JP5560776B2 - Euvリソグラフィ用反射型マスクブランクスの製造方法 - Google Patents

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本発明は、半導体製造等に使用されるEUV(Extreme Ultra Violet:極端紫外)リソグラフィ用反射型マスクブランクス(以下、本明細書において、「EUVマスクブランクス」という。)の製造方法に関する。
従来、半導体産業において、Si基板等に微細なパターンからなる集積回路を形成する上で必要な微細パターンの転写技術として、可視光や紫外光を用いたフォトリソグラフィ法が用いられてきた。しかし、半導体デバイスの微細化が加速している一方で、従来の光露光の露光限界に近づいてきた。光露光の場合、パターンの解像限界は露光波長の1/2程度であり、液浸法を用いても露光波長の1/4程度と言われており、ArFレーザ(193nm)の液浸法を用いても45nm程度が限界と予想される。そこで45nm以降の露光技術として、ArFレーザよりさらに短波長のEUV光を用いた露光技術であるEUVリソグラフィが有望視されている。EUV光とは、軟X線領域または真空紫外線領域の波長の光線をさし、具体的には波長10〜20nm程度、特に13.5nm±0.3nm程度の光線を指す。
EUV光は、あらゆる物質に対して吸収されやすく、かつ屈折率が1に近いため、従来の可視光または紫外光を用いたフォトリソグラフィのような屈折光学系を使用することができない。このため、EUV光リソグラフィでは、反射光学系、すなわち反射型フォトマスクとミラーとが用いられる。
マスクブランクスは、フォトマスク製造用のパターニング前の積層体である。反射型フォトマスク用のマスクブランクスの場合、ガラス基板上にEUV光を反射する反射層と、EUV光を吸収する吸収層とがこの順で形成された構造を有している。反射層としては、高屈折層と低屈折層とを交互に積層することで、光線を層表面に照射した際の光線反射率、より具体的にはEUV光を層表面に照射した際の光線反射率が高められた多層反射膜が通常使用される。吸収層には、EUV光に対する吸収係数の高い材料、具体的にはたとえば、CrやTaを主成分とする材料が用いられる。
多層反射膜および吸収層は、イオンビームスパッタリング法やマグネトロンスパッタリング法といったスパッタリング法を用いてガラス基板の一方の面に成膜される。以下、本明細書において、多層反射膜および吸収層が形成される側のガラス基板の面をガラス基板の成膜面という。
多層反射膜および吸収層を成膜する際、ガラス基板は保持手段によって保持される。ガラス基板の保持手段として、機械的チャックおよび静電チャックがあるが、発塵性の問題から、静電チャックによる吸着保持が好ましく用いられる。
ガラス基板は誘電率および導電率が低いため、十分なチャック力を得るには高電圧を印加する必要があり、絶縁破壊を生じる危険性があるので、ガラス基板よりも高い誘電率および高い導電率を有する材料の膜(導電膜)を、ガラス基板の成膜面に対する裏面(以下、本明細書において、「ガラス基板の裏面」という。)に形成して、ガラス基板のチャック力を高めることが通常行われている(特許文献1参照)。
上述したように、EUVマスクブランクスの製造時、ガラス基板の成膜面には多層反射膜および吸収層が形成され、ガラス基板の裏面には該ガラス基板を静電チャックによりチャックして保持するための膜(チャック層)が通常形成されることとなる。すなわち、ガラス基板の両方の面に膜が形成されることとなる。このような場合、ガラス基板の両方の面に形成された膜間で導通が生じる可能性がある。
ガラス基板の両方の面に形成された膜間で導通が生じていると、EUVブランクスをパターニングして反射型フォトマスクを作成する際に実施する電子線描画において、既存技術である透過型のマスクブランクスと等価回路が変化してしまうために、既存の電子線描画装置で設計通りのパターンを描画することが出来なくなる。
このような問題を解決するため、特許文献2では、基板の側面、裏面および表面のうちの少なくとも一面に不導通部を形成することによって、チャック層と反射層(または反射層と吸収層との積層膜)との導通がない状態としたEUVマスクブランクスが提案されている。
このような不導通部を形成する方法として、特許文献2では、(1)遮蔽部材を用いて不導通部が形成されるようにチャック層、または、反射層および吸収層を成膜する方法、(2)基板全面にチャック層、または、反射層および吸収層を成膜した後、形成された層の一部を除去することにより不導通部を形成する方法が提案されている。
これらの方法のうち、(2)の方法は、除去された層がパーティクル源となる可能性を潜在的にもつため、(1)のほうが好ましい。
但し、特許文献2には、上記(1)の方法で使用する遮蔽部材に関する詳細な記載は示されていない。
以上述べたように、EUVマスクブランクスの製造時、ガラス基板の両方の面に形成された膜間で導通が生じるのを防止するためには、遮蔽部材を用いて成膜することによって、ガラス基板の側面に不導通部を形成すること、すなわち、遮蔽部材を用いて成膜することによって、ガラス基板の側面への膜材料の付着を抑制することが好ましい。
また、フォトマスクの製造工程においては、数多くの自動搬送機構が導入されており、その一部にはフォトダイオード等によりガラス基板側面から光学的に基板を検知する手法が採用されている。このようなガラス基板側面から光学的に基板を検知する自動搬送機構において、ガラス基板の側面に膜材料が付着していることが基板検知の妨げとなることがしばしばある。このような理由からも、ガラス基板の側面への膜材料の付着を抑制することが好ましい。
成膜時に遮蔽部材を用いることによって、基板側面への膜材料の付着を抑制するフォトマスクブランクスの製造方法が特許文献3,4に開示されている。すなわち、特許文献3には、電子線描画によりレジストパターンを形成する電子線描画用のマスクブランクスであって、透明基板上に、遮光膜と、前記遮光膜のエッチングに対して耐性を有する無機系材料からなるエッチングマスク膜がこの順に形成されたマスクブランクスの製造方法であって、前記エッチングマスク膜を成膜する際に、前記基板の少なくとも側面には成膜されないように遮蔽板にて遮蔽することを特徴とするマスクブランクスの製造方法が開示されている。また、特許文献4には、露光光に対して透明な基板の上にスパッタリングにより遮光膜又は位相シフト膜を成膜してなるフォトマスクブランクスの製造方法であって、ターゲットと基板との間に遮蔽板を設け、低角度で入射するスパッタリング粒子の基板への照射を規制して遮光膜又は位相シフト膜を成膜することを特徴とするフォトマスクブランクスの製造方法が開示されている。
再表2007−069417号公報 特表2009−523311号公報 特開2009−115957号公報 特開2003−344989号公報
しかしながら、特許文献3,4に記載の方法では、上述したガラス基板側面への膜材料の付着による問題を必ずしも解消することができないこと、および、製造されるEUVマスクブランクスの欠陥が増加するおそれがあることを本願発明者らは見出した。
特許文献3に記載の方法の場合、成膜時に遮蔽部材を用いることによって基板側面に不導通部を形成することはできるが、基板側面への膜材料の付着自体は抑制することができない。この点については、同文献の図1において、基板の面取り面に近い側面に膜が形成されていることからも明らかである。
