JP3286150B2 - 建機の油圧回路 - Google Patents

建機の油圧回路

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JP3286150B2
JP3286150B2 JP02258996A JP2258996A JP3286150B2 JP 3286150 B2 JP3286150 B2 JP 3286150B2 JP 02258996 A JP02258996 A JP 02258996A JP 2258996 A JP2258996 A JP 2258996A JP 3286150 B2 JP3286150 B2 JP 3286150B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バックホウ、クレ
ーン等の建機の油圧回路構造に係り、詳しくは、負荷に
見合った分だけの油圧動力をポンプ吐出させる負荷制
御、所謂ロードセンシングシステム(以下、LS/Sと
略称する)を採るものにおいて、燃費と騒音の改善を図
る技術に関する。
【0002】
【従来の技術】LS/Sは、ポンプの吐出流量を必要な
分だけ供給させる制御を行うものであって、より進んだ
エネルギーの節約と熟練オペレータでなくても操作のし
易い有用なものである。又、アクチュエータが作動して
いないとき、すなわち負荷が作用していないときにはエ
ンジン回転数を下げ、燃費改善と騒音低減とを図る技
術、所謂オートアイドルシステム(以下、AI/Sと略
称する)が、先に出願した特願平6‐204072号に
おいて提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、先に出願した
特願平7‐230188号において、LS/SにAI/
Sを加味することにより、これら両システムの長所を活
かしたより優れたシステムにすることが可能となる油圧
回路が提案されている。この後者の提案技術では、LS
/Sにおける差圧を検出するための低圧側油路である第
1油路の圧変動によって油圧アクチュエータの作動状態
を検出するものであり、圧が立つといずれかの油圧アク
チュエータが作動していることになる。ところが、傾斜
地での振り下ろし旋回やブーム下げ等においては、その
自重によって勝手に移動してポンプ圧が立たない状態で
も油圧アクチュエータが動くことがある。そうなると、
第1油路の圧検出によってエンジン回転数がアイドリン
グ側に低められ、ブーム下げ速度が異常に遅い等の不都
合を招くことになり、改善の余地がある。本発明のの目
的は、上記不都合なくLS/SとAI/Sとの双方の技
術を有機的に結合して採り入れた建機の油圧回路を提供
する点にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
〔構成〕第1発明は、建機の油圧回路において、油圧ア
クチュエータと、可変容量型の油圧ポンプと、アクチュ
エータへの圧油供給経路に対する絞り弁を内装した制御
弁と、油圧ポンプの単位時間当たりの吐出量を可変設定
する流量調節機構とを備え、絞り弁に対する圧油供給下
手側部分に連通する第1油路と、制御弁の圧油供給ポー
トに連通する第2油路との差圧を所定値に維持するよう
に流量調節機構を操作する負荷制御手段を備え、人為操
作されるアクセル操作具の操作量を電気的に検出する操
作検出手段と、エンジン回転数調節手段を駆動操作する
電気アクチュエータと、油圧アクチュエータが作動して
いるか否かを、第2油路の圧変動によって検出する作動
検出手段とを設け、油圧アクチュエータの停止時にはエ
ンジン回転数をアイドリング側に変更操作するととも
に、油圧アクチュエータの作動時にはエンジン回転数を
アクセル操作具による設定値に操作する状態に連係する
アクセル制御手段を備え、作動検出手段を、第2油路の
圧の変化率が第1所定値以上になると検出作動するもの
に構成してあることを特徴とする。
