JP3286149B2 - 建機の油圧回路 - Google Patents

建機の油圧回路

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JP3286149B2
JP3286149B2 JP02254296A JP2254296A JP3286149B2 JP 3286149 B2 JP3286149 B2 JP 3286149B2 JP 02254296 A JP02254296 A JP 02254296A JP 2254296 A JP2254296 A JP 2254296A JP 3286149 B2 JP3286149 B2 JP 3286149B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バックホウ、クレ
ーン等の建機の油圧回路構造に係り、詳しくは、負荷に
見合った分だけの油圧動力をポンプ吐出させる負荷制
御、所謂ロードセンシングシステム(以下、LS/Sと
略称する)を採るものにおいて、燃費と騒音の改善を図
る技術に関する。
【0002】
【従来の技術】LS/Sは、ポンプの吐出流量を必要な
分だけ供給させる制御を行うものであって、より進んだ
エネルギーの節約と熟練オペレータでなくても操作のし
易い有用なものであり、例えば、特開平7‐34489
号公報に示されたものが知られている。又、アクチュエ
ータが作動していないとき、すなわち負荷が作用してい
ないときにはエンジン回転数を下げ、燃費改善と騒音低
減とを図る技術、所謂オートアイドルシステム(以下、
AI/Sと略称する)が、先に出願した特願平6‐20
4072号において提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、LS/SにA
I/Sを加味すれば、これら両システムの長所を活かし
たより優れたシステムにすることが可能になる。そこ
で、本発明の目的は、LS/SとAI/Sとの双方の技
術を有機的に結合して採り入れた建機の油圧回路を提供
する点にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
〔構成〕第1発明は、建機の油圧回路において、油圧ア
クチュエータと、可変容量型の油圧ポンプと、アクチュ
エータへの圧油供給経路に対する絞り弁を内装した制御
弁と、油圧ポンプの単位時間当たりの吐出量を可変設定
する流量調節機構とを備え、絞り弁に対する圧油供給下
手側部分に連通する第1油路と、制御弁の圧油供給ポー
トに連通する第2油路との差圧を所定値に維持するよう
に流量調節機構を操作する負荷制御手段を備え、人為操
作されるアクセル操作具の操作量を電気的に検出する操
作検出手段と、エンジン回転数調節手段を駆動操作する
電気アクチュエータと、油圧アクチュエータが作動して
いるか否かを、第1油路の圧変動によって検出する作動
検出手段とを設け、油圧アクチュエータの停止時にはエ
ンジン回転数をアイドリング側に変更操作するととも
に、油圧アクチュエータの作動時にはエンジン回転数を
アクセル操作具による設定値に操作する状態に連係する
アクセル制御手段を備え、油圧アクチュエータのうちの
ブームシリンダがブーム下げ方向に駆動されている状態
を検出するブーム下げ検出手段を備え、このブーム下げ
検出手段が検出作動しているときには、エンジン回転数
をアクセル操作具による設定値に操作するように連係さ
れていることを特徴とする。
【0005】第2発明は、建機の油圧回路において、油
圧アクチュエータと、可変容量型の油圧ポンプと、アク
チュエータへの圧油供給経路に対する絞り弁を内装した
制御弁と、油圧ポンプの単位時間当たりの吐出量を可変
設定する流量調節機構とを備え、絞り弁に対する圧油供
給下手側部分に連通する第1油路と、制御弁の圧油供給
ポートに連通する第2油路との差圧を所定値に維持する
ように流量調節機構を操作する負荷制御手段を備え、人
