JP3296057B2 - 内燃機関のバルブタイミング制御装置 - Google Patents

内燃機関のバルブタイミング制御装置

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JP3296057B2
JP3296057B2 JP29102693A JP29102693A JP3296057B2 JP 3296057 B2 JP3296057 B2 JP 3296057B2 JP 29102693 A JP29102693 A JP 29102693A JP 29102693 A JP29102693 A JP 29102693A JP 3296057 B2 JP3296057 B2 JP 3296057B2
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failure
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combustion engine
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  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、内燃機関の吸気バル
ブ、排気バルブの開閉タイミングを運転状態に応じて制
御するようにしたバルブタイミング制御装置に係る。詳
しくは、自己のシステムの故障を診断してバルブタイミ
ングを好適に制御するようにした内燃機関のバルブタイ
ミング制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の技術として、例えば特開
平4−159426号公報に開示された「可変バルブタ
イミングシステムの故障診断装置」が知られている。
【0003】このシステムにおいて、内燃機関の燃焼室
に連通する吸気通路及び排気通路の各ポートには、それ
らを開閉するための吸気バルブ及び排気バルブがそれぞ
れ設けられている。両バルブは吸気側及び排気側の各カ
ムシャフトにより駆動される。吸気側のカムシャフトに
は、吸気バルブの開閉タイミングを変更するための可変
バルブタイミング装置が設けられている。この可変バル
ブタイミング装置はステップモータにより駆動されるも
のであり、同モータの駆動が内燃機関の運転状態に応じ
て制御される。この制御により、可変バルブタイミング
装置が作動して、吸気バルブの開閉タイミングが所定の
範囲内で、進角側或いは遅角側へ任意に連続的に変更さ
れる。
【0004】ここで、上記のシステムでは自己の制御精
度の診断が行われている。そして、その診断によりシス
テムの故障と判断された場合には、内燃機関で一定の運
転性能を確保すべく可変バルブタイミング装置が制御さ
れ、吸気バルブの開閉タイミングが最遅角側へと強制的
に戻される。このため、上記システムの故障時には、内
燃機関が低負荷状態となっても、吸気バルブと排気バル
ブとのバルブオーバラップが大き過ぎることがなく、吸
気ポートへの排気の吹き返しもなく、内燃機関の運転が
不安定な状態となることもない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記従来技
術のシステムでは、システムの故障と判断された場合に
は、内燃機関がどのような運転状態であっても、吸気バ
ルブの開閉タイミングが常に同じ速度で最遅角側へと戻
されていた。このため、運転状態の違いによっては、そ
のバルブタイミングの戻し速度が遅過ぎたり、速過ぎた
りして内燃機関のドライバビリティを悪化させるおそれ
があった。例えば、バルブタイミングの戻し速度が遅過
ぎた場合には、内燃機関にラフアイドルやエンストの発
生するおそれがあり、戻し速度が速過ぎた場合には、内
燃機関の出力トルクが急激に変化するおそれがあった。
【0006】この発明は前述した事情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、バルブタイミングを内燃機
関の運転状態に応じて変更するようにした制御装置を前
提とし、その制御系に係る故障が判断された場合に、内
燃機関で一定の運転性能を確保するための制御を、内燃
機関のドライバビリティを悪化させることなく行うこと
を可能にした内燃機関のバルブタイミング制御装置を提
供することにある
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の発明においては、内燃機関M1の回転に同期
して所定のタイミングで駆動され、燃焼室M2に通じる
吸気通路M3及び排気通路M4をそれぞれ開閉するため
の吸気バルブM5及び排気バルブM6と、吸気バルブM
5及び排気バルブM6の少なくとも一方の開閉タイミン
グを、所定の範囲内で可変とするために駆動される可変
バルブタイミング機構M7と、内燃機関M1の運転状態
を検出するための運転状態検出手段M8と、内燃機関M
1の運転状態に応じてバルブタイミングを変更するため
に、運転状態検出手段M8の検出結果に基づきバルブタ
イミングの制御目標値を算出するための制御目標値算出
手段M9と、その制御目標値算出手段M9の算出結果に
基づき、吸気バルブM5と排気バルブM6とのバルブオ
ーバラップを変更すべく可変バルブタイミング機構M7
の駆動を制御するための通常時駆動制御手段M10と、
可変バルブタイミング機構M7の制御系に係る故障を診
断するための故障診断手段M11と、その故障診断手段
M11により制御系に係る故障と判断された場合に、バ
ルブオーバラップを強制的に小さくすべく可変バルブタ
イミング機構M7の駆動を制御するための故障時駆動制
御手段M12とを備えた内燃機関のバルブタイミング制
御装置において、故障診断手段M11により制御系に係
る故障と判断された場合に、故障時駆動制御手段M12
により制御される可変バルブタイミング機構M7の駆動
速度を運転状態検出手段M8により検出される運転状態
に応じて可変設定するための第1の駆動速度設定手段M
13を設けたことを趣旨としている。
【0008】上記目的を達成するために、第2の発明に
おいては、内燃機関M1の回転に同期して所定のタイミ
ングで駆動され、燃焼室M2に通じる吸気通路M3及び
排気通路M4をそれぞれ開閉するための吸気バルブM5
及び排気バルブM6と、吸気バルブM5及び排気バルブ
M6の少なくとも一方の開閉タイミングを、所定の範囲
内で可変とするために駆動される可変バルブタイミング
機構M7と、内燃機関M1の運転状態を検出するための
運転状態検出手段M8と、内燃機関M1の運転状態に応
じてバルブタイミングを変更するために、運転状態検出
手段M8の検出結果に基づきバルブタイミングの制御目
標値を算出するための制御目標値算出手段M9と、その
制御目標値算出手段M9の算出結果に基づき、吸気バル
ブM5と排気バルブM6とのバルブオーバラップを変更
すべく可変バルブタイミング機構M7の駆動を制御する
ための通常時駆動制御手段M10と、可変バルブタイミ
ング機構M7の制御系に係る故障を診断するための故障
診断手段M11と、その故障診断手段M11により制御
系に係る故障と判断された場合に、バルブオーバラップ
を強制的に小さくすべく可変バルブタイミング機構M7
の駆動を制御するための故障時駆動制御手段M12とを
備えた内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
故障診断手段M11により制御系に係る故障と判断され
た場合に、故障時駆動制御手段M12により制御される
可変バルブタイミング機構M7の駆動速度を故障判断時
におけるバルブオーバラップの大きさに応じて可変設定
するための第2の駆動速度設定手段M14を設けたこと
を趣旨としている。
【0009】
【作用】上記第1の発明の構成によれば、図1に示すよ
うに、内燃機関M1の運転時に、吸気バルブM5及び排
気バルブM6が内燃機関M1の回転に同期して所定のタ