また、段落番号[0012]に記載されているように、特許文献3に記載の方法では、弾力性のある材料で形成された遮蔽板(例えば、主表面の面積と同じ開口を有するゴム材料からなるシート)を、基板に押し当てて接触又は密着させて遮蔽する。なお、基板に遮蔽板を僅かな間隙で近接させて遮蔽することも可能であるとされている。
ここで、遮蔽板には、膜材料が付着するのが常である。したがって、このような方法を実施した場合、遮蔽板に付着していた膜材料が、該遮蔽板と接触または近接する基板に付着することによって、基板側面への膜材料の付着を生じたり、製造されるマスクブランクスに欠陥を生じさせるおそれがある。
また、遮蔽板として、弾力性のある材料を使用した場合、形状変化(例えば、温度変化による遮蔽板の膨張や収縮)によって、遮蔽板に付着していた膜材料が、該遮蔽板と接触または近接する基板に付着することによって、基板側面への膜材料の付着を生じたり、製造されるマスクブランクスに欠陥を生じさせるおそれがある。
このように、特許文献3に記載の方法では、使用する遮蔽板自体が、基板側面への膜材料の付着の原因となったり、製造されるマスクブランクスにおける欠陥の発生源となるおそれがある。
また、特許文献3に記載の方法では、同文献の図1に示すように、基板の面取り面や面取り面に近い側面に膜が形成されているが、これらの部位に膜を形成した場合、基板の角部、具体的には、主表面と面取り面との角部や、面取り面と側面との角部にも膜が形成されることとなるが、これらの角部は膜材料が剥離しやすく、剥離した膜材料は基板側面への膜材料の付着の原因となったり、製造されるマスクブランクスにおける欠陥の発生源となる。
特許文献4の記載の方法の場合、使用する遮蔽板に関する詳細な記載は示されていない。このため、特許文献4に記載の方法を実施する場合、使用する遮蔽板を適宜選択することになるが、使用する遮蔽板によっては、特許文献3について述べたように、基板側面への膜材料の付着自体は抑制することができない可能性がある。また、使用する遮蔽板自体が、基板側面への膜材料の付着の原因となったり、製造されるマスクブランクスにおける欠陥の発生源となるおそれがある。
また、特許文献4に記載の方法の場合、同文献の請求項2に記載されているように、低角度で入射するスパッタリング粒子の基板への照射を規制するために、基板に照射されるスパッタリング粒子の入射角が、基板の垂直方向に対して−40〜+40°の範囲に制限されているが、スパッタリング粒子の入射角をこのように垂直に近づけるためには、ターゲットとマスクブランクスとの距離を長くする必要があり装置が大型化する、また、ターゲットのサイズを小さくする必要があり均質な成膜が難しくなる等の理由から好ましくない。
上記した従来技術の問題点を解決するため、本発明は、成膜時のガラス基板側面への膜材料の付着を抑制することができ、かつ、製造されるマスクブランクスの欠陥を抑制することができるEUVマスクブランクスの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、スパッタリング法により、ガラス基板上にEUV光を反射する反射層、および、EUV光を吸収する吸収層を少なくともこの順に形成するEUVリソグラフィ(EUVL)用反射型マスクブランクスの製造方法であって、
前記ガラス基板の側面全周を覆うように前記ガラス基板の側方に配置される側面保護板、および、前記ガラス基板の成膜面の外縁部を覆うように前記ガラス基板の上方に配置される遮蔽板を有し、
前記側面保護板および前記遮蔽板は、前記成膜面、前記成膜面から前記側面まで連続する面、および、前記側面のいずれの面とも接触せず、かつ、前記側面保護板および前記遮蔽板が下記(1)〜(3)を満たすスパッタリング装置を用いて、前記ガラス基板上に前記反射層および前記吸収層を少なくともこの順に形成することを特徴とするEUVL用反射型マスクブランクスの製造方法を提供する。
(1)前記側面保護板と、前記ガラス基板の側面と、の距離が1〜10mmである。
(2)前記遮蔽板で覆われる前記ガラス基板の成膜面の外縁部の長さが1〜9mmである。
(3)前記遮蔽板と、前記ガラス基板の成膜面と、の間隔が1〜8mmである。
本発明の方法により製造されるEUVL用反射型マスクブランクスにおいて、前記ガラス基板側面のシート抵抗値が、前記ガラス基板側面の全ての部位において100MΩ/□以上であることが好ましい。
本発明の方法により製造されるEUVL用反射型マスクブランクスにおいて、マスクブランクスの製造前後での前記ガラス基板側面の吸光度増加量が350nm〜800nmにわたり0.5以下であることが好ましい。
また、本発明により製造されるEUVL用反射型マスクブランクスにおいて、前記成膜面から前記側面まで連続する面は、面取り部および/またはノッチマークを含んでもよい。
本発明のEUVマスクブランクスの製造方法によれば、成膜時のガラス基板側面への膜材料の付着を抑制することができ、かつ、製造されるマスクブランクスの欠陥を抑制することができる。
図1は、本発明のEUVマスクブランクスの製造方法の実施時におけるガラス基板、遮蔽板および側面保護板の位置関係を示した平面図である。 図2は、本発明のEUVマスクブランクスの製造方法の実施時におけるガラス基板、遮蔽板および側面保護板の位置関係を示した側面図である。 図3は、ガラス基板と、遮蔽板および側面保護板と、の間での膜材料の挙動を示した模式図である。 図4は、ガラス基板と、遮蔽板および側面保護板と、の間での膜材料の挙動を示した模式図である。
以下、図面を参照して本発明を説明する。
本発明のEUVマスクブランクスの製造方法では、以下に述べる所定の側面保護板および遮蔽板を有するスパッタリング装置を用いて、ガラス基板上にEUV光を反射する反射層、および、EUV光を吸収する吸収層を少なくともこの順に形成することを特徴とする。
図1、および、図2は、本発明のEUVマスクブランクスの製造方法の実施時におけるガラス基板、遮蔽板および側面保護板の位置関係を示した平面図、および、側面図である。
図1に示すガラス基板10は、反射層および吸収層が形成される成膜面の側が示されている。なお、図2中、上側がガラス基板10の成膜面11である。図示していないが、該成膜面に対する裏面は、静電チャックにより保持されている。なお、ガラス基板10に対して後述する位置関係になるように、側面保護板および遮蔽板を配置できる限り、ガラス基板10は機械的チャックにより保持してもよい。
図1,2において、ガラス基板10の側面全周を覆うように、側面保護板20がガラス基板10の側方に配置されている。但し、図2において、図面手前側の側面保護板20は省略されている。
ガラス基板10の上方に配置されるように、側面保護板20の上端には開口部31を有する遮蔽板30が配置されている。ここで、図1に示すように、遮蔽板30の開口部31は、その大きさがガラス基板10の成膜面11よりも小さいため、ガラス基板10の成膜面11の外縁部は、遮蔽板30によって覆われた状態となる。
EUVマスクブランクス用のガラス基板では、該ガラス基板の成膜面全体がマスクパターンの形成に用いられるわけではない。例えば、152mm角のガラス基板の場合、該ガラス基板を用いて製造されるEUVマスクにおける光学特性の品質保証領域は132mm角の領域である。このため、EUVマスクブランクスをパターニングしてEUVマスクを作成する際に、レジスト膜が形成される領域は142mm角の領域である。成膜面上に反射層および吸収層を形成する場合も、レジスト膜が形成される142mm角の領域に反射層および吸収層を形成すればよく、それよりも外側の成膜面の外縁部に反射層および吸収層を形成することは、ガラス基板10の側面への膜材料の付着につながるので望ましくない。
