したと判定すると、バ
ーナ及び燃焼室が十分暖まっているから、ホットモード
を設定する(ステップS133)。一方、燃焼開始から
1分経過する前までは、燃焼開始前のモードをそのまま
維持する。
【0047】燃焼が停止すると、燃焼停止からの時間を
計測して、10分経過したか否かをチェックする(ステ
ップS134)。このチェックの結果、燃焼停止状態で
10分経過したと判定すると、バーナ及び燃焼室が冷め
た状態になっているから、コールドモードを設定する
(ステップS135)。一方、燃焼停止状態が10分経
過するまでは、燃焼停止前のモードを維持する。
【0048】これにより、再給湯の開始時点では、その
直前の燃焼停止時間及び前回の燃焼時間に応じて、その
時のバーナ及び燃焼室の温度に対応した適切なモードが
設定されていることになる。
【0049】図12は、本発明の別の実施例に係る単一
バーナタイプの給湯機の構成を示す。
【0050】この給湯機は、符号17で示すように、燃
焼室7内にバーナが1個だけ設けられており、ガス供給
管9には元電磁弁25とガス比例弁27とが設けられて
いる。他の構成については、既に説明した図5の装置と
同様であるので、図5と同一の符号を付してその説明を
省略する。
【0051】この実施例でも、前の実施例と同様に図
6、図10又は図11に示した動作によって、緩点火の
モードを選択することができる。図13は、この実施例
における緩点火のシーケンスの一例を示したものであ
る。
【0052】図13に示すように、着火条件が成立した
時刻t1で比例弁27を開き、ファン11を回転させて
プリパージを行い、時刻t3でイグナイタ19を起動し
てバーナ17に点火する。この場合の比例弁27の開度
は、ホットモードでは実線で示すように比較的大きい燃
焼量iに対応した値とし、一方、コールドモードでは比
較的小さい燃焼量jに対応した開度とする。
【0053】一定時間(例えば、0.5秒)だけ緩点火
を行った後、時刻t6でファン11の回転数を操作線に
乗せる制御を開始し、この制御が終了した時刻t7か
ら、燃焼量及びファン11の回転数を上昇させ、目標燃
焼量での定常燃焼に移行する。
【0054】このシーケンスでも、ホットモードの方
が、コールドモードよりも、目標燃焼量に達するまでの
時間が短縮され、且つハッチングで示した面積Dの分だ
け多くの熱量を導入することができ、そのため、再給湯
時の湯温の安定性が良好になる。しかも、ホットモード
では着火遅れが小さいため、緩点火の燃焼量を大きくし
ても着火遅れによる未燃焼ガスの発生は実質的に問題に
ならない。
【0055】以上のように、上記した実施例によれば、
バーナ及び燃焼室の温度がある程度以上高い場合に限っ
て、高い緩点火ポイントで緩点火を行うようにしている
ため、未燃焼ガスの発生という問題を実質的に生じさせ
ることなく、再着火時の熱量を迅速に要求熱量に立ち上
げられると共に熱交換器への供給熱量を増加できるの
で、再着火時の湯温の安定性が向上する。特にシャワー
の断続使用時のような場合は、バーナ及び燃焼室の温度
が高いことが多いので、本実施例のメリットを大いに活
かすことができる。
【0056】図14及び図15は、上述した実施例にお
いて緩点火の終了時に行われる、ファン回転数を操作線
に乗せるための制御について説明したものである。
【0057】図14に示すように、例えば緩点火号数
(緩点火燃焼量)が8号に設定されている場合に、緩点
火に適したガスリッチ状態を得るためには、符号で示
すようにファン11の回転数を例えば1500rpmに
設定する必要がある。緩点火ではこの回転数1500r
pmでファンを運転し、緩点火が終了すると、まず、燃
焼量は8号のままで、ファン回転数を符号で示す19
50rpmに立上げる。これにより、ガスリッチ状態が
解消され、通常燃焼に適切な適正空燃比が得られる。次
いで、この適正空燃比を示す操作線l−mに沿って、燃
焼量とファン回転数を増加させていくことにより、最終
的に符号で示す定常燃焼の動作点に到達する。図15
は、このときのファン回転数と比例弁開度の時間的変化
を示している。また、前述のコールドモードとホットモ
ードの設定に於いてガス量のみ可変した場合、すす等が
発生することもありえるため、同時にファン回転数も可
変し、空燃比を一定のままにしてもよい。
【0058】尚、以上説明した内容は、あくまで本発明
の実施例に係るものであり、本発明が上記内容のみに限
定されることを意味するものでないのは勿論である。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
バーナ及び燃焼室内が冷めているときには低目の熱量を
緩点火ポイントとし、バーナ及び燃焼室内が暖まってい
るときには高目の熱量を緩点火ポイントとして緩点火さ
せることにより、着火遅れによる未燃焼ガスの発生を抑
止しつつ、特にバーナ及び燃焼室が暖まっている時に、
給湯ワンストップ後の再出湯性の向上を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の単一バーナタイプの給湯機における熱量
Fと比例弁電流との関係を示した図。
