JP3297436B2 - フルオロポリマーおよびフルオロポリマー塗料 - Google Patents

フルオロポリマーおよびフルオロポリマー塗料

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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F220/00Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and only one being terminated by only one carboxyl radical or a salt, anhydride ester, amide, imide or nitrile thereof
    • C08F220/02Monocarboxylic acids having less than ten carbon atoms; Derivatives thereof
    • C08F220/10Esters
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は、保護塗料および剥離塗料に適当な種類の低
表面エネルギーを有するフルオロポリマーの分野並びに
蛍光塗料および封入用途のための光学的な明澄なポリマ
ーの分野に関する。
発明の背景 フルオロポリマーは、それらの非粘着性、十分な耐熱
性および耐薬品性、靭性並びに耐磨耗性が塗料などで好
都合に用いられる用途の要求において広範囲に用いられ
てきた。
本発明は、遊離基重合条件下で製造することができ
る、フッ素含有アクリルモノマーと非フッ素化アクリル
モノマーとの新規のコポリマーを提供する。これらのコ
ポリマーは非晶質で且つ光学的に明澄であり、そして低
屈折率を有する。特定の有機溶媒中に可溶性であり、そ
れらの溶液を用いて、架橋性である塗料を製造し且つフ
ィルムを流延することができる。これらの塗料は、ガラ
ス、ポリマーフィルムおよび結晶支持体を含む支持体に
対して強く付着する。
これらの新規のコポリマーは塗料材料の要求を満たし
ており、フルオロポリマーの優れた性質、例えば、低い
屈折率および表面エネルギー、十分な耐熱性および耐薬
品性を有し、そして同時に、強い付着性、柔軟性、靭性
および耐磨耗性を有する。本発明のポリマー性組成物は
これらの性質を合わせ持つ。
フルオロアルキル−アルキルアクリレートを基剤とし
たまたは配合するフルオロポリマー組成物は従来開示さ
れてきた。例えば、フランス特許第2,155,133号明細書
には、フルオロポリマーと非フッ素化アクリル樹脂との
配合物であるオレオ−および疎水性フルオロ組成物が開
示されている。それらはフッ素含有アクリルモノマーを
非フッ素化アクリル樹脂の存在下で重合することによっ
て得られる。欧州特許出願第0,182,516号明細書には、
アクリル酸フルオロアルキルエステル、アクリル酸誘導
体および多官能性モノマーを共重合してコポリマーの内
部架橋を生じることによって得られた架橋した不溶性の
フルオロポリマーが開示されている。米国特許第3,491,
169号明細書、同第3,547,856号明細書、同第4,644,043
号明細書および同第4,833,207号明細書には、フルオロ
アルキルアルキルアクリレートまたは同メタクリレート
モノマーを基剤としたまたは配合する更に別のコポリマ
ー組成物が開示されているが、本発明のコポリマー組成
物の方式で内部架橋することができるものではない。
発明の概要 本発明により、新規のポリマー性組成物であって、一
般的な組成 (式中、R1は、H、−CH3またはそれらの混合物であ
り; R2は、H、−CH3または−CH2COOHであり; R3は、H、−CH3または−CH2COOCmH2m+1であり、 但し、mは1〜4の整数であり; R4は、直鎖、分岐状または環状の、1〜8個の炭素原
子を有するアルキレン橋かけ基であり; pは1または2であり; s、tおよびuは、それぞれのモノマーに誘導された
