JP3296589B2 - インドメタシン外用剤 - Google Patents
インドメタシン外用剤Info
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Description
メタシンを含有する外用剤に関する。
の高い消炎鎮痛剤として知られている。しかし、このイ
ンドメタシンは水にも一般の油性溶剤にも溶け難い。こ
のため、主として薬効成分の皮膚からの吸収を意図する
外用剤の領域においては、インドメタシンが基剤中に溶
解した状態で施用できるようにするため、製剤化に当
り、高濃度のエタノ−ルを加えて溶解するなどの方法が
行なわれてきた。
剤等では、処方中にエタノ−ルを配合しても、製造工程
中でエタノ−ルは揮散してしまい、その揮散を防止する
ことは困難である。また、外用液剤、エアゾ−ル剤のよ
うに大量のエタノ−ルを配合することが可能な剤型の外
用剤の場合においても、保存中はインドメタシンは安定
に溶解しているが、皮膚面に適用すると、エタノ−ルは
直ちに蒸発し、その蒸発後にはインドメタシンの結晶が
析出し、大部分は落屑となって皮膚表面から剥落する
か、こすれて衣服に付着してしまい、薬効の発現に至ら
ない結果に終る。また、インドメタシンを水溶性アルカ
リで中和して塩にすれば水に溶解するが、安定性が悪く
なる。
解決するために、従来、更に種々の方法が提案されてい
る。しかし、これらの方法は、濃厚エタノ−ルを使用す
る場合を別とすれば、いずれも油性溶剤と界面活性剤と
少量のエタノ−ルとのきわどいバランスの上にインドメ
タシンを辛うじて溶解しており、どちらかと言えば既存
技術を寄せ集めて経験と勘による試行錯誤の結果たどり
ついたという色合いが濃く、有効成分たるインドメタシ
ンの溶解性、吸収性及び安定性あるいは製造の容易性等
の点で充分満足できるものは現われていない。
もので、その目的は、インドメタシンが均質に溶解した
状態で含有され、安定で、長期間変質せず、また製造の
容易なインドメタシン外用剤を提供することにある。
前記目的を達成するため、インドメタシンと、重量比で
インドメタシンの0.1倍以上の親油性アミンと、親油
性アミンの存在下にインドメタシンを溶解するラウリル
アルコール、ジメチルオクタノール、オレイルアルコー
ル、イソステアリルアルコール、2-ヘキシルデカノー
ル、2-オクチルドデカノール、リモネン、ピネン、テ
ルピネオール、メントン、カルヴォン、酢酸メンチル 、
レモン油、ハッカ油、ユーカリ油、オレイン酸エチル、
ジオレイン酸プロピレングリコールエステル型のノニオ
ン系界面活性剤、天然油脂、ブチルセロソルブ、エーテ
ル型のノニオン系界面活性剤から選ばれる1種または2
種以上の油性溶剤とを外用剤中に含有させたことにあ
る。
有しており、ナトリウム、エタノ−ルアミン等の水溶性
塩基と塩形成を行って水に可溶となることに着目し、水
溶性塩基の代りに親油性の塩基を添加し、これと付加さ
せることによってインドメタシンを特定の油性溶剤中に
溶解し、このインドメタシンを含む油性溶液を種々の外
用剤の基剤に混合して均一に分散することにより、広範
囲にわたる各種剤型の外用剤を調製することに成功し、
この発明を完成した。
親油性アミンと該油性溶剤との混合比、あるいはインド
メタシンを溶解した油性溶液と外用剤基剤との混合比を
変えることによって、所望する含量のインドメタシンが
溶解した各種剤型の外用剤を自由に設計することができ
る。
性アミン及び特定の油性溶剤と共に配合され、油性溶液
に溶解した状態で外用剤中に含有される。このインドメ
タシンの含有量は、患者の種類、症状、当該外用剤の適
用される患部の部位等に応じ適宜選択することができる
が、実用上必要かつ充分な薬効を得るための量として
は、重量規準で外用剤(支持体、容器等を含まない薬
剤)全量の0.1〜10%であるのが好ましい。
脂肪族第一級、第二級又は第三級アミンをいい、この発
明においてはその1種又は2種以上を用いることができ
る。このような親油性アミンとしては、例えば、オクチ
ルアミン、ラウリルアミン、オレイルアミン、N‐メチ
ルオクチルアミン、N,N‐ジメチルステアリルアミ
ン、トリラウリルアミン等があり、これらは側鎖を有し
ていてもよい。また親油性である限り、他の官能基を有
するものも含まれる。
性溶剤に添加すると、インドメタシンは親油性アミンと
結び付いて該油性溶剤中に溶解する。この場合、インド
メタシンを確実に溶解させるために、親油性アミンは重
量比でインドメタシンの0.1倍以上、好ましくは0.