また、図示したガラス基板10のように、成膜面の外縁部には、安全上の理由や、ガラス基板の表裏を認識しやすくするために、面取り部やノッチマークが設けられる場合があるが、角部が存在する面取り部やノッチマークへの膜形成は膜材料が剥離しやすく、剥離した膜材料は基板側面への膜材料の付着の原因となったり、製造されるマスクブランクスにおける欠陥の発生源となるので望ましくない。
さらに、フォトマスクの製造工程において導入されている、ガラス基板側面から光学的に基板を検知する自動搬送機構においては、ガラス基板の側面に膜材料が付着していないほうが基板検知がスムーズに行うことができることからも、成膜面の外縁部に反射層および吸収層を形成することは、ガラス基板10の側面への膜材料の付着につながるので望ましくない。
これらの理由から、ガラス基板10の成膜面11の外縁部は、遮蔽板30で覆うことにより、膜形成を最小限に抑える。
本発明のEUVマスクブランクスの製造方法において、遮蔽板30で覆われる成膜面の外縁部の長さ(成膜面遮蔽長)Lが1〜9mmである。
成膜面遮蔽長Lが1mm未満だと、成膜面11の外縁部への膜形成を最小限に抑えることができず、ガラス基板10の側面への膜材料の付着を抑制することができないおそれがある。また、成膜面の外縁部に面取り部やノッチマークが設けられている場合、面取り部やノッチマークへの膜形成を抑制できないおそれがある。
成膜面遮蔽長Lが9mm超だと、製造後のEUVマスクブランクスにおいて、レジスト膜が形成される領域付近まで遮蔽板30で覆われることとなるため、成膜面上への反射層および吸収層の形成に影響を及ぼし、製造されるEUVマスクブランクの特性、例えば、EUV光線反射率の低下、EUV反射量分布の不均質化等を引き起こすおそれがある。
本発明のEUVマスクブランクスの製造方法において、成膜面遮蔽長Lが3〜7mmであることがより好ましく、4〜6mmであることがさらに好ましい。
本発明のEUVマスクブランクスの製造方法において、ガラス基板10の成膜面11と、遮蔽板30と、の間隔d1が1〜8mmとなるように遮蔽板を配置する必要がある。
成膜面11と遮蔽板30との間隔d1が1mm未満の場合、両者の間隔が小さすぎるため、ガラス基板10を所定の位置に固定する際や製造されたEUVマスクブランクスを回収する際といったガラス基板10の取扱い時、あるいは、反射層および吸収層を形成するためのスパッタリングの実施時に、成膜面11に遮蔽板30が接触して、成膜面11を損傷するおそれがある。
また、遮蔽板に付着していた膜材料が、該ガラス基板10側に付着することによって、ガラス基板10の側面への膜材料の付着を生じたり、製造されるEUVマスクブランクスに欠陥を生じさせるおそれがある。
成膜面11と遮蔽板30との間隔d1が8mm超の場合、両者の間隔が大きすぎるため、成膜面11の外縁部への膜形成を最小限に抑えることができず、ガラス基板10の側面への膜材料の付着を抑制することができないおそれがある。また、成膜面の外縁部に面取り部やノッチマークが設けられている場合、面取り部やノッチマークへの膜形成を抑制できないおそれがある。
本発明のEUVマスクブランクスの製造方法において、成膜面11と遮蔽板30との間隔d1が2〜5mmであることがより好ましい。
本発明のEUVマスクブランクスの製造方法では、成膜面遮蔽長L、および、成膜面11と遮蔽板30との間隔d1が、上述した関係となるように、成膜面11の上方に遮蔽板30を配置する必要がある。このため、使用する遮蔽板30は、本発明のEUVマスクブランクスの製造方法の実施時において、形状変化しないことが望ましい。
本発明のEUVマスクブランクスの製造方法の実施時において、遮蔽板30が形状変化することは、遮蔽板30に付着した膜材料が脱落する原因となることからも望ましくない。
これらの理由から、使用する遮蔽板30は、剛性が高く、熱膨張係数が小さい金属材料で作成されていることが好ましい。
また、使用する遮蔽板30は、取扱い性の観点から軽量であることが望ましい。
また、使用する遮蔽板30は、該遮蔽板30に付着した膜材料を脱落させないように、例えば溶射やブラスト処理などにより、表面粗さ加工ができるような材料であることが望ましい。
これらの理由から、遮蔽板30は、5000番台のアルミニウム、チタン、ステンレス等の金属材料や、これらの金属を含む合金材料で作成されていることが好ましい。これらの中でも、アルミニウムやステンレスが安価であることから好ましい。
図2に示すように、遮蔽板30の下面がガラス基板10の成膜面11と平行であることが好ましい。なお、ここでいうガラス基板10の成膜面11とは、面取り部やノッチマークを除いた、いわゆる主面を指す。
特許文献3に記載の方法では、基板のうち、面取り部を主として遮蔽するために、遮蔽板の下面が面取り部の上面と平行になっているが、このような形状の遮蔽板を使用した場合、遮蔽板と重なる面取り部の面積は非常に小さいため、0.5mmオーダーの遮蔽板と基板との位置制御が必要であり実施は困難である。
これに対し、図2に示すように、遮蔽板30の下面がガラス基板10の成膜面11と平行である場合は、上記のような問題を生じるおそれがない。
本発明のEUVマスクブランクスの製造方法において、ガラス基板10の側面全周を覆うように、側面保護板20をガラス基板10の側方に配置する理由は以下の通りである。
スパッタリング装置の内壁は、飛散する金属原子が堆積して剥離し、基板に落下し異物となる可能性があるため、基板の成膜面以外の面は成膜成分や異物を付着させないように極力覆いをすることが好ましい。
上述したように、本発明のEUVマスクブランクスの製造方法では、ガラス基板10の成膜面11と、遮蔽板30と、の間隔d1が1〜8mmとなるように遮蔽板を配置するため、成膜面11と遮蔽板30との間には空隙が存在することとなる。成膜面11上に反射層および吸収層を形成する際、この空隙を通ってガラス基板10の側面側に膜材料が廻りこむことを完全に阻止することはできず、ガラス基板10の側面への膜材料が付着する可能性がある。
ガラス基板10の側面全周を覆うように、側面保護板20をガラス基板10の側方に配置した場合、ガラス基板10の側面側に廻りこんだ膜材料が、側面保護板20およびガラス基板10の側面に衝突することを繰り返して、その運動エネルギーが減衰されることによって、ガラス基板10の側面への膜材料の付着が抑制される。
本発明のEUVL用反射型マスクブランクスの製造方法において、側面保護板20と、ガラス基板10の側面と、の距離d2が1〜10mmである。
側面保護板20と、ガラス基板10の側面と、の距離d2が1mm未満の場合、両者の間隔が小さすぎるため、ガラス基板10を所定の位置に固定する際や製造されたEUVマスクブランクスを回収する際といったガラス基板10の取扱い時、あるいは、反射層および吸収層を形成するためのスパッタリングの実施時に、ガラス基板10の側面が側面保護板20に接触して、該側面が損傷し異物が発生するおそれがある。