為操作されるアクセル操作具の操作量を電気的に検出す
る操作検出手段と、エンジン回転数調節手段を駆動操作
する電気アクチュエータと、油圧アクチュエータが作動
しているか否かを、第2油路の圧変動によって検出する
作動検出手段とを設け、油圧アクチュエータの停止時に
はエンジン回転数をアイドリング側に変更操作するとと
もに、油圧アクチュエータの作動時にはエンジン回転数
をアクセル操作具による設定値に操作する状態に連係す
るアクセル制御手段を備え、油圧アクチュエータのうち
のブームシリンダがブーム下げ方向に駆動されている状
態を検出するブーム下げ検出手段を備え、このブーム下
げ検出手段が検出作動しているときには、エンジン回転
数をアクセル操作具による設定値に操作するように連係
されていることを特徴とする。
【0006】第3発明は、第1発明又は第2発明におい
て、ブームシリンダ用の制御弁を、パイロット圧で切換
操作されるものに構成するとともに、そのブームシリン
ダ用制御弁をブーム下げ方向に切換操作するためのパイ
ロット圧が立つか否かによって作動する圧力スイッチに
よって作動検出手段が構成されていることを特徴とする
ものである。
【0007】〔作用〕請求項1及び2の構成では、アク
セル操作を電気アクチュエータで行う電気操作制御装置
に作動検出手段を加えることで、油圧アクチュエータの
非作動時にはエンジン回転数調節手段を強制的にアイド
リング側に操作でき、必要のないときでのアクセルダウ
ンを人為アクセル操作とは無関係に行うAI/Sを構成
することができる。つまり、負荷制御手段に作動検出手
段を加えることにより、LS/SとAI/Sとを有機的
に結合することが可能になる。
【0008】請求項1の構成では、LS/Sの構造上、
差圧(ゲイン圧)を検出するための低圧側の第1油路の
圧変動から油圧アクチュエータの作動を検出するもので
あって、圧が立つか立たないかを検出すれば良く、制御
上における判別がきわめて行い易いものであるが、自重
移動するブーム下げの場合には少し問題がある。すなわ
ち、掬い物や吊り下げ物の重量如何によってブームシリ
ンダの駆動速度よりも自重下降速度の方が勝り、ブーム
シリンダが作動しているにも拘らずに圧が立たないこと
になり、都合が悪い。しかしながら、ブームが下げ方向
に駆動されていることを検出できる手段を別途設けてあ
るので、前述した作動検出手段の検出が不能となるブー
ム下げ移動時でもブームシリンダの作動状態を検出する
ことが可能になる。
【0009】請求項2の構成では、ポンプ圧の変動から
油圧アクチュエータの作動を検出するものである。LS
/Sでは、中立操作時でもポンプ吐出量は零ではなく、
差圧よりも僅かに高い圧でアンロードされることから極
僅かな圧 (例えば、20kg/cm)での吐出が行われるように
なるので、その最低圧よりも少し高いめの圧をしきい値
として、そのしきい圧よりポンプ圧が高いと作動状態、
低いと非作動状態という具合に判断できるものである
(図5参照)。
【0010】しかしながら、ブーム下げ時では、前述し
たようにブームシリンダの駆動速度よりも自重下降速度
の方が勝り、あたかもシリンダがポンプ圧を吸い上げる
ような状態となってポンプ圧が負圧になる等、圧がしき
い値まで上がらず、やはりブームシリンダの作動が検出
できないことがある。そこで、請求項1の場合と同様
に、ブームが下げ方向に駆動されていることを検出でき
る手段を別途設けてあるので、ブーム下げ移動時でもブ
ームシリンダの作動状態を検出可能となる。
【0011】請求項3の構成では、ブーム用制御弁をブ
ーム下げ方向に切換操作した場合に立つパイロット圧を
検出する考えであり、そのパイロット圧で作動する圧力
スイッチを設ける簡単な改造で、第1油路や第2油路を
見るだけの手段では検出できないブーム下げ駆動状態を
検出することができる。
【0012】〔効果〕その結果、請求項1〜3のいずれ
に記載の油圧回路でも、掬い物重量の影響を受けるブー
ムの自重下降移動状態をも的確に検出することができ、