イミングで駆動される。この駆動により、燃焼室M2に
通じる吸気通路M3及び排気通路M4がそれぞれ開閉さ
れて燃焼室M2における吸気及び排気が行われる。又、
制御目標値算出手段M9では、バルブタイミングを変更
するための制御目標値が、運転状態検出手段M8の検出
結果に基づいて内燃機関M1の運転状態に応じて算出さ
れる。そして、通常時駆動制御手段M10では、算出さ
れた制御目標値に基づき、可変バルブタイミング機構M
7の駆動が制御される。この結果、吸気バルブM5及び
排気バルブM6の少なくとも一方の開閉タイミングが、
内燃機関M1の運転状態に応じて、所定の範囲内で変更
され、もって、バルブオーバラップが変更される。
【0010】ここで、可変バルブタイミング機構M7の
制御時には、その制御系に係る故障が故障診断手段M1
1により診断される。そして、その制御系に係る故障と
判断された場合には、故障時駆動制御手段M12によ
り、バルブオーバラップを強制的に小さくすべく可変バ
ルブタイミング機構M7の駆動が制御される。又、この
ときの可変バルブタイミング機構M7の駆動速度が、第
1の駆動速度設定手段M13により内燃機関のM1の運
転状態に応じて可変設定される。つまり、上記故障時に
は、バルブオーバラップの変更速度が、そのときの内燃
機関M1の運転状態に応じて可変設定されることにな
る。
【0011】従って、上記故障時には、バルブオーバラ
ップが小さくなることから、内燃機関M1が低負荷状態
となってもバルブオーバラップが大きすぎることがな
く、内燃機関M1の運転が不安定になることはない。
又、そのときのバルブオーバラップの変更速度が、内燃
機関M1の運転状態に応じて適切に設定されるようにな
る。
【0012】上記第2の発明の構成によれば、図2に示
すように、第1の発明と同様、可変バルブタイミング機
構M7の制御時には、その制御系に係る故障が故障診断
手段M11により診断される。そして、その制御系に係
る故障と判断された場合には、故障時駆動制御手段M1
2により、バルブオーバラップを強制的に小さくすべく
可変バルブタイミング機構M7の駆動が制御される。
又、このときの可変バルブタイミング機構M7の駆動速
度が、第2の駆動速度設定手段M14により、故障判断
時におけるバルブオーバラップの大きさに応じて可変
定される。
【0013】従って、上記故障時にはバルブオーバラッ
プが小さくなることから、内燃機関M1が低負荷状態と
なってもバルブオーバラップが大き過ぎることがなく、
内燃機関M1の運転が不安定になることはない。又、そ
のときのバルブオーバラップの変更速度が、故障判断時
におけるバルブオーバラップの大きさに応じて適切に設
定されるようになる。
【0014】
【実施例】以下、上記第1及び第2の発明における内燃
機関のバルブタイミング制御装置を自動車のガソリンエ
ンジンに具体化した一実施例を図3〜図14に基づいて
詳細に説明する。
【0015】図3はこの実施例における内燃機関のバル
ブタイミング制御装置を含むガソリンエンジンシステム
を示す概略構成図である。内燃機関としてのエンジン1
には複数のシリンダ2が設けられている。各シリンダ2
にはピストン3が上下動可能にそれぞれ設けられ、各ピ
ストン3の上側がそれぞれ燃焼室4となっている。各燃
焼室4には点火プラグ5がそれぞれ設けられている。
又、各燃焼室4には、吸気ポート6a及び排気ポート7
aを通じて、吸気通路6及び排気通路7がそれぞれ連通
されている。吸気ポート6a及び排気ポート7aには、
開閉用の吸気バルブ8及び排気バルブ9がそれぞれ設け
られている。これら吸気バルブ8及び排気バルブ9を開
閉するために、吸気側カムシャフト10及び排気側カム
シャフト11がそれぞれ設けられている。各カムシャフ
ト10,11の一端には、吸気側タイミングプーリ1
2、排気側タイミングプーリ13がそれぞれ設けられて
いる。これら各タイミングプーリ12,13は、タイミ
ングベルト14を介して、図示しないクランクシャフト
に駆動連結されている。
【0016】従って、エンジン1の運転時には、クラン
クシャフトからタイミングベルト14及び各タイミング
プーリ12,13を介して各カムシャフト10,11に
回転力が伝達され、各カムシャフト10,11の回転に
より吸気バルブ8及び排気バルブ9が開閉される。各バ
ルブ8,9は、クランクシャフトの回転に同期して、即
ち吸気行程、圧縮行程、爆発・膨張行程及び排気行程の
エンジン1の一連の4行程に同期して、所定の開閉タイ
ミングで駆動される。
【0017】吸気通路6の入口側にはエアクリーナ15
が設けられている。各シリンダ2の吸気ポート6aの近
傍には、燃料噴射用のインジェクタ16がそれぞれ設け
られている。そして、吸気通路6にはエアクリーナ15
を通じて外気が取り込まれる。又、その外気の取り込み
と同時に、各インジェクタ16から燃料が噴射されるこ
とにより、外気と燃料との混合気が、吸入行程における
吸気バルブ8の開きに同期して燃焼室4に吸入される。
更に、エンジン1では、燃焼室4に吸入された混合気が
点火プラグ5の作動により爆発・燃焼され、これにより
クランクシャフトに回転力が付与される。そして、燃焼
後の排気ガスは、排気行程における排気バルブ9の開き
に同期して、燃焼室4から排気ポート7aを通じて排出
され、更に排気通路7を通じて外部へと排出される。
【0018】吸気通路6の途中には、図示しないアクセ
ルペダルの操作に連動して開閉されるスロットルバルブ
17が設けられている。そして、このスロットルバルブ
17が開閉されることにより、吸気通路6に対する外気
の取り込み量、即ち吸気量が調節される。そのスロット
ルバルブ17の下流側には、吸気脈動を平滑化させるた
めのサージタンク18が設けられている。
【0019】エアクリーナ15の近傍には、吸気温セン
サ71が設けられている。この吸気温センサ71では、
吸気通路6における吸気の温度(吸気温)THAが検出
され、その大きさに応じた信号が出力される。スロット
ルバルブ17の近傍には、スロットルセンサ72が設け
られている。このスロットルセンサ72では、スロット
ルバルブ17の開度(スロットル開度)TAが検出さ
れ、その大きさに応じた信号が出力される。併せて、ス
ロットルセンサ72では、スロットルバルブ17が全閉
位置に配置されたときにそのことを指示するためのアイ
ドル信号IDLが出力される。更に、サージタンク18
には、吸気圧センサ73が設けられている。この吸気圧
センサ73では、サージタンク18内における吸気の圧
力(吸気圧)PMが検出され、その大きさに応じた信号
が出力される。
【0020】一方、排気通路7の途中には、排気ガスを
浄化するための三元触媒19を内蔵してなる触媒コンバ
ータ20が設けらている。又、排気通路7の途中には、
酸素センサ74が設けられている。この酸素センサ74
では、排気中の酸素濃度が検出され、その大きさに応じ
た信号が出力される。
【0021】エンジン1には、水温センサ75が設けら
れてい。この水温センサ75では、エンジン1の内部を
流れる冷却水の温度(冷却水温)THWが検出され、そ
の大きさに応じた信号が出力される。
【0022】各点火プラグ5には、ディストリビュータ
21にて分配された点火信号が印加される。ディストリ
ビュータ21ではイグナイタ22から出力される高電圧
がクランクシャフトの回転、即ちクランク角に同期して
各点火プラグ5に分配される。そして、各点火プラグ5
の点火タイミングは、イグナイタ22からの高電圧出力
タイミングにより決定される。
【0023】ディストリビュータ21には、排気側カム
シャフト11に連結されて、クランクシャフトの回転に
同期して回転される図示しないロータが内蔵されてい
る。又、ディストリビュータ21には、回転数センサ7
6及び気筒判別センサ77が設けられている。回転数セ
ンサ76では、ロータの回転からエンジン1の回転数
(エンジン回転数)NEが検出され、その大きさに応じ
た信号が出力される。気筒別センサ77では、同じく
