JP6713251B2 - 多層反射膜付き基板、反射型マスクブランク及び反射型マスク、並びにそれらの製造方法 - Google Patents

多層反射膜付き基板、反射型マスクブランク及び反射型マスク、並びにそれらの製造方法 Download PDF

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本発明は、半導体装置等の製造に用いられる多層反射膜付き基板、反射型マスクブランク及び反射型マスク、並びにそれらの製造方法に関する。
一般に、半導体装置の製造工程では、フォトリソグラフィ法を用いて微細パターンの形成が行われている。また、この微細パターンの形成には通常何枚ものフォトマスクと呼ばれている転写用マスクが使用される。この転写用マスクは、一般に透光性のガラス基板上に、金属薄膜等からなる微細パターンを設けたものであり、この転写用マスクの製造においてもフォトリソグラフィ法が用いられている。
フォトリソグラフィ法による転写用マスクの製造には、ガラス基板等の透光性基板上に転写パターン(マスクパターン)を形成するための薄膜(例えば遮光膜など)を有するマスクブランクが用いられる。このマスクブランクを用いた転写用マスクの製造は、マスクブランク上に形成されたレジスト膜に対し、所望のパターン描画を施す描画工程と、描画後、前記レジスト膜を現像して所望のレジストパターンを形成する現像工程と、このレジストパターンをマスクとして前記薄膜をエッチングするエッチング工程と、残存するレジストパターンを剥離除去する工程とを有して行われている。上記現像工程では、マスクブランク上に形成されたレジスト膜に対し所望のパターン描画を施した後に現像液を供給して、現像液に可溶なレジスト膜の部位を溶解し、レジストパターンを形成する。また、上記エッチング工程では、このレジストパターンをマスクとして、ドライエッチング又はウェットエッチングによって、レジストパターンの形成されていない薄膜が露出した部位を除去し、これにより所望のマスクパターンを透光性基板上に形成する。こうして、転写用マスクが出来上がる。
また、転写用マスクの種類としては、従来の透光性基板上にクロム系材料からなる遮光膜パターンを有するバイナリマスクのほかに、位相シフト型マスクが知られている。この位相シフト型マスクは、透光性基板上に位相シフト膜を有する構造のものである。この位相シフト膜は、所定の位相差を有するものであり、例えばモリブデンシリサイド化合物を含む材料等が用いられる。また、モリブデン等の金属のシリサイド化合物を含む材料を遮光膜として用いるバイナリマスクも用いられるようになってきている。
また、近年、半導体産業において、半導体デバイスの高集積化に伴い、従来の紫外光を用いたフォトリソグラフィ法の転写限界を上回る微細パターンが必要とされてきている。このような微細パターン形成を可能とするため、極紫外(Extreme Ultra Violet:以下、「EUV」と呼ぶ。)光を用いた露光技術であるEUVリソグラフィが有望視されている。ここで、EUV光とは、軟X線領域又は真空紫外線領域の波長帯の光を指し、具体的には波長が0.2〜100nm程度の光のことである。このEUVリソグラフィにおいて用いられるマスクとして反射型マスクが提案されている。このような反射型マスクは、基板上に露光光を反射する多層反射膜が形成され、その多層反射膜上に露光光を吸収する吸収体膜がパターン状に形成されたものである。
以上のように、リソグラフィ工程での微細化に対する要求が高まることにより、そのリソグラフィ工程での課題が顕著になりつつある。その1つが、リソグラフィ工程で用いられるマスクブランク用基板等の欠陥情報に関する問題である。
従来は、ブランクス検査等において、基板の欠陥の存在位置を、基板センターを原点(0,0)とし、その位置からの距離で特定していた。このため、位置精度が低く、装置間でも検出のばらつきがあり、パターン描画時に、欠陥を避けてパターン形成用薄膜にパターニングする場合でもμmオーダーでの回避は困難であった。このため、パターンを転写する方向を変えたり、転写する位置をmmオーダーでラフにずらして欠陥を回避していた。
このような状況下、欠陥位置の検査精度を上げることを目的に、例えばマスクブランク用基板に基準マークを形成し、これを基準位置として欠陥の位置を特定する提案がなされている。
特許文献1には、球相当直径で30nm程度の微小な欠陥の位置を正確に特定できるように、EUVリソグラフィ用反射型マスクブランク用基板の成膜面に、大きさが球相当直径で30〜100nmの少なくとも3つのマークを形成することが開示されている。
特許文献2には、基板と、前記基板上に設けられた多層膜と、前記多層膜の表面の凹凸によって形成された点状の第1のアライメントマークと、前記多層膜の表面の凹凸によって形成され、前記第1のアライメントマークの位置から第1の方向に延びた第1のパターンと、前記第1のアライメントマークの位置から第2の方向に延びた第2のパターンと、を有する第2のアライメントマークとを備えたEUVマスクブランクが開示されている。
国際公開第2008/129914号 特開2013−222811号公報
特許文献1には、基準マークを形成する方法として、基板の成膜面の所望の位置にレーザ光を照射して、照射部位の昇華、融解、若しくは体積収縮、又はこれら2以上の組み合わせにより、基板の成膜面から凹状に変形した部位を有する基準マークを形成する方法、リソグラフィプロセスにより基準マークを形成する方法、及び微小圧子によるインデンテーションにより基準マークを形成する方法が挙げられる。また、特許文献2には、基準マークを、FIB(集束イオンビーム)法又は基板のエッチングにより形成することが記載されている。
しかしながら、FIB法による基準マークの形成は、非常に長時間を必要とするため、十分な大きさの基準マークを形成することが困難である。リソグラフィプロセスによる基準マークの形成も、多くの工程を必要とするためコストが高く、長時間を必要とする。また、レーザ光の照射による基準マークの形成は、欠陥発生リスクが高くなる。微小圧子によるインデンテーションよる基準マークの形成の場合には、形状精度が悪く、また位置精度も悪いという問題がある。
そこで本発明は、このような従来の問題に鑑み、なされたものである。本発明は、低コストで高精度の基準マークを形成することのできる、多層反射膜付き基板、反射型マスクブランク及び反射型マスクの製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、低コストで高精度の基準マークを形成した、多層反射膜付き基板、反射型マスクブランク及び反射型マスクを提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するため、基準マークは、欠陥情報の基準点を決定するためのメインマークと、メインマークの周囲に配置された補助マークとから構成される場合があることに着目した。本発明者は、鋭意検討した結果、メインマークと補助マークとを異なる形成方法で形成することにより、低コストで高精度の基準マークを形成することができることを見出した。本発明者は、以上の解明事実に基づき、さらに鋭意研究を続けた結果、本発明を完成したものである。
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を有する。本発明は、下記の構成1〜3である多層反射膜付き基板の製造方法、下記の構成4〜7の反射型マスクブランクの製造方法、下記の構成11〜14の多層反射膜付き基板、下記の構成8及び15〜19の反射型マスクブランク、下記の構成9及び21〜25の反射型マスク、及び下記の構成10及び20の反射型マスクの製造方法である。
(構成1)
本発明の構成1は、基板上にEUV光を反射する多層反射膜が形成されている多層反射膜付き基板の製造方法であって、
前記多層反射膜付き基板に、欠陥情報における欠陥位置の基準となる基準マークを形成する工程を有し、
前記基準マークは、前記欠陥情報の基準点を決定するためのメインマークと、前記メインマークの周囲に配置された補助マークとから構成され、
前記メインマークと前記補助マークとは異なる形成方法で形成されることを特徴とする多層反射膜付き基板の製造方法である。
本発明の構成1の多層反射膜付き基板の製造方法によれば、メインマークと補助マークとを異なる最適な形成方法で形成することができるので、低コストで高精度の基準マークを形成することができる。
(構成2)
本発明の構成2は、前記補助マークが、ダイヤモンド針を走査しての加工痕、又は微小圧子によるインデンテーションで形成され、前記メインマークは、集束イオンビームで形成されることを特徴とする、構成1に記載の多層反射膜付き基板の製造方法である。
高い精度が要求されない補助マークを、ダイヤモンド針を走査しての加工痕、又は微小圧子によるインデンテーションで形成することにより、短時間で補助マークを形成することができる。また、高い精度が要求されるメインマークは、集束イオンビームで形成することにより、高精度のメインマークを形成することができる。このため、本発明の構成2によれば、多層反射膜付き基板に対して、低コストで高精度の基準マークを形成することができる。
(構成3)
本発明の構成3は、前記メインマークが、前記多層反射膜に形成され、前記補助マークが、前記基板又は前記多層反射膜に形成される、構成1又は2に記載の多層反射膜付き基板の製造方法である。
メインマークは、精度の高い加工法により形成されるため、補助マークが形成された後にメインマークを形成することが好ましい。本発明の構成3によれば、メインマークを基板に形成しないため、補助マークの形成後に、精度の高いメインマークを形成することができる。
本発明は、下記の構成4〜7であることを特徴とする反射型マスクブランクの製造方法である。
(構成4)
本発明の構成4は、基板上にEUV光を反射する多層反射膜と、前記多層反射膜上にEUV光を吸収する吸収体膜とが形成されている反射型マスクブランクの製造方法であって、
前記反射型マスクブランクに、欠陥情報における欠陥位置の基準となる基準マークを形成する工程を有し、
前記基準マークは、前記欠陥情報の基準点を決定するためのメインマークと、前記メインマークの周囲に配置された補助マークとから構成され、
前記メインマークと前記補助マークとは異なる形成方法で形成されることを特徴とする反射型マスクブランクの製造方法である。
本発明の構成4の反射型マスクブランクの製造方法によれば、メインマークと補助マークとを異なる最適な形成することができるので、低コストで高精度の基準マークを形成することができる。
(構成5)
本発明の構成5は、前記補助マークが、ダイヤモンド針を走査しての加工痕、又は微小圧子によるインデンテーションで形成され、前記メインマークが、集束イオンビームで形成されることを特徴とする、構成4に記載の反射型マスクブランクの製造方法である。
高い精度が要求されない補助マークを、ダイヤモンド針を走査しての加工痕、又は微小圧子によるインデンテーションで形成することにより、短時間で補助マークを形成することができる。また、高い精度が要求されるメインマークは、集束イオンビームで形成することにより、高精度のメインマークを形成することができる。このため、本発明の構成5によれば、反射型マスクブランクに対して、低コストで高精度の基準マークを形成することができる。
(構成6)
本発明の構成6は、前記メインマーク及び前記補助マークが共に、前記吸収体膜及び前記多層反射膜の一方又は両方に形成されることを特徴とする、構成4又は5に記載の反射型マスクブランクの製造方法である。
本発明の構成6によれば、メインマーク及び補助マークを共に、吸収体膜及び多層反射膜の一方又は両方に形成することによって、多層反射膜の欠陥発生リスクを小さくすることができる。また、反射型マスクブランクの基板部分にはメインマーク及び補助マークを形成しないため、反射型マスクブランクから基板を再生して利用する場合に、欠陥のない基板を回収することができる。
(構成7)
本発明の構成7は、前記補助マークが、前記基板若しくは前記多層反射膜に形成され、前記メインマークは前記吸収体膜に形成されるか、
前記補助マークが、前記基板に形成され、前記メインマークは前記多層反射膜に形成されるか、又は
前記補助マークが、前記吸収体膜に形成され、前記メインマークは前記多層反射膜に形成されることを特徴とする、構成4又は5に記載の反射型マスクブランクの製造方法である。
本発明の構成7によれば、補助マーク及びメインマークを、基板、多層反射膜、及び吸収体膜のいずれかに形成することにより、低コストで高精度の基準マークの形成を、適切に行うことができる。
(構成8)