2〜5倍を添加する。用いるアミンの分子量にもよる
が、0.1倍未満であると、少量のエタノ−ルを添加す
るなど他の手段を併用してもインドメタシンが完全に溶
解しないおそれがある。
としては、それ自身はインドメタシンを溶解しなくて
も、親油性アミンを加えることによって、インドメタシ
ンに対する溶解度が大きく上昇し、かつインドメタシン
を安定して溶解し経時的にインドメタシンが結晶として
析出することのないものを用いる。このような油性溶剤
として好適なものは、具体的には、次のようなものが挙
げられ、本発明ではこれらの油性溶剤の中の1種または
2種以上を用いる。
コ−ル、ジメチルオクタノ−ル、オレイルアルコ−ル、
イソステアリルアルコ−ル、2‐ヘキシルデカノ−ル、
2‐オクチルドデカノ−ル。 (2)テルペン化合物であるリモネン、ピネン、テルピ
ネオ−ル、メントン、カルヴォン、酢酸メンチル及びそ
れらの天然の混合体であるレモン油、ハッカ油、ユ−カ
リ油。
酸エチル、ジオレイン酸プロピレングリコ−ル及びエス
テル型のノニオン系界面活性剤、並びに天然油脂。 (4)エ−テル化合物のブチルセロソルブ、エ−テル型
のノニオン系界面活性剤。
全面的には混和しない。しかし、たとえ混和しても、系
中に水が加わることによってそれまで溶解していたイン
ドメタシンを析出させることがない。また、ブチルセロ
ソルブは水相中に微少量の塩類を添加することによっ
て、容易に水相から分離する。
下にインドメタシンを溶解することができる量を配合す
る。この量は、インドメタシンと親油性アミンの分子量
比、外用剤の剤型等により左右されるが、一般的には重
量比でインドメタシンの配合量の0.2〜100倍が適
当である。
タシンは親油性アミンと結びつき前記油性溶剤に溶解し
て外用剤中に含有される。つまり、インドメタシンは、
結晶状態ではなく油性溶液に確実かつ安定に溶解した状
態で外用剤中に分散しており、その結果、容易かつ確実
に皮膚のバリヤ層を通過して吸収されることになる。し
かも、インドメタシンが溶解している溶液は油性溶液で
あるので、水性溶液に比し、インドメタシンの安定性が
よい。
ンを溶解するためにエタノ−ルを配合することを必要と
しないため、エタノ−ルの配合が困難な軟膏剤、坐剤、
貼付剤等では勿論のこと、一般の外用液剤、エアゾ−ル
剤等においてエタノ−ルを配合する場合も、その配合量
を、インドメタシン可溶化上の必要に伴う物理的制約か
ら離れて、もっぱら皮膚吸収性、使用感等の薬剤学的見
地からのみ決定するすることができる。
親油性アミン及び前記油性溶剤のほかに、さらに外用剤
の剤型等に対応して、経皮吸収促進剤、界面活性剤、保
湿剤、緩衝剤、増粘剤、保存剤、安定剤、その他一般的
に基剤成分として用いられているもの又は用い得るもの
を任意に選択して配合することができる。
リセリン、プロピレングリコ−ル等の多価アルコ−ル、
ゼラチン等の天然高分子、カルボキシビニルポリマ−等
の合成高分子、ポリブデン等の粘着性付与剤、カオリン
等の保形剤、その他防腐剤、ゲル化剤等を基剤成分とし
て用いることが多いが、この発明でもこれらの公知の成
分を用いることができ、また必要に応じて、インドメタ
シン以外の有効成分を添加することもできる。
定されず、例えばインドメタシンと親油性アミンを予め
前記油性溶剤中に溶解してから、この油性溶液を外用剤
の基剤中に添加してもよく、またインドメタシンと親油
性アミンと前記油性溶剤とをそれぞれ別個に基剤中に投
入して、投入後インドメタシンが親油性アミンと共に前
記油性溶剤に溶解するようにしてもよい。
外用液剤、エアゾ−ル剤、軟膏剤、坐剤及び含水パップ
剤、プラスタ−剤のような貼付剤等どのような剤型のも
のであってもよい。そして、いずれの剤型も、その剤型
とするための方法は公知の方法を用いることができる。
の使い方いかんによって乳液タイプのものから透明な可
溶化タイプのものまで調製でき、エアゾ−ル剤は基剤の
組成成分を適宜選択することにより飛散型のものからム
−ス型のものまで調製することができる。
アミンを前記油性溶剤に溶解した油性溶液を、例えば他
の油性基剤中に練り込むことによって油性軟膏とするこ
とができるが、適当量の水を加え、かつ界面活性剤を巧
妙に使えばO/W型あるいはW/O型の軟膏剤を調製す
ることもできる。また、坐剤は軟膏剤の延長線上にある
ものとして、基剤の硬さをやや硬めとし、その融点を体
温によって溶解するように調節すればよい。
タシンの溶解した前記油性溶液を含水パップ剤の基剤と
混練することによって、含水パップ剤を調製することが