単位の重量比を表わし、 そして s=0.5〜0.99; t=0.005〜0.495;および u=0.005〜0.495 の範囲内の値を有し、 但し、s+t+uの合計は1であり;そして nは1〜40の整数であり; モノマーに誘導された単位はいずれの順序で配列して
いてもよい) を有するフッ素化コポリマーを含む上記ポリマー組成物
を提供する。上記の式において、tおよびuは同じであ
ってよいが同じである必要はない。
本明細書中で用いられるコポリマーという用語は、少
なくとも3個の異なるモノマー単位から誘導されるポリ
マーを意味するためのものである。本発明のポリマー性
組成物中に配合することができる種々のモノマー単位の
数に対する理論的制限はなく;それらの数は重合処理の
問題および有用な性質を有するポリマー生成物を得る要
求によって課された通常の実際的な制限によってのみ制
限される。
本発明のポリマー組成物は、更に、 (II) −[−Xs−−Yt−−Zu−−]− [式中、s、tおよびuは、前記の式(I)に関して与
えられた意味を有し、そして Xは、組成 (式中、R1、pおよびnは、ポリマー鎖内の個々の単位
Xにおいて同じであってよいしまたは異なっていてよ
く、前記の式(I)に関して与えられた意味を有する) を有するモノマーに誘導された単位を表わし; Yは、組成 (式中、R2は、ポリマー鎖内の個々の単位Yにおいて同
じであってよいしまたは異なっていてよく、前記の式
(I)に関して与えられた意味を有する) を有するモノマーに誘導された単位を表わし;そして Zは、組成 (式中、R3、R4およびrは、ポリマー鎖内の個々の単位
Zにおいて同じであってよいしまたは異なっていてよ
く、前記の式(I)に関して与えられた意味を有する) を有するモノマーに誘導された単位を表わす] から成るポリマー鎖から構成されると記載することがで
きる。
前記の式(II)を有するポリマー性組成物において、
単位X、YおよびZはいずれの順序で配列していてもよ
い。式(I)および(II)は同一のポリマー性組成物に
関する別の表現にすぎないので、したがって、この配列
の自由は前記の式(I)に対しても優先する。
これらのコポリマーは、アクリルおよびメタクリルポ
リマーを製造する場合に慣用的に用いられた方法を用い
て、テトラヒドロフラン(「THF」)または氷酸中にお
いて高温で遊離基生成開始剤を用いて重合することによ
って製造することができる。
これらのコポリマーは、概して、光学的に明澄であ
り、曇りまたは不均一性を伴わない。それらは、約1.4
未満、一般的には約1.365〜約1.4未満の範囲内である屈
折率;ガラス、シリコン(silicon)、銅箔、ポリイミ
ド、芳香族または脂肪族ポリアミド、例えば、ナイロ
ン、テレフタル酸ポリエチレン、ポリテトラフルオロエ
チレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレンおよ
び他の類似の支持体に対する十分な付着性;PTFEの約半
分の低表面エネルギー;空気中での優れた熱安定性;と
一緒に十分な機械的性質を有し、すなわち、それらは脆
性でもエラストマー性でもない。それらは約1:1のTHF/
1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン(以下ヘキ
サフルオロキシレンとも称する)中に可溶性である(ポ
リマーおよび溶媒の混合重量の最大約40重量%まで)。
このような溶液から、塗料を適当な支持体のいずれにも
適用することができる。それらの誘電率は約3程度であ
る。
本コポリマーは、架橋剤を用いることなく熱処理によ
って架橋することができる。このような熱に誘導された
架橋は、モノマーに誘導された残基の側基に位置した2
個の内部カルボキシル基間の内部無水物生成によって
か;またはヒドロキシル基およびカルボキシル基間の内
部エステル化によって生じることができる。熱に誘導さ
れた架橋は、架橋剤を必要としないので、不純物が導入
されない;硬化ポリマーは残留溶媒、モノマーまたは架
橋剤を含まない単一成分であるという利点を有する。こ
のような架橋は、屈折率を変化させることなく、しかも
他の望ましい性質のいずれにも悪影響を与えることな
く、ポリマーフィルムの硬度、耐引掻性および付着性を