【0005】第2発明は、第2油路の圧の絶対値が第2
所定値以上になると作動検出手段が検出作動するように
構成されていることを特徴とするものである。
【0006】第3発明は、第2油路の油温を検出する油
温センサを設け、それによる検出油温が低いと第2所定
値を大なる側に、かつ、検出油温が高いと第2所定値を
小なる側に修正するように制御する絶対値補正手段を備
えてあることを特徴とするものである。
【0007】〔作用〕請求項1の構成では、高圧側の第
2油路であるポンプ圧の変動から油圧アクチュエータの
作動を検出するものである。LS/Sでは、中立操作時
でもポンプ吐出量は零ではなく、差圧よりも僅かに高い
圧でアンロードされることから極僅かな圧 (例えば、20
kg/cm)の吐出が行われるようになる。従って、図5に示
すように、そのアンロード圧よりも少し高い正のしきい
値as、及び少し低い負のしきい値bsとを設定すれ
ば、つまり、アンロード圧を基準(零)圧とした場合の
圧の絶対値で判断するようにすると、通常の駆動状態は
もちろん、ブーム下げ等のように、あたかもシリンダが
ポンプ圧を吸い上げるような状態となって、ポンプ圧が
アンロード以下の相対的に負圧となる状態も検出できる
ようになるのである。
【0008】ところが、実際には種々の条件によって
は、上記作用がうまく発揮されないことがある。例え
ば、冬季での作業開始時では作動油の温度が低く、粘性
が大となっているため、制御弁が中立でもしきい値を越
えてしまい、作業していないのにエンジン回転数が高い
ままになる不都合があり、その不都合が作動油温度が温
まるまでの間続くことになる。請求項1の構成は、前述
した絶対値ではなく、回転数の変化率から判断させるも
のであり、ポンプ圧の変化率が予め設定した変化率(第
1所定値)よりも急になれば作動していると見なし、エ
ンジン回転数をアクセル操作具通りに操作するのであ
る。すると、第2油路の圧の正負に、かつ、作業開始時
の環境に拘らずに油圧アクチュエータの作動状態を検出
できるようになる。
【0009】上述した変化率は、ピックアップ等の電気
機器で検出することになるが、実際にはノイズによる検
出誤差を皆無にはできないものであって、検出値の生デ
ータを直接利用し難いので、移動平均等の平均値の複数
データによる変動率で判断するようになる。すると、急
激な変化が生じても均平化され、場合によっては油圧ア
クチュエータの作動を的確に捉えることができないおそ
れがある。そこで、請求項2の構成では、変化率に加え
て、ポンプ圧の絶対値も判断材料とすることにより、例
え変化率が第1所定値よりも小であっても、圧が十分に
立っている場合には油圧アクチュエータが動いているの
であるから、エンジン回転数をアクセル操作具通りの回
転数にするのである。
【0010】請求項3の構成では、第2発明において、
作動油の温度による絶対値の変動を補償させる考えであ
る。つまり、前述したように、作動油温度が異なれば、
作業開始時の絶対値検出制御が不確実になるので、第2
所定圧を作動油の温度が低いと大なる側に、かつ、作動
油の温度が高いと小なる側に修正されるように制御する
のである。すると、温度と粘性との関係が補正され、作
動油が規定よりも低温となる作業開始時や、オーバーヒ
ート状態といった規定よりも高温となる状態でも絶対値
でもって作動検出する制御の信頼性が向上し、制御の確
実さが総合的に改善されるようになる。
【0011】〔効果〕その結果、請求項1〜3のいずれ
に記載の油圧回路でも、ポンプ圧変動の変動率でもって
判断する制御とすることにより、油圧アクチュエータの
作動状態の判断をより正確に行える状態で、エネルギー
節約と操作のし易さとが図れるLS/Sに、燃費改善と
騒音低減とが図れるAI/Sを合体させて合理的な建機
の操縦システムを構成することができた。
【0012】請求項2に記載の油圧回路では、ポンプ圧
の変動率とその絶対値との双方から判断させることによ
り、油圧アクチュエータのより確実な作動検出が行える
