JP2017154989A - S/o型貼付剤 - Google Patents
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一方、特許文献2には、親水性薬物が界面活性剤により被覆されているS/O型微粒子と、所定の構成単位を含むアクリル系ポリマーとを含有する粘着剤組成物を含む粘着層を有するS/O型貼付剤が記載されている。特許文献2によると、S/O型貼付剤による薬物の経皮吸収性は、ロキソプロフェンナトリウムを主薬としたケースで、市販品の高々2倍程度であり、薬物の有効性を高めるためには、十分な吸収性とは言えない。
本発明の課題は、親水性化合物の経皮吸収性に真に優れる実用的なS/O型貼付剤及びその製造方法を提供することである。
[1] 支持体上に、親水性化合物を保持する粘着層を有する貼付剤であって、前記粘着層は、Solid-in-oil(S/O)型の親水性化合物と界面活性剤との複合体(A)、熱可塑性エラストマー(B)、及び油性成分(C)を含み、熱可塑性エラストマー(B)と油性成分(C)の合計質量に対する熱可塑性エラストマー(B)の含有量が40質量%未満である、貼付剤。
[2] 前記界面活性剤が、非イオン系界面活性剤である、[1]に記載の貼付剤。
[3] 前記熱可塑性エラストマー(B)が、スチレン系ブロック共重合体である、[1]又は[2]に記載の貼付剤。
[4] スチレン系ブロック共重合体が、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体とスチレン−イソプレンブロック共重合体の混合物である、[3]に記載の貼付剤。
[5] 前記油性成分(C)が、不揮発性の炭化水素及び/又は長鎖脂肪酸エステルである、[1]から[4]の何れか一に記載の貼付剤。
[6] 前記油性成分(C)が、流動パラフィンである、[1]から[5]の何れか一に記載の貼付剤。
[7] 下記の工程(1)〜(4)を含む、[1]から[6]の何れか一に記載の貼付剤の製造方法。
(1)親水性化合物を含む溶液と界面活性剤を含む溶液とを混合してWater-in-oil(W/O)型エマルションを調製する工程;
(2)前記のWater-in-oil(W/O)型エマルションを脱溶媒及び/又は脱水することにより、Solid-in-oil(S/O)型の親水性化合物と界面活性剤との複合体(A)を調製する工程;
(3)前記のSolid-in-oil(S/O)型の親水性化合物と界面活性剤との複合体(A)を、油性成分(C)に溶解又は分散して溶解液又は分散液を調製する工程;及び
(4)前記の溶解液又は分散液に熱可塑性エラストマー(B)を添加して塗工液を調製し、前記の塗工液を支持体及び/又は剥離ライナーに塗布する工程。
本発明における「Solid−in−oil(S/O)型」とは、分散相が固体である固相(Solid)であり、連続相が油性の物質を基剤とする油相(Oil)である組成物を意味する。特許文献1及び2によると、S/O型の親水性化合物と界面活性剤との複合体(A)は、親水性化合物が界面活性剤により被覆された構成を有し、通常、親水性化合物に界面活性剤の親水性部分が会合し、周りを被覆しているが、本発明におけるS/O型の親水性化合物と界面活性剤との複合体(A)の構造は、これに限らない。
医薬品としては、薬理学的活性を有するもので治療的、診断的、又は予防的な活性を有する物質である。具体的には、ジクロフェナクナトリウム、ロキソプロフェンナトリウムやインドメタシンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAID);アンジオテンシン変換酵素阻害剤、β遮断剤、カルシウム拮抗剤、アンジオテンシンII受容体拮抗剤などの高血圧治療薬;5−HT3拮抗剤などの制吐剤;抗不安薬;抗てんかん剤;興奮剤;抗パーキンソン剤;精神神経用剤;局所麻酔剤;骨格筋弛緩剤;自律神経剤;鎮痙剤;強心剤;不整脈用剤;利尿剤;血圧降下剤;血管拡張剤;高脂血症用剤;鎮咳剤;去たん剤;気管支拡張剤;止しゃ剤;消化性潰瘍剤;タンパク同化ステロイド剤;副腎ホルモン剤、男性ホルモン剤、卵胞ホルモン、黄体ホルモン剤などのホルモン剤;泌尿器官用剤;子宮収縮剤;肝臓疾患用剤;解毒剤;痛風治療剤;酵素製剤;糖尿病用剤;代謝拮抗剤;抗ヒスタミン剤;抗ハンセン病剤;合成抗菌剤;抗ウィルス剤;抗原虫剤;サルファ剤;偏頭痛剤;抗生物質;止血剤;血液凝固阻止剤などが挙げられる。また従来は皮膚組織を透過できないと考えられていた糖類、核酸、タンパク質、ペプチド、抗原等も本発明により貼付剤とすることができる。