本発明の構成8は、構成1〜7のいずれかに記載の製造方法によって製造されたことを特徴とする反射型マスクブランクである。本発明の構成8によれば、低コストで高精度の基準マークを形成した、反射型マスクブランクを得ることができる。
(構成9)
本発明の構成9は、構成8に記載の反射型マスクブランクの前記吸収体膜をパターニングした吸収体パターンを有することを特徴とする反射型マスクである。本発明の構成9によれば、低コストで高精度の基準マークを形成した、反射型マスクを得ることができる。
(構成10)
本発明の構成10は、構成8に記載の反射型マスクブランクを用意する工程と、
前記反射型マスクブランクの前記吸収体膜をパターニングすることによって、吸収体パターンを形成する工程と
を有することを特徴とする反射型マスクの製造方法である。
本発明の構成10によれば、低コストで高精度の基準マークを形成した、反射型マスクを製造することができる。
本発明は、下記の構成11〜14であることを特徴とする多層反射膜付き基板である。
(構成11)
本発明の構成11は、基板上にEUV光を反射する多層反射膜が形成されている多層反射膜付き基板であって、
前記多層反射膜付き基板に、欠陥情報における欠陥位置の基準となる基準マークが形成されており、
前記基準マークは、前記欠陥情報の基準点を決定するためのメインマークと、前記メインマークの周囲に配置された補助マークとから構成され、
前記メインマークの断面の形状と、前記補助マークの断面の形状とが異なることを特徴とする多層反射膜付き基板である。
本発明の構成11によれば、メインマークと補助マークとを異なる最適な方法で形成することができるので、メインマークの断面の形状と、補助マークの断面の形状とは異なっている。このような多層反射膜付き基板には、低コストで高精度の基準マークが形成されている。
(構成12)
本発明の構成12は、前記メインマークの断面の形状が矩形であり、前記補助マークの断面の形状が略三角形である、構成11に記載の多層反射膜付き基板である。
本発明の構成12によれば、メインマークの断面の形状が矩形であるため、メインマークの底の部分が平坦となり、メインマークの検出が容易である。また、断面の形状が矩形のメインマークは、高い精度の集束イオンビームにより形成することができる。一方、補助マークの断面の形状が略三角形であるため、補助マークの形成は、ダイヤモンド針を走査しての加工痕、又は微小圧子によるインデンテーションなどで形成することできる。そのため、補助マークを短時間で形成することができる。
(構成13)
本発明の構成13は、前記メインマークの深さが、前記補助マークの深さよりも深い、構成11又は12に記載の多層反射膜付き基板である。
本発明の構成13によれば、メインマークの深さが、補助マークの深さよりも深いので、メインマークの検出が容易になる。
(構成14)
本発明の構成14は、前記メインマークが、前記多層反射膜に形成され、前記補助マークが、前記基板又は前記多層反射膜に形成される、構成11〜13のいずれかに記載の多層反射膜付き基板である。
本発明の構成14によれば、メインマークが多層反射膜に形成され、補助マークが基板又は多層反射膜に形成されることにより、多層反射膜付き基板に対する低コストで高精度の基準マークの形成を、適切に行うことができる。
本発明は、下記の構成15〜19であることを特徴とする反射型マスクブランクである。
(構成15)
本発明の構成15は、基板上にEUV光を反射する多層反射膜と、前記多層反射膜上にEUV光を吸収する吸収体膜とが形成されている反射型マスクブランクであって、
前記反射型マスクブランクに、欠陥情報における欠陥位置の基準となる基準マークが形成されており、
前記基準マークは、前記欠陥情報の基準点を決定するためのメインマークと、前記メインマークの周囲に配置された補助マークとから構成され、
前記メインマークの断面の形状と、前記補助マークの断面の形状とが異なることを特徴とする反射型マスクブランクである。
本発明の構成15によれば、メインマークと補助マークとを異なる最適な方法で形成することができるので、メインマークの断面の形状と、補助マークの断面の形状とは異なっている。このような反射型マスクブランクには、低コストで高精度の基準マークが形成されている。
(構成16)
本発明の構成16は、前記メインマークの断面の形状が矩形であり、前記補助マーク断面の形状が略三角形である、構成15に記載の反射型マスクブランクである。
本発明の構成16によれば、メインマークの断面の形状が矩形であるため、メインマークの底の部分が平坦となり、メインマークの検出が容易である。一方、補助マークの断面の形状が略三角形であるため、補助マークの形成は、ダイヤモンド針を走査しての加工痕、又は微小圧子によるインデンテーションなどで形成することできる。そのため、補助マークを短時間で形成することができる。
(構成17)
本発明の構成17は、前記メインマークの深さが、前記補助マークの深さよりも深い、構成15又は16に記載の反射型マスクブランクである。
本発明の構成17によれば、メインマークの深さが、補助マークの深さよりも深いので、メインマークの検出が容易になる。
(構成18)
本発明の構成18は、前記メインマーク及び前記補助マークが共に、前記吸収体膜及び前記多層反射膜の一方又は両方に形成されることを特徴とする、構成15〜17のいずれかに記載の反射型マスクブランクである。
本発明の構成18によれば、メインマーク及び補助マークが共に、吸収体膜及び多層反射膜の一方又は両方に形成されることにより、反射型マスクブランクに対する低コストで高精度の基準マークの形成を、適切に行うことができる。
(構成19)
本発明の構成19は、前記補助マークが、前記基板若しくは前記多層反射膜に形成され、前記メインマークは前記吸収体膜に形成されるか、
前記補助マークが、前記基板に形成され、前記メインマークは前記多層反射膜に形成されるか、又は
前記補助マークが、前記吸収体膜に形成され、前記メインマークは前記多層反射膜に形成されることを特徴とする、構成15〜17のいずれかに記載の反射型マスクブランクである。
本発明の構成19によれば、補助マーク及びメインマークを、基板、多層反射膜、及び吸収体膜のいずれかに形成することにより、反射型マスクブランクに対する低コストで高精度の基準マークの形成を、適切に行うことができる。
(構成20)
本発明の構成20は、構成11〜19のいずれかに記載の反射型マスクブランクを用意する工程と、
前記反射型マスクブランクの前記吸収体膜をパターニングすることによって、吸収体パターンを形成する工程と
を有することを特徴とする反射型マスクの製造方法である。
本発明の構成20によれば、低コストで高精度の基準マークを形成した、反射型マスクを製造することができる。
本発明は、下記の構成21〜25であることを特徴とする反射型マスクである。
(構成21)
本発明の構成21は、基板上にEUV光を反射する多層反射膜と、前記多層反射膜上にEUV光を吸収する吸収体膜とが形成され、前記吸収体膜が転写用パターンを有する反射型マスクであって、
前記反射型マスクに、欠陥情報における欠陥位置の基準となる基準マークが形成されており、
前記基準マークは、前記欠陥情報の基準点を決定するためのメインマークと、前記メインマークの周囲に配置された補助マークとから構成され、
前記メインマークの断面の形状と、前記補助マークの断面の形状とが異なることを特徴とする反射型マスクである。
本発明の構成21によれば、メインマークと補助マークとを異なる最適な方法で形成することができるので、メインマークの断面の形状と、補助マークの断面の形状とは異なっている。このような反射型マスクには、低コストで高精度の基準マークが形成されている。
(構成22)
本発明の構成22は、前記メインマークの断面の形状が矩形であり、前記補助マーク断面の形状が略三角形である、構成21に記載の反射型マスクである。
本発明の構成22によれば、メインマークの断面の形状が矩形であるため、メインマークの底の部分が平坦となり、メインマークの検出が容易である。一方、補助マークの断面の形状が略三角形であるため、補助マークの形成は、ダイヤモンド針を走査しての加工痕、又は微小圧子によるインデンテーションなどで形成することできる。そのため、補助マークを短時間で形成することができる。
(構成23)
本発明の構成23は、前記メインマークの深さが、前記補助マークの深さよりも深い、構成21又は22に記載の反射型マスクである。メインマークの深さが、補助マークの深さよりも深いので、メインマークの検出が容易になる。
(構成24)
本発明の構成24は、前記メインマーク及び前記補助マークが共に、前記吸収体膜及び前記多層反射膜の一方又は両方に形成されることを特徴とする、構成21〜23のいずれかに記載の反射型マスクである。
本発明の構成24によれば、メインマーク及び補助マークが共に、吸収体膜及び多層反射膜の一方又は両方に形成されることにより、反射型マスクに対する低コストで高精度の基準マークの形成を、適切に行うことができる。
(構成25)
本発明の構成25は、前記補助マークが、前記基板若しくは前記多層反射膜に形成され、前記メインマークは前記吸収体膜に形成されるか、
前記補助マークが、前記基板に形成され、前記メインマークは前記多層反射膜に形成されるか、又は
前記補助マークが、前記吸収体膜に形成され、前記メインマークは前記多層反射膜に形成されることを特徴とする、構成21〜23のいずれかに記載の反射型マスクである。
本発明の構成25によれば、補助マーク及びメインマークを、基板、多層反射膜、及び吸収体膜のいずれかに形成することにより、反射型マスクに対する低コストで高精度の基準マークの形成を、適切に行うことができる。
本発明により、低コストで高精度の基準マークを形成することのできる、多層反射膜付き基板、反射型マスクブランク及び反射型マスクの製造方法を提供することができる。また、本発明により、低コストで高精度の基準マークを形成した、多層反射膜付き基板、反射型マスクブランク及び反射型マスクを提供することができる。
本発明における基準マークの配置例を示す平面模式図である。 本発明における基準マークを構成するメインマーク及び補助マークの形状例及び配置例を示す図である。 本発明における基準マークを用いた基準点を決定する方法を説明するための図である。 メインマークの他の形状例を示す図である。 本発明における基準マークの別の配置例を示す平面模式図である。 本発明における基準マークを構成するメインマーク及び補助マークの形状例を示す模式図である。 本発明に係る多層反射膜付き基板の断面模式図である。 本発明に係る反射型マスクブランクの断面模式図である。 本発明に係るバイナリマスクブランクの断面模式図である。 本発明に係る反射型マスクの断面模式図である。 本発明に係るバイナリマスクの断面模式図である。 エッジ基準で形成する場合の基準マークの形状例及び配置例を示す図である。 エッジ基準で基準マークを形成する方法を説明するための図である。 エッジ基準で基準マークを形成する方法を説明するための図である。 本発明の他の実施形態に係る反射型マスクブランクの断面模式図である。 補助マークを形成するための微小圧子の形状の一例を示す図面であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。 図16に示す微小圧子の先端(図16の左端)の形状を示す図面であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。
図7及び図8に、多層反射膜付き基板30及び反射型マスクブランク40の模式図を示す。本発明は、ガラス基板11等の基板上にEUV光を反射する多層反射膜31が形成されている多層反射膜付き基板30及び反射型マスクブランク40の製造方法である。本発明の製造方法は、多層反射膜付き基板30又は反射型マスクブランク40に、欠陥情報における欠陥位置の基準となる基準マーク13を形成する工程を有する。図6に基準マーク13の例を示すように、基準マーク13は、欠陥情報の基準点を決定するためのメインマーク13aと、メインマークの周囲に配置された補助マーク13bとから構成される。本発明の製造方法は、メインマーク13aと補助マーク13bとを、異なる形成方法で形成することに特徴がある。本発明の製造方法によれば、メインマーク13aと補助マーク13bとを異なる最適な形成方法で形成することができるので、多層反射膜付き基板30及び反射型マスクブランク40に対して低コストで高精度の基準マーク13を形成することができる。
本発明の製造方法は、ガラス基板11上に遮光膜51が配置されているバイナリマスクブランク50に基準マーク13を形成する際にも適用することができる。図9に、バイナリマスクブランク50の一例を示す。
