JP3300740B2 - 洗浄剤組成物 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、皮膚等に対する刺
激が少なく、良好な起泡性であり、洗浄後の皮膚にさっ
ぱりした使用感を付与する洗浄剤組成物に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、皮膚や毛髪の洗浄剤用の界面活性
剤として、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩及び、α
−オレフィンスルホン酸塩などのアニオン界面活性剤が
広く使われている。しかし、これらアニオン界面活性剤
は程度の差はあるがいずれも皮膚刺激性の点では充分で
はない。

【０００３】これに対して、低刺激性の洗浄剤用界面活
性剤として、スルホコハク酸塩、Ｎ−アシルグルタミン
酸塩、Ｎ−アシルアスパラギン酸塩、アミドエーテルカ
ルボン酸塩等が知られている。しかし、これら低刺激性
の洗浄剤用界面活性剤は単独では起泡性が十分でなく、
他の界面活性剤との組合せによる機能向上（特開平２−
２１８７９７号公報等）が提案されている。また、Ｎ−
アシルグルタミン酸塩は、洗浄後の皮膚がぬるつくとい
う欠点がある。一方、Ｎ−アシルアスパラギン酸塩と脂
肪酸ジエタノールアマイドとを併用するシャンプー組成
物が提案されている（特公昭５０−４０１２５号公
報）。これは、皮膚に対する刺激が少ないが、前述した
アニオン界面活性剤に比べると洗浄性・起泡性が不十分
で、洗浄後の皮膚にぬるつき感が残るものであった。ま
た、アミドエーテルカルボン酸塩とリン酸エステル系界
面活性剤とを併用する洗浄剤組成物が提案されている
（特開平７−１３８５９２号公報）。これは、皮膚に対
する刺激が少なく、良好な起泡性であるが、洗浄後の皮
膚にぬるつき感が残るものであった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者は、鋭
意研究した結果、Ｎ−アシルアスパラギン酸塩をアミド
エーテルカルボン酸塩とともに配合した洗浄剤組成物は
皮膚等に対する刺激が少なく、良好な起泡性であり、洗
浄後の皮膚にさっぱりした使用感を付与する洗浄剤組成
物であることを見出し、本発明に至った。

【０００５】すなわち本発明の目的は、皮膚等に対する
刺激が少なく、良好な起泡性であり、洗浄後の皮膚にさ
っぱりした使用感を付与する洗浄剤組成物を提供するこ
とにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する本
発明は、一般式（Ａ）

【０００７】

【化３】

【０００８】（式中、Ｒ¹ は炭素数７〜２１のアルキル
基またはアルケニル基、Ｍ¹ およびＭ² は、水素、アル
カリ金属イオン，アルカリ土類金属イオンまたはアンモ
ニウム、アルカノールアンモニウムを示す。但し、
Ｍ¹ ，Ｍ² が同時に水素であることはない。）で表され
るＮ−アシルアスパラギン酸塩と、一般式（Ｂ）

【０００９】

【化４】

【００１０】（式中、Ｒ² は炭素数７〜１７のアルキル
基またはアルケニル基、Ｍ³ は、アルカリ金属イオン，
アルカリ土類金属イオン、アンモニウムまたはアルカノ
ールアンモニウムを示す。ｎは１〜１５の数である。）
で表されるアミドエーテルカルボン酸塩とを含有してな
る洗浄剤組成物である。

【００１１】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を詳述する。
本発明に用いられる一般式（Ａ）で表されるＮ−アシル
アスパラギン酸塩は、Ｄ−体またはＬ−体または両者の
混合物のいずれを用いてもよく、式中のアシル基（Ｒ¹
−ＣＯ−）の構成脂肪酸として、例えば、ラウリン酸、
ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン
酸および、ヤシ油脂肪酸、パーム核油脂肪酸等が挙げら
れる。Ｍ¹ 、Ｍ² としてはナトリウム、カリウム等のア
ルカリ金属イオン、アンモニウム、トリエタノールアン
モニウム等が挙げられる。但し、Ｍ¹ ，Ｍ² が同時に水
素であることはない。また、Ｎ−アシルアスパラギン酸
塩を用いる代わりに、Ｎ−アシルアスパラギン酸を苛性
ソーダやトリエタノールアミン等と共に用いて組成物中
で塩が生成するようにしてもよい。

【００１２】本発明に用いられる一般式（Ｂ）で表され
るアミドエーテルカルボン酸塩は式中のアシル基（Ｒ²
−ＣＯ−）を構成する脂肪酸として、たとえば、ラウリ
ン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オ
レイン酸および、ヤシ油脂肪酸、パーム核油脂肪酸等が
挙げられる。ｎは１〜１５、特に１〜５が好ましい。Ｍ
³ は、ナトリウムイオン、カリウム等のアルカリ金属イ
オン、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属
イオン、アンモニウム、トリエタノールアンモニウム等
が挙げられる。

