JP5030864B2 - ハイブリッド建設機械の制御装置 - Google Patents
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Description
この発明の目的は、通常はエンジンを高回転で使用する作業領域においても、電動モータで駆動するサブポンプを補助的に使用することにより、エンジンの回転数を下げられるようにして、上記従来の問題を解決した装置を提供することである。
さらに、第1及び第2の発明によれば、サブポンプのアシスト流量は、メインポンプの吐出圧とロードセンシング回路の最高負荷圧との差圧に基づいて制御するようにしているので、サブポンプの吐出量は、ロードセンシング回路が要求する流量の範囲内に抑えることができる。したがって、必要以上の流量を供給しなくてすみ、その分、省エネルギー化を図ることができる。
精巧な地ならしをする場合に、もし、サブポンプのアシスト流量を多くすれば、操作弁を少し操作しただけで大流量が供給されてしまう。そのために、オペレータは、当該操作弁に接続したアクチュエータの細かな制御ができなくなる。しかし、第3の発明の場合には、サブポンプによるアシスト流量を活用しながら、当該アクチュエータを細かく制御することができる。
そして、上記ロードセンシング回路LSは、可変容量型のメインポンプMPに接続しているが、このメインポンプMPはエンジンEの駆動力で回転するもので、このメインポンプMPにはその傾転角を制御するレギュレータ1を設けている。
上記レギュレータ1には、吐出圧導入ライン2を介してメインポンプMPの吐出圧が導かれるとともに、負荷圧導入ライン3を介してロードセンシング回路LSの最高負荷圧が導かれるようにしている。このようにしたレギュレータ1は、上記吐出圧と最高負荷圧との差圧が一定に保たれるようにメインポンプMPの傾転角を制御するものである。
なお、図中符号6はエンジンEの回転力で発電するジェネレータで、エンジンEの余剰出力で発電するものである。
上記可変容量型のサブポンプSPは、発電機兼用の電動モータMGの駆動力で回転するが、この電動モータMGの駆動力によって、可変容量型のアシストモータAMも同軸回転する構成にしている。そして、上記電動モータMGにはインバータIを接続するとともに、このインバータIをコントローラCに接続し、このコントローラCで電動モータMGの回転数等を制御できるようにしている。
また、上記サブポンプSPには合流通路7を設けているが、サブポンプSPはこの合流通路7を介してメインポンプMPの吐出側に連通するものである。そして、この合流通路7には、サブポンプSPからメインポンプMPの吐出側への流通のみを許容するチェック弁8を設けている。
上記の状態から旋回モータ制御用の操作弁を例えば一方の方向に切り換えると、上記一方の通路9がメインポンプMPに接続され、他方の通路10がタンクに連通する。したがって、通路9から圧力流体が供給されて旋回モータRMが回転するとともに、旋回モータRMからの戻り流体が通路10を介してタンクに戻される。
旋回モータ制御用の操作弁を上記とは反対方向に切り換えると、今度は、通路10にメインポンプMPからの吐出流体が供給され、通路9がタンクに連通し、旋回モータRMは逆転することになる。
反対に、ブーム制御用の操作弁を上記とは反対方向に切り換えると、メインポンプMPからの圧力流体は、通路16を経由してブームシリンダBCのロッド側室15に供給されるとともに、そのピストン側室14からの戻り流体は通路13を経由してタンクに戻され、ブームシリンダBCは収縮することになる。
上記のようにしたブームシリンダBCのピストン側室14とブーム制御用の操作弁とを結ぶ通路13には、コントローラCで開度が制御される比例電磁弁17を設けている。なお、この比例電磁弁17はそのノーマル状態で全開位置を保つようにしている。
