JP3171688B2 - 含フッ素重合体および架橋性含フッ素重合体組成物 - Google Patents

含フッ素重合体および架橋性含フッ素重合体組成物

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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、架橋性の含フッ素重合
体、および、その含フッ素重合体を含む架橋性含フッ素
重合体組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】フッ素樹脂は耐薬品性、低誘電性、低表
面エネルギー、非粘着性、耐候性等に優れているため
に、汎用のプラスチックでは使用できない種々の用途に
用いられている。
【0003】特開平1−13125号公報において、C
2=CFO(CF2nCF=CF2は環化重合して含フ
ッ素脂肪族環構造を有する繰り返し単位を有する、含フ
ッ素重合体となり、この含フッ素重合体は環状構造を有
するため溶媒可溶で低屈折率、低誘電率の重合体である
ことが知られている。しかし、この含フッ素重合体のガ
ラス転移点は、n=1のものの重合体で69℃、n=2
のものの重合体でも108℃であるため、熱変形温度が
あまり高くなく、この含フッ素重合体は高温での使用に
は不十分であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述のよう
な含フッ素脂肪族環構造を有する繰り返し単位を有す
る、含フッ素重合体の欠点を解消し、耐薬品性、低誘電
性、低表面エネルギー、非粘着性、耐候性等を保持しつ
つ高温使用に耐え得る熱変形温度の向上した架橋体を与
える含フッ素重合体組成物を新規に提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記問題点
の認識に基づいて目的を達成するために鋭意検討を重ね
た結果、含フッ素脂肪族環構造を有する繰り返し単位を
有しその分子内に下記一般式(1)で表されるマレイ
ミド基を有する含フッ素重合体および含フッ素脂肪
族環構造を有する繰り返し単位を有しその分子内に−
NH2基を有する含フッ素重合体は、加熱により架橋し
て上記問題点が解決された架橋体となることを見いだし
た。さらにこの2種の含フッ素重合体を含む組成物は、
架橋反応に伴い脱離基が生成しないため、成形物中に発
泡を生じないことも見いだした。
【化2】
【0006】すなわち、本発明は、含フッ素脂肪族環構
造を有する繰り返し単位を有しその分子内に上記一般
式(1)で表されるマレイミド基を有する含フッ素重合
体(以下、マレイミド基含有含フッ素重合体という)、
含フッ素脂肪族環構造を有する繰り返し単位を有し
の分子内に−NH2基を有する含フッ素重合体(以下、
アミノ基含有含フッ素重合体という)、および、この2
種の重合体を含む架橋性含フッ素重合体組成物、を提供
する。
【0007】本発明のマレイミド基含有含フッ素重合体
およびアミノ基含有含フッ素重合体は、含フッ素脂肪族
環構造を有する繰り返し単位を有する、含フッ素重合体
にマレイミド基またはアミノ基を導入することにより合
成される。
【0008】含フッ素脂肪族環構造を有する繰り返し単
位を有する、含フッ素重合体としては、含フッ素環構造
を有する単量体を重合して得られる主鎖に環構造を有す
る含フッ素重合体や、少なくとも2つの重合性二重結合
を有する含フッ素単量体を環化重合して得られる主鎖に
環構造を有する含フッ素重合体が公知または周知のもの
を含めて広範囲にわたって例示される。
【0009】少なくとも2つの重合性二重結合を有する
含フッ素単量体を環化重合して得られる主鎖に環構造を
有する含フッ素重合体は、特開昭63−238111号
公報や特開昭63−238115号公報等により知られ
ている。すなわち、パーフルオロ(アリルビニルエーテ
ル)やパーフルオロ(ブテニルビニルエーテル)等の単
量体を、単独重合すること、またはテトラフルオロエチ
レンなどのラジカル重合性単量体と共重合することによ
り得られる。
【0010】また、含フッ素環構造を有する単量体を重
合して得られる主鎖に環構造を有する含フッ素重合体
は、特公昭63−18964号公報等により知られてい
る。すなわち、パーフルオロ(2,2−ジメチル−1,
3−ジオキソール)等の含フッ素環構造を有する単量体