できる。また、ゴム又はプラスチック系の基剤と混練す
ることによってプラスタ−剤等を調製することができ
る。
限定されるものではなく、採用する親油性アミンの安全
性、油性溶剤の経皮吸収促進効果等をも考慮しながら、
各剤型に応じた広範な組合せを可能とするものである。
ミン12g、インドメタシン10gを溶かし、透明な油
性溶液とする。別に、プロピレングリコ−ル20g、ニ
ッコ−ルBC20TX6g、ニッコ−ルSO‐10 1
4g、エタノ−ル50g、水860gを混合して外用液
剤の基剤を調製し、この基剤中に上記インドメタシンを
溶かした油性溶液をホモジナイザ−で激しく撹拌しなが
ら加えた後、塗布用スポンジ付きプラスチック容器に1
00mlずつ分注して、インドメタシン外用液剤を得
る。
g、インドメタシン10gを溶かし、透明な油性溶液と
する。この油性溶液に、ニッコ−ルHCO−60を40
g加え、さらにホモジナイザ−で激しく撹拌しながら水
900gを少量ずつ加えてゆき、エアゾ−ル原液とす
る。上記エアゾ−ル原液40gをエアゾ−ル用アルミ缶
に入れ、ジメチルエ−テル30%、n‐ブタン70%か
ら成る噴射剤160gを圧入し、噴射ノズルを装置し、
密封して外用剤としてのエアゾ−ル剤を得る。
アリルアミン28.5g、インドメタシン25gをソル
ビタン脂肪酸エステル50g、グリセリン脂肪酸エステ
ル850gと共に混合し、70℃に加温融解し攪拌した
のち、熱時、砲弾型の型枠中に分注し、外部から冷却し
て、外用剤としての坐剤を得る。
ン7.8g、インドメタシン5gを溶かし、透明な油性
溶液とする。別に、ゼラチン50g、ポリアクリル酸ナ
トリウム15g、乾燥水酸化アルミニウムゲル3g、グ
リセリン200g、ポリソルベ−ト80 10g、モノ
ステアリン酸ソルビタン5g、酸化チタン5g、カオリ
ン100g及び適量の乳酸ならびに適量の水を60℃で
混練し、pH6.0のパップ剤基剤を調製する。
した油性溶液を加え、60℃で均一に混練したのち、不
織布上に1000cm当り100gの割合で展延し、膏
体面をポリプロピレンフィルムで覆い、冷後14cm×
10cmの大きさに裁断し、これを5枚重ねてラミネ−
トフィルム製の袋に入れ、袋の口をヒ−トシ−ルしてイ
ンドメタシン外用剤としてのパップ剤を得る。
6.6g、インドメタシン5gを溶かし、透明な油性溶
液とする。別に、エチレン酢ビ共重合体500g、エス
テルガム350g、ニッコ−ルNP‐2 75g、ニッ
コ−ルBB‐10 25gを混合し、150℃で加温、
混練し、プラスタ−剤の基剤を調製する。
した油性溶液を加え、120℃で均一に混練したのち、
熱時シリコン離型紙上に0.2mmの厚さに塗布し、そ
の上にポリエチレンフィルムを覆せ、冷後5cm×7c
mの大きさに裁断し、5枚重ねてアルミラミネ−トフィ
ルム製の袋に入れ、袋の口をヒ−トシ−ルして、インド
メタシン外用剤としてのプラスタ−剤を得る。
剤について、製剤中に不溶のインドメタシンの結晶が存
在するかどうかを確認するため、それぞれ少量づつ取っ
て顕微鏡で観察した。比較のため、いずれも親油性アミ
ンを用いず、親油性アミンを加えないことによる減量分
は実施例1〜4の各製剤にそれぞれ用いた油性溶剤を追
加配合した以外は実施例1〜4と同様に調製した各剤型
の外用剤を用意し、これらを比較例1〜4とし、比較例
1〜4についても同様に顕微鏡観察を行った。観察の結
果を表1に示す。
は比較例1の顕微鏡写真の各概要図で、1は不溶の結晶
である。表1及び図1ならびに図2から、比較例1〜4
ではいずれも相互に共通した形状の結晶が認められるの
に対し、実施例1〜4の各インドメタシン外用剤には結
晶の存在が認められないこと、従って実施例1〜4では
インドメタシンが完全に溶解していることがわかる。
認められた比較例1〜4の各外用剤について、各製剤ご
とに、その結晶の存在を損はないように下記方法で結晶
を取り出し、精製したのちKBr法で赤外吸収スペクト
ルを測定した。同時に、日本薬局方インドメタシン標準
品についても、KBr法で赤外吸収スペクトルを測定
し、参考とした。
用液剤については、よく振り混ぜて、その液50mlを
遠沈管にとり、3000RPMで20分間遠心分離し
た。上澄液を捨て、沈殿を風乾したのち25%エタノ−
ルから再結晶して精製した。
は、缶の上部に微細な孔をあけて噴射剤をおだやかに揮
散させた。残った原液を取り出し、よく振り混ぜたの
ち、その50mlを遠沈管にとり、その後は比較例1と
同様にして精製した。
