JP2001501672A - 焼付硬化可能なバナジウム含有鋼 - Google Patents
焼付硬化可能なバナジウム含有鋼Info
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Abstract
(57)【要約】
熱間圧延または冷間圧延されかつ焼なましされたシート及び/またはストリップである圧延鋼製品が、低炭素鋼中に有効量のバナジウムを含むことにより、特に自動車用に適した焼付硬化性が向上する。合金鋼化学組成におけるバナジウムの使用により、焼付硬化性を制御でき、製造工程において低温での固溶体焼なましが可能となり、さらに、より容易に所望の限定範囲内に鋳造される組成範囲を特定することで最終的な機械的特性の変動がほとんどない。バナジウム対炭素の比を約10またはそれより大きい値となるように制御することにより耐時効性も向上する。
Description
【発明の詳細な説明】
焼付硬化可能なバナジウム含有鋼
発明の分野
本発明は、低炭素ストリップ鋼製品、及び、焼付硬化性が向上した当該製品を
製造する方法に関連し、特に、バナジウム量を制御したストリップ鋼製品に関連
する。
従来技術
従来技術においては、より高強度シート鋼及びストリップ鋼に対する強い要望
が、特に自動車製造業者から益々高まりつつある。これは、新規の自動車設計に
おいて凹み耐性と重量軽減の双方を実現するためである。この要望とともに、非
常に成形性に優れると同時に焼付硬化性にも優れている鋼に対する要望も増えつ
つある。周知のように、焼付硬化性とは、通常約350°Fにおける20〜30分
間の自動車塗装焼成処理の間に所与の鋼において生じる強度増加のことを云う。
塗装焼付または他の適切な処理の間、焼付硬化可能な鋼は、最終製品における所
望の凹み耐性を実現するべく強化される。
所与の鋼において、延性と強度とは相反する属性である。鋼が、良好な成形性
(例えば、プレス変形性やプレス成形性)を得るためには、所望の形状へ変形さ
れるよう本質的に延性がなくてはならない。しかしながら、この延性と同時に鋼
は、自動車に見られるような外装枠に用いられる場合、凹むことに耐える十分な
強度もまた保持しなければならない。
従来技術は、この相反性を克服するために、鋼製品を製造するための鋼合金成
分と製造に用いられるプロセスの制御を通して様々な解決法を提示している。焼
付硬化性は、これらの解決法に貢献する魅力的な属性である。なぜなら、この硬
化性は、成形の後に生じるからである。
Hashlmotoらによる米国特許No.5,133,815は、深絞りのための冷間圧延または
ホットディップ(hot-dip)による亜鉛めっきシート鋼を開示する。焼付硬化性は
、
合金させる鋼成分の制御と、シート鋼中の固溶炭素の適正濃度を得る浸炭工程の
制御により向上する。
Takechiらによる米国特許No.4,391,653は、冷間圧延ストリップ鋼の窒素含有
率の制御により焼付硬化性が向上する高強度冷間圧延ストリップ鋼を開示する。
Irieらによる米国特許No.4,496,400は、自動車外装シート用に適した冷間圧延
シート鋼に関する。この特許は、適量のアルミニウム存在下で鋼中のCとNとを
固定させる作用に有効なニオブの混合量と、ニオブの寄与を有効に促進できる焼
なまし条件を開示する。この鋼の連続的焼なましは、焼付硬化効果を得るために
細かい加熱及び冷却の管理を必要とする。
Satoらによる米国特許No.4,750,952もまた、焼付硬化性の向上した冷間圧延シ
ート鋼を開示する。この特許では、イオウと窒素の量が限定され、そしてイオウ
と窒素の量を考慮してチタンの添加が特定範囲に制限される。この特許もまた、
「時間/エネルギー消費量の大きい」焼なまし(すなわち、再結晶化温度より上
で300秒より長い)を必要とする。
自動車外装枠への適用については、ホットディップ鋼等の被覆鋼が、その耐食
性から好適である。しかしながら、ホットディップ被覆に特に適した合金は、一
般的に格子間無原子(IF)の組成すなわち格子間原子のない組成を有すること
がよくある。これらのタイプの合金においては、合金となる成分が、固溶体から
全ての炭素を効果的に排除してしまうために焼付硬化性が損なわれる。
上記のように、満足できる成形性と焼付硬化性の双方を兼ね備えたホットディ
ップによる被覆製品の製造を可能とする改善された方法及び合金化学組成の実現
に対する要請が高まっている。さらに、チタン及び/またはニオブ等の合金成分
を利用した鋼組成による精密な化学的制御の必要性の観点から、精確で極端に少
ない合金成分の限定やエネルギー消費の大きい処理を必要としない焼付硬化のた
めに適した合金化学組成の実現に対する要請が大きくなっている。
このような要請に応えて、本発明は、自動車用鋼板等のシート用途に適した、
熱間圧延または冷間圧延されかつ焼なましされた優れた低炭素鋼製品を提供する
。さらにそれは、従来の合金化学組成よりも制御が容易であり、それほどエネル
ギー消費が大きくなく、処理上の要請が少ないものである。
発明の概要
本発明の第1の目的は、(成形以前の適切な耐時効性を兼ね備えた)優れた焼
付硬化性を有し、特に自動車製造での利用に適応した低炭素鋼のストリップ鋼及
びシート鋼を提供することである。
本発明の更なる目的は、平坦性が向上した熱間圧延または冷間圧延されかつ焼
なましされたストリップ鋼及び/またはシート鋼の製品を製造する方法を提供す
ることである。この方法は、低い焼なまし温度で最終製品の品質を得られる合金
化学組成であるため、エネルギー消費が少ない。
本発明の更なる目的及び利点は、以下の説明から明らかとされるであろう。
上記の目的及び利点を満足するため、本発明の最も広い実施態様は、熱間圧延
または冷間圧延されかつ焼なましされた製品及びこれらの製品を製造する方法に
関する。さらに好適には、この鋼が、連続式またはバッチ式のいずれでも焼なま
しされ、そして自動車用シート鋼またはプレート鋼として用いるためにホットデ
ィップまたは電気亜鉛めっき等の技術により被覆される。
本発明は、残部鉄及び不可避的不純物とともに、有効量の炭素、マンガン、ア
ルミニウム、窒素を含む炭素鋼を鋳造するステップにより、熱間圧延または冷間
圧延されかつ焼なましされた製品を製造する従来法を改良する方法である。この
方法では、鋳鋼が、引き続き熱間圧延され冷却された後、標準寸法にするために
冷間圧延されてから選択温度範囲で焼なましされる。本発明における鋼は、残部
鉄及び不可避的不純物とともに、重量%で、0.0005から0.1未満の炭素、0より多
く0.04未満の窒素、0より多く0.5未満のチタン、0より多く0.5までのアルミニウ
ム、0より多く2.5までのマンガン、0.005から0.6までのバナジウムを本質的に含
む組成を有する。
バナジウムの添加は、冷間圧延されかつ焼なましされた製品の焼付硬化性を向
上させるのに寄与する。さらに、バナジウムの許容重量%が広いことから、許容
範囲内で鋼を鋳造することが容易であり、また、最終的な機械的特性がバナジウ
ム含有量の変動にさほど敏感でないような製品を得ることができる。
本発明による合金化学組成は、鋼製品に塗装焼付が施されるときに、焼付硬化
性を向上させるべく寄与する。焼付硬化性は、規定された範囲内のバナジウムを
使用することにより制御できる。
本発明の別の態様においては、圧延シート鋼製品、例えば、熱間圧延または冷
間圧延されかつ焼なましされた製品が、残部鉄及び不可避的不純物とともに、重
量%で、0.0005から0.1までの炭素、0より多く0.04未満の窒素、0より多く0.5未
満のチタン、0より多く0.5までのアルミニウム、0より多く2.5までのマンガン、
0.005から0.6までのバナジウムを本質的に含む。好適には、鋼は、残部鉄及び不
可避的不純物とともに、重量%で、0.0005から0.1までの炭素、0より多く0.008
未満の窒素、0より多く0.05未満のチタン、0より多く0.10までのアルミニウム、
