JP3303919B2 - 合成石英ガラス及びその製法 - Google Patents

合成石英ガラス及びその製法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、合成石英ガラス、特に、紫外領域、例え
ば、エキシマレーザーなどに使用される光学用部品、超
LSI用フォトマスク基板、ステッパー用光学材料等に使
用される合成石英ガラス及びその製法に関する。
[従来の技術] 超LSIの高集積化に対応して、露光源の短波長化が進
展し、エキシマレーザーが、半導体素子の製造工程で用
いようとする気運が高まってきた。
エキシマレーザーとしては、発振効率とガス寿命の点
からXeClエキシマレーザー(308nm)ArFエキシマレーザ
ー(193nm)や、KrFエキシマレーザー(248nm)が有利
である。このうち、半導体素子の製造工程で用いられる
光源としては、ArFエキシマレーザー(193nm)および、
KrFエキシマレーザー(248nm)が注目されている。
ArFエキシマレーザー(193nm)や、KrFエキシマレー
ザー(248nm)は、従来の水銀ランプなどの光源と比較
すると、その波長が短く、エネルギー密度もはるかに高
いため、ステッパーなどの石英ガラス製の光学部品に対
して損傷を与える可能性が大きい。
事実、合成石英ガラスにエキシマレーザーを照射した
り、合成石英ガラスフォトマスク基板にプラズマエッチ
ングや、スパッタリングを実施すると、吸収帯が形成さ
れたり、発光帯が発生したりするようになるという欠点
を有していた。
合成石英ガラスフォトマスク基板がプラズマエッチン
グや、スパッタリングを受けて吸収帯を形成するような
石英ガラスを予め判別する方法として特開平1−189654
号公報(合成石英ガラスの検査方法)がある。これは、
合成石英ガラスにエキシマレーザーを照射し、赤色発光
するか否かによって、有害な吸収帯が形成されるか否か
を判別する方法である。
さらに、特開平1−201664号公報(合成石英ガラスの
改質方法)には、四塩化ケイ素を化学量論的比率の酸水
素火炎中で加水分解して得られた合成石英ガラスを水素
ガス雰囲気中で熱処理することによって、赤色発光のな
い合成石英ガラスに改質できることが開示されている。
また、特開平2−64645号公報(紫外域用有水合成石
英ガラス及びその製法)には、四塩化ケイ素を酸水素火
炎で加水分解する際、バーナーに供給する酸水素火炎の
水素ガスと酸素ガスの比(H2/O2)を化学量論比により
大きくする、すなわち、水素の量を化学量論的必要量よ
り過剰にすることにより、260nmの吸収帯の生成および
それに伴う合成石英ガラスの650nmの赤色発光を防止で
きることが開示されている。
さらに、その製法によって得られた合成石英ガラス
は、200nmでの透過率が低下するという欠点があり、四
塩化ケイ素に同伴ガスとして、合成石英ガラスの生成反
応に関与しない不活性ガスを使用することにより、前記
の欠点の無い合成石英ガラスが得られることが開示され
ている。
合成石英ガラスの発光、吸収の理論的説明は、未だ充
分にはなされていないが、合成石英ガラスの構造欠陥に
起因し、荷電粒子線、電子線、X線、γ線、そして、高
い光子エネルギーを有する紫外線などによる一光子吸収
あるいは多光子吸収によって、何らかの色中心が生成さ
れるためと考えられている。
石英ガラスの吸収、発光という分光学的性質は、現在
のところ、次のように説明される。
a)酸素過剰 合成石英ガラスの製造において、酸水素火炎の酸素が
過剰な場合、すなわち、H2/O2<2となるような時は、
エキシマレーザーなどの照射によって、260nmの吸収帯
が生じ、それに伴って650nmの赤色発光帯が生成する。
b)水素過剰 逆に、酸水素火炎が水素過剰の場合(H2/O2>2)、
合成石英ガラス中に過剰の水素が残存し、ArFエキシマ
