JPS63255346A - Al−Mg系合金軟質材の製造方法 - Google Patents

Al−Mg系合金軟質材の製造方法

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JPS63255346A
JPS63255346A JP9010087A JP9010087A JPS63255346A JP S63255346 A JPS63255346 A JP S63255346A JP 9010087 A JP9010087 A JP 9010087A JP 9010087 A JP9010087 A JP 9010087A JP S63255346 A JPS63255346 A JP S63255346A
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alloy
soft material
stress corrosion
corrosion resistance
cooling rate
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Kenzo Okada
岡田 健三
Sotaro Sekida
宗太郎 関田
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Sky Aluminium Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明はLNGタンクなどの各種大型溶接構造材など
に使用されるAiMg系合金の軟質材(O材)、特に高
強度化のためにMg量を5.3%以上と高強度化した1
−Mg系合金の軟質材の耐応力腐食性を向上させる方法
に関するものである。
従来の技術 従来の代表的なAj2−Mg系合金である5083合金
は、非熱処理型高強度材であることから、近年のへ!溶
接技術の進歩に伴なってLNG (液化天然ガス)の陸
上貯蔵タンクや、タンカー用タンクなどの大型溶接構造
物などに広く用いられるようになっているが、最近では
材料使用量低減によるコストダウンを目的として、この
種の合金の強度をざらに向上させて薄肉化を図ることが
強く望まれている。
ところで5083合金は、JIS規格によればMg4.
0〜4.9%、Mn 0.30〜1.0%、Oro、0
5〜0.25%を含有し、残部がAIlおよび不可避的
不純物よりなるものであって、その他不純物成分として
、Cu 0.10%以下、3i0.40%以下、Fe0
.40%以下、ZnO025%以下、Ti0.15%以
下が許容されている。
このような5083合金の強度に寄与している合金元素
は主としてMglMnlCrであり、これらのうちでも
特にMgの含有量が高いことから、Mgの強度に対する
寄与が最も高い。そこでへ!−Mg系合金の強度を従来
の5083合金よりも高めるためには、Mg添加量を5
083合金の場合よりも増量して5.3%以上とするこ
とが考えられ、本願発明者等も既に特開昭61−738
56号においてそのようにMglを増mすることにより
高強度化したAl−Mg系合金を提案している。
発明が解決すべき問題点 A1Mg系合金は一般に耐食性が優れてはいるが、Mg
量が増せば応力腐食割れが生じ易くなることが明らかに
されており、一方便質材(例えばHI3材)よりも軟質
材(O材)の方が応力腐食割れが生じにくいことが知ら
れているが、[)ixら(文献芯 Corrosion
 15 [2] (1959) P55〜)によれば、
Mgが5%を越えれば軟質材でも応力腐食割れの可能性
があることが明らかにされている。種々の環境下でしか
も応力下で使用されるLNGタンク等の構造物において
は、安全性確保のためには応力腐食割れの可能性のある
素材を使用することは避けねばならず、したがって高強
度化のためにMgを5.3%以上添加したAl−fll
系合金軟質材においても、それを実際にLNGタンク等
に使用するためには、応力腐食割れの可能性を排除して
おかなければならない。
一般にMgを過飽和固溶体の状態で含有する高MgのA
iMg系合金においては、20年にも及ぶような長期の
経時変化によりMgがβ相CA13 Mg2 >の形で
粒界や辷り線に析出する傾向があり、特に粒界に析出し
た場合、粒界が局部的に腐食されやすくなって、耐応力
腐食性が低下することが知られている。上記のDixら
によれば、このような長期の経時変化は、増感処理と称
される100〜120″CX 1週間の熱処理によりほ
ぼ代用できるとされており、したがってこのような増感
処理を行なった状態において応力腐食割れ試験を行なえ
ば、耐応力腐食性を判定することができる。
前述のような長期の経時変化による粒界へのβ相の析出
量を少なくするためには、総Mqdを制限して過飽和に