を、単独重合すること、またはテトラフルオロエチレン
などのラジカル重合性単量体と共重合することにより得
られる。
【0011】また、パーフルオロ(2,2−ジメチル−
1,3−ジオキソール)等の含フッ素環構造を有する単
量体とパーフルオロ(アリルビニルエーテル)やパーフ
ルオロ(ブテニルビニルエーテル)等の少なくとも2つ
の重合性二重結合を有する含フッ素単量体を共重合して
も主鎖に環構造を有する含フッ素重合体が得られる。
【0012】含フッ素脂肪族環構造を有する繰り返し単
位を有する、含フッ素重合体としては環構造を有する
繰り返し単位を全繰り返し単位の数に対して20%以上
含有するものが透明性、機械的特性等の面から好まし
く、40%以上であるものがさらに好ましい。
【0013】通常、含フッ素脂肪族環構造を有する繰り
返し単位を有する、含フッ素重合体は、その末端に開始
剤、連鎖移動剤などにより誘導されるカルボン酸基を有
する。このカルボン酸基をマレイミド基およびアミノ基
に修飾することにより本発明の含フッ素重合体が得られ
る。また、これらの反応性基の導入量を増やして本発明
の効果を高めるために、少量のCF2=CFO(CF2
3COOCH3、CF2=CFOCF2CF(CF3)O
(CF23COOCH3、CF2=CFO(CF23
N、CF2=CFO(CF23CH2NH2などを共重合
せしめてもよい。
【0014】マレイミド基含有含フッ素重合体およびア
ミノ基含有含フッ素重合体としては、パーフルオロ(2
−ブチルテトラヒドロフラン)中30℃で測定される固
有粘度[η]が0.05〜0.5dl/gのもの、特に
0.1〜0.3dl/gのものが好適に採用される。
[η]の小さいものは架橋構造の割合が多くなるため重
合体本来の物性が損なわれる。また、[η]の大きなも
のは架橋の効果が発揮されにくい。また、後述のカルボ
ン酸基をマレイミド基およびアミノ基に修飾する反応に
おいては、上記固有粘度がほとんど変化しないため、原
料とする含フッ素脂肪族環構造を有する繰り返し単位を
有する、含フッ素重合体として上記[η]を有するもの
を使用することにより目的の[η]を有するマレイミ
ド基含有含フッ素重合体とアミノ基含有含フッ素重合体
が得られる。
【0015】含フッ素脂肪族環構造を有する繰り返し単
位を有する、含フッ素重合体の[η]を調節する方法と
しては連鎖移動剤を用いるのが好ましい。連鎖移動剤と
しては特に限定されず、周知または公知のものを使用で
きる。
【0016】本発明において、マレイミド基の導入方法
としては、含フッ素重合体にアミノ基を導入した後、そ
のアミノ基に無水マレイン酸を反応させてマレイミド基
とする方法がある。反応条件としては公知の方法を採用
できるが、アミノ基含有含フッ素重合体と無水マレイン
酸の各々を溶解する溶媒を用いて両者を混合させる方法
がよい。さらに、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンス
ルホン酸、氷酢酸などの酸触媒を添加することにより反
応を促進できる。反応温度としては室温から150℃ま
でが好ましい。
【0017】含フッ素重合体にアミノ基を導入する方法
としては特に限定はされず公知の方法が用いられるが、
修飾基の部分が極端に長いと溶解性の点であまり好まし
くない。たとえば、含フッ素重合体中に存在するカルボ
ン酸基を利用してジアミンと反応させることによりアミ
ノ基を導入する方法や、カルボン酸基にアンモニアを反
応させてアミドとした後に、ジボラン−テトラヒドロフ
ラン、AlCl3−NaBH4などの還元剤を用いてアミ
ンに転換する方法も有効である。また、カルボン酸基を
エステル化した後に上記反応を行ってもよい。また、上
記のアミノ基含有単量体を共重合させる方法も採用でき
る。
【0018】本発明のマレイミド基含有含フッ素重合体
は単独でも架橋反応を生じるが、アミノ基含有含フッ素
重合体と併用することにより、比較的温和な条件下に容
易に架橋体を得ることができる。また、この2種の重合
体を含む組成物は、150〜300℃に加熱することに
より架橋させることができる。
【0019】マレイミド基含有含フッ素重合体とアミノ
基含有含フッ素重合体は特定のフッ素系溶媒に可溶であ
り任意の割合で混合できるが、加熱架橋後の重合体の物
性面から両重合体の合計に対しマレイミド基含有含フッ
素重合体の含量が20〜100重量%、特には30〜7