0より多く1.0までのマンガン、0.001から0.15までのバナジウムを本質的に含む
。本発明の冷間圧延されかつ焼なましされた製品は、ホットディップや電気亜鉛
めっき等の任意の汎用的方式で被覆できる。本発明の鋼製品は、バナジウムの添
加により優れた焼付硬化性を示し、鋼製品においてさらに優れた形状が実現され
、そして、溶融及び鋳造の間、さらに容易に合金化学組成を制御できる。
本発明の合金化学組成は、従来の合金よりも固溶体焼なまし温度を低くでき、
また、その製造に関係するエネルギーコストを下げることができる。
本発明の別の態様では、バナジウム対炭素の比を少なくとも10または10よ
り大きく制御することによりこれらのタイプの鋼の耐時効性が向上する。
図面の簡単な説明
図は、本発明についてのKSI(kips/インチ2:1kip=1000ポンド)による焼付硬化性と
固溶体焼なまし温度との関係を示すグラフである。
好適な実施例の説明
低炭素鋼に有効量のバナジウムを添加することにより、焼付硬化可能な熱間圧
延または冷間圧延されかつ焼なましされる製品を製造することができることが見
出された。この製品は、特に、被覆状態での自動車用シート鋼に適している。
本発明の合金化学組成は、低い固溶体焼なまし温度において所望する焼付硬化
性を得ることができ、また、製品製造工程において「製造者にとってより親切な
」ものである。すなわち、合金鋼化学組成において規定量のバナジウムを用いる
ことにより、許容範囲内で鋼を鋳造することが容易になり、そして満足できる製
品を製造できる。バナジウムの重量パーセントが、他の従来の合金成分よりも高
いレベルまで上げられているので、鋳造時の制御が容易になる。さらに、本発明
の合金化学組成によれば、最終的な機械的特性におけるばらつきが少なくなる場
合が多い。なぜなら、バナジウム量の通常の変動は、機械的特性を大きく変えな
いからである。
最も広い実施態様における本発明は、低炭素型のシート鋼またはストリッブ鋼
等の焼付硬化可能な熱間圧延または冷間圧延されかつ焼なましされた鋼製品であ
る。この圧延鋼製品は、残部鉄及び不可避的不純物とともに、本質的に重量%で
、0.0005から0.1までの炭素、0より多く0.04未満の窒素、0より多く0.5未満のチ
タン、0より多く0.5までのアルミニウム、0より多く2.5までのマンガン、0.005
から0.6までのバナジウムからなる。好適には、炭素が0.01重量%まで、窒素が0
.008重量%まで、チタンが0.05重量%まで、そしてバナジウムが0.15重量%まで
である。
これらのタイプの鋼へのマンガンの添加は汎用的であって、マンガンは、強化
元素として作用すると同時に、鋼の赤熱ぜい性を防ぐためにイオウと結合する。
本発明の熱間圧延または冷間圧延されかつ焼なましされた鋼は、キルド鋼であ
るので、その中には脱酸効果のためにアルミニウムが含まれる。好適には、アル
ミニウムは0.08%までに限定される。
窒素は、上記のように上限が0.04%(400ppm)である。好適には、窒素が0.00
8%未満に限定される。
本発明の低炭素鋼は、焼付硬化性を得るために有限量の炭素を必要とする。一
般的に、この炭素の下限は、約0.0005%(5ppm)である。上限は、好適には0.00
5%である。
これらのタイプの低炭素鋼におけるケイ素とリンは、残留不純物レベルである
ことがしばしばであるが、この鋼製品の他の特別なエンドユーザは、より高い強
度を得るためにさらに添加量を多くする必要がある場合がある。したがって、最
終的な用途によって、別途ケイ素を1.0重量%まで、リンを0.25重量%までそれ
ぞれ添加することができる。他の元素もまた固溶強化に寄与することがあるが、
通常、Mn、P、及びSiがこの目的のために低炭素鋼で用いられる。
チタンは、主として、窒化チタン等の窒素化合物の形成により固溶窒素を除去
するために鋼へ添加される。これにより、固溶炭素の量を制御するだけで焼付硬
化性の制御が可能となる。好適には、チタンの量を、少なくとも窒素の重量%濃
度の3.4倍とすべきである。その他の強力な窒化物形成元素、例えばホウ素、
ジルコニウムあるいはアルミニウムやバナジウムでさえ、適量で適切な処理をさ
れれば、チタンの代わりに固溶窒素と結合することができる。
イオウは、通常、低炭素シート鋼へは添加されないが、適用される鋼製造方法
及び取鍋処理方法によって残留量が存在する。最終製品におけるイオウは、通常
、硫化チタン(TiS)を含む様々な化合物の形で見られる。上記の窒化チタン
との関係を考慮し、また、ある程度のチタンがイオウと反応してTiSを形成す
ることを踏まえると、チタンの好適な量は、3.4N〜(3.4N+1.5S)の間であ
る。ここで、N及びSは、それぞれ窒素及びイオウの重量%濃度である。
熱間圧延または冷間圧延されかつ焼なましされた鋼製品の焼付硬化性を制御す
るためにバナジウムも添加される。バナジウムは、好適には0.03〜0.12重量%、
さらに好適には、0.05〜0.10重量%の範囲である。
以下に示すように、バナジウム添加は、焼付硬化性及び耐時効性を制御できる
。このような制御は、従来、認識されていなかった。本発明の所与の合金化学組
成において、バナジウムの添加により焼付硬化性の向上が認められた。
本発明の冷間圧延されかつ焼なましされた鋼は、引き続き被覆鋼へ処理され、
さらにプレス形成により任意の最終用途のために様々な形状とされることが可能
である。特にこれらの被覆製品は、自動車用シート鋼またはプレート鋼としての
利用に非常に適しており、その場合被覆製品は、引き続き塗装され焼付されるこ
とにより車輌外装枠における焼付硬化性効果と凹み耐性を得る。被覆は、これら
の用途に使用される亜鉛等の任意の汎用的な被覆でよい。
本発明の別の態様においては、本発明の鋼の化学組成により、このような材料
の冷間圧延及び焼なましにおける従来技術を改良することができる。これらの従
来技術のプロセスにおいては、特別な鋼が、インゴット形態へ鋳込まれるか、あ
るいはスラブへと連続的に鋳込まれるかした後、熱間圧延され、そしてコイル(
巻取り)形態へと冷却される。この熱間圧延製品は使用することもできるが、あ
るいは別の方法では、コイル形態としたものを引き続き酸洗い等により清浄化し
、多くのパスで冷間圧延して所望の寸法とする。冷間圧延シート鋼は、その後焼
なましされ、バッチ式または連続式のいずれかで再結晶化鋼製品が作られる。
これらのプロセスはさらに、電気亜鉛めっきやホットディップ被覆等の技術に
より冷間圧延され焼なましされた製品を被覆することを含むことができる。これ
らの被覆ステップは、焼なましの一部として行える。本発明は、上記の合金鋼の
化学組成により、特に連続的焼なまし工程中に使用する固溶体焼なまし温度を下
げることができたという点で従来技術のプロセスを向上させた。例えば、Irieら
による米国特許No.4,496,400では、ニオブ含有の焼付硬化可能な薄シート鋼が、
最低温度900℃(1,652°F)で焼なましされている。
これに対して、本発明による合金化学組成では、約1,450°F(788℃)以上で注
目すべき焼付硬化性を実現することができる。この低い焼なまし温度により、焼
なまし工程のエネルギーも節約でき、製品ユニットのコストも下げられると同時
に、製品の形状及び平坦さの制御も良好となる。
本発明の合金化学組成では、バナジウムの利用により、固溶体焼なまし温度を
下げることができる。なぜなら、バナジウムは、チタンやニオブ等の合金成分よ
りも鋼マトリクス中に溶けやすいからである。この結果、焼付硬化性に必要な量
の炭素を固溶形態で得るために、より低い固溶体焼なまし温度を適用することが
できる。
効果的な焼なまし温度範囲は、約1,450°Fの低温から約1,650°Fまでが可能
である。好適には、固溶体焼なまし温度が1,500〜1,550°Fの範囲内で、適切
な再結晶化、焼付硬化性、良好な製品形状/平坦性、及び低エネルギーコストを
