JP2017075997A - 反射型マスクブランク、及び反射型マスクブランクの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
吸収層に基準マークや位置決め用のマークを形成することは特許文献3〜5にも記載されている。特許文献5には、反射層若しくは該反射層の保護層に基準マークを形成した後、基準マークが形成された面上に吸収層を形成することも記載されている。また、特許文献4、5には、基板上に仮基準マーク形成し、該仮基準マークを基準位置として、基板上の欠点の位置を特定することも記載されている。
さらに、特許文献1に記載の技術のように、反射多層膜を成膜する基板表面に予め基準マークを形成した場合、基準マークを形成するための加工により発生した異物が、基板表面に付着して、新たな欠点を生じさせるおそれがある。
一方、特許文献2〜5に記載の技術のように、吸収層に凹状の基準マークを形成する場合、基準マークは検出性を高めるために、ある程度の深さの基準マークを形成する必要があるが、基準マークの深さが吸収層の膜厚よりも大きくなると、吸収層を貫通し、反射多層膜や該反射多層膜の保護層など複数の材料を加工することとなる。この場合、構成材料の違いや、複数の界面の存在から加工レートに不均一が生じ、基準マークのエッジ形状に乱れが生じ、基準マークの検出性が低下すると考えられる。
基準マークの検出性の評価は、半導体国際規格(SEMI規格)に基づき、ラインエッジラフネスの測長によって行う。測長走査型電子顕微鏡(CD−SEM)にて、基準マークの真上からの像を観察し、基準マークのエッジ部のラインエッジラフネスの3σ(σは標準偏差)(nm)を測長する。
上記の評価から得られる基準マークの検出性を表すラインエッジラフネスの3σが10nmを超えると、基準マークとしての機能が不十分となるので問題となる。
前記反射多層膜の表面のうち、前記反射多層膜のパターニング時の露光領域より外側の部位に、少なくとも3つの基準マークが凹状または凸状に形成されており、該基準マークをなす、凹部の深さ、または、凸部の高さであるhが60nm以上であり、前記基準マークをなす、凹部の幅の平均値、または、凸部の幅の平均値をwとするとき、前記反射多層膜表面のうち、少なくとも、前記基準マークが形成された部位、および、該凹部または凸部の外縁から+0.5wの範囲となる部位(前記基準マークの近傍)には前記吸収層が設けられていないことを特徴とする反射型マスクブランクを提供する。
(2−1)前記基準マークの平面形状は十字形状または略十字形状であり、該十字形状の2軸は、それぞれ、前記反射多層膜の外縁をなす2辺と平行である。
(2−2)前記十字形状をなす、凹部の深さ、または、凸部の高さであるh(nm)と、前記吸収層の膜厚t(nm)と、の比h/tが、0.6≦h/t≦5である。
(2−3)前記十字形状の2軸の幅の平均値w(nm)と、前記十字形状をなす、凹部の深さ、または、凸部の高さであるh(nm)と、の比w/hが、w/h≧1である。
ここで、中心部のラインエッジラフネスが3σで10nm以下であり、外周部のラインエッジラフネスが3σで100nm以下であることが好ましい。
また、中心部のラインエッジラフネスの3σと、外周部のラインエッジラフネスの3σと、の差が2nm以上であることが好ましい。
前記反射多層膜の表面のうち、前記反射多層膜のパターニング時の露光領域より外側の部位に、少なくとも3つの凹状または凸状の基準マークを、凹部の深さ、または、凸部の高さであるhが60nm以上となるように、形成する工程、
および、前記基準マークをなす、凹部の幅の平均値、または、凸部の幅の平均値をwとするとき、前記反射多層膜表面のうち、少なくとも、該基準マークが形成された部位、および、該凹部または凸部の外縁から+0.5wの範囲となる部位(前記基準マークの近傍)を遮蔽した状態で、乾式成膜法により前記吸収層を形成することを特徴とする反射型マスクブランクの製造方法を提供する。
(2−1)前記基準マークの平面形状は十字形状または略十字形状であり、該十字形状の2軸は、それぞれ、前記反射多層膜の外縁をなす2辺と平行である。
(2−2)前記十字形状をなす、凹部の深さ、または、凸部の高さであるh(nm)と、前記吸収層の膜厚t(nm)と、の比h/tが、0.6≦h/t≦5である。
(2−3)前記十字形状の2軸の幅の平均値w(nm)と、前記十字形状をなす、凹部の深さ、または、凸部の高さであるh(nm)と、の比w/hが、w/h≧1である。
本発明の反射型マスクブランクの製造方法において、リソグラフィプロセスにより、少なくとも3つの凹状または凸状の基準マークを形成してもよい。
但し、基準マーク40は、反射型マスクブランク1の欠点検査の際に、欠点検査機で検出されるため、パターニング時の露光領域内に基準マーク40が存在すると、基準マーク40が反射型マスクブランク1の欠点となるおそれがある。このため、基準マーク40は、反射多層膜20の表面のうち、パターニング時の露光領域外に形成する。
パターニング時の露光領域は、基板の寸法やパターニング時の露光領域に関するスペックによって異なる。EUVL用の反射型マスクブランクの基板10として、通常使用される152.0×152.0mm□の基板の場合、パターニング時の露光領域は132×104mm□であるので、この領域よりも外側に基準マーク40を形成する。なお、この露光領域は通常基板の中心に位置する。