一方、側面保護板20と、ガラス基板10の側面と、の距離d2が10mm超の場合、両者の間隔が大きすぎるため、上述したような、ガラス基板10の側面側に廻りこんだ膜材料が側面保護板20およびガラス基板10の側面に衝突することを繰り返して、その運動エネルギーが減衰される作用が十分発揮されず、ガラス基板10の側面への膜材料の付着を抑制することができない。その理由について、図3,4を用いて説明する。
基板10と遮蔽板30の間に進入した膜材料40は、基板10と遮蔽板30との間で、運動エネルギーが消失するまで衝突を繰り返す。この際、膜材料40の運動量のうち、基板10および遮蔽板30に直交する方向の成分は、基板10および遮蔽板30に衝突する度に失われる一方で、基板10および遮蔽板30に平行する方向の成分は保存されるので、膜材料40は図3,4のような挙動を示す。ここで、図3のように基板10と側面保護板20との距離が十分に小さいときには、基板10の側面側への膜材料40の回り込みが十分小さいため、基板10の側面には膜材料40は付着せず、基板10の側面には膜50は形成されない。一方、図4のように基板10と側面保護板20との距離が有意に離れている場合、基板10の側面側への膜材料40の回り込みを抑制することができず、基板10の側面に膜材料40が付着し、基板10の側面に膜50が形成されることとなる。
また、側面保護板20と、ガラス基板10の側面と、の距離d2が10mm超の場合、側面保護板20の外径が大きくなり、成膜装置内に設置することが困難となる。
本発明のEUVマスクブランクスの製造方法において、側面保護板20と、ガラス基板10の側面と、の距離d2が1.5mm以上であることがより好ましい。
側面保護板20についても、遮蔽板と同様の特性が求められる。すなわち、本発明のEUVマスクブランクスの製造方法の実施時において形状変化しないことが望ましく、取扱い性の観点から軽量であることが望ましい。
これらの理由から、側面保護板20は、遮蔽板30について例示した金属材料で作成されていることが好ましい。
EUVマスクブランクス用のガラス基板は、低熱膨張係数を有することが求められる。
具体的には、22℃における熱膨張係数が0±0.1×10-7/℃であることが好ましく、より好ましくは0±0.05×10-7/℃、さらに好ましくは0±0.03×10-7/℃)である。このため、EUVマスクブランク用のガラス基板には、低熱膨張係数を有するガラス、例えばSiO2−TiO2系ガラスや、β石英固溶体を析出した結晶化ガラスや石英ガラス等が用いられる。
また、EUVマスクブランクス用のガラス基板は、平滑性および平坦度に優れることが要求される。具体的には、表面粗さ(rms)が0.15nm以下の平滑な表面と100nm以下の平坦度を有していることがパターン形成後のフォトマスクにおいて高反射率および転写精度が得られるために好ましい。
また、EUVマスクブランクス用のガラス基板は、マスクブランクスまたはパターン形成後のフォトマスクの洗浄等に用いる洗浄液への耐性に優れることが要求される。
EUVマスクブランクス用のガラス基板の大きさや厚みなどはマスクの設計値等により適宜決定されるものである。
EUVマスクブランクスの反射層に特に要求される特性は、高EUV光線反射率であることである。具体的には、EUV光の波長領域の光線を反射層表面に入射角度6度で照射した際に、波長13.5nm付近の光線反射率の最大値が60%以上であることが好ましく、65%以上であることがより好ましい。なお、反射層の上に保護層を設けた場合であっても、波長13.5nm付近の光線反射率の最大値が60%以上であることが好ましく、65%以上であることがより好ましい。
反射層としては、高EUV光線反射率を達成できることから、通常は高屈折層と低屈折率層を交互に複数回積層させた多層反射膜が用いられる。反射層をなす多層反射膜において、高屈折率層には、Moが広く使用され、低屈折率層にはSiが広く使用される。すなわち、Mo/Si多層反射膜が最も一般的である。但し、多層反射膜はこれに限定されず、Ru/Si多層反射膜、Mo/Be多層反射膜、Mo化合物/Si化合物多層反射膜、Si/Mo/Ru多層反射膜、Si/Mo/Ru/Mo多層反射膜、Si/Ru/Mo/Ru多層反射膜も用いることができる。
多層反射膜を構成する各層の膜厚および層の繰り返し単位の数は、使用する膜材料および多層反射膜に要求されるEUV波長域のピーク反射率に応じて適宜選択することができる。Mo/Si多層反射膜を例にとると、EUV波長域のピーク反射率が60%以上の多層反射膜とするには、膜厚2.3±0.1nmのMo層と、膜厚4.5±0.1nmのSi層と、を繰り返し単位数が30〜60になるようにこの順に積層させればよい。
なお、多層反射膜を構成する各層は、マグネトロンスパッタリング法、イオンビームスパッタリング法といったスパッタリング法を用いて所望の膜厚になるように形成される。例えば、イオンビームスパッタリング法を用いてMo/Si多層反射膜を形成する場合、ターゲットとしてMoターゲットを用い、スパッタガスとしてArガス(ガス圧1.3×10-2Pa〜2.7×10-2Pa)を使用して、イオン加速電圧300〜1500V、成膜速度0.03〜0.30nm/secで膜厚2.3nmとなるようにMo膜を形成し、次にターゲットとしてSiターゲットを用い、スパッタガスとしてArガス(ガス圧1.3×10-2Pa〜2.7×10-2Pa)を使用して、イオン加速電圧300〜1500V、成膜速度0.03〜0.30nm/secで膜厚4.5nmとなるようにSi膜を形成することが好ましい。これを1周期として、Mo膜およびSi膜を40〜50周期積層させることによりMo/Si多層反射膜が形成される。
反射層が多層反射膜の場合、該多層反射膜の表面が酸化されるのを防止するため、その多層反射膜の最上層を酸化されにくい材料の層とすることが好ましい。酸化されにくい材料の層は反射層のキャップ層として機能する。キャップ層として機能する酸化されにくい材料の層の具体例としては、Si層を例示することができる。反射層12をなす多層反射膜がMo/Si多層反射膜である場合、最上層をSi層とすることによって、該最上層をキャップ層として機能させることができる。その場合キャップ層の膜厚は、11±2nmであることが好ましい。
吸収層に特に要求される特性は、EUV光線反射率が極めて低いことである。具体的には、EUV光の波長領域の光線を吸収層表面に照射した際に、波長13.5nm付近の最大光線反射率が0.5%以下であることが好ましく、0.1%以下であることがより好ましい。
上記の特性を達成するため、EUV光の吸収係数が高い材料で構成されることが好ましく、タンタル(Ta)を主成分とする材料で形成されていることが好ましい。
このような吸収層としては、Ta、B、Siおよび窒素(N)を以下に述べる比率で含有するもの(TaBSiN膜)が挙げられる。
Bの含有率 1at%以上5at%未満、好ましくは1〜4.5at%、より好ましくは1.5〜4at%
Siの含有率 1〜25at%、好ましくは1〜20at%、より好ましくは2〜12at%
TaとNとの組成比(Ta:N) 8:1〜1:1
Taの含有率 好ましくは50〜90at%、より好ましくは60〜80at%
Nの含有率 好ましくは5〜30at%、より好ましくは10〜25at%
上記組成の吸収層は、その結晶状態はアモルファスであり、表面の平滑性に優れている。
