JP3346248B2 - 可変バルブタイミング機構付き内燃機関の可変気筒制御装置 - Google Patents

可変バルブタイミング機構付き内燃機関の可変気筒制御装置

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JP3346248B2
JP3346248B2 JP30457297A JP30457297A JP3346248B2 JP 3346248 B2 JP3346248 B2 JP 3346248B2 JP 30457297 A JP30457297 A JP 30457297A JP 30457297 A JP30457297 A JP 30457297A JP 3346248 B2 JP3346248 B2 JP 3346248B2
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可変バルブタイミ
ング機構付き内燃機関の可変気筒制御装置に関し、特
に、内燃機関に複数設けられたバンクの各々において吸
気バルブおよび排気バルブの一方または両方のバルブタ
イミングを調整する可変バルブタイミング機構を備える
と共に、運転状況に応じて減筒運転を行う内燃機関の可
変気筒制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】トラクションコントロールにおいて、車
輪が空転したことを検出し、車速、内燃機関の吸入空気
量、車輪の空転度合等により、内燃機関の減筒気筒数を
決定し、該当する数の気筒に対してフューエルカットを
実行し、車輪の空転を低減するシステムが知られてい
る。
【0003】このような減筒処理は、V型エンジンなど
のようにバンクが複数存在する内燃機関においても、バ
ンクの所属に関係なく、適宜、減筒対象となる気筒を選
択して、フューエルカットを実行していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】内燃機関において、吸
気バルブや排気バルブのバルブタイミングを調整して、
運転状態に応じて内燃機関を効率的に運転するために、
可変バルブタイミング機構を備える内燃機関が知られて
いる。このような可変バルブタイミング機構は、V型エ
ンジンなどのようにバンクが複数ある場合には、各々の
バンク毎に、可変バルブタイミング機構を設けることに
より、効率的な運転を実現している。
【0005】しかし、従来の減筒制御では、前述したご
とく、バンクに関わらず適宜、減筒対象の気筒を設定し
てフューエルカットなどの減筒処理を行っていたため、
もしいずれかの可変バルブタイミング機構が故障した場
合には、初期に減筒対象となる気筒が、正常な方の可変
バルブタイミング機構が取り付けられたバンクに属する
気筒である場合が発生する。
【0006】このように正常なバルブタイミングが実行
されているバンクに属する気筒が初期に減筒されると、
正常にトルクが発生しているバンク側の出力が無くなる
ために、バルブタイミングが適切でなく異常に低いトル
クが生じているバンク側の出力の割合が大きくなる。こ
のため、全体としてトルク出力が異常に低減し、最悪の
場合、エンジンストールに至ることがある。
【0007】従来、可変バルブタイミング機構が故障し
た場合、トルク変動を防止するために、故障していない
方の可変バルブタイミング機構を故障している方のバル
ブタイミングに適合させるもの(特開平4−63922
号公報)は知られているが、上述した減筒処理における
問題点を解決するものは知られていない。
【0008】本発明は、減筒する場合、異常となった可
変バルブタイミング機構が設けられているバンクの気筒
を優先的に減筒対象とすることにより、異常なトルクの
低下を防止することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の可変バル
ブタイミング機構付き内燃機関の可変気筒制御装置は、
内燃機関に複数設けられたバンクの各々において吸気バ
ルブおよび排気バルブの一方または両方のバルブタイミ
ングを調整する可変バルブタイミング機構を備えると共
に、運転状況に応じて減筒運転を行う内燃機関の可変気
筒制御装置であって、前記可変バルブタイミング機構の
各々におけるバルブタイミングの可変調整が異常である
か否かを検出するバルブタイミング調整異常検出手段
と、前記バルブタイミング調整異常検出手段にて異常で
あると検出された可変バルブタイミング機構が調整して
いるバンクに属している気筒を、優先的に前記減筒運転
における減筒の対象とする減筒選択手段と、を備えたこ
とを特徴とする。
【0010】このように、減筒選択手段は、異常である
と検出された可変バルブタイミング機構が調整している
バンクに属している気筒を、優先的に前記減筒運転にお
ける減筒の対象としているため、正常なトルク出力をし
ている気筒は異常な気筒がすべて減筒されるまで残され
るので、減筒処理時に必要以上にトルクが低下すること
がなく、内燃機関を所望の運転状態に維持でき、エンジ
ンストールを防止することができる。
【0011】請求項2に示したごとく、例えば、前記内
燃機関は、車両を駆動するための出力機関として用いら
れるものであるとすると、前記運転状況とは、例えば、
前記車両および前記内燃機関の一方または両方の運転状
況である。このように、車両駆動用の内燃機関に、本発
明を適用することにより、減筒処理を行っても車両の走
行に異常を生じさせることがない。例えば、車両の運転
状況とは、車速の程度や車輪の空転度合いなどであり、
内燃機関の運転状況とは、吸入空気量等である。
【0012】請求項3に示したごとく、前記減筒選択手
段は、次のように構成してもよい。すなわち、減筒対象
数が、前記バルブタイミング調整異常検出手段にて異常
であると検出された可変バルブタイミング機構が調整し
ているバンクに属している気筒数以内の場合は、該バン
クの気筒のみを減筒の対象とし、減筒対象数が、前記バ
ルブタイミング調整異常検出手段にて異常であると検出
された可変バルブタイミング機構が調整しているバンク
に属している気筒数を越えた場合は、越えた気筒数につ
いては、前記バルブタイミング調整異常検出手段にて異
常でないと検出された可変バルブタイミング機構が調整