利点がある。
【0013】請求項3に記載の油圧回路では、作動油の
温度変化補償する制御を加味させたので、油圧アクチュ
エータのより確実な作動検出が行える利点をさらに優れ
たものにできる利点がある。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。図1に建機の一例である小旋回
型のバックホウが示され、1は掘削作業装置、2は旋回
台、3は走行機台、4はクローラ走行装置、28はドー
ザであり、掘削作業装置1は、ブーム5、アーム6、バ
ケット7等を備えるとともに、ブーム5は、基端側ブー
ム5xと先端側ブーム5zとを、中間ブーム5yで連結
した平行オフセット構造に構成されている。
【0015】図2に油圧回路の概略が示され、ドーザシ
リンダ用制御弁29、バケットシリンダ7c用制御弁3
0、左走行モータ31用制御弁32、ブームシリンダ5
c用制御弁9、アームシリンダ6c用制御弁10、右走
行モータ33用制御弁34、旋回モータ用制御弁35、
オフセットシリンダ36用制御弁37、サービス用制御
弁38が備えられている。運転部44における座席46
の両脇夫々に、十字操作型の操作レバー47,48が配
置されている。
【0016】一方がブーム−バケット用であり、他方は
アーム−旋回用であり、各ポテンショメータ49,5
0,51,52が制御装置26に接続され、電気的に各
パイロット弁9a,9b,10a,10b,30a,3
0b,35a,35bを操作する構造である。そして、
各制御弁に対して、負荷圧よりも僅かに高い圧力でもっ
て吐出される可変容量型の油圧ポンプ8を備えたLS/
S(ロードセンシングシステム)と、騒音や省エネルギ
ーの点で好ましいAI/S(オートアイドルシステム)
とを備えてあり、以下に説明する。
【0017】図2における仮想線で囲まれたブームシリ
ンダ5cとアームシリンダ6cとに関する部分を抜粋し
た主要部の原理回路図が図3に示され、8はエンジン1
9で駆動される前述した可変容量型の油圧ポンプ、13
は油圧ポンプ8の単位時間当たりの吐出油量を可変設定
する流量調節機構である。流量調節機構13は、メイン
ポンプ8の吐出圧で作動する馬力制御シリンダ13A
と、調節ポンプ18で駆動される流量制御シリンダ13
Bとで構成されている。
【0018】又、調節シリンダ13に対する圧力補償型
の流量調節弁14が設けてある。11はブーム用で12
はアーム用の各コンペンセータ(圧力補償弁)であり、
ブーム用制御弁9とアーム用制御弁10における供給側
油路に絞り弁9s,10sが装備されている。尚、ブー
ム用及びアーム用の制御弁9,10以外の各制御弁2
9,30,32,34,35,37,38の弁構造(操
作構造は除く)は全てブーム用及びアーム用の制御弁
9,10と基本的には同様のものである。
【0019】各コンペンセータ11,12は、各供給側
絞り弁9s,10sに対する圧油供給下手側に位置し、
かつ、各アクチュエータ5c,6cに対する圧油供給上
手側に配置されている。そして、各コンペンセータ1
1,12に対する圧油供給下手側であり、かつ、各アク
チュエータ5c,6cに対する圧油供給上手側部分と各
コンペンセータ11,12のバネ側油室とを連通する低
圧側油路11t,12tを設けてある。
【0020】各コンペンセータ11,12に対する圧油
供給上手側であり、かつ、各供給側油路の絞り弁9s,
10sに対する圧油供給下手側部分と、各コンペンセー
タ11,12の反バネ側油室とを連通する高圧側油路1
1k,12kを設けてある。各コンペンセータ11,1
2に、流路断絶側に付勢する圧縮バネ17が備えられた
定差減圧弁に構成され、これによってアフターオリフィ
ス型のロードセンシング回路を構成してある。
【0021】流量制御弁14のバネ側油室14xと各供
給側絞り弁9s,10sに対する圧油供給下手側部分と
を連通する第1低圧側油路14tを設けてあり、各低圧
側油路11t,12tに、後述の高速応答弁28を介し