改良する。約130℃〜約150℃の範囲の温度内での約0.25
〜約10時間、望ましくは、約1〜4時間の熱処理は、主
としてエステル化を引き起こし;更に高温、すなわち、
約170℃〜約180℃の範囲内での熱処理は、有意の無水物
生成を引き起こす。一般的な提案として、より高い温度
およびより長い熱処理時間は無水物の生成を促進する傾
向がある。所望ならば、下記で更に詳細に論及するよう
に架橋剤を用いることもできる。
本コポリマーの独特の性質は、カルボキシル基を有す
る残基およびヒドロキシル基を有する残基と一緒にフッ
素化残基が存在することに依る。フッ素化残基はフルオ
ロポリマーの望ましい性質を提供し、そしてカルボキシ
ル基およびヒドロキシル基の組合わせは、従来のフルオ
ロポリマーに典型的に欠けている性質である加工性およ
び硬化性を提供する。
本発明のコポリマーは、蛍光塗料;帯電防止塗料;剥
離塗料として用いるのに;電気および光学装置および成
分の封入用に;そしてそれらの性質の前記の組合わせを
好都合に用いることができる同様の用途に適している。
粉末状態でそれらを、架橋が開始する前に100℃〜約115
℃程度の温度で圧縮成形した後、更に高い約120℃を越
える程度、すなわち、約130℃〜約150℃の温度で架橋す
ることができる。
発明の詳細な説明 下記の詳細な説明は好ましい実施態様を記載し、実施
例は本発明の実施に関して現在考えられる最もよい態様
を記載している。
前記の式(III)で更に詳細に定義されている前記の
式(II)の単位「X」に関して、これらは式 CH2=CR1CO−O−(CH2−CnF2n+1 (式中、R1、pおよびnは,式(II)に関して前記に与
えられた意味を有する) を有するフッ素含有アクリル酸塩またはメタクリル酸塩
モノマーから誘導される。pが2であるこのようなモノ
マーは、それらが商業生産用操作で通常得られるよう
に、種々の鎖長さのペルフルオロアルキル基を有する同
族体の混合物として、すなわち、「n」が異なる同族体
の混合物として商業的に入手可能である。当然ながら、
所望ならば、いずれの理由でも規定のペルフルオロアル
キル鎖長さの個々の化合物を分離することができるが、
通常、これは必要がない。実際にコポリマーを光学的目
的に用いる場合、「n」がより広範に分布しているモノ
マーを用いることが望ましく、というのは、このような
広範な分布が、アクリル酸塩(前記の式においてR1はH
である)とメタクリル酸塩(前記の式においてR1は−CH
3である)との混合物を用いるのと同様に、更に十分に
非晶質にさせ、したがってより一層光学的に明澄にする
ことによる。pが1であるこのようなモノマーは、既知
の方法を用いて製造することができる。好ましくは、p
は2であり且つnは偶数である。好ましい実施態様にお
いて、nは約2〜約30、更に好ましくは約4〜約20であ
る。好ましい実施態様の具体的な例は、デュポン(DuPo
n)によって商標「ゾニル(Zonyl)」として販売された
製品、例えば、ゾニルTM(メタクリル酸塩)およびゾニ
ルTA−N(アクリル酸塩)並びにヘクスト・セラニーズ
(Hoechst−Celanese)によって商標「NUVA−HF」とし
て販売された製品である。この種の具体的な例として
は、nが主として偶数である混合したペルフルオロアル
キルアルキルアクリレートおよびペルフルオロアルキル
アルキルメタクリレートがあり、特に、そのペルフルオ
ロアルキル基はC4〜C20までの基、特に、C6、C8、C10
よびC12の基の混合物で表わされる。
前記の式(II)の単位「Y」は前記の式(IV)で更に
詳細に定義されており、アクリル酸、メタクリル酸、イ
タコン酸またはそれらの混合物から誘導される。これら
はいずれも商業的に入手可能な製品である。
前記の式(II)の単位「Z」は前記の式(V)で更に
詳細に定義されており、 式 CH2=CR3CO−O−R4−OH (式中、R3、R4およびrは前述の意味を有する) を有するアクリル酸エステルから誘導される。更に好ま
しい実施態様において、R3はHまたは−CH3であり、−C
H3が最も好ましい。光学的用途に関して、混合したアク
