JP3293085B2

JP3293085B2 - コンクリートパネルの接合金物

Info

Publication number: JP3293085B2
Application number: JP36779199A
Authority: JP
Inventors: 敏明飯塚
Original assignee: IIZUKA & CO., LTD.
Current assignee: IIZUKA & CO., LTD.
Priority date: 1999-12-24
Filing date: 1999-12-24
Publication date: 2002-06-17
Anticipated expiration: 2019-12-24
Also published as: JP2001182208A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、プレハブ建築物に
おける床用のコンクリートパネルを接合する金物の構成
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、プレハブ建築物におけるＰＣ板等
よりなる床用のコンクリートパネルを接合する構造にお
いて、コンクリートパネルの四隅に接合金物を組み込
み、各コンクリートパネルの接合金物同士を連結ボルト
とナット等を介して接続し、コンクリートパネルを建て
込む構成は、公知のものとなっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のコンク
リートパネルに接合金物を組み込む構成においては、コ
ンクリートパネルを工場で製造した後、接合金物の埋め
込み部分に排出口が無いため、該コンクリートパネルを
出荷するまでの養生期間、及び、現場搬入後に該コンク
リートパネルを取り付けるまでの間に、風雨に曝されて
該接合金物の内部にゴミ、雨水等が溜まることがあり、
取り付け前に該ゴミ、雨水等を取り除く必要があった。

【０００４】本発明は前記の点を鑑み、コンクリートパ
ネルに組み込んだ接合金物に溜まったゴミ、雨水等を容
易に排出できる構造としたコンクリートパネルの接合金
物を提供することを課題とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとす
る課題は、以上の如くであり、次に該課題を解決するた
めの手段を説明する。すなわち、請求項１に記載の如
く、接合金物を板状の金属板により平面視八角形に形成
し、該平面視八角形の開口部に蓋体装着部を設け、該蓋
体装着部に接合金物と略同形状の蓋体を装着固定可能と
して構成し、プレハブ建築物の床用コンクリートパネル
の四隅または適正位置に組み込み、該コンクリートパネ
ルを接合する接合金物の構成において、該接合金物と蓋
体との間に開口部を設け、該開口部を排出口とする。

【０００６】一例として、請求項２記載の如く、前記蓋
体の中央近傍より縁部に向けて、船底型に膨出させた凹
曲面を形成し、その縁部に排出口を形成する。

【０００７】また、請求項３記載の如く、前記排出口を
配設した蓋体の表面に複数の突起を形成する。

【０００８】

【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を説明す
る。図１はプレハブ建築物におけるコンクリートパネル
を建て込んだ状態を示す斜視図、図２は同じく平面図、
図３は同じく側面図、図４は本発明の実施例１に係るコ
ンクリートパネルの接合金物の構成を示す斜視図、図５
は同じく本発明の実施例１に係る接合金物の蓋体を示す
図、図６は同じく本発明の実施例１に係る接合金物をコ
ンクリートパネルに取り付けた状態を示す平面図、図７
は同じく側面図、図８は同じく正面断面図、図９は本発
明の実施例２に係るコンクリートパネルの接合金物の構
成を示す斜視図、図１０はコンクリートパネル成形用型
枠の構成を示す平面図、図１１は各辺の適正位置に接合
金物を組み込んだコンクリートパネルの図、図１２は鉄
筋（上端筋）を組み込んだコンクリートパネルの平面
図、図１３は鉄筋（下端筋）を組み込んだコンクリート
パネルの図、図１４は４隅に接合金物を組み込んだコン
クリートパネルの平面図、図１５は接合金物の連結状態
を示す図である。

【０００９】図１乃至図３に示すように、プレハブ建築
物は、ＰＣ板等よりなる壁用や床用のコンクリートパネ
ル１・１・・・を工程手順にしたがって接合し、建て込
んでいくことにより構成される。