本発明において用いる「熱可塑性エラストマー」とは、熱を加えると軟化して流動性を示し、冷却すればゴム状弾性体に戻る熱可塑性を示すエラストマーであり、ウレタン系、アクリル系、スチレン系、オレフィン系、シリコーン系など、各種の熱可塑性エラストマーが挙げられる。このうち、十分な粘着性付与と皮膚刺激性の低減を両立させる観点から、スチレン系熱可塑性エラストマー、特に、スチレン系ブロック共重合体が好ましく用いられる。
本発明において用いる「油性成分(C)」とは、Solid−in−oil(S/O)において連続相となる油性の基剤である。
油性成分(C)の具体例としては、不揮発性の炭化水素類、合成油脂、植物油、動物油、中性脂質(モノ置換、ジ置換又はトリ置換のグリセリド)、及びステロール誘導体などを挙げることができるが、特に限定されない。
本発明の貼付剤においては、上記のような含有量にて熱可塑性エラストマー(B)と油性成分(C)を含有させて粘着層とすることにより、良好な粘着性を発揮させることができるが、粘着層には、必要に応じて粘着付与剤を含有させてもよい。
粘着付与剤の含有量は、熱可塑性エラストマーおよび油性成分の種類、含有量、およびその含有量比に応じて調整される。
本発明の貼付剤を形成する粘着層においては任意成分として(5−1)経皮吸収促進剤、(5−2)賦形剤、(5−3)抗酸化剤、(5−4)着香剤、(5−5)着色剤などを含有させることができる。
本発明において用いられる経皮吸収促進剤としては、従来皮膚での吸収促進作用が認められている化合物のいずれでもよく、例えば、炭素数6〜20の脂肪酸、脂肪族系アルコール、芳香族系有機酸、芳香族系アルコール、芳香族系有機酸エステルまたはエーテル、乳酸エステル類、酢酸エステル類、モノテルペン系化合物、セスキテルペン系化合物、グリセリン脂肪酸エステル類、プロピレングリコール脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリソルベート系、ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油系、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ショ糖脂肪酸エステル類、植物油、サーファクチンなどが挙げられる。これらから1種選択して用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明において用いられる賦形剤としては、たとえば、無水ケイ酸、軽質無水ケイ酸、含水ケイ酸等のケイ素化合物;エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリビニルアルコール等の合成水溶性高分子;乾燥水酸化アルミニウムゲル、含水ケイ酸アルミニウム等のアルミニウム化合物;カオリン、酸化チタン等の顔料などが挙げられる。これらから1種選択して用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明において用いられる抗酸化剤としては、たとえば、ジブチルヒドロキシトルエン、アスコルビン酸、トコフェロール、酢酸トコフェロール、ブチルヒドロキシアニソール、2−メルカプトベンズイミダゾールなどが挙げられる。これらから1種選択して用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明において用いられる着香剤としては、d−カンフル、dl−カンフル、シンナムアルデヒド、ハッカ油、dl−メントール、l−メントールなどが挙げられる。これらから1種選択して用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明において用いられる着色剤としては、黄酸化鉄、黄色三二酸化鉄、カーボンブラックなどが挙げられる。