本発明の多層反射膜付き基板30及び反射型マスクブランク40の製造方法では、補助マーク13bは、ダイヤモンド針を走査しての加工痕、又は微小圧子によるインデンテーションで形成され、メインマーク13aは、集束イオンビームで形成されることを特徴とすることが好ましい。高い精度が要求されない補助マーク13bを、ダイヤモンド針を走査しての加工痕、又は微小圧子によるインデンテーションで形成することにより、短時間で補助マーク13bを形成することができる。また、高い精度が要求されるメインマーク13aを集束イオンビームで形成することにより、高精度のメインマーク13aを形成することができる。
補助マーク13bを、微小圧子によるインデンテーションで形成する場合、深さが所定の深さ(例えば約150nm)となるように、微小圧子を所定の圧力で、例えば多層反射膜31等に押し付けることにより、補助マーク13bを形成することができる。
なお、ダイヤモンド針を走査しての加工痕により補助マーク13bを形成する場合には、残渣等により欠陥発生の原因となる場合がある。また、補助マーク13aの形成は、レーザアブレーションにより形成することができる。しかしながら、この場合も残渣等により欠陥発生の原因となる場合がある。したがって、補助マーク13aの形成は、微小圧子によるインデンテーションにより形成することが好ましい。
本発明は、多層反射膜付き基板30及び反射型マスクブランク40に関する。本発明の多層反射膜付き基板30及び反射型マスクブランク40は、本発明の製造方法によって製造することができる。
以下、本発明の実施の形態を具体的に説明する。
[基準マーク]
まず、本発明における基準マーク13(以下、「本発明の基準マーク13」とも呼ぶ。)について詳しく説明する。
図1は、基準マーク13の配置例を示すマスクブランク用ガラス基板11の平面図である。図1では、相対的に大きさの大きなラフアライメントマーク12と小さなファインマークである本発明の基準マーク13の2種類のマークを形成している。なお、図1では、ガラス基板11の表面にこれら基準マーク13を示しているが、図1はあくまでもガラス基板11の主表面上での基準マーク13の配置例を示すものである。本発明をこれら基準マーク13がガラス基板11に直接形成されている態様に限定する趣旨ではないことは勿論である。
上記ラフアライメントマーク12は、それ自体は基準マーク13の役割は有していないが、上記基準マーク13の位置を検出し易くするための役割を有している。上記基準マーク13は大きさが小さく、目視で位置の目安を付けることは困難である。また、検査光や電子線で最初から基準マーク13を検出しようとすると、検出に時間が掛かり、レジスト膜が形成されている場合、不要なレジスト感光を発生させてしまう恐れがあるので好ましくない。上記基準マーク13との位置関係が予め決められている上記ラフアライメントマーク12を設けることで、基準マーク13の検出が迅速かつ容易に行える。
図1においては、上記ラフアライメントマーク12を矩形状のガラス基板11の主表面上のコーナー近傍の4箇所に、上記基準マーク13を各ラフアライメントマーク12の近傍に2箇所ずつ配置した例を示している。上記ラフアライメントマーク12と基準マーク13はいずれも基板主表面上の破線Aで示すパターン形成領域の境界線上、あるいはパターン形成領域より外周縁側に形成することが好適である。ただし、基板11の外周縁にあまり近いと、基板11の主表面の平坦度があまり良好でない領域であったり、他の種類の認識マークと交差する可能性があるので好ましくない。
基準マーク13、ラフアライメントマーク12の個数は特に限定されない。基準マーク13については、最低3個必要であるが、3個以上であっても構わない。
なお、以下に説明するように、本発明の基準マーク13においては、欠陥位置の基準となる位置(基準点)を決定するためのメインマーク13aの周囲に、そのメインマーク13aを大まかに特定するための補助マーク13bを配置している。そのため、検査光や電子線で最初から本発明の基準マーク13を検出するのに特に不都合がなければ、上記ラフアライメントマーク12は設けなくてもよい。すなわち、本発明においては、図5に示すように、上記ラフアライメントマーク12は設けずに、例えば一例としてガラス基板11の主表面上のコーナー近傍の4箇所に本発明の基準マーク13を配置するようにしてもよい。これによって、相対的に大きさの大きなラフアライメントマーク12の形成工程を省くことができ、マークの加工時間を大幅に短縮できる。なお、図5では、ガラス基板11の表面にこれら基準マーク13を示しているが、図5はあくまでもガラス基板11の主表面上での基準マーク13の配置例を示すものである。本発明をこれら基準マーク13がガラス基板11に直接形成されている態様に限定する趣旨ではないことは勿論である。
図2は、本発明の基準マーク13を構成するメインマーク13a及び補助マーク13bの形状例及び配置例を示す図である。また、図3は、本発明の基準マーク13を用いた基準点を決定する方法を説明するための図である。
上記基準マーク13は、欠陥情報における欠陥位置の基準となるものである。本発明の基準マーク13は、欠陥位置の基準となる位置(基準点)を決定するためのメインマーク13aと、そのメインマーク13aの周囲に配置された補助マーク13bとから構成される。
本発明の多層反射膜付き基板30及び反射型マスクブランク40の製造方法は、メインマーク13aと補助マーク13bとを、異なる形成方法で形成することに特徴がある。例えば、メインマーク13aは、精度の高い集束イオンビームで形成することができる。また、補助マーク13bは、高い精度が要求されないので、加工速度の速いダイヤモンド針を走査しての加工痕、又は微小圧子によるインデンテーションで形成することができる。そのため、本発明によれば、多層反射膜付き基板30及び反射型マスクブランク40に対して、低コストで高精度の基準マーク13を形成することができる。
図2及び図3には、上記メインマーク13aと、その周囲に配置された2つの補助マーク13b、13cとから構成される基準マーク13を一例として示している。
本発明において、上記メインマーク13aは、電子線描画装置又は欠陥検査光の走査方向(図3におけるX方向及びY方向)に対して垂直で且つ平行な辺を少なくとも2組有する多角形状であることが好適である。このように、上記メインマーク13aは、電子線又は欠陥検査光の走査方向に対して垂直で且つ平行な辺を少なくとも2組有する多角形状であることにより、電子線描画装置、欠陥検査装置による検出の容易性(確実性)を向上させ、また、欠陥検出位置のばらつきをさらに抑えることができる。図2及び図3では、具体例として、上記メインマーク13aが、縦横(X及びY方向)が同じ長さの正方形である場合を示している。この場合、縦横の長さ(L)がそれぞれ200nm以上5μm以下であることが好ましい。
上記メインマーク13aは、点対称の形状であれば良い。上記の正方形に限らず、例えば図4の(a)に示すように、正方形の角部が丸みを帯びた形状や、同図(b)のように、八角形の形状や、同図(c)のように、十字形状であってもよい。この場合においても、メインマーク13aの大きさ(縦横の長さ)Lは、200nm以上5μm以下であることが好ましい。具体例として、メインマーク13aが十字形状の場合、その大きさ(縦横の長さ)Lは、5μm以上20μm以下とすることができる。また、図示していないが、上記メインマーク13aは、直径が200nm以上5μm以下の正円形とすることもできる。
コントラストと欠陥検出位置のばらつきの両方を満足するためには、上記メインマーク13aは、電子線又は欠陥検査光の走査方向に対して200nm以上20μm以下の幅の部分を有することが重要である。
また、例えば基準マーク13を多層反射膜31に形成した場合、その幅が狭いと(例えば、30〜100nmであると)、その上に吸収体膜41等を成膜すると、基準マーク13の凹部が埋まってしまい、基準マーク13を検出することが困難になるという不都合も生じる。
また、図2及び図3に示す2つの補助マーク13b、13cは、メインマーク13aの周囲に、電子線又は欠陥検査光の走査方向(図3におけるX方向及びY方向)に沿って配置されている。本発明においては、上記補助マーク13b、13cは、電子線又は欠陥検査光の走査方向に対して垂直な長辺と平行な短辺を有する矩形状であることが好適である。補助マーク13b、13cが、電子線又は欠陥検査光の走査方向に対して垂直な長辺と平行な短辺を有する矩形状であることにより、電子線描画装置、欠陥検査装置の走査により確実に検出できるため、メインマーク13aの位置を容易に特定することができる。この場合、長辺は、電子線描画装置、欠陥検査装置のできるだけ最小回数の走査により検出可能な長さであることが望ましい。例えば、200μm以上600μm以下の長さを有することが望ましい。一方、長辺の長さが短いと、例えば200μm未満であると、電子線描画装置、欠陥検査装置の走査により補助マーク13b、13cをなかなか検出できない恐れがある。なお、本発明の場合、補助マーク13b、13cを、ダイヤモンド針を走査しての加工痕、又は微小圧子によるインデンテーションで形成することができる。そのため、補助マーク13b、13cの長さは、従来技術と比べて長くすることができる。実用的な観点から、補助マーク13b、13cの長さの上限は、600μm以下である。
また、上記補助マーク13b、13cとメインマーク13aは、所定の間隔を離間させても良いし、離間させなくても良い。補助マーク13b、13cとメインマーク13aを離間させる場合、間隔は特に制約されないが、本発明においては例えば15μm〜50μm程度の範囲とすることが好適である。
また、基準マーク13として、図6に示す形状のものを好ましく用いることができる。図6に示す基準マーク13の場合、メインマーク13aと、補助マーク13bは、共に十字形状であり、十字形状の中心が共通している。メインマーク13aの十字形状の寸法L1は、メインマーク13aの中心の座標を正確に求める点から、好ましくは5〜30μm、より好ましくは10〜20μm、具体的には15μmとすることができる。また、補助マーク13bの十字形状の寸法L2は、補助マーク13bを短時間で検出する点から、好ましくは300〜2000μm、より好ましくは400〜800μm、さらに好ましくは500〜600μm、具体的には550μmとすることができる。
図6に示す形状の基準マーク13は、図5に示すような配置にすることが好ましい。図5において、4つの基準マーク13が、主表面上のコーナー近傍(パターン形成領域Aの境界線上のコーナー)に配置されている。
上記基準マーク13を用いて、欠陥位置の基準となる基準点は次のようにして決定される(図3を参照)。
補助マーク13b、13c上を電子線、あるいは欠陥検査光がX方向、Y方向に走査し、これら補助マーク13bを検出することにより、メインマーク13aの位置を大まかに特定することができる。位置が特定された上記メインマーク13a上を電子線、あるいは検査光がX方向及びY方向に走査後、(上記補助マーク13bの走査により検出された)メインマーク13a上の交点P(通常、メインマーク13aの略中心)をもって基準点を決定する。
[多層反射膜付き基板30]
次に、本発明の多層反射膜付き基板30及びその製造方法について説明する。本発明の多層反射膜付き基板30は、基板11の上にEUV光を反射する多層反射膜31が形成されている。図7に、多層反射膜付き基板30の断面模式図を示す。
図7においては、多層反射膜31を構成する一部の膜を除去して基準マーク13が形成されている例を示すが、多層反射膜31を構成する全ての層を除去して基準マーク13を形成しても良い。
上記多層反射膜31は、低屈折率層と高屈折率層とを交互に積層させた多層膜である。一般的には、多層反射膜31として、重元素又はその化合物の薄膜と、軽元素又はその化合物の薄膜とが交互に40〜60周期程度積層された多層膜が用いられる。
例えば、波長13〜14nmのEUV光に対する多層反射膜31としては、Mo膜とSi膜を交互に40周期程度積層したMo/Si周期積層膜が好ましく用いられる。その他に、EUV光の領域で使用される多層反射膜31として、Ru/Si周期多層膜、Mo/Be周期多層膜、Mo化合物/Si化合物周期多層膜、Si/Nb周期多層膜、Si/Mo/Ru周期多層膜、Si/Mo/Ru/Mo周期多層膜、Si/Ru/Mo/Ru周期多層膜などがある。露光波長により、材質を適宜選択すればよい。
