JP3291768B2 - 塗装焼付け硬化性のすぐれたAl合金板材 - Google Patents

塗装焼付け硬化性のすぐれたAl合金板材

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば自動車のボデ
ィシートとして用いた場合に、成形加工後に施される塗
装焼付け処理で強度が著しく向上する、いわゆる塗装焼
付け硬化性のすぐれたAl合金板材に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、一般に、例えば自動車のAl合金
製ボディが、MgおよびSiを主要合金成分として含有
するAA6063や同6061などのAl合金板材を用
い、これに溶体化焼入れ処理を施し、さらに必要に応じ
て矯正を施して前記Al合金板材の平坦化をはかった状
態で、プレス成形にて所定のボデイ形状に加工し、つい
で塗装を施した後、例えば大気中、約200℃の温度に
20分間保持の条件で塗装焼付け処理を行なうことによ
り製造されることは良く知られるところである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のAA6
063や同6061などの従来Al合金板材において
は、溶体化焼入れ処理後の常温放置で温度が上昇、すな
わち自然時効硬化し、この強度上昇は放置時間に比例す
るものであるため、強度上昇に伴なう成形加工性の低下
を考慮して、成形加工に時間的制約を受けるばかりでな
く、近年の各種塗料の開発に伴ない、これの焼付け温度
は低下する傾向にあり、現状では約170℃で塗装焼付
けが行なわれる事例も示されているが、このような低温
焼付けでは十分な強度を具備せしめることができない。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、低温での塗装焼付け処理でも高
強度を具備するようになる塗装焼付け硬化性のすぐれた
Al合金板材を開発すべく研究を行なった結果、質量%
で(以下、%は質量%を示す)、 Mg:0.3〜0.8%、 Si:0.3〜1%、 Be:0.001〜0.5%、 Ti:0.005〜0.05%、 B :0.001〜0.01%、 Zn:0.05〜2%、 を含有し、さらに必要に応じて、 Cu:0.05〜1%、 を含有し、さらに必要に応じて、 Mn:0.01〜0.6%、 Cr:0.01〜0.2%、 Zr:0.01〜0.2%、 のうちの1種または2種以上、を含有し、残りがAlと
不可避不純物からなる組成を有するAl合金板材は、溶
体化焼入れ処理ですぐれた成形加工性を示し、かつ相対
的に低温での塗装焼付け処理で高強度を具備するように
なるという研究結果を得たのである。
【0005】この発明は、上記の研究結果にもとづいて
なされたものであって、Al合金板材の組成を上記の通
りに限定した理由を以下に説明する。 (a) MgおよびSi これら両成分には、共存含有した状態で塗装焼付け処理
後の強度を向上させる作用があるが、その含有量がM
g:0.3%未満およびSi:0.3%未満では所望の
すぐれた塗装焼付け硬化性を確保することができず、一
方その含有量がMg:0.8%およびSi:1%を越え
ると、溶体化焼入れ処理後に施される成形加工が困難に
なることから、その含有量を、Mg:0.3〜0.8
%、Si:0.3〜1%とそれぞれ定めた。
【0006】(b) Be Be成分には、溶体化焼入れ処理後の自然時効硬化を抑
制し、かつ低温での塗装焼付け処理で高強度を具備せし
める作用、すなわち塗装焼付け硬化性を向上させる作用
があるが、その含有量が0.001%未満では前記作用
に所望の効果が得られず、一方その含有量が0.5%を
越えても前記作用により一段の向上効果が現われないこ
とから、その含有量を0.001〜0.5%、好ましく
は0.001〜0.1%と定めた。
【0007】(c) TiおよびB これら両成分には、共存含有した状態で結晶粒を微細化
し、溶体化焼入れ処理後の成形加工性を向上させる作用
があるが、その含有量がTi:0.005%未満および
B:0.001%未満では所望の成形加工性向上効果が
得られず、一方、その含有量がTi:0.05%および
B:0.01%を越えると、成形加工に不可欠の延性が
低下するようになることから、その含有量をそれぞれT
i:0.005〜0.05%、B:0.001〜0.0
1%と定めた。
【0008】(d) CuおよびZn これらの成分には、塗装焼付け硬化性を向上させる作用
があるので含有させるが、その含有量が、それぞれC
u:0.05%未満およびZn:0.05%未満では前
記作用に所望の向上効果が得られず、一方その含有量
が、それぞれCu:1%およびZn:2%を越えると成
形加工性が低下するようになるということから、その含
有量を、それぞれCu:0.05〜1%、Zn:0.0
5〜2%と定めた。
【0009】(e) Mn,Cr、およびZr これらの成分には、成形加工性を一段と向上させる作用
があるので必要に応じて含有されるが、その含有量が、
それぞれMn:0.01%未満、Cr:0.01%未
満、およびZr:0.01%未満では前記作用に所望の
向上効果は得られず、一方その含有量が、それぞれM
n:0.6%、Cr:0.2%、およびZr:0.2%
を越えても成形加工性が低下するようになることから、
その含有量を、Mn:0.01〜0.6%、Cr:0.
01〜0.2%、およびZr:0.01〜0.2%と定
めた。なお、Cr:0.05〜0.15%、Cr:0.
05〜0.15%、およびZr:0.05〜0.15%
の含有が望ましい。
【0010】
【実施例】つぎに、この発明のAl合金板材を実施例に
より具体的に説明する。通常の低周波誘導溶解炉にてそ
れぞれ表1に示される成分組成をもったAl合金を溶製
し、半連続鋳造法にてインゴットとした後、530〜5
50℃の範囲内の所定温度に12時間保持の条件で均質
化処理を行ない、ついでこれに通常の条件で熱間圧延と
冷間圧延を施して厚さ:1mmの板材とすることにより本
発明Al合金板材1〜6および従来Al合金板材1,2
をそれぞれ製造した。
【0011】
【表1】
【0012】つぎに、この結果得られた各種のAl合金
板材について、これに530〜560℃の範囲内の所定
温度に加熱したソルトバス中に30秒間浸漬後水焼入れ
の溶体化焼入れ処理を施し、さらに加えて常温に1週間
放置後に240℃に加熱したオイルバス中に10秒間浸
漬後水焼入れの熱処理を施して常温に1週間放置し、こ
の時点で引張試験により耐力を測定し、さらに前記熱処
理後1ヶ月常温に放置した時点での耐力を測定し、引続
いてこれに自動車のボディ(パネル)への成形加工時に
受ける歪に相当する2%の塑性歪を引張りにより付与し
た状態で、低温塗装焼付け条件である温度:170℃に
20分間保持の条件で加熱を施し、耐力を測定した。こ
れらの測定結果を表2に示した。
【0013】
【表2】
【0014】
【発明の効果】表1〜2に示される結果から、本発明A
l合金板材1〜6は、AA6063および6061に相
当する従来Al合金板材1,2に比して自然時効硬化に
よる強度上昇がきわめて低く、かつ塗装焼付け処理後に
一段と高強度を具備するようになることが明らかであ
る。上述のように、この発明のAl合金板材は、溶体化
焼入れ処理後の自然時効硬化性が低く、これは成形加工
の経時的制約を緩和するものであり、さらに低温での塗
装焼付け処理で高強度を具備するようになるので、例え
ば自動車用のボデーシートとして最適な性質をもつもの
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−205660(JP,A) 特開 昭62−177143(JP,A) 特開 昭57−94546(JP,A) 特開 平2−47234(JP,A) 特開 平4−318144(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 21/00 - 21/18

