JP3309734B2 - 燃焼装置 - Google Patents

燃焼装置

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JP3309734B2
JP3309734B2 JP28011796A JP28011796A JP3309734B2 JP 3309734 B2 JP3309734 B2 JP 3309734B2 JP 28011796 A JP28011796 A JP 28011796A JP 28011796 A JP28011796 A JP 28011796A JP 3309734 B2 JP3309734 B2 JP 3309734B2
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敦弘 森下
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃焼管の燃焼本数
を増減させて燃焼能力を切換える燃焼装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、給湯器等に用いられる燃焼装置に
おいては、給湯設定温度及び通水量に応じてバーナを構
成する燃焼管の燃焼本数を能力切換弁にて増減し、燃焼
能力を切換え、比例制御弁にてバーナに供給するガス量
を制御すると共に、ガス量に応じてあらかじめ定められ
た目標回転数にファンを制御するようにしていた。しか
し、この種の燃焼装置では、燃焼開始当初はバーナを構
成する燃焼管が充分に暖まっていないため、ファンによ
って燃焼管に供給される一次空気量がガス量に対する適
正値より過剰となり、燃焼管の炎孔から噴出する混合ガ
スの濃度が希薄になる。したがって炎孔に形成される火
炎は不安定で、炎孔からのリフティングが生じ易く、火
炎がリフティングと炎孔への着地を、短い周期で繰り返
す振動が起こり、この火炎の振動が燃焼管あるいは燃焼
室を形成する熱交換器の胴部と共鳴して笛を鳴らしたよ
うな異音が発生するという問題がある。
【0003】このような問題を解消するために、例えば
実開平2−69249号公報に記載されているものは、
着火後一定時間内は、ファンの回転数をガス量に対応し
てあらかじめ定めた目標回転数より低回転に制御するよ
うになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが上記従来のも
のでは、燃焼開始当初の給湯温度が低く設定されている
場合や、通水量が少ない場合など大きな燃焼能力を必要
とせず、バーナの一部の燃焼管にしか着火しないとき
は、その後一定時間経過して燃焼管が暖まり、ファンの
回転数が目標回転数まで上がった直後に給湯温度が高温
に設定されるなどして燃焼能力が大側に切換わると、そ
れまで着火していなかった燃焼管については、充分に暖
まっていない状態ですぐに目標回転数で燃焼することに
なり、ここで前述したような火炎の振動に伴う異音が発
生するという問題があった。
【0005】本発明は上記の課題を解決し、着火後の給
湯設定温度の変更や、通水量の変化に伴う燃焼能力切換
時にも、火炎の振動による異音の発生を防ぐことができ
る燃焼装置の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の燃焼装置は、バーナを構成する燃焼管の燃焼
本数を増減させて燃焼能力を切換える能力切換弁と、バ
ーナに供給するガス量を制御する比例制御弁と、前記ガ
ス量に対応してあらかじめ定められた目標回転数に制御
されるファンとを備えた燃焼装置において、着火検知後
燃焼能力が切換わった場合は、所定時間ファンの回転
数を前記目標回転数より低回転に制御する遅延時間を設
、該遅延時間は切換前後の燃焼能力に応じて可変とし
ことを特徴としている。
【0007】本発明の燃焼装置によれば、着火検知後、
燃焼能力の切換制御が行われた場合は、切換前後の燃焼
能力に応じた所定時間ファンの回転数を目標回転数より
低回転に制御することで、燃焼能力の小側で一部の燃焼
管に着火し、その後燃焼能力が大側に切換わった場合で
も、新たに着火した燃焼管が充分暖まるのを待ってか
ら、ファンの回転数が目標回転数まで上がることにな
る。したがって燃焼能力切換直後から安定した火炎が得
られ、火炎の振動に伴う異音の発生も防ぐことができ
る。