EUV露光用の場合、ガラス基板11としては、露光時の熱によるパターンの歪みを防止するため、0±1.0×10−7/℃の範囲内、より好ましくは0±0.3×10−7/℃の範囲内の低熱膨張係数を有するものが好ましく用いられる。この範囲の低熱膨張係数を有する素材としては、例えば、SiO−TiO系ガラス、多成分系ガラスセラミックス等を用いることができる。
上記ガラス基板11の転写パターンが形成される側の主表面は、少なくともパターン転写精度、位置精度を得る観点から高平坦度となるように表面加工されている。EUV露光用の場合、ガラス基板11の転写パターンが形成される側の主表面142mm×142mmの領域において、平坦度が0.1μm以下であることが好ましく、特に好ましくは0.05μm以下である。また、転写パターンが形成される側と反対側の主表面は、露光装置にセットする時に静電チャックされる面であって、142mm×142mmの領域において、平坦度が1μm以下、好ましくは0.5μm以下である。
また、極めて小さいサイズのマスクパターン欠陥を低減するためには、超微細パターンに対して極めて高い検査感度を有する電子線によるパターン欠陥検査が必要になってきている。この欠陥検査では、チャージアップを起こすと検査感度の低下や誤検出を起こすおそれがあるので、チャージアップを防止することが重要となる。しかしながら、多層反射膜をエッチングすることにより遮光帯を形成する反射型マスクでは、導電体である吸収体膜や多層反射膜が遮光帯によって分断され、回路パターン形成部が電気的に孤立してしまいアースを確保できなくなるため、欠陥検査時の電子線照射によってチャージアップを起こすおそれがある。
さらに、多層反射膜の欠陥を低減するためには、多層反射膜直下の下地表面の平滑性を極めて高くする必要がある。その理由は、反射型マスクには位相欠陥という透過型光マスクにはなかった問題があるためである。多層反射膜直下の下地表面に微小な凹凸があると、それが源になってその上に形成される多層反射膜層に乱れ(うねり)が生じ、部分的に位相差が発生する。それに伴ってEUV光の反射率が部分的に変わって致命欠陥源となるおそれがあるからである。又、多層反射膜の欠陥低減のためには、多層反射膜の欠陥を極めて高い感度で検査する必要がある。このためには、検査時のノイズや疑似欠陥を低減する必要があり、多層反射膜表面の平滑性も高いものが要求される。
そのため、図7に示すように、電子線によるマスクパターン欠陥検査時のチャージアップを防止するとともに、多層反射膜の位相欠陥が少なく、高い表面平滑性を得ることを目的で、ガラス基板11の表面に下地膜21を形成することが好適である。このような下地膜21の材料として、ルテニウム又はタンタルを主成分として含む材料が好ましく用いられる。例えば、Ru金属単体、Ta金属単体でも良いし、Ru又はTaにチタン(Ti)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)、ホウ素(B)、ランタン(La)、コバルト(Co)、レニウム(Re)等の金属を含有したRu合金又はTa合金であっても良い。下地膜21の膜厚は、例えば1nm〜10nmの範囲が好ましい。
本発明の多層反射膜付き基板30には、欠陥情報における欠陥位置の基準となる基準マーク13が形成されている。基準マーク13は、欠陥情報の基準点を決定するためのメインマーク13aと、メインマーク13aの周囲に配置された補助マーク13bとから構成される。本発明の多層反射膜付き基板30は、メインマーク13aの断面の形状と、補助マーク13bの断面の形状とが異なることを特徴とする。上述のように、本発明の多層反射膜付き基板30の製造方法では、メインマーク13aと補助マーク13bとを異なる最適な方法で形成することができる。そのため、メインマーク13aの断面の形状と、補助マーク13bの断面の形状とは異なっている。
例えば、補助マーク13bの断面形状が凹形状であり、メインマーク13aの断面形状が補助マーク13bとは異なる凹形状であることができる。また、補助マーク13bの断面形状が、例えばプリンタなどで形成された凸形状であり、メインマーク13aの断面形状が凹形状であることができる。また、補助マーク13bの断面形状が凸形状であり、メインマーク13aの断面形状が補助マーク13bとは異なる凸形状であることができる。
図6に示すように、本発明の多層反射膜付き基板30では、電子線又は欠陥検査光の走査方向80のメインマーク13aの幅L1が、補助マーク13bの幅L2よりも小さく、電子線又は欠陥検査光の走査方向80に対して直交する方向のメインマーク13aの幅W1が、補助マーク13bの幅W2よりも大きいことが好ましい。メインマーク13a及び補助マーク13bが、上述の形状であることにより、補助マーク13bの検出及びメインマーク13aによる基準点の検出が容易になる。また、メインマーク13aの幅W1と、補助マーク13bの幅W2との差は、電子線のスポット幅よりも大きいことが好ましい。後述する本発明の反射型マスクブランク40及び反射型マスク60においても同様である。
図6に示す補助マーク13bの幅W2は1μm以上5μm以下であることが好ましい。補助マーク13bの幅W2は1μm未満であると、補助マーク13bの検出が困難になる。また。補助マーク13bの幅W2が広すぎると、メインマーク13aの幅W1を広くする必要が生じ、メインマーク13aの加工時間が長くなるため好ましくない。
本発明の多層反射膜付き基板30は、前記メインマーク13aの断面の形状が矩形であり、前記補助マーク13bの断面の形状が略三角形であることが好ましい。
メインマーク13aの断面の形状が矩形であるため、メインマーク13aの底の部分が平坦となり、メインマーク13aの検出が容易である。また、断面の形状が矩形のメインマーク13aは、高い精度の集束イオンビームにより形成することができる。一方、補助マーク13bの断面の形状が略三角形であるため、補助マーク13bの形成は、ダイヤモンド針を走査しての加工痕、又は微小圧子によるインデンテーションなどで形成することできる。そのため、補助マーク13bを短時間で形成することができる。
なお、メインマーク13aの断面形状を凹形状とし、メインマーク13aの高さ方向に所望の深さを設けることで認識し得るメインマーク13aとすることが好ましい。電子線や欠陥検査光による検出精度を向上させる観点から、メインマーク13aの凹形状は、その底部から表面側へ向かって広がるように形成された断面形状であることが好ましい。この場合のメインマーク13aの側壁の傾斜角度は75°以上であることが好ましい。さらに好ましくは、80°以上、さらに好ましくは、85°以上とすることが望ましい。
また、補助マーク13bの断面形状をV字型の谷形状とすることが好ましい。このような断面形状の補助マーク13bは、ダイヤモンド針を走査しての加工痕、又は微小圧子によるインデンテーションにより、短時間で形成することができる。この場合、補助マーク13bの断面形状の、V字型の谷形状の底の開口部分の角度は、30度以上175度以下であることが好ましく、120度以下であることがより好ましく、90度以下であることがさらに好ましい。補助マーク13bの断面形状としてV字型の谷形状を形成するための微小圧子の先端の角度は、30度以上175度以下であることが好ましく、120度以下であることがより好ましく、90度以下であることがさらに好ましい。V字型の谷形状の底の開口部分の角度が小さく、鋭角となっている方が電子線や欠陥検査光による検出精度を向上させることができるため好ましい。
本発明の多層反射膜付き基板30は、前記メインマーク13aの深さは、前記補助マーク13bの深さよりも深いことが好ましい。メインマーク13aの深さを補助マーク13bの深さよりも深くすることで、メインマーク13aの底の部分を平坦にすることができ、メインマーク13aの検出が容易になる。メインマーク13aの検出を容易にするために、メインマーク13aの深さは100nm以上であることが好ましく、200〜300nmであることがより好ましい。
本発明の基準マーク13を構成する上記メインマーク13a及び補助マーク13b、13cを形成する位置は特に限定されない。多層反射膜付き基板30の場合、多層反射膜31の成膜面であれば、どの位置に形成してもよい。例えば、基板11、下地膜21、多層反射膜31、及び保護膜32(キャッピング層、バッファ層)から選択されるいずれの位置でもよい。
なお、EUV光を露光光として使用する反射型マスク60においては、特に多層反射膜31に存在する欠陥は、修正がほとんど不可能である上に、転写パターン上で重大な位相欠陥となり得るので、転写パターン欠陥を低減させるためには多層反射膜31上の欠陥情報が重要である。したがって、少なくとも多層反射膜31成膜後に欠陥検査を行い、欠陥情報を取得することが望ましい。そのためには、多層反射膜付き基板30に本発明の基準マーク13を形成することが好ましい。特に、検出のし易さ、基板11の再生等の観点からは、多層反射膜31に本発明の基準マーク13を形成することが好ましい。
本発明の多層反射膜付き基板30及びその製造方法では、メインマーク13aは、多層反射膜31に形成され、補助マーク13bは、基板11又は多層反射膜31に形成されることが好ましい。メインマーク13aは、精度の高い加工法により形成されるため、補助マーク13bが形成された後にメインマーク13aを形成することが好ましい。メインマーク13aを、基板11に形成しないことにより、補助マーク13bの形成後に、精度の高いメインマーク13aを多層反射膜31に形成することができる。
メインマーク13a及び補助マーク13bは、共に多層反射膜31に形成されることが好ましい。基板部分にメインマーク13a及び補助マーク13bを形成しないため、多層反射膜付き基板30から基板11を再生して利用する場合に、欠陥のない基板を回収することができる。
多層反射膜付き基板30の基板11と多層反射膜31との間に下地膜21等が配置されている場合には、メインマーク13a及び/又は補助マーク13bを、下地膜21等に形成することもできる。
[マスクブランク]
次に、本発明の反射型マスクブランク40及びその製造方法について、説明する。
本発明は、上記構成の多層反射膜付き基板30における前記多層反射膜31上に、転写パターンとなる吸収体膜41が形成されている反射型マスクブランク40、マスクブランク用ガラス基板11上に、転写パターンとなる薄膜が形成されているマスクブランクについても提供する。上記多層反射膜付き基板30は、反射型マスク60を製造するための反射型マスクブランク40、すなわち、基板11上に露光光(EUV光)を反射する多層反射膜31と、露光光(EUV光)を吸収するパターン形成用の吸収体膜41とを順に備える反射型マスクブランク40用の基板として用いることができる。
図8は、図7の基準マーク13が形成された多層反射膜付き基板30における多層反射膜31上に、保護膜32(キャッピング層)32及びEUV光を吸収するパターン形成用の吸収体膜41が形成されている反射型マスクブランク40を示す。なお、ガラス基板11の多層反射膜31等が形成されている側とは反対側の表面には、裏面導電膜42が設けられている。
上記吸収体膜41は、露光光である例えばEUV光を吸収する機能を有するもので、例えばタンタル(Ta)単体又はTaを主成分とする材料が好ましく用いられる。Taを主成分とする材料としては、TaとBを含む材料、TaとNを含む材料、TaとBを含み、さらにOとNの少なくともいずれかを含む材料、TaとSiを含む材料、TaとSiとNを含む材料、TaとGeを含む材料、TaとGeとNを含む材料、等が用いられる。
また、通常、上記吸収体膜41のパターニングあるいはパターン修正の際に多層反射膜31を保護する目的で、多層反射膜31と吸収体膜41との間に上記保護膜32やバッファ膜を設ける。保護膜32の材料としては、ケイ素のほか、ルテニウムや、ルテニウムにニオブ、ジルコニウム、ロジウムのうち1以上の元素を含有するルテニウム化合物が用いられ、バッファ膜の材料としては、主に前記のクロム系材料が用いられる。
また、本発明は、図15に示すように、EUV光を吸収する吸収体膜41に本発明の基準マーク13が形成されている反射型マスクブランク40についても提供する。なお、図15において、図8と同等箇所には同一符号を付した。
図15においては、保護膜32が露出するように吸収体膜41を除去して基準マーク13が形成されている例を示すが、吸収体膜41の途中まで除去して基準マーク13を形成したり、吸収体膜41と保護膜32を除去して多層反射膜31が露出するように基準マーク13を形成したり、吸収体膜41、保護膜32、多層反射膜31を除去して基板11が露出するように基準マーク13を形成してもよい。