一方、基板10を把持する都合等により、基板10の外端付近は基板10の他の部位に比べて、欠点検査機による検出精度が低くなる。例えば、152.0×152.0mm□の基板の検査に使用される既存の欠点検査機の場合、検査可能な領域は149×149mm□であるので、この領域内にマークを形成することが好ましい。
したがって、152.0×152.0mm□の基板に関する現行のスペックに従い、既存の欠点検査機を用いて欠点を検出する場合、104×132mm□〜149×149mm□の領域にマークを設けることが好ましい。
以下、本明細書において、反射多層膜表面に基準マークを形成する、とは、反射多層膜表面のうち、パターニング時の露光領域より外側の部位に基準マークを形成することを指す。
なお、図示した態様では、反射多層膜20の表面のうち、パターニング時の露光領域外の四隅に基準マークが形成されているが、基準マークを形成する位置は、パターニング時の露光領域外である限り特に限定されない。例えば、図2に示す基準マーク40同士の間となる位置に基準マークを形成してもよい。
上述したように、反射多層膜20表面に形成された基準マーク40は、反射型マスクブランク1の欠点検査の際に、基準マーク40を基準位置として、反射多層膜20に存在する欠陥の位置を、基準マーク40との相対位置として、より具体的には、基準マーク40間を結ぶ軸との相対位置として、特定するのに使用される。ここで、反射多層膜20に存在する欠点の位置を正確に特定するためには、少なくとも2軸必要である。そのため、少なくとも3つの基準マーク40を形成する必要がある。これら3つの基準マーク40は、反射多層膜20表面上で同一の仮想直線に載らないよう配置することが好ましい。
基準マークは、交点を持つ二つ以上の基準直線の各々を線対称軸とする、凹部または凸部の図形の組み合わせからなる。この線対称軸を挟んだ図形の外縁の間の距離の平均値を幅wとする。この場合、本明細書において、基準マークが形成されている部位の近傍とは、反射多層膜表面のうち、少なくとも、該凹部または凸部の外縁から+0.5wの範囲となる部位を指す。幅wは、測長走査型電子顕微鏡により線対称軸を挟んだ図形の外縁の間の距離を測定ピッチ10nm以下で測定し平均を算出して求める。
基準マークが形成されている部位およびその近傍に吸収層が設けられている場合には、特許文献2〜5に記載の技術のように、以下の2通りが想定される。
(ケース1)吸収層に凹状の基準マークを形成した場合に、該基準マークが吸収層を貫通して、反射多層膜まで到達した場合
(ケース2)反射多層膜表面に基準マークを形成した後、基準マークが形成された反射多層膜上に吸収層を形成した場合
ケース1の場合、上述したように、基準マークの形成時に、吸収層を貫通して、反射多層膜や該反射多層膜の保護層など複数の材料を加工することとなる。このため、構成材料の違いや、複数の界面の存在から加工レートに不均一が生じ、基準マークのエッジ形状に乱れが生じ、基準マークの検出性が低下する。
ケース2の場合、基準マーク上に吸収層が形成されることにより、基準マークの幅や深さが減少して、基準マークの検出性が低下する。
本発明の反射型マスクブランクでは、反射多層膜表面のうち、少なくとも、基準マークが形成された部位およびその近傍に吸収層が形成されていなければよく、図2に示した態様には限定されない。
図3は、本発明の反射型マスクブランクの別の一実施態様を示した平面図である。図3では、反射多層膜表面20のうち、基準マーク40が形成された部位およびその近傍のみが、吸収層30が設けられていない。
本発明では、反射型マスクブランクの作製時に使用する設備や、反射型マスクブランクの要求特性等を考慮して、図2,3の実施態様から適宜選択することができる。詳しくは後述するが、図2、3の実施態様の違いは、吸収層形成時に使用する遮蔽の形状に違いによるものである。そのため、吸収層形成時に使用可能な遮蔽の形状に応じて、図2、3の実施態様から適宜選択できる。
本発明の反射型マスクブランクにおいて、基準マーク40をなす凹部の深さをhとするとき、該hが60nm以上である。なお、基準マークが凸状に形成されている場合は、凸部の高さが60nm以上である。
該hが60nm未満だと、基準マークの検出性が低下する。
該hは、65nm以上であることが好ましく、70nm以上であることがより好ましく、75nm以上であることがさらに好ましい。
但し、該hが大きすぎると、基準マークの形成に要する時間が長くなり、反射型マスクブランク製造時のスループットが低下する、基準マーク形成時に発生する欠点が増加する等の問題がある。そのため、該hは、100nm以下であることが好ましく、90nm以下であることがより好ましく、85nm以下であることがさらに好ましい。
(2−1)基準マーク40の平面形状は十字形状または略十字形状であり、該十字形状の2軸は、それぞれ、前記反射多層膜20の外縁をなす2辺と平行である。
(2−2)十字形状をなす、凹部の深さ、または、凸部の高さであるh(nm)と、吸収層30の膜厚t(nm)と、の比h/tが、0.6≦h/t≦5である。