ロータの回転に応じてエンジン1のクランク角基準位置
GPが所定の割合で検出され、それに応じた信号が出力
される。この実施例では、エンジン1の一連の4行程に
対してクランクシャフトが2回転するものとして、回転
数センサ76では1パルス当たり30°CAの割合でク
ランク角が検出され、エンジン回転数NEを指示する信
号として出力される。又、気筒判別センサ77では1パ
ルス当たり360°CAの割合でクランク角が検出さ
れ、クランク角基準位置GPを指示する信号として出力
される。
【0024】この実施例において、スロットルバルブ1
7の近傍の吸気通路6にはバイパス通路23が設けられ
ている。このバイパス通路23は、スロットルバルブ1
7を迂回して同バルブ17の上流側と下流側とを連通さ
せる。このバイパス通路23には、リニアソレノイド式
のアイドルスピードコントロールバルブ(ISCV)2
4が設けられている。このISCV24の開度は、スロ
ットルバルブ17が全閉となるエンジン1のアイドリン
グ時に、そのアイドリングを安定させるために制御され
る。そして、この制御によりバイパス通路23を流れる
空気量が調節され、もってアイドリング時に燃焼室4に
取り込まれる吸気量が制御される。
【0025】この実施例において、吸気側タイミングプ
ーリ12には、油圧により駆動される可変バルブタイミ
ング機構(以下単に「VVT」という)25が設けられ
ている。このVVT25は吸気バルブ8の開閉タイミン
グを可変にするために駆動される。
【0026】ここで、上記のVVT25等の構成につい
て詳しく説明する。図4,6はVVT25等の構成を示
す断面図である。吸気側カムシャフト10はそのジャー
ナル10aがエンジン1のシリンダヘッド26とベアリ
ングキャップ27との間で回転可能に支持されている。
そして、カムシャフト10の一端部には、タイミングプ
ーリ12と一体にVVT25が設けられている。ジャー
ナル10aにはその外周に沿って延びる二本のジャーナ
ル溝31,32が形成されている。シリンダヘッド26
及びベアリングキャップ27には、それらを貫通して延
びるヘッド油路33が形成されている。この実施例で
は、図3に示すように、オイルパン28、油圧ポンプ2
9及びオイルフィルタ30等によりエンジン1の潤滑系
が構成されている。そして、エンジン1の運転に連動し
て油圧ポンプ29が駆動されることにより、オイルパン
28から潤滑油が吸い上げられて油圧ポンプ29から吐
出される。吐出された潤滑油はオイルフィルタ30を通
過した後、所定の圧力をもってヘッド油路33に供給さ
れる。
【0027】カムシャフト10の先端部にはタイミング
プーリハウジング(以下単に「ハウジング」という)3
4が設けられている。このハウジング34は、タイミン
グプーリ12とそのタイミングプーリ12の一側面及び
カムシャフト10の先端部を覆うカバー35とを備えて
いる。タイミングプーリ12はほぼ円板状をなし、その
外周には複数の外歯36が形成され、中央にはボス37
が形成されている。タイミングプーリ12はそのボス3
7によりカムシャフト10に対して相対回動可能に装着
されている。外歯36には前述したタイミングベルト1
4が装着されており、同ベルト14を介してハウジング
34がクランクシャフトに駆動連結されている。一方、
カバー35は有底円筒状をなし、その外周にはフランジ
38が形成され、底部中央には連通孔39が形成されて
いる。カバー35の内周には、複数の内歯35aが形成
されている。カバー35はそのフランジ38にて、複数
のボルト40及びピン41によりタイミングプーリ12
の一側面に固定されている。連通孔39には蓋42が取
り外し可能に装着されている。そして、タイミングプー
リ12とカバー35とより囲まれた空間が、ハウジング
34内部の収容空間43となっている。
【0028】この収容空間43において、カムシャフト
10の先端には、筒状をなすインナキャップ44が中空
ボルト45により締め付けられ、ピン46により回り止
めされている。このインナキャップ44の周壁44aは
タイミングプーリ12のボス37を内包するように装着
され、両者12,37は相対回動可能となっている。イ
ンナキャップ44の周壁44aの外周には、複数の外歯
44bが形成されている。
【0029】ハウジング34とカムシャフト10との間
にはリングギヤ47が介在され、そのリングギヤ47に
より両者34,10が連結されている。即ち、リングギ
ヤ47は環状をなし、ハウジング34の収容空間43に
て、カムシャフト10の軸方向に沿って往復動可能に収
容されている。このリングギヤ47はその内外周に設け
られた複数の歯47a,47bの両方がヘリカル歯とな
っており、軸方向への移動によってカムシャフト10と
相対回動可能になっている。そして、リングギヤ47の
内周の歯47aはインナキャップ44の外歯44bに、
リングギヤ47の外周の歯47bはカバー35の内歯3
5aにそれぞれ噛合されている。従って、ハウジング3
4が回転駆動されることにより、リングギヤ47で連結
されたハウジング34とインナキャップ44とが一体的
に回転され、更にカムシャフト10がハウジング34と
一体的に回転駆動される。
【0030】収容空間43において、リングギヤ47の
軸方向一端とカバー35の底壁との間には第1の油圧室
48が形成されている。同じく、収容空間43におい
て、リングギヤ47の軸方向他端とタイミングプーリ1
2との間には第2の油圧室49が形成されている。
【0031】ここで、第1の油圧室48に油圧を供給す
るために、カムシャフト10にはその中心に沿って延び
る第1のシャフト油路50が形成されている。このシャ
フト油路50の先端側は中空ボルト45の中心孔45a
を通じて第1の油圧室48に連通されている。このシャ
フト油路50の途中は、カムシャフト10の略半径方向
へ延びる油孔51を通じてジャーナル溝31に連通され
ている。尚、油孔51の近傍において、第1のシャフト
油路50の途中には、そのシャフト油路50を区画する
ためのボール52が設けられている。このボール52に
より、油孔51がシャフト油路50及び中心孔45aを
通じて、第1の油圧室48のみに連通するようになって
いる。一方、第2の油圧室49に油圧を供給するため
に、カムシャフト10には第1のシャフト油路50と平
行に延びる第2のシャフト油路53が形成されている。
カムシャフト10の先端には、その外周へ開口して第2
のシャフト油路53に連通する油孔54が形成されてい
る。タイミングプーリ12のボス37の一部には、上記
の油孔54と第2の油圧室49とを連通させる油孔55
が形成されている。第2のシャフト油路53の基端側は
ジャーナル溝32に連通されている。
【0032】上記の構成において、オイルパン28、油
圧ポンプ29及びオイルフィルタ30等を含んで、ヘッ
ド油路33、油孔51、第1のシャフト油路50及び中
心孔45a等により、VVT25の第1の油圧室48に
油圧を供給するための油圧供給系が構成されている。同
じく、オイルパン28、油圧ポンプ29及びオイルフィ
ルタ30等を含んで、ヘッド油路33、第2のシャフト
油路53及び油孔54,55等により、VVT25の第
2の油圧室49に油圧を供給するための油圧供給系が構
成されている。ここで、ヘッド油路33に通じる各油圧
供給系の途中には、リニアソレノイドバルブ(LSV)
56が設けられている。このLSV56は電磁式の四方
弁であり、その開度はデューティ制御される。そして、
その制御によりVVT25の各油圧室48,49に対す
る油圧の供給が制御される。このLSV56は、図3に
示すように、オイルパン28、油圧ポンプ29及びオイ
ルフィルタ30に接続されている。
【0033】図4〜図7に示すように、LSV56のケ
ーシング57には、第1のポート58、第2のポート5
9、第3のポート60、第4のポート61及び第5のポ
ート62が設けられている。第1のポート58は、ベア
リングキャップ27に形成された油孔63を通じて一方
のジャーナル溝31に連通されている。第2のポート5
