JPWO2014050891A1 - Euvリソグラフィ用反射型マスクブランクおよびその製造方法、ならびにeuvリソグラフィ用反射型マスクおよびその製造方法 - Google Patents

Euvリソグラフィ用反射型マスクブランクおよびその製造方法、ならびにeuvリソグラフィ用反射型マスクおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【解決手段】凹状または凸状の基準マークを3ヶ所以上形成してなり、前記基準マークを形成する各線は1つの交点において交わる複数本の仮想線のいずれかに沿って配置され、各仮想線に沿って少なくとも1本の線が配置されたEUVマスクブランクを準備する、基準マーク付きEUVマスクブランク準備工程と、レジスト膜形成工程と、レジスト膜上から、電子線または紫外線を走査して前記交点に相当する基準位置を検出する、基準位置検出工程と、基準マークの線の幅の最大値をWとすると、レジスト膜のうち、平面視で基準位置を中心点とした半径1.5Wの円領域を含む領域を電子線または紫外線で露光する、基準マーク中心領域露光工程とを有する、レジスト膜付きEUVマスクブランクの製造方法。

Description

本発明は、主としてEUV(Extreme Ultra−Violet:極端紫外)露光技術を利用した半導体デバイスの製造において使用されるEUVリソグラフィ用反射型マスクおよび、EUVリソグラフィ用反射型マスクの前駆体である、EUVリソグラフィ用反射型マスクブランクに関する。なお、EUVリソグラフィ用反射型マスクブランクは、本明細書において、「EUVマスクブランク」ともいう。
露光システムは、Si基板をはじめとする半導体基板等へ照射する光の波長に応じてその解像度の限界が決められている。そして、該露光システムにおいて、波長248nmのKrFエキシマレーザや、波長193nmのArFエキシマレーザ等を用いた透過光学系の露光技術が実用化されている。この露光システムでは、照射される光を透過する部分と照射される光を吸収する部分により所定のパターニングがなされた透過型マスクが用いられ、該透過型マスクによって、半導体基板等へ所定のパターンの転写が行われる。
一方、半導体基板等へ転写するパターンのさらなる高解像度を実現するため、ArFエキシマレーザよりもさらに短波長の光を用いた露光技術として、EUV光を用いた露光技術が注目されている。EUV光は、軟X線や真空紫外線の波長領域の光であって、具体的には10nm〜20nm程度の波長の光、とくに、13.5nmを中心とした13.2nm〜13.8nm(13.5nm±0.3nm)程度の波長の光をいう。
EUV光を用いた露光技術は、EUV光の性質上、KrFエキシマレーザ光源やArFエキシマレーザ光源等を用いた透過光学系の露光システムを適用できないため、反射光学系の露光システムを適用する。そして、該反射光学系の露光システムにおいて、EUVリソグラフィ用反射型マスクや、EUV用反射型ミラーが用いられる。なお、EUVリソグラフィ用反射型マスクは、本明細書において、「EUVマスク」ともいう。
EUVマスクブランクは、前述のように、パターニングされたEUVマスクの前駆体であって、EUV光を反射する層を含む構成である。具体的に、EUVマスクブランクは、少なくとも、ガラス等の平坦な基板上にEUV光を反射する反射層を有し、該反射層上には、EUV光を吸収する吸収層を有する。また、EUVマスクは、EUVマスクブランクの吸収層に所定のパターンが形成されたものであり、吸収層がある部分では照射されるEUV光を吸収し、吸収層がない部分では照射されるEUV光を反射することで、所定のパターンを半導体基板等に転写できる。
反射層は、通常、EUV光に対して高い屈折率を示す高屈折率層と、EUV光に対して低い屈折率を示す低屈折率層と、が交互に積層された構造をなす多層反射膜が使用される。多層反射膜として、例えば、高屈折率層としてシリコン(Si)層、低屈折率層としてモリブデン(Mo)層からなる、Mo/Si多層反射膜が挙げられ、EUV光に対して60%以上の反射率を実現できる。また、吸収層は、EUV光に対して低い反射率となる材料、つまり、EUV光に対する吸収係数が高い材料が使用され、例えば、TaやCrを主成分とした材料が挙げられる。
ここで、ガラス等の基板表面に欠陥(例えば、異物、傷やピット)が存在したり、多層反射膜を形成する途中で異物が混入したりすると、多層反射膜の周期構造が乱れ、多層反射膜に欠陥(所謂、位相欠陥)が生じる。このような欠陥が生じると、EUVマスク上のパターンが半導体ウェハ上に忠実に転写されない、という問題が生じる。ところが、多層反射膜の欠陥を皆無とすることは、実際のところ、技術的に極めて難しい(例えば、非特許文献1参照)。
そこで、EUVマスクブランクにおいてこれらの欠陥の位置を把握し、該欠陥を避けるようにして、EUVマスクを作製する際、吸収層のパターンの位置や方向を調整する技術が検討されている。具体的には、EUVマスクブランクの反射層に、基準マーク(「Fiducial Mark」ともいう。)を形成することが記載されている(例えば、非特許文献2参照)。
また、基準マークは、実際のマスクパターン領域(例えば、132mm×132mmの領域)よりも外側の領域において、多層反射膜上、基板上あるいは吸収層上に、凹状または凸状に形成される。なお、基準マークは、平面視で十字形状のマークが典型的に用いられ、該基準マークの十字の交点の位置を基準位置とすることが多い。そして、基準位置に基づいて、実際のマスクパターン領域内に存在する欠陥の位置(座標)を特定するための情報が得られる。なお、基準マークの数は、マスクパターン領域よりも外側の領域において少なくとも3点有し、これらの基準マークの十字の交点が、同一の仮想直線に載らないような位置であると、平面の座標が特定できる。典型的には、マスクパターン領域外となる3隅乃至4隅に、十字の基準マークを形成することが多い。
図16は、基準マーク付きのEUVマスクブランク100を示す平面模式図であって、マスクパターン領域105の外側の領域となる4隅に、基準マーク101、102、103および104を有する例である。そして、これらの基準マークの位置は、電子線または紫外線によって基準マーク位置付近を一定の間隔で走査して、基準マークの凹凸によって生じる反射強度の差分或いは散乱光強度を検出することで、基準位置である十字の交点を正確に特定できる。なお、本明細書でいう紫外線は、170nm〜400nmの波長範囲に含まれる光を指す。
このように、基準マークは、EUVマスクブランクにおける欠陥位置の座標を正確に把握するための基準位置であるので、EUVマスクブランク、EUVマスクを作製する工程(例えば、検査工程)において使用する装置で、その基準位置を高精度で特定できることが重要である。また、基準マークの検出方法として、EUVマスクを作製する工程において、EUVマスクブランクにレジスト膜を形成した後でも、該レジスト膜上から電子線で基準マーク付近を走査して検出する方法等が報告されている(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第2010/110237号パンフレット
2010 International Symposium on Extreme Ultraviolet Lithography,S.Huh et.al."Printability and Inspectability of Programmed and Real Defects on the Reticle in EUV Lithography" EUVL mask fiducial SEMI Standard Discussion Jan.2006,P.Seidel and P.Y.Yan
このように、基準マークは、とくに、マスクパターン領域内にある欠陥(欠点)位置を正確に特定する目的で形成されるため、高い検出精度が要求される。図17(a)は、凹状の基準マーク101の位置および十字の交点を検出するために、電子線または紫外線110を走査する様子を例示した模式図である。十字の基準マーク101は、電子線または紫外線110を、十字を形成する2つの軸と略平行な方向に走査することで、その位置が検出される場合が多く、走査によりできた痕(以下、「スキャン痕」という。)が離散的になるように一定の間隔をもって走査される場合が多い。図17(b)は、基準マーク101と、電子線または紫外線110によるスキャン痕111、112、113および114を例示した平面模式図である。なお、基準マークを検出する工程として、そもそもの基準マークの存在を検出するための粗検出(粗スキャン)と、粗検出の後に基準マークの基準点を検出するための精密検出(精密スキャン)とがある。ここでいう、「スキャン痕」とは、粗スキャンによりできた痕および精密スキャンによりできた痕のいずれでもよく両方でもよい。
スキャン痕112、113は、X軸方向に平行な直線であり、基準マーク101のY軸に平行な直線と交わる。基準マーク101のY軸に平行な直線の幅方向両端は、それぞれ、スキャン痕112と交点X1a、X1bで交わり、別のスキャン痕113と交点X2a、X2bで交わる。
また、スキャン痕111、114は、Y軸方向に平行な直線であり、基準マーク101のX軸に平行な直線と交わる。基準マーク101のX軸に平行な直線の幅方向両端は、それぞれ、スキャン痕111と交点Y1a、Y1bで交わり、別のスキャン痕114と交点Y2a、Y2bで交わる。
このように、電子線または紫外線110を用いて、Y方向の位置を変えてX軸方向に沿う走査をN回(Nは、2以上の整数)行うと共に、X軸方向の位置を変えてY軸方向に沿う走査をM回(Mは、2以上の整数)行う。各走査により、基準マーク101の直線の幅方向両端の位置を検出する。ここで、X軸方向に沿ってi回目の走査(1≦i≦N)を実施したときの、基準マーク101のY軸方向に平行な直線の幅方向両端の位置をそれぞれ、Xia,Xibとすると、i回目の走査における基準マーク101のY軸方向に平行な直線の中心位置Xicは、
Xic=(Xia+Xib)/2 ・・・ (1)
で表される。
また、Y軸方向に沿ってj回目の走査(1≦j≦M)を実施したときの、基準マーク101のX軸方向に平行な直線の幅方向両端の位置をそれぞれ、Yja,Yjbとすると、j回目の走査における基準マーク101のX軸方向に平行な直線の中心位置Yjcは、
Yjc=(Yja+Yjb)/2 ・・・ (2)
で表される。
ここで、X軸方向に沿ってN回走査をしたときの、Y軸方向に平行な直線の平均中心位置Xcと、Y軸方向に沿ってM回走査をしたときの、X軸方向に平行な直線の平均中心位置Ycは、それぞれ、下記の式(3a)、式(3b)で計算できる。そして、ここで求められる、座標(Xc,Yc)が、基準マークの基準点(基準位置)となる。
Figure 2014050891
このように、電子線または紫外線110による基準マーク101および十字の交点の検出は、表面が化学増幅型レジスト等で被覆されるレジスト膜付きEUVマスクブランクにおいても、実施される。ところが、電子線または紫外線110がレジストの表面を走査すると、照射部分、つまり、図17(b)におけるスキャン痕111、112、113および114の部分の(化学増幅型)レジストが感光するおそれがある。