これらから1種選択して用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の貼付剤は、支持体上に、親水性化合物を保持する粘着層を有している。支持体としては、特に限定されず、汎用のものが使用できる。たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の伸縮性又は非伸縮性の織布、不織布、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、エチレン酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル等のフィルム、あるいはウレタン、ポリウレタン等の発泡性支持体が挙げられる。これらは、単独で使用してもよく、複数種が積層されたものを使用してもよい。さらに、支持体に静電気が蓄積することを防止するため、支持体を構成する前記織布、不織布、フィルム等に帯電防止剤を含有させてもよい。また、粘着層との良好な投錨性を得るため、支持体として不織布もしくは織布、またはこれらとフィルムの積層体を用いることができる。
上記支持体のうち、粘着層との良好な投錨性及び肌への追従性が良いという観点から、支持体としては不織布、織布が好適に用いられる。
本発明の貼付剤の製造方法は、特に限定されないが、例えば、下記の工程(1)〜(4)を含む方法を挙げることができる。
(1)親水性化合物を含む溶液と界面活性剤を含む溶液とを混合してWater-in-oil(W/O)型エマルションを調製する工程;
(2)前記のWater-in-oil(W/O)型エマルションを脱溶媒及び/又は脱水することにより、Solid-in-oil(S/O)型の親水性化合物と界面活性剤との複合体(A)を調製する工程;
(3)前記のSolid-in-oil(S/O)型の親水性化合物と界面活性剤との複合体(A)を、油性成分(C)に溶解又は分散して溶解液又は分散液を調製する工程;及び
(4)前記の溶解液又は分散液に熱可塑性エラストマー(B)を添加して塗工液を調製し、前記の塗工液を支持体及び/又は剥離ライナーに塗布する工程。
本工程では、先ず、親水性化合物を含む溶液を調製する。親水性化合物を含む溶液としては水溶液が好ましい。必要に応じて、安定化剤も添加する。ここで使用する水としては、例えば、純水、精製水、蒸留水、水道水、生理食塩水、緩衝液を挙げることができる。必要に応じて、エタノールなど水混和性の有機溶媒を少量添加してもよい。但し、アルコール等を加え過ぎるとエマルションが形成され難くなる場合があるので注意が必要である。
親水性化合物を含む溶液における親水性化合物と安定化剤の濃度は、これらを実質的に完全に溶解できれば特に制限されない。
本工程では、上記工程(1)で得られたW/O型エマルションを乾燥し、S/O型の親水性化合物と界面活性剤との複合体(A)を調製する。乾燥方法は特に制限されず、凍結乾燥や減圧乾燥すればよいが、凍結乾燥が好ましい。具体的な条件は、常法に従えばよい。また、S/O型の親水性化合物と界面活性剤との複合体(A)の集合体は、室温で液体であってもよいし、固体であってもよい。なお、S/O型の親水性化合と界面活性剤との複合体は、上記のように、凍結乾燥等により乾燥させることによって得られるため、通常、揮発性有機溶媒を実質的に含まない。「実質的に含まない」とは、ガスクロマトグラフィーや液体クロマトグラフィーにより測定した場合の揮発性有機溶媒の含有量が検出限界以下であることを意味し、0であることが好ましい。
本工程では、上記工程(2)で得られたS/O型の親水性化合物と界面活性剤との複合体(A)を、油性成分(C)に溶解又は分散することによって、S/O型溶液又は分散液を調製する。具体的には、上記の工程(1)と同様に、ホモジナイザーによる高速攪拌を用いたり、プロペラミキサーやディスパー等の攪拌機により攪拌したり、これらに加えて超音波を照射するなどすればよい。
本工程では、熱可塑性エラストマー(B)と所望により、その他の任意成分とを、トルエン等の溶媒に溶解させた溶液を、上記工程(3)で得られた溶液又は分散液に添加して塗工液を調製し、次いで、得られた塗工液を支持体に塗工し、次いで乾燥させることができる(溶剤塗工法)。あるいは、上記工程(3)で得られた溶液または分散液に、熱可塑性エラストマー(B)と所望により、その他の任意成分を添加して、加熱溶融して塗工液を調製し、次いで、得られた塗工液を支持体に塗工してもよい(ホットメルト塗工法)。