9は、同じくベアリングキャップ27に形成された油孔
64を通じて他方のジャーナル溝32に連通されてい
る。第3及び第4のポート60,61は、同じくベアリ
ングキャップ27に形成された油孔65を介してオイル
パン28に通じている。第5のポート62は、ヘッド油
路33及びオイルフィルタ30等を介して油圧ポンプ2
9の吐出側に連通されている。ケーシング57の内部に
は、スプール66が設けられている。このスプール66
は円筒状の4つの弁体66aを備えたくし形をなし、そ
の軸方向へ往復動可能に設けられている。このスプール
66は、同じくケーシング57に設けられたスプリング
67及び電磁ソレノイド68の作動により軸方向へ移動
される。
【0034】そして、図7に示すように、LSV56の
スプール66が、同図左方向へ移動されることにより、
第5のポート62が第1のポート58に連通されると共
に、第2のポート59が第4のポート61に連通され
る。この作動により、ヘッド油路33に供給された油圧
が、LSV56から油孔63、ジャーナル溝31、油孔
51、第1のシャフト油路50及び中心孔45aを通じ
て第1の油圧室48に供給される。この油圧がリングギ
ヤ47の一端に加えられることにより、リングギヤ47
が第2の油圧室49に残る潤滑油に抗して軸方向へ移動
されながら回動して、カムシャフト10に捩じりが付与
される。この結果、カムシャフト10とハウジング34
との回転方向における相対位置が変えら、吸気バルブ
8の開閉タイミングが進角される。即ち、図8(b)に
示すように、吸気バルブ8の開き・閉じが早められ、吸
気行程における吸気バルブ8と排気バルブ9とのバルブ
オーバラップが大きくなる方向へ変えられる。このよう
に、第1の油圧室48に油圧が供給されることにより、
リングギヤ47はそのストロークエンドとして、図6に
示すように、タイミングプーリ12に近接する位置まで
移動され、そのストロークエンドが最大進角側の位置と
なる。
【0035】一方、図5に示すように、LSV56のス
プール66が、同図右方向へ移動されることにより、第
5のポート62が第2のポート59に連通されると共
に、第1のポート58が第3のート60に連通され
る。この作動により、ヘッド油路33に供給された油圧
が、LSV56から油路64、ジャーナル溝32、第2
のシャフト油路53及び油孔54,55を通じて第2の
油圧室49に供給される。この油圧がリングギヤ47の
他端に加えられることにより、リングギヤ47が第1の
油圧室48に残る潤滑油に抗して軸方向へ移動されなが
ら回動され、カムシャフト10に反対方向の捩じりが付
与される。この結果、吸気バルブ8の開閉タイミングが
遅角される。即ち、図8(a)に示すように、吸気バル
ブ8の開き・閉じが遅らされ、吸気行程におけるバルブ
オーバラップが無くなる方向へ変えられる。このよう
に、第2の油圧室49に油圧が加えられることにより、
リングギヤ47はストロークエンドとして、図4に示す
ように、カバー35に近接する位置まで移動され、その
ストロークエンドが最大遅角側の位置となる。
【0036】ここで、この実施例のLSV56につい
て、そのLSV56がデューティ制御される際のデュー
ティ比DUTYに対するVVT25の駆動速度、つまり
はVVT25の作動によるカムシャフト10の回転位相
変化速度の特性を図9のグラフに示す。このグラフから
も明らかなように、「50%」前後のデューティ比DU
TYでは、VVT25の駆動速度が「0」となり、VV
T25におけるリングギヤ47が任意の中立位置に保持
される。又、「50%」前後のデューティ比DUTYを
中心に、それよりもデューティ比DUTYの値が小さく
なるに連れて、遅角側におけるVVT25の駆動速度が
速くなる。更に、「50%」前後のデューティ比DUT
Yを中心に、それよりもデューティ比DUTYの値が大
きくなるに連れて、進角側におけるVVT25の駆動速
度が速くなる。
【0037】上記のようにVVT25が構成されてお
り、同VVT25を駆動させることにより、吸気バルブ
8の開閉タイミングが変更され、吸気バルブ8と排気バ
ルブ9とのバルブオーバラップが変更される。この実施
例では、バルブオーバラップが、図8(a)に示す最大
遅角時の状態と、図8(b)に示す最大進角時の大きさ
との間で連続的に変更可能である。
【0038】ここで、この実施例では、図3に示すよう
に、吸気側カムシャフト10に対応して、カム回転角セ
ンサ78が設けられている。このカム回転角センサ78
では、カムシャフト10の実際の回転位相を示す回転角
(カム回転角)θCAMが所定の割合で検出される。即
ち、このカム回転角センサ78は周知のマグネットピッ
クアップタイプよりなり、カムシャフト10上には複数
の突起が周方向へ等間隔で配列され、各突起に対向して
ピックアップが配置されている。そして、カム回転角セ
ンサ78では、カムシャフト10の回転時に各突起がピ
ックアップを横切る際の起電力が、カム回転角θCAM
を示すパルス信号として出力される。
【0039】そして、図3に示すように、各インジェク
タ16、イグナイタ22、ISCV24及びLSV56
は電子制御装置(以下単に「ECU」という)80に電
気的に接続されている。この実施例では、ECU80に
より制御目標値算出手段、通常時駆動制御手段、故障診
断手段、故障時駆動制御手段、第1の駆動速度設定手段
及び第2の駆動速度設定手段が構成されている。又、E
CU80には前述した吸気温センサ71、スロットルセ
ンサ72、吸気圧センサ73、酸素センサ74、水温セ
ンサ75、回転数センサ76、気筒判別センサ77及び
カム回転角センサ78がそれぞれ接続されている。そし
て、ECU80はこれら各センサ71〜78からの出力
信号に基づき、各インジェクタ16、イグナイタ22、
ISCV24及びLSV56を好適に駆動制御する。
又、この実施例では、スロットルセンサ72、吸気圧セ
ンサ73及び回転数センサ76等により、バルブタイミ
ングの制御に必要なエンジン1の運転状態を検出するた
めの運転状態検出手段が構成されている。
【0040】次に、上記のECU80に係る電気的構成
について図10のブロック図に従って説明する。ECU
80は中央処理装置(CPU)81、所定の制御プログ
ラム等を予め記憶した読み出し専用メモリ(ROM)8
2、CPU81の演算結果等を一時記憶するためのラン
ダムアクセスメモリ(RAM)83、予め記憶されたデ
ータを保存するためのバックアップRAM84等を備え
ている。そして、ECU80はそれら各部材81〜84
と、アナログ/デジタル変換器を含む外部入力回路85
と、外部出力回路86等とをバス87により接続してな
る理論演算回路として構成されている。
【0041】外部入力回路85には、前述した各センサ
71〜78等がそれぞれ接続されている。外部出力回路
86には、各インジェクタ16、イグナイタ22、IS
CV24及びLSV56がそれぞれ接続されている。そ
して、CPU81は外部入力回路85を介して入力され
る各センサ71〜78等の検出信号を入力値として読み
込む。又、CPU81は各センサ71〜78から読み込
んだ入力値に基づき、燃料噴射量制御、点火時期制御、
アイドル回転数制御、及びバルブタイミング制御等を実
行するために、各インジェクタ16、イグナイタ22、
ISCV24及びLSV56等を好適に制御する。
【0042】次に、前述したECU80により実行され
る各種制御の中で、バルブタイミング制御の処理内容に
つて説明する。図11はエンジン1の運転時に、吸気バ
ルブ8の開閉タイミングを変更させるためにECU80
により実行される「バルブタイミング制御ルーチン」を
示すフローチャートである。このルーチンの処理は、所
定時間毎の定時割り込みで実行される。
【0043】処理がこのルーチンへ移行すると、先ずス
テップ100において、各センサ72,73,76,7
8等の検出値に基づきスロットル開度TA、吸気圧P
M、エンジン回転数NE及びカム回転角θCAM等に係