しているバンクに属している気筒を減筒の対象とする。
【0013】このことにより、異常のあるバンク側の気
筒を、優先的に減筒の対象とすることができる。なお、
前記可変バルブタイミング機構としては特に限定しない
が、例えば、2つの回転軸の内の一方の回転軸に連動す
る第1回転体と、前記2つの回転軸の内の他方の回転軸
に連動する第2回転体とを備え、前記第1回転体と前記
第2回転体との間の相対回動により、前記2つの回転軸
間の回転位相差を許容領域内で可変設定可能とする構成
としてもよい。このような構成により、内燃機関を無段
階にバルブタイミングを切り替えさせることができる。
これ以外に、例えば、吸気バルブや排気バルブのカム
を、複数のカムの内から選択して切り替えることによ
り、ステップ的にバルブタイミングを切り替えるもので
あってもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は本実施の形態が適用される
ガソリンエンジンシステムを示す概略構成図である。
【0015】内燃機関としてのV型6気筒エンジン10
は、複数のシリンダが図面を垂直方向に見てV字状に形
成されているシリンダブロック11と、シリンダブロッ
ク11の上部にそれぞれ連結される左側シリンダヘッド
12L、右側シリンダヘッド12Rとを備え、左側気筒
群LSと右側気筒群RSを形成している。以下、これら
気筒群をバンクと称する。なお、図6に示すごとく、左
側バンクLSには2番目(#2)、4番目(#4)およ
び6番目(#6)の気筒が属し、右側バンクRSには1
番目(#1)、3番目(#3)および5番目(#5)の
気筒が属する。
【0016】また、エンジン10は、シリンダブロック
11の各シリンダ内を略上下方向に往復移動するピスト
ン13を備え、各ピストン13の下端部にはクランクシ
ャフト14が連結されており、各ピストン13が上下動
することによりクランクシャフト14が回転させられ
る。
【0017】また、クランクシャフト14の近傍には、
クランク角センサ40が配設されており、クランク角セ
ンサ40は、クランクシャフト14に連結されている磁
性体ロータ(図示しない)と、電磁ピックアップ(図示
しない)とから構成されている。ここで、ロータの外周
には等角度毎に歯が形成されており、当該歯が電磁ピッ
クアップの前方を通過する毎にパルス状のクランク角度
信号が発生する。
【0018】さらに、後述する気筒判別センサ42によ
る基準位置信号の発生後に、クランク角センサ40から
のクランク角度信号の発生数を計測することで、ECU
70(後述する)にてクランクシャフト14の回転速度
(エンジン回転数NE)が算出される。
【0019】各シリンダブロック11、及び両シリンダ
ヘッド12L,12Rの内壁と、ピストン13の頂部と
によって区画形成された空間は、混合気を燃焼させるた
めの燃焼室15として機能し、両シリンダヘッド12
L,12Rの頂部には、混合気に点火するための点火プ
ラグ16が、燃焼室15に突出するように配設されてい
る。また、両シリンダヘッド12L,12Rの両排気側
カムシャフト33L,33R近傍には、それぞれディス
トリビュータ18が配設されており、各ディストリビュ
ータ18には、両排気側カムシャフト33L,33Rの
回転に伴い、所定の割合で発生する基準位置信号を検出
するための気筒判別センサ42が配設されている。かか
る基準位置信号は、クランクシャフト14の基準位置の
検出、気筒の判別に用いられる。
【0020】そして、各点火プラグ16は、プラグコー
ド等(図示しない)を介してディストリビュータ18に
接続されており、ECU70(後述する)からの点火信
号に基づきイグナイタ19から出力された高電圧は、各
ディストリビュータ18によって、クランク角度に同期
して各点火プラグ16に分配される。
【0021】また、シリンダブロック11には、冷却水
通路を流れる冷却水の温度(冷却水温度)THWを検出
するための水温センサ43が配設されている。さらに、
両シリンダヘッド12L,12Rは、それぞれ吸気ポー
ト22、及び排気ポート32を有しており、各吸気ポー
ト22には吸気通路20が接続されており、各排気ポー
ト32には排気通路30が接続されている。また、シリ
ンダヘッド12の各吸気ポート22には、吸気バルブ2
1が配設され、各排気ポート32には排気バルブ31が
配設されている。
【0022】そして、左側バンクLSの各吸気バルブ2
1の上方には、吸気バルブ21を開閉駆動するための左
側吸気側カムシャフト23Lが配置され、右側バンクR
Sの各吸気バルブ21の上方には、吸気バルブ21を開
閉駆動するための右側吸気側カムシャフト23Rが配置
されている。また、左側バンクLSの各排気バルブ31
の上方には、排気バルブ31を開閉駆動するための左側
排気側カムシャフト33Lが配置され、右側バンクRS
の各排気バルブ31の上方には、排気バルブ31を開閉
駆動するための右側排気側カムシャフト33Rが配置さ
れている。
【0023】さらに、両吸気側カムシャフト23L,2
3Rの一端には、それぞれ吸気側タイミングプーリ27
が装着されており、両排気側カムシャフト33L,33
Rの一端には、それぞれ排気側タイミングプーリ34が
装着されている。そして、各タイミングプーリ27,3
4は、タイミングベルト35を介して、クランクシャフ
ト14に連結されている。
【0024】したがって、エンジン10の作動時には、
クランクシャフト14からタイミングベルト35及び各
タイミングプーリ27,34を介して各カムシャフト2
3L,23R,33L,33Rに回転駆動力が伝達さ
れ、各カムシャフト23L,23R,33L,33Rが
回転することにより、各吸気バルブ21、及び各排気バ
ルブ31が開閉駆動される。これら各バルブ21,31
は、クランクシャフト14の回転及びピストン13の上
下動に同期して、すなわち、吸気行程、圧縮行程、爆発
・膨張行程、及び排気行程よりなるエンジン10におけ
る一連の4行程に同期して、所定の開閉タイミングで駆
動される。
【0025】さらに、両吸気側カムシャフト23L,2
3Rの近傍には、それぞれカム角センサ44L,44R
が配設されており、各カム角センサ44L,44Rは、
両吸気側カムシャフト23L,23Rに連結された磁性