剥離ライナーは粘着層の保護を目的として使用され、粘着層からの容易な剥離性、通気性、通水性ならびに柔軟性を考慮して、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、グラシン紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、アルミフィルム、発泡ポリエチレンフィルム又は発泡ポリプロピレンフィルム等、もしくは前記のうち2種以上の積層物を用いることができ、さらにこれらにシリコーン加工したものやフッ素樹脂加工したもの、エンボス加工を施したものなどを用いることもできる。
[Solid-in-oil(S/O)型の親水性化合物と界面活性剤との複合体(A)の調製]
特許第4843494号公報の方法に準じて、ジクロフェナクナトリウム−界面活性剤複合体を作製した。10mLの10mMリン酸緩衝液(pH8.0)へ、15mg/mLの濃度でジクロフェナクナトリウムを溶解した。当該溶液へ、ショ糖エルカ酸エステル(三菱化学フーズ社製、ER−290、HLB:2)の5重量%シクロヘキサン溶液を20mL加え、ホモジナイザーにより26,000rpmで10分間高速攪拌し、W/O型エマルションを調製した。当該エマルションを−80℃で凍結させた後、凍結乾燥処理することによって、ジクロフェナクナトリウム−界面活性剤複合体を調製した。この複合体に5mLの大豆油を加え、超音波を照射して分散させ分散液を得た。
表1の組成(w/w%)になるように各試剤を秤量した。別途スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(以下SIS共重合体と称することがある。JSR社製、品名:JSR5229、トリブロック含量:80%)をSIS共重合体100質量部に対して250質量部のトルエンで溶解させた溶液を調製し、そこへ上記分散液、流動パラフィン(Sonneborn社製、品名:KAYDOL)、ポリエチレングリコール400(東京化学工業株式会社製)、粘着付与剤(荒川化学社製、品名:アルコンP100)、ポリブテン(INEOS社製、品名:INDOPOL H−300)を添加、混合攪拌して粘着層形成用塗工液を調製した。上記塗工液をシリコーン処理されたポリエチレンテレフタラート(PET)フィルム(剥離ライナー)に塗工し、25℃で一昼夜乾燥後、該粘着層の表面にポリエチレンテレフタラート(PET)製フィルム(支持体)をラミネートし、目的の貼付剤を作製した(貼付剤中のジクロフェナクNa含量は0.14質量%)。
[Solid-in-oil(S/O)型の親水性化合物と界面活性剤との複合体(A)の調製]
親水性化合物としてジクロフェナクナトリウム0.23gを蒸留水22.70gに溶解した水溶液に、界面活性剤としてのショ糖ラウリン酸エステル(三菱化学フーズ社製、商品名「L−195」、HLB:1)0.91gをシクロヘキサン22.70mLに溶解した溶液を加え、ホモジナイザーにより26,000rpmで10分間高速攪拌し、W/O型エマルションを調製した。上記W/O型エマルションを−45℃で凍結させた後、凍結乾燥処理することによってジクロフェナクナトリウム−界面活性剤複合体を得た。
表2の組成(w/w%)になるように各成分を秤量した。まず流動パラフィン(Sonneborn社製、品名:KAYDOL)にジクロフェナクナトリウム−界面活性剤複合体を加えて分散させた分散液を調製した。別途SIS共重合体(JSR社製、品名:JSR5229、トリブロック含量:80%)をSIS共重合体100質量部に対して250質量部のトルエンで溶解させた溶液を調製し、そこへ上記分散液を添加、混合攪拌して粘着層形成用塗工液を調製した。粘着層形成用塗工液をシリコーン処理されたポリエチレンテレフタラート(PET)フィルム(剥離ライナー)に塗工し、25℃で一昼夜乾燥後、上記粘着層の表面にポリエチレンテレフタラート(PET)製フィルム(支持体)をラミネートし、貼付剤を作製した(貼付剤中のジクロフェナクナトリウム含量は1.6質量%)。