て低圧側の第1油路14tが連通している。各制御弁
9,10の供給ポート9p,10pに連通される高圧側
の第2油路15と、流量制御弁14におけるバネ側油室
14xと反対側の油室とを専用の接続油路16で連通し
てある。又、流量制御弁14の切換わり時における調節
シリンダ13に対する圧は、油圧ポンプ8とともにエン
ジン駆動される専用の調節ポンプ18で賄うように構成
してある。つまり、第1油路14tと、制御弁9,10
の各供給ポート9p,10pに連通する第2油路15と
の差圧を所定値に維持するように調節シリンダ13を操
作する流量制御弁14を設けて負荷制御手段Aが構成さ
れている。
【0022】そして、エンジン回転数を人為操作によっ
て調節設定するアクセルレバー(アクセル操作具の一
例)24の操作量を電気的に検出する第1ポテンショメ
ータ(操作検出手段の一例)25と、ガバナー(エンジ
ン回転数調節手段の一例)20のガバナレバー21を駆
動操作するギヤードモータ(電気アクチュエータの一
例)22と、ブームシリンダ5c等の油圧アクチュエー
タが作動しているか否かを検出する作動検出手段Dとを
備え、油圧アクチュエータの停止時にはエンジン回転数
をアイドリング側に変更操作するとともに、油圧アクチ
ュエータの作動時にはエンジン回転数をアクセルレバー
24による設定値に操作するように、第1ポテンショメ
ータ25とギヤードモータ22とを連係するアクセル制
御手段Cを備えてある。
【0023】すなわち、アクセル制御手段Cは、ガバナ
レバー21の操作位置を検出するフィードバック用の第
2ポテンショメータ27、ギヤードモータ22、前述し
た第2油路15の圧を検出する圧力スイッチ45、及
び、第1ポテンショメータ25を連係するものとして制
御装置26に備えてある。つまり、作動検出手段Dは、
第2油路15の圧変動によって油圧アクチュエータが作
動しているか否かを検出するものである。
【0024】すなわち、アイドリング位置iにあるハン
ドアクセルレバー24を操作して、作業状態におけるエ
ンジン回転数(通常はフルアクセル位置mにセットする
ことが多い)を設定し、作業状態であればその設定回転
数が維持され、非作業時(無負荷時)にはアクセルレバ
ー24が位置mにセットされたままとしながらエンジン
回転数をアイドリング状態に落とすのである。この場合
では、圧力スイッチ45によって作動検出手段Dが構成
されている。
【0025】又、絞り弁9s,10sの絞り量を変更調
節可能な調節手段Bを設け、エンジン回転数が高められ
るとブームシリンダ5c等の油圧アクチュエータの駆動
速度が速くなり、エンジン回転数が低められると油圧ア
クチュエータの駆動速度が遅くなるように、第2ポテン
ショメータ27と調節手段Bとを連係する速度制御手段
Eを制御装置26に備えてある。
【0026】調節手段Bは、各コンペンセータ11,1
2がわの各低圧油路11t,12tと第1低圧油路14
tとを電磁高速応答弁28を介して接続させることから
構成されている。そして、電磁高速応答弁28は、通常
位置bでは各低圧側油路14t,11t,12tを連通
し、高圧位置aではコンペンセータがわの両低圧側油路
11t,12tと高圧がわの第2油路15とが連通油路
21aによって連通される2位置切換弁構造に構成され
ている。
【0027】電磁高速応答弁28の作動によってコンペ
ンセータ11,12の低圧側油路11t,12tに作用
する油圧をアクチュエータ5c,6cの負荷圧とポンプ
の吐出圧との中間値に設定できて、コンペンセータ1
1,12による差圧維持作用によってコンペンセータ1
1,12への供給圧を、電磁高速応答弁28が通常位置
bにある場合よりも高めるようになる。すると、第1低
圧側油路14tと油圧ポンプ18の吐出圧との差圧を一
定に維持する機能上、コンペンセータ11,12の上手
側にある絞り弁9s,10sでの差圧低めるように、す
なわち絞り弁9s,10sの絞り量を小さく、つまりは
制御弁9,10の開度を小さくするように制御され、そ