体ロータ(図示しない)と電磁ピックアップ(図示しな
い)とから構成されている。また、磁性体ロータの外周
には、複数の歯が等角度毎に形成され、例えば、所定気
筒の圧縮TDCの前、BTDC90°〜30°の間に、
吸気側カムシャフト23の回転にともなうパルス状のカ
ム角度信号(変位タイミング信号)が検出されるように
なっている。
【0026】また、本実施の形態におけるガソリンエン
ジンシステムでは、吸気バルブ21の開閉タイミングを
変更してバルブオーバラップ量の変更を実現するため、
左側バンクLS、右側バンクRSの吸気側タイミングプ
ーリ27にそれぞれ、油圧により駆動される可変バルブ
タイミング機構50L,50R(以下「VVT」とい
う)が配設されている。このVVT50L,50Rは、
クランクシャフト14(吸気側タイミングプーリ27)
の回転に対する両吸気側カムシャフト23L,23Rの
変位角度を変化させることにより、吸気バルブ21のバ
ルブタイミングを連続的(無段階)に変更させるための
機構である。
【0027】そして、両VVT50L,50Rには、そ
れぞれ対応するオイルコントロールバルブ80L,80
R(以下「OCV」 という)、オイルポンプ64L,
64R、オイルフィルタ66L,66Rが接続されてい
る。本実施の形態では、OCV80L,80R、オイル
ポンプ64L,64R等によりVVT50L,50Rの
アクチュエータが構成されている。
【0028】吸気通路20の空気取り入れ側には、エア
クリーナ24が接続されており、吸気通路20の途中に
は、アクセルペダル(図示しない)に連動して開閉駆動
されるスロットルバルブ26が配設されている。そし
て、かかるスロットルバルブ26が開閉されることによ
り、吸入空気量が調整される。
【0029】そして、スロットルバルブ26の近傍に
は、スロットル開度TAを検出するスロットルセンサ4
5が配設されている。 さらに、スロットルバルブ26
の下流側には、吸気脈動を抑制するためのサージタンク
25が形成されている。そして、サージタンク25に
は、サージタンク25内における吸気圧力PMを検出す
る吸気圧力センサ46が配設されている。また、各シリ
ンダの吸気ポート22の近傍には、燃焼室15へ燃料を
供給するためのインジェクタ17が配設されている。各
インジェクタ17は、通電により開弁される電磁弁であ
り、各インジェクタ17には、燃料ポンプ(図示しな
い)から圧送される燃料が供給される。
【0030】したがって、エンジン10の作動時には、
吸気通路20には、エアクリーナ24によって濾過され
た空気が取り込まれ、その空気の取り込みと同時に各イ
ンジェクタ17から各吸気ポート22に向けて燃料が噴
射される。この結果、吸気ポート22では混合気が生成
され、混合気は、吸入行程において開弁される吸気バル
ブ21の開弁にともなって、燃焼室15内に吸入され
る。
【0031】そして、燃焼室15における燃焼により発
生した排ガスは、排気通路30に配設された触媒コンバ
ータ28を通って、大気中に排出される。なお、本実施
の形態では、スロットルバルブ26の上流側と下流側と
を連通するようにして、バイパス通路91が設けられて
いる。 また、該バイパス通路91の途中にアイドルス
ピードコントロールバルブ(ISCV)92が設けられ
ている。そして、アイドリング時においては、当該IS
CV92の開度が調整されることにより、バイパス通路
91を流れる吸入空気量が制御され、これにより、アイ
ドング時のエンジン回転数(アイドル回転数)が制御さ
れるようになっている。
【0032】また、車両の各車輪(図示しない)の回転
速度を検出する車輪速センサ39により、車輪の回転挙
動が検出され、トラクションコントロール時などにブレ
ーキの油圧を制御するブレーキアクチュエータ93へ必
要に応じて制御信号が出力されている。
【0033】次に、VVT50L,50Rのシステム構
成について、図2を参照して説明する。なお、説明の便
宜上、図2には左側バンクLSにおけるVVT50L
と、右側バンクRSにおけるVVT50Rとを区別する
ことなく、単にVVT50が配設された吸気側カムシャ
フト23近傍の断面、及びVVT50の制御システム全
体を示すものとする。
【0034】VVT50の制御システムは、VVT5
0、VVT50に対して駆動力を印加するOCV80、
カム角度信号を検出するカム角センサ44、カム角セン
サ44等の各種センサからの入力信号に基づいてOCV
80を駆動制御するECU70を備えている。
【0035】VVT50は、吸気側カムシャフト23と
吸気側タイミングプーリ27との間に配設されており、
吸気側カムシャフト23は、シリンダヘッド12、及び
ベアリングキャップ51間において回転自在に支持され
ている。吸気側カムシャフト23の先端部近傍には、吸
気側タイミングプーリ27が相対回動可能に装着されて
おり、また、吸気側カムシャフト23の先端には、イン
ナキャップ52が中空ボルト53及びピン54により一
体回転可能に取着されている。
【0036】吸気側タイミングプーリ27には、キャッ
プ55を有するハウジング56がボルト57及び、ピン
58により一体回転可能に取着されており、このハウジ
ング56によって、吸気側カムシャフト23の先端、及
びインナキャップ52の全体が覆われている。また、吸
気側タイミングプーリ27の外周には、タイミングベル
ト35を掛装するための外歯27aが多数形成されてい
る。
【0037】吸気側カムシャフト23、及び吸気側タイ
ミングプーリ27は、ハウジング56、及びインナキャ
ップ52間に介在されたリングギヤ59によって連結さ
れている。リングギヤ59は、略円環形状をなし、吸気
側タイミングプーリ27、ハウジング56、及びインナ
キャップ52によって囲まれた空間S内において、吸気
側カムシャフト23の軸方向へ往復動自在に収容されて
いる。また、リングギヤ59の内外周には多数の歯59
a,59bが形成されている。
【0038】これに対応して、インナキャップ52の外
周、及びハウジング56の内周には、多数の歯52a、
56bが形成されている。これらの歯59a,59b,
52a,56bはいずれも、その歯すじが吸気側カムシ
ャフト23の軸線に対して所定角度で交差するヘリカル
歯となっている。すなわち、歯52aと歯59aとが互