本発明の反射型マスクブランク40には、欠陥情報における欠陥位置の基準となる基準マーク13が形成されている。基準マーク13は、欠陥情報の基準点を決定するためのメインマーク13aと、メインマーク13aの周囲に配置された補助マーク13bとから構成される。本発明の反射型マスクブランク40は、メインマーク13aの断面の形状と、補助マーク13bの断面の形状とが異なることを特徴とする。上述のように、本発明の反射型マスクブランク40の製造方法では、メインマーク13aと補助マーク13bとを異なる最適な方法で形成することができる。そのため、メインマーク13aの断面の形状と、補助マーク13bの断面の形状とは異なっている。
本発明の反射型マスクブランク40は、メインマーク13aの断面の形状が矩形であり、補助マーク13bの断面の形状が略三角形であることが好ましい。メインマーク13a及び補助マーク13bの断面の形状については、上述の多層反射膜付き基板30について述べたことと同様である。
本発明の反射型マスクブランク40では、メインマーク13aの深さは、補助マーク13bの深さよりも深いことが好ましい。メインマーク13aの深さを補助マーク13bの深さよりも深くすることで、メインマーク13aの底の部分を平坦にすることができ、メインマーク13aの検出が容易になる。メインマーク13aの検出を容易にするために、メインマーク13aの深さは100nm以上であることが好ましく、200〜300nmであることがより好ましい。
本発明の基準マーク13を構成する上記メインマーク13a及び補助マーク13b、13cを形成する位置は特に限定されない。反射型マスクブランク40の場合、成膜面であれば、どの位置に形成してもよい。例えば、基板11、下地膜21(後述)、多層反射膜31、保護膜32(キャッピング層、バッファ層)、吸収体膜41、吸収体膜41上に形成されるエッチングマスク膜のいずれの位置でもよい。
本発明の反射型マスクブランク40の製造方法は、メインマーク13a及び補助マーク13bは共に、吸収体膜41及び多層反射膜31の一方又は両方に形成されることが好ましい。
メインマーク13a及び補助マーク13bを共に、吸収体膜41及び多層反射膜31の一方又は両方に形成することによって、多層反射膜31の欠陥発生リスクを小さくすることができる。メインマーク13aを吸収体膜41に形成すると、FIBを用いることによって生じる欠陥発生リスクをより小さくすることが可能となる。また、反射型マスクブランク40の基板部分にはメインマーク13a及び補助マーク13bを形成しないため、反射型マスクブランク40から基板を再生して利用する場合に、欠陥のない基板を回収することができる。
本発明の反射型マスクブランク40及びその製造方法では、補助マーク13bは、基板11若しくは多層反射膜31に形成され、メインマーク13aは吸収体膜41に形成されることが好ましい。メインマーク13aは、精度の高い加工法により形成されるため、補助マーク13bが形成された後にメインマーク13aを形成することが好ましい。メインマーク13aを、補助マーク13bを基板又は多層反射膜31に形成した後に、精度の高いメインマーク13aを吸収体膜41に形成することにより、精度の高いメインマーク13aを形成したマスクブランクを得ることができる。また、メインマーク13aを吸収体膜41に形成すると、FIBを用いることによって生じる欠陥発生リスクをより小さくすることが可能となる。
本発明の反射型マスクブランク40及びその製造方法では、補助マーク13bは、基板11に形成され、メインマーク13aは多層反射膜31に形成されることが好ましい。メインマーク13aを、補助マーク13bを基板に形成した後に、精度の高いメインマーク13aを多層反射膜31に形成することにより、精度の高いメインマーク13aを形成したマスクブランクを得ることができる。
本発明の反射型マスクブランク40及びその製造方法では、補助マーク13bは、吸収体膜41に形成され、メインマーク13aは多層反射膜31に形成されることが好ましい。基板部分にメインマーク13a及び補助マーク13bを形成しないため、多層反射膜付き基板30から基板を再生して利用する場合に、欠陥のない基板を回収することができる。
また、本発明の反射型マスクブランク40及びその製造方法では、補助マーク13bを多層反射膜31に形成し、メインマーク13aをエッチングマスク膜に形成することもできる。また、補助マーク13bを保護膜32に形成し、メインマーク13aを吸収体膜41又はエッチングマスク膜に形成することもできる。ただし、エッチングマスク膜は、反射型マスク60を製造する際に除去されるので、エッチングマスク膜に補助マーク13b又はメインマーク13aを形成することは、あまり好ましくない。
基準マーク13形成後、洗浄による光学特性(たとえば、反射率)の変化を抑制する観点からは、反射型マスクブランク40における吸収体膜41に基準マーク13を形成することが好ましい。この場合、多層反射膜付き基板30の段階では基準マーク13が形成されていないので、反射型マスクブランク40における欠陥検査と、基準マーク13を基準にした欠陥の座標管理は以下のようにして行うことができる。
まず、基板11上に多層反射膜31が形成された多層反射膜付き基板30に対して、欠陥検査装置により、基板11の主表面の中心を基準点として欠陥検査を行い、欠陥検査により検出された欠陥と位置情報とを取得する。次に、多層反射膜31上に保護膜32と吸収体膜41を形成した後、吸収体膜41の所定位置に、本発明の基準マーク13を形成して、基準マーク13が形成された反射型マスクブランク40を得る。
上記の基準マーク13を基準にして欠陥検査装置により欠陥検査を行う。上記のとおり吸収体膜41は多層反射膜31上に形成するので、この欠陥検査データは、上記で取得した多層反射膜付き基板30の欠陥検査も反映されている。したがって、多層反射膜付き基板30の欠陥と反射型マスクブランク40の欠陥が一致している欠陥を元に、多層反射膜付き基板30の欠陥検査データと、反射型マスクブランク40の欠陥検査データを照合することにより、上記基準マーク13を基準にした多層反射膜付き基板30の欠陥検査データと、反射型マスクブランク40の欠陥検査データを得ることができる。
なお、以上の実施の形態では、上記メインマーク13aの周囲に、電子線描画装置や欠陥検査装置の走査方向(X方向、Y方向)に沿って2つの補助マーク13b、13cを配置した例について説明したが、本発明はこのような実施の形態に限定されるわけではない。例えば欠陥の検出が検査光の走査によらない方式においては、メインマーク13aと補助マーク13bとの位置関係が特定されていれば、メインマーク13aに対する補助マーク13bの配置位置は任意である。また、この場合、メインマーク13aの中心ではなく、エッジを基準点とすることもできる。
ところで、本発明の基準マーク13は、上述のとおり、基板11の主表面上の破線Aで示すパターン形成領域の境界線上、あるいはパターン形成領域より外周縁側の任意の位置に形成される(図1、図5参照)。この場合、エッジ基準で基準マーク13を形成したり、あるいは基準マーク13を形成後、座標計測器で基準マーク形成位置を特定することが好適である。
まず、上記のエッジ基準で基準マーク13を形成する方法について説明する。図13及び図14はそれぞれエッジ基準で基準マーク13を形成する方法を説明するための図である。
例えば、基準マーク13のメインマーク13aをFIB(集束イオンビーム)で形成する場合、多層反射膜付き基板30のエッジの検出を行う。メインマーク13aをFIBで加工する場合、多層反射膜付き基板30のガラス基板11のエッジは、2次電子像、2次イオン像、あるいは光学像で認識することができる。また、基準マーク13の補助マーク13b、13cを、ダイヤモンド針を走査しての加工痕又は微小圧子によるインデンテーションで加工する場合は、光学像で認識することができる。図13に示すように、例えばガラス基板11(図示の便宜上多層反射膜31の図示は省略している)の四辺の8箇所(丸印を付した箇所)のエッジ座標を確認し、チルト補正して、原点(0,0)出しを行う。この場合の原点は任意に設定可能であり、基板11の角部でも中心でもよい。
このようにエッジ基準で設定した原点からの所定の位置にFIBで基準マーク13を形成する。図14には、エッジ基準で基板の任意の角部に設定した原点O(0,0)からの所定の位置、具体的には原点Oの両隣の端面11AのエッジからXの距離、端面11BのエッジからYの距離に基準マーク13を形成する場合を示している。この場合、原点O(0,0)を基準とする基準マーク形成座標(X,Y)が基準マーク13の形成位置情報となる。他の位置に形成する基準マーク13についても同様である。
このようなエッジ基準で形成した多層反射膜付き基板30(あるいは反射型マスクブランク40、反射型マスク60)の基準マーク13を欠陥検査装置や電子線描画装置で検出する際、基準マーク13の形成位置情報、つまりエッジからの距離がわかっているため、基準マーク形成位置を容易に特定することが可能である。
また、多層反射膜付き基板30の任意の位置に基準マーク13を形成後、座標計測器で基準マーク形成位置を特定する方法を適用することもできる。この座標計測器は、基準マーク13の形成座標をエッジ基準で計測するものであり、例えば高精度パターン位置測定装置(KLA-Tencor社製LMS−IPRO4)を使用することができ、特定した基準マーク形成座標が基準マーク13の形成位置情報となる。また、座標計測器は、電子線描画装置の基準座標に変換する役割もあるので、多層反射膜付き基板30を提供されたユーザーは、容易に基準マーク13に基づき欠陥検査装置により特定した欠陥位置と、描画データとを高精度に照合することが可能となり、最終的に製造されるマスクにおいて欠陥を確実に低減させることができる。
以上説明したように、基準マーク13をエッジ基準で形成したり、あるいは基準マーク13を任意の位置に形成後、座標計測器で基準マーク形成位置を特定する方法によれば、欠陥検査装置や電子線描画装置で多層反射膜付き基板30等の基準マーク13の形成位置を容易に特定することが可能である。そのため、この方法によれば、基準マーク13のサイズを小さくすることが可能である。具体的には、本発明の基準マーク13が、前述のメインマーク13aと補助マーク13bとから構成される場合、メインマーク13aの幅は200nm以上5μm以下、補助マーク13bの長辺は例えば25μm以上300μm以下のサイズにすることが可能である。このように基準マーク13のサイズを小さくした場合、基準マーク13のうち、例えばメインマーク13aの形成手段として、例えば前記のFIBを採用した場合には、基準マーク13の加工時間が短縮できるので好ましい。また、基準マーク13の検出時間についても短縮できるので好ましい。
図12には、以上で説明したようなエッジ基準で形成する場合の基準マーク13の形状例及び配置例を示している。エッジ基準で形成する場合の基準マーク13としては、同図(a)のようなメインマーク13aと補助マーク13b、13cから構成される基準マーク13が代表的な例である。さらに、同図(c)に示すようなメインマーク13aの周囲に4つの補助マーク13b〜13eを配置したものや、同図(d)に示すような十字形の基準マーク13とすることもできる。なお、参考のため、同図(b)には、メインマーク13aのみの基準マーク13を示している。
また、基板11のエッジ座標を基準に設定した原点からの所定の位置に前記基準マーク13を形成した例えば多層反射膜付き基板30と、この場合の基準マーク13の形成位置情報(基準マーク形成座標)とを対応付けてユーザーに提供することにより、ユーザーは、例えばマスク製造工程において、この基準マーク13の形成位置情報を利用して基準マーク13を短時間で確実に検出することができる。
また、例えば多層反射膜付き基板30に基準マーク13を形成した後、座標計測器で前記基準マーク13の形成位置を特定し、前記基準マーク13を形成した多層反射膜付き基板30と、この場合の基準マーク13の形成位置情報(特定した基準マーク13の位置座標)とを対応付けてユーザーに提供することにより、ユーザーは、この基準マーク13の形成位置情報を利用して基準マーク13を短時間で確実に検出することができる。また、基準マーク13の形成位置を座標計測器で特定することにより、電子線描画装置の基準座標の変換が可能となる。したがって、多層反射膜付き基板30を提供されたユーザーは、容易に基準マーク13に基づき欠陥検査装置により特定した欠陥位置と、描画データとを高精度に照合することが可能となり、最終的に製造される反射型マスク60において、欠陥を確実に低減させることができる。