固溶しているMg量を少なくすることが有効であるが、
この方法は、Mg量を増量することによりAl−Mg系
合金の強度向上を図るこの発明の目的には沿わない。ま
た一方、β相の粒内析出を促進してβ相の粒界析出を防
止するために、zr、vのような遷移金属を添加して、
これらの元素を含む析出物を粒内に均一に分散させる方
法も行なわれているが、この方法の場合、添加合金元素
コストの上昇を招いたり、また添加量によっては鋳塊に
粗大な金属間化合物が生じて組織の均一性を阻害したり
する問題を招くことがある。
この発明は以上の事情に鑑みてなされたもので、1’V
IQを5.3%以上含有する高Mg系の11’−Mg合
金軟質材において、上述のような諸問題を招くことなく
、粒界へのβ相(Al3Mg2)の析出を極力少なくし
て耐応力腐食性を充分に向上させる方法を提供すること
を基本的な目的とするものである。
問題点を解決するための手段 この発明は、基本的には、Mgを5,3%以上含有しか
つFe、Mnを含有する高M(1)系のAl−Mg合金
軟質材(0材)を製造するにあたって、仕上焼鈍後の冷
却速度(仕上焼鈍を行なわず、熱間圧延を350℃以上
の高温で終了させて軟質材を1昇る場合は熱間圧延後の
冷却速度)を所定の速度以下に制御することによってβ
相の粒界析出を減少させ、これにより長期の経時変化に
よる応力腐食性の低下を防止するようにしたものである
すなわち本願発明者等は、5.3〜9%のMgを含有し
かつ所定量のMn、 Feを含有するAl−Mg合金軟
質材の製造過程における仕上焼鈍後の冷却速度(あるい
は350′cJy、上の高温で熱間圧延を終了させて仕
上焼鈍を行なわずに軟質材を得る場合は熱間圧延後の冷
却速度)が3相の析出に及ぼす影響について詳細に調査
・検討した結果、それらの冷却速度を350〜200℃
の温度域で30°C/h「以下に制御すれば、長期経時
変化相当の変化、例えば120″CX 1週間の増感処
理後においても粒界へのβ相の析出が減少して、耐応力
腐食性が著しく改善されることを見出し、この発明をな
すに至ったのである。
具体的には、本願の第1発明のAl−Mg系合金軟質材
の製造方法は、Mg5.3〜9%、Mn0.05〜1.
0%、Cr 0.05〜0.3%、T10.005〜0
.2%、Fe 0.25〜1.00%を含有し、残部が
Afおよび不可避的不純物よりなる合金を素材とし、圧
延および仕上焼鈍を施して所要の板厚を有する軟質材に
仕上げるにあたり、仕上焼鈍後の冷却過程における35
0〜200℃の温度域での冷却速度を30℃/hr以下
として、軟質材の耐応力腐食性を向上させることを特徴
とするものである。
また第2発明のAf−IVtQ系合金軟質材の製造方法
は、前記第1発明で規定した成分のほか、ざらにCu@
0.05〜0.3%含有する合金を素材とし、前記同様
なプロセスを適用するものである。
さらに第3発明のAl−MCJ系合金軟質材の製造方法
は、前記第1発明で規定した成分組成の合金を素材とし
、熱間圧延を350℃以上の高温で終了させて、仕上焼
鈍を行なうことなく所要の板厚の軟質材を得るにあたり
、熱間圧延後の冷却過程における350〜200℃の温
度域での冷却速度を30”C/hr以下に制御して、軟
質材の耐応力腐食性を向上させるものである。
そしてまた第4発明のAJ2−MCJ系合金軟質材の製
造方法は、第1発明で規定する成分のほか、第2発明と
同様にCueo、05〜0.3%含有する合金を素材と
して、第3発明と同様なプロセスを適用するものである
作  用 Mg含有量が5,3〜9%のAl−Ma金合金添加され
たMn、Feは、鋳造凝固過程および均熱・熱間圧延工
程を経て、Al−Fe−Mn系の第二相化合物またはM
n、Fe含有析出物として均一、かつ微細に分散される
。このように第二相化合物または析出物が均一に分散さ
れた金属組織では、仕上焼鈍後の350〜200℃の温
度域での冷却速度を30℃/hr以下に制御することに
よって、長期の経時変化、あるいはそれに相当する例え
ば120″CX1週間の増感処理後においても、β相(
Al3Mg2)の析出が粒界のみならず粒内へも均一に
行なわれることになる。したがってβ相の粒界への優先
析出に起因する応力腐食割れの発生の可能性が少なくな
り、耐応力腐食性が向上するのである。
なお仕上焼鈍後の冷却過程における350〜200℃の
温度域での冷却速度が30℃/hrを越える場合でも、
短期的には粒界へのβ相の析出は顕著ではないが、長期
の経時変化、おるいはそれに相当する例えば120’C
X1週間の増感処理後では、粒界へのβ相の析出が顕著
となり、耐応力腐食性が低下する。したがってこの発明
では仕上焼鈍後の350〜200℃の温度域での冷却速
度を30℃/hr以下と限定した。