いに噛合し、歯56bと歯59bとが互いに噛合してい
る、ヘリカルスプラインを構成している。
【0039】そして、これらの噛合によって、吸気側タ
イミングプーリ27の回転は、ハウジング56、及びイ
ンナキャップ52を介して、吸気側カムシャフト23に
伝達される。また、各歯59a,59b,52a,56
bがヘリカル歯であることから、リングギヤ59が吸気
側カムシャフト23の軸方向に移動すると、インナキャ
ップ52、及びハウジング56に捻り力が付与され、吸
気側カムシャフト23が吸気側タイミングプーリ27に
対して相対移動する。
【0040】空間Sには、リングギヤ59を軸方向へ移
動させるために、リングギヤ59の先端側に第1油圧室
60を有し、リングギヤ59の基端側に第2油圧室61
を有している。そして、ベアリングキャップ51は、第
1油圧供給孔51a、及び第2油圧供給孔51bを有し
ている。また、吸気側カムシャフト23内部には、第1
油圧供給孔51aと第1油圧室60とを連通する第1油
圧供給路62、及び第2油圧供給孔51bと第2油圧室
61とを連通する第2油圧供給路63とが形成されてい
る。
【0041】そして、各油圧供給孔51a,51bに
は、油圧ポンプ64によってオイルパン65から吸い上
げられた潤滑油が、所定の圧力をもってオイルフィルタ
66を介して供給される。また、各油圧供給路60,6
1を介して各油圧室60,61へ選択的に油圧を供給す
るために、各油圧供給孔51a,51bには、OCV8
0が接続されている。
【0042】このOCV80は、電磁式アクチュエータ
81、及びコイルスプリング82によって駆動されるプ
ランジャ83が、スプール84を軸方向に往復移動させ
ることにより潤滑油の流れ方向を切り替える4ポート方
向制御弁である。そして、電磁式アクチュエータ81
が、デューティ制御されることによってその開度が調整
され、各油圧室60,61に供給する油圧の大きさが調
整される。
【0043】OCV80のケーシング85は、タンクポ
ート85t、Aポート85a、Bポート85b、及びリ
ザーバポート85rを有している。そして、タンクポー
ト85tは、油圧ポンプ64を介してオイルパン65と
接続されており、Aポート85aは、第1油圧供給孔5
1aと、Bポート85bは、第2油圧供給孔51bと接
続されている。また、リザーバポート85rは、オイル
パン65と連通されている。
【0044】スプール84は、円柱状の弁体であり、2
つのポート間における潤滑油の流れを封止する4つのラ
ンド84aと、2つのポート間を連通し、潤滑油の流れ
を許容するパセージ84b、2つのパセージ84cとを
有している。
【0045】これらの構成を備えるVVT50では、O
CV80が駆動制御され、スプール84が図面左方に移
動された場合には、パセージ84bはタンクポート85
tとAポート85aとを連通し、第1油圧供給孔51a
に潤滑油が供給される。そして、第1油圧供給孔51a
に供給された潤滑油は、第1油圧供給路62を介して第
1油圧室60に供給され、リングギヤ59の先端側に油
圧が印加される。
【0046】これと同時に、パセージ84cは、Bポー
ト85bとリザーバポート85rとを連通し、第2油圧
室61内の潤滑油は、第2油圧供給路63、第2油圧供
給孔51b、及びOCV80のBポート85b、リザー
バポート85rを介して、オイルパン65に排出され
る。
【0047】したがって、リングギヤ59は、先端側に
印加された油圧によって基端側(図面右方)に回動しな
がら移動され、インナキャップ52を介して吸気側カム
シャフト23に捻りが付与される。この結果、吸気側タ
イミングプーリ27(クランクシャフト14)に対する
吸気側カムシャフト23の回転位相(変位角度)が変更
(変位)され、吸気側カムシャフト23は最遅角変位角
度から最進角変位角度に向けて変位し、吸気バルブ21
の開弁タイミングが進角される。
【0048】こうして開弁タイミングが進角された吸気
バルブ21は、排気バルブ31が開弁している間に開弁
されることとなり、吸気バルブ21と排気バルブ31と
が同時に開弁するバルブオーバラップ期間が増大する。
なお、リングギヤ59の基端側への移動は、リングギヤ
59が吸気側タイミングプーリ27と当接することによ
って規制され、リングギヤ59が吸気側タイミングプー
リ27と当接して停止した際に、吸気バルブ21の開弁
タイミングが最も早くなる。
【0049】一方、OCV80が駆動制御され、スプー
ル84が図面右方に移動された場合には、パセージ84
bはタンクポート85tとBポート85bとを連通し、
第2油圧供給孔51bに潤滑油が供給される。そして、
第2油圧供給孔51bに供給された潤滑油は、第2油圧
供給路63を介して第2油圧室61に供給され、リング
ギヤ59の基端側に油圧が印加される。
【0050】これと同時に、パセージ84cは、Aポー
ト85aとリザーバポート85rとを連通し、第1油圧
室60内の潤滑油は、第1油圧供給路62、第1油圧供
給孔51a、及びOCV80のAポート85a、リザー
バポート85rを介して、オイルパン65に排出され
る。
【0051】したがって、リングギヤ59は、基端側に
印加された油圧によって先端側(図面左方)に回動しな
がら移動され、インナキャップ52を介して吸気側カム
シャフト23に逆向きの捻りが付与される。この結果、
吸気側タイミングプーリ27(クランクシャフト14)
に対する吸気側カムシャフト23の回転位相(変位角
度)が変更(変位)され、吸気側カムシャフト23は最
進角変位角度から最遅角変位角度に向けて変位し、吸気
バルブ21の開弁タイミングが遅角される。
【0052】こうして、吸気バルブ21の開弁タイミン
グが遅角されることにより、吸気バルブ21と排気バル
ブ31とが同時に開弁するバルブオーバラップ期間が短
縮、あるいは、ゼロとされる。 なお、リングギヤ59
の先端側への移動は、リングギヤ59がハウジング56
と当接することによって規制され、リングギヤ59がハ
ウジング56と当接して停止した際に、吸気バルブ21
の開弁タイミングが最も遅くなる(最遅角)。
【0053】上記VVT50により変更される吸気バル
ブ21のバルブタイミングは、カム角センサ44から出
力されるカム角度信号(変位タイミング信号)と、クラ
ンク角センサ40から出力されるクランク角度信号(基