表2の組成(w/w%)になるように各成分を秤量し、実施例1と同様の方法で貼付剤を作製した(貼付剤中のジクロフェナクナトリウム含量は1.5質量%)。
表2の組成(w/w%)になるように各成分を秤量し、実施例1と同様の方法で貼付剤を作製した(貼付剤中のジクロフェナクナトリウム含量は1.4質量%)。
表2の組成(w/w%)になるように各成分を秤量し、実施例1と同様の方法で貼付剤を作製した(貼付剤中のジクロフェナクナトリウム含量は1.2質量%)。
[Solid-in-oil(S/O)型の親水性化合物と界面活性剤との複合体(A)の調製]
親水性化合物としてナイアシンアミド0.91gを蒸留水22.70gに溶解した水溶液に、界面活性剤としてのショ糖ラウリン酸エステル(三菱化学フーズ社製、商品名「L−195」、HLB:1)3.64gをシクロヘキサン22.70mLに溶解した溶液を加え、ホモジナイザーにより26,000rpmで10分間高速攪拌し、W/O型エマルションを調製した。上記W/O型エマルションを−45℃で凍結させた後、凍結乾燥処理することによってナイアシンアミド−界面活性剤複合体を得た。
表3の組成(w/w%)になるように各成分を秤量した。まず流動パラフィン(Sonneborn社製、品名:KAYDOL)にナイアシンアミド−界面活性剤複合体を加えて分散させた分散液を調製した。別途SIS共重合体(JSR社製、品名:JSR5229、トリブロック含量:80%)をSIS共重合体100質量部に対して238質量部のトルエンで溶解させた溶液を調製し、そこへ上記分散液を添加、混合攪拌して粘着層形成用塗工液を調製した。粘着層形成用塗工液をシリコーン処理されたポリエチレンテレフタラート(PET)フィルム(剥離ライナー)に塗工し、25℃で一昼夜乾燥後、上記粘着層の表面にポリエチレンテレフタラート(PET)製フィルム(支持体)をラミネートし、貼付剤を作製した(貼付剤中のナイアシンアミド含量は1.6質量%)。
表3の組成(w/w%)になるように各成分を秤量し、実施例4と同様の方法で貼付剤を作製した(貼付在中のナイアシンアミド含量が1.5質量%)
表3の組成(w/w%)になるように各成分を秤量し、実施例4と同様の方法で貼付剤を調製した(貼付剤中のナイアシンアミド含量は1.2質量%)。
[Solid-in-oil(S/O)型の親水性化合物と界面活性剤との複合体(A)の調製]
親水性化合物としてロキソプロフェンナトリウム2水和物0.91gを蒸留水22.70gに溶解した水溶液に、界面活性剤としてのショ糖ラウリン酸エステル(三菱化学フーズ社製、商品名「L−195」、HLB:1)3.64gをシクロヘキサン22.70mLに溶解した溶液を加え、ホモジナイザーにより26,000rpmで10分間高速攪拌し、W/O型エマルションを調製した。上記W/O型エマルションを−45℃で凍結させた後、凍結乾燥処理することによってロキソプロフェンナトリウム−界面活性剤複合体を得た。
表4の組成(w/w%)になるように各成分を秤量した。まず流動パラフィン(Sonneborn社製、品名:KAYDOL)にロキソプロフェンナトリウム−界面活性剤複合体を加えて分散させた分散液を調製した。別途SIS共重合体(JSR社製、品名:JSR5229、トリブロック含量:80%)をSIS共重合体100質量部に対して150質量部のトルエンで溶解させた溶液を調製し、そこへ上記分散液を添加、混合攪拌して粘着層形成用塗工液を調製した。粘着層形成用塗工液をシリコーン処理されたポリエチレンテレフタラート(PET)フィルム(剥離ライナー)に塗工し、25℃で一昼夜乾燥後、上記粘着層の表面にポリエチレンテレフタラート(PET)製フィルム(支持体)をラミネートし、貼付剤を作製した(貼付剤中のロキソプロフェンナトリウム含量は1.6質量%)。
表4の組成(w/w%)になるように各成分を秤量し、実施例6と同様の方法で貼付剤を調製した(貼付剤中のロキソプロフェンナトリウム含量は1.8質量%)。
表4の組成(w/w%)になるように各成分を秤量し、実施例6と同様の方法で貼付剤を調製した(貼付剤中のロキソプロフェンナトリウム含量は1.2質量%)。