実現することができる。
これらのタイプの低炭素鋼における鋳造、熱間圧延及び冷却、並びに冷間圧延
の処理ステップは冶金技術において周知であるので、それらについての更なる詳
細な説明は、本発明の理解には不要であろう。
これらのタイプの低炭素鋼においてバナジウムを使用することによる予期しな
かった効果を明らかとするために、以下の実験を行った。ここで、全てのパーセ
ントは、特に示さない限り重量パーセントであることを注記する。実験は説明の
ために含めたのであり、本発明を限定するものと解すべきではない。
3個の500ポンドの実験用ヒートが、実験室条件下でインゴット形態へ鋳造さ
れ、引き続き0.75インチの厚さに熱間圧延された。これらのヒートの組成は、通
常、残部鉄及び不純物とともに、0.003%の炭素、0.2%のマンガン、0.004〜0.0
07%の窒素、0.02〜0.04%のアルミニウム、0.02%のチタン、及び、選択された
量のバナジウムからなる。
熱間圧延されたインゴットは、2,300°Fへ加熱され、さらに、0.75インチか
ら0.12インチへ圧延された。熱間圧延後に冷却する噴射水流出テーブルをシミュ
レートするために、圧延されたインゴットが汎用的なコイル冷却温度に達するま
でポリマー溶液中でクエンチ(急冷)された。この時点で、熱間圧延された試料
は、周囲温度まで炉冷却された。
熱間圧延された各試料は、その後酸洗いされ、約75%の冷間収縮を得るため
に複数のパスにより0.12インチから0.03インチまで冷間圧延された。
冷間圧延された材料は、その後1,450〜1,650°Fの温度で30秒間焼なましさ
れた後、空冷され、焼もどし圧延される(約1%の冷間収縮)。焼もどし圧延さ
れた鋼は、2%の引張予歪みに続いて350°Fで30分間の標準的な焼付硬化シ
ミュレーションを施される。焼付硬化性の向上は、時効後の降伏応力と、時効前
の2%の歪み応力の間の差として表れる。さらにこの材料に対して、歪み時効指
数(SAI:strain aging index)試験が実施され、10%の予歪みに続いて212
°Fで60分間の処理を行うことにより、この処理された鋼の耐常温時効性の初
期指標が得られた。
表1は、実験における実際の組成を重量%でまとめて示したものである。 (*残部鉄及び不可避的不純物)
ここで図を参照する。このグラフは、4個の異なる合金化学組成についての焼
付硬化性の向上と焼なまし浸漬温度との対比を示している。0.02Tiと示した3
つの曲線は、表1に示した3つの化学組成に対応する。0.05Tiと示した曲線は
、過度に安定化された低炭素シート鋼を表しており、これはホットディップに適
しているが顕著な焼付硬化性は示さない。
図から明らかなように、バナジウムの添加は、低炭素鋼の焼付硬化性の制御に
用いることができる。このグラフでは、チタン含有低炭素鋼に所与のバナジウム
を添加すると、例えば0.05%のバナジウム添加により、バナジウムを添加しない
類似組成のものと比べて約1,500〜1,600°Fの焼なまし温度での焼付硬化性が向
上することがわかる。さらにこのグラフは、バナジウム添加量を約0.10%まで増
加したとき、さらに焼付硬化性が向上することを示している。そして最後に、低
い焼なまし温度すなわち好適な1,500°Fの下から1,550°Fまでの焼なまし範囲
で焼付硬化性の向上が起きることがわかる。焼付硬化性は、約2〜5KSI(kip
s/インチ2:1kip=1000ポンド)の範囲まで向上する。これに対して、バナジウムを含まな
い鋼では、このような低い焼なまし温度での焼付硬化性は約1〜2.5KSIの
範囲である。さらに、歪み時効指数の試験結果から、これらの鋼が、成形前の周
囲温度において時効に対する十分な耐性を示すことがわかった。
本発明の別の態様においては、上記のバナジウム含有鋼の組成におけるバナジ
ウム対炭素の比を制御することにより、耐時効性において予期しない向上が得ら
れた。特に、このタイプの鋼のバナジウム対炭素の比を約10またはそれより大
きくすることにより、上記の時効に対する耐性が得られる。上記の約0.005%か
ら約0.6%未満の間の広範囲のバナジウム量において、バナジウム対炭素比を1
0またはそれより大きく維持するように選択された場合に、耐時効性が向上する
こととなる。さらに好適には、バナジウムの下限を0.02%に設定する。バナジウ
ムの上限は、満足できない程度まで焼付硬化性が低下するところで決定される。
表2は、9個の特定組成における降伏点伸び(YPE:yield point elogation
)の観点から耐時効性を示している。これら9個の組成物の化学組成もまた以下
に示す。
常温時効に対する耐性は、加速された時効試験(212°F/1時間)の後に観察
された降伏点伸び(YPE)の量を測定することにより決定された。時効後に顕
著なYPEの形跡が見られない場合、すなわちYPEが約0.2%未満の場合、そ
の鋼は実質的に非時効であるといわれる。我々の試験結果では、約10またはそ
れより大きい臨界的なV/C比(重量%による)であれば、好適な焼なまし温度
である1,450〜1,550°Fでそしてさらに好適には1,500〜1,550°Fで鋼が十分に
耐時効性を有することが示された。
この表から明らかなように、最小の降伏点伸びは、バナジウム対炭素比が10
またはそれより大きい組成物において得られた。このYPE表にしめされた組成
物はさらに、本発明による焼付硬化性も有することが明らかであろう。その組成
上の制限及び処理条件は上記の通りである。
格子間溶質原子の量は、時効挙動を示唆する重要なパラメータである。一般に
、炭素または窒素と化学結合し易い元素は、固溶炭素の量を低下させる、すなわ
ち時効硬化または降伏点伸びの度合いを低減させる傾向がある。本発明では、鋼
中で炭素と反応して炭化バナジウムを形成することが知られているバナジウムを
用いることにより、固溶炭素の量を制御し、適度の焼付硬化性を付与すると同時
に常温時効に対する耐性を保持する。バナジウムが炭素と結合する程度は、バナ
ジウムと炭素の濃度比V/Cにより表されることが判明している。V/C濃度比
は、
炭化バナジウムの可溶性(すなわち、逆に言えば安定性)を把握するために重要
なパラメータであり、従って、V/C濃度比により固溶炭素の量が制御されると
考えられる。すなわち、炭化物安定性は、V及びCを各々単独ではなく双方を併
せたもので決定される。
本発明の別の態様では、上記の広い範囲に含まれる組成物に対して、シミュレ
ートされたバッチ式すなわちボックス式の焼なまし条件を適用することにより、
これらの組成物が焼付硬化性を示すか否かを判断した。
ボックス式焼なましでは、1または複数の積層コイル上にカバーを起き、保護
用大気を導入し、規定範囲内の温度となるようにコイル全体を加熱することによ
り、完全な再結晶化を生じさせる。通常、この範囲は、約1,200〜1,400°Fでよ
い。コイル形態における鋼の潜在的な質量が大きいので、通常、加熱及び冷却の
速度を比較的遅い約50°F/時とし、1サイクルを数日とする。実験室におけ
るボックス式焼なましをシミュレートするために、鋼試料はステンレス鋼の缶の
中に密封され、その中に水素4%及び窒素96%の混合ガスを通し、50°F/
時の速度で1,300°Fまで加熱し、1,300°Fで15時間維持し、その後50°F
/時の速度で周囲温度まで冷却した。
表3及び表4では、シミュレートされたバッチ式焼なまし後、及び製造試験バ
ッチ式焼なまし後に焼付硬化性を示しており、それぞれにおける組成物は上記の
広い範囲内に含まれるものである。これらの表から明らかなように、また驚くべ
きことに、これらの鋼は焼付硬化性を示している。 ボックス式焼なましにおける冷却速度は、炭化物析出に好ましい程度に遅いの
で、一般的に歪み時効は問題にならないと考えられる。しかしながら、焼付硬化
性については、いささか予想しなかった驚くべきことである。バナジウムが炭化