【００１０】その各コンクリートパネル１・１・・・の
接合・建込は、図１５に示すように、各コンクリートパ
ネル１の四隅に組み込んである接合金物２・２・・・を
連結ボルト１０とナット１１を介してコンクリートパネ
ル１に接続し固定するとともに、基礎２１のアンカーボ
ルト２２に接続固定することにより行なっている。

【００１１】また、図３に示すように、コンクリートパ
ネル１・１の内外両側面の継目には凹部が形成され、ヘ
ラ等で該凹部にバックアップ材１７・１７を押し込んで
詰め、その上から内側の凹部にはウレタン発砲１８を詰
めて余分に発砲した部分はカッターで切除し、外側の凹
部にはウレタン系コーキング材１９をコーキングガンで
注入し、該継目から雨水等が浸入しないようにコーキン
グを施している。

【００１２】前記接合金物２は、図４に示すように、横
長の板状の金属板３・３を二枚一組で平面視八角形とな
るように折り曲げ、両端を重ねその部分を溶接等により
接合して構成されている。このように構成することによ
り、接合金物２は、平面視八角形の開口部２ａを有する
こととなり、該一方の開口部２ａに、蓋体６等を装着す
る構成としている。

【００１３】次に、コンクリートパネルの施工方法につ
いて説明する。図１０に示すように、まず、ほぼ水平に
設けた底枠１２を配設し、該底枠１２の上面に成形しよ
うとするコンクリートパネル１の縁の形状（この実施例
では長方形）に４つの側枠１３Ｌ・１３Ｒ・１３Ｆ・１
３Ｂを立設する。各側枠１３Ｌ・１３Ｒ・１３Ｆ・１３
Ｂはボルト等によって底枠１２に固定され、側枠１３Ｌ
・１３Ｒ・１３Ｆ・１３Ｂ同士は蝶番等によって固定さ
れている。

【００１４】そして、図１１に示すように、蓋体６（図
４）を下側にして接合金物２・２・・・をコンクリート
パネル１の周部の適正位置、または、コンクリートパネ
ル１が小さい場合には、図１４に示すように、接合金物
２・２・・・をコンクリートパネル１の４隅に配置し、
該接合金物２・２・・・を固設する。

【００１５】また、図１２及び図１３に示すように、コ
ンクリートパネル１内において、底面と平行に上端筋２
５、下端筋２６を配設してコンクリートパネル１を補強
しており、該上端筋２５、及び下端筋２６とは、平面視
におけるコンクリートパネル１の各辺と平行に複数の鉄
筋２５ａ・２５ａ・・・、２６ａ・２６ａ・・・を縦横
「田」の字状に交錯させて配列し構成している。

【００１６】さらに、図１２に示すように、それぞれ対
向する接合金物２・２同士を配筋２３により連架してい
る。すなわち、該配筋２３を両接合金物２・２の対向面
に開口した連結孔３ａ・３ａ（図４）に通して、図１５
に示すように内側よりナット１１で締め付け固定する。

【００１７】このようにしてコンクリートパネル型枠８
を構成し、該型枠８に生コンクリートを流し込んで打設
し、前記接合金物２・２・・・を埋め込んだ状態にして
コンクリートパネル１を形成するのである。

【００１８】次に、前記接合金物２及びその蓋体６の構
成について説明する。図４に示すように、接合金物２
は、金属板３・３を二枚一組で平面視八角形となるよう
に構成してその側面に連結孔３ａ・３ａ・３ａ・３ａを
対向して開口している。該連結孔３ａ・３ａ・３ａ・３
ａは、図１５に示すように、コンクリートパネル１の配
筋２３を連結する孔、基礎２１と連結する孔、隣接する
コンクリートパネル１と連結する孔として用いられる。

【００１９】前記金属板３は、四カ所で折り曲げられ、
その両端部と、中央部に前記連結孔３ａ・３ａ・３ａが
開口されている。この一枚の金属板３を二枚一組として
溶接固定することによって、平面視八角形となる接合金
物２を形成できる。