さらに、ブームシリンダBCと上記比例電磁弁17との間には、接続用通路18に連通する導入通路25を接続するとともに、この導入通路25にはコントローラCで制御される電磁開閉弁26を設けている。なお、この電磁開閉弁26はノーマル状態で閉位置を保つようにしている。
上記のようにアシストモータAMは、導入通路19,25及び接続用通路18を介して、旋回モータRM及びブームシリンダBCのそれぞれに連通しているので、それら両アクチュエータから供給される圧力流体でこのアシストモータAMを回転させることができる。
上記コントローラCは、次の機能を備えている。すなわち、当該メインポンプMPの最大容量、例えば定格容量をあらかじめ記憶するとともに、メインポンプMPの傾転角からその吐出量を演算する機能を備えている。また、図3に示すようにサブポンプSPの最大アシスト流量Qmaxを予め記憶し、この最大アシスト流量Qmaxの範囲内で、サブポンプSPのアシスト流量Qを制御する。このように最大アシスト流量Qmaxの範囲内でサブポンプSPの吐出量を制御するが、そのアシスト流量Qは、サブポンプSPの傾転角や電動モータMGの回転数などによって決まる。そして、コントローラCは、サブポンプSPの傾転角や電動モータMGの回転数を制御するが、どのような制御をするのが最も効率的かを判断して、サブポンプSPの傾転角や電動モータMGの回転数を制御するようにしている。
メインポンプMPの吐出量が、上記最大容量を超えていなければ、言い換えれば、最大容量以内なら、コントローラCは、メインポンプMPが、ロードセンシング回路LSの要求流量を吐出する余力があるものと判断して、サブポンプSPのアシスト流量Qをゼロに設定する(ステップS3)。なお、サブポンプSPのアシスト流量Qをゼロにするためには、電動モータMGを回転させながら、コントローラCが傾角制御器Sdを制御してサブポンプSP傾転角をゼロにしてもよいし、コントローラCがインバータIを制御して電動モータMGの回転を停止してもよい。
電動モータMGの回転を止める場合には、消費電力を節約できるという効果があり、電動モータMGを回転し続けた場合には、サブポンプSPおよびアシストモータAMも回転し続けるので、当該サブポンプSPおよびアシストモータAMの起動時のショックを少なくできるという効果がある。いずれにしても、電動モータMGを止めるかあるいは回転し続けるかは、当該建設機械の用途や使用状況に応じて決めればよいことである。
このときのサブポンプSPの吐出量は、図3に示すように、メインポンプMPの吐出圧PPとロードセンシング回路LSの最高負荷圧PLとの差圧に応じて制御される。すなわち、コントローラCは、圧力センサーPS1,PS2から入力した圧力信号に基づいて、上記吐出圧PPと最高負荷圧PLとの差を演算する。
そして、上記差圧が小さくなるにしたがって、コントローラCは、ロードセンシング回路LSの要求流量に対してメインポンプMPの余力が小さくなっていくものとして、サブポンプSPによるアシスト流量を増やしていく。
なお、図3において、差圧が小さい一定の範囲内において最大アシスト流量Qmaxを維持するようにしたが、これは差圧が小さい一定範囲では、なるべく多くのアシスト流量を確保するようにしたものである。ただし、このような配慮が不要であれば、差圧ゼロのときに最大アシスト流量Qmaxとし、そこから差圧が大きくなるにしたがってアシスト流量QをQminに近づけるようにしてもよい。
そして、上記アシスト流量Q、パワー制御値およびトルク制御値に基づいて、コントローラCは、サブポンプSPの傾転角や電動モータMGの回転数を制御する(ステップS7)。
つまり、図4は、エンジンEが高回転のときには、アシスト流量Qを相対的に多くし、エンジンEが低回転のときには、アシスト流量Qを相対的に少なくする制御である。
上記のような問題を解消するために、コントローラCがエンジンEの回転数を検出して、その回転数に応じて、図4に示すように、エンジン高回転モードとエンジン低回転モードとを選択できるようにしたものである。つまり、エンジン低回転モードを選択したときには、上記した精巧な制御ができるようにしたものである。