【0008】本発明の燃焼装置によれば、該遅延時間は
切換前後の燃焼能力に応じて可変とするので、切換前後
の燃焼能力の差が大きい場合、すなわち切換によって新
たに着火する燃焼管の本数が多い場合は遅延時間を長
く、逆に能力差が小さい場合、すなわち新たに着火する
燃焼管の本数が少なく、当該燃焼管の火炎の安定性がバ
ーナ全体に及ぼす影響も比較的小さい場合は、遅延時間
を短くする。その結果、燃焼能力切換時の異音の発生を
防止するとともに、目標回転数への制御を必要以上に遅
延させることで逆に一次空気が不足した状態で燃焼が継
続し、一酸化炭素や窒素化合物の発生量が増加するのを
防ぐことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は本発明の燃焼装置を用いた
一般的な給湯器の全体構成図である。図2は本発明の実
施形態における燃焼装置の第一の制御例(a)、第二の
制御例(b)及び第三の制御例(c)を示す説明図であ
る。
【0010】図1に示すように給湯器はバーナ1と燃焼
室2、熱交換器3、及びファン4で構成されている。燃
料ガスは能力切換電磁弁5、6、7を介してバーナ1へ
供給され、ファン4より供給された燃焼用空気と混合さ
れて、バーナ1において火炎を形成し燃焼する。燃料ガ
スへの点火は点火プラグ10によって行う。燃焼により
発生した高温の燃焼ガスは、熱交換器3で入水管12か
らの水を加熱し、出湯管13より湯が供給される。水を
加熱した後の燃焼ガスは器外へ排気される。なお、9は
残火安全装置である。
【0011】このような構成の給湯器において、従来か
ら用いられている制御方法によると、給湯栓等が開か
れ、水量検出装置15が最低作動水量以上を検出する
と、ファン4を起動し、燃料ガスをバーナ1へ供給し、
点火プラグ10によって着火、燃焼する。バーナ1の着
火を炎検出装置11が検知すると、図示しない制御手段
のタイマが始動すると共に、制御手段から比例制御弁1
7に対して、負荷に応じたガス量に制御する制御信号が
出力される。すなわち、図示しない湯温設定器にて設定
された設定温度と入水サーミスタ14が検出する入水温
度と、水量検出装置15が検出する通水流量とに基づい
て演算されるフィードフォワード制御成分と、設定温度
と出湯サーミスタ16が検出する出湯温度とに基づいて
演算されるフィードバック制御成分とを合成してガス量
を演算し、能力切換電磁弁5、6、7と比例制御弁17
とを制御する。
【0012】燃焼能力の切換制御は能力切換電磁弁5、
6、7を選択的に開閉することによって行う。能力最小
の場合は電磁弁5のみを開きガス量を最小に、能力最大
のときは電磁弁5、6、7すべてを開き、ガス量を最大
にする。中間の能力については、各電磁弁のうち少なく
とも1個の電磁弁を開きガス量を調節する。ガス量に対
応するファン4の目標回転数は、あらかじめ実験的に定
められているが、前記タイマによって規定される着火後
及び燃焼能力切換後の所定時間内は、目標回転数よりあ
る割合だけ(例えば4%)低い回転数に制御する。
【0013】図2(a)を用いて説明すると、まず着火
時の燃焼能力が最小であった場合、最小ガス圧P1 で着
火し、ファン4の回転数は着火後T1 秒間はP1 に対応
する目標回転数N1 より4%低いN10に制御する。燃焼
開始当初は燃焼管の温度が低く、燃焼管に入る一次空気
量が通常よりやや多くなるので、火炎がリフティングし
易く、炎孔でのリフティングと着地の繰り返しによる振
動によって異音が発生することになるが、ファン4の回
転数を下げて、一次空気量の増加分を相殺することで火
炎を安定させ、異音の発生を防ぐ。そして着火後T1
間が経過すると、ファンの回転数を目標回転数N1 まで
上げる。その後、設定温度の上昇等に伴って燃焼能力が
最大に切換わった場合、すなわち最大ガス圧P2 で全て
の燃焼管に着火した場合、新たに着火した燃焼管は、燃
焼開始当初と同様に温度が低いため、能力切換と同時に
ファン4の回転数をP2 に対応する目標回転数N2 に上
げると、火炎の振動に伴う異音が発生する。そこで能力
切換後T2 秒間は、回転数をN2 より4%低いN20に制
御し、燃焼管の温度が上昇してからN2 に上げるように
する。
【0014】図2(b)は燃焼能力最大で着火した場合
で、図2(a)と同様、着火後T3秒間は目標回転数N
2 より4%低いN20にファン4の回転数を制御する。そ