上記組成の吸収層は、表面粗さが0.5nm rms以下である。吸収層表面の表面粗さが大きいと、吸収層に形成されるパターンのエッジラフネスが大きくなり、パターンの寸法精度が悪くなる。パターンが微細になるに従いエッジラフネスの影響が顕著になるため、吸収層表面は平滑であることが要求される。
吸収層表面の表面粗さが0.5nm rms以下であれば、吸収層表面が十分平滑であるため、エッジラフネスの影響によってパターンの寸法精度が悪化するおそれがない。吸収層表面の表面粗さは0.4nm rms以下であることがより好ましく、0.3nm rms以下であることがさらに好ましい。
吸収層は、上記の構成であることにより、エッチングガスとして塩素系ガスを用いてドライエッチングを実施した際のエッチング速度が速く、反射層(反射層上にバッファ層が生成されている場合はバッファ層)とのエッチング選択比は10以上を示す。本明細書において、エッチング選択比は、下記式を用いて計算できる。
エッチング選択比
=(吸収層のエッチング速度)/(反射層(反射層上にバッファ層が生成されている場合はバッファ層)のエッチング速度)
エッチング選択比は、10以上が好ましく、11以上であることがさらに好ましく、12以上であることがさらに好ましい。
吸収層の厚さは、50〜100nmであることが好ましい。上記した構成の吸収層は、マグネトロンスパッタリング法やイオンビームスパッタリング法といたスパッタリング法を用いて形成される。マグネトロンスパッタリング法を用いる場合、下記(1)〜(3)の方法で吸収層を形成することができる。
(1)Taターゲット、BターゲットおよびSiターゲットを使用し、Arで希釈した窒素(N2)雰囲気中でこれらの個々のターゲットを同時に放電させることによって吸収層15を形成する。
(2)TaB化合物ターゲットおよびSiターゲットを用いて、これらのターゲットをArで希釈したN2雰囲気中で同時放電させることによって吸収層を形成する。
(3)TaBSi化合物ターゲットを用いて、この3元素が一体化されたターゲットをArで希釈したN2雰囲気中で放電させることによって吸収層を形成する。
なお、上述した方法のうち、2以上のターゲットを同時に放電させる方法((1)、(2))では、各ターゲットの投入電力を調節することによって、形成される吸収層の組成を制御することができる。
上記の中でも(2)および(3)の方法が、放電の不安定化や膜の組成や膜厚のばらつきを回避できる点で好ましく、(3)の方法が特に好ましい。TaBSi化合物ターゲットは、その組成がTa=50〜94at%、Si=5〜30at%、B=1〜20at%であることが、放電の不安定化や膜の組成や膜厚のばらつきを回避できる点で特に好ましい。
上記例示した方法で吸収層を形成するには、具体的には以下の成膜条件で実施すればよい。
TaB化合物ターゲットおよびSiターゲットを使用する方法(2)
スパッタガス:ArとN2の混合ガス(N2ガス濃度3〜80vol%、好ましくは5〜30vol%、より好ましくは8〜15vol%。ガス圧1.0×10-1Pa〜10×10-1Pa、好ましくは1.0×10-1Pa〜5×10-1Pa、より好ましくは1.0×10-1Pa〜3×10-1Pa。)
投入電力(各ターゲットについて):30〜1000W、好ましくは50〜750W、より好ましくは80〜500W
成膜速度:2.0〜60nm/sec、好ましくは3.5〜45nm/sec、より好ましくは5〜30nm/sec
TaBSi化合物ターゲットを使用する方法(3)
スパッタガス:ArとN2の混合ガス(N2ガス濃度3〜80vol%、好ましくは5〜30vol%、より好ましくは8〜15vol%。ガス圧1.0×10-1Pa〜10×10-1Pa、好ましくは1.0×10-1Pa〜5×10-1Pa、より好ましくは1.0×10-1Pa〜3×10-1Pa)
投入電力:30〜1000W、好ましくは50〜750W、より好ましくは80〜500W
成膜速度:2.0〜60nm/sec、好ましくは3.5〜45nm/sec、より好ましくは5〜30nm/sec
EUVマスクブランクスを製造する場合、反射層および吸収層以外の各種機能層を形成してもよい。このような機能層の具体例としては、パターニングの際に反射層がダメージを受けるのを防止する目的で反射層と吸収層との間に必要に応じて形成されるバッファ層、マスクパターンの検査時のコントラストを向上させる目的で吸収層上に必要に応じて形成される低反射層(マスクパターンの検査光の波長域における低反射層)等が挙げられる。
バッファ層は、エッチングプロセス、通常はドライエッチングプロセスにより吸収層にパターン形成する際に、反射層がエッチングプロセスによるダメージを受けないよう、反射層を保護することを目的として設けられる。したがって保護層の材質としては、吸収層のエッチングプロセスによる影響を受けにくい、つまりこのエッチング速度が吸収層よりも遅く、しかもこのエッチングプロセスによるダメージを受けにくい物質が選択される。この条件を満たす物質としては、たとえばAl及びその窒化物、Ru及びRu化合物(RuB、RuSi等)、ならびにSiO2、Si34、Al23やこれらの混合物が例示される。これらの中でも、Ru及びRu化合物(RuB、RuSi等)およびSiO2が好ましい。
また、バッファ層中には、TaおよびCrを含まないことが、膜応力が大きくなるのを防ぐという理由で好ましい。保護層中のTa、Crの含有率は、それぞれ5at%以下、特に3at%以下が好ましく、さらにはTaおよびCrを含まないことが好ましい。
バッファ層の厚さは1〜60nm、特に1〜10nmであることが好ましい。
バッファ層は、マグネトロンスパッタリング法、イオンビームスパッタリング法といったスパッタリング法を用いて形成される。マグネトロンスパッタリング法によりRu膜を成膜する場合、ターゲットとしてRuターゲットを用い、スパッタガスとしてArガス(ガス圧1.0×10-2Pa〜10×10-1Pa)を使用して投入電圧30V〜1500V、成膜速度0.02〜1.0nm/secで厚さ2〜5nmとなるように成膜することが好ましい。
EUVマスクを作製する際、吸収層にパターンを形成した後、このパターンが設計通りに形成されているかどうか検査する。このマスクパターンの検査では、検査光として通常257nm程度の光を使用した検査機が使用される。つまり、この257nm程度の光の反射率の差、具体的には、吸収層がパターン形成により除去されて露出した面と、パターン形成により除去されずに残った吸収層表面と、の反射率の差によって検査される。ここで、前者は反射層表面(または反射層上に形成されたバッファ層表面)である。したがって、検査光の波長に対する反射層表面(または反射層上に形成されたバッファ層表面)と吸収層表面との反射率の差が小さいと検査時のコントラストが悪くなり、正確な検査が出来ないことになる。
吸収層の好適例として上述したTaBSiN膜は、EUV光線反射率が極めて低く、EUVマスクブランクスの吸収層として優れた特性を有しているが、検査光の波長域について見た場合、光線反射率が必ずしも十分低いとは言えない。この結果、検査光の波長域での吸収層表面の反射率と反射層表面(または反射層上に形成されたバッファ層表面)の反射率との差が小さくなり、検査時のコントラストが十分得られない可能性がある。検査時のコントラストが十分得られないと、マスク検査においてパターンの欠陥を十分判別できず、正確な欠陥検査を行えないことになる。