上記旋回モータRMが旋回している最中に旋回モータ用の操作弁を中立位置に切り換えると、前記したように通路9,10間で閉回路が構成されるとともに、ブレーキ弁11あるいは12が当該閉回路のブレーキ圧を維持して、慣性エネルギーを熱エネルギーに変換する。
そして、圧力センサー23は上記旋回圧あるいはブレーキ圧を検出するとともに、その圧力信号をコントローラCに入力する。コントローラCは、旋回モータRMの旋回あるいはブレーキ動作に影響を及ぼさない範囲内であって、ブレーキ弁11,12の設定圧よりも少し低い圧力を検出したとき、電磁切換弁22を閉位置から開位置に切り換える。このように電磁切換弁22が開位置に切り換れば、旋回モータRMに導かれた圧力流体は、導入通路19に流れるとともに安全弁24および接続用通路18を経由してアシストモータAMに供給される。
すなわち、通路9あるいは10の圧力は、旋回動作あるいはブレーキ動作に必要な圧力に保たれていなければ、旋回モータRMを旋回させたり、あるいはブレーキをかけたりできなくなる。
そこで、上記通路9あるいは10の圧力を、上記旋回圧あるいはブレーキ圧に保つために、コントローラCはアシストモータAMの傾転角を制御しながら、この旋回モータRMの負荷を制御するようにしている。つまり、コントローラCは、圧力センサー23で検出される圧力が上記旋回モータRMの旋回圧あるいはブレーキ圧とほぼ等しくなるように、アシストモータAMの傾転角を制御する。
また、上記アシストモータAMの回転力でサブポンプSPの回転力をアシストすることもできるが、このときには、アシストモータAMとサブポンプSPとが相まって圧力変換機能を発揮する。
すなわち、上記アシストモータAMの出力は、1回転当たりの押しのけ容積Q1とそのときの圧力P1の積で決まる。また、サブポンプSPの出力は1回転当たりの押しのけ容積Q2と吐出圧P2の積で決まる。そして、この実施形態では、アシストモータAMとサブポンプSPとが同軸回転するので、Q1×P1=Q2×P2が成立しなければならない。そこで、例えば、アシストモータAMの上記押しのけ容積Q1を上記サブポンプSPの押しのけ容積Q2の3倍すなわちQ1=3Q2にしたとすれば、上記等式が3Q2×P1=Q2×P2となる。この式から両辺をQ2で割れば、3P1=P2が成り立つ。
ただし、アシストモータAMの傾転角は、上記したように通路9,10の圧力を旋回圧あるいはブレーキ圧に保つように制御される。したがって、旋回モータRMからの流体を利用する場合には、アシストモータAMの傾転角は必然的に決められることになる。このようにアシストモータAMの傾転角が決められた中で、上記した圧力変換機能を発揮させるためには、サブポンプSPの傾転角を制御することになる。
また、接続用通路18に流体の漏れが生じたときには、安全弁24が機能して通路9,10の圧力が必要以上に低くならないようにして、旋回モータRMの逸走を防止する。
上記のように比例電磁弁17を閉じて電磁開閉弁26を開位置に切り換えれば、ブームシリンダBCの戻り流体の全量がアシストモータAMに供給される。しかし、アシストモータAMで消費する流量が、オペレータが求めた下降速度を維持するために必要な流量よりも少なければ、ブームシリンダBCはオペレータが求めた下降速度を維持できない。このようなときには、コントローラCは、上記操作弁の操作量、アシストモータAMの傾転角や電動モータMGの回転数などをもとにして、アシストモータAMが消費する流量以上の流量をタンクに戻すように比例電磁弁17の開度を制御し、オペレータが求めるブームシリンダBCの下降速度を維持する。
一方、電動モータMGに対して電力を供給せず、上記アシストモータAMの回転力だけで、サブポンプSPを回転させることもできるが、このときには、アシストモータAMおよびサブポンプSPが、上記したのと同様にして圧力変換機能を発揮する。