この場合、レジスト膜付きEUVマスクブランクのマスクパターン領域内において所定のマスクパターンを電子線等で描画して(化学増幅型)レジストを現像し、吸収層をエッチングし、残留レジストを剥離してEUVマスクを作製すると、基準マーク101付近が複雑な構造となる。例えば、基準マーク101のうち、基準マーク101とスキャン痕111、112、113および114と、が重なる部分と、重ならない部分と、の間に段差ができる。そうすると、作製したEUVマスクのマスクパターン検査(照合)をする検査機で、EUVマスク上に形成された基準マークの位置および十字の交点を、EUV光、紫外光、電子線等の走査または、画像認識によって検出する際に、スキャン痕に基づく段差の影響により基準マークの検出感度が低下してしまい、マスクパターン検査の精度が低下するおそれがある。
本発明は、とくに、EUVマスクのマスクパターンの検査において、マスクパターン領域内に存在する欠点の位置を特定するための基準位置を示す基準マークの検出感度を高めることができる、レジスト膜付きEUVL用反射型マスクブランクおよびその製造方法、ならびにEUVL用反射型マスクおよびその製造方法の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様によれば、
基板上に、EUV光を反射する反射層と、前記反射層上にEUV光を吸収する吸収層と、を有し、マスクパターン領域よりも外側の領域に、平面視で少なくとも2本の線によって形成される凹状または凸状の基準マークを3ヶ所以上形成してなり、前記基準マークを形成する各線は1つの交点において交わる複数本の仮想線のいずれかに沿って配置され、各仮想線に沿って少なくとも1本の線が配置されたEUVリソグラフィ用反射型マスクブランクを準備する、基準マーク付きEUVマスクブランク準備工程と、
前記基準マークを有するEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク上にレジスト膜を形成する、レジスト膜形成工程と、
前記レジスト膜上から、電子線または紫外線を走査して前記交点に相当する基準位置を検出する、基準位置検出工程と、
前記基準マークの線の幅の最大値をWとすると、前記レジスト膜のうち、平面視で前記基準位置を中心点とした半径1.5Wの円領域を含む領域を電子線または紫外線で露光する、基準マーク中心領域露光工程と、
を有する、レジスト膜付きEUVリソグラフィ用反射型マスクブランクの製造方法が提供される。
また、本発明の第2の態様によれば、
基板上に、EUV光を反射する反射層と、前記反射層上にEUV光を吸収する吸収層と、を有し、マスクパターン領域よりも外側の領域に、平面視で少なくとも2本の線によって形成される凹状または凸状の基準マークを3ヶ所以上形成してなり、前記基準マークを形成する各線は1つの交点において交わる複数本の仮想線のいずれかに沿って配置され、各仮想線に沿って少なくとも1本の線が配置されたEUVリソグラフィ用反射型マスクブランクを準備する、基準マーク付きEUVマスクブランク準備工程と、
前記基準マークを有するEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク上にレジスト膜を形成する、レジスト膜形成工程と、
前記レジスト膜上から、電子線または紫外線を走査して前記交点に相当する基準位置を検出する、基準位置検出工程と、
前記基準マークの線の幅の最大値をWとすると、前記レジスト膜のうち、平面視で前記基準位置を中心点とした半径1.5Wの円領域を含む領域を電子線または紫外線で露光する、基準マーク中心領域露光工程と、
前記レジスト膜を現像し、前記吸収層をエッチングし、前記レジスト膜のうち残留したレジストを剥離する工程を含む、EUVリソグラフィ用反射型マスクの製造方法が提供される。
また、本発明の第3の態様によれば、
基板上に、EUV光を反射する反射層と、前記反射層上にEUV光を吸収する吸収層と、マスクパターン領域の欠点位置を特定する、凹状または凸状の基準マークと、を有するEUVリソグラフィ用反射型マスクブランクの上にレジスト膜を有する、レジスト膜付きEUVリソグラフィ用反射型マスクブランクであって、
前記基準マークは、前記マスクパターン領域よりも外側の領域の3ヶ所以上に位置し、平面視で少なくとも2本の線によって形成され、前記基準マークを形成する各線は1つの交点において交わる複数本の仮想線のいずれかに沿って配置され、各仮想線に沿って少なくとも1本の線が配置され、
前記基準マークの線の幅の最大値をWとすると、前記レジスト膜のうち、平面視で前記交点に相当する基準位置を中心点とした半径1.5Wの円領域を含む領域が、露光されてなる感光部である、レジスト膜付きEUVリソグラフィ用反射型マスクブランクが提供される。
また、本発明の第4の態様によれば、
基板上に、EUV光を反射する反射層と、前記反射層上にEUV光を吸収する吸収層と、前記反射層と前記吸収層との間に前記吸収層へのパターン形成時に前記反射層を保護する保護層と、マスクパターン領域の欠点陥位置を特定するための、凹状の基準マークと、を有する、EUVリソグラフィ用反射型マスクであって、
前記基準マークは、前記マスクパターン領域よりも外側の領域の3ヶ所以上に位置し、平面視で少なくとも2本の線によって形成され、前記基準マークを形成する各線は1つの交点において交わる複数本の仮想線のいずれかに沿って配置され、各仮想線に沿って少なくとも1本の線が配置され、
前記基準マークの線の幅の最大値をWとすると、平面視で前記交点に相当する基準位置を中心点とした半径1.5Wの円領域のうち、凹状となる前記基準マークの表面が前記反射層であり、前記基準マーク以外の表面が前記保護層である、EUVリソグラフィ用反射型マスクが提供される。
本発明に係るレジスト膜付きEUVL用反射型マスクブランクおよびその製造方法、ならびにEUVL用反射型マスクおよびその製造方法は、とくに、EUVマスクを作製後のEUVマスク検査工程において、高い精度で基準マークの位置を検出でき、高い精度で作製したEUVマスクの検査が実現できる効果を奏する。
EUVマスクブランクの一実施例の断面模式図。 EUVマスクブランクの一実施例の平面模式図。 Mo/Si多層反射膜におけるEUV光反射率とMo/Siペア数との関係の一実施例を示す図。 レジスト膜付きEUVマスクブランクおよびEUVマスクの製造方法の一実施例を示すフローチャート。 (a)基準マークの一実施例の平面模式図。(b)基準マークの一実施例の断面模式図。 レジスト膜付きEUVマスクブランクにおける基準マーク部分の一実施例の断面模式図。 レジスト膜付きEUVマスクブランクにおける基準マーク部分の一実施例の平面模式図。 (a)露光後の基準マーク部分の一実施例の断面模式図。(b)現像後の基準マーク部分の一実施例の断面模式図。(c)エッチング後の基準マーク部分の一実施例の断面模式図。(d)剥離後の基準マーク部分の一実施例の断面模式図。 (a)露光後の基準マーク部分の一実施例の断面模式図。(b)現像後の基準マーク部分の一実施例の断面模式図。(c)エッチング後の基準マーク部分の一実施例の断面模式図。(d)剥離後の基準マーク部分の一実施例の断面模式図。 EUVマスクにおける基準マーク部分の一実施例の斜視模式図。 レジスト膜付きEUVマスクブランクにおける基準マーク部分の一実施例の平面模式図(比較例)。 (a)露光後の基準マーク部分の断面模式図(比較例)。(b)現像後の基準マーク部分の断面模式図(比較例)。(c)エッチング後の基準マーク部分の断面模式図(比較例)。(d)剥離後の基準マーク部分の断面模式図(比較例)。 (a)露光後の基準マーク部分の断面模式図(比較例)。(b)現像後の基準マーク部分の断面模式図(比較例)。(c)エッチング後の基準マーク部分の断面模式図(比較例)。(d)剥離後の基準マーク部分の断面模式図(比較例)。 (a)露光後の基準マーク部分の断面模式図(比較例)。(b)現像後の基準マーク部分の断面模式図(比較例)。(c)エッチング後の基準マーク部分の断面模式図(比較例)。(d)剥離後の基準マーク部分の断面模式図(比較例)。 EUVマスクにおける基準マーク部分の斜視模式図(比較例)。 EUVマスクブランクと基準マークの位置関係を示す平面模式図。 (a)基準マーク上を走査する電子線または紫外線を示す模式図。(b)基準マーク上のスキャン痕を示す平面模式図。 (a)他の態様の基準マークを示す斜視模式図(1)。(b)他の態様の基準マークを示す断面模式図(1)。 (a)他の態様の基準マークを示す斜視模式図(2)。(b)他の態様の基準マークを示す断面模式図(2)。 (a)他の態様の基準マークを示す斜視模式図(3)。(b)他の態様の基準マークを示す断面模式図(3)。
(EUVマスクブランクの構造)
図1は、EUVマスクブランク10の構造を示す断面模式図である。EUVマスクブランク10は、基板11上に、EUV光を反射する反射層12、反射層12上にEUV光を吸収する吸収層14がこの順に積層された構成をなす。また、反射層12と吸収層14との間に、吸収層14のエッチングに対して反射層12を保護するための保護層13が形成されてもよい。さらに、吸収層14上にマスクパターンの検査に使用する検査光(例えば、257nmの光)に対して低反射特性を示す低反射層15が形成されてもよい。
なお、本明細書において、例えば「反射層上の吸収層」のように「A上のB」という表現をする場合、AとBとが隣接してなる構成に限らず、AとBとの間に別の機能層を有する構成も含まれる。つまり、「反射層上の吸収層」を例とする場合、反射層の上に吸収層が隣接して積層された構成だけでなく、反射層と吸収層との間に別の機能層を有する構成も含まれることを意味する。また、EUVマスクブランク10は、EUVマスクブランクの分野において公知の機能層を有してもよい。例えば、基板11の裏面側に、EUVマスクブランクの静電チャッキングを促すために、シート抵抗が100Ω/□以下となる導電性コーティング層を設けてもよい。この場合、導電性コーティング層は、マグネトロンスパッタリング法、イオンビームスパッタリング法等の公知の方法で形成すればよい。以下、EUVマスクブランク10を構成する各要素について説明する。
(基板)
基板11は、EUVマスクブランクに用いられる基板として、熱膨張係数が低く、平滑性、平坦性に優れ、さらに、表面の欠点ができるだけ存在しないことが要求される。具体的に、常温付近(23℃〜25℃)における熱膨張係数は、−0.05×10−7/℃〜+0.05×10−7/℃の範囲であれば好ましく、−0.03×10−7/℃〜+0.03×10−7/℃の範囲であればより好ましい。上記の熱膨張係数を有する材料としては、例えば、SiO−TiO系ガラス等が好ましく使用できるが、これに限定されず、β石英固溶体を析出した結晶化ガラスや石英ガラスやシリコンや金属等も使用できる。
また、基板11に求められる平滑性および平坦性は、具体的に、表面粗さが、JIS−B0601の日本工業規格において0.15nm rms以下であって、平坦度が100nm以下である。これらの範囲を満足することで、EUVマスクを作製したときのEUV光によるパターンの転写精度が高められるので好ましい。また、基板11の大きさや厚さ等はEUVマスクブランクの設計値等により適宜決定されるが、一例を挙げると外形約6インチ(152mm)角で、厚さ約0.25インチ(6.35mm)である。