0重量%が好ましい。マレイミド基の含量が小さい場合
には架橋反応が十分でない。
【0020】本発明の架橋性含フッ素重合体組成物に基
づく架橋体は誘電率が2.0〜2.5と低くかつ吸水率
が0.1%以下であるため半導体素子における絶縁層間
膜、保護膜として用いられる。さらに架橋性含フッ素重
合体組成物をそのままでまたはガラスクロスなどの補強
材と組み合わせて低誘電率、耐熱性の積層材料やプリプ
レグとすることができる。
【0021】本発明の架橋性含フッ素重合体組成物に含
まれるマレイミド基含有含フッ素重合体とアミノ基含有
含フッ素重合体は、特定のフッ素系溶剤に可溶なため、
溶液からのキャスト成形等により任意の厚さの膜を作成
できる。また、プレス成形などにより予備成形した後、
加熱架橋することもできる。
【0022】
【実施例】次に、本発明の実施例について更に具体的に
説明するが、本発明はこれに限定されない。
【0023】合成例1(含フッ素脂肪族環構造を有する
繰り返し単位を有する、含フッ素重合体の合成) パーフルオロ(ブテニルビニルエーテル)35g、トリ
クロロトリフルオロエタン5g、イオン交換水150
g、メタノール9gおよび重合開始剤としてジイソプロ
ピルパーオキシジカーボネート90mgを、内容積20
0mlの耐圧ガラス製オートクレーブに入れた。系内を
3回窒素で置換した後、40℃で22時間懸濁重合を行
った。その結果、重合体を28g得た。この重合体のガ
ラス転移点は108℃であり、室温ではタフで透明なガ
ラス状の重合体であった。また熱重量分析装置(TG
A)による熱分解開始温度は360℃であった。この重
合体をパーフルオロベンゼンに溶かし、19F−NMRを
測定したところ含フッ素脂肪族環構造を有する繰り返
し単位を有する、含フッ素重合体であることが確認され
た。また、この重合体のIRスペクトルを測定したとこ
ろ、1780cm-1にCOOHの吸収が認められた。こ
の重合体の[η]は0.24dl/gであった。
【0024】実施例1(アミノ基含有含フッ素重合体の
合成) 合成例1の重合体中に存在する−COOHをメタノール
でエステル化して−COOCH3に置換した。この重合
体10gをパーフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラ
ン)90gに溶かした溶液に、エチレンジアミン0.0
5gを酢酸エチル50gに溶かした溶液を加えた。系内
を窒素で置換し、室温で5時間撹拌した。
【0025】得られた重合体のIRスペクトルを測定し
たところ、もとの含フッ素重合体に存在した−COOC
3による1800cm-1の吸収はなく、これに代わり
−CONH−の1730cm-1付近および−CH2NH2
の1540cm-1の吸収が認められ、アミノ基含有含フ
ッ素重合体であることが確認された。
【0026】実施例2(マレイミド基含有含フッ素重合
体の合成) 実施例1で合成したアミノ基含有含フッ素重合体を10
g含むパーフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)
溶液100gに、無水マレイン酸0.05gをN,N−
ジメチルアセトアミド50gに溶かした溶液を加えた。
系内を窒素で置換したのち、50℃で10時間撹拌し
た。得られた重合体のIRスペクトルを測定したとこ
ろ、1640cm-1および1710cm-1にマレイミド
基に基づく吸収が観察され、マレイミド基含有含フッ素
重合体であることが確認された。
【0027】実施例3 実施例1および実施例2で合成された、アミノ基含有含
フッ素重合体およびマレイミド基含有含フッ素重合体各
々1重量部をパーフルオロトリブチルアミン40重量部
に溶解して架橋性含フッ素重合体溶液とした。この溶液
をポリテトラフルオロエチレン(PTFE)板上に流延
した。50℃で5時間、100℃で3時間加熱して厚さ
50μmのフィルムを作成した。このフィルムは再びパ
ーフルオロトリブチルアミン中に溶解することができ
た。つぎに、このフィルムを窒素中で200℃で2時間
加熱処理した。このフィルムをパーフルオロトリブチル
アミン中に溶解しようとすると、今度は全く溶解しない
ことから、架橋反応が起こっていることが確認された。
また、このフィルムは目視で発泡が全く見られなかっ
た。またTGAによる熱分解開始温度は385℃であっ
た。