上記のように旋回モータRMを旋回させながら、ブームシリンダBCを下降させるときには、旋回モータRMからの流体と、ブームシリンダBCからの戻り流体とが、接続用通路18で合流してアシストモータAMに供給される。
また、前記したように導入通路19側の圧力が旋回圧あるいはブレーキ圧よりも低くなれば、コントローラCは、圧力センサー23からの圧力信号に基づいて電磁切換弁22を閉じる。
したがって、旋回モータRMの旋回動作とブームシリンダBCの下降動作とを上記のように同時に行うときには、上記旋回圧あるいはブレーキ圧にかかわりなく、ブームシリンダBCの必要下降速度を基準にしてアシストモータAMの傾転角を決めればよい。
また、メインポンプMPの最大容量を小さくするとともに、その最大容量を小さくした分サブポンプSPの吐出量で補うようにすれば、メインポンプMPを駆動するエンジンEの回転数を落とすことができ、その分、エンジンEによる騒音も低く抑えることができる。
なお、上記実施形態では、操作弁V1〜V6と圧力補償弁C1〜C6とが、いわゆるアフターオリフィスの関係にあるが、それらがビフォーオリフィスの関係にあってもよいことは当然である。
LS ロードセンシング回路
E エンジン
1 レギュレータ
C コントローラ
SP サブポンプ
MG 電動モータ
Sd 傾角制御器
Claims (3)
- エンジンの駆動力で回転する可変容量型のメインポンプと、このメインポンプの傾転角を制御するレギュレータと、メインポンプに接続するとともに、複数のアクチュエータに対応した複数の操作弁を備え、これら各アクチュエータの最高負荷圧を検出するロードセンシング回路とを備え、上記メインポンプの最大容量の範囲内でポンプ吐出圧とロードセンシング回路の最高負荷圧との差圧を一定に保つロードセンシング制御装置を備えた建設機械の制御装置において、上記メインポンプの吐出側に、電動モータの出力で駆動する可変容量型のサブポンプを接続するとともに、このサブポンプにはその傾転角を制御する傾角制御器を設け、この傾角制御器を制御するコントローラを設ける一方、このコントローラは、メインポンプの最大容量を記憶するとともに、メインポンプの傾転角に応じてそのポンプ吐出量を判定する一方、メインポンプの吐出圧とロードセンシング回路の最高負荷圧との差圧を検出し、かつ、メインポンプの吐出量が上記最大容量に達しているかどうかを判定し、上記最大容量に達しているとき上記サブポンプの吐出量を確保するとともに、メインポンプの吐出圧とロードセンシング回路の最高負荷圧との差圧に応じてサブポンプの吐出量を制御するハイブリッド建設機械の制御装置。
- 上記コントローラは、メインポンプの吐出圧とロードセンシング回路の最高負荷圧とを比較して、その差圧が相対的に小さいときはサブポンプの傾転角を相対的に大きくし、差圧が設定された一定の圧力に近づくにしたがってサブポンプの傾転角を相対的に小さくする請求項1に記載のハイブリッド建設機械の制御装置。
- メインポンプにその駆動源であるエンジンを連係する一方、コントローラは、エンジンの回転数を検出し、予め設定されたエンジンの高回転領域と低回転領域とを記憶する一方、エンジンが高回転領域で回転しているときにサブポンプの傾転角を相対的に大きくする高回転制御パターンと、エンジンが低回転領域で回転しているときにサブポンプの傾転角を相対的に小さくする低回転制御パターンとを記憶するとともに、エンジンが高回転領域で回転しているとき、上記高回転制御パターンを選択して、サブポンプの傾転角を制御し、エンジンが低回転領域で回転しているとき、上記低回転制御パターンを選択して、サブポンプの傾転角を制御する請求項1又は2に記載のハイブリッド建設機械の制御装置。
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