物可溶性及び析出挙動をもたらすことで、ここで報告したような結果が得られた
と考えられる。
本発明による合金鋼化学組成における焼付硬化性及び耐時効性の向上、固溶体
焼なまし温度の低下、シートやストリップの形状及び平坦性の向上、鋳造過程に
おけるバナジウム添加量を容易に制御できること、さらに、バナジウム含有量の
変動が最終的な機械的特性にほとんど影響しないことによって、この鋼は、熱感
圧延または冷間圧延されかつ焼なましされた状態であっても、被覆製品の状態で
あっても、シート鋼及び/またはストリップ鋼製品としての利用に理想的である
。
<表3>
シミュレートされたバッチ式焼なまし後の焼付硬化性
* 表1の0.02Ti-0.05Vに対応する組成
** 表1の0.02Ti-0.10Vに対応する組成
*** 0.0023C、0.71Mn、0.015P、0.009S、0.021Ti、0.028Al、
0.053V、0.004N、残部鉄及び不可避的不純物
<表4>
バッチ式焼なましされたTi+V製造試験(全試験とも幅の中央部で実行)
No.10化学組成−H:0.0067C、0.14Mn、0.062P、0.026Al、0.0043N、
0.020Ti、0.047V
T:0.0054C、0.14Mn、0.062P、0.027Al、0.0038N、
0.021Ti、0.047V
No.11化学組成−H:0.0058C、0.12Mn、0.064P、0.028Al、0.0057N、
0.025Ti、0.053V
T:0.0055C、0.13Mn、0.066P、0.0033Al、0.0044N、
0.026Ti、0.051V
* 焼付硬化性ksi値は、H試料とT試料の平均値である。
H及びTはコイルの先頭部と後尾部を表す。
本発明の圧延製品及びその製造方法により、従来の格子間無原子の鋼が改良さ
れ、そして「製造者にとって親切な」特性が実現されたので、この鋼は、特にめ
っき焼なまし等のホットディップ被覆プロセスに適している。
本発明の合金鋼化学組成を用いた、冷間圧延されかつ焼なましされた鋼製品は
、
任意の汎用的方式でホットディップ被覆することができ、好適には、連続焼なま
しホットディップ被覆ラインにおいてホットディップ被覆することができる。ホ
ットディップ被覆された後、任意の汎用的方式で被覆鋼製品を自動車外装枠へ成
形できる。これらの外装枠は容易に成形され、引き続き塗装され焼付される。そ
して、塗装された外装枠は良好な凹み耐性を備えている。
以上のように、本発明をその好適例に関して開示したが、これらの好適例は、
前述の本発明の目的のそれぞれを満足するものである。そして、焼付硬化性の向
上及び製造時のエネルギー消費節減のために、合金成分としてバナジウムを利用
することにより、低炭素鋼製品及びその製造方法の改良を実現した。
もちろん、当業者であれば、本発明の主旨及び範囲から逸脱することなく本発
明の教示からの様々な変更、修正、及び置換が考えられるであろう。従って、本
発明は、特許請求の範囲の記載によってのみ限定されるものとする。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】平成10年2月10日(1998.2.10)
【補正内容】
明細書
焼付硬化可能なバナジウム含有鋼
本発明は、WO-A-96/14444で知られる、請求項1の前段部分による圧延鋼製品
及びその製造方法に関する。
従来技術においては、より高強度シート鋼及びストリップ鋼に対する強い要望
が、特に自動車製造業者から益々高まりつつある。これは、新規の自動車設計に
おいて凹み耐性と重量軽減の双方を実現するためである。この要望とともに、非
常に成形性に優れると同時に焼付硬化性にも優れている鋼に対する要望も増えつ
つある。周知のように、焼付硬化性とは、通常約350°Fにおける20〜30分
間の自動車塗装焼成処理の間に所与の鋼において生じる強度増加のことを云う。
塗装焼付または他の適切な処理の間、焼付硬化可能な鋼は、最終製品における所
望の凹み耐性を実現するべく強化される。
所与の鋼において、延性と強度とは相反する属性である。鋼が、良好な成形性
(例えば、プレス変形性やプレス成形性)を得るためには、所望の形状へ変形さ
れるよう本質的に延性がなくてはならない。しかしながら、この延性と同時に鋼
は、自動車に見られるような外装枠に用いられる場合、凹むことに耐える十分な
強度もまた保持しなければならない。
従来技術は、この相反性を克服するために、鋼製品を製造するための鋼合金成
分と製造に用いられるプロセスの制御を通して様々な解決法を提示している。焼
付硬化性は、これらの解決法に貢献する魅力的な属性である。なぜなら、この硬
化性は、成形の後に生じるからである。
Hashimotoらによる米国特許No.5,133,815は、深絞りのための冷間圧延または
ホットディップ(hot-dip)による亜鉛めっきシート鋼を開示する。焼付硬化性は
、合金させる鋼成分の制御と、シート鋼中の因溶炭素の適正濃度を得る浸炭工程
の制御により向上する。
Takechiらによる米国特許No.4,391,653は、冷間圧延ストリップ鋼の窒素含有
率の制御により焼付硬化性が向上する高強度冷間圧延ストリップ鋼を開示する。
Irieらによる米国特許No.4.496,400は、自動車外装シート用に適した冷間圧延
シート鋼に関する。この特許は、適量のアルミニウム存在下で鋼中のCとNとを
固定させる作用に有効なニオブの混合量と、ニオブの寄与を有効に促進できる焼
なまし条件を開示する。この鋼の連続的焼なましは、焼付硬化効果を得るために
細かい加熱及び冷却の管理を必要とする。
Satoらによる米国特許No.4,750,952もまた、焼付硬化性の向上した冷間圧延シ
ート鋼を開示する。この特許では、イオウと窒素の量が限定され、そしてイオウ
と窒素の量を考慮してチタンの添加が特定範囲に制限される。この特許もまた、
「時間/エネルギー消費量の大きい」焼なまし(すなわち、再結晶化温度より上
で300秒より長い)を必要とする。
自動車外装枠への適用については、ホットディップ鋼等の被覆鋼が、その耐食
性から好適である。しかしながら、ホットディップ被覆に特に適した合金は、一
般的に格子間無原子(IF)の組成すなわち格子間原子のない組成を有すること
がよくある。これらのタイプの合金においては、合金となる成分が、固溶体から
全ての炭素を効果的に排除してしまうために焼付硬化性が損なわれる。
上記のように、満足できる成形性と焼付硬化性の双方を兼ね備えたホットディ
ップによる被覆製品の製造を可能とする改善された方法及び合金化学組成の実現
に対する要請が高まっている。さらに、チタン及び/またはニオブ等の合金成分
を利用した鋼組成による精密な化学的制御の必要性の観点から、精確で極端に少
ない合金成分の限定やエネルギー消費の大きい処理を必要としない焼付硬化のた
めに適した合金化学組成の実現に対する要請が大きくなっている。
開示内容の有用な展開については、従属項及び以下の本発明の実施例の説明並
びに図面に記載されている。図面は、本発明における、ksi(kips/インチ2:1kip
=1000ポンド)による焼付硬化性と固溶体焼なまし温度との関係を示すグラフである
。
低炭素鋼に有効量のバナジウムを添加することにより、焼付硬化可能な熱間圧
延または冷間圧延されかつ焼なましされる製品を製造することができることが見
出された。この製品は、特に、被覆状態での自動車用シート鋼に適している。
本発明の合金化学組成は、低い固溶体焼なまし温度において所望する焼付硬化
性を得ることができ、また、製品製造工程において「製造者にとってより親切な
」ものである。すなわち、合金鋼化学組成において規定量のバナジウムを用いる
ことにより、許容範囲内で鋼を鋳造することが容易になり、そして満足できる製
品を製造できる。バナジウムの重量パーセントが、他の従来の合金成分よりも高
いレベルまで上げられているので、鋳造時の制御が容易になる。さらに、本発明