(2−3)十字形状の2軸の幅の平均値w(nm)と、十字形状をなす、凹部の深さ、または、凸部の高さであるh(nm)と、の比w/hが、w/h≧1である。
図2、3に示す基準マーク40が、平面形状が十字形状の基準マークである。平面形状が十字形状の基準マークが好ましいのは、反射型マスクブランク1の欠点検査の際に、基準位置として、実際に機能する基準点を特定しやすいからである。平面形状が十字形状の基準マークでは、十字形状をなす2軸の交点が基準点となる。このため、十字形状をなす2軸は、該2軸がなす交点を精度よく求めることができるよう直線となることが好ましい。
また、平面形状が略十字形状の基準マークとは、例えば、特許文献2の図4に示す基準マークのように、厳密には十字形状をなしていないが、視覚的に十字形状と把握できるものを指す。
ラインエッジラフネスは、ゲートパターンエッジや配線パターンエッジといったパターンエッジのラフネス計測に用いられている。一般に、ラインエッジラフネスは1本のラインエッジ形状の凹凸を指し、その値はエッジ点位置(座標)のばらつきの3σ(σは標準偏差)として表される。
本発明では、基準マークにおける形状のばらつきの判断指標にラインエッジラフネスを用いる。
図5は、図2に示す基準マーク40の拡大図である。
図5に示す基準マーク40は、互いにラインエッジラフネスが異なる、中心部41と、外周部42と、で構成されている。上述したように、平面形状が十字形状の基準マーク40において、十字形状をなす2軸の交点が、反射型マスクブランク1の欠点検査時における基準点となる。この基準点を含んだ、基準マーク40の中心部41は、形状のばらつきが少ないことが求められる。そのため、基準マーク40の中心部41は、ラインエッジラフネスの値が小さいことが求められる。一方、基準マーク40の外周部42は、反射型マスクブランク1の欠点検査を実施する際に、目視等により、基準マーク40の位置を確認する目的で使用されるため、中心部41に比べると、形状のばらつきに関する要求水準が低い。そのため、中心部41に比べるとラインエッジラフネスの値が大きくてよい。ラインエッジラフネスを小さくするためには、高精度の加工が必要であり、コスト増となる。外周部42のラインエッジラフネスの値を、中心部41に比べて大きくすることで、基準マーク40の形成に要するコストを削減できる。
本発明の基準マーク40において、中心部41のラインエッジラフネスが3σで10nm以下であり、外周部42のラインエッジラフネスが3σで100nm以下であることが基準マーク40の検出性、および、該基準マーク40の形成に要するコスト低減の両立という点で好ましい。
本発明の基準マーク40において、中心部41のラインエッジラフネスが3σで8nm以下であり、外周部42のラインエッジラフネスが3σで50nm以下であることがより好ましい。中心部41のラインエッジラフネスが3σで5nm以下であり、外周部42のラインエッジラフネスが3σで30nm以下であることがさらに好ましい。
本発明の基準マーク40において、中心部41のラインエッジラフネスの3σと、外周部42のラインエッジラフネスの3σと、の差が5nm以上であることがより好ましく、10nm以上であることがさらに好ましい。
本発明の基準マーク40において、十字形状をなす凹部の深さh(nm)と、吸収層30の膜厚t(nm)と、の比h/tが、0.6≦h/t≦5であることにより、基準マーク40の検出性が向上する。なお、基準マークが凸状に形成されている場合、十字形状をなす凸部の高さh(nm)と、吸収層30の膜厚t(nm)と、の比h/tが、0.6≦h/t≦5である。h/t<0.6の場合は、基準マーク40の検出性が低下する。h/t>5の場合は、基準マークの形成に要する時間が長くなり、反射型マスクブランク製造時の歩留りが低下する、基準マーク形成時に発生する欠点が増加する等の問題がある。
本発明の基準マーク40において、h/tが、0.65≦h/t≦2.5であることがより好ましく、0.7≦h/t≦1.5であることがさらに好ましい。
本発明の基準マーク40において、十字形状の2軸の幅の平均値w(nm)と、十字形状をなす、凹部の深さh(nm)と、の比w/hが、w/h≧1であることにより、基準マーク40の検出性が向上する。w/h<1の場合は以下の問題がある。
wの数値が小さく、w/h<1となる場合は、基準マーク40の検出性が低下する。また、hの数値が大きく、w/h<1となる場合は、基準マークの形成に要する時間が長くなり、反射型マスクブランク製造時のスループットが低下する、基準マーク形成時に発生する欠点が増加する等の問題がある。
本発明の基準マーク40において、w/h≧2.5であることがより好ましく、w/h≧10であることがさらに好ましい。
但し、wの数値が大きいために、w/hの数値が大きくなる場合は、形成される基準マークの寸法精度、形状精度が低下するため、基準マーク40としての機能上問題となるおそれがある。そのため、w/h≦40であることが好ましく、w/h≦35であることがより好ましく、w/h≦25であることがさらに好ましい。
図5に示す基準マーク40のように、互いにラインエッジラフネスが異なる中心部41と、外周部42と、で構成されている場合は、中心部41におけるL/wが、上述した条件を満たすことが好ましい。一方、外周部42も含めた基準マーク40全体はL/wがL/w≧100であることが好ましく、L/w≧150であることがより好ましく、L/w≧400であることがさらに好ましい。