【００２０】前記蓋体６は、接合金物２の八角形開口部
２ａと略同じ形状の金属板により構成されており、対向
する辺から凸片を設けて下方に折り曲げられている。該
二カ所の折曲部６ａ・６ａを前記接合金物２の八角形状
の外枠に嵌合することにより、蓋体６を接合金物２にワ
ンタッチで装着できるように構成している。

【００２１】ここで、従来の接合金物２における問題点
を少し説明すると、従来の接合金物２には、コンクリー
トパネル１を工場で製造した後、接合金物２の埋め込み
部分に排出口が無いため、該コンクリートパネル１を出
荷するまでの養生期間、及び、現場搬入後に該コンクリ
ートパネル１を取り付けるまでの間に、風雨に曝されて
該接合金物の内部にゴミ、雨水等が溜まり、取り付けす
る前に該ゴミ、雨水等を取り除く必要があった。

【００２２】そこで、本発明の実施例１では、図４及び
図５に示すように、八角形に形成された蓋体６の中央近
傍より該八角形の一辺、すなわち、縁部に向けて、船底
型に膨出させて凹曲面６ｄを形成し、接合金物２と該蓋
体６の縁部との間に開口を形成して排出口６ｅを形成し
ている。

【００２３】そして、図６、図７、図８、及び図１１に
示すように、蓋体６に設けた排出口６ｅを下側にして接
合金物２・２・・・をコンクリートパネル１の周部の適
正位置に配置し、該接合金物２・２・・・を固設するこ
とにより、本実施例１では、接合金物２の蓋体６に排出
口６ｅを設けているため、ゴミ、雨水等を容易に排出す
ることができ、従来のように何枚もあるコンクリートパ
ネル１・１・・・から該接合金物２・２・・・の内部に
溜まったゴミ、雨水等を吸い出す手間も省け、その結
果、作業能率が向上し、作業行程の短縮にも繋がるので
ある。

【００２４】尚、本発明では、八角形の接合金物２を実
施例１に取り上げて発明の詳細に示しているが、前記排
出口６ｅは、その形成位置、形状、個数等は、特に限定
するものではなく、また、八角形以外の接合金物を使用
する場合でもその蓋体の形状に合せて排出口を構成すれ
ばよい。

【００２５】また、本発明に係る別実施例（実施例２）
として、図９に示すように、八角形に形成された前記蓋
体６の内面の中央近傍より該八角形の一辺、すなわち、
縁部に向けて、船底型に膨出させて凹曲面６ｄを形成
し、接合金物２と該蓋体６縁部との間で開口して排出口
６ｅを形成し、さらに、蓋体６の外面に複数の突起６ｃ
・６ｃ・・・を形成して構成する。

【００２６】前記蓋体６の外面には複数設けられたスリ
ット状の突起６ｃ・６ｃ・・・は、細長い三角形状に構
成し、蓋体６を装着した接合金物２をコンクリートパネ
ル１に組み込んだときに、該突起６ｃ・６ｃ・・・はア
ンカーとしての機能を果たし、実施例２では、前記実施
例１の効果に加えて、コンクリートパネル１を吊り下げ
たときの、外力による欠けや割れの発生を防止すること
ができ、コンクリートパネル１の周部の強度を確保する
とともに、表面側の仕上がりを良好にすることができる
のである。

【００２７】尚、図９に示す前記蓋体６の表面のスリッ
ト状の突起６ｃ・６ｃ・・・は、六カ所に設けられてい
るが、その個数、形成位置、形状等は、特に限定するも
のではなく、実施例２においても、八角形の接合金物２
を取り上げて発明の詳細に示しているが、前記排出口
は、その形成位置、形状、個数等は、特に限定するもの
ではなく、また、八角形以外の接合金物を使用する場合
でもその蓋体の形状に合せて排出口を構成すればよい。