の結果、アクチュエータ5c,6cへの供給油量が減じ
られて駆動速度が遅くなるのである。この作用は、負荷
圧とポンプ差圧との差圧に基づく制御構造上、負荷が変
動しても維持される。
【0028】逆に、コンペンセータ11,12への供給
圧を低くすると、絞り弁9s,10sでの差圧高めるよ
うに、すなわち絞り弁9s,10sの絞り量を大きく、
すなわち制御弁9,10の開度を大きくするように制御
され、アクチュエータ5c,6cへの供給油量が増大し
て駆動速度が速くなる。
【0029】そして、エンジン19の回転数を検出する
第2ポテンショメータ27と、電磁高速応答弁28と、
間欠作動時間のデューティー比を可変調節する設定器3
9と、自動制御モードと手動制御モードとの切換スイッ
チ40とを制御装置26に接続して、コンペンセータ1
1,12での分圧を変更設定するように構成されてい
る。つまり、前記分圧の変更によって、絞り弁9s,1
0sの開度を変更調節可能な調節手段Bが構成されてい
るのである。調節手段Bは、高圧位置aに復帰付勢され
る電磁高速応答弁28を、油圧ポンプ18の吐出油路で
ある高圧油路に接続させる通常位置bに操作するための
通電を間欠的に行う間欠作動と、その間欠時間を可変設
定する間欠制御を行う機能を有している。
【0030】速度制御手段Eの作用を図4を参照して説
明すれば、先ず、切換スイッチ40を自動制御モードに
操作して電磁高速応答弁28への通電を間欠的に行わせ
るとともに、その間欠時間の1サイクル中における通電
時間割合、すなわちデューティー比をエンジン19の回
転数が低いと小にするように連係される。これにより、
掘削作業中に旋回速度を遅くしたいといった場合にはア
クセルレバー24を操作してエンジン回転数を低くすれ
ば良く、逆に駆動速度を速くしたい場合にはエンジン回
転数を高くすれば良い。
【0031】又、アクチュエータの駆動速度を意図的に
変更したい場合には、切換スイッチ40を手動操作モー
ドに操作して、第2ポテンショメータ27と制御装置2
6との連係を絶つ。すると、デューティー比が設定器3
9によって決定される状態になり、その設定器39の人
為操作によってコンペンセータ11,12への供給圧
を、アクチュエータ5c,6cの負荷圧とポンプ吐出圧
との間の任意の値に設定でき、アクチュエータ5c,8
cの駆動速度をエンジン回転数とは無関係に調節するこ
とができる。
【0032】図3、図4に示すように、圧力スイッチ4
5によって第2油路15の圧を連続して検出し、かつ、
その時間経過も測定し続けることにより、圧の変化率を
継続して算出する変化率算出手段Fを備えてあり、この
変化率算出手段Fによる算出値が、予め設定された第1
所定値以上であれば油圧アクチュエータは作動してお
り、かつ、第1所定値未満であれば油圧アクチュエータ
は停止していると夫々見なすように作動検出手段Dが機
能するように構成されている。
【0033】又、第2油路15の圧の絶対値が第2所定
値以上になった場合でも、作動検出手段Dが検出作動す
るように構成されている。すなわち、圧力スイッチ45
の検出圧が第2所定値以上であれば油圧アクチュエータ
は作動しており、かつ、第2所定値未満であれば油圧ア
クチュエータは停止していると判断される。尚、油圧ア
クチュエータYとしてはブームシリンダ5cの他、走行
用モータ31,33やバケットシリンダ7cでも良い。
【0034】つまり、第2油路15の検出圧変動が、例
えば図5に示すようなラインkであったとすると、α部
分、β部分では第2油路15の変化率が第1所定値(図
の矢印の勾配に相当する)よりも大きいので、正のしき
い値asを越えていないβ部分でも油圧アクチュエータ
が動いているという正しい判断が行える。そこで、操作
レバーを少し動かしてのブーム下げのような場合では、
検出圧が徐々に変化するγ部分となり、その場合の変化
率からは油圧アクチュエータは停止していることになる
が、検出負圧が負のしきい値bsを越えているので、結