50gを45℃の温水100ml中に入れて分散し、遠
沈管に分注して3000RPMで20分間遠心分離し
た。沈殿を集め、風乾したのち25%エタノ−ルから再
結晶して精製した。
布面から膏体50gを掻き取り、水200ml中に入
れ、EDTAを0.5g加え、70℃で3時間加温し
た。冷後、液中に酢酸を加えてPH3.5としたのち、
遠沈管に分注して3000RPMで20分間遠心分離し
た。沈殿を集め、風乾したのち25%エタノ−ルから再
結晶して精製した。
記のようにして取り出した結晶の赤外吸収スペクトルで
あり、また図7は日本薬局方インドメタシン標準品の赤
外吸収スペクトルである。図3〜6のスペクトルはいず
れも図7のスペクトルに合致している。このことから、
比較例1〜4の各外用剤にはインドメタシンが不溶解の
まま結晶として混在していることがわかる。
ば、インドメタシンは完全に溶解した状態で製剤中に含
有されているので、その経皮吸収性が確実に保証され
る。またインドメタシンが油性溶剤中に溶解しているた
め安定性が良く、しかも製造上加熱工程のある軟膏剤、
貼付剤等の外用剤にも容易に適用できるうえ、さらに例
えばエアゾ−ル剤等ではアルコ−ルの含有量を減じ冷涼
感を増すことができるなどの効果がある。
ペクトル。
ペクトル。
ペクトル。
ペクトル。
ペクトル。
Claims (3)
- 【請求項1】 インドメタシンと、重量比でインドメタ
シンの0.1〜5倍の親油性第二級アミン及び/または
親油性第三級アミンと、ラウリルアルコール、ジメチル
オクタノール、オレイルアルコール、イソステアリルア
ルコール、2−ヘキシルデカノール、2−オクチルドデ
カノール、リモネンまたはハッカ油から選ばれる1種ま
たは2種以上の油性溶剤とを含有することを特徴とする
インドメタシン外用剤。 - 【請求項2】 インドメタシンの含有量は、重量基準で
外用剤全量の0.1〜10%であることを特徴とする請
求項1記載のインドメタシン。 - 【請求項3】 親油アミンは、炭素数6〜36の脂肪族
第二級または第三級アミンのうちの1種または2種以上
であることを特徴とする請求項1記載のインドメタシン
外用剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12661092A JP3296589B2 (ja) | 1992-04-03 | 1992-04-03 | インドメタシン外用剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12661092A JP3296589B2 (ja) | 1992-04-03 | 1992-04-03 | インドメタシン外用剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05286857A JPH05286857A (ja) | 1993-11-02 |
JP3296589B2 true JP3296589B2 (ja) | 2002-07-02 |
Family
ID=14939460
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12661092A Expired - Lifetime JP3296589B2 (ja) | 1992-04-03 | 1992-04-03 | インドメタシン外用剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
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Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20190049529A (ko) | 2017-10-30 | 2019-05-09 | 코와 가부시키가이샤 | 조성물 |
-
1992
- 1992-04-03 JP JP12661092A patent/JP3296589B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
Pharm.Res.,米国,Vol.7,No.7,712−718,1990 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05286857A (ja) | 1993-11-02 |
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