ここで、仕上焼鈍後の冷却速度が、長期の経時変化もし
くは増感処理後のβ相の粒界、粒内析出に影響を及ぼす
理由は、次のように考えられる。
すなわち、仕上焼鈍時には既に第二相化合物以外に粒内
にAl−Mn系やAl−Fe系の不溶性化合物が析出さ
れており、仕上焼鈍後の冷却速度が30℃/hr以下と
著しい徐冷の場合、第二相化合物および粒内の不溶性化
合物のところに、β相析出の核となるようなMgの濃化
された部分(これをβ′相と称する)が生じ、このβ′
相から長期の経時変化もしくは増感処理によってβ相が
成長すると考えられる。一方性上焼鈍後の冷却速度が速
い場合は、粒内へのMgの濃化が生じず、長期の経時変
化もしくは増感処理によってβ相は粒界へ出現せざるを
得なくなる。そして前述のように粒内の不溶性化合物の
ところにMgの濃化されたβ′相が生成されるためには
、不溶性化合物とマトリックスとの界面に歪を緩和させ
るような空孔の濃縮が必要であるが、低温で平衡空孔濃
度が低い場合は粒内でβ′相の生成は進行せず、200
℃以上で空孔濃度が高い場合に粒内でのβ′相の生成が
生じる。したがって仕上焼鈍後の徐冷を200℃以上の
温度域で行なうことによって粒内でのβ′相の析出が進
行し、その後の長期の経時変化や増感処理で粒内でのβ
相の成長が促進されることになる。そのため仕上焼鈍後
の30℃/hr以下の冷却速度での徐冷温度域の下限は
200℃とした。
また仕上焼鈍で軟質材で仕上げるための下限温度゛は3
50℃程度であり、したがって徐冷温度域の上限は35
0℃とした。なおもちろん350℃より高い温度域から
30℃/hr以下で徐冷しても良く、また200℃より
低い温度まで30℃/hr以下で徐冷としても良く、要
は350℃〜200℃の温度域で30’C/h「以下と
なっていれば良い。
ここで、所要の厚みの軟質材を製造する方法自体は一般
的なものであれば良く、例えばDC鋳造法あるいは半連
続鋳造法、連続vI造法などによって常法にしたがって
鋳塊を鋳造した後、必要に応じて鋳塊の均質化処理を例
えば400〜500℃の温度で行ない、次いで400〜
500℃に加熱して熱間圧延を行ない、その後300〜
500℃の温度で仕上焼鈍して軟質材に仕上げる方法、
あるいは前記同様に熱間圧延を施した後、必要に応じて
300〜500℃で中間焼鈍を行ない、ざらに冷間圧延
を施して最終板厚に仕上げ、その後軟質材とするために
300〜500℃の仕上焼鈍を行なう方法を適用すれば
良い。そしてこれらの方法の場合、最終の仕上焼鈍後の
冷却過程における350〜200℃の温度域での冷却速
度を既に述べたように30℃/hr以下に制御すること
によってこの発明の目的を達成できる。
なお、熱間圧延のみによって最終板厚に仕上げる場合で
あっても、熱間圧延終了温度が350℃以上の場合には
、軟質材とするために特に仕上焼鈍を施さなくても良く
、熱間圧延のままで所要の板厚の軟質材を得ることがで
き、この場合は熱間圧延俊の冷却過程における350〜
200℃の温度域での冷却速度を30℃/hr以下に制
御することによって、前記同様な作用を得て、この発明
の目的を達成するこ−とができる。
次にこの発明で使用する合金の成分組成の限定理由につ
いて説明する。
Mg: Mgは非熱処理型A2合金において高強度化のために有
効な元素であるが、5.3%未満の量ではこの発明で目
的とする程度の高強度が達成されず、また5、3%未満
のMg!では軟質材の場合長期の経時変化による耐応力
腐食性の低下はさほど問題とならない。一方9%を越え
てMgを増量しても強度向上への寄与は少なくなり、経
済的でなくなるから、5.3〜9%の範囲に限定した。
なおこの範囲内でも特に高強度を得るためには、Mgを
6%以上、ざらには7%以上とすることが望ましい。
Mn: Mnは強度、特に耐力の確保に有効であるとともに、前
述のようにFeとの共存により鋳造時およびそれ以降の
各種熱履歴過程において高温で安定なAf−Fe−Mn
系の第二相化合物および不溶性化合物の析出物を生成し
かつ熱間圧延や冷間圧延工程でこれが均一に破壊、分散
されることにより耐応力腐食性の向上に寄与する。すな
わちこの第二相化合物および析出物が微細かつ均一に分
散された状態となるため、既に述べたように長期の経時
変化によるβ相の析出が粒界のみならず粒内にも均一に
行なわれるのである。ここで、Mn量が0,05%未満
ではこのような効果が得られず、一方Mnが1.0%を
越えれば化合物晶出量が多くなって、時には巨大金属間
化合物が晶出されて健全な鋳塊が得られず、圧延材の品
質の均一性を損なうおそれがあるから、Mnは0.65
〜1.0%の範囲に限定した。
Fe: FeもMnとの共存によりAl−Fe−Mn系化合物お
よび不溶性化合物の析出物を生成させ、前記同様に耐応
力腐食性を向上させるに有効な元素である。Feが0.