果として油圧アクチュエータは動いているという正しい
判断が行えるようになる。つまり、正負のしきい値a
s,bsが第2所定値に相当しており、変化率と圧の絶
対値との双方から判断されるのである。
【0035】加えて、図3、図4に示すように、第2油
路15の油温を検出する油温センサ53を設け、それに
よる検出油温が低いと第2所定値を大なる側に、かつ、
検出油温が高いと第2所定値を小なる側に修正するよう
に制御する絶対値補正手段Gを備えてある。つまり、作
動油の粘性が大であれば第2油路15の検出圧が実際よ
りも高くなり、かつ、粘性が小であれば実際よりも低く
なる性質があり、その粘性は油温が高いと小に、かつ、
油温が低いと大になるものである。従って、絶対値補正
手段Gの機能により、例えば、寒いときには絶対しきい
値が大きくなるので、冬季のエンジン始動直後で略アイ
ドリング(AI回転数)状態であるにも拘らずに、高い
粘性によって検出圧が正のしきい値asを越えてしま
い、油圧アクチュエータが作動していることになってエ
ンジンが高回転数になる、といった不都合が生じないよ
うになる。
【0036】〔別実施形態〕図6に示すように、高速応
答弁28に代えて、流量制御弁14のバネ14bの基端
側位置を可変可能な電動シリンダ54を設けて調節手段
Bを構成した油圧回路でも良い。この回路の場合でも、
第2油路15の圧の変化率、及び絶対値との双方から油
圧アクチュエータの作動及び停止を総合的に判断するよ
うになっている。
【0037】第2油路15の圧は、中立状態ではアンロ
ード弁41を開通するアンロード圧(例えば、20kg/cm
)となり、このアンロード圧は第1油路14tの圧で
あるゲイン圧を僅かに上回るものであるため、ポンプ吐
出量は最低に維持されるようになる。ところが、始動直
後でのエンジン回転のバラツキや油圧回路の固体差等に
よる不都合のおそれがある。すなわち、図6の油圧回路
では、エンジン回転数が下がればゲイン圧も下がって油
圧アクチュエータの速度が遅くなり、エンジン回転数が
上がればゲイン圧も上がって油圧アクチュエータの速度
が速くなるように制御されるので、アンロード弁41の
アンロード圧も変化することになる。
【0038】アンロード圧は理論上は一定の値に維持さ
れるはずであるが、実際にはエンジン回転数に比例した
振動波形を呈するようになり、例えば、基準アンロード
圧が20kgであるとしても、図7に示すラインqのよ
うに変化することがある。すなわち、図7のグラフにお
けるイ部分は、エンジン始動直後等によってエンジン回
転数が所定値より低いのでゲイン圧も低くなり、アンロ
ード圧も小さくなる。ここで、アンロード弁41のバネ
41aの付勢圧を6kgとし、設定ゲイン圧が14kg
で基準アンロード圧が20kgとすると、イ部分ではゲ
イン圧が例えば4kgとなってアンロード圧は10kg
となる(図8参照)。
【0039】図7のグラフのロ部分では、ゲイン圧が1
0kgでアンロード圧が16kgであり、油圧アクチュ
エータが作動しているハ部分では、図8に示すように、
ゲイン圧が24kgでアンロード圧は30kgになると
いった具合に、アンロード圧が絶えず変化するので、制
御上好ましくない。特に、冬季等の寒いときには作動油
の粘性が大となって、本来イ部分となる筈が破線で示す
ニ部分、すなわちゲイン圧が高く(18kg)なり、検
出アンロード圧(24kg)が基準アンロード圧(20
kg)を越えてしまい、油圧アクチュエータが停止して
いるのにエンジン回転数がアクセルレバー24通りの回
転数に上がるというAI/Sの誤作動を招くことがあ
る。
【0040】そこで、自動的にエンジン回転数を最小
(アイドリング)から最大(フルアクセル)まで操作
し、かつ、そのときのゲイン圧を検出し、適宜の回転数
におけるゲイン圧の最小値、最大値、及び平均値を算出
することにより、旋回1速や2速時、或いはドーザ作業
時といった各使用状態でのアンロード圧をその都度更新