吸収層上に検査光の波長域における低反射層を形成することにより、検査時のコントラストが良好となる、別の言い方をすると、検査光の波長域における光線反射率が極めて低くなる。このような目的で形成する低反射層は、該低反射層表面に検査光の波長域の光線を照射した際に、該検査光の波長域における最大光線反射率が15%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましく、5%以下であることがさらに好ましい。
検査光の波長域における最大光線反射率が15%以下であれば、該検査時のコントラストが良好である。具体的には、反射層表面(または反射層上に形成されたバッファ層表面)での反射光(検査光の波長域における反射光)と、低反射層表面での反射光(検査光の波長域における反射光)と、のコントラストが、40%以上となる。
本明細書において、コントラストは下記式を用いて求めることができる。
コントラスト(%)=((R2−R1)/(R2+R1))×100
ここで、R2は反射層表面(または反射層上に形成されたバッファ層表面)での反射率(検査光の波長における反射率)であり、R1は低反射層表面での反射率(検査光の波長における反射率)である。
本発明において、上記式で表されるコントラストが45%以上であることがより好ましく、60%以上であることがさらに好ましく、80%以上であることが特に好ましい。
低反射層は、上記の特性を達成するため、検査光の波長の屈折率が吸収層よりも低い材料で構成され、その結晶状態がアモルファスであることが好ましい。
このような低反射層の具体例としては、Ta、B、Siおよび酸素(O)を以下に述べる比率で含有するもの(低反射層(TaBSiO))が挙げられる。
Bの含有率 1at%以上5at%未満、好ましくは1〜4.5at%、より好ましくは1.5〜4at%
Siの含有率 1〜25at%、好ましくは1〜20at%、より好ましくは2〜10at%
TaとOとの組成比(Ta:O) 7:2〜1:2、好ましくは7:2〜1:1、より好ましくは2:1〜1:1
また、低反射層の具体例としては、Ta、B、Si、OおよびNを以下に述べる比率で含有するもの(低反射層(TaBSiON))が挙げられる。
Bの含有率 1at%以上5at%未満、好ましくは1〜4.5at%、より好ましくは2〜4.0at%
Siの含有率 1〜25at%、好ましくは1〜20at%、より好ましくは2〜10at%
TaとO及びNの組成比(Ta:(O+N)) 7:2〜1:2、好ましくは7:2〜1:1、より好ましくは2:1〜1:1
低反射層(TaBSiO),(TaBSiON)は、上記の構成であることにより、その結晶状態はアモルファスであり、その表面が平滑性に優れている。具体的には、低反射層(TaBSiO),(TaBSiON)表面の表面粗さが0.5nm rms以下である。
上記したように、エッジラフネスの影響によってパターンの寸法精度の悪化が防止するため、吸収層表面は平滑であることが要求される。低反射層は、吸収層上に形成されるため、同様の理由から、その表面は平滑であることが要求される。
低反射層表面の表面粗さが0.5nm rms以下であれば、低反射層表面が十分平滑であるため、エッジラフネスの影響によってパターンの寸法精度が悪化するおそれがない。低反射層表面の表面粗さは0.4nm rms以下であることがより好ましく、0.3nm rms以下であることがさらに好ましい。
吸収層上に低反射層を形成する場合、吸収層と低反射層との合計厚さが55〜130nmであることが好ましい。また、低反射層の厚さが吸収層の厚さよりも大きいと、吸収層でのEUV光吸収特性が低下するおそれがあるので、低反射層の厚さは吸収層の厚さよりも小さいことが好ましい。このため、低反射層の厚さは5〜30nmであることが好ましく、10〜20nmであることがより好ましい。
低反射層(TaBSiO),(TaBSiON)は、マグネトロンスパッタリング法やイオンビームスパッタリング法といったスパッタリング法を用いて形成することができ、マグネトロンスパッタリング法を用いる場合、下記(1)〜(3)の方法で低反射層(TaBSiO)を形成することができる。
(1)Taターゲット、BターゲットおよびSiターゲットを使用し、アルゴン(Ar)で希釈した酸素(O2)雰囲気中でこれらの個々のターゲットを同時に放電させることによって低反射層(TaBSiO)を形成する。
(2)TaB化合物ターゲットおよびSiターゲットを用いて、これらのターゲットをアルゴンで希釈した酸素雰囲気中で同時放電させることによって低反射層(TaBSiO)を形成する。
(3)TaBSi化合物ターゲットを用いて、この3元素が一体化されたターゲットをアルゴンで希釈した酸素雰囲気中で放電させることによって低反射層(TaBSiO)を形成する。
なお、上述した方法のうち、2以上のターゲットを同時に放電させる方法((1)、(2))では、各ターゲットの投入電力を調節することによって、形成される低反射層(TaBSiO)の組成を制御することができる。
上記の中でも(2)および(3)の方法が、放電の不安定化や膜の組成や膜厚のばらつきを回避できる点で好ましく、(3)の方法が特に好ましい。TaBSi化合物ターゲットは、その組成がTa=50〜94at%、Si=5〜30at%、B=1〜20at%であることが、放電の不安定化や膜の組成や膜厚のばらつきを回避できる点で特に好ましい。
低反射層(TaBSiON)を形成する場合、アルゴンで希釈した酸素雰囲気の代わりにアルゴンで希釈した酸素・窒素混合ガス雰囲気で、上記と同様の手順を実施すればよい。
上記の方法で低反射層(TaBSiO)を形成するには、具体的には以下の成膜条件で実施すればよい。
TaB化合物ターゲットおよびSiターゲットを使用する方法(2)
スパッタガス:ArとO2の混合ガス(O2ガス濃度3〜80vol%、好ましくは5〜30vol%、より好ましくは8〜15vol%。ガス圧1.0×10-1Pa〜10×10-1Pa、好ましくは1.0×10-1Pa〜5×10-1Pa、より好ましくは1.0×10-1Pa〜3×10-1Pa。)
投入電力(各ターゲットについて):30〜1000W、好ましくは50〜750W、より好ましくは80〜500W
成膜速度:2.0〜60nm/sec、好ましくは3.5〜45nm/sec、より好ましくは5〜30nm/sec
TaBSi化合物ターゲットを使用する方法(3)
スパッタガス:ArとO2の混合ガス(O2ガス濃度3〜80vol%、好ましくは5〜30vol%、より好ましくは8〜15vol%。ガス圧1.0×10-1Pa〜10×10-1Pa、好ましくは1.0×10-1Pa〜5×10-1Pa、より好ましくは1.0×10-1Pa〜3×10-1Pa。)
投入電力:30〜1000W、好ましくは50〜750W、より好ましくは80〜500W
成膜速度:2.0〜50nm/sec、好ましくは2.5〜35nm/sec、より好ましくは5〜25nm/sec
上記の方法で低反射層(TaBSiON)を形成するには、具体的には以下の成膜条件で実施すればよい。
TaB化合物ターゲットおよびSiターゲットを使用する方法(2)
スパッタガス:ArとO2とN2の混合ガス(O2ガス濃度5〜30体積%、N2ガス濃度5〜30体積%、好ましくはO2ガス濃度6〜25体積%、N2ガス濃度6〜25体積%、より好ましくはO2ガス濃度10〜20体積%、N2ガス濃度15〜25体積%。ガス圧1.0×10-2Pa〜10×10-2Pa、好ましくは1.0×10-2Pa〜5×10-2Pa、より好ましくは1.0×10-2Pa〜3×10-2Pa。)