とくに、基板11のうち、反射層12が形成される側の面(「主表面」という場合もある。)には、欠点が存在しないことが好ましいが、存在している場合でも、位相欠点が生じない程度の大きさに収まればよい。具体的には、主表面における凹状の欠点の深さおよび凸状の欠点の高さが2nm以下であって、かつ、該凹状の欠点および該凸状の欠点の半値幅が60nm以下の表面状態が好ましい。また、基板11は、主表面に限らず、主表面とは反対側の面(「裏面」という場合もある。)や側面等の表面にも、反射層等の形成時にパーティクル等が原因による欠点を発生させないように、できるだけ平坦性、平滑性の確保が要求される。
(反射層)
反射層12は、EUV光が照射されたときに高い反射率を示す特性が要求される。具体的な特性として、波長が13.5nm程度のEUV光を照射したときに得られる反射率の最大値は、60%以上が好ましく、63%以上がより好ましく、65%以上がさらに好ましい。なお、ここでいう反射率とは、EUV光を反射層12の表面に対して法線方向から6度傾斜させた方向から入射させたときの反射率強度として求められる。この角度の条件は、EUV光を用いる反射光学系の露光システムにおいて、EUV光がEUVマスク表面の法線方向から6度傾斜させた方向から主に入射されることに基づく。
このように、EUV光に対して高い反射率を得るために、反射層12は、EUV光に対して高い屈折率を示す高屈折率層と、EUV光に対して低い屈折率を示す低屈折率層と、を交互に複数回積層させた多層反射膜が好ましく用いられる。とくに、高屈折率層としてSi層、低屈折率層としてMo層からなる、Mo/Si多層反射膜が好ましく用いられる。また、反射層12は、このMo/Si多層反射膜に限らず、Ru/Si多層反射膜、Mo/Be多層反射膜、Mo化合物/Si化合物多層反射膜、Si/Mo/Ru多層反射膜、Si/Mo/Ru/Mo多層反射膜、Si/Ru/Mo/Ru多層反射膜も使用できる。
また、反射層12を構成する多層反射膜の最上層は、反射膜が酸化されないような材料を選択するとよく、この機能を有するキャップ層としては、具体的にSi層が挙げられる。そして、反射層12がMo/Si多層反射膜の場合、最上層をSi層とすることが好ましい。なお、Mo/Si多層反射膜は、周知の成膜方法として、例えば、イオンビームスパッタリング法やマグネトロンスパッタリング法等の成膜方法を利用できる。各成膜方法においては、スパッタリングガス、ガス圧、成膜速度やスパッタリングターゲット等を適宜選択して、Mo層およびSi層の各層を交互に、所定の繰り返し数だけ成膜すればよい。なお、本明細書において、「反射層12」は、「多層反射膜12」と表現する場合もある。
(保護層)
保護層13は、吸収層14または、吸収層14および低反射層15に対してパターンを形成する際のエッチングプロセスにおいて、反射層12の損傷を防ぐために設けられる。そのため、保護層13は、吸収層14をエッチングするときに、吸収層14に対するエッチング速度よりも遅く、かつ、エッチングプロセスにおいて損傷しにくい材料が好ましく用いられる。保護層13としては、Si、Cr、Al、Taおよびこれらの窒化物、RuおよびRu化合物、ならびにSiO、Alやこれらの混合物およびこれら各化合物を積層したものが例示できる。これらの中でも、RuおよびRu化合物、CrNおよびSiOが好ましく、RuおよびRu化合物がより好ましい。なお、Ru化合物としては、RuB、RuSi等が例示できる。
また、保護層13を有するEUVマスクブランクの場合、保護層13表面でのEUV光の反射率が高いことが要求される。具体的な特性として、波長が13.5nm程度のEUV光を照射したときに得られる反射率の最大値は、60%以上が好ましく、63%以上がより好ましく、65%以上がさらに好ましい。このようなEUV光に対する反射率を実現する上で、保護層13は、RuまたはRu化合物が好ましく、そのときの厚さが1nm〜10nmの範囲であればよく、1nm〜5nmの範囲であれば好ましく、1.5nm〜4nmの範囲であればより好ましい。なお、保護層13は、周知の成膜方法として、例えば、イオンビームスパッタリング法やマグネトロンスパッタリング法等の成膜方法を利用できる。各成膜方法においては、スパッタリングガス、ガス圧、成膜速度やスパッタリングターゲット等を適宜選択して、所定の厚さになるよう成膜すればよい。
(吸収層)
吸収層14は、EUV光が照射されたときに、高い光吸収特性(低い反射率)を示すことが要求される。つまり、EUVマスクとしたとき、EUV光を照射して、反射層12で高い反射率(60%以上)が得られるのに対して、吸収層14で低い反射率が得られることで、高いコントラストが実現できる。具体的に、EUV光を照射したときの吸収層14表面での反射率は、0.1%〜15%程度であるが、例えば、吸収層14表面での反射率が15%程度と比較的高めであっても、EUV光に対する、反射層12表面での反射光と吸収層14表面での反射光と、の位相差を175度〜185度程度に設計すれば、位相効果を利用して高いコントラストが実現できる。
吸収層14は、EUV光に対して高い吸収係数を示す材料で構成すればよく、例えば、タンタル(Ta)を主成分とする材料、クロム(Cr)を主成分とする材料、パラジウム(Pd)を主成分とする材料を用いることが好ましい。ここで、タンタル(Ta)を主成分とする材料とは、吸収層14におけるTaの含有率が40at%以上となる材料を指す。また、吸収層14が、Taを主成分とする材料で構成される場合、Taの含有率は、50at%以上が好ましく、55at%以上がより好ましい。
また、クロム(Cr)を主成分とする材料とは、吸収層14におけるCrの含有率が40at%以上となる材料を指し、この場合、吸収層14のCrの含有率は、50at%以上が好ましく、55at%以上がより好ましい。さらに、パラジウム(Pd)を主成分とする材料とは、吸収層14におけるPdの含有率が40at%以上となる材料を指し、この場合、吸収層14のPdの含有率は、50at%以上が好ましく、55at%以上がより好ましい。
吸収層14を構成する、Taを主成分とする材料は、Ta以外にハフニウム(Hf)、ケイ素(Si)、ジルコニウム(Zr)、ゲルマニウム(Ge)、ホウ素(B)、パラジウム(Pd)、クロム(Cr)、水素(H)および窒素(N)のうち少なくとも1成分を含有することが好ましい。Ta以外の上記の元素を含有する材料の具体例としては、TaN、TaNH、TaHf、TaHfN、TaBSi、TaBSiN、TaB、TaBN、TaSi、TaSiN、TaGe、TaGeN、TaZr、TaZrN、TaPd、TaPdN、TaCr、TaCrNなどが挙げられる。
また、吸収層14を構成する、Crを主成分とする材料は、Cr以外に、ハフニウム(Hf)、ケイ素(Si)、ジルコニウム(Zr)、ゲルマニウム(Ge)、ホウ素(B)、パラジウム(Pd)、タンタル(Ta)、水素(H)および窒素(N)のうち少なくとも1成分を含有することが好ましい。Cr以外の上記の元素を含有する材料の具体例としては、CrN、CrNH、CrHf、CrHfN、CrBSi、CrBSiN、CrB、CrBN、CrSi、CrSiN、CrGe、CrGeN、CrZr、CrZrN、CrPd、CrPdN、CrTa、CrTaNなどが挙げられる。
さらに、吸収層14を構成する、Pdを主成分とする材料には、Pd以外に、ハフニウム(Hf)、ケイ素(Si)、ジルコニウム(Zr)、ゲルマニウム(Ge)、ホウ素(B)、クロム(Cr)、タンタル(Ta)、水素(H)および窒素(N)のうち少なくとも1成分を含有することが好ましい。Pd以外の上記の元素を含有する材料の具体例としては、PdN、PdNH、PdHf、PdHfN、PdBSi、PdBSiN、PdB、PdBN、PdSi、PdSiN、PdGe、PdGeN、PdZr、PdZrN、PdCr、PdCrN、PdTa、PdTaNなどが挙げられる。
また、吸収層14の厚さは、20nm〜100nmの範囲であればよい。吸収層14の厚さが20nm未満であると、EUV光に対して十分な吸収特性が得られず、位相効果を利用した場合であっても十分なコントラストが得られない。また、吸収層14の厚さが100nm超であると、EUVマスク作製時のパターン精度が悪化するとともに、反射系の露光システムにおいてEUVマスクに斜入射(6度)のEUV光を照射するためパターンの転写精度が悪化するおそれがある。また、吸収層14の厚さは、20nm〜95nmの範囲が好ましく、20nm〜90nmの範囲がより好ましい。なお、吸収層14は、周知の成膜方法として、例えば、イオンビームスパッタリング法やマグネトロンスパッタリング法等の成膜方法を利用できる。各成膜方法においては、スパッタリングガス、ガス圧、成膜速度やスパッタリングターゲット等を適宜選択して、所定の厚さになるよう成膜すればよい。
吸収層14の表面は、その表面粗さが大きいと、吸収層14に形成するパターンのエッジラフネスが大きくなって、パターンの寸法精度が劣化するため、平滑性が要求される。具体的には、表面粗さが、0.5nm rms以下であればよく、0.4nm rms以下が好ましく、0.3nm rmsがより好ましい。このような平滑な表面を得るため、吸収層14の結晶構造は、アモルファスであることが好ましい。
(低反射層)
低反射層15は、吸収層14のパターンを検査する検査光に対して、吸収層14よりも低い反射率特性を示す層である。検査光としては、例えば、257nmの波長の光が用いられることが多い。吸収層14のマスクパターン形状等の検査は、吸収層14がある部分と、吸収層14がない部分とで検査光の反射率が異なることを利用して行われ、吸収層14がない部分には、保護層13が露出している場合が多い。また、吸収層14がある部分に、低反射層15が積層されていると、吸収層14のある部分と、吸収層14のない部分とで、検査光に対する反射率の差が大きくなるので、コントラストが向上するため、高い検査精度が得られる。なお、検査光の波長は、パターン寸法が小さくなるに伴い短波長側にシフトする傾向があり、将来的には193nm、さらには13.5nmにシフトすることも考えられる。検査光の波長が13.5nmである場合、吸収層14上に低反射層15を形成する必要はないと考えられる。
低反射層15は、検査光の波長に対する屈折率が、吸収層14よりも低い材料で構成される。具体的には、Taを主成分とする材料が挙げられる。また、Ta以外にHf、Ge、Si、B、N、H、及びOのうち少なくとも1種以上の元素を含有する。具体例としては、TaO、TaON、TaONH、TaBO、TaHfO、TaHfON、TaBSiO、TaBSiON、SiN、SiON等が挙げられる。
また、吸収層14上に低反射層15を成膜する場合、吸収層14及び低反射層15の厚さの合計は20nm〜100nmが好ましく、20nm〜95nmがより好ましく、20nm〜90nmがさらに好ましい。また、低反射層15の厚さが吸収層14の厚さよりも厚いと、吸収層14でのEUV光吸収特性が低下するおそれがあるので、低反射層15の厚さは吸収層14の厚さよりも薄いことが好ましい。このため、低反射層15の厚さは1nm〜20nmが好ましく、2nm〜15nmがより好ましく、2nm〜10nmがさらに好ましい。なお、低反射層15は、周知の成膜方法として、例えば、イオンビームスパッタリング法やマグネトロンスパッタリング法等の成膜方法を利用できる。各成膜方法においては、スパッタリングガス、ガス圧、成膜速度やスパッタリングターゲット等を適宜選択して、所定の厚さになるよう成膜すればよい。また、吸収層14の表面に自然にできる自然酸化膜を利用してもよい。
(基準マーク)