【００１３】一般式（Ｂ）で表されるアミドエーテルカ
ルボン酸塩の好ましい具体例としては、例えばポリオキ
シエチレン（１．Ｅ．Ｏ．）ラウリン酸アミドエーテル
カルボン酸ナトリウム、ポリオキシエチレン（２．Ｅ．
Ｏ．）ヤシ油脂肪酸アミドエーテルカルボン酸トリエタ
ノールアミン、ポリオキシエチレン（８．Ｅ．Ｏ．）ミ
リスチン酸アミドエーテルカルボン酸アンモニウムなど
が挙げられる。

【００１４】本発明洗浄剤組成物における一般式（Ａ）
と（Ｂ）の成分の合計量は、３〜４０重量％である。３
重量％未満では起泡性が充分でなく、４０重量％を超え
ると、洗浄後の皮膚の感触が良好ではない。また、一般
式（Ａ）と（Ｂ）の重量比は、（Ａ）／（Ｂ）＝９／１
〜２／８になるように用いるのが好ましい。

【００１５】本発明の洗浄剤組成物には上記の必須成分
に加えて洗浄剤に常用されている成分や添加剤を配合す
ることも可能である。たとえば、脂肪酸塩、アルキル硫
酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステ
ル塩、α−オレフィンスルホン酸塩、スルホコハク酸塩
などのアニオン界面活性剤、アルキルアミノ酢酸ベダイ
ン、アシルアミドプロピルベダイン、２−アルキル−Ｎ
−カルボキシメチルイミダゾリニウムベダインなどの両
性界面活性剤、ステアリルトリメチルアンモニウムクロ
リド、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチル
ジメチルアンモニウムなどのカチオン界面活性剤、脂肪
酸アルカノールアマイド、ポリオキシエチレンアルキル
エーテル、アルキルアミンオキシドなどの非イオン界面
活性剤、Ｐｏｌｙｍｅｒ ＪＲ−４００（Ａｍｅｒｃｈ
ｏｌ社）、Ｍｅｒｑｕａｔ１００、Ｍｅｒｑｕａｔ５５
０（Ｃａｌｇｏｎ社）、ＪａｇｕａｒＣ−１３Ｓ（Ｒｈ
ｏｎｅ−Ｐｏｕｌｅｎｃ社）などのカチオン性高分子、
高級脂肪酸、高級アルコール、シリコーン、シリコーン
誘導体、ラノリン誘導体、レシチン、トリグリセライド
などの油性成分、ジンクピリチオン、ピロクトンオラミ
ンなどの抗フケ剤、殺菌剤、紫外線吸収剤、キレート
剤、色素及び香料などが挙げられる。

【００１６】本発明の洗浄剤組成物は、シャンプー、ボ
ディ洗浄剤、洗顔剤、食器用洗剤などに適用される。

【００１７】

【実施例】次に実施例によって本発明を更に詳細に説明
する。なお、効果の測定は以下の評価法によった。

【００１８】起泡性 ロスマイルス試験法に準じて起泡力を測定した。但し、
試料は２％水溶液（ＣａＣＯ₃ ５０ｐｐｍ人工硬水使
用）で、温度４０℃である。 評価 ◎…泡立ちが極めて良好、起泡力２５０ｍｍ以上 ○…泡立ちが良好、起泡力２１０ｍｍ以上、２５０ｍｍ
未満 △…泡立ちが普通、起泡力１７０ｍｍ以上、２１０ｍｍ
未満 ×…泡立ちが不良、起泡力１７０ｍｍ未満

【００１９】洗浄力 ５センチメートル×５センチメートルのウールモスリン
布に、ラノリン７％及び０．００５％スダンＩＩＩのク
ロロホルム溶液０．４ミリリットルを均一に塗布し、乾
燥させる。この汚染布を３％の洗浄剤溶液４０ミリリッ
トルが入った約１００ミリリットル容量のガラス製シリ
ンダーの中に入れ、４０℃の恒温槽中で１５分振とう
し、汚染布を流水中でよくすすぎ、乾燥させ、反射率を
調べ、次式により洗浄率を求めた。

【００２０】

【数１】

【００２１】評価 ◎…洗浄性優秀、洗浄率８５％以上 ○…洗浄性良好、洗浄率７０％以上、洗浄率８５％未満 △…洗浄性普通、洗浄率５５％以上、洗浄率７０％未満 ×…洗浄性不良、洗浄率５５％未満

【００２２】洗浄後の皮膚のサッパリ感 パネル１０名を用い、各組成物を浴用スポンジ上に取っ
たものを用いて、よく泡立て、身体の洗浄を行う。その
後、温水を用いてすすぎ、すすぎ後の身体のサツパリ感
を評価した。 評価 ◎…パネル１０名６名以上がサッパリ感を感じる。 ○…パネル１０名６名以上がぬるつき感をほとんど感じ
ない。 △…パネル１０名６名以上がぬるつき感を感じる。 ×…パネル１０名６名以上がぬるつき感を大きく感じ
る。