油圧アクチュエータの作動検出が漏れなく正確に行える
状態で、エネルギー節約と操作のし易さとが図れるLS
/Sに、燃費改善と騒音低減とが図れるAI/Sを合体
させて合理的な建機の操縦システムを構成することがで
きた。
【0013】請求項2に記載の油圧回路では、ポンプ圧
変動で判断する手段によって、差圧変動で判断する場合
に比べて油圧アクチュエータの作動判断の確実さに優れ
るので、ブーム下げ検出手段との総合的な判断の確実さ
に優れる利点がある。
【0014】請求項3に記載の油圧回路では、作動検出
手段の他に、パイロット圧で作動する1個の圧力スイッ
チを付加するだけの経済的手段で上記各効果が得られる
利点を備えている。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。図1に建機の一例である小旋回
型のバックホウが示され、1は掘削作業装置、2は旋回
台、3は走行機台、4はクローラ走行装置、28はドー
ザであり、掘削作業装置1は、ブーム5、アーム6、バ
ケット7等を備えるとともに、ブーム5は、基端側ブー
ム5xと先端側ブーム5zとを、中間ブーム5yで連結
した平行オフセット構造に構成されている。
【0016】図2に油圧回路の概略が示され、ドーザシ
リンダ用制御弁29、バケットシリンダ7c用制御弁3
0、左走行モータ31用制御弁32、ブームシリンダ5
c用制御弁9、アームシリンダ6c用制御弁10、右走
行モータ33用制御弁34、旋回モータ用制御弁35、
オフセットシリンダ36用制御弁37、サービス用制御
弁38が備えられている。運転部44における座席46
の両脇夫々に、十字操作型の操作レバー47,48が配
置されている。
【0017】一方がブーム−バケット用であり、他方は
アーム−旋回用であり、各ポテンショメータ49,5
0,51,52が制御装置26に接続され、電気的に各
パイロット弁9a,9b,10a,10b,30a,3
0b,35a,35bを操作する構造である。そして、
各制御弁に対して、負荷圧よりも僅かに高い圧力でもっ
て吐出される可変容量型の油圧ポンプ8を備えたLS/
S(ロードセンシングシステム)と、騒音や省エネルギ
ーの点で好ましいAI/S(オートアイドルシステム)
とを備えてあり、以下に説明する。
【0018】図2における仮想線で囲まれたブームシリ
ンダ5cとアームシリンダ6cとに関する部分を抜粋し
た主要部の原理回路図が図3に示され、8はエンジン1
9で駆動される前述した可変容量型の油圧ポンプ、13
は油圧ポンプ8の単位時間当たりの吐出油量を可変設定
する流量調節機構である。流量調節機構13は、メイン
ポンプ8の吐出圧で作動する馬力制御シリンダ13A
と、調節ポンプ18で駆動される流量制御シリンダ13
Bとで構成されている。
【0019】又、調節シリンダ13に対する圧力補償型
の流量調節弁14が設けてある。11はブーム用で12
はアーム用の各コンペンセータ(圧力補償弁)であり、
ブーム用制御弁9とアーム用制御弁10における供給側
油路に絞り弁9s,10sが装備されている。尚、ブー
ム用及びアーム用の制御弁9,10以外の各制御弁2
9,30,32,34,35,37,38の弁構造(操
作構造は除く)は全てブーム用及びアーム用の制御弁
9,10と基本的には同様のものである。
【0020】各コンペンセータ11,12は、各供給側
絞り弁9s,10sに対する圧油供給下手側に位置し、
かつ、各アクチュエータ5c,6cに対する圧油供給上
手側に配置されている。そして、各コンペンセータ1
1,12に対する圧油供給下手側であり、かつ、各アク
チュエータ5c,6cに対する圧油供給上手側部分と各
コンペンセータ11,12のバネ側油室とを連通する低
圧側油路11t,12tを設けてある。
【0021】各コンペンセータ11,12に対する圧油
供給上手側であり、かつ、各供給側油路の絞り弁9s,
10sに対する圧油供給下手側部分と、各コンペンセー
タ11,12の反バネ側油室とを連通する高圧側油路1