【0028】この架橋フィルムを幅3mm、長さ3cm
のサイズに切り出して、4.6kg/cm2の引張荷重
を加えながら種々の温度条件下でフィルムの伸びを測定
したところ、表1のような結果を示し、架橋していない
フィルムと比べると熱変形温度が上昇していることがわ
かった。また、この架橋フィルムの60kHz〜1MH
zでの比誘電率は2.2、体積抵抗は1017Ω・cm以
上であった。
【0029】比較例1 合成例1の重合体1重量部をパーフルオロトリブチルア
ミン20重量部に溶解してPTFE板上に流延した。5
0℃で5時間、100℃で3時間加熱してフィルムを作
成した。さらに、このフィルムを窒素中で200℃で2
時間加熱処理した。このフィルムを用いて実施例3と同
様な方法により熱変形挙動を測定した結果を表1に示し
た。
【0030】
【表1】
【0031】合成例2 パーフルオロ(ブテニルビニルエーテル)8g、パーフ
ルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)2
g、トリクロロトリフルオロエタン40g、および重合
開始剤としてジイソプロピルパーオキシジカーボネート
0.1gを、内容積50mlの耐圧ガラス製アンプルに
入れた。系内を3回凍結脱気後、水浴中で40℃で20
時間振蕩した。その結果、重合体を6.7g得た。この
重合体のガラス転移点は157℃であり、[η]は0.
30dl/gであった。IRスペクトルの1930cm
-1の吸収の吸光度よりパーフルオロ(2,2−ジメチル
−1,3−ジオキソール)に基づく単位の含量を求めた
ところ全繰り返し単位に対して数にして12%であっ
た。
【0032】実施例4 合成例2の重合体を用いて、実施例1および2と同じ方
法によりアミノ基含有含フッ素重合体およびマレイミド
基含有含フッ素重合体を合成し、各々1重量部をパーフ
ルオロトリブチルアミン40重量部に溶解して架橋性含
フッ素重合体溶液とした。この溶液をPTFE板上に流
延し、50℃で5時間、100℃で3時間加熱してフィ
ルムを作成した。さらに、このフィルムを窒素中で20
0℃で2時間加熱処理して架橋フィルムを作成した。こ
の架橋フィルムを用いて、実施例3と同様な方法により
熱変形挙動を測定した結果を表2に示した。
【0033】比較例2 合成例2の重合体1重量部をパーフルオロトリブチルア
ミン20重量部に溶解してPTFE板上に流延した。5
0℃で5時間、100℃で3時間加熱してフィルムを作
成した。さらに、このフィルムを窒素中で200℃で2
時間加熱処理した。このフィルムを用いて実施例3と同
様な方法により熱変形挙動を測定した結果を表2に示し
た。
【0034】
【表2】
【0035】合成例3 パーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソー
ル)22g、テトラフルオロエチレン16g、CF2
CFO(CF23COOCH32g、トリクロロトリフ
ルオロエタン10g、イオン交換水120gおよび重合
開始剤としてジイソプロピルパーオキシジカーボネート
90mgを、内容積200mlの耐圧ガラス製アンプル
に入れた。系内を3回凍結脱気した後、水浴中で40℃
で20時間振蕩した。その結果、重合体を27g得た。
この重合体のガラス転移点は140℃であった。
【0036】実施例5 合成例3の重合体を用いて、実施例1および2と同じ方
法によりアミノ基含有含フッ素重合体およびマレイミド
基含有含フッ素重合体を合成し、各々1重量部をパーフ
ルオロトリブチルアミン40重量部に溶解して架橋性含
フッ素重合体溶液とした。この溶液をPTFE板上に流
延し、50℃で5時間、100℃で3時間加熱してフィ
ルムを作成した。さらに、このフィルムを窒素中で20
0℃で2時間加熱処理して架橋フィルムを作成した。こ
の架橋フィルムを用いて、実施例3と同様な方法により
熱変形挙動を測定した結果を表3に示した。
【0037】比較例3 合成例3の重合体1重量部をパーフルオロトリブチルア
ミン20重量部に溶解してPTFE板上に流延した。5
0℃で5時間、100℃で3時間加熱してフィルムを作
成した。さらに、このフィルムを窒素中で200℃で2
時間加熱処理した。このフィルムを用いて実施例3と同
様な方法により熱変形挙動を測定した結果を表3に示し
た。
【0038】
【表3】
【0039】実施例6 シリコンウェハーをシランカップリング剤で処理した