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 質量%で、 Mg:0.3〜0.8%、 Si:0.3〜1%、 Be:0.001〜0.5%、 Ti:0.005〜0.05%、 B :0.001〜0.01%、 Zn:0.05〜2%、 を含有し、残りがAlと不可避不純物からなる組成を有
    することを特徴とする塗装焼付け硬化性のすぐれたAl
    合金板材。
  2. 【請求項2】 質量%で、 Mg:0.3〜0.8%、 Si:0.3〜1%、 Be:0.001〜0.5%、 Ti:0.005〜0.05%、 B :0.001〜0.01%、 Zn:0.05〜2%、 Cu:0.05〜1%、 を含有し、残りがAlと不可避不純物からなる組成を有
    することを特徴とする塗装焼付け硬化性のすぐれたAl
    合金板材。
  3. 【請求項3】 質量%で、 Mg:0.3〜0.8%、 Si:0.3〜1%、 Be:0.001〜0.5%、 Ti:0.005〜0.05%、 B :0.001〜0.01%、 Zn:0.05〜2%、 を含有し、さらに、 Mn:0.01〜0.6%、 Cr:0.01〜0.2%、 Zr:0.01〜0.2%のうちの1種または2種以上、 を含有し、残りがAlと不可避不純物からなる組成を有
    することを特徴とする塗装焼付け硬化性のすぐれたAl
    合金板材。
  4. 【請求項4】 質量%で、 Mg:0.3〜0.8%、 Si:0.3〜1%、 Be:0.001〜0.5%、 Ti:0.005〜0.05%、 B :0.001〜0.01%、 Zn:0.05〜2%、 Cu:0.05〜1%、 を含有し、さらに、 Mn:0.01〜0.6%、 Cr:0.01〜0.2%、 Zr:0.01〜0.2%のうちの1種または2種以上、 を含有し、残りがAlと不可避不純物からなる組成を有
    することを特徴とする塗装焼付け硬化性のすぐれたAl
    合金板材。
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