1k,12kを設けてある。各コンペンセータ11,1
2に、流路断絶側に付勢する圧縮バネ17が備えられた
定差減圧弁に構成され、これによってアフターオリフィ
ス型のロードセンシング回路を構成してある。
【0022】流量制御弁14のバネ側油室14xと各供
給側絞り弁9s,10sに対する圧油供給下手側部分と
を連通する第1低圧側油路14tを設けてあり、各低圧
側油路11t,12tに、後述の高速応答弁28を介し
て第1低圧側油路14tが連通している。各制御弁9,
10の供給ポート9p,10pに連通される第2油路1
5と、流量制御弁14におけるバネ側油室14xと反対
側の油室とを専用の接続油路16で連通してある。又、
流量制御弁14の切換わり時における調節シリンダ13
に対する圧は、油圧ポンプ8とともにエンジン駆動され
る専用の調節ポンプ18で賄うように構成してある。つ
まり、第1油路14tと、制御弁9,10の各供給ポー
ト9p,10pに連通する第2油路15との差圧を所定
値に維持するように調節シリンダ13を操作する流量制
御弁14を設けて負荷制御手段Aが構成されている。
【0023】そして、エンジン回転数を人為操作によっ
て調節設定するアクセルレバー(アクセル操作具の一
例)24の操作量を電気的に検出する第1ポテンショメ
ータ(操作検出手段の一例)25と、ガバナー(エンジ
ン回転数調節手段の一例)20のガバナレバー21を駆
動操作するギヤードモータ(電気アクチュエータの一
例)22と、ブームシリンダ5c等の油圧アクチュエー
タが作動しているか否かを検出する作動検出手段Dとを
備え、油圧アクチュエータの停止時にはエンジン回転数
をアイドリング側に変更操作するとともに、油圧アクチ
ュエータの作動時にはエンジン回転数をアクセルレバー
24による設定値に操作するように、第1ポテンショメ
ータ25とギヤードモータ22とを連係するアクセル制
御手段Cを備えてある。
【0024】すなわち、アクセル制御手段Cは、ガバナ
レバー21の操作位置を検出するフィードバック用の第
2ポテンショメータ27、ギヤードモータ22、前述し
た第1低圧側油路(第1油路に相当)14tの圧を検出
する第1圧力スイッチ23、及び、第1ポテンショメー
タ25を連係するものとして制御装置26に備えてあ
る。作動検出手段Dは、第1油路14tの圧変動によっ
て油圧アクチュエータが作動しているか否かを検出する
ものである。
【0025】つまり、アイドリング位置iにあるハンド
アクセルレバー24を操作して、作業状態におけるエン
ジン回転数(通常はフルアクセル位置mにセットするこ
とが多い)を設定し、作業状態であればその設定回転数
が維持され、非作業時(無負荷時)にはアクセルレバー
24が位置mにセットされたままとしながらエンジン回
転数をアイドリング状態に落とすのである。この場合で
は、第1圧力スイッチ23によって作動検出手段Dが構
成されている。
【0026】又、絞り弁9s,10sの絞り量を変更調
節可能な調節手段Bを設け、エンジン回転数が高められ
るとブームシリンダ5c等の油圧アクチュエータの駆動
速度が速くなり、エンジン回転数が低められると油圧ア
クチュエータの駆動速度が遅くなるように、第2ポテン
ショメータ27と調節手段Bとを連係する速度制御手段
Eを制御装置26に備えてある。
【0027】調節手段Bは、各コンペンセータ11,1
2がわの各低圧油路11t,12tと第1低圧油路14
tとを電磁高速応答弁28を介して接続させることから
構成されている。そして、電磁高速応答弁28は、通常
位置bでは各低圧側油路14t,11t,12tを連通
し、高圧位置aではコンペンセータがわの両低圧側油路
11t,12tと高圧がわの第2油路15とが連通油路
21aによって連通される2位置切換弁構造に構成され
ている。
【0028】電磁高速応答弁28の作動によってコンペ
ンセータ11,12の低圧側油路11t,12tに作用
する油圧をアクチュエータ5c,6cの負荷圧とポンプ