表5の組成(w/w%)になるように各試剤を秤量した。まずミリスチン酸イソプロピル(東京化学工業株式会社製)にロキソプロフェンナトリウム−界面活性剤複合体を加えて分散させた分散液を調製した。その後、アクリルポリマー(ヘンケル社性、品名:DURO−TAK 387−2510))を添加、混合攪拌して粘着層形成用塗工液を調製した。上記塗工液をシリコーン処理されたポリエチレンテレフタラート(PET)フィルム(剥離ライナー)に塗工し、25℃で一昼夜乾燥後、該粘着層の表面にポリエチレンテレフタラート(PET)製フィルム(支持体)をラミネートし、目的の貼付剤を作製した(貼付剤中のロキソプロフェンナトリウム含量は1.4質量%)。
市販されているロキソプロフェンナトリウム2水和物を有効成分とする貼付剤(商品名「ロキソプロフェンナトリウムテープ100mg」、科研製薬株式会社製、ゴム系粘着剤中にロキソプロフェンナトリウムを5質量%含有)を用いた。
(試験例1)
縦型フランツ拡散セル(コスメディ社製、型番:TVC12−CLV)は、分割された上部と下部の2種のガラス体からなる。除毛している雄性Wister系ラット(5週齢)の腹部抽出皮膚(実施例4及び5並びに比較例3以外)又は、ヒトの背部抽出皮膚(実施例4及び5並びに比較例3)を上記2種のガラス体の間に配置する。実施例及び比較例で作製した貼付剤を直径1.3cmの円形に打ち抜き、縦型フランツ拡散セルのラット皮膚及びヒト皮膚上に貼付した。縦型フランツセルの下部にはレセプター液を入れ、皮膚を通過した薬物を貯留する。レセプター液には0.01mol/Lリン酸緩衝液生理食塩水(pH7.2〜7.4)を使用し、レセプター温度37℃(実施例6と7、及び比較例4から6)又は32℃(実施例1から5、及び比較例1から3)で試験を行った。
試験開始後、24時間後(実施例4及び5並びに比較例3以外)又は72時間後(実施例4及び5並びに比較例3)にレセプター液の一部を抜き取り、レセプター液中の薬物量をUPLCにより定量し、その結果から累積透過量を算出した。結果を以下の表6(薬物:ジクロフェナクナトリウム)、表7(薬物:ナイアシンアミド)、表8(薬物:ロキソプロフェンナトリウム)に示す。
Claims (7)
- 支持体上に、親水性化合物を保持する粘着層を有する貼付剤であって、前記粘着層は、Solid-in-oil(S/O)型の親水性化合物と界面活性剤との複合体(A)、熱可塑性エラストマー(B)、及び油性成分(C)を含み、熱可塑性エラストマー(B)と油性成分(C)の合計質量に対する熱可塑性エラストマー(B)の含有量が40質量%未満である、貼付剤。
- 前記界面活性剤が、非イオン系界面活性剤である、請求項1に記載の貼付剤。
- 前記熱可塑性エラストマー(B)が、スチレン系ブロック共重合体である、請求項1又は2に記載の貼付剤。
- スチレン系ブロック共重合体が、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体とスチレン−イソプレンブロック共重合体の混合物である、請求項3に記載の貼付剤。
- 前記油性成分(C)が、不揮発性の炭化水素及び/又は長鎖脂肪酸エステルである、請求項1から4の何れか一項に記載の貼付剤。
- 前記油性成分(C)が、流動パラフィンである、請求項1から5の何れか一項に記載の貼付剤。
- 下記の工程(1)〜(4)を含む、請求項1から6の何れか一項に記載の貼付剤の製造方法。
(1)親水性化合物を含む溶液と界面活性剤を含む溶液とを混合してWater-in-oil(W/O)型エマルションを調製する工程;
(2)前記のWater-in-oil(W/O)型エマルションを脱溶媒及び/又は脱水することにより、Solid-in-oil(S/O)型の親水性化合物と界面活性剤との複合体(A)を調製する工程;
(3)前記のSolid-in-oil(S/O)型の親水性化合物と界面活性剤との複合体(A)を、油性成分(C)に溶解又は分散して溶解液又は分散液を調製する工程;及び
(4)前記の溶解液又は分散液に熱可塑性エラストマー(B)を添加して塗工液を調製し、前記の塗工液を支持体及び/又は剥離ライナーに塗布する工程。
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