JP2698888B2 - 耐応力腐食割れ性に優れるアルミニウム合金板の製造法 - Google Patents

耐応力腐食割れ性に優れるアルミニウム合金板の製造法

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JP2698888B2
JP2698888B2 JP4018492A JP1849292A JP2698888B2 JP 2698888 B2 JP2698888 B2 JP 2698888B2 JP 4018492 A JP4018492 A JP 4018492A JP 1849292 A JP1849292 A JP 1849292A JP 2698888 B2 JP2698888 B2 JP 2698888B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車部品用に適したア
ルミニウム合金板に係り、より詳細には、自動車のフレ
ーム、シャーシ及び駆動系等の各部品類で、厳しい腐食
環境下においても優れた耐応力腐食割れ性を有するアル
ミニウム合金板の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、自動車のシャーシ等の部品には、成形性に優れる材
料が一般に求められており、Al−Mg系合金が使用され
ている。その中で多くの部品について軽量化効果を高め
るためにMg量が3.5%を超す高強度材(例、A518
2、A5083、A5086等)が使用されている。
【0003】シャーシ等は腐食環境の厳しい箇所で使用
されることが多く、3.5%Mgを超すAl−Mg系合金を
使用した部品では、応力腐食割れが発生し易く、車体安
全性を著しく損なうことがある。
【0004】応力腐食割れの発生は、腐食環境、応力に
影響されるが、素材の種類とその製造方法によっても大
きく影響される。
【0005】ところで、従来、シャーシ等の部品に使用
されるAl−Mg系合金はA5182、A5083、A5
086などであるが、これらの合金の耐応力腐食割れ性
は、実用上問題のないMg3.5%以下のAl−Mg系合金
に比べ、大きく劣っている。
【0006】また、パネル材として本出願人が先に提案
した特願昭63−43870号の「耐糸錆性に優れた焼
付塗装用アルミニウム合金」は、耐応力腐食割れ性に優
れるが、焼鈍のとき室温までの冷却時に急冷する必要が
あり、バッチ炉での製造が困難であった。
【0007】シャーシ部品等では板厚が2〜5mm程度の
材料が必要とされ、これらの厚板では仕上げ焼鈍時の急
冷は、板厚1mmのものと比べ、量産性が著しく悪くな
る。
【0008】更に、自動車については、道路に凍結防止
剤としてCaCl2等の融雪剤を散布することが多いな
ど、腐食環境がますます厳しくなってきている。このよ
うな厳しい腐食環境下において優れた耐応力腐食割れ性
を有する材料の開発が求められているのが実情である。
【0009】本発明は、かゝる要請に応えるべくなされ
たものであって、厳しい腐食環境下においても優れた耐
応力腐食割れ性を発揮し得るアルミニウム合金板の製造
方法を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明者は、優れた耐応力腐食割れ性を付与し得る
アルミニウム合金板の開発に努めた結果、特にCu添加
を含めた成分組成のアルミニウム合金板の製造工程を最
適化することにより可能としたものである。
【0011】 すなわち、本発明は、Mg:3.5〜
4.2%、Cu:0.1〜0.5%、Mn:0.03〜
0.5%を必須元素として含有し、更に必要に応じて、
Cr:0.03〜0.20%及びZr:0.03〜0.
20%の1種又は2種を含有し、残部がAl及び不可避
的不純物からなるアルミニウム合金板を製造するに当た
り、鋳造後の均熱処理として400〜550℃の温度に
加熱し、1〜20時間保持した後、300〜520℃の
温度で熱間圧延し、その後、加工率30%以上の冷間圧
延を行い、更に仕上げ焼鈍を行い、その際の加熱保持後
の冷却を5℃/min以下の冷却速度とすることを特徴
とする耐応力腐食割れ性に優れるアルミニウム合金板の
製造法を要旨とするものである。
【0012】以下に本発明を更に詳細に説明する。
【0013】
【作用】
【0014】まず、本発明におけるアルミニウム合金の
化学成分の限定理由は以下のとおりである。
【0015】Mgは強度を付与する元素であるが、3.5
%未満では強度と伸びが低くなり、また4.2%を超え
ると、強度は高いが耐応力腐食割れ性が劣るようになる
ので、好ましくない。したがって、Mg量は3.5〜4.