準タイミング信号)とに基づいて算出される。
【0054】すなわち、例えば、ECU70に変位タイ
ミング信号が入力された後、最初に入力されたクランク
角度信号を基準タイミング信号と認識し、変位タイミン
グ信号が入力されてから、基準タイミング信号が入力さ
れるまでに要する時間を、エンジン回転数NEを用いて
計測する。そして、その時間を既知の時間とクランク角
度の関係を用い変位角度に換算することによって、クラ
ンクシャフト14に対する吸気側カムシャフト23の実
変位角度VTBが算出されるのである。
【0055】続いて、本実施の形態に係る内燃機関の制
御系について図3に示す制御ブロック図を参照して説明
する。内燃機関の制御系は、電子制御装置70(EC
U)を核として構成されている。本実施の形態では、こ
のECU70が、バルブタイミング調整異常検出手段と
しての処理(後述するステップS120)と、減筒選択
手段としての処理(後述するステップS130〜S30
0)を行っている。
【0056】ECU70は、VVT制御、点火時期制
御、燃料噴射制御、トラクションコントロール、および
フェイル時制御等の各種制御プログラムや、各種条件に
対応した目標値を算出するためのマップを格納したRO
M71を有している。また、ECU70は、ROM71
に格納された制御プログラムに基づいて演算処理を実行
するCPU72、CPU72での演算結果、各センサか
ら入力されたデータ等を一時的に記憶するRAM73、
RAM73に格納された各種データを電源供給停止時に
保持するためのバックアップRAM74等を有してい
る。
【0057】そして、CPU72、ROM71、RAM
73、及びバックアップRAM74は、双方向バス75
を介して互いに接続されるとともに、入力インターフェ
ース76、及び出力インターフェース77と接続されて
いる。
【0058】入力インターフェース76には、車輪速セ
ンサ39、クランク角センサ40、気筒判別センサ4
2、水温センサ43、左側カム角センサ44L、右側カ
ム角センサ44R、スロットルセンサ45、吸気圧力セ
ンサ46等が接続されている。そして、各センサから出
力された信号がアナログ信号である場合には、図示しな
いA/Dコンバータによってディジタル信号に変換され
た後、双方向バス75に出力される。
【0059】また、出力インターフェース77には、イ
ンジェクタ17、イグナイタ19、OCV80L,80
R、ISCV92、ブレーキアクチュエータ93等の外
部回路が接続されており、これら外部回路は、CPU7
2において実行された制御プログラムの演算結果に基づ
いて作動制御される。なお、VVT50Lに対する制御
はOCV80Lを駆動制御することによって、VVT5
0Rに対する制御はOCV80Rを駆動制御することに
よってそれぞれ独立して実行される。
【0060】次に、トラクションコントロールに伴いフ
ューエルカットにより行われる減筒処理の際に、バルブ
タイミング制御装置VCにおけるVVT50L,50R
がフェイル(故障)していたときの動作について説明す
る。
【0061】図4は、ECU70により実行される「燃
料噴射タイミングルーチン」を示すフローチャートであ
って、各気筒毎に燃料噴射を好適なタイミングで実行す
るために所定クランク角毎の割り込みで実行される。な
お各処理に対応するフローチャート中のステップを「S
〜」で表す。
【0062】処理がこのルーチンに移行すると、まず、
減筒数nfcが設定されているか否かが判定される(S
100)。この減筒数nfcは、図5のフローチャート
に概略を示すトラクションコントロールによって決定さ
れたものである。トラクションコントロールでは、車両
発進時の車輪スリップを車輪速センサ39により検出さ
れる車輪速度の挙動により判断し、過大なスリップ、す
なわち過大な空転が生じている場合には、ブレーキ制御
(S400)を実行すると共に、ブレーキ制御(S40
0)にても過大なスリップを抑制できない場合には、減
筒数nfcを設定している(S410)。燃料噴射タイ
ミングルーチンでは、トラクションコントロールのステ
ップS410にて設定された減筒数nfcを参照して、
減筒数nfcに対応する数の気筒を減筒処理する。
【0063】すなわち、ステップS100にて、減筒数
nfc=0と判定された場合(S100にて「N
O」)、減筒する必要はないので、直ちにステップS1
10に移行して、今回の燃料噴射対象の気筒がフューエ
ルカット(F/C)以外の気筒であれば、その気筒に対
して燃料噴射が行われる。今回は、いずれの気筒に対す
る燃料噴射タイミングであっても、減筒数nfc=0で
あるので必ず燃料噴射が実行される。
【0064】次に、トラクションコントロールのステッ
プS410にて減筒数nfcに1以上の値が設定された
場合(S100にて「YES」)、次に、左側バンクL
SにおけるVVT50L(左側VVT50Lとも称す
る)が異常か否かが判定される(S120)。この判断
は次のように行われる。
【0065】すなわち、現在の運転状態に基づき算出さ
れている左側目標進角値VTTLと、左側カム角センサ
44Lの検出値から得られた左側実進角値VTBLとが
比較されて、許容値を越える差が存在するか否かが判定
される。許容値以内であれば異常なしと判定され、許容
値を越えていれば異常ありと判定される。
【0066】なお、左側VVT50Lが異常か否かを判
定する前提として、まず、入力インターフェース76に
入力される各種信号に基づき、現在、フェイル検出条件
が成立しているか否かを判断してもよい。フェイル検出
条件が成立していることの判断条件としては、エンジン
回転数NEが所定回転数以上であること、冷却水温TH
Wが所定水温以上であること等が挙げられる。そして、
フェイル検出条件が成立していない内は、ステップS1
20にては「NO」と判定され、フェイル検出条件が成
立すれば、上述したごとくVVT50Lが異常か否かが
判定される。
【0067】左側VVT50Lが異常なければ(S12
0にて「NO」)、減筒数nfc=1か否かが判定され
る(S220)。減筒数nfc=1であれば(S220
にて「YES」)、#1気筒に対してフューエルカット
が設定される(S230)。次にステップS110に移
行して、噴射タイミングにある気筒に対する燃料噴射が