基板10は、EUVL用の反射型マスクブランク用の基板としての特性を満たすことが要求される。そのため、基板10は、低熱膨張係数(具体的には、20℃における熱膨張係数が0±0.05×10-7/℃が好ましく、特に好ましくは0±0.03×10-7/℃)を有し、平滑性、平坦度、およびマスクブランクまたはパターニング後のフォトマスクの洗浄等に用いる洗浄液への耐性に優れたものが好ましい。
基板10としては、具体的には低熱膨張係数を有するガラス、例えばSiO2−TiO2系ガラス等を用いるが、これに限定されず、β石英固溶体を析出した結晶化ガラスや石英ガラスやシリコンや金属などの基板を使用できる。
基板10は、二乗平均粗さ(Root Mean Square Roughness)Rqが0.15nm以下の平滑な表面と100nm以下の平坦度を有していることがパターニング後のフォトマスクにおいて高反射率および転写精度が得られるために好ましい。
基板10の大きさや厚さなどはマスクの設計値等により適宜決定される。後で示す実施例では外形152.0mm角で、厚さ6.35mmのSiO2−TiO2系ガラスを用いた。
基板10上に形成される反射多層膜20は、EUVL用の反射型マスクブランクの反射多層膜として所望の特性を有するものである限り特に限定されない。ここで、反射多層膜20に特に要求される特性は、高EUV光線反射率である。具体的には、EUV光の波長領域の光線を入射角6度で反射多層膜20表面に照射した際に、波長13.5nm付近の光線反射率の最大値は、60%以上が好ましく、63%以上がより好ましく、65%以上がさらに好ましい。
上記の特性を満たす反射多層膜20の例を以下に挙げる。
Si膜とMo膜とを交互に積層させたSi/Mo反射多層膜。
Be膜とMo膜とを交互に積層させたBe/Mo反射多層膜。
Si化合物とMo化合物層とを交互に積層させたSi化合物/Mo化合物反射多層膜。
Si膜、Mo膜およびRu膜をこの順番に積層させたSi/Mo/Ru反射多層膜。
Si膜、Ru膜、Mo膜およびRu膜をこの順番に積層させたSi/Ru/Mo/Ru反射多層膜。
Si膜の形成条件
ターゲット:Siターゲット
スパッタリングガス:Arガス(ガス圧1.3×10-2Pa〜2.7×10-2Pa)
イオン加速電圧:300〜1500V
成膜速度:0.03〜0.30nm/sec
膜厚:4.5nm
Mo膜の形成条件
ターゲット:Moターゲット
スパッタリングガス:Arガス(ガス圧1.3×10-2Pa〜2.7×10-2Pa)
イオン加速電圧:300〜1500V
成膜速度:0.03〜0.30nm/sec
膜厚:2.3nm
これを1周期として、Si膜およびMo膜を30〜60周期積層させることによりMo/Si反射多層膜が成膜される。
上述したように、本発明の反射型マスクブランクでは、反射多層膜の表面上の所定位置に、基準マークが凹状または凸状に形成される。基準マークの形成方法は、上述した条件を満たす基準マークを凹状または凸状に形成することができる限り特に限定されない。基準マークを凹状に形成する方法としては、FIB(Focused Ion Beam)法が挙げられる。また、基準マークを凹状に形成する方法、あるいは、凸状に形成する方法としては、レジストのパターニングとエッチングを用いたリソグラフィプロセスが挙げられる。これらの中でも、FIB法が、微細な加工が可能であるので好ましい。
また、保護層を形成する場合、その厚さは1〜60nmが好ましく、1〜40nmがより好ましい。
ターゲット:Ruターゲット
スパッタリングガス:Arガス(ガス圧1.0×10-2Pa〜10×10-1Pa)
投入電力:30〜1500V
成膜速度:1.2〜60nm/min
膜厚:2〜5nm
上記の特性を達成するため、吸収層30は、EUV光の吸収係数が高い材料で構成される。EUV光の吸収係数が高い材料としては、タンタル(Ta)を主成分とする材料を用いることが好ましい。本明細書において、タンタル(Ta)を主成分とする材料は、当該材料中Taを40at%以上含有する材料を意味する。吸収層30は、50at%以上Taを含有していれば好ましく、55at%以上含有していればより好ましい。
例えば、吸収層30として、マグネトロンスパッタリング法を用いてTaNH膜を形成する場合、以下の条件で成膜することが好ましい。
ターゲット:Taターゲット
スパッタリングガス:ArとN2とH2の混合ガス(H2ガス濃度1〜30vol%、N2ガス濃度5〜75vol%、Arガス濃度10〜94vol%、ガス圧0.5×10-1Pa〜1.0Pa)
投入電力:300〜2000W
成膜速度:.5〜60nm/min
膜厚:20〜90nm
また、吸収層30として、マグネトロンスパッタリング法を用いてTaPdN膜を形成する場合、以下の条件で成膜することが好ましい。
ターゲット:TaターゲットとPdターゲットまたは、Taと、Pdと、を含む化合物ターゲット
スパッタガス:ArとN2の混合ガス(N2ガス濃度1〜80vol%、Arガス濃度5〜95vol%、ガス圧1.0×10-1Pa〜50×10-1Pa)
投入電力:30〜1000W