2%の範囲とする。
【0016】Cuは耐応力腐食割れ性の向上に寄与する
元素である。しかし、0.1%未満ではその効果がな
く、また0.5%を超えると耐応力腐食割れ性の向上効
果も飽和し始め、更には溶接性が著しく劣るようになる
ので好ましくない。したがって、Cu量は0.1〜0.5
%の範囲とする。
【0017】Mnは強度を向上させる元素であるが、0.
03%未満ではその効果がなく、逆に0.5%を超える
と強度の改善効果が飽和して成形加工性(張出し性及び
伸び)も劣るようになるので好ましくない。したがっ
て、Mn量は0.03〜0.5%の範囲とする。
【0018】Cr及びZrは強度を向上させる元素である
ので、それらの少なくとも1種を適量で添加することが
できる。しかし、Cr及びZrともそれぞれ0.03%未
満ではその効果がなく、逆にそれぞれ0.20%を超え
ると、成形加工性(張出し性及び伸び)も劣るようになる
ので好ましくない。したがって、添加するときは、Cr
量及びZr量をそれぞれ0.03〜0.20%の範囲とす
る。
【0019】なお、不可避的な不純物としてFe、Si等
が含まれ得るが、本発明の効果を損なわない限度で許容
し得る。例えば、Fe≦0.4%、Si≦0.2%であれ
ば、耐応力腐食割れ性に影響を及ぼさない。
【0020】また、結晶粒を微細化するために、通常、
TiやTi+Bを添加するが、それぞれTi≦0.1%、B
≦0.02%であれば、耐応力腐食割れ性に影響を及ぼ
さない。
【0021】更に、Zn、Ni、Na等の不純物は、Zn≦
0.5%、Ni≦0.1%、Na≦0.001%であれば、
耐応力腐食割れ性に影響を及ぼさない。
【0022】次に本発明における製造条件の限定理由は
以下のとおりである。
【0023】上記の如く成分調整した組成のアルミニウ
ム合金は常法により溶製、鋳造し通常の面削を行うが、
本発明では面削後の均熱処理、熱間圧延、冷間圧延、仕
上げ焼鈍の各条件を規制する。
【0024】具体的には、均熱温度が400℃未満では
結晶粒微細化のために効果のあるMnAl6の析出が十分
に行われず、また550℃を超えるとバーニングを起こ
して特性の低下を招く恐れがあるので、均熱温度は40
0〜550℃の範囲とする。また、その際の保持時間は
1〜20時間が適当である。これらの範囲外の条件で
は、前述の均熱効果が得られず、また加熱保持時間が2
0時間を超えて行ってもエネルギーの無駄である。
【0025】均熱処理後、熱間圧延を行うが、その温度
が300℃未満では変形抵抗が大きくなり熱間圧延が困
難となり、また、520℃を超える温度で熱間圧延を行
うためには均熱温度を550℃を超す温度にする必要が
あり、均熱処理時にバーニングを起こして特性が低下す
る。このため、熱間圧延温度は300〜520℃の範囲
とする。
【0026】次に、熱間圧延後の冷間圧延は、仕上げ焼
鈍時の再結晶粒の調整のために行うが、このときの加工
率が30%未満の冷間圧延では、加工率が小さいために
仕上げ焼鈍時の再結晶粒が粗大化し、耐力の低下及び成
形加工時に製品の肌荒れを招く恐れがある。このため、
冷間圧延の加工率を30%以上とする。
【0027】更に、冷間圧延後に仕上げ焼鈍を行うが、
この時の加熱保持後の冷却において、平均冷却速度が5
℃/min以下の場合、冷却時に応力腐食割れの原因で
あるβ相(AlMg)ではなく、Al−Mg−Cu
系析出物が析出して、応力腐食割れ感受性を改善させ
る。しかし、5℃/minを超える冷却速度の場合はC
uの母相中への固溶量が多くなり、冷却時にAl−Mg
−Cu系析出物が十分に析出されず、また、2mmを超
えるような板厚のアルミニウム合金板は、5℃/min
を超える冷却速度で冷却するためには製造装置上冷却装
置をつける必要があるうえ、徐冷で耐応力腐食割れ性の
改善効果があるため、5℃/minを超える冷却速度で
冷却することは無駄である。
【0028】次に本発明の実施例を示す。
【0029】
【実施例】