また、上記基準マーク13の形成位置情報に、さらに基準マーク13を基準とした欠陥情報(位置情報、サイズ等)を加えてユーザーに提供することにより、ユーザーはこの基準マーク13の形成位置情報を利用して基準マーク13を短時間で確実に検出することができると共に、この欠陥情報に基づいて、欠陥による影響が低減するように描画データを高い精度で修正(補正)し、最終的に製造されるマスクにおいて欠陥を低減させることができる。
また、上記基準マーク13を形成した多層反射膜付き基板30における多層反射膜31上に、EUV光を吸収する吸収体膜41が形成された反射型マスクブランク40と、基準マーク13の形成位置情報とを対応付けてユーザーに提供することにより、ユーザーは、この反射型マスクブランク40を用いるマスク製造において、この基準マーク13の形成位置情報を利用して基準マーク13を短時間で確実に検出することができる。
また、基板11上に転写パターンとなる薄膜が形成されているマスクブランクにおいても、基板11のエッジ座標を基準に設定した原点からの所定の位置に前記基準マーク13を形成したマスクブランクと、この場合の基準マーク13の形成位置情報とを対応付けてユーザーに提供することにより、あるいはマスクブランクに基準マーク13を形成した後、座標計測器で前記基準マーク13の形成位置を特定し、前記基準マーク13を形成したマスクブランクと、この場合の基準マーク13の形成位置情報とを対応付けてユーザーに提供することにより、ユーザーはこの基準マーク13の形成位置情報を利用して基準マーク13を短時間で確実に検出することができる。
また、マスクブランクにおいても、基準マーク13の形成位置情報に、さらに前記基準マーク13を基準とした欠陥情報を加えてユーザーに提供することにより、ユーザーはこの欠陥情報に基づいて、欠陥による影響が低減するように描画データを高い精度で修正(補正)し、最終的に製造されるマスクにおいて欠陥を低減させることができる。
[マスク]
次に、本発明の反射型マスク60及びその製造方法について説明する。
本発明の反射型マスク60は、上述の反射型マスクブランク40の吸収体膜41をパターニングした吸収体パターンを有する。図10は、図8の反射型マスクブランク40における吸収体膜41がパターニングされた吸収体膜パターン41aを備える反射型マスク60を示す。
本発明の反射型マスク60の製造方法は、上述のようにして形成した基準マーク13を有する反射型マスクブランク40を用意する工程と、反射型マスクブランク40の吸収体膜41をパターニングすることによって、吸収体パターンを形成する工程とを有する。
本発明の反射型マスク60は、基板11上にEUV光を反射する多層反射膜31と、多層反射膜31上にEUV光を吸収する吸収体膜41とが形成され、吸収体膜41が転写用パターンを有する。本発明の反射型マスク60には、欠陥情報における欠陥位置の基準となる基準マーク13が形成されている。基準マーク13は、欠陥情報の基準点を決定するためのメインマーク13aと、メインマーク13aの周囲に配置された補助マーク13bとから構成される。本発明の反射型マスク60は、メインマーク13aの断面の形状と、補助マーク13bの断面の形状とが異なることを特徴とする。上述のように、本発明の反射型マスクブランク40及び多層反射膜付き基板30の製造方法では、メインマーク13aと補助マーク13bとを異なる最適な方法で形成することができる。そのため、メインマーク13aの断面の形状と、補助マーク13bの断面の形状とは異なっている。
本発明の反射型マスク60は、メインマーク13aの断面の形状が矩形であり、補助マーク13b断面の形状が略三角形であることが好ましい。メインマーク13a及び補助マーク13bの断面の形状については、上述の多層反射膜付き基板30について述べたことと同様である。
本発明の反射型マスク60は、前記メインマーク13aの深さは、前記補助マーク13bの深さよりも深いことが好ましい。メインマーク13aの深さを補助マーク13bの深さよりも深くすることで、メインマーク13aの底の部分を平坦にすることができ、メインマーク13aの検出が容易になる。メインマーク13aの検出を容易にするために、メインマーク13aの深さは100nm以上であることが好ましく、200〜300nmであることがより好ましい。
本発明の基準マーク13を構成する上記メインマーク13a及び補助マーク13b、13cを形成する位置は特に限定されない。反射型マスク60の場合、多層反射膜31の成膜面であれば、どの位置に形成してもよい。例えば、基板11、下地膜21(後述)、多層反射膜31、保護膜32(キャッピング層、バッファ層)、吸収体膜41、吸収体膜41上に形成されるエッチングマスク膜のいずれの位置でもよい。
本発明の反射型マスク60は、前記メインマーク13a及び前記補助マーク13bは共に、前記吸収体膜41及び前記多層反射膜31の一方又は両方に形成されることを特徴とすることが好ましい。
メインマーク13a及び補助マーク13bを共に、吸収体膜41及び多層反射膜31の一方又は両方に形成することによって、多層反射膜31の欠陥発生リスクを小さくすることができる。また、反射型マスクブランク40の基板部分にはメインマーク13a及び補助マーク13bを形成しないため、反射型マスクブランク40から基板を再生して利用する場合に、欠陥のない基板を回収することができる。
本発明の反射型マスク60では、補助マーク13bは、基板11若しくは多層反射膜31に形成され、メインマーク13aは吸収体膜41に形成されることが好ましい。メインマーク13aは、精度の高い加工法により形成されるため、補助マーク13bが形成された後にメインマーク13aを形成することが好ましい。メインマーク13aを、補助マーク13bを基板又は多層反射膜31に形成した後に、精度の高いメインマーク13aを吸収体膜41に形成することにより、精度の高いメインマーク13aを形成したマスクブランクを得ることができる。
本発明の反射型マスク60では、補助マーク13bは、基板11に形成され、メインマーク13aは多層反射膜に形成されることが好ましい。メインマーク13aを、補助マーク13bを基板に形成した後に、精度の高いメインマーク13aを多層反射膜31に形成することにより、精度の高いメインマーク13aを形成したマスクブランクを得ることができる。
本発明の反射型マスク60では、補助マーク13bは、吸収体膜41に形成され、メインマーク13aは多層反射膜31に形成されることが好ましい。基板部分にメインマーク13a及び補助マーク13bを形成しないため、多層反射膜付き基板30から基板を再生して利用する場合に、欠陥のない基板を回収することができる。
また、本発明の反射型マスク60及びその製造方法では、補助マーク13bを多層反射膜31に形成し、メインマーク13aをエッチングマスク膜に形成することもできる。また、補助マーク13bを保護膜32に形成し、メインマーク13aを吸収体膜41又はエッチングマスク膜に形成することもできる。ただし、エッチングマスク膜は、反射型マスク60を製造する際に除去されるので、エッチングマスク膜に補助マーク13b又はメインマーク13aを形成することは、あまり好ましくない。
[バイナリマスクブランク]
図9は、ガラス基板11上に、遮光膜51が形成されているバイナリマスクブランク50を示す。本発明の基準マーク13(メインマーク13a及び補助マーク13b)は、ガラス基板11及び/又は遮光膜51に形成することができる。
図示していないが、ガラス基板11上に、位相シフト膜、あるいは位相シフト膜及び遮光膜51を備えることにより、位相シフト型マスクブランクが得られる。この遮光膜51は、単層でも複数層(例えば遮光層と反射防止層との積層構造)としてもよい。また、遮光膜51を遮光層と反射防止層との積層構造とする場合、この遮光層を複数層からなる構造としてもよい。また、上記位相シフト膜についても、単層でも複数層としてもよい。
このようなマスクブランクとしては、例えば、クロム(Cr)を含有する材料により形成されている遮光膜51を備えるバイナリマスクブランク50、遷移金属とケイ素(Si)を含有する材料により形成されている遮光膜51を備えるバイナリマスクブランク50、タンタル(Ta)を含有する材料により形成されている遮光膜51を備えるバイナリマスクブランク、ケイ素(Si)を含有する材料、あるいは遷移金属とケイ素(Si)を含有する材料により形成されている位相シフト膜を備える位相シフト型マスクブランクなどが挙げられる。
上記クロム(Cr)を含有する材料としては、クロム単体、クロム系材料(CrO、CrN、CrC、CrON、CrCN、CrOC、及びCrOCN等)が挙げられる。
上記タンタル(Ta)を含有する材料としては、タンタル単体のほかに、タンタルと他の金属元素(例えば、Hf、Zr等)との化合物、タンタルにさらに窒素、酸素、炭素及びホウ素のうち少なくとも1つの元素を含む材料、具体的には、TaN、TaO、TaC、TaB、TaON、TaCN、TaBN、TaCO、TaBO、TaBC、TaCON、TaBON、TaBCN、及びTaBCONを含む材料などが挙げられる。
上記ケイ素(Si)を含有する材料としては、ケイ素に、さらに窒素、酸素及び炭素のうち少なくとも1つの元素を含む材料、具体的には、ケイ素の窒化物、酸化物、炭化物、酸窒化物、炭酸化物、あるいは炭酸窒化物を含む材料が好適である。また、上記遷移金属とケイ素(Si)を含有する材料としては、遷移金属とケイ素を含有する材料のほかに、遷移金属及びケイ素に、さらに窒素、酸素及び炭素のうち少なくとも1つの元素を含む材料が挙げられる。具体的には、遷移金属シリサイド、又は遷移金属シリサイドの窒化物、酸化物、炭化物、酸窒化物、炭酸化物、あるいは炭酸窒化物を含む材料が好適である。遷移金属には、モリブデン、タンタル、タングステン、チタン、クロム、ハフニウム、ニッケル、バナジウム、ジルコニウム、ルテニウム、ロジウム、及びニオブ等が適用可能である。この中でも特にモリブデンが好適である。
本発明による基準マーク13の形成方法は、バイナリマスクブランク50に基準マーク13を形成する際にも適用することができる。この場合、メインマーク13a及び補助マーク13bを、ガラス基板11並びに遮光膜51及び位相シフト膜等の薄膜のいずれかに形成することができる。
[バイナリマスク]
図11は、図9のバイナリマスクブランク50における遮光膜51がパターニングされた遮光膜パターン51aを備えるバイナリマスク70を示す。マスクブランクにおける転写パターンとなる上記遮光膜51等の薄膜をパターニングする方法は、フォトリソグラフィ法が最も好適である。
なお、図示していないが、上述のマスクブランク用ガラス基板11上に、位相シフト膜、あるいは位相シフト膜及び遮光膜51を備える構造の位相シフト型マスクブランクにおいても、転写パターンとなる薄膜をパターニングすることにより、位相シフト型マスクが得られる。
本発明による基準マーク13の形成方法は、バイナリマスク70に基準マーク13を形成する際にも適用することができる。この場合、メインマーク13a及び補助マーク13bを、ガラス基板11並びに遮光膜51及び位相シフト膜等の薄膜のいずれかに形成することができる。
以下、実施例により、本発明の実施の形態をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
両面研磨装置を用い、酸化セリウム砥粒やコロイダルシリカ砥粒により段階的に研磨し、低濃度のケイフッ酸で基板表面を表面処理したSiO−TiO系のガラス基板11(大きさが約152.4mm×約152.4mm、厚さが約6.35mm)を準備した。
次に、Arガス雰囲気中でRuターゲットを使用したイオンビームスパッタリングを行って、ガラス基板11の主表面上に、膜厚3nmのRu膜からなる下地膜21を形成した。ここで、Ruのスパッタ粒子は、基板1の主表面の法線に対して30度の角度で入射させた。
次に、Ru下地膜21上に、MoターゲットとSiターゲットを使用し、Arガス雰囲気中でイオンビームスパッタリングにより、Si膜(膜厚:4.2nm)とMo膜(膜厚:2.8nm)を1周期として、40周期積層し、最後にSi膜を4.0nmの厚みで成膜して多層反射膜31(総膜厚284nm)を形成した。以上のようにして、多層反射膜付き基板30を得た。
次に、多層反射膜31の表面の所定の箇所に、以下の表面形状で基準マーク13を形成した。本実施例では、基準マーク13として、前述のメインマーク13aと補助マーク13bを図6に示すような配置関係となるように形成した。補助マーク13bは、図6に示すようにメインマーク13aの部分が抜けた十字形であり、L2が550μm、幅W2が1μmの十字形である。また、メインマーク13aは、図6に示すL1が15μm、幅W1が3μmの十字形である。補助マーク13bの十字形の中心と、メインマーク13aの十字形の中心とが同じ点になるように配置した。また、図5に示すように、基準マーク13は多層反射膜付き基板30に4カ所形成した。補助マーク13bを形成した後に、メインマーク13aを形成した。