25%未満ではその効果が充分に得られず、一方1.O
%を越えれば化合物の分布数が多くなり過ぎて延性、靭
性を劣化させるおそれがある。したがってFeは0.2
5〜1.0%の範囲内とした。
Cr: Orも強度、特に耐力の確保と耐応力腐食性の向上に有
効な元素であるが、0.05%未満ではその効果が充分
に得られず、一方0.3%を越えれば鋳塊に巨大な金属
間化合物が晶出されて、圧延材品質の均一性を損なうお
それがあるから、0.05〜0゜3%の範囲内に限定し
た。
Ti: Tiは鋳塊の結晶粒微細化に効果がある元素であるが、
0.005%未満ではその効果が認められず、一方0.
2%を越えれば靭性を劣化させるから、Tiは0.00
5〜0.2%の範囲内とした。なおTiの添加と併せて
Bを添加すれば鋳塊結晶粒微細化の効果は一層顕著とな
る。但しBが0.001%未満ではその効果が少なく、
一方Bが0.1%を越えれば靭性が低下するから、ar
’r rと複合添加する場合のBlは0.001〜0.
1%の範囲内とすることが好ましい。
Cu: Cuは耐応力腐食性の向上に有効な元素であり、したが
って本願第2発明および第4発明において添加すること
とした。但しCutfio、05%未満ではその効果が
認められず、一方0.30%を越えれば高濃度にMgを
含有するAl−M(J合金では熱間加工性を損なうおそ
れがあるから、第2発明および第4発明のCu添加量は
0.05〜0.30%の範囲内とした。
このほか、へ!合金においてはZn、3i等が不純物と
して含有されるのが通常であるが、Znが0.50%を
越えれば溶接熱影響部の耐食性に問題が生じ、またSi
が0.40%を越えればAl−Mg−3i系共晶化合物
が増加し、これが大入熱溶接において溶融して熱影響部
のミクロ割れを招き易くなる。したがってznは0.5
0%以下、S i It 0.40%以下に規制するこ
とが好ましい。
なおこの発明の合金は易酸化性のMgを高濃度に含む合
金であるから、合金の溶製、鋳造時における溶湯酸化を
防止するため、Beをo、 oooi〜0、002%程
度添加しておくことが好ましい。
実施例 第1表の合金番号1.2で示される2種の成分組成の合
金をそれぞれ厚さ400rrIIr1、幅1000m、
長さ3000mのインゴットにDC鋳造した。次いでそ
のインゴットに対し、固剤および460℃X30時間の
均質化処理を施した後、熱間圧延を施して厚さ25M1
幅1100履の板材とした。その後、350℃×5時間
の仕上げ焼鈍を行ない、軟質材とした。
仕上焼鈍後の冷却速度としては、次のA、B、Cの3種
の異なる条件を適用した。
A(比較例) :  350〜200℃の範囲で600
℃/h「、引続いて200〜100℃の範 囲で200℃/hr B(比較例)=350〜200℃の範囲で&0℃/ h
r。
引続いて200〜100℃の範囲で 30℃/hr C(本発明例) :  350〜200℃の範囲で20
℃/hr、引続いて200〜100℃の範囲で 8℃/hr これらの供試材に対し、120℃×1週間の増感処理を
施し、組織観察を行なうとともに、JIS H8711
に準拠してCリング試験片の3.5%NaC1F液交互
浸漬によるC形曲げ応力腐食割れ試験を、耐力の75%
および耐力の100%の2種の負荷応力で行なった。こ
こでCリング試験片は、C形断面が圧延方向に平行でか
つ厚み方向に沿った面内に位置するように、かつC形断
面形状の線対称の基準線が、板の厚ざtに対しt/2の
位置における圧延方向に平行な線となるようにして切出
したものである。なお前述のような増感処理を行なわな
かった供試材についても、前記同様なC形曲げ応力腐食
割れ試験を行なった。
応力腐食割れ試験の結果を第2表に示し、また合金1に
ついての増感処理後の金属組織(但しt/4の位置にお
ける縦断面)を第1図に示す。
第1表:供試材の成分(wt%〉 第2表:応力腐食試験結果(注) (注) 0印:割れ発生なし ×印:割れ発生あり;()内の数値は割れに至る日数を
示す第2表から明らかなように、仕上焼鈍後の350〜