行われるが、もし、#1気筒が噴射タイミングであった
場合には、燃料の噴射を行わないことにより減筒処理が
なされる。他の気筒であった場合には燃料噴射が行われ
る。
【0068】上述した例は、ステップS120にて「N
O」と判定された際に、減筒数nfc=1の場合であっ
たが、減筒数nfc=2の場合はステップS220にて
「NO」と判定した後、減筒数nfc=2か否かの判定
(S240)にて「YES」と判定され、#1気筒およ
び#3気筒に対してフューエルカットが設定される(S
250)。次にステップS110に移行して、噴射タイ
ミングにある気筒に対する燃料噴射が行われるが、も
し、#1気筒あるいは#3気筒が噴射タイミングであっ
た場合には、燃料の噴射を行わないことにより減筒処理
がなされる。他の気筒であった場合には燃料噴射が行わ
れる。
【0069】ステップS120にて「NO」と判定され
た際に、減筒数nfc=3の場合はステップS220お
よびステップS240にて「NO」と判定された後、減
筒数nfc=3か否かの判定(S260)にて「YE
S」と判定され、#1気筒、#3気筒および#5気筒に
対してフューエルカットが設定される(S270)。次
にステップS110に移行して、噴射タイミングにある
気筒に対する燃料噴射が行われるが、もし、#1気筒、
#3気筒あるいは#5気筒が噴射タイミングであった場
合には、燃料の噴射を行わないことにより減筒処理がな
される。他の気筒であった場合には燃料噴射が行われ
る。
【0070】ステップS120にて「NO」と判定され
た際に、減筒数nfc=4の場合はステップS220、
ステップS240およびステップS260にて「NO」
と判定された後、減筒数nfc=4か否かの判定(S2
80)にて「YES」と判定され、#1気筒、#3気
筒、#4気筒および#5気筒に対してフューエルカット
が設定される(S290)。ここでは右側バンクRSに
属する#1気筒、#3気筒および#5気筒気筒について
優先的にフューエルカットを設定しても減筒数nfcが
1つ余るので、左側バンクLSに属する気筒から1つ選
択して、ここでは#4気筒を選択してフューエルカット
を設定している。
【0071】次にステップS110に移行して、噴射タ
イミングにある気筒に対する燃料噴射が行われるが、も
し、#1気筒、#3気筒、#4気筒あるいは#5気筒が
噴射タイミングであった場合には、燃料の噴射を行わな
いことにより減筒処理がなされる。他の気筒であった場
合には燃料噴射が行われる。
【0072】ステップS120にて「NO」と判定され
た際に、減筒数nfc≧5の場合はステップS220、
ステップS240、ステップS260およびステップS
280にて「NO」と判定された後、#1気筒、#3気
筒、#4気筒、#5気筒および#6気筒に対してフュー
エルカットが設定される(S300)。ここでは右側バ
ンクRSに属する#1気筒、#3気筒および#5気筒気
筒について優先的にフューエルカットを設定しても減筒
数nfcが2つ余るので、左側バンクLSに属する気筒
から2つ選択して、ここでは#4気筒および#6気筒を
選択してフューエルカットを設定している。
【0073】次にステップS110に移行して、噴射タ
イミングにある気筒に対する燃料噴射が行われるが、も
し、#1気筒、#3気筒、#4気筒、#5気筒あるいは
#6気筒が噴射タイミングであった場合には、燃料の噴
射を行わないことにより減筒処理がなされる。他の気筒
であった場合には燃料噴射が行われる。
【0074】このように、左側VVT50Lが異常ない
場合(S120にて「NO」)、すなわち、右側バンク
RSにおけるVVT50R(右側VVT50Rとも称す
る)が異常であるか、あるいは左側VVT50Lも右側
VVT50Rも共に正常な場合には、右側バンクRSに
属する#1気筒、#3気筒および#5気筒を優先して、
減筒対象としている。それでも減筒数nfcが余る場合
は、左側バンクLSに属する気筒から減筒対象を選択し
ている。
【0075】ステップS120の判定にて、左側VVT
50Lが異常であると判定されると(S120にて「Y
ES」)、減筒数nfc=1か否かが判定される(S1
30)。減筒数nfc=1であれば(S130にて「Y
ES」)、#2気筒に対してフューエルカットが設定さ
れる(S140)。次にステップS110に移行して、
噴射タイミングにある気筒に対する燃料噴射が行われる
が、もし、#2気筒が噴射タイミングであった場合に
は、燃料の噴射を行わないことにより減筒処理がなされ
る。他の気筒であった場合には燃料噴射が行われる。
【0076】上述した例は、ステップS120にて「Y
ES」と判定された際に、減筒数nfc=1の場合であ
ったが、減筒数nfc=2の場合はステップS130に
て「NO」と判定された後、減筒数nfc=2か否かの
判定(S150)にて「YES」と判定され、#2気筒
および#4気筒に対してフューエルカットが設定される
(S160)。次にステップS110に移行して、噴射
タイミングにある気筒に対する燃料噴射が行われるが、
もし、#2気筒あるいは#4気筒が噴射タイミングであ
った場合には、燃料の噴射を行わないことにより減筒処
理がなされる。他の気筒であった場合には燃料噴射が行
われる。
【0077】ステップS120にて「YES」と判定さ
れた際に、減筒数nfc=3の場合はステップS130
およびステップS150にて「NO」と判定された後、
減筒数nfc=3か否かの判定(S170)にて「YE
S」と判定され、#2気筒、#4気筒および#6気筒に
対してフューエルカットが設定される(S180)。次
にステップS110に移行して、噴射タイミングにある
気筒に対する燃料噴射が行われるが、もし、#2気筒、
#4気筒あるいは#6気筒が噴射タイミングであった場
合には、燃料の噴射を行わないことにより減筒処理がな
される。他の気筒であった場合には燃料噴射が行われ
る。
【0078】ステップS120にて「YES」と判定さ
れた際に、減筒数nfc=4の場合はステップS13
0、ステップS150およびステップS170にて「N
O」と判定された後、減筒数nfc=4か否かの判定
(S190)にて「YES」と判定され、#2気筒、#
3気筒、#4気筒および#6気筒に対してフューエルカ
ットが設定される(S200)。ここでは左側バンクL