リル酸塩およびメタクリル酸塩の使用は、非晶質を最大
限にし、そして光学的澄を最大限にするのに望ましいこ
とがある。R3が−CH2COOCmH2m+1で表わされる場合、好
ましくは、mは約0〜約6の整数であり、更に好ましく
は、約1〜約4である。アルキレン橋架け基であるR4
関して、直鎖および分岐状鎖実施態様であるように、2
〜約4個の炭素原子を有する実施態様が好ましい。種々
の炭素−炭素鎖長さを有するこのようなモノマーの混合
物の使用が考えられる。非晶質を増大させるのに、種々
の炭素−炭素鎖長さを有するこのようなモノマーの混合
物の使用は望ましく且つ好適である。前記の式(II)の
単位「Z」を供給するのに適当なエステルの多くは商業
的に入手可能であり;そのように入手可能でないもの
は、当業者によって周知の方法を用いて容易に製造され
る。
単位「X」,「Y」および「Z」の重量比に関して
(前記の式IIを参照されたい)、sは約0.5〜約0.99で
あり、そしてtおよびuは同じであってよいしまたは異
なっていてよく、それぞれ約0.005〜約0.495である。t
+uの好ましい範囲は約0.02〜約0.35であり、約0.08〜
約0.3の範囲の値がなお一層好ましい。tとuとの重量
比(t:u)に関して、約1:0.5〜約1:1.5の範囲の重量比
が好ましく、約1:0.8〜約1:1.2の範囲の重量比がなお一
層好ましい。成分「Y」および「Z」をほぼ等しい重量
比で含む本発明のポリマー性組成物は望ましい性質を有
することが分かった。そのポリマー性組成物に熱に誘導
される架橋を施すことを考える場合、成分YおよびZは
(約1:1の重量比よりもむしろ)ほぼ等モル比で用いる
のが望ましい。等モル比を用いる場合、架橋プロセス
は、前記に記載したように、主として内部エステル化経
路で進行し、無水物の生成は最小である。多数の用途、
特に、水性媒質に対して特に高温で長時間暴露すること
を行うものに関して、エステル化経路は、その結果得ら
れた生成物の一層十分な安定性ゆえに好ましい。
本発明の組成物を製造するモノマーの重合は、THFま
たは氷酢酸中の溶液中において約35℃〜重合混合物の沸
点の範囲内、更に望ましくは約45℃〜自己圧力、典型的
には大気圧下でTHFが約65℃で氷酢酸が約110℃である溶
媒の大気圧沸点の範囲内の高温で、遊離基生成開始剤、
例えば、デュポンからVAZO 64という名称で入手可能で
あり、以下「AIBN」と称する2,2′−アゾビス(2−メ
チルプロパンニトリル)(CAS #78−67−1)を用い
て容易に進行する。他の適当な開始剤としては、2,2′
−アゾビス(2,4−ジメチルペンタンニトリル(CAS #
4419−11−8)および2,2′−アゾビス(2−メチルブ
タンニトリル)(CAS #13472−08−7)がある。2,
2′−アゾビス(2−メチルプロパンニトリル)が好ま
しい。
触媒は、重合されるモノマー全部の混合重量基準で約
0.15〜約0.4重量%の量で用いられる。望ましくは、重
合は撹拌しながら行われる。典型的な重合時間は約4時
間〜約8時間である。反応媒質中のモノマー濃度は、典
型的に、反応媒質(THFまたは氷酢酸)およびモノマー
の混合重量基準で約35〜約70重量%である。
重合反応を終結した時点で、溶媒の蒸発によっておよ
び/または混合物を冷却してポリマー生成物を沈澱させ
た後に液相と固相を濾過などによって分離し、そして所
望ならば、任意の適当な溶媒を用いてポリマー生成物を
洗浄して残留する未反応モノマーを除去することによる
ように、ポリマー生成物は反応混合物から容易に回収さ
れる。これらの操作は慣用的である。ここに記載したよ
うにいったん回収され且つ精製されたら、ポリマー生成
物は重合混合物中に不溶性であると考えられる。しかし
ながら、それは、ほぼ等容量のTHFおよびヘキサフルオ
ロキシレン中に、ポリマー生成物および溶媒の混合重量
基準で最大約40重量%までの濃度で十分に可溶性であ
る。THFもヘキサフルオロキシレンもそれ自体はポリマ
ー生成物を溶解しない。ポリマー生成物の混合溶媒中溶
液は穏やかな加熱および撹拌によって促進される。下記
の実施例1および2は、典型的な重合法を例証する。