の吐出圧との中間値に設定できて、コンペンセータ1
1,12による差圧維持作用によってコンペンセータ1
1,12への供給圧を、電磁高速応答弁28が通常位置
bにある場合よりも高めるようになる。すると、第1低
圧側油路14tと油圧ポンプ18の吐出圧との差圧を一
定に維持する機能上、コンペンセータ11,12の上手
側にある絞り弁9s,10sでの差圧低めるように、す
なわち絞り弁9s,10sの絞り量を小さく、つまりは
制御弁9,10の開度を小さくするように制御され、そ
の結果、アクチュエータ5c,6cへの供給油量が減じ
られて駆動速度が遅くなるのである。この作用は、負荷
圧とポンプ差圧との差圧に基づく制御構造上、負荷が変
動しても維持される。
【0029】逆に、コンペンセータ11,12への供給
圧を低くすると、絞り弁9s,10sでの差圧高めるよ
うに、すなわち絞り弁9s,10sの絞り量を大きく、
すなわち制御弁9,10の開度を大きくするように制御
され、アクチュエータ5c,6cへの供給油量が増大し
て駆動速度が速くなる。
【0030】そして、エンジン19の回転数を検出する
第2ポテンショメータ27と、電磁高速応答弁28と、
間欠作動時間のデューティー比を可変調節する設定器3
9と、自動制御モードと手動制御モードとの切換スイッ
チ40とを制御装置26に接続して、コンペンセータ1
1,12での分圧を変更設定するように構成されてい
る。つまり、前記分圧の変更によって、絞り弁9s,1
0sの開度を変更調節可能な調節手段Bが構成されてい
るのである。調節手段Bは、高圧位置aに復帰付勢され
る電磁高速応答弁28を、油圧ポンプ8の吐出油路であ
る高圧油路に接続させる通常位置bに操作するための通
電を間欠的に行う間欠作動と、その間欠時間を可変設定
する間欠制御を行う機能を有している。
【0031】速度制御手段Eの作用を説明すれば、先
ず、切換スイッチ40を自動制御モードに操作して電磁
高速応答弁28への通電を間欠的に行わせるとともに、
その間欠時間の1サイクル中における通電時間割合、す
なわちデューティー比をエンジン19の回転数が低いと
小にするように連係される。これにより、掘削作業中に
旋回速度を遅くしたいといった場合にはアクセルレバー
24を操作してエンジン回転数を低くすれば良く、逆に
駆動速度を速くしたい場合にはエンジン回転数を高くす
れば良い。
【0032】又、アクチュエータの駆動速度を意図的に
変更したい場合には、切換スイッチ40を手動操作モー
ドに操作して、第2ポテンショメータ27と制御装置2
6との連係を絶つ。すると、デューティー比が設定器3
9によって決定される状態になり、その設定器39の人
為操作によってコンペンセータ11,12への供給圧
を、アクチュエータ5c,6cの負荷圧とポンプ吐出圧
との間の任意の値に設定でき、アクチュエータ5c,8
cの駆動速度をエンジン回転数とは無関係に調節するこ
とができる。
【0033】図4に示すように、ブーム用制御弁9をブ
ーム5下げ方向に切換操作する下降用パイロット弁9b
に、そこでのパイロット圧が立つか否かを検出する第3
圧力スイッチ(ブーム下げ検出手段Fの一例)53を設
けてある。そして、この第3圧力スイッチ53が検出作
動しているときには、エンジン回転数をアクセルレバー
24の操作通りの状態に操作されるようにアクセル制御
手段Cに連係されている。つまり、第1圧力スイッチ2
3のみでは、ブーム5の下げ移動時に生じるブームシリ
ンダの負圧駆動状態が検出できないことを、第3圧力ス
イッチ53で補わせるようにしてあり、確実に各油圧ア
クチュエータの作動及び非作動状態の検出が可能とされ
ている。
【0034】差圧検出用の第1油路14tの圧は、いず
れかの油圧アクチュエータが作動していれば正圧とな
り、作動していないときは零となるから、図5に示すよ
うに、誤差を考慮した極低い正圧のしきい値を設け、そ
のしきい値圧より高いか低いかで油圧アクチュエータが
動いているか止まっているかを検出することができる。