る各入力値をそれぞれ読み込む。併せて、故障診断フラ
グXFAILを読込む。この故障診断フラグXFAIL
は後述する「故障診断ルーチン」にて設定されるもので
あり、VVT25の制御系を構成するカム回転角センサ
78が正常である場合に「0」に設定される。
【0044】続いて、ステップ101においては、故障
診断フラグXFAILが「0」であるか否かを判断す
る。ここで、故障診断フラグXFAILが「0」でない
場合には、カム回転角センサ78が故障しているものと
して、通常時のバルブタイミング制御を実行することな
く、その後の処理を一旦終了する。これに対し、故障診
断フラグXFAILが「0」である場合には、カム回転
角センサ78が正常であることから、通常時のバルブタ
イミング制御を実行するものとして、ステップ102へ
移行する。
【0045】ステップ102においては、エンジン回転
数NEの入力値が所定の基準値N1よりも小さいか否か
を判断する。この基準値N1はエンジン1のアイドリン
グ時等における低い回転数に相当する。ここで、エンジ
ン回転数NEの値が基準値N1よりも小さい場合には、
ステップ103へ移行する。そして、ステップ103に
おいて、図8(a)に示すようにバルブオーバラップが
無くなるように、即ち吸気バルブ8の開閉タイミングが
最大遅角側のタイミングとなるようにLSV56をデュ
ーティ制御し、その後の処理を一旦終了する。
【0046】一方、ステップ102において、エンジン
回転数NEの値が基準値N1よりも小さくない場合に
は、ステップ104へ移行する。そして、ステップ10
4において、スロットル開度TA及びエンジン回転数N
E等の入力値に基づき、現在の運転状態に応じた目標の
バルブタイミング進角値θVTAを算出する。このバル
ブタイミング進角値θVTAは、スロットル開度TA及
びエンジン回転数NE等の大きさに応じて予め定められ
た図示しない進角値マップを参照して求められる。
【0047】又、ステップ105においては、LSV5
6を制御するための目標制御量DVを、タイミング進角
値θVTAの算出値に基づいて算出する。この目標制御
量DVは、バルブタイミング進角値θVTAの大きさに
応じて予め定められた図示しない制御量マップを参照し
て求められる。
【0048】そして、ステップ106において、目標制
御量DVの算出値に基づきLSV56をデューティ制御
する。この制御により、VVT25の駆動が制御され、
もってバルブオーバラップがエンジン1の運転状態に応
じて好適な状態に調整される。
【0049】その後、ステップ107において、実際の
カム回転角θCAMの値が目標のバルブタイミング進角
値θVTAの値と一致しているか否かを判断する。そし
て、カム回転角θCAMの値がバルブタイミング進角値
θVTAの値と一致していない場合には、LSV56の
制御を継続するものとして、ステップ106へジャップ
し、ステップ106,107の処理を繰り返す。カム回
転角θCAMの値がバルブタイミング進角値θVTAと
一致している場合には、LSV56の制御を終了するも
のとして、その後の処理を一旦終了する。
【0050】尚、このルーチンにおいて、LSV56の
デューティ制御は「0%」のデューティ比DUTYをも
って行われる。この「0%」のデューティ比DUTY
は、LSV56をデューティ制御するための初期値であ
る。
【0051】以上が通常時におけるバルブタイミング制
御の処理内容である。この実施例では、カム回転角セン
サ78より得られる実際のカム回転角θCAMに基づ
き、VVT25がフィードバック制御されることから、
バルブタイミングの制御精度を向上させることができ
る。
【0052】一方、この実施例では、VVT25の制御
系に係る故障が診断され、故障である場合には、エンジ
ン1で一定の運転性能を確保するためのバルブタイミン
グ制御が実行される。特に、この実施例では、VVT2
5の制御系として、VVT25のフィードバック制御の
ために用いられるカム回転角センサ78の故障に対処す
るようになっている。
【0053】即ち、図12はエンジン1の運転時に、カ
ム回転角センサ78の故障を診断するためにECU80
により実行される「故障診断ルーチン」を示すフローチ
ャートである。このルーチンの処理は、所定時間毎の定
時割り込みで実行される。
【0054】処理がこのルーチンへ移行すると、先ずス
テップ201において、回転数センサ76及びカム回転
角センサ78の検出値に基づき、エンジン回転数NE及
びカム回転角θCAMに係る各入力値をそれぞれ読み込
む。続いて、ステップ202において、エンジン回転数
NEの入力値が所定の基準値N2以上であるか否かを判
断する。この基準値N2はカムシャフト10がクランク
シャフトに連動して確実に回転していることを判断し得
る値であり、例えば「500rpm」の値が当てはめら
れる。ここで、エンジン回転数NEの値が基準値N2以
上でない場合には、エンジン1が停止状態に近いものと
して、ステップ203へ移行する。そして、ステップ2
03において、カム回転角θCAMの値を前回のカム回
転角θCAMaとして設定する。
【0055】続いて、ステップ204において、カム回
転角センサ78が正常であるものとして、故障診断フラ
グXFAILを「0」に設定する。又、故障時のバルブ
タイミング制御を実行しないものとして、故障時制御実
行フラグXVOLを「0」に設定し、その後の処理を一
旦終了する。
【0056】これに対し、ステップ202において、エ
ンジン回転数NEの値が基準値N2以上である場合に
は、エンジン1が確実に運転されているものとして、ス
テップ205へ移行する。そして、ステップ205にお
いて、カム回転角センサ78からの入力値に基づき、エ
ンジン1の1回転当たりに得られるパルス信号数NPU
LSEが1個以上あるか否かを判断する。ここで、パル
ス信号数NPULSEが1個以上である場合には、カム
回転角センサ78が正常であるものと判断してステップ
203へ移行して、前述したステップ203,204の
処理を実行し、その後の処理を一旦終了する。
【0057】一方、ステップ205において、パルス信
号数NPULSEが1個以上でない場合には、カム回転
角センサ78が故障しているものと判断して、ステップ
206へ移行する。そして、ステップ206において、
前回のカム回転角θCAMaの値をカム回転角センサ7
8が故障する直前の実進角値THTCAMとして設定す
る。
【0058】続いて、ステップ207において、カム回
転角センサ78が故障していることから、故障診断フラ
グXFAILを「1」に設定する。又、故障時のバルブ
タイミング制御を実行するものとして、故障時制御実行
フラグXVOLを「1」に設定し、その後の処理を一旦
終了する。
【0059】上記のようにしてカム回転角センサ78に
係る故障が診断される。そして、この実施例では、上記
の故障時制御実行フラグXVOL等に基づき、VVT2
5の駆動速度を切替えるための制御が実行される。
【0060】即ち、図13はエンジン1の運転時にEC
U80により実行される「駆動速度切替えルーチン」を
示すフローチャートである。このルーチンの処理は、所
定時間毎の定時割り込みで実行される。
【0061】処理がこのルーチンへ移行すると、先ずス
テップ301において、吸気圧センサ73の検出値に基
づき吸気圧PMに係る入力値を読み込む。又、前述した
「故障診断ルーチン」にて設定される故障時制御実行フ
ラグXVOL及び実進角値THTCAMをそれぞれ読込
む。更に、アイドルフラグXIDLを読込む。このアイ
ドルフラグXIDLは、別途の処理ルーチンにて設定さ
れるものであり、スロットルバルブ17が全閉状態とな
ってスロットルセンサ72よりアイドル信号IDLが入
力されることにより「1」に設定されるものである。
【0062】続いて、ステップ302においては、故障
時制御実行フラグXVOLが「1」であるか否かを判断
する。ここで、同フラグXVOLが「1」でない場合に