実施例1 これは、ペルフルオロアルキルエチルアクリレートタ
ーポリマー重合の典型的な合成法を例証する。大型の電
磁撹拌用「エッグ」を含む500mlの三口丸底フラスコを
撹拌ホットプレート上の恒温油浴中に浸漬する。乾燥窒
素流を一つの口を介して導入して、重合の間中重合混合
物を窒素雰囲気下で保持する。もう一つの口を密栓す
る。栓を瞬間的に開くことによりこの口を介して重合開
始剤を加える。第三の口に均圧滴下漏斗を装備する。こ
の滴下漏斗の上に長いビグロー冷却器を置き、極めて狭
い出口を上部に有して装備された。特別の溶媒を滴下漏
斗に入れ、窒素流と高反応温度の組合わせから生じるこ
とがある溶媒の減損を補うように重合容器中に滴下す
る。上記の配置により、各溶媒滴(極めて反応性モノマ
ーの同一溶媒中の溶液であることもありうる)は反対方
向の窒素流によって、すなわち、滴下漏斗の滴下出口付
近、この漏斗中の溶媒の上部、ビグローカラムを介して
上方へそして狭い出口を介して外へと飛ばされる。
モノマーは、存在することがある重合阻害剤全てから
精製され、そして所望の比率で丸底フラスコ中に秤量さ
れる。ペルフルオロアルキルエチルアクリレートモノマ
ー混合物(ヘクスト・セラニーズNUVA FH)72.10g、ア
クリル酸7.34gおよびアクリル酸2−ヒドロキシエチル
7.35gをフラスコ中に秤量する。それらの重量百分率はN
UVA FHが83.09%、アクリル酸が8.46%およびアクリル
酸2−ヒドロキシエチルが8.45%である。この混合物に
対してテトラヒドロフラン(THF)105mlを加える。溶液
の量は丸底フラスコの容積の約半分である必要がある。
混合物を窒素流下において約40℃まで極めて徐々に加熱
しながら約1時間撹拌する。次に、2,2′−アゾビス
(2−メチルプロパンニトリル)(AIBN)(デュポン社
のVAZO 64)の透明溶液0.27g(全モノマー重量基準で
0.3重量%)に対して好都合な重合開始剤を加える。重
合混合物を最大約62℃まで徐々に上昇させ、重合を数時
間進行させる。次に、混合物を結晶皿に注加し、そして
THFの大部分をストリップ除去する。残留物をメタノー
ル中で洗浄し且つ微粉砕し、未反応モノマー種を洗い落
とし、そして粉末状白色ポリマーを高真空下において50
℃未満の温度で乾燥させる。このようにして製造された
ポリマーの低下した粘度は、THFおよび1,3−ビス(トリ
フルオロメチル)ベンゼンの1:1容量/容量混合物中の
ポリマーの2%溶液について、ガラス粘度計において25
℃で決定された。赤色=0.15dL/gの値が得られた。NMR
分析は、ターポリマー中のモノマー組成が供給組成に極
めて近付いたことを示した。シリコンウェファーおよび
ガラス支持体上での回転後に、大きな固体群から無作為
に得られた三つの試料について屈折率n=0.3885、n=
1.3890およびn=1.3865が測定された。
スピンコーティングの目的に関して、THFおよび1,3−
ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンの1:3〜最大3:1ま
での範囲の混合物は、唯一許容しうるものであることが
見出され、最も望ましいのは1:1容量/容量混合物であ
った。本出願人は、一般的に入手可能なスピンナー(例
えば、ヘッドウェイ・リサーチ・インコーポレーテッド
(Headway Research,Inc.)、フォトレジスト・スピン
ナーズ(PhotoResist Spinners))を周囲温度および
空気湿度条件下で用いて許容しうるコーティングを回転
することができる他の溶媒または溶媒混合物を発見しな
かった。
ペルフルオロアルキルエチルメタクリレートターポリ
マーの製法は実施例1の前記に記載した方法に従う。概
して、メタクリル酸塩の極限粘度数はアクリル酸塩のそ
れよりも高い、すなわち、約0.25dl/g対0.13〜0.15dl/g
の程度である。THFおよび氷酢酸は、重合を行うのに適
当な溶媒であることが分かった。しかしながら、2種類
の追加の溶媒がメタクリルモノマー混合物重合用に見出
された。これらは4−メチル−2−ペンタノン(MIBK)