次に、EUVマスクブランク10に形成する基準マークについて説明する。前述のように、主に、反射層(多層反射膜)12を形成する途中で異物が混入したり、基板11表面に欠点が存在したりすると、反射層12にも欠点が生じるが、基準マークはこれら欠点の位置を特定するための基準位置を決める目的で用いられる。基準マークは、基板11表面に凹状または凸状に形成してもよく、反射層12と吸収層14との間に形成される一の層または、低反射層15を有する場合、反射層12と低反射層15との間に形成される一の層の表面に断面形状が凹状または凸状に形成してもよい。なお、本実施形態では、主に、反射層12に断面形状が凹状の基準マークを形成する場合について説明する。
図2は、多層反射膜からなる反射層12上に形成された基準マーク16の位置および平面視での形状を例示した、EUVマスクブランク10の平面模式図であって、基準マーク16は、実際のマスクパターン領域18(例えば、132mm×132mmの領域)より外側の領域に位置する。また、反射層12に凹状の基準マークを形成するときは、反射層12の最表面に反射層12の一部を削除して凹状の基準マーク16を形成してもよく、反射層12上に保護層13を有する場合、保護層13表面から(保護層13を貫通して)反射層12の一部を削除するように基準マーク16を形成してもよい。なお、図2において、4点の基準マーク16は、それぞれの位置関係を具体的に示す場合、基準マーク16a、16b、16cおよび16d、と表現して説明する。
また、図2では、4点の基準マーク16は同じ十字の形状を示しているが、EUVマスクブランク10の4隅に位置する、基準マーク16a、16b、16cおよび16dのうち、少なくとも1ヶ所の基準マークを、他の基準マークの形状と異なる形状にしてもよい。また、図2では、4点の基準マーク16は、基板の中央に対して回転対称な位置としているが、4点の基準マーク16がいずれも同じ形状であって、少なくとも1ヶ所の基準マークを、他の基準マークと対称な位置からずらした位置に形成させてもよい。この場合、基準マークは、EUVマスクブランクの欠点位置を特定するために活用できるだけでなく、EUVマスクブランク、EUVマスクそのものの回転位置の確認としても併せて活用できる。図2に示す基準マーク16a、16b、16cおよび16dは、いずれも、同じ十字形状で示したが、例えば、基準マーク16dの形状を他と異なる形状とし、EUVマスクブランク10の回転位置として、基準マーク16dが右上に位置する状態が正常な状態として確認してもよい。この場合も、基準マーク16dは、交点を有する形状が好ましく、例えば、2つの直線の長さが異なって交差するような形状等が挙げられる。
尚、本実施形態の基準マークは十字形状であるが、基準マークの形状は特に限定されない。基準マークは平面視で少なくとも2本の線によって形成され、基準マークを形成する各線は1つの交点において交わる複数本の仮想線のいずれかに沿って配置され、各仮想線に沿って少なくとも1本の線が配置されればよい。基準マークは、図2に示す基準マーク16や図17に示す基準マーク101のように、平面視にて明示的な交点を有するものに限らない。
例えば図18(a)および図18(b)に示す変形例の基準マーク201は、それぞれ独立した、線状の補助マーク201a、201b、201cおよび201dを含む。平面視において、互いに交わる2つの仮想線として「仮想線A」と「仮想線B」とを与えたとき、補助マーク201aおよび補助マーク201cが仮想線Aに沿って配置され、補助マーク201bおよび補助マーク201dが仮想線Bに沿って配置される。また、仮想線は、補助マークに沿って延長した線とも言える。なお、仮想線は、平面視において直線が好ましい。
図18(a)および図18(b)中の破線は、これらの補助マークに沿った、2本の仮想線を示したものである。基準マーク201は、平面視で互いに交わらない補助マークの群で形成される。これら補助マークの群に沿った複数の仮想線は、1つの交点において交わる。この場合、1つの仮想線上に沿って配置される複数の補助マークの幅は、互いに等しいことが好ましい。
また、図19(a)および図19(b)に示す変形例の基準マーク301は、線状の補助マーク301a、301bおよび301cを含む。平面視において、1つの仮想線に沿って配置される補助マーク301aと交わる他の1つの仮想線として「仮想線A」を与えたとき、補助マーク301bおよび補助マーク301cが仮想線Aに沿って配置される。
図19(a)および図19(b)中の破線は、補助マーク301bと補助マーク301cに沿った仮想線である仮想線Aを示したものである。基準マーク301は、平面視で互いに交わらない補助マークの群で形成される。これら補助マークの群に沿った仮想線と、1つの線(補助マーク301a)とは、1つの交点において交わる。この場合、1つの仮想線上に沿って配置される複数の補助マークの幅は、互いに等しいことが好ましい。
さらに、図20(a)および図20(b)に示す変形例の基準マーク401は、線状の補助マーク401a、401b、401cおよび401dと、平面視にてこれらの補助マークと接続するように備えられた広域マーク402と、を含む。広域マーク402の幅は、これら補助マークの幅よりも広い。そして、平面視において、互いに交わる2つの仮想線として「仮想線A」と「仮想線B」とを与えたとき、補助マーク401aおよび補助マーク401cが仮想線Aに沿って配置され、補助マーク401bおよび補助マーク401dが仮想線Bに沿って配置される。基準マーク401における仮想線は補助マークに沿って延長した線でもあり、仮想線は平面視において直線が好ましい。
図20(a)および図20(b)中の破線は、これらの補助マークに沿った、2本の仮想線を示したものである。基準マーク401は平面視で明示的な交点を有さない。これら補助マークの群に沿った複数の仮想線は1つの交点において交わり、その交点は広域マーク402の中に位置する。この場合、1つの線上に沿って配置される複数の補助マークの幅は、互いに等しいことが好ましい。
図18〜図20に示す変形例の基準マークは、平面視で明示的な交点を有さないが、平面視で明示的な交点を有する基準マーク(例えば十字形状の基準マーク)と同様に、EUVマスク作製後のEUVマスク検査工程において、高い精度で基準位置を検出できる。以降、代表的に、十字形状の基準マークに基づいて説明する。
なお、本明細書では、基準マークについて、EUVマスクブランク10を作製する過程で形成されるマーク、EUVマスクブランク10におけるマーク、そして、後述するEUVマスク30におけるマークのいずれの場合についても、「基準マーク」として説明する。そして、EUVマスクブランク10の作製過程で、例えば、反射層12に形成される基準マークは、該基準マーク上に成膜される層(例えば、吸収層14、低反射層15)に転写され、反射型マスクブランク10の基準位置を特定する基準マークとなる。なお、転写された基準マークは、最初に形成される基準マークと略同じ寸法形状を有する。そして、基準マークから基準位置を検出し、記録媒体に予め記録された情報を参照することで、反射層(多層反射膜)12の欠点の位置を特定できる。
基準マークは、用途に応じた形状に形成できる。例えば、図2に示すように、基準マーク16a、16b、16cおよび16dは、平面視にて(基準マーク16a、16b、16cおよび16dの形成面と直交する方向から見て)十字形状に形成されている。この場合、1つの直線状部分の中心線と、残りの直線状部分の中心線との交点が、実際の基準点(基準位置)となる。なお、十字形状は、典型的に交差する2つの線の角度が略直交であって長さが略等しい形状が挙げられるが、これに限らず、2つの線の長さが異なってできる形状も含める。また、基準マークはとくに、その形状から基準位置を特定できることが重要であり、十字形状のように、2本以上の線の交点を基準位置として特定できる形状が好ましい。また、L字形状であってもよい。このように、線の交点を基準位置として特定する基準マークの形状としては、この他に、2本の線の交差角度が直交ではない角度で交差する形状や、3本以上の線が交差して1つの交点を作る形状(「アスタリスク」のような形状を含む。)、交差する線のうち直線以外の線(曲線や波線等)が含まれる形状であってもよい。
基準マークは、低倍率の観察において検出可能なサイズが好ましく、そのサイズは、EUVマスクブランク10の寸法公差等に応じて設定される。標準的な正方形状のEUVマスクブランクの一辺(152.0mm)の寸法公差は±0.1mmである。このEUVマスクブランクを所定の装置(例えば電子線描画装置)にセットする際、例えばEUVマスクブランクの二辺をピンに押し当てて位置決めを行う。このとき、EUVマスクブランク毎に基準マークの位置が±0.1mmずれうる。そのため、位置を短時間で検出できるように、基準マークは低倍率の観察において検出可能なサイズが好ましい。寸法公差が±0.1mmの場合、基準マークの平面視での面積は1μm〜1.5mmであることが好ましい。十字状の基準マークの各直線状部分は、例えば、0.2μm〜10μmの幅W、及び10μm〜550μmの長さLを有し、この場合、基準マークの平面視での面積は、3.96μm〜10900μmである。
尚、本実施形態の基準マークを形成する複数の線は、同じ幅を有するが、異なる幅を有してもよい。また、本実施形態の基準マークを形成する各線は、一定の線幅を有するが、途中で線幅を変えてもよい。本明細書において、幅Wは、基準マークを形成する線の幅の最大値を表す。
また、基準マーク16は、図2に示す実際のマスクパターン領域18(例えば、132mm×132mmの領域)より外側の領域において、基準マークの形成面上に、同一直線上に配置されないように3つ以上形成される。そして、3つ以上の基準点のうち、1つの基準点が原点となり、原点と他の1つの基準点とを結ぶ直線がX軸となり、原点と残りの1つの基準点とを結ぶ直線がY軸となる。X軸及びY軸は、互いに直交していてよい。このようにして、XY座標系を用いて欠点の位置が特定される。
また、基準マークを、層の一部を削除して凹状の形状とする場合、その削除方法としては、レーザアブレーション法、FIB(Focused Ion Beam)法、レジストのパターニングとエッチングを用いたリソグラフィ法、ナノインデンテーション法、マイクロマシーニング法(例えば、Rave社製nm450を用いた機械的な微細加工法)などが用いられる。とくに、FIB法やリソグラフィ法が好適に用いられる。この中でもFIB法で加工を行った場合、加工に用いる金属イオンにより反射層(多層反射膜)12の底部の材質が変質し、材質によるコントラストが向上するために好適である。
さらに、基準マーク16は、その断面形状を凹状とするとき、基準マークの形成面に対して所定の角度(50°〜90°)の段差面と、基準マークの形成面と略平行なオフセット面(内底面)を有することが好ましい。また、このとき、(凹状の)基準マークが、反射層(多層反射膜)12の成膜後に形成される場合、エッジを鋭くできる。これに加えて、凹状の基準マークは、基準マークの周辺とは所定波長の光(反射層12の検査光)に対する反射率が異なる。なお、検査光としては、EUV光、紫外線光、可視光等が使用でき、これらの中でも、EUV光は、多層反射膜からなる反射層12の内部まで到達でき、内部まで検査できるので好ましい。