は、故障時のバルブタイミング制御を実行しないものと
して、そのままその後の処理を一旦終了する。一方、同
フラグXVOLが「1」である場合には、故障時のバル
ブタイミング制御を実行するものとして、ステップ30
3へ移行する。
【0063】ステップ303においては、VVT25の
駆動速度を切替えるための切替フラグXDUTYが
「1」であるか否かを判断する。この切替フラグXDU
TYは、後述する各ステップ307,308にて設定さ
れるものであり、駆動速度を速める場合に「1」に、駆
動速度を遅くする場合に「0」に設定される。又、この
切替フラグXDUTYの初期値は「0」である。そし
て、同ステップ303において、切替フラグXDUTY
が「1」である場合には、そのままその後の処理を一旦
終了する。切替フラグXDUTYが「1」でない場合に
は、ステップ304へ移行する。
【0064】ステップ304においては、実進角値TH
TCAMが所定の基準値A1よりも大きいか否かを判断
する。この基準値A1はカムシャフト10の実際の回転
位相が進角側であるか否かを判断するための値であり、
例えば「30°CA」の値が当てはめられる。ここで、
実進角値THTCAMが所定の基準値A1よりも大きく
ない場合には、カムシャフト10の回転位相が遅角側に
あるものとして、そのままステップ307へ移行する。
そして、ステップ307において、VVT25の駆動速
度を速めるべく切替フラグXDUTYを「1」に設定
し、その後の処理を一旦終了する。つまり、各ステップ
304,307の一連の処理では、カムシャフト10の
実際の回転位相が遅角側にある場合に、他の処理行う
ことなく、直ちに切替フラグXDUTYを「1」に設定
するのである。
【0065】一方、ステップ304において、実進角値
THTCAMが所定の基準値A1よりも大きい場合に
は、カムシャフト10の回転位相が進角側にあるものと
して、ステップ305へ移行する。そして、ステップ3
05おいて、アイドルフラグXIDLが「1」であるか
否かを判断する。ここで、アイドルフラグXIDLが
「1」である場合には、エンジン1がアイドリング状態
にあるものとしてステップ307へ移行し、VVT25
の駆動速度を速めるべく切替フラグXDUTYを「1」
に設定し、その後の処理を一旦終了する。
【0066】ステップ305において、アイドルフラグ
XIDLが「1」でない場合には、エンジン1が過渡運
転状態であるものとして、ステップ306へ移行する。
そして、ステップ306において、吸気圧PMの値が所
定の基準値P1よりも小さいか否かを判断する。この基
準値P1はエンジン1の運転が減速状態にあるか否かを
判断するための値であり、例えば「200mmHg.a
bs」の値が当てはめられる。ここで、吸気圧PMの値
が基準値P1よりも小さい場合には、エンジン1が減速
運転状態にあるものとしてステップ307へ移行し、切
替フラグXDUTYを「1」に設定してその後の処理を
一旦終了する。
【0067】一方、ステップ306において、吸気圧P
Mの値が基準値P1よりも小さくない場合には、エンジ
ン1が加速運転状態であるものとして、ステップ308
へ移行する。そして、ステップ308において、VVT
25の駆動速度を遅くすべく切替フラグXDUTYを
「0」に設定し、その後の処理を一旦終了する。
【0068】ここで、この実施例において、切替フラグ
XDUTYの設定に対応して設定される関連特性を表1
に示す。
【0069】
【表1】
【0070】上記のようにしてVVT25の駆動速度に
係る切替えが行われる。そして、この実施例では、上記
の切替フラグXDUTY等に基づき、故障時のバルブタ
イミング制御が実行される。
【0071】即ち、図14はエンジン1の運転時であっ
て、カム回転角センサ78の故障に対処すべくECU8
0により実行される「故障時バルブタイミング制御ルー
チン」を示すフローチャートである。このルーチンの処
理は、所定時間毎の定時割り込みで実行される。
【0072】処理がこのルーチンへ移行すると、先ずス
テップ401において、前述した「故障診断ルーチン」
にて設定される故障時制御実行フラグXVOLを読み込
む。併せて、前述した「駆動速度切替ルーチン」にて設
定される切替フラグXDUTYを読み込む。
【0073】続いて、ステップ402においては、故障
時制御実行フラグXVOLが「1」であるか否かを判断
する。ここで、同フラグXVOLが「1」でない場合に
は、故障時のバルブタイミング制御を実行しないものと
して、そのままその後の処理を一旦終了する。一方、同
フラグXVOLが「1」である場合には、故障時のバル
ブタイミング制御を実行するものとして、ステップ40
3へ移行する。
【0074】ステップ403においては、切替フラグX
DUTYが「1」であるか否かを判断する。ここで、切
替フラグXDUTYが「1」である場合には、VVT2
5の駆動速度を速くするために、ステップ404におい
て、LSV56の制御のためのデューティ比DUTYを
「0%」に設定する。
【0075】そして、ステップ404から移行してステ
ップ406において、図8(a)に示すようにバルブオ
ーバラップが無くなるように「0%」のデューティ比D
UTYをもってLSV56を制御し、その後の処理を一
旦終了する。
【0076】一方、ステップ403において、切替フラ
グXDUTYが「1」でない場合には、VVT25の駆
動速度を遅くするために、ステップ405において、L
SV56の制御のためのデューティ比DUTYを「35
%」に設定する。
【0077】そして、ステップ405から移行してステ
ップ406において、図8(a)に示すようにバルブオ
ーバラップが無くなるように「35%」のデューティ比
DUTYをもってLSV56を制御し、その後の処理を
一旦終了する。
【0078】上記のようにして、カム回転角センサ78
の故障時におけるバルブタイミング制御が実行される。
以上説明したように、この実施例では、吸気バルブ8に
係るバルブタイミングがエンジン1の運転状態に応じて
制御される。そして、VVT25のフィードバック制御
に使用されるカム回転角センサ78が正常な場合には、
エンジン1のアイドリング時等を除いて、エンジン1の
負荷状態等の違いに応じてバルブタイミングが細かに制
御される。具体的には、スロットル開度TA及びエンジ
ン回転数NE等の入力値に基づき、目標とすべきバルブ
タイミング進角値θVTAが算出される。又、そのバル
ブタイミング進角値θVTAの値に応じた目標制御量D
Vの値が算出される。そして、その目標制御量DVの値
に基づきLSV56が制御され、VVT25に対する油
圧の供給が制御されてVVT25の駆動が制御される。
この制御により、吸気バルブ8の開閉タイミングがエン
ジン1の運転状態に応じて所定範囲内で連続的に変更さ
れ、もってバルブオーバラップが所定範囲内で連続的に
調整される。
【0079】従って、エンジン1の運転状態に応じてバ
ルブオーバラップが適度に調整されることから、燃焼室
4での空気の充填効率が必要に応じて高められる。その
結果、特にエンジン1の高負荷・高速域では、エンジン
1の出力増大を有効に図ることができる。又、バルブオ
ーバラップの適度な調整により、燃焼室4より排出され
るべき排気ガスが必要に応じて適度な量だけ燃焼室4に
再吸入される。即ち、エンジン1の内部EGRが適度に
行われる。その結果、エンジン1の運転負荷域に応じて
排気ガス中の窒素酸化物を適宜に低減させることがで
き、内部EGRにより有効な排気浄化を図ることができ
る。
【0080】一方、この実施例では、アイドリング状態
のようにエンジン1が低負荷状態にある場合には、バル
ブオーバラップが無くなるようにVVT25の駆動が制
御される。このため、バルブオーバラップが大き過ぎて
燃焼室4から吸気ポート6aへの排気の吹き返しが起こ
ることがなくなり、低負荷状態におけるエンジン1の運
転が不安定になることはない。
【0081】加えて、この実施例では、VVT25のフ