レーザーの照射によって220nmの吸収帯が生じ、それに
伴う280nmの発光帯が見られる。
合成石英ガラスの製造の際の、酸水素火炎の水素と酸
素の比による合成石英ガラスの発光スペクトルの違いを
第1図に、また吸収スペクトルの違いを第2図に示す。
第1図および第2図のAの試料は、酸水素火炎のH2/O
2=1.8で製造した合成石英ガラスにArFエキシマレーザ
ー(193nm)を200mJ/cm2、100Hz、6000パルスの照射条
件で照射したときの発光スペクトルを吸収スペクトルで
あり、650nmに赤色発光があり、260nmに吸収帯がある。
また、第1図のBの試料は、H2/O2=2.3で製造した合成
石英ガラスにAと同様にArFエキシマレーザー(193nm)
を照射したときの発光スペクトルである。この図から28
0nmに強い発光があることが認められる。さらに、第2
図に示すように、220nm付近に吸収帯の生成が見られ
る。
Aの試料の260nmの吸収帯の生成およびそれに伴う650
nmの赤色発光の原因として考えられることは、酸素過剰
の条件下で石英ガラスを合成したことによる石英ガラス
中に溶存する酸素分子の存在である。石英ガラスに照射
したX線や紫外線などの高い光子エネルギーを有する電
磁波によって酸素分子がオゾンに変換され、発光中心に
なると考えられている。
すなわち、以下の反応がおこなわれている。
この合成石英ガラスに水素熱処理を施すと、石英ガラ
ス中の過剰の溶存酸素は水素と結合して水となり発光中
心が減少して発光は抑制される。
この反応を(2)式で示す。
O2+2H2→2H2O (2) 一方、第1図および第2図の試料Bの220nmの吸収帯
は≡Si・構造を持ったE'センターと呼ばれている格子欠
陥が原因であり、E'センターの前駆体として≡Si−Hが
考えられる。
これを(3)式で示す。
[発明が解決しようとする課題] 特開平1−201664号公報に開示された合成石英ガラス
の改質方法は、安定した改質方法とはいえず、改質効果
が継続的に発揮できず、種々の影響因子によって改質効
果が消滅することがある。例えば、前記の方法で改質し
た合成石英ガラスを大気中で熱処理すると、改質効果が
消滅し、エキシマレーザーの照射や、スパッタリング、
プラズマエッチングなどを行うと、再び650nmの発光が
発生するようになってしまう。
また、特開平2−64645号公報に開示された方法によ
って製造された合成石英ガラスでは、再熱処理をおこな
っても、エキシマレーザー照射時の260nmの吸収帯の生
成および650nmの赤色発光帯は観測されない。さらに詳
細に検討すると、第1図および第2図に示すように、Ar
Fエキシマレーザー(193nm)を照射すると、280nmに強
い発光帯が生じ、220nmに吸収帯が生成されることが判
明した。
また、第4図に示すように、試料BにArFエキシマレ
ーザー(193nm)を照射し220nm吸収帯が生成するに伴っ
てArFエキシマレーザー(193nm)自身の透過率も低下す
る。
一方、試料BにKrFエキシマレーザー(248nm)照射し
ても280nmの発光帯、および220nmの吸収帯は生ぜず、Kr
Fエキシマレーザー(248nm)自身の透過率低下もみられ
ない。
したがって、この試料Bの合成石英ガラスは、KrFエ
キシマレーザー(248nm)用の光学材料としては適する
が、ArFエキシマレーザー(193nm)用の光学材料として
は適さない。
本発明は、合成石英ガラスのこのArFエキシマレーザ
ー(193nm)の照射による650nm、および280nmにおける
発光帯の生成および260nmと220nmの吸収帯の生成を抑止
することを目的とするものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、四塩化ケイ素を酸水素火炎中で加水分解し
て得られる合成石英ガラスにおいて、水素ガスと酸素ガ