しかしながら、前述したブームの自重下降の場合によっ
ては、ポンプ吐出量が最低に維持されて、第1油路14
tに圧が立たない状態でブームシリンダ5cが駆動され
ていることがあるので、それを第3圧力スイッチ53で
検出できるものである。尚、油圧装置Yはブームシリン
ダ5cの他、バケットシリンダ7cや走行用油圧モータ
31,33等、要するに油圧アクチュエータであれば良
い。
【0035】〔別実施形態〕図6、図7に示すように、
第1圧力スイッチ23に代えて、ポンプ圧が作用する第
2油路15の圧を検出する第2スイッチ45を作動検出
手段Dとして構成した油圧回路でも良い。この場合で
も、ブーム下げ用の下降用パイロット弁9bに設けた第
3圧力スイッチとの協働により、総合的に油圧アクチュ
エータの作動状態を検出する制御が機能するものであ
る。
【0036】第2油路15の圧は、中立状態ではアンロ
ード弁41を開通するアンロード圧(例えば、20kg/cm
)であり、油圧アクチュエータが作動すれば、通常、
そのアンロード圧よりも上昇するのであるが、前述した
ようにブームの自重下降時には、アンロード圧に対する
負圧となることがある。そこで、図8に示すように、ア
ンロード圧に対する正及び負の夫々にしきい値as,b
sを設ければ、ブームシリンダ5cのブームの下降駆動
の検出が行える利点がある。しかしながら、バケットで
の掬い物重量によっては、ブーム自重下降時の第2油路
15の圧が丁度アンロード圧付近となるような場合で
は、上記しきい値を2個設ける手段でも依然として作動
検出が不確実になるおそれがある。従って、第3圧力ス
イッチ53を設ければ、油圧アクチュエータの正確な作
動検出が行えるのであり、そのような特殊な状態にも対
処できるようになる。
【0037】ブーム下げ検出手段Fとしては、操作レバ
ー47のブーム下げ方向の操作で作動する手元スイッチ
で構成するとか、操作レバー47で操作されるブーム用
のポテンショメータ49の動きを見て判断するものに構
成する手段、あるいはブーム用制御弁9の切換え方向を
検出する手段等、種々のものが考えられる。
【0038】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】バックホウの側面図
【図2】油圧回路の概略全体図
【図3】AI/S付きLS/Sの原理を示す部分油圧回
路図
【図4】図3に基づく制御ブロック図
【図5】第1圧力スイッチの検出圧変動グラフの一例を
示す図
【図6】別作動検出手段を備えたAI/S付きLS/S
の原理を示す部分油圧回路図
【図7】図6に基づく制御ブロック図
【図8】第2圧力スイッチの検出圧変動グラフの一例を
示す図
【符号の説明】
5c 油圧アクチュエータ 8 油圧ポンプ 9 制御弁 9s 絞り弁 9p 圧油供給ポート 13 流量調節機構 14t 第1油路 15 第2油路 20 エンジン回転数調節手段 22 電気アクチュエータ 24 アクセル操作具 25 操作検出手段 53 第3圧力スイッチ A 負荷制御手段 C アクセル制御装置 D 作動検出手段 F ブーム下げ検出手段 Y 油圧アクチュエータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀井 啓司 大阪府堺市石津北町64番地 株式会社ク ボタ 堺製造所内 (56)参考文献 特開 平2−291436(JP,A) 特開 平7−3846(JP,A) 特開 平4−203502(JP,A) 特開 平9−49503(JP,A) 特開 平7−197490(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02F 9/22 F15B 11/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油圧アクチュエータ(Y)と、可変容量
    型の油圧ポンプ(8)と、前記アクチュエータ(Y)へ