投入電力(各ターゲットについて):30〜1000W、好ましくは50〜750W、より好ましくは80〜500W
成膜速度:2.0〜50nm/sec、好ましくは2.5〜35nm/sec、より好ましくは5〜25nm/sec
TaBSi化合物ターゲットを使用する方法(3)
スパッタガス:ArとO2とN2の混合ガス(O2ガス濃度5〜30体積%、N2ガス濃度5〜30体積%、好ましくはO2ガス濃度6〜25体積%、N2ガス濃度6〜25体積%、より好ましくはO2ガス濃度10〜20体積%、N2ガス濃度15〜25体積%。ガス圧1.0×10-2Pa〜10×10-2Pa、好ましくは1.0×10-2Pa〜5×10-2Pa、より好ましくは1.0×10-2Pa〜3×10-2Pa。)
投入電力:30〜1000W、好ましくは50〜750W、より好ましくは80〜500W
成膜速度:2.0〜50nm/sec、好ましくは2.5〜35nm/sec、より好ましくは5〜25nm/sec
なお、吸収層上に低反射層を形成することが好ましいのは、パターンの検査光の波長とEUV光の波長とが異なるからである。したがって、パターンの検査光としてEUV光(13.5nm付近)を使用する場合、吸収層上に低反射層を形成する必要はないと考えられる。検査光の波長は、パターン寸法が小さくなるに伴い短波長側にシフトする傾向があり、将来的には193nm、さらには13.5nmにシフトすることも考えられる。検査光の波長が13.5nmである場合、吸収層上に低反射層を形成する必要はないと考えられる。
本発明の方法により製造されるEUVマスクブランクは、反射層および吸収体層、ならびに必要に応じて形成されるバッファ層および低反射層以外に、EUVマスクブランクの分野において公知の機能膜を有していてもよい。このような機能膜の具体例としては、ガラス基板を静電チャックで保持する場合に、該ガラス基板の裏面側に形成される導電膜が挙げられる。裏面側に導電膜が形成されていないガラス基板を静電チャックにより、直接吸着保持することも可能である。しかしながら、絶縁物で誘電体であるガラス基板を静電チャックで直接吸着保持した場合、高電圧を印加する必要があることから、ガラス基板が絶縁破壊するおそれがある。このため、ガラス基板を静電チャックで保持する場合、ガラス基板の裏面側には導電膜を形成することが好ましい。
ガラス基板の裏面側に導電膜を形成する場合、シート抵抗が100Ω/□以下となるように、構成材料の電気伝導率と厚さを選択する。導電膜の構成材料としては、公知の文献に記載されているものから広く選択することができる。例えば、特表2003−501823号公報に記載の高誘電率のコーティング、具体的には、シリコン、TiN、モリブデン、クロム、TaSiからなるコーティングを適用することができる。但し、導電膜表面の表面粗さが小さいことからチャック面との密着性に優れること、および、導電膜のシート抵抗が低く、チャック力に優れることから、導電膜としてCrN膜を形成することが好ましい。
導電膜の厚さは、例えば10〜1000nmとすることができる。
導電膜は、公知の成膜方法、例えば、マグネトロンスパッタリング法、イオンビームスパッタリング法といったスパッタリング法、CVD法、真空蒸着法、電解メッキ法を用いて形成することができる。
本発明のEUVマスクブランクスの製造方法によれば、成膜時のガラス基板側面への膜材料の付着を抑制することができる。これにより、製造されるEUVマスクブランクスは以下に述べる利点を有する。
上述したように、ガラス基板を静電チャックで保持する場合には、該ガラス基板の裏面側に導電膜が形成される。ガラス基板の成膜面には、反射層および吸収体層が形成され、必要に応じてバッファ層および低反射層が形成される。すなわち、ガラス基板の両方の面に膜が形成されることとなる。このような場合、ガラス基板の側面に膜材料が付着すると、ガラス基板の両方の面に形成された膜間で導通が生じるおそれがある。
本発明のEUVマスクブランクスの製造方法によれば、成膜時のガラス基板側面への膜材料の付着を抑制することができるので、製造されるEUVマスクブランクスにおいて、ガラス基板の両方の面に形成された膜間での導通を防止できる。ガラス基板の両方の面に形成された膜間で導通が生じていないことは、ガラス基板側面のシート抵抗値を測定することで確認できる。本発明の方法により製造されるEUVマスクブランクスは、後述する実施例に記載の手順で測定されるガラス基板側面のシート抵抗値が、ガラス基板側面の全ての部位において、100MΩ/□以上であることが好ましく、300MΩ/□以上であることがより好ましく、500MΩ/□以上であることがさらに好ましい。
また、成膜時のガラス基板側面への膜材料の付着が抑制されていることは、マスクブランクスの製造前後にガラス基板側面の吸光度を測定することによっても確認することができる。ガラス基板側面に膜材料が付着すると、ガラス基板側面の吸光度が増加するからである。
膜材料の付着によって、ガラス基板側面の吸光度が増加すると、ガラス基板側面から光学的に基板を検知する自動搬送機構において、ガラス基板の検知が妨げられることがしばしばあるので問題である。
本発明の方法により製造されるEUVマスクブランクスは、後述する実施例に記載の手順で測定されるマスクブランクスの製造前後でのガラス基板側面の吸光度増加量が350nm〜800nmにわたり0.5以下であることが好ましく、0.45以下であることがより好ましく、0.4以下であることがさらに好ましい。
本発明のEUVマスクブランクスの製造方法によれば、製造されるEUVマスクブランクスの欠陥を抑制することができる。
本発明の方法により製造されるEUVマスクブランクスは、後述する実施例に記載の手順で欠陥検査を実施した場合に、70nm以上の欠陥数が30個以下であることが好ましく、10個以下であることがより好ましく、5個以下であることがさらに好ましい。
以下、実施例を用いて本発明をさらに説明する。なお、以下に示す実施例および比較例では、EUVマスクブランクスの代わりに、ガラス基板上に反射層が形成された反射層付基板を作成した。
(実施例1)
実施例1では、ガラス基板10に対して、図1,2に示す位置関係となるように、スパッタリング装置内に、側面保護板20および遮蔽板30を配置した状態で、以下の手順を実施して反射層付基板を得た。
ガラス基板10は、主成分をSiO2としたゼロ膨張ガラスであり、22℃における熱膨張係数が0/℃である。ガラス基板10は静電チャックを用いて吸着保持した。なお、ガラス基板の吸着保持面側には、導電膜として、シート抵抗率90Ω/□、厚さ70nmの窒化クロム(CrN)膜が形成されている。
側面保護板20および遮蔽板30は5000番台のアルミニウム合金製であり、ガラス基板10との位置関係は以下の通りであった。
成膜面遮蔽長L:2mm。
成膜面11と遮蔽板30との間隔d1:2mm
側面保護板20とガラス基板10の側面との距離d2:2mm
ガラス基板の成膜面上にイオンビームスパッタリング法を用いてMo膜およびSi膜を交互に成膜することを50周期繰り返すことにより、合計膜厚340nm((2.3nm+4.5nm)×50)のMo/Si多層反射膜(反射層)を形成して、反射層付基板を得た。
Mo膜およびSi膜の成膜条件は以下の通りである。
Mo膜の成膜条件
ターゲット:Moターゲット
スパッタガス:Arガス(ガス圧0.02Pa)
電圧:700V
成膜速度:0.064nm/sec
膜厚:2.3nm
Si膜の成膜条件