成膜速度:0.5〜60nm/minで、厚さ
膜厚:20〜50nm
そのため、本発明では、反射多層膜20表面のうち、少なくとも、基準マーク40が形成されている部位およびその近傍を遮蔽した状態で、乾式成膜法により、吸収層30を形成する。図2に示す反射型マスクブランクを作製する場合、反射多層膜20表面のうち、基準マーク40が形成された部位およびその近傍と反射多層膜20の外縁からの距離が同一の部位を、全周にわたって遮蔽した状態で、乾式成膜法により、吸収層30を形成する。図3に示す反射型マスクブランクを作製する場合は、反射多層膜表面20のうち、基準マーク40が形成された部位およびその近傍のみを遮蔽した状態で、乾式成膜法により、吸収層30を形成する。基準マーク40が形成されている部位およびその近傍と、遮蔽と、の距離は2mm以下であることが好ましい。基準マーク40が形成されている部位およびその近傍と、遮蔽と、の距離は2mmより大きいと、基準マーク40が形成された部位およびその近傍に吸収層が形成されるおそれがある。基準マーク40が形成されている部位およびその近傍と、遮蔽と、の距離は、1.5mm以下であることがより好ましく、0.9mm以下であることがさらに好ましい。但し、基準マーク40が形成されている部位およびその近傍と、遮蔽と、の距離が近すぎると、遮蔽との接触により、当該部位が損傷するおそれがある。そのため、0.4mm以上であることが好ましく、0.5mm以上であることがより好ましく、0.6mm以上であることがさらに好ましい。
低反射層はマスクパターンの検査に使用する検査光において、低反射となるような膜で構成される。EUVマスクを作製する際、吸収層にパターンを形成した後、このパターンが設計通りに形成されているかどうか検査する。このマスクパターンの検査では、検査光として通常257nm程度の光を使用した検査機が使用される。つまり、この257nm程度の光の反射率の差、具体的には、吸収層がパターン形成により除去されて露出した面と、パターン形成により除去されずに残った吸収層表面と、の反射率の差によって検査される。ここで、前者は反射層表面または保護層表面であり、通常は保護層表面である。したがって、検査光の波長に対する反射層表面または保護層表面と、吸収層表面と、の反射率の差が小さいと検査時のコントラストが悪くなり、正確な検査が出来ないことになる。検査光の波長に対する反射層表面または保護層表面と、吸収層表面と、の反射率の差が小さい場合は、低反射層の形成により、検査時のコントラストが良好となる。吸収層上に低反射層を形成する場合、該低反射層は、検査光の波長領域の光線を低反射層表面に照射した際に、該検査光の波長の最大反射率は、15%以下が好ましく、10%以下がより好ましく、5%以下がさらに好ましい。
この特性を満たす低反射層としては、タンタル(Ta)、パラジウム(Pd)、クロム(Cr)、ケイ素(Si)、ハフニウム(Hf)からなる群から選ばれる少なくともひとつと、酸素(O)および窒素(N)からなる群から選ばれる少なくともひとつと、を含有するものがある。このような低反射層の好適例としては、TaPdO層、TaPdON層、TaON層、CrO層、CrON層、SiON層、SiN層、HfO層、HfON層が挙げられる。
低反射層中のTa、Pd、Cr、Si、Hfの合計含有量は、10〜55at%、特に10〜50at%であると、パターン検査光の波長領域に対する光学特性を制御できるという理由で好ましい。
また、低反射層中におけるOおよびNの合計含有率が、45〜90at%、特に50〜90at%であると、パターン検査光の波長領域に対する光学特性を制御できるという理由で好ましい。なお、該低反射層中のTa、Pd、Cr、Si、Hf、OおよびNの合計含有率は95〜100at%が好ましく、97〜100at%がより好ましく、99〜100at%がさらに好ましい。
なお、2種類以上の金属ターゲットの使用は、低反射層の構成成分を調整するのに好都合である。なお、2種類以上の金属ターゲットを使用する場合、ターゲットへの投入電力を調整することによって、吸収層の構成成分を調整できる。一方、化合物ターゲットを使用する場合、形成される低反射層が所望の組成となるように、ターゲット組成をあらかじめ調整することが好ましい。
但し、低反射層がOを含有する場合、He、Ar、Ne、KrおよびXeのうち少なくともひとつと、O2と、を含む不活性ガス雰囲気中でスパッタリング法を実施する。低反射層がNを含有する場合、He、Ar、Ne、KrおよびXeのうち少なくともひとつと、N2と、を含む不活性ガス雰囲気中でスパッタリング法を実施する。低反射層がOおよびNを含有する場合、He、Ar、Ne、KrおよびXeのうち少なくともひとつと、O2およびN2と、を含む不活性ガス雰囲気中でスパッタリング法を実施する。
不活性ガス雰囲気がArとO2の混合ガス雰囲気の場合を例に低反射層の形成条件を以下に示す。
低反射層の形成条件
ガス圧:1.0×10-1Pa〜50×10-1Pa、好ましくは1.0×10-1Pa〜40×10-1Pa、より好ましくは1.0×10-1Pa〜30×10-1Pa。
スパッタリングガス:ArとO2の混合ガス(O2ガス濃度:3〜80vol%、好ましくは5〜60vol%、より好ましくは10〜40vol%)