【表1】 に示す化学成分を有するAl合金の50mm厚の鋳塊に5
10℃×4hrの均熱処理を施し、500〜300℃で板
厚6mmまで熱間圧延をし、続いて3mmまで冷間圧延を行
った。この3mm厚のAl合金板に、0.7℃/minの平均
速度で昇温した後、340℃×2hr保持し、0.1〜4
℃/minの平均速度で冷却する仕上げ焼鈍を施して供試
材とした。
【0030】得られた供試材について、素材の機械的性
質を調べると共に、50mmφ球頭張出し高さ、耐応力腐
食割れ性及びTIG溶接性を調べた。その結果を表1に
併記する。
【0031】応力腐食割れの促進試験のため、供試材
(O材、板厚3mm)に鋭敏化処理を施した。すなわち、板
厚3mm(O材)を板厚2.1mmまで冷間圧延し、120℃
×7日間の低温焼鈍を施した。この供試材を2.1mmt
×180mmw×15mmlの試験片に加工し、脱脂の後、
U字曲げを行って試験片に応力を付加した。その後、
3.5%NaCl中に浸漬し、通電法により試験を行っ
た。ここで、試験開始から割れ発生までの時間を測定
し、耐応力腐食割れ性を評価した。なお、通電時間は最
大720分とし、この最大時間で割れが生じない場合
を、720分以上で実使用上割れが生じないMg3.5%
以下のAl−Mg系合金と同程度と判定した。
【0032】表1より明らかなように、本発明例は、い
ずれも優れた耐応力腐食割れ性を有すると共に成形性や
強度も優れている。一方、本発明範囲外の化学成分を有
する比較例は、本発明例と比べて、各特性で劣っている
ことがわかる。
【0033】すなわち、比較例No.8及びNo.9は耐応
力腐食割れ性が劣り、No.10〜No.12はMn、Cr、
Zrの各添加量が多いために部品材として備えるべき成
形性の劣化が著しい。またNo.13は、Cuの添加によ
り耐応力腐食割れ性は良好であるものの、Cu量が多す
ぎるため溶接性の劣化が著しい。No.14は、化学成分
は本発明範囲内であるが、冷間圧延の加工率が小さいた
め、耐応力腐食割れ性が劣ると共に張出し加工時に肌荒
れが認められた。
【0034】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
Cuの添加と共に他の成分添加を適度にバランスよく調
整したので、仕上げ焼鈍の冷却過程が徐冷の場合におい
ても、従来のMgが3.5%を超えて含有するAl−Mg系
合金よりも優れた耐応力腐食割れ性を備えることがで
き、更に部品部材として備えるべき成形性と強度も有し
ている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22F 1/00 685 8719−4K C22F 1/00 685Z 686 8719−4K 686A 691 8719−4K 691B 8719−4K 691C 692 8719−4K 692A 694 8719−4K 694A 8719−4K 694B

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で(以下、同じ)、Mg:3.5
    〜4.2%、Cu:0.1〜0.5%、Mn:0.03
    〜0.5%を必須元素として含有し、更に必要に応じ
    て、Cr:0.03〜0.20%及びZr:0.03〜
    0.20%の1種又は2種を含有し、残部がAl及び不
    可避的不純物からなるアルミニウム合金板を製造するに
    当たり、鋳造後の均熱処理として400〜550℃の温
    度に加熱し、1〜20時間保持した後、300〜520
    ℃の温度で熱間圧延し、その後、加工率30%以上の冷
    間圧延を行い、更に仕上げ焼鈍を行い、その際の加熱保
    持後の冷却を5℃/min以下の冷却速度とすることを
    特徴とする耐応力腐食割れ性に優れるアルミニウム合金
    板の製造法。
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