本実施形態の基準マーク16は、その断面形状を凹状とするとき、多層反射膜からなる反射層12の一部を削除して形成されるので、検査光としてEUV光を利用する場合、基準マーク周辺の多層反射膜12に比べて、EUV光に対する反射率が低くなる。その結果、基準マークとその周辺とのコントラストが高くなる。なお、基準マークの検査光に対する反射率と、基準マークの周辺の検査光に対する反射率の差(絶対値)は、0.2%以上が好ましく、0.5%以上がより好ましく、1.0%以上がさらに好ましい。
図3は、Mo/Si多層反射膜におけるEUV光反射率とMo/Siペア数との関係を示す特性図である。図3において、Mo層の厚さは2.3nm±0.1nm、Si層の厚さは4.5nm±0.1nm、EUV光の波長は13.5nmである。図3に示すように、Mo層及びSi層のペア数が少なくなるほど、EUV光の反射率が低くなる。ここで、基準マークが、Mo/Si多層反射膜の一部を削除して形成する場合、周辺とのコントラストを高めるため、基準マークは、Mo層/Si層を1ペアとして2ペア以上削除して形成することが好ましく、5ペア以上削除して形成することがより好ましい。Mo層/Si層のペアは約7nmであるため、このとき形成される基準マークの深さは、前者の場合約14nm以上、後者の場合約35nm以上となる。この場合、基準マークはその周辺に比べてEUV光反射率が低くなる。なお、最終的に削除するペア数は、後述する、吸収層エッチング(S6)の工程において吸収層14とともに反射層12もエッチングする場合、その際に削除される(Mo/Si)多層反射膜のペア数も併せて制御してもよい。
また、基準マークの形成面の種類に関係なく、基準マークの底部の材料は、基準マークを加工する際にMo層とSi層の両者が反応して形成されるMoSi化合物でもよい。EUV光の反射はMo層とSi層との間の屈折率の差によって生じるが、Mo層とSi層の両者を反応してMoSi化合物を形成すると、屈折率の差がなくなるので、基準マークのEUV光反射率をさらに低くできる。
また、Mo/Si多層反射膜において、ペア数が10以上の場合、紫外線光や可視光の反射率は、主にMo/Si多層反射膜の光入射側の表面材料によって変わる。そのため、基準マークの形成面がMo/Si多層反射膜の表面の場合、周辺とのコントラストを高めるため、基準マークの底部の材料は、Mo/Si多層反射膜の最上層(基板側とは反対側の層)の材料と異なることが好ましい。例えば、多層反射膜の最上層がSiの場合、基準マークの底部の材料は、基準マークを加工する際にMo層とSi層の両者が反応して形成されるMoSi化合物であってもよい。この場合、基準マークはその周辺に比べて紫外線光反射率や可視光反射率が低くなる。また基準マークの底部の材料は、基準マークを加工する際にMo層あるいはSi層が酸化、窒化、酸窒化して形成される、Mo、SiあるいはMoSi化合物の酸化物、窒化物、酸窒化物であってもよい。この場合、基準マークはその周辺に比べて紫外線光反射率や可視光反射率が低くなる。
また、Mo/Si多層反射膜において、ペア数が5以下の場合、可視光に対する反射率が高くなるので、ペア数が5以下の基準マークを形成してもよい。この場合、基準マークはその周辺に比べて可視光反射率が高くなる。また、紫外線光や可視光の反射率は、保護層13(たとえばRu)の有無によっても変わる。そのため、保護層13の表面に基準マークを形成する場合、基準マークとその周辺とコントラストを高めるため、保護層13を貫通する凹状の基準マークを形成することが好ましい。この場合、基準マークの底部の材料は保護層13の材料と異なるため、基準マークはその周辺に比べて光反射率が高くなったり、低くなったりする。
ところで、基準マークは、反射層12の成膜後に形成される場合、反射層12よりも薄い(約1/4程度)吸収層14などに転写される。そうすると、転写された基準マークは、最初に形成した基準マークと略同じ形状となるので、検査光(電子線や紫外線光、可視光、EUV光)による検出位置の再現性がよく、下記(1)〜(2)の効果が得られる。(1)EUVマスク30の製造工程において、電子線描画装置(たとえばNuflare社EBM8000など)やレーザ描画装置、マスクパターン座標測定装置(たとえばKLAテンコール社IPRO5など)、マスクパターン検査装置(たとえばKLAテンコール社Teron610など)は、電子線や紫外線光によって基準マークの位置を再現性よく検出できる。よって、これらの装置は、反射型マスクブランク10の供給元から提供される情報に基づいて反射層12などの欠点の位置を精度よく検知できる。(2)吸収層14及び低反射層15の検査時に、紫外線光や可視光よって基準マークの位置を再現性よく検出できる。
なお、これまで、基準マーク16は、反射層12上に凹状に形成されて転写される形態について説明したが、これに限らず、吸収層14上、基板11上に形成されて転写されたり、さらには低反射層15上から凹状に形成されたりしてもよい。さらには、基板11の表面、反射層12と低反射層15との間に形成される一の層の表面に所定の材料を積層して凸状に形成してもよい。
そして、基準マークの断面形状を凸状に形成する場合、基準マークの基となる材料は、基準マークとその周辺とが異なる光反射率を示すように選定される。基準マークの基となる材料としては、とくに限定されないが、例えば、既存の装置を流用して成膜可能な材料として、反射層(多層反射膜)12に用いられるSi、Mo、吸収層14に用いられるTa、Cr、Pt、W、C、又はこれらの酸化物、窒化物などが用いられる。これらの中から選ばれる材料を積層して凸状に形成した基準マークは、その周辺に比べて低いEUV光反射率を示す。ここで、基準マークの検査光に対する反射率と、基準マークの周辺の検査光に対する反射率の差(絶対値)は、0.2%以上が好ましく、0.5%以上がより好ましく、1.0%以上がさらに好ましい。
基準マークの断面形状を凸状に形成する場合、その形成面上に基準マークの基となる材料を成膜した後、不要部の材料をリソグラフィ法で除去してもよいし、また、基準マークの形成面上に局所的に基準マークの基となる材料を堆積してもよい。後者の場合、堆積したい材料に応じて適当なガスを選び、白金やタングステンなどの金属化合物(例えばヘキサカルボニルタングステン)や炭化水素化合物(ナフタレンやフェナントレンなど)を含有する雰囲気でイオンビームや電子線を照射することで、金属化合物の分解反応を促進し、局所的に白金やタングステンなどの金属膜を堆積する方法がある。
基準マーク16の断面形状が凸状の場合、用途に応じた形状が採用でき、例えば、平面視にて十字状に形成されると、その交点を基準位置として特定できる。また、凸状の場合も、基準マークの形状や数、寸法、面積、そして、EUVマスクブランク10における各基準マークの位置は、前述の凹状の基準マークの場合と同様に考えることができる。なお、基準マーク16の断面形状が凸状の場合、その高さは、基準マーク上に成膜される層の種類や厚さに応じて適宜設定される。このとき、凸状の基準マークの高さは、例えば2nm〜300nm、好ましくは7nm〜150nm、より好ましくは15nm〜120nmである。
また、基準マーク16の断面形状が凸状で基準マークの基となる材料が多層反射膜からなる反射層12の成膜後に形成される場合、凸状の基準マークは、基準マークの周辺の反射層12に比べると、EUV光を検査光とするとき、EUV光に対する反射率が低い。このため、EUV光を用いて反射層12の欠点を検査するとき、基準マークとその周辺とのコントラストが高くなり、基準マークの検出位置の再現性がよくなる。よって、基準マークの基準位置に基づき、反射層12の欠点の位置を精度よく特定できる。また、紫外線光〜可視光に対する反射率が異なるような材料を選ぶことにより、紫外線光〜可視光の検査に対しても検出位置の再現性がよい基準マークを作製してもよい。
さらに、基準マーク16の断面形状が凸状で多層反射膜からなる反射層12の成膜後に、基準マークの基となる材料が形成される場合、反射層12よりも薄い(約1/4程度)吸収層14などに転写される。そのため、転写された基準マークは、最初に形成した基準マークと略同じ形状であり、検査光(例えば電子線、EUV光、紫外線光又は可視光)による検出位置の再現性がよく、下記(1)〜(2)の効果が得られる。(1)EUVマスク30の製造工程において、電子線描画装置、座標測定装置、マスク外観検査装置は、電子線や紫外線光によって基準マークの位置を再現性よく検出できる。よって、これらの装置は、EUVマスクブランク10の供給元から提供される情報に基づいて反射層12などの欠点の位置を精度よく検知できる。(2)吸収層14及び低反射層15の検査時に、紫外線光や可視光によって基準マークの位置を再現性よく検出できる。
(レジスト膜付きEUVマスクブランクおよびEUVマスクの作製)
次に、図4のフローチャートに基づき、レジスト膜付きEUVマスクブランク作製工程、EUVマスク作製工程について説明する。まず、レジスト膜付きEUVマスクブランク作製工程は、基準マーク付きEUVマスクブランク準備工程(S1)、レジスト膜形成工程(S2)、基準位置検出工程(S3)そして、基準マーク中心領域露光工程(S4)の流れに基づく。なお、基準マーク中心領域露光工程(S4)を経た成果物が、本実施形態に係るレジスト膜付きEUVマスクブランクである。なお、後述するが、本実施形態に係るレジスト膜付きEUVマスクブランクは、マスクパターン領域への電子線描画の前後関係については、不問であり、両方の状態を含むものとして解釈する。
そして、EUVマスク作製工程は、マスクパターン領域へ電子線(パターン)描画がなされたレジスト膜付きEUVマスクブランクについて、レジスト膜現像(S5)、吸収層エッチング(S6)そしてレジスト膜剥離(S7)を実施する流れに基づく。なお、レジスト膜剥離(S7)を経た成果物が、EUVマスクである。次に、図4のフローチャートに基づき、本実施形態に係るレジスト膜付きEUVマスクブランクの製造方法、EUVマスクの製造方法について詳細に説明する。
(S1:基準マーク付きEUVマスクブランク準備工程)
まず、レジスト膜付きEUVマスクブランク作製工程前の、(レジスト膜無しの)EUVマスクブランク10について説明する。図5(a)は、EUVマスクブランク10において、長さがLで幅がWとなる十字の基準マーク16の部分を拡大して示した平面模式図である。なお、基準位置は、厳密に、一方の直線部分の中心線(W/2の位置を通る線)と他方の直線部分の中心線と、が交差する点に相当するが、本明細書では、簡略的に「2つの線の交点」と表現する。図5(b)は、図5(a)の平面模式図において、A−A´の直線に沿って展開した、基準マーク16を含むEUVマスクブランク10の断面模式図である。なお、図5(b)および図6では、反射層12に凹状に形成した基準マークの幅をWとして表示し、反射層12上に略同一形状で転写される吸収層14、低反射層15における基準マークの幅も同様にWとして表示している。なお、溝の壁面に堆積する材料によって基準マークの幅が狭まったりして、略同一の形状から逸脱するとき、Wの値は、各層に形成された基準マークの中で最も広い幅を表すものとする。以下、図5(b)のEUVマスクブランク10の断面模式図に基づき、図4のフローチャートを説明する。