ィードバック制御のために用いられるカム回転角センサ
78の故障が診断される。そして、そのセンサ78の故
障が判断された場合には、故障時のバルブタイミング制
御として、バルブオーバラップを強制的に無くすように
VVT25の駆動が制御される。又、このときのVVT
25の駆動速度が、エンジン1の運転状態に応じて可変
設定される。具体的には、スロットルセンサ72及び吸
気圧センサ73の各検出値に基づき、そのときのエンジ
ン1の運転状態が判断される。そして、エンジン1がア
イドリング状態又は減速運転状態である場合には、VV
T25の駆動速度、つまりはバルブオーバラップの戻し
速度が速くなるように、LSV56のためのデューティ
比DUTYが「0%」に設定される。又、エンジン1が
加速運転状態にある場合には、VVT25の駆動速度、
つまりはバルブオーバラップの戻し速度が遅くなるよう
に、LSV56のためのデューティ比DUTYが「35
%」に設定される。
【0082】従って、カム回転角センサ78の故障時に
は、バルブオーバラップが無くなることから、エンジン
1が低負荷状態となってもバルブオーバラップが大き過
ぎることはなく、エンジン1の運転が不安定になること
はない。又、そのときのバルブオーバラップの戻し速度
が、エンジン1の運転状態の違いによって遅過ぎたり、
速過ぎたりすることはない。
【0083】その結果、エンジン1の加速運転時や定常
運転時に、バルブオーバラップが大きい状態で、万が
一、カム回転角センサ78が故障した場合には、バルブ
オーバラップが比較的ゆっくりと無くなる。このため、
運転者の意に反して、エンジン1の出力トルクが急激に
変化することがなく、運転上の違和感を防止することが
できる。又、エンジン1の減速運転時やアイドリング時
に、バルブオーバラップが小さい状態で、万が一、カム
回転角センサ78が故障した場合には、バルブオーバラ
ップが比較的速やかに無くなる。このため、エンジン1
のラフアイドルやエンストを防止することができる。更
には、バルブオーバラップが大きい状態で、万が一、カ
ム回転角センサ78が故障して、バルブオーバラップが
比較的ゆっくりと戻されているときに、エンジン1が減
速運転やアイドリングへ移行したとする。この時、バル
ブオーバラップは、直ちに速い戻り速度へ切替えられる
ことから、エンジン1のラフアイドルやエンストを防止
することができる。つまり、カム回転角センサ78の故
障が判断された場合には、バルブオーバラップを無くす
ことによりエンジン1で一定の運転性能を確保すること
ができ、そのための制御を、エンジン1のドライバビリ
ティを悪化させることなく良好に行うことができる。
【0084】しかも、この実施例では、上記のようにV
VT25の駆動速度が、エンジン1の運転状態の違いに
応じて設定される前に、カム回転角センサ78の故障直
前における実進角値THTCAMに基づきVVT25の
駆動速度が可変設定される。具体的には、実進角値TH
TCAMが基準値A1より大きくない場合には、VVT
25の駆動速度、つまりはバルブオーバラップの戻し速
度が速くなるように、LSV56のためのデューティ比
DUTYが「0%」に設定される。つまり、バルブオー
バラップの戻し速度が、そのときどきのエンジン1の運
転状態を判断することなくバルブタイミングの変更量
すなわちバルブオーバラップの大きさに応じて可変設定
される。
【0085】従って、VVT25の駆動速度を設定する
のに、各センサ72,73の検出値からエンジン1の運
転状態を判断する処理が省略されることになり、その分
だけ駆動速度の設定が速やかとなる。その結果、エンジ
ン1で一定の運転性能を確保するための制御を、エンジ
ン1のドライバビリティを悪化させることなく、かつ、
応答性良く行うことができる。
【0086】尚、この発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で構成の一部
を適宜に変更して次のように実施することもできる。 (1)前記実施例では、吸気側のカムシャフト10に設
けられたVVT25により吸気バルブ8の開閉タイミン
グのみを変更することにより、バルブオーバラップを調
整するようにした。これに対し、排気側のカムシャフト
11にVVTを設け、そのVVTにより排気バルブ9の
開閉タイミングのみを変更することにより、バルブオー
バラップを調整するようにしてもよい。或いは、吸気側
及び排気側の両カムシャフト10,11にVVTをそれ
ぞれ設け、それら各VVTにより吸気バルブ8、排気バ
ルブ9の開閉タイミングをそれぞれ変更することによ
り、バルブオーバラップを調整するようにしてもよい。
【0087】(2)前記実施例では、油圧により駆動さ
れるVVT25を用いたが、ステップモータ等の電気的
なアクチュエータにより駆動されるVVTを用いること
もできる。
【0088】(3)前記実施例では、カム回転角センサ
78の故障に際して、バルブオーバラップが無くなるよ
うにVVT25の駆動を制御するようにしたが、カム回
転角センサ78の故障に際して、バルブオーバラップが
ある程度小さくなるようにVVT25の駆動を制御する
ようにしてもよい。
【0089】(4)前記実施例では、カム回転角センサ
78の故障に際して、バルブオーバラップを無くす際の
VVT25の駆動速度を二段階に設定可能としたが、そ
のVVT25の駆動速度を三段階以上に設定可能として
もよい。
【0090】(5)前記実施例では、VVT25の駆動
速度がエンジン1の運転状態に応じて設定されるよりも
前に、カム回転角センサ78の故障直前における実進角
値THTCAMに基づいてVVT25の駆動速度を設定
するようにした。これに対し、VVT25の駆動速度が
エンジン1の運転状態に応じて設定されるよりも前に、
カム回転角センサ78の故障直前における目標とするバ
ルブタイミング進角値θVTAに基づいてVVT25の
駆動速度を可変設定するようにしてもよい。
【0091】(6)前記実施例では、VVT25の制御
系に係る故障として、VVT25のフィードバック制御
のために用いられるカム回転角センサ78の故障を診断
するようにした。これに対し、VVT25の制御系に係
る故障として、例えば目標とするバルブタイミング進角
値θVTAを算出するために使用されるスロットルセン
サ72や回転数センサ76の故障を診断するようにして
もよい。
【0092】(7)前記実施例では、VVT25の駆動
速度をエンジン1の運転状態に応じて可変設定すること
と、カム回転角センサ78の故障直前における実進角値
THTCAMに基づいて設定することとを共に具体化し
たが、それらを別々に具体化するようにしてもよい。
【0093】(8)前記実施例では、吸気バルブ8の開
閉タイミングを、所定の最進角側から最遅角側の範囲内
で連続的に変更可能なVVT25を適用したが、これに
限られるものではなく、吸気バルブの開閉タイミングを
所定の最進角側から最遅角側の範囲内で二段階に切換え
可能なVVTを適用するようにしてもよい。
【0094】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1に記載の
第1の発明によれば、内燃機関の運転状態に応じてバル
ブオーバラップを変更すべく、運転状態に応じて算出さ
れる制御目標値に基づき可変バルブタイミング機構の駆
動を制御するようにしている。又、可変バルブタイミン
グ機構の制御系に係る故障を診断し、その制御系に係る
故障である場合には、バルブオーバラップを強制的に小
さくすべく可変バルブタイミング機構の駆動を制御する
と共に、そのときの可変バルブタイミング機構の駆動速
を内燃機関の運転状態に応じて可変設定するようにし
ている。
【0095】従って、上記故障時に内燃機関が低負荷状
態となってもバルブオーバラップが大き過ぎることがな
く、内燃機関の運転が不安定な状態となることはない。
又、そのときのバルブオーバラップの変更速度が、内燃
機関の運転状態に応じて適切に設定されるようになる。
その結果、可変バルブタイミング機構の制御系に係る故