して記憶することにより、機械や個体差に起因したアン
ロード圧のバラツキや不都合を無くすアンロード圧補正
手段Hを設けておけば好都合である(図4の仮想線参
照)。
【0041】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】バックホウの側面図
【図2】油圧回路の概略全体図
【図3】AI/S付きLS/Sの原理を示す部分油圧回
路図
【図4】図3に基づく制御ブロック図
【図5】第2油路の検出圧変動の一例を示すグラフ
【図6】別構造の調節手段を採用した部分油圧回路図
【図7】アンロード圧のバラツキ例を示すグラフ
【図8】ゲイン圧とアロード圧との関係を示す図表
【符号の説明】
8 油圧ポンプ 9 制御弁 9s 絞り弁 9p 圧油供給ポート 13 流量調節機構 14t 第1油路 15 第2油路 20 エンジン回転数調節手段 22 電気アクチュエータ 24 アクセル操作具 25 操作検出手段 53 油温センサ A 負荷制御手段 C アクセル制御装置 D 作動検出手段 Y 油圧アクチュエータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀井 啓司 大阪府堺市石津北町64番地 株式会社ク ボタ 堺製造所内 (56)参考文献 特開 平5−132976(JP,A) 特開 平7−42704(JP,A) 特開 平4−203502(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02F 9/20 - 9/22 F15B 11/00 F02D 29/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油圧アクチュエータ(Y)と、可変容量
    型の油圧ポンプ(8)と、前記アクチュエータ(Y)へ
    の圧油供給経路に対する絞り弁(9s)を内装した制御
    弁(9)と、前記油圧ポンプ(8)の単位時間当たりの
    吐出量を可変設定する流量調節機構(13)とを備え、
    前記絞り弁(9s)に対する圧油供給下手側部分に連通
    する第1油路(14t)と、前記制御弁(9)の圧油供
    給ポート(9p)に連通する第2油路(15)との差圧
    を所定値に維持するように前記流量調節機構(13)を
    操作する負荷制御手段(A)を備え、 人為操作されるアクセル操作具(24)の操作量を電気
    的に検出する操作検出手段(25)と、エンジン回転数
    調節手段(20)を駆動操作する電気アクチュエータ
    (22)と、前記油圧アクチュエータ(Y)が作動して
    いるか否かを、前記第2油路(15)の圧変動によって
    検出する作動検出手段(D)とを設け、前記油圧アクチ
    ュエータ(Y)の停止時にはエンジン回転数をアイドリ
    ング側に変更操作するとともに、前記油圧アクチュエー
    タ(Y)の作動時にはエンジン回転数を前記アクセル操
    作具(24)による設定値に操作する状態に連係するア
    クセル制御手段(C)を備え、 前記作動検出手段(D)を、前記第2油路(15)の圧
    の変化率が第1所定値以上になると検出作動するものに
    構成してある建機の油圧回路。
  2. 【請求項2】 前記第2油路(15)の圧の絶対値が第
    2所定値以上になると前記作動検出手段(D)が検出作
    動するように構成されている請求項1に記載の建機の油
    圧回路。
  3. 【請求項3】 前記第2油路(15)の油温を検出する
    油温センサ(53)を設け、それによる検出油温が低い
    と前記第2所定値を大なる側に、かつ、検出油温が高い
    と前記第2所定値を小なる側に修正するように制御する
    絶対値補正手段を備えてある請求項2に記載の建機の油
    圧回路。
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