【００２８】

【発明の効果】本発明は以上の如く構成したので、次の
ような効果を奏する。すなわち、請求項１のように、接
合金物を板状の金属板により平面視八角形に形成し、該
平面視八角形の開口部に蓋体装着部を設け、該蓋体装着
部に接合金物と略同形状の蓋体を挿入固定可能として構
成し、プレハブ建築物の床用コンクリートパネルの四隅
または適正位置に組み込み、該コンクリートパネルを接
合する接合金物の構成において、該接合金物と蓋体との
間に排出口として開口部を設けることにより、風雨に曝
されても、該接合金物の内部にゴミ、雨水等が溜まるこ
となく、また、該排出口がゴミ等により塞がれたとして
も、該ゴミ等を容易に指で取り除くことができ、従来の
ように、何枚もあるコンクリートパネルの該接合金物か
らゴミ、雨水等をポンプ等で吸い出す手間も省けて、作
業能率が向上し、その結果、作業行程の短縮にも繋がる
のである。

【００２９】また、請求項２では前記排出口の形状を具
体的に示す。すなわち、前記蓋体の中央近傍より縁部に
向けて、船底型に膨出させて凹曲面を形成し、接合金物
と該縁部との間で排出口として開口部を形成することに
より、この場合も前記請求項１記載の効果と同様の効果
が得られるのである。

【００３０】また、請求項３のように、前記排出口を配
設した蓋体の表面に複数の突起を形成することにより、
前記請求項１記載の効果に加え、コンクリートパネルを
吊り下げたときの、外力による欠けや割れの発生を防止
することができ、コンクリートパネルの周部の強度を確
保するとともに、表面側の仕上がりを良好にすることが
できるのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】プレハブ建築物におけるコンクリートパネルを
建て込んだ状態を示す斜視図。

【図２】同じく平面図。

【図３】同じく側面図。

【図４】本発明の実施例１に係るコンクリートパネルの
接合金物の構成を示す斜視図。

【図５】同じく本発明の実施例１に係る接合金物の蓋体
を示す図。

【図６】同じく本発明の実施例１に係る接合金物をコン
クリートパネルに取り付けた状態を示す平面図。

【図７】同じく側面図。

【図８】同じく正面断面図。

【図９】本発明の実施例２に係るコンクリートパネルの
接合金物の構成を示す斜視図。

【図１０】コンクリートパネル成形用型枠の構成を示す
平面図。

【図１１】各辺の適正位置に接合金物を組み込んだコン
クリートパネルの図。

【図１２】鉄筋（上端筋）を組み込んだコンクリートパ
ネルの平面図。

【図１３】鉄筋（下端筋）を組み込んだコンクリートパ
ネルの図。

【図１４】４隅に接合金物を組み込んだコンクリートパ
ネルの平面図。

【図１５】接合金物の連結状態を示す図。

【符号の説明】

１コンクリートパネル２接合金物６蓋体６ｃ突起６ｄ凹曲面６ｅ排出口

フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) E04B 5/02 E04B 1/38 E04B 1/61 E04B 5/43

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】接合金物を板状の金属板により平面視八
角形に形成し、該平面視八角形の開口部に蓋体装着部を
設け、該蓋体装着部に接合金物と略同形状の蓋体を装着
固定可能として構成し、プレハブ建築物の床用コンクリ
ートパネルの四隅または適正位置に組み込み、該コンク
リートパネルを接合する接合金物の構成において、該接
合金物と蓋体との間に開口部を設け排出口としたことを
特徴とするコンクリートパネルの接合金物。
【請求項２】前記蓋体の中央近傍より縁部に向けて、
船底型に膨出させて凹曲面を形成し、該縁部に排出口を
形成することを特徴とする請求項１記載のコンクリート
パネルの接合金物。
【請求項３】前記排出口を配設した蓋体の表面に複数
の突起を形成したことを特徴とする請求項１、または２
記載のコンクリートパネルの接合金物。