まず、基板11上に、例えば、Mo層とSi層とを交互に積層した多層反射膜(Mo/Si多層反射膜)からなる反射層12を成膜し、反射層12上にRu等からなる保護層13を成膜する。その後、保護層13の表面から、反射層12の一部を削除する深さまで、FIB法等を用いて凹状の十字マークをエッチング加工する。なお、多層反射膜からなる反射層12の一部とは、前述のように、Mo/Si多層反射膜の場合、それの最表面からMo層/Si層を2ペア以上の深さまでの部分を指す。ここで、FIB法等を用いる加工により、保護層13が露出している部分と、反射層12を構成する多層反射膜の一部が削除された部分により、断面形状が凹状となる十字のマークが描かれた幅Wの基準マークが得られる。次に、TaN等の吸収層14を成膜し、さらに、吸収層14上にTaON等の低反射層15を成膜することで、低反射層15上に十字で断面形状が凹状の基準マーク16が転写される。
(S2:レジスト膜形成工程)
基準マーク16を有するEUVマスクブランク10に対して、EUVマスク用のパターンを電子線描画する前段階として、レジストを塗布する。図6は、EUVマスクブランク10に対してレジスト膜21を有する、レジスト膜付きEUVマスクブランク20を示した断面模式図である。レジストは、とくに、少量の光でも高い感度を有する化学増幅型レジストが好ましく用いられ、(化学増幅型)レジストを滴下し、スピンコート等で均一の厚さのレジスト膜21を形成した後、一定時間焼成することで、レジスト膜付きEUVマスクブランク20を得る。なお、低反射層15に転写された(凹状の)基準マーク16は、レジスト膜形成工程を経ると、その溝部分がレジスト膜21で覆われて、表面がある程度平坦化される。
なお、EUVマスクブランク10のような反射層12、とは異なる場所、例えば、基板11上や吸収層14上に凹状の基準マークが形成された場合でも、EUVマスクブランク10表面に表れた凹状の基準マーク16は、その溝部分がレジスト膜で覆われて、レジスト膜の表面はある程度平坦化される。さらに、凸状の基準マークを形成した場合でも、その凸状の部分がレジスト膜で覆われて、レジスト膜の表面はある程度平坦化される。
(S3:基準位置検出工程)
次に、レジスト膜21で覆われた、レジスト膜付きEUVマスクブランク20のレジスト膜21表面に、集束した電子線または紫外線を走査しながら照射し、レジスト膜21下にある(凹状の)基準マーク16を検出する。例えば、図7に示すX方向、Y方向に基づき、Y方向に走査した電子線を、X方向に一定の間隔でずらし、基準マーク16の溝で変化する反射率の変化を検出することで、それを確認できる。また、(Y方向の)走査によって、基準マーク16を最初に検出(粗検出)したあとは、(X方向に)ずらす間隔を狭くして検出(精密検出)してもよい。その後、X方向に走査した電子線または紫外線を、Y方向に一定の間隔でずらすことで、十字の交点の位置を検出できる。なお、走査方向は、これらに限らず、図7において、X方向、Y方向以外の任意方向に走査させて、任意の方向に一定の間隔でずらして検出してもよい。例えば、走査の間隔(X方向走査の場合、Y方向に相当)は、0.1μm〜100μmの範囲で適宜調整するとよい。
図7は、この基準マーク16の検出により基準位置を特定する基準位置検出工程によって、電子線または紫外線を走査したときにレジスト膜21上にできた、一部のスキャン痕23a、23b、23cおよび23dを含む様子を示した平面模式図でもある。図7において、太い破線Dは、基準マークに設定される複数の仮想線の交点(図7においては十字形状の基準マークを形成する2本の直線の交点)を中心とする円領域であって、基準マークの線の幅の最大値Wの1.5倍の半径を有する円領域を示す。
基準マーク16を検出する目的で走査される電子線または紫外線は、表面のレジスト膜21を少なからず感光してしまう。そうすると、このまま、レジスト膜21を現像する工程を経てEUVマスクを得ると、基準マーク16付近の構造が複雑になり、基準マーク16の検出精度が低下するおそれがある。ここで、検出精度の低下を抑制するために、本実施形態では、次の、基準マーク中心領域露光工程を実施する。
(S4:基準マーク中心領域露光工程)
基準位置検出工程により、十字の基準マーク16を形成する2本の直線の交点に相当する基準位置を検出した後、基準マーク中心領域露光工程において、交点を含む特定の領域のレジスト膜21を露光する。レジスト膜21は、基準位置検出工程において、電子線または紫外線の露光量に応じて感光するが、この露光量が一定量以上になると、ポジレジストの場合、現像液で完全に溶解する。基準マーク中心領域露光工程では、ポジレジストを使用したとき、露光した領域に対して、少なくとも現像液で完全に溶解する程度に露光する(一定の露光量を与える)とよい。このとき、露光目的ではないものの、スキャン痕23a、23b、23cおよび23dに相当する部分のレジスト膜21が、一部感光されたとしても、この基準マーク中心領域露光工程において、スキャン痕23a、23b、23cおよび23dを含み、それらの部分と区別がつかない程度の露光領域24に、一定量以上露光するとよい。
露光領域24に電子線を照射する場合、レジストの種類や現像条件等により最適な露光量は異なるが、例えば露光領域24の単位面積あたりの露光量は3μC/cm以上であればよく、5μC/cm以上であれば好ましく、10μC/cm以上であればより好ましく、20μC/cm以上であればさらに好ましい。また、紫外線を照射する場合も、レジストの種類や現像条件等により最適な露光量は異なるが、例えば露光領域24の単位面積あたりの露光量は5mJ/cm以上であればよく、10mJ/cm以上であれば好ましく、20mJ/cm以上であればより好ましい。また、露光領域24への電子線または紫外線の照射方法は、電子線または紫外線を2次元的に走査する方法で実現してもよく、露光領域24に相当する領域に電子線または紫外線を照射するブロック露光(部分一括露光)方法により実現してもよい。なお、露光領域24を、電子線を2次元的に走査する方法を用いて実現する場合、EUVマスク用のパターン描画を行う電子線描画装置をそのまま利用できる場合が多いので、製造工程が短縮されるなど効率的である。
露光領域24は、前述のように少なくとも基準マーク16に設定される複数の仮想線の交点(図7においては十字形状の基準マークを形成する2本の直線の交点)を含む領域とし、図7に太い破線Dで示す円領域を含む領域であればよい。仮に露光領域24が上記円領域と一致する場合、基準マーク16の線を挟んだ左右両側に、その線の幅と同程度の幅の露光部分ができる。よって、電子線等を用いて基準マーク16の線と直交する方向に走査を行うとき、基準マーク16の線とその周辺とのコントラスト(反射率の違い)が際立ち、基準マーク16の線および基準マーク16の基準位置の検出が容易となる。露光領域24は、上記円領域を含めばよく、上記円領域と一致しなくてよい。例えば図7に示すように、露光領域24は、上記交点を中心とする、一辺が幅Wの3倍の長さの正方形領域を含む領域であってもよい。
また、露光領域24は、上記交点を中心とする、半径が基準マーク16の線の幅Wの2倍の円領域を含む領域であれば好ましく、半径が基準マーク16の線の幅Wの3倍の円領域を含む領域であればより好ましい。また、露光領域24は、上記交点を中心とする、一辺が幅Wの4倍の長さの正方形領域を含む領域であってもよく、一辺が幅Wの6倍の長さの正方形領域を含む領域であればより好ましい。なお、この場合、平面視における露光領域24の外縁の形状は、円や四角形に限定されず任意の形状であってもよい。露光領域24が、上記交点を中心とする半径が基準マーク16の線の幅Wの1.5倍の円領域より狭い場合、本工程(S4)において基準位置を十分に検出できないおそれがある。また、露光領域24は、基準マーク16を全て覆う円領域、正方形領域を含んでもよい。一方、露光領域24は、パターン領域に対して外側の領域であって、パターン領域と重ならない領域であれば、とくに領域の広さの制限はない。
また、EUVマスクを作製するにあたり、電子線描画装置等で、レジスト膜付きEUVマスクブランク20のマスクパターン領域に実際のパターンを描画(露光)する、マスクパターン描画工程を実施するが、該マスクパターン描画工程は、この基準マーク中心領域露光工程よりも前であっても後であってもよい。つまり、マスクパターン描画工程は、基準位置検出工程(S3)後であって、塗布したレジスト膜を現像する工程(S5)の前であれば、これらの工程の順番は不問である。そのため、本実施形態に係るレジスト膜付きEUVマスクブランク20は、露光領域24に露光がされた状態であれば、実際のマスクパターン領域へのパターンの描画(露光)がされた状態、されていない状態の両方を含むものと解釈する。
図8および図9は、それぞれ、図7の平面において、B−B´直線を展開した断面模式図、C−C´直線を展開した断面模式図である。ここで、基準マーク中心領域露光工程を経たレジスト膜付きEUVマスクブランク20は、図8(a)および図9(a)の断面模式図に示す構造となる。つまり、図8(a)および図9(a)において、基準マーク中心領域露光工程によって電子線または紫外線が照射された部分は、感光部24aとなり、一方、電子線または紫外線が照射されなかった部分は、非感光部25となる。なお、感光部24aは、レジスト膜21がポジレジストの場合、現像工程で完全に溶解する程度まで露光された状態である。一方、レジスト膜21がネガレジストの場合、感光部24aは、現像工程で溶解しない程度まで露光された状態である。
(S5〜S7:EUVマスク作製工程)
図8および図9は、レジスト膜付きEUVマスクブランクからEUVマスクの作製工程を示す模式図でもある。前述のように、図8(a)および図9(a)は、基準マーク中心領域露光工程を経た、レジスト膜付きEUVマスクブランク20であって、図8(b)および図9(b)は、現像液により感光部24aを溶解するレジスト膜現像(S5)を経た後の状態を示す断面模式図である。そして、図8(c)および図9(c)は、レジスト膜現像後、表面に露出した低反射層15および低反射層15の下層にある吸収層14を取り除く吸収層エッチング(S6)を経た後の状態を示す断面模式図である。さらに、図8(d)および図9(d)は、吸収層エッチング後、残ったレジスト膜21(非感光部25)を除去するレジスト膜剥離(S7)後の状態を示す断面模式図であって、これがEUVマスク30に相当する。
図8(d)および図9(d)は、EUVマスク30のうち、特徴的な2つの断面模式図である。とくに、基準マーク16に相当する平面視において十字の部分は、その周辺に対して断面形状が凹状となっており、具体的に、反射層12の一部が削られた部分が表面に露出した状態となる。また、露光領域24のうち十字の部分を除く領域は、保護層13の表面が露出した状態となる。また、図10は、EUVマスク30の基準マーク付近を示した斜視模式図である。このように、基準マークに相当する十字の交点を中心としたとき、該基準マークを認識できる程度の特定の領域において、表面に露出している材料が、この場合、反射層12と保護層13と、の2種である。このため、EUVマスク30としたとき、例えば、EUV光、紫外光、電子線等の走査により基準マークを走査して検出する方法、画像認識によって基準マークを検出する方法によっても、基準位置周辺の検出ノイズを低減できるので、基準位置を特定しやすくなる。