および2−ブタノン(MEK)である。これらの溶媒は重
合の目的に対してTHFほど十分ではなく、MEKはMIBKより
も不十分である。MIBKおよびMEK中において、重合は最
大約80℃まで、実質的にはTHFの沸点である約65℃の温
度で行われる。仕上げはアクリルポリマーの場合と同じ
である。
THFおよび1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン
の1:1容量/容量比の好ましい比率での前述の混合物
は、本発明のポリマーを回転または吹付塗布するのに適
当な溶媒である。多数の溶媒および溶媒混合物をスピン
コーティングの目的に対して試験したが、1種類の溶媒
混合物だけが、スピンコーティングに必要な高ポリマー
溶解度および溶液を支持体上で回転させた後の溶媒の蒸
発速度に関して十分に達成することが見出され、すなわ
ち、1:3〜3:1の容量比、好ましくは、約1:1の容量比で
のTHF/1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン混合
物であった。ペルフルオロアルキルエチルターポリマー
に典型的なスピンコーティングおよび熱架橋(硬化)方
法を下記の実施例2に記載する。
実施例2 この実施例は、本発明のフルオロポリマー組成物を用
いる塗料塗布を例証する。
ポリマーを、慣用的なスピンコーティングに十分な粘
度の溶液を生じる濃度で溶媒混合物中に溶解させる。本
発明における適度な分子量ポリマーとして、通常、約20
重量/容量%のポリマー濃度を用いる。数滴の溶液を支
持体(シリコンウェファー、ガラス等)の中央に適用
し、システムをスピンナー中で約30秒間またはそれ未満
回転させる。回転速度は約2000rpm〜最大5000rpm以上ま
で変化する。
回転処理を完了した後に、被覆された支持体をスピン
ヘッドから外し、オーブン中に入れ、そして130℃〜最
大200℃まで、好ましくは、約130℃〜約180℃の温度で
1〜4時間硬化させる。自己架橋性コーティングが得ら
れる。コーティングは支持体に対して強固に付着してお
り、引掻き、マスキングテープクロスハッチ法、溶媒ま
たは酸中の浸漬等によって除去されない。ペルフルオロ
アルキルエチル−(メタ)アクリレートコモノマーを約
75重量%を越えて含むシステムに関して、概して、屈折
率は1.400未満である。
フルオロモノマーに極めて富む前記の種類のポリマー
システム、すなわち、フルオロモノマーに誘導された単
位を約98重量%を越えて含むものは、硬化処理の際に支
持体から剥離しがちなことがあり、そしてそれらは硬化
温度からの冷却によって曇りおよび部分結晶化を生じる
性質を有し、これは若干の用途において望ましくない。
これらの問題はフルオロモノマー含量を減少させること
によって容易に避けられる。
実施例3〜7 前記の実施例1および2で概説した方法に続いて、フ
ッ素含有モノマーとして一般的な組成、CH2=CHCOO(CH
22CnF2n+1を有するペルフルオロアルキルエチルアク
レートを用いて本発明のターポリマー組成物を製造した
が、それは、C6=約8%;C8=約57%;C10=約27%;C12
=約6%;およびC14=約2%であるこの適当なCnF2n+1
分布によって様々なn値を有する化合物の混合物であっ
た。材料はヘクスト・セラニーズからNUVA−HF(商標)
という名称で得られた。それぞれの場合の結果は、前記
に示した使用法に適当な回転可能なポリマー組成物であ
った。結果を下記の表1に要約する。
実施例8〜21 前記の実施例1および2で概説した方法に続いて、フ
ッ素含有モノマーとして一般的な組成、CH2=CCH3COO
(CH22CnF2n+1を有するペルフルオロアルキルエチル
メタクリレートを用いて本発明のターポリマー組成物を
製造したが、それは、C4=約4%;C6=約34%;C8=約29
%;C10=約15%;C12=約7%;C14=約5%;C16=約3
%;C18=約2%;およびC20=約1%であるこの適当な
分布によって様々なn値を有する化合物の混合物であっ
た。材料はデュポンからZONYL−TM(商標)という名称
で得られた。それぞれの場合の結果は、前記に示した使