【図2】従来の単一バーナタイプの給湯機における点火
シーケンスを示した図。
【図3】従来の複数バーナタイプの給湯機における熱量
Fと比例弁電流との関係を示した図。
【図4】従来の複数バーナタイプの給湯機における点火
シーケンスを示した図。
【図5】本発明の一実施例に係る複数バーナタイプの給
湯機の構成を示すブロック図。
【図6】同実施例における緩点火モードを決める制御動
作を示したフローチャート。
【図7】同実施例における緩点火シーケンスを示すタイ
ミングチャート。
【図8】同実施例における緩点火シーケンスの変形例を
示すタイミングチャート。
【図9】同実施例における緩点火シーケンスの別の変形
例を示すタイミングチャート。
【図10】同実施例における緩点火モードを決める制御
動作の変形例を示すフローチャート。
【図11】同実施例における緩点火モードを決める制御
動作の別の変形例を示すフローチャート。
【図12】本発明の別の実施例に係る単一バーナタイプ
の給湯機の構成を示すブロック図。
【図13】同実施例における緩点火シーケンスを示した
タイミングチャート。
【図14】ファン回転数を操作線に乗せるための制御を
説明した図。
【図15】ファン回転数を操作線に乗せるための制御を
説明した図。
【符号の説明】
7 燃焼室 9 ガス供給管 11 ファン 17 第1バーナ 18 第2バーナ 21 燃焼室サーミスタ 25 元電磁弁 27 比例弁 29、30 切替弁 31 コントローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−145429(JP,A) 特開 昭52−150825(JP,A) 特開 平5−26437(JP,A) 特開 平1−142323(JP,A) 実開 昭61−69646(JP,U) 実開 昭61−175715(JP,U) 実開 昭63−104839(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F23N 5/02 341

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バーナ及び燃焼室を備え、着火時に緩点
    火燃焼量で緩点火を行った後、必要燃焼量での定常燃焼
    に移行するように制御される燃焼装置において、 前記バーナ及び前記燃焼室の暖まり程度を判断する判断
    手段と、 前記判断手段からの判定結果に応じて前記緩点火燃焼量
    を可変する緩点火制御手段と、 を有し、 前記緩点火制御手段が、前記バーナ及び前記燃焼室が所
    定程度以上暖まっていることを示す判断結果を受けて、
    前記緩点火燃焼量を比較的大きくし、前記所定程度以上
    には暖まっていないことを示す判断結果を受けて、前記
    緩点火燃焼量を比較的小さくする燃焼装置。
  2. 【請求項2】 複数のバーナと燃焼室とを備え、着火時
    に緩点火燃焼量で緩点火を行った後、必要燃焼量での定
    常燃焼に移行するように制御される燃焼装置において、 前記各バーナ及び前記燃焼室の暖まり程度を判断する判
    断手段と、 前記判断手段からの判定結果に応じて前記緩点火燃焼量
    を可変する緩点火制御手段と、 を有し、 前記緩点火制御手段が、 前記定常燃焼において前記複数のバーナを同時に燃焼さ
    せる必要がある場合には、前記緩点火燃焼量を可変する
    ために、前記判断結果に応じて、同時着火させるバーナ
    の個数を可変すると共に、 前記バーナ及び前記燃焼室が所定程度以上暖まっている
    ことを示す判断結果を受けて、前記緩点火燃焼量を比較
    的大きくし、前記所定程度以上には暖まっていないこと
    を示す判断結果を受けて、前記緩点火燃焼量を比較的小
    さくする燃焼装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の燃焼装置において、 前記判断手段が、前記燃焼室の温度を検出し、この燃焼
    室温度に基づいて判断する燃焼装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の燃焼装置において、 前記判断手段が、着火直前の燃焼停止の時間を計測し、
    この燃焼停止時間に応じて判断する燃焼装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の燃焼装置において、 前記判断手段が、更に、前回の燃焼時間を計測し、この
    燃焼時間も加味して判断する燃焼装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の燃焼装置において、 設定温度の湯を作るために前記必要燃焼量が決定される
    給湯機に用いられる燃焼装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の燃焼装置において、 前記判断手段が、出湯温度を検出し、この出湯温度に基
    づいて判断する燃焼装置。
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