の後、燃焼能力が最小に切換わった場合は、すでに全て
の燃焼管の温度が上昇しているので、切換と同時に目標
回転数N1 に制御しても異音は発生しない。このように
切換わる前の燃焼能力が最大であった場合には、その後
の能力切換においてファン4の回転数を目標回転数より
低く制御する必要はない。但し、図2(c)に示すよう
に燃焼能力最大で着火し、T3 秒間に満たないT4 秒で
燃焼能力が切換わった場合は、T4 秒と合わせてT3
間になるように切換え後もT5 秒間は目標回転数より低
い回転数に制御する。
【0015】目標回転数へ移行するまで遅延時間は、例
えば図2(a)のように、着火後燃焼能力が最小から最
大に切換わった場合、あるいは、図2(b)のように燃
焼能力最大で着火した場合は20秒、すなわちT2 =T
3 =20秒、燃焼能力最小で着火した場合、あるいは最
小から最大以外に切換わった場合は10秒といったよう
に、着火時及び切換前後の燃焼能力に応じて新たに着火
した燃焼管の温度が充分上昇するのに必要な時間だけ設
けるようにする。遅延時間を必要以上に長く設けると、
逆に一次空気不足による一酸化炭素等の発生量の増加を
招くためである。また、遅延時間におけるファンの回転
数は、目標回転数より数%程度下げればよく、4%に限
られるものではない。
【0016】
【発明の効果】以上説明したような構成とすることで本
発明の燃焼装置は、燃焼開始直後の能力切換において、
切換前後の能力差が大きい場合でも、新たに着火した燃
焼管の火炎が安定するまでは、ファンの回転数をガス量
に対応して定まる目標回転数よりも低回転に制御するこ
とによって、燃焼管に供給される一次空気量が過剰にな
ることなく、火炎がリフティングすることもない。した
がって火炎の振動に伴う異音の発生を防止することがで
きる。また、ファンの回転数を目標より低く制御する時
間を切換前後の燃焼能力に応じて可変とすることで、目
標回転数へ移行させるのを必要以上に遅延させることに
よる一次空気量の不足、及びそれに伴う一酸化炭素や窒
素酸化物の発生量の増加を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃焼装置を用いた一般的な給湯器の全
体構成図である。
【図2】本発明の実施形態における燃焼装置の制御例を
示す説明図である。
【符号の説明】
1 バーナ 2 燃焼室 3 熱交換器 4 ファン 5 能力切換電磁弁 14 入水サーミスタ 17 比例制御弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森下 敦弘 兵庫県神戸市中央区江戸町93番地 株式 会社ノーリツ内 (72)発明者 三浦 敬一 兵庫県神戸市中央区江戸町93番地 株式 会社ノーリツ内 (56)参考文献 特開 平4−316912(JP,A) 実開 平2−7453(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F23N 5/20 F23N 5/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バーナを構成する燃焼管の燃焼本数を増
    減させて燃焼能力を切換える能力切換弁と、バーナに供
    給するガス量を制御する比例制御弁と、前記ガス量に対
    応してあらかじめ定められた目標回転数に制御されるフ
    ァンとを備えた燃焼装置において、着火検知後燃焼能
    力が切換わった場合は、所定時間ファンの回転数を前記
    目標回転数より低回転に制御する遅延時間を設け、該遅
    延時間は切換前後の燃焼能力に応じて可変としたことを
    特徴とする燃焼装置。
JP28011796A 1996-09-30 1996-09-30 燃焼装置 Expired - Fee Related JP3309734B2 (ja)

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JPH10103668A JPH10103668A (ja) 1998-04-21
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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