これまで、EUVマスクブランク10において、保護層13表面から保護層13を貫通して反射層12の一部を削除してなる凹状の基準マーク16を形成し、ポジレジストによって露光領域24を設定して基準マークを有するEUVマスク30を得た例を示したが、この形態だけに限らない。保護層13表面以外に凹状の基準マークを形成する場合や、凸状の基準マークを形成する場合、そして、それぞれの基準マークの形成面や基準マークの形状に対して使用するレジストの種類、つまり、ポジレジストまたはネガレジストの選択により、EUVマスクを作製したときにできる基準マークの凹凸面がそれぞれ異なる。
表1は、基準マークの形状(凹状または凸状)、レジストの種類(ポジレジストまたはネガレジスト)それぞれの組合せに基づき、大きく4つの条件に分けたとき、基準マークと露光領域とが重なる部分(十字)の面の位置と、露光領域のうち基準マークと重ならない部分(十字以外)の面の位置とを示すリストの例である。なお、「十字」の表面、「十字以外」の表面が同じ材料の場合、EUVマスクにおいて、それぞれの高さが異なり、これらの境界で段差ができることで、基準マークとして認識できる。
Figure 2014050891
表1において、「A層」は、凸状の基準マークの層を意味する。
(実施例1)
実施例1では、図5(b)に示すEUVマスクブランク10を作製した。基板11としては、外形6インチ(152mm)角で、厚さ0.25インチ(6.35mm)のSiO−TiO系のガラス基板を使用した。このガラス基板は、20℃における熱膨張率が0.05×10−7/℃であって、ヤング率が67GPa、ポアソン比が0.17、比剛性が3.07×10/sであった。そして、このガラス基板は研磨されたものであって、主表面の表面粗さが0.15nm rms以下であるとともに、平坦度が100nm以下であることを確認した。
次に、ガラス基板(基板11)の裏面に、マグネトロンスパッタリング法により約200nmの厚さのCrN膜を形成し、シート抵抗が100Ω/□以下となる(図5(b)に不図示の)導電性コーティング層を得た。その後、導電性コーティング層側を静電チャックに固定した状態で、基板11の主表面に、イオンビームスパッタリング法を用いて、Mo/Si多層反射膜からなる反射層12を形成した。具体的には、イオンビームスパッタリング法により厚さ4.5nmのSi層と厚さ2.3nmのMo層を交互に、繰り返し数が40(40周期)となるように形成した。このときの、反射層(Mo/Si多層反射膜)の厚さは、272nm((4.5nm+2.3nm)×40)であった。さらに、反射層12上にイオンビームスパッタリング法を用いて、Ru層からなる保護層13を2.5nmの厚さで形成した。なお、反射層12および保護層13の具体的な成膜条件は、表2に示すとおりである。
Figure 2014050891
次に、表面がRu層である反射層付き基板の平面において、マスクパターン領域に相当する132mm角の領域よりも外側の領域であって、該反射層付き基板の4隅の位置に、十字の基準マークをFIB加工して形成する。このとき、基準マークとなる十字の交点を結ぶと、その外縁の一辺が基板の端面と平行な正方形となるような位置とする。このとき、平面視において十字形状を形成する2本の線はいずれも、長さLが500μm、幅Wが1μmとなるように、FIB装置によって、収束させたGaイオンビームを、Ru層表面に照射して、深さが約100nmとなるまで加工して、凹状の溝を形成する。そうすると、イオンビームが照射された部分のRu層が完全に削除されるとともに、その部分のMo/Si多層反射膜のうち、最表面から約14ペアのMo層/Si層が削除される。
次に、Ru層からなる保護層13上に、マグネトロンスパッタリング法を用いて、吸収層14としてTa、Nを含むTaN膜を60nmの厚さで形成する。さらに、TaNからなる吸収層14上に、マグネトロンスパッタリング法を用いて、低反射層15としてTa、OおよびNを含むTaON膜を8nmの厚さで形成する。なお、吸収層14および低反射層15の具体的な成膜条件は、表3に示すとおりである。このようにしてEUVマスクブランクを得る。
Figure 2014050891
次に、表面がTaONで覆われたEUVマスクブランクに、ポジ型の化学増幅型レジスト(富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ社製、品番:PRL009)を滴下して、スピンコート法により、約150nmの均一な厚さにして焼成し、レジスト膜を形成する。その後、このレジスト膜付きEUVマスクブランクを電子線描画装置(ニューフレアテクノロジー社製、品番:EBM8000)に投入して、電子線により、基準マーク付近を、基板の端面に平行な方向(X方向、Y方向)に沿って、反射率の変化を検出する。この反射率の変化によって、4隅の基準マークの交点に相当するそれぞれの、基準位置を特定する。このとき、電子線の幅は約300nmであり、約5μmの長さで、約2μmの間隔で走査方向と直交する方向にずらしながら走査する。このとき、走査時にレジスト膜に照射される電子線量(露光密度)は30μC/cm以上である。次に、特定した各基準マークの交点を中心として、約10μm角の正方形の露光領域を形成するように、電子線を走査する。このとき、照射する電子線量(露光密度)は、30μC/cm以上である。
次に、現像液を浸漬して、レジスト膜のうち、電子線を照射した感光部を溶解させて除去し、洗浄する。このとき、レジスト膜が除去された部分には、TaONが露出する。次に、RFプラズマエッチング装置によるフッ素系ガスプロセスで、低反射層(TaON)および吸収層(TaN)をエッチングする。エッチング条件は、バイアスRF:50W、エッチング時間:120秒、トリガー圧力:3Pa、エッチング圧力:0.3Pa、エッチングガス:CF4/He、ガス流量(CF4/He):4/16sccm、電極基板間距離:55mm、である。このとき、低反射層および吸収層がエッチングされた部分のうち、基準マークの部分以外の部分には、Ruが露出する。
その後、剥離液を浸漬して、残留レジストを剥離する。このようにして、EUVマスクを形成する。このとき、基準マーク付近には、約10μm角の正方形の凹状の領域ができ、この正方形の領域の中に、さらに凹状の十字の領域が露出する。そして、この正方形の領域の中の十字の部分は、Mo/Si多層反射膜のうち、約14ペア分削除された面が露出し、それ以外の領域は、Ruが露出する。
次に、作製したEUVマスクのうち、この基準マーク付近をEUV光で、約10μmの長さで走査すると、Ru表面で約62%の反射率であって、一部削除されたMo/Si多層反射膜表面で約50%の反射率であり、これらの反射率の差によって、基準マークを検出できる。また、約10μm角の正方形領域において、Ruと多層反射膜の2種の表面のみ露出されているので、高い検出精度で、基準マークの交点を特定できる。
(比較例)
本例では、図6に示すような、レジスト膜付きマスクブランク10を作製するところまで、実施例1と同じ条件で実施する。次に、基準位置検出工程、レジスト膜現像、吸収層エッチング、そして、レジスト膜剥離に至るまでのプロセスについて、図11〜図15と関連付けて説明する。とくに、本例では、実施例1で実施した、基準マーク中心領域露光工程は実施しない。
図11は、実施例1と同じ製法で作製した、レジスト膜付きEUVマスクブランク50において、基準マーク16部分を示した平面模式図である。図11はまた、レジスト膜付きEUVマスクブランク50を、電子線描画装置(ニューフレアテクノロジー社製、品番:EBM8000)に投入して、電子線により、基準マーク付近を、基板の端面に平行な方向(X方向、Y方向)に沿って、反射率の変化を検出したときのレジスト膜上の一部のスキャン痕53a、53b、53cおよび53dも併せて示した。このとき、長さ約2μm、幅約300nmの電子線を、X方向およびY方向について、約2μmの間隔でずらしながら走査する。その結果、スキャン痕53a、53b、53cおよび53dは、それぞれ、基準マークの交点(中心)から、約1μm離れた位置に形成されている。また、図11は、交点に最も近いスキャン痕のみを代表的に示している。なお、このとき、照射する電子量(露光密度)は、30μC/cm以上である。
また、図11において、D−D´の直線に沿って展開した断面模式図を図12に、E−E´の直線に沿って展開した断面模式図を図13に、さらに、F−F´の直線に沿って展開した断面模式図を図14に、それぞれ示す。図12(a)、図13(a)および図14(a)は、本例の基準位置検出工程後の断面模式図であり、電子線によってできるスキャン痕に相当する部分は、化学増幅型レジスト膜を露光した感光部54となる。一方、電子線で照射されなかった部分は、非感光部55である。
次に、実施例1と同様に、現像液で感光部54に相当する部分のレジスト膜を溶解、除去する。図12(b)、図13(b)および図14(b)は、この現像工程を経た状態を示す断面模式図であり、感光部54が除去された部分はTaON(低反射層)の表面が露出する。次に、実施例1と同様の条件で、TaON(低反射層)、TaN(吸収層)をエッチングする。図12(c)、図13(c)および図14(c)は、このエッチング工程を経た状態を示す断面模式図であり、TaONおよびTaNが除去された部分は、Mo/Si多層反射膜が露出する。
次に、実施例1と同様に、剥離液で、残ったレジスト膜(非感光部55)を剥離する。図12(d)、図13(d)および図14(d)は、この剥離工程後の状態を示す断面模式図であって、これが本例のEUVマスク60に相当する。また、図15は、本例におけるEUVマスク60の基準マーク付近を示した斜視模式図である。このように、基準マークに相当する十字の交点を中心とし、約10μm角の正方形の平面領域には、スキャン痕53a、53b、53cおよび53dに相当する位置に溝が形成され、さらに、スキャン痕と基準マークとが重なる部分には、さらに深い溝が形成される。ここで、前者の溝の底面は、Mo/Si多層反射膜である、後者の溝はRu層表面である。さらに、スキャン痕53a、53b、53cおよび53d以外の部分は、TaONで基準マークが形成される。
ここで、該基準マークを認識できる程度の特定の領域において、表面に露出している材料が、この場合、Mo/Si多層反射膜とRu膜に加え、段差を有するTaONがある。そのため、EUV光に対して異なる反射率となる領域が多くなったり、電子線や画像認識でも複雑な構造により基準マーク検出のノイズが増えたりするため、EUVマスク60としたとき、基準位置を高い精度で検出できないおそれがある。
以上、EUVリソグラフィ用反射型マスクブランクおよびその製造方法、ならびにEUVリソグラフィ用反射型マスクおよびその製造方法の実施形態などを説明したが、本発明は上記実施形態などに限定されず、特許請求の範囲に記載された趣旨の範囲内で種々の変形、および改良が可能である。
本出願は、2012年9月28日に日本国特許庁に出願された特願2012−218129号および2013年7月5日に日本国特許庁に出願された特願2013−141375号に基づく優先権を主張するものであり、特願2012−218129号および特願2013−141375号の全内容を本出願に援用する。
10、100 EUVマスクブランク
11 基板
12 反射層(多層反射膜)
13 保護層
14 吸収層
15 低反射層
16、22、101、102、103、104、201、301、401 基準マーク
18、105 マスクパターン領域
20、50 レジスト膜付きEUVマスクブランク