200℃での冷却速度を20℃/hrとこの発明で規定
する範囲内とした条件Cの場合は、増感処理後でも耐応
力腐食割れ発生のおそれが少なく、仕上焼鈍後の350
〜200℃での冷却速度を600℃/hrと急冷した条
件Aの場合と比較して格段に耐応力腐食性が優れている
。なお仕上焼鈍後の350〜200℃での冷却速度を8
0℃/hrとした条件Bの場合は、条件Aの場合と比較
すれば耐応力腐食性が良好であるが、条件Cのこの発明
の場合のレベルには至っていない。
発明の効果 以上の実施例からも明らかなように、この発明の方法に
よれば、高強度化を図るためにMgを5.3〜9%と高
濃度に含有させたAl−Mg合金軟質材を製造するにあ
たって、長期の経時変化によってもβ相が粒内に均一に
析出するようにして、耐応力腐食性を充分に向上させた
Al−Mg合金軟質材を得ることができる。したがって
この発明の方法により得られたAiMg合金軟質材は、
LNGタンクで代表される大型構造物など、高い強度と
優れた耐応力腐食性が要求される構造用材料に最適なも
のである。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例における合金番号1の熱延板について、
仕上焼鈍後の冷却速度条件を変えた場合の増感処理後の
β相の析出状況を示すための金属組織断面写真である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)Mg5.3〜9%(重量%、以下同じ)、Mn0
    .05〜1.0%、Cr0.05〜0.3%、Ti0.
    005〜0.2%、Fe0.25〜1.00%を含有し
    、残部がAlおよび不可避的不純物よりなる合金を素材
    とし、圧延および仕上焼鈍を施して所要の板厚を有する
    軟質材に仕上げるにあたり、仕上焼鈍後の冷却過程にお
    ける350〜200℃の温度域の冷却速度を30℃/h
    r以下として軟質材の耐応力腐食性を向上させることを
    特徴とするAl−Mg系合金軟質材の製造方法。
  2. (2)Mg5.3〜9%、Mn0.05〜1.0%、C
    r0.05〜0.3%、Ti0.005〜0.2%、F
    e0.25〜1.00%、Cu0.05〜0.3%を含
    有し、残部がAlおよび不可避的不純物よりなる合金を
    素材とし、圧延および仕上焼鈍を施して所要の板厚を有
    する軟質材に仕上げるにあたり、仕上焼鈍後の冷却過程
    における350〜200℃の温度域の冷却速度を30℃
    /hr以下として軟質材の耐応力腐食性を向上させるこ
    とを特徴とするAl−Mg系合金軟質材の製造方法。
  3. (3)Mg5.3〜9%、Mn0.05〜1.0%、C
    r0.05〜0.3%、Ti0.005〜0.2%、F
    e0.25〜1.00%を含有し、残部がAlおよび不
    可避的不純物よりなる合金を素材とし、熱間圧延を35
    0℃以上の高温で終了させて所要の板厚を有する軟質材
    に仕上げるにあたり、熱間圧延後の冷却過程における3
    50〜200℃の温度域の冷却速度を30℃/hr以下
    として軟質材の耐応力腐食性を向上させることを特徴と
    するAl−Mg系合金軟質材の製造方法。
  4. (4)Mg5.3〜9%、Mn0.05〜1.0%、C
    r0.05〜0.3%、Ti0.005〜0.2%、F
    e0.25〜1.00%、Cu0.05〜0.3%を含
    有し、残部がAlおよび不可避的不純物よりなる合金を
    素材とし、熱間圧延を350℃以上の高温で終了させて
    所要の板厚を有する軟質材に仕上げるにあたり、熱間圧
    延後の冷却過程における350〜200℃の温度域の冷
    却速度を30℃/hr以下として軟質材の耐応力腐食性
    を向上させることを特徴とするAl−Mg系合金軟質材
    の製造方法。
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