スの比(H2/O2)を2.2〜2.5で合成して、溶存する酸素
分子(O2)濃度が1×1017個/cm3以下で、ArFエキシマ
レーザー(193nm)の照射による650nmの赤色発光を防止
し、かつ、非還元性の雰囲気中、または、真空中におい
て、200〜1200℃で熱処理して、≡Si−H H−O−Si
≡で示される構造が、1×1018個/cm3以下で、280nmの
発光の生成及び260nmと220nmの吸収帯の生成を抑止した
ものである。
[作用] 四塩化ケイ素を酸水素火炎中で加水分解する石英ガラ
スの合成方法において、酸水素火炎の酸素と水素の比を
化学量論的必要量より過剰の水素としたため、合成され
た石英ガラスの溶存する酸素分子(O2)濃度を1×1017
個/cm3以下ににすることが可能となり、したがって、65
0nmの赤色発光の前駆体である不安定な構造の形成が防
止されることになる。
上述の条件で合成した石英ガラスは、合成時の酸水素
火炎に化学量論的必要量よりも過剰の水素を使用したた
め、合成して得られた石英ガラス中に ≡Si−H H−O−Si≡構造が形成されるものと考えら
れる。
この過剰の水素を含有する合成石英ガラスを非還元性
の雰囲気中または、真空中において、200〜1200℃で熱
処理することによる水素の除去機構は、つぎのようにな
るものと考えられる。
≡Si−H H−O−Si≡構造を有する合成石英ガラス
を非還元性の雰囲気中または、真空中において、200〜1
200℃で熱処理することにより、以下(4)式に示す反
応が進行する。
≡Si−H− H−O−Si≡→≡Si−O−Si≡+H
2 (4) この反応の進行にしたがい、E'センターの前駆体(≡
Si−H)が消滅する。この結果、合成石英ガラス中の水
酸基も減少することがわかる。
この(4)式の反応にともなって220nmの吸収帯およ
びそれに伴う280nmの発光帯が消滅する。さらに第4図
に示すようにArFエキシマレーザー(193nm)自身の透過
率低下も防止される。
酸化性のガス雰囲気中では、合成石英ガラス中の水素
が酸素によって引き抜かれ、(4)式の反応が右辺側に
促進される。
また、ヘリウムガス等の不活性ガス雰囲気中では、不
活性ガスであるヘリウムが石英ガラス中に浸透し、水素
を追い出すことにより(4)式の反応が右辺側に進行す
る。
ArFエキシマレーザー(193nm)の照射により260nmお
よび220nmの吸収帯の生成が起こらない溶存酸素分子お
よび≡Si−H H−O−Si≡で示される構造の許容濃度
はそれぞれ (1)溶存酸素分子:1×1017個/cm3以下 (2)≡Si−H H−O−Si≡構造:1×1018個/cm3以下
でなければならない。
その根拠を以下に説明する。
260nmの吸収帯が生じないための条件は以下のように
して求めた。
260nmにおけるオゾンの吸収係数は、1気圧において1
20nm-1であるので、オゾン生成後も内部透過率を99.0%
以上に保つためには、オゾン濃度は、1×1015個/cm3
下でなければならない。
一方、エキシマレーザー照射時に生成するオゾンの割
合は、エキシマレーザーのパワーにもよるが溶存酸素分
子の数パーセントから10パーセント程度であると言われ
ている(粟津浩一、ニューグラス、vol.5、1990年、12
頁参照)。
仮に、溶存酸素の1%がオゾンに変換されたとすれ
ば、許容溶存酸素濃度は約1×1017個/cm3となる。
また、オゾンの生成は、X線照射によりさらに促進さ
れ有効におこなわれる。
酸水素火炎の水素と酸素の比をH2/O2<2.0の条件で石
英ガラスを合成し、ArFエキシマレーザー(200mJ/cm2
50Hz)を2分間合成石英ガラスに照射し、その前後にお
ける260nmの透過率変化が1%である厚さ2.3mmの石英ガ
ラスに対して、蛍光X線分析装置(Rh管球50kV、50mA)
を使用してX線を3時間照射したところ、吸収の量は飽