投入電力:30〜1000W、好ましくは50〜750W、より好ましくは80〜500W
成膜速度:0.01〜60nm/min、好ましくは0.05〜45nm/min、より好ましくは0.1〜30nm/min
なお、Ar以外の不活性ガスあるいは複数の不活性ガスを使用する場合、その不活性ガスの合計濃度が上記したArガス濃度と同じ濃度範囲にする。また、不活性ガス雰囲気がN2を含有する場合はN2濃度、不活性ガス雰囲気がN2およびO2を含有する場合、その合計濃度を上記した酸素濃度と同じ濃度範囲にする。
高誘電性コーティングは、公知の成膜方法、例えば、マグネトロンスパッタリング法、イオンビームスパッタリング法といったスパッタリング法、CVD法、真空蒸着法、電解メッキ法を用いて形成できる。
実施例1
本実施例では、図1,2に示す反射型マスクブランク1を作製する。
成膜用の基板10として、SiO2−TiO2系のガラス基板(外形152.0mm角、厚さが6.35mm)を使用する。このガラス基板の熱膨張率は0.2×10-7/℃、ヤング率は67GPa、ポアソン比は0.17、比剛性は3.07×107m2/s2である。このガラス基板を研磨により、二乗平均粗さ(Root Mean Square Roughness)Rqが0.15nm以下の平滑な表面と100nm以下の平坦度に形成する。
平板形状をした通常の静電チャックに、上記の手順で形成されるCr膜を用いて基板10(外形152.0mm角、厚さが6.35mm)を固定する。次いで、該基板10の表面上にイオンビームスパッタリング法を用いてMo膜およびSi膜を交互に成膜することを50周期繰り返すことにより、合計膜厚340nm((2.3nm+4.5nm)×50)のMo/Si反射多層膜(反射多層膜20)を形成する。この反射多層膜20は、パターニング時の露光領域が132×104mm□である。反射多層膜20表面のうち、この露光領域より外側の部位、具体的には、反射多層膜20の四隅からの距離がX方向8mm内側、Y方向8mm内側の点が十字形状をなす2軸の交点となるように、FIB法により、平面形状が十字形状した、凹状の基準マーク40を形成する。
この基準マーク40は、十字形状の2軸は、それぞれ、前記反射多層膜の外縁をなす2辺と平行である。十字形状をなす凹部の深さhは80nmである。十字形状の2軸の幅の平均値wは1000nmである。十字形状の2軸の長さLは550μmである。なお、基準マーク40としての十字形状は、2軸の交点からの距離が15μm以内の部位が中心部であり、該中心部より外側の部位が外周部である。中心部のラインエッジラフネスは3σで8nmであり、外周部のラインエッジラフネスは3σで30nmである。
次に、反射多層膜20の外縁から8.5mmより外側の部位を覆うように、枠状の遮蔽を配置した状態で、該反射多層膜20上に、吸収層30としてTaN層を、マグネトロンスパッタリング法を用いて形成して、図1,2に示す反射型マスク1を得る。
なお、反射多層膜20表面と遮蔽との距離は0.6mmである。
TaN層の成膜条件は以下のとおりである。
TaN層の成膜条件
ターゲット:Taターゲット
スパッタリングガス:ArとN2の混合ガス(Ar:86vol%、N2:14vol%、ガス圧:0.3Pa)
投入電力:150W
成膜速度:7.2nm/min
膜厚t:80nm
したがって、十字形状をなす凹部の深さhと、吸収層の膜厚tとの比h/tは1.0である。また、十字形状の2軸の幅の平均値w(nm)と、十字形状をなす凹部の深さh(nm)との比w/hは12.5である。十字形状の2軸の長さLと、幅wと、の比L/wは550(550/1)である。
基準マーク40の中心部のラインエッジラフネスの3σは10nm未満であり、基準マーク40の検出性が良好であることが確認される。
本実施例では、図1,3に示す反射型マスクブランク1を作製する。
基板10上に反射多層膜20を形成し、該反射多層膜20の四隅に、FIB法により、基準マーク40を形成する手順までは実施例1と同様である。
次に、反射多層膜20の四隅のみを覆う遮蔽を配置し、実施例1と同様の手順で、吸収層30としてTaN層を形成して、図1,3に示す反射型マスク1を得る。
なお、反射多層膜20表面と遮蔽との距離は0.7mmである。
実施例1と同様の手順で基準マーク40の検出性を評価する。基準マーク40の検出性が良好であることが確認される。
本実施例では、実施例2と同様の手順で図1,3に示す反射型マスクブランク1を作製する。但し、吸収層30としてのTaN層の膜厚tは84nmとする。このため、十字形状をなす凹部の深さhと、吸収層の膜厚tとの比h/tは0.95である。
実施例1と同様の手順で基準マーク40の検出性を評価する。基準マーク40の検出性が良好であることが確認される。
本実施例では、実施例2と同様の手順で図1,3に示す反射型マスクブランク1を作製する。但し、吸収層30としてのTaN層の膜厚tは53nmとする。このため、十字形状をなす凹部の深さhと、吸収層の膜厚tとの比h/tは1.5である。
実施例1と同様の手順で基準マーク40の検出性を評価する。基準マーク40の検出性が良好であることが確認される。
本実施例では、実施例2と同様の手順で図1,3に示す反射型マスクブランク1を作製する。但し、吸収層30としてのTaN層の膜厚tは84nm、十字形状をなす凹部の深さhは60nmとする。このため、十字形状をなす凹部の深さhと、吸収層の膜厚tとの比h/tは0.7である。