の合金化学組成によれば、最終的な機械的特性におけるばらつきが少なくなる場
合が多い。なぜなら、バナジウム量の通常の変動は、機械的特性を大きく変えな
いからである。
最も広い実施態様における本発明は、低炭素型のシート鋼またはストリップ鋼
等の焼付硬化可能な熱間圧延または冷間圧延されかつ焼なましされた鋼製品であ
る。この圧延鋼製品は、残部鉄及び不可避的不純物とともに、本質的に重量%で
、0.0005から0.1までの炭素、0より多く0.04未満の窒素、0より多く0.5未満のチ
タン、0より多く0.5までのアルミニウム、0より多く2.5までのマンガン、0.005
から0.6までのバナジウムからなる。好適には、炭素が0.01重量%まで、窒素が0
.008重量%まで、チタンが0.05重量%まで、そしてバナジウムが0.15重量%まで
である。
これらのタイプの鋼へのマンガンの添加は汎用的であって、マンガンは、強化
元素として作用すると同時に、鋼の赤熱ぜい性を防ぐためにイオウと結合する。
本発明の熱間圧延または冷間圧延されかつ焼なましされた鋼は、キルド鋼であ
るので、その中には脱酸効果のためにアルミニウムが含まれる。好適には、アル
ミニウムは0.08%までに限定される。
窒素は、上記のように上限が0.04%(400ppm)である。好適には、窒素が0.00
8%未満に限定される。
本発明の低炭素鋼は、焼付硬化性を得るために有限量の炭素を必要とする。一
般的に、この炭素の下限は、約0.0005%(5ppm)である。上限は、好適には0.00
5%である。
これらのタイプの低炭素鋼におけるケイ素とリンは、残留不純物レベルである
ことがしばしばであるが、この鋼製品の他の特別なエンドユーザは、より高い強
度を得るためにさらに添加量を多くする必要がある場合がある。したがって、最
終的な用途によって、別途ケイ素を1.0重量%まで、リンを0.25重量%までそれ
ぞれ添加することができる。他の元素もまた固溶強化に寄与することがあるが、
通常、Mn、P、及びSiがこの目的のために低炭素鋼で用いられる。
チタンは、主として、窒化チタン等の窒素化合物の形成により固溶窒素を除去
するために鋼へ添加される。これにより、固溶炭素の量を制御するだけで焼付硬
化性の制御が可能となる。好適には、チタンの量を、少なくとも窒素の重量%濃
度の3.4倍とすべきである。その他の強力な窒化物形成元素、例えばホウ素、
ジルコニウムあるいはアルミニウムやバナジウムでさえ、適量で適切な処理をさ
れれば、チタンの代わりに固溶窒素と結合することができる。
イオウは、通常、低炭素シート鋼へは添加されないが、適用される鋼製造方法
及び取鍋処理方法によって残留量が存在する。最終製品におけるイオウは、通常
、硫化チタン(TiS)を含む様々な化合物の形で見られる。上記の窒化チタン
との関係を考慮し、また、ある程度のチタンがイオウと反応してTiSを形成す
ることを踏まえると、チタンの好適な量は、3.4N〜(3.4N+1.5S)の間であ
る。ここで、N及びSは、それぞれ窒素及びイオウの重量%濃度である。
熱間圧延または冷間圧延されかつ焼なましされた鋼製品の焼付硬化性を制御す
るためにバナジウムも添加される。バナジウムは、好適には0.03〜0.12重量%、
さらに好適には0.05〜0.10重量%の範囲である。
以下に示すように、バナジウム添加は、焼付硬化性及び耐時効性を制御できる
。このような制御は、従来、認識されていなかった。本発明の所与の合金化学組
成において、バナジウムの添加により焼付硬化性の向上が認められた。
本発明の冷間圧延されかつ焼なましされた鋼は、引き続き被覆鋼へ処理され、
さらにプレス形成により任意の最終用途のために様々な形状とされることが可能
である。特にこれらの被覆製品は、自動車用シート鋼またはプレート鋼としての
利用に非常に適しており、その場合被覆製品は、引き続き塗装され焼付されるこ
とにより車輌外装枠における焼付硬化性効果と凹み耐性を得る。被覆は、これら
の用途に使用される亜鉛等の任意の汎用的な被覆でよい。
本発明の別の態様においては、本発明の鋼の化学組成により、このような材料
の冷間圧延及び焼なましにおける従来技術を改良することができる。これらの従
来技術のプロセスにおいては、特別な鋼が、インゴット形態へ鋳込まれるか、あ
るいはスラブへと連続的に鋳込まれるかした後、熱間圧延され、そしてコイル(
巻取り)形態へと冷却される。この熱間圧延製品は使用することもできるが、あ
るいは別の方法では、コイル形態としたものを引き続き酸洗い等により清浄化し
、多くのパスで冷間圧延して所望の寸法とする。冷間圧延シート鋼は、その後焼
なましされ、バッチ式または連続式のいずれかで再結晶化鋼製品が作られる。
これらのプロセスはさらに、電気亜鉛めっきやホットディップ被覆等の技術に
より冷間圧延され焼なましされた製品を被覆することを含むことができる。これ
らの被覆ステップは、焼なましの一部として行える。本発明は、上記の合金鋼の
化学組成により、特に連続的焼なまし工程中に使用する固溶体焼なまし温度を下
げることができたという点で従来技術のプロセスを向上させた。例えば、Irieら
による米国特許No.4,496,400では、ニオブ含有の焼付硬化可能な薄シート鋼が、
最低温度900℃(1,652°F)で焼なましされている。
これに対して、本発明による合金化学組成では、約1,450°F(788℃)以上で注
目すべき焼付硬化性を実現することができる。この低い焼なまし温度により、焼
なまし工程のエネルギーも節約でき、製品ユニットのコストも下げられると同時
に、製品の形状及び平坦さの制御も良好となる。
本発明の合金化学組成では、バナジウムの利用により、固溶体焼なまし温度を
下げることができる。なぜなら、バナジウムは、チタンやニオブ等の合金成分よ
りも鋼マトリクス中に溶けやすいからである。この結果、焼付硬化性に必要な量
の炭素を固溶形態で得るために、より低い固溶体焼なまし温度を適用することが
できる。
効果的な焼なまし温度範囲は、約788℃(1,450°F)の低温から約900℃(1,650
°F)までが可能である。好適には、固溶体焼なまし温度が815℃(1.500°F)〜8
43℃(1,550°F)の範囲内で、適切な再結晶化、焼付硬化性、良好な製品形状/
平坦性、及び低エネルギーコストを実現することができる。
これらのタイプの低炭素鋼における鋳造、熱間圧延及び冷却、並びに冷間圧延
の処理ステップは冶金技術において周知であるので、それらについての更なる詳
細な説明は、本発明の理解には不要であろう。
これらのタイプの低炭素鋼においてバナジウムを使用することによる予期しな
かった効果を明らかとするために、以下の実験を行った。ここで、全てのパーセ
ントは、特に示さない限り重量パーセントであることを注記する。実験は説明の
ために含めたのであり、本発明を限定するものと解すべきではない。
3個の500ポンドの実験用ヒートが、実験室条件下でインゴット形態へ鋳造さ
れ、引き続き0.75インチの厚さに熱間圧延された。これらのヒートの組成は、通
常、残部鉄及び不純物とともに、0.003%の炭素、0.2%のマンガン、0.004〜0.0
07%の窒素、0.02〜0.04%のアルミニウム、0.02%のチタン、及び、選択された
量のバナジウムからなる。
熱間圧延されたインゴットは、1.260℃(2,300°F)へ加熱され、さらに、0.75
インチから0.12インチヘ圧延された。熱間圧延後に冷却する噴射水流出テーブル
をシミュレートするために、圧延されたインゴットが汎用的なコイル冷却温度に
達するまでポリマー溶液中でクエンチ(急冷)された。この時点で、熱間圧延さ
れた試料は、周囲温度まで炉冷却された。
熱間圧延された各試料は、その後酸洗いされ、約75%の冷間収縮を得るため
に複数のパスにより0.12インチから0.03インチまで冷間圧延された。
冷間圧延された材料は、その後788℃(1.450°F)〜900℃(1.650°F)の温度で