ターゲット:Siターゲット(ホウ素ドープ)
スパッタガス:Arガス(ガス圧0.02Pa)
電圧:700V
成膜速度:0.077nm/sec
膜厚:4.5nm
上記の手順で得られた反射層付基板について、以下の手順でガラス基板10側面のシート抵抗値を測定した。
シート抵抗値の測定方法
市販の4探針測定器(ナプソン株式会社製スタンダードセミオート4探針測定器RT−3000/RG−80N)に基板をセットし測定した。
測定の結果、シート抵抗値は基板側面の全ての部位において検出限界以上であり、500MΩ/□以上であることが確認された。
また、反射層基板の作成前後のガラス基板側面の吸光度を以下の手順で測定した。
吸光度の測定方法
上記の手順で得られた反射層付基板を所定の寸法に切断し、市販の分光光度計(株式会社日立製作所製分光光度計U−4100)に、基板側面部分が表面になるようにセットし、350−800nmの反射率を測定して吸光度を計算した。
その結果、反射層付基板の作成前後でのガラス基板側面の吸光度増加量は0.1であった。
上記の手順で得られた反射層付基板について、市販の欠陥検査装置(レーザーテック社製M1350)にて70nm以上の欠陥数を、検査領域142mm角として測定した。その結果、欠陥数は19個であった。
(実施例2)
成膜面遮蔽量Lを9mmとした点を除いて、実施例1と同様の手順を実施して反射層付基板を得た。
得られた反射層付基板について、ガラス基板側面のシート抵抗値を測定したところ、シート抵抗値は基板側面の全ての部位において検出限界以上であり、500MΩ/□以上であることが確認された。
得られた反射層付基板について、反射層付基板の作成前後でのガラス基板側面の吸光度増加量を測定したところ、吸光度増加量は0.1であった。
得られた反射層付基板について、70nm以上の欠陥数を測定したところ、欠陥数は24個であった。
(実施例3)
成膜面11と遮蔽板30との間隔d1を8mmとした点を除いて、実施例1と同様の手順を実施して反射層付基板を得た。
得られた反射層付基板について、ガラス基板側面のシート抵抗値を測定したところ、シート抵抗値は基板側面の全ての部位において検出限界以上であり、500MΩ/□以上であることが確認された。
得られた反射層付基板について、反射層付基板の作成前後でのガラス基板側面の吸光度増加量を測定したところ、吸光度増加量は0.45であった。
得られた反射層付基板について70nm以上の欠陥数を測定したところ、欠陥数は10個であった。
(比較例1)
成膜面遮蔽量Lを10mmとした点を除いて、実施例1と同様の手順を実施して反射層付基板を得た。
得られた反射層付基板について、フォトマスクの光学特性の品質保証エリアである132mm角の領域で、EUV光線反射率を測定したところ、EUV反射率の低下がみられ、不適な値となった。
(比較例2)
成膜面遮蔽量Lを0.5mmとした点を除いて、実施例1と同様の手順を実施して反射層付基板を得た。
得られた反射層付基板について、ガラス基板側面のシート抵抗値を測定したところ、1MΩ/□であることが確認された。また、反射層付基板の作成前後でのガラス基板側面の吸光度増加量を測定したところ、吸光度増加量は0.6であった。この反射層基板を、基板検知手段にフォトダイオードを使用した模擬自動搬送機構に投入したところ、成膜前の状態では検知できたガラス基板が、成膜後には検知することができなくなっていた。
(比較例3)
成膜面11と遮蔽板30との間隔d1を9mmとした点を除いて、実施例1と同様の手順を実施して反射層付基板を得た。
得られた反射層付基板について、ガラス基板側面のシート抵抗値を測定したところ、500kΩ/□であることが確認された。また、反射層付基板の作成前後でのガラス基板側面の吸光度増加量を測定したところ、吸光度増加量は1.1であった。この反射層基板を、基板検知手段にフォトダイオードを使用した模擬自動搬送機構に投入したところ、成膜前の状態では基板検知手段で検知することができたガラス基板が、成膜後には検知することができなくなっていた。
(比較例4)
成膜面11と遮蔽板30との間隔d1を0.5mmとした点を除いて、実施例1と同様の手順を実施して反射層付基板を得た。
得られた反射層付基板には遮蔽板30との接触痕が見られた。
(比較例5)
側面保護板20とガラス基板10の側面との距離d2を0.5mmとした点を除いて、実施例1と同様の手順を実施して反射層付基板を得た。
得られた反射層付基板には側面保護板20との接触痕が見られた。
(比較例6)
側面保護壁20のみ取り除いた状態で、実施例1と同様の手順を実施して反射層付基板を得た。
得られた反射層付基板について、ガラス基板側面のシート抵抗値を測定したところ、シート抵抗値は1MΩ/□であった。
得られた反射層付基板について、反射層付基板の作成前後でのガラス基板側面の吸光度増加量を測定したところ、吸光度増加量は0.6であった。
(比較例7)
遮蔽板30のみ取り除いた状態で、実施例1と同様の手順を実施して反射層付基板を得た。
得られた反射層付基板について、ガラス基板側面のシート抵抗値を測定したところ、シート抵抗値は300Ω/□であった。
得られた反射層付基板について、反射層付基板の作成前後でのガラス基板側面の吸光度増加量を測定したところ、吸光度増加量は1.6であった。
10:ガラス基板
11:成膜面
20:側面保護板
30:遮蔽板
31:開口部
40:膜材料
50:膜

Claims (4)

  1. スパッタリング法により、ガラス基板上にEUV光を反射する反射層、および、EUV光を吸収する吸収層を少なくともこの順に形成するEUVリソグラフィ(EUVL)用反射型マスクブランクスの製造方法であって、
    前記ガラス基板の側面全周を覆うように前記ガラス基板の側方に配置される側面保護板、および、前記ガラス基板の成膜面の外縁部を覆うように前記ガラス基板の上方に配置される遮蔽板を有し、
    前記側面保護板および前記遮蔽板は、前記成膜面、前記成膜面から前記側面まで連続する面、および、前記側面のいずれの面とも接触せず、かつ、前記側面保護板および前記遮蔽板が下記(1)〜(3)を満たすスパッタリング装置を用いて、前記ガラス基板上に前記反射層および前記吸収層を少なくともこの順に形成することを特徴とするEUVL用反射型マスクブランクスの製造方法。
    (1)前記側面保護板と、前記ガラス基板の側面と、の距離が1〜10mmである。
    (2)前記遮蔽板で覆われる前記ガラス基板の成膜面の外縁部の長さが1〜9mmである。
    (3)前記遮蔽板と、前記ガラス基板の成膜面と、の間隔が1〜8mmである。
  2. 製造されるEUVL用反射型マスクブランクスにおいて、前記ガラス基板側面のシート抵抗値が前記ガラス基板側面の全ての部位において100MΩ/□以上である請求項1に記載のEUVL用反射型マスクブランクスの製造方法。
  3. 製造されるEUVL用反射型マスクブランクスにおいて、マスクブランクスの製造前後での前記ガラス基板側面の吸光度増加量が350nm〜800nmにわたり0.5以下である請求項1または2に記載のEUVL用反射型マスクブランクスの製造方法。
  4. 前記成膜面から前記側面まで連続する面は、面取り部および/またはノッチマークを含む、請求項1〜3いずれかに記載のEUVL用反射型マスクブランクスの製造方法。
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