実施例1と同様の手順で基準マーク40の検出性を評価する。基準マーク40の検出性が良好であることが確認される。
本実施例では、実施例2と同様の手順で図1,3に示す反射型マスクブランク1を作製する。但し、吸収層30としてのTaN層の膜厚tは53nm、十字形状をなす凹部の深さhは260nmとする。このため、十字形状をなす凹部の深さhと、吸収層の膜厚tとの比h/tは4.9である。
実施例1と同様の手順で基準マーク40の検出性を評価する。基準マーク40の検出性が良好であることが確認される。
本実施例では、実施例2と同様の手順で図1,3に示す反射型マスクブランク1を作製する。但し、吸収層30としてのTaN層の膜厚tは84nm、十字形状をなす凹部の深さhは400nmとする。十字形状の2軸の幅の平均値wは450nmである。十字形状の2軸の長さLは550μmである。このため、十字形状をなす凹部の深さhと、吸収層の膜厚tとの比h/tは4.8である。また、十字形状の2軸の幅の平均値wと、十字形状をなす凹部の深さhとの比w/hは1.1である。十字形状の2軸の長さLと、幅wと、の比L/wは1222である。
実施例1と同様の手順で基準マーク40の検出性を評価する。基準マーク40の検出性が良好であることが確認される。
本実施例では、実施例2と同様の手順で図1,3に示す反射型マスクブランク1を作製する。但し、吸収層30としてのTaN層の膜厚tは84nm、十字形状をなす凹部の深さhは80nmとする。十字形状の2軸の幅の平均値wは3100nmである。十字形状の2軸の長さLは550μmである。このため、十字形状をなす凹部の深さhと、吸収層の膜厚tとの比h/tは0.95である。また、十字形状の2軸の幅の平均値wと、十字形状をなす凹部の深さhとの比w/hは38.8である。十字形状の2軸の長さLと、幅wと、の比L/wは177である。
実施例1と同様の手順で基準マーク40の検出性を評価する。基準マーク40の検出性が良好であることが確認される。
本実施例では、実施例2と同様の手順で図1,3に示す反射型マスクブランク1を作製する。但し、吸収層30としてのTaN層の膜厚tは84nm、十字形状をなす凹部の深さhは400nmとする。十字形状の2軸の幅の平均値wは10000nmである。十字形状の2軸の長さLは21μmである。このため、十字形状をなす凹部の深さhと、吸収層の膜厚tとの比h/tは4.8である。また、十字形状の2軸の幅の平均値wと、十字形状をなす凹部の深さhとの比w/hは25である。十字形状の2軸の長さLと、幅wと、の比L/wは2.1である。
実施例1と同様の手順で基準マーク40の検出性を評価する。基準マーク40の検出性が良好であることが確認される。
本比較例では、基板10上に反射多層膜20を形成し、該反射多層膜20の四隅に、FIB法により、基準マーク40を形成する手順までは実施例1と同様である。
次に、反射多層膜20上に遮蔽を配置することなしに、実施例1と同様の手順で、吸収層30としてTaN層を形成して反射型マスクを得る。図2は、比較例1の反射型マスクの平面図であり、基準マーク40が形成された部位を含む反射多層膜表面全体に吸収層40が形成されている。
実施例1と同様の手順で基準マーク40の検出性を評価する。基準マーク40の検出性が劣ることが確認される。
本比較例では、比較例1と同様の手順で反射型マスクを得る。但し、吸収層30としてのTaN層の膜厚tは53nmとする。
実施例1と同様の手順で基準マーク40の検出性を評価する。基準マーク40の検出性が劣ることが確認される。
反射多層膜20の四隅に、FIB法により、平面形状が十字形状した、凹状の基準マーク40を形成する際に、十字形状をなす凹部の深さhを20nmとした以外は実施例1と同様の手順を実施した。
実施例1と同様の手順で基準マーク40の検出性を評価する。基準マーク40の検出性が劣ることが確認される。
10:基板
20:反射多層膜
30:吸収層
40:基準マーク
41:基準マーク(中心部)
42:基準マーク(外周部)
Claims (22)
- 基板、露光光を反射する反射多層膜、及び前記露光光を吸収する吸収層をこの順で有する反射型マスクブランクにおいて、
前記反射多層膜の表面のうち、前記反射多層膜のパターニング時の露光領域より外側の部位に、少なくとも3つの基準マークが凹状または凸状に形成されており、該基準マークをなす、凹部の深さ、または、凸部の高さであるhが60nm以上であり、前記基準マークをなす、凹部の幅の平均値、または、凸部の幅の平均値をwとするとき、前記反射多層膜表面のうち、少なくとも、前記基準マークが形成された部位、および、該凹部または凸部の外縁から+0.5wの範囲となる部位(前記基準マークの近傍)には前記吸収層が設けられていないことを特徴とする反射型マスクブランク。 - 反射多層膜表面上で3つの基準マークが同一の仮想直線に載らない、請求項1に記載の反射型マスクブランク。
- 前記基準マークが下記条件(2−1)〜(2−3)を満たす、請求項1または2に記載の反射型マスクブランク。
(2−1)前記基準マークの平面形状は十字形状または略十字形状であり、該十字形状の2軸は、それぞれ、前記反射多層膜の外縁をなす2辺と平行である。