30秒間焼なましされた後、空冷され、焼もどし圧延される(約1%の冷間収縮
)。焼もどし圧延された鋼は、2%の引張予歪みに続いて178℃(350°F)で30
分間の標準的な焼付硬化シミュレーションを施される。焼付硬化性の向上は、時
効後の降伏応力と、時効前の2%の歪み応力の間の差として表れる。さらにこの
材料に対して、歪み時効指数(SAI:strain aging index)試験が実施され、
10%の予歪みに続いて101℃(212°F)で60分間の処理を行うことにより、こ
の処理された鋼の耐常温時効性の初期指標が得られた。
表1は、実験における実際の組成を重量%でまとめて示したものである。
<表1>
(*残部鉄及び不可避的不純物)
ここで図を参照する。このグラフは、4個の異なる合金化学組成についての焼
付硬化性の向上と焼なまし維持温度との対比を示している。0.02Tiと示した3
つの曲線は、表1に示した3つの化学組成に対応する。0.05Tiと示した曲線は
、過度に安定化された低炭素シート鋼を表しており、これはホットディップに適
しているが顕著な焼付硬化性は示さない。
図から明らかなように、バナジウムの添加は、低炭素鋼の焼付硬化性の制御に
用いることができる。このグラフでは、チタン含有低炭素鋼に所与のバナジウム
を添加すると、例えば0.05%のバナジウム添加により、バナジウムを添加しない
類似組成のものと比べて約815℃(1,500°F)〜878℃(1.600°F)の焼なまし温度
での焼付硬化性が向上することがわかる。さらにこのグラフは、バナジウム添加
量を約0.10%まで増加したとき、さらに焼付硬化性が向上することを示している
。そして最後に、低い焼なまし温度すなわち好適な815℃(1,500°F)の下から84
3℃(1.550°F)までの焼なまし範囲で焼付硬化性の向上が起きることがわかる。
焼付硬化性は、約2KSI〜約5KSI(kips/インチ:1kip=1000ポンド)の範囲まで向
上する。これに対して、バナジウムを含まない鋼では、このような低い焼なまし
温度での焼付硬化性は約1KSI〜約2.5KSIの範囲である。さらに、歪み
時効指数の試験結果から、これらの鋼が、成形前の周囲温度において時効に対す
る十分な耐性を示すことがわかった。
本発明の別の態様においては、上記のバナジウム含有鋼の組成におけるバナジ
ウム対炭素の比を制御することにより、耐時効性において予期しない向上が得ら
れた。特に、このタイプの鋼のバナジウム対炭素の比を約10またはそれより大
きくすることにより、上記の時効に対する耐性が得られる。上記の約0.005%か
ら約0.6%未満の間の広範囲のバナジウム量において、バナジウム対炭素比を1
0またはそれより大きく維持するように選択された場合に、耐時効性が向上する
こととなる。さらに好適には、バナジウムの下限を0.02%に設定する。バナジウ
ムの上限は、満足できない程度まで焼付硬化性が低下するところで決定される。
表2は、9個の特定組成における降伏点伸び(YPE:yield point elogation
)の観点から耐時効性を示している。これら9個の組成物の化学組成もまた以下
に示す。
常温時効に対する耐性は、加速された時効試験(101℃(212°F)/1間)の後に
観察された降伏点伸び(YPE)の量を測定することにより決定された。時効後
に顕著なYPEの形跡が見られない場合、すなわちYPEが約0.2%未満の場合
、その鋼は実質的に非時効であるといわれる。我々の試験結果では、約10また
はそれより大きい臨界的なV/C比(重量%による)であれば、好適な焼なまし
温度である788〜843℃(1,450〜1,550°F)でそしてさらに好適には815〜843℃(1
,500〜1,550°F)で鋼が十分に耐時効性を有することが示された。
この表から明らかなように、最小の降伏点伸びは、バナジウム対炭素比が10
またはそれより大きい組成物において得られた。このYPE表にしめされた組成
物はさらに、本発明による焼付硬化性も有することが明らかであろう。その組成
上の制限及び処理条件は上記の通りである。
格子間溶質原子の量は、時効挙動を示唆する重要なパラメータである。一般に
、炭素または窒素と化学結合し易い元素は、固溶炭素の量を低下させる、すなわ
ち時効硬化または降伏点伸びの度合いを低減させる傾向がある。本発明では、鋼
中で炭素と反応して炭化バナジウムを形成することが知られているバナジウムを
用いることにより、固溶炭素の量を制御し、適度の焼付硬化性を付与すると同時
に常温時効に対する耐性を保持する。バナジウムが炭素と結合する程度は、バナ
ジウムと炭末の濃度比V/Cにより表されることが判明している。V/C濃度比
は、
炭化バナジウムの可溶性(すなわち、逆に言えば安定性)を把握するために重要
なパラメータであり、従って、V/C濃度比により固溶炭素の量が制御されると
考えられる。すなわち、炭化物安定性は、V及びCを各々単独ではなく双方を併
せたもので決定される。
本発明の別の態様では、上記の広い範囲に含まれる組成物に対して、シミュレ
ートされたバッチ式すなわちボックス式の焼なまし条件を適用することにより、
これらの組成物が焼付硬化性を示すか否かを判断した。
ボックス式焼なましでは、1または複数の積層コイル上にカバーを起き、保護
用大気を導入し、規定範囲内の温度となるようにコイル全体を加熱することによ
り、完全な再結晶化を生じさせる。通常、この範囲は、約654〜766℃(1,200〜1,
400°F)でよい。コイル形態における鋼の潜在的な質量が大きいので、通常、加
熱及び冷却の速度を比較的遅い約11℃(50°F)/時とし、1サイクルを数日と
する。実験室におけるポックス式焼なましをシミュレートするために、鋼試料は
ステンレス鋼の缶の中に密封され、その中に水素4%及び窒素96%の混合ガス
を通し、11℃(50°F)/時の速度で710℃(1,300°F)まで加熱し、710℃(1,3
00°F)で15時間維持し、その後11℃(50°F)/時の速度で周囲温度まで冷
却した。
‐表3およびは、シミュレートされたバッチ式焼なまし後、及び製造試験バッチ
式焼なまし後に焼付硬化性を示しており、それぞれにおける組成物は上記の広い
範囲内に含まれるものである。これらの表から明らかなように、また驚くべきこ
とに、これらの鋼は焼付硬化性を示している。 ボックス式焼なましにおける冷却速度は、炭化物析出に好ましい程度に遅いの
で、一般的に歪み時効は問題にならないと考えられる。しかしながら、焼付硬化
性については、いささか予想しなかった驚くべきことである。バナジウムが炭化
物可溶性及び析出挙動をもたらすことで、ここで報告したような結果が得られた
と考えられる。
本発明による合金鋼化学組成における焼付硬化性及び耐時効性の向上、固溶体
焼なまし温度の低下、シートやストリップの形状及び平坦性の向上、鋳造過程に
おけるバナジウム添加量を容易に制御できること、さらに、バナジウム含有量の
変動が最終的な機械的特性にほとんど影響しないことによって、この鋼は、熱感
圧延または冷間圧延されかつ焼なましされた状態であっても、被覆製品の状態で
あっても、シート鋼及び/またはストリップ鋼製品としての利用に理想的である
。
<表3>
シミュレートされたバッチ式焼なまし後の焼付硬化性
* 表1の0.02Ti-0.05Vに対応する組成
** 表1の0.02Ti-0.10Vに対応する組成
*** 0.0023C、0.71Mn、0.015P、0.009S、0.021Ti、0.028Al、
0.053V、0.004N、残部鉄及び不可避的不純物
<表4>
バッチ式焼なましされたTi+V製造試験(全試験とも幅の中央部で実行)
No.10化学組成−H:0.0067C、0.14Mn、0.062P、0.026Al、0.0043N、
0.020Ti、0.047V
T:0.0054C、0.14Mn、0.062P、0.027Al、0.0038N、
0.021Ti、0.047V