用法に適当な回転可能なポリマー組成物であった。結果
を下記の表1に要約する。
実施例22 この実施例は、重合媒質としての氷酢酸の使用を例証
する。フルオロメタクリル酸塩(デュポン社のゾニル−
TM)98.61g(79.8重量%)、アクリル酸ヒドロキシメチ
ル13.15g(10.6重量%)およびメタクリル酸12.3g(9.9
重量%)を氷酢酸150ml中において触媒としてAIBNを0.3
7g用いて72℃で6時間にわたって重合した。重合は極め
て十分に進行し、ポリマーは約50℃未満の温度で酢酸か
ら沈澱した。反応混合物を水に注加し、ポリマーを沈澱
させ、そして通常の方法で回収した。収率は93.6%であ
った。回収されたポリマー生成物を酢酸中に溶解させる
試みは失敗した。
実施例23 この実施例は、フルオロアクリル酸塩および同メタク
リル酸塩の同時使用を例証する。ペルフルオロアルキル
メタクリレート(デュポン社のゾニル−TM)75.81g(4
0.8重量%)、ペルフルオロアルキルアクリレート(ヘ
クスト・セラニーズNUVA HF)72.3g(38.9重量%),
メタクリル酸17.61g(9.5重量%)およびメタクリル酸
2−ヒドロキシエチル19.98g(10.8重量%)をTHF300ml
中において開始剤としてAIBNを0.55g用い、前記の手順
を用いて重合した。収率:79.1%。
実施例24 この実施例は、追加成分としての単純なメタクリル酸
エステルの配合を例証する。ペルフルオロアルキルメタ
クリレート(デュポン社のゾニル−TM)80.62g(78.68
重量%),メタクリル酸6.28g(6.13重量%)、メタク
リル酸2−ヒドロキシエチル8.34g(8.14重量%)およ
びメタクリル酸メチル7.22g(7.05重量%)をTHF150ml
中において開始剤としてAIBNを0.31g用い、前記の手順
を用いて重合した。得られたポリマーは、熱によって架
橋される能力を含む本発明のポリマーの望ましい性質全
部を有した。
この実施例は、ヒドロキシル基含有またはフッ素化ア
クリル酸エステル以外の配合が可能であることを例証
し、そして請求の範囲は、付帯的な量、すなわち、最大
約10重量%までの他の成分、特に、重合を妨げないし、
しかも重合生成物の望ましい性質に悪影響を与えないア
クリル酸エステルを含むポリマー性組成物を包含するこ
とを意味する。このような付帯的な追加のモノマー性材
料の例としては、アルコキシメチルアクリレートおよび
同メチルメタクリレート(例えば、メトキシ、エトキ
シ、プロポキシ、ブトキシおよび高級メチルアクリレー
ト並びに同メチルメタクリレート);エポキシアルキル
メタクリレート;クロロアルキルアクリレートおよび同
メタクリレートなどのハロアルキル誘導体を含むアクリ
ル酸アルキルおよびメタクリル酸アルキル;等がある。
実施例25 この実施例は、非フッ素化モノマーの等モル使用を例
証する。ペルフルオロアルキルメタクリレート(デュポ
ン社のゾニル−TM)81.9g(80.16重量%),メタクリル
酸8.08g(7.91重量%)およびメタクリル酸2−ヒドロ
キシエチル12.9g(11.93重量%)をTHF155ml中において
開始剤としてAIBNを0.3g用い、前記の手順を用いて重合
した。収率:82.7%。得られたポリマーは、前記のよう
に約130℃〜約150℃の範囲内の温度で熱硬化させた場
合、主として内部エステル結合の生成によって架橋す
る。
実施例26 この実施例は、比較的高比率のヒドロキシル基含有ア
クリル酸エステルを有するポリマーであって、前記のよ
うな熱処理で、主としてエステル生成によって架橋する
傾向があるポリマーを提供する。ペルフルオロアルキル
メタクリレート(デュポン社のゾニル)104.88g(80.66
重量%),メタクリル酸7.54g(5.8重量%)およびメタ
クリル酸2−ヒドロキシエチル17.61g(13.54重量%)
をTHF200ml中において開始剤としてAIBNを0.34g用い、
前記の手順を用いて重合した。収率:82.7%。
本発明のポリマー組成物中のY成分(酸成分)対Z成
分(ヒドロキシル含有アクリル酸エステル)の比率が1.