21 レジスト膜
23a、23b、23c、23d、53a、53b、53c、53d、111、112、113、114 スキャン痕
24 露光領域
24a、54 感光部
25、55 非感光部
30、60 EUVマスク
110 電子線または紫外線
201a、201b、201c、201d、301a、301b、301c、401a、401b、401c、401d 補助マーク
402 広域マーク

Claims (28)

  1. 基板上に、EUV光を反射する反射層と、前記反射層上にEUV光を吸収する吸収層と、を有し、マスクパターン領域よりも外側の領域に、平面視で少なくとも2本の線によって形成される凹状または凸状の基準マークを3ヶ所以上形成してなり、前記基準マークを形成する各線は1つの交点において交わる複数本の仮想線のいずれかに沿って配置され、各仮想線に沿って少なくとも1本の線が配置されたEUVリソグラフィ用反射型マスクブランクを準備する、基準マーク付きEUVマスクブランク準備工程と、
    前記基準マークを有するEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク上にレジスト膜を形成する、レジスト膜形成工程と、
    前記レジスト膜上から、電子線または紫外線を走査して前記交点に相当する基準位置を検出する、基準位置検出工程と、
    前記基準マークの線の幅の最大値をWとすると、前記レジスト膜のうち、平面視で前記基準位置を中心点とした半径1.5Wの円領域を含む領域を電子線または紫外線で露光する、基準マーク中心領域露光工程と、
    を有する、レジスト膜付きEUVリソグラフィ用反射型マスクブランクの製造方法。
  2. 前記基準マークを形成する各線は互いに直交する2本の直線状の仮想線のいずれかに沿って配置され、各仮想線に沿って少なくとも1本の線が配置される請求項1に記載のレジスト膜付きEUVリソグラフィ用反射型マスクブランクの製造方法。
  3. 前記電子線で露光する領域の単位面積あたりの露光量が、3μC/cm以上である請求項1または請求項2に記載のレジスト膜付きEUVリソグラフィ用反射型マスクブランクの製造方法。
  4. 前記紫外線で露光する領域の単位面積あたりの露光量が、5mJ/cm以上である請求項1または請求項2に記載のレジスト膜付きEUVリソグラフィ用反射型マスクブランクの製造方法。
  5. 前記電子線または紫外線で露光する領域に、集束した電子線または紫外線を走査して露光する請求項1〜4いずれか1項に記載のレジスト膜付きEUVリソグラフィ用反射型マスクブランクの製造方法。
  6. 前記電子線または紫外線で露光する領域に、電子線または紫外線を一括露光する請求項1〜4いずれか1項に記載のレジスト膜付きEUVリソグラフィ用反射型マスクブランクの製造方法。
  7. 前記基準マークは、前記反射層の一部を削除することで凹状に形成される請求項1〜6いずれか1項に記載のレジスト膜付きEUVリソグラフィ用反射型マスクブランクの製造方法。
  8. 前記基準マークは、前記EUVリソグラフィ用反射型マスクブランクの平面視で4隅に位置し、4つの基準マークのうち、少なくとも1つの基準マークが、残りの基準マークと異なる形状で形成される、請求項1〜7いずれか1項に記載のレジスト膜付きEUVリソグラフィ用反射型マスクブランクの製造方法。
  9. 前記レジスト膜は、ポジレジストである請求項1〜8いずれか1項に記載のレジスト膜付きEUVリソグラフィ用反射型マスクブランクの製造方法。
  10. 基板上に、EUV光を反射する反射層と、前記反射層上にEUV光を吸収する吸収層と、を有し、マスクパターン領域よりも外側の領域に、平面視で少なくとも2本の線によって形成される凹状または凸状の基準マークを3ヶ所以上形成してなり、前記基準マークを形成する各線は1つの交点において交わる複数本の仮想線のいずれかに沿って配置され、各仮想線に沿って少なくとも1本の線が配置されたEUVリソグラフィ用反射型マスクブランクを準備する、基準マーク付きEUVマスクブランク準備工程と、
    前記基準マークを有するEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク上にレジスト膜を形成する、レジスト膜形成工程と、
    前記レジスト膜上から、電子線または紫外線を走査して前記交点に相当する基準位置を検出する、基準位置検出工程と、
    前記基準マークの線の幅の最大値をWとすると、前記レジスト膜のうち、平面視で前記基準位置を中心点とした半径1.5Wの円領域を含む領域を電子線または紫外線で露光する、基準マーク中心領域露光工程と、
    前記レジスト膜を現像し、前記吸収層をエッチングし、前記レジスト膜のうち残留したレジストを剥離する工程を含む、EUVリソグラフィ用反射型マスクの製造方法。
  11. 前記基準マークを形成する各線は互いに直交する2本の直線状の仮想線のいずれかに沿って配置され、各仮想線に沿って少なくとも1本の線が配置される請求項10に記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクの製造方法。
  12. 前記電子線で露光する領域の単位面積あたりの露光量が、3μC/cm以上である請求項10または請求項11に記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクの製造方法。
  13. 前記紫外線で露光する領域の単位面積あたりの露光量が、5mJ/cm以上である請求項10または請求項11に記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクの製造方法。
  14. 前記電子線または紫外線で露光する領域に、集束した電子線または紫外線を走査して露光する請求項10〜13いずれか1項に記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクの製造方法。
  15. 前記電子線または紫外線で露光する領域に、電子線または紫外線を一括露光する請求項10〜13いずれか1項に記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクの製造方法。
  16. 前記基準マークは、前記反射層の一部を削除することで凹状に形成される請求項10〜15いずれか1項に記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクの製造方法。
  17. 前記基準マークは、前記EUVリソグラフィ用反射型マスクブランクの平面視で4隅に位置し、4つの基準マークのうち、少なくとも1つの基準マークが、残りの基準マークと異なる形状で形成される、請求項10〜16いずれか1項に記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクの製造方法。
  18. 前記レジストは、ポジレジストである請求項10〜17いずれか1項に記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクの製造方法。
  19. 基板上に、EUV光を反射する反射層と、前記反射層上にEUV光を吸収する吸収層と、マスクパターン領域の欠点位置を特定する、凹状または凸状の基準マークと、を有するEUVリソグラフィ用反射型マスクブランクの上にレジスト膜を有する、レジスト膜付きEUVリソグラフィ用反射型マスクブランクであって、
    前記基準マークは、前記マスクパターン領域よりも外側の領域の3ヶ所以上に位置し、平面視で少なくとも2本の線によって形成され、前記基準マークを形成する各線は1つの交点において交わる複数本の仮想線のいずれかに沿って配置され、各仮想線に沿って少なくとも1本の線が配置され、
    前記基準マークの線の幅の最大値をWとすると、前記レジスト膜のうち、平面視で前記交点に相当する基準位置を中心点とした半径1.5Wの円領域を含む領域が、露光されてなる感光部である、レジスト膜付きEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
  20. 前記基準マークを形成する各線は互いに直交する2本の直線状の仮想線のいずれかに沿って配置され、各仮想線に沿って少なくとも1本の線が配置される、請求項19に記載のレジスト膜付きEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
  21. 前記反射層と前記吸収層との間に、前記吸収層へのパターン形成時に前記反射層を保護するための保護層を有する、請求項19または請求項20に記載のレジスト膜付きEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
  22. 前記基準マークは凹状であり、前記反射層に形成された溝が転写されてなる、請求項19〜21いずれか1項に記載のレジスト膜付きEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
  23. 前記基準マークは、前記EUVリソグラフィ用反射型マスクブランクの平面視で4隅に位置し、4つの基準マークのうち、少なくとも1つの基準マークが、残りの基準マークと異なる形状である、請求項19〜22いずれか1項に記載のレジスト膜付きEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
  24. 前記レジスト膜は、ポジレジストである請求項19〜23いずれか1項に記載のレジスト膜付きEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
  25. 基板上に、EUV光を反射する反射層と、前記反射層上にEUV光を吸収する吸収層と、前記反射層と前記吸収層との間に前記吸収層へのパターン形成時に前記反射層を保護する保護層と、マスクパターン領域の欠点陥位置を特定するための、凹状の基準マークと、を有する、EUVリソグラフィ用反射型マスクであって、
    前記基準マークは、前記マスクパターン領域よりも外側の領域の3ヶ所以上に位置し、平面視で少なくとも2本の線によって形成され、前記基準マークを形成する各線は1つの交点において交わる複数本の仮想線のいずれかに沿って配置され、各仮想線に沿って少なくとも1本の線が配置され、
    前記基準マークの線の幅の最大値をWとすると、平面視で前記交点に相当する基準位置を中心点とした半径1.5Wの円領域のうち、凹状となる前記基準マークの表面が前記反射層であり、前記基準マーク以外の表面が前記保護層である、EUVリソグラフィ用反射型マスク。
  26. 前記基準マークを形成する各線は互いに直交する2本の直線状の仮想線のいずれかに沿って配置され、各仮想線に沿って少なくとも1本の線が配置される、請求項25に記載のEUVリソグラフィ用反射型マスク。
  27. 前記基準マークは、平面視で4隅に位置し、4つの基準マークのうち、少なくとも1つの基準マークが、残りの基準マークと異なる形状である、請求項25または請求項26に記載のEUVリソグラフィ用反射型マスク。
  28. 前記保護層は、RuまたはRu化合物である、請求項25〜27いずれか1項に記載のEUVリソグラフィ用反射型マスク。
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