和し、260nmにおける透過率が約60%となった。吸光度
からオゾン濃度を計算すると約1×1017個/cm3であるこ
とが確認された。
以上のことから、溶存酸素分子の許容濃度は約1×10
17個/cm3であり、好ましくは内部透過率が99.9%となる
条件として1×1016個/cm3以下が望ましい。
また、220nmの吸収帯が生じないための条件は以下の
ようにして求めた。
電子スピン共鳴法による測定結果より、E'センターの
濃度が1×1016個/cm3程度存在すると、220nmの透過率
が数パーセント低下する。
従って、≡Si−H H−O−Si≡で示される構造の1
パーセントがArFエキシマレーザー(193nm)の照射によ
りE'センターになるとすれば、前駆体の許容濃度は約1
×1019個/cm3である。
一般にSi−OH構造は、この他に単独にSi−OH、あるい
はSi−OH HO−Si等の構造が含まれていて、それらの濃
度の検出は2.2μmないし、2.7μmの赤外線吸光度から
算出できる。熱処理によってOH基の濃度が変わるのは≡
Si−H H−O−Si≡構造のみが(4)式に示すように
変化するためと考えられる。
実際、≡Si−H H−O−Si≡構造を有し第1図、第
2図に示すように220nmの吸収帯および280nmに発光帯が
生じる合成石英ガラスをヘリウム中で本願発明の条件で
熱処理し、これらの吸収および発光を消滅させたときの
水酸基濃度の変化は10〜20ppmである。水酸基20ppmを個
数濃度に換算すると2×1018個/cm3である。このとき、
第2図に示すように、吸光度は、約0.01であるので内部
透過率が99%(吸光度0.004)となる条件は1×1019個/
cm3である。
したがって、220nmの吸収帯および280nmに発光を生じ
させないための≡Si−H H−O−Si≡構造の許容濃度
は1×1018個/cm3以下である。好ましくは、内部透過率
が99.9%(吸光度0.0004)となる条件として1×1017
/cm3以下が望ましい。
また、処理温度に関しては、1200℃より高温で熱処理
をおこなうと、材料が変形したり結晶化するなどの問題
がある。逆に200℃未満では、処理時間がかかりすぎ、
処理効率が悪くなるので現実的でない。
なお、ArFエキシマレーザー(193nm)照射時にはすべ
ての試料表面で300nmにピークを持つ発光帯が観測され
る。この300nm発光帯は、各種雰囲気中で熱処理するこ
とによって増大するが、試料の表面を1mm程度研磨する
ことにより元の状態に回復する。
また、300nmの発光帯は、エキシマレーザー照射を続
けることによっても消滅する。
300nmの発光帯の発生原因については今のところ明ら
かでないが、表面だけの発光帯であること、エキシマレ
ーザー照射を繰り返すことにより減衰して消滅すること
などから表面に吸着した水分子が原因でないかと考えら
れる。
[実施例] 従来の方法で、四塩化ケイ素(SiCl4)を酸水素火炎
中で加水分解して石英ガラスを合成した。このとき、酸
水素火炎の酸素と水素の割合を化学量論的必要量より過
剰の水素(H2/O2=2.2〜2.5)とした。
得られた合成石英ガラスの試料から試験片を切り出し
て、X線(Rh管球50kV、50mA)を照射した。X線照射前
後の吸光度の変化は、1%未満であった。したがって、
溶存酸素のうちオゾンになった割合が1%であったとし
ても溶存酸素濃度は1×1017個/cm3未満である。
このようにして製造した合成石英ガラスを略10×10×
30mm3の大きさに切りだし、以下の条件で熱処理した。
A:酸素雰囲気中において、900℃で2時間熱処理したの
ち、酸素を還流しながら放冷した。
B:ヘリウム雰囲気中において、900℃で2時間熱処理し
たのち、ヘリウムを還流しながら放冷した。
C:大気中において、1100℃で3時間熱処理したのち、0.