0より大きい場合、好ましい硬化生成物は無水物であ
る。比率が1.0より小さい場合、エステルが好ましい生
成物であり、若干のヒドロキシル基が未反応のまま残
る。比率が1.0である場合、好ましい生成物はエステル
であり、実際的に、全てのヒドロキシル基が消費され
る。
実施例10、12、13、21および22の生成物を、カーバー
・プレス(Carver Press)中の1080〜1510kgの圧力下
において高温で圧縮成形して、耐電圧試験用の厚み0.5m
mで直径5cmの丸い試験プラックにした。これらの試験を
相対湿度0%および50%で行った。試料を相対湿度0%
の室中で6日間貯蔵した後に、誘電率を決定した。試験
の直後に、試料を相対湿度50%の室中において25℃で1
週間貯蔵し、そして試料を再度試験した。結果を下記の
表3に要約する。
これらのデータは、本発明のポリマー組成物が、それ
らの十分な物理的性質および耐性を好都合に用いること
ができる電気および電子用途の要求に対する有用性を有
することを示す。
前述したように、本発明のポリマー性組成物は、例え
ば、ジイソシアネート、カルボジイミド、二酸塩化物等
のような慣用的な架橋剤を用いて更に架橋することがで
きる。具体的に有効な架橋剤の例としては、ヘキサメチ
レンジイソシアネート、メチレン−ジ−p−フェニレン
ジイソシアネート、1,3−ジクロヘキシルカルボジイミ
ド、二塩化ドデカンジオイルおよび塩化アジポイルがあ
る。架橋剤は、このような薬剤の使用によって周囲温度
で生じることがあるポリマーの望ましい架橋を得るのに
慣用的に用いられる量で用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−240303(JP,A) 特開 平1−223107(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 33/16 C08F 220/22 C09D 133/16 WPI(DIALOG)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリマー組成物であって、式: −−[−Xs−−Yt−−Zu−−]−− [式中、s、tおよびuは、それぞれの単位X、Yおよ
    びZの重量比を表わし、そして s=0.5〜0.99; t=0.005〜0.459;および u=0.005〜0.459 の範囲内の値を有し; 但し、s+t+uの合計は1であり; Xは、組成 (式中、R1は、H、−CH3またはそれらの混合物であ
    り; pは1または2であり; nは1〜40の整数である) を有する単位を表わし、 Yは、組成 (式中、R2は、H、−CH3または−CH2COOHである) を有する単位を表わし; Zは、組成 (式中、R3は、H−CH3または−CH2COOCmH2m+1であり、 但し、mは1〜4の整数であり;そして R4は、直鎖、分岐状または環状の、1〜8個の炭素原子
    を有するアルキレン橋かけ基である) を有する単位を表わし; 単位X、YおよびZはいずれの順序で配列していてもよ
    い] を有するフッ素化コポリマー、及び溶媒を含み、塩基性
    物質で中和されることなく硬化されるポリマー組成物。
  2. 【請求項2】R1が−CH3またはHである請求の範囲第1
    項に記載の組成物。
  3. 【請求項3】Xが、置換基R1としてHおよび−CH3を有
    する単位の混合物を表わす請求の範囲第1項に記載の組
    成物。
  4. 【請求項4】YおよびZがほぼ等モル比で存在する請求
    の範囲第1項に記載の組成物。
  5. 【請求項5】溶媒が、ほぼ等容量のテトラヒドロフラン
    および1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンの混
    合溶媒である請求の範囲第1項に記載の組成物。
  6. 【請求項6】請求の範囲第1項または第4項のいずれか
    1項に記載のポリマー組成物から形成される架橋組成
    物。
  7. 【請求項7】請求の範囲第5項に記載の組成物の層を上
    に付着させた支持体。
  8. 【請求項8】請求の範囲第6項に記載の組成物の層を上
    に付着させた支持体。
  9. 【請求項9】式: −−[−Xs−−Yt−−Zu−−]−− [式中、s、tおよびuは、それぞれの単位X、Yおよ
    びZの重量比を表わし、そして s=0.5〜0.99; t=0.005〜0.459;および u=0.005〜0.459 の範囲内の値を有し; 但し、s+t+uの合計は1であり; Xは、組成 (式中、R1は、H、−CH3またはそれらの混合物であ
    り; pは1または2であり; nは1〜40の整数である) を有する単位を表わし、 Yは、組成 (式中、R2は、H、−CH3または−CH2COOHである) を有する単位を表わし; Zは、組成 (式中、R3は、H−CH3または−CH2COOCmH2m+1であり、 但し、mは1〜4の整数であり;そして R4は、直鎖、分岐状または環状の、1〜8個の炭素原子
    を有するアルキレン橋かけ基である) を有する単位を表わし; 単位X、YおよびZはいずれの順序で配列していてもよ
    い] を有するフッ素化コポリマーを塩基性物質で中和するこ
    となく硬化させる方法であって: 前記フッ素化コポリマーを製造し;そして 前記フッ素化コポリマーを溶媒で溶液状態にして加熱す
    ることにより又は粉末状態で加熱することにより硬化さ
    せる ことを含んでなる方法。
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