Sに属する#2気筒、#4気筒および#6気筒気筒につ
いて優先的にフューエルカットを設定しても減筒数nf
cが1つ余るので、右側バンクRSに属する気筒から1
つ選択して、ここでは#3気筒を選択してフューエルカ
ットを設定している。
【0079】次にステップS110に移行して、噴射タ
イミングにある気筒に対する燃料噴射が行われるが、も
し、#2気筒、#3気筒、#4気筒あるいは#6気筒が
噴射タイミングであった場合には、燃料の噴射を行わな
いことにより減筒処理がなされる。他の気筒であった場
合には燃料噴射が行われる。
【0080】ステップS120にて「YES」と判定さ
れた際に、減筒数nfc≧5の場合はステップS13
0、ステップS150、ステップS170およびステッ
プS190にて「NO」と判定された後、#1気筒、#
2気筒、#3気筒、#4気筒および#6気筒に対してフ
ューエルカットが設定される(S210)。ここでは左
側バンクLSに属する#2気筒、#4気筒および#6気
筒気筒について優先的にフューエルカットを設定しても
減筒数nfcが2つ余るので、右側バンクRSに属する
気筒から2つ選択して、ここでは#1気筒および#3気
筒を選択してフューエルカットを設定している。
【0081】次にステップS110に移行して、噴射タ
イミングにある気筒に対する燃料噴射が行われるが、も
し、#1気筒、#2気筒、#3気筒、#4気筒あるいは
#6気筒が噴射タイミングであった場合には、燃料の噴
射を行わないことにより減筒処理がなされる。他の気筒
であった場合には燃料噴射が行われる。
【0082】このように、左側VVT50Lが異常であ
る場合(S120にて「YES」)には、左側バンクL
Sに属する#2気筒、#4気筒および#6気筒を優先し
て、減筒対象としている。それでも減筒数nfcが余る
場合は、右側バンクRSに属する気筒から減筒対象を選
択している。
【0083】以上説明した態様で減筒処理を実行する本
実施の形態によれば、以下のような効果が得られるよう
になる。すなわち上述したごとく、トラクションコント
ロールにより減筒数nfcに1以上の数が設定されるこ
とで減筒が指示されると、燃料噴射タイミングルーチン
では、VVT50の内、左側VVT50Lに異常があれ
ば、左側バンクLSに属する#2気筒、#4気筒および
#6気筒を優先して減筒対象とし、右側VVT50Rに
異常があれば、右側バンクRSに属する#1気筒、#3
気筒および#5気筒を優先して減筒対象としている。し
たがって、VVT50に異常があれば、常にVVT50
の異常によりトルク出力が低下している気筒側から減筒
するので、減筒処理の際に急激にトルク出力が低下する
ことがない。このため、減筒時でのエンジンストールの
発生を防止することができる。
【0084】なお、本発明は前記実施の形態に限定され
るものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で構成の
一部を適宜に変更して次のように実施することもでき
る。・本実施の形態では、内燃機関として、V型エンジ
ン10を採用する例で説明したが、複数のバンクを有す
るものであれば、水平対向エンジン等いかなるタイプの
エンジンにも具体化できる。また、ガソリンエンジンの
みならず、ディーゼルエンジンにも具体化できる。バン
ク数も2のみでなく、3以上も含まれる。
【0085】・本実施の形態では、減筒処理はトラクシ
ョンコントロールに伴うものであったが、これ以外の制
御における減筒処理に適用することもできる。 ・本実施の形態において、左右のVVT50L,50R
が共に正常である場合には、ステップS220〜S30
0の処理を実行して、右側バンクRSに属する#1気
筒、#3気筒および#5気筒を優先して減筒対象とした
が、このように左右のVVT50L,50Rが共に正常
である場合には、いずれのバンクを優先してもかまわな
いので、左側バンクLSに属する#2気筒、#4気筒お
よび#6気筒を優先して減筒対象としてもよいし、ある
いは、バンクによる優先を止めて、減筒数nfcが増え
る毎に、あるいは減筒が指示される毎に、左側バンクL
Sおよび右側バンクRSから交互に気筒を選択して減筒
対象としてもよい。
【0086】・本実施の形態では、可変バルブタイミン
グ機構として、リングギヤ59が移動するタイプのVV
T50を採用したが、その外のタイプのVVT(例えば
ベーン式のVVT)を採用してもよい。また、OCV8
0に代えて、他のアクチュエータを用いてもよい。
【0087】・本実施の形態では、異常となった側のバ
ンクLS、RSにおける燃料噴射のみカットするように
したが、燃料噴射及び点火を共にカットするようにして
もよい。
【0088】・本実施の形態では、ECU70は、前述
した複数種類の制御を実行することとして説明したが、
各制御毎に異なるECUとして構成し、ECU間におい
て車内LANによりデータ通信を行うものとしてもよ
い。
【0089】
【発明の効果】請求項1記載の可変バルブタイミング機
構付き内燃機関の可変気筒制御装置は、減筒選択手段
が、異常であると検出された可変バルブタイミング機構
が調整しているバンクに属している気筒を、優先的に前
記減筒運転における減筒の対象としているため、正常な
トルク出力をしている気筒は異常な気筒がすべて減筒さ
れるまで残されるので、減筒処理時に必要以上にトルク
が低下することがなく、内燃機関を所望の運転状態に維
持でき、エンジンストールなどを防止することができ
る。
【0090】請求項2の可変バルブタイミング機構付き
内燃機関の可変気筒制御装置は、内燃機関が、車両を駆
動するための出力機関として用いられるものであり、前
記運転状況とは、前記車両および前記内燃機関の一方ま
たは両方の運転状況である。したがって、減筒処理を行
っても車両の走行に異常を生じさせることがない。
【0091】請求項3は、前記減筒選択手段は、減筒対
象数が、前記バルブタイミング調整異常検出手段にて異
常であると検出された可変バルブタイミング機構が調整
しているバンクに属している気筒数以内の場合は、該バ
ンクの気筒のみを減筒の対象とし、減筒対象数が、前記
バルブタイミング調整異常検出手段にて異常であると検
出された可変バルブタイミング機構が調整しているバン