1℃/分で700℃まで徐冷したのち放冷した。
D:窒素雰囲気中で1150℃で15時間熱処理したのち、窒素
を還流したまま0.1℃/分で700℃まで徐冷したのち放冷
した。
E:アルゴン雰囲気中において、1150℃で15時間熱処理し
たのち、0.1℃/分で700℃まで徐冷したのち、放冷し
た。
F:ヘリウム雰囲気中において、500℃で24時間熱処理し
たのち、室温までヘリウムガスを還流しながら放冷し
た。
G:真空中(0.01Pa)において、300℃で24時間熱処理し
たのち、室温まで放冷した。
上記の条件で熱処理した各合成石英ガラスの表面を1m
m程度研磨した。
熱処理前後において、水酸基濃度を測定したところ、
濃度の変化は10ppm以下であった。このことから、熱処
理後の≡Si−H H−O−Si≡構造の濃度は、1×1018
個/cm3未満である。
熱処理して得られた試料にエキシマレーザー(ArF,20
0mJ/cm2、100Hz、6000パルス)を照射して650nmと280nm
における発光および220nm吸収帯生成の有無を調べた。
その結果、どのケースにおいても、650nm、280nmのど
ちらにも発光は認められず、220nmの吸収帯の生成もみ
られなかった。また、エキシマレーザー自身に対する透
過率低下も認められなかった。
表−1にこの結果をまとめたものを示す。
また、第2図に各種雰囲気で熱処理した合成石英ガラ
スの280nm付近の発光スペクトルを示す。
[効果] 石英ガラスを合成するにあたり、酸水素火炎の水素を
化学量論的必要量より過剰にし、酸素に起因する合成石
英ガラスの構造欠陥を少なくすることによって260nmの
吸収および650nmの赤色発光帯の生成が効果的に防止さ
れた。
また、非還元性雰囲気、または、真空中での熱処理に
よって、E'センターの前駆体が消去され、220nmの吸収
帯および280nmの発光帯の生成も完全に防止され、本質
的に安定な合成石英ガラスを得ることができた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、H2/O2比と発光スペクトルの関係を示す概略
図。 第2図は、H2/O2比とArFエキシマレーザー(193nm)に
よって誘起される吸収スペクトルの関係を示す概略図。 第3図はH2/O2>2で合成した石英ガラスを各種雰囲気
で熱処理したときの280nm付近の発光スペクトル図。 第4図はH2/O2>2で合成した石英ガラスに対するArFエ
キシマレーザー(193nm)自身の透過率の変化およびそ
れに及ぼすヘリウム熱処理の効果を示した図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭51−102014(JP,A) 特開 平2−64645(JP,A) 特開 平2−69332(JP,A) 特開 平4−21540(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C03C 3/06 C03B 8/04 C03B 20/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】四塩化ケイ素を酸水素火炎中で加水分解し
    て得られる合成石英ガラスにおいて、水素ガスと酸素ガ
    スの比(H2/O2)を2.2〜2.5で合成して、溶存する酸素
    分子(O2)濃度が1×1017個/cm3以下で、ArFエキシマ
    レーザー(193nm)の照射による650nmの赤色発光を防止
    し、かつ、非還元性の雰囲気中、または、真空中におい
    て、200〜1200℃で熱処理して、≡Si−H H−O−Si
    ≡で示される構造が、1×1018個/cm3以下で、280nmの
    発光の生成及び260nmと220nmの吸収帯の生成を抑止した
    合成石英ガラス。
  2. 【請求項2】請求項1において、非還元性の雰囲気が、
    酸化性雰囲気、不活性雰囲気、大気のいずれかである合
    成石英ガラス。
  3. 【請求項3】請求項2において、酸化性雰囲気が、酸素
    ガス雰囲気である合成石英ガラス。
  4. 【請求項4】請求項2において、不活性雰囲気が、ヘリ
    ウムガス、窒素ガス、アルゴンガスのいずれかの雰囲気
    である合成石英ガラス。
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