本実施例の補助マーク13bは、図16及び図17に示す微小圧子によるインデンテーション(パンチ)により形成した。図16は、微小圧子の形状をmm単位で示す図面であり、図17は、図16に示す微小圧子の先端部(図16の左端)の形状の拡大図である。図17に示すように、微小圧子の先端は、0.5mmの長さで、166.18度の角度の付いた寄棟屋根のような形状である。補助マーク13bの深さ方向の断面は微小圧子の先端の形状と同じである。深さが約150nmとなるように、微小圧子を多層反射膜31に所定の圧力で押し付けることにより、補助マーク13bを形成した。なお、補助マーク13bの形成の際、図16及び図17に示す微小圧子を多層反射膜31に1回押し付けた後、微小圧子を回転中心に対して90度回転させて、再度、多層反射膜31に押し付けることにより、十字形の補助マーク13bを形成した。
本実施例のメインマーク13aは、集束イオンビーム(FIB)により形成した。メインマーク13aの形成は集束イオンビームを用いて行った。この時の条件は加速電圧50kV、ビーム電流値20pAとした。メインマーク13aの形成のために多層反射膜31を構成する全ての層を除去したので、メインマーク13aの深さは、約284nmとした。
表1に、上述のように形成した、実施例1の補助マーク13b及びメインマーク13aを形成するために要した加工時間を示す。表1に示す加工時間は、多層反射膜付き基板30の1枚あたりの加工時間であり、図5に示す4カ所の基準マーク13の加工時間である。微小圧子によるインデンテーション(パンチ)によって多層反射膜31に補助マーク13bを形成するための加工時間は、16分という短時間であった。この結果、実施例1の補助マーク13b及びメインマーク13aの形成のための加工時間の合計は120分だった。
基準マーク13のメインマーク13aが形成されている部分の断面形状を原子間力顕微鏡(AFM)により観察したところ、側壁の傾斜角度が86度であり、底部も平坦であり、良好な矩形形状であった。
多層反射膜31に形成したこの基準マーク13は、電子線描画装置やブランクス検査装置で、コントラストが0.025と高く、精度良く検出でき、しかも欠陥検出位置のばらつきも83nmで100nm以下となり再現性良く検出できることを確認した。
次に、多層反射膜31表面をブランクス欠陥検査装置(KLA−Tencor社製Teron600シリーズ)で欠陥検査を行った。この欠陥検査では、上述の基準マーク13を基準として、基準点を決定し、決定した基準点との相対位置に基づく凸、凹の欠陥位置情報と、欠陥サイズ情報を取得し、欠陥マップを作成した。多層反射膜付き基板30と、これら欠陥位置情報、欠陥サイズ情報とを対応させた欠陥情報(欠陥マップ)付き多層反射膜付き基板30を得た。
次に、Arガス雰囲気中で、Ruターゲットを使用したイオンビームスパッタリングによりRuからなる保護膜6を2.5nmの厚みで成膜した。ここで、Ruのスパッタ粒子は、基板1の主表面の法線に対して30度の角度で入射させた。その後、大気中で130℃のアニールを行った。
次に、DCスパッタリング法により、TaBN膜(膜厚:56nm)とTaBO膜(膜厚:14nm)の積層膜からなる吸収体層を形成した。TaBN膜は、TaBをターゲットに用いて、ArガスとNガスの混合ガス雰囲気にて反応性スパッタリング法で形成した。TaBO膜は、TaBをターゲットに用いて、ArガスとOガスの混合ガス雰囲気にて反応性スパッタリング法により形成した。
また、ガラス基板11の裏面に、Crターゲットを用いてArガスとNガスの混合ガス雰囲気にて反応性スパッタリング法でCrN導電膜(膜厚:20nm)を形成した。これにより、EUV反射型マスクブランク40を得た。
得られたEUV反射型マスクブランク40について、ブランクス欠陥検査装置(KLA−Tencor社製Teron600シリーズ)で欠陥検査を行った。上述と同様に上述の基準マーク13を基準として、凸、凹の欠陥位置情報と、欠陥サイズ情報を取得し、EUV反射型マスクブランク40と、これら欠陥位置情報、欠陥サイズ情報とを対応させた欠陥情報付きEUV反射型マスクブランク40を得た。
次に、この欠陥情報付きのEUV反射型マスクブランク40を用いて、EUV反射型マスク60を作製した。
まず、EUV反射型マスクブランク40上に電子線描画用レジストをスピンコーティング法により塗布、ベーキングしてレジスト膜を形成した。
次に、EUV反射型マスクブランク40の欠陥情報に基づいて、予め設計しておいたマスクパターンデータと照合し、露光装置を用いたパターン転写に影響のないマスクパターンデータに修正するか、パターン転写に影響があると判断した場合には、例えば欠陥をパターンの下に隠すように修正パターンデータを追加したマスクパターンデータに修正するか、修正パターンデータでも対応ができない欠陥については、マスク作製後の欠陥修正の負荷が低減できるマスクパターンデータに修正し、この修正されたマスクパターンデータに基づいて、上述のレジスト膜に対して電子線によりマスクパターンを描画、現像を行い、レジストパターンを形成した。本実施例では、上記基準マーク13と欠陥との相対位置関係が高い精度で管理できたので、マスクパターンデータの修正を高精度で行うことができた。
このレジストパターンをマスクとし、吸収体層をフッ素系ガス(CFガス)によりTaBO膜を、塩素系ガス(Clガス)によりTaBN膜をエッチング除去して、キャッピング層上に吸収体パターン41aを形成した。
さらに、吸収体パターン41a上に残ったレジストパターンを熱硫酸で除去し、EUV反射型マスク60を得た。
この得られたEUV反射型マスク60についてマスク欠陥検査装置(KLA−Tencor社製Teron600シリーズ)により検査したところ、多層反射膜31上に凸欠陥は確認されなかった。
こうして得られた反射型マスク60を露光装置にセットし、レジスト膜を形成した半導体基板上へのパターン転写を行う場合、反射型マスク60に起因する転写パターンの欠陥もなく、良好なパターン転写を行うことができる。
(実施例2)
実施例2として、上記実施例1における補助マーク13b及びメインマーク13aを多層反射膜31に形成せず、吸収体膜41に形成した以外は実施例1と同様にして反射型マスクブランク40を作製した。
表1に、上述のように形成した、実施例2の補助マーク13b及びメインマーク13aを形成するために要した加工時間を示す。表1に示す加工時間は、反射型マスクブランク40の1枚あたりの加工時間であり、図5に示す4カ所の基準マーク13の加工時間である。微小圧子によるインデンテーション(パンチ)によって吸収体膜41に補助マーク13bを形成するための加工時間は、16分という短時間であった。この結果、実施例2の補助マーク13b及びメインマーク13aの形成のための加工時間の合計は41分だった。
基準マーク13のメインマーク13aが形成されている部分の断面形状を原子間力顕微鏡(AFM)により観察したところ、実施例1と同様、側壁の傾斜角度が88度であり、底部も平坦であり、良好な矩形形状であった。
また、吸収体膜41に形成したこの基準マーク13は、電子線描画装置やブランクス欠陥検査装置で、コントラストが0.020と高く、精度良く検出でき、しかも欠陥検出位置のばらつきも81nmとなり、再現性よく検出できることを確認した。
本実施例においては、基板11上に多層反射膜31が形成された多層反射膜付き基板30の多層反射膜31表面を、ブランクス欠陥検査装置(KLA−Tencor社製Teron600シリーズ)で、基板11の主表面の中心を基準にして欠陥検査を行い、吸収体膜41が形成された反射型マスクブランク40について、上述と同様のブランクス欠陥検査装置を用いて基準マーク13を基準として、凸、凹の欠陥位置情報と、欠陥サイズ情報を取得し、最後に、多層反射膜付き基板30の欠陥情報と反射型マスクブランク40の欠陥情報において、欠陥が一致している複数の欠陥を元に照合することにより、反射型マスクブランク40と、これら欠陥位置情報、欠陥サイズ情報とを対応させた欠陥情報付きEUV反射型マスクブランク40を得た。
実施例1と同様に、EUV反射型マスク60を作製した。この得られたEUV反射型マスク60についてマスク欠陥検査装置(KLA−Tencor社製Teron600シリーズ)により検査したところ、多層反射膜31上に凸欠陥は確認されなかった。
こうして得られた反射型マスク60を露光装置にセットし、レジスト膜を形成した半導体基板上へのパターン転写を行う場合、反射型マスク60起因の転写パターンの欠陥もなく、良好なパターン転写を行うことができる。
(実施例3)
実施例3として、上記実施例1におけるメインマーク13aを多層反射膜31に形成せず、吸収体膜41に形成した以外は実施例1と同様にして反射型マスクブランク40を作製した。補助マーク13bは、上記実施例1と同様に、多層反射膜31に形成した。
表1に、上述のように形成した、実施例3の補助マーク13b及びメインマーク13aを形成するために要した加工時間を示す。表1に示す加工時間は、反射型マスクブランク40の1枚あたりの加工時間であり、図5に示す4カ所の基準マーク13の加工時間である。微小圧子によるインデンテーション(パンチ)によって多層反射膜31に補助マーク13bを形成するための加工時間は、16分という短時間であった。この結果、実施例3の補助マーク13b及びメインマーク13aの形成のための加工時間の合計は41分だった。
基準マーク13のメインマーク13aが形成されている部分の断面形状を原子間力顕微鏡(AFM)により観察したところ、実施例1と同様、側壁の傾斜角度が88度であり、底部も平坦であり、良好な矩形形状であった。
また、吸収体膜41に形成したこの基準マーク13は、電子線描画装置やブランクス欠陥検査装置で、コントラストが0.020と高く、精度良く検出でき、しかも欠陥検出位置のばらつきも81nmとなり、再現性よく検出できることを確認した。
本実施例においては、基板11上に多層反射膜31が形成された多層反射膜付き基板30の多層反射膜31表面を、ブランクス欠陥検査装置(KLA−Tencor社製Teron600シリーズ)で、基板11の主表面の中心を基準にして欠陥検査を行い、吸収体膜41が形成された反射型マスクブランク40について、上述と同様のブランクス欠陥検査装置を用いて基準マーク13を基準として、凸、凹の欠陥位置情報と、欠陥サイズ情報を取得し、最後に、多層反射膜付き基板30の欠陥情報と反射型マスクブランク40の欠陥情報において、欠陥が一致している複数の欠陥を元に照合することにより、反射型マスクブランク40と、これら欠陥位置情報、欠陥サイズ情報とを対応させた欠陥情報付きEUV反射型マスクブランク40を得た。
実施例1と同様に、EUV反射型マスク60を作製した。この得られたEUV反射型マスク60についてマスク欠陥検査装置(KLA−Tencor社製Teron600シリーズ)により検査したところ、多層反射膜31上に凸欠陥は確認されなかった。
こうして得られた反射型マスク60を露光装置にセットし、レジスト膜を形成した半導体基板上へのパターン転写を行う場合、反射型マスク60起因の転写パターンの欠陥もなく、良好なパターン転写を行うことができる。
(比較例1)
比較例1として、上記実施例1における補助マーク13bを、微小圧子によるインデンテーション(パンチ)により形成せず、集束イオンビーム(FIB)により多層反射膜31に形成した以外は実施例1と同様にして、比較例1の反射型マスクブランク40を作製した。
表1に、上述のように形成した、比較例1の補助マーク13b及びメインマーク13aを形成するために要した加工時間を示す。表1に示す加工時間は、反射型マスクブランク40の1枚あたりの加工時間であり、図5に示す4カ所の基準マーク13の加工時間である。集束イオンビームによって多層反射膜31に補助マーク13bを形成するための加工時間は、552分という長時間であった。この結果、比較例1の補助マーク13b及びメインマーク13aの形成のための加工時間の合計は656分だった。
以上の実施例1〜3及び比較例1から明らかなように、補助マーク13bを微小圧子によるインデンテーション(パンチ)により形成することにより、基準マーク13を形成するための加工時間を大幅に短縮することができた。また、実施例1〜3により得られた基準マーク13と、欠陥との相対位置関係を高い精度で管理することができた。したがって、本発明の方法により、多層反射膜付き基板30、反射型マスクブランク40及び反射型マスク60に対して、低コストで高精度の基準マーク13を形成することができることが明らかである。