後、実施例3で用いた架橋性含フッ素重合体溶液をスピ
ンコートし、150℃で溶媒を乾燥除去し、さらに20
0℃で加熱処理することにより、厚さ7μmの膜を得
た。この膜上に、銅の薄膜をスパッタ法により形成し
た。この銅薄膜のエッチングを行い、10μmL/Sの
パターンを形成した。この上に再び上記重合体溶液をス
ピンコートし、重合体/銅/重合体の積層板を作成し
た。この積層板を125℃、相対湿度100%の雰囲気
中に300時間放置したが、剥離などの異常は認められ
なかった。
【0040】実施例7 シリコンウェハーをシランカップリング剤で処理した
後、実施例4で用いた架橋性含フッ素重合体溶液をスピ
ンコートし、150℃で溶媒を乾燥除去し、さらに20
0℃で加熱処理することにより厚さ2μmの膜を得た。
この膜に対してリソグラフィー法を用いてドライエッチ
ングを行いテストパターンを形成した。これを300℃
で10分間加熱した後、顕微鏡によりパターンを観察し
たところ変形はなかった。また、分解ガスの発生も認め
られなかったことから、ICまたはマルチチップモジュ
ールなどのパッシベーション膜としての良い特性を有す
ることがわかった。
【0041】実施例8 実施例3で用いた架橋性含フッ素重合体溶液をガラス板
にディップコートし、150℃で溶媒を乾燥除去し、さ
らに200℃で加熱処理することにより反射防止膜をガ
ラス表面に作成した。550nmの光の反射率を測定し
たところ、コーティングしないものは8.6%であった
のに対して、反射防止コートしたものは0.3%であっ
た。
【0042】実施例9 ガラス板をシランカップリング剤で処理した後、実施例
3で用いた架橋性含フッ素重合体溶液をディップコート
し、150℃で溶媒を乾燥除去し、さらに200℃で加
熱処理することにより反射防止膜をガラス表面に作成し
た。550nmの光の反射率を測定したところ、コーテ
ィングしないものは8.6%であったのに対して、反射
防止コートしたものは0.3%であった。
【0043】擦傷性評価 実施例8および実施例9において作成したサンプルを用
いて表4に示す方法により擦傷性の評価を行った。比較
例4として合成例1の重合体をコーティングしたガラス
も評価した。この結果を表5に示した。
【0044】
【表4】
【0045】
【表5】
【0046】
【発明の効果】本発明の架橋性含フッ素重合体組成物に
よる架橋体はフッ素樹脂としての低誘電率、低吸水性、
低表面エネルギー、撥水性、または低屈折率という優れ
た特性を保持したまま、さらに熱変形温度および熱分解
温度が高く、また、耐擦傷性にも優れるという性質も有
する。溶媒に可溶なためディップコート、スピンコート
等のコーティング成形法が利用できる。このような種々
の優れた性質を生かして半導体保護膜・絶縁材料または
回路基板などの積層材料として有用である。さらに各種
の反射防止コートまたは保護コート材料としても利用さ
れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−96710(JP,A) 特開 平4−59804(JP,A) 特開 昭63−122745(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 214/18 - 214/28 C08L 27/12 - 27/20

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】含フッ素脂肪族環構造を有する繰り返し単
    位を有しその分子内に一般式(1)で表されるマレイ
    ミド基を有する含フッ素重合体。 【化1】
  2. 【請求項2】含フッ素脂肪族環構造を有する繰り返し単
    位を有しその分子内に−NH2基を有する含フッ素重
    合体。
  3. 【請求項3】請求項1記載の含フッ素重合体および請求
    項2記載の含フッ素重合体を含む架橋性含フッ素重合体
    組成物。
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JP3400847B2 (ja) * 1994-03-31 2003-04-28 旭硝子株式会社 架橋した非晶質含フッ素重合体の製造方法および非晶質含フッ素重合体溶液組成物

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