    の圧油供給経路に対する絞り弁(9s)を内装した制御
    弁(9)と、前記油圧ポンプ(8)の単位時間当たりの
    吐出量を可変設定する流量調節機構(13)とを備え、
    前記絞り弁(9s)に対する圧油供給下手側部分に連通
    する第1油路(14t)と、前記制御弁(9)の圧油供
    給ポート(9p)に連通する第2油路(15)との差圧
    を所定値に維持するように前記流量調節機構(13)を
    操作する負荷制御手段(A)を備え、 人為操作されるアクセル操作具(24)の操作量を電気
    的に検出する操作検出手段(25)と、エンジン回転数
    調節手段(20)を駆動操作する電気アクチュエータ
    (22)と、前記油圧アクチュエータ(Y)が作動して
    いるか否かを、前記第1油路(14t)の圧変動によっ
    て検出する作動検出手段(D)とを設け、前記油圧アク
    チュエータ(Y)の停止時にはエンジン回転数をアイド
    リング側に変更操作するとともに、前記油圧アクチュエ
    ータ(Y)の作動時にはエンジン回転数を前記アクセル
    操作具(24)による設定値に操作する状態に連係する
    アクセル制御手段(C)を備え、 前記油圧アクチュエータ(Y)のうちのブームシリンダ
    (5c)がブーム下げ方向に駆動されている状態を検出
    するブーム下げ検出手段(F)を備え、このブーム下げ
    検出手段(F)が検出作動しているときには、エンジン
    回転数を前記アクセル操作具(24)による設定値に操
    作するように連係されている建機の油圧回路。
  2. 【請求項2】 油圧アクチュエータ(Y)と、可変容量
    型の油圧ポンプ(8)と、前記アクチュエータ(Y)へ
    の圧油供給経路に対する絞り弁(9s)を内装した制御
    弁(9)と、前記油圧ポンプ(8)の単位時間当たりの
    吐出量を可変設定する流量調節機構(13)とを備え、
    前記絞り弁(9s)に対する圧油供給下手側部分に連通
    する第1油路(14t)と、前記制御弁(9)の圧油供
    給ポート(9p)に連通する第2油路(15)との差圧
    を所定値に維持するように前記流量調節機構(13)を
    操作する負荷制御手段(A)を備え、 人為操作されるアクセル操作具(24)の操作量を電気
    的に検出する操作検出手段(25)と、エンジン回転数
    調節手段(20)を駆動操作する電気アクチュエータ
    (22)と、前記油圧アクチュエータ(Y)が作動して
    いるか否かを、前記第2油路(15)の圧変動によって
    検出する作動検出手段(D)とを設け、前記油圧アクチ
    ュエータ(Y)の停止時にはエンジン回転数をアイドリ
    ング側に変更操作するとともに、前記油圧アクチュエー
    タ(Y)の作動時にはエンジン回転数を前記アクセル操
    作具(24)による設定値に操作する状態に連係するア
    クセル制御手段(C)を備え、 前記油圧アクチュエータ(Y)のうちのブームシリンダ
    (5c)がブーム下げ方向に駆動されている状態を検出
    するブーム下げ検出手段(F)を備え、このブーム下げ
    検出手段(F)が検出作動しているときには、エンジン
    回転数を前記アクセル操作具(24)による設定値に操
    作するように連係されている建機の油圧回路。
  3. 【請求項3】 前記ブームシリンダ(5c)用の制御弁
    (9)を、パイロット圧で切換操作されるものに構成す
    るとともに、そのブームシリンダ用制御弁(9)をブー
    ム下げ方向に切換操作するためのパイロット圧が立つか
    否かによって作動する圧力スイッチ(53)によって前
    記ブーム下げ検出手段(F)が構成されている請求項1
    又は2に記載の建機の油圧回路。
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