No.11化学組成−H:0.0058C、0.12Mn、0.064P、0.028A1、0.0057N、
0.025Ti、0.053V
T:0.0055C、0.13Mn、0.066P、0.0033Al、0.0044N、
0.026Ti、0.051V
* 焼付硬化性ksi値は、H試料とT試料の平均値である。
H及びTはコイルの先頭部と後尾部を表す。
本発明の圧延製品及びその製造方法により、従来の格子間無原子の鋼が改良さ
れ、そして「製造者にとって親切な」特性が実現されたので、この鋼は、特にめ
っき焼なまし等のホットディップ被覆プロセスに適している。
本発明の合金鋼化学組成を用いた、冷間圧延されかつ焼なましされた鋼製品は
、
任意の汎用的方式でホットディップ被覆することができ、好適には、連統焼なま
しホットディップ被覆ラインにおいてホットディップ被覆することができる。ホ
ットディップ被覆された後、任意の汎用的方式で被覆鋼製品を自動車外装枠へ成
形できる。これらの外装枠は容易に成形され、引き続き塗装され焼付される。そ
して、塗装された外装枠は良好な凹み耐性を備えている。
以上のように、本発明をその好適例に関して開示したが、これらの好適例は、
前述の本発明の目的のそれぞれを満足するものである。そして、焼付硬化性の向
上及び製造時のエネルギー消費節減のために、合金成分としてバナジウムを利用
することにより、低炭素鋼製品及びその製造方法の改良を実現した。
もちろん、当業者であれば、本発明の主旨及び範囲から逸脱することなく本発
明の教示からの様々な変更、修正、及び置換が考えられるであろう。従って、本
発明は、特許請求の範囲の記載によってのみ限定されるものとする。【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】平成10年6月3日(1998.6.3)
【補正内容】
このような要請に応えて、本発明は、自動車用鋼板等のシート用途に適した、
熱間圧延または冷間圧延されかつ焼なましされた優れた低炭素鋼製品を提供する
。さらにそれは、従来の合金化学組成よりも制御が容易であり、それほどエネル
ギー消費が大きくなく、処理上の要請が少ないものである。
従来の技術において良好な焼付硬化性が得られる場合もあるが、従来の鋼製品
では、高度の技術分野における用途、特に自動車製造における用途に適するよう
に成形する前の十分な耐時効性がないことがしばしばである。
従って本発明の目的は、上記のような耐時効性を向上させる一方で優れた焼付
硬化性も維持するような圧延鋼製品及びその製造方法を提供することである。
この目的は、本発明により解決される。すなわち圧延鋼製品が、重量%で本質
的に0.0005から0.1未満の炭素と、0より多く2.5までのマンガンと、0より多く0.
5までのアルミニウムと、ホウ素、ジルコニウム及びチタンからなる群から選択
される0より多く0.5までの窒化物形成元素と、0より多く0.04未満の窒素と、0.0
05から0.6未満のバナジウムと、0より多く1.0までのケイ素と、0より多く0.25ま
でのリンと、残部鉄及び不可避的不純物とからなり、バナジウム対炭素の比が1
0またはそれより大きいことを特徴とする。従って、このような圧延鋼製品の製
造方法は、前記鋼におけるバナジウム対炭素比を10またはそれより大きく維持
することにより耐時効性を向上させることを特徴とする。
開示内容の有用な展開については、従属項及び以下の本発明の実施例の説明並
びに図面に記載されている。図面は、本発明における、ksi(kips/インチ2:1kip
=1000ポンド)による焼付硬化性と固溶体焼なまし温度との関係を示すグラフである
。
請求の範囲
1. 圧延鋼製品において、重量%で本質的に、
0.0005から0.1未満の炭素と、
0より多く2.5までマンガンと、
0より多く0.5までのアルミニウムと、
ホウ素、ジルコニウム及びチタンからなる群から選択される0より多く0.5まで
の窒化物形成元素と、
0より多く0.04未満の窒素と、
0.005より多く0.6未満のバナジウムと、
0より多く1.0までのケイ素と、
0より多く0.25までのリンと、
残部鉄及び不可避的不純物とからなり、
バナジウム対炭素の比が10またはそれより大きいことを特徴とする
圧延鋼製品。
2. 前記バナジウム対炭素の比が10〜64である、請求項1に記載の圧延鋼
製品。
3. 前記バナジウムが0.02〜0.6重量%の範囲内である、請求項1または2に
記載の圧延鋼製品。
4. 前記バナジウムが0.05〜0.20重量%の範囲内である、請求項3に記載の圧
延鋼製品。
5. 前記バナジウムが0.05〜0.15重量%の範囲内である、請求項4に記載の圧
延鋼製品。
6. 炭素が0.005重量%未満である、先の請求項のいずれかに記載の圧延鋼製
品。
7. 炭素が0.0034重量%未満でありかつバナジウムが0.05重量%またはそれよ
り多い、請求項6に記載の圧延鋼製品。
8. 前記窒化物形成元素としてのチタンが0.015〜0.025重量%の範囲である先
の請求項のいずれかに記載の圧延鋼製品。
9. 前記チタンの量が、窒素の重量%濃度の少なくとも3.4倍である先の請
求項のいずれかに記載の圧延鋼製品。
10. 前記圧延鋼が、重量%で本質的に、
0.0018〜0.0028の炭素と、
0.18〜0.22のマンガンと、
0.024〜0.040のアルミニウムと、
0.0044〜0.0065の窒素と、
前記窒化物形成元素として0.018〜0.022のチタンと、
0.049〜0.094のバナジウムと、
残部鉄及び不可避的不純物とからなる請求項1または2に記載の圧延鋼製品。
11. 前記炭素が0.001〜0.01重量%、前記窒素が0.001〜0.005重量%、前記
バナジウムが0.03〜0.12重量%、前記アルミニウムが0.02〜0.08重量%、及び前
記窒化物形成元素としてのチタンが前記窒素量の3.4倍より多い、請求項1ま
たは2に記載の圧延鋼製品。
12. 前記圧延鋼製品の表面に被覆が設けられる、先の請求項のいずれかに記
載の圧延鋼製品。
13. 圧延鋼製品の製造方法において、重量%で本質的に、
0.0005から0.1未満の炭素と、
0より多く2.5までのマンガンと、
0より多く0.5までのアルミニウムと、
0より多く0.5までの窒化物形成元素と、
0より多く0.04未満の窒素と、
0.005から0.6未満のバナジウムと、
残部鉄及び不可避的不純物とからなる組成の低炭素鋼を鋳造するステップと、
前記鋼を熱間圧延するステップとを有し、
耐時効性を向上させるべく前記鋼におけるバナジウム対炭素の比の値を10ま
たはそれより大きく保持することを特徴とする
圧延鋼製品の製造方法。
14. 前記鋼における前記バナジウム対炭素の比が10〜64の間に保持され
る、請求項13に記載の方法。
15. 前記鋼におけるバナジウム含有量が0.02〜0.6重量%である請求項16
または13または14に記載の方法。
16. 前記鋼におけるバナジウム含有量が0.05〜0.20重量%である請求項15
に記載の方法。
17. 前記鋼における炭素含有量が0.005重量%未満である請求項13〜16
のいずれかに記載の方法。
18. 前記鋼における炭素含有量が0.0034重量%までであり、かつバナジウム
含有量が0.05重量%より多い請求項17に記載の方法。
19. 前記窒化物形成元素としてチタンが0.015〜0.025重量%の範囲内で添加
される請求項13〜18のいずれかに記載の方法。
20. チタンが前記窒素量の3.4倍より多く添加される請求項13〜19の
いずれかに記載の方法。
21. 重量%で本質的に0.0018〜0.0028の炭素と、0.18〜0.22のマンガンと、
0.024〜0.040のアルミニウムと、0.0044〜0.0065の窒素と、前記窒化物形成元素
として0.018〜0.022のチタンと、0.049〜0.094のバナジウムと、残部鉄及び不可
避的不純物とからなる鋼が用いられる、請求項13または14に記載の方法。