なお、上述の実施例では、多層反射膜付き基板30、反射型マスクブランク40ともに、下地膜21を形成した例を挙げて説明したが、これに限られない。下地膜21が形成されていない多層反射膜付き基板30、反射型マスクブランク40であっても構わない。
11 基板(ガラス基板)
12 ラフアライメントマーク
13 基準マーク(ファインマーク)
13a メインマーク
13b、13c 補助マーク
21 下地膜
30 多層反射膜付き基板
31 多層反射膜
32 保護膜
40 反射型マスクブランク
41 吸収体膜
41a 吸収体膜パターン
42 裏面導電膜
50 バイナリマスクブランク
51 遮光膜
51a 遮光膜パターン
60 反射型マスク
70 バイナリマスク
80 電子線又は欠陥検査光の走査方向

Claims (26)

  1. 基板上にEUV光を反射する多層反射膜が形成されている多層反射膜付き基板の製造方法であって、
    前記多層反射膜付き基板に、欠陥情報における欠陥位置の基準となる基準マークを形成する工程を有し、
    前記基準マークは、前記欠陥情報の基準点を決定するためのメインマークと、前記メインマークの周囲に配置された補助マークとから構成され、
    前記メインマークと前記補助マークとは異なる形成方法で形成され、
    前記メインマークは点対称の形状であり、前記補助マークは長辺及び短辺を有する矩形であり、
    前記メインマークの縦横の長さである大きさが、200nm以上20μm以下であり、かつ前記補助マークを構成する矩形の長辺の長さが200μm以上600μm以下であるか、または
    前記メインマーク及び前記補助マークは中心が共通する十字形状であり、前記十字形状を構成する二つの矩形が短辺及び長辺を有し、前記メインマークの前記十字形状を構成する前記矩形の前記長辺の長さが、前記補助マークの前記十字形状を構成する前記矩形の前記長辺の長さよりも小さい
    ことを特徴とする多層反射膜付き基板の製造方法。
  2. 前記補助マークは、ダイヤモンド針を走査しての加工痕、又は微小圧子によるインデンテーションで形成され、前記メインマークは、集束イオンビームで形成されることを特徴とする、請求項1に記載の多層反射膜付き基板の製造方法。
  3. 前記メインマークは、前記多層反射膜に形成され、前記補助マークは、前記基板又は前記多層反射膜に形成される、請求項1又は2に記載の多層反射膜付き基板の製造方法。
  4. 基板上にEUV光を反射する多層反射膜と、前記多層反射膜上にEUV光を吸収する吸収体膜とが形成されている反射型マスクブランクの製造方法であって、
    前記反射型マスクブランクに、欠陥情報における欠陥位置の基準となる基準マークを形成する工程を有し、
    前記基準マークは、前記欠陥情報の基準点を決定するためのメインマークと、前記メインマークの周囲に配置された補助マークとから構成され、
    前記メインマークと前記補助マークとは異なる形成方法で形成され、
    前記メインマークは点対称の形状であり、前記補助マークは長辺及び短辺を有する矩形であり、
    前記メインマークの縦横の長さである大きさが、200nm以上20μm以下であり、かつ前記補助マークを構成する矩形の長辺の長さが200μm以上600μm以下であるか、または
    前記メインマーク及び前記補助マークは中心が共通する十字形状であり、前記十字形状を構成する二つの矩形が短辺及び長辺を有し、前記メインマークの前記十字形状を構成する前記矩形の前記長辺の長さが、前記補助マークの前記十字形状を構成する前記矩形の前記長辺の長さよりも小さい
    ことを特徴とする反射型マスクブランクの製造方法。
  5. 前記補助マークは、ダイヤモンド針を走査しての加工痕、又は微小圧子によるインデンテーションで形成され、前記メインマークは、集束イオンビームで形成されることを特徴とする、請求項4に記載の反射型マスクブランクの製造方法。
  6. 前記メインマーク及び前記補助マークは共に、前記吸収体膜及び前記多層反射膜の一方又は両方に形成されることを特徴とする、請求項4又は5に記載の反射型マスクブランクの製造方法。
  7. 前記補助マークは、前記基板若しくは前記多層反射膜に形成され、前記メインマークは前記吸収体膜に形成されるか、
    前記補助マークは、前記基板に形成され、前記メインマークは前記多層反射膜に形成されるか、又は
    前記補助マークは、前記吸収体膜に形成され、前記メインマークは前記多層反射膜に形成される、
    ことを特徴とする、請求項4又は5に記載の反射型マスクブランクの製造方法。
  8. 請求項4〜7のいずれか1項に記載の製造方法によって製造された反射型マスクブランクを用意する工程と、
    前記反射型マスクブランクの前記吸収体膜をパターニングすることによって、吸収体パターンを形成する工程と
    を有することを特徴とする反射型マスクの製造方法。
  9. 基板上にEUV光を反射する多層反射膜が形成されている多層反射膜付き基板であって、
    前記多層反射膜付き基板に、欠陥情報における欠陥位置の基準となる基準マークが形成されており、
    前記基準マークは、前記欠陥情報の基準点を決定するためのメインマークと、前記メインマークの周囲に配置され、メインマークを特定するための補助マークとから構成され、
    前記メインマークの断面の形状と、前記補助マークの断面の形状とが異なり、
    前記メインマークは点対称の形状であり、前記補助マークは長辺及び短辺を有する矩形であり、
    前記メインマークの縦横の長さである大きさが、200nm以上20μm以下であり、かつ前記補助マークを構成する矩形の長辺の長さが200μm以上600μm以下であるか、または
    前記メインマーク及び前記補助マークは中心が共通する十字形状であり、前記十字形状を構成する二つの矩形が短辺及び長辺を有し、前記メインマークの前記十字形状を構成する前記矩形の前記長辺の長さが、前記補助マークの前記十字形状を構成する前記矩形の前記長辺の長さよりも小さい
    ことを特徴とする多層反射膜付き基板。
  10. 前記メインマークの断面の形状が矩形であり、前記補助マークの断面の形状が略三角形である、請求項9に記載の多層反射膜付き基板。
  11. 前記メインマークの深さは、前記補助マークの深さよりも深い、請求項9又は10に記載の多層反射膜付き基板。
  12. 前記メインマークの形状が前記十字形状であり、前記十字形状を構成する二つの前記矩形が前記短辺及び前記長辺を有し、前記メインマークの前記短辺の長さと、前記補助マークの前記短辺との差が電子線スポットの幅よりも大きいことを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載の多層反射膜付き基板。
  13. 前記メインマークは、前記多層反射膜に形成され、前記補助マークは、前記基板又は前記多層反射膜に形成される、請求項9〜12のいずれか1項に記載の多層反射膜付き基板。
  14. 基板上にEUV光を反射する多層反射膜と、前記多層反射膜上にEUV光を吸収する吸収体膜とが形成されている反射型マスクブランクであって、
    前記反射型マスクブランクに、欠陥情報における欠陥位置の基準となる基準マークが形成されており、
    前記基準マークは、前記欠陥情報の基準点を決定するためのメインマークと、前記メインマークの周囲に配置され、メインマークを特定するための補助マークとから構成され、
    前記メインマークの断面の形状と、前記補助マークの断面の形状とが異なり、
    前記メインマークは点対称の形状であり、前記補助マークは長辺及び短辺を有する矩形であり、
    前記メインマークの縦横の長さである大きさが、200nm以上20μm以下であり、かつ前記補助マークを構成する矩形の長辺の長さが200μm以上600μm以下であるか、または
    前記メインマーク及び前記補助マークは中心が共通する十字形状であり、前記十字形状を構成する二つの矩形が短辺及び長辺を有し、前記メインマークの前記十字形状を構成する前記矩形の前記長辺の長さが、前記補助マークの前記十字形状を構成する前記矩形の前記長辺の長さよりも小さい
    ことを特徴とする反射型マスクブランク。
  15. 前記メインマークの断面の形状が矩形であり、前記補助マーク断面の形状が略三角形である、請求項14に記載の反射型マスクブランク。
  16. 前記メインマークの深さは、前記補助マークの深さよりも深い、請求項14又は15に記載の反射型マスクブランク。
  17. 前記メインマークの形状が前記十字形状であり、前記十字形状を構成する二つの前記矩形が前記短辺及び前記長辺を有し、前記メインマークの前記短辺の長さと、前記補助マークの前記短辺との差が電子線スポットの幅よりも大きいことを特徴とする請求項14〜16のいずれか1項に記載の反射型マスクブランク。
  18. 前記メインマーク及び前記補助マークは共に、前記吸収体膜及び前記多層反射膜の一方又は両方に形成されることを特徴とする、請求項14〜17のいずれか1項に記載の反射型マスクブランク。
  19. 前記補助マークは、前記基板若しくは前記多層反射膜に形成され、前記メインマークは前記吸収体膜に形成されるか、
    前記補助マークは、前記基板に形成され、前記メインマークは前記多層反射膜に形成されるか、又は
    前記補助マークは、前記吸収体膜に形成され、前記メインマークは前記多層反射膜に形成される、
    ことを特徴とする、請求項14〜17のいずれか1項に記載の反射型マスクブランク。
  20. 請求項14〜19のいずれか1項に記載の反射型マスクブランクを用意する工程と、
    前記反射型マスクブランクの前記吸収体膜をパターニングすることによって、吸収体パターンを形成する工程と
    を有することを特徴とする反射型マスクの製造方法。
  21. 基板上にEUV光を反射する多層反射膜と、前記多層反射膜上にEUV光を吸収する吸収体膜とが形成され、前記吸収体膜が転写用パターンを有する反射型マスクであって、
    前記反射型マスクに、欠陥情報における欠陥位置の基準となる基準マークが形成されており、
    前記基準マークは、前記欠陥情報の基準点を決定するためのメインマークと、前記メインマークの周囲に配置され、メインマークを特定するための補助マークとから構成され、
    前記メインマークの断面の形状と、前記補助マークの断面の形状とが異なり、
    前記メインマークは点対称の形状であり、前記補助マークは長辺及び短辺を有する矩形であり、
    前記メインマークの縦横の長さである大きさが、200nm以上20μm以下であり、かつ前記補助マークを構成する矩形の長辺の長さが200μm以上600μm以下であるか、または
    前記メインマーク及び前記補助マークは中心が共通する十字形状であり、前記十字形状を構成する二つの矩形が短辺及び長辺を有し、前記メインマークの前記十字形状を構成する前記矩形の前記長辺の長さが、前記補助マークの前記十字形状を構成する前記矩形の前記長辺の長さよりも小さい
    ことを特徴とする反射型マスク。
  22. 前記メインマークの断面の形状が矩形であり、前記補助マーク断面の形状が略三角形である、請求項21に記載の反射型マスク。
  23. 前記メインマークの深さは、前記補助マークの深さよりも深い、請求項21又は22に記載の反射型マスク。
  24. 前記メインマークの形状が前記十字形状であり、前記十字形状を構成する二つの前記矩形が前記短辺及び前記長辺を有し、前記メインマークの前記短辺の長さと、前記補助マークの前記短辺との差が電子線スポットの幅よりも大きいことを特徴とする請求項21〜23のいずれか1項に記載の反射型マスク。
  25. 前記メインマーク及び前記補助マークは共に、前記吸収体膜及び前記多層反射膜の一方又は両方に形成されることを特徴とする、請求項21〜24のいずれか1項に記載の反射型マスク。
  26. 前記補助マークは、前記基板若しくは前記多層反射膜に形成され、前記メインマークは前記吸収体膜に形成されるか、
    前記補助マークは、前記基板に形成され、前記メインマークは前記多層反射膜に形成されるか、又は
    前記補助マークは、前記吸収体膜に形成され、前記メインマークは前記多層反射膜に形成される、
    ことを特徴とする、請求項21〜24のいずれか1項に記載の反射型マスク。
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