【００２３】皮膚刺激性（蛋白変性率試験） 水系高速液体クロマトグラフィーを利用し、卵白アルブ
ミンｐＨ７緩衝液に、試料濃度１％になるように試料を
加えた時の卵白アルブミン変性率を、２２０ｎｍの吸収
ピークを用いて測定した。

【００２４】

【数２】

【００２５】 Ｈｏ：卵白アルブミン２２０ｎｍの吸収ピークの高さ Ｈｓ：卵白アルブミン緩衝液に、試料を加えた時の２２
０ｎｍの吸収ピークの高さ

【００２６】評価 ◎…卵白アルブミン変性率、３０％未満 ○…卵白アルブミン変性率、３０％以上、６０％未満 △…卵白アルブミン変性率、６０％以上、８０％未満 ×…卵白アルブミン変性率、８０％以上

【００２７】実施例１〜５、比較例１〜５ 表１に示す組成の洗浄剤組成物を通常の方法で調整し、
上記の方法でそれぞれの効果を調べ、その結果を表１、
表２に示した。

【００２８】

【表１】

【００２９】

【表２】

【００３０】これらの結果から実施例１〜５の洗浄剤組
成物は、比較例１〜５のそれらよりも皮膚等に対する刺
激が少なく、良好な起泡性であり、洗浄後の皮膚にさっ
ぱりした使用感を付与することがわかる。

【００３１】実施例６ 次に示す組成のシャンプーを調整した。 （重量％） Ｎ−ラウロイルアスパラギン酸トリエタノールアミン １０ ポリオキシエチレン（１．Ｅ．Ｏ．） ラウリン酸アミドエーテルカルボン酸ナトリウム ６ ラウリン酸アミドプロピルベダイン ２ Ｐｏｌｙｍｅｒ ＪＲ−４００（Ａｍｅｒｃｈｏｌ社） ０．３ ｐＨ調整剤、防腐剤、香料 適量 精製水 残余

【００３２】実施例７ 次に示す組成のシャンプーを調整した。 （重量％） Ｎ−ミリストイルアスパラギン酸ナトリウム １４ ポリオキシエチレン（２Ｅ．Ｏ．）ラウリン酸 アミドエーテルカルボン酸トリエタノールアミン ２ ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド ２ エチレングリコールジステアレート ２ アミノエチルアミノプロピル・メチルポリシロキサン共重合体 １ ＪａｇｕａｒＣ−１３Ｓ（Ｒｈｏｎｅ−Ｐｏｕｌｅｎｃ社） ０．３ ｐＨ調整剤、防腐剤、香料 適量 精製水 残余

【００３３】実施例８ 次に示す組成のボディシャンプーを調整した。 （重量％） Ｎ−ミリストイルアスパラギン酸ナトリウム １０ ポリオキシエチレン（２Ｅ．Ｏ．）ラウリン酸 アミドエーテルカルボン酸トリエタノールアミン ６ ミリスチン酸 ５ トリエタノールアミン ３．５ ステアリン酸モノエタノールアミン ２ プロピレングリコール ２ 防腐剤、香料 適量 精製水 残余

【００３４】実施例６，７，８を記の方法にて評価し、
いずれの項目も優れた評価だった。

【００３５】

【発明の効果】以上記載のように、本発明が、皮膚等に
対する刺激が少なく、良好な起泡性であり、洗浄後の皮
膚にさっぱりした使用感を付与する洗浄剤組成物を提供
することは、明らかである。 ページ（１／３） 化学式等を記載した書面 明細書

【化１】

【化３】（全て同一内容の化学式を表す。）

【化２】

【化４】（全て同一内容の化学式を表す。） Ｒ² ＣＯＮＨ（ＣＨ₂ ＣＨ₂ Ｏ）n ＣＨ₂ ＣＯＯＭ³

【数１】

【数２】変性率（％）＝（Ｈｏ−Ｈｓ）／Ｈｏ×１００ ページ（２／３） 化学式等を記載した書面

【表１】 ページ（３／３） 化学式等を記載した書面

【表２】

フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) C11D 1/00 - 1/94 A61K 7/075 A61K 7/50

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一般式（Ａ） 【化１】 （式中、Ｒ¹ は炭素数７〜２１のアルキル基またはアル
   ケニル基、Ｍ¹ およびＭ² は、水素、アルカリ金属イオ
   ン，アルカリ土類金属イオンまたはアンモニウム、アル
   カノールアンモニウムを示す。但し、Ｍ¹ ，Ｍ² が同時
   に水素であることはない。）で表されるＮ−アシルアス
   パラギン酸塩と、一般式（Ｂ） 【化２】 （式中、Ｒ² は炭素数７〜１７のアルキル基またはアル
   ケニル基、Ｍ³ はアルカリ金属イオン，アルカリ土類金
   属イオン、アンモニウム、アルカノールアンモニウムを
   示す。ｎは１〜１５の数である。）で表されるアミドエ
   ーテルカルボン酸塩とを含有してなる洗浄剤組成物。