クに属している気筒数を越えた場合は、越えた気筒数に
ついては、前記バルブタイミング調整異常検出手段にて
異常でないと検出された可変バルブタイミング機構が調
整しているバンクに属している気筒を減筒の対象とする
ので、異常のあるバンク側の気筒を、優先的に減筒の対
象とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施の形態におけるガソリンエンジンシス
テムの概略構成を示すシステム構成図。
【図2】 可変バルブタイミング機構システムの概略構
成図。
【図3】 ECUの制御系統を示すブロック図。
【図4】 ECUにより実行される「燃料噴射タイミン
グルーチン」を示すフローチャート。
【図5】 ECUにより実行される「トラクションコン
トロール」を示すフローチャート。
【図6】 左右バンクと属する気筒との関係を示す説明
図。
【符号の説明】
LS…左側気筒群(左側バンク)、RS…右側気筒群
(右側バンク)、VC…バルブタイミング制御装置、1
0…V型エンジン、11…シリンダブロック、12…シ
リンダヘッド、12L…左側シリンダヘッド、12R…
右側シリンダヘッド、13…ピストン、14…クランク
シャフト、15…燃焼室、16…点火プラグ、17…イ
ンジェクタ、18…ディストリビュータ、19…イグナ
イタ、20… 吸気通路、21…吸気バルブ、22…吸
気ポート、23…吸気側カムシャフト、23L…左側吸
気側カムシャフト、23R…右側吸気側カムシャフト、
24…エアクリーナ25…サージタンク26…スロット
ルバルブ27…吸気側タイミングプーリ、27a…外
歯、28…触媒コンバータ、30…排気通路、31…排
気バルブ、32…排気ポート、33L…左側排気側カム
シャフト、33R…右側排気側カムシャフト、34…排
気側タイミングプーリ、35…タイミングベルト、39
…車輪速センサ、40…クランク角センサ、42…気筒
判別センサ、43…水温センサ、44…カム角センサ、
44L…左側カム角センサ、44R…右側カム角セン
サ、45…スロットルセンサ、46…吸気圧力センサ、
50…可変バルブタイミング機構(VVT)、50L…
左側VVT、50R…右側VVT、51…ベアリングキ
ャップ、51a…第1油圧供給孔、51b…第2油圧供
給孔、52…インナキャップ、52a…歯、53…中空
ボルト、54…ピン、55…キャップ、56…ハウジン
グ、56b…歯、57…ボルト、58…ピン、59…リ
ングギヤ、59a,59b,52a,56b…歯、60
…第1油圧室、61…第2油圧室、62…第1油圧供給
路、63…第2油圧供給路、64…油圧ポンプ、64
L,64R…オイルポンプ、65…オイルパン、66…
オイルフィルタ、66L,66R…オイルフィルタ、7
0…電子制御装置(ECU)、71…ROM、72…C
PU、73…RAM、74…バックアップRAM、75
…双方向バス、76…入力インターフェース、77…出
力インターフェース、80,80L,80R…オイルコ
ントロールバルブ(OCV)、81…電磁式アクチュエ
ータ、82…コイルスプリング、83…プランジャ、8
4…スプール、84a…ランド、84b,84c…パセ
ージ、85…ケーシング、85a…Aポート、85b…
Bポート、85r…リザーバポート、85t…タンクポ
ート、91…バイパス通路、92…アイドルスピードコ
ントロールバルブ(ISCV)、93…ブレーキアクチ
ュエータ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−60135(JP,A) 特開 平6−33721(JP,A) 特開 平11−36907(JP,A) 特開 平5−187335(JP,A) 特開 平5−98916(JP,A) 特開 平5−180019(JP,A) 特開 平8−142713(JP,A) 実開 昭60−1557(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 17/02 F02D 13/02 F02D 41/00 - 45/00 395

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関に複数設けられたバンクの各々
    において吸気バルブおよび排気バルブの一方または両方
    のバルブタイミングを調整する可変バルブタイミング機
    構を備えると共に、運転状況に応じて減筒運転を行う内
    燃機関の可変気筒制御装置であって、 前記可変バルブタイミング機構の各々におけるバルブタ
    イミングの可変調整が異常であるか否かを検出するバル
    ブタイミング調整異常検出手段と、 前記バルブタイミング調整異常検出手段にて異常である
    と検出された可変バルブタイミング機構が調整している
    バンクに属している気筒を、優先的に前記減筒運転にお
    ける減筒の対象とする減筒選択手段と、 を備えたことを特徴とする可変バルブタイミング機構付
    き内燃機関の可変気筒制御装置。
  2. 【請求項2】 前記内燃機関は、車両を駆動するための
    出力機関として用いられ、前記運転状況とは、前記車両
    および前記内燃機関の一方または両方の運転状況である
    ことを特徴とする請求項1記載の可変バルブタイミング
    機構付き内燃機関の可変気筒制御装置。
  3. 【請求項3】 前記減筒選択手段は、 減筒対象数が、前記バルブタイミング調整異常検出手段
    にて異常であると検出された可変バルブタイミング機構
    が調整しているバンクに属している気筒数以内の場合
    は、該バンクの気筒のみを減筒の対象とし、 減筒対象数が、前記バルブタイミング調整異常検出手段
    にて異常であると検出された可変バルブタイミング機構
    が調整しているバンクに属している気筒数を越えた場合
    は、越えた気筒数については、前記バルブタイミング調
    整異常検出手段にて異常でないと検出された可変バルブ
    タイミング機構が調整しているバンクに属している気筒
    を減筒の対象とすることを特徴とする請求項1または2
    記載の可変バルブタイミング機構付き内燃機関の可変気
    筒制御装置。
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