(2−2)前記十字形状をなす、凹部の深さ、または、凸部の高さであるh(nm)と、前記吸収層の膜厚t(nm)と、の比h/tが、0.6≦h/t≦5である。
(2−3)前記十字形状の2軸の幅の平均値w(nm)と、前記十字形状をなす、凹部の深さ、または、凸部の高さであるh(nm)と、の比w/hが、w/h≧1である。 - 前記w/hがw/h≦40である、請求項3に記載の反射型マスクブランク。
- 前記十字形状の2軸の長さLと、幅wと、の比L/wが、L/w≧2である、請求項3または4に記載の反射型マスクブランク。
- 前記十字形状の2軸の長さLと、幅wと、の比L/wが、L/w≧100である、請求項3〜5のいずれかに記載の反射型マスクブランク。
- 前記反射多層膜表面のうち、前記基準マークが形成された部位およびその近傍と前記反射多層膜の外縁からの距離が同一の部位が、全周にわたって前記吸収層が設けられていない、請求項1〜6のいずれかに記載の反射型マスクブランク。
- 前記反射多層膜表面のうち、前記基準マークが形成された部位およびその近傍のみが前記吸収層が設けられていない、請求項1〜6のいずれかに記載の反射型マスクブランク。
- 平面形状が十字形状または略十字形状の前記基準マークは、互いにラインエッジラフネスが異なる、十字形状または略十字形状をなす2軸の交点からの距離が20μm以内の中心部(ラインエッジラフネス小)と、該中心部より外側に位置する外周部(ラインエッジラフネス大)と、で構成されている、請求項3〜8のいずれかに記載の反射型マスクブランク。
- 前記中心部のラインエッジラフネスが3σで10nm以下であり、前記外周部のラインエッジラフネスが3σで100nm以下、請求項9に記載の反射型マスクブランク。
- 前記中心部のラインエッジラフネスの3σと、前記外周部のラインエッジラフネスの3σと、の差が2nm以上である、請求項9に記載の反射型マスクブランク。
- 基板、露光光を反射する反射多層膜、及び前記露光光を吸収する吸収層をこの順で有する反射型マスクブランクの製造方法において、
前記反射多層膜の表面のうち、前記反射多層膜の表面のうち、前記反射多層膜のパターニング時の露光領域より外側の部位に、少なくとも3つの凹状または凸状の基準マークを、凹部の深さ、または、凸部の高さであるhが60nm以上となるように、形成する工程、
および、前記基準マークをなす、凹部の幅の平均値、または、凸部の幅の平均値をwとするとき、前記反射多層膜表面のうち、少なくとも、該基準マークが形成された部位、および、該凹部または凸部の外縁から+0.5wの範囲となる部位(前記基準マークの近傍)を遮蔽した状態で、乾式成膜法により前記吸収層を形成することを特徴とする反射型マスクブランクの製造方法。 - 前記反射多層膜表面上で前記3つの基準マークが同一の仮想直線に載らないように、前記基準マークを形成する、請求項12に記載の反射型マスクブランクの製造方法。
- 下記条件(2−1)〜(2−3)を満たすように、前記基準マークを形成する、請求項12または13に記載の反射型マスクブランクの製造方法。
(2−1)前記基準マークの平面形状は十字形状または略十字形状であり、該十字形状の2軸は、それぞれ、前記反射多層膜の外縁をなす2辺と平行である。
(2−2)前記十字形状をなす、凹部の深さ、または、凸部の高さであるh(nm)と、前記吸収層の膜厚t(nm)と、の比h/tが、0.6≦h/t≦5である。
(2−3)前記十字形状の2軸の幅の平均値w(nm)と、前記十字形状をなす、凹部の深さ、または、凸部の高さであるh(nm)と、の比w/hが、w/h≧1である。 - FIB(Focused Ion Beam)法により、少なくとも3つの凹状の基準マークを形成する、請求項12〜14のいずれかに記載の反射型マスクブランクの製造方法。
- リソグラフィプロセスにより、少なくとも3つの凹状または凸状の基準マークを形成する、請求項12〜14のいずれかに記載の反射型マスクブランクの製造方法。
- 前記基準マークが形成された部位およびその近傍と、前記遮蔽と、の距離が2mm以下である、請求項12〜16のいずれかに記載の反射型マスクブランクの製造方法。
- 前記w/hがw/h≦40である、請求項12〜17のいずれかに記載の反射型マスクブランクの製造方法。
- 前記十字形状の2軸の長さLと、幅wと、の比L/wが、L/w≧2である、請求項12〜18のいずれかに記載の反射型マスクブランクの製造方法。
- 前記十字形状の2軸の長さLと、幅wと、の比L/wが、L/w≧100である、請求項12〜19のいずれかに記載の反射型マスクブランクの製造方法。
- 前記反射多層膜表面のうち、該基準マークが形成された部位およびその近傍と前記反射多層膜の外縁からの距離が同一の部位を全周にわたって遮蔽した状態で、前記吸収層を形成する、請求項12〜20のいずれかに記載の反射型マスクブランクの製造方法。
- 前記反射多層膜表面のうち、該基準マークが形成された部位およびその近傍のみを遮蔽した状態で、前記吸収層を形成する、請求項12〜20のいずれかに記載の反射型マスクブランクの製造方法。
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