22. 前記炭素が0.001〜0.01重量%、前記窒素が0.001〜0.005重量%、前記
バナジウムが0.03〜0.12重量%、前記アルミニウムが0.02〜0.08重量%であり、
前記窒化物形成元素としてのチタンが前記窒素の量の3.4倍より多い、請求項
13または14に記載の方法。
23. 前記熱間圧延された鋼が、冷間圧延され、そして選択された温度範囲で
焼なましされる請求項13〜22のいずれかに記載の方法。
24. 前記温度範囲の下限が788℃(1,450°F)である請求項23に記載の方法
。
25. 前記熱間圧延された鋼が冷間圧延され、そして該冷間圧延された鋼がコ
イル形態で選択された温度まで徐々に加熱され、その後該コイル形態で同温度に
所定時間維持された後、該コイル形態で周囲温度まで徐冷することによりバッチ
式で焼なましされる請求項13〜22のいずれかに記載の方法。
26. 前記温度範囲が654℃〜766℃(1,200°F〜1,400°F)である請求項25
に記載の方法。
27. 前記鋼が被覆されている請求項13〜26のいずれかに記載の方法。
28. 前記鋼がホットディップにより被覆される請求項27に記載の方法。
29. 前記鋼が電気亜鉛めっきにより被覆される請求項27に記載の方法。
30. 前記鋼がシート製品へ成形され、塗装焼付ステップを適用される請求項
13〜29のいずれかに記載の方法。
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Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1. 残部鉄及び不可避的不純物とともに炭素、マンガン、アルミニウム、窒素 を有効量含む低炭素鋼を鋳造するステップと、前記鋼を熱間圧延するステップと を有する圧延鋼製品の製造方法において、 前記鋼を、前記残部鉄及び不可避的不純物とともに重量%で、0.0005から0.1 までの炭素と、0より多く0.04未満の窒素と、0より多く0.5未満の窒化物形成元 素と、0より多く0.5までのアルミニウムと、0より多く2.5までのマンガンと、0. 005から0.6までのバナジウムとを本質的に含む組成とし、前記鋼が塗装焼付され るとき前記バナジウムが前記鋼の焼付硬化性の向上に寄与する 圧延鋼製品の製造方法。 2. 前記熱間圧延された鋼が、冷間圧延され、そして選択された温度範囲で焼 なましされる請求項1の方法。 3. 前記焼付硬化性の向上が、約1,450°Fを下限とする前記温度範囲におい て得られる請求項2の方法。 4. 前記バナジウムの範囲が重量%で0.05から0.15までである請求項1の方法 。 5. 前記焼付硬化性が、前記バナジウムの添加により少なくとも3KSIだけ 増加する請求項1の方法。 6. 前記鋼が、前記残部鉄及び不可避的不純物とともに本質的に0.0018〜0.00 28重量%の炭素、0.18〜0.22重量%のマンガン、0.024〜0.040重量%のアルミニ ウム、0.0044〜0.0065重量%の窒素、前記窒化物形成元素として0.018〜0.022重 量%のチタン、及び0.049〜0.094重量%のバナジウムを含む請求項1の方法。 7. 前記鋼が、被覆される請求項1の方法。 8. 前記鋼が、ホットディップにより被覆される請求項1の方法。 9. 前記鋼が、電気亜鉛めっきにより被覆される請求項1の方法。 10. 前記鋼が、鋼製品へと成形され、塗装焼付ステップを適用される請求項 1の方法。 11. 圧延鋼製品において、重量%で、 0.0005から0.1未満の炭素と、 0より多く2.5までのマンガンと、 0より多く0.5までのアルミニウムと、 0より多く0.5未満の窒化物形成元素と、 0より多く0.04未満の窒素と、 0.005から0.6未満のバナジウムと、 残部鉄及び不可避的不純物とを本質的に含み、 前記鋼製品が塗装焼付されるとき前記バナジウムが焼付硬化性の向上に寄与す る、圧延鋼製品。 12. 前記バナジウムが、0.05〜0.15重量%の範囲内である請求項11の圧延 鋼製品。 13. 前記窒化物形成元素が、0.015〜0.025重量%の範囲内のチタンである請 求項11の圧延鋼製品。 14. 前記炭素が、0.005重量%未満である請求項11の圧延鋼製品。 15. 前記圧延鋼製品の表面に被覆が設けられる請求項11の圧延鋼製品。 16. 前記圧延鋼製品が、少なくとも4KSIの焼付硬化性を示す請求項11 の圧延鋼製品。 17. 前記鋼が、前記残部鉄及び不可避的不純物とともに本質的に0.0018〜0. 0028重量%の炭素、0.18〜0.22重量%のマンガン、0.024〜0.040重量%のアルミ ニウム、0.0044〜0.0065重量%の窒素、前記窒化物形成元素として0.018〜0.022 重量%のチタン、及び0.049〜0.094重量%のバナジウムを含む請求項11の圧延 鋼製品。 18. 前記窒化物形成元素が、約0.02重量%のチタンである請求項11の圧延 鋼製品。 19. 前記炭素が0.001〜0.01重量%、前記窒素が0.001〜0.005重量%、前記 バナジウムが0.03〜0.12重量%、前記アルミニウムが0.02〜0.08重量%、及び前 記窒化物形成元素としてのチタンが前記窒素の3.4倍より多い請求項1の方法。 20. 前記炭素が0.001〜0.01重量%、前記窒素が0.001〜0.005重量%、前記 バナジウムが0.03〜0.12重量%、前記アルミニウムが0.02〜0.08重量%、及び前 記窒化物形成元素としてのチタンが前記窒素の3.4倍より多い請求項11の圧延 鋼製品。 21. リンを0より多く約0.25重量%までの範囲で添加した請求項11の圧延 鋼製品。 22. ケイ素を0より多く約1.0重量%までの範囲で添加した請求項11の圧延 鋼製品。 23. リン及びケイ素を併せて0より多く約1.25重量%までの範囲で添加した 請求項11の圧延鋼製品。 24. 固溶炭素及び焼付硬化性を制御するバナジウムを添加するステップを有 する低炭素シート鋼製品を製造する方法。 25. 焼付硬化性を制御するバナジウムを含む組成を有するシート鋼製品。 26. 前記鋼におけるバナジウム対炭素の比を約10またはそれより大きく維 持することにより耐時効性を向上させるステップを有するバナジウム含有低炭素 シート鋼製品を製造する方法。 27. 前記低炭素シート鋼製品が、請求項1の組成を有する請求項26の方法 。 28. 前記バナジウムが、約0.02〜0.6重量%である請求項27の方法。 29. 前記バナジウムが、約0.05〜約0.20重量%である請求項27の方法。 30. 圧延シート鋼製品において、重量%で、 0.0005から0.1未満の炭素と、 0より多く2.5までのマンガンと、 0より多く0.5までのアルミニウムと、 0より多く0.5未満の膣化物形成元素と、 0より多く0.04未満の窒素と、 0.005から0.6未満のバナジウムと、 残部鉄及び不可避的不純物とを本質的に含み、 バナジウム対炭素の比が約10またはそれより大きいとき前記鋼製品の耐時効 性が向上する、圧延シート鋼製品。 31. 前記バナジウム対炭素の比が、約10〜64である請求項30の圧延シ ート鋼製品。 32. 前記バナジウムが、0.02〜0.6重量%である請求項30の圧延シート鋼 製品。 33. 前記バナジウムが、約0.05〜約0.20重量%である請求項32の圧延シー ト鋼製品。 34. 前記冷間圧延鋼がバッチ式焼なましされ、前記バッチ式焼なましされた 鋼が焼付硬化性を示す請求項2の方法。 35. 前記バッチ式焼なましが、前記冷間圧延鋼をコイル形態で約1,200〜1,2 00°Fの範囲内の温度まで徐々に加熱するステップと、前記温度に所定時間維持 するステップと、前記コイルを周囲温度まで徐冷するステップとを有する請求項 34の方法。
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