障が判断された場合に、内燃機関で一定の運転性能を確
保することができ、そのための制御を内燃機関のドライ
バビリティを悪化させることなく行うことができるとい
う優れた効果を発揮する。
【0096】又、請求項2に記載の第2の発明によれ
ば、内燃機関の運転状態に応じてバルブオーバラップを
変更すべく、運転状態に応じて算出される制御目標値に
基づき可変バルブタイミング機構の駆動を制御するよう
にしている。又、可変バルブタイミング機構の制御系に
係る故障を診断し、その制御系に係る故障である場合に
は、バルブオーバラップを強制的に小さくすべく可変バ
ルブタイミング機構の駆動を制御すると共に、そのとき
の可変バルブタイミング機構の駆動速度を故障判断時に
おけるバルブオーバラップの大きさに応じて可変設定す
るようにしている。
【0097】従って、上記故障時に内燃機関が低負荷状
態となってもバルブオーバラップが大き過ぎることがな
く、内燃機関の運転が不安定な状態となることはない。
又、そのときのバルブオーバラップの変更速度が、故障
判断時におけるバルブオーバラップの大きさに応じて適
切に設定されるようになる。その結果、可変バルブタイ
ミング機構の制御系に係る故障が判断された場合に、内
燃機関で一定の運転性能を確保することができ、そのた
めの制御を内燃機関のドライバビリティを悪化させるこ
となく行うことができるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の基本的な概念構成を示す概念構成
図である。
【図2】第2の発明の基本的な概念構成を示す概念構成
図である。
【図3】第1及び第2の発明を具体化した一実施例にお
ける内燃機関のバルブタイミング制御装置を含むガソリ
ンエンジンシステムを示す概略構成図である。
【図4】一実施例において、VVT等の構成を示す断面
図である。
【図5】一実施例において、LSVの構造を示す断面図
である。
【図6】一実施例において、同じくVVT等の構成を示
す断面図である。
【図7】一実施例において、同じくLSVの構造を示す
断面図である。
【図8】一実施例において、吸気バルブと排気バルブと
のバルブオーバラップを示す説明図である。
【図9】一実施例において、LSVがデューティ制御さ
れる際のデューティ比に対するVVTの駆動速度の特性
を示すグラフである。
【図10】一実施例において、ECU等の構成を示すブ
ロック図である。
【図11】一実施例において、ECUにより実行される
「バルブタイミング制御ルーチン」を示すフローチャー
トである。
【図12】一実施例において、ECUにより実行される
「故障診断ルーチン」を示すフローチャートである。
【図13】一実施例において、ECUにより実行される
「駆動速度切替ルーチン」を示すフローチャートであ
る。
【図14】一実施例において、ECUにより実行される
「故障時バルブタイミング制御ルーチン」を示すフロー
チャートである。
【符号の説明】
1…内燃機関としてのエンジン、4…燃焼室、6…吸気
通路、7…排気通路、8…吸気バルブ、9…排気バル
ブ、25…可変バルブタイミング機構(VVT)、72
…スロットルセンサ、73…吸気圧センサ、76…回転
数センサ(72,73,76等により運転状態検出手段
が構成されている)、78…カム回転角センサ(78は
VVTの制御系の構成要素である)、80…ECU(8
0により制御目標値算出手段、通常時駆動制御手段、故
障診断手段、故障時駆動制御手段、第1の駆動速度設定
手段及び第2の駆動速度設定手段が構成されている)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−150409(JP,A) 特開 平2−102347(JP,A) 特開 平6−212928(JP,A) 特開 平6−317115(JP,A) 特開 平4−234541(JP,A) 特開 平3−286169(JP,A) 実開 昭62−160708(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 13/02 F01L 1/34

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の回転に同期して所定のタイミ
    ングで駆動され、燃焼室に通じる吸気通路及び排気通路
    をそれぞれ開閉するための吸気バルブ及び排気バルブ
    と、 前記吸気バルブ及び前記排気バルブの少なくとも一方の
    開閉タイミングを、所定の範囲内で可変とするために駆
    動される可変バルブタイミング機構と、 前記内燃機関の運転状態を検出するための運転状態検出
    手段と、 前記内燃機関の運転状態に応じてバルブタイミングを変
    更するために、前記運転状態検出手段の検出結果に基づ
    きバルブタイミングの制御目標値を算出するための制御
    目標値算出手段と、 前記制御目標値算出手段の算出結果に基づき、前記吸気
    バルブと前記排気バルブとのバルブオーバラップを変更
    すべく前記可変バルブタイミング機構の駆動を制御する
    ための通常時駆動制御手段と、 前記可変バルブタイミング機構の制御系に係る故障を診
    断するための故障診断手段と、 前記故障診断手段により前記制御系に係る故障と判断さ
    れた場合に、前記バルブオーバラップを強制的に小さく
    すべく前記可変バルブタイミング機構の駆動を制御する
    ための故障時駆動制御手段と を備えた内燃機関のバルブタイミング制御装置におい
    て、 前記故障診断手段により前記制御系に係る故障と判断さ
    れた場合に、前記故障時駆動制御手段により制御される
    前記可変バルブタイミング機構の駆動速度を前記運転状
    態検出手段により検出される運転状態に応じて可変設定
    するための第1の駆動速度設定手段を設けたことを特徴
    とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  2. 【請求項2】 内燃機関の回転に同期して所定のタイミ
    ングで駆動され、燃焼室に通じる吸気通路及び排気通路
    をそれぞれ開閉するための吸気バルブ及び排気バルブ
    と、 前記吸気バルブ及び前記排気バルブの少なくとも一方の
    開閉タイミングを、所定の範囲内で可変とするために駆
    動される可変バルブタイミング機構と、 前記内燃機関の運転状態を検出するための運転状態検出
    手段と、 前記内燃機関の運転状態に応じてバルブタイミングを変
    更するために、前記運転状態検出手段の検出結果に基づ
    きバルブタイミングの制御目標値を算出するための制御
    目標値算出手段と、 前記制御目標値算出手段の算出結果に基づき、前記吸気
    バルブと前記排気バルブとのバルブオーバラップを変更
    すべく前記可変バルブタイミング機構の駆動を制御する
    ための通常時駆動制御手段と、 前記可変バルブタイミング機構の制御系に係る故障を診
    断するための故障診断手段と、 前記故障診断手段により前記制御系に係る故障と判断さ
    れた場合に、前記バルブオーバラップを強制的に小さく
    すべく前記可変バルブタイミング機構の駆動を制御する
    ための故障時駆動制御手段と を備えた内燃機関のバルブタイミング制御装置におい
    て、 前記故障診断手段により前記制御系に係る故障と判断さ
    れた場合に、前記故障時駆動制御手段により制御される
    前記可変バルブタイミング機構の駆動速度を故障判断時
    におけるバルブオーバラップの大きさに応じて可変設定
    するための第2の駆動速度設定手段を設けたことを特徴
    とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
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